特許第6557634号(P6557634)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557634
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】接続モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20190729BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   H01M2/34 B
   H01M2/20 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-88902(P2016-88902)
(22)【出願日】2016年4月27日
(65)【公開番号】特開2017-199534(P2017-199534A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2018年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社エンビジョンAESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
(72)【発明者】
【氏名】森田 光俊
(72)【発明者】
【氏名】山崎 泰央
【審査官】 田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/102373(WO,A1)
【文献】 特開2013−33634(JP,A)
【文献】 特開2014−22256(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/021964(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/20
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極の一対の電極端子を有する複数の蓄電素子から成る蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、
隣り合う蓄電素子の前記電極端子を接続するバスバーと、
前記バスバーを保持するバスバー保持部を含む絶縁プロテクタと、を備え、
前記絶縁プロテクタは、前記複数の蓄電素子の並び方向に連結される複数の連結ユニットによって構成され、
前記複数の連結ユニットは、
前記絶縁プロテクタの両端部に位置する二個の端部連結ユニットと、
前記二個の端部連結ユニット間に位置する中間連結ユニットと、を含み、
前記二個の端部連結ユニットは、同一構成の連結ユニットからなり、
一方の端部連結ユニットと他方の端部連結ユニットとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間連結ユニットに連結されている、接続モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の接続モジュールにおいて、
前記絶縁プロテクタに保持され、前記蓄電素子に電気的に接続される導電性部材と、
前記導電性部材に接続され、前記蓄電素子の状態を検知する検知電線と、を備え、
前記端部連結ユニットは、平面視において長方形の形状を有するとともに、前記検知電線を固定する電線固定部を含み、
前記電線固定部は、平面視において、前記長方形の長辺から外部に飛び出さない位置に設けられている、接続モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の接続モジュールにおいて、
前記端部連結ユニットは、前記一対の電極端子のいずれか一方を複数の方向において外部に接続可能な外部接続部を有する、接続モジュール。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の接続モジュールにおいて、
前記端部連結ユニットおよび前記中間連結ユニットは、各蓄電素子に対応して設けられている、接続モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の接続モジュールにおいて、
前記中間連結ユニットは、前記端部連結ユニットと連結可能な第1中間連結ユニットと、前記第1中間連結ユニットと連結可能な第2中間連結ユニットとによって構成される、接続モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、複数の蓄電素子からなる蓄電素子群に装着される接続モジュールに関し、詳しくは、接続モジュールに配される絶縁プロテクタの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子群に装着される接続モジュールには、隣り合う蓄電素子の電極端子を接続するバスバーを保持する絶縁プロテクタが配される。そのような絶縁プロテクタとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、複数の蓄電素子に対応するために、複数の連結ユニットを連結して絶縁プロテクタを構成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−54995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術のように、複数の連結ユニットを連結して絶縁プロテクタを構成する場合、通常、両端部の連結ユニットには蓄電素子群からの電源取り出し用の端子が設けられること等に起因して、種類の異なる複数の連結ユニットを形成する必要があった。連結ユニットの種類が増加すると、連結ユニットの製造コストが増加するという不都合が生じることとなる。
【0005】
本明細書に開示される技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、絶縁プロテクタが複数の連結ユニットを連結して構成される場合において、連結ユニットの種類を低減できる接続モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される配線モジュールは、正極および負極の一対の電極端子を有する複数の蓄電素子から成る蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、隣り合う蓄電素子の前記電極端子を接続するバスバーと、前記バスバーを保持するバスバー保持部を含む絶縁プロテクタと、を備え、前記絶縁プロテクタは、前記複数の蓄電素子の並び方向に連結される複数の連結ユニット)によって構成され、前記複数の連結ユニットは、前記絶縁プロテクタの両端部に位置する二個の端部連結ユニットと、前記二個の端部連結ユニット間に位置する中間連結ユニットと、を含み、前記二個の端部連結ユニットは、同一構成の連結ユニットからなり、一方の端部連結ユニットと他方の端部連結ユニットとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間連結ユニットに連結されている。
本構成によれば、二個の端部連結ユニットは、同一構成の連結ユニットからなり、一方の端部連結ユニットと他方の端部連結ユニットとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間連結ユニットに連結されている。すなわち、端部連結ユニットは一種類の連結ユニットによって構成される。それによって、絶縁プロテクタが複数の連結ユニットを連結して構成される場合において、連結ユニットの種類を低減することができる。
【0007】
上記接続モジュールにおいて、前記絶縁プロテクタに保持され、前記蓄電素子に電気的に接続される導電性部材と、前記導電性部材に接続され、前記蓄電素子の状態を検知する検知電線と、を備え、前記端部連結ユニットは、平面視において長方形の形状を有するとともに、前記検知電線を固定する電線固定部を含み、前記電線固定部は、平面視において、前記長方形の長辺から外部に飛び出さない位置に設けられているようにしてもよい。
本構成によれば、端部連結ユニットを180度回転して中間連結ユニットに連結する際に、平面視において、電線固定部が接続モジュールの外側に飛び出すことがない。それによって、接続モジュールの省スペース化を図ることができる。
【0008】
また、上記接続モジュールにおいて、前記端部連結ユニットは、前記一対の電極端子のいずれか一方を複数の方向において外部に接続可能な外部接続部を有するようにしてもよい。
本構成によれば、複数の方向に接続可能な外部接続部によって、蓄電素子群を他の蓄電素子群に接続する際の接続態様を多様化できる。すなわち、複数の蓄電素子群によって、より大きな蓄電素子群を形成する際に、蓄電素子群の配置の融通性を増大できる。
【0009】
また、上記接続モジュールにおいて、前記端部連結ユニットおよび前記中間連結ユニットは、各蓄電素子に対応して設けられているようにしてもよい。
本構成によれば、蓄電素子群を構成する蓄電素子数に適宜対応して接続モジュールを構築できる。すなわち、端部連結ユニットおよび中間連結ユニットが複数の蓄電素子に対応して設けられる構成の場合、蓄電素子群を構成する蓄電素子数に対応させて、端部連結ユニット、あるいは中間連結ユニットの大きさ(対応する蓄電素子の数)を変更する必要がある。一方、端部連結ユニットおよび中間連結ユニットが各蓄電素子に対応して設けられる構成の場合、端部連結ユニットおよび中間連結ユニットの大きさを変更する必要はなく、単に、蓄電素子数に応じて、中間連結ユニットの数を変更するだけで対応できる。
【0010】
また、上記接続モジュールにおいて、前記中間連結ユニットは、前記端部連結ユニットと連結可能な第1中間連結ユニットと、前記第1中間連結ユニットと連結可能な第2中間連結ユニットとによって構成されるようにしてもよい。
本構成によれば、第1中間連結ユニットと第2中間連結ユニットとの2種類の中間連結ユニットによって、蓄電素子数の異なる多数の蓄電素子群に対応した接続モジュールを構築できる。
【発明の効果】
【0011】
本明細書に開示される接続モジュールによれば、絶縁プロテクタが複数の連結ユニットを連結して構成される場合において、連結ユニットの種類を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態の接続モジュールの概略的な平面図
図2】接続モジュールを搭載した蓄電モジュールの概略的な平面図
図3】絶縁プロテクタの各連結ユニットを示す分解平面図
図4A】端部連結ユニットの概略的な平面図
図4B】端部連結ユニットの概略的な左側面図
図4C】端部連結ユニットの概略的な正面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
一実施形態に係る接続モジュール20を、図1ないし図4Cを参照しつつ説明する。本実施形態の接続モジュール20は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両に搭載されて、車両を駆動するための電源として使用される蓄電モジュール1(図2参照)の一部を構成するものである。
【0014】
接続モジュール20は、蓄電素子11を複数個(本実施形態では、5個)並べてなる蓄電素子群10に取り付けられて、隣り合う蓄電素子同士を電気的に接続するものである(図2参照)。なお、以下の説明において、複数の同一部材については、一の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。また、蓄電素子群10を構成する蓄電素子11の個数は5個に限られない。
【0015】
1.蓄電素子
蓄電素子11は、例えば、二次電池であり、図2に示されるように、扁平な略直方体形状をなしており、その上面に、正極12Aおよび負極12Bの一対の電極端子12が、蓄電素子11の長辺方向(図2の矢印Y方向)に一列に並んで設けられている。電極端子12は、例えば、後述するバスバー40と接続するためのボルト(図示せず)のねじ山と螺合可能なねじ部を備えた孔状に設けられている。蓄電素子11は、隣り合う電極端子12が異なる極性となるように配置されて蓄電素子群10を構成しており、保持板(図示せず)によって固定されている。なお、電極端子12の構成は、孔状に限られない。
【0016】
2.接続モジュール
接続モジュール20は、図1に示されるように、隣り合う蓄電素子11の正極および負極の電極端子(12A,12B)に接続される金属製の複数のバスバー40と、バスバー40を保持するバスバー保持部32を含む絶縁プロテクタ30と、絶縁プロテクタに保持され、蓄電素子11に電気的に接続される電圧検知端子(「導電性部材」の一例)50と、電圧検知端子50に接続され、蓄電素子11の状態を検知する検知電線52等を備える。
【0017】
バスバー40は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等からなる金属製の板材を所定の形状にプレス加工することにより形成され、図1に示すように、全体として略長方形状をなしている。バスバー40の表面には、スズ、ニッケル等の金属がメッキされていてもよい。バスバー40には、電極端子12と接続するためのボルトが挿通される略円形状をなす一対の端子貫通孔41,41が、バスバー40を貫通して形成されている。この端子貫通孔41は、電極端子12の孔径よりも若干大きく設定されている。ボルトが端子貫通孔41内に挿通されるとともにそのねじ山が電極端子12の孔内に螺合されて、ボルトの頭部と端子台との間にバスバー40が挟まれることにより、電極端子12とバスバー40とが電気的に接続される。
【0018】
2−1.絶縁プロテクタ
絶縁プロテクタ30は、図3に示されるように、複数の蓄電素子11の並び方向(蓄電素子11の短辺方向(図2の矢印X方向))に連結される複数(本実施形態では5個)の連結ユニット31によって構成されている。
【0019】
複数の連結ユニット31は、絶縁プロテクタ30の両端部に位置する二個の端部連結ユニット(31A,31AR)と、二個の端部連結ユニット(31A,31AR)の間に位置する中間連結ユニット(31B,31C)と、を含む。なお、以下において、各連結ユニットを特に区別する必要がない場合、「連結ユニット31」と記載する。
【0020】
二個の端部連結ユニット(31A,31AR)は、同一構成の連結ユニットからなり、一方の端部連結ユニット31Aと他方の端部連結ユニット31ARとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間連結ユニット31Bに連結されている。すなわち、図3に示されるように、端部連結ユニット31Aと,端部連結ユニット31ARとは、同一の連結ユニットからなり、端部連結ユニット31ARは、端部連結ユニット31Aを反転して中間連結ユニット31Bに連結されたものである。
【0021】
図2に示されるように、端部連結ユニット(31A,31AR)および中間連結ユニット(31B,31C)は、各蓄電素子11に対応して設けられている。すなわち、一個の蓄電素子11に対して一個の連結ユニット31が対応している。また、中間連結ユニット(31B,31C)は、図3に示されるように、端部連結ユニット(31A,31AR)と連結可能な第1中間連結ユニット31Bと、第1中間連結ユニット31Bと連結可能な第2中間連結ユニット31Cとによって構成される。
【0022】
すなわち、本実施形態においては、絶縁プロテクタ30は、5個の蓄電素子11に対応して5個の連結ユニット31から構成され、図3に示されるように、左から端部連結ユニット31A、第1中間連結ユニット31B、第2中間連結ユニット31C、第1中間連結ユニット31B、端部連結ユニット31ARの順に連結されている。ここで、端部連結ユニット31ARは、端部連結ユニット31Aを、平面視で反転した、すなわち180度回転したものである。このように、本実施形態においては、絶縁プロテクタ30は、3種類の連結ユニット(31A、31B、31C)から成る、5個の連結ユニット31によって構成されている。
【0023】
また、各連結ユニット31は、平面視において長方形の形状を有し、バスバー保持部32、嵌合凸部37、嵌合凹部38、端子係止部39、および開口部OP等を含む。詳しくは、一個のバスバー40を保持するバスバー保持部32は、一個の連結ユニット31に形成された第1バスバー保持部32Aと、連結される他の一個の連結ユニット31に形成された第2バスバー保持部32Bとが結合されることによって形成される。
【0024】
また、一個の連結ユニット31に形成された嵌合凸部37と、他の一個の連結ユニット31に形成された嵌合凹部38とが嵌合されることによって、二個の連結ユニット31が連結される。
開口部OPは、蓄電素子11の電極端子12とバスバー40とをボルト等を介して接続するために設けられている。
【0025】
各端部連結ユニット(31A,31AR)は、検知電線52を固定する電線固定部35を含む(図1参照)。電線固定部35は、図4Aに示されるように、平面視において、長方形の長辺LS(破線で示される)から外部に飛び出さない位置に設けられている。電線固定部35は、例えば、結束バンド53を用いて検知電線52を固定するために使用され、結束バンド53を固定する開口35Aと結束バンド53を通す孔35Bからなる。結束バンド53によって結束された検知電線52の一端はコネクタ55に接続されている(図1参照)。コネクタ55は、蓄電素子11を監視する制御回路等に接続される。
【0026】
また、各端部連結ユニット(31A,31AR)は、一対の電極端子12A,12Bのいずれか一方を複数の方向において外部に接続可能な外部接続部34を有する。複数の方向は、本実施形態では、図4Aに示される矢印H方向と、V方向(図2に示される矢印X方向と、Y方向)の2方向である。
【0027】
詳細には、外部接続部34は、図4A図4Cに示されるように、開口部OPを形成する2箇所の低枠部34A、34Bと、低枠部34A、34Bの中間に位置する柱部34Cを含む。低枠部34Aによって矢印H方向へ外部接続バスバー45を引き出すことができ、また、低枠部34Bによって矢印V方向へ外部接続バスバー45を引き出すことができる(図2の破線を参照)。
【0028】
外部接続部34において、例えば、一方の電極端子12と電圧検知端子50とを接続するボルト(図示せず)によって、外部接続バスバー45を電極端子12に電気的に接続することによって、蓄電モジュール1を他の蓄電モジュールに接続することができる。
【0029】
3.蓄電モジュールの組立方法
上述した本実施形態の接続モジュール20を組み立てる際には、まず、図3に示される5個の連結ユニット31A−31ARを組み合わせて絶縁プロテクタ30を形成する。具体的には、各連結ユニット31の嵌合凸部37を隣り合う連結ユニット31の嵌合凹部38内に差し込み、所定の位置まで押し込む。
【0030】
連結ユニット31を組み立てたら、次に、バスバー40を絶縁プロテクタ30のバスバー保持部32内に収容する。そして、検知電線52が接続された電圧検知端子50を、バスバー保持部32内の端子係止部39等の所定位置に収容して、バスバー40に重ね合わせる。そして、各連結ユニット31からの検知電線52を結束バンド53によって結束して、電線固定部35に固定する。
【0031】
このようにして組み立てられた本実施形態の接続モジュール20は、孔状の電極端子12を上に向けた状態で並べられた蓄電素子群10の上面側に取り付けられる。すなわち、接続モジュール20を蓄電素子群10の上側に載置し、接続用のボルト(図示せず)を電圧検知端子50の挿通孔51およびバスバー40の端子貫通孔41に挿通させて、隣り合う正極および負極の電極端子12A,12B、電極端子12と電圧検知端子50とを電気的に接続する。また、各端部連結ユニット(31A,31AR)の外部接続部34に電源取出し用端子(図示せず)を取付ける。これにより、蓄電モジュール1が完成する。
【0032】
4.実施形態の効果
二個の端部連結ユニット(31A,31AR)は、同一構成の連結ユニットからなり、一方の端部連結ユニットと他方の端部連結ユニットとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間連結ユニット31Bに連結されている。すなわち、端部連結ユニット(31A,31AR)は一種類の連結ユニットによって構成されている。それによって、絶縁プロテクタ30が複数の連結ユニット31を連結して構成される場合において、連結ユニット31の種類を低減することができる。
【0033】
また、電線固定部35は、平面視において、端部連結ユニット(31A,31AR)の長方形の長辺LSから外部に飛び出さない位置に設けられている。そのため、端部連結ユニット31Aを180度回転して中間連結ユニット31Cに連結する際に、平面視において、電線固定部35が接続モジュール20の外側に飛び出すことがない。それによって、接続モジュール20の省スペース化、ひいては蓄電モジュール1の省スペース化を図ることができる。
【0034】
また、端部連結ユニット(31A,31AR)は、一対の電極端子(12A,12B)のいずれか一方を垂直な2方向(図2のXおよびY方向:「複数方向」の一例)において外部に接続可能な外部接続部34を有する。そのため、外部接続部34によって、蓄電素子群10を他の蓄電素子群に接続する際の接続態様を多様化できる。すなわち、複数の蓄電素子群によって、より大きな蓄電素子群を形成する際に、蓄電素子群の配置の融通性を増大できる。
【0035】
また、端部連結ユニット(31A,31AR)および中間連結ユニット(31B,31C)は、すなわち、各連結ユニット31は、各蓄電素子11に対応して設けられている。そのため、蓄電素子群10を構成する蓄電素子数に適宜対応して接続モジュールを構築できる。
【0036】
すなわち、端部連結ユニット(31A,31AR)および中間連結ユニット(31B,31C)が複数の蓄電素子11に対応して設けられる構成の場合、蓄電素子群10を構成する蓄電素子11の数に対応させて、端部連結ユニット、あるいは中間連結ユニットの大きさ(対応する蓄電素子の数)を変更する必要がある。
例えば、蓄電素子群10を構成する蓄電素子11の数が5個である場合、各端部連結ユニットが2個の蓄電素子11に対応し、中間連結ユニットが1個の蓄電素子11に対応する構成とする。この場合に、蓄電素子11の数が7個である場合に対応させるには、例えば、中間連結ユニットを3個の蓄電素子11に対応する構成に設計変更する必要がある、
一方、この場合において、本実施形態のように、各連結ユニット31が各蓄電素子11に対応して設けられる構成の場合、端部連結ユニットおよび中間連結ユニットの大きさを変更する必要はなく、単に、蓄電素子数に応じて、連結する中間連結ユニットの数を3個から5個に変更するだけで対応できる。
【0037】
また、中間連結ユニット(31B,31C)は、端部連結ユニット(31A,31AR)と連結可能な第1中間連結ユニット31Bと、第1中間連結ユニット31Bと連結可能な第2中間連結ユニット31Cとによって構成されている。そのため、第1中間連結ユニット31Bと第2中間連結ユニット31Cとの2種類の中間連結ユニットによって、蓄電素子数の異なる多数の蓄電素子群10に対応した接続モジュールを構築できる。
【0038】
例えば、9個の蓄電素子11からなる蓄電素子群10に対応した接続モジュールを構築するには、端部連結ユニット31A、第1中間連結ユニット31B、第2中間連結ユニット31C、第1中間連結ユニット31B、第2中間連結ユニット31C、第1中間連結ユニット31B、第2中間連結ユニット31C、第1中間連結ユニット31B、端部連結ユニット31ARの順に連結することによって絶縁プロテクタを構成すればよい。
また、8個の蓄電素子11からなる蓄電素子群10に対応した接続モジュールを構築するには、本実施形態で示された接続モジュール20と、端部連結ユニット31A、第1中間連結ユニット31B、端部連結ユニット31ARの順に連結することによって構成された絶縁プロテクタを含む接続モジュールとを、所定の外部接続バスバー45によって接続することによって構築できる。すなわち、本実施形態によれば、単に3種類の連結ユニット(31A、31B、31C)によって、各連結ユニット31の設計変更なしに、蓄電素子数の異なる様々な蓄電素子群10に対応した接続モジュールを構築できる。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0040】
(1)上記実施形態では、各連結ユニット31は、各蓄電素子11に対応して設けられている例を示したが、これに限られない。例えば、端部連結ユニットは、二個の蓄電素子11に対応したものであってもよい。すなわち、図3において、端部連結ユニット31Aと第1中間連結ユニット31Bが併合されたものを端部連結ユニットとしてもよい。この場合であっても、併合端部連結ユニットと、第2中間連結ユニット31Cと、180度回転させた併合端部連結ユニットとによって、絶縁プロテクタ30を形成できる。それによって、180度回転させた併合端部連結ユニットを使用しない場合と比べて、連結ユニットの種類を低減できる。
【0041】
(2)上記実施形態では、電線固定部35は、平面視において、端部連結ユニット(31A,31AR)の長方形の長辺LSから外部に飛び出さない位置に設けられている例を示したが、これに限られない。連結ユニット31の詳細な平面外形等に応じて、電線固定部35は、長方形の長辺LSから外部に飛び出す位置に設けられてもよい。
【0042】
(3)上記実施形態では、端部連結ユニット(31A,31AR)は、一対の電極端子(12A,12B)のいずれか一方を垂直な2方向(複数方向)において外部に接続可能な外部接続部34を有する例を示したが、これに限られない。外部接続部34は、一対の電極端子(12A,12B)のいずれか一方を1方向(図4Aの矢印H方向、または矢印V方向)のみに外部に接続可能な構成としてもよい。
【0043】
(4)上記実施形態では、中間連結ユニットは、第1中間連結ユニット31Bと、第2中間連結ユニット31Cの2種類の中間連結ユニットによって構成されている例を示したが、これに限られない。例えば、中間連結ユニットは1種類の中間連結ユニットによって構成されていてもよいし、あるいは3種類以上の中間連結ユニットによって構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…蓄電素子群
11…蓄電素子
12A…正電極端子
12B…負電極端子
20…接続モジュール
30…絶縁プロテクタ
31…連結ユニット
31A,31AR…端部連結ユニット
31B…第1中間連結ユニット(中間連結ユニット)
31C…第2中間連結ユニット(中間連結ユニット)
32…バスバー保持部
32A…第1バスバー保持部(バスバー保持部)
32B…第2バスバー保持部(バスバー保持部)
34…外部接続部
35…電線固定部
40…バスバー
50…電圧検知端子(導電性部材)
52…検知電線
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C