【実施例1】
【0018】
本実施例1に係る医療用システム1は、
図1に示すように、タッチパネル式に構成した第1の表示手段18を有する医療用装置11と、タッチパネル式に構成した第2の表示手段102を有するスマートフォン等の携帯性、軽量性を有する情報端末装置からなる端末装置101と、を有し、前記医療用装置11、端末装置101間で各種情報の伝送を、詳細は後述する通信手段により行い、医療用装置11の第1の表示手段18を使用し、又は、端末装置101の第2の表示手段102を使用して、前記医療用装置11による患者への歯科治療を実行可能に構成している。
【0019】
前記医療用装置11は、
図1に示すように、基台12と、前記基台12の上に設置された患者用のチェア13と、このチェア13の
図1において右側に設けられたドクターが使用するドクターテーブル14と、前記チェア13の左側に設けられたユニット本体部15と、前記ユニット本体部15の後部に設けられたアシスタントハンガー16と、を備えている。
【0020】
前記ドクターテーブル14には、ユニット本体部15により基端側が支持されたアーム17により位置変更可能に支持されるとともに、第1の表示手段18を含むコントロールパネル部19.各種ハンドピース、シリンジ等の種々のインスツルメント類20aを保持したインスツルメントハンガー20、テーブル21等が配置されている。
【0021】
また、前記アシスタントハンガー16には、ドクターの補助者であるアシスタントが使用するバキューム等が配置されている。
【0022】
前記基台12の下部には、ドクターが前記チェア13の上下動操作等を行うフットコントローラ22用の接続端子が配置され。この接続端子にフットコントローラ22がケーブル23を介して接続されるように構成している。
【0023】
前記ユニット本体部15の上部には、給水ノズル25、コップ受26、排水鉢27を備えるスピットン部24が配置されている。
【0024】
この他、前記医療用装置11には、歯科診療時に口腔内の照明を行うための無影灯29や、前記前記アシスタントハンガー16の領域に必要に応じて根管長測定器28が配置される。
【0025】
さらに、図示しないが、前記ユニット本体部15は、前記医療用システム1の動作に必要な電力を供給する電力ケーブル、動作に必要な水、エアーを供給する給水パイプ、エアーパイプ等が接続される。
【0026】
次に、本実施例1に係る医療用システム1の制御系の全体構成について
図2を参照して説明する。
【0027】
本実施例1に係る医療用システム1を構成する医療用装置11は、
図2に示すように、医療用システム1全体の動作制御を行う制御部31と、医療用システム1の動作プログラム、端末装置101との無線通信を行う無線通信プログラム、根管長測定器28の動作プログラム等を記憶したプログラムメモリ32と、詳細は後述する各種情報を記憶する第1の記憶部33と、医療用装置11の各要素の駆動や操作を行う操作機能系34と、医療用装置11の各要素のエラー情報を含む動作監視、各要素の動作状況の監視を行う監視系35と、前記第1の表示手段18と、前記端末装置101との間で無線にて各種情報の交信を行う通信手段を構成する例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))規格により構成した第1の通信部36と、を有している。
【0028】
本実施例1に係る医療用システム1を構成する端末装置101は、
図2に示すように、前記第2の表示手段102と、前記医療用装置11との無線通信プログラムを取得する端末プログラムメモリ103と、詳細は後述する各種情報を記憶する第2の記憶部104と、前記医療用装置11との間で無線にて各種情報の交信を行う通信手段を構成する例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))規格により構成した第2の通信部105と、端末制御部106とを有している。
【0029】
前記操作機能系34は、
図3に示すように、前記インスツルメント類20aを駆動するインスツルメント類駆動部41と、前記チェア13を駆動するチェア駆動部42と、前記無影灯29を駆動する無影灯駆動部43と、前記フットコントローラ22を駆動するフットコントローラ駆動部44と、前記根管長測定器28の動作を制御するとともに根管長測定状態に対応した測定パターン情報を取得する根管長測定器動作制御部45と、を具備している。
【0030】
前記監視系35は、
図4に示すように、各種インスツルメント類20aのうちの切削系のインスツルメントのエラーを監視しエラー情報を出力する切削系を含むドクターテーブルエラー監視部51と、前記チェア13のエラーを監視しエラー情報を出力するチェアエラー監視部52と、前記フットコントローラ22のエラーを監視しエラー情報を出力するフットコントローラエラー監視部53と、前記根管長測定器28のエラーを監視しエラー情報を出力する根管長測定器エラー監視部54と、各種インスツルメント類20aその他各要素の電圧、電流、部品温度のエラーを監視しエラー情報を出力する電圧・電流・部品温度エラー監視部55と、各種インスツルメント類20a等の空気圧、水圧、気温等のエラーを監視しエラー情報を出力する空気圧・水圧・気温等のエラー監視部56と、前記医療用装置11の各要素の動作時の状況を経時的に監視し、レジューム情報を出力するレジューム機能部57と、を具備している。
【0031】
前記医療用装置11の第1の記憶部33には、
図5に示すように、表示・操作パターン情報、監視系35からのエラー情報、3種類の復帰時表示・操作パターン情報等が記憶される。
【0032】
また、前記端末装置101の第2の記憶部104には、
図6に示すように、前記医療用装置11との通信に基づいて表示・操作パターン情報、監視系35からのエラー情報、3種類の復帰時表示・操作パターン情報等が記憶される。
【0033】
次に、
図7を参照して前記第1の表示手段18に初期画面として表示される表示・操作パターン情報について詳述する。
【0034】
この表示・操作パターン情報は、パワースイッチ60を入れたときに点灯し、エラー状態では点滅する電源表示灯61と、前記チェア13のオート動作完了後に無影灯29が点灯していることを示すオートライト表示灯62と、前記チェア13のオート動作設定のときに点灯するチェアオート動作表示灯63と、前記チェア13のポジションを記憶させるときに使用するメモリスイッチ64と、チェアオートセットスイッチS1を兼ね、押しているときだけチェア13が上昇し、チェアオートセットスイッチS1により設定したポジション(S1ポジション)にチェア13を移動させるチェア上昇スイッチ65と、チェアオートセットスイッチS2を兼ね、押しているときだけチェア13が下降し、チェアオートセットスイッチS2により設定したポジション(S2ポジション)にチェア13を移動させるチェア下降スイッチ66と、チェアオートリターンスイッチを兼ねるとともに、押しているときだけチェア13のバックレストが寝る方向に移動し、また、リセットポジションにチェア13を移動するバックレスト傾倒スイッチ67と、チェアオートリターンスイッチを兼ねるとともに、押しているときだけチェア13のバックレストが起きる方向に移動し、また、リセットポジションにチェア13を移動するバックレスト起立スイッチ68と、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース、超音波スケーラのスプレー機能オン/オフを切り替えるスプレー切替スイッチ69と、スプレー機能がオンとき点灯し、また、スピットン部24の動作中は点滅するスプレー表示灯70と、マイクロモータハンドピースの正逆回転方向を切り換えるマイクロモータ正逆切替スイッチ71と、マイクロモータハンドピースが逆回転しているときに点灯するマイクロモータ逆転表示灯72と、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースの先端ライトの点灯/消灯を切り換えるハンドピース先端ライト切替スイッチ73と、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースの先端ライトの点灯設定時に点灯するハンドピース先端ライト点灯表示灯74と、前記医療用装置11と端末装置101との通信が途絶しその後通信が復帰した際の前記第1の表示手段18に表示する復帰時表示・操作パターン情報の種類を設定する復帰時設定スイッチ75と、オートライト表示灯62を点灯又は消灯させるオートライト(AUTO LIGHT)設定スイッチ76と、操作対象を医療用装置11とするか根管長測定器28とするかを設定する操作対象機器設定モードスイッチ77と、を含んでいる。
【0035】
この他、オート動作によるチェア13の下降時には、ブザー音を発し注意を喚起する構成としている。
【0036】
次に、前記医療用装置11の第1の表示手段18に基本的な表示・操作画面として表示される表示・操作パターン情報について
図8を参照して説明する。
【0037】
図8に示す表示・操作パターン情報は、メモリスイッチ64、回転数表示部81、回転数増加用の+ボタン82、回転減少用の−ボタン83を具備している。
【0038】
そして、設定したいインスツルメントをインスツルメントハンガー20から外し、
図8に示す+ボタン82を押し3秒以内にメモリスイッチ64を押すと 回転数表示部81に表示される回転数を最大値として設定する。
【0039】
また、
図8に示す設定したいインスツルメントをインスツルメントハンガー20から外し、−ボタン83を押し3秒以内にメモリスイッチ64を押すと 回転数表示部81に表示される回転数を最小値として設定する。
【0040】
尚、
図8には回転数表示部81に300,000rpmを設定表示した例を示している。
【0041】
さらに、
図8に示すバックレスト傾倒スイッチ67を押しながらチェアオートセットスイッチS1を押すと、バックレストを調整し所定のポジションに設定することができる。
【0042】
同様に
図8に示すチェア下降スイッチ66を押しながらチェアオートセットスイッチS2を押すと、現在のチェア13の位置をS2ポジションに設定することができる。
【0043】
また、
図8に示すオートライト(AUTO LIGHT)設定スイッチ76を押すとオートライト表示灯62が点灯又は消灯する。
【0044】
図8に示すメモリスイッチ64を押しながらチェアオートセットスイッチS1を押すと、現在のチェア13の位置を記憶することができる。
図8に示すメモリスイッチ64を押しながらチェアオートセットスイッチS2を押すと、現在のチェアの位置を記憶することができる。
【0045】
図8に示す矢印84の部分を押すとチェア13のバックレストが矢印84で示す方向に変位し、矢印85の部分を押すとチェア13のバックレストが矢印85で示す方向に変位し、
図8に示す矢印86の部分を押すとチェア13が矢印86で示す方向に上昇し、矢印87の部分を押すとチェア13が矢印87で示す方向に下降するように構成している。
【0046】
次に、3態様の復帰時表示・操作パターン情報について、
図9乃至
図11を参照して説明する。
【0047】
図9に示す復帰時表示・操作パターン情報は、通信遮断時の直前の表示内容を反映したものであり、オートライト設定がオンであることを意味するオートライト表示灯が62が点灯状態であり、回転数表示部81に示すようにエアータービンハンドピースの回転数(最大)が300,000rpmに設定されており、マイクロモータハンドピース等のスプレー機能がオンであることを意味するスプレー表示灯70が点灯状態であり、エアータービンハンドピース等の先端ライトがオンであることを意味するハンドピース先端ライト点灯表示灯74が点灯状態である
【0048】
図10に示す復帰時表示・操作パターン情報は、デフォルト表示(工場出荷時の設定表示)を反映したものであり、オートライト設定がオンであることを意味するオートライト表示灯が62が点灯状態であり、オートライト表示灯62が点灯する状態に設定され、回転数表示部81にエアータービンハンドピースの回転数(最大)が350,000rpmに設定され、エアータービンハンドピース等の先端ライトがオンであることを意味するハンドピース先端ライト点灯表示灯74が点灯する状態に設定されている。
【0049】
図11に示す復帰時表示・操作パターン情報は、予めドクターにより設定された表示機能を反映するものであり、マイクロモータ正逆切替スイッチ71によりマイクロモータハンドピースの回転方向が逆転方向に設定され、回転数表示部81にエアータービンハンドピースの回転数(最大)が200,000rpmに設定され、マイクロモータハンドピース等のスプレー機能がオフに設定され、エアータービンハンドピース等の先端ライトがオンであることを意味するハンドピース先端ライト点灯表示灯74が点灯する状態に設定されている。
【0050】
次に、
図12を参照して医療用装置11との無線通信に応じて前記端末装置101の第2の表示手段102に初期画面として表示される表示・操作パターン情報について詳述する。
【0051】
この表示・操作パターン情報は、パワースイッチ160を入れたときに点灯し、エラー状態では点滅する電源表示灯161と、 前記チェア13のオート動作完了後に無影灯29が点灯していることを示すオートライト表示灯162と、前記チェア13のオート動作設定のときに点灯するチェアオート動作表示灯163と、前記チェア13のポジションを記憶させるときに使用するメモリスイッチ164と、チェアオートセットスイッチS1aを兼ね、押しているときだけチェア13が上昇し、チェアオートセットスイッチS1aにより設定したポジション(S1aポジション)にチェア13を移動させるチェア上昇スイッチ165と、チェアオートセットスイッチS2aを兼ね、押しているときだけチェア13が下降し、チェアオートセットスイッチS2aにより設定したポジション(S2aポジション)にチェア13を移動させるチェア下降スイッチ166と、チェアオートリターンスイッチを兼ねるとともに、押しているときだけチェア13のバックレストが寝る方向に移動し、また、リセットポジションにチェア13を移動するバックレスト傾倒スイッチ167と、チェアオートリターンスイッチを兼ねるとともに、押しているときだけチェア13のバックレストが起きる方向に移動し、また、リセットポジションにチェア13を移動するバックレスト起立スイッチ168と、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース、超音波スケーラのスプレー機能オン/オフを切り替えるスプレー切替スイッチ169と、スプレー機能がオンとき点灯し、また、スピットン部24の動作中は点滅するスプレー表示灯170と、マイクロモータハンドピースの正逆回転方向を切り換えるマイクロモータ正逆切替スイッチ171と、マイクロモータハンドピースが逆回転しているときに点灯するマイクロモータ逆転表示灯172と、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースの先端ライトの点灯/消灯を切り換えるハンドピース先端ライト切替スイッチ173と、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースの先端ライトの点灯設定時に点灯するハンドピース先端ライト点灯表示灯174と、前記医療用装置11と端末装置101との通信が途絶しその後通信が復帰した際の前記第1の表示手段18に表示する復帰時表示・操作パターン情報の種類を設定する復帰時設定スイッチ175と、オートライト表示灯162を点灯又は消灯させるオートライト(AUTO LIGHT)設定スイッチ176と、操作対象を医療用装置11とするか根管長測定器28とするかを設定する操作対象機器設定モードスイッチ177と、を含んでいる。
【0052】
この他、オート動作によるチェア13の下降時には、ブザー音を発し注意を喚起する構成としている。
【0053】
次に、前記端末装置101の第2の表示手段102に基本的な表示・操作画面として表示される表示・操作パターン情報について
図13を参照して説明する。
【0054】
図13に示す表示・操作パターン情報は、
図8に示す場合と対応するものであり、メモリスイッチ164、回転数表示部181、回転数増加用の+ボタン182、回転減少用の−ボタン183を具備している。
【0055】
そして、設定したいインスツルメントをインスツルメントハンガー20から外し、
図13に示す+ボタン182を押し3秒以内にメモリスイッチ164を押すと 回転数表示部181に表示される回転数を最大値として設定する。
【0056】
また、
図13に示す設定したいインスツルメントをインスツルメントハンガー20から外し、−ボタン183を押し3秒以内にメモリスイッチ164を押すと 回転数表示部181に表示される回転数を最小値として設定する。
【0057】
尚、
図13には
図8に示す場合と同様、回転数表示部181に300,000rpmを設定表示した例を示している。
【0058】
さらに、
図13に示すバックレスト傾倒スイッチ167を押しながらチェアオートセットスイッチS1aを押すと、バックレストを調整し所定のポジションに設定することができる。
【0059】
同様に
図13に示すチェア下降スイッチ166を押しながらチェアオートセットスイッチS2aを押すと、現在のチェア13の位置をS2aポジションに設定することができる。
【0060】
また、
図13に示すオートライト(AUTO LIGHT)設定スイッチ176を押すとオートライト表示灯162が点灯又は消灯する。
【0061】
図13に示すメモリスイッチ164を押しながらチェアオートセットスイッチS1aを押すと、現在のチェア13の位置を記憶することができる。
【0062】
図13に示すメモリスイッチ164を押しながらチェアオートセットスイッチS2aを押すと、現在のチェアの位置を記憶することができる。
【0063】
図13に示す矢印184の部分を押すとチェア13のバックレストが矢印184で示す方向に変位し、矢印185の部分を押すとチェア13のバックレストが矢印185で示す方向に変位し、
図13に示す矢印186の部分を押すとチェア13が矢印186で示す方向に上昇し、矢印187の部分を押すとチェア13が矢印187で示す方向に下降するように構成している。
【0064】
次に、前記端末装置101における3態様の復帰時表示・操作パターン情報について、
図14乃至
図15を参照して説明する。
【0065】
図14に示す復帰時表示・操作パターン情報は、
図9に示す場合と対応するものであり、通信遮断時の直前の表示内容を反映したものであって、オートライト設定がオンであることを意味するオートライト表示灯が162が点灯状態であり、回転数表示部181に示すようにエアータービンハンドピースの回転数(最大)が300,000rpmに設定されており、マイクロモータハンドピース等のスプレー機能がオンであることを意味するスプレー表示灯170が点灯状態であり、エアータービンハンドピース等の先端ライトがオンであることを意味するハンドピース先端ライト点灯表示灯174が点灯状態である。
【0066】
図15に示す復帰時表示・操作パターン情報は、デフォルト表示(工場出荷時の設定表示)を反映したものであり、オートライト設定がオンであることを意味するオートライト表示灯が162が点灯状態であり、オートライト表示灯162が点灯する状態に設定され、回転数表示部181にエアータービンハンドピースの回転数(最大)が350,000rpmに設定され、エアータービンハンドピース等の先端ライトがオンであることを意味するハンドピース先端ライト点灯表示灯174が点灯する状態に設定されている。
【0067】
図16に示す復帰時表示・操作パターン情報は、予めドクターにより設定された表示機能を反映するものであり、マイクロモータ正逆切替スイッチ171によりマイクロモータハンドピースの回転方向が逆転方向に設定され、回転数表示部181にエアータービンハンドピースの回転数(最大)が200,000rpmに設定され、マイクロモータハンドピース等のスプレー機能がオフに設定され、エアータービンハンドピース等の先端ライトがオンであることを意味するハンドピース先端ライト点灯表示灯174が点灯する状態に設定されている。
【0068】
次に、上述した本実施例1に係る医療用システム1における歯科治療の動作について、前記端末装置101により医療用装置11を無線通信により操作する場合を主として説明する。
【0069】
(端末装置101と医療用装置11との無線通信確立処理)
前記端末装置101により医療用装置11を無線通信により操作しようとする場合には、前記端末装置101、医療用装置11とともに動作状態とした後、
図17に示すように、前記端末装置101の操作者(例えばドクター)は、前記端末装置101側から医療用装置11に対して無線通信プログラムに基づいて第2の通信部105を経て通信要求を送信する。
【0070】
前記医療用装置11は、端末装置101からの通信要求を第1の通信部36を経て受信し、無線通信プログラムに基づいて当該端末装置101の識別処理を行い適正と判断した場合には通信確立処理を行い、通信確立データを端末装置101に送信する。
【0071】
端末装置101は、医療用装置11からの通信確立データを受信し、これにより、前記端末装置101、医療用装置11間の無線通信状態が確立する。
【0072】
(端末装置101による医療用装置11の操作)
上述したようにして前記端末装置101、医療用装置11間の無線通信状態が確立した後、前記端末装置101の操作者は、
図18に示すように、医療用装置11に対して操作に必要な動作プログラム、表示・操作情報パターン情報の送信要求を行う。
【0073】
尚、医療用装置11の操作対象機器設定モードスイッチ77は、医療用装置11の操作モードに予め設定され、前記端末装置101の操作対象機器設定モードスイッチ177も、医療用装置11の操作モードに予め設定されているものとする。
【0074】
医療用装置11は、この送信要求に応じて、プログラムメモリ32から動作プログラムを読み出し、また、第1の記憶部33から表示・操作情報パターン情報を読み出して、これらを端末装置101に送信する。
【0075】
前記端末装置101は、医療用装置11からの動作プログラム、
図7、
図8に示すような表示・操作情報パターン情報を受信し、受信した動作プログラムを端末プログラムメモリ103に格納し、また、受信した表示・操作情報パターン情報を第2の記憶部104に記憶する。
【0076】
そして、前記端末装置101は、前記動作プログラムに基づき医療用装置11から取得した表示・操作パターン情報を
図12又は
図13に示す態様で第2の表示手段102に画面表示する。
【0077】
これにより、端末装置101の操作者は、
図7又は
図8に示すような医療用装置11の第1の表示手段18の場合と同等な端末装置101の画面表示内容を視認しつつ、画面表示のスイッチ類、ボタン類を指操作して前記医療用装置11による患者に対する医療処置等を実行することが可能となる。
【0078】
また、スマートフォン等のような端末装置101は、携帯可能で配置の自由度が極めて大きいことから、
図1に示すように、ドクターテーブル14の上、チェア13の任意の位置、アシスタントハンガー16の近傍というような任意の位置を選択してこの端末装置101を配置しての操作も可能であり、ドクター又はアシスタントによる医療用装置11に対する操作の利便性を大きく高めることができる。
【0079】
例えばアシスタントハンガー16の近傍に端末装置101を配置すれば、アシスタント側から医療用装置11の操作も可能になるし、また、根管長測定器28を使用する場合は、端末装置101の第2の表示手段102に根管長測定器28側と同じ表示をアシスタントハンガー16の近傍位置で表示させることも可能である。
【0080】
さらに、チェア13の任意の位置(例えば患者の枕元近く)に端末装置101を配置すれば、治療患部の近くで端末装置101の第2の表示手段102を利用して歯科治療等を実行することが可能となる。
【0081】
(端末装置101におけるエラー監視処理)
次に、
図19、
図20を参照して端末装置101におけるエラー監視処理について説明する。
【0082】
操作者が端末装置101により医療用装置11を操作を行っている場合において、
図19に示すように、前記医療用装置11の監視系35が、この医療用装置11において何等かのエラーを検出した場合、例えば、チェアエラー監視部52がチェア13の何等かのエラー、フットコントローラエラー監視部53がフットコントローラ22の何等かのエラーを検出した場合、これらのエラー情報は前記医療用装置11の動作プログラムに基づき第1の記憶部33に記憶され、第1の表示手段18の画面に表示されるとともに、上述した場合と同様にして第1の通信部36から端末装置101の第2の通信部105に無線送信され、第2の記憶部104に記憶される。
【0083】
そして、これらのエラー情報は、
図20に示すように、前記端末装置101の第2の表示手段102の画面に表示される。
【0084】
これにより、端末装置101の操作者は、医療用装置11の第1の表示手段18の場合と同等な端末装置101の画面表示内容を視認しつつ医療用装置11のエラー情報を把握し対応措置を講ずることができる。
【0085】
(通信復帰時の処理)
次に、前記医療用装置11と端末装置101とが無線通信にて各種情報の交信を行っている場合において、何等かの要因で無線通信が途絶し、その後無線通信が復帰した場合の処理について
図21を参照して説明する。
【0086】
前記医療用装置11を操作するドクターは、予め前記復帰時設定スイッチ75によって無線通信が復帰した場合の第1の表示手段18の表示モードを、通信遮断時の直前の表示内容を反映した
図9に示す復帰時表示・操作パターン情報、
図10に示すデフォルトの表示内容を反映した復帰時表示・操作パターン情報、又は、
図11に示す予め設定した表示内容を反映した復帰時表示・操作パターン情報の3種類のうちのいずれかになるように設定しておく。
【0087】
同様に、端末装置101を操作するドクター(又はアシスタント)は、前記復帰時設定スイッ175によって無線通信が復帰した場合の第2の表示手段102の表示モードを、通信遮断時の直前の表示内容を反映した
図14に示す復帰時表示・操作パターン情報、
図15に示すデフォルトの表示内容を反映した復帰時表示・操作パターン情報、
図16に示す予め設定した表示内容を反映した復帰時表示・操作パターン情報の3種類のうちのいずれかになるように設定しておく。
【0088】
これらのうち、デフォルトの表示内容及び予め設定した表示内容は既定の内容であるが、通信遮断時の直前の表示内容は、医療用装置11又は端末装置101による操作内容に応じて経時的に変化していく。
【0089】
本実施例1においては、前記レジューム機能部57により医療用装置11の動作状況を監視し、通信遮断時の直前の医療用装置11の動作状況をレジューム情報として取得し、第1の表示手段18側では通信遮断時の直前の表示内容を反映した
図9に示す復帰時表示・操作パターン情報を第1の表示手段18に画面表示するものである。
【0090】
このようにして、前記医療用装置11と端末装置101とが無線通信にて各種情報の交信を行っている場合において、何等かの要因で無線通信が途絶し、その後無線通信が復帰した場合、前記医療用装置11の第1の表示手段18の画面には、前記復帰時設定スイッチ75により通信遮断時の直前の表示内容を表示するモードに設定している場合には、
図9に示す復帰時表示・操作パターン情報が表示され、これにより、ドクターは通信遮断時の直前の表示内容に引き続く態様で患者に対する歯科治療等を継続することができる。
【0091】
また、前記復帰時設定スイッチ75によりデフォルトモードが設定されていれば、前記医療用装置11の第1の表示手段18の画面には、
図10に示すデフォルト状態を反映した復帰時表示・操作パターン情報が表示され、これにより、ドクターはデフォルト状態を基に患者に対する歯科治療等を実行することができる。
【0092】
さらに、前記復帰時設定スイッチ75により予め設定したモードが設定されていれば、前記医療用装置11の第1の表示手段18の画面には、
図11に示す予め設定したモードを反映した復帰時表示・操作パターン情報が表示され、これにより、ドクターは予め設定した復帰時表示・操作パターン情報を基にして患者に対する歯科治療等を実行することができる。
【0093】
一方、前記医療用装置11と端末装置101とが無線通信にて各種情報の交信を行っており、ドクター又はアシスタントが前記端末装置101を操作して患者に対する歯科治療等を実行している場合において、何等かの要因で無線通信が途絶し、その後無線通信が復帰した場合の処理は上述した場合と同様であり、以下の通りである。
【0094】
前記端末装置101の第2の表示手段102の画面には、前記復帰時設定スイッチ175により通信遮断時の直前の表示内容を表示するモードに設定している場合には、
図14に示す復帰時表示・操作パターン情報が表示され、これにより、ドクター又はアシスタントは通信遮断時の直前の表示内容に引き続く態様で患者に対する歯科治療等を継続することができる。
【0095】
また、前記復帰時設定スイッチ175によりデフォルトモードが設定されていれば、前記端末装置101の第2の表示手段102の画面には、
図15に示すデフォルト状態を反映した復帰時表示・操作パターン情報が表示され、これにより、ドクター又はアシスタントはデフォルト状態を基に患者に対する歯科治療等を実行することができる。
【0096】
さらに、前記復帰時設定スイッチ175により予め設定したモードが設定されていれば、前記端末装置101の第2の表示手段102の画面には、
図16に示す予め設定したモードを反映した復帰時表示・操作パターン情報が表示され、これにより、ドクター又はアシスタントは予め設定した復帰時表示・操作パターン情報を基にして患者に対する歯科治療等を実行することができる。
【0097】
このようにして、本実施例1によれば、前記医療用装置11と端末装置101とが無線通信にて各種情報の交信を行っている場合において、何等かの要因で無線通信が途絶し、その後無線通信が復帰した場合においても、端末装置101側、医療用装置11のいずれにおいても自動的にそれ以降の歯科治療を何等支障なく継続して又は初期状態から実行することが可能な医療用システムを構成することができる。
【0098】
(端末装置101による根管長測定器28の操作)
次に、前記端末装置101により根管長測定器28を操作する場合について概説する。
この場合には、前記根管長測定器28を前記医療用装置11に代わる医療用装置11Aとして機能させるものである。
【0099】
前記端末装置101の操作者は、
図22に示すように、この端末装置101を前記医療用装置11と無線通信確立状態とした後、前記操作対象機器設定モードスイッチ77により操作対象機器として根管長測定器測定モードに設定し、前記医療用装置11に既述した場合と同様にして操作信号を送る。
【0100】
前記医療用装置11は、前記操作信号を基に根管長測定器動作制御部45を介して医療用装置11Aである根管長測定器28を動作状態とし、その後根管長測定器28の操作者による歯の根管内に対する測定動作に対応して根管長測定器28は、
図23に示すような測定パターン情報を生成し、根管長測定器28の表示部28a(第2の表示手段)に測定パターン情報を表示するとともに、測定パターン情報を前記医療用装置11に伝送する。
【0101】
さらに、前記医療用装置11は既述した場合と同様な無線通信により前記測定パターン情報を前記端末装置101に送信する。
【0102】
この結果、前記端末装置101の第2の表示手段102には、
図24に示すように根管長測定器28からの測定パターン情報が表示される。
【0103】
前記根管長測定器エラー監視部54により出力されるエラー情報についても上述した場合と同様である。
【0104】
このようにして、前記端末装置101の操作者は、この端末装置101の画面表示内容を視認しつつ、画面表示のスイッチ類、ボタン類を指操作して前記医療用装置11Aによる患者の歯の根管内の根管長測定を操作の利便性を確保しつつ簡略に実行することが可能となる。
【0105】
尚、根管長測定器28の詳細構成については説明を省略する。
【実施例2】
【0106】
次に、本発明の実施例2に係る医療用システム1Aについて
図25乃至
図29を参照して説明する。
【0107】
尚、本実施例2に係る医療用システム1Aにおいて、既述した実施例1に係る医療用システム1の場合と同一の要素には同一の符号を付して示し、その詳細説明は省略する。
【0108】
本実施例2に係る医療用システム1Aは、基本的構成は実施例1に係る医療用システム1の場合と略同様であるが、
図25に示すように、前記ドクターテーブル14の後部にタブレット型コンピュータからなる画面サイズの大きい第2の表示手段202を有する端末装置201を設けたこと、及び、前記アシスタントハンガー16の根管長測定器28の近くにタブレット型コンピュータからなる画面サイズの大きい第2の表示手段302を有するタブレット型コンピュータからなる端末装置301を設けたことが特徴である。
【0109】
本実施例2に係る医療用システム1Aを構成する医療用装置11は、
図26に示すように、医療用システム1A全体の動作制御を行う制御部31と、医療用システム1Aの動作プログラム、端末装置201との無線通信を行う無線通信プログラム及び以下に述べる端末装置201用の機能拡張プログラム、医療用装置11Aである根管長測定器28の動作プログラム、端末装置301との無線通信を行う無線通信プログラム及び以下に述べる端末装置301用の機能拡張プログラムを記憶したプログラムメモリ32と、操作マニュアル情報等の各種情報を記憶する第1の記憶部33と、医療用装置11の各要素の駆動や操作を行う操作機能系34と、医療用装置11の各要素のエラー情報を含む動作監視、各要素の動作状況の監視を行う監視系35と、前記第1の表示手段18と、前記端末装置201,端末装置301との間で無線にて各種情報の交信を行う通信手段を構成する例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))規格により構成した第1の通信部36と、を有している。
【0110】
本実施例2に係る医療用シスタム1Aの端末装置201は、前記医療用装置11との無線通信プログラム及び端末装置201用の機能拡張プログラムを取得する端末プログラムメモリ203と、医療用装置11から送信される前記操作マニュアル情報等の各種情報を記憶する第2の記憶部204と、前記医療用装置11との間で無線にて各種情報の交信を行う通信手段を構成する例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))規格により構成した第2の通信部205と、端末装置201自体の動作制御を行う端末制御部206とを有している。
【0111】
本実施例2に係る医療用システム1Aにおいては、前記医療用装置11と、前記端末装置201との間では、基本的には既述した実施例1の場合と同様な動作を行い、同様な効果を発揮するが以下の点で相違する。
【0112】
すなわち、前記端末装置201用の機能拡張プログラムは、
図27、
図28に示すように、前記第1の表示手段18における表示・操作パターン情報の表示や操作範囲を制限し、第2の表示手段202において表示する表示・操作パターン情報としては各種設定操作や回転数表示、エラー表示、操作マニュアルスイッチの表示、さらには最新の注意情報等を表示するプログラム構成としている。
【0113】
さらに詳述すると、前記端末装置201用の機能拡張プログラムは、この機能拡張プログラムを第1の通信部36、第2の通信部205を介して取得した端末装置201側の操作の基に、
図27に示すように、前記第1の表示手段18には、オートライト表示灯62、オートライト(AUTO LIGHT)設定スイッチ76、チェアのアイコン、矢印84乃至87、チェアオートセットスイッチS1、S2、バックレスト傾倒スイッチ67、バックレスト起立スイッチ67、スプレー切替スイッチ69、スプレー表示灯70、マイクロモータ正逆切替スイッチ71、マイクロモータ逆転表示灯72、ハンドピース先端ライト切替スイッチ73、ハンドピース先端ライト点灯表示灯74等を簡略に表示し、メモリスイッチ64や回転数表示部81、+ボタン82、−ボタン83は表示しない構成としている。
【0114】
一方、前記端末装置201用の機能拡張プログラムは、この機能拡張プログラムを第1の通信部36、第2の通信部205を介して取得した端末装置201側の操作の基に、前記端末装置201の第2の表示手段202においては、
図28に示すように、前記オートライト表示灯62、オートライト(AUTO LIGHT)設定スイッチ76、メモリスイッチ64、チェアのアイコン、矢印84乃至87、チェアオートセットスイッチS1、S2、バックレスト傾倒スイッチ67、バックレスト起立スイッチ67、スプレー切替スイッチ69、スプレー表示灯70、マイクロモータ正逆切替スイッチ71、マイクロモータ逆転表示灯72、ハンドピース先端ライト切替スイッチ73、ハンドピース先端ライト点灯表示灯74を表示するとともに、回転数表示部81、+ボタン82、−ボタン83をも表示し、さらに、これらの下欄に操作マニュアルスイッチ211、メッセージ欄212を表示するように構成している。
【0115】
前記メッセージ欄212には、チェアオートセットスイッチS1、S2の操作方法として、
(1)操作マニュアルスイッチ211でチェアを希望のポジションにする。
(2)操作マニュアルスイッチ211を押しながらメモリスイッチ64を押す。
(3)メモリスイッチ64を押しながらチェアオートセットスイッチS1、又は、チェアオートセットスイッチS2を押す。これにより、現在のチェアのポジションが記憶される。
等の各種メッセージを表示するように構成している。
【0116】
この他、前記メッセージ欄212には、前記監視系35からのエラー情報の表示を行ったり、前記メッセージ欄212に、操作対象機器が例えばレーザー手術装置の場合ならパワーの数値だけでなく値と同時に切開用パワーに設定されていると表示したり、蒸散用のパワーに設定されていると表示したりすることもできる。
【0117】
さらに、第2の表示手段202に、超音波スケーラのパワー設定機能、パワー表示機能を設ける一方、前記第1の表示手段18には、これらの機能を設けない構成とすることもできる。
【0118】
また、前記医療用装置11、前記端末装置201間の通信機能を利用して、プログラムをバージョンアップして機能を追加したり、バージョンアップした際に機能拡張プログラムを書き換えてさらなる注意事項等を表示させたりして誤操作や事故の防止に役立てる等の機能拡張を図ることも可能である。
【0119】
逆に、前記端末装置201の端末プログラムメモリ203に上述したような機能拡張プログラムを搭載し、この機能拡張プログラムを前記医療用装置11、前記端末装置201間の通信機能を利用して、前記医療用装置11側に送信し、前記医療用装置11側のプログラムを書き換えて上述した場合と同様な機能を発揮させ、同様な効果を奏するように構成することもできる。
【0120】
以上説明したように、本実施例2おける医療用システム1Aにおいては、前記医療用装置11と、前記端末装置201との間の動作において、基本的には実施例1の場合と動作を行うが、前記第1の表示手段18の画面構成をシンプルに構成し、前記端末装置201の第2の表示手段202側に回転数表示部81、+ボタン82、−ボタン83、さらには、操作マニュアルスイッチ211、メッセージ欄212を表示して、前記第2の表示手段202によって、各種の設定操作やマイクロモータハンドピース等の回転数設定、さらには、監視系35のエラー表示、操作マニュアルの表示等を実行可能としたものである。
【0121】
すなわち、本実施例2おける医療用システム1Aにおいては、前記第1の表示手段18による操作、表示と同等かそれ以上の操作、表示を前記第2の表示手段202により実行し得るようにしている。
【0122】
これにより、前記端末装置201の操作者は、この端末装置201を使用して医療用装置11自体を操作する場合と同等かそれ以上の表示環境、操作環境の基に、かつ、操作の利便性を高めつつ医療用装置11による患者の医療処置等を実行することができる。
【0123】
次に、本実施例2に係る医療用システム1Aにおいて、前記医療用装置11Aである根管長測定器28と、前記端末装置301との間の動作について説明する。
【0124】
この場合も基本的には既述した実施例1の場合と同様な動作を行い、同様な効果を発揮するが以下の点で相違する。
【0125】
本実施例2に係る医療用システム1Aを構成する端末装置301は、
図26に示すように、第2の表示手段302と、前記医療用装置11Aとの無線通信プログラム及び端末装置301用の機能拡張プログラムを取得する端末プログラムメモリ303と、各種情報を記憶する第2の記憶部304と、前記医療用装置11Aとの間で無線にて各種情報の交信を行う通信手段を構成する例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))規格により構成した第2の通信部305と、端末装置301自体の動作制御を行う端末制御部306とを有している。
【0126】
また、前記端末装置301用の機能拡張プログラムは、この機能拡張プログラムを第1の通信部36、第2の通信部305を介して取得した端末装置301側の操作の基に、
図29に示すように、この端末装置301のサイズの大きい前記第2の表示手段302の画面を利用して、例えば既述した
図24に示すような根管長測定器28からの測定パターン情報(文字、画像パターン)を、より大きく見易い形態で詳細表示するプログラム構成としている。
【0127】
前記根管長測定器28等の小型医療機器の画面表示スペースは小さく限定されているのが通常であるが、前記端末装置301の第2の表示手段302による上述した表示機能を利用することで、根管長測定器28、及び、前記端末装置301を操作する操作者(アシスタント等)の操作利便性をより高めることができる。
【0128】
すなわち、本実施例2おける医療用システム1Aにおいては、前記第1の表示手段18による操作、表示と同等かそれ以上の操作、表示を前記端末装置301の第2の表示手段302により実行し得るようにしている。
【0129】
これにより、前記端末装置301の操作者は、この端末装置301を使用して医療用装置11自体を操作する場合と同等かそれ以上の表示環境、操作環境の基に、かつ、操作の利便性を高めつつ医療用装置11Aによる患者の医療処置等を実行することができる。
【0130】
上述した本実施例1,2の医療用システム1、1Aにおいて、第1の表示手段18を有する医療用装置11としては、例えば、椅子・歯科治療ユニット、X線撮影装置、CT装置、MRI装置、レーザ装置その他表示機器を有する様々な医療用機器であってもよい。
【0131】
また、第1の表示手段18としては、表示用のタッチ操作を可能にした液晶表示器、メカニカルな操作スイッチ及び表示部を設けたパネル、LEDを使用した操作機能付き表示器、蛍光表示管を使用した操作機能付き表示器等を挙げることができる。
【0132】
前記端末装置101の第2の表示手段102としては、第1の表示手段18と同様な構成とする他、さらに、第1の表示手段18の機能に加えてより詳細な操作や表示が可能なようにしてもよい。
【0133】
さらに、前記医療用装置11と端末装置101,201,301との接続は、上述した無線通信方式を採用する場合の他、接続ケーブルを介しての有線通信方式とすることも可能である。
【0134】
さらにまた、前記端末装置101,201,301としては、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、さらには通信機能を有する各種情報端末装置を用いることができる。