【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的のために、本発明は、特に動力車用の、熱交換器のフィンであって、熱交換器のチューブをそれに通すことが意図された実質的に長手方向に延びる形状の少なくとも1つのオリフィスを備え、前記少なくとも1つのオリフィスは、フィンの一体部分として形成されたフランジに隣接し:
− フランジは、フィンによって画定される全体的平面に対して実質的に湾曲した形状を持って作られ、フィンによって画定される全体的平面と、フィンによって画定される全体的平面から突出するフランジの頂部との間に曲率半径を有し、
− そのフランジの曲率半径は、関連するオリフィスの端部で最小であり、関連するオリフィスの長手方向軸線に沿って実質的に中央の領域で最大である。
【0015】
各フランジは、例えば、フィンの関連するオリフィスの縁部を変形させることによって製造される。
【0016】
フランジの曲率半径がオリフィスの周囲に沿って変化するように、フランジは漸進的な曲率半径を有する。
【0017】
したがって、ある位置ではフランジの曲率半径が小さく、それはある程度の剛性を与え、フィンの機械的強度に寄与する。反対に、オリフィスの最大長さの実質的に真ん中で、フランジの曲率半径はより大きく、フランジをより柔軟にし、フィンの機械的強度に対する寄与が小さい。
【0018】
特に熱交換器のチューブのより広い部分を受け入れることが意図されているオリフィスの中央におけるこの設計の柔軟性は、特にチューブが呼び厚さ(nominal thickness)よりも厚い場合に、チューブから、例えば膨張によって、フィンに対して、特にフィンに設けられたルーバーに対して、伝達される変形のリスクを低減することを可能にする。
【0019】
さらに前記フィンは、別々の又は組み合わされた以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0020】
本発明の一態様によれば、最小曲率半径は0.05mm以下であり、最大曲率半径は0.15mm以上である。
【0021】
好ましくは、フランジの最大曲率半径は0.22mmのオーダーである。
【0022】
有利には、フランジの最大曲率半径は、フランジの高さよりも小さい。
【0023】
一実施形態によれば、フランジの高さは0.3mmのオーダーである。
【0024】
この構成は、フランジの少なくとも1つの領域、すなわちフランジの頂部が、オリフィスを貫通するチューブの形状に適合することを可能にする。
【0025】
本発明の別の態様によれば、各オリフィスの形状は幅が可変であり、関連するオリフィスに隣接するフランジは、より小さい幅を有するオリフィスの1又は複数の領域において最小曲率半径を有する。これは又はより小さな幅を有する各領域は、フィンの機械的強度に有用な領域を形成し、この位置でより剛性の大きいフランジを必要とする。
【0026】
一実施形態によれば、各オリフィスは、実質的に長手方向に延在する細長い形状であり、2つの対向する長手方向縁部を含み、各長手方向縁部は、オリフィスの内側から見て、少なくとも2つの凸部を有し、関連するオリフィスに隣接するフランジは、オリフィスの各長手方向縁部の凸部で最小の曲率半径を有する。
【0027】
オリフィスの2つの長手方向縁部は、2つの実質的に円形の端部によって接続することができ、関連するオリフィスに隣接するフランジは、2つの端部で最小曲率半径を有する。
【0028】
本発明の別の態様によれば、各オリフィスは、そのオリフィスの最大長さの中央で、オリフィスの残りの領域におけるよりも、幅広い。
【0029】
したがって、関連するオリフィスに隣接するフランジは、より大きい幅を有するオリフィスの中央領域において最大の曲率半径を有する。この中央領域は、特に、チューブのより広い、より柔軟な部分を受け入れることが意図されており、フィン及びチューブのアセンブリの機械的強度にはあまり寄与しない。この位置で剛性の低いフランジを使用することにより、組立時のチューブの変形はフィンに伝達されず、例えばフィン上に設けられたルーバーに伝達されない。
【0030】
一実施形態によれば、各長手方向縁部は、オリフィスの内側から見て、2つの凸部を分離する凹部を有し、関連するオリフィスに隣接するフランジは、オリフィスの各長手方向縁部の凹部において最大曲率半径を有する。
【0031】
本発明はまた、少なくとも1つのチューブと、前記少なくとも1つのチューブをそれに貫通させることが意図された先に定義された少なくとも1つのフィンとを含む、特に動力車用の、熱交換器に関する。
【0032】
特に、それは機械的に組み立てられた熱交換器に関する。
【0033】
従って、機械的組み立ての間に、チューブは、フィンのオリフィスを通って、又は実際には複数のフィンのいくつかの整列したオリフィスを通って、挿入され、そして、特に膨張によって、変形され、それが通る各オリフィスのフランジに対して押圧するようになる。ある位置における、特にオリフィスの端部での、フランジの剛性は、チューブ及びフィンのアセンブリの機械的強度を提供するが、このフランジは中央領域においてある柔軟性を有し、この柔軟性は、膨張力がチューブからフィンに伝達されること、特に、フィン上に提供されうるルーバーに伝達されることを防ぐ。
【0034】
前記熱交換器は、さらに、以下の特徴のうちの1つ以上を別々に又は組み合わせて含むことができる。
【0035】
本発明の1つの態様によれば、チューブがフィンの関連するオリフィスを通して挿入されることを可能にするために、前記少なくとも1つのフィンは少なくとも1つのオリフィスを有し、その形状は前記少なくとも1つのチューブの形状とマッチし、その寸法はそれを通るチューブの断面の寸法よりも大きい。
【0036】
有利には、チューブは、特に膨張によって、オリフィスにおいて形作られる前に、フィンの関連するオリフィスの形状と実質的に同一の形状を有する。組み立て前の形状のこの類似性は、特に、チューブの拡張中の圧縮力を低減するのに役立つ。
【0037】
本発明の別の態様によれば、チューブは可変幅の断面を有し、フィンの関連するオリフィスに隣接するフランジは、チューブのより狭い部分を受け入れるオリフィスの領域において最小曲率半径を有し、チューブのより広い部分を受け入れるオリフィスの領域において最大曲率半径を有する。
【0038】
したがって、より柔軟なアセンブリのために、適切な締め付けを確保するように、曲率半径は、チューブがその最も狭いところ、特にチューブの端部領域での、最小の曲率半径から、チューブがその最も広いところでの最大の曲率半径まで、徐々に変化し、それによって組立時のチューブの変形が、フィン及びフィンが担持するルーバーなどの要素に伝達されない。
【0039】
一実施形態によれば:
− 各チューブは、2つの対向する長手方向側部を含む断面を有し、各長手方向側部は、チューブの外側から見て少なくとも2つの凹部を有し、
− フィンの各オリフィスは実質的に細長形状であり、オリフィスの各長手方向縁部は、オリフィスの内側から見て少なくとも2つの凸部を有し、その少なくとも2つの凸部は、関連するオリフィスを貫通するチューブの2つの凹部とマッチし、
− 関連するオリフィスに隣接するフランジは、オリフィスの各長手方向縁部の凸部で最小曲率半径を有する。
【0040】
特に、フィンのオリフィスを貫通するチューブの端部領域であって、チューブの長手方向の側部が互いに最も近接する端部領域において、曲率半径は、フィンに良好な機械的強度を提供するように最小であり、特に、例えば振動試験中にフィンがチューブから滑り落ちるのを防止する。
【0041】
特定の一実施形態によれば、
− チューブの各長手方向側部は、チューブの外側から見た場合に、2つの凹部を分離する凸部を有し、
− オリフィスの各長手方向縁部は、オリフィスの内側から見た場合に、2つの凸部を分離する凹部であって、オリフィスを貫通するチューブの凸部とマッチする凹部を有し、
− 関連するオリフィスに隣接するフランジは、オリフィスの各長手方向縁部の凹部で、最大の曲率半径を有する。
【0042】
特に、フィンのオリフィスを貫通するチューブの長手方向の側部が互いに最も離れている領域では、チューブはより柔軟であり、フランジの曲率半径は最大であり、フランジにはある柔軟性が与えられて、変形がチューブからフィンに伝達されるリスクを低減する。
【0043】
本発明の他の特徴及び利点は、例示的かつ非限定的な例として提供される以下の説明を読むことで、また添付の図面を参照することで、より明確になるであろう。