(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1電極膜および前記主面の間、前記第2電極膜および前記主面の間、ならびに、前記中間電極膜および前記主面の間に介在し、前記第1受動素子を被覆する主面絶縁膜をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のチップ部品。
前記第1内部電極形成用トレンチおよび前記第2内部電極形成用トレンチは、前記第1電極膜および前記第2電極膜の対向方向に沿って延びるストライプ状に形成されている、請求項12に記載のチップ部品。
前記基板における前記第1電極膜および前記第2電極膜の間の領域において前記第1電極膜および前記第2電極膜の対向方向に交わる方向に前記第1受動素子および前記第2受動素子から間隔を空けて形成され、前記第1電極膜に電気的に接続された一端および前記第2電極膜に電気的に接続された他端を有する第3受動素子をさらに含む、請求項10〜14のいずれか一項に記載のチップ部品。
前記第1電極膜および前記主面の間、ならびに、前記第2電極膜および前記主面の間に介在し、前記第1受動素子を被覆する主面絶縁膜をさらに含む、請求項10〜16のいずれか一項に記載のチップ部品。
前記第2トレンチは、第1内部電極膜形成用トレンチと、平面視において、前記第1内部電極膜形成用トレンチから間隔を空けて形成された第2内部電極膜形成用トレンチとを含み、
前記第3受動素子は、前記第1内部電極膜形成用トレンチに埋設された前記第3導電体により形成された第1内部電極と、前記第2内部電極膜形成用トレンチに埋設された前記第3導電体により形成された第2内部電極とを含むコンデンサである、請求項20に記載のチップ部品。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態に係るチップ部品1の一部切欠斜視図である。
図2は、チップ部品1の平面図である。
図1に示すように、チップ部品1は、直方体形状に形成されている。チップ部品1の平面形状は矩形であり、その長手方向の長さW1が1.0mm〜1.2mm、短手方向の長さW2が0.2mm程度であってもよい。また、チップ部品1の全体の厚さTは、0.15mm程度であってもよい。
【0028】
チップ部品1は、直方体形状の基板2を含む。基板2は、一対の主面2a,2bと、4つの側面2cとを含む。一対の主面2a,2bのうちの一方(
図1の上面側の主面2a)が素子形成面とされている。以下、この主面2aを「素子形成面2a」といい、素子形成面2aと反対側の主面2bを「裏面2b」という。基板2の表面(素子形成面2a)は、絶縁膜3によって覆われている。基板2の4つの側面2cおよび絶縁膜3の外周部はパッシベーション膜4で覆われている。パッシベーション膜4は、窒化膜等であってもよい。
【0029】
基板2上には、第1外部電極5(第1電極)と、第2外部電極6(第2電極)とが互いに間隔を空けて形成されている。第1外部電極5は、基板2の一端部に配置されている。第2外部電極6は、基板2の他端部に配置されている。第1外部電極5および第2外部電極6の間には、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8が互いに間隔を空けて配置されている。第1外部電極5、第2外部電極6、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8は、それぞれ平面視矩形状に形成されており、等間隔に配置されている。第1外部電極5、第2外部電極6、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8は、たとえば、Ni膜と、Ni膜上に形成されたPd膜と、Pd膜上に形成されたAu膜とを有するNi/Pd/Au積層膜であってもよい。
【0030】
図1および
図2に示すように、この実施形態では、受動素子が形成される複数の受動素子領域が、第1外部電極5および第2外部電極6の対向方向に沿って並んで配置されている。より具体的には、第1外部電極5と第1中間外部電極7との間の領域、第1中間外部電極7と第2中間外部電極8との間の領域、および第2中間外部電極8と第2外部電極6との間の領域のそれぞれに、受動素子領域が設定されている。
【0031】
受動素子領域とは、受動素子の一例としてのコイルLが形成されるコイル領域13、受動素子の一例としての第1コンデンサC1が形成される第1コンデンサ領域14、および、受動素子の一例としての抵抗Rが形成される抵抗領域15のいずれか1つが適用される領域である。この実施形態では、第1外部電極5と第1中間外部電極7との間の領域にコイル領域13が設定され、第1中間外部電極7と第2中間外部電極8との間の領域に第1コンデンサ領域14が設定され、第2中間外部電極8と第2外部電極6との間の領域に抵抗領域15が設定された例を示している。
<コイル領域13>
図3は、
図1に示すチップ部品1に係るコイル領域13を示す拡大平面図である。
図4は、
図3に示すIV-IV線に沿う断面図である。
図5は、
図4に示すコイル形成用トレンチ16の拡大断面図である。
図6は、
図3に示すVI-VI線に沿う断面図である。
【0032】
図3および
図4に示すように、コイル領域13における基板2には、平面視螺旋状のコイル形成用トレンチ16が、素子形成面2aから所定の深さまで掘り下げられることにより形成されている。この実施形態では、コイル形成用トレンチ16は、平面視において、四角の螺旋形に形成されており、基板2の各側面2cにそれぞれ平行な直線状部分を複数有している。コイル形成用トレンチ16は平面視において円形の螺旋状であってもよいし、平面視八角形の螺旋状等のように四角形以外の平面視多角形の螺旋状であってもよい。
【0033】
図5に示すように、コイル形成用トレンチ16の螺旋方向に直交する方向の断面に関して、コイル形成用トレンチ16の断面は、基板2の厚さ方向に細長い矩形状である。コイル形成用トレンチ16の幅D1は、たとえば3μm以上10μm以下であってもよい。また、コイル形成用トレンチ16の深さD2は、たとえば10μm以上100μm以下であってもよい。
【0034】
コイル形成用トレンチ16は、絶縁膜3に形成された第1トレンチ部分17と、基板2に形成され、第1トレンチ部分17と連通する第2トレンチ部分18とを含む。基板2におけるコイル形成用トレンチ16(第2トレンチ部分18)の内面には、内面絶縁膜19が形成されている。内面絶縁膜19は、たとえば、SiO
2であってもよい。この実施形態では、基板2における螺旋状のコイル形成用トレンチ16(第2トレンチ部分18)によって挟まれた壁の全体が絶縁膜とされ、絶縁体部20が形成されている。
【0035】
コイル形成用トレンチ16には、導電体21(第1導電体)が埋設されている。導電体21は、第1導電体層22と、第2導電体層23とを含む。第1導電体層22は、内面絶縁膜19の表面およびコイル形成用トレンチ16の第1トレンチ部分17の表面に沿って形成されている。第1導電体層22は、たとえば、窒化チタン(TiN)を含むバリアメタル層であってもよい。第1導電体層22の膜厚は、400Å〜500Å程度であってもよい。第2導電体層23は、第1導電体層22により区画された凹状の空間に埋設されている。第2導電体層23は、たとえば、タングステン(W)を含んでもよい。
【0036】
コイル形成用トレンチ16に埋設された導電体21によって、平面視螺旋状(四角の螺旋形状)のコイルLが構成されている。コイルLは、基板2の各側面2cにそれぞれ平行な板状部分を複数有している。
図4に示すように、絶縁膜3上には、コイルLを被覆するように、表面絶縁膜24が形成されている。表面絶縁膜24は、平面視で、素子形成面2aと整合する矩形である。表面絶縁膜24は、平坦な表面を有している。表面絶縁膜24は、たとえば、USG膜(Undoped Silicate Glass膜)またはSOG膜(Spin-On-Glass膜)を含む。SOG膜は、SiO
2および水素化シルセシキオキサン(HSQ)等の無機系材料を含む無機SOG膜であってもよい。また、SOG膜は、SiO
2およびメチルシルセシキオキサン(MSQ)等の有機系材料を含む有機SOG膜であってもよい。表面絶縁膜24は、8000Å〜15000Åの厚さを有してもよい。
【0037】
図3および
図4に示すように、表面絶縁膜24には、コイルLの一端25(素子形成面2aの一端部側に位置する端部)を露出させる第1コイル用コンタクト孔26が形成されている。また、
図3および
図6に示すように、表面絶縁膜24には、コイルLの他端27(コイルLの一端25と反対側に位置する端部)を露出させる第2コイル用コンタクト孔28とが形成されている。表面絶縁膜24の表面には、第1内部電極膜29および第2内部電極膜30が形成されている。
【0038】
図3に示すように、第1内部電極膜29は、第1外部電極5の下方に配置されている。第1内部電極膜29は、コイルLの一端25に接続された第1引出し電極31と、第1引出し電極31と一体的に形成された平面視矩形状の第1パッド32とを含む。第1引出し電極31は、表面絶縁膜24の表面から第1コイル用コンタクト孔26に入り込み、第1コイル用コンタクト孔26内でコイルLの一端25に接続されている。第1引出し電極31は、コイルLの一端25上を通って、第1パッド32に至る直線状に形成されている。第1内部電極膜29は、アルミニウム膜を含んでもよい。
【0039】
第2内部電極膜30は、第1中間外部電極7の下方に配置されている。第2内部電極膜30は、コイルLの一端25に接続された第2引出し電極33と、第2引出し電極33と一体的に形成された平面視矩形状の第2パッド34とを含む。第2引出し電極33は、表面絶縁膜24の表面から第2コイル用コンタクト孔28に入り込み、第2コイル用コンタクト孔28内でコイルLの他端27に接続されている。第2引出し電極33は、コイルLの他端27上を通って、第2パッド34に至る直線状に形成されている。第2内部電極膜30は、アルミニウム膜を含んでもよい。
【0040】
なお、コイルLの他端27を、第2パッド34の下方位置まで延長させてもよい。この場合、第2パッド34に第2コイル用コンタクト孔28を形成できるので、コイルLの他端27は、第2引出し電極33を介さずに第2パッド34に接続される。
図4に示すように、第1内部電極膜29および第2内部電極膜30は、パッシベーション膜35によって覆われている。パッシベーション膜35は、窒化膜を含んでもよい。パッシベーション膜35上には、ポリイミド等の樹脂膜36が形成されている。パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第1パッド32のコイル領域13側の縁部を除く領域を露出させる第1切除部37が形成されている。また、パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第2パッド34のコイル領域13側の縁部および第1コンデンサ領域14側の縁部を除く領域を露出させる第2切除部38が形成されている(
図2も併せて参照)。
【0041】
図4に示すように、第1外部電極5は、第1切除部37を埋め尽くすように形成されている。第1外部電極5は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第1外部電極5は、樹脂膜36の表面に沿ってコイル領域13側に引き出された被覆部39を有している。この実施形態では、第1外部電極5は、第1切除部37から露出している第1パッド32、表面絶縁膜24の表面、および基板2の一端部側のパッシベーション膜4の上端面を覆うように形成されている。第1外部電極5の内方側の側面を除く3つの側面は、パッシベーション膜4の表面と面一となるように形成されている。
【0042】
第1中間外部電極7は、第2切除部38を埋め尽くすように形成されている。第1中間外部電極7は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第1中間外部電極7は、樹脂膜36の表面に沿ってコイル領域13側および第1コンデンサ領域14側に引き出された被覆部40を有している。この実施形態では、第1中間外部電極7は、第2切除部38から露出している第2パッド34、表面絶縁膜24の表面、および基板2の側面2c側のパッシベーション膜4の上端面を覆うように形成されている。第1中間外部電極7は、パッシベーション膜4の表面と面一となるように形成されている。
【0043】
パッシベーション膜35および樹脂膜36は、コイルL、表面絶縁膜24、第1内部電極膜29および第2内部電極膜30を被覆しており、これらを保護する保護膜として機能している。一方、パッシベーション膜4は、基板2の側面2cと表面絶縁膜24の外周部とを保護する保護膜として機能している。
図7は、コイル領域13の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
【0044】
図7に示すように、コイルLの一端25は第1外部電極5に接続され、コイルLの他端27は第1中間外部電極7に接続されている。これにより、コイルLは、所定のインダクタンスを有するコイルとして機能する。
コイルLの性能(品質)を表すパラメータとして、コイルLのQ値(Quality Factor)がある。Q値が高いほど損失が小さく、高周波用インダクタンスとして優れた特性を有する。
【0045】
コイルLのQ値は、次式(1)によって表される。
Q=2πfL/R
L・・・(1)
上記式(1)において、fはコイルLに流れる電流の周波数、LはコイルLのインダクタンス、R
LはコイルLの内部抵抗である。
このように、コイル領域13では、基板2に形成された平面視螺旋状のコイル形成用トレンチ16に導電体21が埋設されて、コイルLが形成されている。基板表面上の導体膜でコイルを形成する場合に比較して、コイル形成用トレンチ16内の導電体21を利用して形成されたコイルLの巻線は、大きな断面積(巻線の螺旋方向に直交する断面積)を有することができるので、コイルLの内部抵抗R
Lを低減できる。これにより、コイルLのQ値を向上できる。また、基板2にコイル形成用トレンチ16を形成し、コイル形成用トレンチ16内に導電体21を埋設することによってコイルLの巻線を形成できるので、コイルLの製造が容易である。
【0046】
また、基板2に形成されたコイル形成用トレンチ16に導電体21を埋設することにより、コイルLを形成できるので、コイルLの製造が容易である。
<第1コンデンサ領域14>
図8は、
図1に示すチップ部品1に係る第1コンデンサ領域14を示す拡大平面図である。
図9は、
図8に示すIX-IX線に沿う断面図である。
図10は、
図8に示すX-X線に沿う断面図である。
図11は、
図9に示す第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の拡大断面図である。
図12は、
図8に示すXII-XII線に沿う断面図である。
【0047】
図8〜
図10に示すように、第1コンデンサ領域14における基板2には、複数の第1内部電極形成用トレンチ41および複数の第2内部電極形成用トレンチ42が形成されている。第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42は、素子形成面2aの長手方向に沿って延びる平面視ストライプ状に形成されている。第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42は、基板2の短手方向に所定の間隔を隔てて平行に延びている。第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42は、基板2の短手方向に交互に並ぶにように、配置されている。
【0048】
第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42は、第1中間外部電極7の下方の領域から第1コンデンサ領域14を通って第2中間外部電極8の下方の領域まで延びている。平面視において、第1内部電極形成用トレンチ41の一端および第2内部電極形成用トレンチ42の一端は、第1中間外部電極7の下方の領域に位置している。一方、平面視において、第1内部電極形成用トレンチ41の他端および第2内部電極形成用トレンチ42の他端は、第2中間外部電極8の下方の領域に位置している。
【0049】
第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42は、素子形成面2aから所定の深さまで掘り下げられることにより形成されている。第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の横断面は、基板2の厚さ方向に細長い矩形状である。
図11に示すように、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の幅D3は、たとえば3μm以上10μm以下であってもよい。第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の深さD4は、たとえば10μm以上100μm以下であってもよい。
【0050】
第1内部電極形成用トレンチ41は、絶縁膜3に形成された第1トレンチ部分43と、基板2に形成され、第1トレンチ部分43と連通する第2トレンチ部分44とを含む。同様に、第2内部電極形成用トレンチ42は、絶縁膜3に形成された第1トレンチ部分43と、基板2に形成され、第1トレンチ部分43と連通する第2トレンチ部分44とを含む。
【0051】
基板2における第1内部電極形成用トレンチ41の第2トレンチ部分44の内面、および基板2における第2内部電極形成用トレンチ42の第2トレンチ部分44の内面には、それぞれ、内面絶縁膜19が形成されている。この実施形態では、基板2における隣り合う第1内部電極形成用トレンチ41の第2トレンチ部分44と、第2内部電極形成用トレンチ42の第2トレンチ部分44との間の壁の全体が絶縁膜とされ、絶縁体部20が形成されている。
【0052】
第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42には、前述のコイル領域13と同様に、導電体21が埋設されている。導電体21は、第1導電体層22と、第2導電体層23とを含む。第1導電体層22は、内面絶縁膜19の表面、ならびに、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の各第1トレンチ部分43の表面に沿って形成されている。第2導電体層23は、第1導電体層22により区画された凹状の空間に埋設されている。
【0053】
第1内部電極形成用トレンチ41に埋設された導電体21によって第1内部電極45が形成されている。同様に、第2内部電極形成用トレンチ42に埋設された導電体21によって第2内部電極46が形成されている。第1内部電極45および第2内部電極46は、基板2の短手方向から見て、基板2の長手方向に長い矩形である。第1内部電極45および第2内部電極46は、基板2の長手方向に沿う側面2cに対して平行な表面を有する平板状である。
【0054】
第1内部電極45および第2内部電極46は、基板2の短手方向に交互に並ぶように配置されている。したがって、隣り合う第1内部電極45と第2内部電極46とは基板2の短手方向において対向した対向面を有している。隣り合う第1内部電極45と第2内部電極46との対向面に挟まれた基板2の壁(絶縁体部20)が誘電体膜を構成している。隣り合う1組の第1内部電極45および第2内部電極46と、それらの間の誘電体膜とによって1つのキャパシタ要素CEが構成されている。
【0055】
この実施形態では、第1内部電極45および第2内部電極46は4個ずつ設けられているので、隣り合う第1内部電極45および第2内部電極46の組は7組ある。このため、7つのキャパシタ要素CE1〜CE7が基板2に形成されている。第1内部電極45および第2内部電極46(第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42)は、それぞれ1個以上設けられていればよい。
【0056】
図12に示すように、基板2の素子形成面2a(絶縁膜3の表面)上には、素子形成面2aおよびキャパシタ要素CE1〜CE7を被覆するように、表面絶縁膜24が形成されている。
図8および
図9に示すように、表面絶縁膜24には、第1中間外部電極7の下方において、キャパシタ要素CE1〜CE7を構成する第1内部電極45の一端50(以下、単に「第1コンデンサC1の一端50」という)を露出させる第1コンデンサ用コンタクト孔47が形成されている。
図8および
図10に示すように、表面絶縁膜24には、第2中間外部電極8の下方において、第2内部電極46の他端53(以下、単に「第1コンデンサC1の他端53」という)を露出させる第2コンデンサ用コンタクト孔48が形成されている。表面絶縁膜24上には、第2内部電極膜30および第3内部電極膜49が形成されている。
【0057】
図8および
図9に示すように、第2内部電極膜30(第2パッド34)は、表面絶縁膜24から第1コンデンサ用コンタクト孔47に入り込むように形成されている。第2内部電極膜30は、第1コンデンサ用コンタクト孔47内において、第1コンデンサC1の一端50に電気的に接続されている。
図8および
図10に示すように、第3内部電極膜49は、第2中間外部電極8の下方に配置されている。第3内部電極膜49は、第3パッド51を含む。第3内部電極膜49は、表面絶縁膜24から第2コンデンサ用コンタクト孔48に入り込むように形成されている。第3内部電極膜49は、第2コンデンサ用コンタクト孔48内において、第1コンデンサC1の他端53に電気的に接続されている。第3内部電極膜49の構成については、後述する抵抗領域15において具体的に説明する。
【0058】
第2内部電極膜30および第3内部電極膜49は、パッシベーション膜35によって覆われている。パッシベーション膜35上には、樹脂膜36が形成されている。パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第3内部電極膜49の第1コンデンサ領域14側の縁部および抵抗領域15側の縁部を除く領域を露出させる第3切除部52が形成されている。
【0059】
図10および
図12に示すように、第2中間外部電極8は、第3切除部52を埋め尽くすように形成されている。第2中間外部電極8は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第2中間外部電極8は、樹脂膜36の表面に沿って第1コンデンサ領域14側および抵抗領域15側に引き出された被覆部54を有している。この実施形態では、第2中間外部電極8は、第3切除部52から露出している第3内部電極膜49、表面絶縁膜24の表面、およびパッシベーション膜4の上端部を覆うように形成されている。第2中間外部電極8は、パッシベーション膜4の表面と面一となるように形成されている。
【0060】
パッシベーション膜35および樹脂膜36は、第1コンデンサ領域14において、第1内部電極45および第2内部電極46、表面絶縁膜24、第2内部電極膜30および第3内部電極膜49を被覆しており、これらを保護する保護膜として機能している。
図13は、第1コンデンサ領域14の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図13(a)に示すように、キャパシタ要素CE1〜CE7が、それぞれ並列に接続されている。各キャパシタ要素CE1〜CE7の一端50は第1中間外部電極7に接続され、各キャパシタ要素CE1〜CE7の他端53は第2中間外部電極8に接続されている。これらの合成容量により、
図13(b)に示すように、第1コンデンサC1が形成される。第1コンデンサC1の一端50は第1中間外部電極7に接続され、第1コンデンサC1の他端53は第2中間外部電極8に接続されている。これにより、所定の容量を有する第1コンデンサC1が形成されている。
【0061】
このように、第1コンデンサ領域14では、第1内部電極45と第2内部電極46とを、基板2の厚さ方向に直交する方向(基板2の表面に平行な方向)に対向させることができる。したがって、基板2の表面の面積を大きくしなくても、第1内部電極45と第2内部電極46との対向面の面積を大きくすることが可能となる。これにより、小型化および大容量化を図ることができる。
【0062】
また、基板2に第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42に導電体21を埋設することによって、第1内部電極45および第2内部電極46を形成できるので、第1内部電極45および第2内部電極46の製造が容易である。
<抵抗領域15>
図14は、チップ部品1に係る抵抗領域15を示す拡大平面図である。
図15は、表面絶縁膜24上の構造を示す平面図である。16は、
図15に示す素子の一部分を拡大した平面図である。
図17は、
図16に示すXVII-XVII線に沿う断面図である。
図18は、
図16に示すXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
図19は、抵抗膜ライン62および導体膜63の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
【0063】
図17に示すように、基板2(素子形成面2a)の全域を覆う絶縁膜3と、絶縁膜3の表面全域を覆う表面絶縁膜24とが形成されている。この実施形態では、表面絶縁膜24上に抵抗領域15が設定されている。
図14〜
図17に示すように、表面絶縁膜24上には、前述の第3内部電極膜49と、第2外部電極6の下方に設けられた第4内部電極膜58と、抵抗Rとが形成されている。
【0064】
図14および
図15に示すように、抵抗Rは、第3内部電極膜49と第4内部電極膜58との間に配置された抵抗用導電体膜61(第2導電体)を含む。抵抗用導電体膜61の一端59(以下、単に「抵抗Rの一端59」という。)は、第3内部電極膜49に接続されている。抵抗用導電体膜61の他端60(以下、単に「抵抗Rの他端60」という。)は、第4内部電極膜58に接続されている。
【0065】
図17および
図18に示すように、抵抗用導電体膜61は、表面絶縁膜24上に形成された複数の抵抗膜ライン62と、抵抗膜ライン62上に積層された複数の導体膜63とを含む。抵抗用導電体膜61は、さらに、複数の導体膜63と接続される接続用導体膜64と、接続用導体膜64と一体的に連なるヒューズ部65とを含む(
図16等も併せて参照)。
【0066】
この実施形態では、抵抗膜ライン62が、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の対向方向に延びる直線状パターンを有している例を示している。抵抗膜ライン62は、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の対向方向に交わる方向に延びる直線状パターンを有してもよい。また、抵抗膜ライン62は、対向方向に延びる直線状パターンと、対向方向に交わる方向に延びる直線状パターンとを組み合わせたパターンを有してもよい。抵抗膜ライン62は、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の対向方向の途中部で切断されてもよい。抵抗膜ライン62は、TiN、TiONおよびTiSiONのいずれかを含んでもよい。抵抗膜ライン62の厚さは、たとえば約2000Åであってもよい。
【0067】
複数の導体膜63は、抵抗膜ライン62上に、一定の間隔を開けて配置されている。導体膜63は、抵抗膜ライン62の導電率ρ62よりも高い導電率ρ63を有している(抵抗膜ライン62の導電率ρ62<導体膜63の導電率ρ63)。導体膜63は、たとえばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、およびこれらの合金(AlCu合金)のいずれかを含んでもよい。導体膜63の厚さは、たとえば約8000Åであってもよい。
【0068】
図17および
図19(a)を参照して、互いに隣り合う導体膜63の間から露出する抵抗膜ライン62の露出部が1個の抵抗体66を形成している。一方、抵抗膜ライン62における導体膜63が配置された部分は、導体膜63により短絡されているので抵抗体66として機能しない。複数の抵抗体66は、全て等しい形状および面積を有している。つまり、各抵抗体66は、等しい抵抗値rを有する単位抵抗として形成されている。これにより、
図17に示す構成は、電気的には
図19(b)に示す電気回路図で表すことができる。また、
図16に示す構成は、電気的には
図19(c)に示す電気回路図で表すことができる。
【0069】
抵抗膜ライン62には、このような抵抗体66が複数形成されている。より具体的には、複数の抵抗体66は、表面絶縁膜24上において、基板2の長手方向および基板2の短手方向に沿う行列状に配列されている。この実施形態では、複数の抵抗体66は、行方向(基板2の長手方向)に沿って配列された8個の抵抗体66と、列方向(基板2の短手方向)に沿って配列された44個の抵抗体66とを含む。合計352個の抵抗体66が、抵抗領域15に形成されている。各抵抗膜ライン62上には、1個〜64個の抵抗体66を直列接続させた直列抵抗群が形成されている。各抵抗膜ライン62の抵抗値は、当該抵抗膜ライン62上に形成された複数の抵抗体66の合成抵抗により定まる。つまり、各抵抗膜ライン62は、複数種類の抵抗値を有する抵抗単位体として設けられている。複数の抵抗膜ライン62の合成抵抗により、抵抗Rの抵抗値が定まる。
【0070】
複数の導体膜63は、接続用導体膜64およびヒューズ部65を介して、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58に電気的に接続されている。
接続用導体膜64は、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の対向方向に沿って形成された直線状パターンを含む。接続用導体膜64は、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の対向方向に交わる方向に延びる直線状パターンを含んでもよい。接続用導体膜64は、対向方向に延びる直線状パターンと、対向方向に交わる方向に延びる直線状パターンとを組み合わせたパターンを含んでもよい。接続用導体膜64は、各抵抗膜ライン62上に形成された導体膜63と一体的に連なっている。接続用導体膜64は、導体膜63と同一の層に、同一材料で形成されている。
【0071】
ヒューズ部65は、溶断可能に接続用導体膜64と一体的に連なるように形成されている。ヒューズ部65は、第4内部電極膜58の抵抗領域15側の辺に沿って形成されている。ヒューズ部65は、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の対向方向に沿って、接続用導体膜64よりも細い直線状に形成されている。ヒューズ部65の周囲には、抵抗体66が形成されていない。ヒューズ部65は、接続用導体膜64に1つ以上設けられてもよい。一部のヒューズ部65は、未使用であってもよい。ヒューズ部65は、導体膜63と同一の層に、同一材料で形成されている。
【0072】
ヒューズ部65は、導体膜63の一部だけでなく、抵抗体66(抵抗膜ライン62)の一部と抵抗膜ライン62上の導体膜63の一部とにより構成されたヒューズ素子であってもよい。導体膜63上にさらに別の導体膜を積層し、導体膜63全体の抵抗値を下げるようにしてもよい。この場合であっても、ヒューズ部65の上に別の導体膜63を積層しなければ、ヒューズ部65の溶断性が悪くなることはない。
【0073】
図19(c)を参照して、ヒューズ部65が接続されている場合、抵抗体66(抵抗膜ライン62)は、導体膜63および接続用導体膜64により短絡されている。たとえば、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58に電圧が印加されると、接続用導体膜64を流れる電流は、抵抗膜ライン62および抵抗体66を迂回して、接続用導体膜64および導体膜63を流れる。つまり、ヒューズ部65が接続用導体膜64に接続されている場合、抵抗体66は、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58から電気的に分離されるので、抵抗値は増加しない。
【0074】
一方、ヒューズ部65が切断(溶断)された場合、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58に電圧が印加されると、抵抗体66(抵抗膜ライン62)に電流が流れ込む電流経路が形成される。つまり、ヒューズ部65が切断(溶断)された場合、抵抗体66が、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58に電気的に接続されるので、抵抗値が増加する。
【0075】
図17に示すように、第3内部電極膜49は、表面絶縁膜24上に形成された第1導電体膜67と、第1導電体膜67上に形成された第2導電体膜68とを含む積層構造を有している。第1導電体膜67は、抵抗膜ライン62と一体的に形成されている。第1導電体膜67は、抵抗膜ライン62と同一の材料で形成されている。一方、第2導電体膜68は、導体膜63と一体的に形成されている。第2導電体膜68は、導体膜63と同一の材料で形成されている。
【0076】
第4内部電極膜58は、第2外部電極6に電気的に接続される。つまり、第4内部電極膜58は、平面視矩形状の第4パッドを含む。第4内部電極膜58は、第3内部電極膜49と同様に、表面絶縁膜24上に形成された第1導電体膜67と、第1導電体膜67上に形成された第2導電体膜68とを含む積層構造を有している。
第3内部電極膜49および第4内部電極膜58は、パッシベーション膜35によって覆われている。パッシベーション膜35上には、樹脂膜36が形成されている。パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第4内部電極膜58の抵抗領域15側の縁部を除く領域を露出させる第4切除部69が形成されている。
【0077】
第2外部電極6は、第4切除部69を埋め尽くすように形成されている。第2外部電極6は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第2外部電極6は、樹脂膜36の表面に沿って抵抗領域15側および抵抗領域15と反対側に引き出された被覆部70を有している。この実施形態では、第2外部電極6は、第4切除部69から露出する第4内部電極膜58、表面絶縁膜24の表面、およびパッシベーション膜4の上端部を覆うように形成されている。第2外部電極6の内方側の側面を除く3つの側面は、パッシベーション膜4の表面と面一となるように形成されている。
【0078】
パッシベーション膜35および樹脂膜36は、抵抗領域15において、抵抗用導電体膜61、表面絶縁膜24、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58を被覆しており、これらを保護する保護膜として機能している。また、パッシベーション膜35によって、抵抗体66等の不所望な短絡が抑制されている。
図20は、抵抗領域15の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
【0079】
抵抗Rは、第2外部電極6および第2中間外部電極8に電気的に接続されている。抵抗Rは、基準抵抗回路R8と、抵抗回路R64、2つの抵抗回路R32、抵抗回路R16、抵抗回路R8、抵抗回路R4、抵抗回路R2、抵抗回路R1、抵抗回路R/2、抵抗回路R/4、抵抗回路R/8、抵抗回路R/16、抵抗回路R/32とが直列接続された構成を有している。
【0080】
基準抵抗回路R8および抵抗回路R64〜R2は、それぞれ自身の末尾の数(R64の場合には「64」)と同数の直列接続された抵抗体66を含む。たとえば、抵抗回路R64は、直列接続された64個の抵抗体66を含む。抵抗回路R/2〜R/32は、それぞれ自身の末尾の数(R/32の場合には「32」)と同数の並列接続された抵抗体66を含む。たとえば、抵抗回路R/32は、並列接続された32個の抵抗体66を含む。
【0081】
基準抵抗回路R8以外の抵抗回路R64〜抵抗回路R/32のそれぞれに、ヒューズ部65が並列接続されている。ヒューズ部65同士は、直接または接続用導体膜64を介して直列接続されている(
図16参照)。
図20に示すように、いずれのヒューズ部65も溶断されていない状態では、基準抵抗回路R8以外の抵抗回路R64〜抵抗回路R/32がヒューズ部65により短絡されている。したがって、電流は、基準抵抗回路R8を通過した後、抵抗回路R64〜抵抗回路R/32を迂回するようにヒューズ部65を流れる。この場合、抵抗Rは、基準抵抗回路R8のみを含むと見なせる。基準抵抗回路R8では、8個の抵抗体66が直列接続されているので、たとえば、1個の抵抗体66の抵抗値rを8Ωとすれば、抵抗体66の数(=8個)と抵抗値(=8Ω)との積(=8個×8Ω)により64Ωの合成抵抗値を得ることができる。
【0082】
ヒューズ部65は、要求される抵抗値に応じて選択的に溶断される。ヒューズ部65の溶断は、たとえばレーザ光で行われる。ヒューズ部65が溶断された抵抗回路は、第2外部電極6および第2中間外部電極8に電気的に接続される。したがって、ヒューズ部65を選択的に溶断することにより、抵抗R全体の抵抗値を、細かく、かつデジタル的に、任意の抵抗値となるように調節できる。これにより、所望の抵抗値(合成抵抗)を得ることができる。
【0083】
図21は、抵抗領域15の電気的構造の他の例を示す電気回路図である。
抵抗Rは、基準抵抗回路R/16と、12種類の抵抗回路R/16、R/8、R/4、R/2、R1、R2、R4、R8、R16、R32、R64、R128の並列回路との直列回路を含む。
基準抵抗回路R/16以外の12種類の抵抗回路R/16〜R128には、それぞれ、ヒューズ部65が直列に接続されている。このような構成であっても、ヒューズ部65を選択的に溶断することにより、抵抗Rの抵抗値を、細かく、かつデジタル的に、任意の抵抗値となるように調節できる。これにより、所望の抵抗値(合成抵抗)を得ることができる。
【0084】
図22は、抵抗領域15の電気的構造のさらに他の例を示す電気回路図である。
抵抗Rは、直列接続された複数の直列抵抗回路R
12
n(n=0,1,2・・・)と、並列接続された複数の並列抵抗回路R
22
n(n=0,1,2・・・)とを含む。直列抵抗回路R
12
nおよび並列抵抗回路R
22
nは、直列接続されている。直列抵抗回路R
12
nには、
図20の構成と同様、抵抗回路毎に、ヒューズ部65が並列接続されている。並列抵抗回路R
22
nには、
図21の構成と同様、抵抗回路毎に、ヒューズ部65が直列接続されている。したがって、直列抵抗回路R
12
nおよび並列抵抗回路R
22
nのいずれにおいても、ヒューズ部65の溶断の有無により、合成抵抗値を変更および調節できる。
【0085】
このような構成によれば、直列抵抗回路R
12
n側で、高抵抗回路(たとえば、1kΩ以上の抵抗回路)が容易に実現される。他方、並列抵抗回路R
22
n側で、低抵抗回路(たとえば、1kΩ以下の抵抗回路)が容易に実現される。したがって、数Ω〜数MΩの抵抗値までの広範な範囲の抵抗回路を含む抵抗Rを形成できる。
<電気回路>
図23は、チップ部品1の平面図であって、コイルL、第1コンデンサC1、および抵抗Rの配置、ならびに第1内部電極膜29、第2内部電極膜30、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の配置を示す図である。
図24は、チップ部品1の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
【0086】
図23に示すように、コイルLの一端25は、第1内部電極膜29を介して第1外部電極5に接続されている。コイルLの他端27は、第2内部電極膜30を介して第1コンデンサC1の一端50に接続されている。つまり、第2内部電極膜30は、コイルLの他端27および第1コンデンサC1の一端50を同時に接続する共通の内部接続部を形成している。コイルLの他端27および第1コンデンサC1の一端50は、第2内部電極膜30を介して第1中間外部電極7に接続されている。第1コンデンサC1の他端53は、第3内部電極膜49を介して抵抗Rの一端59に接続されている。つまり、第3内部電極膜49は、第1コンデンサC1の他端53および抵抗Rの一端59を同時に接続する共通の内部接続部を形成している。第1コンデンサC1の他端53および抵抗Rの一端59は、第4内部電極膜58を介して第2中間外部電極8が接続されている。抵抗Rの他端60は、第4内部電極膜58を介して第2外部電極6に接続されている。これにより、
図24に示すように、コイルL、第1コンデンサC1および抵抗Rが直列接続されたLCR直列回路網が形成されている。
【0087】
図24では、説明上の便宜のため、第1コンデンサ領域14に形成された第1コンデンサC1を合成容量で表し、抵抗領域15に形成された抵抗Rを合成抵抗で表している。また、
図24では、第1外部電極5に電源が接続され、第1中間外部電極7に第1スイッチSW1が接続され、第2中間外部電極8に第2スイッチSW2が接続され、第2外部電極6に第3スイッチSW3が接続された例を示している。
【0088】
第1スイッチSW1を「オン」に設定し、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3のそれぞれを「オフ」に設定した場合、電流はコイルLのみを流れる。これによりLCR直列回路網からコイルLのみを取り出して使用できる。電源の接続先と第1スイッチSW1の接続先とを入れ替えると、LCR直列回路網から第1コンデンサC1のみを取り出して使用できる。同様に、電源の接続先と第3スイッチSW3の接続先とを入れ替えると、LCR直列回路網から抵抗Rのみを取り出して使用できる。
【0089】
また、第2スイッチSW2を「オン」に設定し、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3のそれぞれを「オフ」に設定した場合、LCR直列回路網からコイルLおよび第1コンデンサC1のLC直列回路網のみを取り出して使用できる。電源の接続先と第3スイッチSW3の接続先とを入れ替えると、LC直列回路網から抵抗Rおよび第1コンデンサC1のRC直列回路網のみを取り出して使用できる。第3スイッチSW3を「オン」に設定し、第1中間外部電極7と第2中間外部電極8とを短絡することにより、LCR直列回路網からコイルLおよび抵抗RのLR直列回路網のみを取り出して使用できる。
【0090】
また、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2のそれぞれを「オフ」に設定し、第3スイッチSW3を「オン」に設定した場合、LCR直列回路網のみを取り出して使用できる。
チップ部品1は、第1外部電極5側からコイルL(コイル領域13)、第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)、および抵抗R(抵抗領域15)の順に配置されたLCR直列回路網(RCL直列回路網)に限定されるものではない。チップ部品1は、第1外部電極5側からコイルL、抵抗R、および第1コンデンサC1の順に配置されたLRC直列回路網(CRL直列回路網)であってもよい。また、チップ部品1は、第1外部電極5側から抵抗R、コイルL、および第1コンデンサC1の順に配置されたRLC直列回路網(CLR直列回路網)であってもよい。
<チップ部品1の効果>
以上のように、チップ部品1によれば、コイル形成用トレンチ16を利用して基板2内にコイルLが形成されている。また、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42を利用して基板2内に第1コンデンサC1が形成されている。さらに、基板2上の抵抗用導電体膜61を用いて抵抗Rが形成されている。
【0091】
このように、基板2の内部領域を、コイルLおよび第1コンデンサC1をそれぞれ形成するための領域とし、基板2の表面上の領域を、抵抗Rを形成するための領域として活用することにより、共通の基板2上に複数の受動素子を有する複合素子型のチップ部品1を提供できる。しかも、基板2の内部領域および基板2の表面上の領域をそれぞれ利用してコイルL、第1コンデンサC1および抵抗Rを形成できるので、それらの受動素子の設計自由度を高めることができる。
【0092】
具体的には、コイルL、第1コンデンサC1および抵抗Rのそれぞれの配置や、コイルL、第1コンデンサC1および抵抗Rと第1外部電極5、第2外部電極6、第1中間外部電極7、および第2中間外部電極8との接続態様等に関して、大きな自由度を確保できる。この実施形態では、コイルL、第1コンデンサC1または抵抗Rを選択的に取り出して使用することもできる。これにより、第1受動素子および第2受動素子を有する回路網を含む複合素子型のチップ部品1を提供できる。
【0093】
また、コイル領域13では、優れたQ値(Quality factor)を有するコイルLが形成されているので、優れた特性のコイルLを共通の基板2上に有する複合素子型のチップ部品1を提供できる。
また、第1コンデンサ領域14では、第1内部電極45および第2内部電極46は、互いに平行な対向面を有している。それにより、基板2上で大きな面積を専有することなく第1コンデンサC1の大容量化を図ることができる。したがって、大容量の第1コンデンサC1を共通の基板2上に有し、しかも複合素子型でありながらも小型のチップ部品1を提供することができる。
【0094】
また、抵抗領域15では、抵抗用導電体膜61を用いて抵抗Rが形成されている。抵抗用導電体膜61では、互いに隣合う導体膜63の間から露出する抵抗膜ライン62の形状および/または面積を変更することにより、抵抗体66の抵抗値を変更および調節できる。しかも、抵抗用導電体膜61によれば、一つまたは複数のヒューズ部65を選択して切断することにより、複数の抵抗値を容易に実現できる。このような抵抗Rと、コイルLまたは第1コンデンサC1との組み合わせによれば、様々な電気的特性、より具体的には様々な周波数特性を有する電気回路を実現できる。その結果、様々な電気的特性を達成できる複合素子型のチップ部品1を製造工程を共通化して製造し、かつ提供できる。
【0095】
また、チップ部品1は表面絶縁膜24を含む。コイル領域13および第1コンデンサ領域14、ならびに抵抗領域15は、表面絶縁膜24を挟んで、基板2内および基板2外に設定されている。これにより、表面絶縁膜24を挟んで、コイル領域13および第1コンデンサ領域14が形成される領域と、抵抗Rが形成される領域とを区画できるので、コイルL、第1コンデンサC1および抵抗Rは、互いに大きな制約を与え合うことなく形成できる。また、表面絶縁膜24は、平坦な表面を有しているので、抵抗R(抵抗用導電体膜61)を良好に形成できる。
【0096】
また、チップ部品1によれば、基板2の素子形成面2a側に、第1外部電極5、第2外部電極6、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8が形成されている。そこで、
図25に示すように、素子形成面2aを実装基板80に対向させて、第1外部電極5、第2外部電極6、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8をはんだ81によって実装基板80上に接合することにより、チップ部品1を実装基板80上に表面実装した回路アセンブリ82を提供できる。すなわち、フリップチップ接続型のチップ部品1を提供することができ、素子形成面2aを実装基板80の実装面に対向させたフェースダウン接合によって、ワイヤレスボンディングによってチップ部品1を実装基板80に接続できる。これによって、実装基板80上におけるチップ部品1の占有空間を小さくできる。特に、実装基板80上におけるチップ部品1の低背化を実現できる。これにより、小型電子機器等の筐体内の空間を有効に利用でき、高密度実装および小型化に寄与できる。
<チップ部品1の製造方法>
図26は、チップ部品1の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図27は、チップ部品1の元となるベース基板90の平面図であり、一部の領域を拡大して示してある。
【0097】
まず、基板2が個片化される前のベース基板90が用意される(ステップS1:ベース基板用意)。ベース基板90の表面は、基板2の素子形成面2aに対応し、ベース基板90の裏面は、基板2の裏面2bに対応している。
図27に示すように、ベース基板90の表面には、複数のチップ部品1に対応した、チップ領域91が、行列状に配置されている。隣り合うチップ領域91の間には、境界領域92が設定されている。境界領域92は、略一定の幅を有する帯状の領域であり、直交する二方向に延びて格子状に形成されている。ベース基板90の表面に対して必要な工程を行った後に、境界領域92に沿ってベース基板90を切り離すことにより、チップ領域91がチップ部品1に個片化される。
【0098】
より具体的には、ベース基板90が用意された後、ベース基板90の表面に絶縁膜3(
図4等参照)が形成される(ステップS2:絶縁膜形成工程)。絶縁膜3が形成された後、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、絶縁膜3のうち、コイル形成用トレンチ16(
図3等参照)、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42(
図8等参照)を形成すべき領域に対応する部分が除去される(ステップS3:トレンチ形成工程)。これにより、コイル形成用トレンチ16の第1トレンチ部分17(
図5参照)、ならびに、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の各第1トレンチ部分43(
図12参照)がベース基板90に形成される。
【0099】
次に、コイル形成用トレンチ16の第1トレンチ部分17、ならびに、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の各第1トレンチ部分43を介するエッチングにより、ベース基板90の不要な部分が除去される。これにより、コイル形成用トレンチ16の第2トレンチ部分18(
図5参照)、ならびに、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の各第2トレンチ部分44(
図12参照)が、ベース基板90に形成される。
【0100】
このような工程を経て、絶縁膜3およびベース基板90に、コイル形成用トレンチ16、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42が形成される。コイル形成用トレンチ16、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42は、たとえば、いわゆるボッシュプロセス(BOSCH Process)を用いて形成されてもよい。
【0101】
次に、コイル形成用トレンチ16、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の内面に、内面絶縁膜19(
図5および
図12参照)が形成される(ステップS4:内面絶縁膜形成工程)。この際、ベース基板90におけるコイル形成用トレンチ16の側部および底部を含む内面、第1内部電極形成用トレンチ41の側部および底部を含む内面、ならびに第2内部電極形成用トレンチ42の側部および底部を含む内面に、内面絶縁膜19が形成される。この実施形態では、ベース基板90において、螺旋状のコイル形成用トレンチ16によって挟まれた壁の全体、ならびに隣り合う第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42によって挟まれた壁の全体が絶縁膜とされる。これにより、絶縁性を有する絶縁体部20(
図4、
図13等参照)が、ベース基板90に形成される。
【0102】
次に、コイル形成用トレンチ16、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42に導電体21が埋設される(ステップS5:導電体埋設工程)。この工程では、まず、コイル形成用トレンチ16、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の内面に沿って、第1導電体層22が形成される(
図5および
図12参照)。第1導電体層22は、TiNであってもよい。この後、アニール処理が施されてもよい。次に、たとえばCVD法により、コイル形成用トレンチ16、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42の内を含むベース基板90上に第2導電体層23が堆積される。第2導電体層23は、タングステンであってもよい。
【0103】
次に、第2導電体層23の表面が絶縁膜3の表面と面一となるように、第2導電体層23がエッチバックされる。これにより、第1導電体層22および第2導電体層23を含む導電体21が、コイル形成用トレンチ16、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42に埋設される(
図5および
図12参照)。コイル形成用トレンチ16に埋設された導電体21により、コイルLが形成される。また、第1内部電極形成用トレンチ41および第2内部電極形成用トレンチ42に埋設された導電体21により、第1内部電極45第および第2内部電極46が形成されて、第1コンデンサC1が形成される。
【0104】
次に、コイルLおよび第1コンデンサC1を被覆するように、表面絶縁膜24が絶縁膜3上に形成される(ステップS6:表面絶縁膜形成工程)。表面絶縁膜形成工程は、たとえばCVD法によって、USG膜を形成するUSG膜形成工程であってもよい。USG膜の厚さ、たとえば20000Å〜40000Åであってもよい。次に、USG膜の表面が平坦化される(ステップS7:表面絶縁膜平坦化工程)。USG膜の表面の平坦化は、たとえばCMP法によって行われる。平坦化後のUSG膜の厚さは、たとえば8000Å〜15000Åであってもよい。
【0105】
また、USG膜形成工程に代えて、SOG膜形成工程を実施してもよい。SOG膜形成工程では、ベース基板90が所定の回転速度で回転された状態で、SiO
2を含む無機溶剤、またはSiO
2を含む有機溶剤がベース基板90上に塗布される。ベース基板90に塗布された溶剤は、ベース基板90の回転による遠心力を受けて、当該ベース基板90の全面に拡がる。これにより、ベース基板90の表面上に略均一な厚さの溶剤膜が形成される。その後、熱処理が施されて、溶剤膜が硬化(ガラス化)される。これにより、平坦な表面を有する表面絶縁膜24が形成される。熱処理後のSOG膜の厚さは、たとえば8000Å〜15000Åであってもよい。
【0106】
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、第1コイル用コンタクト孔26および第2コイル用コンタクト孔28(
図3参照)、ならびに、第1コンデンサ用コンタクト孔47および第2コンデンサ用コンタクト孔48(
図8参照)が、表面絶縁膜24に形成される(ステップS8:コンタクト孔形成工程)。
次に、たとえばスパッタにより、表面絶縁膜24上に、第1内部電極膜29および第2内部電極膜30を形成するための電極膜が形成される(ステップS9:電極膜形成工程)。電極膜は、アルミニウム膜であってもよい。次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、電極膜がパターニングされることにより、第1内部電極膜29および第2内部電極膜30が形成される。
【0107】
次に、抵抗領域15に抵抗Rが形成される(
図14等参照)。抵抗Rを形成する工程では、まず、たとえばスパッタにより、抵抗膜ライン62、ヒューズ部65の一部、ならびに第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の各第1導電体膜67を構成する相対的に低い導電率ρ62を有する導電体膜(以下、単に「抵抗体膜」という)が表面絶縁膜24上に形成される(ステップS10:抵抗体膜形成工程)。抵抗体膜は、TiN膜であってもよい。
【0108】
次に、導体膜63、接続用導体膜64、ヒューズ部65の一部、ならびに第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の各第2導電体膜68を構成する、前記抵抗体膜の導電率ρ62よりも高い導電率ρ63を有する導電体膜(以下、単に「配線膜」という)が、抵抗体膜上に形成される(ステップS11:配線膜形成工程)。配線膜は、アルミニウム膜であってもよい。
【0109】
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより抵抗体膜および配線膜が同時にパターニングされる(ステップS12:抵抗体膜および配線膜パターニング工程)。これにより、第3内部電極膜49、第4内部電極膜58、抵抗膜ライン62、接続用導体膜64、およびヒューズ部65が同時に形成される。この際、配線膜は、抵抗膜ライン62の全域を覆っている。次に、たとえばウェットエッチングにより抵抗膜ライン62上に形成された配線膜が選択的に除去される(ステップS13:配線膜除去工程)。これにより、抵抗膜ライン62上に、導体膜63が一定間隔を空けて形成される。
【0110】
次に、たとえばCVD法によって、表面絶縁膜24の全域を覆うカバー膜が形成される(ステップS14:カバー膜形成工程)。カバー膜は、窒化膜であってもよい。次に、カバー膜を選択的にエッチングすることによって、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58の一部を露出させる。
次に、抵抗測定装置のプローブが、第3内部電極膜49および第4内部電極膜58に接触されて、抵抗Rの抵抗値が測定される(ステップS15:抵抗値測定工程)。次に、レーザ光がカバー膜越しに照射されて、任意のヒューズ部65が溶断される(ステップS16:ヒューズ部切断工程)。第3内部電極膜49および第4内部電極膜58が露出する部分以外の領域は、カバー膜により覆われている。そのため、溶断の際に生じた破片などが他の領域に付着して生じる短絡等の接続不良を抑制できる。
【0111】
次に、CVD法によって表面絶縁膜24上に窒化膜を再度形成し、カバー膜が厚くされる。これにより、パッシベーション膜35が形成される(ステップS17:パッシベーション膜形成工程)。
次に、パッシベーション膜35上に、感光性ポリイミドが塗布される(ステップS18:樹脂膜形成工程)。感光性ポリイミドは、第1切除部37、第2切除部38、第3切除部52、および第4切除部69に対応するパターンで露光された後、現像される。これにより、第1切除部37、第2切除部38、第3切除部52、および第4切除部69に対応した切除部を有する樹脂膜36が形成される。その後、必要に応じて、樹脂膜36をキュアするための熱処理が行われる。次に、樹脂膜36をマスクとして、パッシベーション膜35の不要な部分がドライエッチングによって除去される(ステップS19:切除部形成工程)。これにより、第1切除部37、第2切除部38、第3切除部52、および第4切除部69が形成される(
図2等参照)。
【0112】
次に、境界領域92(
図27参照)に整合する格子状の開口を有するレジストマスクが樹脂膜36上に形成される(ステップS20:切断用の溝形成工程)。このレジストマスクを介してプラズマエッチングが行われ、表面絶縁膜24、絶縁膜3およびベース基板90が、表面絶縁膜24の表面から所定の深さまで除去される。これにより、境界領域92に沿って、切断用の溝(スクライブ溝)が形成される。溝が形成された後、レジストマスクが剥離される。
【0113】
次に、たとえばCVD法によって、溝の内面(側部および底部)を含むベース基板90の全域に、窒化膜等のパッシベーション膜4が形成される(ステップS21:パッシベーション膜形成工程)。次に、基板2の側面2cに対応する部分がパッシベーション膜4に覆われるように、パッシベーション膜4が選択的にエッチングされる。
次に、たとえば無電界めっきによって、第1切除部37、第2切除部38、第3切除部52、および第4切除部69に、Ni、PdおよびAuが順にめっき成長される(ステップS22:外部電極形成工程)。これにより、第1外部電極5、第2外部電極6、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8が形成される。
【0114】
次に、先ダイシング(DBG;Dicing Before Grinding)法によって、チップ領域91がチップ部品1に個片化される(ステップS23:チップ部品個片化工程)。具体的には、まず、ベース基板90の表面側に、粘着面を有する支持テープが貼着される。次に、ベース基板90が裏面から、溝の底部に到達するまで研磨される。これにより、複数のチップ領域91が、個々のチップ部品1に個片化される。
<第2実施形態>
図28は、この発明の第2実施形態に係るチップ部品101の第2コンデンサ領域102を示す平面図である。
図29は、
図28に示すXXIX-XXIX線に沿う断面図である。
図28および
図29において、
図1〜
図27に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0115】
図28および
図29に示すように、この実施形態では、前述の抵抗領域15に代えて、第2コンデンサ領域102が設定されている。第2コンデンサ領域102には、第2コンデンサC2が形成されている。第2コンデンサC2は、表面絶縁膜24上に形成された第1電極膜103(第2導電体)と、第1電極膜103上に形成された誘電体膜104と、誘電体膜104上に形成された第2電極膜105とを含む。
図28では、第1電極膜103を破線で示し、第2電極膜105を実線で示している。
【0116】
第1電極膜103は、前述の第3内部電極膜49と、第3内部電極膜49と一体的に形成された第1キャパシタ電極膜106とを含む。第1キャパシタ電極膜106は、第3内部電極膜49から第2外部電極6の直下の領域まで延びている。第1キャパシタ電極膜106は、第3内部電極膜49を介して第2中間外部電極8と電気的に接続されている。つまり、第3内部電極膜49は、第2コンデンサC2の一端112を兼ねている。また、第3内部電極膜49は、第2コンデンサC2の一端112および第1コンデンサC1の他端53を同時に接続する共通の内部接続部を形成している。
【0117】
誘電体膜104は、第1キャパシタ電極膜106を覆うように表面絶縁膜24上に形成されている。誘電体膜104は、たとえば、酸化膜(SiO
2膜)または窒化膜(SiN膜)であってもよい。また、誘電体膜104は、酸化膜(SiO
2膜)/窒化膜(SiN膜)/酸化膜(SiO
2膜)をこの順に含むONO膜であってもよい。
第2電極膜105は、前述の第4内部電極膜58と、第4内部電極膜58と一体的に形成された第2キャパシタ電極膜107と、第4内部電極膜58および第2キャパシタ電極膜107を接続する複数のヒューズ部108とを含む。第2キャパシタ電極膜107は、第4内部電極膜58を介して第2外部電極6と電気的に接続されている。つまり、第4内部電極膜58は、第2コンデンサC2の他端113を兼ねている。
【0118】
第2キャパシタ電極膜107は、2つ以上(この実施形態では、8つ)の電極膜部分107A〜107Hに分割されている。各電極膜部分107A〜107Hは、いずれも、ヒューズ部108から第2中間外部電極8に向かって帯状に延びる平面視矩形状に形成されている。各電極膜部分107A〜107Hは、誘電体膜104を挟んで第1キャパシタ電極膜106に対向している。電極膜部分107A〜107Hの第1キャパシタ電極膜106に対する対向面積は、公比を1以上とする等比数列を含んでもよい。各電極膜部分107A〜107Hの第1キャパシタ電極膜106に対する対向面積は、たとえば、1:2:4:8:16:32:64:64であってもよい。
【0119】
第2コンデンサ領域102では、第4内部電極膜58が、誘電体膜104を挟んで第1キャパシタ電極膜106と対向することにより、キャパシタ要素CE10が形成されている。また、各電極膜部分107A〜107Hが、誘電体膜104を挟んで第1キャパシタ電極膜106と対向することにより、複数のキャパシタ要素CE11〜CE18が形成されている。
【0120】
各電極膜部分107A〜107Hは、1つまたは複数のヒューズ部108を介して、第4内部電極膜58と電気的に接続されている。一部のヒューズ部108は未使用であってもよい。
ヒューズ部108は、第4内部電極膜58の第2コンデンサ領域102側の辺に沿って形成されている。ヒューズ部108は、第4内部電極膜58と接続された第1幅広部109と、電極膜部分107A〜107Hと接続された第2幅広部110と、第1幅広部109および第2幅広部110の間に接続された幅狭部111とを含む。幅狭部111は、第1幅広部109および第2幅広部110よりも幅狭に構成されている。幅狭部111を選択的に切断(溶断)することにより、電極膜部分107A〜107Hを、第2外部電極6および第2中間外部電極8から電気的に分離できる。
【0121】
図30は、
図28に示す第2コンデンサ領域102の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図30に示すように、第2外部電極6および第2中間外部電極8の間に複数のキャパシタ要素CE10〜CE18が並列に接続されている。第2外部電極6直下の領域に形成されたキャパシタ要素CE10には、ヒューズ部108が設けられていない。一方、各電極膜部分107A〜107Hにより形成されるキャパシタ要素CE11〜CE18には、ヒューズ部108が直列に接続されている。
【0122】
いずれのヒューズ部108も接続されている場合、第2コンデンサC2の容量値は、キャパシタ要素CE10〜CE18の合成容量の値となる。全てのヒューズ部108が切断(溶断)されている場合、第2コンデンサC2の容量値は、第2外部電極6直下の領域に形成されたキャパシタ要素CE10の容量値となる。一方、ヒューズ部108が選択的に切断(溶断)された場合、第2コンデンサC2の容量値は、分離されたキャパシタ要素CE11〜CE18の容量値の分だけ減少する。
<第2コンデンサC2の製造方法>
図31は、
図28に示すチップ部品101の製造方法の一例を示す工程図である。
【0123】
第2コンデンサC2を製造するには、
図26に示すステップS9〜ステップS13に代えて、
図31に示すステップS31〜ステップS33が実行される。
まず、ステップS9の電極膜形成工程を利用して、第1内部電極膜29および第2内部電極膜30と同時に、第3内部電極膜49を含む第1電極膜103が第2コンデンサ領域102に形成される(ステップS31:電極膜形成工程)。次に、第1電極膜103を覆うように誘電体膜104が形成される(ステップS32:誘電体膜形成工程)。誘電体膜104は、酸化膜(SiO
2膜)/窒化膜(SiN膜)/酸化膜(SiO
2膜)が順に積層されたONO膜であってもよい。次に、誘電体膜104を覆うように、第2電極膜105を形成するための電極膜が形成される(ステップS33:第2電極膜形成工程)。次に、第2電極膜105の最終形状に対応したレジストマスクが電極膜上に形成される。このレジストマスクを介するエッチングにより、第4内部電極膜58と、第2キャパシタ電極膜107と、ヒューズ部108とを含む第2電極膜105が形成される。
【0124】
次に、前述のステップS14〜ステップS16と同様の工程を経て、第2コンデンサC2の容量値が調節される。その後、ステップS17〜ステップS23の工程が順次実行されて、第2コンデンサ領域102を含むチップ部品101が製造される。
<チップ部品101の効果>
以上の構成によれば、コイル領域13、第1コンデンサ領域14、および第2コンデンサ領域102を共通の基板2上に有し、CLC直列回路網を含むチップ部品101を提供できる。第2コンデンサ領域102では、ヒューズ部108の切断(溶断)の有無により、第2コンデンサC2の容量値を容易に変更および調節できる。したがって、第2コンデンサC2と、コイルLおよび第1コンデンサC1との組み合わせにより、様々な電気的特性、より具体的には様々な周波数特性を有する電気回路を容易に実現できる。これにより、所望の電気的特性に容易に合せ込むことができる複合素子型のチップ部品101を提供できる。これにより、様々な電気的特性を達成できる複合素子型のチップ部品101を製造工程を共通化して製造し、かつ提供できる。
【0125】
この実施形態では、抵抗領域15に代えて、第2コンデンサ領域102が設定されたCLC直列回路網を含むチップ部品101の例について説明したが、第1コンデンサ領域14に代えて、第2コンデンサ領域102を設定してもよい。つまり、チップ部品101は、第2コンデンサ領域102と、前述のコイル領域13と、前述の抵抗領域15とを含むCLR直列回路網を含んでもよい。この場合、チップ部品101は、抵抗値を変更および調節可能な抵抗Rと、容量値を変更および調節可能な第2コンデンサC2とを含む。このような抵抗Rおよび第2コンデンサC2と、コイルLとの組み合わせにより、実現可能な電気的特性(周波数特性)をより一層増加させることができる。これにより、様々な電気的特性を達成できる複合素子型のチップ部品101を製造工程を共通化して製造し、かつ提供できる。
<第3実施形態>
図32は、この発明の第3実施形態に係るチップ部品121の一部切欠斜視図である。
図33は、チップ部品121の平面図である。
図32および
図33において、
図1〜
図31に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0126】
図32に示すように、チップ部品121は、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8を有していない。つまり、
図33に示すように、チップ部品121は、前述の実施形態から、第2切除部38および第3切除部52が除かれた構成を有している。
以上の構成によれば、第1中間外部電極7および第2中間外部電極8を形成する必要がないので、安価なチップ部品121を提供できる。
<第4実施形態>
図34は、この発明の第4実施形態に係るチップ部品131の一部切欠斜視図である。
図35は、
図34に示すチップ部品131の平面図である。
図34および
図35において、
図1〜
図33に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0127】
図34に示すように、チップ部品131は、直方体形状に形成されている。チップ部品131の平面形状は矩形であり、その長手方向の長さW1が1.0mm〜1.2mm、短手方向の長さW2が0.4mm程度であってもよい。また、チップ部品131の全体の厚さTは、0.15mm程度であってもよい。
チップ部品131は、直方体形状の基板2を含む。基板2は、一対の主面2a,2bと、4つの側面2cとを含む。前記一対の主面2a,2bのうちの一方(
図34の上面側の主面2a)が素子形成面とされている。以下、この主面2aを「素子形成面2a」といい、素子形成面2aと反対側の主面2bを「裏面2b」という。基板2の表面(素子形成面2a)は、絶縁膜3によって覆われている。基板2の4つの側面2cおよび絶縁膜3の外周部は、パッシベーション膜4で覆われている。
【0128】
図35に示すように、基板2上には、第1外部電極132と、第2外部電極133とが互いに間隔を空けて形成されている。第1外部電極132は、基板2の長手方向に沿う一方側の端部に沿って配置されている。第1外部電極132は、平面視矩形状に形成されている。第2外部電極133は、基板2の長手方向に沿う他方側の端部に沿って配置されている。第2外部電極133は、平面視矩形状に形成されている。
【0129】
この実施形態では、第1外部電極132および第2外部電極133の対向方向に交わる方向(直交する方向)に沿って、複数の受動素子領域が並んで配置されている。より具体的には、複数の受動素子領域は、前述のコイル領域13と、前述の第1コンデンサ領域14と、前述の抵抗領域15とを含む。この実施形態では、コイル領域13を挟み込むように第1コンデンサ領域14および抵抗領域15が配置された例を示している。
【0130】
第1外部電極132の下方には、第1内部電極膜136が配置されている。第1内部電極膜136は、第1コンデンサ領域14とコイル領域13との境界、およびコイル領域13と抵抗領域15との境界のそれぞれを横切るように配置されている。第1内部電極膜136は、抵抗領域15において、抵抗Rの一端59に電気的に接続されている。第1内部電極膜136は、コイル領域13において、表面絶縁膜24に形成された第1コイル用コンタクト孔26に入り込む第1引出し電極31を介して、コイルLの一端25に電気的に接続されている。第1内部電極膜136は、第1コンデンサ領域14において、表面絶縁膜24に形成された第1コンデンサ用コンタクト孔47に入り込み、第1コンデンサC1の一端50に電気的に接続されている。
【0131】
第2外部電極133の下方には、第2内部電極膜137が配置されている。第2内部電極膜137は、第1コンデンサ領域14とコイル領域13との境界、およびコイル領域13と抵抗領域15との境界のそれぞれを横切るように配置されている。第2内部電極膜137は、抵抗領域15において、抵抗Rの他端60に電気的に接続されている。第2内部電極膜137は、コイル領域13において、表面絶縁膜24に形成された第2コイル用コンタクト孔28に入り込む第2引出し電極33を介して、コイルLの他端27に電気的に接続されている。第2内部電極膜137は、第1コンデンサ領域14において、表面絶縁膜24に形成された第2コンデンサ用コンタクト孔48に入り込み、第1コンデンサC1の他端53に電気的に接続されている。
【0132】
パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第1内部電極膜136の抵抗領域15、コイル領域13および第1コンデンサ領域14側の縁部を除く領域を露出させる第1切除部138が形成されている。同様に、パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第2内部電極膜137の抵抗領域15、コイル領域13および第1コンデンサ領域14側の縁部を除く領域を露出させる第2切除部139が形成されている。
【0133】
第1外部電極132は、第1切除部138を埋め尽くすように形成されている。第1外部電極132は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第1外部電極132は、樹脂膜36の表面に沿って、抵抗領域15、コイル領域13および第1コンデンサ領域14側に引き出された被覆部140を有している。同様に、第2外部電極133は、第2切除部139を埋め尽くすように形成されている。第2外部電極133は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第2外部電極133は、樹脂膜36の表面に沿って、抵抗領域15、コイル領域13および第1コンデンサ領域14側に引き出された被覆部141を有している。
【0134】
図36は、
図34に示すチップ部品131の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図36に示すように、抵抗Rの一端59、コイルLの一端25および第1コンデンサC1の一端50は、第1内部電極膜136(
図35参照)を介して第1外部電極132に接続されている。一方、抵抗Rの他端60、コイルLの他端27および第1コンデンサC1の他端53は、第2内部電極膜137(
図35参照)を介して第2外部電極133に接続されている。これにより、抵抗R、コイルLおよび第1コンデンサC1が並列接続されたRLC並列回路網が形成されている。
【0135】
以上の構成によれば、RLC並列回路網が共通の基板2に形成されたチップ部品131を提供できる。
また、チップ部品131によれば、基板2の一方の表面である素子形成面2aに、第1外部電極132および第2外部電極133が形成されている。そこで、
図37に示すように、素子形成面2aを実装基板80に対向させて、第1外部電極132および第2外部電極133をはんだ81によって実装基板80上にフェースダウン接合することにより、チップ部品131を実装基板80上に表面実装した回路アセンブリ82を提供できる。これにより、実装基板80上におけるチップ部品131の占有空間を小さくでき、実装基板80上におけるチップ部品131の低背化を実現できる。その結果、小型電子機器等の筐体内の空間を有効に利用でき、高密度実装および小型化に寄与できる。
<第5実施形態>
図38は、この発明の第5実施形態に係るチップ部品151の一部切欠斜視図である。
図39は、
図38に示すチップ部品151の平面図である。
図38および
図39において、
図1〜
図37に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0136】
図38および
図39に示すように、基板2上には、第1外部電極152と、第2外部電極153とが互いに間隔を空けて形成されている。第1外部電極152は、基板2の長手方向に沿う一方側の端部と、基板2の短手方向に沿う一方側の端部とが交わる角部(第1コンデンサ領域14側の角部)に配置されている。第1外部電極152は、平面視矩形状に形成されている。第2外部電極153は、基板2の長手方向に沿う他方側の端部と、基板2の短手方向に沿う他方側の端部とが交わる角部(抵抗領域側の角部)に配置されている。第2外部電極153は、平面視矩形状に形成されている。
【0137】
この実施形態では、第1外部電極152および第2外部電極153の対向方向に交わる方向に沿って、前述のコイル領域13と、前述の第1コンデンサ領域14と、前述の抵抗領域15とが配置されている。
図39に示すように、基板2の長手方向に沿う一方側の端部に沿って、第1内部電極膜156が形成されている。第1内部電極膜156は、コイルLの一端25、第1コンデンサC1の一端50および抵抗Rの一端59の各一端のうち、少なくとも2つの一端を電気的に接続する電極膜部分を含む。より具体的には、この実施形態では、第1内部電極膜156は、互いに間隔を空けて配置された第1電極膜部分156Aと、第2電極膜部分156Bとを含む。
【0138】
第1電極膜部分156Aは、コイル領域13と抵抗領域15との境界を横切って形成されており、コイルLの一端25および抵抗Rの一端59のそれぞれに電気的に接続されている。第2電極膜部分156Bは、第1外部電極152の下方に配置されており、第1コンデンサC1の一端50に電気的に接続されている。
第1電極膜部分156Aと第2電極膜部分156Bとの間には、表面絶縁膜24が露出している。当該表面絶縁膜24上には、パッシベーション膜35および樹脂膜36が形成されている。したがって、第1電極膜部分156Aと第2電極膜部分156Bとの間は、電気的に絶縁されている。そのため、第1電極膜部分156Aおよび第2電極膜部分156Bは直接接続されていない。
【0139】
基板2の長手方向に沿う他方側の端部には、第2内部電極膜157が形成されている。第2内部電極膜157は、コイルLの他端27、第1コンデンサC1の他端53および抵抗Rの他端60の各他端のうち、少なくとも2つの他端を電気的に接続する電極膜部分を含む。より具体的には、この実施形態では、第2内部電極膜157は、互いに間隔を空けて配置された第1電極膜部分157Aと、第2電極膜部分157Bとを含む。
【0140】
第1電極膜部分157Aは、第2外部電極153の下方に配置されており、抵抗Rの他端60に電気的に接続されている。第2電極膜部分157Bは、コイル領域13と第1コンデンサ領域14との境界を横切って形成されており、コイルLの他端27および第1コンデンサC1の他端53のそれぞれに電気的に接続されている。
第1電極膜部分157Aと第2電極膜部分157Bとの間には、表面絶縁膜24が露出している。当該表面絶縁膜24上には、パッシベーション膜35および樹脂膜36が形成されている。したがって、第1電極膜部分157Aと第2電極膜部分157Bとの間は、電気的に絶縁されている。そのため、第1電極膜部分157Aおよび第2電極膜部分157Bは直接接続されていない。
【0141】
パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第1内部電極膜156の第2電極膜部分156Bを露出させる第1切除部158が形成されている。第1外部電極152は、第1切除部158を埋め尽くすように形成されている。同様に、パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第2内部電極膜157の第2電極膜部分157Aを露出させる第2切除部159が形成されている。第2外部電極153は、第2切除部159を埋め尽くすように形成されている。
<電気回路>
図40は、チップ部品151の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
【0142】
抵抗Rの他端60は、第2内部電極膜157の第1電極膜部分157Aを介して、第2外部電極153に電気的に接続されている。抵抗Rの一端59は、第1内部電極膜156の第2電極膜部分156Bを介して、コイルLの一端25に電気的に接続されている。コイルLの他端27は、第2内部電極膜157の第2電極膜部分157Bを介して、第1コンデンサC1の他端53に電気的に接続されている。そして、第1コンデンサC1の一端50は、第1内部電極膜156の第1電極膜部分156Aを介して、第1外部電極152に電気的に接続されている。これにより、抵抗R、コイルLおよび第1コンデンサC1が直列接続されたRLC直列回路網が形成されている。
【0143】
以上の構成によれば、RLC直列回路網が共通の基板2に形成されたチップ部品151を提供できる。このようなRLC直列回路網を含むチップ部品151は、
図41に示す接続例に基づいて形成されている。
図41は、
図38に示すチップ部品151に係る受動素子の接続例を説明するための電気回路図である。
図41に示すように、チップ部品151は、3つの受動素子161を有している。各受動素子161は、一端162および他端163を有している。1つの受動素子161には、前述のコイルL(コイル領域13)、前述の第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)、前述の第2コンデンサC2(第2コンデンサ領域102)、および前述の抵抗R(抵抗領域15)のいずれか1つが組み込まれる。以下では、
図41の上から順に、第1受動素子161Aの一端162Aおよび他端163A、第2受動素子161Bの一端162Bおよび他端163B、および第3受動素子161Cの一端162Cおよび他端163Cという。
【0144】
図41に示すように、第1内部電極膜156は、第1受動素子161Aの一端162Aに電気的に接続可能な第1電極膜部分156Aと、第2受動素子161Bの一端162Bに電気的に接続可能な第2電極膜部分156Bと、第3受動素子161Cの一端162Cに電気的に接続可能な第3電極膜部分156Cとを含む。
第2内部電極膜157は、第1受動素子161Aの他端163Aに電気的に接続可能な第1電極膜部分157Aと、第2受動素子161Bの他端163Bに電気的に接続可能な第2電極膜部分157Bと、第3受動素子161Cの他端163Cに電気的に接続可能な第3電極膜部分157Cとを含む。
【0145】
第1外部電極152は、第1電極膜部分156Aに電気的に接続可能な第1外部電極部分152Aと、第2電極膜部分156Bに電気的に接続可能な第2外部電極部分152Bと、第3電極膜部分156Cに電気的に接続可能な第3外部電極部分152Cとを含む。
第2外部電極153は、第1電極膜部分157Aに電気的に接続可能な第1外部電極部分153Aと、第2電極膜部分157Bに電気的に接続可能な第2外部電極部分153Bと、第3電極膜部分157Cに電気的に接続可能な第3外部電極部分153Cとを含む。
【0146】
第1内部電極膜156では、第1電極膜部分156Aおよび第2電極膜部分156B間を電気的に接続するか否か、ならびに第2電極膜部分156Bおよび第3電極膜部分156C間を電気的に接続するか否かを選択できる。これらの組み合わせは、4通りある。
同様に、第2内部電極膜157では、第1電極膜部分157Aおよび第2電極膜部分157B間を電気的に接続するか否か、ならびに第2電極膜部分157Bおよび第3電極膜部分157C間を電気的に接続するか否かを選択できる。これらの組み合わせは、4通りある。
【0147】
第1外部電極152では、第1外部電極部分152Aを設けるか否か、第2外部電極部分152Bを設けるか否か、および第3外部電極部分152Cを設けるか否かを選択できる。これらの組み合わせは、6通りある。さらに、第1外部電極152では、第1外部電極部分152Aおよび第2外部電極部分152B間を電気的に接続するか否か、ならびに第2外部電極部分152Bおよび第3外部電極部分152C間を電気的に接続するか否かを選択できる。これらの組み合わせは、4通りある。
【0148】
第2外部電極153では、第1外部電極部分153Aを設けるか否か、第2外部電極部分153Bを設けるか否か、および第3外部電極部分153Cを設けるか否かを選択できる。これらの組み合わせは、6通りある。さらに、第2外部電極153では、第1外部電極部分153Aおよび第2外部電極部分153B間を電気的に接続するか否か、ならびに第2外部電極部分153Bおよび第3外部電極部分153C間を電気的に接続するか否かを選択できる。これらの組み合わせは、4通りある。
【0149】
そして、第1受動素子161A、第2受動素子161B、および第3受動素子161Cに組み込まれる受動素子が、前述のコイルL(コイル領域13)、前述の第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)、前述の第2コンデンサC2(第2コンデンサ領域102)、および前述の抵抗R(抵抗領域15)のいずれかから1つ選択される。これらの組み合わせは、64通りある。
【0150】
以上の組み合わせ(4×4×6×4×6×4×64通りの組み合わせ)から適切な電気回路を選択して共通の基板2に形成することにより、所望の受動素子回路網を含むチップ部品151を得ることができる。
図42〜
図45では、その一例を示している。
図42では、第1外部電極部分152A、第2外部電極部分152Bおよび第3外部電極部分152Cが形成されている。第1外部電極部分152Aは、第1電極膜部分156Aを介して第1受動素子161Aの一端162Aに接続されている。第2外部電極部分152Bは、第2電極膜部分156Bを介して第2受動素子161Bの一端162Bに接続されている。第3外部電極部分152Cは、第3電極膜部分156Cを介して第3受動素子161Cの一端162Cに接続されている。第1受動素子161Aの他端163A、第2受動素子161Bの他端163Bおよび第3受動素子161Cの他端163Cは、第1電極膜部分157A、第1電極膜部分157Bおよび第1電極膜部分157Cが一体となった第2内部電極膜157により、電気的に接続されている。第2内部電極膜157は、第1外部電極部分153A、第2外部電極部分153Bおよび第3外部電極部分153Cから電気的に分離されている。この回路の場合、第1外部電極部分152A、第2外部電極部分152Bおよび第3外部電極部分152Cのいずれかが、入力端子または出力端子に設定され得る。
【0151】
図43では、第1外部電極部分152Aおよび第2外部電極部分153B間に、第1受動素子161Aおよび第2受動素子161Bの並列回路が形成されている。第3受動素子161Cは、第3外部電極部分152Cおよび第3外部電極部分153C間に、直列接続されている。第3受動素子161Cは、第1受動素子161Aおよび第2受動素子161Bから電気的に分離された1つの直列回路を形成している。
図44は、
図43の回路に対して、第3電極膜部分157Cが、第1電極膜部分157Aおよび第2電極膜部分157Bに電気的に接続されている点、第1外部電極部分153Aおよび第2外部電極部分153Bが電気的に接続されている点で異なる。
【0152】
図45では、第1受動素子161Aの他端163Aに第2受動素子161Bの他端163Bが接続され、第3受動素子161Cの一端162Cに第2受動素子161Bの一端162Bが接続されたブリッジ回路が形成されている。
以上のように、この発明によれば、複数の受動素子から選択される様々な組み合わせからなる回路網が共通の基板2に形成されたチップ部品151を容易に製造し、提供できる。
<第6実施形態>
図46は、この発明の第6実施形態に係るチップ部品201の一部切欠斜視図である。
図47は、
図46に示すチップ部品201の分解斜視図である。
図48は、
図46のXLVIII-XLVIII線に沿う断面図である。
図49は、チップ部品201の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図46〜
図49において、
図1〜
図45に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0153】
図46に示すように、チップ部品201は、直方体形状に形成されている。チップ部品201の平面形状は矩形であり、その長手方向の長さW1が0.4mm、短手方向の長さW2が0.2mm程度であってもよい。また、チップ部品201の全体の厚さTは、0.15mm程度であってもよい。
チップ部品201は、直方体形状の基板2を含む。基板2は、一対の主面2a,2bと、4つの側面2cとを含む。一対の主面2a,2bのうちの一方(
図46の上面側の主面2a)が素子形成面とされている。以下、この主面2aを「素子形成面2a」といい、素子形成面2aと反対側の主面2bを「裏面2b」という。基板2の表面(素子形成面2a)は、絶縁膜3によって覆われている。基板2の4つの側面2cおよび絶縁膜3の外周部はパッシベーション膜4で覆われている。
【0154】
チップ部品201は、互いに間隔を空けて基板2上に形成された第1外部電極202および第2外部電極203を含む。第1外部電極202は、基板2の一端部に配置されており、平面視矩形状に形成されている。第2外部電極203は、基板2の他端部に配置されており、平面視矩形状に形成されている。
図47に示すように、チップ部品201は、第1外部電極202および第2外部電極203間に、第1外部電極202および第2外部電極203の対向方向に交わる方向に沿って、複数の受動素子領域が並んで配置されている。より具体的には、チップ部品201は、複数の受動素子が、基板2の表面に垂直に交わる垂直方向に積層配置された積層構造を有している。この実施形態では、チップ部品201が、前述のコイル領域13と前述の抵抗領域15とが積層配置された積層構造を有している。
【0155】
より具体的には、
図47および
図48に示すように、絶縁膜3が形成された基板2に前述のコイル領域13が同様の構成で設定されている。基板2上には、コイル領域13を覆うように、第1表面絶縁膜204が形成されている。第1表面絶縁膜204は、前述の表面絶縁膜24に対応している。第1表面絶縁膜204上には、第1内部電極膜205および第2内部電極膜206が配置されている。
【0156】
第1内部電極膜205は、基板2の一端部に配置されている。第1内部電極膜205は、第1表面絶縁膜204に形成された第1コイル用コンタクト孔26に入り込み、コイルLの一端25に電気的に接続された第1引出し電極31を有している。第2内部電極膜206は、基板2の他端部に配置されている。第2内部電極膜206は、第1表面絶縁膜204に形成された第2コイル用コンタクト孔28に入り込み、コイルLの他端27に電気的に接続された第2引出し電極33を有している。
【0157】
第1表面絶縁膜204上には、第1内部電極膜205および第2内部電極膜206を覆うように、第2表面絶縁膜207が形成されている。第2表面絶縁膜207は、平面視で、素子形成面2aと整合する矩形である。第2表面絶縁膜207は、平坦な表面を有している。第2表面絶縁膜207は、たとえば、USG膜またはSOG膜を含む。SOG膜は、SiO
2および水素化シルセシキオキサン(HSQ)等の無機系材料を含む無機SOG膜であってもよい。また、SOG膜は、SiO
2およびメチルシルセシキオキサン(MSQ)等の有機系材料を含む有機SOG膜であってもよい。第2表面絶縁膜207は、8000Å〜15000Åの厚さを有してもよい。
【0158】
第2表面絶縁膜207は、第1内部電極膜205の一部を第1パッド208として露出させる第1パッド開口209と、第2内部電極膜206の一部を第2パッド210として露出させる第2パッド開口211とを含む。
第2表面絶縁膜207上には、抵抗領域15が設定されている。抵抗領域15には、抵抗R(抵抗用導電体膜61)と、抵抗Rの一端59に電気的に接続された第3内部電極膜212と、抵抗Rの他端60に電気的に接続された第4内部電極膜213とが形成されている。第3内部電極膜212は、第2表面絶縁膜207の表面に沿って第1パッド開口209に入り込むように形成されている。第3内部電極膜212は、第1パッド開口209内で、第1パッド208(第1内部電極膜205)に電気的に接続されている。第4内部電極膜213は、第2表面絶縁膜207の表面に沿って第2パッド開口211に入り込むように形成されている。第4内部電極膜213は、第2パッド開口211内で、第2パッド210(第2内部電極膜206)に電気的に接続されている。
【0159】
図48に示すように、第2表面絶縁膜207上には、抵抗R(抵抗用導電体膜61)、第3内部電極膜212および第4内部電極膜213を覆うように、パッシベーション膜35が形成されている。パッシベーション膜35上には、樹脂膜36が形成されている。パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第3内部電極膜212の抵抗領域15側の縁部を除く領域を露出させる第1切除部214と、第4内部電極膜213の抵抗領域15側の縁部を除く領域を露出させる第2切除部215が形成されている。
【0160】
第1外部電極202は、第1切除部214を埋め尽くすように形成されている。第1外部電極202は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第1外部電極202は、樹脂膜36の表面に沿って抵抗領域15側に引き出された被覆部216を有している。この実施形態では、第1外部電極202は、第1切除部214から露出している第1パッド208、第2表面絶縁膜207の表面、および基板2の一端部側のパッシベーション膜4の上端部を覆うように形成されている。第1外部電極202の内方側の側面を除く3つの側面は、パッシベーション膜4の表面と面一となるように形成されている。
【0161】
第2外部電極203は、第2切除部215を埋め尽くすように形成されている。第2外部電極203は、樹脂膜36から突出するように形成されている。第2外部電極203は、樹脂膜36の表面に沿って抵抗領域15側に引き出された被覆部217を有している。この実施形態では、第2外部電極203は、第2切除部215から露出している第2パッド210、第2表面絶縁膜207の表面、および基板2の一端部側のパッシベーション膜4の上端部を覆うように形成されている。第2外部電極203の内方側の側面を除く3つの側面は、パッシベーション膜4の表面と面一となるように形成されている。
【0162】
第1外部電極202は、第3内部電極膜212を介して抵抗Rの一端59に電気的に接続されている。また、第1外部電極202は、第3内部電極膜212および第1内部電極膜205を介してコイルLの一端25に電気的に接続されている。第2外部電極203は、第4内部電極膜213を介して抵抗Rの他端60に電気的に接続されている。また、第2外部電極203は、第4内部電極膜213および第2内部電極膜206を介してコイルLの他端27に電気的に接続されている。
【0163】
以上のような構成によれば、
図49に示すように、抵抗RおよびコイルLが並列接続されたRL並列回路網が共通の基板2に形成されたチップ部品201を提供できる。また、チップ部品201は、第1表面絶縁膜204を挟んでコイルL上に抵抗Rが積層配置された積層構造を有している。積層構造によれば、コイルLおよび抵抗Rが積層方向に直交する方向に並んで配置されている場合等に比べて、基板2の面積を低減できるので、チップ部品201の実装スペースを削減できる。また、一枚のベース基板90(
図27参照)から得られるチップ部品201の数量を増加させることもできる。
<第7実施形態>
図50は、この発明の第7実施形態に係るチップ部品221の一部切欠斜視図である。
図51は、
図50に示すチップ部品221の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図50および
図51において、
図1〜
図49に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0164】
図50に示すように、チップ部品221では、第2表面絶縁膜207上に、前述の抵抗領域15に代えて、前述の第2コンデンサ領域102が設定されている。第2コンデンサ領域102には、第1電極膜103と、第1電極膜103上に形成された誘電体膜104と、誘電体膜104上に形成された第2電極膜105とを含む第2コンデンサC2が形成されている。第1電極膜103は、第3内部電極膜212と、第3内部電極膜212に一体的に連なる第1キャパシタ電極膜106とを含む。第3内部電極膜212は、第2コンデンサC2の一端112を兼ねている。第2電極膜105は、第4内部電極膜213と、第4内部電極膜213とヒューズ部108を介して電気的に接続された第2キャパシタ電極膜107とを含む。第4内部電極膜213は、第2コンデンサC2の他端113を兼ねている。
【0165】
第1外部電極202は、第3内部電極膜212(第2コンデンサC2の一端112)を介して第1キャパシタ電極膜106に電気的に接続されている。また、第1外部電極202は、第3内部電極膜212および第1内部電極膜205を介してコイルLの一端25に電気的に接続されている。第2外部電極203は、第4内部電極膜213(第2コンデンサC2の他端113)を介して第2キャパシタ電極膜107に電気的に接続されている。また、第2外部電極203は、第4内部電極膜213および第2内部電極膜206を介してコイルLの他端27に電気的に接続されている。
【0166】
このような構成によれば、
図51に示すように、コイルLおよび第2コンデンサC2が並列接続されたLC並列回路網が共通の基板2に形成された積層構造型のチップ部品221を提供できる。
<第8実施形態>
図52は、この発明の第8実施形態に係るチップ部品231の一部切欠斜視図である。
図53は、チップ部品231の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図52および
図53において、
図1〜
図51に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0167】
チップ部品231は、前述のチップ部品201の構成に、前述の第2コンデンサ領域102をさらに積層した積層構造を有している。
より具体的には、
図52に示すように、第2表面絶縁膜207上には、抵抗領域15を覆う第3表面絶縁膜232が形成されている。第3表面絶縁膜232は、平面視で、素子形成面2aと整合する矩形である。第3表面絶縁膜232は、平坦な表面を有している。第3表面絶縁膜232は、たとえば、USG膜またはSOG膜を含む。SOG膜は、SiO
2および水素化シルセシキオキサン(HSQ)等の無機系材料を含む無機SOG膜であってもよい。また、SOG膜は、SiO
2およびメチルシルセシキオキサン(MSQ)等の有機系材料を含む有機SOG膜であってもよい。第3表面絶縁膜232は、8000Å〜15000Åの厚さを有してもよい。
【0168】
第3表面絶縁膜232は、第3内部電極膜212の一部を第3パッド233として露出させる第3パッド開口234と、第4内部電極膜213の一部を第4パッド235として露出させる第4パッド開口236とを含む。
第3表面絶縁膜232上には、前述の第2コンデンサC2(第2コンデンサ領域102)が形成されている。第2コンデンサC2は、第3表面絶縁膜232上に形成された第1電極膜103と、第1電極膜103上に形成された誘電体膜104と、誘電体膜104上に形成された第2電極膜105とを含む。
【0169】
この実施形態では、第1電極膜103は、第5内部電極膜237と、第5内部電極膜237と一体的に連なる第1キャパシタ電極膜106を含む。第5内部電極膜237は、第2コンデンサC2の一端112を兼ねている。第2電極膜105は、第6内部電極膜238と、第6内部電極膜238とヒューズ部108を介して電気的に接続された第2キャパシタ電極膜107とを含む。第6内部電極膜238は、第2コンデンサC2の他端113を兼ねている。
【0170】
第5内部電極膜237は、第3表面絶縁膜232の表面に沿って第3パッド開口234に入り込むように形成されている。第5内部電極膜237は、第3パッド開口234内で、第3パッド233(第3内部電極膜212)に電気的に接続されている。第6内部電極膜238は、第3表面絶縁膜232の表面に沿って第4パッド開口236内に入り込むように形成されている。第6内部電極膜238は、第4パッド開口236内で、第4パッド235(第4内部電極膜213)に電気的に接続されている。
【0171】
第1外部電極202は、第5内部電極膜237(第2コンデンサC2の一端112)を介して第1キャパシタ電極膜106に電気的に接続されている。また、第1外部電極202は、第5内部電極膜237および第3内部電極膜212を介して抵抗Rの一端59に電気的に接続されている。また、第1外部電極202は、第5内部電極膜237、第3内部電極膜212および第1内部電極膜205を介してコイルLの一端25に電気的に接続されている。
【0172】
第2外部電極203は、第6内部電極膜238(第2コンデンサC2の他端113)を介して第2キャパシタ電極膜107に電気的に接続されている。また、第2外部電極203は、第6内部電極膜238および第4内部電極膜213を介して抵抗Rの他端60に電気的に接続されている。また、第2外部電極203は、第6内部電極膜238、第4内部電極膜213および第2内部電極膜206を介してコイルLの他端27に電気的に接続されている。
【0173】
このような構成によれば、
図53に示すように、第2コンデンサC2、抵抗RおよびコイルLが並列接続されたLRC並列回路網が共通の基板2に形成された積層構造型のチップ部品231を提供できる。
<第9実施形態>
図54は、この発明の第9実施形態に係るチップ部品241の一部切欠斜視図である。
図55は、チップ部品241の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図54および
図55において、
図1〜
図53に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0174】
図54に示すように、チップ部品241に係る第2表面絶縁膜207上には、前述の抵抗領域15が設定されている。抵抗領域15には、抵抗R(抵抗用導電体膜61)と、抵抗Rの一端59に電気的に接続された第3内部電極膜212と、抵抗Rの他端60に電気的に接続された第4内部電極膜213とが形成されている。第3内部電極膜212は、第2表面絶縁膜207に形成された第1パッド開口209からコイル領域13側に間隔を空けて形成されており、コイルLの一端25(第1内部電極膜205)から電気的に分離して設定されている。第4内部電極膜213は、第2表面絶縁膜207に形成された第2パッド開口211に入り込み、コイルLの他端27(第2内部電極膜206)に電気的に接続されている。
【0175】
第2表面絶縁膜207上に形成された第3表面絶縁膜232は、第3パッド開口234に加えて、コンタクト孔242を有している。コンタクト孔242は、第3パッド開口234からコイル領域13側に間隔を空けて形成されており、第3内部電極膜212の一部を露出させている。この実施形態では、第3表面絶縁膜232は、第4パッド開口236(
図52参照)を有していない。
【0176】
第3表面絶縁膜232上には、前述の第2コンデンサC2(第2コンデンサ領域102)が形成されている。第2コンデンサC2は、第3表面絶縁膜232上に形成された第1電極膜103と、第1電極膜103上に形成された誘電体膜104と、誘電体膜104上に形成された第2電極膜105とを含む。
この実施形態では、第1電極膜103は、第5内部電極膜243と、第5内部電極膜243と一体的に連なる第1キャパシタ電極膜106を含む。第2電極膜105は、第6内部電極膜244と、第6内部電極膜244にヒューズ部108を介して電気的に接続された第2キャパシタ電極膜107を含む。
【0177】
第5内部電極膜243は、第3表面絶縁膜232の表面に沿ってコンタクト孔242内に入り込むように形成されている。第5内部電極膜243は、コンタクト孔242内で、第3内部電極膜212に電気的に接続されている。第5内部電極膜243は、誘電体膜104を挟んで、第2キャパシタ電極膜107と対向している。第5内部電極膜243は、第2コンデンサC2の一端112を兼ねている。第6内部電極膜244は、基板2の他端部に配置されており、誘電体膜104を挟んで、第1電極膜103と対向している。第6内部電極膜244は、第2コンデンサC2の他端113を兼ねている。
【0178】
パッシベーション膜35および樹脂膜36には、第1パッド開口209および第3パッド開口234を介して、第1内部電極膜205(第1パッド208)を露出させる第1切除部214と、第6内部電極膜244の一部を露出させる第2切除部215とが形成されている。
第1外部電極202は、第1パッド開口209、第3パッド開口234および第1切除部214を埋め尽くすように形成されている。第2外部電極203は、第2切除部215を埋め尽くすように形成されている。
【0179】
第1外部電極202は、第1内部電極膜205を介してコイルLの一端25に電気的に接続されている。コイルLの他端27は、第2内部電極膜206および第4内部電極膜213を介して抵抗Rの他端60に電気的に接続されている。抵抗Rの一端59は、第3内部電極膜212および第5内部電極膜243(第2コンデンサC2の一端112)を介して第1キャパシタ電極膜106に電気的に接続されている。第2キャパシタ電極膜107は、第6内部電極膜244(第2コンデンサC2の他端113)を介して、第2外部電極203に電気的に接続されている。
【0180】
このような構成によれば、
図55に示すように、第2コンデンサC2、抵抗RおよびコイルLが直列接続されたLRC直列回路網が共通の基板2に形成された積層構造型のチップ部品241を提供できる。
<第10実施形態>
図56は、この発明の第10実施形態に係るチップ部品251の分解斜視図である。
図57は、チップ部品251の電気的構造の一例を示す電気回路図である。
図56および
図57において、
図1〜
図55に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0181】
チップ部品251では、前述のチップ部品201と異なり、コイルL(コイル領域13)に代えて、前述の第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)が基板2に設定されている。
より具体的には、第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)がチップ部品1と同様の構成で設定されている。基板2上には、第1コンデンサ領域14を覆うように、第1表面絶縁膜204が形成されている。第1表面絶縁膜204上には、第1内部電極膜205および第2内部電極膜206が配置されている。第1内部電極膜205は、第1表面絶縁膜204に形成された第1コンデンサ用コンタクト孔47に入り込み、第1コンデンサC1の一端50に電気的に接続されている。第2内部電極膜206は、第1表面絶縁膜204に形成された第2コンデンサ用コンタクト孔48に入り込み、第1コンデンサC1の他端53に電気的に接続されている。
【0182】
第1外部電極202は、第3内部電極膜212を介して抵抗Rの一端59に電気的に接続されている。また、第1外部電極202は、第3内部電極膜212および第1内部電極膜205を介して第1コンデンサC1の一端50に電気的に接続されている。第2外部電極203は、第4内部電極膜213を介して抵抗Rの他端60に電気的に接続されている。また、第2外部電極203は、第4内部電極膜213および第2内部電極膜206を介して第1コンデンサC1の他端53に電気的に接続されている。
【0183】
このような構成によれば、
図57に示すように、第1コンデンサC1および抵抗Rが並列接続されたCR並列回路網が共通の基板2に形成された積層構造型のチップ部品251を提供できる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
【0184】
たとえば、前述の第6実施形態〜第10実施形態では、積層構造型のチップ部品201,221,231,241,251の例について説明した。この積層構造型のチップ部品201,221,231,241,251の構成を第1実施形態〜第5実施形態に係るチップ部品1,101,121,131,151の構成に組み合わせてもよい。
たとえば、第1実施形態〜第3実施形態のチップ部品1,101,121に、積層構造型のチップ部品201,221,231,241,251を組み合わせる場合、
図58に示す構成を採用してもよい。
図58は、第1変形例に係るチップ部品261の一部切欠斜視図である。
図58において、
図1〜
図57に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0185】
図58に示すように、チップ部品261は、直方体形状に形成されている。チップ部品261の平面形状は矩形であり、その長手方向の長さW1が0.8mm〜1.0mm、短手方向の長さW2が0.2mm程度であってもよい。また、チップ部品1の全体の厚さTは、0.15mm程度であってもよい。
基板2には、前述のコイルL(コイル領域13)と、第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)とが形成されている。コイルL(コイル領域13)は、第1外部電極5と第1中間外部電極7との間に形成されている。第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)は、第1中間外部電極7と第2外部電極6との間に形成されている。この例では、第2中間外部電極8が形成されていない。
【0186】
図58に示すように、第1コンデンサ領域14上に前述の抵抗R(抵抗領域15)が積層配置されている。この抵抗R(抵抗領域15)に代えて、第2コンデンサ領域102を積層配置してもよい(
図58の二点鎖線参照)。さらに、この抵抗R(抵抗領域15)上に、第2コンデンサ領域102を積層配置してもよい(
図58の二点鎖線参照)。したがって、第1コンデンサ領域14上に、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102が積層配置されてもよい。
【0187】
同様に、コイル領域13上に、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102が積層配置されてもよい(
図58の二点鎖線参照)。さらに、第1中間外部電極7を取り除いて、第1コンデンサ領域14上およびコイル領域13上の全域に、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102が積層配置されてもよい。
以上のような構成によれば、各受動素子領域における設計の自由度をより一層高めることができるので、より一層複雑な受動素子回路網が共通の基板2に形成された複合素子型のチップ部品261を提供できる。また、第1実施形態〜第3実施形態のチップ部品1,101,121と異なり、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102を設定するためだけに基板2の面積を拡大する必要がないので、チップ部品261の更なる微細化を達成できる。これにより、チップ部品261の実装スペースを削減できる。また、一枚のベース基板90から得られるチップ部品261の数量を増加させることもできる。
【0188】
また、第4実施形態および第5実施形態のチップ部品131,151に、積層構造型のチップ部品201,221,231,241,251を組み合わせる場合、
図59に示す構成を採用してもよい。
図59は、第2変形例に係るチップ部品262の一部切欠斜視図である。
図59において、
図1〜
図58に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0189】
図59に示すように、チップ部品262は、直方体形状に形成されている。チップ部品261の平面形状は、長さW1×長さW2=0.4mm×0.4mm程度の矩形である。また、チップ部品262の全体の厚さTは、0.15mm程度であってもよい。
図59に示すように、第1外部電極152は、互いに間隔を空けて形成された第1外部電極部分152Aおよび第2外部電極部分152Bを含む。また、第2外部電極153は、互いに間隔を空けて形成された第1外部電極部分153Aおよび第2外部電極部分153Bを含む。
【0190】
基板2には、前述のコイルL(コイル領域13)と、第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)とが形成されている。コイルL(コイル領域13)は、第1外部電極152の第1外部電極部分152Aと、第2外部電極153の第1外部電極部分153Aとの間に形成されている。第1コンデンサC1(第1コンデンサ領域14)は、第1外部電極152の第2外部電極部分152Bと、第2外部電極153の第2外部電極部分153Bとの間に形成されている。
【0191】
図59に示すように、第1コンデンサ領域14上に前述の抵抗R(抵抗領域15)が積層配置されている。この抵抗R(抵抗領域15)に代えて、第2コンデンサ領域102を積層配置してもよい(
図59の二点鎖線参照)。さらに、この抵抗R(抵抗領域15)上に、第2コンデンサ領域102を積層配置してもよい(
図59の二点鎖線参照)。したがって、第1コンデンサ領域14上に、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102が積層配置されてもよい。
【0192】
同様に、コイル領域13上に、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102が積層配置されてもよい(
図59の二点鎖線参照)。さらに、第1外部電極152、および第2外部電極153の対向方向に直交する方向に沿って、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102が、第1コンデンサ領域14上およびコイル領域13上の全域に積層配置されてもよい。
【0193】
このような構成によれば、各受動素子領域における設計の自由度をより一層高めることができるので、より一層複雑な受動素子回路網が共通の基板2に形成された複合素子型のチップ部品262を提供できる。また、第4実施形態および第5実施形態のチップ部品131,151と異なり、抵抗領域15および/または第2コンデンサ領域102を設定するためだけに基板2の面積を拡大する必要がないので、チップ部品262の更なる微細化を達成できる。これにより、チップ部品262の実装スペースを削減できる。また、一枚のベース基板90から得られるチップ部品262の数量を増加させることもできる。
【0194】
前述の第1実施形態〜第10実施形態において、コイル領域13、第1コンデンサ領域14、第2コンデンサ領域102、および抵抗領域15の配置に関して、
図60に示すような配置例が採用されてもよい。
図60は、受動素子領域の一配置例を示す平面図である。
図60において、
図1〜
図59に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0195】
図60に示すように、第1外部電極5,132,152,202(以下、単に「第1外部電極265」という。)と第2外部電極6,133,153,203(以下、単に「第2外部電極266」という。)との間に、第1受動素子領域267、第2受動素子領域268および第3受動素子領域269が設定されている。前述のコイル領域13、前述の第1コンデンサ領域14、前述の第2コンデンサ領域102、および前述の抵抗領域15のいずれか1つが、第1受動素子領域267、第2受動素子領域268および第3受動素子領域269のそれぞれに形成される。
【0196】
第1受動素子領域267および第2受動素子領域268は、第1外部電極265および第2外部電極266の対向方向に並ぶように配置されている。第3受動素子領域269は、第1外部電極265および第2外部電極266の対向方向に沿って延びるように配置されている。第3受動素子領域269は、第1外部電極265および第2外部電極266の対向方向に交わる方向に関して、第1受動素子領域267および第2受動素子領域268の双方と並ぶように配置されている。
【0197】
第1受動素子領域267は、第1外部電極265、第2受動素子領域268および第3受動素子領域269のそれぞれに対向している。したがって、第1受動素子領域267は、第1外部電極265、第2受動素子領域268および第3受動素子領域269のうち、少なくとも1つに電気的に接続され得る。第1受動素子領域267は、引き回し配線を用いることにより、第2外部電極266にも電気的に接続され得る。
【0198】
第2受動素子領域268は、第2外部電極266、第1受動素子領域267および第3受動素子領域269のそれぞれに対向している。したがって、第2受動素子領域268は、第2外部電極266、第1受動素子領域267および第3受動素子領域269のうち、少なくとも1つに電気的に接続され得る。第2受動素子領域268は、引き回し配線を用いることにより、第1外部電極265にも電気的に接続され得る。
【0199】
第3受動素子領域269は、第1外部電極265、第2外部電極266、第1受動素子領域267および第2受動素子領域268のそれぞれに対向している。したがって、第3受動素子領域269は、第1外部電極265、第2外部電極266、第1受動素子領域267および第2受動素子領域268のうち、少なくとも1つに電気的に接続され得る。
図60に示す配置例によれば、様々な接続形式に対応できるチップ部品を提供できる。
【0200】
また、
図60に示す配置例に代えて、
図61に示す配置例を採用してもよい。
図61は、受動素子領域の他の配置例を示す平面図である。
図61に示すように、第1外部電極265と第2外部電極266間との間に、第1受動素子領域267、第2受動素子領域268および第3受動素子領域269が設定されている。
【0201】
第1受動素子領域267および第2受動素子領域268は、第1外部電極265および第2外部電極266の対向方向に直交する方向に並ぶように配置されている。第3受動素子領域269は、第1外部電極265および第2外部電極266の対向方向に沿って延びるように配置されている。第3受動素子領域269は、第1外部電極265および第2外部電極266の対向方向に関して、第1受動素子領域267および第2受動素子領域268の双方と並ぶように配置されている。
【0202】
第1受動素子領域267は、第2外部電極266、第2受動素子領域268および第3受動素子領域269のそれぞれに対向している。したがって、第1受動素子領域267は、第2外部電極266、第2受動素子領域268および第3受動素子領域269のうち、少なくとも1つに電気的に接続され得る。第1受動素子領域267は、引き回し配線を用いることにより、第1外部電極265にも電気的に接続され得る。
【0203】
第2受動素子領域268は、第2外部電極266、第1受動素子領域267および第3受動素子領域269のそれぞれに対向している。したがって、第2受動素子領域268は、第2外部電極266、第1受動素子領域267および第3受動素子領域269のうち、少なくとも1つに電気的に接続され得る。第2受動素子領域268は、引き回し配線を用いることにより、第1外部電極265にも電気的に接続され得る。
【0204】
第3受動素子領域269は、第1外部電極265、第1受動素子領域267および第2受動素子領域268のそれぞれに対向している。したがって、第3受動素子領域269は、第1外部電極265、第1受動素子領域267および第2受動素子領域268のうち、少なくとも1つに電気的に接続され得る。第3受動素子領域269は、引き回し配線を用いることにより、第2外部電極266にも電気的に接続され得る。
【0205】
図61に示す配置例によれば、様々な接続形式に対応できるチップ部品を提供できる。
また、
図60および
図61に示す受動素子領域の配置例は、抵抗R(抵抗領域15)および第2コンデンサC2(第2コンデンサ領域102)が形成され得る表面絶縁膜24(第1表面絶縁膜204)、第2表面絶縁膜207、および第3表面絶縁膜232上にも採用してもよい。
【0206】
また、前述の第1実施形態〜第10実施形態において、基板2は、絶縁性基板であってもよいし、シリコン基板(半導体基板)であってもよい。基板2がシリコン基板(半導体基板)を含む場合、基板2の表面上に形成される絶縁膜3や内面絶縁膜19等を熱酸化法によって容易に形成できる。また、基板2がシリコン基板を含む場合、チップ部品1,101,121,131,151,201,221,231,241,251は、基板2に形成された半導体素子(半導体素子領域)をさらに含んでもよい。
【0207】
前述の第5実施形態では、
図41に示すように、第1受動素子161A、第2受動素子161B、第3受動素子161Cを用いて受動素子(受動素子領域)の接続例について説明した。第1受動素子161A、第2受動素子161B、第3受動素子161Cを用いる受動素子(受動素子領域)の接続例は、むろん、前述の第5実施形態以外の実施形態にも適用できる。
【0208】
前述のチップ部品は、たとえば、電源回路用、高周波回路用、デジタル回路用等の受動素子として、電子機器、携帯電子機器等のモバイル端末に組み込むことができる。この場合、電子機器は、チップ部品1,101,121,131,151,201,221,231,241,251が実装された回路アセンブリ82を収容した筐体を含む。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。