特許第6557411号(P6557411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557411
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】格子状体
(51)【国際特許分類】
   B21F 27/02 20060101AFI20190729BHJP
   E04C 5/04 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   B21F27/02
   E04C5/04
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-515702(P2018-515702)
(86)(22)【出願日】2017年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2017016449
(87)【国際公開番号】WO2017191785
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2018年3月27日
(31)【優先権主張番号】特願2016-93500(P2016-93500)
(32)【優先日】2016年5月6日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-212378(P2016-212378)
(32)【優先日】2016年10月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517386642
【氏名又は名称】ライズバレー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156959
【弁理士】
【氏名又は名称】原 信海
(72)【発明者】
【氏名】米澤 一
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−155132(JP,A)
【文献】 特開2005−194878(JP,A)
【文献】 実開昭64−026477(JP,U)
【文献】 特開2009−215742(JP,A)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0439921(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21F 15/08、27/02、27/10
E04C 5/04、 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の縦条材が適宜の間隔で互いに平行に配してあり、これら縦条材にて形成される面の同じ側に、前記各縦条材と交差する複数の横条材が適宜の間隔で互いに平行に配してあり、格子状の各縦条材と各横条材とが交差する部分を固定した格子状体において、
複数の縦条材の端部に、その縁部が重畳されるように配設される他の格子状体の縦条材を嵌入させてこれと結合させるための第1結合手段が設けてあり、また、複数の横条材の端部に、その縁部が重畳されるように配設される更に他の格子状体の横条材を嵌入させてこれと結合させるための第2結合手段が設けてあり、
前記第1結合手段及び第2結合手段はそれぞれ、結合させる縦条材又は横条材の外周面に倣うように略半螺旋状に成形された1又は複数の半螺旋部を具備する
ことを特徴とする格子状体。
【請求項2】
前記第1結合手段及び第2結合手段は、前記各縦条材にて形成される面の各横条材が配された側へ屈曲させた屈曲部、又は前記面の各横条材が配された側とは反対側へ屈曲させた屈曲部を有する請求項1記載の格子状体。
【請求項3】
前記第1結合手段及び第2結合手段の先端は斜面になしてある請求項1又は2記載の格子状体。
【請求項4】
前記斜面と、前記各縦条材にて形成される面と平行な面とがなす角の角度は略45°である請求項3記載の格子状体。
【請求項5】
前記第1結合手段及び第2結合手段の先端は、それが設けられた縦条材及び横条材の中心軸と平行をなす直線部になしてある請求項1又は2記載の格子状体。
【請求項6】
前記格子状体は溶接金網である請求項1からのいずれかに記載の格子状体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート内に埋設される溶接金網又は網状のフェンス等、縦条材と横条材とを格子状に構成してなる格子状体に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の床といった構造物を建造すべくコンクリートを打設する場合、当該構造物の強度を増大させ、また構造物にクラックが発生することを防止するために、コンクリート内に複数枚の溶接金網を埋設させている。
【0003】
図15は従来の溶接金網の施工方法を説明する説明図であり、図中、aは溶接金網である。溶接金網aは、複数の縦条材W1,W1,…と横条材W2,W2,…とを格子状に配してなり、縦条材W1,W1,…と横条材W2,W2,…とが交差する部分を相互に溶接にて固定してある。
【0004】
施工対象領域の周囲に図示しない型枠を立設しておき、当該型枠内の全域に複数の溶接金網a,a,…を敷設する。このとき、相隣る溶接金網a,aはその縁部が複数マス(図15にあっては1マス)ずつ重畳するようにしてある。次に、図15に示したように、施工対象面と溶接金網a,a,…との間にスペーサ30,30,…を介装させて、施工対象面から溶接金網a,a,…を所定寸法だけ持ち上げる。そして、相隣る溶接金網a,aの重畳部分に、例えば溶接金網上で作業する作業員によって踏まれた場合であっても相互ズレが発生することを防止するために、針金等の短寸の条材を用いてなる結束材B,B,…によって、重畳する両溶接金網a,aを相互に結束する。
【0005】
このようにして施工対象領域に溶接金網a,a,…への施工が終了した後、型枠内へコンクリートを溶接金網a,a,…が埋入する所定深さまで投入し、投入したコンクリートの表面を均すのである。
【0006】
しかし、このような結束作業は各溶接金網a,a,…の四辺に対して実施する必要がある上に、各辺それぞれに多くの結束箇所が存在するため、比較的大きな面積の構造物を建造する場合、熟練した作業員が複数人必要となるのに加え、熟練した作業員であっても全ての結束箇所の作業が終了するまでに長時間を要していた。
【0007】
そのため、後記する特許文献1には、溶接金網同士を重畳させずに、相隣る溶接金網を構成する各条材の端部同士を直線状に相互に接合させる接合装置が提案されている。かかる接合装置を用いることによって、未熟な作業員でも接合作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭51−5818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、そのような接合装置を用いて相隣る溶接金網を接合させる場合、相隣る溶接金網を構成する各条材の端部同士を直線状に位置合わせしなければならず、かかる位置合わせ作業に時間を要する上に、接合装置によって各条材の端部同士を接合させる作業に比較的長時間を要するという問題があった。また、接合装置は、結束に使用する短寸の条材に比べて高額であるのに加え、敷設される溶接金網の材質と接合装置の材質とが同じでない場合、建造された構造物内において異物と見なされてしまう。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、未熟な作業員であっても短時間で確実に相互結合することができ、また材料コストの増大を可及的に抑制し得、更に異物とみなされる虞もない格子状体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係る格子状体は、複数の縦条材が適宜の間隔で互いに平行に配してあり、これら縦条材にて形成される面の同じ側に、前記各縦条材と交差する複数の横条材が適宜の間隔で互いに平行に配してあり、格子状の各縦条材と各横条材とが交差する部分を固定した格子状体において、複数の縦条材の端部に、その縁部が重畳されるように配設される他の格子状体の縦条材を嵌入させてこれと結合させるための第1結合手段が設けてあり、また、複数の横条材の端部に、その縁部が重畳されるように配設される更に他の格子状体の横条材を嵌入させてこれと結合させるための第2結合手段が設けてあることを特徴とする。
【0012】
本発明の格子状体にあっては、複数の縦条材が適宜の間隔で互いに平行に配してあり、これら縦条材にて形成される面の同じ側に、前記各縦条材と交差する複数の横条材が適宜の間隔で互いに平行に配してあり、各縦条材と各横条材とが交差する部分を例えば溶接にて固定して格子状になっている。かかる格子状体の各縦条材及び各横条材の両端部はそれぞれ、格子状体の最外縁の横条材及び縦条材から外方へ適宜寸法だけ突出している。
【0013】
本発明の格子状体を施工する場合、相隣る格子状体の縁部を相互に重畳させて敷設するが、複数の縦条材の端部に、その縁部が重畳されるように配設される他の格子状体の縦条材を嵌入させてこれと結合させるための第1結合手段が設けてある。そして、この第1結合手段に相隣る格子状体の縦条材を嵌入させて、当該縦条材と第1結合手段とを結合させる。このような操作を繰り返すことによって、縦条材の長手方向へ複数枚の格子状体を連結することができる。
【0014】
同様に、複数の横条材の端部に、その縁部が重畳されるように配設される更に他の格子状体の横条材を嵌入させてこれと結合させるための第2結合手段が設けてある。そして、この第2結合手段に相隣る格子状体の横条材を嵌入させて、当該横条材と第2結合手段とを結合させる。このような操作を繰り返すことによって、横条材の長手方向へ複数枚の格子状体を連結することができる。
【0015】
このとき、従来のような結束作業を行うことなく、第1結合手段に相隣る格子状体の縦条材を嵌入させることによって、当該縦条材と第1結合手段とを結合させ、また、第2結合手段に相隣る格子状体の横条材を嵌入させることによって、当該横条材と第2結合手段とを結合させることができるため、未熟な作業員であっても短時間で確実に相互結合することができる。各第1結合手段及び第2結合手段は格子状体の端部を成形して構成してあるため、材料コストの増大を可及的に抑制し得、更に、コンクリート内に埋設された場合であっても異物とみなされる虞が無い。
【0016】
更に、前記(1)に係る格子状体は、前記第1結合手段及び第2結合手段はそれぞれ、結合させる縦条材又は横条材の外周面に倣うように略半螺旋状に成形された1又は複数の半螺旋部を具備することを特徴とする。
【0017】
前述した(1)の格子状体にあっては、更に、第1結合手段及び第2結合手段はそれぞれ、結合させる縦条材又は横条材の外周面に倣うように略半螺旋状に成形された1又は複数の半螺旋部を具備する。半螺旋部は、結合させる縦条材又は横条材の外周面に倣うように略半螺旋状に成形されており、この半螺旋部に縦条材又は横条材を嵌入させることによって、半螺旋部と縦条材又は横条材とをワンタッチで固着させることができる。
【0018】
)本発明に係る格子状体は、前記各第1結合手段及び各第2結合手段は、前記各縦条材にて形成される面の各横条材が配された側へ屈曲させた屈曲部、又は前記面の各横条材が配された側とは反対側へ屈曲させた屈曲部を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の格子状体にあっては、前述した各第1結合手段及び各第2結合手段は、各縦条材にて形成される面の各横条材が配された側へ屈曲させた屈曲部、又は各縦条材にて形成される面の各横条材が配された側とは反対側へ屈曲させた屈曲部を有する。即ち、全ての第1結合手段及び第2結合手段は各縦条材にて形成される面の各横条材が配された側へ屈曲させた屈曲部を有し(前者)、又は、全ての第1結合手段及び第2結合手段は各縦条材にて形成される面の各横条材が配された側とは反対側へ屈曲させた屈曲部を有し(中者)、或は、一部の第1結合手段及び第2結合手段は前者の屈曲部を有し、他の第1結合手段及び第2結合手段は中者の屈曲部を有する(後者)ようになしてある。
【0020】
前者及び中者の屈曲部を有する第1結合手段及び第2結合手段が設けられた格子状体を施工する場合、相隣る2枚の格子状体にあって、一方の格子状体をその各第1結合手段及び各第2結合手段が上を向くように敷設し、他方の格子状体をその各第1結合手段及び各第2結合手段が下を向くように敷設する。そして、相隣る格子状体の重畳させた部分に押圧を印加することによって、各第1結合手段又は各第2結合手段と縦条材又は横条材とを結合させ、両格子状体を連結する。これによって、前同様、未熟な作業員であっても短時間で確実に相互結合することができる。
【0021】
一方、後者の屈曲部を有する第1結合手段及び第2結合手段が設けられた格子状体を施工する場合、一部の第1結合手段及び第2結合手段は前者の屈曲部を有し、他の第1結合手段及び第2結合手段は中者の屈曲部を有するため、相隣る2枚の格子状体の向きを前述した如く揃えることなく、敷設することができる。従って、敷設作業の効率が向上し、格子状体の施工時間を短縮することができる。
【0022】
)本発明に係る格子状体は、前記第1結合手段及び第2結合手段の先端は斜面になしてあることを特徴とする。
【0023】
本発明の格子状体にあっては、前述した第1結合手段及び第2結合手段の先端は斜面になしてあり、これによって、第1結合手段及び第2結合手段の先端に当接した縦条材及び横条材は、当該先端の斜面上を摺動して第1結合手段及び第2結合手段内へ嵌入されるため、第1結合手段及び第2結合手段と縦条材及び横条材との結合作業を円滑に実施することができる。
【0024】
)本発明に係る格子状体は、前記斜面と、前記各縦条材にて形成される面と平行な面とがなす角の角度は略45°であることを特徴とする。
【0025】
本発明の格子状体にあっては、第1結合手段及び第2結合手段の先端の斜面と、当該格子状体を構成する各縦条材にて形成される面と平行な面とがなす角の角度は略45°である。これによって、第1結合手段及び第2結合手段と縦条材及び横条材との結合作業をより円滑に実施することができるとともに、第1結合手段及び第2結合手段に結合された縦条材及び横条材の周面に斜面の先端が係合し、第1結合手段及び第2結合手段からそこに結合された縦条材及び横条材が抜出することが防止される。
【0026】
)本発明に係る格子状体は、前記第1結合手段及び第2結合手段の先端は、それが設けられた縦条材及び横条材の中心軸と平行をなす直線部になしてあることを特徴とする。
【0027】
本発明の格子状体にあっては、第1結合手段の先端は、それが設けられた縦条材の中心軸と平行をなす直線部になしてあり、また、第2結合手段の先端は、それが設けられた横条材の中心軸と平行をなす直線部になしてある。このような第1結合手段及び/又は第2結合手段を備える格子状体にあっては、条材を用いて第1結合手段及び/又は第2結合手段を成形するが、その場合、切断加工を実施することなく、曲げ加工によって、第1結合手段及び/又は第2結合手段を作製することができるため、少ない工程で、第1結合手段及び/又は第2結合手段を作製することができ、格子状体の製造コストを低減するとともに、製造効率を向上させることができる。
【0028】
)本発明に係る格子状体は溶接金網であることを特徴とする。
【0029】
本発明の格子状体にあっては溶接金網であるため、建物の床といった構造物を建造すべくコンクリートを打設するに先立って、施工領域に複数の溶接金網を敷設する場合に、前同様、相隣る溶接金網について結束作業を行うことなく、ワンタッチで両溶接金網を結合させることができ、未熟な作業員であっても短時間で確実に相互結合することができる。また、溶接金網の各第1結合手段及び第2結合手段は格子状体の端部を成形して構成してあるため、材料コストの増大を可及的に抑制し得、更に、かかる溶接金網はコンクリート内に埋設された場合であっても異物とみなされる虞が無い。更に、本溶接金網は、前記(2)から(6)で説明した各作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る溶接金網の平面図である。
図2図1に示した溶接金網の第1結合手段及びその近傍を示す部分拡大平面図である。
図3図1に示した溶接金網の第1結合手段及びその近傍を示す部分拡大側面図である。
図4図1に示した溶接金網の第1結合手段及びその近傍を示す部分拡大正面図である。
図5】相隣る2枚の溶接金網を互いに連結させる手順を説明する説明図である。
図6】相隣る2枚の溶接金網を互いに連結させる手順を説明する説明図である。
図7】縦方向に相隣る溶接金網を相互に連結させた状態を示す平面図である。
図8】横方向に相隣る溶接金網を相互に連結させた状態を示す平面図である。
図9】発明を実施するための第2の形態に係る溶接金網を示す平面図である。
図10】本実施の形態に係る2枚の溶接金網を縦条材の長手方向に連結させた状態を示す平面図である。
図11】本発明に係る更に他の結合手段を示す平面図である。
図12】本発明に係る更に他の結合手段を示す斜視図である。
図13図11及び図12に示した第1結合手段又は第2結合手段に相隣る他の溶接金網の縦条材又は横条材を結合させた状態を示す部分平面図である。
図14】発明を実施するための第4の形態に係る溶接金網の要部を示す部分平面図である。
図15】従来の溶接金網の施工方法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係る格子状体の一例である溶接金網を図面に基づいて詳述する。
なお、本実施の形態で説明する溶接金網は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明に係る格子状体には溶接金網以外に網状のフェンス等、種々の形態が含まれることは言うまでもない。また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【0032】
(発明を実施するための第1の形態)
図1は本発明に係る溶接金網の平面図であり、図中、W1は縦条材、W2は縦条材W1と交差する横条材である。溶接金網A1は複数の縦条材W1,W1,…と横条材W2,W2,…とを適宜の距離を隔てて格子状に配してなり、縦条材W1,W1,…と横条材W2,W2,…とが交差する部分は相互に溶接にて固定してある。溶接金網A1の四辺、即ち最外縁に位置する横条材W2,W2及び縦条材W1,W1からは各縦条材W1,W1,…及び横条材W2,W2,…の両端部がそれぞれ所定長だけ突出しており、これら縦条材W1,W1,…の突出部分及び横条材W2,W2,…の突出部分は、後述する如く成形して、相隣る他の溶接金網A1と結合させるための第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…になしてある。なお、縦条材W1,W1,…及び横条材W2,W2,…の本数、長さ及び直径、並びに縦条材W1,W1,…及び横条材W2,W2,…の間隔は適宜に設定することができるが、通常、縦条材W1,W1,…及び横条材W2,W2,…の直径は同じにしてある。
【0033】
図2図4は、図1に示した溶接金網A1の第1結合手段C1a及びその近傍を示す部分拡大平面図、部分拡大側面図、部分拡大正面図である。なお、これらの図中、図1に示した部分に対応する部分は同じ番号が付してある。
【0034】
図2図4に示したように、第1結合手段C1aは、前述したように溶接金網A1の最外縁に位置する横条材W2から、その基端たる縦条材W1の直径に応じた所要寸法だけ突出しており、図3に示したように側面視において、その基端たる縦条材W1から、横条材W2側へ略へ字状に屈曲させて屈曲部pが形成してある。更に、第1結合手段C1aは図2に示したように平面視において、その基端たる縦条材W1の中心軸L回りに略1/2周となる半螺旋状に成形してあり、この半螺旋部tはそこに結合させる縦条材W1の外周面に略倣う曲率に、但し通常はその基端たる縦条材W1の外周面に略倣う曲率になしてある。これによって第1結合手段C1aは後述するように、当該第1結合手段C1a内に嵌入した相隣る他の溶接金網の縦条材に巻き付く様態で相互に結合し得るようになっている。
【0035】
一方、図4に示したように平面視において、第1結合手段C1aの先端は斜面Sになしてあり、該斜面Sと当該溶接金網A1の各縦条材W1,W1,…又は各横条材W2,W2,…によって形成される面と平行をなす平行面Mとがなす角αの値が略45°になしてある。これによって第1結合手段C1aは後述するように、相隣る他の溶接金網の縦条材W1を結合させる際に、当該他の溶接金網の縦条材W1が斜面Sに当接し、当該斜面S上を摺動するため、第1結合手段C1aの半螺旋部t内へ当該他の溶接金網の縦条材W1を容易に嵌入させることができ、結合作業を円滑に実施することができる。
【0036】
ここで、第1結合手段C1aの内高寸法Hは、図1に示したように、第1結合手段C1aがその基端たる縦条材W1から横条材W2側へ屈曲させてあるため、当該横条材W2の直径と、当該第1結合手段C1aの半螺旋部t内へ嵌入させる他の溶接金網の縦条材W1の直径とを合計した寸法より僅かに大きい寸法になしてある。これによって、第1結合手段C1aの半螺旋部t内へ嵌入された他の溶接金網の縦条材W1は、横条材W2と第1結合手段C1aの先端との間に固着されるため、第1結合手段C1aから当該他の溶接金網の縦条材W1が抜出することが防止される。
【0037】
一方、図1に示したように第2結合手段C2bは、前述した第1結合手段C1aと同じ側へ屈曲させてあり、従って第2結合手段C2bの内高寸法が、当該第2結合手段C2bの半螺旋部t内へ嵌入させる他の溶接金網の横条材W2の直径の寸法より僅かに大きい寸法になしてある以外は、前述した第1結合手段C1aと同様に構成されている。
【0038】
次に、本発明に係る溶接金網を互いに結合させる方法について説明する。
図5及び図6は、相隣る2枚の溶接金網を互いに連結させる手順を説明する説明図であり、縦条材W1の長手方向へ連結させる場合を示している。なお、両図中、図1図4に示した部分に対応する部分には同じ番号が付してある。
【0039】
図5に示したように、溶接金網A1を敷設対象領域の適宜箇所に、第1結合手段C1a,C1a,…が上方を向くように配置する。次に、他の溶接金網A1をその側縁部が前記溶接金網A1の側縁部の上に重畳するように載置する。このとき、他の溶接金網A1はその第1結合手段C1a(C1a,…)が下方を向く姿勢になし、他の溶接金網A1の各第1結合手段C1a(C1a,…)先端の斜面S(S,…)が前記溶接金網A1の縦条材W1(W1,…)の外周面にそれぞれ当接し、また、前記溶接金網A1の各第1結合手段C1a(C1a,…)先端の斜面S(S,…)が他の溶接金網A1の縦条材W1(W1,…)の外周面にそれぞれ当接するように配置する。
【0040】
かかる姿勢で、他の溶接金網A1の各第1結合手段C1a,C1a,…及び前記溶接金網A1の各第1結合手段C1a,C1a,…に踏圧といった押圧を印加することによって、図6に示したように、前記溶接金網A1の第1結合手段C1a(C1a,…)内に他の溶接金網A1の縦条材W1(W1,…)を、及び、他の溶接金網A1の第1結合手段C1a(C1a,…)内に前記溶接金網A1の縦条材W1(W1,…)をそれぞれ嵌入させてそれらをそれぞれ結合させ、これによって両溶接金網A1,A1が相互に連結する。
【0041】
このとき、前述した如く、斜面Sと当該溶接金網A1の各縦条材W1(W1,…)又は各横条材W2(W2,…)によって形成される面と平行をなす平行面Mとがなす角αの値が略45°になしてあるため、各第1結合手段C1a(C1a,…)に押圧を印加した場合、各第1結合手段C1a(C1a,…)の先端に当接した縦条材W1(W1,…)が、当接した斜面S上を摺動するため、第1結合手段C1a(C1a,…)の半螺旋部t(t,…)内へ縦条材W1(W1,…)を嵌入させ作業を比較的小さな力で容易に実施することができる。
【0042】
このように、本発明に係る溶接金網A1にあっては、溶接金網A1と他の溶接金網A1とを前述した如く位置合わせした後、各第1結合手段C1a(C1a,…)に押圧を印加するだけで、両溶接金網A1,A1を相互に連結することができるため、未熟な作業員であっても短時間で確実に相互連結させることができる。また、各第1結合手段C1a(C1a,…)は溶接金網A1を構成する縦条材W1(W1,…)の端部を成形して構成してあるため、材料コストの増大を可及的に抑制し得、更に、コンクリート内に埋設された場合であっても異物とみなされる虞が無い。更に、第1結合手段C1a(C1a,…)の外径は縦条材W1の外径と略同じであるので、従来より用いられていた結束材の外径より数倍大きく、従って耐火性に優れている。
【0043】
一方、前述したように第1結合手段C1a(C1a,…)の半螺旋部t(t,…)に嵌入した縦条材W1(W1,…)は、横条材W2と第1結合手段C1a(C1a,…)の斜面Sの先端とによって挟持されてそこに固着されるため、縦条材W1(W1,…)が嵌入された各第1結合手段C1a(C1a,…)上で作業員が作業を行っても、両者の結合が解除される虞が無い。
【0044】
なお、相隣る2枚の溶接金網を横条材W2の長手方向へ連結させる場合にあっては、かかる説明の第1結合手段C1a(C1a,…)及び縦条材W1(W1,…)に代えて、第2結合手段C2b(C2b,…)及び横条材W2(W2,…)を適用して、前同様の操作を行う。
【0045】
図7は縦方向に相隣る溶接金網を相互に連結させた状態を示す平面図であり、図8は横方向に相隣る溶接金網を相互に連結させた状態を示す平面図である。なお、両図中、図1図6に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0046】
図7に示した場合にあっては、第1の溶接金網A1と第2の溶接金網A1とが縦条材の長手方向に配置してあり、両溶接金網A1,A1は対向する縁部が相互に一マスずつ重畳させてある。両溶接金網A1,A1は自身を構成する全ての縦条材W1,W1,…、W1,W1,…及び横条材W2,W2,…、W2,W2,…の両端部に第1結合手段C1a,C1a,…、C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…、C2b,C2b,…が形成してあり、前述したように溶接金網A1の縦条材W1,W1,…の相互に重畳させた第1結合手段C1a,C1a,…に他の溶接金網A1の縦条材W1,W1,…を嵌入させ、また他の溶接金網A1の縦条材W1,W1,…の相互に重畳させた第1結合手段C1a,C1a,…に前記溶接金網A1の縦条材W1,W1,…を嵌入結合させることによって、両溶接金網A1,A1を縦方向に連結させてある。
【0047】
また、図8に示した場合にあっては、溶接金網A1と他の溶接金網A1とが横条材の長手方向に配置してあり、両溶接金網A1,A1は対向する縁部が相互に一マスずつ重畳させてある。そして、前記溶接金網A1の横条材W2,W2,…の相互に重畳させた第2結合手段C2b,C2b,…に他の溶接金網A1の横条材W2,W2,…を嵌入させ、また他の溶接金網A1の横条材W2,W2,…の相互に重畳させた第2結合手段C2b,C2b,…に前記溶接金網A1の横条材W2,W2,…を嵌入結合させることによって、両溶接金網A1,A1を横方向に連結させてある。
【0048】
このような溶接金網A1,A1にあっては、図7及び図8に示した如く、縦方向及び横方向に連結した場合であっても、一方の溶接金網A1の螺旋状の第1結合手段C1a,C1a,…又は第2結合手段C2b,C2b,…に他方の溶接金網A1の縦条材W1,W1,…又は横条材W2,W2,…を嵌入させて構成されるため、嵌入された縦条材W1,W1,…又は横条材W2,W2,…が第1結合手段C1a,C1a,…又は第2結合手段C2b,C2b,…内を摺動することができる。従って、両溶接金網A1,A1は、図7にあっては縦方向へ伸縮可能になっており、また図8にあっては横方向へ伸縮可能になっている。これによって、連結させた両溶接金網A1,A1の縦方向の長さ寸法又は横方向の長さ寸法を、施工対象領域に応じて調整することができる。
【0049】
なお、図1図7及び図8に示した溶接金網A1にあっては、第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…を全て同じ側へ屈曲させてあるが、本発明はこれに限らず、縦条材W1,W1,…の両端において第1結合手段C1a,C1a,…を互いに逆側へ屈曲させ、また、横条材W2,W2,…の両端において第2結合手段C2b,C2b,…を互いに逆側へ屈曲させてもよい。
【0050】
また、図1図7及び図8に示した溶接金網A1にあっては、全ての縦条材W1,W1,…及び横条材W2,W2,…の両端に第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…が設けてあるが、本発明はこれに限らず、必要に応じて適宜の縦条材W1,W1,…及び横条材W2,W2,…の両端又は一端に第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…を設けてもよい。
【0051】
(発明を実施するための第2の形態)
図9は、発明を実施するための第2の形態に係る溶接金網を示す平面図であり、屈曲方向が異なる複数の結合手段が設けてある。なお、図中、図1に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0052】
図9に示したように、溶接金網A2を構成する各縦条材W1,W1,…の両端部には、横条材W2側へ屈曲された第1結合手段C1a,C1a,…、又は、横条材W2とは反対側へ屈曲された他の第1結合手段C1b,C1b,…が設けられている。同様に、溶接金網A2を構成する各横条材W2,W2,…の両端部にも、第1結合手段C1a,C1a,…と同じ側へ屈曲された第2結合手段C2b,C2b,…、又は、それとは反対側へ屈曲された第2結合手段C2a,C2a,…が設けられている。
【0053】
これら第1結合手段C1a,C1a,…、C1b,C1b,…及び第2結合手段C2a,C2a,…、C2b,C2b,…は、図9に示した場合にあっては、各縦条材W1,W1,…の上端側では横条材W2の左側から長手方向へ順に2縦条材W1,W1ずつ、第1結合手段C1a,C1aと第1結合手段C1b,C1bとが交互に設けられており、右端の縦条材W1の両端には第1結合手段C2bが設けられている。また、図9に示した場合にあっては、各縦条材W1,W1,…の下端側は上端側と逆向きの第1結合手段C1b,C1bと第1結合手段C1a,C1aとが横条材W2の左側から長手方向へ順に設けられている。
【0054】
同様に図9に示した場合にあっては、各横条材W2,W2,…の左端側では縦条材W1の上側から下方向へ順に2横条材W2,W2ずつ、第2結合手段C2a,C2aと第2結合手段C2b,C2bとが交互に設けられており、下端の横条材W2の両端には第2結合手段C2b,C2bが設けられている。また、図9に示した場合にあっては、各横条材W2,W2,…の右端側は左端側と逆向きの第2結合手段C2b,C2bと第2結合手段C2a,C2aとが縦条材W1の上側から下方向へ順に設けられている。
【0055】
ここで、第1結合手段C1a及び第2結合手段C2aの内高寸法は前述した如く、屈曲させる側の縦条材W1又は横条材W2の直径と、そこに嵌入させる他の溶接金網の縦条材又は横条材の直径とを合計した寸法より僅かに大きい寸法になしてある。また、第1結合手段C1b及び第2結合手段C2bの内高寸法は、そこに嵌入させる他の溶接金網の縦条材又は横条材の直径の寸法より僅かに大きい寸法になしてある。
【0056】
図10は、本実施の形態に係る2枚の溶接金網を縦条材の長手方向に連結させた状態を示す平面図である。なお、図中、図9に示した各部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0057】
図10に示したように、両溶接金網A2,A2とも、その第1結合手段C1a,C1a,…、C1b,C1b,…及び第2結合手段C2a,C2a,…、C2b,C2b,…の向きが図9に示した溶接金網A2の第1結合手段C1a,C1a,…、C1b,C1b,…及び第2結合手段C2a,C2a,…、C2b,C2b,…の向きと同じになる姿勢になしてあり、図10中の下側の溶接金網A2の上縁部上に上側の溶接金網A2の下縁部が重畳するように敷設してある。そして、図10中の下側の溶接金網A2の上縁部側に位置する第1結合手段C1a,C1a、C1a,C1a、…と、図10中の上側の溶接金網A2の対応する縦条材W1,W1、W1,W1、…とが結合しており、図10中の上側の溶接金網A2の上縁部側に位置する第1結合手段C1b,C1b、C1b,C1b、…と、図10中の下側の溶接金網A2の対応する縦条材W1,W1、W1,W1、…とが結合している。
【0058】
ここで、図1に示した溶接金網A1では、各縦条材W1,W1,…及び横条材W2,W2,…の両端部にそれぞれ同じ側へ屈曲させた第1結合手段がそれぞれ設けられているため、かかる溶接金網を施工する場合、前述した如く一方の溶接金網A1をその第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…が上方を向くように配置し、他方の溶接金網A1をその第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…が下方を向くように配置する必要がある。
【0059】
これに対して、図9に示した溶接金網A2にあっては、前述したように当該溶接金網A2を構成する各縦条材W1,W1,…及び各横条材W2,W2,…の両端部に、互いに逆側へ屈曲させた第1結合手段C1a,C1a,…、C1b,C1b,…及び第2結合手段C2a,C2a,…、C2b,C2b,…が設けてあるため、前述した如く溶接金網A1をその第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…が上方を向くように配置したり、又は、他の溶接金網A1をその第1結合手段C1a,C1a,…及び第2結合手段C2b,C2b,…が下方を向くように配置したりすることなく、施工対象領域に搬入された姿勢のまま溶接金網A2を敷設することができる。従って、施工作業の効率を各段に向上させることができる。
【0060】
なお、本実施の形態に係る溶接金網A2では、横条材W2及び縦条材W1の長手方向へ2条材ずつ互いに逆側へ屈曲させた第1結合手段C1a,C1a,…、C1b,C1b,…及び第2結合手段C2a,C2a,…、C2b,C2b,…が設けてあるが、本発明はこれに限らず、各縦条材W1,W1,…及び各横条材W2,W2,…に第1結合手段C1a,C1a,…、C1b,C1b,…及び第2結合手段C2a,C2a,…、C2b,C2b,…を適宜に設けてもよい。
【0061】
(発明を実施するための第3の形態)
図11及び図12は、本発明に係る更に他の結合手段を示す平面図及び斜視図であり、結合力を向上させてある。なお、両図中、図2から図4に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0062】
図11及び図12に示したように、更に他の結合手段である第1結合手段C1c又は第2結合手段C2cは、平面視において、その基端となる縦条材W1又は横条材W2の中心軸Lに対して軸対称に配された2つの半螺旋部t,tが長手方向へ相隣らせて設けてなり、両半螺旋部t,tは前同様、そこに結合させる縦条材W1又は横条材W2の外周面に略倣う曲率、但し通常はその基端たる縦条材W1又は横条材W2の外周面に略倣う曲率になしてある。
【0063】
図13図11及び図12に示した第1結合手段C1c又は第2結合手段C2cに相隣る他の溶接金網の縦条材W1又は横条材W2を結合させた状態を示す部分平面図である。
【0064】
図13に示したように、第1結合手段C1c又は第2結合手段C2cの軸対称に配された半螺旋部t,t内に、相隣る他の溶接金網の縦条材W1又は横条材W2が嵌入され、嵌入された縦条材W1又は横条材W2に両半螺旋部t,tが巻き付く様態で相互に結合している。このように、第1結合手段C1c又は第2結合手段C2cにあっては、2つの半螺旋部t,tとそこに嵌入された縦条材W1又は横条材W2とが相互に結合するため、前述した第1結合手段C1a,C1b又は第2結合手段C2a,C2bより結合力が高い。
【0065】
一方、第1結合手段C1c又は第2結合手段C2cに相隣る他の溶接金網の縦条材W1又は横条材W2を結合させる場合、前同様、押圧力を印加するだけでそれを実施することができるため、未熟な作業員であっても短時間で確実に相互結合することができる。また、第1結合手段C1c又は第2結合手段C2cは溶接金網の端部を成形して構成してあるため、材料コストの増大を可及的に抑制し得、更に、コンクリート内に埋設された場合であっても異物とみなされる虞が無い。
【0066】
一方、第1結合手段C1c又は第2結合手段C2c内に嵌入した縦条材W1又は横条材W2はそこに更に強く固着されるため、縦条材W1又は横条材W2が嵌入された第1結合手段C1c又は第2結合手段C2c上で作業員が作業を行っても、両者の結合が解除される虞が無い。
【0067】
なお、本実施の形態では、更に他の結合手段として、縦条材W1又は横条材W2側へ屈曲させた場合について示したが、本発明はこれに限らず、縦条材W1又は横条材W2側とは反対側へ屈曲させてもよいことは言うまでもない。また、本実施の形態では、結合手段に2つの半螺旋部t,tを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、結合手段に3つ以上半螺旋部を設けてもよい。
【0068】
(発明を実施するための第4の形態)
図14は発明を実施するための第4の形態に係る溶接金網の要部を示す部分平面図であり、結合手段の他の構成を示している。なお、図中、図2から図4に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0069】
図14に示したように、第1結合手段C1d又は第2結合手段C2dは平面視において、その基端たる縦条材W1又は横条材W2の中心軸L回りに略1/2周となる半螺旋状に成形して半螺旋部tが設けてあり、前述した如く半螺旋部tはそこに結合させる縦条材W1又は横条材W2の外周面に略倣う曲率になしてある。そして、本形態に係る第1結合手段C1d及び/又は第2結合手段C2dにあっては、その先端が、基端となる縦条材W1又は横条材W2の中心軸Lと平行をなす直線に倣う線分に成形することによって、直線部sになしてある。
【0070】
このような第1結合手段C1d及び/又は第2結合手段C2dを備える溶接金網にあっては、条材を用いて第1結合手段C1d及び/又は第2結合手段C2dを成形するが、その場合、切断加工を実施することなく、曲げ加工によって、第1結合手段C1d及び/又は第2結合手段C2dを作製することができる。このように、切断加工を実施することなく、第1結合手段C1d及び/又は第2結合手段C2dを作製することができるため、少ない工程で、第1結合手段C1d及び/又は第2結合手段C2dを作製することができ、溶接金網の製造コストを低減するとともに、製造効率を向上させることができる。
【0071】
なお、半螺旋部tの長手方向における直線部sの配設位置は、半螺旋部t内に嵌入される縦条材W1又は横条材W2が十分に固着することができる位置であれば適宜設定することができる。また、半螺旋部tの長さは半螺旋部tの成形工程を円滑に実施することができる適宜の長さであればよい。
【0072】
一方、図14に示した第1結合手段C1d又は第2結合手段C2dにあっては、縦条材W1又は横条材W2側へ屈曲させた場合について示したが、本発明はこれに限らず、縦条材W1又は横条材W2側とは反対側へ屈曲させてもよいことは言うまでもない。また、本実施の形態では、結合手段に1つの半螺旋部tを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、結合手段に2つ以上半螺旋部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0073】
A1 溶接金網
A2 溶接金網
t 半螺旋部
p 屈曲部
s 直線部
C1a 第1結合手段
C1b 第1結合手段
C1c 第1結合手段
C1d 第1結合手段
C2a 第2結合手段
C2b 第2結合手段
C2c 第2結合手段
C2d 第2結合手段
W1 縦条材
W2 横条材
L 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15