(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ラジアルスキャンを行う超音波センサーユニットと該超音波センサーユニットを回転駆動させる駆動部とを接続する接続機構から液体を排出して回転コネクタ部に液体が浸入することを防止する回転コネクタ部の液体浸入防止構造であって、
前記接続機構は、前記超音波センサーユニットに前記駆動部を構造的及び電気的に接続させる接続コネクタと、該接続コネクタの外部を囲み、前記超音波センサーユニット側の端部が開口された筒体とを備え、
前記筒体は、前記超音波センサーユニットの内部につながれた空間に配置され、
前記筒体は、当該筒体の内側と外側とを連絡する排出穴を備えていることを特徴とする回転コネクタ部の液体浸入防止構造。
前記排出穴は、前記接続コネクタを構成する前記駆動部側の部材と前記超音波センサーユニット側の部材との嵌め合わせ部よりも前記超音波センサーユニット側に形成されている、請求項1に記載の回転コネクタ部の液体浸入防止構造。
【背景技術】
【0002】
径方向にスキャニング(以下、「ラジアルスキャン」という。)を行う超音波センサーユニットは、超音波センサーと対象物との間の超音波伝達媒体として液体を使用している。例えば、医療用として使用される超音波カテーテル装置は、超音波センサーでラジアルスキャンを行い、超音波伝達媒体として液体を使用する代表的なものである。
【0003】
以下、超音波センサーユニットについて、超音波カテーテル装置を例に説明する。
【0004】
超音波カテーテル装置は、血管等の体腔内に超音波センサーユニットを挿入し、体腔内を診断するための装置として知られている。超音波センサーユニットは、駆動部と超音波センサーとを備えており、駆動部と先端の超音波センサーとが駆動軸によって接続され、駆動部で超音波センサーを回転駆動させて用いられる。超音波センサー部を駆動するための駆動部は、接続コネクタで駆動軸に接続されている。このような超音波センサーユニットは、ディスポーザブル品であることが多く、交換や清掃等のため、使用するたびに駆動部の接続コネクタに着脱することが必要になる。
【0005】
こうした超音波センサーユニットは、駆動軸の内部に配線を備えており、駆動部側からの電気信号を配線で先端の超音波センサーに伝え、電気信号を超音波振動に変換して送信し、超音波信号を電気信号に変換し接続コネクタを介して駆動部側に伝える。
【0006】
上記の構成を有する超音波センサーユニットは、先端の超音波センサーから発せられる超音波の伝達率を良好に維持するために、その内部が生理食塩水等の液体で満たされている。超音波センサーユニットの内部を満たす液体が超音波センサーユニットから漏れ出し、接続コネクタの内部に浸入した場合、浸入した液体が超音波センサーユニットを駆動させている駆動部の故障や誤作動の原因になる。そのため、超音波センサーユニットは、液体が接続コネクタ側に漏れ出すことを防止する構造を一般に備えている。液体が接続コネクタ側に浸入することを防止する技術は、これまでに種々の技術が提案されている。
【0007】
特許文献1に提案されている技術は、シリンジが設けられた部分と接続コネクタが配置された部分との間にOリングを設け、Oリングで駆動軸の外周面をシールすることによって、液体が超音波センサーユニットから接続コネクタ側に漏れ出すことを防止している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、超音波センサーユニットは、先端の超音波センサーを回転させて用いるために駆動軸を回転させることが必要である。このため、シール用に設けたOリングを駆動軸の外周面に高い圧力で接触させることができない。特許文献1に提案された技術のように、Oリングを設けただけでは、液体が接続コネクタ側に漏れ出すことがある。
【0010】
図4を参照して、超音波センサーユニットとその駆動部とが接続されている部分の構造及び超音波センサーユニットから漏れ出した液体が接続コネクタ170に到達するまでの経路について説明する。
【0011】
駆動部165は、筒状のハウジング166を有している。このハウジング166の内部空間167は、
図4の左側に設けられた、図示しない超音波センサーユニットの内部につながれている。また、ハウジング166の内部空間167には、超音波センサーユニットの駆動軸を駆動部165に接続させるための接続機構190が配置されている。接続機構190は、接続コネクタ170と、この接続コネクタ170の周囲に設けられた円筒状の部材180とで構成されている。円筒状の部材180は、駆動部165側から
図4の左側に設けられた図示しない超音波センサーユニット側に向けて延びており、超音波センサーユニット側の端部が開口されている。
【0012】
超音波センサーユニットから漏れ出した液体は、
図4の矢印に示すルートを流れて接続コネクタ170の内部に浸入する。具体的に、超音波センサーユニットから漏れ出した液体は、まず、ハウジング166の内部に形成されている内部空間167に到達する。内部空間167に到達した液体は、円筒状の部材180の端部から円筒状の部材180の内部に浸入する。
【0013】
円筒状の部材180の内部に浸入した液体は、接続コネクタ170と円筒状の部材180との間を駆動部165側に向かって進む。その後、液体は、接続コネクタ170を構成している、駆動部165側の部材171と超音波カテーテル側の部材172との嵌め合わせ部175に到達する。そして、液体はこの嵌め合わせ部175から接続コネクタ170の内部に浸入してしまう。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、液体が接続コネクタ側に漏れ出した場合でも、接続コネクタの嵌め合わせ部175に液体が浸入することを防止することができる回転コネクタ部の液体浸入防止構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための本発明に係る回転コネクタ部の液体浸入防止構造は、ラジアルスキャンを行う超音波センサーユニットと該超音波センサーユニットを回転駆動させる駆動部とを接続する接続機構から液体を排出して回転コネクタ部に液体が浸入することを防止する回転コネクタ部の液体浸入防止構造であって、前記接続機構は、前記超音波センサーユニットに前記駆動部を構造的及び電気的に接続させる接続コネクタと、該接続コネクタの外部を囲み、前記超音波センサーユニット側の端部が開口された筒体とを備え、前記筒体は、前記超音波センサーユニットの内部につながれた空間に配置され、前記筒体は、当該筒体の内側と外側とを連絡する排出穴を備えていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、筒体が、当該筒体の内側と外側とを連絡する排出穴を備えているので、超音波センサーユニット側から漏れ出した液体が筒体の内部に浸入した場合でも、接続コネクタ等の回転により発生する遠心力によって、筒体の内部に浸入した液体を排出穴から筒体の外に排出させることができる。そのため、筒体の内部に浸入した液体が接続コネクタの内部に浸入することを防止することができる。
【0017】
本発明に係る回転コネクタ部の液体浸入防止構造において、前記排出穴は、前記接続コネクタを構成する前記駆動部側の部材と前記超音波センサーユニット側の部材との嵌め合わせ部よりも前記超音波センサーユニット側に形成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、排出穴が前記接続コネクタを構成する駆動部側の部材と超音波センサーユニット側の部材との嵌め合わせ部よりも超音波センサーユニット側に形成されているので、筒体の内部に浸入した液体が、接続コネクタを構成する駆動部側の部材と超音波センサーユニット側の部材との嵌め合わせ部に到達する前に、浸入した液体を筒体の外に排出することができる。
【0019】
本発明に係る回転コネクタ部の液体浸入防止構造において、前記排出穴は、前記筒体の周方向の少なくとも1箇所に形成されていることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、排出穴が、筒体の周方向の少なくとも1箇所に形成されているので、筒体の内部に浸入した液体を、接続コネクタ等の回転により発生する遠心力によって筒体から排出させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、超音波センサーユニット側から接続コネクタ側に漏れ出した液体を、接続機構の外部に排出させ、接続機構を構成する接続コネクタの内部に浸入することを防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面のみに限定されるものではない。
【0024】
[全体構成]
本発明に係る回転コネクタ部の液体浸入防止構造の液体排出構造は、
図1及び
図2に示すように、超音波センサー25を備えた超音波センサーユニット1とこの超音波センサーユニット1を駆動させる駆動部65とを接続する接続機構90から液体を排出し、回転コネクタに液体が浸入することを防止するための回転コネクタ部の液体浸入防止構造である。接続機構90は、超音波センサーユニット1に駆動部65を接続させる接続コネクタ70と、接続コネクタ70の外部を囲み、超音波センサー25側の端部が開口された筒体80とを備えている。この筒体80は、超音波センサーユニット1の内部につながれた内部空間67に配置されている。また、筒体80は、当該筒体80の内側と外側とを連絡する排出穴85を備えている。
【0025】
この明細書において、「回転コネクタ部」とは、超音波センサーユニット1に駆動部65を接続させる接続コネクタ70であり、「回転」とは、接続コネクタ70がその長手方向に延びる仮想の中心軸を軸として回転することを意味する。
【0026】
超音波センサーユニット1は、
図1に示すように、シース10と、その内部に設けられた駆動軸20と、駆動軸20の先端に設けられた超音波センサー25とを備えている。また、超音波センサーユニット1は、その根元を駆動部65につないでいるハブ30を備えている。
【0027】
駆動軸20は、超音波センサー25と駆動部65とをつないでおり、駆動部65の駆動力を超音波センサー25に伝えて、超音波センサー25を回転駆動させている。また、駆動軸20は、その内部に配線を備えており、超音波センサー25と駆動部65と間で電気信号を送受信させている。
【0028】
超音波センサーユニット1の内部は、超音波センサー25から発せられる超音波の伝達率を良好に維持するために、生理食塩水等の液体で満たされている。この液体は、ハブ30に設けられた供給口100から超音波センサーユニット1のシース10内部に供給される。
【0029】
超音波センサーユニット1は、従来技術のところで説明したように、内部にシール部材を備えており、このシール部材が超音波センサーユニット1の内部に満たされた液体が駆動部65に漏れ出すことを防止している。具体的に、例えば、駆動軸20の外周面をシールするOリングなどのシール部材をハブ30の内部に備えている。
【0030】
しかしながら、超音波センサーユニット1の内部を満たしている液体は、その内部のシール部材だけでシールすることが困難であり、超音波センサーユニット1から駆動部65側に漏れ出すことがある。
【0031】
本発明に係る回転コネクタ部の液体浸入防止構造は、液体が超音波センサーユニット1から接続機構90側に漏れ出した場合でも、液体を接続機構90から排出し、液体が接続機構90を構成する接続コネクタ70の内部に浸入することを防ぐという特有の効果を奏することができる。なお、本明細書において、「液体が接続コネクタ70の内部に浸入することを防ぐ」とは、液体が接続コネクタ70の内部に全く浸入しないようにすることだけでなく、接続コネクタ70の内部に浸入する液体の量を減少させることも含む。
【0032】
以下、超音波センサーユニット1の液体排出構造の各構成について、図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。
【0033】
[駆動部]
駆動部65は、超音波センサーユニット1の後方に位置しており、超音波センサーユニット1の駆動軸20を回転させることによって駆動軸20の先端に取り付けられた超音波センサー25を回転させている。駆動部65は、例えば、外殻をなすハウジング60と、このハウジング60内に設けられた図示しない駆動モータと、この駆動モータの回転を駆動軸20に伝達するための図示しない伝達機構とにより構成されている。この駆動部65は、その先端側にハウジング60の一部をなす収容部68を備えており、収容部68の内部に超音波センサーユニット1と駆動部65とを接続するための接続機構90を収容している。
【0034】
[収容部]
収容部68は、円筒状をなしており、内部空間67が形成されている。収容部68の先端は開口されており、超音波センサーユニット1側に向けられている。そして、収容部68の内部空間67と超音波センサーユニット1の内部とはつながれている。この収容部68の内部空間67には、後述する接続機構90が設けられている。接続機構90の軸方向は収容部68の軸方向に一致されている。
【0035】
[接続機構]
接続機構90は、
図2に示すように、超音波センサーユニット1に接続させる接続コネクタ70と、この接続コネクタ70の外部を囲む筒体80とを備えている。接続機構90は、駆動部65の内部に設けられた図示しない伝達機構に接続されており、図示しない駆動モータの回転駆動力が伝達機構を介して伝えられている。一方、超音波センサーユニット1側の駆動軸20は図示しない伝達構造で接続機構90につながれている。
【0036】
接続コネクタ70は、本発明の回転コネクタを構成しており、駆動部65と駆動軸20とを電気的に接続している。この接続コネクタ70は、駆動部65側の部材71と、超音波センサーユニット1側の部材72とにより構成されている。
【0037】
図2に示した接続コネクタ70の例では、駆動部65側の部材71が雄型コネクタで、超音波センサーユニット1側の部材72が雌型コネクタである。ただし、接続コネクタ70は、駆動部65側の部材71を雌型コネクタとし、超音波センサーユニット1側の部材72を雄型コネクタとして構成してもよい。
【0038】
筒体80は、円筒状をなしている。筒体80は、その軸方向が接続コネクタ70の軸方向に一致されており、その周面83が接続コネクタ70の周囲に位置するようにして配置されている。この筒体80の一端をなす端部81は、接続コネクタ70を嵌め込むための開口を有している。開口された端部81は、超音波センサーユニット1側に向けられている。この筒体80は、表面が電気的なアースとして利用されており、金属材料によって形成されている。
【0039】
超音波センサーユニット1から漏れ出し、接続機構90に浸入した液体を接続機構90から排出するための機構が、次に説明する回転コネクタ部の液体浸入防止構造である。なお、以下では、「回転コネクタ部の液体浸入防止構造」を単に「液体浸入防止構造」として説明する。
【0040】
[液体浸入防止構造]
液体浸入防止構造は、接続機構90から液体を排出することによって、接続コネクタ70の内部の電気接点の領域に浸入することを防止するための構造である。具体的に、液体浸入防止構造は、接続コネクタ70と当該接続コネクタ70の外部を囲んでいる筒体80との間に浸入した液体を筒体80に形成された排出穴85から筒体80の外側に排出することによって、接続コネクタ70の内部に液体が浸入することを防止している。
【0041】
筒体80は、接続機構90を構成すると共に、液体浸入防止構造を構成している。筒体80は、その周面83に当該筒体80の内側と外側とを連絡する排出穴85を備えている。この排出穴85が、筒体80と接続コネクタ70との間に浸入した液体を筒体80の外側に排出するための穴である。
【0042】
排出穴85は、接続コネクタ70を構成している駆動部65側の部材71と超音波センサーユニット1側の部材72との嵌め合わせ部75よりも超音波センサーユニット1側に形成されている。また、排出穴85は、筒体80の周方向の少なくとも1箇所に形成されている。排出穴85は、筒体80の周方向の少なくとも1箇所に形成されていればよく、2箇所以上に形成されていてもよい。なお、
図3には、筒体80の周方向において、対向する2箇所に形成されている形態を一例として示している。
【0043】
ここで、排出穴85を嵌め合わせ部75よりも超音波センサーユニット1側に形成する意義について説明する。接続コネクタ70の内部に液体が最も浸入しやすい位置は、駆動部65側の部材71と超音波センサーユニット1側の部材72との嵌め合わせ部75である。上述したように、超音波センサーユニット1は、ディスポーザブル品であることが多く、超音波センサーユニット1は使用の都度に交換する。そのため、接続コネクタ70の嵌め合わせ部75の位置まで液体が浸入していた場合、使用後の超音波センサーユニット1を新しい超音波センサーユニット1に交換するときに、嵌め合わせ部75に付着している液体が接続コネクタ70の内部に浸入してしまう。
【0044】
この液体浸入防止構造では、排出穴85が嵌め合わせ部75よりも超音波カテーテル側に形成されているので、開口された端部81から筒体80の内部に浸入した液体は、接続コネクタ70の嵌め合わせ部75に到達する前に排出穴85に到達し、排出穴85から筒体80の外部に排出される。
図2に示す液体浸入防止構造の例では、排出穴85は、筒体80の端部81の位置と接続コネクタ70が配置された位置との間の位置に形成されている。
【0045】
上記の構成を有する液体浸入防止構造は、接続機構90及び筒体80の回転、接続コネクタ70の回転及び駆動軸20と接続コネクタ70とを接続させている領域の回転を利用して遠心力を発生させ、この遠心力を利用して液体を筒体80の外に排出している。筒体80の内側に浸入した液体は、回転により生ずる遠心力によって半径方向外側、すなわち、筒体80の周面83側に移動する。排出穴85は、筒体80の端部81と嵌め合わせ部75との間に設けられているため、筒体80の周面83側に移動した液体は、嵌め合わせ部75に到達する前に筒体80の周面83に形成された排出穴85から筒体80の外側に排出される。その結果、筒体80の内側には液体が存在しなくなるので、接続コネクタ70の内部に浸入することが防止される。
【0046】
超音波センサーユニット1から漏れ出した液体が筒体80の内部に浸入し、筒体80の内部に浸入した液体が排出穴85から筒体80の外に排出されるまでの液体の流れについて、
図2を参照して説明する。
【0047】
上述したように、超音波センサーユニット1の内部に設けられたシール部材は、駆動軸20が偏心して回転した場合や、超音波センサーユニット1の内部に満たされた液体の圧力に対してシール部の接触が弱い場合などに超音波センサーユニット1の内部に満たされた液体を完全にシールすることができない場合がある。この場合、液体は超音波センサーユニット1から駆動部65のハウジングの内部空間67に漏れ出す。漏れ出した液体は、
図2の矢印に示すルートを通ることになる。
【0048】
内部空間67に漏れ出した液体は、接続コネクタ70側に進み、その一部が筒体80の端部81から筒体80の内部に浸入する。筒体80の内部に浸入した液体は、接続機構90、筒体80、接続コネクタ70及び駆動軸20と接続コネクタ70とを接続させている領域の回転によって発生する遠心力によって半径方向の外側に向けて飛ばされ、筒体80の周面83側に移動される。周面83側に移動した液体は、周面83に形成された排出穴85から筒体80の外に排出される。そのため、筒体80の内側には液体が存在しなくなるので、接続コネクタ70の内部に浸入することが防止される。
【0049】
なお、
図2に示した例の液体浸入防止構造は、排出穴85を筒体80の周方向の対向する2箇所に備えている。排出穴85を周方向の対向する2箇所に形成した場合、筒体80の内部に浸入した液体を筒体80の直径方向の両側から排出することができ、排出穴85を1箇所だけに設けた場合よりも効果的に液体を排出することができる。また、筒体80を加工して、筒体80に排出穴85を形成する場合、例えば、ドリルを利用して1工程で2個の排出穴85を形成することができるため、効率的且つ低コストで排出穴85を形成することができる。ただし、排出穴85は、筒体80の2箇所に設けることには限定されず、筒体80の周方向の1箇所に設けてもよいし、筒体80の周方向の3箇所以上に設けてもよい。
【0050】
次に、
図3を参照して、内周面に溝86を設けた筒体80Aについて説明する。
図3に示した筒体80Aは、その内周面に複数の溝86を備えている。複数の溝86は、筒体80Aの内周面において、端部81と排出穴85が形成された位置との間にて螺旋状をなしている。これらの溝86の螺旋が進む向きは、接続機構90の回転によって生じる力を利用して、液体が筒体80Aの開口された端部81から筒体80Aの奥に向かって進む方向に形成されている。そのため、これらの溝86は、接続コネクタ70と筒体80Aとの間に浸入した液体を筒体80Aの周面に形成された排出穴85に誘導し、液体を効果的に筒体80Aの外に排出させている。
【0051】
なお、図には示していないが、筒体の内周面に溝を設ける場合、
図3に示した螺旋が進む向きとは逆方向に螺旋が進む方向に溝を形成してもよい。この場合、筒体の開口された端部から浸入した液体は、筒体の奥に進むことが防止される。また、筒体の内部に液体が浸入した場合でも、液体は排出穴から筒体の外に排出される。そのため、液体が接続コネクタの内部に浸入することを効果的に防止することができる。
【0052】
以上の構成を有する回転コネクタ部の液体浸入防止構造は、接続コネクタ70と筒体80の間に浸入した液体を筒体80の外に排出することによって、接続コネクタ70の内部の電気接点の領域に浸入することを防止する効果を有すると共に、以下の効果も有している。
【0053】
すなわち、回転コネクタ部の液体浸入防止構造は、筒体80に排出穴85を形成することによって構成されているので、(i)駆動軸20を着脱させる力に影響を与えない、(ii)超音波センサー25を駆動軸20と共に回転させるトルクに影響を与えない、(iii)筒体80の表面の接触抵抗に影響を与えないので、表面をアースとして利用することができるという効果を有している。(iv)また、回転コネクタ部の液体浸入防止構造を低廉なコストで製造することができるという効果も有している。さらに、回転コネクタ部の液体浸入防止構造は、筒体80に排出穴85を形成することによって構成されているので、既存の超音波センサーユニットに対して特別な改造を行わないで、筒体80に排出穴85を形成することによって回転コネクタ部の液体浸入防止構造を適用することができる。