(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技用価値を基に遊技を行う遊技機と、前記遊技機に隣接して設置され、当該遊技機と接続されて前記遊技用価値の貸出及び返却をデータ通信で行う貸出管理ユニットとを備える遊技システムにおいて、
前記貸出管理ユニットは、
交流の外部電源を直流の第2内部電源に変換して電源供給を行う第2電源供給手段と、
前記外部電源を補助する補助電源と、
前記外部電源の供給が不足している場合には前記補助電源を基に電源供給を行う補助電源供給手段と
を有し、
前記遊技機は、
前記外部電源を直流の第1内部電源に変換して電源供給を行う第1電源供給手段と、
前記遊技用価値の貸出及び返却に関わる信号の通信を行うための第1信号用外部端子、及び、前記貸出管理ユニットから電源供給を受けるための第1電源用外部端子を一つで有する第1コネクタと、
遊技の進行を制御する主制御装置と、
揮発性メモリに前記遊技用価値に関するデータを記憶する第1記憶手段を有し、当該第1記憶手段に記憶されている前記遊技用価値に関する第1データを、前記貸出管理ユニットとの前記遊技用価値の貸出に関わる信号の前記第1信号用外部端子を介しての通信に基づいて増加するように更新するとともに、前記貸出管理ユニットとの前記遊技用価値の返却に関わる信号の前記第1信号用外部端子を介しての通信に基づいて減少するように更新する第1更新処理を行う払出制御装置と
を有し、
前記主制御装置は、前記第1内部電源を基に動作するものであり、
前記払出制御装置は、
前記第1更新処理を含む所定の処理の実行に必要な電源供給を受けるための第1電源端子と、
当該第1電源端子への電源供給が不足している場合に、前記第1記憶手段の記憶内容の保持に必要な電源供給を受けるための第1非常用電源端子と
をさらに備え、
前記第1電源端子には、前記第1内部電源を基にした電源供給が行われ、
前記第1非常用電源端子には、前記第1電源用外部端子を介して、前記補助電源を基にした電源供給が行われ、
前記遊技機には、前記貸出管理ユニットに対して所定のカードが挿入されている場合と、離席状態の場合にだけ、前記補助電源を基にした電源が供給されることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、
図1〜
図7を参照して説明する。なお、本件明細書では、記載の容易化のため、遊技メダルの代わりに遊技に用いる遊技用価値に当たるデータを、適宜、「疑似メダル」と記載する。
【0036】
(スロットマシンシステム)
まず、スロットマシンシステムについて
図1および
図4を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかるスロットマシンとメダル貸出ユニットの正面図、
図4がスロットマシンシステムを示すブロック図である。
【0037】
図4に示すように、スロットマシンシステムSは、遊技用価値を基に遊技を行うスロットマシン1と、スロットマシン1に隣接して設置され、当該スロットマシン1と接続されて遊技用価値の貸出及び返却をデータ形式で行うメダル貸出ユニット200と、ホールコンピュータHPとで構成されている。スロットマシン1では、疑似メダルの枚数がメダル貸出ユニット200から枚数データの形式で払出制御基板83に送られ、払出制御基板83による枚数データ管理により、遊技が実行される。なお、スロットマシン1が本発明の「遊技機」に相当し、メダル貸出ユニット200が本発明の「貸出管理ユニット」に相当し、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200を有するシステムが本発明の「遊技システム」に相当する。
【0038】
また、本実施の形態では、スロットマシンシステムSにおいて、遊技者が投入した現金の残高に関する残高データ及びスロットマシン1に貸出可能な遊技者が所持する疑似メダルの枚数(以下、適宜、「貸出可能枚数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「貸出可能枚数データ」と記載する。)がメダル貸出ユニット200の貸出制御基板240の記憶手段408(
図4参照)に記憶される。また、スロットマシン1での遊技に使用可能な遊技者が所持する疑似メダルの枚数(以下、適宜、「使用可能枚数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「使用可能枚数データ」と記載する。)がスロットマシン1の払出制御基板83の記憶手段851(
図3参照)に記憶される。なお、記憶手段408はメモリ407のRAM部(揮発性メモリ)に形成され、記憶手段851はメモリ85のRAM部(揮発性メモリ)に形成されており、記憶手段408及び記憶手段851は電源供給が行われている場合にだけ記憶内容を保持することが可能であり、電源供給が行われなくなると記憶内容が消去される。なお、記憶手段851が本発明の「第1記憶手段」に相当し、記憶手段408が本発明の「第2記憶手段」に相当する。また、使用可能枚数データが本発明の「遊技用価値に関する第1データ」に相当し、残高データ及び貸出可能枚数データが本発明の「遊技用価値に関する第2データ」に相当する。
【0039】
そして、メダル貸出ユニット200の貸出スイッチ230aに対する操作により、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1に所定の貸出枚数分の疑似メダルの貸出が行われる。この貸出では、メダル貸出ユニット200の記憶手段408に記憶されている残高データまたは貸出可能枚数データが、所定の貸出枚数に相当する金額分減算された残高データまたは所定の貸出枚数分減算された貸出可能枚数データに書き換えられる。また、スロットマシン1の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データが、所定の貸出枚数分増加された使用可能枚数データに書き換えられる。
【0040】
また、メダル貸出ユニット200の返却スイッチ230bに対する操作により、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200に、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データにより示される枚数分の疑似メダル(記憶手段851に記憶されている疑似メダルの全て)の返却が行われる。この返却では、スロットマシン1の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データが、枚数「0」を示す使用可能枚数データに書き換えられる。また、メダル貸出ユニット200の記憶手段408に記憶されている貸出可能枚数データは、返却枚数分増加された貸出可能枚数データに書き換えられる。続いて、記憶手段408に記憶されている残高データ及び貸出可能枚数データが、カード挿入排出装置220に収容されているメダルカードに記憶されてメダルカードがカード挿入排出装置220の挿入/排出口220aから排出される。そして、記憶手段408に記憶されている残高データ及び貸出可能枚数データが、残高「0」を示す残高データ及び枚数「0」を示す貸出可能枚数データに書き換えられる。
【0041】
また、スロットマシン1のベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8に対する操作により、所定の賭け枚数分の疑似メダルの賭けが行われる。この賭けでは、スロットマシン1の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データが、所定の賭け枚数分減算された使用可能枚数データに書き換えられる。
【0042】
また、疑似メダルの払出のある役の入賞により、スロットマシン1から遊技者に対して所定の払出枚数の疑似メダルの払出が行われる。この払出では、スロットマシン1の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データが、所定の払出枚数分増加された使用可能枚数データに書き換えられる。
【0043】
また、各種遊技情報がメイン制御基板63からI/F基板91を介してホールコンピュータHPに送信される。各種遊技情報は、例えば、前面パネル2の開放状態、疑似メダルの投入枚数に関する情報、疑似メダルの払出枚数に関する情報、エラー発生情報、設定変更中である旨の情報、設定確認状態である旨の情報、ボーナス状態中である旨の情報、入賞・再遊技役・ボーナス役に入賞した旨の情報、各回転リール6L,6M,6Rが停止した旨の情報などである。
【0044】
また、払出制御基板83と、メダル貸出ユニット200とは、I/F基板90,250を介して双方向で情報のやり取りが行われる。また、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1に内部電源Bを基にした電源と補助電源を基にした電源が供給される(
図5参照)。なお、後述する第2実施形態では、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1に内部電源Bを基にした電源が供給され、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200に補助電源を基にした電源が供給される。
【0045】
以下では、まず、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200の機能について詳細に説明した後に、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200に関する電源供給とスロットマシン1とメダル貸出ユニット200との接続関係について詳細に説明する。
【0046】
(メダル貸出ユニット)
図1や
図4に示すように、メダル貸出ユニット200は、ユニット情報表示装置210、現金投入ユニット(図示省略)、カード挿入排出装置220、貸出スイッチ230a、返却スイッチ230b、離席スイッチ230c、貸出制御基板240、I/F基板250を備えている。また、メダル貸出ユニット200は、
図5に示すように、電源基板260や補助電源270も備えている。
【0047】
ユニット情報表示装置210は、貸出制御基板240の記憶手段408に記憶されている残高データや貸出可能枚数データに基づく遊技者の現金残高(度数)や遊技者の所持する疑似メダル枚数などを表示するものである。ユニット情報表示装置210は、例えば、複数の7セグメントLEDにより構成されたり、液晶表示器等により構成されたりする。
【0048】
現金投入ユニットは、メダル貸出ユニット200から疑似メダルを借り受けるために紙幣等の現金が投入されるものであり、遊技者により投入された現金を検出する。
【0049】
カード挿入排出装置220は、挿入/排出口220aから所定のID情報が書き込まれたメダルカード(本発明の「所定のカード」に相当)が挿入された場合は、当該メダルカードを収納するとともに、返却スイッチ230bが操作された場合は、収容しているメダルカードを挿入/排出口220aから排出するものである。また、カード挿入排出装置220は、離席スイッチ230cが操作された場合は、収容しているメダルカードに書き込まれたID情報を記憶手段408に記憶して、当該メダルカードを挿入/排出口220aから排出するものである。また、カード挿入排出装置220は、離席スイッチ230cの操作によりメダルカードが排出された後に、挿入/排出口220aからメダルカードが挿入された場合は、メダルカードに書き込まれたID情報と記憶手段408に記憶されているID情報とを照合し、一致する場合には記憶手段408からそれに記憶されているID情報を消去して、挿入されたメダルカードを受け付けて収容するものである。一致しない場合には挿入されたメダルカードを受け付けずに挿入/排出口220aから排出するものである。なお、メダル貸出ユニット200は、カード挿入排出装置220にメダルカードが挿入されている場合と、カード挿入排出装置220が離席スイッチ230cの操作によりメダルカードを排出してから、排出したメダルカード(排出するときに記憶手段408に記憶されたID情報とID情報が一致するメダルカード)を受け付けて収容するまでの状態にある場合(本発明の「離席状態」に相当し、以下、「離席状態」と記載する。)にだけ、疑似メダルの貸出や返却等に関する処理を行うことができる遊技可能な状態になる。また、スロットマシン1は、カード挿入排出装置220にメダルカードが挿入されている場合と、離席状態にある場合にだけ、疑似メダルの投入や払出、貸出、返却等に関する処理を行うことができる遊技可能な状態になる。
【0050】
貸出制御基板240には、
図4に示すように、メダル貸出ユニット200全体の制御を行う貸出CPU400が実装されており、貸出CPU400はメモリ407を有するとともに、受付手段401、貸出手段402、返却手段403、送受信手段404、状態監視手段405、及び、停止制御手段406として機能する。なお、貸出CPU400は本発明の「貸出制御装置」に相当する。
【0051】
(1)記憶手段408
メモリ407は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えており、RAM部(揮発性メモリ)に記憶手段408が形成されている。記憶手段408は、残高データや貸出可能枚数データ、払出制御基板83から受け取った記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データ、メダルカードに書き込まれたID情報などを保持するものである。
【0052】
(2)受付手段401
受付手段401は、メダルカードがカード挿入排出装置220の挿入/排出口220aに挿入されると、記憶手段408に記憶されている残高データ及び貸出可能枚数データを、メダルカードに記憶されている金額(金額が「0」の場合もある)分増加した残高データまたは疑似メダルの枚数(枚数が「0」の場合もある)分増加した貸出可能枚数データに書き換えて、メダルカードに記憶されている金額または疑似メダルの枚数を「0」にするものである。また、受付手段401は、現金が現金投入ユニットに投入されると、記憶手段408に記憶されている残高データを、投入された金額分増加した残高データに書き換えるものである。
【0053】
(3)貸出手段402
貸出スイッチ230aが操作された場合、スロットマシン1へ所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号が送受信手段404によって送信される。貸出手段402は、この信号の送信に基づいて、記憶手段408に記憶されている残高データまたは貸出可能枚数データを、所定の貸出枚数に相当する金額分減算した残高データまたは所定の貸出枚数分減算した貸出可能枚数データに書き換えるものである。なお、貸出手段402は、所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号がスロットマシン1に送信された場合に記憶手段408の記憶内容を更新する代わりに、例えば、所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号がスロットマシン1へ送信され、これに対する応答信号がスロットマシン1から受信された場合に記憶手段408の記憶内容を更新するようにしてもよい。
【0054】
なお、本実施形態では、記憶手段408に記憶されている貸出可能枚数データに基づく疑似メダルの貸出では、貸出スイッチ230aの操作ごとに所定の貸出枚数分の疑似メダルを貸し出すようにしているが、例えば、貸出スイッチ230aが操作されると、一度に記憶手段408に記憶されている疑似メダルの全てを貸し出すようにしてもよい。
【0055】
(4)返却手段403
返却スイッチ230bが操作された場合、返却スイッチ230bが操作されたことを特定可能な情報に基づく信号が送受信手段404によってスロットマシン1に送信され、これに対する応答としてスロットマシン1から返却枚数分の枚数データに基づく信号が送受信手段404によって受信される。返却手段403は、この信号が受信された場合に、記憶手段408に記憶されている貸出可能枚数データを、返却枚数分増加した貸出可能枚数データに書き換えるものである。続いて、返却手段403は、記憶手段408に記憶されている残高データ及び貸出可能枚数データをカード挿入排出装置220に収容されているメダルカードに記憶して当該メダルカードをカード挿入排出装置220の挿入/排出口220aから排出するとともに、記憶手段408に記憶されている残高データ及び貸出可能枚数データを、残高「0」を示す残高データ及び枚数「0」を示す貸出可能枚数データに書き換える。
【0056】
(5)送受信手段404
送受信手段404は、払出制御基板83からの各種情報に基づく信号を受信するとともに、払出制御基板83に各種情報に基づく信号を送信するものである。払出制御基板83から受信する情報としては、疑似メダルの返却枚数や、使用可能枚数(記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データが示す疑似メダルの枚数)、エラー情報などである。また、払出制御基板83に送信する情報としては、疑似メダルの貸出枚数や、各スイッチ230a〜230cの操作状態に関する情報などである。なお、送受信手段404から受け取った使用可能枚数を示す使用可能枚数データ(記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データ)は記憶手段408に記憶され、これにより、メダル貸出ユニット200と払出制御基板83の双方で記憶されることになり、両者を利用することにより不正行為に対応することが可能になる。
【0057】
(6)状態監視手段405
状態監視手段405は、カード挿入排出装置220の挿入/排出口220aにメダルカードが挿入され、カード挿入排出装置220が当該メダルカードを収容している状態にあるか否かを監視するものである。なお、状態監視手段405は、本発明の「第2状態監視手段」に相当する。
【0058】
(7)停止制御手段406
停止制御手段406は、状態監視手段405による監視の結果、カード挿入排出装置220がメダルカードを収容されていない状態にある場合には、受付手段401、貸出手段402、及び、返却手段403による記憶手段408の記憶内容の更新処理を停止させるものである。このため、カード挿入排出装置220がメダルカードを収容している状態にある場合にだけ、受付手段401、貸出手段402、及び、返却手段403により、記憶手段408の記憶内容の更新処理を行うことができる。なお、停止制御手段406は、本発明の「第2停止制御手段」に相当する。
【0059】
(スロットマシン)
続いて、スロットマシン1の構成の概略について、
図1を参照して説明する。
【0060】
本実施形態におけるスロットマシン1では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作により、遊技を開始させるための所定条件を成立させるために疑似メダルの投入が行われる。また、疑似メダルの投入により所定枚数分の賭け数が設定されて所定条件が成立したことを条件として、遊技者によりスタートスイッチ9が操作されると、各々複数個の図柄が配列された複数の回転リール6L,6M,6Rが回転を開始する。また、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により各回転リール6L,6M,6Rが停止する。このときの停止図柄表示結果が所定の入賞態様であれば、予め定められた所定の払出枚数分の疑似メダルの払出が行われることにより1回の遊技が終了する。ここで、疑似メダルの投入とは、払出制御基板83の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、当該遊技の賭け数に応じたメダル枚数が減じられた使用可能枚数データに書き換えることをいう。また、疑似メダルの払出とは、当該遊技で入賞した場合に、払出制御基板83の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、入賞役に応じて設定されたメダル枚数が加算された使用可能枚数データに書き換えることをいう。
【0061】
なお、疑似メダルの投入が行われ、使用可能枚数データが減じられた場合であってもスタートスイッチ9の操作が行われるまでは、設定された賭け数を変更することができ、これに応じて賭け数が適宜更新され、スタートスイッチ9を操作すると賭け数として設定された分が遊技に供されることとなる。例えば、規定枚数として「3」または「1」が設定されている遊技状態において賭け数を設定する場合、最大ベットスイッチ8を操作することで賭け数として「3」が設定されるとともに、使用可能枚数データからは「3」が減じられる。その後、賭け数を「1」に変更する場合、ベットスイッチ7を操作することで賭け数として「1」が設定されるとともに、使用可能枚数データには「2」が戻る(加算される)こととなる。
【0062】
スロットマシン1は、例えば、
図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、前面が開放された箱型の筐体の前面が前面パネル2により開閉自在に閉塞され、この前面パネル2のほぼ中央高さの位置に操作板3が配設されると共に、この操作板3の上方に正面板4が配設されている。そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられている。また、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右回転リール6L,6M,6Rが配置されている。
【0063】
左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面には、所定の個数の図柄が所定の配列で設けられている。また、左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数の図柄には、種類が異なる複数種類の図柄が含まれている。なお、各回転リール6L,6M,6Rは、複数種類の図柄が印刷されたリールテープが回転リールの周面に貼り付けられて形成されている。また、各回転リール6L,6M,6Rが回転すると、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ表示窓5に変動表示される。また、各回転リール6L,6M,6Rの回転が停止すると、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれについて、表示窓5の上段、中段および下段のそれぞれに1個ずつの合計3個の図柄が表示されるように設定されている。すなわち、全ての回転リール6L,6M,6Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示される。
【0064】
また、各回転リール6L,6M,6Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各回転リール6L,6M,6Rには、それぞれステッピングモータにより構成される左、中、右リールモータ27L,27M,27R(
図2参照)が連結されている。また、各回転リール6L,6M,6Rを支持する支持枠体が筐体内の後壁に固定されて設けられており、各回転リール6L,6M,6Rは支持枠体に支持されて筐体内に配設されている。
【0065】
また、操作板3には、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、レバー状のスタートスイッチ9、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rが設けられている。ベットスイッチ7は、遊技者が後述する払出制御基板83の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データから1枚分ずつの疑似メダルの投入を指示する操作を行うためのものである。最大ベットスイッチ8は、遊技者が払出制御基板83の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(規定枚数:3枚に設定されている)の疑似メダルの投入を指示する操作を行うためのものである。なお、ベットスイッチ7および最大ベットスイッチ8は、払出制御基板83の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データにより示されるメダル枚数が1枚以上である場合に有効化されるように設定されている。また、最大ベットスイッチ8が操作されたときに、払出制御基板83の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データが示すメダル枚数が規定枚数(例えば3枚)よりも少ない場合には、疑似メダルの貸し出しを遊技者に促す報知を行うようにしてもよいし、規定枚数(例えば3枚)より少ない所定枚数で遊技できるようにしてもよい。また、そもそもそのような場合には、ベットスイッチ7及び最大ベットスイッチ8の操作を受付けないようにしてもよい。
【0066】
スタートスイッチ9は、遊技者が各回転リール6L,6M,6Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させる操作を行うためのものである。左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、遊技者が左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる操作を行うためのものである。なお、スタートスイッチ9は、払出制御基板83の記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データから所定枚数が減算された使用可能枚数データへの書き換え(所定枚数分の疑似メダルの投入)が行われた後、有効化されるように設定されている。また、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、スタートスイッチ9の操作により回転開始した各回転リール6L,6M,6Rが所定の加速期間が経過して定速回転するようになった後に有効化されるように設定されている。
【0067】
本実施の形態では、1ゲーム(1回の遊技)に必要な賭け数(所定枚数)は、1枚、2枚、3枚の3種類が設定されている。また、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれにより複数種類の図柄を可変表示する可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ10L,10M,10Rは、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれに対応して設けられている。
【0068】
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行ったりするための液晶表示器14が設けられている。
【0069】
また、正面板4の上方の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための上部スピーカ15が設けられている。また、操作板3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための下部スピーカ16が設けられている。
【0070】
また、前面パネル2の上側の周縁部分に上部ランプ部21が設けられ、前面パネル2の下部パネル18の左右に下部ランプ部22が設けられている。各ランプ部21,22それぞれは、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などの発光手段を備え、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
【0071】
また、表示窓5の右下方には、遊技者が所有する疑似メダルの枚数を表示するための所持メダル表示器26が配設されている。この所持メダル表示器26は、例えば、5個の7セグメントLEDで構成され、5桁の疑似メダルの所持枚数が表示可能になっている。なお、所持メダル表示器26を構成する7セグメントLEDが本発明の「発光装置」に相当する。
【0072】
また、所持メダル表示器26の隣には、払出制御基板83に関連するエラー表示を行うための3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cが配設されている。
【0073】
また、表示窓5の左下方には、疑似メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。この払出表示器46は、例えば、2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の疑似メダルの払出枚数が表示可能になっている。
【0074】
(スロットマシンの電気的な構成の概略)
スロットマシン1の電気的な構成の概略について、
図1も参照しつつ
図2を参照して説明する。
図2はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0075】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右回転リール6L,6M,6Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右回転リール6L,6M,6Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。このスロットマシン1では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれに設定された0〜20番の図柄のコマ番号のうち、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓5の中段に位置するように構成されている。
【0076】
変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりON、OFFが切り換えられる。リセットスイッチ52は、操作ボックス49内に設けられ、設定変更中は1回押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。電源スイッチ50は、電源のON、OFFを切り換えるものであり、操作ボックス49内に設けられている。
【0077】
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73と、遊技者が所持する疑似メダルの枚数を管理する払出CPU81が実装された払出制御基板83と、
図4に示すように、外部機器と通信を行うためのI/F基板90,91が別々に設けられている。また、スロットマシン1は、
図5に示すように、電源基板95も備えている。メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。また、メイン制御基板63と払出制御基板83とは各種の情報が双方向で送信される。なお、メインCPU61が本発明の「主制御装置」に相当し、払出CPU81が本発明の「払出制御装置」に相当する。
【0078】
メイン制御基板63のRAM65はスロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域が形成されている。
【0079】
また、メイン制御基板63のROM67は予め設定されたデータ(
図3の役抽選テーブル671など)や遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶するものである。
【0080】
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、抽選手段102(
図3参照)による役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0081】
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種の遊技情報に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器14やスピーカ15,16などの演出機器の制御を行う。
【0082】
また、払出制御基板83のメモリ85は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、払出制御基板83の払出CPU81は、タイマ割込などの割込機能を有し、遊技者が所持する疑似メダルの枚数を、メモリ85のRAM部(揮発性メモリ)に形成された記憶手段851に記憶される使用可能枚数データを用いて管理したり、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データに応じた疑似メダルの枚数を所持メダル表示器26に表示したりするなどの各種制御を行う。
【0083】
メイン制御基板63、サブ制御基板73、払出制御基板83、I/F基板90,91、電源基板95それぞれは、外部から容易にアクセスできないように、カシメ機構を有する個別の基板ケース内に封印されている。不正行為を防止するための各基板の接続方法としては、それぞれに実装されたコネクタにより、直接基板間接続(BtoB接続)する方法、物理的アクセスの他に、電磁波ノイズの影響を抑えるワイヤカバーで被覆された信号線を用いて接続する方法、信号線を遊技者から視認し難い場所から引き回す方法、基板間の通信信号を暗号化する方法、各基板に設けたID情報を、定期的またはエラー発生時にやり取りする方法などがある。なお、基板それぞれに実装されたコネクタにより両基板を接続する場合は、基板の視認性が低下する積層接続ではなく、横並びに接続し、接続箇所を含めた基板ユニットとしてカバーすることでアクセスを困難にするとよい。
【0084】
(メイン制御基板)
メイン制御基板63の機能について
図3を参照して説明する。
【0085】
(1)遊技制御手段100
遊技制御手段100は、メダルレスのスロットマシン1において実行される遊技を制御するためのものである。
【0086】
このスロットマシン1の遊技では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されて疑似メダルの投入の指示があると、その旨を特定可能な情報に基づく信号がメダル管理送受信手段110により払出制御基板83に送信される。この信号を受信した払出制御基板83では、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データが、疑似メダルの投入枚数分減算された使用可能枚数データに書き換えられる。このとき、書き換えたことを特定可能な情報に基づく信号が、払出制御基板83からメイン制御基板63に送信され、この信号がメダル管理送受信手段110により受信されることにより賭け数が設定される。また、スタートスイッチ9の操作がされるまでは賭け数の変更が可能であって、これに応じて記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データも更新されることとなる。そして、所定の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、まず、当選か否かを決定する抽選手段102による乱数抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が開始する。
【0087】
その後に、3個のストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの1個が操作されると、左・中・右回転リール6L,6M,6Rのうちの当該操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rに対応した回転リールの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作が終了すると、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、所定枚数の疑似メダルの払出、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データの減算を行うことなく次回の遊技を実行可能なリプレイ、などの所定の利益が遊技者に対して付与される。
【0088】
(2)投入制御手段101
投入制御手段101は、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、所定枚数の疑似メダルの投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。
【0089】
ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、その旨を特定可能な情報に基づく信号がメダル管理送受信手段110により払出制御基板83に送信される。当該情報に基づく信号を受信した払出制御基板83は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、ベット数に応じた枚数分減算した使用可能枚数データに書き換え、その旨を特定可能な情報に基づく信号をメイン制御基板63に送信する。この信号がメダル管理送受信手段110により受信されると、投入制御手段101は、スタートスイッチ9の操作を有効化する。
【0090】
(3)抽選手段102
抽選手段102は、本実施の形態では、スタートスイッチ9の操作を契機に、所定の範囲内(本実施の形態では、例えば、10進数で0〜65535)で乱数を発生させて抽出し、抽出した乱数と役抽選テーブル671とを基に、小役、再遊技役、ボーナス役を含む複数の役のいずれかに当選かまたはハズレかの抽選を行うためのものである。
【0091】
役抽選テーブル671は、抽選手段102が発生させる所定の範囲内の各乱数について、予め設定されている抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものである。
【0092】
(4)停止制御手段103
停止制御手段103は、遊技者によるストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作態様と抽選手段102の抽選結果とに基づき、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行うものである。
【0093】
(5)判定手段104
判定手段104は、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により全ての回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄の表示態様を判定するものである。本実施の形態では、各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかが判定手段104により判定される。なお、入賞と判定される表示態様は、当選役毎に異なる表示態様が予め定められている。
【0094】
(6)払出制御手段105
払出制御手段105は、判定手段104により停止図柄表示結果が所定の入賞と判定された場合、所定の払出枚数の疑似メダルの払出を行うものである。払出制御手段105により遊技者に払い出された疑似メダルの払出枚数分の枚数データに基づく信号がメダル管理送受信手段110により払出制御基板83に送信される。当該情報に基づく信号を受信した払出制御基板83は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、払出枚数分増加した使用可能枚数データに書き換える。
【0095】
(7)エラー検知手段106
エラー検知手段106は、通常の状態とは異なる異常な状態が発生している状態、いわゆるエラーが発生したか否かを検知するものである。
【0096】
(8)払出表示器制御手段107
払出表示器制御手段107は、払出表示器46の表示を制御するものである。具体的には、払出表示器制御手段107は、当選役に入賞した際、払出表示器46に当該入賞役に設定された疑似メダルの払出枚数が表示されるように払出表示器46を制御する。また、払出表示器制御手段107は、エラー検知手段106によりエラーの発生が検知された場合、払出表示器46に検知したエラーに対して予め定められた識別番号が表示されるように払出表示器46を制御する。
【0097】
(9)コマンド作成手段108
コマンド作成手段108は、抽選手段102の役抽選結果に関する情報、通常遊技状態やボーナス遊技状態などの遊技状態の種類に関する情報、各回転リール6L,6M,6Rの回転・停止状態、払出制御手段105による疑似メダルの払出状態などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段108により生成されたコマンドは、後述するコマンド送信手段109によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
【0098】
(10)コマンド送信手段109
コマンド送信手段109は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。
【0099】
(11)メダル管理送受信手段110
メダル管理送受信手段110は、払出制御基板83に各種情報に基づく信号を送信するとともに、払出制御基板83からの各種情報に基づく信号を受信するものである。払出制御基板83に送信する情報としては、例えば、入賞役に関する情報やベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8の操作に関する情報などである。また、払出制御基板83から受信する情報としては、例えば、疑似メダルの払出に関する情報、メダル貸出ユニット200の貸出スイッチ230a、返却スイッチ230b、離席スイッチ230cの操作に関する情報、払出制御基板83のエラーに関する情報などである。
【0100】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73の機能について
図3を参照して説明する。
【0101】
(1)コマンド受信手段150
コマンド受信手段150は、メイン制御基板63のコマンド送信手段109により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段150は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
【0102】
(2)演出内容決定手段151
演出内容決定手段151は、コマンド受信手段150により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、抽選手段102の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器14に表示される動画を決定したり、スピーカ15,16から流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22の光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
【0103】
そして、演出内容決定手段151は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を液晶表示制御手段152および音声制御手段153に送信する。
【0104】
(3)液晶表示制御手段152
液晶表示制御手段152は、演出内容決定手段151から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器14に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。例えば、液晶表示制御手段152は演出内容決定手段151から送信されるデータに基づいて上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別にフラッシュさせる。
【0105】
(4)音声制御手段153
音声制御手段153は、演出内容決定手段151から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ15,16から音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。例えば、音声制御手段153は、演出内容決定手段151から送信されるデータに基づいてスピーカ15から再遊技役の入賞音を鳴らしたり、スピーカ16からメダルの投入音を鳴らしたりする。
【0106】
(払出制御基板)
次に、払出制御基板83の機能について
図3を参照して説明する。
【0107】
(1)記憶手段851
記憶手段851は、メモリ85のRAM部(揮発性メモリ)に形成され、遊技者が所持する疑似メダルの使用可能枚数データを記憶するものである。
【0108】
(2)受信手段300
受信手段300は、メイン制御基板63から送信される、疑似メダルの投入の指示や、入賞役にかかる疑似メダルの払出枚数に関する情報などの各種情報に基づく信号を受信するとともに、メダル貸出ユニット200から送信される疑似メダルの貸出枚数に関する情報やスイッチ230a,230b,230cに関する情報などの各種情報に基づく信号を受信するものである。受信手段300は、メイン制御基板63から送信される情報に基づく信号や、メダル貸出ユニット200から送信される情報に基づく信号を受信すると、情報の種類に応じて払出制御基板83が備える各機能に通知を行う。なお、受信手段300については、メイン制御基板63からの信号を受信する手段と、メダル貸出ユニット200からの信号を受信する受信手段とが別々の手段であってもよい。
【0109】
(3)所持メダル管理手段301
所持メダル管理手段301は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データの管理を行うものである。
【0110】
メダル貸出ユニット200の貸出スイッチ230aが操作された場合、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1に所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号が送信され、この信号が受信手段300により受信される。この信号が受信手段300により受信された場合、所持メダル管理手段301は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、所定の貸出枚数分増加した使用可能枚数データに書き換える。
【0111】
また、ベットスイッチ7や最大ベットスイッチ8が操作された場合、メイン制御基板63から払出制御基板83にその旨を特定可能な情報に基づく信号が送信され、この信号が受信手段300により受信される。この信号が受信手段300により受信された場合、所持メダル管理手段301は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、ベットスイッチ7,8の種類のベット数に応じた枚数分減算した使用可能枚数データに書き換える。書き換え後は、その旨を特定可能な情報に基づく信号が送信手段304により払出制御基板83からメイン制御基板63に送信され、これによりスタートスイッチ9の操作が有効になる。
【0112】
また、当選役の入賞により、メイン制御基板63から払出制御基板83に入賞結果に応じた払出枚数分の枚数データに基づく信号が送信され、この信号が受信手段300により受信される。この信号が受信手段300により受信された場合、所持メダル管理手段301は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、払出枚数分増加した使用可能枚数データに書き換える。ただし、再遊技役に入賞しても、所持メダル管理手段301は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データの書き換えを行わない。
【0113】
また、メダル貸出ユニット200の返却スイッチ230bが操作された場合、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1にその旨を特定可能な情報に基づく信号が送信され、この信号が受信手段300により受信される。この信号が受信手段300により受信された場合、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200に、返却メダルの枚数データ(この返却メダルの枚数データにより示される枚数は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データにより示される枚数と同じ)に基づく信号が送信手段304により送信される。この信号が送信手段304により送信された場合、所持メダル管理手段301は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを、枚数「0」を示す使用可能枚数データに書き換える。なお、所持メダル管理手段301は、返却枚数分の枚数データに基づく信号がメダル貸出ユニット200に送信された場合に記憶手段851の記憶内容を更新するのではなく、例えば、返却枚数分の枚数データに基づく信号がメダル貸出ユニット200へ送信され、これに対する応答信号がメダル貸出ユニット200から受信された場合に記憶手段851の記憶内容を更新するようにしてもよい。
【0114】
(4)所持メダル表示器制御手段302
所持メダル表示器制御手段302は、記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データを基に、当該使用可能枚数データが示す疑似メダルの枚数が所持メダル表示器26に表示されるように、所持メダル表示器26の制御を行うものである。
【0115】
(5)エラー表示ランプ制御手段303
エラー表示ランプ制御手段303は、通常の状態とは異なる異常な状態が発生している状態、いわゆるエラーが発生したか否かを検知し、検知結果に応じて3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cの点灯/消灯を制御することにより、払出制御基板83に関連するエラーを報知するものである。エラーの種類は、3つのエラー表示ランプ30a,30b,30cの点灯/消灯の組み合わせで判別できるようになっている。なお、払出制御基板83で検知可能なエラーが生じた場合も、その旨の情報がメイン制御基板63に送信され、遊技が中止される。
【0116】
(6)送信手段304
送信手段304は、メダル貸出ユニット200の各種スイッチの操作状態に関する情報、疑似メダルの投入や疑似メダルの払出に基づく記憶手段851に記憶されている使用可能枚数データの書き換えが完了した旨の情報、払出制御基板83が検知できるエラー状態に関する情報などの各種情報に基づく信号をメイン制御基板63に送信する。また、送信手段304は、メダル貸出ユニット200の返却スイッチ230bが操作された場合の返却枚数に関する情報などの各種情報に基づく信号をメダル貸出ユニット200に送信するものである。
【0117】
(7)状態監視手段305
状態監視手段305は、カード挿入排出装置220の挿入/排出口220aにメダルカードが挿入され、カード挿入排出装置220が当該メダルカードを収容している状態にあるか否かを監視するものである。なお、状態監視手段305は、本発明の「第1状態監視手段」に相当する。
【0118】
例えば、メダル貸出ユニット200は、カード挿入排出装置220の挿入/排出口220aにメダルカードが挿入され、カード挿入排出装置220が当該メダルカードを収容した旨を特定可能な情報に基づく信号(以下、「収容報知信号」と記載する。)をスロットマシン1に送信する。また、メダル貸出ユニット200は、カード挿入排出装置220の挿入/排出口220aからメダルカードが排出された旨を特定可能な情報に基づく信号(以下、「排出報知信号」と記載する。)をスロットマシン1に送信する。状態監視手段305は、収容報知信号を受信してから排出報知信号を受信するまでの間、カード挿入排出装置220がメダルカードを収容している状態にあると判断する。
【0119】
(8)停止制御手段306
停止制御手段306は、状態監視手段305による監視の結果、カード挿入排出装置220がメダルカードを収容されていない状態にある場合には、所持メダル管理手段301による記憶手段851の記憶内容の更新処理を停止させるものである。このため、カード挿入排出装置220がメダルカードを収容している状態にある場合にだけ、所持メダル管理手段301により、記憶手段851の記憶内容の更新処理が行われることとなる。なお、停止制御手段306は、本発明の「第1停止制御手段」に相当する。
【0120】
(電源供給及びスロットマシン1とメダル貸出ユニット200間の接続関係)
続いて、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200における電源供給及びスロットマシン1とメダル貸出ユニット200間の接続関係について
図5及び
図6を参照して説明する。
【0121】
この実施形態では、スロットマシン1は外部電源を補助する補助電源を有しておらず、メダル貸出ユニット200が外部電源を補助する補助電源270を備えている。補助電源270は、例えば、UPS(無停電電源装置)である。
【0122】
スロットマシン1では、電源基板95に電源供給手段96が設けられており、電源供給手段96は交流の外部電源(商用電源など)を直流の内部電源Aに変換して電源供給を行うものである。この内部電源Aは、供給対象の装置に対して当該装置に応じた電圧に変換されて供給されることになる。なお、以下では、記載の簡略化のため、供給対象の装置には内部電源Aが供給されると記載する。なお、内部電源Aは、本発明の「第1内部電源」に相当する。
【0123】
メダル貸出ユニット200では、電源基板260に電源供給手段261と補助電源供給手段262とが設けられている。電源供給手段261は交流の外部電源(商用電源など)を直流の内部電源Bに変換して電源供給を行うものである。この内部電源Bは、供給対象の装置に対して当該装置に応じた電圧に変換されて供給されることになる。なお、以下では、記載の簡略化のため、供給対象の装置には内部電源Bが供給されると記載する。また、補助電源供給手段262は外部電源が不足している場合に補助電源270を基に電源供給(直流の補助電源の供給)を行うものである。この補助電源は、供給対象の装置に対して当該装置に応じた電圧に変換されて供給されることになる。なお、以下では、記載の簡略化のため、供給対象の装置には補助電源が供給されると記載する。なお、内部電源Bは、本発明の「第2内部電源」に相当する。
【0124】
I/F基板90にはコネクタ93が設けられており、コネクタ93は、一つのコネクタで、電源用外部端子93a,93c及び信号用外部端子93b,93dを収容して備えるものである(
図5(b)参照)。信号用外部端子93dには、払出CPU81からの信号が供給される。なお、コネクタ93は本発明の「第1コネクタ」に相当し、電源用外部端子93cは本発明の「第1電源用外部端子」に相当し、信号用外部端子93b,93dは本発明の「第1信号用外部端子」に相当する。
【0125】
I/F基板250にはコネクタ253が設けられており、コネクタ253は、一つのコネクタで、電源用外部端子253a,253c及び信号用外部端子253b,253dを収容して備えるものである(
図5(c)参照)。電源用外部端子253aには、電源供給手段261による内部電源Bが供給され、電源用外部端子253cには、補助電源供給手段262による補助電源が供給される。また、信号用外部端子253bには、貸出CPU400からの信号が供給される。なお、コネクタ253は本発明の「第2コネクタ」に相当し、電源用外部端子253cは本発明の「第2電源用外部端子」に相当し、信号用外部端子253b,253dは本発明の「第2信号用外部端子」に相当する。
【0126】
電線L1a,L1c及び信号線L1b,L1dは一つのハーネスH1に収容されており、ハーネスH1の一方がコネクタ93に、他方がコネクタ253に取り付けられ、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200がハーネスH1で接続される。
【0127】
このとき、電線L1aの一端側がコネクタ93の電源用外部端子93aに接続し、その他端側がコネクタ253の電源用外部端子253aに接続して、電源用外部端子93aと電源用外部端子253aとが電気的に接続される。これにより、電源供給手段261により電源用外部端子253aに供給された内部電源Bが、電線L1aを介して電源用外部端子93aに供給される。電源用外部端子93aに供給された内部電源Bは、スロットマシン1内の内部電源Bを用いる各部に供給される。この実施形態では、内部電源Bはメダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がONである場合にだけメダル貸出ユニット200からスロットマシン1に供給されることになる。
【0128】
また、信号線L1bの一端側がコネクタ93の信号用外部端子93bに接続し、その他端側がコネクタ253の信号用外部端子253bに接続して、信号用外部端子93bと信号用外部端子253bとが電気的に接続される。これにより、貸出CPU400により信号用電源端子253bに供給された、貸出スイッチ230aが操作された場合の所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号、返却スイッチ230bが操作された場合の返却スイッチ230bが操作された旨を特定可能な情報に基づく信号などの各種信号が、信号線L1bを介して信号用外部端子93bに供給される。信号用外部端子93bに供給された当該各種信号は、払出CPU81に供給される。
【0129】
また、電線L1cの一端側がコネクタ93の電源用外部端子93cに接続し、その他端側がコネクタ253の電源用外部端子253cに接続して、電源用外部端子93cと電源用外部端子253cとが電気的に接続される。これにより、補助電源供給手段262により電源用外部端子253cに供給された補助電源が、電線L1cを介して電源用外部端子93cに供給される。電源用外部端子93cに供給された補助電源Bは、スロットマシン1内の補助電源を用いる各部に供給される。この実施形態では、補助電源はメダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がONである場合にだけメダル貸出ユニット200からスロットマシン1に供給されることになる。
【0130】
また、信号線L1dの一端側がコネクタ93の信号用外部端子93dに接続し、その他端側がコネクタ253の信号用外部端子253dに接続して、信号用外部端子93dと信号用外部端子253dとが電気的に接続される。これにより、払出CPU81により信号用電源端子93dに供給された、返却スイッチ230bが押下された場合の返却枚数分の枚数データに基づく信号などの各種信号が、信号線L1dを介して信号用外部端子253dに供給される。信号用外部端子253dに供給された当該各種信号は、貸出CPU400に供給される。
【0131】
メインCPU61には、内部電源Aが供給され、メインCPU61は内部電源Aを用いて遊技の進行を制御するための各種動作(
図3の遊技制御手段100、投入制御手段101、抽選手段102、停止制御手段103、判定手段104、払出制御手段105、エラー検知手段106、払出表示器制御手段107、コマンド作成手段108、コマンド送信手段109、メダル管理送受信手段110による動作など)を行う。
【0132】
払出制御基板83の払出CPU81には、
図6(a)に示すように、払出CPU81が遊技用価値の管理に関する各種動作の実行に必要な電源供給を受けるためのシステム電源端子81aと、システム電源端子81aへの電源供給が不足している場合に記憶手段851の記憶内容の保持に必要な電源供給を受けるためのバックアップ電源端子81bが設けられている。システム電源端子81aには内部電源Aが供給され、バックアップ電源端子81bにはダイオード87aを介して内部電源Aが供給され、ダイオード87bを介して補助電源(補助電源供給手段262から、電源用外部端子253c、電線L1c、電源用外部端子93cを介して供給される補助電源)が供給される。なお、ダイオード87a,87bは、逆流防止の役割や、ダイオード87a,87bのカソード側で行われた不正行為による信号がダイオード87a,87bのアノード側に伝達することを防止するなどの不正行為防止の役割などを果たす。また、払出制御基板83には内部電源Aの電圧を検出する電圧検出手段88が設けられており、電圧検出手段88による検出結果が払出CPU81のP−DOWN端子81cに入力される。なお、電圧検出手段88は払出CPU81の機能として実現されるようにしてもよい。なお、システム電源端子81aが本発明の「第1電源端子」に相当し、バックアップ電源端子81bが本発明の「第1非常用電源端子」に相当する。
【0133】
電圧検出手段88による検出の結果、払出CPU81が遊技用価値の管理に関する各種動作の実行に必要な電源電圧以下に内部電源Aが降下していなければ、払出CPU81は、内部電源Aを用いて遊技用価値の管理に関する各種動作(
図3の受信手段300、所持メダル管理手段301、所持メダル表示器制御手段302、エラー表示ランプ制御手段303、送信手段304、状態監視手段305、停止制御手段306、記憶手段851による動作など)を行う。この場合は、記憶手段851の記憶内容は内部電源Aを用いて保持される。
【0134】
外部電源の停電や不正行為等により、内部電源Aが降下すると、払出CPU81はリセット処理を行い、記憶手段851の記憶内容は内部電源Aや補助電源を用いて保持される。なお、バックアップ電源端子81bには、補助電源のみが供給されるようにし、内部電源Aが降下すると、記憶手段851の記憶内容は補助電源を用いて保持されるようにしてもよい。
【0135】
I/F基板90には、
図5では省略しているが、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200へ送信される信号用のバッファや、スロットマシン1がメダル貸出ユニット200から受信する信号用のバッファが設けられている。これらのバッファには、内部電源Aが供給されて、内部電源Aを用いて動作する。なお、これらのバッファには、内部電源Bが供給されるようにして、内部電源Bを用いて動作するようにしてもよい。
【0136】
所持メダル表示器26には、内部電源B(電源供給手段261から、電源用外部端子253a、電線L1a、電源用外部端子253aを介して供給される内部電源B)が供給され、所持メダル表示器26が備える5個の7セグメントLEDは内部電源Bを用いて発光する。
【0137】
スロットマシン1では、上記以外の各部は内部電源Aを用いて動作する。
【0138】
貸出制御基板240の貸出CPU400には、
図6(b)に示すように、貸出CPU400が遊技用価値の管理に関する各種動作の実行に必要な電源供給を受けるためのシステム電源端子400aと、システム電源端子400aへの電源供給が不足している場合に記憶手段408の記憶内容の保持に必要な電源供給を受けるためのバックアップ電源端子400bが設けられている。システム電源端子400aには内部電源Bが供給され、バックアップ電源端子400bにはダイオード283aを介して内部電源Bが供給され、ダイオード283bを介して補助電源が供給される。なお、ダイオード283a,283bは、逆流防止の役割や、ダイオード283a,283bのカソード側で行われた不正行為による信号がダイオード283a,283bのアノード側に伝達することを防止するなどの不正行為防止の役割などを果たす。また、貸出制御基板240には内部電源Bの電圧を検出する電圧検出手段285が設けられており、電圧検出手段285による検出結果が貸出CPU400のP−DOWN端子400cに入力される。なお、電圧検出手段285は貸出CPU400の機能として実現されるようにしてもよい。なお、システム電源端子400aが本発明の「第2電源端子」に相当し、バックアップ電源端子400bが本発明の「第2非常用電源端子」に相当する。
【0139】
電圧検出手段285による検出の結果、貸出CPU400が遊技用価値の管理に関する各種動作の実行に必要な電源電圧以下に内部電源Bが降下していなければ、貸出CPU400は、内部電源Bを用いて遊技用価値の管理に関する各種動作(
図4の受付手段401、貸出手段402、返却手段403、送受信手段404、状態監視手段405、停止制御手段406、記憶手段408による動作など)を行う。この場合は、記憶手段408の記憶内容は内部電源Bを用いて保持される。
【0140】
外部電源の停電や不正行為等により、内部電源Bが降下すると、貸出CPU400はリセット処理を行い、記憶手段408の記憶内容は内部電源Bや補助電源を用いて保持される。なお、バックアップ電源端子400bには、補助電源のみが供給されるようにし、内部電源Bが降下すると、記憶手段408の記憶内容は補助電源を用いて保持されるようにしてもよい。
【0141】
I/F基板250には、
図5では省略しているが、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1へ送信される信号用のバッファや、メダル貸出ユニット200がスロットマシン1から受信する信号用のバッファが設けられている。これらのバッファには、内部電源Bが供給されて、内部電源Bを用いて動作する。なお、これらのバッファには、内部電源Aが供給されるようにして、内部電源Aを用いて動作するようにしてもよい。
【0142】
メダル貸出ユニット200では、上記以外の各部は内部電源Bを用いて動作する。
【0143】
したがって、この実施形態によれば、外部電源はスロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで共通化せずに、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200それぞれに、交流の外部電源を直流の内部電源Aと内部電源Bに変換する電源供給手段96と電源供給手段261とを備えるようにしている。また、補助電源をスロットマシン1には設けず、メダル貸出ユニット200に補助電源270を設けるようにして、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで補助電源の共通化を図っている。
【0144】
通常、スロットマシン1に関して外部電源はスロットマシン1の裏側からとり、メダル貸出ユニット200に関して外部電源はメダル貸出ユニット200の裏側からとるため、不正行為をする余地がほとんどない。このため、外部電源をスロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで共通化しない上記の実施形態では、スロットマシン1の遊技に関連する部分等の主要な部分に外部電源を基にした内部電源Aを用いることでセキュリティが担保された状態を維持し、メダル貸出ユニット200のメダルカードの読み取り部分等の主要な部分に外部電源を基にした内部電源Bを用いることでセキュリティが担保された状態を維持することができる。
【0145】
また、メダル貸出ユニット200に補助電源270を設けてスロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで補助電源270を用いることにより、内部電源A,Bが降下しても補助電源270に基づく電源で記憶手段851,408の記憶内容の消去を防ぎつつ、これに伴うコストや設置スペースの増大を抑えることが可能になる。
【0146】
また、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで補助電源270を用いて補助電源の共通化を図ることにより、新たな不正行為を誘発する虞があるが、スロットマシン1では電源用外部端子93cを信号用外部端子93,93dと同じコネクタ93に収容し、メダル貸出ユニット200では電源用外部端子253cを信号用外部端子253b,253dと同じコネクタ253に収容することで、信号に対するセキュリティ対策と別個のセキュリティ対策を補助電源に対して講じる必要がなくなる。また、補助電源の使用範囲を記憶手段851,408のバックアップ電源等に限定することで、不正行為の影響を最小限にとどめることができる。
【0147】
また、メダル貸出ユニット200にメダルカードが収容されていない場合には記憶手段851,408の記憶内容の更新が停止されるため、記憶手段851,408の記憶内容が不必要に更新されることを回避することができる。
【0148】
また、記憶手段851に記憶に記憶されている使用可能枚数データが書き換えられることにつながらない所持メダル表示器26の5個の7セグメントLEDの発光に貸出管理ユニットから供給される内部電源Bを用いているため、メダル貸出ユニット200にメダルカードが挿入されておらず、遊技可能な状態でないのに例えば所持メダル表示器26の5個の7セグメントLEDを発光させて遊技用価値を騙し取るなどの不正行為を抑えつつ、所持メダル表示器26の5個の7セグメントLEDが発光するかどうかを確認することにより、ハーネスH1がはずれているか否かを簡単かつ視覚的に確認することができる。
【0149】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、
図7を参照して説明する。なお、第1実施形態では、スロットマシン1は補助電源を有さず、メダル貸出ユニット200が補助電源270を有しているが、第2実施形態では、メダル貸出ユニット200は補助電源を有さず、スロットマシン1が補助電源270Bを有している。なお、この点を除けば、スロットマシン1及びメダル貸出ユニット200は、
図1から
図4を用いて説明した構成を有して動作を行うものであり、第1実施形態での説明が適用できるため、第2実施形態ではその説明を省略する。
【0150】
(電源供給及びスロットマシン1とメダル貸出ユニット200間の接続関係)
続いて、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200における電源供給及びスロットマシン1とメダル貸出ユニット200間の接続関係について
図8を参照して説明する。
【0151】
この実施形態では、スロットマシン1は外部電源を補助する補助電源270Bを備え、メダル貸出ユニット200は外部電源を補助する補助電源を有していない。補助電源270Bは、例えば、UPS(無停電電源装置)である。
【0152】
スロットマシン1では、電源基板95に電源供給手段96と補助電源供給手段262Bとが設けられている。電源供給手段96は、第1実施形態の場合と同様に、交流の外部電源(商用電源など)を直流の内部電源Aに変換して電源供給を行うものである。この内部電源Aは、供給対象の装置に対して当該装置に応じた電圧に変換されて供給されることになる。なお、以下では、記載の簡略化のため、供給対象の装置には内部電源Aが供給されると記載する。また、補助電源供給手段262Bは外部電源が不足している場合に補助電源270Bを基に電源供給(直流の補助電源の供給)を行うものである。この補助電源は、供給対象の装置に対して当該装置に応じた電圧に変換されて供給されることになる。なお、以下では、記載の簡略化のため、供給対象の装置には補助電源が供給されると記載する。なお、内部電源Aは、本発明の「第1内部電源」に相当する。
【0153】
メダル貸出ユニット200では、電源基板260に電源供給手段261が設けられている。電源供給手段261は、第1実施形態の場合と同様に、交流の外部電源(商用電源など)を直流の内部電源Bに変換して電源供給を行うものである。この内部電源Bは、供給対象の装置に対して当該装置に応じた電圧に変換されて供給されることになる。なお、以下では、記載の簡略化のため、供給対象の装置には内部電源Bが供給されると記載する。なお、内部電源Bは、本発明の「第2内部電源」に相当する。
【0154】
I/F基板90にはコネクタ94が設けられており、コネクタ94は、一つのコネクタで、電源用外部端子94a,94c及び信号用外部端子94b,94dを収容して備えるものである(
図7(b)参照)。電源用外部端子254cには、補助電源供給手段262Bによる補助電源が供給される。また、信号用外部端子94dには、払出CPU81からの信号が供給される。なお、コネクタ94は本発明の「第1コネクタ」に相当し、電源用外部端子94cは本発明の「第1電源用外部端子」に相当し、信号用外部端子94b,94dは本発明の「第1信号用外部端子」に相当する。
【0155】
I/F基板250にはコネクタ254が設けられており、コネクタ254は、一つのコネクタで、電源用外部端子254a,254c及び信号用外部端子254b,254dを収容して備えるものである(
図7(c)参照)。電源用外部端子253aには、電源供給手段261による内部電源Bが供給される。また、信号用外部端子253bには、貸出CPU400からの信号が供給される。なお、コネクタ254は本発明の「第2コネクタ」に相当し、電源用外部端子254cは本発明の「第2電源用外部端子」に相当し、信号用外部端子254b,254dは本発明の「第2信号用外部端子」に相当する。
【0156】
電線L2a,L2c及び信号線L2b,L2dは一つのハーネスH2に収容されており、ハーネスH2の一方がコネクタ94に、他方がコネクタ254に取り付けられ、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200がハーネスH1で接続される。
【0157】
このとき、電線L2aの一端側がコネクタ94の電源用外部端子94aに接続し、その他端側がコネクタ254の電源用外部端子254aに接続して、電源用外部端子94aと電源用外部端子254aとが電気的に接続される。これにより、電源供給手段261により電源用外部端子254aに供給された内部電源Bが、電線L2aを介して電源用外部端子94aに供給される。電源用外部端子94aに供給された内部電源Bは、スロットマシン1内の内部電源Bを用いる各部に供給される。この実施形態では、内部電源Bはメダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がONである場合にだけメダル貸出ユニット200からスロットマシン1に供給されることになる。
【0158】
また、信号線L2bの一端側がコネクタ94の信号用外部端子94bに接続し、その他端側がコネクタ254の信号用外部端子254bに接続して、信号用外部端子94bと信号用外部端子254bとが電気的に接続される。これにより、貸出CPU400により信号用電源端子254bに供給された、貸出スイッチ230aが操作された場合の所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号、返却スイッチ230bが操作された場合の返却スイッチ230bが操作された旨を特定可能な情報に基づく信号などの各種信号が、信号線L2bを介して信号用外部端子94bに供給される。信号用外部端子94bに供給された当該各種信号は、払出CPU81に供給される。
【0159】
また、電線L2cの一端側がコネクタ94の電源用外部端子94cに接続し、その他端側がコネクタ254の電源用外部端子254cに接続して、電源用外部端子94cと電源用外部端子254cとが電気的に接続される。これにより、補助電源供給手段262Bにより電源用外部端子94cに供給された補助電源が、電線L2cを介して電源用外部端子254cに供給される。電源用外部端子254cに供給された補助電源Bは、メダル貸出ユニット200内の補助電源を用いる各部に供給される。この実施形態では、補助電源は、この実施形態では、補助電源はスロットマシン1の電源スイッチ50がONである場合にだけスロットマシン1からメダル貸出ユニット200に供給されることになる。
【0160】
また、信号線L2dの一端側がコネクタ94の信号用外部端子94dに接続し、その他端側がコネクタ254の信号用外部端子254dに接続して、信号用外部端子94dと信号用外部端子254dとが電気的に接続される。これにより、払出CPU81により信号用電源端子94dに供給された、返却スイッチ230bが押下された場合の返却枚数分の枚数データに基づく信号などの各種信号が、信号線L2dを介して信号用外部端子254dに供給される。信号用外部端子254dに供給された当該各種信号は、貸出CPU400に供給される。
【0161】
第1実施形態の場合と同様に、メインCPU61には、内部電源Aが供給され、メインCPU61は内部電源Aを用いて遊技の進行を制御するための各種動作を行う。
【0162】
第1実施形態の場合と同様に、払出制御基板83の払出CPU81には、
図6(a)に示すように、システム電源端子81aとバックアップ電源端子81bが設けられている。システム電源端子81aには内部電源Aが供給され、バックアップ電源端子81bにはダイオード87aを介して内部電源Aが供給され、ダイオード87bを介して補助電源が供給される。なお、ダイオード87a,87bは、逆流防止の役割や、ダイオード87a,87bのカソード側で行われた不正行為による信号がダイオード87a,87bのアノード側に伝達することを防止するなどの不正行為防止の役割などを果たす。また、払出制御基板83には内部電源Aの電圧を検出する電圧検出手段88が設けられており、電圧検出手段88による検出結果が払出CPU81のP−DOWN端子81cに入力される。なお、電圧検出手段88は払出CPU81の機能として実現されるようにしてもよい。なお、システム電源端子81aが本発明の「第1電源端子」に相当し、バックアップ電源端子81bが本発明の「第1非常用電源端子」に相当する。
【0163】
第1実施形態の場合と同様に、電圧検出手段88による検出の結果、払出CPU81が遊技用価値の管理に関する各種動作の実行に必要な電源電圧以下に内部電源Aが降下していなければ、払出CPU81は、内部電源Aを用いて遊技用価値の管理に関する各種動作を行う。この場合は、記憶手段851の記憶内容は内部電源Aを用いて保持される。
【0164】
第1実施形態の場合と同様に、外部電源の停電や不正行為等により、内部電源Aが降下すると、払出CPU81はリセット処理を行い、記憶手段851の記憶内容は内部電源Aや補助電源を用いて保持される。なお、バックアップ電源端子81bには、補助電源のみが供給されるようにし、内部電源Aが降下すると、記憶手段851の記憶内容は補助電源を用いて保持されるようにしてもよい。
【0165】
I/F基板90には、
図7では省略しているが、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200へ送信される信号用のバッファや、スロットマシン1がメダル貸出ユニット200から受信する信号用のバッファが設けられている。これらのバッファには、内部電源Aが供給されて、内部電源Aを用いて動作する。なお、これらのバッファには、内部電源Bが供給されるようにして、内部電源Bを用いて動作するようにしてもよい。
【0166】
所持メダル表示器26には、内部電源B(電源供給手段261から、電源用外部端子254a、電線L2a、電源用外部端子254aを介して供給される内部電源B)が供給され、所持メダル表示器26が備える5個の7セグメントLEDは内部電源Bを用いて発光する。
【0167】
スロットマシン1では、上記以外の各部は内部電源Aを用いて動作する。
【0168】
第1実施形態の場合と同様に、貸出制御基板240の貸出CPU400には、
図6(b)に示すように、システム電源端子400aとバックアップ電源端子400bが設けられている。システム電源端子400aには内部電源Bが供給され、バックアップ電源端子400bにはダイオード283aを介して内部電源Bが供給され、ダイオード283bを介して補助電源(補助電源供給手段262Bから、電源用外部端子94c、電線L2c、電源用外部端子254cを介して供給される補助電源)が供給される。なお、ダイオード283a,283bは、逆流防止の役割や、ダイオード283a,283bのカソード側で行われた不正行為による信号がダイオード283a,283bのアノード側に伝達することを防止するなどの不正行為防止の役割などを果たす。また、貸出制御基板240には内部電源Bの電圧を検出する電圧検出手段285が設けられており、電圧検出手段285による検出結果が貸出CPU400のP−DOWN端子400cに入力される。なお、電圧検出手段285は貸出CPU400の機能として実現されるようにしてもよい。なお、システム電源端子400aが本発明の「第2電源端子」に相当し、バックアップ電源端子400bが本発明の「第2非常用電源端子」に相当する。
【0169】
第1実施形態の場合と同様に、電圧検出手段285による検出の結果、貸出CPU400が遊技用価値の管理に関する各種動作の実行に必要な電源電圧以下に内部電源Bが降下していなければ、貸出CPU400は、内部電源Bを用いて遊技用価値の管理に関する各種動作を行う。この場合は、記憶手段408の記憶内容は内部電源Bを用いて保持される。
【0170】
第1実施形態の場合と同様に、外部電源の停電や不正行為等により、内部電源Bが降下すると、貸出CPU400はリセット処理を行い、記憶手段408の記憶内容は内部電源Bや補助電源を用いて保持される。なお、バックアップ電源端子400bには、補助電源のみが供給されるようにし、内部電源Bが降下すると、記憶手段408の記憶内容は補助電源を用いて保持されるようにしてもよい。
【0171】
I/F基板250には、
図7では省略しているが、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1へ送信される信号用のバッファや、メダル貸出ユニット200がスロットマシン1から受信する信号用のバッファが設けられている。これらのバッファには、内部電源Bが供給され、内部電源Bを基に動作することになる。なお、これらのバッファには、内部電源Aが供給されるようにして、内部電源Aを用いて動作するようにしてもよい。
【0172】
メダル貸出ユニット200では、上記以外の各部は内部電源Bを基に動作を行う。
【0173】
したがって、この実施形態によれば、外部電源はスロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで共通化せずに、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200それぞれに、交流の外部電源を直流の内部電源Aと内部電源Bに変換する電源供給手段96と電源供給手段261とを備えるようにしている。また、補助電源をメダル貸出ユニット200には設けず、スロットマシン1に補助電源270Bを設けるようにして、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで補助電源の共通化を図っている。
【0174】
通常、スロットマシン1に関して外部電源はスロットマシン1の裏側からとり、メダル貸出ユニット200に関して外部電源はメダル貸出ユニット200の裏側からとるため、不正行為をする余地がほとんどない。このため、外部電源をスロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで共通化しない上記の実施形態では、スロットマシン1の遊技に関連する部分等の主要な部分に外部電源を基にした内部電源Aを用いることでセキュリティが担保された状態を維持し、メダル貸出ユニット200のメダルカードの読み取り部分等の主要な部分に外部電源を基にした内部電源Bを用いることでセキュリティが担保された状態を維持することができる。
【0175】
また、スロットマシン1に補助電源270Bを設けてスロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで補助電源270Bを用いることにより、内部電源A,Bが降下しても補助電源270Bに基づく電源で記憶手段851,408の記憶内容の消去を防ぎつつ、これに伴うコストや設置スペースの増大を抑えることが可能になる。
【0176】
また、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200とで補助電源270Bを用いて補助電源の共通化を図ることにより、新たな不正行為を誘発する虞があるが、スロットマシン1では電源用外部端子94cを信号用外部端子94,94dと同じコネクタ94に収容し、メダル貸出ユニット200では電源用外部端子254cを信号用外部端子254b,254dと同じコネクタ254に収容することで、信号に対するセキュリティ対策と別個のセキュリティ対策を補助電源に対して講じる必要がなくなる。また、補助電源の使用範囲を記憶手段851,408のバックアップ電源等に限定することで、不正行為の影響を最小限にとどめることができる。
【0177】
また、メダル貸出ユニット200にメダルカードが収容されていない場合には記憶手段851,408の記憶内容の更新が停止されるため、記憶手段851,408の記憶内容が不必要に更新されることを回避することができる。
【0178】
また、記憶手段851に記憶に記憶されている使用可能枚数データが書き換えられることにつながらない所持メダル表示器26の5個の7セグメントLEDの発光に貸出管理ユニットから供給される内部電源Bを用いているため、メダル貸出ユニット200にメダルカードが挿入されておらず、遊技可能な状態でないのに例えば所持メダル表示器26の5個の7セグメントLEDを発光させて遊技用価値を騙し取るなどの不正行為を抑えつつ、所持メダル表示器26の5個の7セグメントLEDが発光するかどうかを確認することにより、ハーネスH2がはずれているか否かを簡単かつ視覚的に確認することができる。
【0179】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0180】
例えば、上記した第1実施形態では、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1への補助電源の供給は、メダル貸出ユニットの電源スイッチ(不図示)がONである場合に行われるとしているが、これに限定されるものではない。例えば、カード挿入排出装置220に対してメダルカードが挿入されている場合と、離席状態の場合にだけ、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1への補助電源の供給が行われるようにしてもよい。この場合には、記憶手段851に使用可能枚数データが記憶されている可能性があるときにだけ補助電源の供給が行われることになり、補助電源の無駄な使用を回避することができる。これらの場合のように、補助電源の供給は、記憶手段851に保持の必要があるデータが記憶されていることがある場合に少なくとも行われればよい。
【0181】
また、上記した第2実施形態では、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200への補助電源の供給は、スロットマシン1の電源スイッチ50がONである場合に行われるとしているが、これに限定されるものではない。例えば、カード挿入排出装置220に対してメダルカードが挿入されている場合と、離席状態の場合にだけ、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200への補助電源の供給が行われるようにしてもよい。この場合には、記憶手段408に現金データや貸出可能枚数データが記憶されている可能性があるときにだけ補助電源の供給が行われることになり、補助電源の無駄な使用を回避することができる。これらの場合のように、補助電源の供給は、記憶手段408に保持の必要があるデータが記憶されていることがある場合に少なくとも行われればよい。
【0182】
また、上記した第1実施形態及び第2実施形態では、スロットマシン1の状態監視手段305がカード挿入排出装置220にメダルカードが挿入されているか否かを監視するために、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1に収容報知信号及び排出報知信号を送信するとしたが、これらに限定されるものではなく、例えば、次のようにしてもよい。メダル貸出ユニット200からスロットマシン1への内部電源Bの供給をカード挿入排出装置220にメダルカードが挿入されている場合にだけ行うようにして(内部電源Bを、挿入されている場合にだけ“High”レベルにし、それ以外の場合にはグランドの電位レベルにして)、状態監視手段305は供給される内部電源Bのレベルを見てカード挿入排出装置220にメダルカードが挿入されているか否かを監視するようにしてもよい。なお、この場合には、メダルカードがカード挿入排出装置220に挿入されていれば、内部電源Bがメダル貸出ユニット200からスロットマシン1に供給されることになる。この場合には、状態監視手段305によるメダルカードがカード挿入排出装置220に挿入されているか否かの監視のための、スロットマシン1内、メダル貸出ユニット200内、スロットマシン1とメダル貸出ユニット間の配線量を削減することができる。
【0183】
また、上記した第1実施形態や第2実施形態を、払出CPU81のバックアップ電源端子81b及び貸出CPU400のバックアップ電源端子400bそれぞれに補助電源が供給されるのは、カード挿入排出装置220にメダルカードが挿入されている場合と、離席状態の場合だけに、変形してもよい。
【0184】
上記した第1実施形態や第2実施形態では、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1への内部電源Bの供給は、メダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がONである場合にだけ行われるとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、メダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がONにされてメダル貸出ユニット200の起動が完了してから電源スイッチ(不図示)がOFFにされるまでの間だけで行われるようにしてもよい。また、メダルカードがカード挿入排出装置220に挿入されてスロットマシン1が遊技可能な状態にある場合と、所定のカードの挿入によりスロットマシン1が遊技可能な状態に移行することが可能な状態である場合にだけ行われるようにしてもよい。つまり、内部電源Bは、遊技者がスロットマシン1で遊技を行うことができる期間を少なくとも含む期間には、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1へ供給されるようにすればよい。
【0185】
ここで、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1への内部電源Bや補助電源の供給タイミングの一例として、メダル貸出ユニット200とスロットマシン1との起動シーケンスについて、
図8を用いて説明する。
【0186】
スロットマシン1の電源スイッチ50がOFFであるとともに、メダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がOFFである(ステップS101)とき、スロットマシン1に記憶されているI/F基板90等のI/F基板に電源を供給する状態にあるかどうかに関するスロットマシン1側の電源フラグはOFF(電源を供給する状態でない)となっている(ステップS102)。また、メダル貸出ユニット200に記憶されているI/F基板250等のI/F基板に電源を供給する状態にあるかどうかに関するメダル貸出ユニット200側の電源フラグはOFF(電源を供給する状態でない)となっているとともに、スロットマシン1からメダル貸出ユニット200の状態検知が行われる状態にあるどうかに関する状態検知フラグはOFF(状態検知を行う状態でない)になっている(ステップS103)。
【0187】
スロットマシン1の電源スイッチ50がONにされ、メダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がONにされる(ステップS104)と、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200は起動を開始する。
【0188】
スロットマシン1の電源スイッチ50がONにされた後も初期化動作等が完了するまでスロットマシン1側の電源フラグはOFFとなっており(ステップS105)、メダル貸出ユニット200の電源スイッチ(不図示)がONにされた後もメダル貸出ユニット200側の電源フラグ及び状態検知フラグはOFFになっている(ステップS106)。
【0189】
その後、スロットマシン1の起動が完了すると、スロットマシン1側の電源フラグはON(電源を供給する状態)となる(ステップS107)。
【0190】
それぞれが所定の情報に関する電文#1,#2,・・・,#N−1が順番にスロットマシン1からメダル貸出ユニット200に通知されるが、メダル貸出ユニット200はまだスロットマシン1からの電文#1,#2,・・・,#N−1の通知を受けることができる状態になっていない(ステップS108)。
【0191】
その後、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200の起動が完了すると、メダル貸出ユニット200側の電源フラグ及び状態検知フラグもON(電源を供給する状態、状態検知を行う状態)となる(ステップS109)。メダル貸出ユニット200の起動が完了すると、内部電源Bや補助電源がメダル貸出ユニット200からスロットマシン1に供給され始める(ステップS110)。
【0192】
その後、それぞれが所定の情報に関する電文#N,#N+1,・・・が順番にスロットマシン1からメダル貸出ユニット200に通知される(ステップS111)。このとき、メダル貸出ユニット200は、既にスロットマシン1からの電文#N,#N+1,・・・の通知を受けることができる状態になっており、電文#N,#N+1,・・・の内容を管理することができる。
【0193】
また、上記した第1実施形態では、外部電源用の電源供給手段261と補助電源270用の補助電源供給手段262を設け、電源基板260から別ラインで内部電源Bと補助電源とが出力されるように説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、次のようにしてもよい。電源基板260に、電源供給手段(外部電源である交流電源を直流電源に変換して出力するもの)と、電源供給手段の出力部と電源基板260の電源用出力端との間の電源経路とグランドとの間にキャパシタ260を並列で挿入するようにする。外部電源が所定の電源電圧以下に降下していない場合には、電源供給手段から出力される直流電源が電源基板260の電源用出力端から出力されるとともに、キャパシタに供給されてキャパシタの充電が行われる。この電源基板260の電源用出力端から出力される直流電源は第1実施形態の内部電源Bと同様の用いられ方をする。なお、この場合に、電源用出力端から出力される直流電源が本発明の「第2内部電源」に相当し、キャパシタに供給される直流電源が本発明の「補助電源」に相当する。外部電源が所定の電源電圧以下に降下した場合には、キャパシタが放電することにより直流電源が電源基板260の電源用出力端から出力される。この電源基板260の電源用出力端から出力されるキャパシタの放電に基づく電源は第1実施形態の補助電源供給手段262から出力される補助電源と同様の用いられ方をする。なお、この場合に、電源用出力端から出力されるキャパシタの放電に基づく電源が本発明の「補助電源を基に電源供給を行う」場合の電源に相当し、キャパシタが本発明の「補助電源供給手段」に相当する。
【0194】
また、上記した第2実施形態では、外部電源用の電源供給手段96と補助電源270B用の補助電源供給手段262Bを設け、電源基板95から別ラインで内部電源Aと補助電源とが出力されるように説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、次のようにしてもよい。電源基板95に、電源供給手段(外部電源である交流電源を直流電源に変換して出力するもの)と、電源供給手段の出力部と電源基板260の電源用出力端との間の電源経路とグランドとの間にキャパシタ260を並列で挿入するようにする。外部電源が所定の電源電圧以下に降下していない場合には、電源供給手段から出力される直流電源が電源基板95の電源用出力端から出力されるとともに、キャパシタに供給されてキャパシタの充電が行われる。この電源基板95の電源用出力端から出力される直流電源は第2実施形態の内部電源Aと同様の用いられ方をする。なお、この場合に、電源用出力端から出力される直流電源が本発明の「第1内部電源」に相当し、キャパシタに供給される直流電源が本発明の「補助電源」に相当する。外部電源が所定の電源電圧以下に降下した場合には、キャパシタが放電することにより直流電源が電源基板95の電源用出力端から出力される。この電源基板95の電源用出力端から出力されるキャパシタの放電に基づく電源は第2実施形態の補助電源供給手段262Bから出力される補助電源と同様の用いられ方をする。なお、この場合に、電源用出力端から出力されるキャパシタの放電に基づく電源が本発明の「補助電源を基に電源供給を行う」場合の電源に相当し、キャパシタが本発明の「補助電源供給手段」に相当する。
【0195】
また、上記した第1実施形態第2実施形態では、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1に内部電源Bを供給するとして説明したが、これに限定されるものではなく、メダル貸出ユニット200からスロットマシン1に内部電源Bを供給しないようにしてもよい。この場合には、電源用外部端子253a,254a、電線L1a,L2a、電源用外部端子93a,94aが不要となる。
【0196】
また、上記した実施形態では、貸出スイッチ230a、返却スイッチ230b、離席スイッチ230cをメダル貸出ユニット200に設ける構成について説明したが、これらの一部または全部をスロットマシン1側に設けるようにしてもよい。この場合、スロットマシン1側に設けられた各スイッチに供給される電源は補助電源以外とし、停電や不正行為等の異常が発生した場合に、各スイッチに電源供給が行われなくする。これにより、各スイッチの操作が受け付けられないようになり、スロットマシン1とメダル貸出ユニット200間で、返却枚数や貸出枚数に関する枚数データなどのデータの移動をできなくすることができる。
【0197】
また、上記した実施形態の内容と上記した変形例の内容と適宜組み合わせても良い。
【0198】
そして、遊技用価値を基に遊技を行う遊技機と、前記遊技機に隣接して設置され、当該遊技機と接続されて前記遊技用価値の貸出及び返却をデータ通信で行う貸出管理ユニットとを備える遊技システムに本発明を広く適用することができる。
【課題】商用電源などの交流の外部電源に関わる不正行為を防止するとともに、遊技機及び貸出管理ユニットで用いられる補助電源に関わる不正行為を抑えつつコストや設置スペースの増大を抑えることを可能にする。
【解決手段】スロットマシン1およびメダル貸出ユニット200のうちメダル貸出ユニット200にだけ補助電源270を備えるようにし、補助電源270に基づく電源をメダル貸出ユニット200からスロットマシン1にメダル貸出ユニット200のコネクタ253、ハーネスH1、スロットマシン1のコネクタ93を介して供給されるようにし、外部電源の不足時には補助電源270に基づく電源が使用可能枚数データを記憶する揮発性メモリに形成された記憶手段851及び現金データや貸出可能枚数データを記憶する揮発性メモリに形成された記憶手段851に供給される。