(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557626
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】骨盤運動促進歩行計
(51)【国際特許分類】
A63B 23/02 20060101AFI20190729BHJP
【FI】
A63B23/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-64648(P2016-64648)
(22)【出願日】2016年3月9日
(65)【公開番号】特開2017-158990(P2017-158990A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】714006406
【氏名又は名称】中島 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】中島 孝
【審査官】
谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−110046(JP,A)
【文献】
特開平10−295848(JP,A)
【文献】
特開2016−14208(JP,A)
【文献】
米国特許第5743837(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/02
A63B 23/035−23/10
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持固定手段により装着者の腹部に固定される上部体に、ガイドの役割となる第一の軌道部と第二の軌道部が前記上部体の前面から前記装着者の下腹部前面もしくは前記装着者の股間節前方部に垂れ下がるように左右に取り付けられ、
前記第一の軌道部のガイドと前記第二の軌道部のガイドは、いずれも垂直方向、または、互いが反対方向の傾斜となる正面視ハ字方向に形成され、
前記第一の軌道部にはガイド上を上下に自在にスライドすることができる第一の可動体が取り付けられ、
前記第二の軌道部にはガイド上を上下に自在にスライドすることができる第二の可動体が取り付けられ、
前記第一の可動体および前記第二の可動体は、前記装着者の下腹部もしくは前記装着者の股間節前方部に押し付けられる一部がそれぞれに設けられていることを特徴とする
骨盤の動きを促す歩行運動装具。
【請求項2】
前記第一の軌道部は、連結手段によって前記上部体に対して脱着可能に取り付けられ、
前記第二の軌道部は、連結手段によって前記上部体に対して脱着可能に取り付けられたことを特徴とする
請求項1記載の骨盤の動きを促す歩行運動装具。
【請求項3】
保持固定手段により装着者の腹部に固定される上部体に、第一の伸縮体と第二の伸縮体が前記上部体の前面から前記装着者の下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるように左右に取り付けられ、
前記第一の伸縮体と前記第二の伸縮体は、
いずれも垂直方向、または、互いが反対方向の傾斜となる正面視ハ字方向に、下部自由端が自在に伸縮する構成であり、
前記第一の伸縮体と第二の伸縮体の下部自由端には、それぞれ前記装着者の下腹部もしくは前記装着者の股間節前方部に押し付けられる一部がそれぞれに設けられていることを特徴とする
骨盤の動きを促す歩行運動装具。
【請求項4】
前記第一の伸縮体は、連結手段によって前記上部体に対して脱着自在に取り付けられ、
前記第二の伸縮体は、連結手段によって前記上部体に対して脱着自在に取り付けられたことを特徴とする
骨盤の動きを促す歩行運動装具。
【請求項5】
前記第一の可動体および前記第二の可動体がそれぞれの前記各軌道部上をスライドする動きをカウントし表示するカウンター、
および/または、
前記第一の可動体および前記第二の可動体がそれぞれの前記軌道部上をスライドする動きを音、光、または外部出力で知らせる手段を設けたことを特徴とする
請求項1または2に記載の骨盤の動きを促す歩行運動装具。
【請求項6】
前記第一の伸縮体および前記第二の伸縮体がそれぞれ伸縮する動きをカウントし表示するカウンター、
および/または、
前記第一の伸縮体および前記第二の伸縮体がそれぞれ伸縮する動きを音、光、または外部出力で知らせる手段を設けたことを特徴とする
請求項3または4に記載の骨盤の動きを促す歩行運動装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
歩行時に装着するトレーニングおよび痩身用骨盤運動装具に関する。
【背景技術】
【0002】
歩くときも走るときも骨盤の動きを意識することが重要である。
歩行とは皆が当たり前にできる動きであるが、そのフォームはそれぞれが非常に個性的である。歩くという動作は日常の中にあたりまえに行われる動作であるが、それが故にその動きが引き起こす身体への影響はとても大きい。健康であるための代謝が高まる動き、スポーツのパフォーマンスを高める基礎的な動きというものがその歩き方の中にあるのであれば、正しい歩き方を身につけることは大変意味のあることとなりうる。誰もが楽をして体を移動したいのは当然であって、歩くという動作の中に効率の良さを求めてしまい、なるべく少ない筋肉の運動量で歩いているのが現実であり、大多数が正しく骨盤を使って歩けていない。
したがって多くの人が痩身目的でウォーキングやランニングをしてもその効果が低いのはフォームが正しくないために新陳代謝が増えないことが原因といえる。正しい歩き方をすれば、なぜ代謝が上がるのであろうか?その答えが骨盤周囲筋や体幹にある筋群の使い方の問題である。
一般に歩く際には股関節から下の動きが意識される。この動きにおいて使われる筋群は主に臀部と大腿部にある臀筋群・大腿四頭筋・ハムストリングスなどである。これらの筋群は運動効率が良く比較的長時間動かすことに長けており、長時間ウォーキングしても代謝があまり上がらない。
そこで骨盤の動きを意識したフォームでは骨盤周囲の筋群や腹筋、背筋群、さらに体幹の筋群までが動員される。これらの筋群、特に体幹の筋群は運動効率が悪く疲労しやすく、さらに腹部の深層にあるために体温を上昇させ新陳代謝を高める。したがって骨盤を意識したフォームでウォーキングすることを習慣づけることは新陳代謝が高くなり痩身に効果的であり、さらに腹部内に位置する臓器が筋刺激によって活性化され、健康を維持するにあたり多くの効果が期待されるものである。しかし、そういった正しい歩行に関する利点を解っていても実際に指導すると上手く理解してもらえないことが多く、また理解できたとしてもその動きをその人の日常生活に取り入れることは非常に難しかった。
またスポーツを嗜むビギナーからアスリートにいたるまで骨盤の動きを意識することは運動パフォーマンスを向上させるうえで非常に重要な要素であり、その動きをどうやって身体にしみ込ませるかも指導の上で課題であった。
骨盤を動かすという目的では、これまでもあらゆる手段で試されてきている。理想のウォーキングフォームをつくるために必要な筋群をトレーニングしてみたり、姿勢を意識してみたりされてきたわけであるが、手軽にその動きを日常の動きの中に取り入れるという目的はいまだ達成されていないといえる。もし理想の動きが歩きの動作に自然に反映されたのであれば、日常の動きすべてがトレーニングとなり得るのである。
本発明はこれらの問題を解決すべく、本発明装具を腰腹部に巻きつけて歩くことで、装着者自身が正しく骨盤を動かせて歩けているかが認識でき、フォームを外的な力で矯正するのではなく、いかにすれば正しく骨盤を動かして歩けるかを装着者自身が試行錯誤しながら正しい動きを身に付けていけるというものである。
また同様にスポーツの分野においても理想の動きをつくるためのトレーニングとして非常に有効な手段となりうるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−14208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
骨盤を使って歩くという動作を誰もが手軽に身に付けられるという手段はまだ無いと言える。また自らの歩行フォームにおいての問題点はなかなか気付きに難いものである。人が歩くという動作ひとつをとっても、その動きは非常に複雑であり、正しく骨盤を使って歩く動きを装具で矯正するということは現実的ではなかった。非常に複雑な装置を作成して動きを矯正していくことは可能であると思われるが、もし誰もが気軽に正しく骨盤を動かして歩くということを身に付けていけるような装具があれば、多くのスポーツ選手、健康的に代謝を高め痩身を目指す方たちにとって非常に有効な手段となるであろうし、腹部内臓が活性化し得ることは健康になるための非常に多くの可能性を秘めているといえる。本発明はこのような歩行に関する装具を作成するための課題として、自らの歩行の問題点を認識でき、理想の動きを誰もが手軽に体現し、習得し得るような歩行装具を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、請求項1および請求項2の発明は当装具の上部体1を腹部に装着することで、臍部周囲の上部体1前方から左右それぞれに下腹部を覆うように垂れ下がった左右の軌道部2,3上にそれぞれ上下スライド自在に可動式に取り付けられた可動体4,5の一部が骨盤前部にあたる上前腸骨棘周辺に押し当てられ、その刺激によって本発明装着者は下腹部の筋緊張を意識できるようになり、左右それぞれの骨盤の動きを可動体4,5が上下にスライドすることで追尾し具現化することを可能としており骨盤の動きを本発明装着者自らが可動体4,5の動きで認識し、可動体4,5を動かすように意識して歩行することで骨盤を使ったフォームを体現できるというものであり、強制的に歩行フォームを矯正するのではなく装着者自らが本発明を正常に作動するように試行錯誤して楽しみながら理想の骨盤の動きを体現でき、習得できることから課題の達成を可能にしたものである。
【0006】
上記課題を達成するため、請求項3および請求項4の発明は当装具の上部体6を腹部に装着することで、臍部周囲の上部体6前方から下腹部を覆うように垂れ下がった上下伸縮自在なる左右一対の伸縮体7,8の下部自由端の一部が骨盤前部にあたる左右の上前腸骨棘周辺にそれぞれ押し当てられ、その刺激によって本発明装着者は下腹部の筋緊張を意識できるようになり、さらに左右それぞれの骨盤の動きを伸縮体7,8が上下に伸縮することで追尾し具現化することを可能としており骨盤の動きを本発明装着者自らが伸縮体7,8で認識し、伸縮体7,8を動かすように意識して歩行することで骨盤を使ったフォームを体現できるというものであり、強制的に歩行フォームを矯正するのではなく装着者自らが本発明を正常に作動するように試行錯誤して楽しみながら理想の骨盤の動きを体現でき、習得できることから課題の達成を可能にしたものである。
【0007】
上記課題を達成するための請求項1の発明は腹部に保持固定された上部体1に、前記上部体1前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるように、摺動部を持ちその摺動部におけるガイドの役割となる第一の軌道部2と第二の軌道部3が取り付けられ、第一の軌道部2には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第一の可動体4が取り付けられ、第二の軌道部3には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第二の可動体5が取り付けられることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の軌道部2は前記上部体1と下方に傾斜するように取り付けられ、前記第二の軌道部3は前記上部体1と前記第一の軌道部2に対して反対方向に下方に傾斜するように取り付けられると共に、前記上部体1に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体1を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の軌道部2と第二の軌道部3上の取り付けられた前記第一の可動体4および前記第二の可動体5のそれぞれの一部分15が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられたことを特徴とする骨盤の動きを促す歩行運動装具である。
【0008】
上記課題を達成するための請求項2の発明は、腹部に保持固定された上部体1に、前記上部体1と分離され、前記上部体1前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるように任意の位置に脱着自在な連結手段19を備え、摺動部を持ちその摺動部におけるガイドの役割となる第一の軌道部2と第二の軌道部3が別々もしくは一体型に取り付けられ、これら第一の軌道部2には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第一の可動体4が取り付けられ、第二の軌道部3には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第二の可動体5が取り付けられることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の軌道部2は前記上部体1と下方に傾斜するように脱着可能に取り付けられ、前記第二の軌道部3は前記上部体1と前記第一の軌道部2に対して反対方向に下方に傾斜するように脱着可能に取り付けられると共に、前記上部体1に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体1を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の軌道部2と第二の軌道部3上に取り付けられた前記第一の可動体4および前記第二の可動体5のそれぞれの一部分が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられたことを特徴とする骨盤の動きを促す歩行運動装具である。
【0009】
上記課題を達成するための請求項3の発明は腹部に保持固定された上部体6に、前記上部体6前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるようにしてなる第一の伸縮体7と第二の伸縮体8が取り付けられ、前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8は自由端が上下に自在に伸縮することができることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の伸縮体7は前記上部体6と下方に傾斜するように取り付けられ、前記第二の伸縮体8は前記上部体6と前記第一の伸縮体7に対して反対方向に下方に傾斜するように取り付けられると共に、前記上部体6に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体6を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8下方の自由端が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられることを特徴とする骨盤の動きを促す歩行運動装具である。
【0010】
上記課題を達成するための請求項4の発明は腹部に保持固定された上部体6に、前記上部体6と分離され、前記上部体6前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるように任意の位置に脱着自在な連結手段19を備えられて取り付けられた別々もしくは一体型の第一の伸縮体7と第二の伸縮体8からなり、前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8は自由端が上下に自在に伸縮することができることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の伸縮体7は前記上部体6と下方に傾斜するように脱着自在に取り付けられ、前記第二の伸縮体8は前記上部体6と前記第一の伸縮体7に対して反対方向に下方に傾斜するように脱着自在に取り付けられると共に、前記上部体6に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体6を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8下方の自由端が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられることを特徴とする骨盤の動きを促す歩行運動装具である。
【0011】
上記課題を達成するための請求項5の発明は請求項1および請求項2の発明に対し骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた可動体4,5が軌道部2,3上を一定距離動いた際にその回数を計測できるように、または前記可動体4,5が軌道部2,3上を一定距離動いた際に音や光もしくは外部出力で装着者に知らせるように、カウンター12および/またはブザー、ランプ、外部出力装置などを軌道部2,3上に取り付けることで当装具装着者が正しく骨盤を動かして歩行しているかを視覚や音などで分かるようにしたものであり、装着者自らが本発明を正常に作動するように試行錯誤して、さらに楽しみながら理想の骨盤の動きを体感でき、習得できるようにしたものである。(
図3)
【0012】
上記課題を達成するための請求項6の発明は請求項3および請求項4の発明に対し上記骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた伸縮体7,8が一定幅伸縮した際にその回数を計測できるように、または伸縮体7,8が一定幅伸縮した際に音や光もしくは外部出力で装着者に知らせるように、カウンター12および/またはブザー、ランプ、外部出力装置などを取り付けることで当装具装着者が正しく骨盤を動かして歩行しているかを視覚や音などで分かるようにしたものであり、装着者自らが本発明を正常に作動するように試行錯誤して、さらに楽しみながら理想の骨盤の動きを体感でき、習得できるようにしたものである。(
図3)
【発明の効果】
【0013】
請求項1および請求項2の発明を装着することにより、臍部周囲の上部体1前方から左右それぞれに下腹部を覆うように垂れ下がった左右の軌道部2,3上にそれぞれ上下スライド自在に可動式に取り付けられた可動体4,5の一部15が骨盤前部にあたる上前腸骨棘周辺に押し当てられ、その刺激によって本発明装着者は下腹部の筋緊張を意識できるようになり、さらに左右それぞれの骨盤の動きを可動体4,5が上下にスライドすることで追尾し具現化することを可能としており骨盤の動きを本発明装着者自らが認識し、可動体4,5を動かすように意識して歩行することで骨盤を使ったフォームを体現できるというものである。これによって本発明を腰腹部に巻きつけて歩くことで、装着者自身が正しく骨盤を動かせて歩けているかが認識でき、いかにすれば正しく骨盤を動かして歩けるかを装着者自身が試行錯誤しながら正しい動きを身に付けていけるというものである。また同様にスポーツの分野においても理想の動きをつくるためのトレーニングとして非常に有効な手段となりうるものである。したがって多くのスポーツ選手、健康的に代謝を高め痩身を目指す方たちにとって非常に有効な手段となるであろう。
【0014】
請求項3および請求項4の発明を装着することにより、臍部周囲の上部体6前方から下腹部を覆うように垂れ下がった上下伸縮自在のそれぞれ左右の伸縮体7,8の下部自由端の一部15が骨盤前部にあたる上前腸骨棘周辺に押し当てられ、その刺激によって本発明装着者は下腹部の筋緊張を意識できるようになり、左右それぞれの骨盤の動きを前記伸縮体7,8が上下に伸縮することで追尾し具現化することを可能としており骨盤の動きを本発明装着者自らが認識し、前記伸縮体7,8を動かすように意識して歩行することで骨盤を使ったフォームを体現できるというものである。これによって本発明を腰腹部に巻きつけて歩くことで、装着者自身が正しく骨盤を動かせて歩けているかが認識でき、いかにすれば正しく骨盤を動かして歩けるかを装着者自身が試行錯誤しながら正しい動きを身に付けていけるというものである。また同様にスポーツの分野においても理想の動きをつくるためのトレーニングとして非常に有効な手段となりうるものである。したがって多くのスポーツ選手、健康的に代謝を高め痩身を目指す方たちにとって非常に有効な手段となるであろう。
【0015】
請求項5の発明により請求項1および請求項2の発明について、骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた左右それぞれの可動体4,5が一定距離動いた際にその回数を計測できるように、または前記可動体4,5が軌道部2,3上を一定距離動いた際に音や光で装着者に知らせるように、カウンター12および/またはブザー、ランプ、外部出力装置など前記軌道部2,3上に取り付けることで当装具装着者が正しく骨盤を動かして歩行しているかを視覚や聴覚などで分かるようにしたものである。
これによって本発明装着者は正しく骨盤を動かして歩けるかを腹部に装着された本発明を覗き見ることなく自然な歩行姿勢でフォームを認識可能となり、さらに楽しくフォームの習得を可能にしたものである。
【0016】
請求項6の発明により請求項3および請求項4の発明について、骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた伸縮体7,8が一定幅伸縮した際にその回数を計測できるように、または前記伸縮体7,8が一定幅伸縮した際に音や光で装着者に知らせるように、カウンター12および/またはブザー、ランプ、外部出力装置などを取り付けることで当装具装着者が正しく骨盤を動かして歩行しているかを視覚や聴覚などで分かるようにしたものである。これによって本発明装着者は正しく骨盤を動かして歩けるかを腹部に装着された本発明を覗き見ることなく自然な歩行姿勢でフォームを認識可能となり、さらに楽しくフォームの習得を可能にしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
図1は、実施例1の装具外観を示す斜視図である。
歩行運動装具は、請求項1に対応する構成として、腹部に保持固定された上部体1に、前記上部体1前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるように、摺動部を持ちその摺動部におけるガイドの役割となる第一の軌道部2と第二の軌道部3が取り付けられ、第一の軌道部2には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第一の可動体4が取り付けられ、第二の軌道部3には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第二の可動体5が取り付けられることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の軌道部2は前記上部体1と下方に傾斜するように取り付けられ、前記第二の軌道部3は前記上部体1と前記第一の軌道部2に対して反対方向に下方に傾斜するように取り付けられると共に、前記上部体1に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体1を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の軌道部2と第二の軌道部3上の取り付けられた前記第一の可動体4および前記第二の可動体5のそれぞれの一部分15が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられている。
【0018】
歩行運動装具は、請求項2に対応する構成として、腹部に保持固定された上部体1に、前記上部体1と分離され、前記上部体1前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるように任意の位置に脱着自在な連結手段19を備え、摺動部を持ちその摺動部におけるガイドの役割となる第一の軌道部2と第二の軌道部3が別々もしくは一体型に取り付けられ、これら第一の軌道部2には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第一の可動体4が取り付けられ、第二の軌道部3には軌道上を上下に自在にスライドすることができる第二の可動体5が取り付けられることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の軌道部2は前記上部体1と下方に傾斜するように脱着可能に取り付けられ、前記第二の軌道部3は前記上部体1と前記第一の軌道部2に対して反対方向に下方に傾斜するように脱着可能に取り付けられると共に、前記上部体1に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体1を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の軌道部2と第二の軌道部3上に取り付けられた前記第一の可動体4および前記第二の可動体5のそれぞれの一部分が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられている。
【0019】
図2は、
実施例2の装具外観を示す斜視図である。
歩行運動装具は、請求項3に対応する構成として、腹部に保持固定された上部体6に、前記上部体6前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるようにしてなる第一の伸縮体7と第二の伸縮体8が取り付けられ、前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8は自由端が上下に自在に伸縮することができることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の伸縮体7は前記上部体6と下方に傾斜するように取り付けられ、前記第二の伸縮体8は前記上部体6と前記第一の伸縮体7に対して反対方向に下方に傾斜するように取り付けられると共に、前記上部体6に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体6を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8下方の自由端が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられている。
【0020】
歩行運動装具は、請求項4に対応する構成として、腹部に保持固定された上部体6に、前記上部体6と分離され、前記上部体6前面から下腹部前面もしくは股間節前方部に垂れ下がるように任意の位置に脱着自在な連結手段19を備えられて取り付けられた別々もしくは一体型の第一の伸縮体7と第二の伸縮体8からなり、前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8は自由端が上下に自在に伸縮することができることからなる骨盤の動きを促す歩行運動装具であって、前記第一の伸縮体7は前記上部体6と下方に傾斜するように脱着自在に取り付けられ、前記第二の伸縮体8は前記上部体6と前記第一の伸縮体7に対して反対方向に下方に傾斜するように脱着自在に取り付けられると共に、前記上部体6に取り付けられた巻回帯9の自由端には前記上部体6を腹部に環状巻回固定するための連結手段10を備えられ、さらに前記第一の伸縮体7と第二の伸縮体8下方の自由端が下腹部もしくは股間節前方部に押し付けられるように取り付けられている。
【0021】
図3は、実施例1の軌道部および可動体の形状を示す斜視図である。
歩行運動装具は、請求項5に対応する構成として、骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた可動体4,5が軌道部2,3上を一定距離動いた際にその回数を計測できるように、または前記可動体4,5が軌道部2,3上を一定距離動いた際に音や光もしくは外部出力で装着者に知らせるように、カウンター12および/またはブザー、ランプ、外部出力装置などを軌道部2,3上に取り付けられている。歩行運動装具は、これにより、当装具装着者が正しく骨盤を動かして歩行しているかを視覚や音などで分かるようにしたものであり、装着者自らが本発明を正常に作動するように試行錯誤して、さらに楽しみながら理想の骨盤の動きを体感でき、習得できるようにしたものである。
【0022】
図4は、実施例2の伸縮体の形状を示す斜視図である。
歩行運動装具は、請求項6に対応する構成として、上記骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた伸縮体7,8が一定幅伸縮した際にその回数を計測できるように、または伸縮体7,8が一定幅伸縮した際に音や光もしくは外部出力で装着者に知らせるように、カウンター12および/またはブザー、ランプ、外部出力装置などが取り付けられている。歩行運動装具は、これにより、当装具装着者が正しく骨盤を動かして歩行しているかを視覚や音などで分かるようにしたものであり、装着者自らが本発明を正常に作動するように試行錯誤して、さらに楽しみながら理想の骨盤の動きを体感でき、習得できるようにしたものである。
【0023】
歩行運動装具は、請求項1および請求項2
に対応する構成として、上記骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた可動体4,5が走行する軌道部2,3は上前腸骨棘周辺から臍部方向に傾斜して上部帯1前面に取り付けられていることが望ましい。なぜなら胴体において歩行時に最も動きが少なく、骨盤の動きを具現化できる唯一の基準となる部位が腹部の中心である臍部であるからである。
【0024】
歩行運動装具は、請求項3および請求項4
に対応する構成として、上記骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられた伸縮体7,8は上前腸骨棘周辺から臍部方向に傾斜して上部帯6前面に取り付けられていることが望ましい。なぜなら胴体において歩行時に最も動きが少なく、骨盤の動きを具現化できる唯一の基準となる部位が腹部の中心である臍部であるからである。
【0025】
歩行運動装具は、請求項1および請求項2
に対応する構成として、上部体1には腹部を環状巻回して固定するための巻回帯9が取り付けられていることが望ましい。巻回帯9の素材は装着者の体型に合わせて自在にサイズ調整可能な幅広で全面が面ファスナーのループ面である無段階固定調整可能な伸縮性生地を推奨する。巻回帯9の一方端の面ファスナーの全面ループ面と反対面に面ファスナーのフック面10を固定してあり、腹部に巻きつけて任意のサイズに環状巻回固定することを推奨するが、上部体1の固定手段は、腹部を挟み込むように固定する挟持固定やあらかじめ腹部に巻回固定された帯に後付けして固定する手段などでも可能なため、この限りではない。
【0026】
歩行運動装具は、請求項3および請求項4
に対応する構成として、上部体6には腹部を環状巻回して固定するための巻回帯9が取り付けられていることが望ましい。巻回帯9の素材は装着者の体型に合わせて自在にサイズ調整可能な幅広で全面が面ファスナーのループ面である無段階固定調整可能な伸縮性生地を推奨する。巻回帯9の一方端の面ファスナーの全面ループ面と反対面に面ファスナーのフック面10を固定してあり、腹部に巻きつけて任意のサイズに環状巻回固定することを推奨するが、上部体6の固定手段は、腹部を挟み込むように固定する挟持固定やあらかじめ腹部に巻回固定された帯に後付けして固定する手段などでも可能なため、この限りではない。
【0027】
歩行運動装具は、請求項1および請求項2
に対応する構成として、可動部4,5が正常にスライドするためには上部体1と軌道部2,3との連結は強固でなければならない。したがって上部体1と軌道部2,3は鋼材や樹脂材といった、たわみの少ない硬い素材であることが望ましい。
歩行運動装具は、請求項3および請求項4
に対応する構成として、伸縮体7,8が正常にスライドするためには上部体6と伸縮体7,8との連結は強固でなければならない。したがって上部体6と伸縮体7,8は鋼材や樹脂材といった、たわみの少ない硬い素材であることが望ましい。
【0028】
歩行運動装具は、請求項1および請求項
2に対応する構成として、上部体1は鋼材や樹脂材といった、たわみの少ない硬い素材であることが望ましいとした。しかし歩行時において上部体1が上腹部にあたってしまい痛みをおこすことが考えられる。したがって上部体1の裏面(腹部に接する面)には厚手の弾性材13を取り付けることが望ましい。
【0029】
歩行運動装具は、請求項3および請求項4
に対応する構成として、上部体6は鋼材や樹脂材といった、たわみの少ない硬い素材であることが望ましいとした。しかし歩行時において上部体6が上腹部にあたってしまい痛みをおこすことが考えられる。したがって上部体6の裏面(腹部に接する面)には厚手の弾性材13を取り付けることが望ましい。
【0030】
図5は、可動体および伸縮体における下腹接触部の構造を示す斜視図である。
歩行運動装具は、請求項1および請求項2
に対応する構成として、可動体4,5は軌道部2,3上を滑らかに上下動しなければならない。したがって可動体4,5と軌道部2,3との連結手段はローラー式17であることが望ましい。(
図3)また可動体4,5の一部が骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられるために可動体4,5の一部、下腹接触部15は、バネ16などを用い装着者の体型に合わせ伸縮式に一定圧で自在に下腹部に押し付け可能であることが望ましいが正常に可動部が作動すればよいとし連結および押し付け手段はこの限りではない。(
図5)
【0031】
歩行運動装具は、請求項3および請求項4
に対応する構成として、伸縮体7,8は滑らかに上下動しなければならない。したがって伸縮体7,8の伸縮手段はローラー式18であることが望ましい。(
図4)また伸縮体7,8下部自由端の一部が骨盤前部の上前腸骨棘周辺に押し当てられるために伸縮体7,8の一部、下腹接触部15は、バネ16などを用い装着者の体型に合わせ伸縮式に一定圧で自在に下腹部に押し付け可能であることが望ましいが正常に可動部が作動すればよいとし伸縮および押し付け手段はこの限りではない。(
図5)
【0032】
歩行運動装具は、請求項1および請求項2
に対応する構成として、下腹部前面を覆う左右の軌道部2,3下端は、歩行時に膝を高く上げて歩行した場合大腿部と接触してしまう。これは膝を高く上げて歩行した際に骨盤の動きを意識していないフォームでも可動体4,5が正常に作動してしまうという問題を排除する意味がある。したがって本発明装着者は膝を高く上げずに骨盤を動かして可動体4,5を作動させて歩行することが求められるものである。
【0033】
歩行運動装具は、請求項3および請求項4
に対応する構成として、下腹部前面を覆う左右の伸縮体7,8下端は、歩行時に膝を高く上げて歩行した場合大腿部と接触してしまう。これは膝を高く上げて歩行した際に骨盤の動きを意識していないフォームでも伸縮体7,8が正常に作動してしまうという問題を排除する意味がある。したがって本発明装着者は膝を高く上げずに骨盤を動かして伸縮体7,8を作動させて歩行することが求められるものである。
【0034】
図6は、挟み込み防止板の斜視図である。
歩行運動装具は、請求項1および請求項2
に対応する構成として、下腹部前面を覆う左右の軌道部2,3および可動体4,5には、装着時に衣類が接触して挟み込んでしまい正常に作動しないことが考えられる。したがって上部体1下部より軌道部2,3および可動体4,5と下腹部の間に可動体4,5と上前腸骨棘周囲との接触部を干渉しないようにカーテン状の挟み込み防止板14を取り付けることが望ましい。(
図6)
【0035】
歩行運動装具は、請求項3および請求項4
に対応する構成として、下腹部前面を覆う左右の伸縮体7,8には、装着時に衣類が接触して挟み込んでしまい正常に作動しないことが考えられる。したがって上部体6下部より伸縮体7,8と下腹部の間に伸縮体7,8と上前腸骨棘周囲との接触部を干渉しないようにカーテン状の挟み込み防止板14を取り付けることが望ましい。(
図6)
【0036】
以上に説明した歩行装具により、図7の本発明装着時における骨盤と可動体の動きの説明図に示すように、装着者は、自らの歩行の問題点を認識でき、理想の動きを誰もが手軽に体現し、習得し得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図3】
実施例1における軌道部および可動体
の形状
を示す斜視図。
【
図4】
実施例2における伸縮体
の形状
を示す斜視図。
【
図5】可動体および伸縮体における下腹接触部
の構造
を示す斜視図。
【
図7】本発明装着時における骨盤と可動体の動き
の説明図。
【符号の説明】
【0038】
1…上部体、2,3…軌道部、4,5…可動体
6…上部体、7,8…伸縮体
9…巻回帯 10…巻回固定具
11…上部体と軌道部および伸縮部との脱着自在連結固定具
12…カウンター
13…上部体裏面の弾性材
14…挟み込み防止板
15…可動体および伸縮体における下腹接触部
16…バネ、17…ローラー可動式、18…ローラー伸縮式