(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557462
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】ランバーサポート構造及び座席構造
(51)【国際特許分類】
A47C 7/46 20060101AFI20190729BHJP
【FI】
A47C7/46
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-211640(P2014-211640)
(22)【出願日】2014年10月16日
(65)【公開番号】特開2016-77511(P2016-77511A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】594176202
【氏名又は名称】株式会社デルタツーリング
(74)【代理人】
【識別番号】100101742
【弁理士】
【氏名又は名称】麦島 隆
(72)【発明者】
【氏名】藤田 悦則
(72)【発明者】
【氏名】桑野 竜次
(72)【発明者】
【氏名】黒本 昌宏
【審査官】
松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−209017(JP,A)
【文献】
特開平11−253268(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/043807(WO,A1)
【文献】
特開2004−229957(JP,A)
【文献】
実開平05−034956(JP,U)
【文献】
特表2008−531224(JP,A)
【文献】
実開平07−025853(JP,U)
【文献】
実開昭51−152291(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックに配置されるランバーサポート構造であって、
前記シートバックを構成するバックフレームに掛け渡される構造のバック用クッション部材の背面側に配設され、
第1トーションバーと、前記第1トーションバーに支持され、負荷荷重を受けて弾性的に変位可能な第1サポートプレートとを有し、前記第1サポートプレートが、前記バックフレームの下部に設定され、前記バック用クッション部材を弾性的に支持して復元力を付与する下部ランバーサポートと、
第2トーションバーと、前記第2トーションバーに支持され、負荷荷重を受けて弾性的に変位可能な第2サポートプレートと、前記第2トーションバーを捩り、前記第2サポートプレートの位置を前後に調整するランバー調整手段とを有し、前記第2サポートプレートが、前記第1サポートプレートの上部に設定される上部ランバーサポートと
を有し、
前記下部ランバーサポートの前記第1サポートプレートが、着座者の骨盤部に対応する位置に設定され、前記上部ランバーサポートの前記第2サポートプレートが、着座者の腰部に対応する位置に設定されており、
前記第1トーションバーは、正面から見て略長方形状に形成され、下辺に相当する位置に各端部が配置され、上辺部に前記第1サポートプレートが連結され、前記各端部が、側面視で前記上辺部より後方寄りの前記バックフレームに設けられた係止部に連結され、前記各端部を中心として前記上辺部が前方に付勢されている
ことを特徴とするランバーサポート構造。
【請求項2】
前記第2トーションバーは、前記第2サポートプレートが連結される幅方向に長い中央バネ部と、前記中央バネ部の両側から略ハ字状に傾斜する傾斜バネ部と、前記各傾斜バネ部から略水平に外方に伸びた先の各端部とを有し、一方の端部が、前記バックフレームにおける一方のサイドフレームに連結され、他方の端部が、前記バックフレームにおける他方のサイドフレームに設けられた前記ランバー調整手段に連結されている請求項1記載のランバーサポート構造。
【請求項3】
前記第2サポートプレートの上下方向略中央部に、前記中央バネ部が係止される係合部が設けられ、前記第2サポートプレートの上縁部寄りに体重がかかった場合、前記係合部を中心として前記第2サポートプレートの上縁部が後傾するように変位する請求項2記載のランバーサポート構造。
【請求項4】
前記第1サポートプレートは、略長方形に形成され、前記バックフレームの幅方向に長手方向が沿うように配置され、かつ、長手方向の略中央付近が後方に位置する湾曲形状に形成されている請求項1〜3のいずれか1に記載のランバーサポート構造。
【請求項5】
前記第2サポートプレートは、略長方形に形成され、前記バックフレームの幅方向に長手方向が沿うように配置され、かつ、長手方向の略中央付近が後方に位置する湾曲形状に形成されている請求項1〜4のいずれか1に記載のランバーサポート構造。
【請求項6】
前記上部ランバーサポートを構成する前記第2サポートプレートは、前記下部ランバーサポートを構成する前記第1サポートプレートよりも、負荷荷重を受けた際の前後のストロークが大きくなるように、前記第1トーションバー及び前記第2トーションバーの弾性力が設定されている請求項1〜5のいずれか1に記載のランバーサポート構造。
【請求項7】
前記バック用クッション部材が、二次元の布帛、三次元の布帛又はそれらの組み合わせを含んで構成される請求項1〜6のいずれか1に記載のランバーサポート構造。
【請求項8】
バックフレームに掛け渡される構造のバック用クッション部材を有するシートバックを備えた座席構造であって、
前記バック用クッション部材の背面側に、請求項1〜7のいずれか1に記載のランバーサポート構造が組み込まれていることを特徴とする座席構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、航空機、列車などの輸送機器用の座席構造に組み込まれるランバーサポート構造、並びに、このランバーサポート構造を備えた座席構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、略コ字状に形成されたトーションバーを用い、このトーションバーの上アーム部をシートフレームに支持させ、中間アーム部及び下アーム部をサポート用プレートに支持させた自動車用ランバーサポートが開示されている。上アーム部の前後位置を調整してサポート用プレートによる支持圧を調整可能とし、また、中間アーム部及び下アーム部を設けることで、サポート用プレートの横揺れがなくなり、また、サポート用プレートのセンターずれも抑制して着座フィーリングを向上させている。また、特許文献2では、布やゴムなどのシート状部材からなるサポート部材を、着座者の腰部対応部位にコイルスプリングを用いて張設したものが開示されている。このサポート部材は、固定式サポート部材と、長さ調整により緊張させたり緩めたりして伸びを調整できる調整式サポート部材とを積層配置し、固定式サポート部材によりシートバックの基本的な腰部支持圧を発揮させ、調整式サポート部材に固定式サポート部材の破損時のバックアップと頂部支持圧の調整機能を持たせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−205956号公報
【特許文献2】特開2006−346275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のランバーサポート装置は、バックフレームに掛け渡された張力構造のバック用クッション部材ではなく、所定厚さのウレタン材のようにその素材自体が有するクッション性によって着座者の背を支持するものに適用されている。ウレタン材のように所定の厚さのあるバック用クッション部材であれば、ランバーサポート装置におけるサポート用プレートの当たり感をあまり考慮することなく、比較的広い面積で支持するものを用いて、上記のような横揺れ防止などの各種機能を持たせることができる。しかし、バックフレームに掛け渡された張力構造のバック用クッション部材の場合には、その張力を利用してクッション性を持たせており、また、使用する素材も二次元の布帛、若しくは、三次元立体編物に代表される三次元の布帛といった比較的薄手のものであり、広い面積のサポート用プレートを用いて支持することは、張力構造体のクッション性を損ね、また、着座者に不要な当たり感を生じさせる。
【0005】
特許文献2は、張力構造のバック用クッション部材用のものであるため、その張力を利用したクッション性を損ねないように、骨盤部から腰部にかけての範囲にサポート部材が設定されている。また、着座者への当たり感を軽減すべく、サポート部材を布やゴムから形成している。しかし、固定式サポート部材と調整式サポート部材とを積層した構造であり、2枚は同じ位置に配置され、支持圧の調整は、サポート部材の全範囲が調整されることになり、支持圧によっては骨盤部よりも敏感な腰部に対応するサポート部材の上縁部寄りにおいて違和感を与えたりする場合があった。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、張力構造のバック用クッション部材用のものとして適し、かつ、着座者への違和感を従来より軽減することができるランバーサポート構造及び該ランバーサポート構造を備えた座席構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のランバーサポート構造は、
シートバックに配置されるランバーサポート構造であって、
前記シートバックを構成するバックフレームに掛け渡される構造のバック用クッション部材の背面側に配設され、
第1トーションバーと、前記第1トーションバーに支持され、負荷荷重を受けて弾性的に変位可能な第1サポートプレートとを有し、前記第1サポートプレートが、前記バックフレームの下部に設定され、前記バック用クッション部材を弾性的に支持して復元力を付与する下部ランバーサポートと、
第2トーションバーと、前記第2トーションバーに支持され、負荷荷重を受けて弾性的に変位可能な第2サポートプレートと、前記第2トーションバーを捩り、前記第2サポートプレートの位置を前後に調整するランバー調整手段とを有し、前記第2サポートプレートが、前記第1サポートプレートの上部に設定される上部ランバーサポートと
を有することを特徴とする。
【0008】
前記下部ランバーサポートの前記第1サポートプレートが、着座者の骨盤部に対応する位置に設定され、前記上部ランバーサポートの前記第2サポートプレートが、着座者の腰部に対応する位置に設定されていることが好ましい。
前記上部ランバーサポートを構成する前記第2サポートプレートは、前記下部ランバーサポートを構成する前記第1サポートプレートよりも、負荷荷重を受けた際の前後のストロークが大きくなるように、前記第1トーションバー及び前記第2トーションバーの弾性力が設定されていることが好ましい。
前記バック用クッション部材が、二次元の布帛、三次元の布帛又はそれらの組み合わせを含んで構成されることが好ましい。
【0009】
また、本発明の座席構造は、バックフレームに掛け渡される構造のバック用クッション部材を有するシートバックを備えた座席構造であって、
前記バック用クッション部材の背面側に、前記いずれかのランバーサポート構造が組み込まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シートバックのバックフレームにおいて、下部に配設される下部ランバーサポートとその上部に配設される上部ランバーサポートを有し、好ましくは、下部ランバーサポートの第1サポートプレートを着座者の骨盤部に対応する部位に配設し、上部ランバーサポートの第2サポートプレートを着座者の腰部に対応する部位に配設している。上下2つのランバーサポートを有するため、下部ランバーサポートの第1サポートプレートを、当たり感を知覚しにくい骨盤部に主に対応するように設けることができ、それにより、張力構造のバック用クッション部材に所定の復元力を付与可能な所定の弾性強さで設けることができる。また、人体の下方に位置する骨盤部をしっかり支持できるため、姿勢の崩れの抑制に役立つ。上部ランバーサポートは、腰部に主に対応するため、下部ランバーサポートよりも柔らかいバネ感に設定することで、腰部における当たり感を抑制し、着座フィーリングを向上させることができる。その一方、上部ランバーサポートには、ランバー調整手段を設けているため、第2サポートプレートの位置を前後に調整することで、好みの腰部支持圧に調整することができる。
【0011】
すなわち、本発明は、張力構造のバック用クッション部材に復元力を付与して、外観を向上させる機能を下部ランバーサポートに持たせつつ、下部ランバーサポートによって骨盤部の支持性を高め、さらに、上部ランバーサポートで当たり感を軽減しつつ好みの支持圧で腰部を支えることができ、従来より、着座フィーリングの向上を図ることができる。
【0012】
また、各サポートプレートがいずれもトーションバーによって支持されるため、コイルスプリングで支持した場合と比較して、各サポートプレートの上縁部が前後に変位しやすい。この動きにより、背の角度に沿った支持ができ、一層当たり感を軽減できると共に、姿勢変化の追従性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、シートバックを構成するバックフレームに本発明の一の実施形態に係るランバーサポート構造を配設した座席構造の要部を示した斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の側面図であって、上部ランバーサポートの腰部支持圧を弱くなるように調整した状態を示した図である。
【
図5】
図5は、
図1の側面図であって、上部ランバーサポートの腰部支持圧を強くなるように調整した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
図1〜
図5は、本発明の一の実施形態に係るランバーサポート構造1及びこのランバーサポート構造1が配設された座席構造100を示した図である。これらの図に示したように、本実施形態のランバーサポート構造1は、シートバック110のバックフレーム111のサイドフレーム111a,111a間に設けられる。より詳細には、バックフレーム111は、一対のサイドフレーム111a,111aと、それらの上部間に掛け渡される略コ字状の上部フレーム111bと、下部間に掛け渡される下部フレーム111cとを有し、シートクッション120のクッションフレーム121に傾動可能に支持される。バックフレーム111は、このように方形枠状に形成され、その内側にはバック用クッション部材112を支持する骨格部材を備えておらず、バック用クッション部材112は、バックフレーム111に掛け渡されて張力構造体となることによって、着座者の背を支持する。
【0015】
バック用クッション部材112は、二次元の布帛、三次元の布帛又はそれらの組み合わせ等から構成される。二次元の布帛は、経糸、緯糸の少なくとも一方に弾性糸を含んだ布やネットあるいは弾性糸を含まない布やネット等を用いることができ、三次元の布帛は三次元立体編物や三次元立体布帛などを用いることができる。組み合わせとしては、これらのいずれかをバックフレーム111にベースネットとして張設し、ベースネットを被覆するように、これらのいずれかを用いた表皮を配設した構造などが挙げられる。また、薄手のウレタン材などのクッション素材がこれらの布帛に積層されたものを用いてもよい。
【0016】
本実施形態のランバーサポート構造1は、下部ランバーサポート10と上部ランバーサポート20とを備えて構成される。下部ランバーサポート10は、第1トーションバー11と、第1サポートプレート12とを有している。第1トーションバー11は、
図1及び
図2に示したように、正面から見て略長方形状であって、下辺に相当する位置に各端部11a,11aが配置される一方、各端部11a,11a同士は接触せずに離間した状態となる形状に加工される。
【0017】
第1サポートプレート12は、合成樹脂製で略長方形に形成され、バックフレーム111の幅方向に長手方向を沿わせて配置される。長手方向は人の骨盤部を支えるのに十分な長さを有することが好ましく、また、違和感の低減のため、長手方向中央付近が後方に位置するような湾曲形状に形成することが好ましい(
図3参照)。
【0018】
第1トーションバー11は、その上辺部11bが、第1サポートプレート12の上縁部12a寄りの背面に連結される。第1トーションバー11の各端部11a,11aは、バックフレーム111の下部において、側面視で後方寄りに設けた係止部111dに連結される(
図4及び
図5参照)。このとき、第1トーションバー11は、各端部11a,11aを中心として、上辺部11bが前方に付勢されるように設定される。従って、上辺部11bに支持される第1サポートプレート12をバック用クッション部材112の背面側に配設すると、第1サポートプレート12は、バック用クッション部材112の下部を前方に付勢することになり、バック用クッション部材112に復元力が付与される。下部ランバーサポート10は、第1サポートプレート12が、好ましくは、着座者の骨盤部に対応する位置に設定される。これにより、着座者の骨盤部を第1トーションバー11の弾性力によって支持することができ、かつ、バック用クッション部材112に付与される復元力により、バック用クッション部材112を張った状態とすることができ外観も向上する。
【0019】
第1サポートプレート12は、このように主として骨盤部に対応する部位に配置されるため、その当接感は知覚されにくい。従って、第1トーションバー11の付勢力は、該骨盤部を支えることができる程度に強く設定することが好ましい。
【0020】
上部ランバーサポート20は、第2トーションバー21と、第2サポートプレート22と、ランバー調整手段23とを有している。第
2トーションバー21は、
図1及び
図2に示したように、中央部に位置する幅方向に長い中央バネ部21aと、この中央バネ部21aの両側から略ハ字状に傾斜する傾斜バネ部21b,21bと、各傾斜バネ部21b,21bから略水平に外方に伸びた先の各端部21c,21cがクッションフレーム111の各サイドフレーム111a,111aに支持される。このうち、一方の端部21cは、一方のサイドフレーム111aに連結される。他方の端部21cは、他方のサイドフレーム111aに設けたランバー調整手段23に連結される。
【0021】
具体的には、ランバー調整手段23は、他方のサイドフレーム111aの外面に設けた操作部材23aと、この操作部材23aを回転させることにより回転するギヤ機構23bとを有し、第2トーションバー21の他方の端部21cは、このギヤ機構23bの出力部23cに連結される。従って、ランバー調整手段23の操作部材23aを正逆いずれかに回転させると、第2トーションバー21は、他方の端部21cが回転し、一方の端部21cを固定端として、中央バネ部21a及び傾斜バネ部21b,21bが前後に回動することになる。
【0022】
第2サポートプレート22は、合成樹脂製で正面から見て略長方形に形成される。その面積は着座者の腰部を支持できる適宜の大きさで設定されるが、第1サポートプレート11と同様、背を受け止め易いように、略中央部が後方に突出する湾曲形状に形成することが好ましい。第2サポートプレート22の背面における上下方向略中央部に、第2トーションバー21の中央バネ部21aを係止する係止部22a,22aが設けられている。なお、第2トーションバー21の一方の端部21cを係止する一方のサイドフレーム111aにおける連結位置及び他方の端部21cを係止するランバー調整手段23における連結位置は、側面から見て、バック用クッション部材112の表面よりも後方に設定される(
図4及び
図5参照)。そして、第2トーションバー21は、中央バネ部21aが前傾方向に付勢されるように設ける。これにより、係止部22a,22aに中央バネ部21aを連結すると、第2サポートプレート22は、第2トーションバー21の弾性力により前方に付勢されることになる。
【0023】
第2サポートプレート22は、第1サポートプレート12の上部であって、着座者の腰部を主として支持できる位置となるように配置される。着座者がバック用クッション部材112に体重をかけることにより、第2サポートプレート22の弾性に応じて後方にストロークする。このとき、腰部付近が第2サポートプレート22に当接することになるため、その当たり感を感じないように、第2トーションバー21は、第1トーションバー11よりも柔らかなバネ感で、負荷荷重がかかった際に第1サポートプレート11よりもストロークが大きくなるようにバネ定数が設定される。
【0024】
本実施形態のランバーサポート構造1は、上記のように、バックフレーム111において上下異なる高さに配置される下部ランバーサポート10及び上部ランバーサポート20を有している。そして、骨盤部付近は、下部ランバーサポート10における第1サポートプレート11を支持する第1トーションバー11の弾性によって斜め下から前方に押圧されるようにしっかりと支えられる。その一方、腰部付近は、上部ランバーサポート20における第2サポートプレート22を支持し、第1トーションバー11よりもバネ定数の低い第2トーションバー21の弾性力によって支持される。従って、腰部付近は柔らかく支持されるため、第2サポートプレート22の当たり感が軽減される。
【0025】
一方、腰部付近の支持圧を調整したい場合には、ランバー調整手段23の操作部材23aを正逆いずれかに回転操作する。それにより、第2トーションバー21の他方の端部21cが一方の端部21cに対して捩られる。腰部支持圧を低くする場合には、
図4に示したように、第2トーションバー21の中央バネ部21a及び傾斜バネ部21b,21bを後方に変位するように操作する。これにより、第2サポートプレート22の位置が後方になり、腰部支持圧が低下する。腰部支持圧を高くする場合には、
図5に示したように、第2トーションバー21の中央バネ部21a及び傾斜バネ部21b,21bを前方に変位するように操作し、第2サポートプレート22の位置が前方になるようにする。これにより、腰部支持圧が高くなる。
【0026】
また、第2サポートプレート22は、第2トーションバー21の中央バネ部21aが係止される係止部22a,22aが上下方向略中央部に設定されている。このため、第2サポートプレート22の上縁部寄りに体重がかかった場合、該係止部22a,22aを中心として上縁部が後傾するように変位するため姿勢変化への追従性が高い。
【符号の説明】
【0027】
1 ランバーサポート構造
10 下部ランバーサポート
11 第1トーションバー
12 第1サポートプレート
20 上部ランバーサポート
21 第2トーションバー
22 第2サポートプレート
100 座席構造
110 シートバック
111 バックフレーム
111a サイドフレーム