(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、切削加工工具の適正な使用寿命時間は、「工具の種類」、「加工対象の形状」、「加工対象の品質」、あるいは、「加工条件」等、複数の要因が関係して定まるものであり、一律に決定することは困難である。そのため、切削加工工具の使用寿命時間は、加工を行う装置毎に、切削加工工具の損耗状態や加工精度等を基に決定されているのが実状である。また、一旦決定された使用寿命時間についても、切削加工を行う対象物の品種や、その割合によって変化することから、適宜見直しを行う必要がある。
なお、特許文献1に記載の技術は、回転される被削材における半径方向の寸法変化量をレーザーパルス光の反射光によって計測するものであるため、特定の加工形態に適用対象が限られると共に、切削加工工具自体の損耗を必ずしも適確に判定することができないと考えられる。
このように、従来の技術においては、切削加工工具の寿命を適切に判定することが困難であった。
【0005】
本発明は、切削加工工具の寿命をより適切に判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の寿命判定装置(例えば、後述の寿命判定装置1)は、切削加工の対象物における切削加工結果の画像を取得する画像取得部(例えば、後述の画像取得部21a)と、前記画像取得部によって取得された画像から切削加工結果の品質を表す特徴量を取得する特徴量取得部(例えば、後述のコントラスト取得部21b)と、前記特徴量取得部によって取得された前記特徴量に基づいて、前記対象物に切削加工を行った切削加工工具の寿命を判定する寿命判定部(例えば、後述の寿命判定部21c)と、を備える。
【0007】
前記特徴量取得部は、前記画像取得部によって取得された複数の前記画像から前記特徴量を取得し、前記寿命判定部は、前記特徴量取得部によって取得された前記特徴量の経時変化に基づいて、前記対象物に切削加工を行った切削加工工具の寿命を判定してもよい。
【0008】
前記寿命判定部は、所定期間における前記特徴量の平均値に基づいて、前記対象物に切削加工を行った切削加工工具の寿命を判定してもよい。
【0009】
前記寿命判定部は、所定期間における前記特徴量のうち、所定数の上位の値及び所定数の下位の値の少なくともいずれかを除外した平均値に基づいて、前記対象物に切削加工を行った切削加工工具の寿命を判定してもよい。
【0010】
前記画像取得部は、前記切削加工の対象物における切削加工された部分を複数方向から撮像した画像を取得してもよい。
【0011】
前記特徴量取得部は、前記特徴量として、前記画像におけるコントラストを取得してもよい。
【0012】
また、本発明の一態様の寿命判定方法は、切削加工の対象物における切削加工結果の画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにおいて取得された画像から切削加工結果の品質を表す特徴量を取得する特徴量取得ステップと、前記特徴量取得ステップにおいて取得された前記特徴量に基づいて、前記対象物に切削加工を行った切削加工工具の寿命を判定する寿命判定ステップと、を含む。
【0013】
また、本発明の一態様のプログラムは、コンピュータに、切削加工の対象物における切削加工結果の画像を取得する画像取得機能と、前記画像取得機能によって取得された画像から切削加工結果の品質を表す特徴量を取得する特徴量取得機能と、前記特徴量取得機能によって取得された前記特徴量に基づいて、前記対象物に切削加工を行った切削加工工具の寿命を判定する寿命判定機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、切削加工工具の寿命をより適切に判定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る寿命判定装置1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係る寿命判定装置1は、切削加工された複数の対象物(以下、「ワークW」という。)の加工面の画像を撮像し、撮像された加工面の画像におけるコントラスト(切削加工結果の品質を表す特徴量)の経時的な変化に基づいて、切削加工工具の寿命を判定する装置である。
【0017】
図1に示すように、寿命判定装置1は、撮像部10A〜10Cと、処理部20とを含んで構成される。
撮像部10A〜10Cは、切削加工されたワークWの加工面の画像を撮像する装置によって構成される。本実施形態において、撮像部10は、デジタルカメラによって構成されるものとする。ただし、ワークWの加工面の画像を撮像可能な装置であれば、赤外線カメラ等、他の撮像装置を用いることも可能である。
【0018】
図2は、切削加工されたワークWの一例を示す模式図である。
また、
図3A及び
図3Bは、ワークWの加工面の一例を示す模式図であり、
図3Aは切削加工工具の使用開始初期の加工結果を示す図、
図3Bは切削加工工具の寿命による交換直前の加工結果を示す図である。なお、
図3A及び
図3Bにおいて、切削加工箇所を表す円の線幅は、コントラストの高さに対応しており、線幅が太いほど、コントラストが高いことを示している。
撮像部10A〜10Cは、
図2に示すワークWの加工面を複数のワークWについて撮像する。複数のワークWの加工面の画像は、切削加工工具の寿命に応じて、
図3Aに示す使用開始初期の状態では切削の品質が高く、画像のコントラストが高いものとなり、
図3Bに示す交換直前の状態では、切削の品質が相対的に低下し、画像のコントラストが低いものとなる。
【0019】
また、撮像部10A〜10Cは、ワークWの加工面をそれぞれ異なる方向から撮像する。本実施形態において、撮像部10Aは、ワークWの加工面を正面から撮像し、撮像部10Bは、ワークWの加工面を正面の左方から撮像し、撮像部10Cは、ワークWの加工面を正面の右方から撮像する。これにより、同一のワークWの加工面について、異なる複数の方向から撮像した画像を取得することができ、ワークWの加工面の形状をより正確に把握することが可能となる。
【0020】
図4A〜
図4Cは、ワークWの加工面を異なる方向から撮像した画像を示す模式図であり、
図4Aは、ワークWの加工面を正面の左方から撮像した画像、
図4Bは、ワークWの加工面を正面から撮像した画像、
図4Cは、ワークWの加工面を正面の右方から撮像した画像を示す図である。
図4A〜
図4Cに示すように、ワークWの加工面は、撮像部10A〜10Cによって、異なる複数の方向から撮像され、加工結果が画像として取得される。
【0021】
さらに、撮像部10A〜10Cは、複数のワークWの加工面を撮像する際の撮影条件(シャッタ速度、絞り、画角の大きさ、照明の明るさ、感度、ホワイトバランス等のパラメータ)を同一に設定して撮影を行う。これにより、撮影条件の相違に影響されることなく、複数のワークWの加工面の状態を適確に画像として取得することができる。
【0022】
なお、これら撮像部10A〜10Cと、撮影対象であるワークWの加工面との位置関係は、撮像部10A〜10C及びワークWの少なくとも一方の位置及び姿勢を制御する装置によって決定される。本実施形態においては、撮像部10A〜10Cと、撮影対象であるワークWの加工面との位置関係を決定するために、撮像部10A〜10Cを把持するロボットM1によって撮像部10A〜10Cの位置及び撮影方向が制御され、ワークWを把持するロボットM2によってワークWの位置及び姿勢が制御される。
【0023】
処理部20は、撮像部10A〜10Cによって撮像されたワークWの加工面の画像に基づいて、切削加工工具の寿命を判定する。
図5は、処理部20の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、処理部20は、CPU(Central Processing Unit)21と、メモリ22と、入力部23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26とを備えている。
【0024】
CPU21は、記憶部25に記憶された各種プログラムを実行することにより、寿命判定装置1全体を制御する。例えば、CPU21は、切削加工工具の寿命を判定する寿命判定処理のためのプログラムを実行する。
寿命判定処理のためのプログラムを実行することにより、CPU21には、機能的構成として、画像取得部21aと、コントラスト取得部21bと、寿命判定部21cとが形成される。
【0025】
画像取得部21aは、撮像部10A〜10Cによって撮像されたワークWの加工面の画像(正面、左方及び右方から撮像された画像)のデータを取得する。また、画像取得部21aは、同一のワークWについて異なる方向から撮像された3つの画像を1組として、複数のワークWに対応する各組の画像のデータを、加工の時系列と対応付けて記憶部25に記憶する。これにより、記憶部25には、加工の順番に従って、各ワークWの加工面を複数の方向から撮像した画像のデータが記憶される。
【0026】
コントラスト取得部21bは、記憶部25に記憶されている複数のワークWの加工面の画像のデータにおいて、コントラスト(特徴量)を示すデータを取得する。例えば、コントラスト取得部21bは、ワークWの加工面の画像のデータそれぞれにおいて、予め設定された領域(以下、「対象領域」という。)のコントラストを算出する。対象領域としては、ワークWの加工面の画像のデータそれぞれにおいて、特定の切削加工箇所(1箇所又は複数箇所)をサンプルとして設定したり、ワークWの加工面の画像における一部の領域あるいは画像全体を設定したりすることができる。本実施形態においては、ワークWの加工面の画像において、切削加工箇所を含む一部の領域が対象領域に設定されているものとする。
【0027】
図6は、コントラスト取得部21bによって取得されたコントラストを示すデータの一例を示す模式図である。
図6においては、撮像部10A〜10Cそれぞれによって撮像された複数のワークWの加工面の画像のデータについて、コントラストが時系列に示されている。なお、
図6における一点鎖線は撮像部10Aによって撮像された正面の画像のデータ、破線は撮像部10Bによって撮像された左方の画像のデータ、実線は撮像部10Cによって撮像された右方の画像のデータにおけるコントラストを示している。
また、
図7は、切削加工工具の使用時間と残寿命との関係を示す模式図である。
図7においては、切削加工工具が所定の残寿命となった場合に逐次新品に交換された過程を示しており、
図6のコントラストを示すデータは、
図7に示す過程と対応するデータである。
図6に示すように、撮像部10A〜10Cそれぞれにおいて撮像された画像のコントラストを時系列に観察すると、切削加工工具の使用開始初期ではコントラストが高く、加工の回数が増加するにつれて、徐々にコントラストが減少していることがわかる。また、切削加工工具の交換が行われると、撮像部10A〜10Cそれぞれにおいて撮像された画像のコントラストは、再び高い値に変化していることがわかる。
【0028】
寿命判定部21cは、コントラスト取得部21bによって取得されたコントラストを示すデータに基づいて、切削加工工具の寿命を判定する。具体的には、寿命判定部21cは、予め設定された判定基準(以下、適宜「切削加工工具の寿命判定基準」という。)に基づいて、各画像のデータにおけるコントラストの経時変化を判定することにより、切削加工工具の寿命を判定する。
【0029】
ここで、切削加工工具の寿命判定基準としては、例えば、以下の判定基準を採用することができる。なお、本実施形態においては、撮像部10A〜10Cそれぞれによって撮像された画像毎に、以下の判定基準に基づく判定が行われる。
(判定基準1)
コントラストの閾値(絶対値)を予め設定し、各画像のデータにおけるコントラストと閾値との比較結果によって、切削加工工具の寿命を判定する。
(判定基準2)
コントラストの初期値(切削工具の交換直後の値)から一定値を減じたコントラストに達しているか否かによって、切削加工工具の寿命を判定する。
(判定基準3)
コントラストの初期値(切削工具の交換直後の値)から定倍率(m,nを整数としてn/m倍等)のコントラストに達しているか否かによって、切削加工工具の寿命を判定する。
(判定基準4)
コントラストのバラつき幅に基づいて、切削加工工具の寿命を判定する。
(判定基準5)
コントラストの変化率に基づいて、切削加工工具の寿命を判定する。
(判定基準6)
過去のコントラストのデータとの比較結果に基づいて、切削加工工具の寿命を判定する。例えば、判定基準6の一形態として、過去に使用された1つ又は複数の切削加工工具におけるコントラストのデータとの類似性を基に、現在の切削加工工具の寿命を判定すること等が可能である。
【0030】
これらの判定基準については、切削加工工具の種類、加工対象の形状、加工対象の品質、あるいは、加工条件といった種々の条件に応じて、1つ又は複数の判定基準を選択して採用することができる。本実施形態では、判定基準1を採用しているものとする。
【0031】
図1に戻り、メモリ22は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成され、CPU21が各種処理を実行する際に生成されるデータを記憶する。
入力部23は、キーボード、マウスあるいはタッチパネル等の入力装置によって構成され、ユーザによる寿命判定装置1への各種情報の入力を受け付ける。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって構成され、寿命判定装置1の各種処理結果を表示する。
記憶部25は、ハードディスクあるいはフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成され、寿命判定処理のためのプログラムや、撮像部10A〜10Cによって撮像されたワークWの加工面の画像のデータ等を記憶する。
通信部26は、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)等、所定の通信規格に基づいて信号処理を行う通信インターフェースを備え、寿命判定装置1が外部装置との間で行う通信を制御する。
【0032】
[動作]
次に、寿命判定装置1の動作を説明する。
図8は、寿命判定装置1の処理部20が実行する寿命判定処理の流れを示すフローチャートである。
寿命判定処理は、入力部23を介して、寿命判定処理の実行が指示入力されることにより開始される。
【0033】
寿命判定処理が開始されると、ステップS1において、画像取得部21aは、撮像部10A〜10Cによって撮像されたワークWの加工面の画像のデータを取得し、記憶部25に記憶する。なお、ステップS1の処理は、撮像部10A〜10CによってワークWの加工面の画像が撮像される毎に逐次行うことの他、撮像部10A〜10Cによって複数のワークWの加工面の画像が撮像された後に、これらの画像のデータをまとめて取得する形態のいずれとすることも可能である。
【0034】
ステップS2において、コントラスト取得部21bは、記憶部25に記憶されている複数のワークWの加工面の画像のデータにおいて、コントラスト(特徴量)を示すデータを取得する。
ステップS3において、寿命判定部21cは、コントラスト取得部21bによって取得されたコントラストを示すデータに基づいて、切削加工工具の寿命を判定する。具体的には、寿命判定部21cは、上述の判定基準1に基づいて、各画像のデータにおけるコントラストを判定することにより、切削加工工具の寿命を判定する。
ステップS4において、寿命判定部21cは、切削加工工具の寿命の判定結果を表示する。例えば、いずれかの画像のデータにおけるコントラストが判定基準1の閾値以下となっている場合、寿命判定部21cは、切削加工工具が寿命に達しているものと判定する。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る寿命判定装置1は、切削加工された複数のワークWの加工面の画像を異なる方向から撮像し、撮像された加工面の画像におけるコントラスト(特徴量)の経時的な変化に基づいて、切削加工工具の寿命を判定する。
即ち、寿命判定装置1においては、同一のワークWの加工面について、異なる複数の方向から撮像した画像が取得される。
これにより、ワークWの加工面の形状をより正確に把握することが可能となる。
また、寿命判定装置1においては、切削加工工具による実際の加工結果に基づく寿命判定が行われる。即ち、切削加工結果の品質を表す特徴量に基づく寿命判定が行われる。
これにより、切削加工工具自体の形状等から損耗の状態を判定する場合に比べ、目的とする加工の品質に表れる直接的な要素を対象として、より適確な寿命判定を行うことが可能となる。
また、寿命判定装置1においては、切削加工工具による加工結果の経時的な変化を基に、切削加工工具の寿命が判定される。
これにより、一度の加工結果のみから切削加工工具の寿命を判定する場合に比べ、切削加工工具の状態をより適確に反映した寿命判定を行うことが可能となる。
このように、本実施形態に係る寿命判定装置1によれば、切削加工工具の寿命をより適切に判定することが可能となる。
【0036】
なお、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、撮像部10A〜10Cを把持するロボットM1及びワークWを把持するロボットM2は、生産ライン等において、ワークWの加工工程のために実装されている設備を切削加工工具の寿命判定のために兼用することや、生産ラインにおける設備とは別に、切削加工工具の寿命判定のために設置することのいずれも可能である。
【0037】
また、上述の実施形態において、撮像部10A〜10Cが、複数のワークWの加工面を撮像する際の撮影条件として、シャッタ速度、絞り、画角の大きさ、照明の明るさ、感度、ホワイトバランス等のパラメータを同一に設定するものとして説明した。これに対し、複数のワークWの加工面を撮像する際に同一に設定する撮影条件(パラメータの種類)は、ワークWのサイズや加工面の形状等、被写体の特徴に応じて、適宜選択して決定することが可能である。
【0038】
また、上述の実施形態において、切削加工工具の寿命判定基準に基づく判定を行う際には、撮像部10A〜10Cのいずれかによって撮像された時系列の画像のデータにおいて判定基準が充足された場合に、切削加工工具が寿命に達していると判定することができる。あるいは、撮像部10A〜10Cの2つ又は全てによって撮像された時系列の画像のデータにおいて判定基準が充足された場合に、切削加工工具が寿命に達していると判定することも可能である。
【0039】
また、上述の実施形態において、切削加工工具の寿命判定基準に基づく判定を行う場合、所定期間におけるコントラストのデータを統計処理した結果を用いて判定を行うこととしてもよい。例えば、所定期間におけるコントラストの平均値や最大値を用いて判定を行ったり、判定対象とする所定期間のコントラストのうち、コントラストの値が上位の所定数のデータあるいは下位の所定数のデータを除外したコントラストのデータを対象として、判定を行ったりしてもよい。このような処理を行うことで、画像のデータから取得されるコントラストのバラつきに起因する誤判定を抑制することができる。
【0040】
また、上述の実施形態において、切削加工工具の寿命判定基準に基づく判定を行う場合、ワークWに施される切削加工の種類と対応付けて、コントラストを判定することとしてもよい。例えば、ワークWに対する切削加工がアップカットである場合とダウンカットである場合とで、異なる判定基準を設定することができる。これにより、切削加工の種類に合わせて、より適切に切削加工工具の寿命判定を行うことができる。
【0041】
また、上述の実施形態において、切削加工工具の寿命判定基準に基づく判定を行う場合、切削加工を行う加工装置が保有する切削加工に関連する情報と対応付けて、コントラストを判定することとしてもよい。例えば、加工装置において設定されている切削加工の加工条件や、ワークWの切削抵抗の値に応じて、異なる判定基準を設定することができる。これにより、切削加工が行われた際の具体的な状況を反映させて、より適切に切削加工工具の寿命判定を行うことができる。
【0042】
また、上述の実施形態において、切削加工結果の品質を表す特徴量としてコントラストを用いる場合を例に挙げて説明した。これに対し、切削加工結果の品質を表す特徴量として、コントラスト以外のデータを用いることも可能である。即ち、切削加工結果の品質を表す特徴量としては、ワークWの加工面の画像から抽出可能な他のデータを用いることができる。例えば、ワークWの加工面の画像におけるエッジの強さや、色彩あるいは明度等のグラデーション等を用いることができる。
【0043】
以上説明した実施形態の寿命判定装置1の全部又は一部は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。ハードウェアで構成する場合、寿命判定装置1の一部又は全部を、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路(IC)で構成することができる。
【0044】
寿命判定装置1の全部又は一部をソフトウェアで構成する場合、寿命判定装置1の動作の全部又は一部を記述したプログラムを記憶した、ハードディスク、ROM等の記憶部、演算に必要なデータを記憶するDRAM、CPU、及び各部を接続するバスで構成されたコンピュータにおいて、演算に必要な情報をDRAMに記憶し、CPUで当該プログラムを動作させることで実現することができる。
【0045】
これらのプログラムは、様々なタイプのコンピュータ可読媒体(computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。コンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。コンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
また、これらのプログラムは、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。