特許第6557265号(P6557265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557265
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】音低減オストミーバッグ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20190729BHJP
【FI】
   A61F5/445
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-572888(P2016-572888)
(86)(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公表番号】特表2017-511740(P2017-511740A)
(43)【公表日】2017年4月27日
(86)【国際出願番号】DK2015050039
(87)【国際公開番号】WO2015131905
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2018年2月19日
(31)【優先権主張番号】PA201470105
(32)【優先日】2014年3月4日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】516265425
【氏名又は名称】ブラント、ヨルゲン−ウルリック
【氏名又は名称原語表記】BRANDT,Joergen−Ulrik
(73)【特許権者】
【識別番号】516265436
【氏名又は名称】ヨルゲンセン、ティナ
【氏名又は名称原語表記】JOERGENSEN,Tina
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブラント、ヨルゲン−ウルリック
(72)【発明者】
【氏名】ヨルゲンセン、ティナ
【審査官】 井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0010580(US,A1)
【文献】 実開平04−099915(JP,U)
【文献】 特開2005−198817(JP,A)
【文献】 特開平01−238780(JP,A)
【文献】 米国特許第05733271(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0147114(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44 − A61F 5/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音低減手段を備えるオストミーバッグ・アセンブリ(1)であって、
開口部を介して身体老廃物を受承するためのバッグ(2)と、
前記バッグの前記開口部に配置される音低減装置(3)と、
患者の身体に前記アセンブリを固定するためのフランジ(4)であって、身体老廃物を前記バッグの前記開口部に受承可能とする孔を備えるフランジ(4)とを備え、
前記音低減装置は、近位側薄膜(3a)および遠位側薄膜(3b)から構成され、両薄膜は互いに接しており、前記バッグの前記開口部を閉鎖し、前記近位側薄膜(3a)は前記孔に面し、前記遠位側薄膜(3b)は、前記バッグのルーメンに面し、前記近位側薄膜(3a)および前記遠位側薄膜(3b)は1つ以上の開口を備え、前記近位側薄膜(3a)における任意の開口は前記遠位側薄膜(3b)における任意の開口に対してずらして並べられ、これにより、圧力勾配が前記近位側薄膜(3a)および前記遠位側薄膜(3b)上に確立されるまで、前記開口部を介した老廃物の移動が阻止され、これにより、前記遠位側薄膜(3b)は、前記バッグ(2)の前記ルーメンに強制的に向かわされ、これにより、前記近位側薄膜(3a)および前記遠位側薄膜(3b)の前記開口を通して通路が確立されることを特徴とするオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記薄膜は円盤状に形成され、前記開口部は円形であることを特徴とする請求項1に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記薄膜(3a、3b)は、前記開口部に接着されるか、チューブの一端が前記開口部に取り付けられ、これにより前記薄膜(3a、3b)は前記チューブの他端に接着されることを特徴とする請求項1または2に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記薄膜(3a、3b)は、シリコーン、ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリプロピレン、およびPVCから成る群から選択される材料ベースであることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記近位側薄膜(3a)は同薄膜の外周部に1つ以上の開口を備え、前記遠位側薄膜(3b)は、同薄膜の中央部に1つ以上の開口を備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記近位側薄膜(3a)は3つの開口を備え、前記遠位側薄膜(3b)は1つの開口を備えることを特徴とする請求項5に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記近位側薄膜(3a)における前記開口の面積は、前記近位側薄膜(3a)の総面積の10乃至40%を構成し、前記遠位側薄膜(3b)における前記開口の面積は、前記遠位側薄膜(3b)の総面積の5乃至30%を構成することを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記近位側薄膜(3a)における前記開口の前記面積は、前記近位側薄膜(3a)の前記総面積の15乃至25%を構成し、前記遠位側薄膜(3b)における前記開口の前記面積は、前記遠位側薄膜(3b)の前記総面積の10乃至20%を構成することを特徴とする請求項7に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記薄膜(3a、3b)は前記オストミーバッグの前記ルーメン内に半球状に突出することを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【請求項10】
前記遠位側薄膜(3b)は前記近位側薄膜(3a)よりも弾性を備えていることを特徴とする請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載のオストミーバッグ・アセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は身体老廃物を受承するためのバッグを備えた使い捨てのオストミーバッグ・アセンブリに関する。より詳細に、本発明は音低減手段を備えるオストミーバッグ・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
外科術後、回腸造瘻のような人工の排泄用の開口部を外科的に構成した患者や、人工肛門形成患者は、身体老廃物を収集するために回腸造瘻/結腸瘻バッグ(集合的にオストミーバッグと呼ぶ)を使用する。これらの身体の老廃物は、気体、液体、および固体を含む。老廃物は半固体の便である。ユーザによる処理を最小限にして、収集された物質を配置することがいずれの場合も望ましい。オストミーバッグが使用後に、および配置される前に患者から取り外される際に、オストミーバッグから漏れる望ましくない臭いを回避することが更に望ましい。
【0003】
いくつかのバッグは多用途の目的のために構成され、通常、外科患者は、日中収集バッグを何度も空にしなければならないことが分かる。所与の収集バッグには、老廃物排出孔がこのように取り付けられ、この排出孔を通して、人工の排泄用の開口部から収集される老廃物を放出することができる。任意の所定の日に6回乃至10回、これらのバッグを空にすることは珍しくない。収集バッグは、新しいバッグに交換される前に多くの連続する日にわたって典型的に着用されるであろう。収集バッグが収集する物質の所定の性質により、そのような収集バッグは、プラスチック材料から通常形成される。
【0004】
しかしながら、一旦瘻孔が適所に配置されると、食物の消化によって生成されたガスが瘻孔の背面で増し、圧力が瘻孔開口部に対して大きすぎてガスの解放を阻止できなくなると、ガスは、連続する一連の緊密にリンクしたガス気泡で瘻孔を介して漏れ、これにより瘻孔は迅速に開閉される。瘻孔の迅速な開閉により可聴ノイズが生ずる。ユーザは、これに関連付けられる瘻孔からのガスの抜けや雑音を制御する方法を有さないため、この鼓腸は課題となり得る。加えて、雑音は、しばしば人工形成肛門を有する人を当惑させる場合がある。
【0005】
瘻孔から放出する臭気のような他の課題の管理の開発が行われているが、瘻孔から出る雑音の制御に対しては、ほとんど効果的には行われていない。開発されている一音低減装置は、瘻孔バッグを受承するように構成される織られた小バッグを含む。しかしながら、小バッグは、バッグの位置を保持するためにベルトなどの更なるハードウェアの使用を要求する。不運にも、ハードウェアの材料が典型的に圧力下に保持されると、更なるハードウェアの使用は顕著かつ不快となり得る。日中、ヒトが更なるハードウェアによって引き起こされる刺激から解放されることは困難であり、ヒトは、ハードウェアを取り払うために家庭などプライベートな状態にあるまで待つ必要がある。これは、多くの場合、装置がかさばっていて、完全にヒトを包囲し、衣類の下に配置されることによる。更に、音低減に使用されるいくつかのバッグは織られた材料から形成されるが、雑音の低減に十分であるとは言い難い。
【0006】
特許文献1は、鼓腸から生じる雑音を低減する方法を開示する。特許文献1は、瘻孔を使用して結腸に挿入される多孔性物質から形成される横長の装置を開示する。装置は、ガスがいかなる圧力増加およびこれによる雑音の生成を伴うことなく装置および瘻孔を通り抜けることができるように、瘻孔を開放した状態に保持するように作用する穴を有する。しかしながら、排泄物が通過するときは常に装置は瘻孔から押し出され結腸瘻バッグに押し込まれる。これは多くの短所となり、例えば、排泄物の通過後に、装置はもはや瘻孔になく、これにより患者はガスの蓄積、およびこれによる上述した雑音に対して脆弱である。これに代えて、バッグ内に放出された装置を腸の端部内に手で再挿入可能であることが示唆される。しかしながら、これは必ずしも便利であるとは限らない。
【0007】
特許文献2は、外科的に形成される腹部の瘻孔から出る雑音を低減させる手段を開示する。音低減手段は、音を低減する材料から形成される雑音抑制器を含み、これはヒトの体壁を通して形成される瘻孔を受承するとともに包囲するような、所定の寸法および形状で適切な開口部および凹部を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4406657号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2011−147114号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ガスが瘻孔を出る際、雑音によって引き起こされる妨害を低減するための改善された手段が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、新しい音低減手段を提供することにより瘻孔雑音に関連付けられる周知の課題を解決する。以上により、本発明は音低減手段を備えるオストミーバッグ・アセンブリ(1)を供給する。オストミーバッグ・アセンブリ(1)は、・開口部を通して身体老廃物を受承するためのバッグ(2)と、・バッグの開口部に位置される音低減装置(3)と、・患者の身体にアセンブリを固定するためのフランジ(4)とを備え、音低減装置は、近位側薄膜(3a)および遠位側薄膜(3b)から構成され、遠位側薄膜(3b)は近位側薄膜(3a)よりも弾性を備え、これらの薄膜は互いに接しており、バッグの開口部を閉鎖し、近位側薄膜(3a)は孔に面し、遠位側薄膜(3b)は、バッグのルーメンに面し、近位側薄膜(3a)および遠位側薄膜(3b)は1つ以上の開口を備え、近位側薄膜(3a)における任意の開口は遠位側薄膜(3b)における任意の開口に対してずらして並べられ、これにより、圧力勾配が近位側薄膜(3a)および遠位側薄膜(3b)上に確立されるまで、開口部を介した老廃物の移動が阻止される。従って、遠位側薄膜(3b)は、バッグ(2)のルーメンに強制的に向かわされ、これにより、近位側薄膜(3a)および遠位側薄膜(3b)の開口を通して通路が確立される。
【0011】
好ましい実施形態では、薄膜は円盤状に形成され、開口部は円形である。薄膜(3a、3b)は、好ましくは開口部に接着されるが、薄膜を取り付ける溶接および他の方法も考えられる。
【0012】
薄膜(3a、3b)は好ましくは弾性を備え、特に所定の圧力が瘻孔を出るガスによって確立される場合、遠位側薄膜(3b)は、バッグ・ルーメンの方向に拡大するために好ましくは弾性を備える。近位側薄膜(3a)は特に弾性を備える必要はない。薄膜は、シリコーン、ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリプロピレン、およびPVCからなる群から選択される材料ベースである。
【0013】
近位側薄膜(3a)は、好ましくは薄膜の周囲部に1つ以上の開口を備えるが、遠位側薄膜(3b)は、薄膜の中央部に1つ以上の開口を備える。本発明の特に好ましい実施形態では、近位側薄膜(3a)は3つの開口を備え、また、遠位側薄膜(3b)は1つの開口を備える。
【0014】
近位側薄膜(3a)における開口の面積は、通常近位側薄膜(3a)の総面積の10乃至40%を構成する。また、遠位側薄膜(3b)における開口の面積は、通常遠位側薄膜(3b)の総面積の5乃至30%を構成する。しかしながら、好ましい実施形態において、近位側薄膜(3a)における開口の面積は、近位側薄膜(3a)の総面積の15乃至25%を構成し、遠位側薄膜(3b)における開口の面積は、遠位側薄膜(3b)の総面積の10乃至20%を構成する。
【0015】
好ましい実施形態では、薄膜(3a、3b)は、オストミーバッグのルーメン内に半球状に突出する。このように、遠位側薄膜(3b)上の張力は、近位側薄膜(3a)上に作用する張力よりも高く、これは、開口を介した通路(および後の閉鎖)の正確な確立において重要である。張力の差により、望ましくない振動が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】薄膜がバッグのルーメンに向かって半球状に延びる、本発明のオストミーバッグ・アセンブリを示す図。
図2】互いに分離された場合における近位側薄膜(3a)および遠位側薄膜(3b)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に従って、用語「瘻孔」は任意の外科的に形成される開口部を示すものといえる。瘻孔は、外部環境に体腔の一部を接続する。典型的には、瘻孔は、瘻孔が形成される瘻造設処置の所定の形態を経験したオストメイトの腹壁に設けられる(これにより、老廃物による瘻孔の通過、あるいは瘻孔を介した排出が可能となる)。
【0018】
用語「瘻造設処置」が身体老廃物の排出用の瘻孔を形成する任意の外科的処置を示すことを当業者は理解するであろう。瘻造設処置は、多くの症状の結果、あるいは多くの症状により行われる。取り払われる腸の部分の量および部位に応じて、異なるタイプの瘻造設術が行われることが理解されるであろう。例えば、結腸(大腸)の一部が腹壁の表面に移動される場合、人工肛門形成が行われ、これにより大便が除去可能である。開口部が大便除去のために結腸を迂回するように小腸に形成される場合、回腸瘻孔設置術が行われる。小腸のもっとも下の部分である回腸の端部は、腹壁を通して瘻孔を形成するように移動され、これは、回腸瘻孔設置術と呼ばれる。回腸瘻孔設置術は潰瘍性大腸炎、クローン病、あるいは家族性ポリポーシスにより行われる。
【0019】
用語「オストミーバッグ」が瘻造設処置の結果迂回された生物システム(結腸、回腸、空腸など)からの老廃物の収集のための手段となるオストミー小バッグシステムあるいは装置を示すことが、当業者によって更に理解されるであろう。オストミー装置あるいはバッグは、時に「アセンブリ」とも呼ばれる。そのようなオストミー装置やアセンブリは本技術において周知であり、ウエハーあるいはフランジとも呼ばれるとともに気密または防水のシールの接着剤で皮膚に取り付けられる取付板、および取付フランジに機械的に取り付けられる収集小バッグを通常含む。フランジは皮膚に取り付けられる。また、フランジは、瘻孔と連通する開口部を有する。オストミー装置の収集小バッグは、小バッグが取付板に連結される(例えば、小バッグと取付板との間に気密および防水のシールを形成するように連結される)と、瘻孔から出るか解放される物質(例えば、固体、液体、および気体の老廃物)が収集小バッグに収集されるように機能する開口部を更に有する。従って、手術では、オストミー装置により、瘻孔は収集小バッグに流入可能であり、また、周囲の皮膚が汚染から保護される。一体的および2つの部分からなる構造体を含む多くの異なるオストミー装置構造体が、当業者に周知であることが理解されるであろう。2つの部分の構造体により、数日間ウエハー/ベースプレートを保持しつつ複数の小バッグの交換および使用が可能である。システムの選択は、個人間で大きく変わり、個人的好みおよびライフスタイルにしばしば基づく。作動において、オストミー装置により、オストメイトがスポーツおよびレクリエーションのすべての形態を含む活発なライフスタイルを送ることができることを、当業者は理解するであろう。従って、本発明の実施形態はオストミー装置の特定の構成や配置に制限されない。本発明の実施形態は上述した構造体に略類似する構造体を有する任意のオストミー装置と組み合わせて使用可能である。
【0020】
円盤およびクッションが瘻孔に隣接するオストミー小バッグの内部、あるいは小バッグの外部に配置可能であることが理解されるであろう。ここに使用されるような用語「オストメイト」が瘻造設処置を経験しており、オストミー装置を着用しているヒトを示すことが、当業者によって理解されるであろう。本発明は、オストメイト(例えば、瘻造設処置を経験しており、オストミー装置を着用しているヒト)に改善された精神上の調整、プライバシー、セキュリティ、並びに自信、快適性、および安全性により様々な身体活動を追求する能力を提供することに関する。本発明の実施形態により、オストメイトのための日常生活が促進され、オストメイトは、活動の相当な制限のない活発な充実した生産的な生活を追求することができる。
【0021】
本発明は、瘻孔や瘻孔の開口を介した老廃物(例えばガス)の放出により生成される音の減衰(例えば、低減または防音)の手段を提供し、これによりユーザは社会環境で自信を持つことができる。本発明の態様は圧力勾配を変えることによりそのような音の減衰を達成することに向けられる。圧力勾配は、本発明の雑音減衰装置に向かう瘻孔を覆うように通常存在する。
【0022】
従って、本発明は、外科的に形成される腹部の瘻孔、特に人工肛門形成術や回腸瘻孔設置術のような瘻造設術から形成される瘻孔から出る雑音の減衰用装置に関する。本発明は、公知のシステムに対して、比較的小さくコンパクトであり、ロープロファイルである音低減装置を提供する。更に、音低減装置は、特に公衆の設定において、個人が耐えなければならない刺激および不快の量を低減する。また更に、音低減装置が瘻孔雑音を除去するか徹底的に低減し、個別のものとなると、音低減装置はユーザに公衆の設定においてより高い信頼度を与える。
【0023】
本発明は、ガス(および他の身体の老廃物)が身体から出る際に、瘻孔に生じる振動を相当低減する音低減手段の提供により、瘻孔雑音に関する課題を解決する。課題は薄膜の挾持体(直接接触する2つの薄膜からなり、ずらして配置される開口を備える)によって解決される。挾持体は、ガスが瘻孔を抜ける際に確立される差圧により薄膜が拡張しない限り、瘻孔からオストミーバッグのルーメンへの通路を阻止する、ずらして配置される開口を備える。後述するように、ガスは、薄膜(特にバッグにもっとも近接する薄膜)を強制的に拡張し、これにより、開口を通過する通路が形成される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、オストミーバッグ(2)は開口部を有し、円盤状に形成される薄膜(3a、3b)が開口部の縁に堅固に取り付けられる。図1から分かるように、薄膜(3a、3b)は、オストミーバッグ(2)のルーメンに向かって半球状に延びる。これは、加圧された空気が近位側薄膜(3a)の開口に進入し、遠位側薄膜(3b)を強制的に拡張し、これにより近位側薄膜(3a)に緩く接触させることを意味する。これにより、通路(あるいはチャンネル)は、近位側薄膜(3a)および遠位側薄膜(3b)の開口を介して確立される。図2は、互いから分離される場合の円盤状に形成される薄膜(3a、3b)を示す。
図1
図2