(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、一般に、患者の体内の流体流れ血管の治療のための方法及び器具に関する。特に、本発明は、患者の体内血管内に植え込み可能に設計された器具に関し、これら器具は、かかる器具を通る流体、例えば血液の流れを可能にする。代表的な人工器具は、流体を流通させることができる実質的に管状部材である第1の部分を有する。第1の部分をグラフト又はグラフト本体と呼ぶ場合がある。この第1の部分は、代表的には、生体適合性の実質的に流体密材料で作られ、この第1の部分は、ファブリック又はポリマーを含む場合がある。例えば、第1の部分は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む材料で作られるのが良い。特に、この第1の部分は、非圧縮層状厚さが約0.003インチ(0.076mm)〜約0.015インチ(0.381mm)のPTFE及び/又はePTFEの任意数の層(約2〜約15の層を含む)を有するのが良い。別段の指定がなければ、本明細書において用いられる“PTFE”という用語は、PTFEとePTFEの両方を含む。さらに、本明細書において説明する本発明のグラフト本体区分又は部分は、全てPTFE、全てePTFE又はこれらの組み合わせを含むことができる。かかるグラフト本体区分又は部分は、グラフト用途に適した任意の別の生体適合性材料、例えばダクロン(DACRON)を含む場合がある。有用な物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、弗素化エチレンプロピレン、弗素化エチレンプロピレン、ポリビニルアセテート、ポリスチレン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナフタレンジカルボキシレート誘導体、例えばポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンナフタレート及びトリメチレンジオールナフタレート、ポリウレタン、ポリウレア、シリコーンゴム、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアルデヒド、ポリエーテルエーテルケトン、天然ゴム、ポリエステルコポリマー、シリコーン、スチレン‐ブタジエンコポリマー、ポリエーテル、例えば完全又は部分ハロゲン化ポリエーテル及びコポリマー並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
【0013】
特に有用な物質としては、識別可能な節(node)及びフィブリル(fibril)微細構造を備え又は備えておらず、しかも結晶粒界が隣接の高密度領域の結晶粒界に直接相互連結された高密度領域を有する独立気泡微細構造を含む低い又は実質的にゼロの流体透過性を有すると共に節及びフィブリル微細構造を実質的に含まない延伸(湿式延伸)PTFE層を備え又は備えていない多孔質ポリテトラフルオロエチレン及び流体透過性を備えておらず又は実質的に備えていない多孔質PTFEが挙げられる。ePTFEの隣り合う節を相互連結する別々の平行なフィブリルを欠いているPTFE層は、20,000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で見て識別可能な節及びフィブリル微細構造を備えていない。
【0014】
流体透過性を備えておらず又は実質的に備えていない多孔質PTFE層は、約12時間を超えるガーレー数を有するのが良く又は本質的に無限であり、或いは高すぎて測定することができず、測定可能な流体透過性を示さないガーレー数を有しても良い。実質的に流体透過性のないPTFE層の中には、100ccの空気で約1×10
6秒を超えるガーレー数を有するものがある。ガーレー秒は、所与の量、典型的には25cc、100cc又は300ccの空気が標準圧力下で、例えば12.4cm水中下で、標準の1平方インチの材料又はフィルムを流通するのに必要な時間を測定することによって求められる。かかる試験は、ニューヨーク州トロイ所在のガーレー・プレシジョン・インストラメンツ(Gurley Precision Instruments)製のガーレー・デンソメータ(Gurley Densometer)を用いて実施されるのが良い。
【0015】
グラフト本体の種々の構成の説明が米国特許第7,125,464号明細書(発明の名称:Method for Manufacturing an Endovascular Graft Section)、米国特許出願公開第2006/0233991号明細書(発明の名称:PTFE Layers and Methods of Manufacturing)及び同第2006/0233990号(発明の名称:PRFE Layers and Methodsof Manufacturing)に見受けられ、これら特許出願を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0016】
かかる器具の第2の部分は、取り付け部材を有し、取り付け部材は、器具を植え込んでいる管腔に器具を固定するために使用できる。取り付け部材は、以下に更に詳細に説明するように第1の部分の1つ又は2つ以上の端部の壁部分に少なくとも部分的に設けられたコネクタリングによって第1の部分の1つ又は2つ以上の端部に固定されるのが良い。取り付け部材は、拡張可能な部材又はステントの形態をしているのが良い。取り付け部材は、第1の部分の一端部(例えば、遠位端部又は近位端部)を患者の血管系に固着するために使用されるのが良い。第1の部分は、オプションとしての第1の取り付け要素又はリングを有するのが良く、かかる第1の取り付け要素又はリングは、第1の部分の一端部に隣接して設けられるのが良く、かかる第1の取り付け要素又はリングは、第1の部分への取り付け部材に固定可能であるよう構成されている。取り付け部材及び取り付けリングは、例えば、米国特許出願公開第2005/0228484(A1)号明細書に記載された取り付け要素のうちの任意のものとして構成されるのが良く、この米国特許出願公開を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0017】
一実施形態では、第2の部分は、管状ステントを有するのが良く、この管状ステントは、これが植え込まれている管腔に第1の部分を接合する。ステントは、自己拡張性であっても良く、或いは、力を受けると、例えば、バルーンを介して拡張可能であっても良い。ステントは、オプションとして、取り付け部材から外方に傾けられていて、患者の血管壁の組織に係合するよう構成され、いったん配備されると器具の軸方向運動を阻止する棘を更に有するのが良い。使用に当たり、器具を代表的には管腔内に植え込んで定位置に保持し、その時点で、ステントを拡張させて器具を体内管腔の内部に固定し、これを通る流体の流れを可能にする。ステント取り付け手段は、ステントが迅速且つ正確であり、しかも安全な植え込みを可能にする一方で、器具を定位置に縫合し又は違ったやり方で外科的に固定する必要性を回避するので特に有用である。ステント取り付け部材は、代表的には、取り付けリングによって第1の部分に固定され、取り付けリングは、第1の部分の周囲にわたって延びてステントを第1の部分に固定する。しかしながら、本発明は、典型的な取り付けリングを必要としないで取り付け部材を含む第2の部分を第1の部分に固定することができる器具を提供する。
【0018】
例えば本明細書において開示する器具は、代表的には、カテーテル又は他の植え込み器具の使用により患者の体内に植え込まれ、カテーテル又は他の植え込み器具は、体内管腔を通って移動して体内管腔への器具の配備を可能にする。当業者には理解されるように、器具の配備は、血管を通って行われるので、器具は、代表的には、これが小さな直径を有するよう圧縮され又は丸められなければならない。先行技術の器具は、典型的には、18〜25フレンチの圧縮厚さを達成することができるに過ぎなかった。しかしながら、本発明は、圧縮又は丸め状態において非常に小さい直径を達成することができた。本発明の圧縮又は丸め直径は、約9フレンチ〜約15フレンチ、特に約11フレンチ〜約14フレンチである。小さな直径により、器具は、体内管腔を安全且つ正確に通って移動することができる。器具は、代表的には、小さな直径の状態に丸められ又は圧縮されてカテーテル内に配置され、そして血管を通って定位置に運ばれ、ここで、カテーテルが器具を放出する。かくして、小さな直径は、植え込みの成功にとって重要である。しかしながら、植え込まれる器具がこれに取り付けられた固定器具、例えばステント部材を有する場合、植え込みに望ましい小さな直径を達成することが困難な場合が多い。これは、器具の第1の部分が
図1に示されているような全周取り付けリングを有する場合に特に当てはまる。
【0019】
図1は、全周取り付けリングにより第2の部分に固定された第1の部分を有する伝統的な器具を示している。
図1に示されているように、伝統的な植え込み型器具10は、上述したように1種類又は複数種類の流体密材料で作られた全体として管状の部材である第1の部分及び器具10を体内管腔の内側に固定するために用いられる第2の部分30を有している。かかる別個の第2の部分30を含む実施形態では、第2の部分30は、典型的には、管状ステント部材であり、この管状ステント部材は、任意の数の材料で作られる場合があり、かかる材料としては、ポリマー材料、金属及びこれらの組み合わせが挙げられる。第2の部分30は、固定アンカー35により第1の部分に接合されるのが良く、固定アンカーは、アイレット、フック、穴、スナップ、「ドッグボーン(dog-bone)」形態及びこれらの組み合わせを含む場合がある。
【0020】
理解されるように、当然のことながら、これら器具10における別個の第1の部分25及び第2の部分30の使用には、これら2つが植え込みプロセス中か植え込みが完了した後かのいずれかにおいて分離状態にならないような仕方で第1の部分20と第2の部分30を互いに固定する手段が必要である。この固定を達成するため、器具10は、取り付けリング40を含む場合が多く、取り付けリング40は、第1の部分20の1つ又は2つ以上の開口端部のところに設けられていて、第1の部分20の周囲全体にわたって動く。取り付けリング40は、典型的には、場合によっては波形パターンを有する固体材料の連続リングであり、このリングは、第1の部分20の周囲全体にわたって延びている。取り付けリング40は、通常、第2の部分30と類似した材料で作られ、かかる材料としては、第1の部分20と第2の部分30のしっかりした取り付けを提供するのを助ける中実金属及びポリマー材料が挙げられる。取り付けリング40は、典型的には、第1の部分20の1つ又は2つ以上の端部のところに設けられたポリマー領域中に埋め込まれる。第2の部分30は、複数の固定アンカー35により取り付けリング40に固定され、固定アンカー35は、アイレット、フック、穴、スナップ、「ドッグボーン」形態及びこれらの組み合わせを含む場合がある。
【0021】
理解できるように、全周取り付けリング40が第1の部分20の周囲全体にわたって延びた状態で第1の部分20の1つ又は2つ以上の端部のところに設けられているので、器具10の押しつぶし及び圧縮を達成するのが困難になる。これは、取り付けリング40が中実金属又はポリマー材料で作られ、しかも相当大きな波形形状を有する場合に特に当てはまる。かかる器具は、幾分、適当なサイズまで圧縮可能であるが、かかる器具を安全且つ経済的な仕方で配備することは、困難であり、しかも厄介な場合が多い。本発明は、ステント部材への管状グラフトの取り付けに適した手段を有するが、
図1に示されているようなかかる従来型器具と関連した問題のない器具に関する。
【0022】
理解を容易にするため、本願の
図2〜
図9は、第2の部分への第1の部分の取り付けに関する種々の実施形態を示している。理解されるように、第1の部分及び/又は第2の部分の構成は、任意所望の長さ又は形状に及ぶことができる。以下の説明おいて、「第1の部分」という用語は、流体を流通させることができる全体として管状のルーメン、例えばグラフト及び/又はステントグラフトを含むことが意図されている。第1の部分を任意所望の材料、例えばPTFE、ePTFE、ダクロン(Dacron)及びこれらの組み合わせで作ることができる。第1の部分は、2つの反対側の開口端部を備えた管状グラフトであっても良く、3つ以上の開口端部を備えても良い(例えば、3つ以上の開口端部を備えた二又状又は三又状グラフト)。以下に説明において「第2の部分」という用語は、第1の部分に固定され、器具を患者の体内に固定するのを助ける手段又は機構体を意味することが意図されている。幾つかの実施形態では、「第2の部分」は、自己拡張性であっても良くバルーンのインフレーション時に拡張可能である拡張型ステント部材を含む。所望のステント部材を金属及びポリマー材料を含む任意所望の材料で作ることができ、かかるステント部材は、追加の取り付け特徴部、例えば棘、フック等を含むのが良い。第2の部分は、典型的にはステントに用いられている全体としてメッシュ設計を有するのが良い。一般に、管状グラフト及びステントは、公知であり且つ当業者には理解されており、本発明は、植え込み時に縮小直径の器具を形成するよう2つを互いに取り付ける安全且つしっかりとした手段を提供する。植え込み時における直径の縮小は、器具の安全且つ正確であり、しかも確実な植え込みを可能にする上で有益である。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態を示しており、圧縮時に低プロフィールを有することができる(薄型になることができる)器具100を提供している。上述の典型的な器具の場合と同様、本発明の器具100は、内部ルーメン115を有する全体として管状の流体流動性コンポーネントである第1の部分110を有している。第1の部分110は、任意所望のサイズ又は長さのものであって良く、代表的には、器具100を植え込んでいる体内血管と実質的に同じであるよう選択される。第1の部分110を当業者には知られている任意所望の生体適合性材料で作ることができ、かかる材料としては、例えば、PTFE、ePTFE、ダクロン、超高分子量ポリエチレン及びこれらの組み合わせが挙げられる。第1の部分110は、所望ならばステント‐グラフトであるのが良い。第1の部分110は、管状であり、この第1の部分は、真っ直ぐなルーメンを構成する2つの互いに反対側の開口端部を有し又は第1の部分は、割り型であっても良く、3つ以上の開口端部を有する(即ち、二又状、三又状等)。第1の部分110の開口端部の数は、重要ではなく、任意の個数を選択することができる。本発明の目的上、第1の部分110の一方の開口端部についてのみ説明する。即ち、理解されるべきこととして、本発明の取り付け手段は、第1の部分110の開口端部のうちの任意のもの又は全てに設けることができる。
【0024】
この実施形態は、第1の部分110の端部のところに位置した第2の部分120を有する。第2の部分に関する好ましい形態は、全体として管状の開放メッシュ設計のステント部材を含む。第2の部分120は、拡開時に第1の部分110とほぼ同じ直径のものであっても良く、或いは、これよりも大きい又は小さい直径のものであっても良い。第2の部分120は、任意所望の材料から成って良く、かかる材料としては、例えば、金属(例えば、ニチノール)、ポリマー及びこれらの組み合わせが挙げられる。第2の部分120は、自己拡張性であるのが良い。かかる実施形態では、第2の部分120は、体内管腔への器具100の固定を助けるその完全拡開状態まで拡張する自然な傾向を備えている。変形例として、第2の部分120は、力が及ぼされると、例えば、インフレート可能なバルーン又は他の開き手段の使用によって拡張可能であっても良い。第2の部分120は、所望ならば体内管腔への器具100の固定を助ける棘又は他のコンポーネントを有するのが良い。さらに、第2の部分120は、植え込み後に器具100を定位置に効果的に固定するよう任意所望の長さのものであって良い。
【0025】
幾つかの実施形態では、第1の部分110は、少なくとも1つのインフレート可能なチャネル125を有し、インフレート可能チャネル125は、生体適合性材料によりインフレート可能であるのが良く、このインフレート可能チャネルは、体内管腔への器具100の取り付けを助けるために使用できる。インフレート可能チャネル125は、例えば、器具が植え込まれている体内管腔の内面にインフレート可能チャネルが圧接されるようにインフレート可能であるのが良く、それにより定位置への器具100の追加の固定及び/又は封止が行われる。本願に記載されている図は、各々、1つのインフレートな可能チャネル125を含むが、理解されるように、この特徴は、オプションであり、この特徴を省くことができ又は変形例として、2つ以上のインフレート可能チャネル125が設けられても良い。
【0026】
図2に記載されているこの第1の実施形態では、第2の部分120は、縮小サイズ型取り付けフラップ130によって第1の部分110に接合されるのが良い。先行技術の器具の場合と同様、縮小サイズ型取り付けフラップ130は、第2の部分120を第1の部分110に固定するために用いられている。縮小サイズ型取り付けフラップ130は、全体がポリマー材料で作られており、この縮小サイズ型取り付けフラップは、所望ならば第1の部分110と同種の材料で作られるのが良い。
図2は、第1の部分110とは別個の部品として縮小サイズ型取り付けフラップ130を示しているが、理解されるように、縮小サイズ型取り付けフラップ130は、別個の構造を必要とせずに、単に第1の部分110の端部であっても良い。例えば、縮小サイズ型取り付けフラップ130は、カフを形成するようそれ自体折り返された第1の部分110の端部であっても良い。別の変形例として、フラップ130は、その構造を形成するよう形状形成マンドレルに螺旋に巻き付けられても良い。管状PTFE構造体を形成する幾つかの例示の方法が米国特許第7,125,464号名称(発明の名称:Method and apparatus for Manufacturing an Endovascular Graft Section)、同第7,090,693号明細書(発明の名称:Endovascular Graft Joint and Method of Manufacture)及び同第6,776,604号明細書(発明の名称:Method and Apparatus for Shape Forming Endovascular Graft Material)に記載されており、これら米国特許は全てチョボトフ等(Chobotov et al.)に付与されており、これら米国特許を参照により引用し、これら開示内容全体を本明細書の一部とする。第1の部分を第2の部分に固定する他の手段としては、テザー付き構成の使用が挙げられ、これらについて以下に更に説明する。
【0027】
しかしながら、先行技術の器具とは対照的に、縮小サイズ型取り付けフラップ130は、協働して第1の部分110の周囲にわたって延びるが、互いに連結されてはいない一連の別個独立のリング部材135を含む。これらリング部材135の各々は、中実材料で作られるのが良く且つ代表的にはかかる器具で用いられる全周取り付けリングと類似した材料で作られるのが良い。リング部材135の各々は、望ましくは、第1の部分110の開口端部のところのポリマー材料中に埋め込まれ、かくして、第1の部分110へのリング部材135の固定が保証される。リング部材135は、全体として“V”字形のものであるのが良く、“V”の端部は、取り付けフラップ130の開口端部のところに位置し、但し、任意の形状、例えば“U”又は“W”字形を用いても良い。
【0028】
リング部材135は、取り付けフラップ130の縁を越えて延びる細長い部分を有するのが良く、この細長い部分は、端部のところにオプションとしての固定部材140を有する。第2の部分120は、オプションとしての固定部材140を用いないで第1の部分110に直接固定されることが望ましい場合がある。もし用いられる場合、オプションとしての固定部材140は、第2の部分120をリング部材135に任意所望の手段で固定するために使用されるのが良い。一実施形態では、オプションとしての固定部材140は、全体として「ドッグボーン(dog-bone)」型の固定具であるのが良く、かかるドッグボーン型固定具は、第2の部分120をリング部材135に結合するために用いられる。オプションとしての固定部材140は、任意所望の取り付け設計例を含むことができ、かかる取り付け設計例としては、例えば、アイレット、フック、穴、スナップ、「ドッグボーン」形態及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
縮小サイズ型取り付けフラップ130は、これが第2の部分120(即ち、ステント部材)を第1の部分110に固定する適切且つ確実な方法を提供する一方で、器具100におけるリング材料の量を最小限に抑えるので有益である。別個独立のリング部材135を含む縮小サイズ型取り付けフラップ130は、少量の固体材料を含むと共に多量のポリマーグラフト材料を含み、かくして、第1の部分110の周囲全体にわたって延びる全周リングを含む設計よりも大きな程度まで圧縮可能である。上述したように、本発明は、器具を約9〜約15フレンチ(約3〜5mm)、特に約11〜約14フレンチの圧縮又は巻き直径に圧縮することができる。
【0030】
使用にあたり、第2の部分120を縮小サイズ型取り付けフラップ130により第1の部分110に固定する。次に、器具100を小さな直径まで圧縮する(例えば、丸めることによって)のが良い。圧縮状態の器具100をカテーテル中に送り込み、そして体内血管を通って植え込み部位まで導く。次に、器具100を植え込み部位のところでカテーテルから放出し、第2の部分120を拡張して器具100を定位置に固定する。第1の部分110と第2の部分120を縮小サイズ型取り付けフラップ130、リング部材135及び固定部材140によって確実な仕方で結合する。
【0031】
全体として
図3に記載された別の実施形態では、上述したようにルーメン165が貫通して形成された全体として管状の形をした第1の部分160及び上述したような第2の部分170を有する器具150を用意する。上述した実施形態の場合と同様、第1の部分160を生体適合性材料、例えばPTFE、ePTFE、ダクロン、超高分子量ポリエチレン及びこれらの組み合わせで作ることができる。上記の場合と同様、第2の部分170は、管状ステント部材であるのが良いが、任意所望の取り付け器具を有することができる。さらに、この実施形態の第2の部分170を上述したように第1の部分160の1つ又は全ての開口端部のところに設けることができる。加うるに、第1の部分160は、1つ又は2つ以上の端部のところにインフレート可能なチャネルを備えなくても良く、或いは、1つ又は2つ以上のインフレート可能なチャネルを有しても良く、かかるインフレート可能チャネルは、器具150が植え込まれている管腔への器具150の取り付け及び封着を行うのを助けることができる。
【0032】
この実施形態では、上述したように、第2の部分170は、取り付け領域180のところで第1の部分160に固定される。取り付け領域180は、別個の材料片であっても良く、第1の部分160と一体に形成されても良い。幾つかの実施形態では、取り付け領域180は、単に第1の部分160の端部であっても良く、或いは、取り付け領域180は、カフを形成するようそれ自体折り返された第1の部分160の端部であっても良い。取り付け領域180を別個の節及びフィブリル構造を有するポリマー材料、例えば発泡PTFEで作ることができる。この実施形態では、第2の部分170は、一端部のところにフック状特徴部を備えた一連の個々の取り付け部材185の使用によって第1の部分160に固定される。第2の部分170は、第1の部分160に直接固定されても良く、或いは、オプションとしてのコネクタ175を有しても良い。オプションとしてのコネクタ175は、上述した形態(即ち、アイレット、フック、「ドッグボーン」等)のうちの任意のものを含むことができる。
【0033】
取り付け部材185の各々は、その端部のところに固定特徴部、例えばフック、棘又は他のラッチ止め特徴部を有し、この固定特徴部は、取り付け領域180に埋め込まれるのが良い。取り付け領域180が節及びフィブリル構造を有する材料、例えば発泡PTFEで作られている実施形態では、取り付け領域180は、一連の節及びフィブリルを含むであろう。取り付け部材185の固定特徴部は、取り付け領域180中に延び、ここで、この固定特徴部は、1つ又は2つ以上のフィブリルに引っ掛けられるのが良い。フィブリルへの固定特徴部の取り付けにより、第1の部分160と第2の部分170との間に確実な連結部を作ることができる。
【0034】
第1の実施形態の場合と同様、使用にあたり、第2の部分170を取り付け領域180により第1の部分160に固定する。次に、器具150を小さな直径まで圧縮する(例えば、丸めることによって)のが良い。圧縮状態の器具150をカテーテル中に送り込み、そして体内血管を通って植え込み部位まで導く。次に、器具150を植え込み部位のところでカテーテルから放出し、第2の部分120を拡張して器具150を定位置に固定する。
【0035】
図4は、本発明の更に実施形態を示しており、この実施形態は、上述したような第1の部分210及び上述したような第2の部分220(即ち、ステント)を含む植え込み型器具200を含む。第1の部分210は、生体適合性材料で作られたグラフトであり、一般に、この第1の部分210を貫通して流れを通すことができるルーメン215が延びている。オプションとして、第1の部分210は、1つ又は2つ以上のインフレート可能なチャネル225を有するのが良く、インフレート可能チャネル225は、器具200が植え込まれている体内血管への取り付け及び封着を行うのを助けることができる。
【0036】
この実施形態では、第2の部分220は、ハイブリッド取り付け領域230により第1の部分210に固定される。ハイブリッド取り付け領域230は、ポリマー材料、例えばPTFE又は発泡PTFEで作られ、かかるハイブリッド取り付け領域は、第1のウェブ210と一体に形成されるのが良い。幾つかの実施形態では、ハイブリッド取り付け領域230は、カフを形成するよう第1の部分210の端部をそれ自体折り返すことによって形成されるのが良い。ハイブリッド取り付け領域230は、縮小サイズ型リング235を有し、この縮小サイズ型リングは、ハイブリッド取り付け領域230の周囲にわたって延びるが、ハイブリッド取り付け領域230の外縁までは延びていない。縮小サイズ型リング235は、半径方向外方に拡張する傾向を有し、かくして、第1の部分210の開口端部を拡開状態に維持する手段となる材料で作られている。縮小サイズ型リング235を任意所望の材料で作ることができ、かかる材料としては、例えば、金属、例えばニチノール又はポリマー材料が挙げられる。縮小サイズ型リング235は、全体として“W”字形のものであり、形態が正弦波であるのが良い。特に、縮小サイズ型リング235は、これが器具200の圧縮を妨げることがないが、植え込み時に器具200の拡張を助けるに足るほど強固であるよう十分小さい。
【0037】
縮小サイズ型リング235に加えて、器具200は、一端部のところに一連の個々の取り付け部材240を備えた第2の部分220を更に有するのが良い。第2の部分220は、
図3を参照して上述したように取り付け部材240により第1の部分210に固定されている。取り付け部材240の各々は、その端部のところに固定特徴部、例えばフックを有するのが良く、この固定特徴部は、ハイブリッド取り付け領域230中に埋め込まれる。ハイブリッド取り付け領域230が節及びフィブリル構造を有する材料、例えば発泡PTFEで作られている実施形態では、ハイブリッド取り付け領域230は、一連の節及びフィブリルを含むであろう。取り付け部材240の固定特徴部は、ハイブリッド取り付け領域230中に延び、ここで、この固定特徴部は、1つ又は2つ以上のフィブリルに引っ掛けられるのが良い。フィブリルへの取り付け部材240の取り付けにより、第1の部分210と第2の部分220との間に確実な連結部を作ることができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、縮小サイズ型リング235は、第2の部分220と第1の部分210に直接取り付けるためには使用されない場合がある。第1の部分210への第2の部分220の取り付けは、オプションとして、ハイブリッド取り付け領域230内に固定された取り付け部材240に設けられている固定特徴部の使用によって達成されるのが良い。縮小サイズ型リング235は、器具200の拡張及び第1の部分210の端部を拡開状態に維持するのを助けるために設けられ、それにより、器具200を通る流体の流れを可能にする。この実施形態では、縮小サイズ型リング235は、伝統的な器具(例えば、
図1に記載されている器具)よりも少量の金属又は他の硬質材料を含み、かくして、伝統的な器具よりも小さな直径まで圧縮可能である。
【0039】
幾つかの実施形態では、取り付け部材240による固定に代えて、第2の部分220は、以下に説明する支持状態の取り付け形態を有するハイブリッド取り付けリング230の使用によって第1の部分210に固定されるのが良い。
【0040】
図5A及び
図5Bは、第1の部分260への第2の部分255の固定のための支持状態の取り付け形態を用いた器具250の互いに異なる実施形態を示しており、かかる支持状態の取り付け形態は、テザー付き構成例を含む。第1の部分260は、一般にこれを貫通して延びるルーメン265を有するものとして上述されており、第1の部分260は、上述したようにオプションとしてのインフレート可能なチャネル266を有するのが良い。第2の部分255は、上述した全体としてステントの形態を有する。この形態は、これ又上述したように取り付けフラップ270を含む。
図5Aの実施形態は、補強フィラメント形態を更に示しており、この補強フィラメント形態は、確実な低プロフィール設計を提供する上で有用であると言える。この実施形態では、取り付けフラップ270は、取り付けテザー280によって固定された一連の補強取り付け部位275を有する。取り付けフラップ270の周囲に沿って任意の数の取り付けテザー280及び取り付け部位275が設けられるのが良い。理解できるように、第2の部分255は、第1の部分260に直接固定されている。しかしながら、幾つかの実施形態では、取り付け部位275は、複数のオプションとしての固定部材を固定することができ、これら固定部材は、第2の部分255を固定する。
図5Bは、補強取り付け部位が設けられておらず、これとは異なり、テザー280が例えばテザー280と第2の部分255を絡み合わせると共に/或いは織編することにより、又はループ付き形態を用いることによって第2の部分255を固定部位276のところに直接固定する実施形態を示している。さらに、テザー280自体は、互いに絡み合わされると共に/或いは織編されるのが良く、或いは、互いに上下に配置されても良い。例えば、テザー280の一部分は、テザー280の別の部分上に且つ/或いは下に置かれても良い。上下配列のかかる織編は、テザー280の幾つかの部分の編組体の形態をしているのが良い。第2の部分255は、第1の部分260に直接取り付けられても良いが、幾つかの実施形態では、第2の部分255は、全体として「ドッグボーン」又は他の固定形態の使用によって固定されても良い。
【0041】
取り付けテザー280をPTFE又は/及びePTFE又は任意所望の他の材料で作ることができる。取り付けテザー280は、第1の部分260と一体に形成されても良く、或いは、第1の部分260に取り付けられた別個の特徴部であっても良い。
図5A及び
図5Bで理解できるように、各テザー280は、第1のストランド280A及び第2のストランド280Bで構成され、これらストランドは、各々、補強取り付け部位275か固定部位276かのいずれかに固定される。第1のストランド280A及び第2のストランド280Bは、例えば取り付け部位275を通ってループ状にすることによってテザー280を形成する単一の一体形ストランドであるのが良い。変形例として、第1のストランド280Aと第2のストランド280Bは、取り付け部位275又は固定部位276に別々に固定される別個の部品であっても良い。テザー280は、単一の一体形部品から成るのが良く、それにより、第1のストランド280A及び第2のストランド280Bは、単一部品で作られる。所望ならば、取り付け部位275は、弗素化エチレンプロピレン(FEP)分散液の使用により取り付けテザー280に固定されるのが良く、かかるFEP分散液は、結合具合を向上させることができる。器具250は、取り付け部位275又は固定部位276のところに設けられていて、例えば
図5Aに示された別個の固定特徴部、例えばアイレットを有するのが良い。この実施形態では、テザー280が第2の部分255をアイレットに通して取り付け部位275のところに直接固定することができる。アイレットは、オプションとして、所望ならば第2の部分255の一体部分として形成されても良い。即ち、第1の部分260又は取り付けフラップ270と接触状態にある第2の部分255の端部は、テザー280の固定のための複数のアイレットを有するのが良い。例えば、第2の部分255がステントである場合、ステントの端部は、複数のアイレットを有するのが良く、これらアイレットは、テザーをこれらの中に固定することができるよう構成されている。
【0042】
代替的な且つ/或いは追加の固定方法は、接着、熱、圧縮、溶接、焼結及びこれらの組み合わせを含む。溶接は、テザー280の幾つかの部分を横切って又は部分的に横切って取り付けフラップ270の幾つかの部分及び/又は第1の部分260の幾つかの部分に設けられる円周方向、実質的に円周方向及び/又は部分的に円周方向の溶接線(図示せず)を含む場合がある。テザー付き構成の使用により、テザーは、第2の部分の取り付け強度を高めることができる。特に、各取り付け箇所は、約4〜約10ポンド・力(lbf)(1ポンド=453.6g)としての強度を提供することができる。複数のテザー付き構成を用いると、テザーの本数に個々の強度(4〜10lbf)を乗算することによって強度が高くなる。
【0043】
理解されるべきこととして、器具250は、他の実施形態において上述したような支持状態のリング部材を備える縮小サイズ型取り付けフラップ270を有するのが良い。例えば、支持のために一連の別個独立のリング部材を有する設計例を含むが、第2の部分を固定するための取り付け部位275及び取り付けテザー280を使用することが望ましい場合がある(又、その逆の関係が成り立つ)。
【0044】
図6Bは、追加された強度及び安全性を取り付け部に提供する支持ロール特徴部を含む低プロフィール器具の更に別の実施形態を示している。先の実施形態の場合と同様、器具300は、ルーメン315が貫通して延びる全体として管状のプロテーゼ材料である第1の部分310及び植え込み時に器具300を定位置に固定するよう設計された第2の部分320を有する。上述の構成との場合と同様、第2の部分320は、ステントであるのが良く、この第2の部分は、自己拡張性であるか例えばインフレート可能なバルーンの使用により力を受けると拡張可能であるかのいずれかであるのが良い。この実施形態では、第1の部分310への第2の部分320の固定は、一連の取り付け部材325の使用によって達成され、これら取り付け部材は、第2の部分320を形成する一体構造体の一部であるのが良い。幾つかの実施形態では、第2の部分320は、第1の部分310に直接固定されるが、他の実施形態では、第2の部分は、第1の端部のところに複数のオプションとしての固定特徴部330を有すると共に第2の端部のところに支持状態のフック335を有するのが良い。取り付け部材325を任意所望の材料、例えば金属、ポリマー及びこれらの組み合わせで作ることができる。オプションとしての固定特徴部330は、設けられる場合、上述の任意の固定特徴部、例えばアイレット、フック、「ドッグボーン」形態等を含むことができる。
【0045】
支持フック335は、取り付け部材320を第1の部分310に固定し、これは、
図6Bで最も良く理解できる。取り付け部材325の第2の端部は、支持フック335を形成する全体としてフック状の形態を有する。第1の部分310は、一端のところで周囲に沿って全体として管状の形態を有し、支持ロール又はリップ340を形成している。支持ロール340を第1の部分310と同種の材料で作るのが良く、かかる材料としては、例えば、PTFE及び/又はePTFEが挙げられるが、支持ロール340は、第1の部分310の残部よりも僅かに大きな周長を有する。幾つかの実施形態では、支持ロール340は、第1の部分310に取り付け可能な別個の部分であり又は変形例として、支持ロール340は、第1の部分310から形成可能であり、即ち、第1の部分310の一端部をそれ自体の上に丸めることによって形成できる。支持ロール340をポリマー材料で作ることができるが、幾つかの実施形態では、支持ロール340を金属材料でも作ることができる。
【0046】
使用にあたり、支持フック335を支持ロール340の周りに配置して支持フック335が支持ロール340によって定位置に固定されるようにする。幾つかの実施形態では、支持フック335は、支持ロール340に沿ってぐるりとひとまわり延び、それにより支持ロールに対して確実且つ強固な取り付け状態を提供する。支持ロール340は、引き裂きなく又は違ったやり方で加えることなく支持フック335の引く力に耐えるのに十分強固であることが特に望ましい。
【0047】
図7は、
図6と同様な取り付け実施形態を示しているが、支持ロールに代えて、第1の部分310は、一端部のところに位置した一連の補強穴部360を有する。この実施形態では、第2の部分(図示せず)に固定されるべき第1の部分310の端部は、一連の補強部穴360を有している。補強穴部360は、任意所望の方法で形成でき、かかる補強穴部を任意所望の材料、例えばポリマー又は金属材料で作ることができる。補強穴部360は、代表的には、裂け又は壊れることなく引く力に耐えるのに十分強固である。使用にあたり、各々が固定された状態のフック380を有する複数の取り付け部材370を複数の補強穴部360に通し、各取り付け部材370が1つの補強穴部360内に固定されるようにする。上述の実施形態の場合と同様、第2の部分(即ち、ステント)を任意所望取り付け形態により取り付け部材370に固定する。
【0048】
幾つかの実施形態では、補強穴部360に代えて、補強は、一連の補強タブ又はこれに類似した特徴部によって達成できる。この実施形態の最終的な目標は、取り付け部材370を引っ張った際に第1の部分310の裂け又はほころびに耐えるのに十分強固な一連の別々の取り付け箇所を提供することにある。これら実施形態では、全周取り付けリング(例えば、上述の
図1に記載されている)の使用が回避され、器具を患者の体内への挿入を可能にする小さな直径に圧縮することができる。
【0049】
図8A及び
図8Bは、一連の補強タブ400を用いた取り付け方式を示している。かかる実施形態では、第1の部分390は、複数の固定箇所のところに一連の補強タブ400を有している。補強タブ400は、第1の部分390の周囲に沿って設けられるのが良く、第1の部分390の周りに例えば少なくとも5つの補強タブ400が設けられる。補強タブ400は、第1の部分390への第2の部分(図示せず)の各取り付け場所のところに存在するのが良い。
【0050】
補強タブ400は、軸方向に高度の耐引き裂き性を提供するよう設計されている。当業者であれば理解されるように、第1の部分390への第2の部分の固定は、フック又は任意他の固定手段によって実施できる。しかしながら、第2の部分を第1の部分390から遠ざかる方向に引いた場合、第1の部分390が裂け又はほころびる恐れがある。補強タブ400は、強度を器具に提供するのを助け、かくして、第1の部分390が裂け又はほころびる恐れが減少する。
【0051】
補強タブ400をポリマー材料、例えば発泡PTFEで作るのが良い。
図8Bで最も良く理解できるように、補強タブ400は、より確実な取り付け状態を提供するよう節及びフィブリルの2つの互いに異なる向きを有する。特に、補強タブ400は、第1の区分410及び第2の区分420を有し、これら区分は、軸線Aに沿う補強タブ400のほぼ中間のところで分離されている。使用にあたり、軸線Aは、第1の部分390の軸線と実質的に整列関係をなす。第1の区分410は、軸線Aから約1°〜約60°オフセットした方向に差し向けられた一連の節及びフィブリルを含む。第2の区分420は、第1の区分410の節及びフィブリルとは逆の方向で軸線Aから約1°〜約60°オフセットした方向に差し向けられた一連の節及びフィブリルを含む。別の実施形態では、第1の区分410の節及びフィブリルは、軸線Aから約20°〜約50°オフセットした状態で、例えば、軸線Aから約30°オフセットした状態に差し向けられている。同様に、第2の区分420の節及びフィブリルは、軸線Aから約20°〜約50°オフセットした状態に(第1の区分410の節及びフィブリルとは逆の方向に)、例えば軸線Aから約30°オフセットした状態に差し向けられている。第1の区分410の節及びフィブリルの角度は、逆方向において第2の区分420の節及びフィブリルの角度とほぼ同じであり、軸線Aは、各区分410,420を分離している。
【0052】
図8Bに見える結果として得られた補強タブ400は、ほぼ同一の角度をなして互いに逆方向に軸線Aからオフセットした第1の区分410及び第2の区分420の一連の節及びフィブリルを有する。各節及びフィブリルの配向角度は、軸線Aから約30°オフセットしているのが良く、かくして、第1の区分410の節及びフィブリルと第2の区分420の節及びフィブリルとの角度が約60°になっている。第2の部分(図示せず)を補強タブ400のところで第1の部分390に固定するのが良く、この第2の部分は、補強タブ400の軸線Aの近くの場所に位置するのが良い。このように、第2の部分は、第1の部分390を裂く恐れなく、第1の部分390から遠ざかる方向に引くことが可能である。
【0053】
補強タブ400を別個の部品として作ることができ、すると、この別個の部品としての補強タブを任意所望の手段により第1の部分390に固定することができ、かかる手段としては、例えば、積層、接着、糸通し及びこれらの組み合わせが挙げられる。補強タブ400は、単一の一体部品として作られても良く、或いは、互いに取り付けられる別個の部品として作られても良い。補強タブ400が単一の一体部品として作られた場合、この補強タブは、2段延伸プロセスにより形成されるのが良く、この場合、第1の部分410を第1の方向に延伸し、次に、第2の区分420を上述したように第2の方向に延伸する。変形例として、補強タブ400を2つの別個の部品で形成しても良く、この場合、別個の部品を互いに取り付け、第1の部品は、第1の区分410を形成し、第2の部品は、第2の区分420を形成する。このようにして、2つの部品をこれらのそれぞれの方向に延伸し、次に互いに固定すると、任意所望の手段により2区分型補強タブ400を形成することができ、かかる手段としては、例えば、積層、接着、糸通し及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0054】
図9は、本発明の別の実施形態を示している。第1の部分512への第2の部分510の固定のための支持状態の取り付け形態を利用した器具500がテザー付き構成を含む。第1の部分510は、例えば、上述したグラフトであり、一般にこれを貫通して延びるルーメン514を有し、この第1の部分は、オプションとして、上述したインフレート可能なチャネル(図示せず)を有するのが良い。第2の部分510は、上述した一般的なステント形態を有する。この形態は、第2の部分510の下側頂点524に形成されたアイレット518を有し、テザー520がアイレット518を通って設けられている。
図9に示されているように、頂点524の各々は、アイレット518を有しているが、本発明は、これには限定されない。テザー520を上述の材料のうちの任意のもので作ることができ、しかも上述の技術のうちの任意のものによって固定することができる。この形態は、頂点524、アイレット511及びテザー520の少なくとも幾つかの部分を覆うグラフト材料516の一部分を更に有する。グラフト材料516は、グラフトルーメン514の内面からのグラフト材料であっても良く、或いは、内側部分からの、代表的には、頂点524、アイレット518及びテザー520上に折り返された第2の部分510に積層される1つ又は複数のグラフト材料の層からのグラフト材料であっても良い。多数のテザー520が
図9に示されているが、本発明は、これには限定されず、任意適当な数のテザーを用いることができ、かかるテザーの数としては、ちょうど1つが挙げられる。グラフト材料516の上述の部分を上述の技術のうちの任意のものによって第1の部分512、頂点524、アイレット518及び/又はテザー520の部分に固定することができる。さらに、かかる形態は、運搬中における視覚化を助ける放射線不透過性部分522を含むのが良い。放射線不透過性部分520を選択した頂点524のところに設けることができ、かかる頂点としては、所望ならば全ての頂点524が挙げられる。放射線不透過性部分520を図示のようにグラフト材料516の下に配置しても良く、或いは、グラフト材料516によって覆われていない第2の部分510の一部分上に配置しても良い。放射線不透過性部分520は、放射線不透過性マーカーの形態をしているのが良い。
【0055】
上述した実施形態の各々を任意所望の方法により患者の体内に植え込むことができ、かかる方法としては、例えば、挿入カテーテルの使用が挙げられる。先ず最初に、器具を例えば丸めることによって小さな直径に圧縮し、次にカテーテル中に挿入し、ここで、器具は植え込みまで圧縮状態に保持される。カテーテルを患者の体内管腔中に挿入し、植え込み型器具をカテーテルから抜去する。第2の部分(即ち、ステント)を拡張させ、かくして器具を体内管腔内に固定する。
【0056】
所望ならば、本明細書において説明した植え込み型器具は、第1の部分の1つの開口端部だけのところに又は全ての開口端部のところに第2の部分を有することができる。例えば、第1の部分が管状グラフトである場合、上述した取り付け形態のうちの1つ又は2つ以上を用いて第1の部分の近位端部と遠位端部の両方のところに第2の部分を設けることができる。加うるに、第1の部分が3つ以上の開口端部を有する器具(即ち、二又状又は三又状器具)である場合、開口端部のうちの任意のもの又は全ては、上述の取り付け形態のうちの1つ又は2つ以上を用いて取り付けフラップ及び第2の部分を有するのが良い。例えば、植え込み型器具の第1の開口端部は、第2の取り付け形態を有することができ、植え込み型器具の第2の開口端部は、
図7の取り付け形態を有することができる。上述の取り付け形態の任意の組み合わせを所望に応じて用いることができる。
【0057】
本発明の以下の実施態様又は観点は、次のように本発明の範囲内で任意のやり方で且つ任意の組み合わせ状態で組み合わせることができる。
〔実施態様項1〕
縮小植え込み直径を有する体内管腔内への植え込み可能な器具であって、
(a)全体として管状の第1の部分を有し、体液の流れのためのルーメンが上記第1の部分を貫通して延びており、上記第1の部分は、第1の開口端部及び第2の開口端部を有し、
(b)上記第1の部分の上記第1の開口部端部に取り付けられた第2の部分を有し、上記第2の部分は、上記器具を体内管腔内に固定することができ、
上記第1の開口端部は、全周取り付けリングを備えた器具と比較して、縮小直径まで圧縮可能な取り付けフラップを有し、上記取り付けフラップは、複数の取り付けテザーによって固定された複数の複数の部位を有する、器具。
〔実施態様項2〕
上記第2の部分は、上記取り付け部位のところで上記第1の部分に固定されている、実施態様項1記載の器具。
〔実施態様項3〕
上記取り付け部位は、FEP分散液の使用により上記取り付けテザーに固定されている、実施態様項1記載の器具。
〔実施態様項4〕
上記取り付け部位は、熱圧縮、溶接又は焼結プロセスにより上記取り付けテザーに固定されている、実施態様項1記載の器具。
〔実施態様項5〕
上記取り付けテザーは、PTFE、ePTFE及びこれらの組み合わせから成る、実施態様項1記載の器具。
〔実施態様項6〕
上記取り付け部位の各々は、上記取り付けストラップを貫通して設けられた個々の穴を有する、実施態様項1記載の器具。
〔実施態様項7〕
上記取り付け部位の各々は、上記第2の部分と上記テザーを物理的にインターロックしたものから成る、実施態様項1記載の器具。
〔実施態様項8〕
上記取り付けテザーは、上記第2の部分に設けられたアイレットを通って上記第2の部分に固定されている、実施態様項1記載の器具。
〔実施態様項9〕
上記第1の部分の内側部分からの材料が上記第2の部分の上記アイレット上に折り返されている、実施態様項8記載の器具。
〔実施態様項10〕
患者の体内管腔中への運搬のための管状プロテーゼを製造する方法であって、
(a)縮小植え込み直径を備えた体内管腔中への植え込み可能な器具を用意するステップを含み、上記器具は、
(i)全体として管状の第1の部分を有し、体液の流れのためのルーメンが上記第1の部分を貫通して延びており、上記第1の部分は、第1の開口端部及び第2の開口端部を有し、
(ii)上記第1の部分の上記第1の開口部端部に取り付けられた第2の部分を有し、上記第2の部分は、上記器具を体内管腔内に固定することができ、
上記第1の開口端部は、全周取り付けリングを備えた器具と比較して、縮小直径まで圧縮可能な取り付けフラップを有し、
(b)上記取り付けフラップのところに設けられていて、上記第1の部分及び上記第2の部分を互いに固定する複数のテザーを含む複数の取り付け部位を用意するステップを含み、
(c)上記第1の部分及び上記第2の部分を上記複数の取り付け部位のところで互いに固定するステップを含む、方法。
〔実施態様項11〕
上記第2の部分は、上記取り付け部位のところで上記第1の部分に固定されている、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項12〕
上記取り付け部位は、FEP分散液の使用により上記取り付けテザーに固定されている、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項13〕
上記取り付けテザーは、PTFE、ePTFE及びこれらの組み合わせから成る、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項14〕
上記取り付け部位の各々は、上記取り付けストラップを貫通して設けられた個々の穴を有する、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項15〕
上記取り付け部位の各々は、上記第2の部分と上記テザーを物理的にインターロックしたものから成る、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項16〕
上記取り付けテザーは、上記第2の部分に設けられたアイレットを通って上記第2の部分に固定されている、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項17〕
上記第1の部分の内側部分からの材料が上記第2の部分の上記アイレット上に折り返されている、実施態様項10記載の方法。
〔実施態様項18〕
患者の体内管腔中への運搬のための管状プロテーゼを製造する方法であって、
(a)縮小植え込み直径を備えた体内管腔中への植え込み可能な器具を用意するステップを含み、上記器具は、
(i)全体として管状の第1の部分を有し、体液の流れのためのルーメンが上記第1の部分を貫通して延びており、上記第1の部分は、第1の開口端部及び第2の開口端部を有し、
(ii)上記第1の部分の上記第1の開口部端部に取り付けられた第2の部分を有し、上記第2の部分は、上記器具を体内管腔内に固定することができ、
上記第1の開口端部は、全周取り付けリングを備えた器具と比較して、縮小直径まで圧縮可能な取り付けフラップを有し、上記取り付けフラップは、複数の取り付けテザーによって固定された複数の複数の部位を有し、
(b)上記器具を上記体内管腔内の所望の場所に送達するステップを含む、方法。
〔実施態様項19〕
縮小植え込み直径を有する体内管腔内への植え込み可能な器具であって、
(a)全体として管状の第1の部分を有し、体液の流れのためのルーメンが上記第1の部分を貫通して延びており、上記第1の部分は、第1の開口端部及び第2の開口端部を有し、
(b)上記第1の部分の上記第1の開口部端部に取り付けられた第2の部分を有し、上記第2の部分は、上記器具を体内管腔内に固定することができ、
上記第1の開口端部は、全周取り付けリングを備えた器具と比較して、縮小直径まで圧縮可能な取り付けフラップを有する、器具。
〔実施態様項20〕
上記器具は、植え込み中、約3mm〜約5mm(約9F(フレンチ)〜約15F)の直径に縮小可能である、実施態様項19記載の器具。
〔実施態様項21〕
上記取り付けフラップは、協働して上記取り付けフラップの周囲にわたって延びる複数の別々のリング部材を有する、実施態様項19記載の器具。
〔実施態様項22〕
上記別々のリング部材の各々は、全体として“V”字形のものである、実施態様項21記載の器具。
〔実施態様項23〕
上記第2の部分は、上記別々のリング部材への取り付けにより上記第1の部分に固定されている、実施態様項21記載の器具。
〔実施態様項24〕
上記取り付けフラップは、少なくとも1つの補強区分を含むポリマー材料から成る、実施態様項19記載の器具。
〔実施態様項25〕
上記第2の部分は、一端にフック状特徴部を備えた複数の個々の取り付け部材を有する、実施態様項24記載の器具。
〔実施態様項26〕
一端にフック状特徴部を備えた上記個々の取り付け部材は、上記少なくとも1つの補強区分内への上記フック状特徴部の固定により上記取り付けフラップに固定されている、実施態様項25記載の器具。
〔実施態様項27〕
上記取り付けフラップは、上記取り付けフラップの周囲に沿って設けられた複数の補強区分を有する、実施態様項24記載の器具。
〔実施態様項28〕
上記第2の部分は、一端にフック状特徴部を備えた複数の個々の取り付け部材を有する、実施態様項27記載の器具。
〔実施態様項29〕
一端にフック状特徴部を備えた上記個々の取り付け部材は、上記補強区分内への上記フック状特徴部の固定により上記取り付けフラップに固定されている、実施態様項28記載の器具。
〔実施態様項30〕
上記取り付けフラップは、上記開口端部のところに支持ロールを有する、実施態様項19記載の器具。
〔実施態様項31〕
上記支持ロールは、上記開口端部の周囲全体のところに設けられたポリマー材料のリングを有し、上記ポリマー材料のリングは、上記取り付けフラップの外径よりも大きな外径を有する、実施態様項30記載の器具。
〔実施態様項32〕
複数の取り付け部材を更に有し、上記取り付け部材の各々は、第1の端部のところに固定的特徴部を有すると共に第2の端部のところに支持フックを有する、実施態様項30記載の器具。
〔実施態様項33〕
上記支持フックは、上記支持ロールの周りに配置され、上記支持フックは、上記取り付けフラップに固定される、実施態様項32記載の器具。
〔実施態様項34〕
上記第2の部分は、上記取り付け部材の上記固定特徴部に固定されている、実施態様項33記載の器具。
〔実施態様項35〕
上記取り付けフラップは、複数の補強穴部を有する、実施態様項19記載の器具。
〔実施態様項36〕
上記複数の補強穴部は、上記取り付けフラップの周囲に沿って設けられている、実施態様項35記載の器具。
〔実施態様項37〕
複数の取り付け部材を更に有し、上記取り付け部材の各々は、第1の端部のところに固定的特徴部を有すると共に第2の端部のところに支持フックを有する、実施態様項30記載の器具。
〔実施態様項38〕
上記支持フックの各々は、上記補強穴部の各々内にそれぞれ配置され、上記支持フックの各々は、上記取り付けフラップに固定される、実施態様項37記載の器具。
〔実施態様項39〕
上記第2の部分は、上記取り付け部材の上記固定特徴部に固定されている、実施態様項37記載の器具。
〔実施態様項40〕
患者の体内管腔中への運搬のための管状プロテーゼを製造する方法であって、
(a)縮小植え込み直径を備えた体内管腔中への植え込み可能な器具を用意するステップを含み、上記器具は、
(i)全体として管状の第1の部分を有し、体液の流れのためのルーメンが上記第1の部分を貫通して延びており、上記第1の部分は、第1の開口端部及び第2の開口端部を有し、
(ii)上記第1の部分の上記第1の開口部端部に取り付けられた第2の部分を有し、上記第2の部分は、上記器具を体内管腔内に固定することができ、
上記第1の開口端部は、全周取り付けリングを備えた器具と比較して、縮小直径まで圧縮可能な取り付けフラップを有し、
(b)上記器具を上記体内管腔内の所望の場所に送達するステップを含む、方法。
〔実施態様項41〕
上記器具は、植え込み中、約3mm〜約5mm(約9F(フレンチ)〜約15F)の直径に縮小可能である、実施態様項40記載の方法。
〔実施態様項42〕
上記取り付けフラップは、協働して上記取り付けフラップの周囲にわたって延びる複数の別々のリング部材を有する、実施態様項40記載の方法。
〔実施態様項43〕
上記別々のリング部材の各々は、全体として“V”字形のものである、実施態様項42記載の方法。
〔実施態様項44〕
上記第2の部分は、上記別々のリング部材への取り付けにより上記第1の部分に固定されている、実施態様項42記載の方法。
〔実施態様項45〕
上記取り付けフラップは、少なくとも1つの補強区分を含むポリマー材料から成る、実施態様項42記載の方法。
〔実施態様項46〕
上記第2の部分は、一端にフック状特徴部を備えた複数の個々の取り付け部材を有する、実施態様項45記載の方法。
〔実施態様項47〕
一端にフック状特徴部を備えた上記個々の取り付け部材は、上記少なくとも1つの補強区分内への上記フック状特徴部の固定により上記取り付けフラップに固定されている、実施態様項46記載の方法。
〔実施態様項48〕
上記取り付けフラップは、上記取り付けフラップの周囲に沿って設けられた複数の補強区分を有する、実施態様項44記載の方法。
〔実施態様項49〕
上記第2の部分は、一端にフック状特徴部を備えた複数の個々の取り付け部材を有する、実施態様項48記載の方法。
〔実施態様項50〕
一端にフック状特徴部を備えた上記個々の取り付け部材は、上記補強区分内への上記フック状特徴部の固定により上記取り付けフラップに固定されている、実施態様項49記載の方法。
〔実施態様項51〕
上記取り付けフラップは、上記開口端部のところに支持ロールを有する、実施態様項40記載の方法。
〔実施態様項52〕
上記支持ロールは、上記開口端部の周囲全体のところに設けられたポリマー材料のリングを有し、上記ポリマー材料のリングは、上記取り付けフラップの外径よりも大きな外径を有する、実施態様項51記載の方法。
〔実施態様項53〕
複数の取り付け部材を更に有し、上記取り付け部材の各々は、第1の端部のところに固定的特徴部を有すると共に第2の端部のところに支持フックを有する、実施態様項51記載の方法。
〔実施態様項54〕
上記支持フックは、上記支持ロールの周りに配置され、上記支持フックは、上記取り付けフラップに固定される、実施態様項53記載の方法。
〔実施態様項55〕
上記第2の部分は、上記取り付け部材の上記固定特徴部に固定されている、実施態様項54記載の方法。
〔実施態様項56〕
上記取り付けフラップは、複数の補強穴部を有する、実施態様項40記載の方法。
〔実施態様項57〕
上記複数の補強穴部は、上記取り付けフラップの周囲に沿って設けられている、実施態様項56記載の方法。
〔実施態様項58〕
複数の取り付け部材を更に有し、上記取り付け部材の各々は、第1の端部のところに固定的特徴部を有すると共に第2の端部のところに支持フックを有する、実施態様項57記載の方法。
〔実施態様項59〕
上記支持フックの各々は、上記補強穴部の各々内にそれぞれ配置され、上記支持フックの各々は、上記取り付けフラップに固定される、実施態様項58記載の方法。
〔実施態様項60〕
上記第2の部分は、上記取り付け部材の上記固定特徴部に固定されている、実施態様項58記載の方法。
【0058】
本明細書において説明した種々の実施形態は、人工器具を安全且つ確実な仕方で比較的狭い空間(例えば、体内管腔)内に植え込むことができるようにするのに有用である。かかる器具の圧縮が植え込み中、器具の直径を減少させることができるようにすることは、かかる器具を患者の体内に安全に植え込むための重要且つ効果的な手段である。
【0059】
本発明の種々の実施形態を具体的に図示すると共に/本明細書において具体的に説明したが、理解されるように、本発明の精神及び意図した範囲から逸脱することなく当業者であれば本発明の改造及び変形を行うことができる。例えば、補強穴部及び/又はアイレットは、取り付け部材及び/又はテザーを受け入れる任意適当な形態を有することができ、かかる形態としては、穴のサイズ及び形態又は取り付け部材及び/又はテザーを通す補強穴部及び/又はアイレットのオリフィスのサイズ及び形態が挙げられるが、これらには限定されない。例えば、取り付け部材及び/又はテザーの形状寸法は、様々であって良い。さらに、溶接ラインを含む補強部を提供する補強タブ及び/又はグラフト材料の改造は、本発明の範囲に含まれる。さらに又、特許請求の範囲又は本明細書に記載した本発明の実施形態又は観点のうちの任意のものは、本発明を制限することなく互いに使用することができる。