特許第6557492号(P6557492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557492
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20190729BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20190729BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20190729BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20190729BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20190729BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20190729BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20190729BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   G09F9/00 302
   G09F9/00 313
   G09F9/00 366A
   G02F1/1333
   G02F1/1343
   G02F1/1368
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   G06F3/041 460
   G06F3/03 400F
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-66719(P2015-66719)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-136227(P2016-136227A)
(43)【公開日】2016年7月28日
【審査請求日】2017年10月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-5342(P2015-5342)
(32)【優先日】2015年1月14日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 千浩
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸治
(72)【発明者】
【氏名】古谷 直祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊彦
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−044537(JP,A)
【文献】 特開2012−047895(JP,A)
【文献】 特開2015−004719(JP,A)
【文献】 特開2012−242796(JP,A)
【文献】 特開2013−105154(JP,A)
【文献】 特開2014−016944(JP,A)
【文献】 特開2014−112185(JP,A)
【文献】 特開2008−192033(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3182382(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/102186(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/132857(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00−33/28
G06F 3/03−3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有する第1絶縁基板を備えた第1基板と、前記第1面の反対側の第2面を有する第2絶縁基板を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、を備え、前記第2面に画像を表示する表示パネルと、
第3面及び前記第3面と反対側の第4面を有し、前記第3面が前記表示パネルの前記第2面に対向するカバーガラスと、
前記表示パネルと前記カバーガラスとの間に位置する接着層と、
前記カバーガラスの前記第4面に接着された偏光板と、
前記第2絶縁基板と前記接着層との間に位置し、前記第2面に形成され、前記偏光板に接触する物体を検出する検出電極と、
前記第3面に形成され、前記検出電極よりも高抵抗であり、前記接着層に接する帯電防止層と、を備えた表示装置。
【請求項2】
前記第1基板は、前記第2基板と対向する側において、画素毎に配置された画素電極と、複数の画素電極に対向する共通電極と、前記画素電極と前記共通電極との間に介在する層間絶縁膜と、を備えた、請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1基板は、前記検出電極と対向する駆動電極を備えた、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記帯電防止層は、10Ω/□以上のシート抵抗を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記検出電極のシート抵抗値は、前記帯電防止層のシート抵抗値の1/100以下である、請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記カバーガラスは、非強化ガラスによって形成された、請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物体の接触あるいは接近を検出するタッチパネル(タッチセンサ)を備えた表示装置が実用化されている。一例では、表示パネルと、表示装置の表面側に配置されるカバーガラスとを備えたタッチパネル付きの表示装置が開示されている。表示パネルは、駆動電極とその間で静電容量を形成し入力位置を検出する検出電極等を備えている。
【0003】
上記したように、カバーガラスが表示装置の表面に配置される場合、カバーガラスが破損した際に破片が飛散する虞がある。しかし、カバーガラスを省略し、光学フィルム(偏光板)が表示装置の表面に配置される場合、物体が表示装置に接触した際に、表示装置が撓み、局所的に位相差が変化するなどの影響により、物体の接触部周辺において表示ムラが生ずる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−32437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、カバーガラスの飛散を抑制するとともに表示品位の劣化を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、
第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有し、前記第2面に画像を表示する表示パネルと、第3面及び前記第3面と反対側の第4面を有し、前記第3面が前記表示パネルの前記第2面に対向するカバーガラスと、前記表示パネルと前記カバーガラスとを接着する接着層と、前記カバーガラスの前記第4面に接着された光学フィルムと、を備えた表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した表示装置DSPの一部の構造を示す断面図である。
図3図3は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成の一例を示す図である。
図4図4は、図2に示した表示パネルの構造を示す断面図である。
図5図5は、図2(a)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフローを示す図である。
図6図6は、図2(b)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフローを示す図である。
図7図7は、図2(c)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフローを示す図である。
図8図8は、図2(d)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成を示す斜視図である。なお、本実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。この表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
【0010】
表示装置DSPは、表示パネルPNL、表示パネルPNLを照明するバックライトユニットBL、カバーガラスCG、第1光学フィルムOD1、第2光学フィルムOD2などを備えている。表示装置DSPは、タッチ検出機能を有している。
【0011】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に挟持された液晶層(後述する液晶層LC)と、を備えている。この表示パネルPNLは、例えば、バックライトユニットBLからの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型である。なお、表示パネルPNLは、透過表示機能に加えて、外光や補助光といった表示面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型であっても良い。また、表示パネルPNLは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型であっても良い。
【0012】
バックライトユニットBLは、表示パネルPNLの第1基板SUB1と対向する側に配置されている。このようなバックライトユニットBLとしては、種々の形態が適用可能である。また、光源は、発光ダイオード(LED)や冷陰極管(CCFL)などのいずれでも適用可能である。これらの詳細な構造については説明を省略する。なお、表示パネルPNLが反射表示機能のみを備えた反射型である場合には、バックライトユニットBLは省略される。
【0013】
カバーガラスCGは、表示パネルPNLの第2基板SUB2と対向する側に配置されている。第1光学フィルムOD1及び第2光学フィルムOD2は、表示パネルPNL及びカバーガラスCGを挟むように備えられている。より具体的には、第1光学フィルムOD1は、第1基板SUB1とバックライトユニットBLとの間に位置している。一例では、第1光学フィルムOD1は、第1基板SUB1に接着されている。第2光学フィルムOD2は、カバーガラスCGの表示パネルPNLと対向する側とは反対側に位置している。すなわち、第2光学フィルムOD2は、表示装置DSPの表面に位置している。一例では、第2光学フィルムOD2は、カバーガラスCGに接着されている。第1光学フィルムOD1及び第2光学フィルムOD2は、それぞれ偏光板を備え、また、必要に応じて位相差版や、視野角拡大フィルムなどの他の光学フィルムを含んでいても良い。
【0014】
図2は、図1に示した表示装置DSPの一部の構造を示す断面図である。
【0015】
図2(a)に示したように、表示装置DSPは、表示パネルPNL、検出電極RX、接着層GL、帯電防止層AS、カバーガラスCG、第1光学フィルムOD1及び第2光学フィルムOD2を備えている。
【0016】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第1基板SUB1と対向する第2基板SUB2、及び、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間の液晶層LCを備えている。第1基板SUBは、第1絶縁基板10、駆動電極TXなどを備えている。第2基板SUB2は、第2絶縁基板20、カラーフィルタCFなどを備えている。表示パネルPNLは、第1面である面Aと、面Aの反対側の第2面である面Bを有している。表示パネルPNLの面Bは、画像を表示する表示面に相当する。表示パネルPNLのより具体的な構造については後述する。
【0017】
駆動電極TXはタッチ検出を行うための駆動電極とされ、表示のための共通電極を兼ねることもできる。ミューチュアル検出方式では、検出電極RXは駆動電極TXと対向して配置されタッチに関する信号を出力する。また、セルフ検出方式では、検出電極RXあるいは駆動電極TXのいずれかを省略し、同一層の電極でタッチ検出を行う構成としてもよい。
【0018】
カバーガラスCGは、第3面である面Cと、面Cの反対側の第4面である面Dを有している。表示パネルPNLの面BとカバーガラスCGの面Cは対向している。カバーガラスCGは、透明なガラス板であり、第1絶縁基板10及び第2絶縁基板20よりも厚く形成されている。一例では、カバーガラスCGは約1mm程度の厚さを有し、第1絶縁基板10及び第2絶縁基板20は0.1mm〜0.6mm程度の厚さを有している。例えば、表示装置DSPが車載装置に適用される場合には第1絶縁基板10及び第2絶縁基板20は0.5mm〜0.6mm程度の厚さを有し、また、表示装置DSPが携帯端末機に適用される場合には第1絶縁基板10及び第2絶縁基板20は0.1mm〜0.2mm程度の厚さを有する。
【0019】
カバーガラスCGは、破壊耐性を向上させる処理が施された強化ガラス、あるいは、非強化ガラスによって形成されている。強化ガラスとしては、例えば、ガラス表面に圧縮応力層が形成された物理強化ガラスや化学強化ガラスなどが挙げられる。圧縮応力層は、ガラス割れの要因となる引張応力と拮抗して作用する圧縮応力を有している。物理強化ガラスの圧縮応力層は、軟化温度付近まで加熱したガラスを急冷させることにより形成され、その厚さはガラスの肉厚の約1/5程度である。物理強化ガラスの圧縮応力値は、例えば、100〜150MPa程度である。化学強化ガラスの圧縮応力層は、ソーダ石灰ガラスを300℃〜500℃の硝酸カリウムの溶融槽に入れ、ガラス表面に含まれるナトリウムイオンと溶融槽中のカリウムイオンが置換することにより形成される。化学強化ガラスの圧縮応力値は、例えば、300〜800MPaであるが、化学強化ガラスの圧縮応力層は、物理強化ガラスの圧縮応力層に比べて薄く形成されている。例えば、化学強化ガラスの圧縮応力層の厚さは、10〜100μm程度である。物理強化は、例えば、厚さ約3mm以上の単純形状のガラスに適している。化学強化は、ガラスの形状・厚さを問わず適用可能である。そのため、薄型化が要求される表示装置DSPにおいては、カバーガラスCGとして化学強化ガラスを適用するのがより好ましい。
【0020】
一方で、非強化ガラスは、強化ガラスのような処理が施されていないガラスであり、強化ガラスと比べて安価である。非強化ガラスは、化学強化ガラスと比べて、その表面にカリウムイオンがほとんど存在しない(あるいはナトリウムイオンがカリウムイオンよりも多く存在する)。また、非強化ガラスは、その表面に圧縮応力層をほとんど有していないし、その強度は50MPa程度である。なお、圧縮応力層の深さ及び圧縮応力値は、表面応力測定装置(例えば、折原製作所製の表面応力計FSM−6000)を用いて測定可能である。
【0021】
検出電極RXは、表示パネルPNLとカバーガラスCGとの間に位置している。図示した例では、検出電極RXは、表示パネルPNLの面Bに形成されている。検出電極RXは、第2光学フィルムOD2に接近または接触する物体を検出する機能を有している。このような検出電極RXは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料、あるいは、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステンなどの金属細線によって形成されている。
【0022】
帯電防止層ASは、表示パネルPNLとカバーガラスCGとの間に位置している。図示した例では、帯電防止層ASは、カバーガラスCGの面Cに形成されている。帯電防止層ASは、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。帯電防止層ASは、検出電極RXよりも高抵抗であり、一例では10Ω/□以上のシート抵抗を有する材料によって形成され、より好ましくは10〜1011Ω/□程度のシート抵抗を有する材料によって形成されている。なお、検出電極RXのシート抵抗値は、帯電防止層ASのシート抵抗値の1/100以下であることが望ましい。一例では、検出電極RXは、数十〜数百Ω/□のシート抵抗値を有している。従って、検出電極RXと帯電防止層ASが接触している実施例においても検出電極RXは正常に動作することが可能となり、帯電した電荷は検出電極RXを介して外部に放電することが可能となる。
【0023】
接着層GLは、表示パネルPNLとカバーガラスCGとを接着している。図示した例では、接着層GLは、帯電防止層ASと検出電極RXとの間に位置している。接着層GLは、透明な有機系材料等によって形成され、一例では、光硬化型樹脂材料、あるいは、熱硬化型樹脂材料によって形成されている。なお、接着層GLが導電性を有していてもよく、この場合には、接着層GLが帯電防止層としても機能する。
【0024】
第1光学フィルムOD1は、第1偏光板POL1を備え、表示パネルPNLの面Aに接着されている。第2光学フィルムOD2は、第2偏光板POL2を備え、カバーガラスCGの面Dに接着されている。
【0025】
図2(b)に示す構成は、図2(a)に示す構成と比較すると、接着層GL及び帯電防止層ASの積層関係が相違している。すなわち、帯電防止層ASは、検出電極RXに積層されている。接着層GLは、カバーガラスCGの面Cと帯電防止層ASとの間に位置している。検出電極RX及び帯電防止層ASは互いに接しているが、上記の通り、帯電防止層ASが検出電極RXよりも十分に高抵抗に形成されているため、検出電極RXによる物体の検出に影響を及ぼすことはない。
【0026】
図2(c)に示す構成は、図2(a)に示す構成と比較すると、帯電防止層ASが形成されていない点で相違している。すなわち、接着層GLは、カバーガラスCGの面Cと検出電極RXとの間に位置している。この場合、接着層GLは、上記の帯電防止層ASと同等のシート抵抗を有することが望ましい。つまり、接着層GLは、帯電防止層ASとしての機能を有することが望ましい。
【0027】
図2(d)に示す構成は、図2(a)に示す構成と比較すると、検出電極RX、接着層GL、帯電防止層ASの積層関係が相違している。すなわち、帯電防止層ASは、表示パネルPNLの面Bに形成されている。検出電極RXは、帯電防止層ASに積層されている。接着層GLは、カバーガラスCGの面Cと検出電極RXとの間に位置している。
【0028】
なお、図2(a)、図2(b)、図2(d)に示した構成においては、接着層GLを省略してもよい。例えば、接着層GLを省略した場合、図2(a)に示した構成においては検出電極RXと帯電防止層ASとが密着し、図2(b)に示した構成においては帯電防止層ASとカバーガラスCGとが密着し、図2(d)に示した構成においては検出電極RXとカバーガラスCGとが密着する。また、図2(a)、図2(b)、図2(d)に示した構成においては、接着層GLを空気層に置換しても良い。また、図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)に示した構成において検出電極RXを有しない構成としてもよい。
また、帯電防止層ASはフローティングとすることもできるし、接地電位等の所定の電位に固定することもできる。
【0029】
図3は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成の一例を示す図である。
【0030】
表示装置DSPは、制御部111、ゲートドライバ112、ソースドライバ113、駆動電極ドライバ114、タッチ検出機能付き表示デバイス110、タッチ検出部140を備えている。
【0031】
制御部111は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ112、ソースドライバ113、駆動電極ドライバ114、及びタッチ検出部140に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路に相当する。
【0032】
ゲートドライバ112は、制御部111から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス110の表示駆動の対象となる画素PXの1行を順次選択する機能を有している。ソースドライバ113は、制御部111から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス110の各画素PXに画素信号Vpxを供給する回路に相当する。駆動電極ドライバ114は、制御部111から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス110の駆動電極TX(あるいは共通電極CE)にセンサ駆動信号Vtxあるいはコモン駆動信号Vcomを供給する回路である。
【0033】
タッチ検出機能付き表示デバイス110は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス110は、表示素子として液晶表示素子を備えた液晶表示デバイス120、静電容量式のタッチ検出デバイス130を備えている。液晶表示デバイス120及びタッチ検出デバイス130は、一体化されている。なお、液晶表示デバイス120は、図2の表示パネルPNLを含んでおり、タッチ検出デバイス130は、図2の検出電極RXを含んでいる。
【0034】
液晶表示デバイス120は、ゲートドライバ112と電気的に接続されたゲート線G、ソースドライバ113と電気的に接続されたソース線S、画素PXにおいてゲート線G及びソース線Sと電気的に接続されたスイッチング素子SW、スイッチング素子SWと電気的に接続された画素電極PE、及び、画素電極PEと対向する共通電極CEを備えている。
【0035】
まず、液晶表示デバイス120において、画像を表示するための動作について簡単に説明する。ゲートドライバ112は、走査信号Vscanを、ゲート線Gを介して、画素PXのスイッチング素子SWのゲート電極に印加する。これにより、液晶表示デバイス120にマトリックス状に形成されている画素PXのうちの1行に相当する1水平ラインが表示駆動の対象として順次選択される。ソースドライバ113は、画素信号Vpxを、ソース線Sを介して、ゲートドライバ112により順次選択される1水平ラインを構成する各画素PXにそれぞれ供給する。駆動電極ドライバ114は、共通電極CEに対して、コモン駆動信号Vcomを供給する。そして、各画素PXでは、画素信号Vpxとコモン駆動信号Vcomとの電位差に応じて、1水平ラインの画素PXの表示が行われる。
【0036】
次に、液晶表示デバイス120において、タッチ検出動作について簡単に説明する。駆動電極ドライバ114は、駆動電極TXに対して、センサ駆動信号Vtxを時分割的に順次印加する。そして、タッチ検出デバイス130は、複数の検出電極RXから、そのセンサ駆動信号Vtxに基づくタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出部140に供給する。タッチ検出信号Vdetに基づいたタッチ検出の有無の検出については、後述するタッチ検出部140において行われる。複数の検出電極RXは所定のインピーダンスRで接地されている。尚、複数の検出電極RXは所定のインピーダンスRで接地しない構成とすることも可能である。
【0037】
タッチ検出部140は、制御部111から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス110のタッチ検出デバイス130から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス130に対するタッチの有無を検出する。タッチ検出部140は、タッチ検出デバイス130に対してタッチがあった場合には、タッチ検出領域における座標等を算出する。このタッチ検出部140は、アナログLPF(Low Pass Filter)部142、A/D変換部143、信号処理部144、座標抽出部145、検出タイミング制御部146を備えている。
【0038】
アナログLPF部142は、タッチ検出デバイス130から供給されるタッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタである。アナログLPF部142の入力端子のそれぞれと、接地との間には、直流電位(0V)を与えるための抵抗Rが接続されている。なお、この抵抗Rに代えて、例えばスイッチを設け、所定の時間にこのスイッチをオン状態にすることにより直流電位(0V)を与えるようにしてもよい。
【0039】
A/D変換部143は、センサ駆動信号Vtxに同期したタイミングで、アナログLPF部142から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。信号処理部144は、A/D変換部143の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス130に対するタッチの有無を検出する論理回路である。座標抽出部145は、信号処理部144においてタッチ有の検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部146は、これらの回路が同期して動作するように制御する。
【0040】
図4は、図2に示した表示パネルPNLの構造を示す断面図である。
【0041】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び、液晶層LCを備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2とは所定の間隙を形成した状態で貼り合わされている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間の間隙に封入されている。
【0042】
第1基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する第1絶縁基板10を用いて形成されている。第1基板SUB1は、第1絶縁基板10の第2基板SUB2に対向する側に、図示しないゲート線及びスイッチング素子の他に、ソース線S、共通電極CE、画素電極PE、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第1配向膜AL1などを備えている。
【0043】
第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上に配置されている。ソース線Sは、第1絶縁膜11の上に形成されている。また、スイッチング素子のソース電極及びドレイン電極なども第1絶縁膜11の上に形成されている。
【0044】
第2絶縁膜12は、ソース線S及び第1絶縁膜11の上に配置されている。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置され、第2絶縁膜12の上に形成されている。共通電極CEは、図2に示した駆動電極TXに相当する。
【0045】
第3絶縁膜13は、共通電極CE及び第2絶縁膜12の上に配置されている。画素電極PEは、画素PX毎に配置され、第3絶縁膜13の上に形成されている。各画素電極PEは、隣接するソース線Sの間にそれぞれ位置し、共通電極CEと対向している。また、各画素電極PEは、共通電極CEと対向する位置にスリットSLを有している。このような画素電極PE及び共通電極CEは、例えば、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。第1配向膜AL1は、画素電極PE及び第3絶縁膜13を覆っている。
【0046】
一方、第2基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する第2絶縁基板20を用いて形成されている。第2基板SUB2は、第2絶縁基板20の第1基板SUB1に対向する側に、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
【0047】
遮光層BMは、第2絶縁基板20の内面に形成され、各画素を区画している。カラーフィルタCFR、CFG、CFBは、それぞれ第2絶縁基板20の内面に形成され、それらの一部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFRは、赤色画素に配置された赤色カラーフィルタであり、赤色の樹脂材料によって形成されている。カラーフィルタCFGは、緑色画素に配置された緑色カラーフィルタであり、緑色の樹脂材料によって形成されている。カラーフィルタCFBは、青色画素に配置された青色カラーフィルタであり、青色の樹脂材料によって形成されている。図示した例は、カラー画像を構成する最小単位である単位画素が赤色画素、緑色画素、及び、青色画素の3個の色画素によって構成された場合に相当する。但し、単位画素は、上記の3個の色画素の組み合わせによるものに限らない。例えば、単位画素は、赤色画素、緑色画素、青色画素に加えて、白色画素の4個の色画素によって構成されても良い。この場合、白色あるいは透明のカラーフィルタが白色画素に配置されても良いし、白色画素のカラーフィルタそのものを省略しても良い。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。
【0048】
図示した表示パネルPNLは、第1基板SUB1に画素電極PE及び共通電極CEの双方が備えられ、主として基板主面に略平行な横電界を利用するモードに対応した構成を有している。但し、表示パネルPNLの構成は図示した例に限らない。例えば、表示パネルPNLは、主として基板主面に交差する向きに生じる縦電界を利用する表示モードに対応した構成を有していても良い。縦電界を利用する表示モードでは、例えば第1基板SUB1に画素電極PEが備えられ、第2基板SUB2に共通電極CEが備えられた構成が適用可能である。なお、ここでの基板主面とは、互いに直交する第1方向Xと第2方向Yとで規定されるX−Y平面と平行な面である。
【0049】
本実施形態によれば、第2光学フィルムOD2はカバーガラスCGの面Dに備えられている。つまり、第2光学フィルムOD2は、表示装置DSPの表面に配置されている。したがって、表示装置DSPに衝撃が加わってカバーガラスCGが破損したとしても、破損したカバーガラスCGの破片が表示装置DSPを観察している観察者側に飛散するのを抑制することが可能である。また、破損したカバーガラスCGは、第2光学フィルムOD2によって覆われているため、カバーガラスCGの破片が観察者側に向かって露出するのを抑制することが可能である。さらに、表示装置に必要とされる光学フィルムがカバーガラスCGの飛散を抑制しているため、カバーガラスCGの飛散を抑制するために新たな部材を形成する必要がなく、また、カバーガラスCGに安価な非強化ガラスを用いることができ、低コスト化が可能である。
【0050】
また、接近または接触する物体を検出する機能を兼ね備えた表示装置DSPにおいては、表示パネルPNLがその表示面側でカバーガラスCGによって支持されているため、表示装置DSPの表面に物体が接触した際に、表示パネルが撓むなどの変形を抑制することが可能となる。このため、表示装置DSPにおいて局所的に位相差が変化するなどの影響を低減することができ、物体の接触部付近での表示ムラの発生を抑制することが可能となる。したがって、表示品位の劣化を抑制することが可能となる。
【0051】
また、第2光学フィルムOD2は、カバーガラスCGの第4面Dに接着されており、接着層GLに接触することはない。このため、第2光学フィルムOD2が接着層GLによって汚染されたり、化学変化することで変質したり、破損したりすることがなくなる。したがって、第2光学フィルムOD2を構成する材料の選択肢が増え、より安価な材料で形成することが可能となる。また、第2光学フィルムOD2の劣化等を考慮する必要がなくなるため、接着層GLの材料の選択肢が増え、より安価な材料で形成することが可能となる。
【0052】
さらに、本実施形態によれば、検出電極RXより表示面側に位置するカバーガラスCGは、1mm程度の厚みを有している。そのため、第2光学フィルムOD2側から静電気放電を受けたとしても、静電気がカバーガラスCGの厚み方向に侵入する以前にカバーガラスCGの面方向に分散する。また、静電気がカバーガラスCGを介して検出電極RXに到達したとしても、検出電極RXの面方向に分散する。このため、表示パネルPNLへの静電気の到達を抑制することができる。したがって、検出電極RXや表示パネルPNLに実装あるいは接続された回路、表示パネルPNLに内蔵された回路などの静電気破壊を防ぐことが可能である。
【0053】
次に、表示装置DSPの製造工程について説明する。
【0054】
図5乃至図8は、それぞれ図2(a)乃至(d)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフローを示す図である。ここでは、図示した工程について説明し、それ以外の工程については詳しい説明を省略する。
【0055】
図5は、図2(a)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフロー(a)を示す図である。まず、図5に示される第1基板SUB1の製造工程(A)について説明する。図4で示したように、第1絶縁基板10上に、第1絶縁膜11、ソース線S、第2絶縁膜12等が順次形成される。なお、図示しないゲート線及びスイッチング素子についても第2絶縁膜12が形成される以前に形成される。その後、プロセスPR10において、駆動電極TXが形成される。すなわち、第2絶縁膜12の上に、ITOをスパッタ成膜した後、ITO膜の上にレジストを塗布し、マスク露光にてレジストをパターニングする。その後、レジストをマスクとしてITO膜をエッチングし、レジストを剥離する。これにより、所望のパターンの駆動電極TXが形成される。プロセスPR10の後に、第3絶縁膜13、画素電極PE、第1配向膜AL1等が形成され、第1基板SUB1が製造される。
【0056】
次に、図5に示される第2基板SUB2の製造工程(B)について説明する。プロセスPR20においては、第2絶縁基板20の面Bに検出電極RXが形成される。すなわち、第2絶縁基板20の面BにITOをスパッタ成膜した後、上記の駆動電極TXと同様にパターニングすることにより、所望のパターンの検出電極RXが形成される。その後、第2絶縁基板20の面Bと反対の面に、遮光層BMが形成される。その後、プロセスPR22において、カラーフィルタCFが形成される。すなわち、赤色に着色された樹脂膜、緑色に着色された樹脂膜、及び、青色に着色された樹脂膜などをそれぞれスピンコート法により塗布した後に所望の形状にパターニングする。これにより、カラーフィルタCFが形成される。プロセスPR22の後に、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2が形成され、第2基板SUB2が製造される。この第2基板SUB2の製造工程(B)では、基板の帯電を抑制するために、導電膜である検出電極RXを先行して形成することが望ましい。なお、薄型の表示装置DSPを製造する場合、例えば第1基板SUB1及び第2基板SUB2を貼り合せた後に第1絶縁基板10及び第2絶縁基板20の表面を研磨する。このような研磨工程を経て表示装置DSPを製造する場合には、プロセスPR20において面Bに導電膜を形成し、研磨工程の後に検出電極RXが形成される。
【0057】
次に、カバーガラスCGの製造工程(C)に示すように、プロセスPR30において、カバーガラスCGの面Cに、ITOをスパッタ成膜し、帯電防止層ASが形成される。
【0058】
次に、表示パネルPNLの製造工程(D)に示すように、プロセスPR40において、第1基板SUB1と、第2基板SUB2とをシール材によって貼り合わせ、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に液晶層LCを形成する。この際、液晶層LCは、滴下注入法によって形成しても良いし、真空注入法によって形成しても良い。
【0059】
滴下注入法が適用される場合、まず、第1基板SUB1もしくは第2基板SUB2に、ディスペンサもしくはスクリーン印刷版を用いてシール材をループ状に塗布する。その後、真空中において、シール材によって囲まれた内側の領域に液晶材料を滴下する。その後、第2基板SUB2と、第1基板SUB1とを真空中で重ねて貼り合わせ、真空中に大気を導入することにより、第1基板SUB1及び第2基板SUB2間の内部と外部との圧力差によってシール材が潰れ、第1基板SUB1及び第2基板SUB2との間に液晶材料が広がり、所定のセルギャップに液晶層LQが形成される。その後、シール材に紫外線を照射する、もしくは、シール材を加熱することにより、シール材を硬化させる。
【0060】
真空注入法が適用される場合、まず、第1基板SUB1もしくは第2基板SUB2に、ディスペンサもしくはスクリーン印刷版を用いてシール材を塗布する。このとき、シール材は、液晶注入口を形成するように塗布される。その後、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを重ねて貼り合わせ、シール材に紫外線を照射する、もしくは、シール材を加熱することにより、シール材を硬化させる。その後、第1基板SUB1及び第2基板SUB2間の内部を真空とし、液晶注入口から液晶材料を注入する。その後、液晶注入口を封止材によって封止する。
以上の工程がプロセスPR40に相当する。
【0061】
複数の第1基板SUB1を一括して形成した第1マザー基板と、複数の第2基板SUB2を一括して形成した第2マザー基板とを適用する場合には、第1マザー基板と第2マザー基板とを貼り合わせた後にそれぞれカットされ、表示パネルPNLが製造される。なお、第1マザー基板及び第2マザー基板をそれぞれカットした後に、単個の第1基板及び第2基板を貼り合せても良い。
【0062】
次に、プロセスPR42において、接着層GLを塗布し、カバーガラスCG及び表示パネルPNLを接着する。接着層GLは、カバーガラスCGの帯電防止層AS上、あるいは、表示パネルPNLの検出電極RX上のどちらに塗布されても良い。
【0063】
次に、プロセスPR44において、第2光学フィルムOD2をカバーガラスCGの面Dに接着する。なお、第1光学フィルムOD1については、プロセスPR44で接着されても良いし、他のプロセスやその前後で接着されても良い。
【0064】
図6は、図2(b)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフロー(b)を示す図である。
【0065】
プロセスフロー(b)は、図5に示したプロセスフロー(a)と比べると、カバーガラスCGの製造工程(C)におけるプロセスPR30の帯電防止層ASの形成に替わり、第2基板SUB2の製造工程(B)においてプロセスPR21の帯電防止層ASの形成が行われる点で相違している。プロセスPR21における帯電防止層ASの形成方法は、図5のプロセスPR30で説明した通りである。プロセスPR21は、プロセスPR20の後に行われる。すなわち、帯電防止層ASは、検出電極RX上に形成される。
【0066】
なお、プロセスPR42においては、接着層GLは、カバーガラスCGの帯電防止層AS上、あるいは、表示パネルPNLの面B上のどちらに塗布されても良い。
【0067】
図7は、図2(c)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフロー(c)を示す図である。
【0068】
プロセスフロー(c)は、図5に示したプロセスフロー(a)と比べると、カバーガラスCGの製造工程(C)におけるプロセスPR30の帯電防止層ASの形成に替わり、表示パネルPNLの製造工程(D)におけるプロセスPR42において導電性接着層GLの塗布が行われる点で相違している。つまり、プロセスフロー(c)においては、帯電防止層ASが形成されず、接着層GLが、帯電防止層ASと同等の機能を有することが望ましい。
【0069】
なお、プロセスPR42においては、接着層GLは、カバーガラスCGの面C上、あるいは、表示パネルPNLの検出電極RX上のどちらに塗布されても良い。
【0070】
図8は、図2(d)に示した断面を有する表示装置DSPを製造するためのプロセスフロー(d)を示す図である。
【0071】
プロセスフロー(d)は、図5に示したプロセスフロー(a)と比べると、カバーガラスCGの製造工程(C)におけるプロセスPR30の帯電防止層ASの形成に替わり、第2基板SUB2の製造工程(B)においてプロセスPR19の帯電防止層ASの形成が行われる点で相違している。プロセスPR21における帯電防止層ASの形成方法は、図5のプロセスPR30で説明した通りである。プロセスPR19は、プロセスPR20の前に行われる。すなわち、帯電防止層ASは表示パネルPNLの面Bに形成され、検出電極RXは帯電防止層ASの上に形成される。
【0072】
なお、プロセスPR42においては、接着層GLは、カバーガラスCGの面C上、あるいは、表示パネルPNLの検出電極RX上のどちらに塗布されても良い。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、カバーガラスの飛散を抑制するとともに表示品位の劣化を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0074】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
DSP…表示装置
PNL…表示パネル SUB1…第1基板 SUB2…第2基板 LC…液晶層
CG…カバーガラス
GL…接着層
OD1…第1光学フィルム
OD2…第2光学フィルム
RX…検出電極
AS…帯電防止層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8