特許第6557256号(P6557256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557256
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】火炎効果生成システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F23C 1/00 20060101AFI20190729BHJP
   F23D 17/00 20060101ALI20190729BHJP
   F23N 1/00 20060101ALI20190729BHJP
   A63J 25/00 20090101ALI20190729BHJP
   A63J 5/02 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   F23C1/00 301
   F23D17/00 A
   F23N1/00 102A
   A63J25/00
   A63J5/02
【請求項の数】19
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-564129(P2016-564129)
(86)(22)【出願日】2015年4月8日
(65)【公表番号】特表2017-522524(P2017-522524A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】US2015024991
(87)【国際公開番号】WO2015164081
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年3月30日
(31)【優先権主張番号】14/258,981
(32)【優先日】2014年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ブラム スティーヴン シー
(72)【発明者】
【氏名】クラーク ベンジャミン ロバート
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−242456(JP,A)
【文献】 特開2007−187426(JP,A)
【文献】 実開昭49−116629(JP,U)
【文献】 特開2001−280611(JP,A)
【文献】 特開2005−241106(JP,A)
【文献】 実開平04−010222(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63J 5/00,5/02,25/00
F23C 1/00
F23D 14/22,17/00
F23K 5/00
F23N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の異なるタイプの燃料を含む燃料源と、
第1の物質組成を有する第1の燃料を前記燃料源から受け入れるよう構成された外側流路を形成する外側ノズルと、前記第1の物質組成とは異なる第2の物質組成を有する第2の燃料を前記燃料源から受け入れるよう構成された内側流路を形成する壁を含む内側ノズルであって、前記外側ノズルの前記外側流路が該内側流路の前記壁の外側表面に接触するように、前記外側ノズルの少なくとも一部内において少なくとも一部が入れ子状になった前記内側ノズルと、を含むノズルアセンブリと、
火炎効果を生成すべく、前記第1及び第2の燃料の一方又は両方を受け入れて点火するように構成された点火機構と、
少なくとも1つのアクチュエータと、
前記少なくとも1つのアクチュエータの動作を制御するように構成された自動化コントローラと、
前記火炎効果の見た目の美しさに影響を与える要因に関するデータを前記自動化コントローラに提供するように構成された少なくとも1つの入力装置と、
を備え
前記自動化コントローラは、前記データに基づいて前記少なくとも1つのアクチュエータの動作を制御するように構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記燃料源は、前記第1の燃料を第1の圧力で供給し、前記第2の燃料を前記第1の圧力とは異なる第2の圧力で供給するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記自動化コントローラは、前記少なくとも1つのアクチュエータを、
前記2以上の異なるタイプから前記第1の燃料を選択し、
前記2以上の異なるタイプから前記第2の燃料を選択し、
前記外側ノズルを前記燃料源の前記第1の燃料と流体的に結合することによって、前記外側ノズルに前記第1の燃料を提供し、
前記第1の燃料の第1の供給圧を調整し、
前記内側ノズルを前記燃料源の前記第2の燃料と流体的に結合することによって、前記内側ノズルに前記第2の燃料を提供し、
前記第2の燃料の第2の供給圧を調整する、
ように動作させるよう構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記自動化コントローラは、前記火炎効果の見た目の美しさに影響を与える要因をモニタする少なくとも1つのセンサからの入力に基づいて、前記少なくとも1つのアクチュエータを動作させるように構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記火炎効果の見た目の美しさに影響を与える前記要因は、環境の明るさ、火炎の明るさ、天候、時刻、湿度、風況又はこれらの組み合わせを含む、
請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの入力装置は、前記火炎効果の見た目の美しさに影響を与える前記要因を測定するように構成されたセンサ、前記火炎効果の見た目の美しさに影響を与える前記要因に関する情報を提供するように構成された通信システム、又はこれらの組み合わせを含む、
請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記内側ノズル及び前記外側ノズルの一方又は両方を通る燃料流の制御、前記システムの前記点火機構の制御、又はこれらの組み合わせを行うように動作する、
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の燃料組成は、プロパン、天然ガス、ブタン、エタン、及び水素のうちの1つを含み、前記第2の燃料組成は、プロパン、天然ガス、ブタン、エタン、及び水素のうちの前記第1の燃料組成とは異なる1つを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
システムであって、
前記システムの外部から見える火炎効果を生成するよう構成されたノズルアセンブリであって、該ノズルアセンブリの端部に近接して配置された点火機構を含む前記ノズルアセンブリと、
燃料源から前記ノズルアセンブリの第1のノズル及び第2のノズルへの2以上の燃料の燃料流を、前記火炎効果の見た目の美しさに影響を与える、前記システムの周囲の環境要因に少なくとも部分的に基づき制御すべく、前記燃料源を調整するよう構成され、且つ、前記2以上の燃料が前記点火機構を通り過ぎて該2以上の燃料を前記点火機構にて点火させるべく、前記燃料源を調整して前記燃料流を制御するよう構成された自動化コントローラと、
を備え、
前記燃料源の前記2以上の燃料は、2以上の異なるタイプの燃料を含み、前記自動化コントローラは、前記2以上の異なるタイプの燃料のうちの第1のタイプの燃料と前記第1のノズルとの流体結合と、前記2以上の異なるタイプの燃料のうちの第2のタイプの燃料と前記第2のノズルとの流体結合とを指示するように構成され、前記第1のタイプの燃料、前記第2のタイプの燃料、又はこれらの両方は、前記システムの周囲の前記環境要因に基づいて前記自動化コントローラによって決定される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記第1のノズルの追加の流路を形成する壁の外側表面が前記第2のノズルの流路に接触するように、前記第1のノズルの少なくとも一部は、前記第2のノズルの少なくとも一部内に配置される、
請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のノズルの前記一部は、前記第2のノズルの前記一部に対して実質的に軸対称、平面対称、又はこれらの両方である、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記環境要因を測定して前記自動化コントローラに測定結果を提供するように構成されたセンサを備え、前記自動化コントローラは、前記センサから受け取られた前記測定結果に基づいて前記燃料源を調整するように構成される、
請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記自動化コントローラに前記環境要因の値を提供するように構成されたインターネットシステムを備え、前記自動化コントローラは、前記インターネットシステムから受け取られた前記値に基づいて前記燃料源を調整するように構成される、
請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記環境要因は、環境の明るさ、火炎の明るさ、天候、時刻、湿度、風況又はこれらの組み合わせを含む、
請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記燃料源は、2以上の別個の燃料タイプを含み、該2以上の別個の燃料タイプは、プロパン、天然ガス、ブタン、エタン、水素、或いは、通常は標準温度又は圧力において気相状態で存在する他の可燃性物質を含む、
請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
システムの動作方法であって、
前記システムの周囲の要因を決定するステップと、
第1のタイプの燃料、第2のタイプの燃料、第1の圧力、第2の圧力、又はこれらの組み合わせを、自動化コントローラが受け取った前記要因の測定結果又は値に基づき、該自動化コントローラによって決定するステップと、
2以上の別個の燃料タイプを含む燃料源からの前記第1のタイプの燃料を第1のノズルと流体的に結合し、且つ、前記燃料源からの前記第2のタイプの燃料を第2のノズルと流体的に結合するステップと、
を含み、
前記第1のタイプの燃料は第1の物質組成を有し、前記第2のタイプの燃料は前記第1の物質組成とは異なる第2の物質組成を有し、
更に、
前記第1のタイプの燃料を前記第1のノズルに前記第1の圧力で通過させ、且つ、前記第2のタイプの燃料を前記第2のノズルに前記第2の圧力で通過させるステップと、
前記第1のタイプの燃料及び前記第2のタイプの燃料を、点火機構上を通過させることにより、前記第1のタイプの燃料及び前記第2のタイプの燃料が発火して前記システムの外部から見える火炎効果を生じるようにするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
システムの動作方法であって、
前記システムの周囲の要因を決定するステップと、
2以上の別個の燃料タイプを含む燃料源からの第1のタイプの燃料を第1のノズルと流体的に結合し、且つ、前記燃料源からの第2のタイプの燃料を第2のノズルと流体的に結合するステップと、
を含み、
前記第1のタイプの燃料は第1の物質組成を有し、前記第2のタイプの燃料は前記第1の物質組成とは異なる第2の物質組成を有し、
更に、
前記第1のタイプの燃料を前記第1のノズルに第1の圧力で通過させ、且つ、前記第2のタイプの燃料を前記第2のノズルに第2の圧力で通過させるステップと、
前記第1のタイプの燃料及び前記第2のタイプの燃料を、点火機構上を通過させることにより、前記第1のタイプの燃料及び前記第2のタイプの燃料が発火して前記システムの外部から見える火炎効果を生じるようにするステップと、
前記第1のノズル及び前記第2のノズルが入れ子状になった第3のノズルに第3のタイプの燃料を通過させるステップと、を含み、
前記第3のタイプの燃料は前記第1及び第2の物質組成とは異なる第3の物質組成を有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記第1のノズルは、前記第2のノズルの少なくとも一部内において入れ子状になった一部を少なくとも含む、
請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
システムであって、
外側ハウジング構造と、
内部に2以上の流体が流れ、出口からの火炎効果の生成を促進するように構成されたノズルアセンブリであって、前記ノズルアセンブリが前記外側ハウジング構造内に少なくとも部分的に隠れ、且つ前記ノズルアセンブリの端部が前記外側ハウジング構造の開口部に近接して配置されるように、前記ノズルアセンブリは前記外側ハウジング構造内に配置され、また、前記外側ハウジング構造の前記開口部は、前記火炎効果を該外側ハウジング構造の外部においてさらすように構成される、前記ノズルアセンブリと、
流体源から前記ノズルアセンブリへの前記2又は3以上の流体の流体流を前記火炎効果の望ましい美的特徴に基づき制御すべく、前記流体源を調整するよう構成された自動化コントローラと、
を備え
前記自動化コントローラは、前記システムの周囲の要因に基づき、第1のタイプの燃料、第2のタイプの燃料、前記第1のタイプの燃料を通過させるための第1の圧力、前記第2のタイプの燃料を通過させるための第2の圧力、又はこれらの組み合わせを決定する、
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に火炎効果に関し、具体的には、燃料ノズルシステムを用いた火炎効果生成システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火炎効果(例えば、目に見える火炎出力)は、とりわけ花火製造業界、サービス業界(例えば、レストラン、映画館)及び遊園地を含む幅広い用途及び業界にわたって常連客及びその他の客に審美的な表現を提供するために使用される。一般に、火炎効果は、1又は2以上の燃料の発火及び/又は燃焼を含む。例えば、レストランに飾られているトーチは、着火時に燃焼するように構成された燃料(例えば、ケロシン)に浸された芯を含むことができる。ケロシンと芯が燃焼することにより、レストランの常連客に対して周辺光を放つ火炎効果をもたらすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
火炎効果は、大きくて色鮮やかな時には、見た目の美しさ及び印象をさらに増すことができる。例えば、大きなオレンジ色の炎の火炎効果は、小さな薄黄色の炎の火炎効果よりも魅力的かつ印象的なものになり得る。さらに、小さな薄黄色の炎は、晴れた午後の屋外用途では完全に又は部分的に見えないこともある。実際に、特に屋外用途では、時刻又は時期が異なると、環境要因(例えば、太陽光、天候、汚染、風況)に応じて火炎効果が視覚的に異なることもある。残念ながら、一般に色鮮やかな火炎効果には不完全燃焼が伴い、一般に不完全燃焼は、一般にすす又は灰と呼ばれる残留物(例えば、汚染物質)による汚染をもたらす。従って、清浄度、効率性及び配色のバランスを保つことにより、見た目に美しく、燃焼時に汚染を残さず、コスト効率が高く、動作中のいかなる時でも明確に視認でき、環境要因に適応するような改善された火炎効果生成システム及び方法が必要とされていると認められる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、特許請求する独創的主題と範囲が一致するいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示するいくつかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は様々な形態を含むことができ、これらは後述する実施形態と類似することも、或いは異なることもある。
【0005】
本開示の1つの態様によれば、システムが、外側ノズル及び内側ノズルを含むノズルアセンブリを含む。内側ノズルの少なくとも一部は、外側ノズルの少なくとも一部内で入れ子状になる。システムは、2以上の異なるタイプ(separate types)の燃料を含む燃料源も含む。
【0006】
本開示の別の態様によれば、システムが、燃料源からノズルアセンブリの第1のノズル及び第2のノズルへの流体流をシステムの周囲の環境要因に基づいて制御するように燃料源を調整するよう構成された自動化コントローラを含む。
【0007】
本開示の別の態様によれば、システムの動作方法が、システムの周囲の環境要因を決定するステップと、2以上の別個の燃料タイプ(separate fuel types)を含む燃料源からの第1のタイプの燃料を第1のノズルと流体的に結合し、燃料源からの第2のタイプの燃料を第2のノズルと流体的に結合するステップとを含む。この動作方法は、第1のタイプの燃料を第1のノズルに第1の圧力で通し、第2のタイプの燃料を第2のノズルに第2の圧力で通すステップと、第1のタイプの燃料及び第2のタイプの燃料を、点火機構上を横切って通過させることにより、第1のタイプの燃料及び第2のタイプの燃料が発火して火炎効果を生じるようにするステップとをさらに含む。
【0008】
火炎効果システムを構成するサブシステム及びコンポーネントは、燃料の効率的利用、火炎特性の制御及び管理、火炎要素の相対的位置付け、環境条件に基づく火炎機構の制御、関連するデブリ(例えば、すす及び灰)の制御、並びに強化された動作特性を個別に又は協働的に可能にする様々な特徴を含む。以下では、これらの異なる特徴及びその特定の効果について詳細に説明する。
【0009】
全体を通じて同じ部分を同じ符号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示による、ノズルアセンブリと制御システムとを含む火炎効果システムの実施形態の概略ブロック図である。
図2】本開示による、ドラゴンの模型と一体化された、入れ子状のノズルアセンブリの特徴と制御システムの特徴とを含む火炎効果システムの一部を含む実施形態の斜視図である。
図3】本開示による、入れ子状のノズルを含むノズルアセンブリの実施形態の斜視図である。
図4】本開示による、入れ子状の先細−末広ノズルを含むノズルアセンブリの実施形態の断面図である。
図5】本開示による、図4のノズルアセンブリの正面図である。
図6】本開示による、入れ子構成の3つのノズルを含むノズルアセンブリの実施形態の断面図である。
図7】本開示による、図6のノズルアセンブリの正面図である。
図8】本開示による、2つの先細ノズルを含むノズルアセンブリの実施形態の断面図である。
図9】本開示による、実質的に直線の壁で囲まれた2つのノズルを含むノズルアセンブリの実施形態の断面図である。
図10】本開示による、2つの入れ子状のノズルを含むノズルアセンブリの実施形態の断面図である。
図11】本開示による、2つの入れ子状のノズルを含むノズルアセンブリの実施形態の斜視図である。
図12】本開示による、ノズルアセンブリの概略ブロック図である。
図13】本開示による、ノズルアセンブリを含むシステムの動作方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示する実施形態は、見た目に美しく、動作中に明確に視認でき、実質的に燃焼時に汚染を残さず、コスト効率が高く、環境要因(太陽光、天候、汚染、風況)に適応する火炎効果を生じて制御するシステム及び方法に関する。開示する実施形態は、所望の火炎特性の実現を容易にする入れ子状のノズルを含むノズルアセンブリを利用するシステム及び方法を含む。例えば、これらの実施形態は、入れ子状のノズルアセンブリの様々なノズル内を流れる燃料の量、燃料の圧力及び燃料のタイプなどを、特定の火炎特性(例えば、突出距離、ガス容器の配置、可視性、すすの含有量、すすの散乱パターン)を達成するように制御することができる。これらの実施形態は、特定の火炎特性を促すように、火炎効果を生じるノズルアセンブリと共に先細−末広ノズル(例えば、ラバールノズル)を含み、又は使用することができる。本明細書では、説明を単純にするために、先細−末広ノズルを「ラバールノズル」と呼ぶこともある。しかしながら、本開示の実施形態は、内部を流れるガスを加速させるように構成されたあらゆる先細−末広ノズルを含む。
【0012】
まず図1に、本開示による火炎効果システム10の実施形態を含む概略ブロック図を示す。システム10は、とりわけノズルアセンブリ12を含むことができる。図示の実施形態では、ノズルアセンブリ12が、内側ノズル14及び外側ノズル16を含み、内側ノズル14の少なくとも一部は、外側ノズル16の少なくとも一部内で入れ子状になり、外側ノズル16と概ね同心である。1つの実施形態では、内側及び外側ノズル14、16が、軸対称及び/又は平面対称であるが完全には同心でない部分を含むことができる。本開示による実施形態では、ノズルアセンブリ12が、明確に視認できて環境要因に適応する火炎効果17(例えば、火柱)をもたらすように構成される。
【0013】
図示の実施形態のノズルアセンブリ12は、燃料(例えば、ガス燃料又は実質的にガス状の燃料)を内側ノズル14及び外側ノズル16内で加速させ、又はこれらのノズルに通すことによって火炎効果17をもたらすように構成される。いくつかの実施形態では、調整装置が、ノズルアセンブリ12内で燃料を加速又は通過させ、実施形態によっては混合できるほど十分に高い流量の燃料がノズル14、16に送出されるように(例えば、ノズル14、16に達する前に)燃料の圧力(従って流量も)及び/又は温度を調整することができる。例えば、1つの実施形態では、内側ノズル14及び外側ノズル16の各々が、先細部分及び末広部分を含むことができる。先細部分及び末広部分は、ノズル14、16を通るガスを加速させるように構成することができる。別の実施形態では、ノズル14、16が、先細部分のみ又は末広部分のみを含むこともできる。いずれの実施形態においても、ノズル14、16の各々は、一種又は複数種の燃料ガスが流れる経路を、火炎効果システム10の動作圧(例えば、調整装置によって供給される圧力)を最小化しながら、ノズル14、16の各々にガスを通してノズル内でガスを混合できるように制限するよう構成される。さらに、内側ノズル14は、流入ノズルを流れるガスが外側ノズル16の中心部に流入するように外側ノズル16内で終端することができる。ガスは、実施形態に応じて、外側ノズル16内で実質的に分離したままにすることも、或いは外側ノズル16内で混合することもできる。このような実施形態については、以下で後の図を参照しながら詳細に説明する。なお、いくつかの実施形態では、燃料以外の流体(例えば、ガス)を用いて異なる効果(例えば、霧状効果)をもたらすこともできる。また、いくつかの実施形態は、燃料流体と非燃料流体の両方を使用することもできる。本開示では、特定の例として燃料ガスを使用することが多いが、他の流体を使用することもできると理解されたい。
【0014】
ガス燃料は、ノズル14、16を通過した後に(或いは、実施形態によっては加速前に)発火して火炎効果17をもたらす。図1に示す実施形態では、ガス燃料がノズル14、16を通過し、ノズルアセンブリ12から高速で排出された後に、ガス燃料の通過時に着火又は点火して火炎効果17をもたらす種火(pilot light)を含む点火機構18(例えば、点火装置)を通過する。火炎効果17は、高温ガス燃料がノズルアセンブリ12から出る速度に起因して、ノズルアセンブリ12から離れて運ばれる。さらに、火炎効果17は、様々な要因に基づく特定の特性を含むこともできる。例えば、以下で詳細に説明するように、火炎効果17の特性は、ノズルアセンブリ12のノズル14、16内の流路の輪郭、使用する燃料のタイプ、異なるタイプの燃料をノズル14、16のどちらに供給するか、及び燃料の圧力などによって定められる。
【0015】
上述したように、図1に示す実施形態では、システム10が、ノズルアセンブリ12を通じて加速されるガス燃料を含む燃料源20を含む。燃料源20は、複数の区画又はタンク(例えば、第1のタンク22、第2のタンク24及び第3のタンク26)を含むことができ、各タンクは異なるタイプの燃料を含むことができる。タンクのうちの1つ以上(又は全部)は、可燃性燃料を含むことができ、タンクのうちの1つ以上は、不燃性材料又は他の何らかの流体(例えば、酸化剤、不活性ガス又は希釈剤)を含むことができる。例えば、図示の実施形態では、第1のタンク22がプロパンを含むことができ、第2のタンク24が天然ガスを含むことができ、第3のタンク26が窒素又は他の何らかの不活性ガスを含むことができる。しかしながら、別の実施形態では、タンクのうちの1つ以上が、酸素などの上述していない他の何らかのタイプの燃料又は流体を含むこともできる。
【0016】
さらに、上述したように、プロセッサ30及びメモリ32を含む自動化コントローラ28が、タンク22、24、26のうちの1つと、内側ノズル14又は外側ノズル16のいずれか一方の流体通路との流体結合を開始する出力を提供することができる。図示の実施形態では、タンク22、24、26のうちの1つを内側ノズル14の流体通路34と流体連通させ、タンクのうちの別の1つを外側ノズル16の流体通路36と流体連通させることができる。例えば、自動化コントローラ28は、プロパンを供給する第1のタンク22を外側ノズル16の流体通路36と流体連通させ、天然ガスを供給する第2のタンク24を内側ノズル14の流体通路34と流体連通させるように動作することができる。自動化コントローラ28は、1以上の入力値(例えば、手動入力、センサ測定値、データフィード)を考慮する1以上の制御アルゴリズムに基づいて出力を提供することができる。例えば、図示の実施形態では、自動化コントローラ28が、通信ネットワークの一例にすぎないインターネットシステム37、火炎効果17に近い環境40内に配置されたセンサ38、又はこれらの両方から入力を受け取る。さらに、自動化コントローラ28への入力は、アナログ、デジタル、又はこれらの両方とすることができる。インターネットシステム37(又は異なる通信ネットワーク)及びセンサ38、或いは他の何らかの装置又は自動化コントローラ28への入力は、自動化コントローラ28に環境40の環境要因に関する情報を提供する。例えば、この環境要因は、明るさ、汚染、太陽光、天候、時刻、湿度、風況、火炎効果17から生じるすすレベル、又は他の何らかの環境要因を含むことができる。いくつかの実施形態では、内側ノズル14及び外側ノズル16の各々が、独自の対応する燃料源、自動化コントローラ、センサ、インターネットシステム、プログラム及び/又はメモリを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、2つよりも多くの入れ子状ノズル又は入れ子状ノズルの組を使用することができる。
【0017】
自動化コントローラ28は、プロセッサ30に加えてバーナーコントローラ41を含むことができる。バーナーコントローラ41は、プロセッサ30からトリガ信号を受け取った時点で点火シーケンスを開始するように構成される。バーナーコントローラ41は、点火機構18(例えば、点火装置)に点火し、点火機構19の点火を確認した後に燃料源20からノズル14、16に燃料を放出し、この結果、燃料に点火して火炎効果17を生じる。その後、プロセッサ30は、全ての入力情報(例えば、センサ38、インターネットシステム37又は他の何らかの入力からのデジタル又はアナログ信号)を分析して、再び点火シーケンスを開始する信号をバーナーコントローラ41に送信すべきかどうかを判断することができる。
【0018】
特定の機能を提供するように協働する複数のプロセッサを表すことができる(例えば、自動化コントローラ28の)プロセッサ30は、有形の(非一時的)機械可読媒体を表すメモリ32上のコンピュータ可読命令(例えば、コンピュータプログラム)を実行することができる。コンピュータプログラムは、複数の異なるセンサを表すことができるセンサ38及び/又はインターネットシステム37からの測定値を考慮して、最も望ましい火炎効果17を生じるために燃料源20のどの1又は複数のタンクをシステム10の流体通路34、36と流体連通させるべきかを決定するロジックを含むことができる。最も望ましい火炎効果17は、他の要因の中でも特に、火炎効果17の色、火炎効果17の明るさ、火炎効果17の清浄度、火炎効果17のコスト効率、火炎効果17の長さ、及び/又は火炎効果17の安全性に関する火炎効果要因を含むことができる。プロセッサ30によって実行されるコンピュータプログラムは、上述した火炎効果17の要因の全部、これよりも多く、又は一部を考慮にすることができる。また、自動化コントローラ28は、システム10(例えば、ポンプ、圧縮機、列状の異なる又はバックアップ用のノズル及びノズル配列)の様々な特徴部と協働して火炎の様々な態様を制御することができる。例えば、さらに高い圧力が必要であると自動化コントローラ28が判断した場合には、圧縮機、又はノズル14、16の入口の手前の発火源を作動させることができる。別の例として、コントローラが、(例えば、すすの蓄積によって)ノズル14、16が正しく機能しない可能性があると判断した場合には、弁がノズル14、16へのアクセスを遮断して、バックアップノズルの組に燃料を向けることができる。さらに別の実施形態では、自動化コントローラ28が、センサデータに基づいて、異なる火炎特性を提供する異なるノズルの列を動作するように選択することができる(例えば、風の強い条件では特定のノズルが好ましいこともある)。
【0019】
図示の実施形態を続けると、自動化コントローラ28は、内側ノズル14及び外側ノズル16の各々のための制御弁42、44をそれぞれ開放及び/又は閉鎖して、燃料通路34、36を通じてそれぞれ内側ノズル14及び外側ノズル16に向かう流体流を可能にし、又は遮断するように構成される。自動化コントローラ28は、上述した方法と同様に、センサ38及びインターネットシステム37からの測定値及び/又は情報に基づいて制御弁42、44を開放及び/又は閉鎖することができる。いくつかの実施形態では、自動化コントローラ28が、制御弁42、44の一方又は両方を一定の限られた程度まで開放又は閉鎖して、燃料源20から燃料通路34、36のいずれかに送られる燃料の圧力を調整することができる。上述の制御態様とは別に、又はこれと組み合わせて、圧力を調整するために制御弁42、44の各々が調整器を含むことも、或いは燃料源20に調整器を含めることもできる。自動化コントローラ28には、上述した形で調整器又は制御弁42、44を制御するようにプロセッサ30を介して指示することができる。換言すれば、一般に、自動化コントローラ28は、燃料通路34、36に(最終的には、内側ノズル14及び外側ノズル16に)供給される燃料の圧力を、センサ38及び/又はインターネットシステム37によって与えられる環境要因に基づいて調整することができる。さらに、内側ノズル14及び外側ノズル16にそれぞれ送出される燃料の圧力は、所望の火炎効果に応じて内側ノズル14及び外側ノズル16の各々で異なることもできる。例えば、約30〜40フィート(9.1〜12.2メートル)の火炎を達成するには、内側ノズル14に送出される天然ガスの(例えば、ポンド/平方インチ(psi)及びキロパスカル(kPa)で測定した)圧力を、例えば10〜40psi(69〜276kPa)、20〜30psi(138〜207kPa)、又は22〜28psi(152〜193kPa)とすることができ、外側ノズル16に送出されるプロパンの圧力を、例えば10〜20psi(7〜138kPa)、5〜15psi(34〜103kPa)、又は7〜11psi(48〜76kPa)とすることができる。なお、いくつかの実施形態では、内側及び外側ノズル14、16に上記の又はその他の圧力でパルス状に燃料を送出することにより、パルス状の火炎効果17を実現することもできる。例えば、自動化コントローラ28は、(例えば、調整器又は制御弁42、44を介して)燃料源20に、燃料源を遮断する3秒間隔で区切られた5秒間隔の一定圧力で(例えば、調整器又は制御弁42、44を介して)外側ノズル16にプロパンを供給し、内側ノズル14に天然ガスを供給するように指示することができる。この結果、各々が3秒間隔で区切られた5秒間の繰り返し間隔で火炎効果17が見えるようになる。自動化コントローラ28は、この間隔の合間に両ノズル14、16に不活性ガスを通して、素早く残留火炎を消すことができる。いくつかの実施形態では、ノズル14、16及び周囲の機器又は物体内にすす及び灰を含むデブリが蓄積するのを防ぐために、やはり不活性ガスを用いてこのようなデブリをノズルアセンブリ12から遠くに放出することができる。換言すれば、不活性ガスは、残留火炎を消すだけでなく、既にノズル14、16内に存在するすす及び灰を一般に火炎効果システム10から遠くに除去するために使用することもできる。
【0020】
上記の説明に加え、環境40に配置されたセンサ38及びインターネットシステム37、或いは他の装置又は通信システムは、とりわけ環境の明るさ(例えば、太陽光)、火炎効果17の明るさ、汚染、温度、風況及び天候を含む環境40の多くの様々な環境要因に関するデータを検出し、及び/又は自動化コントローラ28に供給するように構成することができる。例えば、センサ38は、環境40が比較的明るいことを検出して、この環境40の明るさに関する情報を自動化コントローラ28に提供することができる。自動化コントローラ28は、センサ38から受け取った情報に基づいてロジックを実行し、燃料源30の(プロパンを有する)第1のタンク22を第2の流体通路36と流体連通させ、燃料源30の(天然ガスを有する)第2のタンク24を第1の流体通路34と流体連通させる出力を提供することができる。自動化コントローラ28は、プロセッサ30がセンサ38、インターネットシステム37から受け取った情報、或いはプロセッサ30への他の何らかの入力、並びに所望の火炎効果17に応じて、第1の燃料タンク22が外側ノズル16に流体的に結合され、第2の燃料タンク24が内側ノズル14に流体的に結合されて、内側ノズル14に供給される天然ガスの圧力及び流量と同じ又は異なる圧力及び流量で外側ノズル16にプロパンが供給されるように、制御弁42、44に完全に開くように指示することもできる。外側ノズル16内ではプロパンを加速させ、内側ノズル14内では天然ガスを加速させることができる。ガスは、ノズルアセンブリ12から排出され、点火装置18の種火を通過して目に見える火炎効果17をもたらすことができ、この場合の火炎効果17は、上述したように、プロセッサ30に元々与えられている環境要因に基づいて、明るさ、コスト効率及び清浄度の最適な組み合わせを達成する。
【0021】
なお、上述したように、プロセッサ30は、火炎効果17の明るさ、コスト効率及び清浄度などの要因に基づく入力を考慮するコンピュータプログラム(例えば、制御論理)を実行することができる。さらに、このコンピュータプログラムは、これらの及びその他の要因の各々に、このような要因の所望の重要度に基づいて重み付けすることもできる。さらに、自動化コントローラ28は、各燃料通路24、26に(従って、いずれかのノズル14、16に)供給される燃料のタイプ、及び/又はいずれかの燃料通路24、26に(従って、いずれかのノズル14、16に)供給される燃料タイプの流量(従って、圧力)を制御することもできる。例えば、1つの実施形態において、明るい日には、コントローラ28が、火炎効果17が日中にもはっきりと見える色で燃焼しながらも、依然としてコスト効率が高く汚染を残さないことを確実にするように上記の動作を指示する。或いは、別の実施形態において、暗い日には、コントローラ28が、火炎効果17が汚染を残さずにコスト効率が高い状態でありながらも、依然として目に見えることを確実にするように上記の動作を指示する。以下、所望の火炎効果17を達成することに関して内側及び外側ノズル14、16に供給される燃料のタイプ、及びその燃料の流量に関する詳細についてさらに詳述する。
【0022】
次の図2は、ドラゴンの模型60(例えば、像又はアニマトロニクスシステム)内に配置されたシステム10及び付随するノズルアセンブリ12の実施形態の一部の斜視図である。システム10は、ドラゴンの模型60内(例えば、ドラゴン60の口部62内)に少なくとも部分的に隠れることにより、システム10及び付随するノズルアセンブリ12によってもたらされる火炎効果17がドラゴンの像60の口部62から放出されるようにすることができる。換言すれば、ドラゴンの像60とシステム10とを組み合わせることにより、娯楽価値のための火を吹く(例えば、吐き出す)ドラゴン60という意図的な幻想を与えることができる。
【0023】
図示の実施形態では、システム10のコンポーネントが、ドラゴン60の口部62内に概ね隠れている。例えば、図1で説明したコンポーネントを参照すると、燃料源20、コントローラ28、制御弁42、44、インターネットシステム37、プロセッサ及びメモリ30、32、並びにその他のコンポーネントは、ドラゴン60の口部62の外側の位置から見えないように完全に隠れることができる。口部62内のいくつかのコンポーネントは、システム10を位置付けるようにドラゴン60の内面に取り付けることができる。例えば、燃料源20をドラゴン60のコンポーネントに取り付けて、燃料源20に直接的及び間接的に結合された(例えば、構造的に結合された)コンポーネントも支持されるようにすることができる。さらに、ノズル14、16は、ドラゴン60の口部62の頂部から垂下することも、或いはドラゴン60の口部52の底部からノズル14、16まで上向きに延びるコンポーネントによって下支えすることもできる。さらに、点火装置18は種火64を含むことができ、点火装置18(例えば、噴射案内部)は、ドラゴン60の口部62のすぐ内側の底面から上向きに(例えば、方向66に)延び、(上述したような)バーナーコントローラ41から指示されると種火64を放出する。このようにして、ノズル14、16から外向きに加速したガス燃料が点火装置18の種火64を横切り、火炎効果17として口部62から外に向かって概ね方向68に進み続けることができる。いくつかの実施形態では、火炎効果17が、ドラゴン62の口部内の種火64から方向68に、約10〜60フィート(3〜18メートル)、20〜50フィート(6〜15メートル)、又は30〜40フィート(9〜12メートル)の長さを有することができる。ドラゴン60の口部52からの火炎効果17の距離は、とりわけ燃料通路34、36に供給される燃料の流量(従って、内側ノズル14及び外側ノズル16に供給される燃料の流量)によって少なくとも部分的に決まり、流量及び上述したその他の要因は、上述したようにコントローラ28を介して制御される。
【0024】
次の図3は、内側ノズル14及び外側ノズル16を含むノズルアセンブリ12の斜視図12である。内側ノズル14は、その入口72に、内側ノズル14を対応する制御弁42、又は内側ノズル14と制御弁42との間に延びる通路(例えば、通路34)に結合するためのねじ部70を含むことができる。外側ノズル14も、その入口76に、外側ノズル16を対応する制御弁44、又は外側ノズル16と制御弁44との間に延びる通路(例えば、通路36)に結合するためのねじ部74を含むことができる。
【0025】
図示の実施形態では、内側ノズル14が、外側ノズル16の側部78内に延び、外側ノズル16内で(例えば、外側ノズル16に対して)実質的に同心状の配向になるように湾曲する。換言すれば、図示の実施形態では、内側ノズル14の少なくとも出口80が、ノズルアセンブリ12内の概ね方向68に延びる長手方向軸82を中心に外側ノズル16の出口81と実質的に同心状である。別の実施形態では、出口81と出口80とが実質的に同心状でなく、出口80、81の断面形状が、単一面(例えば、方向68に垂直な平面)と実質的に平行であることができる。換言すれば、いくつかの実施形態では、出口81と出口80とを(例えば、少なくとも部分的に)入れ子状にすることができるが、これらは実質的に同心状でなくてもよい。例えば、出口80、81は、軸対称及び/又は平面対称であることができる。さらに、図示の実施形態では、内側ノズル14の出口80が、外側ノズル16の出口81から長手方向軸82に沿ってオフセット距離84だけオフセットされる。以下、ノズルアセンブリ12の実質的同心性及びオフセット距離84の技術的効果について説明する。
【0026】
上述したように、ガス燃料又はその他の流体(例えば、不燃性流体又は不活性ガス)は、内側ノズル14及び外側ノズル16の両方を通じて加速される。例えば、燃料は、外側ノズル16の入口76において外側ノズル16に入り込む。燃料は、外側ノズル16を通じて加速し、外側ノズル16を通る燃料(例えば、流体)の流れを部分的に分断する可能性のある内側ノズル14の外面86に接近する。しかしながら、内側ノズル14の出口80は、外側ノズル16の出口81からオフセット距離84だけオフセットされている。従って、ノズルアセンブリ12では、外側ノズル16内の燃料の流れが、外側ノズル16の出口81から出る前に少なくとも部分的に回復及び/又は加速することができる。換言すれば、外側ノズル16内の燃料の流れは、内側ノズル14を通り過ぎる際に分断されて大きく乱れる恐れがある。内側ノズル14の出口80を通過する外側ノズル16からの燃料の流れは、内側ノズル14の出口80を通り過ぎた後に、(a)内側ノズル14の出口80から排出される燃料の流れによる、燃料(例えば、外側ノズル16に供給される燃料)に対する半径方向外向きの圧力、及び(b)外側ノズル16自体の構造による、燃料(例えば、外側ノズル16に供給される燃料)に対する半径方向内向きの圧力、によって部分的に回復する(例えば、乱れが小さくなる)ことができる。
【0027】
さらに、上述したように、流体は、内側ノズル14の入口72を通じて内側ノズル14に入り込み、例えば、外側ノズル16内の内側ノズル14の実質的に同心状の部分、又は外側ノズル16と実質的に流路方向を共有する少なくとも一部になるように湾曲する。燃料は、内側ノズル14を通じて加速し、内側ノズル14の出口80から出て外側ノズル16の部分に入り込む。従って、外側ノズル16を通じて加速した燃料は、内側ノズル14から流出して外側ノズル16に入り込んだ燃料の周囲に、実質的に環状の層88を形成することができる。上述したように、環状層88内の燃料は、内側ノズル14によって示される障害物によって分断された後に、外側ノズル16自体からの内向きの圧力と、内側ノズル14から排出された燃料の円筒形の流れ本体90を介した外向きの圧力とによって少なくとも部分的に回復することができる。換言すれば、環状層88は、実質的に円筒形の流れ本体90を(例えば、体積的に)取り囲み又は内包することができる。円筒形の流れ本体90及び環状層88は、外側ノズル16の先細部及び末広部によって実際には歪み、又は曲線を成すことができる。さらに、いくつかの実施形態では、環状層88と、内側ノズル14から排出された後の円筒形の流れ本体90とが流れる外側ノズル16の構成に起因して、円筒形の流れ本体90及び環状層88が、完全に又は限られた程度に混ざり合うことができる。従って、内側ノズル14の出口80の下流の外側ノズル16内の環状層88及び円筒形の流れ本体90は、一般に内側ノズル14の出口80の下流の外側ノズル16の形状に従うことができ、或いはいくつかの実施形態では、内側ノズル14の出口80の下流の外側ノズル16の形状によって混ざり合うことができると理解されたい。従って、(例えば、ノズルアセンブリ12を通る流体の流れに関する)「環状層」及び/又は「円筒形の流れ本体」の幾何学的形状にはばらつきが生じることもあるが、この「環状層」及び/又は「円筒形の流れ本体」という用語は、外側ノズル16及び内側ノズル14からそれぞれ流入する1つの実施形態における流体の流れの一般的な形状を示すものであると認識されたい。以下、ノズル14、16を通って流れる流体の構成及び効果に関連する様々な実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0028】
図示の実施形態を続けると、上述したように、環状層88は、第1のタイプの燃料(又は他の流体)を含むことができ、円筒形の流れ本体90は、第2の異なるタイプの燃料(又は他の流体)を含むことができる。なお、内側ノズル14が外側ノズル16に入り込む地点において内側ノズル14に到達する前に外側ノズル16内を流れている流体は、実際に外側ノズル16全体を通じて流れることができ、従って内側ノズル14が外側ノズル16内に交じわるまでは「環状層」にならない。環状層88を構成する燃料又は流体、及び円筒形の流れ本体90を構成する燃料又は流体は、上述したような環境要因がセンサ38によって測定され、プロセッサ30に伝えられて、例えば燃料源22及び24の調整、並びに弁42及び44の制御を適宜(例えば、図1及び図2に示すように)行うように自動化コントローラ28が指示されることに基づいて決まる。例えば、1つの実施形態では、(例えば、外側ノズル16の)環状層88が、一般に燃焼時に他の可燃性燃料(例えば、天然ガス)よりも日中によく見えるプロパンを含む。例えば、(例えば、内側ノズル14からの)円筒形の流れ本体90は、一般に燃焼時に他の可燃性燃料(例えば、プロパン)よりも日中には見えにくいが汚染が少なく安価な天然ガスを含むことができる。このように、ノズルアセンブリ12によってもたらされる火炎効果17は、明るい日には、燃焼時に汚染が少なくて安価な円筒形の流れ本体90の周囲に、燃焼時にはっきりと見える環状層88を含むことができる。別の実施形態では、環状層88及び円筒形の流れ本体90が、内側ノズル14の出口80の下流の外側ノズル16内で実際に混ざり合うことができる。従って、火炎効果17は、明るくて燃焼時の汚染も少ないが、必ずしも明るく燃える外層(例えば、シース)と、燃焼時の汚染が少ない内側部分とを含むことができるとは限らず、むしろ実質的に混ざり合って、火炎効果17全体が明るく色鮮やかでありながら清浄度も維持するようにすることもできる。
【0029】
別の実施形態では、環状層88が天然ガスを含んで円筒形の流れ本体90がプロパンを含むことができ、この結果、燃焼時にはっきり見える円筒形の流れ本体90と、燃焼時に汚染が少なくて安価な環状層88とが生じる。或いは、上述したように、これらの2つの流体部分が完全に混ざり合うこともできる。さらに、上述したいずれの実施形態においても、天然ガスは一般にプロパンよりも軽いので、より燃焼時の汚染が少ない天然ガスが、燃焼した又は焦げたプロパンの汚染物質を一定距離だけ「運ぶ」ことにより、プロパンの汚染物質が特定の範囲に集中(例えば、堆積)するのとは対照的に、プロパンの汚染物質を空気と混ざり合った時に一定距離にわたって分散及び/又は放散できるようにすることもできる。上述したように、各ノズル14、16に対して選択される燃料のタイプは、センサ38及び/又はインターネットシステム37によって測定され伝えられた環境要因に基づいて、自動化コントローラ28を介して指示することができる。さらに、環状層88内の燃料及び円筒形の流れ本体90内の燃料のそれぞれの圧力(従ってそれぞれの流量)も、上述したように自動化コントローラ28の指示を通じて、プロセッサ30によって実行されるコンピュータプログラムに基づいて火炎効果17を最適化できるようにすることができる。
【0030】
次の図4は、ノズルアセンブリ12の実施形態を側面断面図である。具体的には、図4に示す実施形態では、ノズル14、16がラバールノズルである。図示の実施形態では、内側ノズル14が、内側ノズル14の入口部分104の長手方向軸102とノズルアセンブリ12の長手方向軸82との間で測定した角度100で外側ノズル16の側部78内に入り込む。角度100は、約20〜70度、30〜60度、40〜50度、又は43〜47度とすることができる。角度100は、設計時に複数の要因に基づいて決定することができる。例えば、角度100は、内側ノズル14内の良好な流れを可能にするように鈍角にすることができる。換言すれば、鈍角100の場合には、外側ノズル16内における内側ノズル14の曲線102が緩やかになり、内側ノズル14内の流れを改善することができる。しかしながら、鈍角100を含むことによって内側ノズル14の入口部分104が長くなり、外側ノズル16内の流れが克服すべき障害が大きくなる可能性がある。或いは、鋭角100の場合には、入口部分104が短くなって、外側ノズル16内の流れが克服すべき障害は小さくなるが、内側ノズル14内の流れは、流れの方向が急激に変化することによって乱流が増す可能性がある。さらに、オフセット距離84が長くなると、内側ノズル14の入口部分104によって示される流れの障害物から環状層88が回復するための距離が長くなるので、オフセット距離84も最適な角度100に影響を与え得る。従って、いくつかの実施形態では、オフセット距離84を長くして角度100をさらに鋭角にすることにより、内側ノズル14内の流れを改善するとともに、外側ノズル16内の流れ(例えば、環状層88)が回復するための距離を長くすることができる。
【0031】
引き続き図4を参照すると、上述したように、内側ノズル14及び外側ノズル16は、いずれも1つの部分で先細になって別の部分で末広になる。例えば、内側ノズル14は、先細部分106及び末広部分108を含み、外側ノズル16は、先細部分110及び末広部分112を含む。内側ノズル14の先細部分106と末広部分108との間は、内側ノズル14のスロート部114である。外側ノズル16の先細部分110と末広部分112との間は、外側ノズル16のスロート部116である。図示の実施形態では、内側ノズル14の出口80が、外側ノズル16の先細部分110の開始部分に隣接して配置される。換言すれば、いくつかの実施形態では、オフセット距離84が、外側ノズルの先細部分110及び末広部分112の長さに実質的に対応することができる。これにより、外側ノズル16の環状層88が、外側ノズル16の先細部分及び末広部分110、112内で少なくとも部分的に回復できるようになる。或いは、いくつかの実施形態では、これによって外側ノズル16内のガス(例えば、環状層88及び円筒形の流れ本体90)が混ざり合うことができる(例えば、内側ノズル14の出口80から外側ノズル16の出口81までを測定した)距離を長くすることができる。
【0032】
図5は、ノズルアセンブリ12の実施形態の正面図である。図示の実施形態では、長手方向軸82を中心に、内側ノズル14の出口80と外側ノズル16の出口81とが実質的に同心である。動作中、外側ノズル16と内側ノズル14との間には環状層88が存在し、内側ノズル14からは円筒形の流れ本体90が排出されて、その外側ノズル16内における断面は、内側ノズル14の出口80の断面と実質的に等しい。しかしながら、外側ノズル16内の長手方向軸82に沿った1つの地点で測定した環状層88及び円筒形の流れ本体90の断面は、外側ノズル16内の長手方向軸82に沿った別の地点における環状層88及び円筒形の流れ本体90の断面とそれぞれ正確に同じでないこともある。これらの断面間の差異は、外側ノズル16の断面積をそれぞれ増減させる外側ノズル16の先細部及び末広部によって生じ得る。この断面間の差異は、(図4に示すような)外側ノズル16の先細部分及び末広部分110、112の下流における外側ノズル16内の流れを内側ノズル14が邪魔することによっても生じ得る。さらに、上述したように、いくつかの実施形態では、内側ノズル14の入口80の下流における外側ノズル16の輪郭に起因して、環状層88及び円筒形の流れ本体90が混ざり合うこともできる。
【0033】
上述したノズルアセンブリ12の実施形態は、内側ノズル14及び外側ノズル16を含んでいるが、実施形態によっては、2つよりも多くのノズルを含むこともできる。例えば、図6の側面断面図及び図7の正面図に、3つのノズルを有するノズルアセンブリ12の実施形態を示す。図示の実施形態では、内側ノズル14及び外側ノズル16が、いずれも第3のノズル120内に配置されている。内側ノズル14は、内側ノズルが外側ノズル16の側部78に入り込むのと同様に第3のノズル120の側部122内に入り込むことができる。外側ノズル120は、内側ノズル14及び外側ノズル16と同じ燃料源(例えば、燃料源20)に結合することができる。図示の実施形態では、各ノズル14、16、120が異なるタイプの燃料を含むことができる。例えば、内側ノズル14は天然ガスを含むことができ、外側ノズル16はプロパンを含むことができ、第3のノズル120は窒素を含むことができ、この窒素は、天然ガスを参照して上述したように、例えば燃焼したプロパンからの汚染物質を、ノズルアセンブリ12から出た後にノズルアセンブリ12から一定距離だけ「運ぶ」役割を果たすことができる。このように、(例えば、第3のノズル120の先細部分126及び末広部分128を通過した後に)第3のノズル120の出口124から排出される燃料は、円筒形の流れ本体90と、環状層88と、環状層88に半径方向に隣接して環状層88を取り囲む第2の環状層130とを含むことができる。上述したように、円筒形の流れ本体90、環状層88及び第2の環状層130の各々は、互いに異なるタイプの燃料を含むことができる。例えば、円筒形の流れ本体90は天然ガスを含むことができ、環状層88はプロパンを含むことができ、第2の環状層130は窒素を含むことができる。別の実施形態では、円筒形の流れ本体90が窒素を含むことができ、環状層88が天然ガスを含むことができ、第2の環状層130がプロパンを含むことができる。これらの3つのノズルには、いずれも所望の火炎効果17に応じてあらゆる燃料又は流体を使用することができる。
【0034】
なお、ノズルの特定の実施形態を、先細−末広ノズルを含むものとして示したが、他の実施形態では、ノズルタイプの変形例を使用することもできる。例えば、単に先細になったものや、或いは実質的に一貫した(平行な)壁を含むものを使用することもできる。図8に、先細ノズルである内側ノズル14及び外側ノズル16を有するノズルアセンブリ12の実施形態を示す。換言すれば、内側ノズル14は先細部分106を含み、外側ノズル16は先細部分110を含む。図示の実施形態では、ノズル14、16がいずれも末広部分を含まない。先細部分106、110は、各それぞれのノズル14、16を通じて燃料を加速させることができ、燃料は、外側ノズル16の出口81を通ってノズルアセンブリ12から出る。図9には、実質的に一貫した(平行な)直線的な壁で囲まれたノズルである内側ノズル14及び外側ノズル16を有するノズルアセンブリ12の実施形態を示す。換言すれば、内側ノズル14の内側部分140は実質的に円筒形であり、内側ノズル14の内側部分140の内面142は、実質的に長手方向軸90と平行な方向68に延びる。また、外側ノズル16の内側部分144も実質的に円筒形であり、外側ノズル16の内側部分144の内面146は、実質的に長手方向軸90と平行な方向68に延びる。一般に、様々なノズル14、16の輪郭、及びノズル14、16の出口80、81の間の1又は複数のオフセット(例えば、オフセット距離84)は、それぞれ所望の火炎効果17に応じて選択することができる。例えば、所望の火炎効果17のために内側ノズル14及び外側ノズル16からのガスがノズルアセンブリ12内で混ざり合う必要がある場合には、これに応じて内側及び外側ノズル16の適切な輪郭及び適切なオフセット距離84を選択することができる。所望の火炎効果17のために(例えば、ノズルアセンブリ12を通じて環状層88及び円筒体流90を実質的に維持することによって)内側ノズル14及び外側ノズル16からのガスを分離したままにしておく必要がある場合には、これに応じて内側及び外側ノズル16の適切な輪郭及びオフセット距離84を選択することができる。
【0035】
また、他の実施形態では、ノズルの流体通路同士を他の何らかの形で結合又は付着させることもできる。1つのこのような実施形態を、特定の幾何学的形状の内側及び外側ノズル14、16の断面表現である図10に示す。図示の実施形態では、燃料源20(図示せず)に結合された1以上の燃料通路(例えば、通路146)の各々が、異なるタイプの燃料又は流体を外側ノズル16に運ぶことができる。或いは、通路146の各々が同じ燃料又は流体を外側ノズル16に運ぶこともできる。図示の実施形態では、内側通路147が内側ノズル14に結合されて、燃料源20(図示せず)から内側ノズル14に燃料又は流体を供給する。その後、ノズルアセンブリ12は、ノズル14、16の各々に燃料を通過させることにより、燃料が外側ノズル16の出口81から排出され、点火装置18の種火64を通過して火炎効果17を生じるようにすることができる。図11は、同様の特徴を有する内側及び外側ノズル14、16の斜視断面図である。
【0036】
他の実施形態が存在することもできる。例えば、1つの実施形態では、ノズルアセンブリ12が1つのノズルしか含まず、ノズルの後部に燃料通路又は流体通路を結合し、ノズルの側壁に一連のさらに小さな燃料通路が入り込んで側壁で終端することができる。従って、これらのさらに小さな燃料通路を通過する燃料又は流体は、ノズル内を通過するノズルの後部からの燃料又は流体の流れに側壁から直接浸入することができる。
【0037】
上述したように、これまでに説明したノズル14、16、120のいずれか1つには、いずれかの可燃性又は不燃性ガスを使用することができ、各ノズル14、16、120に対して燃料源から選択されるこの可燃性又は不燃性ガスは、センサ38によって読み取られた、又は環境要因に関するインターネットシステム37によってプロセッサ30に提供された測定値に基づいて決定することができる。各ノズル14、16、120を通じて加速される特定のタイプのガス(例えば、燃料)は、センサ36及び/又はインターネットシステム38、40によって読み取られた、又は提供された測定値に基づく所望の特性を含むことができる。例えば、上述したように、日中に見える可視的な火炎効果17をもたらすには、ノズル14、16、120のうちの1つにプロパンを選択することができる。清浄度及び/又はコストに関する問題のためには、ノズル14、16、120のうちの1つに天然ガスを選択することができる。具体的には、燃焼する天然ガスは一般に暗闇でも見え、一般に日中にも夜間にも見えるプロパンよりもコスト効率が高く汚染を残さないので、夜間には天然ガスを選択することができる。また、上述したように、ノズル14、16、120のいずれか1つを通じて移動する燃料のうちのいずれか1つの燃料の質量流量(従って、圧力)は、コントローラ28から1以上のシステムアクチュエータ(例えば、制御弁)への出力に起因する動作を通じて増減することができる。
【0038】
なお、これまでに図示した実施形態におけるいくつかの要素は、未だ説明していないいくつかの変形例を含むことができる。例えば、図12に、システム10及びノズルアセンブリ12の基本的実例を提供する概略図を示す。図示の実施形態には、矢印149によって示すそれぞれのガス流路を含む入れ子状のノズルを有するノズルアセンブリ12の複数の構成148を示している。いくつかの実施形態では、第1の構成150によって示すように2つのノズルを実質的に同心状の配向150とすることができ、外側ノズルの出口は、内側ノズルの出口よりもガス流路149に沿って遠くに延びることができる。他の実施形態では、第2の配向152によって大まかに示すように3以上のノズルを実質的に同心状の配向とすることができ、内側から2番目のノズルから最も外側のノズルまでの各それぞれのノズルは、その中で入れ子状になっている1又は複数のノズルの出口よりもガス流路149に沿って遠くに延びる出口を有することができる。さらに他の実施形態では、第3の配向154によって大まかに示すように、複数のノズルを互いに入れ子状にし、いくつかのノズルが整列した出口を有することができる。さらに他の実施形態では、あるノズル内に入れ子状になったノズルが、入れ子状になる対象のノズルよりもガス流路149に沿って遠くに延びる出口を有することができる。本開示によれば、あらゆる配向及び数の入れ子状のノズルをノズルアセンブリ12に使用することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、上述したように、各ノズルが、特定のノズルを通過する高温ガスの加速を促すように先細部分及び末広部分を含む。しかしながら、他の実施形態では、ノズルが、先細部分のみ、末広部分のみ、直線的な壁で囲まれた(例えば、実質的に円筒形の)部分のみ、又は説明した部分の他の何らかの組み合わせを含むこともできる。また、図示の実施形態では、入れ子状のノズルの出口間にオフセットが存在するが、ノズル出口を実質的に整列させることもできる。例えば、2つの内側ノズルが整列した出口を有するが、最も内側のノズルの出口を通り過ぎて延びる出口を有する最も外側のノズルに対してはオフセットされたままにしておくこともできる。
【0040】
さらに、これらのノズルを、挿入体を受け取るように構成し、いずれかのノズルに手動で挿入体を挿入してノズルを定め直すようにすることもできる。例えば、先細部分及び末広部分を含むノズルが、所望の火炎効果17に基づいて先細部分のみを含む挿入体を受け取ることにより、このノズルを一時的に先細部分のみを有するノズルとして定め直すことができる。挿入体を含むノズルは、所望の火炎効果17が先細部及び末広部の両方を含むノズルから恩恵を受けることができたと判断されるまで利用することができ、この時点で挿入体を取り外すことができる。なお、ノズルの初期構成は、先細部分のみ、又は先細部分と末広部分の両方を含むことができ、挿入体も、先細部分のみ、又は先細部分と末広部分の両方を含むことができる。さらに、挿入体は、初期ノズルと同じタイプの部分(例えば、先細部分及び/又は末広部分)を含むことができるが、様々な部分の寸法(例えば、断面積、勾配)は挿入体によって異なることができ、いくつかの条件において(例えば、環境要因に基づいて)何らかの方法で火炎効果17を高めることができる。さらに、上述したように、初期ノズル、挿入体、又はこれらの両方は、直線的な壁で囲まれた(例えば、実質的に円筒形の)部分を含むこともできる。また、様々な異なるノズル及び/又はノズル挿入体をノズル列として設け、燃料流の方向を変え、又はノズル列を操作することによって、使用時と未使用時とで交互に入れ替えることもできる。換言すれば、上述したように各ノズルにとって適切な燃料源及び各燃料源にとって適切な圧力を決定することに加え、自動化コントローラ28が受け取った環境要因に基づいて適切なノズル及び/又は挿入体を決定できる自動化コントローラ28による調整を通じて、ノズルアセンブリ12内に異なるノズル及び/又はノズル挿入体を自動的に配置することもできる。いくつかの実施形態では、上述したコンポーネントのうちの1つ以上を各々が制御する複数のコントローラを使用することができ、各コントローラは、各々が同じ又は異なるセンサ及び/又はインターネットシステムから測定値を受け取った同じ又は異なるプロセッサの指示を受け取ることができる。
【0041】
引き続き図12を参照すると、自動化コントローラ28は、1以上の入力156を含み、又はこれらの入力156に結合することができる。入力156は、センサ38によって測定された環境要因の測定値と、インターネットシステム37によって提供された環境要因の値とを含むことができる。環境要因は、環境の明るさ、火炎の明るさ、環境汚染レベル、火炎のすすレベル、天候、風況、時刻及び/又は湿度を含むことができる。さらに、入力156は、アナログ及び/又はデジタル入力とすることができる。
【0042】
自動化コントローラ28は、1以上のアクチュエータ158を含み、又はこれらのアクチュエータ158に結合して、アクチュエータ158を調整する指示をアクチュエータ158に与えることもできる。アクチュエータ158は、弁、調整器、ポンプ、点火装置、又はシステム10の様々な機構を作動させる他の機構を含むことができる。アクチュエータ158は、ノズルアセンブリ12の上流のアクチュエータ158と、ノズルアセンブリ12の下流のアクチュエータ158とを含むことができる。例えば、ノズルアセンブリ12の上流では、アクチュエータ158が、燃料源20の2以上の燃料タンクに物理的に結合された軸受の周囲で燃料源20を回転させるように構成された回転子を含むことができる。軸受の周囲で燃料源20を回転させることにより、燃料源20の2以上の燃料タンクのうちの1つを、ノズルの1つに通じる導管に流体的に結合することができる。他の実施形態では、異なるタイプのアクチュエータ158を用いて、適切なノズルに適切な燃料タイプを結合することができる。さらに、ノズルアセンブリ12の上流では、アクチュエータ158が、適切なノズルに燃料タイプを送出する際に燃料タイプの圧力(例えば、供給圧)を調整する調整装置を含むことができる。例えば、アクチュエータ158は、特定の圧力でノズルに燃料を圧送するように構成されたポンプを含むことができる。本開示によるノズルアセンブリ12の上流にあるシステム10の他の部分を作動させるための他のアクチュエータ158を含めることもできる。
【0043】
ノズルアセンブリ12の下流では、火炎効果17によって発生したすすが、システム10の近くの1カ所に集中するのではなくシステム10から吹き飛ばされて一定距離にわたって分散するように、アクチュエータ158の1つを、火炎効果17に上向き及び/又は斜めに空気を吹き付けるように構成されたファンとすることができる。いくつかの実施形態では、点火機構18をアクチュエータ158の1つと見なすことができ、自動化コントローラ28は、点火機構18をいつ使用すべきかを判断するように点火機構18を制御することができる。例えば、1つの実施形態では、点火機構18が、ノズルアセンブリ12を通過した燃料が通過する火炎である。自動化コントローラ28は、点火機構18がいつ火炎を燃やし、いつ火炎を燃やさないかを制御することができる。さらに、上述したように、ノズルアセンブリ12の下流のアクチュエータ158のうちの1つは、ノズルアセンブリ12内に適切なノズル又はノズル挿入体を配置できるように、軸受の周囲でノズル列又はノズル挿入体を回転させるように構成された回転子を含むことができる。本開示によるノズルアセンブリ12の下流にあるシステム10の他の部分を作動させるための他のアクチュエータ158を含めることもできる。
【0044】
次の図13は、システム10の動作方法160を示すプロセスフロー図である。方法160は、ノズルアセンブリ12の周囲の環境要因を決定するステップ(ブロック162)を含む。上述したように、ノズルアセンブリ12の周囲の環境要因を決定するステップは、センサ38を介して環境要因を測定するステップと、測定結果を自動化コントローラ28に提供するステップとを含むことができる。さらに、インターネットシステム37を用いて、自動化コントローラ28に環境要因の値を提供することもできる。方法160は、自動化コントローラ28が受け取った環境要因に基づいて、燃料源20からの1又は複数の適当な燃料タイプを内側ノズル14及び外側ノズル16の各々と流体的に結合するステップ(ブロック164)も含む。さらに、方法160は、ノズルアセンブリ12のノズル14、16を通じて、自動化コントローラ28が環境要因に基づいて決定して(例えば、制御弁、調整器、ポンプの自動制御を通じて)調整した適切なそれぞれの圧力で燃料を加速又は通過させるステップ(ブロック166)を含む。さらに、方法160は、点火機構18(例えば、火炎)上を横切って燃料を通過させて火炎効果17を生じるステップ(ブロック168)を含む。
【0045】
本明細書では、いくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の実際の趣旨に含まれる全てのこのような修正及び変更も対象とすることが意図されていると理解されたい。
【符号の説明】
【0046】
10 火炎効果システム
12 ノズルアセンブリ
14 内側ノズル
16 外側ノズル
17 火炎効果
18 点火機構
20 燃料源
22 第1のタンク
24 第2のタンク
26 第3のタンク
28 自動化コントローラ
30 プロセッサ
32 メモリ
34 内側ノズルの流体通路
36 外側ノズルの流体通路
37 インターネットシステム
38 センサ
40 環境
41 バーナーコントローラ
42 内側ノズルのための制御弁
44 外側ノズルのための制御弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13