【課題を解決するための手段】
【0005】
上で定義した目的は、請求項1の特徴を有する組立体モジュール、および請求項18の特徴を有する方法によって達成される。本発明の他の詳細および特徴は、従属請求項、本明細書、および図面から推測され得る。この点において、本発明の組立体モジュールに関連して記載される特徴および詳細は、当然のことながら本発明の方法にも当てはまり、またその逆も同様であるため、相互参照は、常に本発明の個々の態様の開示に対して行われるかまたは行われ得る。
【0006】
本発明の光学センサシステムを有する自動車用の組立体モジュールは、以下のステップを実行するのに適している:
a)ユーザの近接性を検出するために自動車の外に位置する検出領域を監視するステップ、
b)検出領域内でレーザ光閃光を放出するステップ、
c)ユーザによるレーザ光閃光の反射を検出するステップ、および
d)ユーザが検出領域内の事前に定義された作動領域において検出された場合、自動車に対する行動を実行するための信号を発生させるステップ。
【0007】
本発明によれば、組立体モジュールは、自動車に取り付けられ得る。これに関連して、光学センサシステムは、1つ以上のセンサユニットを備えるシステムを指す。これらのセンサユニットを用いて検出領域の光学的監視を行うことができる。例えば、センサシステムは、個々の受光画素を備える光検出器を含んでもよい。このようにして、検出領域の画像、特に2次元画像を生成することができ、また、監視シーケンスの間の個々の画素の変化は、検出領域に進入するユーザに起因すると考えられる。換言すると、今や、検出領域は、純粋に視覚的に、また特に継続的に監視することができる。
【0008】
本発明の文脈において、検出領域は、自動車に隣接してまたは自動車の外に位置する領域であり、そこで、後続の行動についてのユーザの意図が高い確率で予測される。例えば、そのような検出領域は、自動車の後ろに配置されてもよく、テールゲートに関する行動、例えば、テールゲートを開放するという意図を暗示する。また、例えば、運転席側のドアまたは後部ドアの範囲、特にスライディングドアの範囲において、自動車に隣接する対応する検出領域を実現することも可能である。ユーザがこの検出領域に進入すると、これは、ほぼ確実に対応するドアを作動させるという意図を暗示する。
【0009】
本発明によれば、検出領域と作動領域との間には違いがある。作動領域は、検出領域内に配置され、好ましくは、検出領域よりも小さく、具体的にははるかに小さい。そのため、2段階の検出が本質的に実行される。本発明によれば、検出領域は、好ましくは継続的に、したがって常に監視されている。これにより、ユーザがいつ検出領域に進入するかを検出することが可能となる。この時点で、また好ましくはこの時点の後のみに、検出領域内のより小さな作動領域が監視される。換言すると、本発明の光学センサシステムは、検出領域に関して基本的な監視モードにある。事前に定義された作動領域との相関を可能にするために、レーザ光閃光が、この監視モードにおいて、またはユーザの検出領域内への進入に基づいて放出されてもよい。
【0010】
本発明によれば、特に、ユーザに関する距離情報をさらに取得するために、レーザ光閃光の利用は不可欠である。したがって、本発明によれば、レーザ光閃光は、その反射を検出することによって3次元情報を得るために使用することができる。基本的な光学センサシステムが、例えば、光検出器の補助によって動作する一方で、レーザ光閃光は、そのような光検出器の2次元情報に3次元の距離情報を追加することができる。これにより、自動車または組立体モジュールからのその距離に関して検出領域、特に作動領域を画定することが可能となる。
【0011】
記載される3D情報は、レーザ光閃光の利用によって得られてもよい。例えば、この場合、いわゆる「飛行時間」法(TOF)が用いられてもよい。そのような方法において、レーザ光閃光の放出とその反射の受信との間の時間経過が測定される。次いで、光の速度との相関により、この時間差に基づいて距離の計算または距離の決定が実行され得る。結果として、検出領域内または作動領域内での対応するユーザの基本検出が実現され得るだけではなく、この検出は距離情報とも相関される。
【0012】
検出領域および作動領域に関して、本発明のレーザ光閃光の利用は、これらの領域が、もはや自動車の外の表面領域の形態で2次元的に実現される必要はなく、検出領域および作動領域が、検出体積および作動体積の形態でもそれぞれ実現され得ることを意味する。これに関連して、検出領域の体積、および作動領域の体積は、当然のことながら地上から最大の高さまで及び得ることに留意されたい。しかしながら、言うなれば、宙に浮いた検出領域または宙に浮いた作動領域の形態で体積をそれぞれ画定することを可能にする、2つ以上の距離限界を指定することもまた有利であり得る。これは、作動領域内における望ましくない起立状態が、信号の発生に起因する不用意な行動の発生を潜在的に引き起こすことができないことを確実にする。したがって、ジェスチャは、さらにより明確な様式で、認識され、事前に定義され得、また行動を発生させるべきではない他のジェスチャから区別され得る。本発明の方法および本発明の組立体モジュールの機能を、例を参照して以下に簡単に説明する。
【0013】
組立体モジュールが、例えば、自動車のテール範囲に位置する場合、それはテールゲートを自動的に開放するための対応する信号を発生させる役割を果たす。この目的のために、自動車の後ろに位置する検出領域が継続的に監視される。ユーザが前記検出領域に進入すると、これが検出され、例えば、認証ステップが最初に行われ得る。ユーザが、例えば、ズボンのポケットの中に携帯された無線送信キーに基づいて、認証されたユーザであると確認された場合、今度は、作動領域が能動的または受動的に監視され得る。作動領域内でユーザまたはユーザの身体部分が検出された場合、自動車に対する所望の行動を実行するため、すなわち、テールゲートを自動的に開放するための信号が発生される。換言すると、ユーザが最初に検出領域に進入すると、レーザ光閃光の補助によって3次元情報構造の自動車に対する行動を実行するための所望の信号を発生させるために、ユーザまたはユーザの身体部分が作動領域内に移動しなければならない。
【0014】
本発明によれば、方法および組立体モジュールの安全性が著しく増加される。既知の解決法では、例えば、自動車のユーザが対応する無線送信キーとともに自動車の後ろに位置するが、テールゲートを開放する意図を有しない場合、誤った解錠が起こる可能性があった。この場合、ユーザが偶発的に作動領域内に移動する可能性があり、テールゲートを開放するという意図または行動を発生させるという意図が不注意により検出される。本発明のレーザ光閃光の利用により、3D情報は、今度は作動領域、特にその高さをはるかに厳密に限定することができる。このようにして、異なるジェスチャを区別する能力が改善され、今度は前述の誤発生のリスクが著しく低下する。
【0015】
本発明の組立体モジュールの別の利点は、レーザ光閃光の補助による3次元情報の正確な決定は、作動領域に関してのみ必要であるという点に見ることができる。そのため、本発明の組立体モジュールは、特に、レーザ光閃光が事前に定義された作動領域のために連続的に使用されるのではなく、検出領域内でユーザが検出された場合にのみ使用される、2段階の方法を実行することを可能にする。
【0016】
本発明の文脈において、レーザ光閃光は、レーザ光の定義に含まれる任意の形態の波長を指す。レーザ光閃光は、レーザ光が連続的に放出されるのではなく、好ましくは合計で約1秒未満の非常に短い期間のみ放出された場合に認識される。レーザ光閃光は、好ましくは複数回放出されるため、パルスレーザ光閃光とも称され得る。これも同様に、後にさらに詳細に記載される。
【0017】
光学センサシステムまたは全体的な組立体モジュールは、自動車のテール部、例えば、後部窓の後ろ、ハンドル内、標章内、テールライト内、後部反射板の後ろ、バンパー上および/または2つの構成要素間の間隙内に配置されるように設計されてもよい。組立体モジュールは、代替的にまたは付加的に、自動車の側面、例えば、Bピラー内等に取り付けられるのに適していてもよい。このようにして、ユーザが通常自動車に接近する異なる検出領域を光学センサシステムを用いて監視することができる。光学センサシステムまたは全体的な組立体モジュールは、具体的には、光学センサシステムの光を透過させるが、外部からは不透明な層の後ろに隠すことができる。したがって、例えば、光学センサシステムが取り付けられたバンパーは、塗装することができる。
【0018】
光学センサシステムは、好ましくは、ほとんど汚れが生じないように自動車上に配置される。例えば、光学センサシステムは、ウィンドシールドワイパーの拭き取り範囲内の後部窓の後ろ、またはハンドル上に配置されてもよい。組立体モジュールは、代替的にまたは付加的に、光学センサシステムを清掃するための洗浄ノズルを備えてもよい。この場合、洗浄ノズルは、例えば、前部窓および/または後部窓のウィンドシールドワイパーを作動させたときに、光学センサシステムを自動的に清掃し得る。汚れのない光学センサシステムの動作は、より低い光強度を必要とし、それによってエネルギーの節約も達成され得る。
【0019】
放射光の強度は、周囲光の輝度に依存し得る。周囲光の輝度は、輝度センサによって決定することができる。
【0020】
作動領域の監視中に異なるユーザの意図が検出され得る場合、異なるジェスチャを異なるユーザの意図に割り当てることができる。例えば、作動領域内に足を踏み入れることによりテールゲートを開放させることが可能であり、光学センサの近くにおける手の横移動によりトレーラーヒッチを拡張させる。
【0021】
信号を利用可能にするために、作動領域からの物体の除去は、事前に定義された除去期間内に行われなければならないと考えられる。事前に定義された除去期間内での物体の除去は、ジェスチャの一部であってもよい。除去期間の開始は、ユーザによって知覚され得る。例えば、表示要素は、いくつかの照明状態をとることができる。照明状態のうちの1つにおいて、そのような表示要素は一定の輝度の光を放出してもよい。別の照明状態において、例えば、輝度が周期的に変化し得る。作動期間の開始時に、例えば、表示要素は一定の輝度の光を放出してもよい。表示要素は、除去期間中に点滅してもよい。物体、具体的にはユーザの身体部分が、除去期間内に作動領域から除去された場合にのみ、信号が利用可能となる。
【0022】
組立体モジュールおよび/または自動車は、信号を発生させるために、作動領域においてユーザがユーザの意図を表現しやすくする少なくとも1つの手段を備えてもよい。
【0023】
例えば、組立体モジュールは、作動期間がまもなく終了することを示す情報信号を放出してもよい。情報信号は、例えば、表示要素の照明状態の変化とともに開始し得る。情報信号は、表示要素の別の照明状態に対応し得る。例えば、表示要素は、作動期間の終了時に点滅してもよい。この手段は、監視ユニットにおける対応する手順の仕様に対応する。
【0024】
ユーザの意図を表現するために、ユーザを作動領域に誘導することも有用であり得る。これは、特に、ユーザが大きな物体を運んでおり、したがって地面の上の作動領域の端部をもはや知覚することができない場合に当てはまる。この目的のために、組立体モジュールおよび/または自動車は、ユーザによって知覚され得る信号、具体的には、可視、可聴、または触覚信号を生成するための手段を備えてもよい。例えば、組立体モジュールは、LED等のランプを備えてもよい。ランプは、それらが指標として機能するように配置することができる。ランプは、例えば、作動領域へと続く印が地面の上に生成されるように整列させてもよい。ランプは、代替的にまたは付加的に、互いに隣接して配置されてもよい。ランプは、ユーザが作動領域に到達するために移動しなければならない方向を示すシーケンスで起動することができる。ランプの代わりに、自動車において互いに隣接して配置された既存の光要素、例えば、ヘッドライトのランプ、ブレーキ灯、方向指示器等も、この目的のために使用され得る。同様に、ユーザに、必要とされる移動方向の音響的な可聴命令を提供することも考えられる。この場合、組立体モジュールは、ラウドスピーカーを備えてもよい。ID送信機に方向転換を通知することがさらに考えられ、その場合、ID送信機は、ユーザに対応する方向を指し示すために異なる振動を生成する。ユーザに方向転換が通知されると、光学センサシステムは、ユーザの位置、およびユーザが作動領域に到達するために移動しなければならない方向を決定し、その後、知覚可能手段に対応する信号を放出するよう指示する。
【0025】
作動領域の位置および/または作動期間の長さが可変であることも、ユーザにとって同様に有用であり得る。これは、身体的に障害のあるユーザがユーザの意図を表現することを望む場合に特に有用である。これは、ユーザにとって望ましくない位置に作動領域が配置された場合にも、同様に有用である。この望ましくない位置は永久的であり得る。例えば、作動領域は、トレーラーヒッチ上で終端し得る。代替として、例えば、作動領域が水たまりで終端しているため、望ましくない位置は、固有の信号発生プロセスにとってのみ望ましくない場合がある。事前に定義されたユーザの行動は、作動領域の位置および/または作動期間の長さを変更するために特に必要とされ得る。例えば、ユーザは、例えば、自動車の制御ユニットまたはID送信機の、ユーザメニュー内の対応する入力によって作動領域の位置および/または作動期間の長さを変更することができる。事前に定義されたユーザの行動は、代替として光学センサシステムによって検出されてもよい。別の代替例において、組立体モジュールは、学習モードに移行させることができ、その場合、組立体モジュールは、変更された作動領域の位置および/または変更された作動領域の長さを学習する。
【0026】
ユーザの意図を検出し、それによって第1の作動期間が経過した後、ユーザの意図を検出することなく動作信号を発生させるために、作動領域を新たに監視することもユーザにとって同様に有用であり得る。これは、ユーザが注意散漫であり、時間内に作動領域に到達しなかった場合、またはユーザが正しいジェスチャを行わなかった場合に特に有用である。したがって、複数回、具体的には2回または3回、作動領域を継続的に監視することが考えられる。作動領域の反復監視は、自動的に開始することができる。代替として、別の作動期間の間、新たに作動領域を監視するために、事前に定義されたユーザの行動が必要である場合がある。これは、例えば、静電容量センサがユーザに応答するという点において達成されてもよい。代替として、事前に定義されたユーザの行動は、光学センサシステムによって検出されてもよい。
【0027】
例えば、光学センサシステムによって検出され、ユーザの意図を検出するために作動領域の位置および/または作動期間および/または作動領域の反復監視に変化をもたらす事前に定義されたユーザの行動は、以下のユーザの行動のうちの1つからなってもよい:ユーザの身体部分を前後に動かす等の作動および/または検出領域内における事前に定義された身振り、身体部分の除去が予想されている場合はその非除去、あるいは、検出および/もしくは作動領域内へのならびに/または検出および/もしくは作動領域からのユーザの移動。身体部分は、具体的には手または足であってもよい。また、ユーザが、事前に定義された期間の間検出領域を出て、その後、検出領域に再び進入するということも考えられる。
【0028】
表示要素はまた、ユーザの意図を検出するために、いつ作動領域が新たに監視されるかを示す。表示要素は、同様に、いつ作動領域の位置が変更されるのかを示す。この目的のために、表示要素は、いくつかのランプ、例えば、LEDを備えてもよい。1つ以上のランプは、それぞれ、作動領域を少なくとも部分的に可視化する。位置が変更された作動領域は、好ましくは検出領域内に位置する。監視されている作動領域に依存して対応する画素が評価される。
【0029】
ID送信機の位置は、認証の最中または後、および信号が発生される前に、確認され得る。これは、ID送信機によって放出された信号の強度を決定することによって実現することができる。例えば、受信信号強度表示(RSSI)が、この目的のために使用されてもよい。放出信号の強度の決定により、ユーザが自動車の前に位置しているか、自動車の隣に位置しているか、または自動車の後ろに位置しているかどうかを確認することが可能となる。このようにして、承認されたユーザ自身のみが検出領域に到達し、作動領域内でユーザの意図を表現したことを確実にすることができる。周期的にRSSIに問い合わせを行うことが考えられる。
【0030】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムは、検出領域内でユーザが検出された場合にID送信機と自動車のアクセス制御システムとの間で認証チェックを開始するための信号を発生させるように、また認証の結果が正であった場合にステップb)〜d)を実行するように設計された場合、有利であり得る。これは、本発明のセンサシステムが、認証されたユーザが実際に検出領域内に位置する場合にのみ、レーザ光閃光の補助によりその決定的な発生ステップを実行することを意味する。それによって、認証された人物が実際に検出領域内の対応する場所に位置する場合のみ、レーザ光閃光を放出するための高いエネルギー需要が生じることが確実になる。この実施形態では、自動車が施錠されている場合にのみ認証ステップを実行することは当然可能である。したがって、解錠された自動車内では、例えば、前部座席の乗車者またはズボンのポケットの中に無線送信機モジュールを持っていない人物も、対応する行動を発生させることができる。
【0031】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムは、検出領域内でユーザが検出されなかった場合にステップb)〜d)を阻止するように設計された場合、さらに有利である。代替として、検出領域内でユーザが検出された場合、ステップb)〜d)は、当然、能動的に許可されてもよいかまたは実行されてもよい。これらの2つの変形例は、具体的に、エネルギー需要が著しく減少され得ることを明確にしている。本発明による誤発生リスクの削減を達成するために必要とされる正確な決定は、ユーザが実際に検出領域内に位置する場合にのみ実行される。検出領域を監視するための低いエネルギー需要は、長期の駐車状況の間に特に維持され得、その場合、例えば、空港の駐車場に数日間または数週間自動車が位置し得る。したがって、レーザ光閃光を生成するために必要とされる高いエネルギー需要は、この継続的な監視の間は回避され、ユーザが実際に検出領域内で検出された場合にのみ生じる。この実施形態は、具体的には前段落の認証チェックと組み合わせられる。これによって、人物が検出領域を通って移動する度にレーザ光閃光のための高いエネルギー需要が生じるのを回避する。それによって、組立体モジュールの連続動作のためのエネルギー需要がさらに減少する。
【0032】
本発明によれば、本発明の組立体モジュールの光学センサシステムは、赤外領域の波長、具体的には905nm+/−約10nmの領域の波長のレーザ光閃光の放出のためのエミッタユニットを備える場合、さらに有利である。赤外領域の波長のレーザ光閃光は、人間の目には不可視であるという利点を有する。例えば、駐車場における光効果は、それによって回避される。ユーザによる視覚的知覚が生じず、したがってセンサシステムが効果的に不可視であるため、この実施形態もまた有利である。最後に重要なこととして、赤外領域のレーザ光閃光の利用は、周囲光とは関係なく動作することを可能にする。この点において、散乱した周囲光および日光の反射からより明確にかつ良好に区別され得るため、赤外領域もまた有利である。レーザ光閃光が放出される領域は、具体的には、できる限り狭く定義された波長ピークの形態で実現される。このようにして、放出され、反射したレーザ光閃光も、光学センサデバイスによる全反射として認識される広いスペクトルから、容易に、特にコンピュータによって除去することができる。
【0033】
異なる波長の光も同様にエネルギーを節約することが可能である。例えば、検出領域の監視は、ユーザの検出に関する他の要件の後続のチェックよりも長い波長の光を用いて行われる検出領域における任意の物体の固有の検出次第であってもよい。例えば、905nmの波長の光が最初に用いられてもよい。検出領域内で物体が検出されると、例えば、800nmの波長の光が用いられてもよい。代替として、波長は、物体が遠方ゾーンが近方ゾーンに移動するにつれてより短くなってもよい。
【0034】
別の利点は、本発明の組立体モジュールの光学センサシステムが、光学フィルタ、具体的には、放出されたレーザ光閃光および/またはレーザ光閃光の反射を光学的に除去するための赤外線フィルタを備える場合に達成され得る。この光学フィルタは、エミッタユニット上にのみ、または受信機ユニット上のみにそれぞれ提供されることが好ましい。これにより、前段落に記載されるように、レーザ光パルスの波長スペクトルにおいて放出ピークの幅を減少することが可能となる。結果として、放出されたレーザ光閃光は、その後、簡素化された、特にコンピュータによる様式で、広い反射スペクトルを特異的に除去することができる。対応するフィルタは、当然、関連する受信機ユニット上でも使用され得る。そのような光学フィルタは、放出されたレーザ光閃光の波長に対するスペクトルの幅を減少することが可能であるため、レーザ光閃光のための、より単純な、特により費用効率の高い光源を使用することが可能である。
【0035】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムが、放出されたレーザ光閃光および/またはその反射を偏光するための少なくとも1つの偏光子を備える場合も、同様に有利である。この偏光子は、前段落に記載される対応する光学フィルタの機能に類似する機能を満足させ得る。この場合、受信された広い反射スペクトルのレーザ光閃光の反射したレーザ光の、より単純で、より迅速な、特に、純粋にコンピュータによる分析を後に実行するために、レーザ光閃光の放出されたレーザ光も、より詳細に特定することができる。この場合、偏光子は、エミッタユニット上、および受信機ユニット上に、またはこれら両方のユニット上に配置されてもよい。
【0036】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムは、十分に高い強度を有する検出領域の境界を供給するために、放出されたレーザ光閃光の強度のガウス分布を拡大するための光学システムを備える場合、さらに有利である。換言すると、放出されたレーザ光閃光の分散は、好ましくは均一である。レーザ光閃光が検出領域内に放出されるため、この監視ステップまたはこの一貫性ステップの外側境界が画定され得る。これらの外側境界は、好ましくは、既に上述した、検出領域よりも小さい、事前に定義された作動領域の外側境界と一致する。これらの外側境界は、意図される作動と意図されない作動との区別を行う役割を果たす。これらの縁部またはこれらの境界に向かってガウス分布が均一であるため、これがレーザ光閃光による3次元情報の検出中に作動領域の縁部または境界において厳密に区別された様式でも機能することが保証される。この点において、このレーザ光線の広がりは、均一化効果に対して純粋に幾何学的であるということに留意されたい。この場合、周波数ピークの幅は明確に広がらない。
【0037】
別の利点は、本発明の組立体モジュールの光学センサシステムが、円筒形または本質的に円筒形の構造形状を有する場合に達成され得る。これは、自動車の中または上に非常に容易に配置することができる特に小型の設計をもたらす。例えば、この構造形状の円筒軸の位置合わせは、好ましくはレーザ光閃光の放出方向または他の放出方向と相関している。その結果、本発明の効果のための組立体モジュールの所望の有利な位置合わせが、組立体モジュール、またひいては光学エミッタユニットの組み立て中に、容易にかつ確実に実現され得る。
【0038】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムが、検出領域および/または作動領域と放出されたレーザ光閃光との重畳、具体的には完全な重畳のために設計された場合も、同様に有利である。これは、検出領域全体、または好ましくはレーザ光閃光と重畳されている作動領域全体のみを指している。このことは、さらなる距離情報の形態における本発明の3D情報の品質が、検出領域全体または作動領域全体のためにそれぞれ入手可能であることを確実にする。これに関連して、センサシステムの対応するエミッタユニットが、レーザ光閃光の放出のために好ましくは円錐状の開口部を提供するということにこの場合も留意されたい。体積範囲の形態であるこの光の円錐も、それに応じて、作動体積または作動領域、および検出体積または検出領域の関連する体積範囲に重畳する。
【0039】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムは、レーザ光閃光の放出のためのエミッタユニットを有する制御装置を備え、その場合、エミッタユニットは、その放出方向が具体的には約30度よりも大きい角度で水平線に対して鋭角となるように位置合わせされる場合、さらに有利である。この角度は、具体的には下向きに方向付けられる。高い強度を有するレーザ光閃光は、典型的にはそのような実施形態に使用されるため、この下向きの位置合わせは安全性の確保に関連する。さらに、それによって、ユーザの目に損傷を与えるレーザのクラスをそれらの強度に関して定義するエネルギーを使用することも可能である。放出方向の下向きの位置合わせに起因して、そのような光学システムの使用中にレーザ光が人の目の中に入るリスクが著しく低下され得る。放出方向は、好ましくは、地面の上、または地面の範囲内、または地面のやや上にそれぞれ配置された作動領域に同時に向けられる。側面ドアが監視される場合、ドアハンドルの範囲内で対応する光学的監視が行われてもよい。
【0040】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムは、光閃光の放出とユーザによるレーザ光閃光の反射の検出との間の時間差を評価することによって、光学センサシステムからのユーザの距離を決定するための制御装置を備える場合、さらに有利である。前述のTOFによる決定は、特にこの目的のために使用される。この場合、レーザ光閃光が放出される点が最初に決定される。この後、光学システムの対応する受信機ユニットによって、ユーザによるレーザ光閃光の反射が知覚される点が決定される。これら2つの点の間の時間差を最終的に決定することができる。時間差は光の速度と相関しており、したがってユーザからの実際の距離を決定するために用いられる。このようにして、検出領域内または作動領域内におけるユーザの幾何学的な位置に関する3次元情報を得ることができる。それによって、特に、これらの3次元においてユーザまたはユーザの身体部分の正確な座標を測定することさえも可能である。
【0041】
本発明の組立体モジュールにおいて、自動車に対する以下の行動:
自動車のテールゲートを開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車のスライディングドアを開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車の側面ドアを開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車の窓を開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車のボンネットを開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車の燃料タンクの蓋を開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車の補助加熱システムを起動するおよび/または解除すること、
自動車の窓加熱システムを起動するおよび/または解除すること、
自動車のライト機能を起動するおよび/または解除すること、
自動車のサイドミラーを折り畳むおよび/または元に戻すこと、
自動車のアラームシステムを起動するおよび/または解除すること、
自動車におけるユーザ固有の設定、具体的には運転席の設定を調整すること、
トレーラーヒッチを格納するおよび/または拡張すること、
のうちの少なくとも1つを実行するために信号が発生される場合、さらに有利である。
【0042】
しかしながら、上記リストは決定的ではない。それぞれの物体、すなわち、テールゲート、スライディングドア、側面ドア、窓、ボンネット、または対応するスライディングルーフは、好ましくは自動的に開放および/または閉鎖され得る。例えば、自動車のユーザは、今や対応するジェスチャによって、自動車のテールゲートを能動的に開放または閉鎖することができる。本発明によれば、自動車のスライディングドアまたは側面ドアも、そのように設計された組立体モジュールを用いて、自動的に、したがってモータ駆動様式で開放および閉鎖することができる。これは、窓、スライディングルーフ、ボンネット、または燃料タンクの蓋のモータ駆動動作にも同様に当てはまる。行動は、当然、自動車の他の機能にも割り当てられ得る。これは、例えば、補助加熱システムの起動および解除を制御または調整することに関与し得る。冬季には、対応する窓加熱システムを自動車の外から起動することもできる。ユーザが現在位置する領域内に改善された照明を提供するライト機能でさえも、本発明の組立体モジュールを用いて起動または解除することができる。自動車のサイドミラーは、自動車を駐車する前または後に、本発明の組立体モジュールを用いて自動的に折り畳むことおよび元に戻すことができる。さらに、本発明の組立体モジュールの補助により、自動車のアラームシステムを制御することができる。最後に重要なこととして、ユーザ固有の設定、例えば、運転席の設定等を、本発明の組立体モジュールによって事前に調整することができる。
【0043】
本発明の組立体モジュールの光学センサシステムは、ステップa)を実行するための検出ユニットと、ステップb)を実行するためのエミッタユニットと、ステップc)を実行するための受信機ユニットと、ステップd)を実行するための評価ユニットとを有する制御装置を備える場合、さらに有利であり得る。このようにして、本発明の光学センサシステムによって実行される方法のすべてのステップは、制御装置の対応するユニットを用いて実行することができる。個々のユニットは、当然、組み合わせられてもよい。例えば、受信機ユニットと検出ユニットとを組み合わせて、単一のセンサユニットの形態として実現してもよい。異なる種類の光のための二重センサユニットも提供され得る。
【0044】
前段落による組立体モジュールは、エミッタユニットが、レーザ光閃光の放出のため、具体的には複数のレーザ光閃光の連続パルス放出のための、少なくとも1つのレーザ光源を備えるように改良することができる。このようにして、今度は、単一の位置だけではなく、作動領域に対するユーザの3次元動作に関する詳細な情報を取得することも可能となるため、本発明の組立体モジュールのさらなる改善が達成される。この場合、レーザ光閃光は、例えば、レーザダイオードによって放出されてもよい。これに関連して、各対応するレーザ光源が1つ以上のレーザダイオードを備えてもよい。パルス放出は、好ましくは1秒当たり20以上のレーザ光閃光の周期で行われる。
【0045】
少なくとも1つのレーザ光源が受信機ユニットに隣接して配置された場合、さらに有利であり得る。いくつかのレーザ光源が提供される場合、これらすべてのレーザ光源は、具体的には受信機ユニットの周りに均一に分布される。それによって均一な照明を達成することができる。エミッタユニットおよび受信機ユニットは、好ましくは互いに近接して配置されるため、前述のTOF測定において、エミッタユニットおよび受信機ユニットの放出方向と受信方向との間の角度は無視することができる。
【0046】
本発明の組立体モジュールのエミッタユニットは、検出領域内、具体的には作動領域内に配置された焦点に集まる少なくとも2つの放出方向に沿ってレーザ光閃光を放出するように設計された場合、さらに有利であり得る。したがって、検出領域内の焦点においてのみ所望の反射に必要なエネルギーに達するように、これらのレーザ光閃光は、それぞれ、少ないエネルギーで個々に放出することができる。この焦点は、点状で、または検出領域内の体積要素の形態で実現され得る。そのような焦点の体積要素は、好ましくは作動体積の形態で作動領域以下である。
【0047】
レーザ光閃光が、本発明の組立体モジュールにおいて検出領域よりも小さい作動領域内に放出され、検出領域内で実現される場合も、同様に有利である。このように、作動領域をレーザ光閃光と相関させることにより、検出領域の不要な範囲におけるレーザ光閃光を用いた正確な3次元監視をもはや行わなくてよい。今やレーザ光閃光の使用は必要とされる作動領域のみに限定されるため、これはエネルギー需要を特に減少させる。
【0048】
本発明は、同様に、自動車に対する行動を実行するために信号を発生させるための方法にも関し、前記方法は、以下のステップ:
a)ユーザの近接性を検出するために自動車の外に位置する検出領域を監視するステップ、
b)検出領域内で光閃光を放出するステップ、
c)ユーザによるレーザ光閃光の反射を検出するステップ、および
d)ユーザが検出領域内の事前に定義された作動領域において検出された場合、自動車に対する行動を実行するための信号を発生させるステップ、を含む。
【0049】
本発明の方法は、具体的には本発明の組立体モジュールの動作を意図する。したがって、本発明の方法は、本発明の組立体モジュールに関連して上で明確に述べたものと同じ利点を提供する。
【0050】
本発明の他の利点、特徴、および詳細は、図面を参照して本発明の例示的な実施形態がより詳細に記載される以下の説明からから推測され得る。この点において、特許請求の範囲および本明細書に開示される特徴は、それぞれが、個々に、または任意の組み合わせにおいて、本発明に不可欠であり得る。