特許第6557500号(P6557500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6557500ボトル給液システム及びボトルキャップアダプター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557500
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】ボトル給液システム及びボトルキャップアダプター
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20190729BHJP
   B67D 3/02 20060101ALI20190729BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20190729BHJP
   B65D 25/48 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   B67D3/00 E
   B67D3/00 J
   B67D3/02 C
   H01L21/30 564Z
   B65D25/48 Z
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-80868(P2015-80868)
(22)【出願日】2015年4月10日
(65)【公開番号】特開2016-172587(P2016-172587A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2018年2月28日
(31)【優先権主張番号】14164392.4
(32)【優先日】2014年4月11日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】特願2015-57236(P2015-57236)
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】312002635
【氏名又は名称】スス マイクロテク リソグラフィー,ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100152319
【弁理士】
【氏名又は名称】曽我 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】オリバー,トライチェル
(72)【発明者】
【氏名】スアイビ,カルタル
(72)【発明者】
【氏名】カデル,メキアス
(72)【発明者】
【氏名】アーロン,フォーリー
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ,ジョージ
【審査官】 小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−076814(JP,A)
【文献】 特開2011−233789(JP,A)
【文献】 特開2011−079554(JP,A)
【文献】 特開2009−120221(JP,A)
【文献】 特開2008−100713(JP,A)
【文献】 特開平07−181825(JP,A)
【文献】 特開平07−000274(JP,A)
【文献】 特開昭59−000305(JP,A)
【文献】 実開昭53−131216(JP,U)
【文献】 実開昭48−012635(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0092286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 3/00− 3/02, 7/76
B65D 25/48
H01L 21/027
B05C 11/10
G03F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体である粘性液体を供給するボトルキャップアダプター(100)であって、
本体部(101)と、
第1の開口(131)及び第2の開口を有する脱気管(130)であって、前記第1の開口(131)は、ボトルの内側の、該ボトルの底部の近位に配置されるように構成されている脱気管と、
を備え、
前記本体部(101)は、第1の表面(110)及び第2の表面(111)を更に有し、該第1の表面(110)は、前記脱気管(130)に対して垂直であり、前記第2の表面(111)は、前記第1の表面(110)に対して、平行又は傾斜しており、
前記本体部(101)は、前記第1の表面(110)から前記第2の表面(111)にかけてチャネル(C)を更に有し、
前記チャネル(C)の少なくとも一部は、前記第2の表面(111)まで延びるコネクタ(112)を有し、該コネクタ(112)は、前記ボトルのコネクタに対して相補的であり、
前記本体部(101)は、ボトル給液システム(200)に結合されるように更に構成されており、
前記脱気管(130)は、前記本体部(101)の前記チャネル(C)内に少なくとも部分的に位置する、ボトルキャップアダプターであって、
該ボトルキャップアダプターは、前記ボトルの装着中には、前記脱気管(130)の前記第2の開口をシールするように構成されているとともに、前記ボトルから前記ボトル給液システム(200)への液体の分注中には、前記第2の開口をシール解除するように構成されているプランジャー(134)を更に備え、該プランジャー(134)は、前記ボトルの装着中には、前記本体部(101)の液路を閉鎖するように更に構成されているとともに、前記ボトルから前記ボトル給液システム(200)への液体の分注中には、前記液路を開放するように構成されている、ボトルキャップアダプター。
【請求項2】
請求項1に記載のボトルキャップアダプター(100)であって、前記ボトルの装着中には、前記脱気管(130)の前記第1の開口(131)をシールするように構成されているとともに、前記ボトルから前記ボトル給液システム(200)への液体の分注中には、前記第1の開口(131)をシール解除するように構成されている脱気管ヘッド部(133)を更に備える、ボトルキャップアダプター。
【請求項3】
請求項2に記載のボトルキャップアダプター(100)であって、前記脱気管(130)は、前記脱気管ヘッド部(133)と前記プランジャー(134)とを接続するように構成されているシャフト(132)を更に備え、それにより、前記脱気管ヘッド部(133)が、前記第2の開口のシール及びシール解除、並びに前記液路の閉鎖及び開放それぞれと同期して、前記脱気管(130)の前記第1の開口(131)をシール及びシール解除するように構成されている、ボトルキャップアダプター。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のボトルキャップアダプター(100)であって、前記本体部(101)は、上部(113)と、中間部(114)と、下部(115)とを含み、前記上部(113)は、前記第2の表面(111)を有し、前記下部(115)は、前記第1の表面(110)を有し、前記中間部(114)は、前記上部(113)と前記下部(115)との間に位置する、ボトルキャップアダプター。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のボトルキャップアダプター(100)であって、前記脱気管(130)は、上部管(135)及び下部管(136)を含み、前記上部管(135)は、前記第1の開口(131)を有し、前記下部管(136)は、前記脱気管(130)の前記第2の開口を有する、ボトルキャップアダプター。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のボトルキャップアダプター(100)であって、前記本体部(101)は、該ボトルキャップアダプター(100)を前記ボトル給液システム(200)と位置合わせする位置合わせピン(116)を更に含む、ボトルキャップアダプター。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のボトルキャップアダプター(100)であって、前記第2の表面(111)は、第1の表面(110)に対し、0度より大きい角度〜40度の角度で傾斜している、ボトルキャップアダプター。
【請求項8】
液体である粘性液体を供給するボトル給液システム(200)であって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のボトルキャップアダプター(100)、前記ボトルキャップアダプター(100)を収容するように構成されている頂部(210)と、
前記ボトルキャップアダプター(100)に挿入されたボトルから、或る量の液体を受け取るように構成されているリザーバー(221)を含むとともに、前記ボトル内の液位を測定するように構成されている圧力センサー(222)を含む底部(220)と、
前記リザーバー(221)に接続されている出力(230)と、
を備える、ボトル給液システム。
【請求項9】
請求項8に記載のボトル給液システム(200)であって、前記リザーバー(221)に接続されているとともに、前記液体中に発生した気泡を、前記リザーバーからパージ管(241)に移送させるように構成されている気泡パージポート(240)を更に備える、ボトル給液システム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のボトル給液システム(200)であって、該ボトル給液システム(200)に挿入された場合、前記ボトルを保持及び/又は支持するように構成されている保持器(250)を更に備える、ボトル給液システム。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載のボトル給液システム(200)であって、前記ボトルキャップアダプター(100)が該ボトル給液システム(200)と適切に位置合わせされているか否かを、前記ボトルキャップアダプター(100)の位置合わせピン(116)を用いて測定するように構成されている位置合わせセンサー(260)を更に備える、ボトル給液システム。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載のボトル給液システム(200)であって、該ボトル給液システムは、ロックセンサー(270)及び摺動プレート(280)を更に備え、該摺動プレート(280)は、前記ボトルキャップアダプター(100)を該ボトル給液システム(200)に固定するように構成されており、前記ロックセンサー(270)は、前記ボトルキャップアダプター(100)が該ボトル給液システム(200)に適切に固定されているか否かを測定するように構成されている、ボトル給液システム。
【請求項13】
請求項8〜11のいずれか1項に記載のボトル給液システム(200)であって、前記リザーバー(221)の中央に位置する、及び/又は、前記ボトルキャップアダプター(100)の脱気管(130)のプランジャー(134)を作動させ、それにより、前記脱気管(130)の開口をシール若しくはシール解除するとともに、前記ボトルキャップアダプター(100)の本体部(101)の液路を開放若しくは閉鎖するように構成されているピン(290)を更に備える、ボトル給液システム。
【請求項14】
請求項8〜12のいずれか1項に記載のボトル給液システム(200)であって、前記圧力センサー(222)は、前記リザーバー(221)の前記底部側に位置し、前記圧力センサー(222)は、前記リザーバー(221)及び前記ボトルの液柱による圧力を測定することによって前記ボトル内の液位を測定するように構成されている、ボトル給液システム。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のボトルキャップアダプター(100)と、請求項8〜14のいずれか1項に記載のボトル給液システム(200)とを備える液体を供給するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルキャップアダプター、ボトル給液システム、並びに、ボトルキャップアダプター及びボトル給液システムを備える液体を供給するシステムに関する。ボトルキャップアダプター及びボトル給液システムの双方は、特に、粘性液体、例えばフォトリソグラフィーに用いるフォトレジストに適用される。
【背景技術】
【0002】
高コストの光化学物質(photochemicals)、例えばフォトレジストは、プロセスにおいて、物質全部を最後の一滴まで使用することを必要とする。現行のシステムは、液体、例えば光化学物質のボトルからその液体を抜き出すのに、ディップチューブに依拠する。このことによって、常に、底部にある少しの割合の液体が無駄になる。
【0003】
さらに、ボトルから液体を抜き出すのにディップチューブに依拠する現行のシステムは、ボトルの交換に関して次の問題がある。すなわち、管の底部に気泡が取り込まれる可能性があり、気泡は、次にプロセスラインに移送される場合がある。気泡は、パージされない場合、損失及び製造コスト増大につながるプロセス不具合を引き起こす。このような不具合を回避する一般的な方法は、ボトルの交換ごとに、続いてバブルトラップによって気泡をパージすることであるが、そうしなければプロセスに使用することができた化学物質の更なる無駄が生じる。
【0004】
容器から、流体の略99 %を抜き出すことができる他のシステムが存在する。しかし、これらの容器は、ATMI/NOW社提供のいわゆる「NOWPACK」等の高価なパッケージシステムにのみ適している。
【0005】
倒立ボトルシステムが、Phenix Semicron社によって提供されている。しかし、このシステムは、かなり嵩高であり、通常のコーターモジュール及び/又はデベロッパーモジュールにおいて提供することができる空間よりも大きい空間を既存のツール内に必要とする可能性がある。さらに、Phenix Sem社による倒立ボトルシステムは、粘性がより低い材料に特に好適であり、調節しなければ、粘性のより高い材料とは良好に機能しない可能性がある。
【0006】
さらに、従来のシステムは、空検出システムを用いること(これもまた液体の無駄及びプロセスラインへの気泡混入が起こる可能性を増大させる)、又は、液位の連続的な標示を提供する目盛りを用いることによって、ボトルに残留している流体の液位を示す。しかし、従来のスケールシステムは、セッティングごとに異なる管(tubing)によって負荷がかかると、いくつかの問題を起こす傾向があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主旨は、フォトレジストをボトルから汲み出す代わりに、ボトルを倒立させる、すなわちボトルを逆さにすることである。この構成により、フォトレジストは、ポンプを用いるのではなく重力によって供給され、そのため、汲出し中の気泡の発生が初めから排除される。さらに、光化学物質、例えばフォトレジストは、まずリザーバーに送られるので、リザーバーの緩衝容積によって、ボトルの交換中の給液の中断が起こらなくなる。脱気管(vent tube)によって、特にボトルの交換中のボトルの更なる脱気が不要になる。
【0008】
本発明の目的は、液体を供給するボトルキャップアダプター、ボトル給液システム、並びに、ボトルキャップアダプター及びボトル給液システムを備える液体を供給するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のこの目的は、独立請求項の特徴部によって達成される。従属請求項は、好ましい実施形態に関する。
【0010】
本発明は、液体、特に粘性液体を供給するボトルキャップアダプターに関する。このボトルキャップアダプターは、本体部と、第1の開口及び第2の開口を有する脱気管であって、第1の開口は、ボトルの内側の、このボトルの底部の近位に配置されるように構成されている脱気管とを備える。本体部は、第1の表面及び第2の表面を更に有する。この第1の表面は、脱気管に対して垂直であり、第2の表面は、第1の表面に対して、例えば、0度〜40度の角度で、平行である又は傾斜している。換言すれば、xyzデカルト座標系において、脱気管がz方向に向き、第1の表面がx-y平面にある場合、第2の表面は、x方向又はy方向において或る角度で、第1の表面に対して、平行又は傾斜している。本体部は、第1の表面から第2の表面にかけてチャネルを更に有する。このチャネルの少なくとも一部は、第2の表面まで延びるコネクタを有する。このコネクタは、ボトルのコネクタに対して相補的である。本体部は、ボトル給液システムに結合されるように更に構成されている。脱気管は、本体部のチャネル内に少なくとも部分的に位置する。
【0011】
チャネルに構成されるコネクタは、ボトルの対応するねじ式閉鎖部(screw-closure)の雄ねじを受けるように構成されている雌ねじであることが好ましい。代替形態として、ボトルが、例えばすり合わせ接合部(groundglass joint)を有する場合、コネクタは、対応する雌すり合わせ接合部であることができる。
【0012】
供給される液体は、フォトレジスト、又は、フォトリソグラフィープロセスにおいて、特に、マイクロストラクチャーの分野で使用することができる任意の他の液体とすることができることが好ましい。ボトルキャップアダプターは、ボトルに直立位置で設置することができるとともに、反転操作及び設置操作中の液体漏出を回避するようにシールすることができることが好ましい。
【0013】
チャネルのコネクタの内端部のそれぞれのリセスには、シールが挿入され、それにより、本体部のコネクタに接続された場合、このシールによってボトルの相補的なコネクタヘッド部がシールされることが好ましい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記ボトルキャップアダプターは、前記ボトルの装着中には、前記脱気管の前記第1の開口をシールするように構成されているとともに、前記ボトルから前記ボトル給液システムへの液体の分注中には、前記第1の開口をシール解除するように構成されている脱気管ヘッド部を更に備える。
【0015】
換言すれば、脱気管は、ボトルキャップアダプターの設置中には閉鎖することができ、反転操作が行われた後にのみ開放することができ、ボトルは、使用の際、ベース上に置くことができる。
【0016】
脱気管は、第1の開口、又は第1の開口の近位にシールを含み、脱気管ヘッド部による脱気管の第1の開口のシールを補助することが好ましい。脱気管は、脱気管ヘッド部の締まり嵌め座部として構成される拡張座部領域を有することが好ましい。脱気管ヘッド部は、対応する形状、例えばT字形状を有することが好ましい。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記ボトルキャップアダプターは、前記ボトルの装着中には、前記脱気管の前記第2の開口をシールするように構成されているとともに、前記ボトルから前記ボトル給液システムへの液体の分注中には、前記第2の開口をシール解除するように構成されているプランジャーを更に備え、該プランジャーは、前記ボトルの装着中には、前記本体部の液路を閉鎖するように更に構成されているとともに、前記ボトルから前記ボトル給液システムへの液体の分注中には、前記液路を開放するように構成されている。
【0018】
液路は、本体部のチャネルの内側にあることが好ましい。換言すれば、脱気管が本体部のチャネルに挿入された場合、チャネルの内壁と脱気管の外壁との間に液路を形成することができる。
【0019】
本体部のチャネルの第2の開口は、円錐形状であることが好ましい。プランジャーは、チャネルの第2の開口の円錐形状の内側起点において、本体部の第2のチャネルを閉鎖及び開放するように構成されていることが好ましい。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、脱気管は、脱気管ヘッド部とプランジャーとを接続するように構成されているシャフトを更に備え、それにより、脱気管ヘッド部が、第2の開口のシール及びシール解除、並びに液路の閉鎖及び開放それぞれと同期して、脱気管の第1の開口をシール及びシール解除するように構成されている。換言すれば、脱気管ヘッド部及びプランジャーの双方を、同時に、好ましくは同じ方向に動かすことができ、それにより、第1の開口及び第2の開口の対応する開放及び閉鎖、並びに液路の開放及び閉鎖が同期される。脱気管ヘッド部及びプランジャーの同期は、機械的手段及び/又は電気的手段によって行うことができることが好ましい。一方で、当業者は、任意の他の好適な手段によって同期を行うこともできることを理解する。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記ボトルキャップアダプターの前記本体部は、上部と、中間部と、下部とを含み、前記上部は、前記第2の表面を有し、前記下部は、前記第1の表面を有し、前記中間部は、前記上部と前記下部との間に位置する。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、脱気管は、上部管及び下部管を含み、上部管は、第1の開口を有し、下部管は、脱気管の第2の開口を有する。上部管と下部管とは、接続される、より好ましくはシールされた接続アセンブリによって接続されることが好ましい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、本体部は、ボトルキャップアダプターをボトル給液システムと位置合わせする位置合わせピンを更に含む。このピンは、ボトル給液システム内に装着/ドッキングされた場合、ボトルキャップが適切に位置合わせされているか否かを検査するために、ボトル給液システム内のそれぞれの位置合わせセンサー用の基準物として使用することができる。このピン及びそれぞれの位置合わせセンサーは、光学手段、磁気的手段及び/又は電気的手段に基づくことができることが好ましい。
【0024】
また、本発明は、
液体、特に粘性液体を供給するボトル給液システムであって、
ボトルキャップアダプター、好ましくは本発明の実施形態のうちのいずれかに係るボトルキャップアダプターを収容するように構成されている頂部と、
前記ボトルキャップアダプターに挿入されたボトルから、或る量の液体を受け取るように構成されているリザーバーを含むとともに、前記ボトル内の液位を測定するように構成されている圧力センサーを含む底部と、
前記リザーバーに接続されている出力と、
を備える、ボトル給液システムに関する。
【0025】
ボトル給液システムの頂部と底部とは、差込み接続部によって接続されることが好ましい。上記接続部は、少なくとも1つのシールを含むことが好ましい。当業者は、ボトル給液システムの頂部及び底部を、1つの単一部品として形成することができることを理解する。
【0026】
リザーバーは、ボトルの交換中に或る量の液体がリザーバーに残留するように構成されることが好ましい。このリザーバーに残留した量の液体によって、とりわけ、気泡がプロセスラインに入り込むことを回避することができる。換言すれば、リザーバーに残留した液体によって、取換え用のボトルの液体が、リザーバー内の以前のボトルからの液体残渣にかけて途切れなく流れる。リザーバーは、100 mlの最小容量を有することが好ましい。ボトルが完全に空になり、取換え用のボトルと取り換えられる必要がある場合であっても、リザーバーが、所定量、例えば100 mlの液体で充填されていることが好ましい。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、前記ボトル給液システムは、前記リザーバーに接続されている、及び/又は、前記液体中に発生した気泡を、前記リザーバーからパージ管に移送させるように構成されている気泡パージポートを更に備える。
【0028】
パージ管の開放端は、ボトル給液システムの外側、より好ましくはリザーバーの上方に位置することが好ましい。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、前記ボトル給液システムは、該ボトル給液システムに挿入された場合、前記ボトルを保持及び/又は支持するように構成されている保持器を更に備える。
【0030】
上記保持器は、ボトル若しくはボトルの少なくとも一部が固定される、及び/又は、ボトル若しくはボトルの少なくとも一部が載置されるマウントであることが好ましい。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、前記ボトル給液システムは、前記ボトルキャップアダプターが該ボトル給液システムと適切に位置合わせされているか否かを、好ましくは前記ボトルキャップアダプターの位置合わせピン又は上記位置合わせピンを用いて測定するように構成されている位置合わせセンサーを更に備える。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、ボトル給液システムは、ボトルキャップアダプターがボトル給液システムに接近しているか否か、及び/又は、ボトルキャップがボトル給液システムに装着されているか否かを測定するように構成されている近接センサーを更に含む。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、前記ボトル給液システムは、ロックセンサー及び摺動プレートを更に備え、該摺動プレートは、前記ボトルキャップアダプターを該ボトル給液システムに固定するように構成されており、前記ロックセンサーは、前記ボトルキャップアダプターが該ボトル給液システムに適切に固定されているか否かを測定するように構成されている。
【0034】
摺動プレートは、U字形状であることが好ましい。摺動プレートは、ボトル給液システム及びボトルキャップアダプターの頂部のそれぞれのリセスに圧入されるように構成されていることが好ましい。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、ボトル給液システムは、リザーバーの中央に位置するピンを更に備える。このピンは、ボトルキャップアダプターの脱気管のプランジャーを作動させ、それにより、脱気管の開口をシール又はシール解除するとともに、ボトルキャップアダプターの本体部の液路を開放又は閉鎖するように構成することができる。
【0036】
上記ピンは、特に、対応する上述の実施形態のうちの1つに係る、脱気管ヘッド部に接続されているシャフトに接続されている脱気管のプランジャーを作動させるように構成することができることが好ましい。したがって、このピンは、脱気管のプランジャー及び接続された脱気管ヘッド部の双方を作動することができることが好ましい。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、圧力センサーは、リザーバーの底部側に位置する。圧力センサーは、リザーバー及びボトルの液柱による圧力を測定することによってボトル内の液位を測定するように構成することができる。換言すれば、充填レベルの標示は、圧力センサー、好ましくは一体型圧力センサーによって行うことができる。
【0038】
圧力センサーは、上記の液柱、すなわち、リザーバー及びボトルによる圧力を検出することができることが好ましい。圧力センサーは、連続的な液位の標示を可能にすることができることが好ましい。圧力は、充填レベルの関数であることが好ましい。圧力センサーの較正によって、充填レベルの線形の正確な標示を可能にすることができることが好ましい。それぞれのクラスタ制御システムのソフトウェアによって、ボトルの一部又は任意の充填レベルにフラグを規定することができることが好ましい。より好ましくは、これは、ボトルの一部又は全部の充填レベルに関して、操作者に要求される行動についての情報テキスト、又は更にはアラームを伴う。換言すれば、このソフトウェアは、ボトルが満タンであること又はボトルが部分的に満たされていること、すなわちボトルの交換が接近していること又は差し迫っていることを標示する、充填レベルに関するフラグを規定することができる。
【0039】
安全回路又は不具合標示等、ボトルの正確な差込みを検出するように構成されている更なるセンサーを、ボトル給液システムに備えることが好ましい。
【0040】
また、本発明は、上記実施形態のうちのいずれかに係るボトルキャップアダプターと、上記実施形態のうちのいずれかに係るボトル給液システムとを備える液体を供給するシステムに関する。
【0041】
また、本発明は、以下のステップを用いて、ボトル給液システム内の圧力センサーを較正する、点補間法(point interpolation method)に関する。以下のステップとは、すなわち、
(a)ボトルキャップアダプターに適正なボトルを設置するとともに、ボトルを伴うボトルキャップアダプターをボトル給液システムに設置するステップと、
(b)上記システムを起動するステップと、
(c)ボトルが空である場合、圧力センサーのセンサー出力を記録するステップと、
(d)所定量、好ましくは20 mlの液体を上記システムに加えるとともに、上記システムのそれぞれのセンサー出力を記録するステップと、
(e)液体が、ボトルのネック部を超えてボトルのフレア部に達するまで、ステップ(d)を繰り返すステップと、
(f)所定量、好ましくは100 mlの液体を加えるとともに、センサー出力を記録するステップと、
(g)液体がボトルの最広部に達するまで、ステップ(f)を繰り返すステップと、
(h)所定量、好ましくは500 mlの液体を加えるとともに、センサー出力を記録するステップと、
(i)液体がボトルの最大容量に達するまで、ステップ(h)を繰り返すステップと、
である。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、上記点補間法は、記録された(recorded)センサー出力から、それぞれの液位を表す関数を計算するステップを更に含む。
【0043】
一実施形態によれば、上記点補間法は、液体がボトルの最大容量に達した場合、その液位を表す関数の値を、ゼロ又は最大に設定するステップを更に含む。換言すれば、ゼロ液位又は最大液位は、液体がボトルの最大容量に達した場合の値を表すように設定することができる。
【0044】
一実施形態によれば、点補間法は、ボトルに液体がない場合、その液位を表す関数の値を、ゼロ又は最大に設定するステップを更に含む。換言すれば、ゼロ液位又は最大液位は、ボトルに液体がない場合の値を表すように設定することができる。
【0045】
本発明によれば、光化学物質で充填されたボトルは、ボトルの安全な倒立及び交換のために、弁を備えるアダプターに接続することができる。高粘性のレジストの場合、ボトルは、レジストに含まれた気泡の上方移動を可能にするために、挿入前に逆さ位置に置くことができる。
【0046】
当該分野において開示されているような反転機構を用いることなく、シールされたねじ付きキャップアダプターを用いることによって、システムのフットプリント、すなわち要求されるユーティリティースペースを、著しく、例えば50 %以上低減することができる。
【0047】
本発明では、ボトル及びキャップアダプターは、キャップアダプターが装着されたボトルを嵌合して、その逆さ/倒立位置になるまで、ベースアセンブリ及び/又は液体ラインから完全に分離することができる。
【0048】
本発明では、フォトレジストは、リザーバーに流れ込むことができ、次に、システムの残りの部分に圧送することができる。これによって、レジスト/薬液がボトル内に残らないことを確実にすることができる。
【0049】
リザーバーは、倒立したボトル用の保持器の基部に既に含むことができる。リザーバー内の緩衝容積によって、ボトルの交換中の中断が起こらなくなる。ボトルの交換中の更なる脱気を不要とすることができる。
【0050】
本発明によれば、レジストに使用される全ての標準的なボトルを、このボトルキャップアダプター及びこのボトル給液システムに使用することができる。これに関して、ボトルアダプターのみが、ボトル開口の接合部、例えばねじ又は任意の他のタイプの閉鎖部、ボトル開口のサイズ等に適合する必要がある。
【0051】
本発明によれば、材料供給業者によって供給される、通常のガラスボトル又はPEボトル等の低コストパッケージを使用することができる。
【0052】
本発明によれば、脱気管を介してこのシステムを大気に開放することができるので、抵抗が最小の状態で液体の重力送りが促進される。
【0053】
本発明では、このシステムは、ベースにおけるボトルの有無及び適切な固定を検出するセンサーを装備することができる。これらのセンサーは、適切な設置及び固定が行われていない場合、操作を制止するように構成することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、とりわけ、以下の利点を達成することができる。以下の利点とは、すなわち、重力送りを利用して、ボトルの下方のリザーバーを充填すること、重力を利用して、ボトルの交換中に発生する可能性がある気泡をパージすること、ボトル内の化学物質の略100 %を使用可能にすること、及び、圧力トランスデューサーを用いて、ボトル内の充填レベルを感知可能にすることである。これらの利点とともに、とりわけ、このシステムは、低コスト材料のパッケージを使用し、また、液体を抜き出す既知の方法とは対照的に、ボトルの内側にある流体の略100 %を使用することが可能であるので、コスト効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明の一実施形態に係るボトルキャップアダプターの概略図である。
図2a】本発明の一実施形態に係る、ボトルキャップアダプターが装着され、ボトルが挿入された、液体を供給するシステムの概略図である。
図2b図2aに示されているシステムの拡大部分の概略図である。
図3】本発明の別の実施形態に係る、ボトルキャップアダプターが装着されたボトル給液システムの概略的な背面図及び概略的な側面図である。
図4】本発明の別の実施形態に係る、ボトルキャップアダプターが装着されたボトル給液システムの概略的な背面図及び概略的な側面図である。
図5】本発明の別の実施形態に係る、ボトルキャップアダプターを伴うボトル給液システムの概略的な背面図及び概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、本発明の一実施形態に係るボトルキャップアダプター100の概略図を示している。ボトルキャップアダプター100は、本体部101を有する。本体部101は、3つの下位部分、すなわち、上部113と、中間部114と、下部115とに分離される。上部113と、中間部114と、下部115との全てが、通路を有する。これらの通路は、相互接続して1つの単一チャネルCを形成する。上部113は、中間部114に接続され、中間部114は、下部115に接続される。各下位部分の接続部間にあるシールが、形成されたチャネルCがシールされていることを確実にする。
【0057】
下部115は、下端に第1の表面110を有し、上部113は、上端に第2の表面111を有する。第1の表面110は、チャネルCの内側に位置する脱気管130に対して垂直である。これは、以下でより詳細に記載する。上部の上端、すなわち本体部101の上端にある第2の表面111は、第1の表面110に対して、例えば、0度より大きい角度〜40度又は20度〜40度の角度だけ傾斜している。換言すれば、xyzデカルト座標系において、脱気管130がz方向に向き、表面110がx-y平面にある場合、表面111は、x方向又はy方向において或る角度だけ傾斜している。この傾斜によって、気泡がボトルのそれぞれの角部に形成される。そのため、脱気管ヘッド部133が気泡内にあり、すなわち液体から出ており、脱気管130の脱気を確実にすることができる。したがって、傾斜角は、気泡がボトルの形状及び/又は脱気管ヘッド部133の形状に適合するように選択することができる。換言すれば、傾斜角は、気泡がボトルの形状及び/又は脱気管ヘッド部133の形状に対して最適化及び/又は最大化されるように選択することができる。脱気管ヘッド部133は、以下で詳細に説明される。
しかしながら、別の実施例(図示せず)では、第2の表面111は、第1の表面110に対し、平行であることができる。
【0058】
上部113の通路によって形成されるチャネルCの一部は、一方の端部に、第2の表面111まで延びる雌ねじ112を有する。上部113の、他方の端にある開口の内側に、O−リング(図示せず)を挿入するリセスが形成されている。雌ねじ112は、ボトルの雄ねじ、すなわち、供給される液体を伴うボトルのねじ式閉鎖部の雄ねじを受けるように構成されている。換言すれば、ボトルは、チャネルCにねじ込むことができる。さらに、O−リングは、ボトルとチャネルCとの間で接続部がシールされることを確実にする。
【0059】
中間部114は、脱気管130をチャネルCの内側に部分的に取り付けるように構成されている少なくとも1つのマウントを有する。少なくとも1つのマウントは、チャネルCの内壁と、脱気管の外壁との間の通路を確保するように構成されている。ボトルが雌ねじ112にねじ込まれる場合、チャネルCの内壁と、チャネルCの中央に部分的に位置する脱気管130の外壁との間に、液路が形成される。雌ねじ112の軸は、第2の表面111に対して垂直である。
【0060】
下部115は、下部115が対応するボトル給液システム200(図2aを参照)に結合されるように構成されるような輪郭を有する。これは、以下で詳細に記載する。
【0061】
本体部101が、下部115と、中間部114と、上部113とに分離されていることによって、各部を別の下部、中間部、及び/又は上部それぞれと容易に取り換えることができる。したがって、ボトルキャップアダプター100は、別タイプの、例えばねじ式閉鎖部の代わりにすり合わせ接合部を有するボトルに容易に適合することができる。したがって、例えば、雌ねじ112は、すり合わせ接合部の対応する相手部を有するコネクタと容易に取り換えることができる。さらに、例えば、脱気管130とは異なる寸法の別の脱気管を、容易に設置することができる。
【0062】
脱気管130は、遠位端にある第1の開口131と、近位端にある第2の開口とを有する。第1の開口131は、ボトルの内側の、ボトルの底部の近位に配置することができる。ボトルにおける第1の開口131の正確な場所は、ボトルのサイズ及び形状に依拠する。脱気管130の第1の開口131を有する遠位端は、ボトルが僅かな角度で逆さにしてボトルキャップアダプター100に装着された場合、ボトルの反転した底部における残留空気ポケットの高さが最適であるように、ボトル内に配置される。したがって、略平坦な底を有するボトルの場合、(そして、傾斜した第2の表面111のケースにおいて)第1の開口131の最適な位置は、ボトルの底部の側壁の近位にある。
【0063】
ボトルキャップアダプター100は、ボトルの装着中には、脱気管130の第1の開口131をシールするように構成されているとともに、ボトルからボトル給液システム200への液体の分注中には、第1の開口131をシール解除するように構成されている脱気管ヘッド部133を更に備える。脱気管130は、第1の開口付近に、小さいリセスを伴う拡張座部領域及び対応するO−リング140を有する。脱気管ヘッド部133は、脱気管ヘッド部が、第1の開口131に締まり嵌めして着座するようなT字形状を有する。
【0064】
ボトルキャップアダプター100は、プランジャー134を更に備える。プランジャー134は、第1の端に、第1のシール、すなわちこの実施形態ではO−リング141が設けられ、プランジャー134のこの第1の端の外壁は、脱気管130の内壁にフィットする。このように、プランジャー134は、脱気管130の第2の開口をシールするように構成されている。脱気管130は、ボトルからの液体の分注中には脱気されるべきであるので、プランジャー134は、液体の分注中には第2の開口を開放/シール解除する。液体がボトルの反転中に漏出しないように脱気管130が閉鎖されるべきであるボトルの装着中は、プランジャー134は、第2の開口を閉鎖/シールする。また、プランジャー134は、第2の端に、第2のシール、すなわちこの実施形態ではO−リング142が設けられ、プランジャー134のこの第2の端の外壁は、表面110にあるチャネルCの下部開口付近の、チャネルCのテーパー部にフィットする。したがって、プランジャー134は、チャネルCの下部開口をシール/閉鎖及び開放/シール解除し、それにより、液路がそれぞれ閉鎖及び開放されるように構成されている。
【0065】
ボトルキャップアダプター100は、シャフト132を更に備える。シャフト132は、脱気管130の内側に位置する。シャフトは、脱気管ヘッド部133とプランジャー134とを接続する。この接続によって、脱気管ヘッド部133及びプランジャー134の開放及び閉鎖が同期して実行される。したがって、脱気管ヘッド部133は、第2の開口のシール及びシール解除、並びに液路の閉鎖及び開放それぞれと同期して、脱気管130の第1の開口131を閉鎖/シール及び開放/シール解除する。
【0066】
図1に示されている実施形態では、脱気管130は、上部管135及び下部管136を含む。上部管135と下部管136とは、接続されるとともに、O−リング143を用いて接続部がシールされる。上部管135は、第1の開口131を有し、下部管136は、脱気管130の第2の開口を有する。脱気管130が下部管136と上部管135とに分離されていることによって、上部管135は、任意の他の上部管と容易に取り換えることができる。したがって、脱気管は、異なる寸法の別のタイプの、例えば以前に使用したボトルとは(to)別の長さのボトルに適合することができる。
【0067】
上部113は、ボトルキャップアダプター100を対応するボトル給液システム200に位置合わせする位置合わせピン116を更に含む。この位置合わせは、以下でより詳細に記載する。
【0068】
図2a及び図2bは、液体を供給するシステムの概略図を示している。このシステムは、本発明の一実施形態に係る、ボトルキャップアダプター100がドッキング/装着され、ボトル150が挿入されたボトル給液システム200を備える。ボトルキャップアダプター100は、ボトルがボトルキャップアダプター100の雌ねじ112に既に適切にねじ込まれた状態で、ボトル給液システム200に装着される。
【0069】
ボトル給液システム200は、頂部210及び底部220を備える。頂部210は、ボトルキャップアダプター100を収容するように構成されている。すなわち、頂部210は、ボトルキャップアダプター100の下部115の外輪郭に実質的に対応する輪郭を有する空洞を有する。底部220は、ボトルキャップアダプター100に挿入されたボトル150から或る量の液体を受け取るように構成されているリザーバー221を含む。リザーバーは、ボトルキャップアダプター100に装着されたボトルが、完全に空であり、別の充填されたボトルと取り換える必要がある場合であっても、およそ100 mlの少量の液体で充填されている。ボトルキャップアダプター100に装着された新しいボトル150が、ボトル給液システム200に挿入された後、本体部101のチャネルCの下部開口がリザーバー221と流体連通される場合、プランジャー134及び脱気管ヘッド部133が同時に開放される。次に、ボトル150の液体は、最初に、一時的な保管所として機能するリザーバー221に流れ、その後、出力230及び後続の処理管を通って、その目的地、例えばスピンコーター又はスプレーコーターまで流れる。
【0070】
底部220は、好ましくはリザーバー221の側壁又は底部に位置する、圧力センサー222を更に備える。圧力センサー222は、リザーバー221及びボトル150の双方の液柱による圧力を測定することによって、ボトル150内の液位を測定するように構成されている。対応するコントローラーが、好適なアルゴリズムを用いて、この圧力をそれぞれの液量に変換することができる。圧力センサー222の例示的な較正方法が以下で詳細に説明される。
【0071】
底部220は、リザーバー221に接続される(connected)出力230を更に含む。出力230は、液体をボトルからその目的地まで供給することができるように、処理管に接続される。
【0072】
ボトル給液システム200は、リザーバー221の中央に位置するピン290を更に備える。ピン290は、ボトルキャップアダプター100のプランジャー134を上下に作動させ、それにより、プランジャー134はそれぞれ開放及び閉鎖する。プランジャー134は、シャフト132によって脱気管ヘッド部133に接続されているので、ピン290は、プランジャー134及び脱気管ヘッド部133の双方を、上述したように同期して開放及び閉鎖するように構成されている。換言すれば、脱気管130は、ボトルからの液体の分注中には脱気されるべきであるとともに、ボトルの交換中には閉鎖されるべきである。さらに、チャネルCは、液体の分注中には開放されるべきであるとともに、ボトルの交換中には閉鎖されるべきである。したがって、ピン290は、液体の分注に向けて、チャネルC及び脱気管130が液体の分注中には開放するよう、プランジャー134及び脱気管ヘッド部133を作動させるように構成されているとともに、ボトルの交換に向けて、チャネルC及び脱気管130がボトルの交換中には閉鎖されるよう、プランジャー134及び脱気管ヘッド部133を作動させるように構成されている。
【0073】
また、ボトル給液システム200は、ボトル給液システム200に装着された場合、ボトルを保持する保持器250を備える。
【0074】
上記で既に説明したように、ボトル給液システム200は、位置合わせセンサー260も備える。位置合わせセンサー260は、ボトルキャップアダプター100がボトル給液システム200に装着された場合、ボトルキャップアダプター100の対応する位置合わせピン116が、所定の位置、例えば位置合わせセンサー260に対向する位置にあるか否かを判定する。位置合わせセンサー260は、ボトルキャップアダプター100がボトル給液システム200と適切に位置合わせされているか否かを判定する。
【0075】
加えて、ボトル給液システム200は、近接センサー211を更に備える。近接センサー211は、頂部210に位置し、センサーヘッドがボトル(bottle)キャップアダプター100の下部115の装着位置の隣に位置する。近接センサー211は、ボトルキャップアダプター100が装着位置に接近しているか否かを測定する。さらに、近接センサー211は、次にボトルキャップアダプター100がボトル給液システム200に装着されたか否かを判定することができる。
【0076】
ボトル給液システム200は、摺動プレート280を更に備える。これは、以下で図4及び図5に詳細に説明される。
【0077】
図3は、本発明の別の実施形態に係る、ボトルキャップアダプター100が装着されたボトル給液システム200の概略的な背面図及び概略的な側面図を示している。ボトル給液システム200は、リザーバー221に接続される気泡パージポート240を更に備える。気泡パージポート240は、リザーバー221の側壁の上部位置に位置し、したがってボトルの液位よりも下方に位置する。ボトルの液体は下方へリザーバー221に流れるので、液体中に発生した可能性のある全ての気泡は、内在のものでも別様に取り込まれたものでも、パージポート240によってリザーバー(reservoir)221からパージ管241に自動的に移送される。例えば、ボトルキャップアダプター100に装着された新しいボトル150が、ボトル給液システム200に挿入される場合、気泡が本体部101のチャネルCの下部開口に取り込まれることが発生する可能性がある。これらの気泡は、パージポート240によってリザーバー221からパージ管241に移送することができる。したがって、気泡が処理管に入る可能性がない。
【0078】
処理管への液体の分注は、通常、断続プロセスである。例えば、1つのスピンコートプロセスに向けて、所定量の液体を分注する必要がある。その後、別のスピンコートプロセスに向けて、別の又は同じ所定量の液体を分注する必要がある。したがって、液体が比較的ゆっくりと出力230に流れるので、液体内の気泡が、システム200からパージポート240及びパージ管241を通ってリザーバーの頂部まで移動する十分な時間がある。
【0079】
ボトル給液システムは、パージ管241の中間部に装着されるとともに、ボトルの交換中には閉鎖するように構成されている弁54を更に備える。一部の液体がパージ管241に流れ込む可能性があるので、この液体は、依然として部分的に充填されたボトル150のボトルの交換中にリザーバー221に流れ戻り、リザーバー221から溢れる可能性がある。ボトル給液システム200からこの部分的に充填されたボトル150を取り外す前に弁54を閉鎖することによって、このように液体が溢れる可能性を防止することができる。別のボトル150が再びボトル給液システム200に挿入され、液体が出力230を介して処理管に流れる場合、弁54が開放され、パージ管241に残った液体は、リザーバー221内に流れ戻る。
【0080】
図4は、本発明の別の実施形態に係る、ボトルキャップアダプター100を伴うボトル給液システム200の概略的な背面図及び概略的な側面図を示している。この実施形態では、ボトル150が装着されたボトルキャップアダプター100は、依然としてボトル給液システム200に挿入されていない。したがって、摺動プレート280は、開放位置にあり、ボトルキャップアダプター100は、摺動プレート280によって阻まれることなく、ボトル給液システム200に挿入することができる。さらに、位置合わせピン116は、位置合わせセンサー260と位置合わせされておらず、位置合わせセンサー260は、ボトルキャップアダプター100がボトル給液システム200と位置合わせされていることに対応する信号を与えない。ロックセンサー270は、摺動プレート280が依然として開放位置にあり、ロック位置にないことを判定するように構成されている。ボトルキャップアダプター100が近接センサー211の範囲外にあると、近接センサー211は、それぞれのコントローラー(controller)(図示せず)に対して、対応する近接信号を与えない。
【0081】
図5は、本発明の別の実施形態に係る、ボトルキャップアダプター100が装置されたボトル給液システム200の概略的な背面図及び概略的な側面図を示している。この実施形態では、ボトル150が装着されたボトルキャップアダプター100は、ボトル給液システム200に挿入されている。したがって、摺動プレート280は、閉鎖位置にあり、ボトルキャップアダプター100をボトル給液システム200内でしっかりとロックしている。これに応じて、ロックセンサーは、摺動プレート280が閉鎖位置にあると判定する。さらに、位置合わせピン116が位置合わせセンサー260と位置合わせされ、位置合わせセンサー260は、ボトルキャップアダプター100がボトル給液システム200と位置合わせされていることに対応する信号を与える。ボトルキャップアダプター100がボトル給液システム200に装着されているので、近接センサー211は、ボトルキャップアダプター100がその装着位置にあることに対応する信号を、それぞれのコントローラーに与える。
【0082】
図5に示されているボトルは、本発明の一実施形態に係る、圧力センサーの較正方法に向けた様々な液位の標示を有する。ステップ(a)において、適正なボトル150をボトルキャップアダプター100に設置し、ボトル150を伴うボトルキャップアダプター100をボトル給液システム200に設置する。ステップ(b)において、このシステム及び1つ又は複数の対応するコントローラーを起動する(areturned on)。ステップ(c)において、ボトルが空である場合、圧力センサー222のセンサー出力を記録する。ステップ(d)において、所定量、好ましくは20 mlの液体をボトル150に加え、圧力センサー222のそれぞれのセンサー出力を記録する。ステップ(e)において、液体が、ボトルのネック部を超えてボトルのフレア部に達する(図5の液位1)まで、ステップ(d)を繰り返す。ステップ(f)において、所定量、好ましくは100 mlの液体をボトル150に加え、圧力センサー222のそれぞれのセンサー出力を記録する(図5の液位2)。ステップ(g)において、液体がボトルの最広部に達する(図5の液位3)まで、ステップ(f)を繰り返す。ステップ(h)において、所定量、好ましくは500 mlの液体を加え、圧力センサー222の対応するセンサー出力を記録する。ステップ(i)において、液体がボトル150の最大容量に達するまで、ステップ(h)を繰り返す。
【0083】
本発明を、図面及び前述の説明において詳細に図示及び記載したが、そのような図示及び記載は、説明又は例示であり、限定するものではないとみなされる。したがって、本発明は、開示した実施形態に限定されない。特許請求されている本発明を実施する当業者は、図面、開示内容、添付の特許請求の範囲を熟読することによって、開示した実施形態に対する変更を理解及び実行することができる。特許請求の範囲において、「備える、含む、有する(comprising)」という用語は、他の要素又はステップを排除せず、数量を特定しない語は、複数を排除せず、「少なくとも1つ」を意味することができる。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5