(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るヒータープレートを説明する。
図1はヒータープレート100の外観斜視図である。
ヒータープレート100は、外観上は、単なる平べったいプレートである。
図2はヒータープレート100の天板部150を持ち上げた状態を示す図である。
ヒータープレート100は、ベース板部110と、天板部150と、ヒーター部160と、を備える。
【0023】
ベース板部110は、矩形平板120と、矩形平板120の側面に設けられた側壁部140と、を有する。
側壁部140は、矩形平板120の4つの側面のうち、3つの側面に設けられている。側壁部140は、矩形平板120よりも高さがある角柱(実際は角筒)であり、3つの側壁部140で矩形平板120を囲み、その内側に収容空間130を画成する。ここでは、矩形平板120の2つの短辺と1つの長辺とに側壁部140が設けられている。
【0024】
矩形平板120の短辺に設けられる側壁部140を短側壁部140Sと称し、長辺に設けられる側壁部140を長側壁部140Lと称することにする。
短側壁部140Sと長側壁部140Lとは互いの端部がプラスチック(樹脂)製のコーナー部材141で接合されている。
コーナー部材141の幅は、側壁部140の幅よりも僅かに大きく、側壁部140よりもほんのわずかに外側に張り出している。これは、側壁部140と天板部150とが直に接触しないための工夫である。
【0025】
矩形平板120の側面のうちで側壁部140がない側の側面を開放側面122と称することにする。
短側壁部140Sにおいて開放側面122の側にある端部にはプラスチック(樹脂)製の短い突出部142が延在するように取り付けられている。
側壁部140がない開放側面122と短い突出部142とによりスペースができ、このスペースはヒーター部160の配線を取り回すのに利用される。
【0026】
ベース板部110の矩形平板120と側壁部140はアルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金で形成されている。
重量、剛性、値段を考えるとアルミニウムあるいはアルミニウム合金が好適である。もちろん、ベース板部110を鉄、ステンレス、銅といった金属で形成してもよいが、持ち運べる重さ、値段等を考えると、同じ金属でもアルミニウムが好適である。
ちなみに、ベース板部110には熱伝導性が無くてもよいのでベース板部110を樹脂(プラスチック)で形成してもよい。ただし、ベース板部110にはヒーター部160や天板部150を支える強度が必要であり、さらには、ヒーター部160からの熱がかかった状態でも十分な強度を維持する必要がある。これを考えると、ベース板部110の素材としては、やはりアルミニウムが好適といえる。
【0027】
図3には天板部150の裏面が表れている。
天板部150は、4辺に低い壁を有する矩形のアルミニウムの薄い板である。
天板部150は、ベース板部110に対して上からちょうど蓋のようにかぶさるようになっている。天板部150の素材としては、伝熱性、重量、強度、値段を考慮すると、アルミニウムあるいはその合金が好適である。
【0028】
なお、天板部150の素材としては、ステンレスも好適な材料の一つである。
特に、フェライト系ステンレス鋼(例えば、SUS329J1、SUS405、SUS430、SUS430LX)を使用すると、フェライトが蓄熱効果を発揮することも期待できる。
その他、ガラス、あるいは、シリコーン樹脂を採用してもよい。
【0029】
図2、
図3に示されるように、ヒーター部160はベース板部110の収容空間130に配設される。
ここでは、2つのヒーター部160が並べて配置されている。
図4は、ヒーター部160の分解図である。
ヒーター部160は、フィルム状ヒーター161と、断熱ボード163と、外袋166と、を備える。
フィルム状ヒーター161は、樹脂の薄いフィルムに電熱線162を蛇行させながら配線したものである。
ここでは、フィルム状ヒーター161の性能としては、85℃まで温度が上がるようになっている。
ただし、後述の通り、最終的には天板部150の上面の温度を50℃〜60℃にすることが目標なのであり、外袋166の材質や厚み、天板部150の材質、大きさなどを考慮して、フィルム状ヒーター161の温度を設定することになる。
【0030】
断熱ボード163は、フィルム状ヒーター161の下面に組み合わせられる。
断熱ボード163にはフィルム状ヒーター161の電熱線162にコンタクトをとる接続端子164が設けられているとともに、この接続端子164から延びる電気コード165が配線されている。
この断熱ボード163は、フィルム状ヒーター161からの熱が裏面のベース板部110に流れるのを防止するものである。
【0031】
外袋166は、フィルム状ヒーター161と断熱ボード163とをまとめて一体化するための袋である。
【0032】
ここで、例えば
図2に示されるように、ヒーター部160をベース板部110の収容空間130に配置した際、ヒーター部160が側壁部140よりも僅かに高くなっている。
例えば、ヒーター部160の上面が側壁部140の上面よりも1mm−2mm程度高くなっている。すなわち、ベース板部110の収容空間130にヒーター部160を配置した後に天板部150を上からかぶせると、天板部150の裏面とヒーター部160の上面とが直接接触する。
【0033】
さて、
図5は、ヒータープレート100の使用状態を例示する図である。
図5において、キッチンカウンター300を挟んで店員310が数名のお客320の応対をしている。
キッチンカウンター300は、基本的には既存のステンレス製のキッチンカウンターセットである。
ただし、キッチンカウンター300の天板に本実施形態のヒータープレート100を配置している。
ここでは、4つのヒータープレート100を並べて配置している。さらに、キッチンカウンター300の棚板を本実施形態のヒータープレート100に交換している。
ヒータープレート100の上には複数の調理済みのお弁当330が載せられている。
【0034】
図6は、ヒータープレート100の作用を説明するための図である。
ヒータープレート100のヒーター部160に通電すると、ヒーター部160が熱を発する。
この熱は天板部150に伝わり、天板部150が熱くなる。
なお、ヒーター部160に直に接している金属材料(伝熱性材料)は天板部150だけであり、ヒーター部160の熱量はほぼ総て天板部150に伝わる。
【0035】
本実施形態のポイントの1つは、天板部150の温度をお店で食品を提供するときのことを考えて好適に設定していることにある。
天板部150の上に何も載っていないときには天板部150の上面の温度が50℃〜60℃になるように設定してある。
ヒーター部160の発熱量と天板部150の面積(すなわち放熱量)との兼ね合いを考慮すれば、天板部150の上面の温度が50℃〜60℃になるようにヒーター部160および天板部150を設計すること自体は可能である。
店員310やお客320が手を伸ばしたときに手がヒータープレート100の天板部150に直接触れる可能性もあるが、温度が50℃〜60℃であればほんのり暖かい程度である。したがって安全なのであるが、50℃〜60℃では食品を適切に保温ないし加温しているとは言い難いし、食品を衛生的に保つには65℃〜75℃で保温ないし加温することが理想とされている。
【0036】
ここで、本発明者らは1つの着想を得た。
食品容器の素材は、典型的にはポリスチレン、ポリプロピレンといった樹脂である。
場合によっては、紙が使用されることもある。
お皿を考えると、陶磁器である。
これら食品容器はいずれも断熱性を備える。
これら食品容器を天板部150の上面に載せると、天板部150の上面から熱が放散せずに食品容器の底面に熱が蓄積されていく。
結果として、食品容器の底面の温度を測定すると、65℃から75℃に達する。
ただし、食品容器に使用されるポリスチレンやポリプロピレンは80℃以上になると容器が変形したり溶けたりする。
したがって、食品容器の底面が80℃を超えないようにしなければならない。
これを考えると、天板部150の上面の温度が50℃〜60℃になるようにするとき、食品容器の底面の温度が理想的な65℃から75℃をキープする。
【0037】
もちろん、これは食品容器の底面の形状とも若干の関係がある。
食品容器の底面は、天板部150の上面との間で熱を逃がさないように、ある程度の広さの接触面積をもつようになっていることが好ましい。
単純にいうと食品容器の底面が平坦になっているのがよいが、凹凸を設ける場合でも接触面積が十分とれるようになっているようにする。あるいは、容器に高台がついていてもよいが、高台の内側の熱を逃がさないように閉じた輪になっていることが好ましいであろう。
【0038】
本発明以前にもヒーターを使用して食品を保温ないしは加温する装置は知られている。
しかし、従来の保温器というのは、ヒーターとなるプレート部分が65℃〜75℃になるようになっていて、例えばサーモスタットで80℃以上の過熱を防止するように細かくオンオフ制御していた。
単純にいって65℃〜75℃(あるいは80℃)の金属板が公然とカウンターに?き出しになっていると安全性の点でやや難がある。そこで、従来の保温器には扉が付いていたり、お客側からは開閉できないようしたりといった対策があったわけである。しかし、このような対策を要するとなると、大型化、高価格化は避けられない。
【0039】
また、仮に65℃〜75℃の金属板をそのまま露出させていると、室内温度(例えば20℃−30℃)との温度差が大きいので、放熱スピードが極めて大きくなる。
食品が載っている領域だけでなく、金属板全体が65℃〜75℃となって熱を放散するわけである。これはエネルギー効率の点で大きな問題がある。これらの種々の問題があり、これまで、カウンターなどで?き出しに設置された食品保温ないし加熱用のヒーターはなかったわけである。
【0040】
この点、本実施形態では、天板部150の上面の温度は50℃〜60℃としている。
これにより、安全かつ省エネを実現できる。
一方、食品容器を載せると、食品容器の底面と接した領域だけが65℃〜75℃になる。
食品をおいしく保温できるし、衛生的にも理想の温度である。
本実施形態では従来の恒温槽のように囲ってしまう必要がないのであって、外観上はシンプルな一枚のヒータープレート100に収めることができる。そのため、カウンターの上面や棚に仕込むことができるようになり、本実施形態のヒータープレート100の設置スペースはほぼゼロである。
また、お客320自身がヒータープレート100上の食品(お弁当330など)を直接手に取ればよいのであり、店員310の手間がその分省かれ、店の運営効率も向上する。
【0041】
なお、天板部150の上面の温度と、食品容器の底面が接した領域の温度と、の差が5度以上あるのが一つの好適な実施例であるが、必ずしも5度以上の温度差に固執するものでもない。
例えば、天板部150がアルミまたはアルミ合金のように熱伝導度が大きいものであると天板部150の上面の温度と容器底面の温度との差は5度以上になり得る。ただ、放熱がやや大きいというデメリットも有り得る。
一方、天板部150をステンレスとすると、ステンレスの熱伝導度がアルミに比べれば小さいので、天板部150の上面の温度と容器底面の温度との差は比較的小さく、3度以上、あるいは1度以上ということもある。天板部150をステンレス、とくにフェライト系ステンレスとした場合、蓄熱効果が期待でき、また、放熱も少なくなるため、消費電力を下げる作用効果を期待できる。
【0042】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態として、蓄熱材171を組み合わせてもよい。
例えば、
図7に例示するように、フィルム状ヒーター161の直ぐ下に蓄熱材171を配置し、フィルム状ヒーター161と断熱ボード163とで蓄熱材171を挟むようにしてもよい。
またあるいは、
図8に例示するように、ヒーター部160と天板部150との間に蓄熱材172を挟むようにしてもよい。
このような構成にすることにより、通電を切っても蓄熱された熱でヒータープレート100は保温効果を維持できる。
本発明のヒータープレート100は放熱が遅いので、蓄熱材171の熱でもある程度の時間は保温効果を保つ。
例えば、移動販売や出店などで電源を確保しにくい場合でも本発明のヒータープレート100を使用することができるようになる。
【0043】
また、
図9においては、天板部150を例えばステンレス、ガラス、シリコーン樹脂などで製作した場合、ヒーター160と天板部150との間にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる薄板173を挟むようにしている。
これにより、天板部150そのものの熱伝導度がやや低いとしても、天板部150全体が均一に加熱される。
【0044】
(第3実施形態)
図10に例示するように、温度設定が異なる複数のヒーター部210、220、230を使用するようにしてもよい。
図10では、ベース板部110の収容空間130に3つのヒーター部210、220、230を配設している。
第1ヒーター部210、第2ヒーター部220、第3ヒーター部230の温度を個別に設定できるようにし、設定温度を互いに異なるようにしておく。
このとき、天板部150の上面に囲み151,152,153や色分けを施して、第1、第2、第3ヒーター部210、220、230との対応が見た目にわかるようにしておいてもよい。
【0045】
第1ヒーター部210、第2ヒーター部220および第3ヒーター部230の温度設定としては、天板部150のそれぞれの対応領域が40℃−45℃(比較的低温)、50℃−55℃(中間の温度)、60℃−65℃(比較的高温)になるようにすることが例として挙げられる。
食品に応じて保温温度を使い分け、適温でおいしく食品を保温できる。
【0046】
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、天板部150は全体がアルミニウムであったが、部分的に材質を変えて熱伝導率を変えるようにしてもよい。
例えば
図11に示すように、天板部150の一部をガラス155、シリコーン156、ステンレス157に変えてもよい。
ヒーター部160、210−230あるいは蓄熱材172から供給される熱が同じであっても、ガラス155、シリコーン156、ステンレス157といった素材の違いによって天板部150の各領域で温度の違いを作ることができる。
【0047】
なお、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせてもよい。
すなわち、温度設定が異なる第1ヒーター部210、第2ヒーター部220および第3ヒーター部230の上に、ガラス155、シリコーン156、ステンレス157といった素材の違いを設けてもよい。
【0048】
(第5実施形態)
また、
図12に例示するように、各ヒーター部210−230と天板部150との距離を変えて、天板部150の各領域の温度を変えるようにしてもよい。
また、図示は省略するが各ヒーター部210−230と天板部150との隙間に、ガラス155、シリコーン156、ステンレス157といった熱伝導率が異なる素材を挟むようにしてもよい。
【0049】
(第6実施形態)
天板部150上に温度が異なる領域を作るにあたり、区分けの仕方が限定されないのはもちろんであり、例えば
図13のように4つの領域を設けてもよい。
【0050】
(第7実施形態)
図14は、本発明のヒータープレート100を台車400の棚として取り付けた例である。
このようにヒータープレート100を手押し台車400の棚として取り付けると、温かい食品をワゴンサービスで提供することができる。
宴会場や車内販売などで便利である。
【0051】
(第8実施形態)
ベース板部110には側壁部140を設けるとしたが、
図15のように、側壁部140を省略してもよい。
【0052】
(第9実施形態)
これまでの実施形態および変形例においては、金属製の天板部150の上面にそのまま弁当などを載せることを前提としてきたが、
図16に例示するように、天板部150の上面に薄膜のフィルム158を貼り付けてもよい。フィルム158を天板部150の上面に貼り付けることによる作用効果としては主として3点ほど挙げられる。
【0053】
一点目は、触ったときの温感である。
金属製の天板部150の熱伝導率は200W/(m・K)程度ある。
熱伝導率が高いものに人の手や指が触れると、同じ温度でも瞬間的に熱く感じやすい。そこで、同じ温度でも触れたときの温感を下げるため、フィルム158を天板部150の上面に貼り付けるとよい。
フィルム158の厚みは、材質によっても違ってくるが、例えば、0.01mm〜10mm程度のものとする。もちろん、0.01mm〜5mm程度のもの、0.01mm〜2mm程度のものとしてもよい。
フィルム158がポリエステル(例えばPET:polyethylene terephthalate)であれば、100μm〜200μm程度にするのが好ましい。
あまりにも薄すぎると温感を改善する効果が弱くなる。厚すぎると、天板部150の上面の放熱を阻害し過ぎて温度が高まり過ぎる可能性がある。すなわち、弁当直下と弁当が無い領域とで温度差をつけるという本発明の作用効果が不十分になってしまう可能性がある。
フィルム158の材質は特段限定されるものではなく、例えばシリコーンのフィルムでもよい。
【0054】
フィルム158を貼ることのメリットの二つ目は、滑りをよくすることである。
金属製の天板部150の上面に直接弁当を載置すると、やや弁当の滑りがよくないときがある。滑りが悪く引っ掛かりがあると、お客さんがお弁当を持ち上げる際や店員がお弁当を並べ替えようと思ったときに、お弁当がひっくり返ってしまう可能性がある。
この点、摩擦係数が小さいPETなどのフィルム158を貼り付けておくことでヒーターユニット100がより使い易くなる。
【0055】
フィルム158を貼ることのメリットの三つ目は、天板部150の保護である。フィルム158であれば、仮に傷付いたり汚れたりしても貼り替えるのは容易である。
また、金属に比べて指紋や汚れが付きにくい、あるいは指紋や汚れが目立たない、という利点がある。
【0056】
(第10実施形態)
第10実施形態においては、ヒータープレート100と組み合わせるのに好適な折り畳み式カバー500について説明する。
ヒータープレート100に食品(弁当など)を載せておけば保温または加熱できるのであるが、例えば
図17に例示するように、上から保温用のカバー500を被せてさらに保温効果を高めたい場合がある。
ヒータープレート100が平面板状であって移動に便利であることから、これに合わせて、カバー500も折り畳み式として可搬性に優れるものが好ましい。
図18から
図29を参照しながら折り畳み式カバー500について説明する。
【0057】
図17は、折り畳み式カバー500で弁当を覆って保温している様子を示す図である。
半円筒形の折り畳み式カバー500がヒータープレート100上の弁当330を覆うように設置されている。折り畳み式カバー500は、半円筒形であって、一端において閉塞され、他端において開口している。
【0058】
さて、折り畳み式カバー500は、組み立て後は
図17にあるように半円筒形であって長さ、高さ、幅があるが、分解して折り畳むと容易に持ち運べるようになる。
まず、折り畳み式カバー500は、
図18に示すように、3つのパーツ510、550、580の組み合わせで構成される。
3つのパーツを一端から順に、蓋パーツ510、第1覆いパーツ550、第2覆いパーツ580、と称することにする。
これら蓋パーツ510、第1覆いパーツ550および第2覆いパーツ580を構成する素材としては、例えば織物(布地)のように可撓性があるものであればよい。
これらパーツ510、550、580の裏面については、
図19に例示するように、アルミ箔を貼り付け、熱を保温できるようにしてある。そして、表の生地と裏面のアルミ箔との間には断熱材(不図示)が挟み込まれている。
断熱材を挟んだ織物とアミル箔とで構成される可撓性の薄板(布)をシート体と称することにする。
【0059】
まず蓋パーツ510を説明する。
蓋パーツ510は、蓋部520と、縁部530と、を有する。
蓋部520は、半円形であって、その円弧部分にファスナー(線ファスナー521)が付いている。
縁部530は短冊のような帯状であって、蓋部520の直径に相当するところに連続的についているようになっている。
縁部530の両端は蓋部520からはみ出すように出ており、裏面(
図19)において、この出っ張り部分に面ファスナー531が設けられている。
【0060】
第1覆いパーツ550と第2覆いパーツ580とについて説明する。
第1覆いパーツ550と第2覆いパーツ580とは、全体的には矩形の平板状であり、湾曲させることで
図17のように半円筒のドームを形成する。
ただし、湾曲した状態で形状を保つため、
図20に示すように、第1覆いパーツ550と第2覆いパーツ580とには可撓性の芯571−578が入っている。
ここで、折り畳み式カバー500を使用するときの半円筒形の軸方向を主軸方向とし、この主軸方向に直交する方向を幅方向と称することにすると、第1覆いパーツ550および第2覆いパーツ580は、主軸方向よりも幅方向がやや長い長方形である。
【0061】
第1覆いパーツ550と第2覆いパーツ580とを順に説明する。
第1覆いパーツ550は、矩形の平板状である。
第1覆いパーツ550の一辺に線ファスナー551が設けられている。
この線ファスナー551は、蓋パーツ510の線ファスナー521と結合するものである。
図19のように第1覆いパーツ550の裏側をみると、一端側の辺の近くで幅方向の両端において、短く平行に面ファスナー553が設けられている。
この面ファスナー553は、蓋パーツ510の面ファスナー531と結合するものである。
【0062】
第1覆いパーツ550には、互いに平行な帯状の袋部561−564が4つ設けられている。
これら帯状の袋部を後ろ側から順に、第1袋部561、第2袋部562、第3袋部563、第4袋部564と称することにする。
各袋部561−564は、幅方向に沿って細長く設けられている。
図20は、袋部561−564に挿入されている芯571−574を少し引き出した状態を示す図である。
さて、第1覆いパーツ550の軸線方向で両端にある第1袋部561と第4袋部564とには断面形状が円形で棒状の丸芯571、574が挿入されている。
一方、第1覆いパーツ550の軸線方向で両端ではない第2袋部562と第3袋部563とには平板状の平芯572、573が挿入されている。
本実施形態の特徴の1つは、このように丸芯571、574と平芯572、573とを組み合わせて使用するところにある。
【0063】
まず、丸芯571、574は、直径0.9mm程度で、アルミニウムの心線材を樹脂で被覆したものである。
細い径のアルミであるから、
図21に模式的に示すように、少しの力で湾曲させたり伸ばしたりすることができ、しかも形状を保つ。
また、断面が円形であるから、どの方向にでも曲げることができる。
【0064】
一方、平芯572、573は、厚みが0.5mm〜1.0mm程度で、幅が300mmから500mm程度で、延伸で形成したポリエチレンのシートである。
自由に曲げることができ、かつ、形状を保つこともできる。
ただし、平板状であるから、
図22に模式的に示すように曲がる方向は一方向にだけ制限される。
曲がる方向を言葉で言い表すのは難しいが、
図22のようにみて、ピッチング方向にだけ曲げられる。
【0065】
第2覆いパーツ580は、矩形の平板状である。
第2覆いパーツ580の大きさは第1覆いパーツ550とほぼ同じであり、第1覆いパーツ550と同じように、互いに平行な帯状の4つの袋部565−568を有する。
これら帯状の袋部565−568を後ろ側から順に、第5袋部565、第6袋部566、第7袋部567、第8袋部568と称することにする。
これら袋部565−568にも丸芯578と平芯575−577とが挿入されている。一端側にある第5袋部565、第6袋部566および第7袋部567には平芯575−577が挿入されており、他端側にある第8袋部568には丸芯578が挿入されている。
【0066】
このような3つに分離した蓋パーツ510、第1覆いパーツ550および第2覆いパーツ580を組み合わせて折り畳み式カバー500に組み立てる。
まず、
図23に示すように、蓋パーツ510の線ファスナー521と第1覆いパーツ550の線ファスナー551とを結合させる。
このとき、第1覆いパーツ550の第1袋部561には丸芯571が挿入されているところ、蓋パーツ510の蓋部520の円弧に沿うように丸芯571が湾曲する。
丸芯571は、
図24に例示するように、湾曲した状態で形状を保ち、折り畳み式カバー500の一端を支える芯となる。
【0067】
さらに、
図25、
図26に示すように、蓋パーツ510の面ファスナー531と第1覆いパーツ550の裏面側の面ファスナー553とを結合させる。
すると、折り畳み式カバー500の半円筒の一端が蓋パーツ510で閉塞されたようになる。そして、第2袋部562、第3袋部563に挿入されている平芯572、573と第4袋部564に挿入されている丸芯574とを湾曲させ、
図27に示すように、蓋パーツ510と第1覆いパーツ550とを半円筒状にする。
このとき、平芯572、573は一方向にしか曲がらないので、ゆがみやねじれが生じにくく、第1覆いパーツ550の適当な辺を持って少し力を入れれば、
図27に示すような綺麗な半円筒になる。
【0068】
なお、蓋パーツ510と第1覆いパーツ550とを結合して1ユニットにしたものを第1カバーユニット505と称することにする。
【0069】
次に、第2覆いパーツ580を
図28、
図29に示すように、半円筒になるように湾曲させる。
この場合も、第5袋部565、第6袋部566、第7袋部567に挿入されている平芯575−577は一方向にしか曲がらないので、ゆがみやねじれが生じにくく、第2覆いパーツ580の適当な辺を持って少し力を入れれば、
図29に示すような綺麗な半円筒になる。
【0070】
第1覆いパーツ550の半円筒の上に第2覆いパーツ580の一部が重なるようにして置くと、
図17に示す半円筒状の折り畳み式カバー500が完成である。
【0071】
このような折り畳み式カバー500は3つのパーツに分離でき、持ち運びに便利である。
持ち運びに当たっては折り畳んで小さくし、折り畳み式カバー500として使用するときには半円筒のドーム状に組み立てることができる。
このような可搬性は、平板状のヒータープレート100と組み合わせて使用するのに好適である。
【0072】
また、組み立てたときに折り畳み式カバー500の形状が芯571−578で保持されるので、カバー500と食品(弁当)330との間に空間を確保でき、内側に食品(弁当)330を出し入れするのに便利である。 ここで、芯571−578は形状保持には必須なのであるが、芯があるために扱いにくくなることがある。
例えば、芯があらゆる方向に自由に曲がり過ぎると、一度畳んだ後で元に戻せなくなったりすることがある。
複数本(例えば8本)の芯があっちこっちを向いたり曲がってしまったりすると、扱いに苦労するということがある。
この点、本実施形態では、平芯572、573、575−577を適切に用い、曲がる方向をある程度規制している。したがって、特別な練習をしなくても誰でも本実施形態の折り畳み式カバー500を組み立てたり折り畳んだりすることが簡単にできるようになっている。
【0073】
その一方、すべてを平芯572、573、575−577にしてしまうと、使用時や運搬時の形態のバリエーションが極めて制限されたりしてしまう。この点、本実施形態では、丸芯571、574、578を適切に組み合わせ、形状の自由度も確保するようにしている。
【0074】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。