(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
計量容器に一回分の注湯量を示す目盛りが設けられてあり、この目盛りよりも下方に蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との上端開口部を設けていることを特徴とする請求項1に記載のドリッパーへの注湯装置。
計量容器に蓋体を設け、この蓋体の開閉操作に連動して上記弁開閉機構を作動させ、蓋体を開放した際には蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を閉止状態に保持し、閉止させた際には蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を開放状態に保持するように構成していることを特徴とする請求項1に記載のドリッパーへの注湯装置。
弁開閉機構は、計量容器と注湯容器との間に配設され、その上面に計量容器の蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口に挿脱可能なピンと湯流下孔とを設けている支持台と、この支持台の上面両側部に、計量容器の蓋体の開閉に連動して上下動自在に配設され、上記計量容器を架設状態に載置させる互いに平行な一対の水平リフトバーとからなり、上記蓋体の閉止操作によって計量容器を下動させて上記支持台に突設しているピンで排湯口の弁を押し上げて開弁させるように構成していることを特徴とする請求項1に記載のドリッパへの注湯装置。
支持台の前周部に周壁を突設し、この周壁の前面部分に上端から下端近傍部に達する縦長孔を設けてあり、この縦長孔に、計量容器の把手を挿通状態に介入させていることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のドリッパーへの注湯装置。
待機容器はその上端開口部を抽出用貯湯室の下方に向け、且つ傾斜した状態にして回動自在に配設され、一定量以上の湯が溜まると傾動して排湯するししおどしの構造に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリッパーへの注湯装置。
待機容器の内部に逆U字形のサイフォン管が設けられていてこのサイフォン管の下向きに開口した一方の開口端を待機容器の内底面に臨ませてあり、他方の開口端を待機容器の底部を貫通して下方に臨ませていることを特徴とする請求項1に記載のドリッパーへの注湯装置。
【背景技術】
【0002】
従来から、コーヒードリッパーを使用してまろやかで美味しいコーヒを抽出するには、まず、ドリッパー内に濾過紙をセットしてこの濾過紙上に適量のコーヒー粉末を入れたのち、少量の湯を注いでコーヒー粉末全体を蒸らし、膨潤させることによってコーヒー成分を抽出し易くし、しかるのち、所望量の湯を注いでコーヒー成分を抽出しながらコーヒーカップ内に注ぐことが行われている。
【0003】
このように、コーヒー粉末の蒸らし手順とコーヒー成分の抽出手順とを順次行うことによってコーヒーの抽出液を得ることができるコーヒードリッパーとしては、例えば、特許文献1に、ドリッパーの底部に設けているコーヒー抽出液の抽出孔に弁を配設し、この弁をレバー操作によって作動させることより、抽出孔を開閉するように構成してなるものが記載されている。
【0004】
このコーヒードリッパーによれば、まず、弁によってドリッパー底部の抽出孔を閉じた状態で濾過紙をセットしているドリッパー内のコーヒー粉末に注湯し、コーヒー粉末の蒸らし時間の経過後、蒸らしによって膨潤しているコーヒー粉末に注湯をしながらレバー操作により弁を開放させることによってコーヒーの抽出液を抽出孔からコーヒーカップ内に注ぐことができる。
【0005】
また、特許文献2には、ドリッパーの上端開口部に蒸らし容器を架設状態に軸支してなるコーヒードリッパーが記載されている。このコーヒードリッパーによれば、蒸らし容器内に適量のコーヒー粉末を収容したのち、所望時間、湯を注ぐことによってコーヒー粉末を蒸らし、この蒸らし手順に引き続いて蒸らし容器内に注湯を行うことにより、蒸らし容器内のコーヒー粉末を注いだ湯と共に蒸らし容器内から溢れ出させて濾過紙をセットしている下方のドリッパー内に流下させ、しかるのち、蒸らし容器をその開口端が下向きとなるように反転、設置することにより蒸らし容器内に残存する湯をドリッパー内に排出し、ドリッパーにセットしている濾過紙を通過させてコーヒーを抽出している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前者のコーヒードリッパーによれば、コーヒーの蒸らし時において、ドリッパーの底部の抽出孔を弁により閉止した状態にしてドリッパー内に注ぐ注湯量や蒸らし時間が不定となり、蒸らし時間が短すぎるとコーヒー成分を充分に抽出することができず、薄く味気のないコーヒーとなってしまい、蒸らし時間が長すぎるとコーヒー粉末が膨潤しすぎて苦味が強くなり、まろやかな味のコーヒー抽出液が得られなく、且つ、香りも流出してしまうといった問題点がある。
【0008】
同様に、後者のコーヒードリッパーにおいても、蒸らし時において、コーヒー粉末を入れている蒸らし容器内に湯が満杯となるまで注湯する時間が、注湯速度等に応じて変動して蒸らし時間が短くなったり長くなったりして一定の蒸らし状態にすることができず、その上、蒸らし手順に引き続いて蒸らし容器内に注湯を行うと、湯がコーヒー粉末内に充分に浸透する前にコーヒー粉末と共に蒸らし容器から溢れ出し、コーヒー成分を充分に抽出することができなくなってまろやかで美味しいコーヒーが得られないといった問題点がある。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、常に一定量の蒸らし用の湯と一定量のコーヒー成分抽出用の湯とを順次一定の時間差でもってコーヒードリッパーに注いで、まろやかで美味しいコーヒーを得ることができるドリッパーへの注湯装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明のドリッパーへの注湯装置は、請求項1に記載したように、下端に弁によって開閉自在な排湯口をそれぞれ設けている蒸らし用貯湯室と抽出用
貯湯室とを有する計量容器と、この計量容器における上記蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口に設けている弁を同時に開閉させる弁開閉機構と、計量容器の下方に直列状に接続され、底部に上記蒸らし用注湯室の排湯口から流下する湯を直接ドリッパーに注ぐ注湯孔を設けている注湯容器と、この注湯容器内に配設され、上記抽出用貯湯室の排湯口から流下する湯を一旦受け入れておき、上記蒸らし用貯湯室からのドリッパへの注湯における一定の蒸らし時間後に注湯容器の上記注湯孔を設けている底部上に排出するように構成した待機容器とからなることを特徴とする。
【0011】
このように構成したドリッパーへの注湯装置において、請求項2に係る発明は、上記計量容器に一回分の注湯量を示す目盛りが設けられてあり、この目盛りよりも下方に蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との上端開口部を設けていることを特徴とする。
【0012】
請求項
3に係る発明は、計量容器に蓋体を設け、この蓋体の開閉操作に連動して上記弁開閉機構を作動させ、蓋体を開放した際には蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を閉止状態に保持し、閉止させた際には蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を開放状態に保持するように構成していることを特徴とする。
【0013】
請求項
4に係る発明は、上記弁開閉機構は、計量容器と注湯容器との間に配設され、その上面に計量容器の蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口に挿脱可能なピンと湯流下孔とを設けている支持台と、この支持台の上面両側部に、計量容器の蓋体の開閉に連動して上下動自在に配設され、上記計量容器を架設状態に載置させる互いに平行な一対の水平リフトバーとからなり、上記蓋体の閉止操作によって計量容器を下動させて上記支持台に突設しているピンで排湯口の弁を押し上げて開弁させるように構成していることを特徴とする。
【0014】
請求項
5に係る発明は、支持台の前周部に周壁を突設し、この周壁の前面部分に上端から下端近傍部に達する縦長孔を設けてあり、この縦長孔に、計量容器の把手を挿通状態に介入させていることを特徴とする。
【0015】
請求項
6に係る発明は、待機容器はその上端開口部を抽出用貯湯室の下方に向け、且つ傾斜した状態にして回動自在に配設され、一定量以上の湯が溜まると傾動して排湯するししおどしの構造に構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項
7に係る発明は、待機容器の別な構造であって、待機容器の内部に逆U字形のサイフォン管が設けられていてこのサイフォン管の下向きに開口した一方の開口端を待機容器の内底面に臨ませ、他方の開口端を待機容器の底部を貫通して下方に臨ませていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、計量容器内には、下端に弁によって開閉自在な排湯口をそれぞれ設けている蒸らし用貯湯室と抽出用
貯湯室とを設けているので、この計量容器内に所定量の湯を注ぐことによって蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室とにコーヒー粉の蒸らしと成分抽出に必要な一定量の湯をそれぞれ同時に且つ正確に分配した状態で収容することができる。
【0018】
さらに、上記計量容器における蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口に設けている弁を同時に開閉させる弁開閉機構を備えていると共に、計量容器の下方に、上記蒸らし用注湯室の排湯口から流下する湯を直接ドリッパーに注ぐ注湯孔を底部に設けている注湯容器を接続してあり、この注湯容器内に、上記抽出用貯湯室の排湯口から流下する湯を一旦受け入れておき、上記蒸らし用貯湯室からのドリッパへの注湯における一定の蒸らし時間後に注湯容器の底部上に排湯する待機容器を配設しているので、上記弁開閉機構の作動によって同時に開弁する蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口から一斉に注湯容器内に排湯されるにもかかわらず、蒸らし用貯湯室から排出される一定量の湯のみを注湯容器の注湯孔から直接ドリッパーに注いで、ドリッパー内のコーヒー粉を一定量の蒸らし用の湯によって膨潤させることができ、その間、待機容器に抽出用貯湯室からの排湯を一旦、貯留させておくことができると共に、上記コーヒー粉の蒸らし時間の経過後にこの待機容器から抽出用の湯を注湯容器の注湯孔を通じてドリッパー側に注いで、コーヒー成分を抽出することができる。
【0019】
従って、ドリッパー内に注ぐコーヒー粉末の蒸らし用の湯の量と、蒸らし時間を常に一定に設定することができると共に、一定量のコーヒー抽出用の湯を蒸らし用の湯に対して一定の時間差でもってドリッパーに注ぐことができてまろやかで美味しいコーヒーを得ることができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、上記計量容器に一回分の注湯量を示す目盛りが設けられていると共に、この目盛りよりも下方に蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との上端開口部を設けているので、計量容器内に湯を注ぐことによって、蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室内に自動的に所定量の蒸らし用の湯と抽出用の湯とを分配させた状態に充満させることができると共に、これらの蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との上端開口部から上方に収容されている上層側の湯を蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口からの排湯に従って、蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室とに所定量ずつ分配して、蒸らし用と抽出用とに必要な所定量の湯を一定の時間差でもってドリッパー側に順次注ぐことができる。
【0021】
この際、
コーヒー抽出時には、蒸らし用に必要な少量の湯を蒸らし用貯湯室内を通じて注湯容器に供給し、多量の湯を必要とする抽出用の湯を貯湯室貯湯室内を通じて注湯容器内の待機容器に供給することができる。
【0022】
請求項
3に係る発明によれば、計量容器には蓋体が設けられていて、この蓋体の開閉操作に連動して上記弁開閉機構を作動させ、蓋体を開放した際には蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を閉止状態に保持し、閉止させた際には蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を開放状態に保持するように構成しているので、蓋体を開放させて計量容器内に湯を注ぎ入れる時には蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を閉止状態に保持して、目盛りを設けた位置まで正確に湯を収容することができ、蓋体を閉止することによって蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を自動的に開放して注湯容器側に排湯することができる。
【0023】
請求項
4に係る発明によれば、上記弁開閉機構は、計量容器と注湯容器との間に配設され、その上面に計量容器の蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口に挿脱可能なピンと湯流下孔とを設けている支持台と、この支持台の上面両側部に、計量容器容器の蓋体の開閉に連動して上下動自在に配設され、上記計量容器を架設状態に載置させる互いに平行な一対の水平リフトバーとからなり、上記蓋体の閉止操作によって計量容器を下動させて上記支持台に突設しているピンで排湯口の弁を押し上げて開弁させるように構成しているので、簡単な構造によって確実且つ円滑に蓋体の開閉操作に連動させて計量容器の蒸らし用貯湯室室と抽出用貯湯室との排湯口を開閉させることができ、蓋体を開放した状態においては閉弁されていて計量容器内への湯の注入が円滑に行え、蓋体の閉止と同時に開弁させてコーヒーの抽出を自動的に行うことができる。
【0024】
また、請求項
5に係る発明によれば、支持台の前周部に周壁を突設していてこの周壁の前面部分に上端から下端近傍部に達する縦長孔を設けてあり、この縦長孔に、計量容器の把手を挿通状態に介入させているので、この把手を摘んで計量容器の周壁に設けている上記縦長孔に上方から差し入れることにより、計量容器の蒸らし用貯湯室と抽出用貯湯室との排湯口を支持台に突設している弁突き上げ用のピンの上方にそれぞれ対応するように計量容器を支持台上に簡単且つ正確にセットすることができ、コーヒー抽出時においては計量容器を妄動させることなくその状態を保持させておくことができる。
【0025】
請求項
6に係る発明によれば、抽出用貯湯室の排湯口から流下する抽出用の湯を一旦、保有させておく待機容器は、その上端開口部を抽出用貯湯室の排湯口に向け、且つ傾斜した状態にして回動自在に配設され、一定量以上の湯が溜まると傾動して排湯するししおどしの構造からなるものであるから、抽出用貯湯室の排湯口からこの待機容器内に供湯する時間と待機容器が傾動してこの待機容器から下方に排湯する時間とが常に一定に設定することができ、これらの時間内に上記蒸らし用貯湯室の排湯口からドリッパー側に注湯してコーヒー粉末を充分に膨潤させる工程が終わるように簡単且つ正確に調整することができ、コーヒー成分を効果的に抽出させた美味しいコーヒーを得ることができる。
【0026】
一方、請求項
7に係る発明によれば、抽出用貯湯室の排湯口から流下する抽出用の湯を一旦、保有させておく待機容器は、容器内に、一方の開口端を容器の内底面に臨ませ、他方の開口端を容器の底部を貫通して下方に臨ませている逆U字形のサイフォン管を配設してなるものであるから、上記請求項7に記載の待機容器と同様に、抽出用貯湯室の排湯口からこの容器内に給湯が開始されたのち容器の底面から下方に臨ませている管路を通じてドリッパー側に注湯する時間を一定に設定することができ、従って、この時間内に上記蒸らし用貯湯室の排湯口からドリッパー側に注湯してコーヒー粉末を充分に膨潤させる工程が終わるように正確に調整することができてコーヒー成分を効果的に抽出させた美味しいコーヒーを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明すると、
図1〜
図4において、ドリッパーへの注湯装置は、下端に球体の弁2a、3aによって開閉自在な排湯口2b、3bをそれぞれ備えた蒸らし用貯湯室2と抽出用貯湯室3とを設けている計量容器1と、この計量容器1の上端開口部を開閉する蓋体4を備えた支持台5と、この蓋体4の開閉に連動させて上記計量容器1における蒸らし用貯湯室2と抽出用貯湯室3との排湯口2b、3bを同時に開閉させる弁開閉機構6と、計量容器1の下方に上記支持台5を介して直列状に接続され、その底部7aに上記計量容器1における蒸らし用貯湯室2の排湯口2bから流下する湯を下方に配したドリッパーAに直接注ぐ注湯孔7bを設けている注湯容器7と、この注湯容器7内に配設され、上記抽出用貯湯室3の排湯口3bから流下する湯を一旦受け入れておき、上記蒸らし用貯湯室2からのドリッパーAへの注湯における一定の蒸らし時間後にドリッパーA側に注湯する待機容器8と、スタンド9とから構成されている。
【0029】
上記計量容器1は長さが短い有底円筒体からなり、その下半部内に、外周縁を全周に亘ってこの計量容器1の内周面に一体に接続させている浅底円錐形状の底部3c(この底部3cは計量容器1の底部を兼備している)を有する上記抽出用貯湯室3が設けられてあり、この抽出用貯湯室3の上端開口部を全面的に開放させていると共にその底部3cの最も深い中心部に上記弁3aによって開閉自在に閉止された排湯口3bを設けている。
【0030】
さらに、この抽出用貯湯室3の外周部における前部内に、下端部が先細の円錐形状の底部2cに形成された小径円筒形状の上記蒸らし用貯湯室2が配設されている。この蒸らし用貯湯室2の下端部外周面は抽出用貯湯室3の底部3cにおける前部の外周部に一体に連設されていてその底部2cを抽出用貯湯室3の底部3cの前部から下方に突出させてあり、この円錐形状に形成された底部2cの最も深い中心部に上記弁2aによって開閉自在に閉止された排湯口2bを設けている。なお、下方に向かって開口させている抽出用貯湯室3の排湯口3bの開口端と蒸らし用貯湯室2の排湯口2bの開口端とは同一水平面上に位置させている。
【0031】
上記計量容器1の上端部内周面にはコーヒーカップBへの一回分の注湯量を示す目盛り10が設けられてあり、この目盛り10よりも下方に上記蒸らし用貯湯室2と抽出用貯湯室3との上端開口部を設けていると共に、蒸らし用貯湯室2の上端開口部よりも抽出用貯湯室3の上端開口部を下方に配置させている。従って、計量容器1内に上記目盛り10まで湯を入れた状態においては、蒸らし用貯湯室2内の湯とこの蒸らし用貯湯室2の上端開口部を湯面まで上方に延長させた仮想円筒内の湯とがコーヒー粉末の蒸らし用の湯として使用され、その他の湯がコーヒー成分の抽出用の湯として使用されるように構成している。
【0032】
上記蒸らし用貯湯室2の円錐形状の底部2c内と抽出用貯湯室3の浅底円錐形状の底部3c内とにそれぞれ球状に形成された上記弁2a、3aが配設されていて、これらの弁2a、3aの自重によって蒸らし用貯湯室2の底部2cと抽出用貯湯室3の底部3cとに貫設している上記排湯口2b、3bの上端開口部を常態においては閉止してあり、弁2a、3aを上方に突き上げることによって上記排湯口2b、3bの上端開口部を開放させるように構成している。また、抽出用貯湯室3の外底面前後部には、下方に向かって下端が計量容器1の下端に達する位置まで突出した脚壁部1a、1aが設けられている。また、計量容器1の外周部における前面には把手1bが一体に設けられている。
【0033】
計量容器1の上端開口部を開閉する蓋体4を備えた上記支持台5は、
図5〜
図8等に示すように、計量容器1の外径よりも僅かに大径の円板形状に形成されてあり、その中心部(中央部)上面に、計量容器1の上記抽出用貯湯室3の排湯口3bの下方に対向させてこの排湯口3bの開口下端側からこの排湯口3bに相対的に挿入して上記弁3aを突き上げ可能なピン12を突設していると共に前部上面に、計量容器1の上記蒸らし用貯湯室2の排湯口2bの下方に対向させてこの排湯口2bの開口下端側からこの排湯口2bに相対的に挿入して上記弁2aを突き上げ可能なピン13を突設している。なお、これらのピン12、13は、それぞれ排湯口2b、3bよりも小径に形成されてあり、その外周面と排湯口2b、3bとの間の隙間を通じて排湯するように構成している。
【0034】
また、支持台5の上面中央部と上面前部とに、上記ピン12、13をそれぞれ囲繞した小径筒部14、15を突設してあり、これらの小径筒部14、15によってそれぞれ囲まれた支持台5の中央部と前部とに上下方向に貫通した複数個の湯流下孔16、17が穿設されている。
【0035】
さらに、支持台5の後部側における外周面両側部に軸受用突片18、18を突設してあり、これらの突片18、18に計量容器1の上端開口部を開閉する上記蓋体4の後面両側部に突設したアーム片19、19の下端部を軸体20によって回動自在に枢着して蓋体4により計量容器1の開口端を開閉させるように構成していると共に、支持台5の上面両側部には前後方向に長い一定幅を有する直状の凹溝23、23(
図9〜
図12参照)が左右に一定間隔を存して互いに平行に設けられていて、これらの凹溝23、23内に計量容器1を架設状態に載置させる互いに平行な左右一対の水平リフトバー21、21が配設されている。
【0036】
これらの水平リフトバー21、21の前端部は、基端部を凹溝23、23の前端部の両側内壁に支持された支軸32に枢着しているリンク片22、22の先端部に回動自在に枢着されている共に、後端部は、支持台5の後端から後方に向かった開口している凹溝23、23の後端から後方に突出していて、この後端部を上記蓋体4のアーム片19、19における上記軸体20の枢着部から上記リンク片22の長さに略等しい距離を存した中間部に突設している支軸33に回動自在に枢着してあり、蓋体4の開閉操作に連動してこれらの水平リフトバー21、21を同時に上下動させ、互いに平行に保持したまま上記凹溝23、23から出没自在となるように構成している。
【0037】
そして、上記計量容器1と注湯容器7との間に配設された上記支持台5と、この支持台5に枢着されて計量容器1の開口端を開閉する蓋体4と、蓋体4の開閉に連動して上下動する上記水平リフトバー21、21とによって、水平リフトバー21、21上に載置した計量容器1の下動時に上記支持台5に突設しているピン12、13で排湯口2b、3bの弁2a、3aを押し上げて開弁させ、計量容器の上動時に上記支持台5に突設しているピン12、13から排湯口2b、3bを上方に離間させて閉弁させる弁開閉機構6(
図5参照)を構成している。
【0038】
上記支持台5の前半部周縁には周壁5aが突設されていると共に後半部周縁にはこの周壁5aよりも高さが低い周壁5bが突設されていて、これらの周壁5a、5bで囲まれた空間部内に上記計量容器1を挿脱自在に配設するようにして構成していると共に、上記前半部側の周壁5aの前面中央部に計量容器1の把手1bのガイドとなる縦長孔24が上端から下端近傍部に達するまで設けられてあり、この縦長孔24内に上方から把手1bを挿入して計量容器1を前側周壁5a、5bによって囲まれた支持台5上に収納し、その外底面を上記水平リフトバー21、21間上に架設状態となるように載置させるように構成している。さらに、支持台5の外周縁には下方に向かって一定長さの下側周壁部5cが設けられてあり、この下側周壁部の下部に断面L字状の周段部5dを全周に亘って形成している。
【0039】
上記注湯容器7内に配設されて、上記抽出用貯湯室3の排湯口3bから流下する湯を一旦受け入れておき、上記蒸らし用貯湯室2からのドリッパーAへの注湯における一定の蒸らし時間後にドリッパーA側に注湯する待機容器8はししおどし(鹿威し)の構造に構成されている。
【0040】
具体的には、注湯容器7の底部7aの上面両側部における後側寄り部分に一定高さを有する軸受片25、25が突設されている一方、待機容器8は有底角筒形状に形成され且つ上端開口部が斜めにカットされて抽出用貯湯室3の排湯口3bからの湯受入れ口8aに形成されていると共にこの待機容器8の長さ方向の中間部両側面に軸26、26が突設されてあり、この軸26、26を上記軸受片25、25に回動自在に支承させ、湯を受け入れていない空の状態においては重心を軸26よりも後方側に位置させて上端から下端に向かって斜め後方に傾斜させた状態にして注湯容器7の底部7aに突設した受止突片7cにその底部を受止させている。
【0041】
注湯容器7は支持台5とその外周面が同径の円筒形状に形成されていると共に、その底部7aを注湯容器7の下端部内周面に一体に連設している外周縁から中心部(中央部)に向かって緩やかに下方に傾斜させた浅底円錐形状に形成してあり、この底部7aの中心部に上記注湯孔7bを設けている。さらに、注湯容器7の上端部は上記支持台5の下側周壁部5cに形成している周段部5dに嵌脱自在に嵌合させて支持台5の下方に注湯容器7を直列に接続させた係合部7dに形成されている。
【0042】
また、この注湯容器7の底部7aの外底面における両側部には、注湯容器7の下方にコーヒーカップBとドリッパーAを設置可能な空間部を設けるためのスタンド9を接続する取付孔27、27を有する左右一対の筒体部28、28が下方に向かって突設されている。さらに、この筒体部28、28よりも高さ(長さ)の異なる取付孔29、29を有する左右一対の筒体部30、30(
図2参照)も突設されていて、スタンド9の設置面からの注湯容器7の配置高さを変更可能に構成している。
【0043】
スタンド9は、上端部を上記注湯容器7の底部7aに設けている左右一対の筒体部28、28(30、30)の取付孔27、27(29、29)に差し込むことによって注湯容器7の外底面に接続させるための左右一対の支柱部9a、9aと、これらの支柱部9a、9aの下端から水平方向に屈曲し、互いに平面U字状に連なった設置用座部9bとから形成されている。
【0044】
上記のように構成したドリッパーへの注湯装置は、不使用時には
図4に示すように、計量容器1やこの計量容器1の蓋体4を設けている支持台5、注湯容器7、スタンド9等は別々にして保管するようにしてあり、使用時にはスタンド9の支柱部9a、9aの上端部を注湯容器7の外底面に突設している左右一対の筒体部28、28(30、30)の取付孔27、27(29、29)に差し込むことによってスタンド9上に注湯容器7を取付けると共に、支持台5の下側周壁部5cの下端部に設けている段周部5dを上記注湯容器7の上端係合部7dに嵌合させることによって注湯容器7上に支持台5を直列状に接続する。なお、注湯容器7内には予め待機容器8が取付けられていると共に支持台5には水平リフトバー21、21及び蓋体4が取付けられている。
【0045】
さらに、蓋体4を後方に傾倒させて支持台5の上端開口部を全面的に開放させた状態にして、この支持台5の周壁5a、5bによって囲まれた空間部内に上方から計量容器1を挿入する。この挿入操作は、計量容器1の把手1bを把持しながら該把手1bを支持台5の前側周壁5aに前面に設けている縦長孔24に上方から挿入しながら行う。従って、計量容器1はその蒸らし用貯湯室2側を前方側に向けた状態にして正確に支持台5上に設置することができる。この計量容器1の挿入時には蓋体4が開放されていてその開放により支持台5の底部両側に設けている水平リフトバー21、21がリンク片22、22の起立によって支持台5の凹溝23、23から上方に突出してあり、計量容器1の脚部1aをこの水平リフトバー21、21上に載置させることによって計量容器1を支持台5上に設置する。
【0046】
このように、ドリッパーへの注湯装置を組立てたのち、スタンド9によって支持されている注湯容器7の下方に、開口部にドリッパーAを配設したコーヒーカップBを設置する(
図13参照)。なお、ドリッパーAとしては、漏斗状に形成されたドリッパー本体a1の底部に抽出孔a2を設けていると共に、底部外周にコーヒーカップBの開口端に載置する円板形状のフランジ部a3を設けてなり、ドリッパー本体a1の内面に沿って濾紙Cを展開、敷設し、この濾紙C内に一回分のコーヒー粉末Dを投入するように構成しているが、このようなドリッパーAに限らず、例えば、
図19に示すように、一回分のコーヒー粉末Dを収容した濾紙からなるコーヒーバッグA'の開口端部に、コーヒーカップBの開口縁に架設状態に支持させる支持片Eを設けてなる構造のドリッパーBであってもよい。
【0047】
開口端にドリッパーAを設けたコーヒーカップBを注湯容器7の下方に設置したのち、蓋体4が開放状態の計量容器1内にポット等から湯(熱湯)を目盛り10に達するまで注ぎ入れる(
図14、
図15参照)。この際、蓋体4の開放によって計量容器1を支持している水平リフトバー21、21が支持台5の底面から上方に上昇していて、計量容器1が持ち上げられている。従って、計量容器1内に設けている蒸らし用貯湯室2と抽出用貯湯室3との排湯口2b、3bが支持台5の中央部上面と前部上面とに突設しているピン12、13からそれぞれ上方に離間してあり、これらの排湯口2b、3bが球体弁からなる弁2a、3aの自重によって閉止されていて、下方に漏れることなく計量容器1内に収容された状態を保持している。
【0048】
計量容器1内にその目盛り10に達するまで注湯したのち蓋体4を閉止すると、
図11、
図12、
図16に示すようにその閉止操作に連動して水平リフトバー21、21が降下し、これらの水平リフトバー21、21を配設している支持台5の両側凹溝23、23内に没入する。この水平リフトバー21、21の降下によって水平リフトバー21、21上に載置している計量容器1も一体に降下し、この計量容器1内に設けている蒸らし用貯湯室2と抽出用貯湯室3との排湯口2b、3b内に支持台5の中央部上面と前部上面とに突設しているピン12、13が相対的に挿入してこれらのピン12、13の先端で弁2a、3aを突き上げ、排湯口2b、3bを開放させる。
【0049】
そうすると、蒸らし用貯湯室2内と抽出用貯湯室3内の湯が排湯口2b、3bから支持台5におけるピン12、13の周囲に穿設された湯流下孔16、17を通じて注湯容器7内に流出する。この際、蒸らし用貯湯室2内から排湯口2b、湯流下孔16を通じて流出する湯は、直接、注湯容器7の底部7a上に流下する一方、抽出用貯湯室3内から排湯口3b、湯流下孔17を通じて流出する湯は、注湯容器7の底部7a上に流下することなく注湯容器7内に配設している待機容器8内に一旦貯留される。
【0050】
計量容器1内に収容している湯が排湯口2b、3bを通じて注湯容器7側に排出されるに従って、計量容器1内の湯面が降下し、抽出用貯湯室3の上端開口部よりもその上端開口部が上方に位置している蒸らし用貯湯室2の開口端まで降下すると、蒸らし用貯湯室2側へは湯が入ることなくこの蒸らし用貯湯室2内の湯が引き続いて注湯容器7の底部7a上に流下してこの底部7aの傾斜上面を伝って底部7aの中心部に設けている注湯孔7bからドリッパーA内に注ぎ込み、ドリッパーAの濾紙C内のコーヒー粉末D全体をこの湯によって一定時間蒸らしてコーヒー粉末Dを膨潤させ、コーヒー成分を抽出し易くする。
【0051】
このように、蒸らし用貯湯室2から流出する湯によってコーヒー粉末Dを膨潤させている間に、抽出用貯湯室3から流出する湯を一旦、待機容器8内に受け入れさせ、コーヒー粉末Dの蒸らし時間が完了する際に、待機容器8内に充満した湯によって
図17に示すように、この待機容器8の上端開口部が下方に傾動して待機容器8内の湯が注湯容器7の底部7a上に流下し、この底部7aの中心部に設けている上記注湯孔7bからドリッパーA内に注ぎ込んで上記蒸らしによって膨潤したコーヒー粉末Dの成分を抽出し、抽出したコーヒー液を濾紙C、抽出孔a2を通じてコーヒーカップBに収容する。なお、待機容器8はその内部の湯が所定量に達して待機容器8の重心の位置が待機容器8の回動中心である軸26よりも前方に移動し、軸26を支点として前方に向かって斜め下方に傾動して内部の湯を排出し、排出後に元の状態に復帰する。
【0052】
蒸らし用貯湯室2側からドリッパーAに注ぎ込まれる上記蒸らし用湯によるコーヒー粉末Dの蒸らし工程は、コーヒー粉末Dを最も良好な状態に膨潤させるに必要な時間だけ行われ、この時間の経過後に上記待機容器8側からドリッパーAに抽出用の湯を注ぎ込むことによってまろやかで香りのよい美味しいコーヒーを抽出することができる。
【0053】
例えば、計量容器1に注ぐ湯量が略160cc、蒸らし用貯湯室2の排湯口2bからドリッパーA側に注ぐ湯量を略20cc、抽出用貯湯室3の排湯口3bからドリッパーA側に注ぐ湯量を略140cc、蒸らし用貯湯室2側からのドリッパーA側への注湯後、待機容器8側からのドリッパーA側への注湯行う時間差が略15秒となるように構成しておくと、コーヒー成分の良好な抽出を可能にすることができる。
【0054】
なお、以上の実施例においては、蒸らし用貯湯室2と抽出用貯湯室3との排湯口2b、3bを開閉する弁2a、3aとして球体弁を使用しているが、下側からピン12、13により開放可能な平たい弁であってもよく、その他の開閉手段を採用してもよい。
【0055】
さらに、蒸らし用貯湯室2からドリッパーA側への注湯の開始と同時に抽出用貯湯室3からの注湯をドリッパーA側に行うことなく一旦、待機容器8内に収容しておき、蒸らし用貯湯室2からの注湯によってコーヒー粉末Dが良好に蒸らされた後に、引き続いて待機容器8からドリッパーA側に注湯を行うようにするための待機容器8の作動は、上記のように、「ししおどし」の構造に行っているが、このような手段に限定されることなく、例えば、
図20〜
図22に示すように、サイフォンの原理を利用した構造を採用してもよい。
【0056】
このサイフォンの原理を利用した構造を備えた待機容器8'は、一定深さを有する四角形の箱状に形成されていて、注湯容器7の底部7aの上面両側部における後側寄り部分に突設した一定高さを有する軸受片25’、25’に両外側面の中央部に突設している軸部26' 、26' を回動不能に且つ取り外し可能に支持させてあり、この待機容器8'内に、逆U字形のサイフォン管40が、その下向きに開口した一方の開口端40a を待機容器8'の内底面に近接させた状態で臨ませ、他方の下向きに開口した開口端40b を待機容器8'の底部を水密状態に貫通して注湯容器7の内底面に臨ませた状態にして配設、固定している。なお、上記サイフォン管40の上端屈曲部は、待機容器8'の上端開口部よりも下方に位置している。
【0057】
サイフォン管40を備えた待機容器8'以外の計量容器1や蒸らし用貯湯室2、抽出用貯湯室3、抽出用貯湯室3、蓋体4、支持台5、弁開閉機構6、注湯容器7等の注湯装置を構成している構造は上記実施例と同様であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0058】
このように構成したので、計量容器1内にその目盛り10に達するまで注湯したのち蓋体4を閉止し、上記実施例と同様に、この閉止によって連動する水平リフトバー21、21の降下によって水平リフトバー21、21上に載置している計量容器1内の蒸らし用貯湯室2と抽出用貯湯室3との排湯口2b、3bを支持台5に突設しているピン12、13によって突き上げ、排湯口2b、3bを開放させる。
【0059】
そうすると、蒸らし用貯湯室2内と抽出用貯湯室3内の湯が排湯口2b、3bから支持台5におけるピン12、13の周囲に穿設された湯流下孔16、17を通じて注湯容器7内に流出する。この際、蒸らし用貯湯室2内から排湯口2b、湯流下孔16を通じて流出する湯は、直接、注湯容器7の底部7a上に流下する一方、抽出用貯湯室3内から排湯口3b、湯流下孔17を通じて流出する湯は、注湯容器7の底部7a上に流下することなく注湯容器7内に配設している待機容器8'内に収容される。
【0060】
蒸らし用貯湯室2内から排湯口2b、湯流下孔16を通じて注湯容器7の底部7a上に流下した湯は、この底部7aの傾斜上面を伝って底部7aの中心部に設けている注湯孔7bからドリッパーA内に注ぎ込まれて、ドリッパーAの濾紙C内のコーヒー粉末D全体をこの湯によって蒸らしてコーヒー粉末Dを膨潤させ、コーヒー成分を抽出し易くする。
【0061】
このように、蒸らし用貯湯室2から流出する湯によってコーヒー粉末Dを一定時間、膨潤させている間に、抽出用貯湯室3から流出する湯が待機容器8'内に充満し、コーヒー粉末Dの蒸らし時間が完了する際に、待機容器8'の内底面に臨ませている一方の開口端40a
からサイフォン管40内に浸入した湯がサイフォン管40の上端屈曲部の高さまで達して待機容器8'の湯面に作用する大気圧により、待機容器8'内の湯がサイフォン管40内を通じてこのサイフォン管40の他方の開口端40b から注湯容器7の底部7a上に流下し、この底部7aの中心部に設けている上記注湯孔7bからドリッパーA内に注ぎ込んで上記蒸らしによって膨潤したコーヒー粉末Dの成分を抽出し、抽出したコーヒー液を濾紙C、抽出孔a2を通じてコーヒーカップBに収容する。
【0062】
蒸らし用貯湯室2側からドリッパーAに注ぎ込まれる上記蒸らし用湯によるコーヒー粉末Dの蒸らし工程は、上記実施例と同様に、コーヒー粉末Dを最も良好な状態に膨潤させるに必要な時間だけ行われ、この時間の経過後に上記待機容器8'側からドリッパーAに抽出用の湯を注ぎ込むことによってまろやかで香りのよい美味しいコーヒーを抽出することができる。