(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0015】
本実施形態の外壁構造は、例えば、倉庫や工場,住宅家屋等の建物の外壁に適用される。本実施形態の外壁構造は、
図1に示すように、壁下地1と、水切り材2と、金属板により構成された複数の壁体3とを備えている。
【0016】
なお、以下、壁下地1から壁体3に向かう方向を前方向として定義する。また、左右方向の定義は、施工者等が壁体3から壁下地1に向かう姿勢において決定する。
【0017】
壁下地1は、壁体3の下地となる部分である。壁下地1は、例えば、複数の柱部材11を備えている。複数の柱部材11は、水平方向に間隔をおいて配置されており、その長手方向が鉛直方向に平行である。柱部材11としては、例えば、間柱,管柱,又は通し柱等の柱や、縦胴縁が例示される。なお、柱は、例えば、角形鋼管により構成され、縦胴縁は、例えばリップ付き溝形鋼により構成される。縦胴縁としては、リップ付き溝形鋼を単独で用いてもよいし、2つのリップ付き溝形鋼のウェブ同士を連結し断面略H状にして用いてもよい。
【0018】
なお、壁下地1には、複数の柱部材11間に配置された断熱ボードを含んでもよい。
【0019】
水切り材2は、複数の壁体3の間において、当該壁体3の後面に沿うように配置され、これにより、雨水が壁体3の後方に回り込むのを防ぐ。水切り材2は、柱部材11に固定されており、すなわち壁下地1に固定される。水切り材2は、上下方向に長さを有し、左右方向に幅を有している。水切り材2は、矩形状の金属板(例えば鋼板)を曲げ加工することで形成されている。水切り材2は、水切り本体21と、突条部25とを備えている。
【0020】
水切り本体21は、壁体3の後面に沿うように配置される。水切り本体21は、第一水切り部22と、第二水切り部23とを備えている。第一水切り部22は、水切り材2の左側の略半部を構成する。第一水切り部22には、上下方向に延び且つ左右方向に離れた複数のリブ24(本実施形態では3つ)が設けられている。複数のリブ24は、曲げ加工によって形成されており、第一水切り部22の主面から前方に向かって突出している(つまり、突曲している)。また、第一水切り部22の左側の端部は、ヘミング曲げがなされている。
図2に示すように、リブ24の突出先端は、壁体3の後面に接触するように構成されている。なお、この複数のリブ24は、例えば、一条のリブ24であってもよく、数量は限定されない。
【0021】
第二水切り部23は、水切り材2の右側の端部を構成し、すなわち、第一水切り部22が設けられた側とは反対側の端部を構成する。第二水切り部23には、第一水切り部22と同様に、上下方向に延び且つ左右方向に離れた複数のリブ24が設けられている。このリブ24は、第一水切り部22と同じ構成であるため、説明は省略する。
【0022】
突条部25は、
図1に示すように、第一水切り部22と第二水切り部23との間に設けられており、つまり、水切り本体21の左右方向の中間部に設けられている。突条部25は、上下方向に延びている。突条部25は、第一水切り部22に連続した第一傾斜部26と、第二水切り部23に連続した第二傾斜部27とを備えている。突条部25は、第一傾斜部26の右側の端部と第二傾斜部27の左側の端部とが連続し、これにより、断面山形形状をなしている。すなわち、突条部25は、突出先端側に向かうほど幅狭となるように構成されている。突条部25は、
図2に示すように、その突出先端が、壁体3の前面と同じか、あるいは、それよりも前方に位置するように構成されている。
【0023】
このような構成の水切り材2の前方には、複数の壁体3が取り付けられる。複数の壁体3は、左右方向に並ぶように壁下地1に固定される。各壁体3は、
図3に示すように、上下方向に連結された複数の金属壁板材31を備えている。
【0024】
各金属壁板材31は、平坦な壁板本体32と、壁板本体32の上端に設けられた上連結部33と、壁板本体32の下端に設けられた下連結部37とを備えている。金属壁板材31は、金属板(例えば鋼板)を曲げ加工することで形成されている。上下方向に並ぶ一対の金属壁板材31は、下側の金属壁板材31の上連結部33に、上側の金属壁板材31の下連結部37を嵌合することで連結されている。
【0025】
上連結部33は、
図4に示すように、突起部34と、突起部34の後端から上方に延出した固定片35とを備えている。突起部34は、前斜め上方に突出している。突起部34は、壁板本体32の上方部分を前斜め上方に折り曲げ、その後、重ねるようにして折り返すことで構成されている。突起部34は、壁板本体32の上端部の左右方向の全長に亙って設けられている。また、固定片35は、突起部34の左右方向の全長に亙って設けられている。固定片35には、複数の固着具が打ち込まれる。固定片35に固着具が打ち込まれ、当該固着具が壁下地1に打入されることで、金属壁板材31は壁下地1に固定される。
【0026】
下連結部37は、上連結部33に嵌合するように構成されている。下連結部37は、壁板本体32の下端に形成された凸曲部38と、凸曲部38の内部に収容された差し込み溝部41とを備えている。
【0027】
凸曲部38は、壁板本体32の前面よりも前方に突出し、且つ壁体3の端面において側方に開口している。凸曲部38は、壁板本体32の左右方向の全長に亙って設けられており、左右両側に開口している。凸曲部38は、上斜面部39と下斜面部40とから構成される。凸曲部38は、上斜面部39の下端と下斜面部40の上端とが連続しており、これにより、断面山形形状をなしている。凸曲部38の左右方向の両側の端部は、
図5Aに示すように、壁板本体32の側端縁よりも側方に突出しており、その端面は、
図5Bに示すように、左右方向において、壁板本体32から離れるほど前方に位置するように傾斜している。これにより、凸曲部38の側端面は、水切り材2の突条部25の外面に沿うように構成されている。
【0028】
差し込み溝部41には、上連結部33の突起部34が差し込まれる。差し込み溝部41は、
図4に示すように、凸曲部38の下斜面部40の下端に設けられている。差し込み溝部41は、凸曲部38の内部(後方)において、下斜面部40の下端から上方に向かって延出している。より詳細には、差し込み溝部41は、下斜面部40の下端から上斜め前方に向かって延出しており、これにより、
図9に示すように、差し込み溝部41の壁下地1側の先端42が、壁板本体32の前面よりも前方に位置するように構成されている。なお、差し込み溝部41は、壁板本体32の左右方向の全長に亙って設けられている。
【0029】
本実施形態の外壁構造は、以下のような手順で構成される(
図6参照)。
【0030】
まず、施工者は、壁下地1の柱部材11に水切り材2を固定する。施工者は、柱部材11の前面に水切り材2をあてがい、ねじ等の固着具を打入して、柱部材11に水切り材2を固定する。
【0031】
次いで、施工者は、下方から順に金属壁板材31を取り付ける。施工者は、複数の柱部材11の前面に金属壁板材31をあてがい、固定片35に固着具を打入して、金属壁板材31を柱部材11に固定する。このとき、金属壁板材31の凸曲部38の側方の開口(壁体1間に臨む開口)は、水切り材2の突条部25により覆われる。
【0032】
施工者は、既に固定した金属壁板材31の上連結部33に、別の金属壁板材31の下連結部37を嵌め込む。そして、施工者は、固定した金属壁板材31の上連結部33と、別の金属壁板材31の下連結部37とを嵌合させた状態で、固着具によって、別の金属壁板材31の固定片35を柱部材11に固定する。このようにして、複数の金属壁板材31を順に上方に連結し、壁体3を形成する。同様の手順で左右方向にも繰り返し施工して、外壁を構成する。
【0033】
外壁が形成されると、
図7に示すように、水切り材2の突条部25と、金属壁板材31の凸曲部38とが格子状に連続する。従って、本実施形態の外壁構造によれば、格子状の模様を外壁に形成することができ、従来にない外壁の意匠を形成することができる。
【0034】
本実施形態の外壁構造は、降雨した場合、
図8に示すように、雨水は突条部25を伝って流下するが、一部が、金属壁板材31と水切り材2との間に浸入する場合がある。この場合、金属壁板材31と水切り材2との間に浸入した雨水は、水切り材2の水切り部22,23を伝って流下する。このとき、水切り部22,23と金属壁板材31との間の隙間は、突条部25によって覆われており、当該隙間の内部は風の影響を受けにくいため、雨水は、重力に従って下方に流下する。
【0035】
万が一、風の影響で突条部25から離れる方向に向かって雨水が流れたとしても、雨水はリブ24によって堰き止められて下方に流下する。しかも、本実施形態の水切り材2には、複数のリブ24が設けられているため、より一層、防水性を高めることができる。
【0036】
また、本実施形態の金属壁板材31に設けられた突起部34は、上方に突出している。この突起部34は、突出長さが、突起部34の厚さよりも長く形成されている。また、差し込み溝部41は、その深さ方向が上下方向に沿っている。この差し込み溝部41の深さは、溝幅より長く形成されている。さらに、突起部34および差し込み溝部41は、金属壁板材31の左右方向に延在している。
【0037】
本実施形態の外壁構造は、
図10に示すように、固定された状態の金属壁板材31の突起部34を、別の金属壁板材31の差し込み溝部41に差し込んだ状態では、万が一、施工時に、施工者が上方の金属壁板材31を手放してしまったとしても、差し込み溝部41が突起部34に引っ掛かり、当該上方の金属壁板材31は保持される。特に、本実施形態の突起部34および差し込み溝部41は、左右方向に延びているため、より安定して、上方の金属壁板材31は保持される。この結果、施工者は、より安全に作業することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の外壁構造は、壁下地1と、金属板により構成された複数の壁体3と、水切り材2とを備える。複数の壁体3は、左右方向に並ぶように壁下地1に固定される。壁体3は、左右方向の全長に亙って前方に突出し且つ壁体3の端面において側方に開口する凸曲部38を有している。水切り材2は、壁体3の後面に沿うように設けられる。水切り材2の左右方向の中間部には、凸曲部38の壁体3間への開口を覆う突条部25が設けられている。
【0039】
このように、本実施形態の外壁構造によれば、壁体3の凸曲部38の開口を水切り材2に設けられた突条部25によって塞ぐことができるため、水切り材2とは別にカバー材が必要とならない。しかも、水切り材2によって、壁体3の裏面側に回り込んだ雨水を受けることができる上に、突条部25によって、壁体3と水切り本体21との間の隙間を塞ぐことができるため、防水性も確保することができる。この結果、突条部25と凸曲部38との間にシーリングを打たなくても、防水性を確保することができ、部品点数をできる限り減らし、取り付けの作業性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態の壁体3は、上下方向に連結された複数の金属壁板材31を備えている。凸曲部38は、金属壁板材31の連結部分である。
【0041】
このため、本実施形態の外壁構造によれば、上下方向に連結する金属壁板材31の連結部分の側方の開口からの浸水を防ぐことができて、防水性を高めることができる。しかも、凸曲部38と突条部25とで建物の外壁面に格子状の模様を付すことができて、従来にない建物外観を形成することができる。
【0042】
また、本実施形態の突条部25は、突出先端側に向かうほど幅狭となるように構成されている。壁体3の凸曲部38の側端面は、突条部25の外面に沿うように傾斜している。
【0043】
このため、本実施形態の外壁構造によれば、突条部25と凸曲部38との間の隙間を目立たないようにできる。すなわち、突条部25と凸曲部38とが交差する部分においては、突条部25と凸曲部38とが、正面から見て重なっているため、仮に、突条部25と凸曲部38との間に一定以上の隙間が生じても、正面からは隙間が目立たない。
【0044】
また、本実施形態の水切り本体21には、少なくとも1つのリブ24が設けられている。リブ24は、上下方向に延びており、突条部25の左右両側にそれぞれ設けられる。各リブ24は、各壁体3の後面に接触している。
【0045】
このため、本実施形態の外壁構造によれば、万が一、壁体3の後面にまで水が浸入しても、リブ24によって水を堰き止めることができるため、防水性をより向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態の金属壁板材31の上端部には上方に突出する突起部34が設けられる。金属壁板材31の下端部には、突起部34が差し込まれる差し込み溝部41が設けられている。そして、壁下地1に固定された金属壁板材31の突起部34が、上方に配置される金属壁板材31の差し込み溝部41に差し込まれると、上方に配置される金属壁板材31が、壁下地1に固定されていない状態でも保持されるように構成されている。
【0047】
このため、本実施形態の外壁構造によれば、施工者が、万が一、施工中に上方に配置される金属壁板材31を手放してしまったとしても、直ちに金属壁板材31が落下するのを防ぎ、また、前方に倒れ込むことを防ぐことができるため、施工者は安全に作業することができる。
【0048】
また、本実施形態の金属壁板材31の差し込み溝部41は、凸曲部38の内部において、当該凸曲部38の下端から上斜め前方に向かって延出している。これにより、差し込み溝部41の壁下地1側の先端42が、壁板本体32の前面よりも前方に位置するように構成されている。
【0049】
このため、本実施形態の複数の金属壁板材31は、上下方向に連結しても、差し込み溝部41が壁下地1や水切り材2に乗り上げて浮いてしまうのを防ぐことができる。
【0050】
なお、本実施形態の外壁構造において、凸曲部38は、金属壁板材31の連結部分であったが、本発明の外壁構造においては、凸曲部38が波型の金属壁板の各凸部により構成されてもよい。また、凸曲部38の側端面は、壁面に対して傾斜していなくてもよく、例えば、壁面に対して直交してもよい。その場合、突条部25は、突出先端側に向かうほど幅狭とはならずに、突出基部から先端までが同幅に形成される。
【0051】
また、本実施形態の水切り材2に設けられた突条部25は、水切り本体21の左右方向の中央(幅に対して端から1/2の位置)に設けられていたが、左右方向のいずれかに偏った位置に設けられていてもよい。
【0052】
本実施形態の金属壁板材31は、例えば、
図11のような構造であってもよい(以下、この例を変形例という)。なお、本変形例において、上記実施形態の構成と対応する構成には、上記実施形態の符号の数字の末尾にアルファベット「a」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0053】
この金属壁板材31aは、突起部34aが、壁板本体32aの上端部から鉛直上方に突出している。また、差し込み溝部41aは、凸曲部38aの下端から鉛直上方に延出している。
【0054】
このような変形例の金属壁板材31であっても、防水性を確保しながら、部品点数をできる限り減らし、取り付けの作業性を向上させることができる。