(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C33/00−33/76,39/26−39/36,41/38−41/44,43/36−43/42,43/50,45/00−45/84,49/48−49/56,49/70,51/30−51/40,51/44,64/00−64/40,67/00−67/08,67/24−69/02,73/00−73/34,
前記機械加工された光学面を含む前記機械加工された光学部品を形成するように前記成形部品を機械加工することが、複数の機械加工された光学部品を形成するように前記成形部品を機械加工することを備え、前記複数の機械加工された光学部品のうちの少なくとも1つの機械加工された光学部品が機械加工された光学面を含み、前記複数の機械加工された光学部品のうちの少なくとも1つがゲート領域を含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、光学部品、光学部品を形成するための金型及び光学部品を形成するための技術を記載する。いくつかの例において、光学部品は、低複屈折ポリマーなどの低複屈折材料から形成され、金型は、成形プロセス中に低複屈折材料に付与される成形応力を低減するように選択された金型キャビティを画定することができる。例えば、鋭角の形状若しくは断面積の急激な変化又は非対称断面形状を有するキャビティを画定する金型よりも、金型は、直方体又は円筒形などの比較的単純な形状を有するキャビティを画定することができる。鋭角の形状及び/又は断面積の急激な変化、及び/又は非対称断面形状の数を低減することにより、低複屈折材料に付与される成形応力を低減することができる。低複屈折材料に付与される成形応力を低減することは、成形プロセスが完了した後、成形部品に存在する残留応力によって生じる複屈折を低減することができる。低複屈折材料及び成形中における低複屈折材料の応力を低減するように設計された金型を利用することにより、成形部品における複屈折は、低減又は実質的に除去することができる。
【0011】
いくつかの例において、金型キャビティは、形成されるべき光学部品の形状以外の形状を画定することができる。金型キャビティの形状は、成形時の低複屈折材料の応力を低減するように選択することができる。そして、成形部品は、機械加工された光学部品を形成するために、切断され、粉砕され又は機械加工されることができる。成形部品を切断し、粉砕し又は他の機械加工を行うことにより、1つ以上の鋭角の非対称断面形状、及び/又は形状及び/又は断面積の変化が機械加工された光学部品において形成されることができる。
【0012】
いくつかの例において、機械加工された光学部品は、金型の壁によって画定される少なくとも1つの成形された光学面と、成形部品の機械加工することによって画定される少なくとも1つの機械加工された光学面とを含むことができる。いくつかの例において、機械加工された光学面は、比較的異なる屈折率を有する材料に隣接して配置されたときに望ましくない散乱をもたらすことがある表面粗さを有することがあることから、少なくとも1つの機械加工された光学面は、使用時に、比較的類似する屈折率(例えば、約5%の範囲内又は約2%の範囲内など、機械加工された光学部品の屈折率の約20%の範囲内の屈折率)を有する材料に隣接して配置された光学面とすることができる。
【0013】
いくつかの例において、本願明細書に記載された金型及び技術は、比較的低い複屈折性を有する光学部品の形成を容易とすることができる。追加的又は代替的に、本願明細書に記載された金型及び技術は、鋭角の形状及び/又は断面積の急激な変化、及び/又は非対称断面形状を有する金型において成形されたときに望ましくない複屈折を呈することができるポリマーからの光学部品の形成を容易とすることができる。いくつかの例において、本願明細書に記載された金型及び技術は、例えば、成形されるべき光学部品の最終形状を画定する金型を使用するよりも高いスループットを有する光学部品の経済的な形成を容易とすることができる。
【0014】
図1は、成形部品を形成するための例示的な金型を図示する概念図である。金型10は、第1の金型部12及び第2の金型部14を含む。ともに、第1及び第2の金型部12及び14は、成形されるべき部品の形状を画定する金型キャビティ16を画定する。第1及び第2の金型部12及び14はまた、成形プロセス中に材料が金型キャビティ16内に入るゲート領域18を画定する。
【0015】
図示された例において、金型10は、単一の金型キャビティ16を画定しているが、他の例において、金型10は、複数の金型キャビティを画定することができる。いくつかの例において、複数の金型キャビティのそれぞれは、実質的に同一(例えば、製造公差別に同一又は略同一)の形状及び/又は大きさを画定することができる。他の例において、少なくとも1つのキャビティは、他のキャビティとは異なる形状を有してもよい。
【0016】
いくつかの例において、金型キャビティ16は、比較的小さい断面積の変化を有する形状及び/又は長軸20に対して略垂直な面内での形状を含むことができる。例えば、金型キャビティ16の断面積は、フロー長(例えば、長軸20)の少なくとも約50%に沿って約50%未満だけ変化することができる。他の例として、金型キャビティ16の断面積は、フロー長(例えば、長軸20)の少なくとも約50%に沿って約25%未満だけ変化することができる。追加的に又は代替的に、
図1に示されるように、金型キャビティ16は、長軸20に対して垂直な方向に測定される金型キャビティ16の幅と比べて長軸20に平行な方向に測定される金型キャビティ16の長さの比として決定される大きなアスペクト比を有してもよい。例えば、アスペクト比は、約2.5:1(長さ:幅)よりも大きくすることができる。いくつかの例において、
図1に示されるように、金型10は、鋭角を含まない金型キャビティ16を画定する。本願明細書において使用される場合、鋭角は、約10°から約80°の角度を含むことができる。
図1に示された例は、長軸20に対して略垂直な平面における大きなアスペクト比と断面積及び/又は形状の比較的小さな変化との双方を含むが、他の例においては、金型キャビティ16は、長軸20に対して略垂直な平面における大きなアスペクト比又は断面積及び/又は形状の比較的小さな変化を含んでいてもよい。
【0017】
図1に図示された例において、金型10は、一般に直方体形状を有する金型キャビティ16を画定する。他の例において、金型10は、円柱、球、又は、1つ以上の曲面(例えば、球、楕円又は他の曲率)を有する一般に直方体形状などの他のより複雑な形状など、異なる形状を有する金型キャビティ16を画定することができる。
【0018】
金型キャビティ16を画定する金型10の壁は、金型キャビティ16内で成形部品(例えば、
図2に図示された成形部品30)の表面を画定する。いくつかの例において、部品の表面の少なくとも1つは、光学面とすることができる。本願明細書において使用される場合、光学面は、光が透過するか、又は、内部全反射によって若しくはコーティングによって光が反射される部品の表面を指す。このため、いくつかの例において、金型キャビティ16を画定する金型10の壁は、例えば、低い表面粗さを有する表面を画定するためにシングルポイントダイヤモンド加工及び/又は研磨を使用して形成することができる。
【0019】
図2は、
図1に図示される例示的な金型10を使用して形成された例示的な成形部品を図示する概念図である。
図2に示されるように、成形部品30は、金型キャビティ16のネガである形状を画定する。成形部品30は、金型キャビティ16のネガに一般に対応する形状を画定する。
図1及び
図2の例において、金型キャビティ16は、一端に付加されたゲート領域18を有する一般に直方体形状を画定し、それゆえに、成形部品30は、ゲート領域18に対応する位置において一端に付加された円筒32を有する一般に直方体形状を画定する。
【0020】
成形部品30は、
図2にラベル付けされた第1の表面34a及び第2の表面34b(総称して、「表面34」)という金型10によって画定された複数の表面を含む。いくつかの例において、表面34のうちの1つ以上は、光学装置又はシステムにおける成形部品30又は成形部品30の一部の使用中に、光を透過するか、又は、内部全反射によって若しくはコーティングによって光が反射される光学面とすることができる。このため、低い表面粗さが望まれることがあり、上述したように、金型キャビティ16を画定する金型10の壁(又は成形部品30の光学面を画定する少なくともそれらの壁)は、例えば、シングルポイントダイヤモンド加工及び/又は研磨を使用して形成することができる。
【0021】
成形部品30を形成することは、成形部品30に応力を与える。いくつかの例において、応力は、例えば圧力下で金型キャビティ16内への材料の流れに起因して成形部品30が金型キャビティ16内に形成される材料の注入の間に生成されることがある。いくつかの例において、応力は、例えば異なる速度で凝固及び/又は冷却する成形部品30の異なる部分に起因して材料の凝固及び冷却中に生成されることがある。いくつかの例において、応力はまた、金型10から成形部品30の排出中に生成されることがある。
【0022】
金型キャビティ16、それゆえに成形部品30の形状及びアスペクト比は、成形部品30に付与される応力に影響を与えることがある。例えば、大きなアスペクト比を有する金型キャビティ16は、例えば注入及び/又は冷却中に低アスペクト比を有する金型キャビティよりも成形部品30が形成される材料に低い応力を付与することができる。同様に、比較的均一の断面積及び/又は形状を画定する金型キャビティ16は、例えば注入及び/又は冷却中に非均一の断面積及び/又は形状を有する金型キャビティよりも成形部品30が形成される材料に低い応力を付与することができる。いくつかの例において、成形部品30に付与される低い応力は、より対称的な材料の流れ及び/又は冷却に起因することがある。
【0023】
成形中に成形部品30に付与される応力を低減することにより、成形部品30内の残留応力を低減することができる。成形部品30内の残留応力は、複屈折を生じさせることがあるため、残留応力を低減することは、より高いレベルの残留応力を有する成形部品に比べて複屈折を低減することができる。このようにして、金型キャビティ16を画定する金型10及び本願明細書において記載される技術は、同じ材料及び他の金型形状を使用して製造される光学部品よりも低い複屈折を生成する光学部品を製造することができる。
【0024】
いくつかの例において、成形部品30における残留応力を低減するために選択される金型キャビティ16の形状は、光学部品の所望の形状と同じでなくてもよい。いくつかの例において、成形部品30は、成形部品30の形状とは異なる形状を有する光学部品を形成するように機械加工することができる。追加的又は代替的に、2つ以上の光学部品(例えば、複数の光学部品)は、成形部品30を機械加工することによって成形部品30から形成することができる。
図3−
図9は、射出成形、機械加工、及び、必要に応じて、他のプロセスを使用して形成される少なくとも1つの光学部品及び複数の光学部品を形成するための射出成形、機械加工、及び、必要に応じて、他のプロセスを含む技術の例を図示するフロー図及び概念図である。
【0025】
図3は、射出成形及び機械加工を使用して光学部品を形成するための例示的技術を図示するフロー図である。
図3の技術は、
図1、
図2及び
図4の概念図を参照しながら記載されるが、他の例においては、
図3の技術は、他の成形部品を製造するために他の金型形状とともに使用されてもよく、及び/又は、
図4に図示されるものとは異なる形状によって光学部品を製造するために使用されてもよい。
【0026】
図3の技術は、少なくとも1つの光学面(42)を画定する金型10内に光学材料を射出成形することを含む。射出成形は、金型10のゲート領域18を介して加圧下で溶融状態において成形されるべき材料を導入することによって行うことができる。いくつかの例において、光学材料は、例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)、シクロオレフィン系熱可塑性樹脂などのアクリルを含む比較的低複屈折のポリマー材料を含む。例示的なポリマー材料は、日本の東京のゼオン社から商品名ZEONEX(登録商標)K26Rのもとに入手可能なもの、ゼオン社から商品名ZEONEX(登録商標)E48Rのもとに入手可能なシクロオレフィン系熱可塑性樹脂、又は、ニューヨーク州ライブルックの三井化学アメリカ社から商品名APEL(商標)APL5014DPのもとに入手可能な環状オレフィン共重合体を含む。
【0027】
溶融材料は、ゲート領域18を介して金型キャビティ16内に流入することから、溶融材料は流れに起因して応力を受ける。より高いレベルの応力は、ゲート領域18に隣接する金型キャビティ16の領域又は金型キャビティ16のコーナーなどの金型が形状を変化させる近い領域を生じることがある。さらに、応力は、形状の変化がより急激なときに又はコーナーがよりシャープである(例えば、鋭角)場合に、より大きくなることがある。長軸20に対して略垂直な平面において実質的に同様の断面形状及び/又は面積を維持し且つ鋭角をほとんど又は全く含まないことにより(例えば、約10°から約80°の角度)、流動応力を低減することができる。
【0028】
金型キャビティ16が所望の圧力で材料によって実質的に充填されると、金型10及び(金型キャビティ16内に配置された)成形部品30は、溶融材料を凝固して成形部品30を形成するように冷却することができる。冷却はまた、例えば、成形部品30の異なる部分の冷却速度差に起因して成形部品30内に応力を導入することがある。いくつかの例において、より大きな金型キャビティ16及び成形部品30の対称性は、例えば成形部品30のより均一な冷却速度に起因して冷却応力を低減することができる。成形部品30の冷却及び凝固後において、成形部品30は、金型10から排出されることができる。上述したように、表面34のうちの少なくとも1つは、成形部品30の少なくとも一部から形成された光学部品の使用中に、光を透過するか、又は、内部全反射又はコーティングによって光が反射される光学面とすることができる。
【0029】
図3の技術はまた、少なくとも1つの機械加工された光学面(44)を形成するように成形部品30を機械加工することを含む。成形部品30を機械加工することは、例えば、切断、粉砕、研磨などを含むことができる。いくつかの例において、成形部品30を機械加工することは、シングルポイント・ダイヤモンドフライカッティング、マルチポイント・ダイヤモンドフライカッティング、粗切断に続く微細切断、切断に続く研磨などを含む。いくつかの例において、成形部品30を機械加工することは、円筒32を除去することを含むことができる。
【0030】
図4は、少なくとも1つの機械加工された光学面を含む例示的な光学部品50を図示する概念図である。
図4に図示された例において、光学部品50は、第1の機械加工された表面54a及び第2の機械加工された表面54b(総称して、「機械加工された光学面54」)を含む。光学部品50はまた、第1の成形された表面52a、第2の成形された表面52b、第3の成形された表面52c及び第4の成形された表面52d(総称して、「成形された表面52」)を含む。成形された表面52は、金型キャビティ16の壁によって画定される。いくつかの例において、成形された表面52のうちの少なくとも1つは、例えば、光学部品50の使用中に、光が透過するか、又は、内部全反射若しくはコーティングによって光が反射される表面である成形された光学面であってもよい。
【0031】
成形された表面54のうちの少なくとも1つは、例えば、光学部品50の使用中に、光が透過するか、又は、内部全反射若しくはコーティングによって光が反射される表面である機械加工された光学面であってもよい。このように、光学部品50は、成形部品30とは異なる形状を有していてもよく、光学面のうちの少なくとも1つは、機械加工された表面として画定されてもよい。これは、光学部品50内の複屈折を低減又は実質的に除去しながら(例えば、除去する又はほぼ除去する)、所望の形状を有する光学部品50を形成する際に柔軟性を提供することができる。
【0032】
少なくとも1つの機械加工された光学面は、比較的低い表面粗さを含むことができる。しかしながら、いくつかの例において、少なくとも1つの機械加工された光学面の表面粗さは、少なくとも1つの成形された光学面の表面粗さよりも大きくてもよい。このため、いくつかの例において、少なくとも1つの機械加工された光学面は、光学部品50の屈折率と略同様である屈折率を有する材料に隣接して配置された表面として使用することができる。例えば、少なくとも1つの機械加工された光学面に隣接する材料の屈折率は、光学部品50の屈折率の約5%の範囲内又は光学部品50の屈折率の約2%の範囲内など、光学部品50の屈折率の約20%の範囲内とすることができる。いくつかの例において、実質的に同様の少なくとも1つの機械加工された光学面及び光学部品に隣接する材料の屈折率を有することは、少なくとも1つの成形された光学面の表面粗さによって生じる光の散乱に起因する歪みを低減することができる。
【0033】
図5は、射出成形及び機械加工を使用して光学部品を形成するための他の例示的な技術を図示するフロー図である。
図5の技術は、
図1、
図2及び
図6の概念図を参照しながら記載されるが、他の例においては、
図5の技術は、他の成形部品を製造するために他の金型形状とともに使用されてもよく、及び/又は、
図6に図示されるものとは異なる形状によって光学部品を製造するために使用されてもよい。
図6は、機械加工された光学面に付着した光学的に活性なフィルムを含む例示的な光学部品を図示する概念図である。
【0034】
図3に図示された技術と同様に、
図5の技術は、少なくとも1つの光学面(42)を画定する金型10内に光学材料を射出成形することと、少なくとも1つの機械加工された光学面(44)を形成するように成形部品30を機械加工することとを含む。3次元平行四辺形を形成するよりもむしろ、
図4に図示されているように、光学部品70は、変更されたプリズムである。光学部品70は、例えば
図6に図示された軸80に対して定義されたときに軸対称性を有しない。軸80は、光学部品70の第1の表面72の中間点を通る。いくつかの例において、軸80は、成形部品(例えば、
図2の成形部品30)の長軸に略平行とすることができ、光学部品70は、成形部品30を機械加工することによって形成することができる。このように、軸80に対して軸対称性を有しない光学部品70は、軸対称性を有する成形部品30から形成されることができる。上述したように、成形部品30の軸対称性は、成形部品30における残留応力を低減又は実質的に除去することができ、例えば光学部品70などの成形部品30から形成された光学部品における複屈折を低減又は実質的に除去することができる。
【0035】
いくつかの例において、第1の表面72は、機械加工された表面であってもよい。他の例において、第1の表面72は、成形された表面であってもよい。いくつかの例において、第1の表面72は、例えば、光学部品70の使用中に、光が透過するか、又は、内部全反射若しくはコーティングによって光が反射される表面である光学面である。他の例において、第1の表面72は、光学面ではない。第1の表面72は、いくつかの例においては略平面(例えば、平面又はほぼ平面)であってもよく、又は、少なくとも1つの寸法において曲率(例えば、楕円、球状又はより複雑な曲率)を含んでもよい。
【0036】
光学部品70はまた、第2の表面74を含む。いくつかの例において、第2の表面74は、機械加工された表面であってもよい。他の例において、第2の表面74は、成形された表面であってもよい。
図6に図示された例において、第2の表面74は、第1の表面72に対して略垂直に配向されている。いくつかの例において、第2の表面74は、例えば、光学部品70の使用中に、光が透過するか、又は、内部全反射若しくはコーティングによって光が反射される表面である光学面である。他の例において、第2の表面74は、光学面ではない。第2の表面74は、いくつかの例においては略平面(例えば、平面又はほぼ平面)であってもよく、又は、少なくとも1つの寸法において曲率(例えば、楕円、球状又はより複雑な曲率)を含んでもよい。
【0037】
光学部品70はまた、第3の表面76を含む。第3の表面76は、機械加工された表面であってもよい。
図6に図示された例において、第3の表面76は、第2の表面74とともに鋭角内角(例えば、約10°から約80°の内角)を画定する。第3の表面76は、例えば、光学部品70の使用中に、光が透過するか、又は、内部全反射若しくはコーティングによって光が反射される表面である光学面であってもよい。
【0038】
図3に図示された技術とは異なり、
図5の技術はまた、第3の表面76(66)に光学的に活性なフィルム78を取り付けることを含む。いくつかの例において、光学的に活性なフィルム78は、接着剤又は光学セメントを使用して第3の表面76に取り付けられることができる。例示的な光学接着剤又はセメントは、UV硬化型光学接着剤又はセメント、熱硬化性光学接着剤又はセメント、圧力感知型光学接着剤などを含む。いくつかの例は、ミネソタ州セントポールの3M(商標)社から入手可能な光学的に透明な接着剤を含む。
【0039】
光学部品70の本体が形成される材料の屈折率及び光学接着剤の屈折率が比較的密接に一致するように、光学接着剤を選択することができる。いくつかの例において、比較的密接に一致することは、同一又は実質的に同様のことを意味することができる。例えば、光学部品70の本体が形成される材料の屈折率と光学接着剤の屈折率との差は、約20%未満又は約5%未満又は約2%未満とすることができる。光学部品70の本体が形成される材料の屈折率と光学接着剤の屈折率との間の比較的密接な一致は、第3の表面76の表面粗さに起因して光学部品の本体及び接着剤の界面における散乱を低減することができる。
【0040】
光学的に活性なフィルム78は、光学的リターディング層、円偏光子層、反射層、光吸収層などの光学的に活性な材料のうちの1つ以上の層を含むことができる。光学的に活性なフィルム78は、第3の表面76において所望の光学効果をもたらすように選択することができる。
【0041】
光学部品70は、単一の表面(第3の表面76)に取り付けられた単一の光学的に活性なフィルム78を含むが、他の例において、光学部品は、単一の表面又は複数の表面に取り付けることができる複数の光学的に活性なフィルム78を含んでもよい。例えば、単一種類の光学的に活性なフィルム78は、光学部品70の複数の表面に取り付けることができ、又は、異なる種類の光学的に活性なフィルム78は、光学部品70の第2の表面(例えば、第2の表面74)に取り付けることができる光学的に活性なフィルム78の種類よりも光学部品70の第1の表面(例えば、第1の表面72)に取り付けることができる。同様に、光学部品70の異なる表面に各光学的に活性なフィルム78を取り付けるために、同じ光学接着剤又は異なる光学接着剤が使用されることができる。
【0042】
図5に図示された技術は、光学部品70内の複屈折を低減又は実質的に除去しながら(例えば、除去する又はほぼ除去する)、所望の形状を有する光学部品70を形成する際に柔軟性を提供することができる。例えば、第2の表面74及び第3の表面76は、鋭角内角(例えば、約10°から約80°の内角)を画定する。光学部品70が光学部品70の形状を画定する金型内で成形される例において、残留応力は、第2の表面74と第3の表面76との間の頂点の近くに存在することがあり、この位置において複屈折を生成することがある。しかしながら、鋭角内角を含まない成形部品30を形成した後、光学部品70を形成するように成形部品30を機械加工することにより、第2の表面74と第3の表面76との間の頂点近くの残留応力を低減することができ、この光学部品の位置において複屈折を低減することができる。追加的に又は代替的に、第3の表面76に対して光学的に活性なフィルム78を取り付けるために光学接着剤又はセメントを使用することは、第3の表面76を機械加工することによって生じる表面粗さに起因する表面散乱を軽減することができる。
【0043】
いくつかの例において、本願明細書に記載された技術は、成形部品30(
図2)などの成形部品から複数の光学部品を形成することを含むことができる。成形部品30は、複数の光学部品が成形部品30を機械加工することによって形成されるのを可能とする形状を画定することができる。いくつかの例において、これは、少なくとも1つの軸まわりに軸対称である成形部品から非軸対称形状を有する複数の光学部品の形成を可能とすることができる。上述したように、それらは、その形状に直接成形された同様の形状を有する部品よりも低い残留応力を有する光学部品を製造することができる。これは、光学部品の複屈折を低減することができる。
【0044】
図7は、射出成形及び機械加工を使用して複数の光学部品を形成するための例示的な技術を図示するフロー図である。
図7の技術は、
図1、
図2及び
図8の概念図を参照しながら記載されるが、他の例においては、
図7の技術は、他の成形部品を製造するために他の金型形状とともに使用されてもよく、及び/又は、
図8に図示されるものとは異なる形状によって光学部品を製造するために使用されてもよい。
図8は、成形部品を機械加工することによって形成される複数の光学部品の例を図示する概念図である。
【0045】
図3及び
図5に図示された技術と同様に、
図7に図示された技術は、成形部品30(42)を形成するように少なくとも1つの光学面を画定する金型10内に光学材料を射出成形することを含む。
図7の技術は、さらに、複数の光学部品(92)を形成するように成形部品30を機械加工することを含む。
【0046】
図8は、成形部品30を機械加工することによって形成することができる複数の光学部品の例を図示している。
図8に図示された複数の光学部品は、第1の光学部品102と、第2の光学部品104と、第3の光学部品106とを含む。ゲート部材108はまた、
図8の例おいては成形部品30を機械加工することによって形成される。
図8の例において、ゲート部材108は、光学部品ではなく、代わりに廃棄部材であってもよい。
【0047】
いくつかの例において、
図8に示されるように、第1の光学部品102及び第3の光学部品106はプリズムであり、第2の光学部品104は、3次元平行四辺形である。成形部品30は、長軸36(
図2)まわりに軸対称であるが、第1の光学部品102、第2の光学部品104及び第3の光学部品106は、長軸120(
図8)まわりに軸対称ではない。
【0048】
第1の光学部品102は、第1の光学部品102の機械加工された表面112及び第2の光学部品104の機械加工された表面114を形成するように成形部品30を機械加工することによって形成することができる。本願明細書に記載された機械加工技術のいずれも、第1の光学部品102の機械加工された表面112及び第2の光学部品104の機械加工された表面114を形成するために使用することができる。いくつかの例において、第1の光学部品102の表面110は機械加工されることができる一方で、他の例においては、表面110は成形されることができる。
【0049】
第2の光学部品104は、第1の光学部品102の機械加工された表面112及び第2の光学部品104の機械加工された表面114を形成するように成形部品30を機械加工することによって且つ第2の光学部品104の機械加工された表面116及び第3の光学部品106の機械加工された表面118を形成するように成形部品30を機械加工することによって形成することができる。いくつかの例において、第2の光学部品104の他の表面のうちの少なくとも1つは機械加工されることができる一方で、他の例においては、第2の光学部品104の他の表面のうちの少なくとも1つは成形されることができる。
【0050】
第3の光学部品は、第2の光学部品104の機械加工された表面116及び第3の光学部品106の機械加工された表面118を形成するように成形部品30を機械加工することによって且つ第3の光学部品106の機械加工された表面122を形成するように成形部品30を機械加工することによって形成することができる。いくつかの例において、第3の光学部品106の他の表面のうちの少なくとも1つは機械加工されることができる一方で、他の例においては、第3の光学部品106の他の表面のうちの少なくとも1つは成形されることができる。
【0051】
いくつかの例において、第1の光学部品102、第2の光学部品104及び第3の光学部品106のうちの1つ以上は、光学系の一部としてその後に使用されてもよい。例えば、光学部品102、104及び106は、
図7及び
図8に図示されるように形成され、1つ以上の方法(例えば、光学部品102、104及び106のうちの少なくとも1つの1つ以上の表面に光学的に活性なフィルムを取り付けることにより)で処理され、同様の形状の光学部品によって組み立て直されることができる。
図9は、射出成形を使用して光学系を形成し、機械加工し、光学接着剤を使用して組み立てるための例示的な技術を図示するフロー図である。
図10は、射出成形を使用して形成され、機械加工し、光学接着剤を使用して組み立てた光学系140の例を図示する概念図である。
【0052】
図7に図示された技術と同様に、
図9に図示された技術は、成形部品30(42)を形成するように少なくとも1つの光学面を画定する金型10内に光学材料を射出成形することと、複数の光学部品(92)を形成するように成形部品30を機械加工することとを含む。さらに、
図9の技術は、少なくとも1つの機械加工された光学面(132)に光学的に活性なフィルムを取り付けることを含む。例えば、第1の光学的に活性なフィルム148は、第1の光学部品142の機械加工された光学面152又は第2の光学部品144の機械加工された光学面154のうちの少なくとも1つに取り付けることができる。他の例として、第2の光学的に活性なフィルム150は、第2の光学部品144の機械加工された光学面156又は第3の光学部品146の機械加工された光学面158の少なくとも1つに取り付けることができる。光学的に活性なフィルム148及び150は、
図5及び
図6に関して上述したように、光学接着剤又はセメントを使用して所定の表面に取り付けることができる。例示的な光学接着剤又はセメントは、UV硬化型光学接着剤又はセメント、熱硬化性光学接着剤又はセメント、圧力感知型光学接着剤などを含む。
【0053】
光学的に活性なフィルム148及び150のそれぞれは、光学的リターディング層、円偏光子層、反射層、光吸収層などの光学的に活性な材料のうちの1つ以上の層を含むことができる。光学的に活性なフィルム148及び150のそれぞれは、機械加工された光学面152及び154並びに機械加工された光学面156及び158の界面においてそれぞれ所望の光学効果をもたらすように選択することができる。例えば、光学系140は、偏光ビームスプリッタであってもよく、光学的に活性なフィルム148及び150のそれぞれは、反射偏光フィルムを含んでもよい。
【0054】
図9の技術はまた、光学系140(134)に光学部品142、144及び146を組み立てることを含む。いくつかの例において、光学部品142、144及び146は、光学的に活性なフィルム148及び150がステップ(132)の間に取り付けられなかった他の表面に光学的に活性なフィルム148及び150を接着することによって光学系140(134)に組み立てることができる。例えば、第1の光学的に活性なフィルム148がステップ(132)の間に第1の光学部品142の機械加工された光学面152に取り付けられた場合、第1の光学的に活性なフィルム148は、ステップ(134)の間に第2の光学部品144の機械加工された光学面154に取り付けることができる。逆に、第1の光学的に活性なフィルム148がステップ(132)の間に第2の光学部品144の機械加工された光学面154に取り付けられた場合、第1の光学的に活性なフィルム148は、ステップ(134)の間に第1の光学部品142の機械加工された光学面152に取り付けることができる。
【0055】
同様に、第2の光学的に活性なフィルム150がステップ(132)の間に第2の光学部品144の機械加工された光学面156に取り付けられた場合、第2の光学的に活性なフィルム150は、ステップ(134)の間に第3の光学部品146の機械加工された光学面158に取り付けることができる。逆に、第2の光学的に活性なフィルム150がステップ(132)の間に第3の光学部品146の機械加工された光学面158に取り付けられた場合、第2の光学的に活性なフィルム150は、ステップ(134)の間に第2の光学部品144の機械加工された光学面156に取り付けることができる。第1及び第2の光学的に活性なフィルム148及び150が光学部品142、144、146の所定の表面に取り付けられる順序にかかわらず、光学接着剤又はセメントは、光学部品142、144及び146の所定の表面に取り付けられる第1及び第2の光学的に活性なフィルム148及び150を取り付けるために使用することができる。
【0056】
いくつかの例において、光学部品142、144及び146は、異なる成形部品から得ることができる。例えば、第1の光学部品142は、第1の成形部品から機械加工されることができ、第2の光学部品144は、第2の成形部品から機械加工されることができ、第3の光学部品146は、第3の成形部品から機械加工されることができる。いくつかの例において、第1、第2及び第3の成形部品は、同じ金型を使用して形成され、そのため、第1、第2及び第3の成形部品は、形状及びサイズが実質的に同一であり得る。したがって、いくつかの例において、第1の成形部品から形成された第1の光学部品142は、第2の成形部品から形成された第1の光学部品142の形状及びサイズと実質的に同一であってもよい。このように、光学系140は、異なる成形部品から得られる第1、第2及び第3の光学部品142、144及び146から形成することができる。このように、複数のより複雑な部品を含む光学系140は、単一の成形部品30から又は複数の交換可能な(例えば同等の)成形部品から形成されてもよい。
【0057】
様々な例が記載されてきた。これら及び他の例は、下記特許請求の範囲の範囲内である。