(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パイロット室と、空気圧源に接続される入口ポートと、出口ポートと、排気ポートと、前記パイロット室の圧力が所定値未満であるときには前記入口ポートと前記出口ポートとを連通させて前記排気ポートを閉塞し、前記パイロット室の圧力が所定値以上であるときには前記入口ポートを閉塞して前記出口ポートと前記排気ポートとを連通させる弁体とを有する通路切換弁と、
前記パイロット室を前記空気圧源に接続するパイロット通路と、
前記パイロット通路の途中に設けられた絞り要素と、
前記パイロット室或いは前記パイロット通路の、前記絞り要素の下流側を前記排気ポートに接続する排気通路とを具備することを特徴とする間歇エア発生装置。
パイロット室と、空気圧源に接続される入口ポートと、出口ポートと、排気ポートと、前記パイロット室の圧力が所定値未満であるときには前記入口ポートと前記出口ポートとを遮断し、且つ前記排気ポートを閉塞し、前記パイロット室の圧力が所定値以上であるときには前記入口ポートと前記出口ポートとを連通させ、且つ前記排気ポートを開放する弁体とを有する通路切換弁と、
前記パイロット室を前記空気圧源に接続するパイロット通路と、
前記パイロット通路の途中に設けられた絞り要素と、
前記パイロット室或いは前記パイロット通路の、前記絞り要素の下流側を、前記排気ポートに接続する排気通路とを具備することを特徴とする間歇エア発生装置。
前記通路切換弁は、前記パイロット室の圧力による荷重と圧縮コイルばねのばね荷重との平衡関係によって動作するものであり、前記通路切換弁には前記圧縮コイルばねの予荷重を可変設置する機構が組み込まれている請求項1〜8の何れか一項に記載の間歇エア発生装置。
前記絞り要素、前記パイロット通路及び前記排気通路の少なくとも一部が、前記弁体を収容する弁ハウジングに内設されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の間歇エア発生装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示されている開閉弁は、繰り返しの開閉動作のために、互いに関連し合って動作する複数個の弁体や複雑なパイロット通路構造を必要とし、実用性に欠けるものである。
【0009】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、複雑な構成によるパイロット圧式の開閉弁を必要とすることがなく、簡素な構成による実用性に優れ、経済的な間歇エア発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による間歇エア発生装置は、パイロット室(84)と、空気圧源(10)に接続される入口ポート(22)と、出口ポート(24)と、排気ポート(26)と、前記パイロット室(84)の圧力が所定値未満であるときには前記入口ポート(22)と前記出口ポート(24)とを連通させて前記排気ポート(26)を閉塞し、前記パイロット室(84)の圧力が所定値以上であるときには前記入口ポート(22)を閉塞して前記出口ポート(24)と前記排気ポート(26)とを連通させる弁体(74)とを有する通路切換弁(20)と、前記パイロット室(84)を前記空気圧源(10)に接続するパイロット通路(56A、56B)と、前記パイロット通路(56A、56B)の途中に設けられた絞り要素(60)と、前記パイロット室(84)或いは前記パイロット通路(56A、56B)の、前記絞り要素(60)の下流側を前記排気ポート(26)に接続する排気通路(58)とを具備している。
【0011】
この構成によれば、2位置型のパイロット弁による簡単な構造のノーマルオープン型の通路切換弁(20)と圧縮空気の簡単な通路構成とによって簡素な構成による実用性に優れた間歇エアブロー等のための間歇エア発生装置が得られる。
【0012】
本発明による間歇エア発生装置は、パイロット室(184)と、空気圧源(10)に接続される入口ポート(122)と、出口ポート(124)と、排気ポート(126)と、前記パイロット室(184)の圧力が所定値未満であるときには前記入口ポート(122)と前記出口ポート(124)とを遮断し、且つ前記排気ポート(126)を閉塞し、前記パイロット室(184)の圧力が所定値以上であるときには前記入口ポート(122)と前記出口ポート(124)とを連通させ、且つ前記排気ポート(126)を開放する弁体(174)とを有する通路切換弁(120)と、前記パイロット室(184)を前記空気圧源(10)に接続するパイロット通路(156A、156B)と、前記パイロット通路(156A、156B)の途中に設けられた絞り要素(160)と、前記パイロット室(184)或いは前記パイロット通路(156A、156B)の、前記絞り要素(160)の下流側を、前記排気ポート(126)に接続する排気通路(158)とを具備している。
【0013】
この構成によれば、2位置型のパイロット弁による簡単な構造のノーマルクローズ型の通路切換弁(120)と圧縮空気の簡単な通路構成とによって簡素な構成による実用性に優れた間歇エアブロー等のための間歇エア発生装置が得られる。
【0014】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、前記絞り要素(60、160)は選択的に前記パイロット通路(56A、156A)を閉塞する全閉状態をとる。
【0015】
この構成によれば、ノーマルオープン型の通路切換弁(20)では連続噴射による連続エアブローを行うこともでき、ノーマルクローズ型の通路切換弁(120)では、噴射停止状態が得られる。
【0016】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、前記パイロット室(84、184)を選択的に大気中に開放する開閉弁(200、230)を有する。
【0017】
この構成によれば、ノーマルオープン型の通路切換弁(20)では連続噴射による連続エアブローを行うこともでき、ノーマルクローズ型の通路切換弁(120)では、噴射停止状態が得られる。
【0018】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、前記パイロット通路(56B、156B)を開閉する開閉弁(220、240)を有する。
【0019】
この構成によれば、ノーマルオープン型の通路切換弁(20)では連続噴射による連続エアブローを行うこともでき、ノーマルクローズ型の通路切換弁(120)では、噴射停止状態が得られる。
【0020】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、前記絞り要素(60、160)が絞り度を変更可能な可変絞り要素(60、160)によって構成されている。
【0021】
この構成によれば、絞り要素(60、160)の絞り度を変更することにより、間歇エアの吹き出し時間を可変設定することができる。
【0022】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、更に、前記パイロット室(84、184)に接続されたエアリザーバ(90)を有する。
【0023】
この構成によれば、エアリザーバ(90)の内容積に応じて間歇エアの吹き出し停止時間を可変設定することができる。
【0024】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、更に、前記排気通路(58)の途中に設けられた絞り要素(88)を有する。
【0025】
この構成によれば、絞り要素(88)の絞り度に応じて間歇エアの停止時間を可変設定することができる。
【0026】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、更に、前記通路切換弁(20)は、前記パイロット室(84)の圧力による荷重と圧縮コイルばね(82)のばね荷重との平衡関係によって動作するものであり、前記通路切換弁(20)には前記圧縮コイルばね(82)の予荷重を可変設置する機構(110、112)が組み込まれている。
【0027】
この構成によれば、間歇エアの吹き出し時間および停止時間を可変設定することができる。
【0028】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、前記パイロット室(184、185)の内容積を変更可能である。
【0029】
この構成によれば、パイロット室(184、185)の内容積に応じて間歇エアの停止時間を可変設定することができる。
【0030】
本発明による間歇エア発生装置は、好ましくは、前記絞り要素(60)、前記パイロット通路(56A、56B)及び前記排気通路(58)の少なくとも一部が、前記弁体(74)を収容する弁ハウジング(28)に内設されている。
【0031】
この構成によれば、外部配管が不要になり、更なる簡素化を図ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、複雑な構成によるパイロット圧式の開閉弁を必要とすることがなく、簡単な構造の通路切換弁と圧縮空気の簡単な通路構成とによって簡素な構成による実用性に優れた間歇エア発生装置が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本発明による間歇エア発生装置をエアブロー装置として適用した実施形態1を、
図1〜
図5を参照して説明する。
【0035】
図1〜
図3に示されているエアブロー装置の実施形態に於いて、空気圧源10は、公知の態様でコンプレッサ、フィルタ、レギュレータ及び開閉弁(図示せず)を含むものであってよい。空気圧源10の圧縮空気出力部は入口管路12によって通路切換弁20の入口ポート22に接続されている。
【0036】
通路切換弁20は、3ポート2位置型のパイロット弁であり、前述の入口ポート22と、出口ポート24と、排気ポート26とを有する。出口ポート24はホース等からなる出口管路14によってエアブローのためのエアガン100に接続されている。エアガン100は、圧縮空気を外部に噴射するためのエアブローノズル102と、エアブローノズル102に至る流路を開閉するトリガ弁104とを有する。トリガ弁104は、通常ばねにより閉じられる常閉型の開閉弁であり、エアガン100に設けられたトリガレバー106がばね力に抗して手によって引かれることにより開弁する。
【0037】
第1パイロット通路56Aは入口管路12より分岐して絞り要素60の入口端に接続されている。絞り要素60の出口端は第2パイロット通路56Bによって通路切換弁20のパイロット室84に接続されている。パイロット室84は排気通路58によって排気ポート26に接続されている。
【0038】
次に、
図4、
図5を参照して通路切換弁20の具体的な構成を説明する。
【0039】
通路切換弁20は弁ハウジング28を有する。弁ハウジング28には円筒室30が形成されている。円筒室30は、閉じられた第1の(右側)端部と、開かれた第2の(左側)端部とを有し、その内部にはスリーブ36が配置されている。スリーブ36は、円筒室30の内径より少し小さい外径の円筒体により構成され、内側に円筒形状の主弁室38を形成している。スリーブ36は、円筒室30の第1の端部を画定する端壁42と円筒室30の開かれた第2の端部に嵌入されているプラグ40とに挟まれて軸線方向(図にて左右方向)に移動できないように弁ハウジング28に固定されている。
【0040】
スリーブ36には、図にて左側から順に、
図1について前述した入口ポート22と出口ポート24と排気ポート26とに対応するように3つのポートが、軸線方向に間隔をおいて形成されている。各ポート22、24、26は、各々、スリーブ36の壁を径方向に貫通するように穿設され、且つ周方向に間隔をおいて配置された複数の貫通孔によって形成されている。
【0041】
スリーブ36の外周には4本の環状溝が形成されており、各環状溝にはOリング46が嵌め入れられている。これらのOリング46は円筒室30の内周面と当接する。これにより、隣接するポート22、24、26間のシールが形成される。また、各ポート22、24、26を構成する貫通孔は、スリーブ36の外周に於ける、隣接するOリング46間に形成される環状通路により互いに共通に連通する。
【0042】
弁ハウジング28には、該弁ハウジング28に設けられた入口通路52を介して入口ポート22に連通する入口開口48と、同じく弁ハウジング28に設けられた出口通路54を介して出口ポート24に連通する出口開口50とが設けられている。図示された実施例では、入口開口48及び出口開口50は、内ねじが設けられた凹部をなしているが、筒状の延出部をなしていてもよい。
【0043】
弁ハウジング28には円筒形のニードル弁孔62が円筒室30に対して平行に設けられている。ニードル弁孔62は、弁ハウジング28の外面にて開口する外端と、狭窄され、第1パイロット通路56Aを介して入口開口48に連通する内端とを有する。
【0044】
プラグ40の、スリーブ36の対向端に当接する端面には、中央に位置するパイロット室84と、パイロット室84に連通するように直径方向に延在する径方向溝86A、86Bとが設けられている。径方向溝86Aは、弁ハウジング28に形成された第2パイロット通路56Bを介してニードル弁孔62に連通している。径方向溝86Bは、弁ハウジング28に内設された排気通路58を介して排気ポート26に連通している。従って、径方向溝86Aは第2パイロット通路56Bの延長部をなし、径方向溝86Bは排気通路58の延長部をなす。
【0045】
ニードル弁体64がニードル弁孔62に捩じ込まれている。ニードル弁体64の内端64Aは、先細にされており、ニードル弁孔62の狭窄部分(第1パイロット通路56Aのニードル弁孔62に対する開口端)に突入してニードル弁孔62の内端の狭窄部分と協働することにより、絞り要素60を構成している。このようにして、絞り要素60が可変絞り弁として弁ハウジング28に組み込まれている。
【0046】
絞り要素60の下流端は、第2パイロット通路56B及び径方向溝86Aを介してパイロット室84に接続されている。従って、流れを絞るための絞り要素60が、パイロット通路の2つの区間の間に設けられている。ニードル弁体64の後端には、ニードル弁体64をニードル弁孔62内で螺進螺退させ、絞り要素60に於ける絞りの程度を調節するための6角孔などの工具係合部(不図示)が設けられている。ニードル弁体64の中間部には、ニードル弁体64をニードル弁孔62内に気密状態で保持するためのOリング72が設けられている。
【0047】
主弁室38には円柱体をなす主弁体74が軸線方向に移動可能に嵌入されている。主弁体74の外周部には、軸方向中央部の円環凹部76と、円環凹部76の軸線方向の両側に位置する1対のランド78、80とが形成されている。主弁体74が、
図4に示されているように、図にて左側のプラグ40に当接する第1の位置にあるときには円環凹部76によって入口ポート22と出口ポート24とを連通させてランド78によって排気ポート26を閉塞する。これに対して、主弁体74が、
図5に示されているように、図にて右側の端壁42に当接する第2の位置にあるときには円環凹部76によって出口ポート24と排気ポート26とを連通させてランド80によって入口ポート22を閉塞する。
【0048】
主弁体74の右端には、円形の中心凹部68が設けられ、対向する弁ハウジング28の端壁42には、対応する中心凹部44が設けられている。圧縮コイルばね82が両中心凹部68、44間に挟設されている。圧縮コイルばね82は、主弁体74をプラグ40の対向面に当接する向きに(左方向に)付勢される。なお、弁ハウジング28には中心凹部44の空気抜き孔45が穿設されている。
【0049】
パイロット室84の圧力、つまりパイロット圧は主弁体74を圧縮コイルばね82に抗して第2の位置側(右側)に付勢する力として主弁体74に作用する。これにより、主弁体74は、パイロット圧による荷重と圧縮コイルばね82のばね荷重との平衡関係によって動作し、パイロット室84の圧力が所定値未満であるときには、圧縮コイルばね82のばね力によって左側に移動して前述の第1の位置(
図4参照)に位置し、パイロット室84の圧力が所定値以上であるときには、圧縮コイルばね82のばね力に抗して右側に移動して前述の第2の位置(
図5参照)に位置する。かくして、通路切換弁20はノーマルオープン型の切換弁をなす。
【0050】
次に上述の構成によるエアブロー装置の作用について説明する。
【0051】
図1は、空気圧源10が停止していて圧縮空気の供給が行われていない状態を示している。トリガ弁104が閉弁していて、通路切換弁20の主弁体74が第1の位置(
図4参照)に位置している状態(パイロット室84の圧力が所定値未満)で、圧縮空気の供給が開始されると、圧縮空気が通路切換弁20を通過して出口管路14まで供給される。同時に圧縮空気が第1パイロット通路56A、絞り要素60、第2パイロット通路56B等を通ってパイロット室84に供給され、パイロット室84の圧力が、(瞬時に増大するのではなく)絞り要素60の作用のもとに徐々に上昇する。
【0052】
パイロット室84の圧力が所定値以上になると、
図5に示されているように、主弁体74が、圧縮コイルばね82のばね力に抗して第2の位置(
図5参照)に変位し、出口ポート24が排気ポート26に連通して入口ポート22が閉塞する。
【0053】
この状態で、トリガレバー106の操作によってトリガ弁104が開弁すると、
図2に示されている状態になり、パイロット室84の圧縮空気が、排気通路58、通路切換弁20、出口管路14、トリガ弁104を通ってエアブローノズル102より外部に排出される。しかしながら、絞り要素60の作用により、このときにエアブローノズル102より排出される空気の量は、通路切換弁20の主弁体74が第1の位置(
図4参照)に位置している状態下の噴出流量に比して僅かである。
【0054】
パイロット室84の圧縮空気が、排気通路58、通路切換弁20、出口管路14、トリガ弁104を通ってエアブローノズル102より外部に排出されるに従って、パイロット室84の圧力が低下する。その結果、パイロット室84の圧力が所定値未満になると、圧縮コイルばね82のばね力により、通路切換弁20の主弁体74が第1の位置に復帰し、出口ポート24が入口ポート22に連通して排気ポート26が閉塞して
図3に示されている状態になる。
【0055】
これにより、空気圧源10からの圧縮空気が通路切換弁20及びトリガ弁104を通過して、エアブローノズル102より外部に大流量をもって噴出する。このときには、排気ポート26が閉塞していることにより、圧縮空気の一部が、入口開口48から、第1パイロット通路56A、絞り要素60、第2パイロット通路56B等を通ってパイロット室84に供給され、パイロット室84の圧力が絞り要素60の作用のもとに徐々に上昇する。パイロット室84の圧力が所定値以上になると、主弁体74が再び第2の位置に位置し、
図2に示されているように、出口ポート24が排気ポート26に連通して入口ポート22が閉塞し、エアブローノズル102よりの圧縮空気の大流量の噴出が停止すると共に、再び、パイロット室84の圧縮空気が、排気通路58、通路切換弁20、出口管路14、トリガ弁104を通ってエアブローノズル102より外部に排出され始める。
【0056】
以降、通路切換弁20の切換作用のもとにパイロット室84の圧力の降下と上昇とが繰り返されることにより、圧縮空気の噴出と停止が繰り返され、間歇エアブローが行われる。エアブローの吹き出し時間はパイロット室84の圧力の上昇速度を決める絞り要素60の絞り度及びパイロット室84の内容積によって決まり、絞り要素60の絞り度が高いほど、またパイロット室84の内容積が大きいほど、エアブローの吹き出し時間が長くなる。エアブローの停止時間は、パイロット室84の内容積によって決まり、パイロット室84の内容積が大きいほど、パイロット室84の圧力が所定値未満になるまでのパイロット室84の圧縮空気の排出に時間がかかるので、パイロット室84の内容積が大きいほど、エアブローの停止時間は長くなる。また、エアブローの吹き出し時間と停止時間とは、通路切換弁20の圧縮コイルばね82の予荷重及びばね定数によっても決まり、圧縮コイルばね82の予荷重及びばね定数が大きいほど吹き出し時間が長くなると共に停止時間が短くなる。このようにして、エアブローの吹き出し時間、停止時間及びデューティ比は、絞り要素60の絞り度、パイロット室84の内容積及び圧縮コイルばね82のばね力、ばね定数を変更することにより可変設定することができる。
【0057】
上述したように、実施形態1によれば、複雑な構成によるパイロット圧式の開閉弁を必要とすることがなく、3ポート2位置型のパイロット弁による簡単な構造の通路切換弁20と圧縮空気の簡単な通路構成とによって簡素な構成による実用性に優れた間歇エア発生装置が得られる。また、絞り要素60、第1パイロット通路56A、第2パイロット通路56B及び排気通路58が弁ハウジング28に内設されていることにより、これらのための外部配管が不要になり、部品点数が低減され、このことによって更なる簡素化が図られる。
【0058】
絞り要素60は、ニードル弁体64の内端64Aがニードル弁孔62の狭窄部分を画定する部分に接触することにより、第1パイロット通路56Aを閉塞する全閉状態をとることができる構造にすることができる。
【0059】
絞り要素60によって第1パイロット通路56Aが閉じられると、入口開口48からパイロット室84に圧縮空気が供給されなくなるので、パイロット室84の圧力が所定値未満の状態が維持される。これにより、通路切換弁20の主弁体74が第1の位置(
図4参照)に位置している状態が維持される。
【0060】
この場合には、つまり、絞り要素60が全閉状態に設定されると、空気圧源10からの圧縮空気が通路切換弁20及びトリガ弁104を通過してエアブローノズル102より外部に大流量をもって連続噴出される。
【0061】
これにより、絞り要素60の開閉だけで、エアブローモードを間歇エアブローと連続エアブローとを簡単に切り替えることができる。
【0062】
つぎに、本発明による間歇エア発生装置をエアブロー装置として適用した実施形態2を、
図6〜
図10を参照して説明する。なお、
図6〜
図8において、
図1〜
図3に対応する部分は、
図1〜
図3に付した符号と同一の符号を付けて説明する。
【0063】
図6〜
図8に示されているエアブロー装置の実施形態に於いて、空気圧源10は、公知の態様でコンプレッサ、フィルタ、レギュレータ及び開閉弁(図示せず)を含むものであってよい。空気圧源10の圧縮空気出力部は入口管路12によって通路切換弁120の入口ポート122に接続されている。
【0064】
通路切換弁120は、4ポート2位置型のパイロット弁であり、前述の入口ポート122と、第1出口ポート124と、排気ポート126と、第2出口ポート127とを有する。
【0065】
第1出口ポート124はホース等からなる出口管路14によってエアブローのためのエアガン100に接続されている。エアガン100は、圧縮空気を外部に噴射するためのエアブローノズル102と、エアブローノズル102に至る流路を開閉するトリガ弁104とを有する。トリガ弁104は、通常ばねにより閉じられる常閉型の開閉弁であり、エアガン100に設けられたトリガレバー106がばね力に抗して手によって引かれることにより開弁する。
【0066】
第2出口ポート127は出口通路129によって出口管路14に接続されている。出口通路129の途中には絞り要素131が設けられている。
【0067】
第1パイロット通路156Aは入口管路12より分岐して絞り要素160の入口端に接続されている。絞り要素160の出口端は第2パイロット通路156Bを介して通路切換弁120のパイロット室184に接続されている。パイロット室184は排気通路158を介して排気ポート126に接続されている。
【0068】
次に、
図9、
図10を参照して通路切換弁120の具体的な構成を説明する。
【0069】
通路切換弁120は弁ハウジング128を有する。弁ハウジング128には円筒室130が形成されている。円筒室130は、閉じられた第1の(右側)端部と、開かれた第2の(左側)端部とを有し、その内部にはスリーブ136が配置されている。スリーブ136は、円筒室130の内径より少し小さい外径の円筒体により構成され、内側に円筒形状の主弁室138を形成している。スリーブ136は、円筒室130の第1の端部を画定する端壁142と円筒室130の開かれた第2の端部に嵌入されているプラグ140及び座金形状のゴムパッキン141とに挟まれて軸線方向(図にて左右方向)に移動できないように弁ハウジング128に固定されている。
【0070】
スリーブ136には、図にて右側から順に、
図1について前述した入口ポート122と第1出口ポート124と第2出口ポート127とに対応するように3つのポートが、軸線方向に間隔をおいて形成されている。各ポート122、124、127は、各々、スリーブ136の壁を径方向に貫通するように穿設され、且つ周方向に間隔をおいて配置された複数の貫通孔によって形成されている。更に、スリーブ136の後述するパイロット室184に対する開口が排気ポート126をなしている。
【0071】
スリーブ136の外周には3本の環状溝が形成されており、各環状溝にはOリング146が嵌め入れられている。これらのOリング146は円筒室130の内周面と当接する。これにより、隣接するポート122、124、127間のシールが形成される。また、各ポート122、124、127を構成する貫通孔は、スリーブ136の外周に於ける、隣接するOリング146間に形成される環状通路により互いに共通に連通する。
【0072】
弁ハウジング128には、該弁ハウジング128に設けられた入口通路152を介して入口ポート122に連通する入口開口148と、同じく弁ハウジング128に設けられた出口通路154を介して第1出口ポート124に連通すると共に出口通路129を介して第2出口ポート127に連通する出口開口150とが設けられている。出口通路129は、通路断面積が出口通路154等に比して小さいことにより、当該出口通路129自身が
図6〜
図8における絞り要素131をなしている。
【0073】
弁ハウジング128には円筒形のニードル弁孔162が円筒室130に対して平行に設けられている。ニードル弁孔162は、弁ハウジング128の外面にて開口する外端と、狭窄され、第1パイロット通路156Aを介して入口開口148に連通する内端とを有する。
【0074】
ニードル弁孔162にはニードル弁体164が捩じ込まれている。ニードル弁体164の内端164Aは、先細にされており、ニードル弁孔162の狭窄部分(第1パイロット通路156Aのニードル弁孔162に対する開口端)に突入してニードル弁孔162の内端の狭窄部分と協働することにより、絞り要素160を構成している。このようにして、絞り要素160が可変絞り弁として弁ハウジング128に組み込まれている。
【0075】
プラグ140の、スリーブ136の対向端に当接する端面には、中央に位置するパイロット室184と、パイロット室184に連通するように直径方向に延在する径方向溝186とが設けられている。径方向溝186は、弁ハウジング128に形成された第2パイロット通路156Bを介してニードル弁孔162に連通している。
【0076】
絞り要素160の下流端は、第2パイロット通路156B及び径方向溝186を介してパイロット室184に接続されている。従って、流れを絞るための絞り要素160が、パイロット通路の2つの区間の間に設けられている。ニードル弁体164の後端には、ニードル弁体164をニードル弁孔162内で螺進螺退させ、絞り要素160に於ける絞りの程度を調節するための6角孔などの工具係合部(不図示)が設けられている。ニードル弁体164の中間部には、ニードル弁体64をニードル弁孔62内に気密状態で保持するためのOリング172が設けられている。
【0077】
プラグ140には孔192が形成されている。孔192は弁ハウジング128の外面にて開口する外端と、パイロット室184に開口する内端とを有する。孔192には可動プラグ193が捩じ込まれている。可動プラグ193は、孔192の外端を塞ぐものであり、内端の側に拡張パイロット室185を画定している。可動プラグ193には、可動プラグ193を孔192内で螺進螺退させ、拡張パイロット室185の内容積を増減するための6角孔などの工具係合部194が設けられている。可動プラグ193の先端側には、可動プラグ193を孔192内に気密状態で保持するためのOリング195が設けられている。
【0078】
主弁室138には円柱体をなす主弁体174が軸線方向に移動可能に嵌入されている。主弁体174の外周部には、軸方向中央部の円環凹部176と、円環凹部176の軸線方向の両側に位置する1対のランド178、180とが形成されている。主弁体174の端面175が、
図9に示されているように、図にて左側のゴムパッキン141に当接する第1の位置にあるときには、ランド178によって入口ポート122を閉塞すると共に、ランド180によって排気ポート126と第2出口ポート127との連通を遮断する。なお、排気ポート126と第2出口ポート127との連通を遮断することは、排気ポート126を閉塞することと同じである。これに対して、主弁体174が、
図10に示されているように、図にて右側の端壁142に当接する第2の位置にあるときには、円環凹部176によって入口ポート122と第1出口ポート124とを連通させると共に、排気ポート126を開いてパイロット室184と第2出口ポート127とを連通させる。
【0079】
主弁体174の右端には、円形の中心凹部168が設けられ、対向する弁ハウジング128の端壁142には、対応する中心凹部144が設けられている。圧縮コイルばね182が両中心凹部168、144間に挟設されている。圧縮コイルばね182は主弁体174をゴムパッキン141の対向面に当接する向きに(左方向に)付勢している。なお、弁ハウジング128には中心凹部144の空気抜き孔145が穿設されている。
【0080】
パイロット室184の圧力、つまりパイロット圧は主弁体174を圧縮コイルばね182に抗して第2の位置側(右側)に付勢する力として主弁体174に作用する。これにより、主弁体174は、パイロット圧による荷重と圧縮コイルばね182のばね荷重との平衡関係によって動作し、パイロット室184の圧力が所定値未満であるときには、圧縮コイルばね182のばね力によって左側に移動して前述の第1の位置(
図9参照)に位置し、パイロット室184の圧力が所定値以上であるときには、圧縮コイルばね182のばね力に抗して右側に移動して前述の第2の位置(
図10参照)に位置する。かくして、通路切換弁120はノーマルクローズ型の切換弁をなす。なお、通路切換弁120においては、パイロット室184が主弁室138によって特別な通路を要することなく第2出口ポート127に直接的に連通するので、
図6及び
図7における排気通路158は存在しない。
【0081】
次に上述の構成によるエアブロー装置の作用について説明する。
【0082】
図6は、空気圧源10が停止していて圧縮空気の供給が行われていない状態を示している。トリガ弁104が閉弁していて、通路切換弁120の主弁体174が第1の位置(
図9参照)に位置している状態(パイロット室184の圧力が所定値未満)で、圧縮空気の供給が開始されると、入口ポート122が閉塞されていることにより、入口ポート122より出口管路14へ流れようとする圧縮空気の流れが通路切換弁120によって遮断される。また、このときには、排気ポート126が閉塞されていて、排気ポート126より出口通路129へ流れようとする圧縮空気の流れも通路切換弁120によって遮断されているので、第1パイロット通路156A、絞り要素160、第2パイロット通路156B等を通ってパイロット室184に供給される圧縮空気によってパイロット室184の圧力が絞り要素160の作用のもとに徐々に上昇する。
【0083】
パイロット室184の圧力が所定値以上になると、
図10に示されているように、主弁体174が、圧縮コイルばね182のばね力に抗して第2の位置に変位し、入口ポート122と第1出口ポート124とが連通すると共に、排気ポート126と第2出口ポート127とが連通する。
【0084】
この状態で、トリガレバー106の操作によってトリガ弁104が開弁すると、
図7に示されている状態になり、空気圧源10からの圧縮空気が通路切換弁120及びトリガ弁104を通過して、エアブローノズル102より外部に大流量をもって噴出する。これと同時に、拡張パイロット室185を含むパイロット室184の圧縮空気が、通路切換弁120、出口通路129、出口管路14、トリガ弁104を通ってエアブローノズル102より外部に排出される。この圧縮空気の排出は絞り要素131の作用によって徐々に行われる。
【0085】
パイロット室184の圧縮空気が外部に排出されるに従って、パイロット室184の圧力が低下する。その結果、パイロット室184の圧力が所定値未満になると、圧縮コイルばね182のばね力により、通路切換弁120の主弁体174が
図8に示されている状態になる。
【0086】
これにより、エアブローノズル102よりの圧縮空気の大流量の噴出が停止すると共に、再び、パイロット室184の圧力が絞り要素160の作用のもとに徐々に上昇する。その後、再びパイロット室184の圧力が所定値以上になると、
図10に示されているように、主弁体174が、圧縮コイルばね182のばね力に抗して第2の位置に変位し、入口ポート122と第1出口ポート124とが連通すると共に、排気ポート126と第2出口ポート127とが連通する。
【0087】
以降、通路切換弁120の切換作用のもとにパイロット室184の圧力の降下と上昇とが繰り返されることにより、圧縮空気の噴出と停止が繰り返され、間歇エアブローが行われる。エアブローの吹き出し時間はパイロット室184の圧力の上昇速度を決める絞り要素160及び131の絞り度とパイロット室184の内容積とによって決まり、絞り要素160及び131の絞り度が高いほど、またパイロット室184の内容積が大きいほど、エアブローの吹き出し時間が長くなる。エアブローの停止時間は、パイロット室184の内容積によって決まり、パイロット室184の内容積が大きいほど、パイロット室184の圧力が所定値未満になるまでのパイロット室184の圧縮空気の排出に時間がかかるので、パイロット室184の内容積が大きいほど、エアブローの停止時間は長くなる。また、エアブローの吹き出し時間と停止時間とは、通路切換弁120の圧縮コイルばね182の予荷重及びばね定数によっても決まり、圧縮コイルばね182の予荷重及びばね定数が大きいほど吹き出し時間が長くなると共に停止時間が短くなる。このようにして、エアブローの吹き出し時間、停止時間及びデューティ比は、絞り要素160及び131の絞り度、パイロット室184の内容積及び圧縮コイルばね182のばね力、ばね定数を変更することにより可変設定することができる。パイロット室184の内容積は、可動プラグ193によって拡張パイロット室185の内容積を変化させることにより、可変設定することができる。
【0088】
上述したように、実施形態2によれば、複雑な構成によるパイロット圧式の開閉弁を必要とすることがなく、4ポート2位置型のパイロット弁による簡単な構造の通路切換弁120と圧縮空気の簡単な通路構成とによって簡素な構成による実用性に優れた間歇エア発生装置が得られる。また、絞り要素160、131、第1パイロット通路156A、第2パイロット通路156Bが弁ハウジング128に内設されていることにより、これらのための外部配管が不要になり、部品点数が低減され、このことによって更なる簡素化が図られる。
【0089】
絞り要素160は、ニードル弁体164の内端164Aがニードル弁孔162の狭窄部分を画定する部分に接触することにより、第1パイロット通路156Aを閉塞する全閉状態をとることができる構造にすることができる。
【0090】
絞り要素160によって第1パイロット通路156Aが閉じられると、入口開口148からパイロット室184に圧縮空気が供給されなくなるので、パイロット室184の圧力が所定値未満になり、所定値未満の状態が維持される。これにより、通路切換弁120の主弁体174が第1の位置(
図9参照)に位置している状態、つまり閉弁状態が維持される。
【0091】
この場合には、つまり、絞り要素160が全閉状態に設定されると、空気圧源10からの圧縮空気がエアブローノズル102より外部に噴出されない停止状態が得られる。
【0092】
つぎに、本発明による間歇エア発生装置をエアブロー装置として適用した実施形態3を、
図11〜
図13を参照して説明する。なお、
図11において、
図1に対応する部分は、
図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。また、
図12、
図13において、
図4に対応する部分は、
図4に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0093】
実施形態3では、実施形態1におけるノーマルオープン型の通路切換弁20のプラグ40に、パイロット室84を選択的に大気開放する開閉弁200が設けられている。開閉弁200は、プラグ40に形成された弁室202に配置されて、
図12に示されている閉弁位置と、
図13に示されている開弁位置との間を移動可能な円柱状の弁体204を有する。
【0094】
弁体204は、ストッパピン206との係合により、軸線方向の移動を閉弁位置と開弁位置との間の移動に制限されており、閉弁位置ではOリング208が弁室202の内周面に当接することにより、パイロット室84の密閉性を保ち、開弁位置ではOリング208が弁室202の内周面に当接より離れることにより、パイロット室84を弁体204の外周面と弁室202の内周面との間の間隙210によってパイロット室84を大気中に開放する。開閉弁200によるパイロット室84の圧縮空気の排出流量は絞り要素60における圧縮空気の流量より大きい。
【0095】
弁体204は 、圧縮コイルばね212のばね力によって閉弁位置に向けて付勢されており、外端に設けられたボタン214を押されることにより、圧縮コイルばね212のばね力に抗して開弁位置に位置する。弁体204には、閉弁位置および開弁位置の何れかに選択的に自己保持する不図示のオルタネイト機構が接続されていてよい。
【0096】
実施形態3では、弁体204が
図12に示されている閉弁位置にあり、パイロット室84が開閉弁200において大気開放されていない状態にあるときには、実施形態1と同様に間歇エアブローが行われる。
【0097】
弁体204が
図13に示されている開弁位置にあり、パイロット室84が開閉弁200において大気開放されると、入口開口48からパイロット室84に入った圧縮空気は開閉弁200から大気中に排出されるので、パイロット室84の圧力が所定値以上に上昇することがなく、主弁体74は第1の位置に位置することを維持する。
【0098】
この場合には、空気圧源10からの圧縮空気が通路切換弁20及びトリガ弁104を通過してエアブローノズル102より外部に大流量をもって連続的に噴出する連続エアブローが行われる。これにより、通路切換弁20に組み込まれた開閉弁200の開閉だけで、エアブローモードを間歇エアブローと連続エアブローとを簡単に切り替えることができる。
【0099】
なお、連続エアブロー時には、圧縮空気が開閉弁200より大気中に排出されるロスがあるが、入口開口48からパイロット室84へ流れる圧縮空気の流量が絞り要素60によって制限されているから、圧縮空気のロス量は僅かである。
【0100】
つぎに、本発明による間歇エア発生装置をエアブロー装置として適用した実施形態4を、
図14〜
図16を参照して説明する。なお、
図14において、
図1に対応する部分は、
図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。また、
図15、
図16において、
図4に対応する部分は、
図4に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0101】
実施形態4では、実施形態1における通路切換弁20に、第2パイロット通路56Bの連通と遮断を行う開閉弁220が設けられている。開閉弁220は、弁ハウジング28に形成された弁室222に配置されて、
図15に示されている開弁位置と、
図16に示されている閉弁位置との間を移動可能なスプール弁体224を有する。スプール弁体224は、連通孔225を有し、開弁位置では連通孔225によって第2パイロット通路56Bの連通を確立し、閉弁位置では第2パイロット通路56Bの連通を遮断する。スプール弁体224は、外端に設けられた操作子226の手操作によって開弁位置あるいは閉弁位置に位置し、不図示のオルタネイト機構によって何れかの位置に選択的に自己保持される。なお、スプール弁体224による開閉弁220には空気漏れを防止するシール227が設けられている。
【0102】
実施形態4では、スプール弁体224が
図15に示されている開弁位置にあり、第2パイロット通路56Bが連通状態にあるときには、入口開口48からパイロット室84へ圧縮空気が供給され、実施形態1と同様に間歇エアブローが行われる。
【0103】
スプール弁体224が
図16に示されている閉弁位置に位置し、第2パイロット通路56Bの連通が遮断されると、入口開口48からパイロット室84へ圧縮空気が供給されなくなるので、パイロット室84の圧力が所定値以上に上昇することがなく、主弁体74は第1の位置に位置することを維持する。
【0104】
この場合には、空気圧源10からの圧縮空気が通路切換弁20及びトリガ弁104を通過してエアブローノズル102より外部に大流量をもって連続的に噴出する連続エアブローが行われる。これにより、通路切換弁20に組み込まれた開閉弁220の開閉だけで、エアブローモードを間歇エアブローと連続エアブローとを簡単に切り替えることができる。
【0105】
なお、開閉弁220は、絞り要素60の上流側において、第1パイロット通路56Aを開閉するものであってもよい。
【0106】
つぎに、本発明による間歇エア発生装置をエアブロー装置として適用した実施形態5を、
図17を参照して説明する。なお、
図17において、
図6に対応する部分は、
図6に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0107】
実施形態5では、実施形態2におけるノーマルクローズ型の通路切換弁120のパイロット室184を選択的に大気開放する開閉弁230が設けられている。開閉弁230は、実施形態3の開閉弁200と同等のものであってよい。
【0108】
開閉弁230によってパイロット室184が大気開放されると、パイロット室184の圧力が所定値以上になることがない。これにより、通路切換弁120は閉弁状態を維持し、空気圧源10からの圧縮空気がエアブローノズル102より外部に噴出されない停止状態になる。
【0109】
つぎに、本発明による間歇エア発生装置をエアブロー装置として適用した実施形態6を、
図18を参照して説明する。なお、
図18において、
図6に対応する部分は、
図6に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0110】
実施形態6では、実施形態2におけるノーマルクローズ型の通路切換弁120の第2パイロット通路156Bの連通と遮断を行う開閉弁240が設けられている。開閉弁240は、実施形態4の開閉弁220と同等のものであってよい。
【0111】
開閉弁240によって第2パイロット通路156Bが遮断されると、パイロット室184の圧縮空気が供給されなくなるので、パイロット室184の圧力が所定値以上になることがない。これにより、通路切換弁120は閉弁状態を維持し、空気圧源10からの圧縮空気がエアブローノズル102より外部に噴出されない停止状態になる。
【0112】
なお、開閉弁240は第1パイロット通路156Aに設けられていてもよい。
【0113】
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0114】
例えば、上記実施例では、排気通路58は、パイロット室84(径方向溝86を介して)より分岐しているが、絞り要素60より下流側(パイロット室84側)の第2パイロット通路56Bより分岐した通路であってもよい。また、必要に応じて、絞り要素60、160、第1パイロット通路56A、第2パイロット通路56B及び排気通路58の全て又は一部を弁ハウジング28あるいは128の外部に設けることもできる。第2出口ポート127は、大気開放のポートであってもよい。
【0115】
必要に応じて絞り要素60、160を固定絞りとすることもでき、或いは単なる細い通路又は狭窄した通路からなるものとすることもできる。所望に応じて、
図1〜
図3、
図6〜
図8に想像線によって示されているように、エアリザーバ90を接続して、パイロット室84、184の有効容積を増大させることもできる。
【0116】
また、
図19に示されているように、排気通路58の途中に絞り要素88が設けられていてもよい。絞り要素88は、パイロット室84の圧縮空気が、排気通路58、通路切換弁20、出口管路14、トリガ弁104を通ってエアブローノズル102より外部に排出される速度を遅くする働きをし、絞り要素88の絞り度が高いほど、エアブロー停止時間が長くなる。なお、絞り要素88の絞り度は絞り要素60の絞り度より低いことを要求される。
【0117】
圧縮コイルばね82、182は、交換可能で、ばね定数を選択設定できてよい。また、
図20に示されているように、弁ハウジング28側のばね端受け部をなすばねリテーナ110の弁ハウジング28に対する軸線方向の位置が調節ねじ112によって変位可能に構成することにより、圧縮コイルばね82の予荷重を可変設定することもできる。これらのことにより、吹き出し時間および停止時間が変更可能あるいは可変設定可能になる。
【0118】
また、本発明による間歇エア発生装置は、エアブロー装置への適用に限られることはなく、出口ポート24にエアシリンダ装置等の駆動機器や、ダイヤフラム装置、ポンプ装置等の各種の空気圧機器が接続される各種のエア機器にも適用することができる。
【0119】
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【0120】
本願のパリ条約に基づく優先権の基礎となる日本特許出願(2014年10月22日出願の特願2014−215517の開示内容は、ここで参照したことによりその全体が本願明細書に組み込まれる。