(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口部(15)が、円状、楕円状、矩形、若しくは三角形の凹部、打ち抜き穴、又はスロット、好ましくは長さ方向スロット若しくは横断方向スロットである、請求項1又は2に記載の複合ペイン(10)。
前記ガラス繊維(4)の伸展方向に垂直な前記開口部(15)の幅bが、前記ガラス繊維(4)の直径dの1倍から直径dの40倍までである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合ペイン(10)。
前記ガラス繊維(4)の伸展方向に垂直な前記開口部(15)の幅bが、0.5mm〜10mm、好ましくは1mm〜5mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合ペイン(10)。
前記ガラス繊維(4)が、少なくとも2個、好ましくは3〜100個の開口部(15)を通って進行している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合ペイン(10)。
隣り合っている開口部(15)間の距離が、0.5cm〜50cm、好ましくは0.5cm〜20cm、特に好ましくは0.5cm〜5cm、特には1cm〜3cmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合ペイン(10)。
工程(b)において、前記開口部(15)を、前記中間層(3)を切ることによって、好ましくは、メス、ブレード、ナイフ、又はレーザーによって切ることによって作り出す、請求項10に記載の方法。
前記ガラス繊維(4)の伸展方向に垂直な幅bが0.5mm〜10mm、好ましくは1mm〜5mmである開口部(15)を、工程(b)において導入する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合ペイン(10)又は請求項8若しくは9に記載の複合ペイン装置(100)の、陸上、空中、又は水上における移動のための輸送手段における、特には列車、船、及び自動車における、例えば、ウィンドシールド、リアウィンドウ、サイドペイン、及び/又はルーフパネルとしての使用、建物における、特にはアクセスエリア、ウィンドウエリア、ルーフエリア、又はファケードエリアにおける使用、家具及び電化製品における組み込み式構成要素としての使用。
請求項8又は9に記載の複合ペイン装置(100)における点灯手段(20)の、前記点灯手段それ自体の作用ではない電気的な機能、好ましくは、加熱機能の特定のための、及び/若しくは、前記複合ペイン(10)の動き、好ましくはサイドウィンドウの開け閉めの特定のための、位置の特定のための、警告機能としての、若しくは他の伝達のための、特には、建物若しくは車両のドア及び/若しくはウィンドウの施錠若しくは開錠を示すための、又は、帰宅機能及び/若しくは外出機能としての、使用。
【発明を実施するための形態】
【0009】
中間層の少なくとも1個の開口部におけるガラス繊維の配置によって、中間層に対するガラス繊維の位置が固定され、それにより、複合ペインの製造及び積層加工時のガラス繊維の滑りを回避することができる。
【0010】
有利な実施態様では、本発明に係る複合ペインが、陸上、空中、水上を移動するための輸送手段のためのグレージング、特には、列車、船、及び自動車における、例えば、ウィンドシールド、リアウィンドウ、サイドペイン、及び/又はルーフパネルとしてのグレージング、建物における、特には、アクセスエリア、ウィンドウエリア、ルーフエリア、又はファケードエリアにおけるグレージング、家具及び家電製品における組み込み式構成要素としてのグレージングである。
【0011】
特に有利な実施態様では、本発明に係る複合ペインが、積層加工されたサイドペインであり、これは、好ましくは開閉可能な、車両のサイドウィンドウのために提供される。用語「開閉可能なサイドウィンドウ」は、車両ドアにおけるサイドペインの実質的に垂直な移動によって開けかつ再び閉めることができるサイドウィンドウを意味している。
【0012】
用語「外部ペイン」及び「内部ペイン」は、単に、第一ペイン及び第二ペインを区別するためだけの役割を果たす。車両ペインとしての又は建物ペインとしての複合ペインの使用の場合には、外部ペインは、好ましくは、複合ペインの外側を向いているが、必ずしもそうでなくてよく、かつ、内部ペインは、好ましくは、複合ペインの内側を向いているが、必ずしもそうでなくてよい。
【0013】
本発明に係るガラス繊維は、その側壁を介してその長さに沿って拡散によって光を射出する光拡散ガラス繊維である。そのようなガラス繊維は、大抵は、少なくとも、ガラス繊維コアの周りに配置されている1又は複数のシース形状層によって囲まれているガラス繊維コアからできている。大抵は、シース層が、大量の拡散中心、例えば、ナノ孔又はナノ粒子を有している。適当な光拡散ガラス繊維が、当業者に良く知られている。単なる例示として、ここでは、米国特許出願公開第2011/0122646号明細書又は米国特許出願公開第2015/0131955号明細書において言及されているガラス繊維に言及する。ガラス繊維の厚みは、典型的には、5μm〜300μm、好ましくは100μm〜250μmである。無論、適切な製造又は処理の結果として、ガラス繊維が、部分的にのみ、光拡散領域を有していてもよい。
【0014】
本発明に係るガラス繊維の有利な実施態様では、ガラス繊維がその側壁を介して妨害されることのない光を射出する長さは、少なくとも5cm、好ましくは少なくとも10cm、特に好ましくは少なくとも30cmである。
【0015】
本発明に関して、用語「光拡散ガラス繊維」は、複数の別個のガラス繊維の束又は編組も意味している。有利な実施態様では、本発明に係る複合ペインが、50以下の別個のガラス繊維、好ましくは正確に1つのガラス繊維、正確に2つのガラス繊維、正確に3つのガラス繊維、正確に4つのガラス繊維、正確に5つのガラス繊維、正確に6つのガラス繊維、正確に7つのガラス繊維、正確に8つのガラス繊維、正確に9つのガラス繊維、正確に10のガラス繊維を有している。特には、本発明に係る複合ペインは、ガラス繊維フリースを有していない。1〜50のガラス繊維は、好ましくは互いに独立に制御可能であり、換言すると、互いに独立に照明可能である。1〜50のガラス繊維は、好ましくは、互いの近くに配置されている。あるいは、ガラス繊維は、交差していてよく、好ましくはガラス繊維につき最大で10回、交差していてよい。本発明に係る複合ペインの有利な実施態様では、ガラス繊維が、中間層の1つの表面に埋め込まれている。これは、外部ペイン、中間層、及び内部ペインの積層加工時に自動的に行うことができる。なぜならば、外部ペイン及び内部ペインは、積層加工の温度及び圧力において実質的に固く、かつ、中間層は、柔らかくかつ可撓性であるからである。
【0016】
本発明に関して、「開口部」は、中間層において開いている場所であって中間層によって完全に縁どられているものを、好ましくは意味している。無論、本発明に係る完成した積層複合ペインにおいて、中間層が、開口部の自由領域を塞いでいてよく、それにより、中間層が、中間層を通って進行しているガラス繊維に、直接に接触するようになっている。そして、中間層における開口部が、ガラス繊維によって充填されている。
【0017】
本発明に係る複合ペインの有利な実施態様では、開口部が、凹部、好ましくは円状、楕円状、矩形状、若しくは三角形状の凹部であり、打ち抜き穴であり、又はスロット、好ましくはガラス繊維の伸展の方向に沿ったスロット(要するに長さ方向スロット)若しくはガラス繊維の伸展の方向に垂直なスロット(要するに横断方向スロット)である。
【0018】
本発明に係る複合ペインの有利な実施態様では、ガラス繊維の伸展の方向に垂直な開口部の幅bが、ガラス繊維の直径dの1倍から直径dの40倍までの範囲にわたっている。
【0019】
本発明に係る複合ペインの有利な実施態様では、ガラス繊維の伸展の方向に垂直な開口部の幅bが、0.5mm〜10mm、好ましくは1mm〜5mmである。
【0020】
本発明に係る複合ペインの有利な実施態様では、中間層が、少なくとも2、好ましくは3〜100の開口部を有しており、これらを通って、ガラス繊維が進行している。多数の開口部によって、ガラス繊維が、信頼性良く固定され、かつ、ガラス繊維の複雑なライン経路を達成することができる。
【0021】
本発明に係る複合ペインの有利な実施態様では、近接している開口部間の距離が、0.5cm〜50cm、好ましくは0.5cm〜20cm、特に好ましくは0.5cm〜5cm、特には1cm〜3cmである。近接している開口部間のそのような距離によって、ガラス繊維が信頼性良く固定され、かつ、ガラス繊維の複雑なライン経路を達成することができる。
【0022】
複合ペインのさらに簡略化された製造のために、ガラス繊維を、圧力及び温度の作用の下で積層加工する前に、中間層の1つの表面に固定することができる。これは、複合ペインの製造の間に、中間層に対するそれの位置においてガラス繊維が追加的に固定され、かつ滑りが回避されるという特に有利な点を有している。圧力及び温度の作用は、加熱要素、好ましくははんだごて、加熱された圧力ローラ、加熱プレート、特には平坦な鉄、又は高温空気の流れによって、押圧手段と組み合わせて、好ましくは生み出されうる。
【0023】
本発明に係る複合ペインの別の有利な実施態様では、ガラス繊維が、少なくとも1つの固定手段によって中間層、外部ペイン及び/又は内部ペインに結合している。これは、複合ペインの製造時にガラス繊維が中間層に対するそれの位置に追加的に固定され、かつ滑りが回避されるという、特に有利な点を有している。固定手段は、好ましくは透明であり、それにより、複合ペインを通した視界が、損なわれず、又は実質的に損なわれないようになっている。
【0024】
本発明に係る複合ペインの別の特に有利な実施態様では、固定手段が、接着手段、好ましくは、適用時に液体である接着剤、片面において接着性である接着テープ(要するに、片面接着テープ)又は両面において接着性である接着テープ(要するに、両面接着テープ)である。片面接着テープ又は両面接着テープは、キャリア膜、好ましくはプラスチック製のキャリア膜であって片面に又は両面に接着剤を有しているものからなる。
【0025】
特に有利な接着剤は、アクリレート接着剤、メチルメタクリレート接着剤、シアノアクリレート接着剤、ポリエポキシド、シリコーン接着剤、及び/又はシラン架橋ポリマー性接着剤、これらの混合物及び/又はコポリマーである。
【0026】
代替的な有利な実施態様では、固定手段が、モノフィラメントコード又は編組コード、好ましくは透明コード、特に好ましくはプラスチックコード、特には、ポリアミド(例えばナイロン(商標))、ポリエチレン(例えば、Dyneema(商標)若しくはSpectra(商標))、又はポリアラミド(例えば、Kevlar(商標))製のコードである。このようなコードは、典型的な直径0.01mm〜2mm、好ましくは0.02mm〜0.1mmを有している。
【0027】
外部ペイン及び/又は内部ペインは、好ましくはガラス、特にはソーダ石灰ガラス、又はプラスチック、好ましくは剛性プラスチック、特にはポリカーボネート若しくはポリメチルメタクリレートを含んでいる。ペインの厚みは、大きく変化してよく、これにより、理想的には、別個の場合における要件に適合することができる。好ましくは、外部ペイン及び内部ペインの厚みが、0.5mm〜10mm、好ましくは1mm〜5mm、最も特に好ましくは1.4mm〜3mmである。
【0028】
外部ペイン、内部ペイン、又は中間層は、クリアかつ無色であってよく、しかしながら、色づいていてもよく、つや消しであってもよく、又は着色されていてもよい。外部ペイン及び内部ペインは、事前強化なしの、部分的に事前強化されている、又は事前強化されているガラスからできていてよい。外部ペイン及び/又は内部ペインは、片面に、マスキング印刷、好ましくは黒色印刷を有していてよく、これは、筐体若しくは車両本体におけるペインの接着、又はペインの内部若しくはペイン上に配置されている他の要素への視界を遮る。マスキング印刷は、不透明でかつ全面で実施されてよい。あるいは、マスキング印刷を、半透明で、例えば、ドットグリッド、ストリップグリッド、又は格子模様グリッドとして実施してもよい。あるいは、マスキング印刷が、勾配を有していることさえも可能であり、例えば、不透明被覆から半透明被覆までの勾配を有していることさえも可能である。
【0029】
有利な実施態様では、本発明に係る複合ペインが、少なくとも部分的に、外部ペイン上の又は内部ペイン上のマスキング印刷、特には、黒色印刷を有しており、ガラス繊維が、少なくとも部分的に、マスキング印刷の領域に配置されている。不透明なマスキング印刷の場合には、これは、それを通して向こう側を見たときに、ガラス繊維及びすべての固定手段が認識可能でなく、かつ、同時に、ガラス繊維からの照明が、ペインの片方の表面においてのみ、すなわち、外部ペインの外側表面又は内部ペインの内側表面においてのみ認識可能であるという、特に有利な点を有している。
【0030】
中間層は、少なくとも1つの熱可塑性結合膜によって形成されている。熱可塑性結合膜は、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー、好ましくはエチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、若しくはポリウレタン(PU)、又は、それらの混合物若しくはコポリマー若しくは派生物を含有している。中間層の厚み、特には熱可塑性結合膜の厚みは、好ましくは、0.2mm〜2mm、特に好ましくは0.3mm〜1mm、例えば、0.38mm又は0.76mmである。
【0031】
別の代替的な実施態様では、本発明に係る複合ペインが、複合ペインの電気的な加熱のための加熱手段を有している。好ましい加熱手段は、導電性ワイヤ、及び/又は1若しくは複数の導電的に加熱可能な透明な導電性層である。
【0032】
本発明に係る複合ペインは、加熱手段によって実現される加熱機能のほかに、他の機能性を有していてよい。有利な実施態様では、複合ペインが、赤外線範囲のための反射被覆を有している。そのような被覆を、外部ペインの表面又は内部ペインの表面、好ましくは中間層に面している表面に適用してよく、それによって、被覆を、腐食及び機械的作用から保護する。あるいは、被覆を複合体に、被覆熱可塑性膜の形状で、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の被覆熱可塑性膜の形状で、導入してよい。この場合には、被覆膜を、好ましくは、第一と第二熱可塑性結合膜の間に配置する。IR反射被覆は、典型的には、少なくとも1層の導電性層を有している。さらには、被覆が誘電体層を有していてよく、これは、例えば、シート抵抗を制御するため、腐食に対して防護するため、又は反射を低減するために機能する。伝導層は、好ましくは、銀又は導電酸化物(透明伝導酸化物、TCO)、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)を含有している。伝導性層は、好ましくは、10nm〜200nmの厚みを有している。高い透明性を同時に伴って、伝導性を向上させるために、被覆が、少なくとも1層の誘電体層によって互いから離されている複数の導電性層を有していてよい。伝導性被覆は、例えば、2、3、又は4の導電性層を有していてよい。典型的な誘電体層は、酸化物又は窒化物、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、又は酸化チタンを含有している。無論、これらの導電性透明被覆は、ペインの電気的な加熱のためにも機能しうる。被覆は、好ましくは、複合ペインよりも比較的小さい表面積を有しており、それにより、好ましくは0.5mm〜15mmの幅を有している周縁端部領域には、被覆が提供されていないようになっている。このようにして、伝導性被覆が、中間層の中において、周囲大気との接触に対して防護される。これは、腐食の防止の観点から有利である。複合ペインは、他の無被覆領域、例えば、データー送信ウィンドウまたは通信ウィンドウを有していてもよい。
【0033】
本発明の別の側面は、複合ペイン装置であり、これは、少なくとも以下を有している:
− 本発明に係る複合ペイン、及び
− 光をガラス繊維に結合するための点灯手段。
【0034】
点灯手段は、好ましくは、複合ペインの1つの側端部に配置される。可動性の複合ペインの場合には、例えば、開けることができるサイドペインの場合には、点灯手段が、好ましくは、複合ペインに連結されており、かつ、同様に可動的に配置されている。無論、点灯手段を、複合ペインとは独立に設置してもよく、かつ、好ましくは非光拡散性ガラス繊維を介して、本発明に係る光拡散性ガラス繊維に連結してよい。
【0035】
有利な点灯手段は、例えば、レーザーダイオード、発光ダイオード(LEDs)、又は白熱電球であり、本発明は、個々の使用に関して適している任意のタイプの光源を含んでいる。本発明に係る点灯手段は、レンズシステム、ミラーシステム、反射器システム、又は、光を本発明に係るガラス繊維に結合するために機能することができる他の導光具も含んでいる。
【0036】
点灯手段は、着色されていてよく、又は白色であってよい。点灯手段は、ガラス繊維又はその周囲にあるものが、紫外線を可視光に変換できる限りは、紫外線範囲において光を放射してもよい。好ましい光色は、赤(顕著なシグナル効果があるため)、緑(緑色スペクトル範囲に対する人間の目の高い感受性のため)、及び青(その特別な美的効果及び比較的低いぎらつき効果のため)である。
【0037】
無論、複合ペインは、1又は複数のガラス繊維を有していてよい。すべてのガラス繊維が、好ましくは、点灯手段に一緒に結合しており、又は、それぞれのガラス繊維が、別個に、点灯手段に結合している。1又は複数のガラス繊維を、任意の技術的に可能な形態で、例えば、端部領域に、中央に、直線的に、湾曲させて、又は文字デザインとして若しくは記号として、複合ペインに配置してよい。
【0038】
本発明の別の側面は、本発明に係る複合ペインを製造するための方法であり、これは、少なくとも以下を含んでいる:
(a) ガラス繊維、中間層、内側表面IIを有している外部ペイン、及び、外側表面IIIを有している内部ペインを準備すること、
(b) 中間層に少なくとも1つの開口部を導入すること、及び、開口部を通してガラス繊維を進行させること
(c) 中間層を、外部ペインと内部ペインの間に配置すること、
(d) 外部ペインの内側表面IIを、中間層を介して、積層加工によって、内部ペインの外側表面IIIに結合させること。
【0039】
積層加工は、当業者にそれ自体として知られている慣用的な方法、例えば、オートクレーブ法、真空バッグ法、真空リング法、カレンダー法、真空ラミネーター、又はそれらの組み合わせによって行われる。外部ペインと内部ペインの結合は、熱、真空及び/又は圧力の作用の下で慣用的に行われる。
【0040】
本発明に係る方法の有利な改良形態では、工程(b)において、開口部を圧断し又は打ち抜き、好ましくは、針、パンチ、又は適切に成形されているパンチ具によって、圧断し又は打ち抜く。
【0041】
本発明に係る方法の有利な改良形態では、工程(b)において、中間層を切ることによって、好ましくは、メス、ブレード、ナイフ、又はレーザーによって切ることによって、開口部を、作り出す。
【0042】
本発明のさらなる側面は、本発明に係る複合ペインの、陸上、空中、又は水上の移動のための輸送手段における、特には、列車、船、及び自動車における、例えば、ウィンドシールド、リアウィンドウ、サイドペイン、及び/又はルーフパネルとしての使用、建物における、特には、アクセスエリア、ウィンドウエリア、ルーフエリア、又はファケードエリアにおける使用、家具及び家電製品における組み込み式構成用途としての使用、を含んでいる。
【0043】
本発明に係る複合ペインは、特に好ましくは、部分的に枠がないグレージングであり、ここでは、本発明に係る光拡散性ガラス繊維が、枠のない側端部の近くに配置されている。光拡散性ガラス繊維は、内側の側端部に配置されてもよく、例えば、グレージングに作られた切取部の領域、例えばルーフパネルにおける天窓に、配置されてもよい。
【0044】
本発明に係る複合ペインは、好ましくは、静止しているグレージングとして実施され、換言すると、グレージングがその周囲に対して停止して配置されており、かつ、例えば、部分的な固定によって固定されており、例えば、車両におけるウィンドシールドとして、又は建物における又は1つの家具におけるガラス隔壁として、実施されている。
【0045】
本発明に係る複合ペインは、あるいは、可動性のグレージングとして実施されており、換言すると、グレージングがその周囲に対して可動的に配置されており、例えば、ドアに可動的に配置されているグレージング、例えば、車両ドアにおけるサイドペインとして実施されている。
【0046】
本発明に係る別の側面は、電気的機能、好ましくは加熱機能の特定のための、本発明に係る複合ペインの動き、好ましくはサイドウィンドウの開閉の動きの特定のための、及び/又は、警告機能、好ましくは、開かれている車両ドアにおける枠なしサイドペインの場合の警告機能としての、複合ペイン装置における本発明に係る点灯手段の使用を含んでいる。好ましい使用としては、帰宅機能及び/又は外出機能のための複合ペイン装置の使用が挙げられる。無論、点灯手段が特定する電気的な機能は、点灯手段の動作だけではなく、むしろ異なる機能である。
【0047】
慣用的に「帰宅機能」として言及されるのは、車両を離れた後に、車両照明が一定時間にわたって点灯したままであり、そして、自動的にスイッチが切れるという機能である。これは、パーキング場所から家のドアまでの路を照らす目的を有しており、そのようにして、帰宅を比較的容易にし、かつ、降りる間に、車両を比較的見やすく保つ。
【0048】
慣用的に「外出機能」として言及されるのは、例えば、遠隔制御によって車両を開けた後に、車両照明をつけて、家のドアから車両までの路を照らす機能である。
【0049】
以下では、本発明を、図面及び例示の実施態様を参照して、詳細に説明する。図面は、概略的な描写であり、縮尺通りではない。図面は、決して、本発明を制限しない。
【0050】
図1Aは、本発明に係る複合ペイン装置100の平面図を描写しており、これは、本発明に係る複合ペイン10及び点灯手段20を有している。
図1Bは、
図1Aの複合ペイン10を通る切断線A−A’に沿った断面図を描写している。複合ペイン10は、この例では、乗用車のルーフパネルとして構成されている。
【0051】
本発明に係る複合ペイン10は、内側表面IIを有している外部ペイン1、外側表面IIIを有している内部ペイン2、及び、外部ペイン1の内側表面IIをペイン表面を介して内部ペイン2の外側表面IIIに結合している熱可塑性中間層3を有している。外部ペイン1及び内部ペイン2は、例えば、ソーダ石灰ガラス製であり、例えば、それぞれ、1.5mmの厚みを有している。熱可塑性中間層3は、例えば、合計厚0.86mmを有しているポリビニルブチラール(PVB)製の三層膜である。無論、他のガラスペイン又はポリマー性ペインを、外部ペイン及び内部ペインとして使用してもよい。さらには、外部ペイン1及び内部ペイン2の厚みを、個々の使用に適合させてよい。
【0052】
ガラス繊維4は、本発明によれば、部分的に、外部ペイン1の内側表面IIと中間層3との間に、かつ、部分的に、中間層3と内部ペイン2の外側表面IIIとの間に配置される。
図1Bで描写されている断面においては、ガラス繊維4が、外部ペイン1の内側表面IIと中間層3との間に配置されている。
【0053】
ガラス繊維4は、直径d、例えば、200μmの直径dを有しており、その長さに沿ってその側壁を介して光を放射するために適している。光を、ガラス繊維4の1つの末端面を介して、ガラス繊維4に結合する。このために、点灯手段20を、ガラス繊維4の1つの末端面に配置する。点灯手段20は、例えば、レーザーダイオードからなり、これは、例えば、反射器を介してガラス繊維4に光を結合することができる。レーザーダイオードに電圧を適用すると、その後に、光が、ガラス繊維4に結合される。そして、ガラス繊維4が、その長さ全体に沿ってその表面において光を拡散し、それにより、ガラス繊維4が、その長さ全体にわたって、光を発する。
【0054】
図1Cは、
図1Aの細部Zのガラス繊維4を有している中間層3の拡大された図を、外部ペイン1の内側表面IIに面している中間層3の面の平面図において、描写している。この例示的な実施態様では、中間層3が、細部Zにおいて、中間層3に導入された、例えば打ち抜き加工によって中間層3に導入された、3つの円状の開口部15を有している。ガラス繊維4が、中間層3の開口部15を通って、上から下に、かつ下から上に、交互に進行している。無論、中間層3は、ここで示されている細部Zの外側にも、開口部15をさらに有しており、これらの開口部を通して、ガラス繊維4が進行している。本発明に係るそのような配置は、ガラス繊維4が、中間層3に固定的に結合され、かつ、本発明に係る複合ペイン10の製造において、中間層3に対するそれの位置において滑り得ないという、特に有利な点を有している。
【0055】
図1Dは、積層加工前の複合ペイン10の要素を有している細部Zを描写している。これらは、内側表面IIを有している外部ペイン1及び外側表面IIIを有している内部ペイン2、並びに、ガラス繊維4及び熱可塑性中間層3を含んでいる。製造のために、第一に、例えば、複数の開口部15を、中間層3に導入する。例えば、描写されている細部Zにおいては、3つの開口部15を、中間層3に導入する。例えば、
図1Aの複合ペイン10全体に関しては、20個の開口部15を、中間層に導入する。無論、開口部15の数は、個々の技術的な条件、例えば、ガラス繊維4の剛性、複合ペイン10においてガラス繊維4に所望される経路の湾曲、その他に応じて、自由に適合させて良い。
【0056】
ここでは、開口部15は、例えば、円状であり、かつ、中間層3から、例えば打ち抜きによって、切り取られている。無論、開口部15が、スロット形状であってもよく、例えば、ガラス繊維4の伸展の方向に沿った長さ方向切込みの形状であってもよく、又は、ガラス繊維4の伸展の方向に垂直な横断方向切込みの形状であってもよい。無論、開口部15のタイプは、変化してもよく、かつ、異なるタイプの開口部を組み合わせてもよい。
【0057】
別のプロセス工程において、ガラス繊維4を、中間層3の開口部15を通して進行させる。ガラス繊維4を、部分的に、中間層3の一方の面に配置し、かつ、開口部15のうちの1つを通して進行させた後に、中間層3の他の面に配置する。
【0058】
無論、開口部15の導入、及びガラス繊維4による中間層3の通過を、交互に行ってもよい。換言すると、第一に、開口部15を、中間層3に導入し、その後に、ガラス繊維4を、開口部15を通して進行させる。その後に、別の開口部15を、中間層3に導入し、かつ、ガラス繊維4を、この別の開口部15を通して進行させる、などである。
【0059】
別のプロセス工程において、中間層3を、縫い通されたガラス繊維4とともに、外部ペイン1及び内部ペイン2の間に配置する。例えば、ここで、ガラス繊維4を有している中間層3を、内部ペイン2の外側表面IIIに配置し(矢印P1)、そして、外部ペイン1を、その内側表面IIが中間層3に置かれるようにして、配置する(矢印P2)。無論、積層の順番は、逆であってもよい。
【0060】
図1Eは、積層加工前の、このようにして製造された一連の積層体の細部Zの切断線B−B’に沿った断面を描写している。ポリマー性中間層3は可撓性であり、かつガラス内部ペイン2及びガラス外部ペイン1は概して固いので、ガラス繊維4が、中間層3のそれぞれの隣接している表面の領域に侵入する。
【0061】
別のプロセス工程において、外部ペイン1、中間層3、及び内部ペイン2を、積層加工によって、圧力及び温度の作用下で、結合させる。
【0062】
図1Fは、積層加工後の、本発明に係る複合ペイン10の細部Zの切断線B−B’に沿った断面を描写している。積層加工時の圧力及び温度の作用によって、熱可塑性中間層3が軟らかくなり、それにより、ガラス繊維4が、中間層3の表面に埋め込まれる。同時に、開口部15が、中間層3の材料によって充填され、それにより、本発明に係る複合ペイン10を通して見たときに、開口部15はもはや見ることができなくなっており、又は、実質的に見ることができなくなっている。このようにして、開口部15は、最も有利な場合には、ガラス繊維4が中間層3の一方の面から中間層3の他方の面に進行しているときにガラス繊維4によって占有されている空間にまで、縮小される。
【0063】
図2Aは、本発明に係る複合ペイン10及び点灯手段20を有している、本発明に係る複合ペイン装置100の平面図を描写している。
図2Bは、
図2Aの複合ペイン10を通る切断線A−A’に沿った断面図を描写している。複合ペイン10は、この例では、乗用車のサイドウィンドウのためのサイドペインとして構成されている。
【0064】
内側表面IIを有している外部ペイン1、外側表面IIIを有している内部ペイン2、及び、外部ペイン1の内側表面IIを内部ペイン2の外側表面IIIにペイン表面を介して互いに結合させている熱可塑性中間層3を、本発明に係る複合ペイン10が、有している。外部ペイン1及び内部ペイン2は、例えば、ソーダ石灰ガラス製であり、かつ、例えば、それぞれ、2.1mmの厚みを有している。熱可塑性中間層3は、例えば、0.76mmの厚みのポリビニルブチラール(PVB)製の膜である。無論、他のガラスペイン又はポリマー性ペインを、外部ペイン及び内部ペインとして使用してもよい。さらには、外部ペイン1及び内部ペイン2の厚みを、それぞれの使用に適合させてよい。
【0065】
ここで再び、ガラス繊維4が、中間層の開口部15を通して進行している。細部Z及び製造方法の例示的な詳細な表示を、
図1C〜
図1F及び関連する記載において示す。
【0066】
光拡散性ガラス繊維4は、直径d、例えば、200μmの直径dを有しており、その長さに沿ってその側壁を介して光を放射するために適している。光を、ガラス繊維4の1つの末端面を介してガラス繊維4に結合する。このために、点灯手段20を、ガラス繊維4の1つの末端部に配置する。点灯手段20は、例えば、レーザーダイオードからなり、これは、例えば、反射器を介してガラス繊維4に光を結合することができる。レーザーダイオードに電圧を適用すると、光が、ガラス繊維4に結合される。ガラス繊維4は、その長さ全体に沿ったその表面において、光を拡散し、それにより、ガラス繊維4が、その長さ全体にわたって光るようになっている。
【0067】
ここで、複合ペイン10は、例えば、乗用車の車両ドアのサイドペインであり、かつ、ガラス繊維4が、複合ペイン10の前方及び上方の側端部6の近くに配置されている。車両ドアにおけるサイドペインの境界部は、例えば、枠なしであり、それにより、サイドペインが、その下方側においてのみ、車両ドアに誘導されかつ差し込まれるようになっている。ここでは、点灯手段20は、例えば、高性能発光ダイオードである。
【0068】
この複合ペイン10によって作られる複合ペイン装置100が、例えば、設定されており、それにより、車両ドアを開いたときに、点灯手段20が作動し、かつガラス繊維4が光るようになっている。これは、開かれた状態において車両ドアが光を発し、他の道路使用者によって特に良好に識別可能であるという、特に有利な点を有している。このようにして照明される複合ペイン10の可視性は、暗闇において特に向上する。特には、これは、この例における複合ペイン10が、枠なしであり、かつ、その下方側端部のみで車両ドアに固定されているからである。これにより、ガラス繊維4によって照明される複合ペイン10の側端部を、妨害なく、自由に見ることができる。
【0069】
点灯手段20は、単色性であってよく、又は、異なる色によって異なる状態を特定してもよい。例えば、警告機能は、赤い点灯手段に関して特に高い。なぜならば、赤色は、慣用的に、危険性と関連しているからである。緑色の点灯手段は、暗闇において容易に識別可能である。なぜならば、人間の目は、緑色スペクトル範囲に対して特に高い感受性を有しているからである。
【0070】
別の例示的な実施態様では、点灯手段20が、例えば、赤色発光ダイオード及び青色発光ダイオードを有している。この場合には、複合ペイン装置100が、例えば、車両電子システムに接続されており、それにより、複合ペイン10が電気ウィンドウリフターによって開かれたときに、ガラス繊維4が青色で照明されるようになっており、かつ、複合ペイン10が閉じられたときには、ガラス繊維4が赤色によって照明されるようになっている。これは、ドア枠に対する複合ペイン10の移動の方向がこのようにして可視的になり、かつ、閉まってゆくウィンドウに身体の部分又は物体が挟まる危険性を、人が素早く認識することができるという、特に有利な点を有している。無論、他の色又は白色光を、ガラス繊維4の照明のために使用してもよい。さらには、他の機能を、複合ペイン10の照明によって示してもよく、又は、特に美的に優れた照明を実現することができる。
【0071】
本発明に係る複合ペイン10は、随意に、追加的な電気的機能を有していてよく、例えば、電気的な加熱機能を有していてよい。例えば、(ここでは示されていない)加熱手段、例えば、加熱ワイヤ又は加熱層を、外部ペイン1と内部ペイン2の間の領域に配置してよい。そのような加熱ワイヤは、例えば、銅又はタングステン製であり、かつ、例えば、30μmの厚みを有している。透明導電性被覆は、上述のように、例えば、加熱層として知られている。加熱ワイヤ及び加熱層は、例えば、バスバーによって、例えば、例えば100μmの厚み及び例えば7mmの幅を有している銅箔ストリップによって、形成されていてよい。バスバーに電圧を適用すると、加熱ワイヤ又は加熱層を通って電流が流れ、それによって、加熱効果が生み出される。電圧は、通常の自動車車載電圧14Vであってよく、又はさらには、例えば、42V若しくは48Vの電圧であってよい。無論、電圧は、慣用的な供給電圧、例えば、110V又は220Vの慣用的な供給電圧であってもよく、特には、建築技術における、例えば、透明ヒーターにおける本発明に係る複合ペイン10の使用において、そうであってよい。複合ペイン10の加熱の対応レベルを、再び、点灯手段20によるガラス繊維4の照明によって、示すことができる。
【0072】
図3Aは、本発明に係る代替的な複合ペイン装置100の平面図を描写しており、これは、本発明に係る代替的な複合ペイン10、及び点灯手段20を有している。
図3Bは、
図3Aの複合ペイン10を通る切断線A−A’に沿った断面図を描写している。この例では、複合ペイン10が、乗用車のウィンドシールドとして構成されている。
【0073】
本発明に係る複合ペイン10が、内側表面IIを有している外部ペイン1、外側表面IIIを有している内部ペイン2、及び、外部ペイン1の内側表面IIを内部ペイン2の外側表面IIIにペイン表面を介して互いに結合させている熱可塑性中間層3を有している。外部ペイン1及び内部ペイン2は、例えば、ソーダ石灰ガラス製であり、かつ、例えば、それぞれ、2.1mmの厚みを有している。熱可塑性中間層3は、例えば、0.76mmの厚みを有しているポリビニルブチラール(PVB)製の膜である。無論、他のガラスペイン又はポリマー性ペインを、外部ペイン1及び内部ペイン2として使用してもよい。さらには、外部ペイン1及び内部ペイン2の厚みを、それぞれの使用に適合させてよい。
【0074】
この例示的な実施態様では、2個の光拡散性ガラス繊維4が、外部ペイン1と内部ペイン2の間に配置されている。ここで再び、中間層3の開口部15を通して、ガラス繊維4が進行している。
【0075】
図3Cは、
図3Aの細部Zのガラス繊維4を有している中間層3の細部Zの例示的な詳細な図を描写している。ここでは、開口部15が、例示として、ガラス繊維4の伸展方向に垂直なスロットとして実施されている。スロットの幅bは、例えば、5mmである。さらなる製造方法が、例えば、
図1D〜
図1F及び関連する記載において示されている。
【0076】
光拡散性ガラス繊維4は、それぞれ、150μmの直径dを有しており、それらの長さに沿ってそれらの側壁を介して光を放射するのに適している。光が、ガラス繊維4の1つの末端面を介してガラス繊維4に結合されている。このために、点灯手段20を、それぞれのガラス繊維4の1つの末端部に配置する。点灯手段20は、例えば、レーザーダイオードからなり、これは、例えば、反射器を介して光をガラス繊維4に結合することができる。レーザーダイオードに電圧を適用すると、光が、ガラス繊維4に結合される。そして、ガラス繊維4が、その長さの全体に沿ってその表面において光を拡散し、それにより、ガラス繊維4が、その長さ全体にわたって光るようになっている。
【0077】
複合ペイン10は、この例では、内部ペイン2の外側表面IIIの周縁端部領域に、不透明マスキング印刷7、例えば、セラミックインク製の黒色印刷を有しており、これが、焼結によって、内部ペイン2のガラス表面IIIと恒久的な結合を形成している。マスキング印刷7は、複合ペイン10を車体に接着するための接着箇所への視界を遮る目的を、有している。同時に、接着箇所が、光照射に対して防護され、特には、接着場所の経年劣化の加速を引き起こしうるUV光による放射に対して、防護される。
【0078】
ガラス繊維4は、この例では、複合ペイン10の端部領域における枠の形状で配置されている。側端部6からの距離は、例えば、1cm〜20cmである。
【0079】
ここで、ガラス繊維4が、例えば、内部ペイン2の内側表面IVからマスキング印刷7によって隠されている領域に、配置される。これが意味するのは、ガラス繊維4を、車両内部からみることができないということである。特には、ガラス繊維4の側壁において放射される光が、車両内部にも侵入せず、それにより、占有者が、これにより目がくらんだり又は攪乱されえないようになっている。
【0080】
ここでは、点灯手段20が、例えば、高性能レーザーダイオードである。この複合ペイン10によって製造される複合ペイン装置100を、例えば、車両ドアのカギを閉めたとき又は開けたときに、一定時間にわたって、例えば1分間にわたって、点灯手段20がガラス繊維4を点灯するように、設定する。これは、その他の車両照明と独立して又は同時に起こしてよい。例えば無線受信器を使用して、鍵の開け閉めを実行している人にとって、そのような照明は、車両のカギがしっかりと閉められた又は開けられたというはっきりとしたシグナルとして、機能しうる。同時に、帰宅又は外出機能を、これによって実現してもよい。
【0081】
点灯手段20は、単色性であってよく、又は、異なる色によって異なる状態が特定することができる。異なる色は、車両のカギが開いていることと閉じられていることとを、可視的に容易に区別することを可能にする。ガラス繊維4の照明を警告機能として使用する場合には、赤色又はオレンジ色光を、例えば、使用してよく、なぜならば、赤色又はオレンジ色は、慣用的に危険性と関連しているからである。緑色光手段は、特には、暗闇において容易に識別される。なぜならば、人間の目は、緑色スペクトル範囲に関して特に感受性が高いからである。
【0082】
無論、ガラス繊維4を、ペインの1つの側端部に沿って、又は1つの側端部のみに沿って配置する必要はなく、そうではなくて、任意の所望されるやり方で配置してよい。特には、1又は複数のガラス繊維4が、記号の形状で、例えば、ハザード三角形の形状で配置されてもよく、又は、文字を形成してもよい。
【0083】
無論、ガラス繊維4が、側壁を介して光がガラス繊維4から出ることができる領域を有していてもよく、それにより、互いに連結していない記号を照明することができる。
【0084】
さらには、無論、本発明に係るすべての例示的な実施態様において、(ここでは示されていない)他の中間層を、中間層3及びペイン1,2のうちの1つとの間に配置してよい。これは、中間層が、接着特性を有していない場合、例えば、PET膜である場合に、特に有利であり、この膜を、追加的な中間層、例えば、PVB膜製の追加的な中間層を介して、ペイン1,2に接着的に結合しうる。その後に、ガラス繊維4を、例えば、中間層3の開口部を通して、又は別の中間層を通して、進行させる。
【0085】
図4は、本発明に係る複合ペイン10を製造するための本発明に係る方法の例示的な実施態様のフローチャートを描写している。本発明に係る方法は、例えば、以下の工程を含んでいる:
(a)ガラス繊維4、熱可塑性中間層3、内側表面IIを有している外部ペイン1、及び外側表面IIIを有している内部ペイン2を準備すること、
(b)少なくとも1つの開口部15を、中間層3に導入すること、及び、開口部15を通してガラス繊維4を進行させること、
(c)中間層3を、外部ペイン1と内部ペイン2との間に配置すること、
(d)外部ペイン1の内側表面IIを、積層加工によって、中間層3を介して、内部ペイン2の外側表面IIIに結合させること。