特許第6557093号(P6557093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557093
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20190729BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20190729BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20190729BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20190729BHJP
   G08B 5/38 20060101ALI20190729BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   G08B17/00 L
   G08B23/00 510Z
   G08B17/00 C
   G08B27/00 A
   G08B25/10 A
   G08B5/38
   G08B5/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-163326(P2015-163326)
(22)【出願日】2015年8月21日
(65)【公開番号】特開2017-41160(P2017-41160A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】西▲崎▼ 拡
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−7082(JP,A)
【文献】 特開2014−174595(JP,A)
【文献】 特開2014−63370(JP,A)
【文献】 特開2004−139429(JP,A)
【文献】 実開昭63−97194(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
G08B5/00
G08B5/38
G08B23/00
G08B25/10
G08B27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機から警戒区域に引き出された感知器回線に火災感知器を接続し、火災を検出した火災感知器からの火災信号を前記受信機で前記感知器回線単位に受信して警報する火災報知設備と、
前記火災感知器が火災を検出した際に出力される火災移報信号に基づいて火災場所を検出する火災場所検出設備と、
前記火災場所検出設備で検出した火災場所を表示する表示装置と、
を設けたことを特徴とする警報システム。
【請求項2】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記火災感知器着脱自在に装着する感知器ベースに、前記火災感知器が火災を検出した際に火災移報信号を出力する移報回路を設け、
前記火災場所検出設備は、前記移報回路からの火災移報信号に基づいて火災場所を検出することを特徴する警報システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の警報システムに於いて、
前記火災場所検出設備は、
前記警戒区域の避難経路に沿って所定間隔で配置した複数の光警報器と、
火災時に前記複数の光警報器を所定の発光周期で同期発光するように制御する光警報制御装置と、
を備え、
前記光警報器は、自己の近傍に配置した前記火災感知器が火災を検出した際に出力される火災移報信号を受信した場合に火災場所を示す火災場所通知電文を前記光警報制御装置に送信し、
前記光警報制御装置は、前記光警報器から火災場所通知電文を受信して火災場所を検出した場合に、前記表示装置に検出した火災場所を通知して表示させることを特徴とする警報システム。
【請求項4】
請求項記載の警報システムに於いて、前記光警報制御装置は、前記光警報器から前記火災通知電文を受信して火災場所を検出した場合に、前記複数の光警報器を同期発光するように制御した状態で、前記同期発光とは異なる所定の特殊発光を前記火災場所から遠ざかる方向に向かって移動させるように制御して誘導方向を表示させることを特徴とする警報システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の警報システムに於いて、
前記表示装置は、前記火災場所検出設備により火災場所を検出する毎に、検出した火災場所と火災発報の順番を表示することを特徴とする警報システム。
【請求項6】
請求項1又は2記載の警報システムに於いて、
前記表示装置は、前記火災場所の表示を、前記火災受信機から移報された火災信号を受信した前記感知器回線に対応した警戒区域と共に表示することを特徴とする警報システム。
【請求項7】
受信機から警戒区域に引き出された感知器回線に火災感知器を接続し、火災を検出した火災感知器からの火災信号を前記受信機で前記感知器回線単位に受信して警報するP型火災報知設備と、
前記火災を検出した火災感知器に対応した火災場所の通知を行う端末からの前記火災場所の通知に基づいて火災場所を検出する火災場所検出設備と、
前記火災場所検出設備で検出した火災場所を表示する表示装置と、
を設けたことを特徴とする警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災時に複数の光警報器を同期発光により点滅して火災の発生を報知する警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスビル、店舗ビル、病院、ホテル等の建物には、火災を監視し、火災が発生した場合に、建物内の人々に異常の発生を報知するための警報システムとして、自動火災報知設備が設置されている。
【0003】
従来の火災報知設備に設けられた例えばP型の火災受信機にあっては、火災受信機から引き出された感知器回線に火災感知器を接続して回線単位に火災を監視しており、火災が発生した場合には、音響や表示灯によって管理人等の建物関係者に火災警報を出力すると共に、火災発生階及び直上階に設置した地区音響装置から地区音響警報を出力するようにしている。
【0004】
ところで、近年、火災発生を音響とともに視認性の高い高光度の白色光(フラッシュ光)を点滅することにより火災の発生を報知する警報システムも提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。このような警報システムによれば、音響だけでなく強い光の点滅により火災発生を報知するため、例えば聴覚不自由者にも、災害の発生を早期に、且つ確実に認識させることができる。また、配線による手間とコストを低減するため、無線式の警報システムも提案されている(例えば特許文献4参照)。
【0005】
このように光警報を行う警報システムは、火災発生時に、火災受信機側の光警報制御装置から所定周期毎に同期信号を光警報器に送信し、同期信号を受信した光警報器は所定周期で発光を繰り返す同期発光を行い、バラバラのタイミングで発光することにより眩惑を起こす光過敏性発作の問題を解消可能とする。
【0006】
また、光警報を行う警報システムの他の例として、受信機側の光警報制御装置から避難経路等に配置した複数の光警報器に所定周期毎に同期信号を送信し、同期信号を受信した複数の光警報器は、予め設定した異なる遅延時間の経過後に順次発光することで、非常口の方向に向かって発光を移動させる誘導発光を行うことで、非常口に向かって火災発生場所から遠ざかるように視覚的に避難を誘導することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3113946号公報
【特許文献2】特開2005−165740号公報
【特許文献3】特開2011−198194号公報
【特許文献4】特開2014−186430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、光警報を行う従来の警報システムにあっては、同期発光を行った場合には、防眩効果は高いが、非常口の場所は避難誘導灯を探さなければわからず、避難に手間取る可能性が残る。また、複数の光警報器を非常口に向けて順次発光する誘導発光を行った場合には、非常口の方向は分かるが、視認範囲に入る光警報器の数が増えると、バラバラのタイミングで発光する光を見ることになり、防眩効果が高いとは云えず、光過敏性発作の問題を解消できなくなるかの可能性がある。
【0009】
この問題を解決するため、本願出願人にあっては、避難経路に配置した複数の光警報器を光警報制御装置により同期発光するように制御した状態で、同期発光とは異なる所定の特殊発光を安全な所定方向に向かって移動させるように制御して誘導方向を表示させる警報システムを提案している(特開2017−027483号公報)。
【0010】
このような警報システムによれば、避難経路に一列に配列された光警報器は、火災時に、全ての光警報器を所定周期で同時に発光させる同期発光を行いながら、安全な方向に向かって移動する特殊発光により誘導方向が表示され、同期発光による高い防眩効果を維持しながら、同時に安全な避難方向を示すことで、混乱を起こすことなく迅速な避難行動を可能とする。
【0011】
ところで、光警報器の同期発光を行いながら、安全な方向に向かって移動する特殊発光により誘導方向を表示するようにした警報システムにあっては、火災場所が特定した場合には、特殊発光を火災場所から遠ざかる方向に向かって移動させるように制御して、安全な方向への誘導表示を可能とする。
【0012】
しかしながら、回線単位に火災を監視しているP型火災報知設備にあっては、火災感知器から火災信号を受信しても、感知器回線を引き出している警戒区域の火災であることは分かるが、警戒区域内の火災場所は不明であり、特殊発光を火災場所から遠ざかる安全な方向に向かって移動させるように制御することができない。
【0013】
また、回線単位に火災を監視しているP型火災報知設備にあっては、火災信号を受信した警戒区域の火災であることは分かるが、警戒区域内の火災場所は不明であり、火災場所の現場確認、初期消火、避難誘導等の火災対処を迅速且つ適確に行うことができない可能が残る。
【0014】
本発明は、回線単位に火災を監視するP型火災報知設備により監視する警戒区域の火災場所を表示して現場確認、初期消火、避難誘導等の火災対処を迅速且つ適確に行うことを可能とする警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(P型火災報知設備)
本発明は、警報システムであって、
受信機から警戒区域に引き出された感知器回線に火災感知器を接続し、火災を検出した火災感知器からの火災信号を受信機で感知器回線単位に受信して警報する火災報知設備と、
火災感知器が火災を検出した際に出力される火災移報信号、又は火災を検出した火災感知器に対応した火災場所の通知を行う端末からの火災場所の通知に基づいて火災場所を検出する火災場所検出設備と、
火災場所検出設備で検出した火災場所を表示する表示装置と、
を設けたことを特徴とする。
【0016】
(感知器ベースの移報回路)
火災感知器着脱自在に装着する感知器ベースに、火災感知器が火災を検出した際に火災移報信号を出力する移報回路を備え、
火災場所検出設備は、移報回路からの火災移報信号に基づいて火災場所を検出する。
【0017】
(光警報設備との連携)
火災場所検出設備は、
警戒区域の避難経路に沿って所定間隔で配置した複数の光警報器と、
火災時に複数の光警報器を所定の発光周期で同期発光するように制御する光警報制御装置と、
を備え、
光警報器は、自己の近傍に配置した火災感知器が火災を検出した際に出力される火災移報信号を受信した場合に火災場所を示す火災場所通知電文を光警報制御装置に送信し、
光警報制御装置は、光警報器から火災場所通知電文を受信して火災場所を検出した場合に、表示装置に検出した火災場所を通知して表示させる。
【0018】
(無線式のP型火災報知設備)
本発明の別の形態にあっては、
受信機から警戒区域に引き出された感知器回線に受信用中継器を接続し、受信用中継器に対応した警戒区域に設置した無線式火災感知器からの火災信号を、受信用中継器を介して感知器回線単位に受信機で受信して警報する無線式火災報知設備と、
火災を検出して火災信号を送信した無線式火災感知器に対応した火災場所を検出する火災場所検出設備と、
火災場所検出設備で検出した火災場所を表示する表示装置と、
を設けたことを特徴とする。
【0019】
(火災信号の受信強度による火災場所の検出)
火災場所検出設備は、無線式火災感知器から受信した火災信号の受信強度に基づいて火災場所を検出する。
【0020】
(光警報設備との連携)
火災場所検出設備は、
警戒区域の避難経路に沿って所定間隔で配置した複数の光警報器と、
火災時に複数の光警報器を所定の発光周期で同期発光するように制御する光警報制御装置と、
を備え、
光警報器は、無線式火災感知器から受信した火災信号の受信強度が所定値以上の場合に火災場所を示す火災場所通知電文を光警報制御装置に送信し、
光警報制御装置は、光警報器から火災場所通知電文を受信して火災場所を検出した場合に、表示装置に検出した火災場所を通知して表示させる。
【0021】
(複数の火災場所通知に対する判断)
光警報制御装置は、複数の光警報器から火災場所通知電文を受信した場合、複数の光警報器の中間に位置する光警報器を火災場所と判断する。
【0022】
(誘導発光制御)
光警報制御装置は、光警報器から火災通知電文を受信して火災場所を検出した場合に、複数の光警報器を同期発光するように制御した状態で、同期発光とは異なる所定の特殊発光を火災場所から遠ざかる方向に向かって移動させるように制御して誘導方向を表示させる。
【0023】
(表示装置による火災場所と発報順番の表示)
表示装置は、火災場所検出設備により火災場所を検出する毎に、検出した火災場所と火災発報の順番を表示する。
【0024】
(表示装置の火災場所と火災地区の表示)
表示装置は、火災場所の表示を、受信機から移報された火災信号を受信した感知器回線に対応した警戒区域と共に表示する。
【発明の効果】
【0025】
(P型火災報知設備と連携した火災場所表示の効果)
本発明は、受信機から警戒区域に引き出された感知器回線に火災感知器を接続し、火災を検出した火災感知器からの火災信号を受信機で感知器回線単位に受信して警報する火災報知設備と、火災を検出して火災信号を送信した火災感知器からの火災移報信号に基づいて火災場所を検出する火災場所検出設備と、火災場所検出設備で検出した火災場所を表示する表示装置とを設けるようにしたため、回線単位に火災を監視することで警戒区域内の火災場所が判断できないP型火災報知設備であっても、火災を検出した火災感知器からの火災移報信号に基づき、対応した火災場所を検出して表示装置で表示することにより、火災受信機による火災信号を受信した感知器回線に対応した警戒区域の火災表示(火災地区表示)に加え、火災表示した警戒区域の中の火災場所となる区画を知ることができ、P型火災報知設備であっても、火災場所の現場確認、初期消火、避難誘導等の火災対処を迅速且つ適確に行うことを可能とする。
【0026】
(感知器ベースの移報回路による効果)
また、火災感知器は、感知器本体を着脱自在に装着する感知器ベースに、感知器回線に送信した火災信号により作動して火災移報信号を出力する移報回路を備え、火災場所検出設備は、移報回路からの火災移報信号に基づいて火災場所を検出するようにしたため、火災感知器で火災を検知した場合に感知器ベースに設けた移報回路から出力される火災移報信号に基づいて火災場所を簡単に検出して表示することができる。
【0027】
(光警報設備との連携による効果)
また、火災場所検出設備は、警戒区域の避難経路に沿って所定間隔で配置した複数の光警報器と、火災時に複数の光警報器を所定の発光周期で同期発光するように制御する光警報制御装置とを備え、光警報器は、近傍に配置した火災感知器からの火災移報信号を受信した場合に火災場所を示す火災場所通知電文を光警報制御装置に送信し、光警報制御装置は、光警報器から火災場所通知電文を受信して火災場所を検出した場合に、表示装置に検出した火災場所を通知して表示させると共に、複数の光警報器を同期発光するように制御するようにしたため、光警報制御装置と複数の光警報器で構成される光警報設備による火災場所の検出機能を利用し、光警報器で検出した火災場所を光警報制御装置に通知することで火災場所を確実に検出して表示装置で表示することができる。
【0028】
(無線式P型火災報知設備と連携した火災場所表示の効果)
本発明の別の形態にあっては、受信機から警戒区域に引き出された感知器回線に受信用中継器を接続し、受信用中継器に対応した警戒区域に設置した無線式火災感知器からの火災信号を、受信用中継器を介して感知器回線単位に受信機で受信して警報する無線式火災報知設備と、火災を検出して火災信号を送信した無線式火災感知器に対応した火災場所を検出する火災場所検出設備と、火災場所検出設備で検出した火災場所を表示する表示装置とを設けるようにしたため、警戒区域内の火災場所が判断できない無線式のP型火災報知設備であっても、無線式火災感知器から送信した火災信号を火災場所検出設備で受信して火災場所を検出し、火災場所を表示装置で表示することにより、火災受信機に接続した受信用中継器に対応した警戒区域の火災表示(火災地区表示)に加え、火災表示した警戒区域の中の火災場所となる区画を知ることができ、無線式のP型火災報知設備であっても、火災場所の現場確認、初期消火、避難誘導等の火災対処を迅速且つ適確に行うことを可能とする。
【0029】
(火災信号の受信強度による火災場所検出の効果)
また、火災場所検出設備は、無線式火災感知器から受信した火災信号の受信強度に基づいて火災場所を検出するようにしたため、火災信号の受信強度が強い場所を火災場所として検出して表示することを可能とする。
【0030】
(光警報設備との連携による効果)
また、火災場所検出設備は、警戒区域の避難経路に沿って所定間隔で配置した複数の光警報器と、火災時に複数の光警報器を所定の発光周期で同期発光するように制御する光警報制御装置とを備え、光警報器は、無線式火災感知器から受信した火災信号の受信強度が所定値以上の場合に火災場所を示す火災場所通知電文を光警報制御装置に送信し、光警報制御装置は、光警報器から火災場所通知電文を受信して火災場所を検出した場合に、表示装置に検出した火災場所を通知して表示させるようにしたため、光警報制御装置と複数の光警報器で構成される光警報設備による火災場所の検出機能を利用し、無線式火災感知器から無線送信した火災信号を光警報器で受信して所定値以上の場合に火災場所と判断して光警報制御装置に通知することで火災場所を確実に検出して表示装置で表示することができる。
【0031】
(複数の火災場所通知に対する判断)
また、光警報制御装置は、複数の光警報器から火災場所通知電文を受信した場合、複数の光警報器の中間に位置する光警報器を火災場所と判断するようにしたため、無線式火災感知器から無線送信した火災信号が複数の光警報器で同時に受信された場合にも火災場所を推定により検出して表示することができる。
【0032】
(誘導発光制御による効果)
光警報制御装置は、複数の光警報器を同期発光するように制御した状態で、同期発光とは異なる所定の特殊発光を火災場所から遠ざかる方向に向かって移動させるように制御して誘導方向を表示させるようにしたため、複数の光警報器を、所定周期で同時に発光させる同期発光を行いながら、火災場所から遠ざかる安全な方向に向かって移動する特殊発光により誘導方向が表示され、これにより同期発光による高い防眩効果を維持しながら、同時に安全な避難方向を示すことで、混乱を起こすことなく迅速な避難行動を可能とする。
【0033】
(表示装置による火災場所と発報順番の表示)
また、表示装置は、火災場所検出設備により火災場所を検出する毎に、検出した火災場所と火災発報の順番を表示するようにしたため、第1報目、第2報目、第3報目といった火災場所と発報の順番の表示から、火災の拡大状況等を把握し、火災場所を回避するようにした適切な避難誘導や消防隊に対する火災状況の適確な通報を可能とする。
【0034】
(表示装置の火災場所と火災地区の表示による効果)
また、表示装置は、火災場所の表示を、火災受信機から移報された火災信号を受信した感知器回線に対応した警戒区域と共に表示するようにしたため、火災受信機による火災を検出している警戒区域の表示(地区表示)を見ることなく、表示装置で火災が発生している警戒区域を火災場所と共に簡単に確認可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】P型火災報知設備に連携する光警報設備により検出される火災場所を表示する警報システムの概略を示した説明図
図2図1の火災受信機、火災感知器、光警報制御装置及び光警報器の機能構成を示したブロック図
図3】片側に非常口がある避難経路における光警報器の配置を示した説明図
図4図1の光警報制御装置による光警報器の同期発光と特殊発光を示したタイムチャート
図5】避難経路上に火災場所がない場合の誘導発光制御における光警報器アドレス、グループ番号、及び発光パターンを示した説明図
図6】避難経路上に火災場所がある場合の誘導発光制御における光警報器アドレス、グループ番号、及び発光パターンを示した説明図
図7】光警報器の発光制御に使用するアドレスとグループ番号の対応表を示した説明図
図8図2の光警報器の制御動作を示したフローチャート
図9】表示装置の火災場所の表示制御に用いる表示管理表の一例を示した説明図
図10】無線式P型火災報知設備に連携する光警報設備により検出される火災場所を表示する警報システムの概略を示した説明図
図11図9の火災受信機、無線式火災感知器、光警報制御装置及び光警報器の機能構成を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0036】
[P型火災報知設備と連携した警報システム]
(警報システムの構成)
図1はP型火災報知設備に連携する光警報設備により検出される火災場所を表示する警報システムの概略を示した説明図である。
【0037】
図1に示すように、本実施形態の警報システムはP型火災報知設備と光警報設備とを連携しており、光警報設備は火災場所検出設備として機能する。
【0038】
P型火災報知設備は、P型の火災受信機16から警戒区域毎に分けて引き出した感知器回線20に、移報回路を備えた感知器ベース15を介して火災感知器18を接続している。なお、図1は1つの警戒区域に引き出した感知器回線20に火災感知器18を接続した場合を代表して示している。
【0039】
火災受信機16は火災感知器18で火災を検知した場合に感知回線20に流す発報電流による火災信号を受信して火災警報を出力すると共に、感知器回線20に対応した火災が発生した警戒区域を示す地区表示を行う。
【0040】
P型火災報知設備に連携する光警報設備は、火災受信機16に対しては感回線20に対応して設けた移報回線11を介して光警報制御装置10を接続し、光警報制御装置10から警戒区域に対応して引き出した伝送路14に、警戒区域の避難経路に沿って配置した複数の光警報器12を接続している。なお、図1は1つの警戒区域に引き出した伝送路14に光警報器12を接続した場合を代表して示している。
【0041】
また、警報器12は近傍に配置した火災感知器18の感知器ベース15から引き出した移報回線22を接続しており、火災感知器18が火災を検知して感知器回線20に発報電流を流すと、この発報電流により感知器ベース15に設けた移報回路が動作し、火災移報信号を移報回線22で接続した光警報器12に出力する。火災感知器18側から火災移報信号を受信した光警報器12は、自己アドレスを含む火災場所通知電文を生成し、伝送路14を介して光警報制御装置10に送信する。
【0042】
光警報制御装置10は、火災受信機16から火災発報を受信した感知器回線20の警戒区域に対応した火災移報信号を受信した場合、伝送路14を介して火災を検知した火災感知器18から火災場所通知電文を受信しており、これにより火災場所に配置した光警報器12のアドレスを火災アドレスとして認識している。
【0043】
このため光警報制御装置10は、火災時に、伝送路14を介して全ての光警報器12に対し火災アドレスを含む火災アドレス通知電文を送信し、各光警報器12に火災アドレスを設定する。続いて、光警報制御装置10は所定の発光周期毎に、矩形パルス信号となる同期発光信号を繰り返し送信する。
【0044】
光警報器12は、光警報制御装置10による火災アドレスの設定を受けた状態で同期発光信号を受信すると、同期発光信号に同期して発光部を発光する同期発光を行うと共に、同期発光とは異なる所定の特殊発光により、火災場所から遠ざかる非常口等の安全な方向を示すための誘導表示を行う。
【0045】
更に、火災受信機16の近傍には表示装置100を設置しており、光警報制御装置10は光警報器12からの火災場所電文の受信により火災場所に対応した火災アドレスを認識した場合、火災アドレスを表示装置100に通知し、火災場所を表示させる。
【0046】
[警報システムの機能構成]
図2図1の火災受信機、火災感知器、光警報制御装置、光警報器及び表示装置の機能構成を示したブロック図、図3は片側に非常口がある避難経路における光警報器の配置を示した説明図、図4図1の光警報制御装置による光警報器の同期発光と特殊発光の制御を示したタイムチャートである。
【0047】
(火災受信機)
図2に示すように、火災受信機16は、制御部26を備え、制御部26に対し、複数の回線受信部28、表示部30、操作部32、警報部34及び移報部36を設けている。
【0048】
火災受信機16の制御部26は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用している。
【0049】
火災受信機16の制御部26は、回線受信部28の何れかにより火災感知器18の火災発報による火災信号を受信すると、警報部34により火災警報を出力すると共に、表示部30により火災が発生した警戒区域を示す地区表示を行い、更に、移報部36から火災が発生した警戒区域を示す火災移報信号を光警報制御装置10に出力する。
【0050】
(火災感知器と感知器ベース)
火災感知器18は、天井面に固定した感知器ベース15に着脱自在に設けており、感知器ベース15を介して火災受信機16から引き出された感知器回線20を構成する感知器線Lとコモン線Cに接続している。
【0051】
感知器ベース15の内部には移報リレー52と移報リレー接点54からなる移報回路を設けており、移報リレー52は火災感知器18と感知器線Lを結ぶラインに挿入している。火災感知器18が火災発報して感知器線Lとコモン線Cの間に発報電流が流れると、この発報電流により感知器ベース15内の移報リレー52が作動して移報リレー接点54を閉じ、移報回線22により接続した光警報器12に火災移報信号を出力する。なお、感知器ベース15に設ける移報回路は、移報リレー以外に適宜の移報回路が含まれる。
【0052】
(光警報制御装置)
光警報制御装置10は、制御部38、移報受信部40及伝送部42を備え、火災受信機16からの電源又は専用電源で動作する。光警報制御装置10の制御部38は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0053】
伝送部42は、光警報器12との間で電文を送受信すると共に光警報器12に所定の発光周期で同期発光信号を送信する。伝送部42により送受信する電文は、スタートコード、送信元アドレス、送信先アドレス、コマンド、データ及びチェックサムで構成している。
【0054】
光警報制御装置10の制御部38に設けたメモリには、光警報器12のアドレスとグループ番号の対応表を予め記憶している。この対応表は、光警報器12のアドレスに対応して、特殊発光による移動方向を光警報器12のアドレスの増加方向とするノーマル設定のグループ番号と、特殊発光による移動方向を光警報器12のアドレスの減少方向とするリバース設定のグループ番号を記憶している。
【0055】
また、光警報制御装置10の制御部38は、システムの運用開始に先立ち、予め記憶している対応表に基づき光警報器12のアドレスを指定してノーマル設定及びリバース設定のグループ番号およびグループ数を含む設定電文を送信し、光警報器12にそれぞれのアドレスに対応したノーマル設定及びリバース設定のグループ番号と、グループ数を設定する制御を行っている。
【0056】
また、光警報制御装置10の制御部38は、火災受信機16から火災が発生した警戒区域に対応した火災移報信号を受信した状態で、火災が発生した同じ警戒区域に引き出している伝送14に接続している光警報器12から火災場所通知電文を受信した場合、同じ伝送14に接続した全ての光警報器12に対し火災アドレスAfを含む火災アドレス通知電文を送信すると共に、伝送部42に指示して所定の発光周期Tfで発光同期信号を送信する制御を行う。
【0057】
(光警報器)
光警報器12は、制御部44、伝送部46、発光部48及び移報受信部50を備え、伝送路14から電源供給を受けて動作する。光警報器12の制御部44は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0058】
伝送部46は、光警報制御装置10との間で電文を送受信すると共に光警報制御装置10から所定の発光周期で送信された同期発光信号を受信する。
【0059】
発光部48には高輝度LEDやフラッシュライト等とその駆動回路を設けており、制御部44から同期発光指示を受けた場合、予め設定した発光周期Tf、例えばTf=2秒の周期で例えば100ミリ秒の発光時間となる点滅を繰り返す。
【0060】
また、発光部48は制御部44から特殊発光指示を受けた場合、同期発光とは異なる特殊発光を行う。発光部48による特殊発光としては、100ミリ秒の発光時間となる同期発光に対し、複数回の点滅、点滅後に点灯、同期発光と異なる発光色の発光、複数の発光色による発光、同期発光と異なる光量の発光、又は、同期発光と異なる発光時間の発光等を行う。
【0061】
移報受信部50は、移報回線22で接続した火災感知器18の感知器ベース15から火災移報信号を受信して制御部44に出力する。
【0062】
光警報器12の制御部44に設けたメモリには、光警報制御装置10からの設定電文により送信された、特殊発光による移動方向を光警報器12のアドレスの増加方向とするノーマル設定のグループ番号と、特殊発光による移動方向を光警報器12のアドレスの減少方向とするリバース設定のグループ番号、及びグループ数を予め記憶している。
【0063】
また、光警報器12の制御部44は、移報受信部50による火災移報信号の受信を検出すると、火災場所を示す自己アドレスを含む火災場所通知電文を生成し、伝送部46に指示して光警報制御装置10に送信させる制御を行う。
【0064】
また、光警報器12の制御部44は、伝送部46を介して光警報制御装置10が送信した火災アドレス通知電文の受信を検出すると、この電文から火災アドレスを取り出して自己アドレスと比較し、自己アドレスが火災アドレス以上また超えている場合は、予め設定しているノーマル設定のグループ番号を選択し、続いて、光警報制御装置10から発光周期Tfで送信されてくる同期発光信号の受信回数Cを例えばグループ数G=5までの繰り返しでカウントし、受信回数Cから1を減算して発光グループ番号Pを生成し、発光グループ番号Pが、選択しているノーマル設定のグループ番号に一致した場合に発光部48を特殊発光させ、不一致の場合は発光部48を同期発光させる制御を行う。これにより火災場所から光警報器12のアドレスが増加するノーマル方向に特殊発光を移動させる誘導表示が行なわれる。
【0065】
また、光警報器12の制御部44は、自己アドレスが火災アドレス未満また以下の場合は、予め設定しているリバース設定のグループ番号を選択し、続いて、続いて、光警報制御装置10から発光周期Tfで送信されてくる同期発光信号の受信回数Cを例えばグループ数G=5までの繰り返しでカウントし、受信回数Cから1を減算して発光グループ番号Pを生成し、発光グループ番号Pが、選択しているリバース設定のグループ番号に一致した場合に発光部48を特殊発光させ、不一致の場合は発光部48を同期発光させる制御を行う。これにより火災場所から光警報器12のアドレスが減少するリバース方向に特殊発光を移動させる誘導表示が行なわれる。なお、光警報器12に設定するノーマル設定及びリバース設定のグループ番号の詳細については、後の説明で明らかにする。
【0066】
(表示装置)
表示装置100は、制御部102、伝送部104、及び表示部106を備え、光警報制御装置10または専用電源から電源供給を受けて動作する。表示装置100の制御部102は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0067】
表示装置100の制御部102は、伝送部104を介して光警報制御装置10から最初の火災場所の火災アドレス通知電文を受信した場合に第1報目の火災場所を表示部106に表示し、光警報制御装置10から次の火災場所の火災アドレス通知電文を受信した場合に第2報目の火災場所を表示部106に表示する制御を行う。
【0068】
また、表示装置100の制御部102は、火災が発生した警戒区域内の警戒区画となる火災場所の表示を、火災受信機16からの火災移報信号により示される火災が警戒区域と共に表示する制御を行う。なお、火災が発生した警戒区域については、火災受信機16により表示されていることから、制御部102は、警戒区域は表示せずに、火災場所(警戒区画)の表示のみとても良い。
【0069】
表示部106として例えば液晶ディスプレイを使用することで、火災場所を示す例えば警戒区域内の部屋名等の区画名を、文字または文字と警戒区域の地図を組み合わせる等して表示する。
【0070】
(避難経路に対する光警報器の配置)
図3に示すように、光警報制御装置10により発光制御する光警報器12は、非常口24に向かう避難経路21に沿って例えば12台を一列に配置しており、火災時には、12台の光警報器12を同期発光するように制御した状態で、同期発光とは異なる所定の特殊発光を所定方向に向かって移動させるように制御して誘導方向を表示させる誘導発光制御を行う。
【0071】
この光警報制御装置10の制御部38による同期発光制御と特殊発光による発光制御は、図4のタイムチャートに示すように、アドレスA=1〜12を設定した12台の光警報器12に対し、同期発光信号(パルス信号)を送信して周期Tで同期発光aを行い、この同期発光を行いながら、例えば光警報器12をアドレスが増加する方向に特殊発光bを順次行い、これにより光警報器12のアドレスの増加する方向に特殊発光bが時間的に移動し、特殊発光bの移動により非常口24に向かう方向を表示する。
【0072】
また、避難経路21の途中の例えばアドレスA=4が火災場所となった場合には、火災発生場所のアドレスA=4を起点にアドレスが増加する方向(図示の右方向)に特殊発光bを順次行うと同時に、アドレスが減少する方向(図示の左方向)に特殊発光bを順次行い、これにより火災場所から遠ざかる安全な方向かって移動する特殊発光bにより誘導方向が表示され、同期発光による高い防眩効果を維持しながら、同時に安全な避難方向を示すことで、混乱を起こすことなく迅速な避難行動を可能とする。
【0073】
[誘導発光制御]
図5は避難経路上に火災場所がない場合の誘導発光制御における光警報器アドレス、グループ番号、及び発光パターンを示した説明図、図6は避難経路上に火災場所がある場合の誘導発光制御における光警報器アドレス、グループ番号、及び発光パターンを示した説明図、図7はアドレスとグループ番号の対応表を示した説明図である。
【0074】
図2の光警報制御装置10は、避難経路に配置した光警報器12のアドレスから発光グループのグループ番号を求めて光警報器12の誘導発光制御を行う。このため図3に示したように、避難経路21に配置した例えば12台の光警報器12には、非常口24のある避難方向に向かって増加するようにアドレスA=1~12を設定している。
【0075】
光警報制御装置10は、12台の光警報器12のアドレスA=1〜12から、所定のグループ数G、例えばG=5とすると、5台離した光警報器同士をメンバーとする発光グループのグループ番号Nを求めて設定電文の送信により光警報器12の各々に予め設定し、火災受信機16から火災移報信号を受信した火災時に、発光周期Tf毎に同期発光信号を光警報器12に送信する制御を行う。
【0076】
これに対し避難経路21に配置した光警報器12は、光警報制御装置10が送信した設定電文を受信して自己のグループ番号を予め設定(記憶)し、火災時に、光警報制御装置10が順次送信してくる同期発光信号をグループ数G=5までの繰り返しでカウントして受信回数Cを求め、受信回数Cから1を減算して発光グループ番号Pを生成し、発光グループ番号Pが自己のグループ番号Nに一致した場合に特殊発光を行う。また、光警報器12は、発光グループ番号Pが自己のグループ番号Nに不一致の場合、光警報器12は同期発光を行う。
【0077】
このような特殊発光による誘導発光制御を避難経路に火災場所がない場合と火災場所がある場合に分けて具体的に説明すると次のようになる。
【0078】
(避難経路上に火災場所がない場合の誘導発光制御)
図5は避難経路上に火災場所がない場合の誘導発光制御における光警報器アドレス、グループ番号、及び発光パターン番号を示した説明図である。
【0079】
図5に示すように、図3の避難経路21に配置した12台の光警報器12にはアドレスAとして、非常口24に向かう避難方向(図示の右方向)に向けて増加するアドレスA=1〜12を設定している。ここで、アドレスAが増加する方向をノーマル方向とし、アドレスが減少する方向をリバース方向とする。
【0080】
光警報制御装置10は、火災移報信号を受信しても、火災場所が避難経路21にない場合には、発光グループのグループ数をGとすると、光警報器アドレスAをmod(G)した値をグループ番号Nとして求める計算を行う。
【0081】
即ち、
N=(A)mod(G) (式1)
によりグループ番号Nを求める。(式1)の右辺は、アドレスAをグループ数Gで割った余りの算出を意味する剰余計算として知られている。
【0082】
ここで、グループ数Gを、例えばG=5とすると、左端から4番目までの光警報器12はアドレスA=1〜4であることから、(式1)からグループ番号N=1〜4が求まり、左端から5番目の光警報器12はアドレスA=5であることから、(式1)からグループ番号N=0が求まり、以下、アドレスの増加に伴いグループ番号N=0〜4の繰り返しが求まる。
【0083】
このように式(1)から求めたグループ番号は、光警報器12のアドレスが増加するノーマル方向に繰り返し増加することから、これをノーマル設定のグルーブ番号とする。図3に示した12台のアドレスに対するノーマル設定のグループ番号は、図7に示すようになる。
【0084】
このようにアドレスA=1〜12に基づいて算出したグループ番号N及びグループ数Gを、光警報制御装置10から各光警報器12のアドレスを指定した設定電文の送信により、12台の光警報器12のそれぞれに設定する。
【0085】
続いて、光警報制御装置10は、発光周期Tfで同期発光信号の送信を繰り返し、発光同期信号を受信した光警報器12は、同期発光信号の受信回数Cをカウントし、受信回数Cから1を減算してグループ番号P(=C−1)を生成し、発光パターン番号Pが自己のグループ番号Nに不一致の場合は同期発光を行い、一致した場合は特殊発光を行う。
【0086】
図5にあっては、縦軸の時間tで変化する発光パターン番号P=0〜4に対し、横軸に示す光警報器12のアドレスAに対応してグループ番号Nを示しており、光警報器12のグループ番号Nが発光パターン番号Pと不一致の場合は白丸の同期発光とし、一致した場合は黒丸の特殊発光としている。このため黒丸の特殊発光は、時間tの経過に伴い非常口24の方向に順次移動し、非常口24の方向を誘導方向27とする表示を行う。
【0087】
また、黒丸の特殊発光は、グループ数G=5に対応した光警報器12の4台置きに行っており、これにより例えば発光周期Tを2秒とすると、5台の光警報器12毎に10秒の周期で特殊発光による移動を繰り返す誘導発光制御が実現できる。
【0088】
また、誘導発光制御を行うグループ数Gの値は必要に応じて適宜に変更することができ、例えばG=3又はG=6とすることも可能である。但し、G=3を下回ると特殊発光の移動量がその分低下して誘導表示が分かり難いことから、G=3以上とすることが望ましい。
【0089】
(避難経路上に火災場所がある場合の誘導発光制御)
図6は避難経路上に火災場所がある場合の誘導発光制御における光警報器アドレス、グループ番号、及び発光パターン番号を示した説明図である。
【0090】
図6に示すように、避難経路の途中に火災場所25があり、火災場所25に最も近い光警報器12のアドレスAはA=7となっている。
【0091】
この場合、光警報制御装置10は、火災場所の光警報器12のアドレスを火災アドレスAf=7とし、光警報器アドレスAが火災アドレスAf以上の場合は、光警報器アドレスをmod(G)した値、即ち前記(式1)によりグループ番号Nを求める。
【0092】
ここで、火災場所アドレスAf=7であることから、それ以上のアドレスA=7〜12の光警報器12につき、前記(式1)からグループ番号N=2,3,4,0,1,2を算出する。この場合のグループ番号Nは、アドレスが増加するノーマル方向(非常口24の方向)に向かって増加するように繰り返し変化することから、ノーマル設定のグループ番号となる。
【0093】
また、光警報制御装置10は、光警報器アドレスAが火災場所アドレスAf未満の場合は、光警報器アドレスAをmod(G)した値に(−1)を乗算し、更に(G−1)を加算した値としてグループ番号Nを求める。即ち、
N=(A)mod(G)・(−1)+(G−1) (式2)
によりグループ番号Nを算出する。
【0094】
ここで、火災場所アドレスAf=7であることから、それ未満のアドレスA=1〜6の光警報器12につき、前記(式2)からグループ番号N=3,2,1,0,4,3を算出する。この場合のグループ番号Nは、アドレスが減少するリバース方向(非常口24と反対方向)に向かって増加するように繰り返し変化することから、リバース設定のグループ番号となる。
【0095】
このようにアドレスA=1〜12と火災場所アドレスAf=7に基づいて算出したノーマル設定とリバース設定のグループ番号Nを、光警報制御装置10から各光警報器アドレスを指定した設定電文の送信により、12台の光警報器12のそれぞれに設定する。
【0096】
続いて、光警報制御装置10は、発光周期Tfで同期発光信号を繰り返し送信し、発光同期信号を受信した光警報器12は、同期発光信号の受信回数Cをカウントし、受信回数Cから1を減算してグループ番号P(=C−1)を生成し、発光パターン番号Pが自己のグループ番号Nに不一致の場合は同期発光を行い、一致した場合は特殊発光を行う。
【0097】
図6にあっては、縦軸の時間tで変化する発光カウント値P=0〜4による黒丸の特殊発光は、火災場所25の右側については、時間tの経過に伴いアドレスが増加するノーマル方向(非常口24の方向)に向かって順次移動する誘導方向27bの表示を行い、一方、火災場所25の左側については、アドレスが減少するリバース方向(非常口24と反対方向)に順次移動する誘導方向27aの表示を行う。
【0098】
(アドレスとグループ番号の対応表)
図6の火災場所25の左側に位置するアドレスA=1〜6の光警報器12については前記(2)式によりリバース設定のグループ番号を求めているが、火災場所が右端の非常口24の近傍とした場合、12台の光警報器12の全てのグループ番号Nは前記(2)式によるリバース設定のグループ番号となる。
【0099】
また、避難経路に沿って配置した12台の光警報器12は、火災場所によりノーマル設定のグループ番号とリバース設定のグループ番号の何れか一方を選択して発光カウント値と比較により同期発光または特殊発光を行えば良い。
【0100】
そこで、図7に示すように、光警報器12のアドレスA=1〜12に対応して前記(1)式で求めたノーマル設定のグループ番号と前記(2)式で求めたリバース設定のグループ番号を設定した対応表を準備して、図2の光警報制御装置10の制御部38に設けたメモリに予め記憶しておき、システムの運用開始に先立ち、光警報器12の各々にアドレスに対応したノーマル設定とリバース設定のグループ番号を設定電文の送信により各光警報器12に予め記憶設定しておき、火災時には、火災アドレスを送ることで、ノーマル設定またはリバース設定のグループ番号を選択して同期発光信号の受信回数から求めた発光パターン番号と比較するといった簡単な制御により同期発光と特殊発光を制御することができる。
【0101】
(光警報器の制御動作)
図8図2の光警報器の制御動作を示したフローチャートである。図8に示すように、図2の光警報器12に設けた制御部44は、ステップS1で光警報制御装置10から送信した設定電文により、グループ数Gと、図7に示した対応表の自己アドレスに対応したノーマル設定及びリバース設定のグループ番号を記憶する。
【0102】
続いて警報システムの運用を開始すると、ステップS2で近傍の火災感知器18の感知器ベース15に設けた移報回路からの火災移報信号の受信の有無を監視しており、火災移報信号の受信を検出するとステップS3に進み、自己アドレスを含む火災場所通知電文を光警報制御装置10に送信する。
【0103】
また、ステップS2で火災移報信号の受信を検出しない場合は、ステップS4に進んで光警報制御装置10からの火災アドレス通知電文の受信を監視している。ステップS4で火災アドレス通知電文の受信を検出するとステップS5に進み、火災アドレス通知電文から取り出した火災アドレスAfと自己アドレスAを比較し、自己アドレスAが火災アドレスAf以上の場合はステップS6に進み、ノーマル設定のグループ番号Nを選択し、一方、自己アドレスAが火災アドレスAf未満の場合はステップS7に進み、リバース設定のグループ番号Nを選択する。
【0104】
続いて、ステップS8で同期発光信号の受信を判別するとステップS9に進み、受信回数Cをカウントする。なお、受信回数Cは初期状態でC=0に設定している。続いてステップS10に進み、受信回数Cから1を減算した値として発光パターン番号P(=C−1)を生成する。
【0105】
次に、ステップS11に進み、発光パターン番号PがステップS6又はS7で選択したノーマル設定またはリバース設定のグループ番号Nと一致するか否か判別する。ステップS11で発光パターン番号Pとグループ番号Nの一致を判別するとステップS12に進んで特殊発光を行う。一方、ステップS11で発光パターン番号Pとグループ番号Nの不一致を判別するとステップS13に進んで同期発光を行う。
【0106】
続いてステップS14で受信回数Cがグループ数Gに一致しているか否か判別し、不一致の場合はステップS8に戻り、次の発光同期信号の受信に備える。一方、ステップS14で受信回数Cがグループ数Gに一致した場合はステップS15で受信回数CをC=0に初期化してステップS8に戻り、次の同期発光信号の受信に備える。以下同様にしてステップS8〜S15の処理を繰り返す。
【0107】
なお、光警報制御装置10は、避難経路上に火災場所がない場合、火災アドレスAfとして最小アドレス又は最大アドレスを火災アドレスAfとして送信してくることから、この場合は、全ての光警報器12の自己アドレスAが火災アドレスAf以上又は未満となり、これをステップS5で判別してステップS6に進み、全ての光警報器12がノーマル設定またはリバース設定のグループ番号Nを取出すことになり、特殊発光をノーマル方向またはリバース方向に移動するように誘導表示する。この場合の特殊発光の移動方向は、非常口等のある特定の方向に移動させるように、光警報制御装置10から最小アドレス又は最大アドレスとなる火災アドレスAfを光警報器12に通知すれば良い。
【0108】
また、光警報制御装置10は、避難経路上に火災場所がない場合にも、所定のアドレスを疑似的な火災アドレスとして光警報器12に通知することで、疑似的な火災アドレスから遠ざかる方向に特殊発光を移動させる誘導表示制御ができる。
【0109】
(第2報目の火災場所を検出した場合の発光制御)
光警報制御装置10は、光警報器12から最初となる第1報目の火災場所通知電文を受信して光警報器12の同期発光と特殊発光を行っている状態で、同じ伝送路14に接続している別の光警報器12から第2報目の火災場所通知電文を受信した場合には、第1報目の火災アドレスをAf1、第2報目の火災アドレスをAf2とすると、その間に位置するアドレスの光警報器12に対し特殊発光の停止を指示する制御電文を送信し、同期発光のみとする。これにより避難経路上に火災場所が2箇所存在しても、各火災場所から遠ざかる方向に特殊発光を移動させる誘導表示を行うことできる。
【0110】
(表示装置による火災場所の表示制御)
図9図2の表示装置のメモリに記憶された火災場所表示情報の一例を示した説明図であり、図3に示したように、避難経路21に沿って配置した12台の光警報器12を光警報制御装置10から引き出した伝送路14毎に接続した場合を例にとっている。
【0111】
図9に示すように、火災場所表示情報は、警戒区域となる例えば階別に伝送路14を引き出している場合、警戒区域を示す地区名として1F,2F,・・・を登録しており、例えば1Fに配置した光警報器12のアドレスA=1〜12に対応して火災場所を示す区画名を登録している。
【0112】
いま図3に示した避難経路21の途中の火災場所25で火災が発生したとすると、光警報制御装置10は火災場所に対応した光警報器12から受信した火災場所通知電文により火災アドレスAf=7を検出している。また、火災場所が警戒区域1Fであったとすると、光警報制御装置10は火災受信機16から警戒区域1Fの火災を示す火災移報信号を受信している。このため光警報制御装置10は警戒区域1Fと火災アドレスAf=7を含む火災アドレス通知電文を生成して表示装置100に送信する。
【0113】
表示装置100の制御部102は、光警報制御装置10から受信した火災アドレス通知電文から取得した警戒区域1Fと火災アドレス1Fにより図9の火災場所表示情報を参照し、地区名「応接室」を取得し、表示部106に表示する。表示部106による火災場所の表示は、「1F 応接室」といった文字表示でも良いし、これに加えて警戒区域のフロア平面を示す地図の中の応接室となる区画を赤色等でフリッカして表示するようにしても良い。
【0114】
また、光警報制御装置10は2回目の火災場所通知電文を受信した場合にも、そのとき火災受信機16から受信している火災移報信号による警戒区域1Fと2報目の火災アドレスを含む火災アドレス通知電文を生成して表示装置100に送信する。これにより表示装置100は2報目の火災場所の表示を同様にして行う。
【0115】
[無線式のP型火災報知設備と連携した警報システム]
(警報システムの構成)
図10は無線式のP型火災報知設備に連携して避難経路に配置した光警報器の同期発光による光警報と特殊発光による誘導表示を行う警報システムの概略を示した説明図である。
【0116】
図10に示すように、本実施形態の警報システムは無線式のP型火災報知設備と連携しており、P型の火災受信機16から警戒区域に分けて引き出した感知器回線に、警戒区域毎に設けた受信用中継器60を接続する。受信用中継器60に対しては、対応する警戒区域に無線式火災感知器18aを配置している。
【0117】
無線式火災感知器18aは火災を検出すると自己アドレスを含む火災電文を無線送信する。無線式感知器18aから送信された火災電文は、同じ警戒区域に設置している受信用中継器60で受信され、火災受信機16から引き出された感知器回線に発報電流を流して火災信号を送信する。
【0118】
火災受信機16は受信用中継器60からの火災信号の受信を検出した場合に、火災警報を出力すると共に、火災信号を出力した受信用中継器60に対応した警戒区域で火災が発生したことを示す地区表示を行う。
【0119】
火災受信機16に対しては受信用中継器60に対応して設けた移報回線11を介して光警報制御装置10を接続し、光警報制御装置10から引き出した伝送路14に警戒区域の避難経路に沿って配置した複数の光警報器12を接続している。
【0120】
光警報器12は無線式火災感知器18aが無線送信した火災電文を受信する通信機能を備えており、火災電文の受信強度が所定値以上の場合、近傍に配置した無線式火災感知器18aより検出した火災場所と判断し、自己アドレスを含む火災場所通知電文を生成し、伝送路14を介して光警報制御装置10に送信する。
【0121】
光警報制御装置10は火災受信機16から火災を検出した警戒区域に対応した火災移報信号を受信した場合、伝送路14を介して火災を検知したと同じ警戒区域に設置している光警報器12から火災場所通知電文を受信しており、これにより火災場所に配置した光警報器12のアドレスを火災アドレスとして認識する。
【0122】
このため光警報制御装置10は、火災時に、伝送路14を介して全ての光警報器12に対し火災アドレスを含む火災アドレス通知電文を光警報器12に送信して設定し、続いて、光警報制御装置10は所定の発光周期毎に同期発光信号を繰り返し送信する。
【0123】
光警報器12は、光警報制御装置10による火災アドレスの設定を受けた状態で同期発光信号を受信すると、同期発光信号に同期して発光部を発光する同期発光を行うと共に、同期発光とは異なる所定の特殊発光により、火災場所から遠ざかる非常口等の安全な方向を示す誘導表示を行う。
【0124】
更に、火災受信機16の近傍には表示装置100を設置しており、光警報制御装置10は光警報器12からの火災場所電文の受信により火災場所に対応した火災アドレスを認識した場合、火災アドレスを表示装置100に通知し、火災場所を表示させる。
【0125】
(警報システムの機能構成)
図11図10の火災受信機、受信用中継器、無線式火災感知器、光警報制御装置、光警報器及び表示装置の機能構成を示したブロック図である。
【0126】
図11に示すように、火災受信機16は、制御部26を備え、制御部26に対し、複数の回線受信部28、表示部30、操作部32、警報部34及び移報部36を設けており、図2の実施形態と基本的に同じになる。
【0127】
無線式火災感知器18aは、火災による熱または煙を検出した場合に自己アドレスを含む火災電文を無線送信する。
【0128】
受信用中継器60は、制御部62、アンテナ65を接続した通信部64及び回線送信部66を備え、火災受信機16からの電源又は専用電源で動作する。受信用中継器60の制御部62は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0129】
受信用中継器60の制御部62は、自己に割り当てられた無線式火災感知器18aのアドレスを予め登録しており、登録アドレスに一致する感知器アドレスの火災電文を有効な電文として受信し、火災受信機16から引き出された感知器回線に発報電流を流すことで、火災信号を火災受信機16に送信する。
【0130】
ここで、受信用中継器60の通信部64と無線式火災感知器18aとの間の無線通信は、日本国内の場合には例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従った無線通信を行っている。
【0131】
光警報器12は、制御部44、伝送部46、発光部48及びアンテナ58を接続した通信部56を備え、伝送路14から電源供給を受けて動作する。光警報器12の制御部44は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0132】
通信部56は、近傍に配置している無線式火災感知器18aからの火災電文を受信し、受信強度検出信号を制御部44に出力する。
【0133】
光警報器12の制御部44は、通信部56から入力した受信強度検出信号が所定値以上の場合、近傍に配置した無線式火災感知器18aにより検出された火災場所と判断し、自己アドレスを含む火災場所通知電文を生成し、伝送部46に指示して光警報制御装置10に送信させる制御を行う。
【0134】
これ以外の光警報器12の制御部44、伝送部46、発光部48の機能は図2の実施形態と基本的に同じになる。
【0135】
光警報制御装置10は、制御部38、移報受信部40及び伝送部42を備え、火災受信機16からの電源又は専用電源で動作する。光警報制御装置10の制御部38は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0136】
光警報制御装置10の制御部38は、無線式火災感知器18aが送信した火災電文を複数の光警報器12で受信した受信強度が所定値以上となると、複数の光警報器12から火災場所通知電文が送られてくることから、この場合には火災場所通知電文による複数の火災アドレスの中間を火災場所と判断し、火災場所に位置する光警報器12のアドレスを火災アドレスとして、同じ伝送路14に接続している全ての光警報器12に火災アドレス通知電文を送信して設定する制御を行う。それ以外の光警報制御装置10に設けた制御部38、移報受信部40及伝送部42の機能は図2の実施形態と同じになる。
【0137】
表示装置100は、制御部102、伝送部104、及び表示部106を備え、光警報制御装置10または専用電源から電源供給を受けて動作する。表示装置100の制御部102は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0138】
表示装置100の制御部102は、伝送部104を介して光警報制御装置10から最初の火災場所の火災アドレス通知電文を受信した場合に第1報目の火災場所を表示し、光警報制御装置10から次の火災場所の火災アドレス通知電文を受信した場合に第2報目の火災場所を表示する。それ以外の表示装置100に設けた制御部102、伝送部104及表示部102の機能は図2の実施形態と同じになる。
【0139】
これにより無線式のP型火災報知設備と連携した警報システムにおいても、火災受信機16による警戒区域単位の火災表示(火災地区表示)に加え、光警報制御装置10で検出した火災場所を表示装置100で表示することにより、火災受信機16で表示している火災が発生した警戒区域の中の火災場所となる火災区画を知ることができ、P型火災報知設備であっても、火災場所の現場確認、初期消火、避難誘導等の火災対処を迅速且つ適確に行うことを可能とする。
【0140】
また、避難経路の途中が火災場所となった場合、火災場所から遠ざかる安全な方向かって移動する特殊発光による誘導方向が表示され、同期発光による高い防眩効果を維持しながら、同時に安全な避難方向を示すことで、混乱を起こすことなく迅速な避難行動を可能とする。
【0141】
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、P型火災報知設備又は無線式P型火災報知設備に連携する火災場所検出設備として、火災場所を検出して誘導発光制御を行う光警報設備を例にとっているが、光警報設備に限定されず、P型火災報知設備に設けている火災を検出した火災感知器に対応した火災場所を検出する端末と、端末からの火災場所の通知を受信して表示装置に表示する制御装置を備えた防災設備であれは、適宜の防災設備と連携して火災場所を表示装置に表示しても良い。
【0142】
また、上記の実施形態は、火災受信機の外部に光警報制御装置及び表示装置を設けているが、火災受信機に光警報制御装置及び又は表示装置としての機能を内蔵させても良い。
【0143】
10:光警報制御装置
11,22:移報回線
12:光警報器
14:伝送路
15:感知器ベース
16:火災受信機
18:火災感知器
18a:無線式火災感知器
20:感知器回線
21:避難経路
24:非常口
26,38,44,62,102:制御部
28:回線受信部
30,106:表示部
36:移報部
40,50:移報受信部
42,46,104:伝送部
48:発光部
52:移報リレー
54:移報リレー接点
56,64:通信部
60:受信用中継器
66:回線送信部
100:表示装置

【符号の説明】
【0144】
10:光警報制御装置
11,22:移報回線
12:光警報器
14:伝送路
15:感知器ベース
16:火災受信機
18:火災感知器
18a:無線式火災感知器
20:感知器回線
21:避難経路
24:非常口
26,38,44,62:制御部
28:回線受信部
36:移報部
40:移報受信部
42,46,102:伝送部
48:発光部
50:移報受信部
52:移報リレー
54:移報リレー接点
56,64:通信部
60:受信用中継器
66:回線送信部
100:表示装置
106:表示部
図1
図2
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図5
図6
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図8
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図10
図11