(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記露光は、前記j線(300nm以上340nm以下)の波長の光の光量積分値を減少させるフィルタを用いて遂行される、請求項1に記載の光硬化パターンの形成方法。
前記j線(300nm以上340nm以下)の波長の光の光量積分値の減少が、光源から出射される光に対して20〜80%である、請求項2に記載の光硬化パターンの形成方法。
前記j線のうち、300nm以上330nm未満の波長の光の光量積分値の減少が、光源から出射される光に対して20〜70%である、請求項2に記載の光硬化パターンの形成方法。
前記j線のうち、330nm以上340nm以下の波長の光の光量積分値の減少が、光源から出射される光に対して15〜90%である、請求項2に記載の光硬化パターンの形成方法。
前記光重合開始剤が、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、及びオキシム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1ないし5のいずれかに記載の光硬化パターンの形成方法。
前記光硬化パターンが、アレイ平坦化膜パターン、保護膜パターン、絶縁膜パターン、フォトレジストパターン、ブラックマトリックスパターン、及びコラムスペーサパターンからなる群から選択される、請求項1ないし8のいずれかに記載の光硬化パターンの形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、光硬化パターンの形成方法に関する。より詳しくは、基板の少なくとも一面に感光性樹脂組成物を塗布し、複合波長の光で露光する光硬化パターンの形成方法において、前記露光は、前記光のうち、j線(300nm以上340nm以下)の波長の光の光量積分値を、i線(340nm超過380nm以下)の波長の光の光量積分値に対して5〜20%となるように遂行され、前記感光性樹脂組成物は、
最大吸収波長が325〜340nmの光重合開始剤を含む。これにより、パターンの密着力を向上させて微細パターンの形成が可能であり、それによって高解像度を具現化することができる光硬化パターンを形成することができる。本発明は、このような光硬化パターンの形成方法、それを用いて製造された光硬化パターン、及びそれを備えた画像表示装置に関する。
【0023】
<光硬化パターンの形成方法>
本発明による光硬化パターンの形成方法は、露光段階で照射される光の波長及び光量を調節することで、密着力に優れた微細パターンを形成することができる。
【0024】
より具体的には、本発明は、露光段階でj線(300nm以上340nm以下)の波長の光の光量積分値を適正範囲に減少させ、それと共に
最大吸収波長が325〜340nmの光重合開始剤を用いることで、微細パターンを形成すると共に、パターンの高さも適正範囲に維持され、密着力に優れたパターンを形成することができる。
【0025】
以下、本発明の一具体例を挙げて、より詳細に説明する。
【0026】
塗膜形成段階
先ず、基板の少なくとも一面に感光性樹脂組成物を塗布する。
【0027】
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、
最大吸収波長が325〜340nmの光重合開始剤を含む。これにより、不飽和二重結合間の重合を開始させるラジカルの発生が調節され、微細パターンを形成すると共に、パターンの高さも適正範囲に維持され、密着力に優れたパターンを形成することができる。
【0028】
先ず、感光性樹脂組成物を塗布した後、加熱乾燥することで、溶媒等の揮発成分を除去して平滑な塗膜が得られる。塗布方法としては、例えば、スピンコート、流延塗布法、ロール塗布法、スリットアンドスピンコート又はスリットコート法等によって施されてもよい。
【0029】
塗膜の形成段階をより具体的な例を挙げて説明すると、塗布後に加熱乾燥(プリベーク)、又は減圧乾燥後に加熱して、溶媒等の揮発成分を揮発させて遂行されてもよい。ここで、加熱温度は、一般的には70〜200℃、好ましくは80〜130℃であってよく、加熱乾燥後の塗膜厚さは、一般的には1〜8μm程度であってよい。
【0030】
本発明に用いられる感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、光重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、溶媒(D)とを含んでもよい。
【0031】
アルカリ可溶性樹脂(A)
前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、通常、光や熱の作用による反応性及びアルカリ溶解性を有し、材料の分散媒として機能する。
【0032】
本発明によるアルカリ可溶性樹脂(A)は、下記(A1)及び(A2)を含む化合物が共重合反応で得られる構成単位を有する共重合体であってよい。
(A1):不飽和結合及びカルボキシル基を有する化合物、
(A2):下記化学式1a及び1bからなる群から選択される、エポキシ基及び不飽和結合を有する脂肪族多環状化合物。
【0033】
前記アルカリ可溶性樹脂は、前記単量体以外でも他の単量体を加え、併せて重合することができる。すなわち、前記A1乃至A2以外の単量体が更に含まれて共重合される場合も本発明に含まれる。
【0036】
前記化学式1a及び1bにおいて、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は水酸基で置換されるか又は非置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Xは、それぞれ独立して、単結合又はヘテロ原子を有するか若しくは有しない炭素数1〜6のアルキレン基である。
【0037】
前記不飽和結合及びカルボキシル基を有する化合物(A1)としては、重合が可能な不飽和二重結合を有するカルボン酸化合物であれば制限されることなく用いることができる。
【0038】
前記不飽和結合及びカルボキシル基を有する化合物(A1)は、例えば、不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸又は不飽和トリカルボン酸のような分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸等が挙げられる。
【0039】
前記不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
【0040】
前記不飽和多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0041】
前記多価カルボン酸は、酸無水物であってよく、前記不飽和多価カルボン酸無水物は、例えば、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物等が挙げられる。
【0042】
また、前記不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステル類であってよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリルロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリルロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等が挙げられる。
【0043】
前記不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類であってよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート等が挙げられる。
【0044】
また、前記不飽和多価カルボン酸は、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシル基を有する不飽和アクリレートであってもよく、例えば、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸等が挙げられる。
【0045】
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が共重合反応性の高い点から好ましく用いられる。
【0046】
前記例示した(A1)は、それぞれ単独に又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
前記化学式1a及び1bにおいて、Rは、具体的に、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、2−ヒドロキシイソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等の水酸基含有アルキル基であってもよい。その中でも、Rは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基又は2−ヒドロキシエチル基であることが好ましく、特に、水素原子又はメチル基であることが更に好ましい。
【0048】
前記化学式1a及び1bにおいて、Xは、具体的に、単結合;メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基;オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、チオメチレン基、チオエチレン基、チオプロピレン基、アミノメチレン基、アミノエチレン基、アミノプロピレン基等のヘテロ原子含有アルキレン基であってもよい。その中でも、Xは、単結合、メチレン基、エチレン基、オキシメチレン基又はオキシエチレン基であることが好ましく、特に、単結合又はオキシエチレン基であることが更に好ましい。
【0049】
前記化学式1aで示される化合物の例としては、具体的に、下記化学式1a−1乃至1a−15の化合物が挙げられる。
【0065】
前記化学式1bで示される化合物の例としては、具体的に、下記化学式1b−1乃至1b−15で示される化合物が挙げられる。
【0081】
前記化学式1aで示される化合物及び化学式1bで示される化合物の例として挙げた化合物は、それぞれ単独に又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0082】
前記アルカリ可溶性樹脂(A)において、前記(A1)及び(A2)の共重合体は、前記(A1)及び(A2)の他に、前記(A1)及び(A2)と重合可能な不飽和結合を有する化合物を更に含んでもよい。
【0083】
前記(A1)及び(A2)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物としては、具体的な例として、2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド等の不飽和アミド類;マレイミド、ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;及びポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンのポリマー分子鎖の末端にモノアクリロイル基又はモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等が挙げられる。
【0084】
前述のとおり、前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、(A1)及び(A2)を共重合して得られる共重合体(A1及びA2以外の単量体を更に含んで共重合された場合も本発明に含まれる)である場合、前記共重合体において、(A1)及び(A2)のそれぞれから誘導される構成単位の割合は、前記共重合体を構成する構成単位の合計モル数に対して、モル分率で以下の数値範囲であることが好ましい。
(A1)から誘導される構成単位:5〜75モル%
(A2)から誘導される構成単位:25〜95モル%
【0085】
特に、前記構成単位の割合が、以下の数値範囲であればより好ましい。
(A1)から誘導される構成単位:10〜70モル%
(A2)から誘導される構成単位:30〜90モル%
【0086】
前記構成単位の割合が前記数値範囲であれば、現像性、耐溶剤性、耐熱性、及び機械強度が良好な感光性樹脂組成物の調製が可能になる。
【0087】
前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著、(株)化学同人、第1版第1刷、1972年3月1日発行)に記載の方法及び当該文献に記載の引用文献を参考にして調製することができる。
【0088】
具体的には、共重合体を構成する単位(A1)及び(A2)の所定量と、重合開始剤と、溶剤とを反応容器に投入し、酸素を窒素で置換することで酸素不存在下、撹拌、加熱、保温することにより重合体が得られる。また、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま用いてもよく、濃縮又は希薄した溶液を用いてもよく、再沈殿等の方法により固体(粉体)として抽出したものを用いてもよい。
【0089】
前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、酸価が20〜200(KOHmg/g)の数値範囲であることが好ましい。酸価が前記数値範囲であれば、優れた弾性復元率を有するパターンの製造が可能になる。
【0090】
前記アルカリ可溶性樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、3,000〜100,000であり、好ましくは5,000〜50,000である。前記不飽和基含有樹脂の重量平均分子量が前記数値範囲であれば、現像の際に膜の減少が抑制され、パターン部分の抜け落ち性が良好になるため好ましい。
【0091】
前記アルカリ可溶性樹脂(A)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、1.5〜6.0であることが好ましく、1.8〜4.0であることがより好ましい。前記分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]が前記数値範囲内であれば、現像性に優れるため好ましい。
【0092】
前記アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分に対して、一般的には5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%の範囲である。アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量が前記基準で5〜90質量%であれば、現像液への溶解性が十分であり現像性に優れ、優れた弾性回復率を有し、且つ外部圧力による変形が少ない硬い特性を有するパターンの製造が可能になる。
【0093】
光重合性化合物(B)
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物(B)は、光及び後述の光重合開始剤(C)の作用により重合することができる化合物であって、単官能性単量体、二官能性単量体、その他の多官能性単量体等が挙げられる。
【0094】
本発明に用いられる光重合性化合物(B)は、組成物の現像性、感度、密着性、表面問題等を改良するために、官能基の構造や官能基数が異なる2個又はそれ以上の光重合性化合物を混合して用いることができ、その範囲は限定されない。単官能性単量体の具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。二官能性単量体の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他の多官能性単量体の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中で、二官能以上の多官能性単量体が好ましく用いられる。
【0095】
前記光重合性化合物(B)は、組成物の固形分を基準とし、アルカリ可溶性樹脂(A)及び光重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、1〜90質量部、好ましくは10〜80質量部の範囲で用いられる。光重合性化合物(B)が前記基準の数値範囲であれば、パターンの強度や平滑性が良好になるため好ましい。
【0096】
光重合開始剤(C)
本発明に用いられる光重合開始剤(C)は、前述した
最大吸収波長範囲(325〜340nm)を満たすものであれば、その種類及び含有量が特に限定されることはない。例えば、公知の光重合開始剤を1種以上組み合わせてその成分比を調節し、本発明の目的の
最大吸収波長範囲を満たすようにしてもよい。
【0097】
より具体的な例としては、前記光重合開始剤(C)は、トリアジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、及びオキシム系化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を用いることができる。
【0098】
前記光重合開始剤(C)を含む感光性樹脂組成物は高感度であり、露光の際に微細パターンを具現することができ、それを用いてパターンを形成した場合、強度や表面平滑性が良好になる。
【0099】
前記トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0100】
前記アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられる。
【0101】
また、前記アセトフェノン系化合物としては、例えば、下記化学式41で示される化合物が挙げられる。
【0103】
前記化学式41において、R
1〜R
4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基で置換され得るフェニル基、炭素数1〜12のアルキル基で置換され得るベンジル基、又は炭素数1〜12のアルキル基で置換され得るナフチル基を示す。
【0104】
前記化学式41で示される化合物の具体的な例としては、2−メチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−エチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−プロピル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−ブチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−メチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−エチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−エチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−2−メチルアミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−ジメチルアミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−ジエチルアミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン等が挙げられる。
【0105】
前記ビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、4,4’,5,5’位のフェニル基がカルボアルコキシ基で置換されたイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの中で、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが好ましく用いられる。
【0106】
前記オキシム系化合物としては、O−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−O−ベンゾイルオキシム、下記の化学式42、43、及び44等が挙げられる。
【0110】
また、本発明の効果を損なわない程度であれば、この分野において通常用いられるその他の光重合開始剤等を更に併用することもできる。その他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、及びアントラセン系化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独に又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0111】
前記ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
【0112】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
【0113】
前記チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0114】
前記アントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン等が挙げられる。
【0115】
その他、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等がその他の光重合開始剤として挙げられる。
【0116】
また、光重合開始剤(C)として、連鎖移動を起こし得る基を有する光重合開始剤を用いてもよい。このような光重合開始剤としては、例えば、特表2002−544205号公報に記載のものが挙げられる。
【0117】
前記連鎖移動を起こし得る基を有する光重合開始剤としては、例えば、下記化学式45〜50で示される化合物が挙げられる。
【0124】
前記光重合開始剤(C)に光重合開始助剤(C−1)を組み合わせて用いることもできる。前記光重合開始剤(C)と光重合開始助剤(C−1)とを併用すれば、これらを含む感光性樹脂組成物は更に高感度になり、スペーサ形成時の生産性の向上を図ることができるため好ましい。
【0125】
前記光重合開始助剤(C−1)としては、アミン化合物、カルボン酸化合物が好ましく用いられる。
【0126】
前記光重合開始助剤(C−1)中において、アミン化合物の具体的な例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の脂肪族アミン化合物;及び、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香族アミン化合物が挙げられる。この中でも、前記アミン化合物としては、芳香族アミン化合物が好ましく用いられる。
【0127】
前記光重合開始助剤(C−1)中において、カルボン酸化合物の具体的な例としては、フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等の芳香族ヘテロ酢酸類が挙げられる。
【0128】
光重合開始剤(C)は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準とし、1〜30質量部であってよく、好ましくは1〜10質量部であってよい。前記光重合開始剤(C)の使用量が前記数値範囲であれば、感光性樹脂組成物を用いるパターン形成の際に微細パターン及び適正パターン高さを具現することができ、且つ高感度化されて、その組成物を用いて形成されるパターンの強度や平滑性が良好になるため好ましい。
【0129】
溶剤(D)
前記溶剤(D)は、当分野において通常用いられるものであれば、どのようなものであっても制限なく用いることができる。
【0130】
前記溶剤(D)の具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテルのようなエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルメチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;メトキシブチルアルコール、エトキシブチルアルコール、プロポキシブチルアルコール、ブトキシブチルアルコール等のブチルジオールモノアルキルエーテル類;メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、プロポキシブチルアセテート、ブトキシブチルアセテート等のブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート類;メトキシブチルプロピオネート、エトキシブチルプロピオネート、プロポキシブチルプロピオネート、ブトキシブチルプロピオネート等のブタンジオールモノアルキルエーテルプロピオネート類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ピラン等の環状エーテル類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類等が挙げられる。ここで列挙した溶剤(D)は、それぞれ単独に又は2種以上を混合して用いることができる。
【0131】
前記溶剤(D)は、塗布性及び乾燥性を考慮すると、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、ブタンジオールアルキルエーテルアセテート類、ブタンジオールモノアルキルエーテル類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシエチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類を用いてもよく、更に好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシエチルプロピオネート等を用いてもよい。
【0132】
前記溶剤(D)の含有量は、当該溶剤を含む感光性樹脂組成物に対して、質量分率で30〜90質量%、好ましくは40〜85質量%の量で含まれてもよい。溶剤(D)の含有量が前記数値範囲であれば、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(「ダイコーター」、「カーテンフローコーター」と称する場合もある)、インクジェット等の塗布装置で塗布した時、塗布性が良好になるため好ましい。
【0133】
前述した本発明による感光性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、硬化剤、レベリング剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、連鎖移動剤等の添加剤(E)を更に含んでもよい。
【0134】
前記充填剤の具体的な例としては、ガラス、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
【0135】
前記他の高分子化合物の具体的な例としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂等の硬化性樹脂;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0136】
前記硬化剤は、深部硬化及び機械的強度を高めるために用いられ、硬化剤の具体的な例としては、エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。
【0137】
前記硬化剤でエポキシ化合物の具体的な例としては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、その他の芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、又はこのようなエポキシ樹脂のブロム誘導体、エポキシ樹脂及びそのブロム誘導体以外の脂肪族、脂環族又は芳香族エポキシ化合物、ブタジエン(共)重合体エポキシ化合物、イソプレン(共)重合体エポキシ化合物、グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
【0138】
前記硬化剤でオキセタン化合物の具体的な例としては、カーボネートビスオキセタン、キシレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン等が挙げられる。
【0139】
前記硬化剤は、当該硬化剤と共に、エポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合させることができる硬化補助化合物を併用することができる。前記硬化補助化合物としては、例えば、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤等が挙げられる。
【0140】
前記カルボン酸無水物類は、エポキシ樹脂硬化剤として市販されるものを利用することができる。前記エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、商品名アデカハードナーEH−700(アデカ工業(株)製)、商品名リカシッドHH(新日本理化(株)製)、商品名MH−700(新日本理化(株)製)等が挙げられる。前記において例示した硬化剤は、単独に又は2種以上を混合して用いることができる。
【0141】
前記レベリング剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、エステル系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性等の界面活性剤等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0142】
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、第三級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等以外に、商品名として、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(EFKA CHEMICALS社製)、PB821(味の素(株)製)等が挙げられる。
【0143】
前記密着促進剤としては、シラン系化合物が好ましく、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0144】
前記酸化防止剤としては、具体的に、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
【0145】
前記紫外線吸収剤として、具体的には、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0146】
前記凝集防止剤としては、具体的には、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
【0147】
前記連鎖移動剤としては、具体的には、ドデシルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0148】
露光段階
感光性樹脂組成物を塗布して形成された塗膜に目的のパターンを形成するために、マスクを介して光を露光する段階を遂行する。
【0149】
本発明による露光は、複合波長の光を用いて、前記光のうち、j線(300nm以上340nm以下)の波長の光の光量積分値を、i線(340nm超過380nm以下)の波長の光の光量積分値に対して5〜20%となるように遂行され、好ましくは10〜19%となるように調節して遂行されてもよい。また、光源から出射されるj線(300nm以上340nm以下)の光100%に対して、20〜80%となるように減少させて遂行されてもよい。
【0150】
前記数値範囲に光量値を調節した場合、塗膜の深部に到逹する光を減少させて光重合開始剤の活性を適正範囲に維持し、微細パターンを形成することができる。また、パターン高さも適正範囲を維持し、密着力に優れたパターンを具現することができる。その一方で、光量値をi線(340nm超過380nm以下)の波長の光の光量積分値に対して5%未満に減少させた場合、光重合開始剤の分解を促進し難いのでパターンの形成が困難であり、20%を超過した場合、逆に光重合開始剤の分解が多くなるため微細パターンを具現し難いことがある。
【0151】
前記露光は、複合波長の光のうち、300nm以上330nm未満の波長の光の光量積分値を、光源から出射される光に対して20〜70%に減少させて遂行されてもよい。前記j線のうち、300nm以上330nm未満の波長の光の光量積分値を前記数値範囲に調節することで、塗膜の深部に到逹する光を減少させて光重合開始剤の活性を適正範囲に調節し、微細パターンを形成することができる。
【0152】
前記露光は、複合波長の光のうち、330nm以上340nm以下の波長の光の光量積分値を、光源から出射される光に対して15〜90%に減少させて遂行されてもよい。前記j線のうち、330nm以上340nm以下波長の光の光量積分値を前記範囲に調節することで、塗膜の深部に到逹する光を減少させて光重合開始剤の活性を適正範囲に調節し、微細パターンを形成することができる。
【0153】
前記露光で、前記j線(300nm以上340nm以下)波長の光の光量積分値は、フィルタを用いることで前述した範囲に減少させることができ、前記フィルタは、光源と塗膜との間に配置され、光源から出射される光の光量を減少させることができる。
【0154】
前記露光段階は、前述した波長の光の光量範囲が調節された光線を露光部全体に均一に照射して遂行されてもよく、且つマスクと基板との正確な位置合わせが実施されるように、マスクアライナやステッパ等の装置を用いることが好ましい。光を照射すると、光が照射された部位の硬化が行われる。
【0155】
現像段階
本発明の光硬化パターンの形成方法は、露光を経て硬化された塗膜を現像する段階を更に備えても良い。
【0156】
前記現像段階は、硬化が終了した塗膜を現像液に接触させて遂行され、非露光部を溶解させて目的のパターンを形成することができる。
【0157】
前記現像方法は、液添加法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。また、現像の際に基板を任意の角度に傾斜させてもよい。
【0158】
前記現像液は、通常、アルカリ性化合物及び界面活性剤を含む水溶液である。
【0159】
前記アルカリ性化合物は、無機及び有機アルカリ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の具体的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。また、有機アルカリ性化合物の具体的な例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。これら無機及び有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独に又は2種以上組み合わせて用いることができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
【0160】
前記アルカリ現像液中の界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、又はカチオン系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。
【0161】
前記ノニオン系界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0162】
前記アニオン系界面活性剤の具体的な例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類等が挙げられる。
【0163】
前記カチオン系界面活性剤の具体的な例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等のアミン塩又は第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0164】
これら界面活性剤は、それぞれ単独に又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0165】
前記現像液中の界面活性剤の濃度は、一般的には0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0166】
現像後洗浄して、更に必要に応じて150〜230℃で10〜60分のポストベークを実施することができる。
【0167】
<光硬化パターン及び画像表示装置>
本発明は、前述した本発明による光硬化パターンの形成方法で製造された光硬化パターン及び前記光硬化パターンを有する画像表示装置に関する。
【0168】
本発明のパターン形成方法によって製造された光硬化パターンは、密着力に優れ、高解像度の具現が可能である。それによって、画像表示装置における各種パターン、例えば、接着剤層、アレイ平坦化膜、保護膜、及び絶縁膜パターン等として用いられ得、フォトレジスト、ブラックマトリックス、及びコラムスペーサパターン等として用いられ得るが、これらに限定されるものではなく、特に、優れた現像性及び機械的特性を有するため、スペーサパターンとして非常に好ましい。
【0169】
このような光硬化パターンを備えた画像表示装置としては、液晶表示装置、OLED、フレキシブルディスプレイ等があり得るが、これらに限定されるものではなく、適用可能な当分野で公知となったあらゆる画像表示装置を例として挙げられる。
【0170】
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例によって詳細に説明する。
【0171】
合成例1:アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えたフラスコを準備した。その一方で、モノマー滴下ロートに、3,4−エポキシトリシクロデカン−8−イル(メタ)アクリレート(化学式1)と3,4−エポキシトリシクロデカン−9−イル(メタ)アクリレート(化学式2)との混合物(モル比50:50)を40質量部、メチルメタクリレートを50質量部、アクリル酸を40質量部、ビニルトルエンを70質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を40質量部投入した後に撹拌混合したものを準備した。連鎖移動剤滴下槽に、n−ドデカンチオールを6質量部、PGMEAを24質量部投入して撹拌混合したものを準備した。次に、フラスコにPGMEAを395質量部加えてフラスコ内の雰囲気を空気から窒素に置換した後、撹拌しながらフラスコの温度を90℃まで昇温させた。次いで、モノマー及び連鎖移動剤を滴下ロートから滴下し始めた。滴下は、90℃を維持しながらそれぞれ2時間行い、1時間後、110℃に昇温して5時間維持することで、固形分の酸価が75mgKOH/gである樹脂(A−1)を得た。GPCによって測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は17,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0172】
合成例2:アルカリ可溶性樹脂(A−2)の合成
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを加え、フラスコ内の雰囲気を空気から窒素にした。その後、100℃に昇温してから、(A−2−1)トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(FA−513M;日立化成(株)製)を66.0g(0.3モル)、(A−2−2)α−メチルスチレンを35.0g(0.30モル)、(A−2−3)アクリル酸を28.8g(0.40モル)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを136g含む混合物に、アゾビスイソブチロニトリルを3.6g添加した溶液を滴下ロートから2時間に亘ってフラスコに滴下し、100℃で更に5時間撹拌し続けた。次いで、フラスコ内の雰囲気を窒素から空気にし、(A−2−4)グリシジルメタクリレートを42.0g(0.28モル)、トリスジメチルアミノメチルフェノールを0.9g、及びヒドロキノンを0.145gフラスコ内に投入して110℃で6時間反応を続けた。これにより、固形分の酸価が170.7mgKOH/gである樹脂(A−2)を得た。GPCによって測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は22,180であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0173】
前記結合剤重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて以下の条件で行った。
装置:HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSK−GELG4000HXL+TSK−GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度:40℃
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
注入量:50μL
検出機:RI
測定試料濃度:0.6質量%(溶媒=テトラヒドロフラン)
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
【0174】
前記で得られた重量平均分子量及び数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
【0175】
調製例:感光性樹脂組成物の調製
下記表に記載の成分及び含有量で感光性樹脂組成物を調製した。PGMEAに1mg/mLの濃度で希薄した溶液をUV−Vis分光計(Shimadzu社、UV−2100)で、各調製例の光重合開始剤の吸収波長を測定し、これを
図1に示した。
【0177】
実施例及び比較例
(1)実施例
実施例1〜3
横及び縦の長さが2インチのガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)を中性洗剤、水、及びアルコールで順次洗浄した後、乾燥させた。このガラス基板上に、前記表1において調製した感光性樹脂組成物(調製例1(実施例1)、調製例2(実施例2)、及び調製例3(実施例3))をそれぞれスピンコーティングした後、クリーンオーブン中において90℃で3分間プリベークした。前記プリベークした基板を常温に冷却させた後、石英ガラス製フォトマスクとの間隔を150μmにして光を照射した。フィルタを用いて、露光機から出射される光を、300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して16%及び出射される光に対して72%となるように基板に照射した(5.0mW)。この時、フォトマスクは、次のパターンが同一平面上に形成されたフォトマスクが用いられた。一つの辺が10μmである正四角形の透光部(パターン)を有し、当該正四角形の間隔は100μmである。光照射後、ノニオン系界面活性剤0.12%及び水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に前記塗膜を25℃で100秒間浸漬して現像し、洗浄した後、オーブン中において220℃で20分間ポストベークを施した。得られた膜厚は3μmであった。膜厚は、膜厚測定装置(DEKTAK 6M;Veeco社製)を用いて測定した。こうして得られたパターンを用いて下記のとおり物性評価を実施し、その結果を下記表2に示す。
【0178】
実施例4
フィルタを用いて、露光機から出射される光を、300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して17%及び出射される光に対して76%となるように基板に照射したこと(5.2mW、UV−31)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0179】
実施例5
フィルタを用いて、露光機から出射される光を、330〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して12%及び出射される光に対して46%となるように基板に照射したこと(3.5mW、UV−33)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0180】
(2)比較例
比較例1〜3
表1に記載した調製例1〜3の成分及び含有量に応じて調製された感光性樹脂組成物(調製例1(比較例1)、調製例2(比較例2)、及び調製例3(比較例3))をそれぞれ用い、別途のフィルタを用いることなく(300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して21%)、露光機から出射される光を照射したこと(6.2mW、Not−Use)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0181】
比較例4〜6
表1に記載した調製例1〜3の成分及び含有量に応じて調製された感光性樹脂組成物(調製例1(比較例4)、調製例2(比較例5)、及び調製例3(比較例6))を用い、フィルタを用いて、露光機から出射される光を、300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して3%及び出射される光に対して14%となるように基板に照射したこと(1.0mW、UV−35)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0182】
比較例7及び8
表1に記載した調製例4及び5の成分並び含有量に応じて調製された感光性樹脂組成物(調製例4(比較例7)、調製例5(比較例8))をそれぞれ用い、フィルタを用いて、露光機から出射される光を、300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して17%及び出射される光に対して76%となるように基板に照射したこと(5.2mW、UV−31)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0183】
比較例9及び10
表1に記載した調製例4及び5の成分並び含有量に応じて調製された感光性樹脂組成物(調製例4(比較例9)、調製例5(比較例10))をそれぞれ用い、フィルタを用いて、露光機から出射される光を、300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して12%及び出射される光に対して46%となるように基板に照射したこと(3.5mW、UV−33)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0184】
比較例11及び12
表1に記載した調製例4及び5の成分並び含有量に応じて調製された感光性樹脂組成物(調製例4(比較例11)、調製例5(比較例12))をそれぞれ用い、別途のフィルタを用いることなく(300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して21%)、露光機から出射される光を照射したこと(6.2mW、Not−Use)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0185】
比較例13及び14
表1に記載した調製例4及び5の成分並び含有量に応じて調製された感光性樹脂組成物(調製例4(比較例13)、調製例5(比較例14))をそれぞれ用い、フィルタを用いて、露光機から出射される光を、300〜340nmの波長の光の光量積分値が、i線の光量積分値に対して3%及び出射される光に対して14%となるように基板に照射したこと(1.0mW、UV−35)以外は、実施例1と同様の方法でパターンを形成した。
【0186】
試験方法
(1)パターンの高さ及びBottom CD
前記得られた硬化膜を三次元形状測定装置(SIS−2000 Systems;(株)SNU Precision製)を用いて、パターンの高さと、
図2のように、高さに対する10%地点の線幅であるBottom CDと、90%地点の線幅であるTop CDとを測定し、その結果を下記表2に示す。
【0187】
Bottom CD(μm)は、小さいほどに良好であり、高さは、基準とする3.0μmに比べて高いほど感度がよいので良好である。
【0188】
(2)パターンの形状
試験方法(1)で測定されたBottom CDとTop CDとを下記数式1によって計算し、その結果を下記表2に示す。
【0189】
100%に近いほど円筒状に近くなって良好である。
[数式1]
(パターンの形状)%=(Top CD)/(Bottom CD)×100
【0190】
(3)断面形状
前記で得られた硬化膜を走査型電子顕微鏡(S−4600;(株)日立製作所製)を用いて、断面形状を下記のように評価した。断面形状は、基板に対するパターンの角度が90度未満であれば順テーパであり、90度以上であれば逆テーパであると判断した。
【0191】
順テーパであれば、表示装置の形成時にITO配線の断線が生じ難いために好ましい。
【0192】
(4)感度
現像密着性は、直径(size)が5μmから20μmまで1μm間隔の円型パターンをそれぞれ1000個有するフォトマスクによって、膜厚が3μmで形成されたパターンが欠落なく100%残存する実際サイズを顕微鏡で評価し、その結果を下記表2に示す。
【0195】
前記表2を参照すると、本発明によって製造されたパターン(実施例1〜5)は、そのサイズが小さく、且つ適正高さ(3.0μm)を示していることから、高解像度を具現することに適していることが確認された。
【0196】
一方、吸収波長が本発明の範囲内の光重合開始剤を用いたものの、露光の際に330〜340nm領域の吸収波長の光量を調節していない比較例1〜3の場合、パターンの高さは実施例と同等水準を示したが、パターンのBottom CD値が非常に高く、感度も実施例と比較して顕著に低下することが確認された。
【0197】
また、吸収波長が本発明の範囲内の光重合開始剤を用いたものの、露光の際に330〜340nm領域の吸収波長の光量積分値を顕著に減少させた比較例4〜6の場合、パターンの高さが非常に低く、感度も実施例と比較して顕著に低下することが確認された。