(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無人飛行体は、故障や混線等により制御不能になると、落下したり行方不明になったりする危険性がある。
【0006】
そこで、本発明は、無人飛行体を利用した監視装置において、無人飛行体が制御不能になっても無人飛行体を回収することができる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る監視装置は、基体と、無人飛行体と、基体と無人飛行体とに接続される紐状部材と、無人飛行体に搭載された監視カメラと、無人飛行体を制御する制御部と、を備え、基体は、動くことが可能な可動体である。
【0008】
本発明に係る監視装置では、無人飛行体に監視カメラが搭載されているため、任意の位置から基体の周囲を撮像することができる。一方、無人飛行体は、紐状部材により基体に接続されているため、故障や混線等により制御不能になっても、紐状部材により拘束される範囲を超えて基体から離れることはない。これにより、無人飛行体が制御不能になっても無人飛行体を回収することができる。更に、この監視装置では、基体が可動体であるため、様々な場所において無人飛行体からの監視を行うことができる。これにより、監視装置の利用幅を広げることができる。
【0009】
本発明に係る他の監視装置は、基体と、無人飛行体と、基体と無人飛行体とに接続される紐状部材と、無人飛行体に搭載された監視カメラと、無人飛行体を制御する制御部と、紐状部材の断線を検知する断線検知部と、を備える。
【0010】
本発明に係る監視装置では、無人飛行体に監視カメラが搭載されているため、任意の位置から基体の周囲を撮像することができる。一方、無人飛行体は、紐状部材により基体に接続されているため、故障や混線等により制御不能になっても、紐状部材の長さ以上に基体から離れることはない。これにより、無人飛行体が制御不能になっても無人飛行体を回収することができる。更に、この監視装置では、断線検知部により紐状部材の断線を検知する。このため、紐状部材の断線を検知した際に、無人飛行体の飛行制御を行うことで、無人飛行体が行方不明になるのを抑制することができる。
【0011】
この場合、紐状部材に沿って設けられる信号線と、信号線の基体及び無人飛行体の何れか一方側に接続される送信部と、信号線の基体及び無人飛行体の何れか他方側に接続される受信部と、を更に備え、送信部は、信号線により信号を受信部に送信し、断線検知部は、受信部において信号を受信できない場合に紐状部材が断線したと判定してもよい。この監視装置では、紐状部材が断線していない場合は、送信部と受信部とが信号線により電気的に接続されているため、受信部において信号を受信することができる。一方、紐状部材が断線している場合は、送信部と受信部とが信号線により電気的に接続されていないため、受信部において信号を受信することができない。このため、断線検知部は、受信部における信号の受信有無を判定するにより、紐状部材の断線有無を容易に検知することができる。
【0012】
また、制御部は、断線検知部により紐状部材の断線が検知された場合、無人飛行体を設定位置まで飛行させてもよい。この監視装置では、紐状部材が断線すると、制御部は無人飛行体を設定位置まで飛行させるため、紐状部材の断線により無人飛行体が行方不明になるのを抑制することができる。
【0013】
また、制御部は、断線検知部により紐状部材の断線が検知された場合、監視カメラによる撮像を停止させることが好ましい。この監視装置では、紐状部材が断線すると、制御部は監視カメラによる撮像を停止させるため、紐状部材の断線により無人飛行体が基体から離れていった場合に、監視カメラが監視対象以外を撮像するのを抑制することができる。
【0014】
また、紐状部材に作用している引張荷重を検出する荷重検出部を更に備えてもよい。この監視装置では、紐状部材に過度の引張荷重が作用すると、紐状部材が断線する可能性がある。そこで、荷重検出部が紐用部材に作用している引張荷重を検出することで、紐状部材が断線する前に、紐状部材が断線しそうな状態であるのか否かを判断することができる。
【0015】
また、制御部は、荷重検出部により検出された引張荷重が閾値を超えた場合、紐状部材が弛む方向に無人飛行体を飛行させてもよい。この監視装置では、荷重検出部により検出された引張荷重が閾値を超えると、制御部は、紐状部材が弛む方向に無人飛行体を飛行させるため、紐状部材に過度の引張荷重が作用することにより紐状部材が断線するのを未然に防止することができる。
【0016】
また、制御部は、無人飛行体に搭載される飛行体制御部であってもよい。この監視装置では、無人飛行体を制御する制御部が無人飛行体に搭載されているため、紐状部材の断線を検知した際に、無人飛行体の自律制御により、断線に対応した処理を行なうことができる。
【0017】
本発明に係る他の監視装置は、基体と、複数の無人飛行体と、基体と無人飛行体とに接続される紐状部材と、無人飛行体に搭載された監視カメラと、無人飛行体を制御する制御部と、を備え、制御部は、監視カメラで撮像された画像に基づいて、無人飛行体の飛行位置を調整する。
【0018】
本発明に係る監視装置では、無人飛行体に監視カメラが搭載されているため、任意の位置から基体の周囲を撮像することができる。一方、無人飛行体は、紐状部材により基体に接続されているため、故障や混線等により制御不能になっても、紐状部材の長さ以上に基体から離れることはない。これにより、無人飛行体が制御不能になっても無人飛行体を回収することができる。更に、この監視装置では、無人飛行体の飛行位置によって監視カメラによる撮像領域が変わるため、制御部が、監視カメラで撮像された画像に基づいて無人飛行体の飛行位置を調整することで、監視したい領域を適切に撮像することができる。
【0019】
この場合、制御部は、複数の無人飛行体のうち、隣り合う第一無人飛行体及び第二無人飛行体に搭載された監視カメラにより撮像された画像間に、撮像されていない領域が存在する場合、第一無人飛行体及び第二無人飛行体の少なくとも一方を互いに近づく方向に飛行させてもよい。隣り合う無人飛行体が離れすぎていると、監視カメラにより撮像されない領域が発生するが、撮像画像により撮像される領域は、無人飛行体の水平位置及び垂直位置によって変わる。そこで、この監視装置では、隣り合う無人飛行体に搭載された監視カメラにより撮像された画像間に撮像されていない領域が存在すると、制御部が、これらの無人飛行体を近づけるため、撮像されない領域が発生するのを抑制することができる。
【0020】
また、制御部は、監視カメラにより撮像された画像から監視対象がはみ出る場合、無人飛行体を現在よりも上方の位置に飛行させてもよい。監視対象に対して無人飛行体が低い位置を飛行していると、監視カメラにより撮像された画像から監視対象がはみ出る可能性がある。そこで、この監視装置では、監視カメラにより撮像された画像から監視対象がはみ出る場合、制御部が、無人飛行体を現在よりも上方の位置に飛行させるため、監視対象の全体を監視カメラにより撮像することができる。
【0021】
また、制御部は、無人飛行体とは別の場所に設けられる監視制御部であってもよい。この監視装置では、無人飛行体を制御する制御部が無人飛行体とは別の場所に設けられているため、オペレータなどが、監視カメラで撮像された画像に基づいて無人飛行体を最適な位置で飛行させることができる。
【0022】
上記の何れかの監視制御装置において、紐状部材は、基体側から無人飛行体に電力を供給する給電線を有してもよい。この監視装置では、紐状部材の給電線を介して基体側から無人飛行体に電力が供給されるため、無人飛行体にバッテリを搭載しなくてもよくなる。これにより、無人飛行体を軽量化することができるとともに、無人飛行体を長時間にわたって飛行させることができる。
【0023】
また、基体と紐状部材との間に接続される弾性伸縮部材を更に備えてもよい。この監視装置では、無人飛行体が勢いよく基体から離れて行ったとしても、弾性伸縮部材が弾性伸縮することにより、紐状部材に作用する引張荷重を緩やかに上昇させることができる。これにより、紐状部材が断線するのを抑制することができる。
【0024】
また、紐状部材が弛んだ状態で基体と紐状部材の中間部とに接続される弾性伸縮部材を更に備えてもよい。この監視装置では、無人飛行体が勢いよく基体から離れて行ったとしても、弾性伸縮部材が弾性伸縮することにより、紐状部材に作用する引張荷重を緩やかに上昇させることができる。これにより、紐状部材が断線するのを抑制することができる。しかも、紐状部材が弛んだ状態で基体と紐状部材の中間部とに弾性伸縮部材が接続されているため、紐状部材により弾性伸縮部材の伸縮が阻害されるのを抑制しつつ、紐状部材を基体に接続することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、無人飛行体を利用した監視装置において、無人飛行体が制御不能になっても無人飛行体を回収することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明に係る監視装置の好適な実施形態について詳細に説明する。全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0028】
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
図1に示すように、第一実施形態に係る監視装置1は、基体2と、1又は複数の無人飛行体3と、基体2と無人飛行体3とに接続される紐状部材4と、監視制御部5と、を備える。
【0029】
基体2は、紐状部材4により無人飛行体3と接続されるものである。基体2には、無人飛行体3に電力を供給するための電力供給源6が設けられている。電力供給源6としては、蓄電器(バッテリ)、発電機などを用いることができる。
【0030】
基体2は、静止物であってもよいが、動くことが可能な可動体であることが好ましい。可動体が動く場所としては、陸上、水上、空等の任意の場所であってよい。可動体の動き方としては、移動、飛行、旋回、回転、揺動、屈伸等の任意の態様であってよい。可動体の具体例としては、クレーン車、タワークレーン、ショベルカー等の建機、自動車、トラック、バス、オートバイ等の走行車両、鉄道、モノレール等のレール上を走行する軌条装置、飛行機、ヘリコプター、飛行船、気球等の飛行体、船舶、ボート等の船、パワーリフト、荷揚機、ウインチ等の昇降装置、人間型ロボット、動物型ロボット、産業用ロボット等の機械装置、人、犬等の動物、などが挙げられる。基体2が人、犬等の動物である場合、これらの動物に直接的に紐状部材4を接続してもよいが、これらの動物に装着したリュックサック、ベルト等の装着具等を介して、間接的に紐状部材4に接続してもよい。
【0031】
無人飛行体3は、無人で飛行可能な飛行体である。無人飛行体3は、GPS等により無人飛行体3の現在位置を取得することが可能となっている。現在位置は、例えば、水平位置(水平座標)及び垂直位置(高度)により表すことができる。そして、無人飛行体3は、自律制御等により、監視制御部5から指令された位置において飛行することが可能となっている。無人飛行体3としては、特許文献2に記載された無人飛行体を一例として、公知の様々な無人飛行体を用いることができる。
【0032】
無人飛行体3は、監視カメラ7と、飛行体制御部8と、を備える。なお、後述するように、無人飛行体3は、基体2の電力供給源6から電力供給を受けることにより飛行するため、無人飛行体3を飛行させるためのバッテリを備えなくてもよい。
【0033】
監視カメラ7は、基体2の周囲状況を監視するために、無人飛行体3の外方を撮像する。監視カメラ7は、静止画を撮像してもよいが、動画を撮像することが好ましい。何れの場合であっても、監視カメラ7は、撮像した画像を取得する。監視カメラ7の撮像方向は特に限定されないが、本実施形態では、監視カメラ7は無人飛行体3の下方を撮像するものとして説明する。なお、無人飛行体3は、基体2の周囲状況を監視するために、監視カメラの他に、風向き及び風速を計測する風況センサ(不図示)等を備えてもよい。
【0034】
飛行体制御部8は、CPU、メモリ等を主構成要素として、無人飛行体3を制御する。
【0035】
図2は、飛行体制御部の機能ブロック図である。
図1及び
図2に示すように、飛行体制御部8は、飛行制御部81と、送信制御部82と、を備える。
【0036】
飛行制御部81は、無人飛行体3の飛行制御を行う。飛行制御部81による無人飛行体3の飛行制御としては、監視制御部5からの指令に基づく飛行制御と、監視制御部5からの指令に基づかない飛行制御と、がある。
【0037】
飛行制御部81は、監視制御部5からの指令に基づく飛行制御として、例えば、監視制御部5で指令された位置において無人飛行体3を飛行させる。監視制御部5で指令される無人飛行体3の飛行位置としては、例えば、複数の無人飛行体3が互いに等間隔となる位置、監視カメラ7から基体2の周囲の特定位置を撮像できる位置等が挙げられる。なお、上述したように、無人飛行体3は、無人飛行体3の現在位置を取得することが可能であるため、飛行制御部81又は監視制御部5に基体2の現在位置を登録しておくことで、基体2に対する無人飛行体3の相対位置を算出することができる。
【0038】
飛行制御部81は、監視制御部5からの指令に基づかない飛行制御として、例えば、障害発生時に、無人飛行体3を設定位置まで飛行させる。設定位置は、無人飛行体3に予め設定された位置である。設定位置としては、基体2の特定位置であってもよく、基体2とは別の位置であってもよい。障害としては、例えば、故障や混線等により監視制御部5からの指令が届かない場合や、電力供給源6からの電力供給が途絶えた場合等がある。
【0039】
送信制御部82は、監視カメラ7が撮像した画像を監視制御部5に送信する。送信制御部82から監視制御部5への画像の送信は、有線または無線により行うことができる。有線により行う場合は、紐状部材4を利用することができる。なお、無人飛行体3に風況センサ等が搭載されている場合は、送信制御部82は、このセンサで計測した値も監視制御部5に送信する。
【0040】
紐状部材4は、基体2と無人飛行体3とに接続される。つまり、無人飛行体3は、紐状部材4によって基体2に接続される。このため、無人飛行体3は、紐状部材4により拘束される範囲内においてのみ、飛行可能となる。紐状部材4と基体2及び無人飛行体3との接続は、直接的に接続されてもよく、他部材を介して間接的に接続されてもよい。なお、無人飛行体3が複数ある場合、紐状部材4は、各無人飛行体3を個別に基体2に接続してもよく、複数の無人飛行体3を纏めて基体2に接続してもよい。
【0041】
紐状部材4は、電力供給源6から無人飛行体3に給電(電力供給)するための給電線(不図示)を備える。このため、電力供給源6と無人飛行体3とは、紐状部材4の給電線を介して電気的に接続されている。
【0042】
監視制御部5は、無人飛行体3とは別の場所に設けられている。そして、監視制御部5は、CPU、メモリ等を主構成要素として、無人飛行体3を制御する。具体的に説明すると、監視制御部5は、無人飛行体3の飛行制御部81に飛行位置を指令することで、無人飛行体3の飛行制御を行う。また、監視制御部5は、無人飛行体3の送信制御部82が送信した画像を受信することで、監視カメラで撮像された画像を取得する。そして、監視制御部5では、取得した画像をモニター等の表示装置に表示して、無人飛行体3の飛行位置を指令する。このとき、監視制御部5では、複数の無人飛行体3から送信された画像を、そのまま表示装置に表示してもよく、一つに合成して表示装置に表示してもよい。
【0043】
監視制御部5は、無人飛行体3とは別の場所に設けられていれば、如何なる場所に設けられてもよい。例えば、基体2に設けられてもよく、基体2とは別の場所に設けられてもよい。
【0044】
次に、本実施形態の監視装置1を建築現場のタワークレーンに適用した例について説明する。
【0045】
図3は、本実施形態の監視装置を適用したタワークレーンの概略図である。
図4は、
図3に示すタワークレーンによる吊荷の接合作業を示す概略図である。
図3及び
図4に示すように、この適用例では、基体2として機能するタワークレーン2aに、電力供給源6として機能するバッテリ6aが取り付けられている。バッテリ6aに、複数の無人飛行体3が紐状部材4により接続されており、各無人飛行体3が、紐状部材4によりバッテリ6aから給電されている。タワークレーン2aのオペレーション室(不図示)に、監視制御部(
図3及び
図4では不図示)が設けられている。そして、タワークレーン2aに吊り下げた吊荷Aを被接合部材B1,B2に接合する際は、被接合部材B1,B2の上方から吊荷Aを下降させる。
【0046】
ところが、オペレーション室からは、吊荷Aと被接合部材B1,B2との接合位置が死角となって見えない場合がある。このような場合、オペレータは、まず、監視カメラ7で吊荷Aと被接合部材B1,B2との接合位置を撮像できる位置に無人飛行体3を飛行させ、オペレーション室に設けられた表示装置に、監視カメラ7で撮像した画像を表示させる。そして、オペレータは、吊荷Aと被接合部材B1,B2との接合位置が表示された表示装置を見ながら、被接合部材B1,B2の上方から吊荷Aを下降させる。これにより、オペレータは、容易に吊荷Aを被接合部材B1,B2に接合することができる。
【0047】
次に、無人飛行体が設けられない比較例のタワークレーンについて説明する。
【0048】
図5は、比較例1のタワークレーンの概略図である。
図5に示すように、比較例1では、タワークレーン2aのジブ先端に、監視カメラ7bが取り付けられている。このため、オペレーション室に設けられた表示装置からは、吊荷Aを真上から見ることができるものの、吊荷Aと被接合部材B1,B2との接合位置を見ることができない。
【0049】
図6は、比較例2のタワークレーンの概略図である。
図6に示すように、比較例2では、吊荷Aの両端に、監視カメラ7cが取り付けられている。このため、オペレーション室に設けられた表示装置から、吊荷Aと被接合部材B1,B2との接合位置を見ることができる。しかしながら、監視カメラ7cが吊荷Aに取り付けられているため、吊荷Aを被接合部材B1,B2に接合した後に、監視カメラ7cを別の吊荷(不図示)に盛り替える必要がある。
【0050】
このように、本実施形態の監視装置1では、無人飛行体3に監視カメラ7が搭載されているため、任意の位置から基体2の周囲を撮像することができる。一方、無人飛行体3は、紐状部材4により基体2に接続されているため、故障や混線等により制御不能になっても、紐状部材4により拘束される範囲を超えて基体2から離れることはない。これにより、無人飛行体3が制御不能になっても無人飛行体3を回収することができる。
【0051】
更に、この監視装置1では、基体2が可動体であるため、様々な場所において無人飛行体3からの監視を行うことができる。これにより、監視装置1の利用幅を広げることができる。
【0052】
また、この監視装置1では、紐状部材4の給電線を介して基体2から無人飛行体3に電力が供給されるため、無人飛行体3にバッテリを搭載しなくてもよくなる。これにより、無人飛行体3を軽量化することができるとともに、無人飛行体3を長時間にわたって飛行させることができる。
【0053】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であるが、紐状部材の断線検知・引張荷重検出が行われる点のみ、第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0054】
図7は、第二実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
図7に示すように、第二実施形態に係る監視装置1Aは、基体2と、1又は複数の無人飛行体3と、基体2と無人飛行体3とに接続される紐状部材4と、監視制御部5と、荷重センサ11と、受信部12と、を備える。なお、
図7では、分かり易くするために、一つの無人飛行体3のみを示している。
【0055】
紐状部材4は、給電線とは別に、紐状部材4に沿って設けられる信号線(不図示)を備える。そして、荷重センサ11と受信部12とは、紐状部材4の信号線により電気的に接続されている。
【0056】
荷重センサ11は、紐状部材4に作用している引張荷重を検出するセンサである。このため、荷重センサ11は、紐状部材4に作用している引張荷重を検出する荷重検出部として機能する。なお、荷重センサ11としては、公知の様々なセンサを用いることができる。荷重センサ11は、紐状部材4及び信号線の基体2側端部に接続されている。そして、荷重センサ11は、検出した引張荷重を電気信号に変換して、信号線により受信部12に送信する。このため、荷重センサ11は、信号線により信号を受信部に送信する送信部としても機能する。なお、引張荷重の送信は、定期的又は連続的に行うことができる。
【0057】
受信部12は、無人飛行体3に搭載されて、信号線の無人飛行体3側端部に接続されている。そして、受信部は、荷重センサ11から送信された引張荷重の電気信号を受信する。そして、受信部12は、受信した引張荷重を飛行体制御部8に送信する。
【0058】
図8は、飛行体制御部の機能ブロック図である。
図7及び
図8に示すように、飛行体制御部8は、飛行制御部81と、送信制御部82と、撮像制御部83と、断線検知部84と、荷重判定部85と、を備える。
【0059】
撮像制御部83は、監視カメラ7による撮像を制御する。撮像制御部83による監視カメラ7の制御としては、監視カメラ7による撮像の開始、監視カメラ7による撮像の停止などが挙げられる。
【0060】
断線検知部84は、紐状部材4の断線を検知する。具体的に説明すると、紐状部材4が断線していない場合は、荷重センサ11と受信部12とが紐状部材4の信号線により電気的に接続されているため、荷重センサ11から送信された引張荷重の電気信号を受信部12において受信することができる。一方、紐状部材4が断線している場合は、荷重センサ11と受信部12とが紐状部材4の信号線により電気的に接続されていないため、荷重センサ11から送信された引張荷重の電気信号を受信部12において受信することができない。そこで、断線検知部84は、受信部12において引張荷重の電気信号を受信できない場合に紐状部材4が断線したと判定し、これにより紐状部材4の断線を検知する。
【0061】
そして、断線検知部84により紐状部材4の断線が検知された場合、飛行制御部81は、断線時処理として無人飛行体3を設定位置まで飛行させ、撮像制御部83は、断線時処理として監視カメラ7による撮像を停止する。
【0062】
荷重判定部85は、荷重センサ11により検出された引張荷重が閾値を超えるか否かを判定する。つまり、荷重判定部85は、受信部12から飛行体制御部8に送信された引張荷重を受信し、この受信した引張荷重が閾値を超えるか否かを判定する。閾値は、紐状部材4が断線しない程度の引張荷重の値であり、ある程度の余裕を持たせた値であることが好ましい。
【0063】
そして、荷重判定部85により引張荷重が閾値を超えると判定された場合、飛行制御部81は、断線回避処理として紐状部材4が弛む方向に無人飛行体3を飛行させる。つまり、紐状部材4に作用する引張荷重が過大になると、紐状部材4が断線する可能性があるため、このような場合に、紐状部材4が弛む方向に無人飛行体3を飛行させる。なお、紐状部材4が弛む方向は、基体2に近づく方向であり、基体2及び無人飛行体3の現在位置から簡単に算出することができる。
【0064】
次に、
図9を参照して、監視装置1Aにおける紐状部材の断線検知・引張荷重検出処理について説明する。
【0065】
図9は、紐状部材の断線検知・引張荷重検出処理を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、荷重センサ11は、紐状部材4に作用する引張荷重を検出する(S1)。そして、荷重センサ11は、検出した引張荷重の電気信号を受信部12に送信する(S2)。
【0066】
次に、断線検知部84は、受信部12における引張荷重の受信有無に基づいて、紐状部材4が断線したか否かを判定する(S3)。
【0067】
紐状部材4が断線したと判定した場合(S3:YES)、飛行制御部81及び撮像制御部83は、断線時処理を行なう(S4)。飛行制御部81は、断線時処理として、無人飛行体3を設定位置まで飛行させる。撮像制御部83は、断線時処理として、監視カメラ7による撮像を停止する。
【0068】
一方、紐状部材4が断線していないと判定した場合(S3:NO)、荷重判定部85は、荷重センサ11により検出された引張荷重が閾値を超えるか否かを判定する(S5)。
【0069】
引張荷重が閾値を超えないと判定した場合(S5:NO)、監視装置1Aは、紐状部材の断線検知・引張荷重検出処理を終了する。
【0070】
一方、引張荷重が閾値を超えると判定した場合(S5:YES)、飛行制御部81は、断線回避処理として紐状部材4が弛む方向に無人飛行体3を飛行させる(S6)。そして、監視装置1Aは、紐状部材の断線検知・引張荷重検出処理を終了する。
【0071】
このように、本実施形態の監視装置1Aでは、断線検知部84により紐状部材4の断線を検知する。このため、紐状部材4の断線を検知した際に、無人飛行体3の飛行制御を行うことで、無人飛行体が行方不明になるのを抑制することができる。この場合、受信部12における引張荷重の電気信号の受信有無を判定することにより、紐状部材4の断線有無を容易に検知することができる。
【0072】
また、この監視装置1Aでは、紐状部材4が断線すると、飛行制御部81は無人飛行体3を設定位置まで飛行させるため、紐状部材4の断線により無人飛行体3が行方不明になるのを抑制することができる。同様に、紐状部材4が断線すると、撮像制御部83は監視カメラ7による撮像を停止させるため、紐状部材4の断線により無人飛行体3が基体から離れていった場合に、監視カメラが監視対象以外を撮像するのを抑制することができる。
【0073】
また、この監視装置1Aでは、荷重センサ11が紐用部材に作用している引張荷重を検出することで、紐状部材4が断線する前に、断線検知部84により紐状部材4が断線しそうな状態であるのか否かを判断することができる。
【0074】
また、この監視装置1Aでは、荷重センサ11により検出された引張荷重が閾値を超えると、飛行制御部81は、紐状部材4が弛む方向に無人飛行体3を飛行させるため、紐状部材4に過度の引張荷重が作用することにより紐状部材4が断線するのを未然に防止することができる。
【0075】
また、この監視装置1Aでは、無人飛行体3を制御する飛行体制御部8が無人飛行体に搭載されているため、紐状部材4の断線を検知した際に、無人飛行体3の自律制御により、断線に対応した処理を行なうことができる。
【0076】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、基本的に第二実施形態と同様であるが、紐状部材に弾性伸縮部材が接続されている点のみ、第二実施形態と相違する。このため、以下では、第二実施形態と相違する事項のみを説明し、第二実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0077】
図10は、第三実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
図10に示すように、第三実施形態に係る監視装置1Bは、基体2と、1又は複数の無人飛行体3と、基体2と無人飛行体3とに接続される紐状部材4と、監視制御部5と、荷重センサ11と、受信部12と、弾性伸縮部材13と、を備える。なお、
図10では、分かり易くするために、一つの無人飛行体3のみを示している。
【0078】
弾性伸縮部材13は、弾性伸縮可能な部材である。弾性伸縮部材13としては、コイルばね等を用いることができる。そして、弾性伸縮部材13は、基体2と紐状部材4との間に接続される。つまり、紐状部材4は、弾性伸縮部材13及び荷重センサ11を介して、間接的に基体2に接続されている。この場合、弾性伸縮部材13に給電線を通し、又は、弾性伸縮部材13に対して給電線を並設することで、紐状部材4の給電線と基体2の電力供給源6とを電気的に接続する。なお、弾性伸縮部材13は、基体2と荷重センサ11との間に接続されてもよく、荷重センサ11と紐状部材4との間に接続されてもよい。
図10では、弾性伸縮部材13が荷重センサ11と紐状部材4との間に接続された形態を示している。
【0079】
このように、本実施形態の監視装置1Bでは、弾性伸縮部材13により基体2と無人飛行体3との最大離間距離を伸縮させることができるため、紐状部材4に過度の引張荷重が作用することにより紐状部材4が断線するのを抑制することができる。
【0080】
(第四実施形態)
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態は、基本的に第二実施形態と同様であるが、紐状部材に弾性伸縮部材が接続されている点のみ、第二実施形態と相違する。このため、以下では、第二実施形態と相違する事項のみを説明し、第二実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0081】
図11は、第四実施形態に係る監視装置の概略構成図である。
図11に示すように、第四実施形態に係る監視装置1Cは、基体2と、1又は複数の無人飛行体3と、基体2と無人飛行体3とに接続される紐状部材4と、監視制御部5と、荷重センサ11と、受信部12と、弾性伸縮部材13と、を備える。なお、
図11では、分かり易くするために、一つの無人飛行体3のみを示している。
【0082】
弾性伸縮部材13は、弾性伸縮可能な部材である。弾性伸縮部材13としては、コイルばね等を用いることができる。そして、弾性伸縮部材13は、紐状部材4が弛んだ状態で基体2と紐状部材4の中間部とに接続される。弾性伸縮部材13が接続される紐状部材4の接続位置は、特に限定されるものではなく、弾性伸縮部材13の自然状態において紐状部材4が弛んだ状態となれば、紐状部材4の如何なる位置に弾性伸縮部材13が接続されてもよい。なお、荷重センサ11は、弾性伸縮部材13と基体2との間に接続されてもよく、紐状部材4と基体2との間に接続されてもよい。
図11では、荷重センサ11が弾性伸縮部材13と基体2との間に接続された形態を示している。
【0083】
このように、本実施形態の監視装置1Cでは、無人飛行体3が勢いよく基体2から離れて行ったとしても、弾性伸縮部材13が弾性伸縮することにより、紐状部材4に作用する引張荷重を緩やかに上昇させることができる。これにより、紐状部材4が断線するのを抑制することができる。しかも、紐状部材4が弛んだ状態で基体2と紐状部材4の中間部とに弾性伸縮部材13が接続されているため、紐状部材4により弾性伸縮部材13の伸縮が阻害されるのを抑制しつつ、紐状部材4を基体2に接続することができる。
【0084】
(第五実施形態)
次に、第五実施形態について説明する。第五実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であるが、無人飛行体の飛行制御のみ、第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0085】
図1及び
図2に示すように、監視制御部5は、監視カメラ7で撮像された画像に基づいて、無人飛行体3の飛行位置を調整する。具体的に説明すると、監視制御部5は、各無人飛行体3の送信制御部82から送信された複数の画像を、一つの平面画像に合成する。なお、一つの平面画像に合成した画像を、合成画像という。そして、監視制御部5は、合成画像が良好となるように、各無人飛行体3の飛行位置を調整する。ここで、合成画像が良好であるとは、合成画像に監視対象が適切に含まれていることをいう。合成画像に監視対象が適切に含まれているとは、合成画像に監視対象が監視可能な態様で含まれていることをいう。合成画像が良好であるか否かは、人の判断により行ってもよく、監視制御部5における画像処理等により行ってもよい。
【0086】
ここで、複数の無人飛行体3のうち、隣り合う無人飛行体3を第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bとし、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bに搭載された監視カメラ7により、建築現場の仮囲いCに囲まれた建築物Dを撮像する場合を考える。但し、本実施形態における無人飛行体の飛行制御は、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bの飛行制御だけでなく、1又は3以上の無人飛行体3の飛行制御に適用することができる。
【0087】
図12〜
図14は、隣り合う無人飛行体により撮像される画像を説明するための図であり、
図12〜
図14の(a)は、第一無人飛行体、第二無人飛行体、仮囲い及び建築物の位置関係を示す図、
図12〜
図14の(b)は第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bで撮像した画像の合成画像を示す。
【0088】
図12に示すように、第一無人飛行体3aと第二無人飛行体3bとが互いに良好な位置で飛行していると、第一無人飛行体3aに搭載された監視カメラ7により撮像された画像の一部と、第二無人飛行体3bに搭載された監視カメラ7により撮像された画像の一部と、が重なる。このため、これらの画像を合成した合成画像は、全体が連続した画像となる。複数の画像の合成は、例えば、次のように行うことができる。第一の方法としては、まず、撮像領域に目印となるポイントを複数配置しておく。そして、撮像した画像からこのポイントを抽出し、互いの画像の位置関係を算出する。そして、算出した位置関係に基づいて、複数の画像を合成する。第二の方法としては、まず、仮囲いCの形状を登録しておく。そして、撮像した画像から仮囲いCを抽出し、この抽出した仮囲いCの形状と、登録した仮囲いCの形状とを比較することにより、互いの画像の位置関係を算出する。そして、算出した位置関係に基づいて、複数の画像を合成する。但し、複数の画像の合成は、これらの方法に限定されるものではなく、様々な方法により行うことができる。
【0089】
これに対し、
図13に示すように、第一無人飛行体3aと第二無人飛行体3bとが離れすぎた位置で飛行していると、第一無人飛行体3aに搭載された監視カメラ7により撮像された画像と、第二無人飛行体3bに搭載された監視カメラ7により撮像された画像との間に、撮像されていない領域が存在する。このため、これらの画像を合成した合成画像は、隙間の生じた非連続の画像となる。この場合、監視制御部5は、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bの少なくとも一方を互いに近づく方向に飛行させる。
【0090】
また、
図12に示すように、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bが仮囲いC及び建築物Dに対して良好な高さで飛行していると、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bで撮像した画像の合成画像に、仮囲いC及び建築物Dの全体が適切な大きさに収まる。
【0091】
これに対し、
図14に示すように、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bが仮囲いC及び建築物Dに対して低すぎる(近すぎる)位置で飛行していると、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bで撮像した画像の合成画像から、建築物D、又は建築物D及び仮囲いCの双方がはみ出る。この場合、監視制御部5は、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bを現在よりも上方の位置に飛行させる。
【0092】
なお、合成画像が良好でない場合としては、これらの例に限定されるものではない。例えば、第一無人飛行体3aに搭載された監視カメラ7により撮像された画像と、第二無人飛行体3bに搭載された監視カメラ7により撮像された画像とが、所定方向にずれる場合等がある。この場合、監視制御部5は、第一無人飛行体3a及び第二無人飛行体3bを、互いに所定方向において近づく位置に飛行させる。
【0093】
次に、
図15及び
図16を参照して、無人飛行体3の飛行位置調整処理について説明する。
図15は、画像表示処理を示すフローチャートである。
図16は、飛行位置調整処理を示すフローチャートである。
【0094】
図1、
図2及び
図15に示すように、まず、複数の無人飛行体3において、監視カメラ7による撮像を開始する(S21)。そして、送信制御部82は、監視カメラ7で撮像した画像を監視制御部5に送信する(S22)。
【0095】
監視制御部5は、各無人飛行体3の送信制御部82から送信された画像を受信すると、これらの画像を合成して一つの合成画像を作成する(S23)。そして、監視制御部5は、作成した合成画像を表示装置に表示する(S24)。
【0096】
次に、
図1、
図2及び
図16に示すように、ステップS24において表示装置に表示された合成画像の画像判定を行う(S31)。画像判定は、合成画像が良好であるか否かを判定する。合成画像が良好である場合とは、例えば、
図12に示すように、監視対象の全体が含まれるとともに、隙間のない連続した画像となっている場合をいう。一方、合成画像が良好でない場合とは、例えば、
図13に示すように、隙間の生じた非連続の画像となっている場合や、
図14に示すように、監視対象が合成画像からはみ出す場合(
図14参照)等をいう。なお、ステップS31の画像判定は、人の判断により行ってもよく、監視制御部5における画像処理等により行ってもよい。
【0097】
そして、合成画像が良好であると判定した場合は(S31:YES)、無人飛行体3の飛行位置調整処理を終了する。
【0098】
一方、合成画像が良好でないと判定した場合は(S31:NO)、監視制御部5は、無人飛行体3の現在位置を示す位置データを取得する(S32)。
【0099】
次に、合成画像が良好となる無人飛行体3の飛行位置を、変更位置として算出する(S33)。合成画像が良好となる無人飛行体3の飛行位置とは、例えば、
図13に示す合成画像の場合は、隣り合う無人飛行体3が互いに近づく方向の位置となり、
図14に示す合成画像の場合は、現在位置よりも上方の位置となる。
【0100】
次に、監視制御部5は、無人飛行体3の飛行制御部81に、算出した変更位置で飛行するように指令する(S35)。すると、飛行制御部81は、監視制御部5から指令された変更位置に無人飛行体3を移動させて、無人飛行体3を変更位置で飛行させる。そして、無人飛行体3の飛行位置調整処理を終了する。
【0101】
このように、本実施形態の監視装置1では、無人飛行体3の飛行位置によって監視カメラ7による撮像領域が変わるため、監視制御部5が、監視カメラ7で撮像された画像に基づいて無人飛行体3の飛行位置を調整することで、監視したい領域を適切に撮像することができる。
【0102】
また、この監視装置1では、隣り合う無人飛行体3に搭載された監視カメラ7により撮像された画像間に撮像されていない領域が存在すると、監視制御部5が、これらの無人飛行体3を近づけるため、撮像されない領域が発生するのを抑制することができる。
【0103】
また、この監視装置1では、監視カメラ7により撮像された画像から監視対象がはみ出る場合、監視制御部5が、無人飛行体3を現在よりも上方の位置に飛行させるため、監視対象の全体を監視カメラ7により撮像することができる。
【0104】
また、この監視装置1では、無人飛行体3を制御する監視制御部5が無人飛行体3とは別の場所に設けられているため、オペレータなどが、監視カメラ7で撮像された画像に基づいて無人飛行体3を最適な位置で飛行させることができる。
【0105】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0106】
例えば、上記実施形態では、制御部として、無人飛行体に搭載される飛行体制御部と、無人飛行体とは別の場所に設けられる監視制御部と、に分けられるものとして説明したが、飛行体制御部で行う処理の一部又は全部を監視制御部で行ってもよく、監視制御部で行う処理の一部又は全部を飛行体制御部で行ってもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、無人飛行体は、紐状部材により基体側から電力供給を受けるものとして説明したが、無人飛行体にバッテリを搭載し、紐状部材は無人飛行体に電力供給しないものとしてもよい。
【0108】
また、第二実施形態では、紐状部材の信号線に送信された信号の検知有無に基づいて紐状部材の断線検知を行うものとして説明したが、紐状部材の断線検知は、この手法に限定されるものではなく、如何なる手法を採用してもよい。
【0109】
また、第二実施形態では、紐状部材の信号線により無人飛行体に引張荷重を送信するものとして説明したが、無線により無人飛行体に引張荷重を送信するものとしてもよい。
【0110】
また、第二実施形態では、送信部である荷重センサが信号線の基体側に接続され、受信部が信号線の無人飛行体側に接続されるものとして説明したが、送信部と受信部とが逆に接続されていてもよい。つまり、送信部は、信号線の基体及び無人飛行体の何れか一方側に接続され、受信部は、信号線の基体及び無人飛行体の何れか他方側に接続されていればよい。
【0111】
また、第二実施形態では、断線検知及び引張荷重検出の双方を行うものとして説明したが、引張荷重検出を行わずに、断線検知のみを行ってもよい。
【0112】
また、第五実施形態において、無人飛行体3が一台である場合は、ステップS23を行わずに、以降の処理において、合成画像の代わりに無人飛行体3から送信された画像を用いればよい。同様に、無人飛行体3が複数台である場合も、ステップS23を行わずに、以降の処理において、合成画像の代わりに無人飛行体3から送信された画像を用いてもよい。
【0113】
なお、上記の各実施形態は、適宜組み合わせることができる。