(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スパー(60)は、複合材料からなる構造部品(20)と、前記構造部品の輪郭線の一部分に接着接合された硬質気泡材料からなる部品(30)と、を有することを特徴とする請求項1に記載のブレード。
前記スパー(60)は、複合材料からなる構造部品(20)を作り、更に前記構造部品の輪郭線の一部分に硬質気泡材料からなる部品(30)を接着接合することにより作られることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
ターボプロップ用プロペラブレードは通常、金属材料から作られている。金属材料から成るプロペラブレードは良好な強度を有するが、それらは比較的重いという欠点がある。
【0003】
ブレードの軽量化のため、即ち構造部品を繊維強化材と樹脂基体とで作るようにした、複合材料からなるプロペラブレードを使用することが既に知られている。
【0004】
ある特許文献には、プロペラブレードを流線形の繊維構造体から製造することが記載されており、そこではブレードの翼部分を形成するために、スパーの一部分が構造体の中に挿入されてプロペラ予備成型品を成し、その成形品はその後母組織によって緻密化される。3次元製織により一体成形品として作られる繊維構造体は、スパーの形成部分が挿入される繊維構造体の内側にハウジングを形成する非鎖交域を備える(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0005】
そのようにして得られるプロペラブレードは、複合材料構造(即ち、母組織によって緻密化された繊維強化材)からなる外皮を有する結果として、低い全重量とかなりの機械的強度の双方を供する。
【0006】
ブレードの最も露出した部分、即ちその前縁に十分な強度を与えるために、繊維構造体はブレードの前縁を形成することになる繊維構造体のそれらの部分に如何なる開口部も非鎖交域も備えない。繊維構造体の中に設けられた非鎖交域は、スパーの成形部分の繊維構造体内への挿入を可能にする開口部を形成するように、構造体の底縁と後縁の双方の中へと開いている。
【0007】
それにもかかわらず、例えばブレードが高いレベルの機械的荷重や衝撃やショックを受けるといったような特定の状況では、緻密化された繊維構造体の中で成形部分をその基準位置に保持することは、特に繊維構造体のこの位置に非鎖交域があることで強度が低くなるような繊維構造体の後縁では困難となってしまう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、上述したタイプの航空機プロペラブレードであるものの、特にブレードの繊維構造体の内側の適所にスパーの成形部分を保持するという点で機械的強度を増加したプロペラブレードを提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため本発明は、3次元の織り糸によって得られかつ母組織によって緻密化された少なくとも1片の繊維強化材により構成された流線形構造体を、前記繊維強化材の外側で延びてブレードのルートを形成する拡大部分と繊維強化材の内側に配置されたハウジングに収まる成形部分とを備えたスパーと共に有する航空機プロペラブレードにおいて、前記繊維強化材は、繊維強化材の内側で前記ハウジングを形成する非鎖交域を備え、前記非鎖交域は前記繊維強化材の底部分と後縁に開口し、以て繊維強化材のハウジング内に前記スパーの成形部分を挿入するための開口部を形成するような、前記ブレードであって、前記繊維強化材の後縁にある前記開口部は、ハウジングの高さより小さい高さにわたって延び、以て前記後縁に少なくともその一部が前記スパーの成形部分と接触する保持部分を残すことを特徴とするブレードを提供する。
【0011】
後縁にこのようにして保持部分を設けることで、スパーの成形部分が繊維強化材の内側の適所に良好な状態で保持され、強化材中に非鎖交域があるにもかかわらずこれが適合する。万一、ブレードの流線形構造体に機械的応力(衝撃、ショック)がかかった場合でも、成形部分は、連続して織り込まれた部分によってブレードの前縁の傍と後縁の傍で保持されているため、成形部分が強化材の中で移動する恐れはない。
【0012】
本発明ブレードの第1の態様において、前記繊維強化材の後縁にある前記開口部は、前記ハウジングの高さの20%〜50%の範囲内に収まる高さにわたって延びている。
【0013】
本発明ブレードの第2の態様において、前記保持部分は、前記ハウジングの先端と、前記繊維強化材の後縁にある前記保持部分及び前記開口部の間にある接合点と、の間で減少する幅をもつ。そのような状況において、前記成形部分と前記保持部分との間の接触域は、前記ハウジングの高さの20%〜50%の範囲内に収まる高さにわたって延びていることが好ましい。
【0014】
本発明ブレードの第3の態様において、前記スパーは、複合材料からなる構造部品と、前記構造部品の輪郭線の一部分に接着接合された硬質気泡材料からなる部品と、を有する。
【0015】
本発明は又、発明によるブレードを複数有する航空エンジンをも提供する。
【0016】
本発明は又、発明による航空エンジンを少なくとも1基備えた航空機をも提供する。
【0017】
最終的に本発明は、航空機のプロペラブレードを製造する方法において、
3次元の織り糸によって、単体としての繊維ブランクを作り、前記ブランクは、ブランクの内側で前記ハウジングを形成する非鎖交域を備え、前記非鎖交域は前記繊維ブランクの底部分と後縁に開口し、
前記繊維強化材の外側に延びかつブレードのルートを形成する拡大部分と、前記繊維強化材の内側に形成されたハウジングにある成形部分と、を備えたスパーを作り、
前記スパーの成形部分を繊維ブランクにあるハウジングに挿入することで前記繊維ブランクを成形し、以て流線形構造体のための予備成型品を獲得し、
前記予備成型品を母組織で緻密化し、以て前記予備成型品によって構成されかつ母組織によって緻密化された繊維強化材を有する流線形構造体を獲得する、以上の各ステップを有する方法であって、
前記繊維ブランクの後縁にある前記開口部は、ハウジングの高さより小さい高さにわたって延び、以て前記後縁に、少なくともその一部が前記スパーの成形部分と接触する保持部分を残すことを特徴とする方法を提供する。
【0018】
本発明の方法の第1の態様において、前記繊維強化材の後縁にある前記開口部は、前記ハウジングの高さの20%〜50%の範囲内に収まる高さにわたって延びている。
【0019】
本発明の方法の第2の態様において、前記保持部分は、前記ハウジングの先端と、前記繊維ブランクの後縁にある前記保持部分及び前記開口部の間にある接合点と、の間で減少する幅をもつ。そのような状況において、前記スパーの成形部分と前記保持部分との間の接触域は、前記ハウジングの高さの20%〜50%の範囲内に収まる高さ(H
232)にわたって延びることが好ましい。
【0020】
本発明の方法の第3の態様において、前記スパーは、複合材料からなる構造部品を作り、更に前記構造部品の輪郭線の一部分に硬質気泡材料からなる部品を接着接合することにより作られる。
本発明の他の特徴と利点は、非限定的例として与えられた発明の特定実施形態に関する以下の記述と添付図面を参照することで明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、例えば飛行機やヘリコプタのような航空機用エンジンと共に使用される様々な種類のプロペラに適用される。本発明の有効であるも非排他的な用途は、そのサイズにより、航空エンジンの全重量に多大な影響を与えるほどの大きな重量を有する大寸法プロペラにある。
【0023】
図1は飛行機ターボプロップに装着されるプロペラブレード100を示し、そのブレードはブレード翼を形成する流線形構造体110と、例えばタング130により延ばされた球状断面を有し、より大きな厚さ部分によって形成されるルート120とを有する。断面において、流線形構造体110はその前縁110aと後縁110bとの間で変化する厚みの緩やかなカーブを与える。
【0024】
図2に示すように、プロペラ100は、ロータ51の外周に形成された各ハウジング(
図2には示されず)にブレード・ルート120を係入することによりロータ51に据え付けられる。
【0025】
本発明のプロペラを製造する方法には、プロペラブレードの流線形構造体の予備成型品を形成するため、その一部を繊維ブランク内に挿入するための
図3に示すようなスパー60を作ることが含まれる。本例ではスパー60は構造部品20と、その構造部品の輪郭線の一部分にわたって接着接合される硬質気泡材料からなる部品とによって構成される。
【0026】
スパー60は、本例では構造部品の第1部分21に対応しかつ前記部分21に接着接合された硬質気泡材料30から成る部品に対応した成形部分61を有する。成形部分61は、以下に詳しく説明する翼構造の予備成型品を形成するために繊維ブランクのハウジングに挿入されるものである。スパー60は又、構造部品20の第2部分22に対応する拡大部分62を有し、その拡大部分62はプロペラブレード10のルート120(
図1)を形成するように作用し、部分61、62間に位置する部分63はプロペラブ(
図1)のタング130を形成するように作用する。
【0027】
構造部品20は複合材料、即ち、母組織によって緻密化された繊維予備成型品から作られる。このため、繊維の予備成型品が作られ、それは例えば格子織を用いた炭素繊維糸の3次元又は多層製織によって得られる。構造部品20のために繊維ブランクを製織している間、より大きい重量の横糸や追加の横糸層を使用することにより、或いはインサートを挿入することにより第2部分22を獲得するようにしても良い。
【0028】
構造部品のための予備成型品が作られたならば、それにビスマレイミド(BMI)樹脂のような樹脂が含浸され、その樹脂は次いで重合される。これら2つの処理は後述する樹脂トランスファー成形(RTM)法により実行されるようにしても良い。樹脂の重合後は、スパーに対し最終寸法に向けての機械加工が施される。
【0029】
構造部品20の第1部分21と協働することになる部品30は最終ブレードの重量増を回避するために、硬質の気泡材料、即ち低密度を呈する材料から作られる。部品30は成形によって作られるようにしても、或いはブロック材、例えばレファレンス・ロハセル(登録商標)110XTHTに基づく気泡ソリッド板を機械加工することで作るようにしても良い。
【0030】
構造部品20の部分21と部品30は互いに相補する形状であり、それらは一旦組付けられたならば、製造対象としてのプロペラブレードの流線形構造体の形状に対応した形状を有する成形部分61を形成することができる。構造部品20と硬質気泡材料からなる部品30は、ブレード用繊維ブランクに挿入される前、共に接着接合される。
【0031】
変形実施形態としては、スパーは、複合材料からなる構造部品によってその全体が(即ち、硬質気泡材料からなる部品なしに)構成されるようにしても良い。
【0032】
図4は製造されるべきプロペラブレードの流線形構造体の繊維予備成型品を形成するための繊維ブランク200の高度に図式化された図である。
【0033】
図4に図式的に示すように、繊維ブランク200は、縦糸を横糸202で鎖交した状態で夫々、数百の編み糸を有する複数の層を以て配置された1束の縦糸201又は捩れた“より糸”を持つジャッカード型織機を用いて従来の方法で実行される3次元(3D)製織によって得られる。
【0034】
図示した例では、3D製織はインターロック織りを伴う製織である。“インターロック”織りという用語は、ここでは、所定の織り柱の全編み糸が織り面において同じ動作をしつつ横糸の各層が複数の縦糸層と鎖交するような織りを意味するものとして用いられている。
【0035】
その内容は参照することで本文に組み込まれる、例えば国際公開第2006/136755号に記載されたもののように、他の既知タイプの3次元製織を用いることも可能であろう。この文献は特に、コアに第1種の織りとスキンに第2種の織りを有したブレードやベーンのような部品のための一体成形繊維強化構造体の製法について記述しており、それによりこの種の部品に所望の機械的性質と所望の空力的特性の双方を同時に課すことが可能である。
【0036】
本発明の繊維ブランクは特に、炭素繊維又は炭化ケイ素繊維のようなセラミック繊維を用いて製織されるようにしても良い。
【0037】
変化するブランクの厚さと幅に伴って繊維ブランクの製織が進行すると、幾らかの数の縦糸が織りから除外され、それによりブランク20に対して、連続的に変化する所望の輪郭線と厚さを定めることができる。特に、前縁を形成する第1エッジと後縁を形成する小厚の第2エッジとの間のブランク厚さを変えることが可変3D製織の例は、欧州特許第1526285号に記載されており、その内容は参照することで本文に組み込まれる。
【0038】
製織中、縦糸からなる2つの連続した層は、繊維ブランクの前記非鎖交域204と鎖交域205の間の輪郭線204aによって定まる非鎖交域204を超えた繊維ブランク内の203(
図4)では鎖交されない。その非鎖交域204により、ブレード予備成型品(
図8)を形成するために、繊維ブランク200の内側でスパー60の成形部分61の寸法に整合するハウジング206(
図7)。
【0039】
ブランク200のための、インターロック織りを伴う3D製織を実行する1方法が
図5に図式的に示されている。
図5は非鎖交域204を含んだブランク200の部分の縦糸断面(
図4のV−V断面)の拡大部分図である。この例では、ブランク200は方向Xに延びる8層の縦糸201を有する。
図5では8層からなる縦糸は繊維ブランク200の鎖交域205では横糸T
1〜T
8に鎖交する。非鎖交域204では編み糸層の組207を成す4層の縦糸は4本の横糸T
1〜T
4と鎖交し、編み糸層の組208を成す4層の縦糸は4本の横糸T
5〜T
8と鎖交する。言い換えるならば、横糸T
1〜T
4が編み糸層の組208の中には延びず、横糸T
5〜T
8が編み糸層の組207の中には延びないという事実により、横糸層の2組207、208が互いに分離する非鎖交部203が生じる。
【0040】
図5に示す製織例の非鎖交域204では、横糸T
1〜T
4と横糸T
5〜T
8が非鎖交部203の両側に置かれ、横糸T
1〜T
4は織り糸層の組207を成す最初の4縦糸層と鎖交し、横糸T
5〜T
8は織り糸層の組207を成す最後の4縦糸層と鎖交している。
図6に示す変形実施形態では、鎖交域205の編み糸層の組207を成す縦糸層と鎖交する1本以上の横糸が、鎖交域205の編み糸層の組208を成す縦糸層と鎖交するために用いられ、逆の場合も同様に用いられる。具体的に言えば、
図6に示すように、第1の鎖交域205の編み糸層の組207の縦糸層と鎖交する横糸T
3、T
4が偏向されて非鎖交域204に進入し、編み糸層の組208の縦糸層と鎖交する。同じようにして、第1の鎖交域205の編み糸層の組208の縦糸層と鎖交する横糸T
5、T
6が偏向されて非鎖交域204に進入し、編み糸層の組207の縦糸層と鎖交する。非鎖交域204を通過した後は、横糸T
3、T
4はもう一度偏向されて第2の鎖交域205に進入し、編み糸層の組208の縦糸層と鎖交する一方、横糸T
5、T
6ももう一度偏向されて第2の鎖交域205に進入し、編み糸層の組207の縦糸層と鎖交する。非鎖交域204の始めと終わりとで横糸T
3、T
4と横糸T
5、T
6同士を交差させることにより、非鎖交域における繊維ブランクの強度が増大するという作用がある。
【0041】
3D製織の結果としてもたらされ、かつ如何なる成形にも先立つものとして、製織が終了(
図4)した時点で、織り物表面の縦糸と横糸は例えば加圧水のジェットによって切断され
図7に示すようなブランク200が引き出される。製織中に提供された非鎖交域204は、夫々独立した状態で織り込まれかつそれらの間にブランク200内部のハウジング206を延設する2つの部分210、211を形成する働きをする。そのハウジング206はブランク200における底縁220と後縁230に開口する。ブランク200のその後縁230が、プロペラブレード100(
図1)の後縁110bを形成することになる部分に対応する。
【0042】
本発明によれば、後縁230は、底縁220から高さH
231にわたって延びる部分開口部231を提供するが、この高さは繊維ブランク200(
図7)内に延びる非鎖交域204の高さH
204より小さい。なお、その非鎖交域の高さH
204はブランク200の非鎖交域204の底縁220と先端204bの間で延び、その先端204bは又ハウジング206の先端に対応するものである。高さH
204は又、その中にスパー60の成形部分61を置く(
図8)ハウジング206の高さにも相当している。後縁230におけるこの部分開口部231があることにより、ブランクの後縁230において“保持”部分232と呼ばれる閉じ部分232を与えることができ、その部分はブランク200における部分開口部231の端部と非鎖交域204の先端204bの間の高さH
232にわたって延びている。
【0043】
保持部分232は後縁230近傍で縦糸の長さを変えて非鎖交域204を形成することにより得られる。より正確に言えば、
図4に示すように、保持部分232にある縦糸201、即ちブランク200の非鎖交域204と後縁230との間にあるそれらが、部分開口部231と保持部分232との間の接合点233に位置するブランク200部分から始まる横糸と鎖交する。接合点233と先端204bとの間にあって、織られた縦糸のブランク幅方向の数は、その幅を接合点233と先端204bとの間で増加させた保持部分232を獲得するように徐々に増加される。
【0044】
部分開口部231の高さH
231はハウジング206の全高H
204の20%〜50%の範囲内に収まることが好ましく、これによりブランクにおけるスパーの強度を高め、結果として得られるプロペラブレードの機械的強度を増加するのに適した保持部分を提供しつつ、スパーの成形部分の挿入を可能にするのに十分な繊維ブランクの開口部を持つことが可能になる。
【0045】
図7及び
図8に示した例では、非鎖交域204の輪郭線204aは点209から始まって接合点233まで延びるハウジング206の輪郭線206aから次第に離反する。これによって先端204bと接合点233との間で次第に減少する幅を持つ保持部分232が生じる。これは、ブランク200のハウジング206へのスパー60の成形部分61の挿入をより容易にした状態での保持部分232の形成を可能にしている。一旦、ブランク200のハウジング206内に挿入されてしまえば、スパー60の成形部分61は、先端204bと点209の間に延びる領域だけに限って保持部分232と接することになる。成形部分が繊維ブランク内に十分に保持されるのを確実にするため、成形部分61と保持部分232の間の接触域の高さH
209は、ハウジング206の全高H
204の20%〜50%の範囲内に収まることが好ましい。
【0046】
成形部品の挿入し易さよりもプロペラの機械的強度、特にブレード予備成型品内での成形部分の保持を優先することが望まれた場合、保持部分は繊維ブランクの後縁においてハウジングの輪郭線に隣接して作られるべきである。そのような変形実施形態を
図9に示すが、同図は保持部分332と、ブランク300の後縁330にある部分開口部331とを有する繊維ブランク331を示している。本例での保持部分332は前記スパー60と同一のスパー360の成形部分361を受容するハウジング306の輪郭線306aに隣接する。こうした状況では、非鎖交域304は、その輪郭線304aが、非鎖交域の先端304bと、部分開口部331と保持部分332の間にある接合点333との間におけるハウジング306の輪郭線306aと一致するように、ブランク300の製織中に成形される。部分開口部331の高さはハウジング304の全高の20%〜50%の範囲内に収まることが好ましく、これによりスパーの成形部分の挿入を可能にするのに十分な繊維ブランクの開口部を持つことを可能にする一方で、ブランクにおけるスパーの強度を高め、以て結果としての生じるプロペラブレードの機械的強度を高めるのに適した保持部分を提供することができる。
【0047】
図7において、繊維ブランク200は、そのハウジング206内にスパー60の成形部分61を挿入することでブレード予備成型品へと仕上げられる。
【0048】
図8に示すように、一旦成形部分61がハウジング206内へと挿入されたならば、ブレードの繊維予備成型品は緻密化される。緻密化処理に先立ち、ブランクの後縁230と底縁220は縫合により再閉されることが好ましい。
【0049】
繊維予備成型品の緻密化処理は、母組織構成材料を用いて、予備成型品の容積全般又はその一部分にわたって空孔を充填することにある。
【0050】
流線形構造体を構成する複合材料の母組織は、液体法を使った既知方法によって得られるようにしても良い。
【0051】
液体法は、予備成型品に母組織材料のための有機前駆体を液組成を含浸させることにある。有機前駆体は通常、樹脂等のポリマー、場合によっては溶剤により希釈されたポリマーの形態をとる。予備成型品は、最終成型品の形状を備えキャビティであって、特にブレードの最終形に対応したねじれ形状を与えることができるキャビティを有するように気密状に閉じることが可能な成形型の中に置かれる。その後、この成形型は閉じられ、母組織の液体前駆体(例えば、樹脂)が、予備成型品の全繊維部分に含浸させるように全キャビティの中に射出される。
【0052】
前駆体は有機基質へと変態する。即ち、それは、如何なる溶剤をも除去してポリマーを硬化させた後、プロペラブレードの形状に相当する形状を持った成形型の中に予備成型品を引き続き保持した状態で、通常は成形型を加熱するといったような熱処理が施され重合化される。その有機基質は特に、サプライヤとしての“Cytec”による基準PR520の高性能エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を使用するか、或いは炭素やセラミックスマトリックスのための液体前駆体から得られるようにしても良い。
【0053】
炭素又はセラミックマトリックスを形成する際の熱処理は、使用される前駆体や熱分解条件に依存した炭素又はセラミックスマトリックスに有機基質を変態させるために、有機前駆体を熱分解することにある。一例として、炭素のための液体前駆体は、フェノール樹脂などのコークス含有量が高い樹脂であるかもしれず、他方、セラミックス、特にSiCのための液体前駆体は、ポリカルボシラン(PCS)系やポリチタノカルボシラン(PTSC)系やポリシラザン(PSZ)系の樹脂であるかもをかもしれない。所望の緻密度を得るために、含浸から熱処理までのサイクルを複数回連続して行うこともあるかもしれない。
【0054】
本発明の態様によれば、繊維予備成型品は公知のRTM法を使って緻密化しても良い。RTM法では、繊維予備成型品はブレード外形を有する成形型内に置かれる。成形部分61は、硬質かつ作られるべきブレードの形状に相当する形状を有した部品から作られるため、それは対抗型として有効に作用する。熱硬化性樹脂が、剛性材からなる部品と成形型との間に作られかつ繊維予備成型品を含む内部空間に注入される。樹脂が注入される部位と樹脂の排出口との間のこの内部空間には、通常、樹脂による予備成型品の含浸を制御しかつ最適化するための圧力勾配が設定される。
【0055】
一例として、使用される樹脂はエポキシ樹脂であっても良い。RTM法に適した樹脂はよく知られている。繊維への注入を容易ならしめるために、それらは低粘度を有することが好ましい。樹脂の温度等級及び/又は化学的性質は、部品にかかる熱力学的応力に応じて選択される。一旦、樹脂が強化材全体に注入されたならば、それはRTM法に応じた熱処理により重合される。
【0056】
射出・重合後、部品は成形型から外される。最後に部品は余分な樹脂を除去するべくトリミングされ、面取り加工される。部品が成形されることを前提とし、それは要求された寸法に従うものであるため、その他の機械加工は必要ない。
【0057】
部品30を作るために使われる硬質気泡材料は、樹脂が気泡の中に入り込むのを防止し、ひいては繊維予備成型品が緻密化された後にその低密度を保つように、閉じた気泡を有する材料であることが好ましい。
【0058】
繊維予備成型品が緻密化された後に
図1に示すようなプロペラブレード100が得られることになる。