【課題を解決するための手段】
【0017】
時間的離散化は、プロセスの特定の部品又はセグメントに対して、時間的なベースで所定のセンサからの画像を割り当てることによって実現することができる。そのため、本開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセスの状態を評価するためのシステムが提供される。システムは、プロセスを複数のプロセスセグメントにセグメント化するための手段と、セグメント化手段によって生成された複数のプロセスセグメントの各プロセスセグメントに関する情報であって、複数のサンプルを備える情報を取り込むように構成された1つ以上のセンサと、複数のセグメントの各プロセスセグメントに関連する複数のサンプルを処理し、処理に基づいて、プロセスの少なくとも1つの状態に関係する表示を提供するように構成された処理手段とを含む。
【0018】
特に、1つ以上のセンサの各々は、異なるセグメント戦略(segment strategy)を有していてもよいし、及び/又は、単一のセンサは、プロセスにおける複数の異常を検出するために用いられることができ、その場合には、セグメント戦略は、各々の異常のタイプ毎に異なってもよい。
【0019】
プロセスをセグメント化するための手段は、複数のプロセスセグメントのプロセスセグメント毎にサブセグメントを生成するようにさらに構成されることができる。
【0020】
1つ以上のセンサによって受信された波長及び帯域幅は、シーンにおいて生じる特定の特徴又は異常の画像であるが一定の波長領域においてのみ可視の画像を与えるために、さらには反射されたレーザ光、危険な発光又は高輝度の発光からセンサの一定の領域までセンサを保護するために、帯域通過フィルタにより選択的に遮られてもよい。
【0021】
システムは、1つ以上の所定の異常に関連する異常データを備えるデータベースを含むことができる。
【0022】
1つ以上のセンサは、放射データを取り込むことための手段、好ましくはカメラ、を含んでもよい。カメラは、分析されているプロセスに基づいて一定の光の波長を取り込むように構成されてもよい。
【0023】
各カメラは、各波長においてそれ自身の応答特性を有してもよい。そのため、カメラの選択は、所定の分析の適した特性を有するカメラプロファイルをもたらすように行われてもよい。いくつかのケースにおいて、所定の波長又は波長の範囲における、センサ又はその感度のさらなる構成が可能であってもよい。
【0024】
特に、当業者は、用語「カメラ(camera)」は広く解釈されるべきであり、あらゆる2D及び3D画像装置を含んでもよい、ということを理解することになる。
【0025】
サンプルは、画像及び音声のうちの少なくとも1つを備えてもよい。本開示の実施形態によれば、処理手段は、各セグメントに関連した複数のサンプルを分析し、セグメント状態を判定するために、分析された情報を異常データと比較するように構成されることができる。
【0026】
システムは、ユーザインタフェースを含んでもよく、ユーザインタフェースは、複数のセグメント、サンプル、及びプロセスのうちの少なくとも1つを定義する1セットのパラメータのカスタマイズを可能にするように構成される。
【0027】
ユーザインタフェースは、プロセスセグメント及び/又はサブセグメント毎、すなわちサンプリングレート毎に取り込まれるいくつかのサンプルを選択することを可能にすることができる。
【0028】
1つ以上のセンサは、3次元(3D)の画像を取り込むように構成されてもよい。
【0029】
例えば、紫外、可視、赤外(近赤外及び遠赤外)の2次元又は3次元画像を空間的にキャプチャする少なくとも1つのセンサが提供されてもよい。
【0030】
2次元画像は、プレーナの2次元シーンの表現、又は3次元シーンの2次元的表現であってもよい。
【0031】
3次元画像は、光学系によって支援された単一のセンサ、又は同じ波長において動作する複数のセンサによって作成されてもよい。
【0032】
処理手段は、1つ以上のアルゴリズムに基づいて複数のサンプルに関する比較データを生成し、データベースに比較データを保存するように構成されることができる。
【0033】
1つ以上のセンサは、また、プロセスの対象であるワークピースと、その部品のプロセスを実行する設備との両方に関連する情報を取り込むように構成されることができる。
【0034】
プロセスは、例えば溶接プロセスなどの組み立てプロセスになり得る。プロセスは、また、特に、複合硬化プロセス、複合固結プロセス、粉末クラッディングプロセス、粉末噴霧プロセス、噴霧プロセス、鑞付プロセス、複合テープ敷設プロセス、複合混合繊維配置プロセス、及び加熱及び乾燥プロセスを含んでもよい。
【0035】
1つ以上のセンサによって観察されたシーンは、いくつかの実施形態によれば、シーンの周囲温度若しくは環境的照明、プロセス発光(プロセス励起に対する部品の応答)、選択された波長
若しくは波長のグループにおける付加的な外部照
明又は外部励起(若しくはこのようなファクタの組み合わせ)のために、放射(例えば光)を発してもよい。
【0036】
1つ以上のセンサのサンプリング周波数は、観察されるプロセスにおいて定義される波長及び帯域幅にて生じる、既定の特徴又は異常の特徴の発生に関する一組の連続的な画像(すなわちセグメント)にわたって統計的測定を行なうために充分に高い。
【0037】
1つ以上のセンサは、プロセスに対して同軸方向に設置されてもよい。1つ以上のセンサは、また、前、後、左、右、又はそのいずれかの実際的な組み合わせから、プロセスゾーンを観察してもよい。1つ以上のセンサは、また、プロセスのために用いられるリモートレーザスキャナを通じて画像を取り込んでもよい。
【0038】
1つ以上のセンサは、プロセスゾーン又はプロセス監視のために適切な他の表示ゾーンにおいて、全体的又は局所的に加工されたワークピースを観察してもよい。
【0039】
1つ以上のセンサは、ワークピースそれ自体ではなく、設備の一部(例えばツール、取付具)又はワークピースと設備との間の界面を観察してもよい。
【0040】
1つ以上のセンサは、同じシーンの全体的に異なる部品を観察してもよい。同じシーンを観察するセンサは、同じ視点を共有してもよいし、共有しなくてもよい。
【0041】
システムは、1つ以上のセンサに加えて、又はその代わりとして、現場X線、中性子ラジオグラフィ、及びテラヘルツ分光法などの技術を使用してもよい。超音波アレイなどのアレイ検出器、又は動的プロセスの2次元の表現が複数の単一のポイント測定値の組み合わせによって形成されるアレイ検出器も、また、実装されてもよい。
【0042】
開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセスの状態を評価するための方法が提供される。方法は、プロセスを複数のプロセスセグメントにセグメント化することと、複数のプロセスセグメントの各プロセスセグメントに関する情報であって、複数のサンプルを備える情報をキャプチャすることと、複数のプロセスセグメントの各セグメントに関する複数のサンプルを処理することと、処理に基づいて、プロセスの少なくとも1つの状態に関連する表示を提供することとを含む。
【0043】
本方法は、複数のプロセスセグメントの各々を複数のサブセグメントにサブセグメント化することをさらに含んでもよい。
【0044】
本方法は、複数のセグメント、サンプル、及びプロセスのうちの少なくとも1つを定義する1セットのパラメータを指定することをさらに含んでもよい。
【0045】
処理は、データポイントをもたらすために、複数のサンプルに対して1つ以上のアルゴリズムを適用することを含んでもよい。
【0046】
1つ以上のアルゴリズムは、特に、最大値判定アルゴリズム、最小値判定アルゴリズム、平均値判定アルゴリズム、勾配判定アルゴリズム、積分アルゴリズム、総和アルゴリズム、論理動作、マスキング機能、局所的閾値化、大域的閾値化、適応的閾値化、画像の反転、画像部分の充填(filling parts of the image)、画像部分の開放(opening parts of the image)、及びノイズスポット除去のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。
【0047】
セグメント化は、空間的、時間的、又は時空間的であってもよい。
【0048】
複数のセグメントを備えるいくつかのセグメントは、統計的に有意な結果が取得され得るように、プロセスに基づいて構成されることができる。
【0049】
本方法は、ユーザ構成ステップをさらに備えてもよく、ユーザは、セグメントの数、及び物理的な欠陥にする統計的な状態のうちの少なくとも1つを構成することができる。
【0050】
プロセスは、例えば溶接プロセスなどの組み立てプロセスである。プロセスは、また、特に、複合硬化プロセス、複合固結プロセス、粉末クラッディングプロセス、粉末噴霧プロセス、噴霧プロセス、鑞付プロセス、複合テープ敷設プロセス、複合混合繊維配置プロセス、及び加熱及び乾燥プロセスを含んでもよい。
【0051】
重要なことには、サンプル(例えば画像)の完全なコレクションは、システム精度のユーザの参照及び/又は監査のためにメモリ(例えば、RAM又はプロセッサに関連づけられた永続メモリ)内に一時的又は永続的に保存されてもよい。例えば、サンプルのコレクションは、特に、局所的なハードディスクドライブ、ネットワークドライブ、及び/又はクラウドドライブに保存されてもよい。これは、所望の場合、異なるパラメータによる分析をユーザが再実行することを可能にすることができる。
【0052】
検出された画像特徴は、ユーザの参照、システム精度の監査、所望の場合異なるパラメータによるリランニング分析、及びシステム継続改善のために画像において強調されてもよい。
【0053】
各画像において検出された画像特徴は、参照及び事後分析のための数値データ、リスト、スプレッドシート、及び/又はデータベースの形式で保存されてもよい。
【0054】
セグメントデータ概要は、統計的検定及び/又は故障判定基準の視覚化も含んでもよい、数値データ(例えばリスト、スプレッドシート、データベース)から生成することができ、チャート及びグラフにおいて視覚化することができる。チャート及びグラフに寄与するセグメントデータ及び画像は、即座に検索、表示、レポートへのエクスポートをすることができる。
【0055】
画像(強調表示の有無に関わらず)は、画像スタック又はムービーとして再生することができる。ユーザ及び開発者は、画像と数値データ(例えば、リスト、スプレッドシート、データベース)との間を即座に相互参照することができる。
【0056】
ユーザ又は開発者は、異なる品質状態間の統計的有意性検定のための最適なセッティングを取得するために、セグメントの数、各セグメントに寄与する画像の数、画像キャプチャ頻度、各セグメントのためのパラメータ及び画像処理アルゴリズム(及びそのパラメータ)の観点から部品、生産物、又はプロセスのセグメント化を再定義することができる。
【0057】
開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセスの状態を評価するためのシステムが提供される。システムは、プロセスを複数のプロセスセグメントにセグメント化するように構成されたプロセッサと、セグメント化手段によって生成された複数のプロセスセグメントの各プロセスセグメントに関する情報であって、複数のサンプルを備える情報を取り込み、その情報をプロセッサに提供するように構成された1つ以上のセンサとを含む。プロセッサは、複数のセグメントの各プロセスセグメントに関する複数のサンプルを処理し、処理に基づいて、プロセスの少なくとも1つの状態に関連する表示を提供するようにさらに構成される。
【0058】
複数のサンプルの各サンプルの処理に関連する出力が、単一の数値を備える一方で、複数のプロセスセグメントの各セグメントの処理に関連する出力は、単一の数値の関数である。
【0059】
システムは、1つ以上の所定の異常に関連する異常データを収納するデータベースをさらに備えることができる。
【0060】
1つ以上のセンサは、放射データ及び/又は音響データを取り込むように構成されたカメラ及び/又は音響トランスデューサアレイ(例えばマイクロホン)を含んでもよく、複数のサンプルは、画像及び音声のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0061】
システムは、所定波長内の放射データ又は波長のグループを選択的に伝送し、所定波長外の放射データの伝送を阻止するように構成された帯域通過フィルタをさらに含んでもよい。
【0062】
システムは、ユーザインタフェースを含むことができ、ユーザインタフェースは、複数のセグメント、サンプル、及びプロセスのうちの少なくとも1つを定義する1セットのパラメータのカスタマイズを可能にするように構成される。
【0063】
1つ以上のセンサは、3次元の画像を取り込むように構成されてもよい。
【0064】
データベースは、1つ以上のアルゴリズムに基づく複数のサンプルに関する比較データをさらに含むことができる。
【0065】
システムは、プロセスの間に取り込まれた複数のサンプルの1つ以上を記憶するように構成され、人間のユーザに対して可視及び/又は可聴の形式で複数のサンプルの1つ以上を出力するための記憶装置を含んでもよい。
【0066】
上記要素及び明細書内の要素の組み合わせが、矛盾する場合を除いて行われてもよい、ということが意図される。
【0067】
本開示の目的のために、用語「セグメント(segment)」、「セグメント化(segmentation)」、「セグメント化(segmenting)」、及びそのバリエーションは、プロセス及び/又は情報を「セグメント(segments)」と呼ばれる有意味のエレメンタリ部分に分割する処理を意味するものとする。
【0068】
用語「空間セグメント化(spatial segmentation)」は、画像、例えば静止画像又はフレーム、を任意の形状の多数の領域に分割することを意味し、それらの各々は、典型的には、画像の意味のある部分を構成すること、すなわち、そこに表現されたオブジェクトの1つ、又は1つのこのようなオブジェクトの一部に対応することが想定される。用語「大域的な空間セグメント化(global spatial segmentation)」は、1つ以上のセンサの初期視点外のエリアを含む全プロセスエリアの空間セグメント化を意味する。いくつかの実施形態によれば、大域的な空間セグメント化が実現されてもよく、視野が特定の空間位置に移動するように、分析が契機となってもよい。
【0069】
さらに、用語「時間セグメント化(temporal segmentation)」は、時間依存の一連の画像(例えばビデオ画像)からの画像を特定のセグメントに対して割り当てることを意味する。