【実施例】
【0034】
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
<使用した原料(成分名/製品名/メーカー名/製品物性等)>
使用した原料について、成分名/製品名/メーカー名/製品物性等の順で次に示す。なお、表中には略称で示した。
【0035】
〔成分(a)〕
(a−1)アルギン酸Na/キミカアルギンULV−L3G/キミカ社/水溶液粘度:20〜50mPa・s(10%、20℃)/重量平均分子量:5.3×10
4
(a−2)ペクチン/GENUペクチンLM−100AS−HP/CPケルコ社/重量平均分子量/2.0×10
5
(a−3)ジェランガム/ケルコゲルCG−LA/PCケルコ社/重量平均分子量:2.5×10
5
(a−4)カルボキシメチルセルロースNa/CMC1260/ダイセルファインケム(株)/水溶液粘度:80〜150mPa・s(1%、25℃)/エーテル化度:0.9/重量平均分子量:1.1×10
5
【0036】
〔成分(b)〕
(b−1)PEG−40水添ヒマシ油/ユニオックスHC−40/日油(株)/有効分:100%
(b−2)サーファクチンNa/カネカ サーファクチン/カネカ(株)/有効分:100%
(b−3)ラウラミノジ酢酸Na/ニッサン アノンLA/日油(株)/有効分:30%
(b−3)ジラウロイルグルタミン酸リシンNa/ペリセアL−30/旭化成ケミカルズ(株)/有効分:29%
【0037】
〔成分(c)〕
(c−1)グリセリン/RG・コ・P/日油(株)/有効分:100%
(c−2)ソルビトール/ソルビトール花王/花王(株)/有効分70%
〔成分(d)〕
(d)水/イオン交換水
〔成分(e)〕
(e−1)オリーブ油/オリーブオイルリファインド/Oreo Monterreal S.A.社
(e−2)ミリスチン酸オクチルドデシル/ミリスチン酸オクチルドデシル/日油(株)
(e−3)ジメチルポリシロキサン/KF−96A−20cs/信越化学工業(株)
(e−4)水添ポリイソブテン/パールリーム6/日油(株)
(e−5)ホホバ油/精製ホホバ油/香栄興業(株)
【0038】
〔成分(a’)〕
(a’−1)カルボキシビニルポリマー/AQUPEC HC−501E/住友精化(株)/水溶液粘度:2,500〜6,400mPa・s(0.2%、25℃)
(a’−2)デキストリン/日本薬局方デキストリン/日澱化学(株)/分子量:2.8×104
(a’−3)ヒドロキシエチルセルロース/HECダイセルSE400/ダイセルファインケム(株)/水溶液粘度:80−130mPa・s(2%、25℃)
〔成分(c’)〕
(c’−1)エタノール/試薬特級/和光純薬(株)
【0039】
(その他成分)
○ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)/エルデュウPS−306/味の素(株)
○シア脂/CROPURE SHEA BUTTER/クローダジャパン(株)
○トコフェロール/イーミックスD/エーザイフード・ケミカル(株)
○酢酸トコフェロール/酢酸dl−α−トコフェロール/DSM ニュートリション
ジャパン
○香料/Chypre KT−0190/香栄興業(株)
○ベタイン/アミノコート/旭化成ケミカルズ(株)
○ヒアルロン酸Na/バイオヒアルロン酸ナトリウム1%水溶液 MP−PE−N/資生堂(株)
○BG/1,3−ブチレングリコール/ダイセル化学工業(株)
○EDTA−2Na/試薬特級エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム/和光純薬(株)
○ポリクオタニウム‐51(5%水溶液)/Lipidure−PMB/日油(株)
○アスコルビルグルコシド/AA−2G/林原(株)
○ペンチレングリコール/ジオールPD/高級アルコール工業(株)
【0040】
<界面活性剤組成物の調製>
200mLのビーカーにプロペラを装着し、成分(a)と成分(d)の水に室温で溶解させた。続いて成分(c)、成分(b)を加えて均一に溶解した。
【0041】
<O/Dゲルエマルションの調製>
上記の界面活性剤組成物を室温で攪拌しながら成分(e)の油剤を20mL/minでゆっくりと添加して、O/Dゲルエマルションを100gスケールで調製した。O/Dゲルエマルション形成可否の判断基準は、その粘度が5,000mPa・s以上であれば合格(○)、5,000mPa・s未満であれば不合格(×)とした。
なお、粘度はB型粘度計を用いて、25℃にてローターNo.2を使用して測定した。
【0042】
<O/Wエマルションの調製>
調製された上記O/Dゲルエマルション30重量部を、クエン酸で所定のpH(25℃)に調整した水70重量部に希釈してO/Wエマルションを得た。
【0043】
<O/Wエマルションの粒径測定>
得られたO/Wエマルションを濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(大塚電子(株)製)を用いて平均粒径を測定した。
【0044】
<O/Wエマルションの保存安定性評価>
得られたO/Wエマルションを50mLのスクリュー管に充填し、40℃の恒温槽で1ヶ月間保管し、その状態を観察した。以下の判断基準で保存安定性を評価した。
○:エマルションの外観が調製直後と全く変わらない。
×:相分離、クリーミングなど、調製直後と比べてエマルションの外観に変化が見られる。
以上の結果を、界面活性剤組成物の成分比率などとともに、表1および表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
実施例1〜8については、全てのサンプルで安定なO/Dゲルエマルションが得られ、これをpH2〜6の水に希釈すると平均粒径0.1〜100μmのO/Wエマルションが得られた。また、これらのサンプルは40℃で1ヶ月以上の保存安定性を確保できた。
【0048】
一方、比較例1〜8については十分な効果は得られなかった。すなわち、比較例1〜3では本発明の成分(a)以外の高分子を使用しているため、O/Wエマルションの安定性が不十分であった。
比較例4では本発明の成分(c)以外のアルコールを使用しているため、O/Dゲルエマルションを調製できなかった。
比較例5では成分(a)を含有していないため、O/Wエマルションの安定性が不十分であった。
比較例6では成分(a)と(b)の質量比[a/b]が4/1を超えるため、実施例7では質量比[c/(c+d)]が1/2未満であるため、実施例8では質量比[(c+d)/a]が10未満であるため、いずれもO/Dゲルエマルションを調製できなかった。
【0049】
<内包したビタミンAの安定性評価>
実施例5および比較例5において配合された油剤(ミリスチン酸オクチルドデシル)のうち0.05質量%をビタミンAに置き換えたサンプルを調製し、それぞれ実施例9、比較例9とした。これらのサンプルについて、ビタミンAの安定性評価を行った。使用した試薬は以下の通りである。
○ビタミンA:「レチノール50C」BASFジャパン(株)製
【0050】
試験方法は以下の通りである。
1)各サンプルを40℃の恒温槽に入れ、静置した。
2)所定日数後、高速液体クロマトグラフィーによりビタミンAを定量し、初期値を100とした相対値からビタミンA残存量(%)を算出した。
結果を
図1に示す。
図1に示すように、成分(a)でビタミンAの粒子が被覆(コーティング)された実施例9では、比較例9に比して、ビタミンAの残存量(%)が大幅に向上していることが確認された。
【0051】
以下、その他の実施例を挙げて本発明についてさらに説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、調製方法は実施例1〜8と同様である。
【0052】
(実施例10:保湿乳液) 配合率(質量%)
(a−1)アルギン酸Na 0.3
(b−3)ラウラミノジ酢酸Na 0.3
(c−1)グリセリン 17.8
(d) 水 2.2
(e−5)ホホバ油 70.0
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル) 0.2
シア脂 9.0
トコフェロール(d−δ−トコフェロール) 0.05
酢酸トコフェロール(酢酸dl−α−トコフェロール) 0.05
香料 0.1
(O/Dゲルエマルションとして合計100質量%)
【0053】
続いて、上記O/Dゲルエマルション30質量部を、クエン酸でpH4に調整した水70質量部に投入し、O/Wエマルションを調製した。さらに、下記の添加成分をO/Wエマルション100重量部に対して追加で投入し、保湿乳液を調製した。
(その他成分) (質量部)
ベタイン(トリメチルグリシン) 1.0
ヒアルロン酸Na(1質量%水溶液) 1.0
BG 3.0
EDTA−2Na 0.05
ポリクオタニウム‐51(5質量%水溶液) 1.0
アスコルビルグルコシド 1.0
ペンチレングリコール 2.0