(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外部の物体の接触又は近接により変化する信号を検出するための複数の第1電極を含み、それぞれの前記第1電極からの検出信号が統合された出力信号を出力する第1電極群と、
前記第1電極群の複数の第1電極のうち、検出対象となる前記第1電極を選択する選択駆動部と、を有し、
前記選択駆動部は、第1選択信号に応じて、前記第1電極群のうち第1検出対象の第1電極を選択し、選択された前記第1検出対象の第1電極から第1出力信号が出力され、
前記選択駆動部は、前記第1検出対象の第1電極の選択動作とは異なるタイミングで、前記第1選択信号とは異なる第2選択信号に応じて、前記第1電極群のうち前記第1検出対象の第1電極に含まれない第2検出対象の第1電極を選択し、選択された前記第2検出対象の第1電極から第2出力信号が出力される検出装置。
前記第1検出対象の第1電極、又は前記第2検出対象の第1電極の少なくとも一方は、共通のデータ線に接続された2以上の前記第1電極を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検出装置。
前記第1選択信号に応じて選択された第1電極から出力された複数の前記第1出力信号と、前記第2選択信号に応じて選択された第1電極から出力された複数の前記第2出力信号とに基づいて、前記第1電極の検出信号が算出される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の検出装置。
前記選択駆動部が前記第1検出対象の第1電極を選択する第1期間と、前記第2検出対象の第1電極を選択する第2期間とが連続して配置される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の検出装置。
前記選択駆動部は、前記第1選択信号の高レベルの部分と低レベルの部分とを反転させて前記第2選択信号を生成する反転回路部を含む請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の検出装置。
外部の物体の接触又は近接により変化する信号を検出するための複数の第1電極を含み、それぞれの前記第1電極からの検出信号が統合された出力信号を出力する第1電極群と、
前記第1電極群の複数の第1電極のうち、検出対象となる前記第1電極を選択する選択駆動部と、を有する検出装置の検出方法であって、
前記選択駆動部が、第1選択信号に応じて、前記第1電極群のうち第1検出対象の第1電極を選択し、選択された前記第1検出対象の第1電極から第1出力信号が出力されるステップと、
前記選択駆動部が、前記第1検出対象の第1電極の選択動作とは異なるタイミングで、前記第1選択信号とは異なる第2選択信号に応じて、前記第1電極群のうち前記第1検出対象の第1電極に含まれない第2検出対象の第1電極を選択し、選択された前記第2検出対象の第1電極から第2出力信号が出力されるステップとを含む検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、表示装置1は、検出機能付き表示部10と、制御部11と、表示用ゲートドライバ12Aと、検出用ゲートドライバ12Bと、ソースドライバ13と、第1電極ドライバ14と、信号処理部40とを備えている。表示装置1は、検出機能付き表示部10が検出機能を内蔵した表示装置である。検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いている表示パネル20と、タッチ入力を検出する検出装置である検出部30とを一体化した装置である。表示パネル20と検出部30とが一体化した装置とは、例えば、表示パネル20又は検出部30に使用される基板や電極の一部を兼用することを示す。なお、検出機能付き表示部10は、表示パネル20の上に検出部30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置であってもよい。表示パネル20は、例えば、有機EL表示パネルであってもよい。
【0012】
表示パネル20は、後述するように、表示用ゲートドライバ12Aから供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行う表示装置である。
【0013】
制御部11は、外部より供給された映像信号に基づいて、表示用ゲートドライバ12A、検出用ゲートドライバ12B、ソースドライバ13、第1電極ドライバ14及び信号処理部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して、又は同期しないで動作するように制御する回路である。
【0014】
表示用ゲートドライバ12Aは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出機能付き表示部10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。検出用ゲートドライバ12Bは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出用の走査信号Vscansを出力し、検出部30の後述する複数の第1電極25のうち、検出対象となる第1電極25を選択する機能を有している。
【0015】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出機能付き表示部10の、後述する各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。制御部11は、画素信号Vpixを生成し、この画素信号Vpixをソースドライバ13に供給してもよい。
【0016】
第1電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出機能付き表示部10の、第1電極25に検出用の駆動信号Vs又は表示用の駆動信号Vcomを供給する回路である。
【0017】
検出部30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、自己静電容量方式によりタッチ検出動作を行い、外部の導体の接触又は近接を検出する。検出部30は、外部の導体の接触又は近接を検出した場合、検出信号Vdetを出力する。
【0018】
図2は、信号処理部の一構成例を示すブロック図である。信号処理部40は、制御部11から供給される制御信号と、検出部30から供給される検出信号Vdetに基づいて、検出部30に対するタッチの有無を検出する回路である。また、信号処理部40は、タッチがある場合においてタッチ入力が行われた座標などを求める。この信号処理部40は、検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号演算部44と、座標抽出部45と、記憶部47とを備える。検出タイミング制御部46は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、A/D変換部43と、信号演算部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。
【0019】
上述のとおり、検出部30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作する。ここで、
図3及び
図4を参照して、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。
図3は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。
図4は、自己静電容量方式のタッチ検出の駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。なお、
図3は、検出回路を併せて示している。
【0020】
指が接触又は近接していない状態において、検出電極E1に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加される。検出電極E1は、静電容量C1を有しており、静電容量C1に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(実線の波形V
4(
図4参照))に変換する。電圧検出器DETは、例えば
図2に示す検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
【0021】
次に、
図3に示すように、指が接触又は近接した状態において、指と検出電極E1との間の静電容量C2が、検出電極E1の静電容量C1に加わる。したがって、検出電極E1に交流矩形波Sgが印加されると、静電容量C1及び静電容量C2に応じた電流が流れる。
図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(点線の波形V
5)に変換する。そして、得られた波形V
4及び波形V
5の電圧値をそれぞれ積分し、これらの値を比較することで、検出電極E1への、指の接触又は近接の有無を判別することができる。なお、信号処理部40は、当該内容に限らず、電圧値を積分せずに比較するようにしてもよい。また、
図4では、波形V
2と波形V
3について、所定の基準電圧V
THに低下するまでの期間を求めて、これらの期間を比較する等の方法であってもよい。
【0022】
具体的には、
図3に示すように、検出電極E1はスイッチSW1及びスイッチSW2で切り離すことが可能な構成となっている。
図4において、時刻T
01のタイミングで交流矩形波Sgは電圧V
0に相当する電圧レベルを上昇させる。このときスイッチSW1はオンしておりスイッチSW2はオフしている。このため検出電極E1も電圧V
0の電圧上昇となる。次に時刻T
11のタイミングの前にスイッチSW1をオフとする。このとき検出電極E1はフローティング状態であるが、検出電極E1の静電容量C1、あるいは検出電極E1の静電容量C1に指等の接触又は近接による静電容量C2を加えた静電容量(C1+C2、
図3参照)によって、検出電極E1の電位はV
0が維持される。更に、時刻T
11のタイミングの前にスイッチSW3をオンさせ所定の時間経過後にオフさせ電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により出力電圧はVrefと略等しい電圧となる。
【0023】
続いて、時刻T
11のタイミングでスイッチSW2をオンさせると、電圧検出器DETの反転入力部が検出電極E1の電圧V
0となり、その後、検出電極E1の静電容量C1(またはC1+C2)と電圧検出器DET内の静電容量C3の時定数に従って電圧検出器DETの反転入力部は基準電圧Vrefまで低下する。このとき、検出電極E1の静電容量C1(またはC1+C2)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の静電容量C3に移動するため、電圧検出器DETの出力が上昇する(Vdet)。電圧検出器DETの出力(Vdet)は、検出電極E1に指等が近接していないときは、実線で示す波形V
4となり、Vdet=C1・V
0/C3となる。指等の影響による静電容量が付加されたときは、点線で示す波形V
5となり、Vdet=(C1+C2)・V
0/C3となる。
【0024】
その後、検出電極E1の静電容量C1(またはC1+C2)の電荷が静電容量C3に十分移動した後の時刻T
31のタイミングでスイッチSW2をオフさせ、スイッチSW1及びスイッチSW3をオンさせることにより、検出電極E1の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSW1をオンさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T
02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T
12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。
【0025】
以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V
4と波形V
5との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することができる。なお、検出電極E1の電位は、
図4に示すように、指等が近接していないときはV
2の波形となり、指等の影響による静電容量C2が付加されるときはV
3の波形となる。波形V
2と波形V
3とが、それぞれ所定の基準電圧V
THまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。
【0026】
図2に示す検出信号増幅部42は、検出部30から供給される検出信号Vdetを増幅する。なお、検出信号増幅部42は、検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去して出力する低域通過アナログフィルタであるアナログLPF(Low Pass Filter)を備えていてもよい。
【0027】
A/D変換部43は、駆動信号Vsに同期したタイミングで、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。
【0028】
信号演算部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vsをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号演算部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、検出部30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号演算部44は、指による検出信号の差分のみ取り出す処理を行う。この指による差分の信号は、上述した波形V
4と波形V
5との差分の絶対値|ΔV|である。信号演算部44は、検出した指による差分の信号を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧未満であれば、外部近接物体が非接触状態であると判断する。一方、信号演算部44は、検出した指による差分の信号を所定のしきい値電圧と比較し、しきい値電圧以上であれば、外部近接物体の接触状態と判断する。このようにして、信号処理部40はタッチ検出が可能となる。また、信号演算部44は、後述するように、検出対象となる検出電極ブロック25Bからの検出信号を受け取って、所定の符号に基づいて演算処置を行う。演算された出力信号が記憶部47に一時的に保存される。記憶部47は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
【0029】
座標抽出部45は、信号演算部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。座標抽出部45は、記憶部47に保存された出力信号を受け取って、所定の符号に基づいて復号処理を行う。座標抽出部45は、復号された情報に基づいてタッチパネル座標を算出し、得られたタッチパネル座標を検出信号出力Voutとして出力する。以上のように、本実施形態の表示装置1は、自己静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、指などの導体が接触又は近接する位置のタッチパネル座標を検出することができる。
【0030】
図5は、表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図5に示すように、表示装置1は、後述する画素基板2(第1基板21)と、プリント基板71とを備えている。なお、プリント基板71は、例えば、フレキシブルプリント基板である。画素基板2(第1基板21)は、第1半導体集積回路(第1IC)19、例えば、COG(Chip On Glass)を搭載し、上述した表示パネル20の表示領域Adと、表示領域Adの外側の領域である額縁領域Gdとが形成されている。第1半導体集積回路(第1IC)19は、第1基板21に実装されたICドライバのチップであり、
図1に示した制御部11として機能する表示動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。本実施形態では、上述した表示用ゲートドライバ12A、検出用ゲートドライバ12B、ソースドライバ13及び第1電極ドライバ14は、第1基板21上に形成されている。ソースドライバ13は、第1半導体集積回路(第1IC)19に内蔵されていてもよい。また、表示装置1は、第1半導体集積回路(第1IC)19に第1電極ドライバ14、表示用ゲートドライバ12A、検出用ゲートドライバ12Bなどの回路を内蔵してもよい。なお、COGはあくまで実装の一形態であってこれに限られるものでない。例えば、第1半導体集積回路(第1IC)19と同様の機能を有する構成をCOF(Chip on film又はChip on flexible)で設けてもよい。
【0031】
図5に示すように、第1基板21の表示領域Adと重畳する位置において、複数の第1電極25が行列状に設けられている。第1電極25は、矩形状であり、表示領域Adの長辺及び短辺に沿った方向にそれぞれ複数配列されている。なお、第1電極25は、矩形状であるとしたが、これに限られず、他の形状としてもよい。第1電極25は、例えば、多角形状や櫛歯形状等であってもよい。各第1電極25には、第1電極ドライバ14によって駆動信号Vsが供給される。また、各第1電極25は、プリント基板71を介して、プリント基板71に実装された第2半導体集積回路(第2IC)49と接続されている。第2半導体集積回路(第2IC)49は、
図1に示した信号処理部40として機能する。各第1電極25の検出信号Vdetは、プリント基板71を介して第2半導体集積回路(第2IC)49に出力される。また、第1電極25はそれぞれ第2半導体集積回路(第2IC)49に接続されるが、これに限定されない。例えば、第1半導体集積回路(第1IC)19が信号処理部40の機能を内蔵し、各第1電極25がそれぞれ第1半導体集積回路(第1IC)19に接続されていてもよい。
【0032】
プリント基板71は、フレキシブルプリント基板に限られず、リジット基板、又は、リジットフレキシブル基板であってもよい。また、第2半導体集積回路(第2IC)49は、プリント基板71上に実装されていなくてもよく、プリント基板71を介して接続されるモジュール外部の制御基板上、若しくは、第1基板21上に備えられていてもよい。本実施形態では、第2半導体集積回路(第2IC)49はプリント基板71に実装されたタッチドライバICであるが、信号処理部40の一部の機能は、第1半導体集積回路(第1IC)19、又は、他のMPUの機能として設けられてもよい。具体的には、タッチドライバICの機能として設けられ得るA/D変換、ノイズ除去等の各種機能のうち一部の機能(例えば、ノイズ除去等)は、タッチドライバICと別個に設けられた第1半導体集積回路(第1IC)19、又は、MPU等の回路で実施されてもよい。
図2に示す信号演算部44、座標抽出部45、記憶部47は、第1半導体集積回路(第1IC)19、又は、外部のMPU等に含まれていてもよい。また、第1半導体集積回路(第1IC)19と第2半導体集積回路(第2IC)49とを1つのIC(1チップ構成)にする場合等、例えば、第1基板21上の配線、又は、プリント基板71等の配線を介して検出信号を第1基板21上の第1半導体集積回路(第1IC)19に伝送するようにしてもよい。
【0033】
ソースドライバ13は、第1基板21上の表示領域Adの近傍に形成されている。表示領域Adには、後述する副画素SPixがマトリックス状(行列状)に多数配置されている。額縁領域Gdは、第1基板21の表面を垂直な方向からみて副画素SPixが配置されていない領域である。
【0034】
表示用ゲートドライバ12A、検出用ゲートドライバ12B及び第1電極ドライバ14は、第1基板21上の額縁領域GdにTFT素子を用いて形成されている。本実施形態では、表示用ゲートドライバ12A、検出用ゲートドライバ12Bの2つの回路が設けられているが、これに限られるものでなく、例えば、額縁領域Gdの一辺に設けられた1つの回路であってもよい。第1電極ドライバ14は、プリント基板71が設けられた額縁領域Gdの一辺に設けられているが、これに限られず、表示用ゲートドライバ12A又は検出用ゲートドライバ12Bの近傍に設けられていてもよい。また、第1電極ドライバ14は、1つの回路が設けられているが、2つの回路で構成されていてもよい。
【0035】
次に検出機能付き表示部10の構成例を詳細に説明する。
図6は、検出機能付き表示部の概略断面構造を表す断面図である。
図6に示すように、検出機能付き表示部10は、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された表示機能層(例えば、液晶層6)とを備えている。言い換えると、第1基板21と第2基板31の間に表示機能層が設けられている。表示機能層は画素基板2として構成されていてもよい。表示機能層は、例えば第1電極25と第2電極22の間に配置されていてもよい。
【0036】
画素基板2は、回路基板としての第1基板21と、この第1基板21の上方にマトリックス状に配設された複数の第2電極(画素電極)22と、第1基板21と第2電極22との間に形成された複数の第1電極(検出電極)25と、第1電極25と第2電極22とを絶縁する絶縁層24と、を含む。第1基板21には、TFT(Thin Film Transistor)が配置される。第1基板21の下側には、接着層を介して偏光板(図示しない)を設けてもよい。第1電極25及び第2電極22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料が用いられる。
【0037】
なお、本実施例において、第1基板21に対して、第1電極25、絶縁層24、第2電極22の順で積層されているが、これに限られない。第1基板21に対して第2電極22、絶縁層24、第1電極25の順で積層されてもよいし、第1電極25と第2電極22とは絶縁層24を介して、同層に形成されてもよい。さらに、第1電極25と第2電極22の少なくとも一方は、第2基板31上に配置されてもよい。
【0038】
対向基板3は、第2基板31と、この第2基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。さらに、第2基板31の上には、接着層を介して偏光板35が設けられている。なお、カラーフィルタ32は第1基板21上に配置されてもよい。本実施形態において、第1基板21及び第2基板31は、例えば、ガラス基板又は樹脂基板である。
【0039】
第1基板21と第2基板31との間に液晶層6が設けられる。液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶が用いられる。なお、
図6に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
【0040】
第1基板21の下方には、図示しない照明部が設けられる。照明部は、例えばLED等の光源を有しており、光源からの光を第1基板21に向けて射出する。照明部からの光は、画素基板2を通過して、その位置の液晶の状態により光が遮られて射出しない部分と射出する部分とが切り換えられることで、表示面に画像が表示される。なお、第2電極22として、第2基板31側から入射する光を反射する反射電極が設けられ、対向基板3側に透光性の第1電極25が設けられた反射型液晶表示装置の場合、第1基板21の下方に照明部は設けなくてもよい。反射型液晶表示装置は、第2基板31の上方にフロントライトを設けていてもよい。この場合、第2基板31側から入射する光は、反射電極(第2電極22)で反射されて、第2基板31を通過して観察者の目に到達する。また、表示パネル20(
図1参照)として有機EL表示パネルを用いた場合には、副画素SPix毎に自発光体を有しており、自発光体の点灯量を制御することにより画像が表示されるため、照明部は設ける必要がない。また、表示パネル20として有機EL表示パネルを用いた場合には、表示機能層は画素基板2に含まれていてもよい。例えば、表示機能層である発光層が第1電極と第2電極の間に配置されてもよい。
【0041】
図7は、第1の実施形態に係る検出機能付き表示部の画素配列を表す回路図である。
図6に示す第1基板21には、
図7に示す各副画素SPixのスイッチング素子Tr、各第2電極22に画素信号Vpixを供給するデータ線SGL、各スイッチング素子Trを駆動するゲート線GCL等の配線が形成されている。データ線SGL及びゲート線GCLは、第1基板21の表面と平行な平面に延在する。
【0042】
図7に示す表示パネル20は、マトリックス状に配列された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれスイッチング素子Tr及び液晶素子LCを備えている。スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。スイッチング素子Trのソース又はドレインの一方はデータ線SGLに接続され、ゲートはゲート線GCLに接続され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に接続されている。なお、第2電極22(
図7では省略して示す)はスイッチング素子Trのソース又はドレインの他方に接続されており、液晶素子LCは、第2電極22を介してスイッチング素子Trと接続される。液晶素子LCは、一端がスイッチング素子Trのソース又はドレインの他方に接続され、他端が選択電極ブロック25Aに接続されている。選択電極ブロック25Aは、副画素SPixの1水平ラインに対応する複数の第1電極25を含む。そして、第1電極25と第2電極22に与えられる電荷に応じて副画素SPixは駆動される。
【0043】
副画素SPixは、ゲート線GCLにより、表示パネル20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。ゲート線GCLは、表示用ゲートドライバ12A(
図1参照)と接続され、表示用ゲートドライバ12Aより走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、データ線SGLにより、表示パネル20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。データ線SGLは、ソースドライバ13(
図1参照)と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。第1電極25(共通電極)は、第1電極ドライバ14(
図1参照)と接続され、第1電極ドライバ14より表示用の駆動信号Vcomが供給される。駆動信号Vcomは、複数の副画素SPixに共通電位を与えるための直流の電圧信号である。この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが1つの選択電極ブロック25Aを共有するようになっている。
【0044】
なお、本実施例において、選択電極ブロック25Aの延在方向は、ゲート線GCLの延在方向と平行である場合について説明したが、これに限られない。選択電極ブロック25Aの延在方向は、データ線SGLの延在方向と平行であってもよい。その場合、同じ一列に属する複数の副画素SPixが1つの選択電極ブロック25Aを共有するようになり、第1電極ドライバ14は、表示パネル20上のデータ線SGLの延在方向のいずれかの端部に配置されることとなる。
【0045】
図1に示す表示用ゲートドライバ12Aは、ゲート線GCLを順次走査するように駆動する。走査信号Vscanが、ゲート線GCLを介して、副画素SPixのスイッチング素子Trのゲートに印加され、副画素SPixのうちの1水平ラインが表示駆動の対象として順次選択される。また、表示装置1は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、第1電極ドライバ14は、少なくともその1水平ラインに対応する選択電極ブロック25Aに対して駆動信号Vcomを印加する。なお、第1電極ドライバ14は、走査信号Vscanが印加されている1水平ラインに対応する選択電極ブロック25Aの第1電極25(共通電極)を含む複数又は表示領域Ad全体のすべての第1電極25に対して駆動信号Vcomを印加してもよい。
【0046】
図6に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域32R、32G、32Bが周期的に配列されている。上述した
図7に示す各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として対応付けられ、色領域32R、32G、32Bを1組として画素Pixが構成される。
図6に示すように、カラーフィルタ32は、第1基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、3色の組み合わせに限定されず、4色以上の組み合わせであってもよい。さらに、検出機能付き表示部10は、カラーフィルタ32を有さず、白黒表示であってもよい。
【0047】
図6及び
図7に示す第1電極25は、表示パネル20の複数の副画素SPixに共通電位を与える共通電極として機能するとともに、検出部30のタッチ検出を行う際の検出電極としても機能する。
図8は、第1の実施形態に係る検出部の第1電極の配列を表す回路図である。
【0048】
図8に示す検出部30は、第1基板21(
図6参照)に行列状に設けられた第1電極25を有している。第1電極25(検出電極)は、上述した1つの副画素SPixに対応して1つ設けられていてもよく、複数の副画素SPixに対応して1つの第1電極25が設けられていてもよい。第1電極25はそれぞれ検出用スイッチング素子Trsを備えている。検出用スイッチング素子Trsは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。検出用ゲート線GCLsは行方向に延在し、列方向に複数配列されている。検出用データ線SGLsは列方向に延在し、行方向に複数配列されている。第1電極25は、検出用ゲート線GCLsと検出用データ線SGLsとで囲まれた領域に設けられている。検出用スイッチング素子Trsは、検出用ゲート線GCLsと検出用データ線SGLsとの交差部の近傍に設けられており、第1電極25のそれぞれに対応して複数設けられている。
【0049】
検出用スイッチング素子Trsは、第1基板21の上において、
図7に示すスイッチング素子Trと同層に設けられていてもよく、異なる層に設けられていてもよい。検出用ゲート線GCLsは、
図7に示すゲート線GCLと平行方向に延在し、検出用データ線SGLsは、
図7に示すデータ線SGLと平行方向に延在する。検出用ゲート線GCLsは、ゲート線GCLと同層に設けられていてもよく、異なる層に設けられていてもよい。検出用データ線SGLsは、ゲート線GCLと同層に設けられていてもよく、異なる層に設けられていてもよい。第2電極22を検出用電極として使用する場合は、ゲート線GCLが検出用データ線SGLsとして兼用されてもよい。また、データ線SGLが検出用データ線SGLsとして兼用されてもよい。
【0050】
検出用スイッチング素子Trsのソースは検出用データ線SGLsに接続され、ゲートは検出用ゲート線GCLsに接続され、ドレインは第1電極25に接続されている。ここで、共通の検出用ゲート線GCLsに接続された複数の第1電極25を含む電極ブロックを選択電極ブロック25Aとし、共通の検出用データ線SGLsに接続された複数の第1電極25を含む電極ブロックを検出電極ブロック25Bとする。また、
図8に示すように、m列目に配列された検出用データ線SGLsと検出電極ブロック25Bとを、それぞれ検出用データ線SGLs(m)、検出電極ブロック25B(m)と示し、n行目に配列された検出用ゲート線GCLsと選択電極ブロック25Aとを、それぞれ検出用ゲート線GCLs(n)と選択電極ブロック25A(n)と示している。
【0051】
図1に示す検出用ゲートドライバ12Bは、検出用ゲート線GCLsのうち1又は2以上の検出用ゲート線GCLsを選択するように駆動する選択駆動部である。走査信号Vscansが、選択された検出用ゲート線GCLsを介して、検出用スイッチング素子Trsのゲートに印加され、1又は2以上の選択電極ブロック25Aが検出対象として選択される。また、第1電極ドライバ14(
図1参照)は、検出用データ線SGLsを介して、選択電極ブロック25Aに属する第1電極25に対して検出用の駆動信号Vsを供給する。そして、検出電極ブロック25Bに属する第1電極25は、検出用データ線SGLsを介して、各第1電極25の静電容量変化に応じた検出信号Vdetを信号処理部40に出力する。本実施形態の第1電極25は、上述した自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理における検出電極E1に対応し、検出部30は、上述した自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理に従って接触又は近接する指を検出することができる。
【0052】
図9は、検出動作の一例を表す模式図である。第1電極ブロックBKNは、例えば4つの選択電極ブロック25Aを含んでおり、複数の第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pが列方向に配列されている。検出用ゲートドライバ12Bは、複数の第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pを順次選択し、選択された複数の第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pの選択電極ブロック25Aは、駆動信号Vsが供給される。選択されていない第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pは、電圧信号が供給されず、電位が固定されていない、いわゆるフローティング状態となっている。一部の非選択電極ブロックに関しては、選択された第1電極ブロックと非選択の第1電極ブロックとの間の付加容量を低減するために駆動信号Vsと同電位の電圧信号が供給されてもよい。
【0053】
複数の第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pを順次選択して検出動作を行うことにより、1検出面の全体の検出が実行される。第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pは、それぞれ4つの選択電極ブロック25Aを含んでいるが、4つに限られず、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pは、一部の選択電極ブロック25Aが重複するように配列されていてもよい。また、複数の第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pは列方向に配列されている構成に限られず、行列状に配置されていてもよい。
【0054】
表示装置1の動作方法の一例として、表示装置1は、上述した表示動作(表示期間)とタッチ検出動作(検出期間)とを時分割に行ってもよい。タッチ検出動作と表示動作とはどのように分けて行ってもよいが、以下、表示パネル20の1フレーム期間(1F)、すなわち、一画面分の映像情報が表示されるのに要する時間の中において、タッチ検出動作と表示動作とをそれぞれ複数回に分割して行う方法について説明する。
【0055】
図10は、表示期間と検出期間の配置の一例を表す模式図である。1フレーム期間(1F)は、2つの表示期間Pd1、Pd2及び2つの検出期間Pt1、Pt2からなっており、これらの各期間は、時間軸上において、表示期間Pd1、検出期間Pt1、表示期間Pd2、検出期間Pt2のように交互に配置されている。
【0056】
制御部11(
図1参照)は、表示用ゲートドライバ12Aとソースドライバ13とを介して、各表示期間Pd1、Pd2に選択される複数行の副画素SPix(
図7参照)に画素信号Vpixを供給する。
【0057】
また、制御部11(
図1参照)は、第1電極ドライバ14により、各検出期間Pt1、Pt2に選択される第1電極25に、タッチ検出用の駆動信号Vsを供給する。信号処理部40は、第1電極25から供給される検出信号Vdetに基づいて、タッチ入力の有無及び入力位置の座標の演算を行う。
【0058】
本実施形態において、第1電極25は表示パネル20の共通電極を兼用するので、制御部11は、表示期間Pd1、Pd2においては、第1電極ドライバ14を介して選択される選択電極ブロック25Aの各第1電極25に、表示用の共通電極電位である駆動信号Vcomを供給する。
【0059】
図10では、1フレーム期間(1F)において1画面分の映像表示を2回に分けて行うことになっているが、1フレーム期間(1F)内の表示期間はさらに多くの回数に分けられていてもよい。検出期間についても、1フレーム期間(1F)中にさらに多くの回数が設けられていてもよい。
【0060】
検出期間Pt1、Pt2は、それぞれ一検出面の半分ずつのタッチ検出を行ってもよく、それぞれが一画面分のタッチ検出を行ってもよい。1つの検出期間Pt1、Pt2で、上述した第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pのうち1つの第1電極ブロックのタッチ検出を行ってもよい。また、必要に応じて間引き検出等を行ってもよい。また、1フレーム期間(1F)中の表示動作とタッチ検出動作とを複数回に分けずに一回ずつ行ってもよい。
【0061】
検出期間Pt1、Pt2において、表示用のゲート線GCL及びデータ線SGL(
図7参照)は、電圧信号が供給されず電位が固定されていないフローティング状態としてもよい。また、表示用のゲート線GCL及びデータ線SGLは、検出用の駆動信号Vsと同期した同一の波形の信号が供給されてもよい。これにより、検出対象の第1電極25とゲート線GCLとの間の寄生容量及び第1電極25とデータ線SGLとの間の寄生容量が低減されるので、検出誤差の発生や、検出感度の低下を抑制することができる。
【0062】
次に、本実施形態の検出部30の符号分割選択駆動の一例を説明する。
図11は、検出対象として選択される第1電極の選択パターンを説明するための説明図である。
図11(A)は、第1検出動作Tc
0の第1電極の選択パターンを示し、
図11(B)は、第2検出動作Tc
1の第1電極の選択パターンを示し、
図11(C)は、第3検出動作Tc
2の第1電極の選択パターンを示し、
図11(D)は、第4検出動作Tc
3の第1電極の選択パターンを示す。
【0063】
図11では、1つの検出電極ブロック25B(m)について説明する。検出電極ブロック25B(m)は、列方向に4つ配列された第1電極25を含み、4つの第1電極25は、それぞれ選択電極ブロック25A(n)、25A(n+1)、25A(n+2)、25A(n+3)に対応する。また、4つの第1電極25は、それぞれ共通の検出用データ線SGLs(m)(
図8参照)に接続されている。本実施形態の検出部30は、検出電極ブロック25B(m)について、検出対象となる第1電極25を所定の符号に基づいて選択する。選択された第1電極25に駆動信号Vsが供給され、第1電極25の静電容量変化に基づいてそれぞれの第1電極25から検出信号が出力される。それぞれの第1電極25の検出信号に基づいて、検出電極ブロック25B(m)から下記の式(1)に示す出力信号Sv
qが出力される。
【0065】
ここで、Si
qは、選択電極ブロック25A(n)、25A(n+1)、25A(n+2)、25A(n+3)の各第1電極25に対応する信号値である。Si
qは、上述した自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理における、検出電極E1の静電容量C1(
図3参照)、あるいは検出電極E1の静電容量C1に指等の接触又は近接による静電容量C2を加えた静電容量(C1+C2、
図3参照)に比例した信号値である。Sv
pは、検出電極ブロック25B(m)の出力信号であり、検出電極ブロック25B(m)のうち所定の符号に基づいて選択された第1電極25の出力信号を演算して求められる値である。所定の符号は、例えば、下記の式(2)の正方行列H
vで定義される。正方行列H
vは、アダマール行列であり、「1」又は「−1」を要素とし、任意の異なった2つの行が直交行列となる正方行列である。正方行列H
vの次数は、検出電極ブロック25B(m)に含まれる第1電極25の数、すなわち、4つの選択電極ブロック25Aの数である4となる。本実施形態では、4つの第1電極25を含む検出電極ブロック25B(m)について説明するが、これに限定されず、列方向に配列される第1電極25の個数は2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。この場合、正方行列H
vの次数も第1電極25の個数に応じて変更される。
【0067】
正方行列H
vの次数は、検出電極ブロック25B(m)に含まれる第1電極25の数、すなわち、4つの選択電極ブロック25Aの数である4となる。本実施形態では、4つの第1電極25を含む検出電極ブロック25B(m)について説明するが、これに限定されず、列方向に配列される第1電極25の個数は2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。この場合、正方行列H
vの次数も第1電極25の個数に応じて変更される。
【0068】
正方行列H
vに対応する第1電極25は、
図9に示した複数の第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pに対応する。各第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pについて正方行列H
hに基づいて順次検出動作を行うことにより、1検出面の全体の検出が実行される。第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pは、それぞれ4つの選択電極ブロック25Aを含んでいるが、4つに限られず、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pは、一部の選択電極ブロック25Aが重複するように配列されていてもよい。つまり、8列の選択電極ブロック25Aに対して4つの正方行列H
vに基づく検出動作を2回行ってもよく、また、5つの正方行列に基づく検出動作を2回行うように、一部の第1電極25に関して重複するように実施してもよい。また、複数の第1電極ブロックBKN−1、BKN、…BKN+pは列方向に配列されている構成に限られず、行列状に配置されていてもよい。
【0069】
図11(A)から
図11(D)に示すように、第1検出動作Tc
0、第2検出動作Tc
1、第3検出動作Tc
2及び第4検出動作Tc
3の4つの検出動作に分けて符号分割選択駆動の一例を説明する。第1検出動作Tc
0、第2検出動作Tc
1、第3検出動作Tc
2及び第4検出動作Tc
3はそれぞれ、正符号選択動作Tc
0+、Tc
1+、Tc
2+、Tc
3+と、負符号選択動作Tc
0−、Tc
1−、Tc
2−、Tc
3−とを含む。本実施形態では、正符号選択動作Tc
0+、Tc
1+、Tc
2+、Tc
3+において、正方行列H
vの成分「1」に対応する第1選択信号に応じて、検出電極ブロック25B(m)のうち、第1検出対象の第1電極25が選択される。
図11では、選択された第1電極25に斜線を付して示している。第1検出対象の第1電極25から共通の検出用データ線SGLs(
図8参照)を介して第1出力信号Sv
p+(p=0、1、2、3)が出力される。ここで、第1出力信号Sv
p+は、検出電極ブロック25B(m)に含まれる各第1電極25の検出信号が統合されて出力される出力信号である。
【0070】
また、正符号選択動作Tc
+と異なるタイミングで実行される負符号選択動作Tc
0−、Tc
1−、Tc
2−、Tc
3−Tc
−において、正方行列H
vの成分「−1」に対応する第2選択信号に応じて、検出電極ブロック25B(m)のうち、第1検出対象に含まれない第2検出対象の第1電極25が選択される。この第2検出対象の第1電極25から検出用データ線SGLsを介して第2出力信号Sv
p−(p=0、1、2、3)が出力される。ここで、第2出力信号Sv
p+は、検出電極ブロック25B(m)に含まれる各第1電極25の検出信号が統合されて出力される出力信号である。信号処理部40の信号演算部44(
図2参照)は、第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p−との差分を演算することにより、出力信号Sv
p=Sv
p+−Sv
p−を算出する。信号演算部44は、出力信号Sv
pを記憶部47に出力して、出力信号Sv
pを一時的に記憶させる。第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p−とは、上述した自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理における検出信号Vdetに対応する。
【0071】
正方行列H
vの次数が4の場合、下記の式(3)に示すように、1つの検出電極ブロック25B(m)から、4つの出力信号(Sv
0、Sv
1、Sv
2、Sv
3)が得られる。この場合、4つの第1出力信号Sv
0+、Sv
1+、Sv
2+、Sv
3+と、4つの第2出力信号Sv
0−、Sv
1−、Sv
2−、Sv
3−から、出力信号(Sv
0、Sv
1、Sv
2、Sv
3)がそれぞれ求められる。
【0073】
以下では、検出電極ブロック25B(m)の各第1電極25から検出される検出信号値が(Si
0、Si
1、Si
2、Si
3)=(1、7、3、2)である場合を例にとって説明する。
図11(A)に示すように、第1検出動作Tc
0の正符号選択動作Tc
0+において、において、正方行列H
vの1行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、4つの第1電極25が選択される。第1出力信号Sv
0+は、式(3)から、Sv
0+=1×1+1×7+1×3+1×2=13となる。負符号選択動作Tc
0−において、正方行列H
vの1行目の成分「−1」が存在しないため、成分「−1」に対応する第2検出対象として第1電極25は選択されない。よって、第2出力信号Sv
0−は、Sv
0−=0×1+0×7+0×3+0×2=0となる。出力信号Sv
0は、第1出力信号Sv
0+と第2出力信号Sv
0−との差分から、Sv
0=Sv
0+−Sv
0−=13−0=13となる。
【0074】
次に、
図11(B)に示すように、第2検出動作Tc
1の正符号選択動作Tc
1+において、正方行列H
vの2行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、選択電極ブロック25A(n)、25A(n+2)に属する2つの第1電極25が選択される。第1検出対象として選択された第1電極25から出力信号が出力され、第1検出対象として選択されていない選択電極ブロック25A(n+1)、25A(n+3)に属する第1電極25から出力信号は出力されない。このため、第1出力信号Sv
1+は、式(3)から、Sv
1+=1×1+0×7+1×3+0×2=4となる。負符号選択動作Tc
1−において、正方行列H
vの2行目の成分「−1」に対応する第2検出対象として、選択電極ブロック25A(n+1)、25A(n+3)に属する2つの第1電極25が選択される。第2出力信号Sv
1−は、Sv
1−=0×1+1×7+0×3+1×2=9となる。出力信号Sv
1は、Sv
1=Sv
1+−Sv
1−=4−9=−5が得られる。
【0075】
次に、
図11(C)に示すように、第3検出動作Tc
2の正符号選択動作Tc
2+において、正方行列H
vの3行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、選択電極ブロック25A(n)、25A(n+1)に属する2つの第1電極25が選択される。第1出力信号Sv
2+は、式(3)から、Sv
2+=1×1+1×7+0×3+0×2=8となる。負符号選択動作Tc
2−において、正方行列H
vの3行目の成分「−1」に対応する第2検出対象として、選択電極ブロック25A(n+2)、25A(n+3)に属する2つの第1電極25が選択される。第2出力信号Sv
2−は、Sv
2−=0×1+0×7+1×3+1×2=5となる。出力信号Sv
2は、Sv
2=Sv
2+−Sv
2−=8−5=3が得られる。
【0076】
次に、
図11(D)に示すように、第4検出動作Tc
3の正符号選択動作Tc
3+において、正方行列H
vの4行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、選択電極ブロック25A(n)、25A(n+3)に属する2つの第1電極25が選択される。第1出力信号Sv
3+は、式(3)から、Sv
3+=1×1+0×7+0×3+1×2=3となる。負符号選択動作Tc
3−において、正方行列H
vの4行目の成分「−1」に対応する第2検出対象として、選択電極ブロック25A(n+1)、25A(n+2)に属する2つの第1電極25が選択される。第2出力信号Sv
3−は、Sv
3−=0×1+1×7+1×3+0×2=10となる。出力信号Sv
3は、Sv
3=Sv
3+−Sv
3−=3−10=−7が得られる。
【0077】
信号演算部44は、4つの出力信号(Sv
0、Sv
1、Sv
2、Sv
3)=(13、−5、3、−7)を順次、記憶部47に出力する。なお、信号演算部44は、4つの第1出力信号Sv
0+、Sv
1+、Sv
2+、Sv
3+と、4つの第2出力信号Sv
0−、Sv
1−、Sv
2−、Sv
3−を、それぞれ記憶部47に記憶させて、すべての期間の検出を行った後に4つの出力信号Sv
0、Sv
1、Sv
2、Sv
3の演算を行ってもよい。
【0078】
座標抽出部45(
図2参照)は、信号演算部44が演算した出力信号Sv
0、Sv
1、Sv
2、Sv
3を記憶部47から受け取り、4つの出力信号(Sv
0、Sv
1、Sv
2、SvSv
3)=(13、−5、3、−7)を下記の式(4)で復号する。座標抽出部45は、式(4)に基づいて、復号信号(Si
0’、Si
1’、Si
2’、Si
3’)=(4、28、12、8)を算出する。指が接触又は近接した場合、その位置に対応する第1電極25の復号信号Si
0’、Si
1’、Si
2’、Si
3’の値が変化する。これにより、座標抽出部45は、復号信号Si
0’、Si
1’、Si
2’、Si
3’に基づいて、検出電極ブロック25B(m)のうち指が接触又は近接した座標を求めることができる。なお、座標抽出部45は、復号信号Si
0’、Si
1’、Si
2’、Si
3’に基づいて求められた座標を検出信号出力Voutとして出力してもよいし、復号信号Si
0’、Si
1’、Si
2’、Si
3’を検出信号出力Voutとして出力してもよい。
【0080】
以上の符号分割選択駆動によれば、信号値(Si
0、Si
1、Si
2、Si
3)=(1、7、3、2)に対して、式(4)による座標抽出部45の復号処理により、復号信号(Si
0’、Si
1’、Si
2’、Si
3’)=(4、28、12、8)が得られる。すなわち、各ノードの信号値の電圧を上げることなく、時分割選択駆動の4倍の信号強度が得られることとなる。また、出力信号Sv
pは、第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p−との差分により求められるため、外部からノイズが侵入した場合であっても、第1出力信号Sv
p+のノイズ成分と第2出力信号Sv
p−のノイズ成分がキャンセルされる。これにより、ノイズ耐性を向上させることができる。また、本実施形態によれば、所定の符号に基づいて選択された第1検出対象の第1電極25の検出動作と、所定の符号に基づいて選択された、第1検出対象に含まれない第2検出対象の第1電極25の検出動作とを、異なる期間に時分割で行う。これにより、第1検出対象の第1電極25と、第2検出対象の第1電極25との容量結合を抑制できるので、検出誤差や検出感度の低下を抑制することができる。
【0081】
なお、式(2)に示す正方行列H
vは、一例であって、例えば下記の式(5)に示す正方行列H
v等であってもよい。この場合、正符号選択動作Tc
p+(p=0、1、2、3)において、成分「1」に対応する第1検出対象の第1電極25が3つ選択され、負符号選択動作Tc
p−(p=0、1、2、3)において、成分「−1」に対応する第2検出対象の第1電極25が1つ選択される。
【0083】
図11に示すように、正方行列H
vの成分「1」に対応する第1検出対象として選択される第1電極25の組み合わせパターンを示す第1選択パターンは、正符号選択動作Tc
p+(p=0、1、2、3)に示した4つのパターンである。つまり、第1検出対象として選択される第1電極25の第1選択パターンは、検出電極ブロック25B(m)に含まれる第1電極25の数と等しい。また、正方行列H
vの成分「−1」に対応する第2検出対象として選択される第1電極25の組み合わせパターンを示す第2選択パターンも、負符号選択動作Tc
p−(p=0、1、2、3)に示した4つのパターンであり、検出電極ブロック25B(m)に含まれる第1電極25の数と等しい。
【0084】
図11に示すように正符号選択動作Tc
p+と負符号選択動作Tc
p−とは、検出期間Pt1、Pt2(
図10参照)内において連続して実行され、連続する1組の正符号選択動作Tc
p+と負符号選択動作Tc
p−とが交互に実行される。これに限定されず、例えば、4つの正符号選択動作Tc
p+(p=0、1、2、3)を連続して実行した後に、4つの負符号選択動作Tc
p−(p=0、1、2、3)を実行する等、適宜変更してもよい。また、正符号選択動作Tc
p+と負符号選択動作Tc
p−とが実行される回数は、それぞれ検出電極ブロック25B(m)に含まれる第1電極25の数と等しく、4つずつ設けられる。すなわち、式(1)の正方行列H
vの行成分の個数と同じ数となる。
【0085】
また、検出電極ブロック25B(m)に含まれる第1電極25は、共通の検出用データ線SGLsに接続されているが、これに限定されず、個別の検出用データ線が接続されていてもよい。
【0086】
次に、
図8及び
図12から
図14を参照して、複数の検出電極ブロック25Bについての一動作例を説明する。
図12は、本実施形態に係る検出部の一動作例を示すタイミング波形図である。
図13は、第1の実施形態に係る検出部の符号分割選択駆動の一動作例を説明するための模式図である。
図14は、第1の実施形態に係る検出部の符号分割選択駆動の一動作例を説明するための模式図である。
【0087】
図12に示すように、正符号選択動作期間Pc
p+と、負符号選択動作期間Pc
p−とが連続して配置される。正符号選択動作期間Pc
p+に上述した正符号選択動作Tc
p+が実行され、負符号選択動作期間Pc
p−に上述した負符号選択動作Tc
p−が実行される。なお、正符号選択動作期間Pc
1+、Pc
2+、Pc
3+、Pc
4+の各期間をPc
+と表すことがあり、負符号選択動作期間Pc
1−、Pc
2−、Pc
3−、Pc
4−の各期間をPc
−と表すことがある。選択電極ブロック25A(n)、25A(n+1)、25A(n+2)、25A(n+3)のそれぞれに対応する選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)が検出用ゲートドライバ12Bに供給される。なお、選択信号Vselは、上述した所定の符号に基づいて制御部11が生成してもよく、外部の制御IC等が生成してもよく、検出用ゲートドライバ12Bが選択信号Vselを生成する選択信号生成部を含んでいてもよい。
【0088】
選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)がオン(高レベル)になると、検出用ゲートドライバ12Bは、選択信号Vselに対応する検出用ゲート線GCLsに対して走査信号Vscansを供給する。選択された検出用ゲート線GCLsの各検出用スイッチング素子Trsがオンとなり、選択信号Vselに対応する選択電極ブロック25Aが検出対象として選択される。第1電極ドライバ14は、検出用データ線SGLsを順次、又は同時に選択し、検出用データ線SGLsを介して、選択電極ブロック25Aの各第1電極25に駆動信号Vsを供給する。これにより、検出電極ブロック25Bのうち検出対象となる第1電極25の静電容量変化に応じて、各第1電極25から検出信号が出力される。各第1電極25の検出信号が統合されて上述した第1出力信号Sv
p+、第2出力信号Sv
p−が、検出用データ線SGLsを介して信号処理部40に出力される。
【0089】
選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)はそれぞれ、式(2)の正方行列H
vの成分「1」に対応する第1選択信号Vsel
+と、正方行列H
vの成分「−1」に対応する第2選択信号Vsel
−とを含む。選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)は、4つの第1選択信号Vsel
+と4つの第2選択信号Vsel
−とが交互に配置された信号である。なお、選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)はこれに限定されず、複数の第1選択信号Vsel
+の後に複数の第2選択信号Vsel
−が配置されていてもよく、また、後述するように第2選択信号Vsel
−を含まないものであってもよい。
【0090】
例えば、正符号選択動作期間Pc
0+における第1選択信号Vsel
+は、正方行列H
vの1行目の成分「1」に対応して、選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)がいずれもオン(高レベル)となる。
図13(A)に示すように、第1選択信号Vsel
+に応じて、検出用ゲート線GCLs(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)が選択され、走査信号Vscansがオン(高レベル)となる。選択電極ブロック25A(n)、25A(n+1)、25A(n+2)、25A(n+3)の各第1電極25が第1検出対象として選択され、第1電極ドライバ14から駆動信号Vsが供給される。これにより、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第1出力信号Sv
0(m)
+、Sv
0(m+1)
+、Sv
0(m+2)
+、Sv
0(m+3)
+が出力される。
【0091】
負符号選択動作期間Pc
0−における第2選択信号Vsel
−は、正方行列H
vの1行目の成分「−1」に対応して、選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)がいずれもオフ(低レベル)となる。この場合、
図13(B)に示すように、負符号選択動作期間Pc
0−では、検出用ゲート線GCLs(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)がいずれも選択されず、走査信号Vscansがオフ(低レベル)となる。複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第2出力信号Sv
0(m)
−、Sv
0(m+1)
−、Sv
0(m+2)
−、Sv
0(m+3)
−が出力される。この場合、第2出力信号Sv
0(m)
−、Sv
0(m+1)
−、Sv
0(m+2)
−、Sv
0(m+3)
−の信号値は0となる。
【0092】
図12に示すように、次の正符号選択動作期間Pc
1+における第1選択信号Vsel
+は、正方行列H
vの2行目の成分「1」に対応しており、選択信号Vsel(n)、(n+2)がオン(高レベル)、Vsel(n+1)、(n+3)がオフ(低レベル)となる。第1選択信号Vsel
+に応じて、検出用ゲート線GCLs(n)、(n+2)が選択され、走査信号Vscansがオン(高レベル)となる。これにより、選択電極ブロック25A(n)、(n+2)の各第1電極25が第1検出対象として選択され、検出用データ線SGLsを介して駆動信号Vsが供給される。そして、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第1出力信号Sv
1(m)
+、Sv
1(m+1)
+、Sv
1(m+2)
+、Sv
1(m+3)
+が出力される。負符号選択動作期間Pc
1−における第2選択信号Vsel
−は、正方行列H
vの2行目の成分「−1」に対応しており、選択信号Vsel(n+1)、(n+3)がオン(高レベル)となり、Vsel(n)、(n+2)がオフ(低レベル)となる。検出用ゲート線GCLs(n+1)、(n+3)が選択され、選択電極ブロック25A(n+1)、(n+3)の各第1電極25に、駆動信号Vsが供給される。そして、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第2出力信号Sv
1(m)
−、Sv
1(m+1)
−、Sv
1(m+2)
−、Sv
1(m+3)
−が出力される。
【0093】
次の正符号選択動作期間Pc
2+における第1選択信号Vsel
+は、正方行列H
vの3行目の成分「1」に対応しており、選択信号Vsel(n)、(n+1)がオン(高レベル)となり、選択信号Vsel(n+2)、(n+3)がオフ(低レベル)となる。
図14(A)に示すように、検出用ゲート線GCLs(n)、(n+1)が選択され、走査信号Vscansがオン(高レベル)となる。選択電極ブロック25A(n)、(n+1)に属する第1電極25が第1検出対象として選択され、検出用データ線SGLsを介して駆動信号Vsが供給される。そして、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第1出力信号Sv
2(m)
+、Sv
2(m+1)
+、Sv
2(m+2)
+、Sv
2(m+3)
+が出力される。負符号選択動作期間Pc
2−における第2選択信号Vsel
−は、正方行列H
vの3行目の成分「−1」に対応しており、選択信号Vsel(n+2)、(n+3)がオン(高レベル)、選択信号Vsel(n)、(n+1)がオフ(低レベル)となる。
図14(B)に示すように、検出用ゲート線GCLs(n+2)、(n+3)が選択され、走査信号Vscansがオン(高レベル)となる。正符号選択動作期間Pc
2+において第1検出対象に含まれなかった選択電極ブロック25A(n+2)、(n+3)に属する第1電極25が第2検出対象として選択され、検出用データ線SGLsを介して駆動信号Vsが供給される。そして、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第2出力信号Sv
2(m)
−、Sv
2(m+1)
−、Sv
2(m+2)
−、Sv
2(m+3)
−が出力される。
【0094】
図12に示すように、次の正符号選択動作期間Pc
3+における第1選択信号Vsel
+は、正方行列H
vの4行目の成分「1」に対応しており、選択信号Vsel(n)、(n+3)がオン(高レベル)となり、選択信号Vsel(n+1)、(n+2)がオフ(低レベル)となる。選択電極ブロック25A(n)、(n+3)に属する第1電極25に駆動信号Vsが供給される。そして、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第1出力信号Sv
3(m)
+、Sv
3(m+1)
+、Sv
3(m+2)
+、Sv
3(m+3)
+が出力される。負符号選択動作期間Pc
3−における第2選択信号Vsel
−は、正方行列H
vの4行目の成分「−1」に対応しており、選択信号Vsel(n+1)、(n+2)がオン(高レベル)となり、選択信号Vsel(n)、(n+3)がオフ(低レベル)となる。選択電極ブロック25A(n+1)、(n+2)に属する第1電極25に駆動信号Vsが供給される。そして、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)からそれぞれ、第2出力信号Sv
3(m)
−、Sv
3(m+1)
−、Sv
3(m+2)
−、Sv
3(m+3)
−が出力される。
【0095】
このように、複数の検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)が行方向に配列されており、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)から、それぞれ第1出力信号Sv
p(m)
+、Sv
p(m+1)
+、Sv
p(m+2)
+、Sv
p(m+3)
+と第2出力信号Sv
p(m)
−、Sv
p(m+1)
−、Sv
p(m+2)
−、Sv
p(m+3)
−が出力される。
図12に示すように、正符号選択動作期間Pc
+における駆動信号Vsと、負符号選択動作期間Pc
−における駆動信号Vsとは、いずれもプラスの電圧信号であり同じ極性を有している。したがって、第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p(m)
−とは同じ極性を有する。信号演算部44は、第1出力信号Sv
p(m)
+、Sv
p(m+1)
+、Sv
p(m+2)
+、Sv
p(m+3)
+と、第2出力信号Sv
p(m)
−、Sv
p(m+1)
−、Sv
p(m+2)
−、Sv
p(m+3)
−との差分をそれぞれ演算する。これにより各検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)での出力信号Sv
p(m)、Sv
p(m+1)、Sv
p(m+2)、Sv
p(m+3)を求めることができる。座標抽出部45は、出力信号Sv
p(m)、Sv
p(m+1)、Sv
p(m+2)、Sv
p(m+3)について、それぞれ上述した復号処理を行うことにより、指が接触又は近接したタッチパネル座標を検出信号出力Voutとして出力する。
【0096】
なお、各期間において、選択されていない第1電極25は、電圧信号が供給されず、電位が固定されていないフローティング状態である。このため、選択された第1電極25と選択されていない第1電極25との間の容量結合を低減して、検出誤差や検出感度の低下を抑制することができる。
【0097】
次に、本実施形態の検出部30の駆動回路の一例を説明する。
図15は、本実施形態に係る駆動回路の一構成例を示すブロック図である。
図16は、本実施形態に係る駆動回路の他の構成例を示すブロック図である。
【0098】
図15に示すように、検出用ゲートドライバ12Bは、走査信号生成部15aと、選択信号生成部15bと、反転回路15cと、カウンタ15dとを備える。走査信号生成部15aは、走査信号Vscansを生成し、選択信号生成部15bから供給される選択信号に基づいて、選択された検出用ゲート線GCLsに走査信号Vscansを供給する。
【0099】
選択信号生成部15bは、式(1)の正方行列の成分「1」に対応してオン(高レベル)となり、正方行列の成分「−1」に対応してオフ(低レベル)となる第1選択信号Vsel
+を生成する。また、選択信号生成部15bは、式(1)の正方行列の成分「1」に対応してオフ(低レベル)となり、正方行列の成分「−1」に対応してオン(高レベル)となる第2選択信号Vsel
−を生成する。つまり、第1選択信号Vsel
+と第2選択信号Vsel
−とは、オン(高レベル)となる部分とオフ(低レベル)となる部分が反転した信号である。これにより、第1選択信号Vsel
+により第1検出対象として選択された第1電極25と、第2選択信号Vsel
−により第2検出対象として選択された第1電極25とが重複しないように選択される。
【0100】
カウンタ15dは、クロック信号生成部(図示しない)から供給されるクロック信号のパルス数を計測する。選択信号生成部15bは、カウンタ15dからのカウント値に基づいて、上述した第1選択信号Vsel
+と第2選択信号Vsel
−とを順次切り替えて、走査信号生成部15aに出力する。これにより、選択信号生成部15bは、
図12に示したように、正符号選択動作期間Pc
+では、それぞれ正方行列H
vの1行分の成分「1」に対応する第1選択信号Vsel
+を出力し、負符号選択動作期間Pc
−では、それぞれ正方行列H
vの1行分の成分「−1」に対応する第2選択信号Vsel
−を出力する。なお、クロック信号生成部は、例えば制御部11(
図1参照)に含まれており、
図12に示す各正符号選択動作期間Pc
+と負符号選択動作期間Pc
−とを切り換えるための基準クロックを生成する。
【0101】
検出用ゲートドライバ12Bは、例えば上述した検出期間Ptが終了するタイミングでリセット信号Resetが供給され、走査信号生成部15a、選択信号生成部15b、反転回路15c、及びカウンタ15dがリセットされる。
【0102】
図15に示すように、検出部30にはマルチプレクサ14Bが接続されている。駆動信号生成部14Aは、マルチプレクサ14Bを介して、第1選択信号Vsel
+又は第2選択信号Vsel
−に応じて選択された第1電極25に対して順番に、又は同時に駆動信号Vsを供給する。また、信号処理部40は、マルチプレクサ14Bを介して、第1選択信号Vsel
+又は第2選択信号Vsel
−に応じて選択された第1電極25から順番に第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p−が出力される。このため、信号処理部40の構成を簡便にすることができる。
【0103】
駆動信号Vsの供給と、第1出力信号Sv
p+及び第2出力信号Sv
p−の出力とは、例えばスイッチ素子SW5、xSW5により切り替え可能になっている。スイッチ素子SW5がオン(開)のとき、スイッチ素子xSW5がオフ(閉)となり、配線L2及び配線L3を介して第1出力信号Sv
p+及び第2出力信号Sv
p−が信号処理部40に出力される。スイッチ素子SW5がオフ(閉)のとき、スイッチ素子xSW5がオン(開)となり、配線L1及び配線L3を介して駆動信号Vsが検出対象の第1電極25に対して供給される。
【0104】
なお、駆動信号生成部14A、マルチプレクサ14B、スイッチ素子SW5、xSW5及び配線L1、L2、L3の機能は、第1電極ドライバ14に含まれていてもよく、第1電極ドライバ14とは別に設けられた回路であってもよい。制御部11が駆動信号生成部14Aの機能を含んでいてもよい。マルチプレクサ14B、スイッチ素子SW5、xSW5及び配線L1、L2、L3は、第1基板21上に設けられる。
【0105】
本実施形態では、選択信号生成部15bが所定の符号に基づいて第1選択信号Vsel
+と第2選択信号Vsel
−とを生成しているが、これに限られない。例えば、
図15に示すように、反転回路15cを設けて、反転回路15cが第1選択信号Vsel
+のオン(高レベル)とオフ(低レベル)とを反転させて第2選択信号Vsel
−を生成してもよい。反転回路15cの一構成例については、後述する。
【0106】
図15に示す検出部30の駆動回路は、一例であり、種々変更することができる。例えば
図16に示すように、検出用ゲートドライバ12Bは、走査信号生成部15aと、シフトレジスタ15eと、ラッチ15fとを備えていてもよい。この場合、式(2)の正方行列H
vに基づいた第1選択信号Vsel
+及び第2選択信号Vsel
−が順次、例えば制御部11から走査信号生成部15aにシリアルに供給される。走査信号生成部15aは、第1選択信号Vsel
+及び第2選択信号Vsel
−に基づいて走査信号Vscansを生成する。
【0107】
シフトレジスタ15eは、走査信号生成部15aから受け取った走査信号Vscansを順番にラッチ15fに転送する。ラッチ15fは、
図8に示す検出用ゲート線GCLsにそれぞれ対応して設けられている。例えば、第1選択信号Vsel
+に対応する走査信号Vscansが順次ラッチ15fに転送された後、クロック信号に基づいて、各検出用ゲート線GCLsに走査信号Vscansが供給される。その後、第2選択信号Vsel
−に対応する走査信号Vscansがラッチ15fに転送され、ラッチ15fが書き換えられる。このように、第1選択信号Vsel
+及び第2選択信号Vsel
−をシリアルに転送し、所定のクロック信号に基づいてラッチ15fから、走査信号Vscansを供給する構成であってもよい。
【0108】
なお、
図16に示す駆動信号生成部14A、マルチプレクサ14B、スイッチ素子SW5、xSW5及び配線L1、L2、L3の機能は、第1電極ドライバ14に含まれていてもよく、第1電極ドライバ14とは別に設けられた回路であってもよい。制御部11が駆動信号生成部14Aの機能を含んでいてもよい。マルチプレクサ14B、スイッチ素子SW5、xSW5及び配線L1、L2、L3は、第1基板21上に設けられる。
【0109】
図17は、第1の実施形態に係る駆動回路の一動作例を示す説明図である。
図17(A)は、第2検出動作Tc
1の正符号選択動作Tc
1+を示し、
図17(B)は、第2検出動作Tc
1の負符号選択動作Tc
1−を示し、
図17(C)は、第2検出動作Tc
1の正符号選択動作Tc
1+を示す。
図15及び
図16に示すように、検出部30にはマルチプレクサ14Bが接続されている。
図17に示すように、マルチプレクサ14Bは、検出用データ線SGLsのそれぞれにスイッチSW11−SW14が接続されている。まず、
図17(A)に示すように、正符号選択動作Tc
1+では検出用データ線SGLs(m)に接続されたスイッチSW11がオン(開)となり、選択された第1電極25から第1出力信号Sv
1(m)
+が出力される。次に、
図17(B)に示すように、負符号選択動作Tc
1−では、正符号選択動作Tc
1+で選択対象に含まれなかった第1電極25が選択され、検出用データ線SGLs(m)を介して、第2出力信号Sv
1(m)
−が出力される。次に
図17(C)に示すように、正符号選択動作Tc
1+では、検出用データ線SGLs(m+1)に接続されたスイッチSW12がオン(開)となり、選択された第1電極25から第1出力信号Sv
1(m+1)
+が出力される。
図17(A)と
図17(C)では、同じ第1選択信号Vsel
+が出力され、同じ列に属する第1電極25が選択される。このように、検出用データ線SGLsごとに第1選択信号Vsel
+と第2選択信号Vsel
―とを切り替えて検出動作を行ってもよい。
【0110】
図18は、第1電極の検出の順番を説明するための模式図である。
図19は、センサ番号と相関関数との関係を模式的に示すグラフである。
図18及び
図19に関しては、本発明と同様の構成の検出装置において、ノイズの影響と検出タイミングとの関係を示すための図面であり、ノイズの影響がどのように推移するかを説明するための図面である。
図18に示すように、複数の第1電極25のうち、第1電極25(1)、25(2)、…25(5)、…の順番で選択して、検出動作を行う。具体的には、検出用ゲート線GCLs(n)が選択され、検出用ゲート線GCLs(n)に対応する検出用スイッチング素子Trsがオンになる。マルチプレクサ14Bが、検出用データ線SGLs(m)、(m+1)、(m+2)、(m+3)を順番に選択して、駆動信号Vsが供給される。これにより、第1電極25(1)、25(2)、25(3)、25(4)の順番で検出動作が行われる。次に検出用ゲート線GCLs(n+1)が選択され、マルチプレクサ14Bが、検出用データ線SGLs(m)、(m+1)、(m+2)、(m+3)を順番に選択することで、第1電極25(5)、…検出動作が行われる。なお、
図18に示す検出の順番は、説明のために示した順番であり、本実施形態の表示装置1及び検出部30の検出動作は、これに限定されるものではない。
【0111】
図19は、横軸がセンサ番号であり、上述した第1電極25の測定順番に対応する。縦軸は、各第1電極25の出力信号の相関関数である。検出部30にノイズが侵入した場合、各第1電極25の出力信号に誤差が生じる。
図19に示すように各第1電極25の出力信号の相関関数は、センサ番号が大きくなるにしたがって減少する傾向を示している。つまり、時間の経過とともにノイズによる誤差成分が大きくなることが示される。例えば、1番目に測定した第1電極25(1)の出力信号と、5番目に測定した第1電極25(5)の出力信号との間で、ノイズの影響による誤差が大きくなっている。
【0112】
したがって、
図11に示す、4つの第1出力信号Sv
0+、Sv
1+、Sv
2+、Sv
3+と、4つの第2出力信号Sv
0−、Sv
1−、Sv
2−、Sv
3−との測定は、Sv
0+、Sv
0−、Sv
1+、Sv
1−、Sv
2+、Sv
2−、Sv
3+、Sv
3−の順番で測定することがより好ましい。こうすれば、第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p−(p=1、2、3、4)との検出時間の間隔が小さくなり、ノイズ成分の差が小さくなる。出力信号Sv
pは、Sv
p=Sv
p+−Sv
p−のように第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p−との差分によって求められるので、第1出力信号Sv
p+のノイズ成分と第2出力信号Sv
p−のノイズ成分がキャンセルされる。
【0113】
(第2の実施形態)
図20は、第2の実施形態に係る検出部の一動作例を示すタイミング波形図である。
図20に示すように、本実施形態では、正符号選択動作期間Pc
+において選択電極ブロック25Aの第1電極25に供給される駆動信号Vsと、負符号選択動作期間Pc
−において選択電極ブロック25Aの第1電極25に供給される駆動信号Vsとの極性が反転している。つまり、正方行列H
vの成分「1」に対応する第1検出対象の第1電極25には、駆動信号Vsとしてプラスの電圧信号が供給される。また、正方行列H
vの成分「−1」に対応する第2検出対象の第1電極25には、駆動信号Vsとしてマイナスの電圧信号が供給される。
【0114】
本実施形態では、第1出力信号Sv
p+は、例えばプラスの信号が検出され、第2出力信号Sv
p−は、マイナスの信号が検出される。したがって、座標抽出部45は第1出力信号Sv
p+と第2出力信号Sv
p−との和を演算することで、出力信号Sv
p(Sv
p=Sv
p++Sv
p−)を算出することができる。なお、駆動信号Vsは、これに限定されず、第1検出対象の第1電極25にマイナスの電圧信号が供給され、第2検出対象の第1電極25にプラスの電圧信号が供給されてもよい。
【0115】
このように、第1電極25に極性が異なる駆動信号Vsが供給された場合であっても、プラスの駆動信号Vsとマイナスの駆動信号Vsとは、互いに異なる期間に供給されるので、選択された第1電極25と、選択されていない第1電極25との間の寄生容量を低減して、検出誤差の発生や検出感度の低下を抑制することができる。
【0116】
(第3の実施形態)
図21は、第3の実施形態に係る駆動回路の反転回路の一例を説明するための回路図である。
図22は、第3の実施形態に係る検出部の一動作例を示すタイミング波形図である。第1の実施形態では、正方行列H
vの成分「1」に対応する第1選択信号Vsel
+と正方行列H
vの成分「−1」に対応する第2選択信号Vsel
−とに基づいて、検出対象の第1電極25が選択されているが、これに限定されない。上述したように検出用ゲートドライバ12Bが反転回路15cを備えていてもよい。
【0117】
図21に示すように、反転回路15cは、排他的論理和回路81と電圧信号切り換え部83とを備えている。検出用ゲート線GCLs(n)、GCLs(n+1)、GCLs(n+2)、GCLs(n+3)に、それぞれ排他的論理和回路81と電圧信号切り換え部83とが接続されている。排他的論理和回路81は、図示しないクロック生成部に接続されてクロック信号Vcが供給される。また、排他的論理和回路81は、選択信号生成部15bの選択信号Vsel(n)、Vsel(n+1)、Vsel(n+2)、Vsel(n+3)が供給される。
【0118】
クロック信号Vcがオン(高レベル)で、かつ、選択信号Vselがオン(高レベル)の場合、又は、クロック信号Vcがオフ(低レベル)で、かつ、選択信号Vselがオフ(低レベル)の場合に、排他的論理和回路81は高レベルの信号を出力する。クロック信号Vcがオン(高レベル)で、かつ、選択信号Vselがオフ(低レベル)の場合、又は、クロック信号Vcがオフ(低レベル)で、かつ、選択信号Vselがオン(高レベル)の場合に、排他的論理和回路81は低レベルの信号を出力する。
【0119】
電圧信号切り換え部83は、高レベルの電圧信号V
GHと低レベルの電圧信号V
GLとが供給される。電圧信号切り換え部83は、排他的論理和回路81からの出力信号に応じて、高レベルの電圧信号V
GHと低レベルの電圧信号V
GLとを切り換えて、走査信号Vscansとして、検出用ゲート線GCLs(n)、GCLs(n+1)、GCLs(n+2)、GCLs(n+3)に出力する。電圧信号切り換え部83は、排他的論理和回路81から高レベルの信号が供給されると、高レベルの電圧信号V
GHを出力する。電圧信号切り換え部83は、排他的論理和回路81から低レベルの信号が供給されると、低レベルの電圧信号V
GLを出力する。
【0120】
図22に示すようにクロック信号Vcは、正符号選択動作期間Pc
+と負符号選択動作期間Pc
−とを切り換えるための、基準クロック信号であり、正符号選択動作期間Pc
+においてオン(高レベル)となり、負符号選択動作期間Pc
−においてオフ(低レベル)となる。
【0121】
図22に示すように、選択信号Vsel(n)、(n+1)、(n+2)、(n+3)は、正方行列H
vの成分「1」に対応してオン(高レベル)となり、成分「−1」に対応してオフ(低レベル)となる信号である。本実施形態では、正符号選択動作期間Pc
+の第1選択信号Vsel
+と、負符号選択動作期間Pc
−の第2選択信号Vsel
−とは、いずれも正方行列H
vの成分「1」に対応してオン(高レベル)となる信号である。
【0122】
上述したように排他的論理和回路81には、選択信号生成部15bの選択信号Vsel(n)、Vsel(n+1)、Vsel(n+2)、Vsel(n+3)、とクロック信号Vcが入力される。これにより、
図22に示すように、正符号選択動作期間Pc
+において、クロック信号Vcがオン(高レベル)であるため、選択信号Vselがオン(高レベル)の場合に、排他的論理和回路81は高レベルの信号を出力する。これにより、電圧信号切り換え部83は、高レベルの電圧信号V
GHを検出用ゲート線GSLsに出力する。このように選択信号Vselに応じて、正方行列H
vの成分「1」に対応する第1検出対象の第1電極25が選択される。
【0123】
負符号選択動作期間Pc
−において、クロック信号Vcがオフ(低レベル)であるため、選択信号Vselがオフ(低レベル)の場合に、排他的論理和回路81は高レベルの信号を出力する。これにより、電圧信号切り換え部83は、高レベルの電圧信号V
GHを検出用ゲート線GSLsに出力する。これにより、
図22に示すように、負符号選択動作期間Pc
−において、選択信号Vselに応じて、正方行列H
vの成分「−1」に対応する第2検出対象の第1電極25が選択される。
【0124】
このように反転回路15cを設けることで、正方行列H
vの成分「1」に対応してオン(高レベル)となる選択信号Vselに基づいて、正方行列H
vの成分「1」に対応する第1検出対象の第1電極25と、正方行列H
vの成分「−1」に対応する第2検出対象の第1電極25とが、時分割で選択される。なお、
図21に示した反転回路15cは、あくまで一例であり、適宜変更してもよい。
【0125】
(第4の実施形態)
上述した実施形態では、検出電極ブロック25B(m)について符号分割選択駆動を行うことで、列方向におけるタッチ入力位置を検出する例を示したが、行方向の検出に適用してもよい。
図23は、第4の実施形態に係る、検出対象として選択される第1電極の選択パターンの他の例を説明するための説明図である。
図23(A)は第1検出動作Td
0の正符号選択動作Td
0+を及び負符号選択動作Td
0−を示す。
図23(B)は第2検出動作Td
1の正符号選択動作Td
1+及び負符号選択動作Td
1−を示す。
図23(C)は第3検出動作Td
2の正符号選択動作Td
2+及び負符号選択動作Td
2−を示す。
図23(D)は第4検出動作Td
3の正符号選択動作Td
3+及び負符号選択動作Td
3−を示す。
【0126】
図23では、1つの第2電極ブロックBKNB(n)について説明する。第2電極ブロックBKNB(n)は、共通の配線L3を介してマルチプレクサ14Bに接続された複数の第1電極25を含む。第2電極ブロックBKNB(n)は、行方向に4つ配列された第1電極25を含み、4つの第1電極25は、それぞれ検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)に対応する。また、4つの第1電極25は、マルチプレクサ14Bに接続されている。本実施形態の検出部30において、マルチプレクサ14Bは、第2電極ブロックBKNB(n)のうち検出対象となる第1電極25を所定の符号に基づいて選択する。選択された第1電極25に駆動信号Vsが供給され、第1電極25の静電容量変化に基づいてそれぞれの第1電極25から検出信号が出力される。上述した式(1)と同様に、それぞれの第1電極25の検出信号が統合された出力信号Sh
r(r=0、1、2、3)が出力される。
【0127】
所定の符号は、例えば、下記の式(6)の正方行列H
hで定義され、式(1)で示した正方行列H
vと同様である。正方行列H
hはこれに限られず、他のアダマール行列であってもよい。正方行列H
hの次数は、第2電極ブロックBKNB(n)に含まれる第1電極25の数、すなわち、4つの検出電極ブロック25Bの数である4となる。本実施形態では、4つの第1電極25を含む第2電極ブロックBKNB(n)について説明するが、これに限定されず、行方向に配列される第1電極25の個数は2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。この場合、正方行列H
hの次数も第1電極25の個数に応じて変更される。
【0129】
図23(A)から
図23(D)では、第1検出動作Td
0、第2検出動作Td
1、第3検出動作Td
2及び第4検出動作Td
3の4つの検出動作に分けて符号分割選択駆動の一例を説明する。
図23(A)に示す第1検出動作Td
0では、正方行列H
hの1行目に対応する選択信号に応じて第1電極25が選択される。
図23(B)に示す第2検出動作Td
1では、正方行列H
hの2行目に対応する選択信号に応じて第1電極25が選択される。
図23(C)に示す第3検出動作Td
2では、正方行列H
hの3行目に対応する選択信号に応じて第1電極25が選択される。
図23(D)に示す第4検出動作Td
3では、正方行列H
hの4行目に対応する選択信号に応じて第1電極25が選択される。
【0130】
第1検出動作Td
0、第2検出動作Td
1、第3検出動作Td
2及び第4検出動作Td
3はそれぞれ、正符号選択動作Td
0+、Td
1+、Td
2+、Td
3+と、負符号選択動作Td
0−、Td
1−、Td
2−、Td
3−とを含む。正符号選択動作Td
0+、Td
1+、Td
2+、Td
3+では、正方行列H
hの成分「1」に対応する第1選択信号に応じて、第2電極ブロックBKNB(n)のうち第1検出対象となる第1電極25が選択される。
図23では、選択された第1電極25に斜線を付して示している。第1検出対象の第1電極25からマルチプレクサ14Bを介して第1出力信号Sh
p+(p=0、1、2、3)が出力される。ここで、第1出力信号Sh
p+は、第2電極ブロックBKNB(n)に含まれる第1検出対象の第1電極25の検出信号が統合された信号である。
【0131】
負符号選択動作Td
0−、Td
1−、Td
2−、Td
3−では、正方行列H
hの成分「−1」に対応する第2選択信号に応じて、第2電極ブロックBKNB(n)のうち、第1検出対象に含まれない第2検出対象の第1電極25が選択される。この第2検出対象の第1電極25からマルチプレクサ14Bを介して第2出力信号Sh
p−(p=0、1、2、3)が出力される。ここで、第2出力信号Sh
p−は、第2電極ブロックBKNB(n)に含まれる第2検出対象の第1電極25の検出信号が統合された信号である。本実施形態では、正符号選択動作Td
p+(p=0、1、2、3)と、負符号選択動作Td
p−(p=0、1、2、3)とが時分割で実行される。このため、各出力信号が1つの電圧検出器DET(
図3参照)に時分割で出力されるため、信号処理部40の構成を簡便にすることができる。
【0132】
信号処理部40の信号演算部44(
図2参照)は、第1出力信号Sh
p+と第2出力信号Sh
p−との差分を演算することにより、出力信号Sh
p=Sh
p+−Sh
p−を算出する。信号演算部44は、出力信号Sh
pを記憶部47に出力して、出力信号Sh
pを一時的に記憶させる。第1出力信号Sh
p+と第2出力信号Sh
p−とは、上述した自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理における検出信号Vdetに対応する。
【0133】
正方行列H
hの次数が4の場合、上述した式(3)と同様に、1つの第2電極ブロックBKNB(n)から、4つの出力信号(Sh
0、Sh
1、Sh
2、Sh
3)が得られる。この場合、4つの第1出力信号Sh
0+、Sh
1+、Sh
2+、Sh
3+と、4つの第2出力信号Sh
0−、Sh
1−、Sh
2−、Sh
3−から、出力信号(Sh
0、Sh
1、Sh
2、Sh
3)がそれぞれ求められる。
【0134】
図23(A)に示すように、第1検出動作Td
0の正符号選択動作Td
0+では、正方行列H
hの1行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、4つの第1電極25が選択される。具体的には、4つの第1電極25がマルチプレクサ14Bに接続され、第1検出対象の第1電極25により自己静電容量方式の基本原理に基づいた検出が実行される。第1出力信号Sh
0+は4つの第1電極25の検出信号が統合された信号が出力される。
【0135】
第1検出動作Td
0の負符号選択動作Td
0−では、正方行列H
hの1行目の成分「−1」が存在しないため、成分「−1」に対応する第2検出対象として第1電極25は選択されない。よって、第2出力信号Sh
0−は、Sh
0−=0となる。第1出力信号Sh
0+と第2出力信号Sh
0−との差分から、出力信号Sh
0=Sh
0+−Sh
0−が算出される。
【0136】
次に、
図23(B)に示すように、第2検出動作Td
1の正符号選択動作Td
1+では、正方行列H
hの2行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+2)に属する2つの第1電極25が選択され、マルチプレクサ14Bに接続される。第1検出対象として選択された第1電極25から第1出力信号Sh
1+が出力される。
【0137】
第2検出動作Td
1の負符号選択動作Td
1−では、正方行列H
hの2行目の成分「−1」に対応する第2検出対象として、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+3)に属する2つの第1電極25が選択される。第2検出対象として選択された第1電極25から第2出力信号Sh
1−が出力される。第1出力信号Sh
1+と第2出力信号Sh
1−との差分から、出力信号Sh
1=Sh
1+−Sh
1−が算出される。
【0138】
次に、
図23(C)に示すように、第3検出動作Td
2の正符号選択動作Td
2+では、正方行列H
hの3行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)に属する2つの第1電極25が選択される。第1検出対象として選択された第1電極25から第1出力信号Sh
2+が出力される。
【0139】
第3検出動作Td
2の負符号選択動作Td
2−では、正方行列H
hの3行目の成分「−1」に対応する第2検出対象として、検出電極ブロック25B(m+2)、25B(m+3)に属する2つの第1電極25が選択される。第2検出対象として選択された第1電極25から第2出力信号Sh
2−が出力される。第1出力信号Sh
2+と第2出力信号Sh
2−との差分から、出力信号Sh
2=Sh
2+−Sh
2−が算出される。
【0140】
次に、
図23(D)に示すように、第4検出動作Td
3の正符号選択動作Td
3+では、正方行列H
hの4行目の成分「1」に対応する第1検出対象として、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+3)に属する2つの第1電極25が選択される。第1検出対象として選択された第1電極25から第1出力信号Sh
3+が出力される。
【0141】
第4検出動作Td
3の負符号選択動作Td
3−では、正方行列H
hの4行目の成分「−1」に対応する第2検出対象として、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+2)に属する2つの第1電極25が選択される。第2検出対象として選択された第1電極25から第2出力信号Sh
3−が出力される。第1出力信号Sh
3+と第2出力信号Sh
3−との差分から、出力信号Sh
3=Sh
3+−Sh
3−が算出される。
【0142】
信号演算部44は、4つの出力信号Sh
0、Sh
1、Sh
2、Sh
3を順次、記憶部47に出力する。座標抽出部45(
図2参照)は、信号演算部44が演算した出力信号Sh
0、Sh
1、Sh
2、Sh
3を記憶部47から受け取り、上述した式(4)と同様に復号化処理を実行する。座標抽出部45は、復号信号を算出することで第2電極ブロックBKNB(n)のうち指が接触又は近接した座標を求めることができる。
【0143】
以上のように、符号分割選択駆動により行方向におけるタッチ入力位置の検出が可能となる。また、本実施形態においても、各第1電極25の検出信号を統合した出力信号から、復号化処理を行うことで、各ノードの信号値の電圧を上げることなく、時分割選択駆動の4倍の信号強度が得られることとなる。
【0144】
本実施形態において、第2電極ブロックBKNB(n)の4つの第1電極25は、共通のマルチプレクサ14Bに接続されている。このため、正符号選択動作Td
r+と負符号選択動作Td
r−とは時分割で実行してもよく、同時に実行してもよい。同時に実行する場合、2つの電圧検出器DET(
図3参照)を設けて、第1出力信号Sh
3+と第2出力信号Sh
3−とをそれぞれ検出することができる。
【0145】
(第5の実施形態)
次に、
図24から
図31を参照して、第1方向D
x及び第2方向D
yのタッチ入力位置の検出について、符号分割選択駆動を適用した場合の動作例を説明する。
図24は、第4の実施形態に係る、第1検出動作及び第2検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
図25は、第3検出動作及び第4検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
図26は、第5検出動作及び第6検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
図27は、第7検出動作及び第8検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
図28は、第9検出動作及び第10検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
図29は、第11検出動作及び第12検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
図30は、第13検出動作及び第14検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
図31は、第15検出動作及び第16検出動作における検出対象として選択される第1電極の選択パターンの例を説明するための説明図である。
【0146】
図24から
図31では、
図12に示した第1電極の選択パターンと、
図19に示した第1電極の選択パターンとを組み合わせて符号分割選択駆動が実行される。
【0147】
図24(A)は、第1検出動作の正符号選択動作Te
00+を示し、
図24(B)は、第1検出動作の負符号選択動作Te
00−を示し、
図24(C)は、第2検出動作の正符号選択動作Te
01+を示し、
図24(D)は、第2検出動作の負符号選択動作Te
01−を示す。
図24(A)において、第2方向D
yの符号分割選択駆動は、正方行列H
vの1行目の成分「1」に対応して、第2電極ブロックBKNB(n)、BKNB(n+1)、BKNB(n+2)、BKNB(n+3)に属する第1電極25が、正方行列H
vの第1検出対象の第1電極25として選択される。すなわち、検出用ゲート線GCLs(n)、GCLs(n+1)、GCLs(n+2)、GCLs(n+3)に接続された第1電極25が選択される。
【0148】
また、
図24(A)において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正符号選択動作と負符号選択動作とが同時に実行される。正方行列H
hの1行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)に属する第1電極25が、正方行列H
hの第1検出対象の第1電極25として選択され、マルチプレクサ14Bを介して第1検出器DET1に接続される。正方行列H
hの1行目の成分「−1」が存在しないため、成分「−1」に対応する正方行列H
hの第2検出対象として第1電極25は選択されない。
【0149】
各第1電極25の検出信号を統合した信号が第1出力信号Svh
00++として出力される。第2出力信号Svh
00+−は、Svh
00+−=0となる。これらの差分から、出力信号Svh
00+=Svh
00++−Svh
00+−が算出される。
【0150】
図24(B)において、第2方向D
yの符号分割選択駆動は、正方行列H
vの1行目の成分「−1」が存在しないため、第2電極ブロックBKNB(n)、BKNB(n+1)、BKNB(n+2)、BKNB(n+3)に属する第1電極25が、成分「−1」に対応する正方行列H
vの第2検出対象として第1電極25は選択されない。
【0151】
第1出力信号Svh
00−+と第2出力信号Svh
00−−とは、Svh
00−+=Svh
00−−=0となる。これらの差分から、出力信号Svh
00−=Svh
00−+−Svh
00−−が算出される。出力信号Svh
00+と出力信号Svh
00−の差分から、第1検出動作における出力信号Svh
00が算出される。
【0152】
図24(C)、
図24(D)は、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動が
図24(A)、
図24(B)と同様の選択となっている。第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの2行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの2行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
図24(C)に示す第2検出動作の正符号選択動作Te
01+では、出力信号Svh
01+=Svh
01++−Svh
01+−が算出される。
図24(D)に示す第2検出動作の負符号選択動作Te
01−では、出力信号Svh
01−=Svh
01−+−Svh
01−−が算出される。出力信号Svh
01+と出力信号Svh
01−の差分から、第2検出動作における出力信号Svh
01が算出される。
【0153】
図25(A)は、第3検出動作の正符号選択動作Te
02+を示し、
図25(B)は、第3検出動作の負符号選択動作Te
02−を示し、
図25(C)は、第4検出動作の正符号選択動作Te
03+を示し、
図25(D)は、第4検出動作の負符号選択動作Te
03−を示す。
図25(A)から
図25(D)において、第2方向D
yの符号分割選択駆動は、
図24(A)から
図24(D)と同様である。つまり、正方行列H
vの1行目の成分「1」に対応して、正方行列H
vの第1検出対象の第1電極25及び正方行列H
vの第2検出対象の第1電極25が選択される。
【0154】
図25(A)及び
図25(B)において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの3行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの3行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+2)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
図25(A)に示す第3検出動作の正符号選択動作Te
02+では、出力信号Svh
02+=Svh
02++−Svh
02+−が算出される。
図25(B)に示す第3検出動作の負符号選択動作Te
02−では、出力信号Svh
02−=Svh
02−+−Svh
02−−が算出される。出力信号Svh
02+と出力信号Svh
02−の差分から、第3検出動作における出力信号Svh
02が算出される。
【0155】
図25(C)及び
図25(D)において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの4行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの3行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
図25(C)に示す第4検出動作の正符号選択動作Te
03+では、出力信号Svh
03+=Svh
03++−Svh
03+−が算出される。
図25(D)に示す第4検出動作の負符号選択動作Te
03−では、出力信号Svh
03−=Svh
03−+−Svh
03−−が算出される。出力信号Svh
03+と出力信号Svh
03−の差分から、第4検出動作における出力信号Svh
03が算出される。
【0156】
図26(A)は、第5検出動作の正符号選択動作Te
10+を示し、
図26(B)は、第5検出動作の負符号選択動作Te
10−を示し、
図26(C)は、第6検出動作の正符号選択動作Te
11+を示し、
図26(D)は、第6検出動作の負符号選択動作Te
11−を示す。
図27(A)は、第7検出動作の正符号選択動作Te
12+を示し、
図27(B)は、第7検出動作の負符号選択動作Te
12−を示し、
図27(C)は、第8検出動作の正符号選択動作Te
13+を示し、
図27(D)は、第8検出動作の負符号選択動作Te
13−を示す。
【0157】
図26及び
図27に示すように、第5検出動作から第8検出動作における第1方向D
xの符号分割選択駆動は、
図24(A)から
図24(D)及び
図25(A)から
図25(D)と同様に、正方行列H
hの第1検出対象と正方行列H
hの第2検出対象の第1電極25が選択される。
【0158】
図26(A)に示す第5検出動作の正符号選択動作Te
10+において、正方行列H
vの2行目の成分「1」に対応して、第2電極ブロックBKNB(n)、BKNB(n+2)の第1電極25が、正方行列H
vの第1検出対象の第1電極25として選択される。また、正方行列H
hの1行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)に属する第1電極25が、正方行列H
hの第1検出対象の第1電極25として選択される。
図26(A)に示す第5検出動作の正符号選択動作Te
10+では、出力信号Svh
10+=Svh
10++−Svh
10+−が算出される。
【0159】
図26(B)に示す第5検出動作の負符号選択動作Te
10−において、正方行列H
vの2行目の成分「−1」に対応して、第2電極ブロックBKNB(n+1)、BKNB(n+3)の第1電極25が、正方行列H
vの第2検出対象の第1電極25として選択される。
図26(B)に示す第5検出動作の負符号選択動作Te
10−では、出力信号Svh
10−=Svh
10−+−Svh
10−−が算出される。出力信号Svh
10+と出力信号Svh
10−の差分から、第5検出動作における出力信号Svh
10が算出される。
【0160】
図26(C)、
図26(D)の第6検出動作は、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動が
図26(A)、
図26(B)と同様の選択となっている。第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの2行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの2行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
図26(C)に示す第6検出動作の正符号選択動作Te
11+では、出力信号Svh
11+=Svh
11++−Svh
11+−が算出される。
図26(D)に示す第6検出動作の負符号選択動作Te
11−では、出力信号Svh
11−=Svh
11−+−Svh
11−−が算出される。出力信号Svh
11+と出力信号Svh
11−の差分から、第6検出動作における出力信号Svh
11が算出される。
【0161】
図27(A)、
図27(B)に示す第7検出動作において、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動は、
図26(A)、
図26(B)と同様の選択となっている。第7検出動作において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの3行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの3行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+2)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
【0162】
図27(A)に示す第7検出動作の正符号選択動作Te
12+では、出力信号Svh
12+=Svh
12++−Svh
12+−が算出される。
図27(B)に示す第7検出動作の負符号選択動作Te
12−では、出力信号Svh
12−=Svh
12−+−Svh
12−−が算出される。出力信号Svh
12+と出力信号Svh
12−の差分から、第7検出動作における出力信号Svh
12が算出される。
【0163】
図27(C)、
図27(D)に示す第8検出動作において、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動が、
図26(A)、
図26(B)と同様の選択となっている。第8検出動作において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの4行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの4行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
【0164】
図27(C)に示す第8検出動作の正符号選択動作Te
13+では、出力信号Svh
13+=Svh
13++−Svh
13+−が算出される。
図27(D)に示す第8検出動作の負符号選択動作Te
13−では、出力信号Svh
13−=Svh
13−+−Svh
13−−が算出される。出力信号Svh
13+と出力信号Svh
13−の差分から、第8検出動作における出力信号Svh
13が算出される。
【0165】
図28(A)は、第9検出動作の正符号選択動作Te
20+を示し、
図28(B)は、第9検出動作の負符号選択動作Te
20−を示し、
図28(C)は、第10検出動作の正符号選択動作Te
21+を示し、
図28(D)は、第10検出動作の負符号選択動作Te
21−を示す。
図29(A)は、第11検出動作の正符号選択動作Te
22+を示し、
図29(B)は、第11検出動作の負符号選択動作Te
22−を示し、
図29(C)は、第12検出動作の正符号選択動作Te
23+を示し、
図29(D)は、第12検出動作の負符号選択動作Te
23−を示す。
【0166】
図28及び
図29に示すように、第9検出動作から第12検出動作における第1方向D
xの符号分割選択駆動は、
図24(A)から
図24(D)及び
図25(A)から
図25(D)と同様に、正方行列H
hの第1検出対象と正方行列H
hの第2検出対象の第1電極25が選択される。
【0167】
図28(A)に示す第9検出動作の正符号選択動作Te
20+において、正方行列H
vの3行目の成分「1」に対応して、第2電極ブロックBKNB(n)、BKNB(n+1)の第1電極25が、正方行列H
vの第1検出対象の第1電極25として選択される。また、正方行列H
hの1行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)に属する第1電極25が、正方行列H
hの第1検出対象の第1電極25として選択される。
図28(A)に示す第9検出動作の正符号選択動作Te
20+では、出力信号Svh
20+=Svh
20++−Svh
20+−が算出される。
【0168】
図28(B)に示す第9検出動作の負符号選択動作Te
20−において、正方行列H
vの3行目の成分「−1」に対応して、第2電極ブロックBKNB(n+2)、BKNB(n+3)の第1電極25が、正方行列H
vの第2検出対象の第1電極25として選択される。
図28(B)に示す第9検出動作の負符号選択動作Te
20−では、出力信号Svh
20−=Svh
20−+−Svh
20−−が算出される。出力信号Svh
20+と出力信号Svh
20−の差分から、第9検出動作における出力信号Svh
20が算出される。
【0169】
図28(C)、
図28(D)の第10検出動作は、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動が
図28(A)、
図28(B)と同様の選択となっている。第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの2行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの2行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
図28(C)に示す第10検出動作の正符号選択動作Te
21+では、出力信号Svh
21+=Svh
21++−Svh
21+−が算出される。
図28(D)に示す第10検出動作の負符号選択動作Te
21−では、出力信号Svh
21−=Svh
21−+−Svh
21−−が算出される。出力信号Svh
21+と出力信号Svh
21−の差分から、第10検出動作における出力信号Svh
21が算出される。
【0170】
図29(A)、
図29(B)に示す第11検出動作において、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動は、
図28(A)、
図28(B)と同様の選択となっている。第11検出動作において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの3行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの3行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+2)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
【0171】
図29(A)に示す第11検出動作の正符号選択動作Te
22+では、出力信号Svh
22+=Svh
22++−Svh
22+−が算出される。
図29(B)に示す第11検出動作の負符号選択動作Te
22−では、出力信号Svh
22−=Svh
22−+−Svh
22−−が算出される。出力信号Svh
22+と出力信号Svh
22−の差分から、第11検出動作における出力信号Svh
22が算出される。
【0172】
図29(C)、
図29(D)に示す第12検出動作において、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動が、
図28(A)、
図28(B)と同様の選択となっている。第12検出動作において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの4行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの4行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
【0173】
図29(C)に示す第12検出動作の正符号選択動作Te
23+では、出力信号Svh
23+=Svh
23++−Svh
23+−が算出される。
図29(D)に示す第12検出動作の負符号選択動作Te
23−では、出力信号Svh
23−=Svh
23−+−Svh
23−−が算出される。出力信号Svh
23+と出力信号Svh
23−の差分から、第12検出動作における出力信号Svh
23が算出される。
【0174】
図30(A)は、第13検出動作の正符号選択動作Te
30+を示し、
図30(B)は、第13検出動作の負符号選択動作Te
30−を示し、
図30(C)は、第14検出動作の正符号選択動作Te
31+を示し、
図30(D)は、第14検出動作の負符号選択動作Te
31−を示す。
図31(A)は、第15検出動作の正符号選択動作Te
32+を示し、
図31(B)は、第15検出動作の負符号選択動作Te
32−を示し、
図31(C)は、第16検出動作の正符号選択動作Te
33+を示し、
図31(D)は、第16検出動作の負符号選択動作Te
33−を示す。
【0175】
図30及び
図31に示すように、第13検出動作から第16検出動作における第1方向D
xの符号分割選択駆動は、
図24(A)から
図24(D)及び
図25(A)から
図25(D)と同様に、正方行列H
hの第1検出対象と正方行列H
hの第2検出対象の第1電極25が選択される。
【0176】
図30(A)に示す第13検出動作の正符号選択動作Te
30+において、正方行列H
vの4行目の成分「1」に対応して、第2電極ブロックBKNB(n)、BKNB(n+3)の第1電極25が、正方行列H
vの第1検出対象の第1電極25として選択される。また、正方行列H
hの1行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)、25B(m+2)、25B(m+3)に属する第1電極25が、正方行列H
hの第1検出対象の第1電極25として選択される。
図30(A)に示す第13検出動作の正符号選択動作Te
30+では、出力信号Svh
30+=Svh
30++−Svh
30+−が算出される。
【0177】
図30(B)に示す第13検出動作の負符号選択動作Te
30−において、正方行列H
vの4行目の成分「−1」に対応して、第2電極ブロックBKNB(n+1)、BKNB(n+2)の第1電極25が、正方行列H
vの第2検出対象の第1電極25として選択される。
図30(B)に示す第13検出動作の負符号選択動作Te
30−では、出力信号Svh
30−=Svh
30−+−Svh
30−−が算出される。出力信号Svh
30+と出力信号Svh
30−の差分から、第13検出動作における出力信号Svh
30が算出される。
【0178】
図30(C)、
図30(D)の第14検出動作は、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動が
図30(A)、
図30(B)と同様の選択となっている。第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの2行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの2行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
図30(C)に示す第14検出動作の正符号選択動作Te
31+では、出力信号Svh
31+=Svh
31++−Svh
31+−が算出される。
図30(D)に示す第14検出動作の負符号選択動作Te
31−では、出力信号Svh
31−=Svh
31−+−Svh
31−−が算出される。出力信号Svh
31+と出力信号Svh
31−の差分から、第14検出動作における出力信号Svh
31が算出される。
【0179】
図31(A)、
図31(B)に示す第15検出動作において、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動は、
図30(A)、
図30(B)と同様の選択となっている。第15検出動作において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの3行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+1)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの3行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+2)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
【0180】
図31(A)に示す第15検出動作の正符号選択動作Te
32+では、出力信号Svh
32+=Svh
32++−Svh
32+−が算出される。
図31(B)に示す第15検出動作の負符号選択動作Te
32−では、出力信号Svh
32−=Svh
32−+−Svh
32−−が算出される。出力信号Svh
32+と出力信号Svh
32−の差分から、第15検出動作における出力信号Svh
32が算出される。
【0181】
図31(C)、
図31(D)に示す第16検出動作において、それぞれ、第2方向D
yの符号分割選択駆動が、
図30(A)、
図30(B)と同様の選択となっている。第16検出動作において、第1方向D
xの符号分割選択駆動は、正方行列H
hの4行目の成分「1」に対応して、検出電極ブロック25B(m)、25B(m+3)の第1電極25が正方行列H
hの第1検出対象として選択される。また、正方行列H
hの4行目の成分「−1」に対応して、検出電極ブロック25B(m+1)、25B(m+2)の第1電極25が正方行列H
hの第2検出対象として選択される。
【0182】
図31(C)に示す第16検出動作の正符号選択動作Te
33+では、出力信号Svh
33+=Svh
33++−Svh
33+−が算出される。
図31(D)に示す第16検出動作の負符号選択動作Te
33−では、出力信号Svh
33−=Svh
33−+−Svh
33−−が算出される。出力信号Svh
33+と出力信号Svh
33−の差分から、第16検出動作における出力信号Svh
33が算出される。
【0183】
以上説明したように、第1検出動作から第16検出動作により、信号演算部44(
図2参照)は、16個の出力信号Svhのデータを算出する。出力信号Svhのデータは記憶部47に保存される。座標抽出部45(
図2参照)は、記憶部47から出力信号Svhのデータを受け取って、式(7)に基づいて復号処理を行う。
【0184】
Si´=H
v×Svh×H
h …(7)
【0185】
ここで、Si´は、復号信号であり、
図24から
図31に示す各第1電極25に対応する行列である。H
vは式(2)に示す正方行列であり、第2方向D
yの変換行列である。H
hは式(6)に示す正方行列であり、第2方向D
yの変換行列である。座標抽出部45(
図2参照)は、復号信号Si´に基づいて、接触又は近接する指等の二次元座標を算出することができる。本実施形態においても、各第1電極25の検出信号を統合した出力信号に基づいて復号処理を行うことで、各ノードの信号値の電圧を上げることなく、時分割選択駆動の16倍の信号強度が得られることとなる。
【0186】
正符号選択動作と負符号選択動作とを連続して実行することで、ノイズ耐性を向上させることが可能である。例えば、
図20に示す第1検出動作において、4つの第1出力信号Svh
00++、第2出力信号Svh
00+−、第1出力信号Svh
00−+、第2出力信号Svh
00−−は、時分割で測定する場合、この順で測定することが好ましい。正方行列H
hの第1検出対象と、第2検出対象の検出時間の間隔が短くなるので、各出力信号にのったノイズ成分がキャンセルされる。又は、例えば、第1出力信号Svh
00++、第1出力信号Svh
00−+、第2出力信号Svh
00+−、第2出力信号Svh
00−−の順に測定してもよい。この場合、正方行列H
vの第1検出対象と、第2検出対象の検出時間の間隔が短くなるので、各出力信号にのったノイズ成分がキャンセルされる。これに限定されず、正符号選択動作を複数回連続して実行した後に負符号選択動作を実行してもよい。また、
図24から
図31に示した各検出動作の順番は適宜変更してもよい。
【0187】
(第6の実施形態)
図32は、第4の実施形態に係る表示装置の概略断面構造を表す断面図である。第1から第3の実施形態では、第1電極25が、検出部30の検出電極と、表示パネル20の共通電極とを兼用する場合を説明したが、これに限定されない。
図32に示す表示装置1Aは、画素基板2と、画素基板2と対向する対向基板3と、液晶層6を有している。画素基板2は、第1基板21の上に共通電極COMLが設けられており、共通電極COMLの上に絶縁層24を介して第2電極(画素電極)22が設けられている。共通電極COMLは、表示動作の際に、副画素SPixに対する共通電位となる駆動信号Vcomが供給される。
【0188】
本実施形態において、第1基板21に対して、共通電極COML、絶縁層24、第2電極22の順で積層されたが、これに限られない。第1基板21に対して第2電極22、絶縁層24、共通電極COMLの順で積層されてもよいし、共通電極COMLと第2電極22は絶縁層24を介して、同層に形成されてもよい。さらに、共通電極COMLと第2電極22の少なくとも一方は、第2基板31上に配置されてもよい。共通電極COMLは、表示領域Ad(
図5参照)と重畳する領域の全面に連続して設けられていてもよく、複数に分割して設けられていてもよい。また、第1電極25は、第2基板31とは異なる基板に形成して、表示パネル20の上に検出部30を装着した構成であってもよい。
【0189】
また、対向基板3は、第2基板31の下面にカラーフィルタ32が設けられており、第2基板31の上に検出電極である第1電極25が設けられている。この場合、上述した検出用スイッチング素子Trs、検出用データ線SGLs、検出用ゲート線GCLs等は第2基板31側に設けられる。本実施形態では、第2基板31と第1電極25とで検出部30が構成される。このような態様であっても、検出部30は、上述した符号分割選択駆動により、第1電極25間の容量結合を抑制して良好な検出感度を得ることが可能である。
【0190】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0191】
例えば、表示パネル20を有さず、検出部30を含む検出装置であってもよい。この場合、少なくとも、第1基板21と、第1電極25と、第1電極ドライバ14と、検出用ゲートドライバ12Bと、信号処理部40と、制御部11とを備えていればよい。また、各実施形態において、検出部30は自己静電容量方式のタッチ検出を行うが、これに限定されず。相互静電容量方式のタッチ検出を行ってもよい。この場合、第1電極25と対向する電極を設けて、第1電極25に上述の符号分割選択駆動に基づいて駆動信号が供給され、第1電極25と対向する電極から出力信号が検出される。