(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マイクロ流体デバイスが、第1の電極、電極起動基板および第2の電極をさらに含み、前記第1の電極が、前記筐体の第1の壁の一部であり、前記電極起動基板および前記第2の電極が、前記筐体の第2の壁の一部である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
前記選択および/または前記移動が、前記生物学的細胞を選択および/または移動するための誘電泳動(DEP)構成を起動することを含む、請求項19または21に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明のいくつかの態様による、マイクロ流体デバイス内で微小物体に対して、少なくとも2つの試験を実行することができる、プロセスの例を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明のいくつかの態様による、
図1の方法をそれによって実行することのできる、マイクロ流体デバイスの斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明のいくつかの態様による、セレクタが誘電泳動(DEP:dielectrophoresis)デバイスとして構成されている、(説明を容易にするために)障壁を除いた、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスの部分側断面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明のいくつかの態様による、マイクロ流体デバイスの別の例の斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明のいくつかの態様による、チャネルから隔離領域までの接続領域の長さが、チャネル内を流れる媒体の侵入深さ(penetration depth)よりも大きい、滞留囲いの例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明のいくつかの態様による、チャネル内を流れる媒体の侵入深さよりも長い、チャネルから隔離領域までの接続領域を備える、滞留囲いの別の例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明のいくつかの態様による、滞留囲いの構成のさらに別の例を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明のいくつかの態様による、滞留囲いの構成のさらに別の例を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、本発明のいくつかの態様による、滞留囲いの構成のさらに別の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスの流路中に生物学的微小物体を装入する例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイスのチャネル中に生物学的微小物体を流す例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明のいくつかの態様による、第1の特性について、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスの流路内の生物学的微小物体を試験する例を示す図である。
【0007】
【
図11】
図11は、本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスにおいて、生物学的微小物体を選択する例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイスにおいて、生物学的微小物体を選択する例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスにおける保持囲い(holding pen)中に、選択された生物学的微小物体を移動させる例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスの流路から生物学的微小物体を洗い流す例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイスのチャネルから滞留囲い中に、選択された生物学的微小物体を移動させる例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイス内のチャネルから、生物学的微小物体を洗い流す例を示す図である。
【
図17】本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスの保持囲い内の生物学的微小物体に、アッセイ材料を供給する例を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスの保持囲い中に拡散されたアッセイ材料を示す図である。
【
図19】
図19は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイスのチャネル内のアッセイ材料、および対象とする分析物を生成する、滞留囲い内の生物学的微小物体の例を示す図である。
【
図20】本発明のいくつかの態様による、滞留囲いの隔離領域から拡散して出るとともに、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイス内のチャネルへの近位開口に隣接するアッセイ材料と反応する、対象とする分析物の成分の例を示す図である。
【0008】
【
図21】
図21は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイス内の標識化された捕捉微小物体を含む、アッセイ材料の例を示す図である。
【
図22】
図22は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイス内の、捕捉微小物体と標識剤との混合物を含む、アッセイ材料の例を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明のいくつかの態様による、捕捉微小物体、標識剤の成分、および
図22の対象とする分析物の例を示す図である。
【
図24】
図24は、本発明のいくつかの態様による、複数の親和剤を含む、複合捕捉微小物体の例を示す図である。
【
図25】
図25は、本発明のいくつかの態様による、局所化された反応を検出し、
図4A〜4Cに示されるデバイスようなマイクロ流体デバイス内の陽性の生物学的微小物体を収納する滞留囲いを識別する、例を示すプロセスの図である。
【
図26】
図26は、本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのデバイスにおける保持囲いから流路中への陰性の生物学的微小物体を移動させるのを示す図である。
【
図27】本発明のいくつかの態様による、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイスにおける流路からの陰性の生物学的微小物体を洗い流すのを示す図である。
【
図28】
図28は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイスにおけるアッセイ材料のチャネルを清浄化する例を示す図である。
【
図29】
図29は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイスにおける、陽性の生物学的微小物体から陰性の生物学的微小物体を分離する例を示す図である。
【
図30】
図30は、本発明のいくつかの態様による、
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイスにおける滞留囲い内でクローン性の生物学的微小物体を生成する例を示す図である。
【
図31】
図31A〜Cは、マイクロチャネルと、マイクロチャネルの方に開口する複数の滞留囲いを含む、マイクロ流体デバイスを示す図である。各滞留囲いは、複数のマウススペノサイト(mouse spenocytes)を収納する。
【0009】
図31Aは、マイクロチャネルデバイスの部分の明視野画像である。
図31Bおよび31Cは、Texas Redフィルタを使用して得られた蛍光画像である。
図31Bにおいて、画像は、実施例1に記載された、抗原特異性アッセイの開始後、5分で得られた。
図31Cにおいては、画像は、実施例1に記載された、抗体特異性アッセイの開始後、20分で得られた。
図31における白い矢印は、アッセイにおいて陽性信号を発生させた、滞留囲いを指している。
例示的態様の詳細な説明
【0010】
本明細書は、本発明の例示的な態様と応用について記述する。しかしながら、本発明は、これらの例示的な態様および応用、または例示的な態様および応用が動作する、または本明細書において記述される仕方に限定されるものではない。さらに、図は、簡略された、または部分的な視界を示していることがあり、図中の要素の寸法は、分かりやすくするために、誇張されているか、またはそうではなく、比例していない場合がある。さらに、本明細書において「〜の上に(on)」、「〜に取り付けられた(attached to)」、または「〜に結合された(coupled to)」という用語が使用されるときには、1つの要素(例えば、材料、層、基板、その他)は、その1つの要素が、直接的に他の要素の上にあるか、それに取り付けられているか、またはそれに結合されているか、あるいは1つの要素と他の要素の間に1つまたは2つ以上の介入要素があるかどうかにかかわらず、別の要素の「上にある」か、それに「取り付けられている」か、またはそれに「結合されている」可能性がある。
【0011】
また、それが提示されている場合には、方向(例えば、above、below、top、bottom、side、up、down、under、over、upper、lower、水平(horizontal),垂直(vertical)、「x」、「y」、「z」、その他)は相対的であり、例としてのみ、および説明と考察の容易さのためであって、限定としてではなく提示されるものである。さらに、要素のリスト(例えば、要素a、b、c)を参照する場合には、そのような参照には、リストされた要素の任意の1つ自体、リストされた要素のすべてよりも少ないものの任意の組合せ、および/またはリストされた要素のすべてのものの組合せを含めることを意図している。
【0012】
本明細書において使用されるときには、「実質的に(substantially)」とは、意図する目的に対して十分に作用することを意味する。「いくつか(ones)」という用語は、2つ以上を意味する。
【0013】
本明細書において使用されるときには、「微小物体(micro-object)」という用語は、以下の内の1つまたは2つ以上を包含することができる:微粒子、マイクロビーズ(例えば、ポリスチレンビーズ、Luminex(商標)ビーズ、その他)、磁性ビーズ、マイクロロッド(microrods)、マイクロワイヤ、量子ドット(quantum rods)、その他などの無生命微小物体(inanimate micro-object);細胞(例えば、胚、卵子(oocytes)、精子、組織から解離した細胞、血液細胞、ハイブリドーマ(hydridomas)、培養細胞、細胞株からの細胞、癌細胞、感染細胞、形質移入細胞および/または形質転換細胞、レポータ細胞、その他)、リポソーム(例えば、膜調製物から合成または派生)、脂質ナノラフト(lipid nanorafts)、その他の生物学的微小物体;または無生物微小物体と、生物学的微小物体(例えば、細胞に取り付けられたマイクロビーズ、リポソーム被覆マイクロビーズ、リポソーム被覆磁性ビーズ、その他)の組合せ。脂質ナノラフトは、例えば、Rtcheら、「Reconstitution of Membrane Proteins in Phospholipid Bilayer Nanodiscs」、Methods Enzymol、462:211〜231(2009)に記載されている。
【0014】
本明細書において使用されるときには、「細胞」は、生体細胞を意味し、それは植物細胞、動物細胞(例えば、哺乳類細胞)、バクテリア細胞、カビ細胞、その他であり得る。動物細胞は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、霊長類、その他からのものであり得る。
流体媒体の「成分」とは、溶媒分子、イオン、小分子、抗生物質、ヌクレオチドおよびヌクレオシド、核酸、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、糖、炭水化物、脂質、脂肪酸、コレステロール、代謝物、その他を含む、媒体内に存在する任意の化学分子または生化学的分子である。
【0015】
本明細書において流体媒体を参照して使用されるときには、「拡散する」および「拡散」とは、濃度勾配を下る、流体媒体の成分の熱力学的移動を意味する。
「媒体の流れ」という語句は、主として拡散以外の任意のメカニズムによる、流体媒体のバルク移動を意味する。例えば、媒体の流れは、2点間の圧力差による、1点から別の点への流体媒体の移動を伴う可能性がある。そのような流れは、連続的、パルス状、周期的、無作為、断続的、または反復的な液体の流れ、またはそれらの任意の組合せを含む可能性がある。1つの流体媒体が、別の流体媒体中に流れると、媒体の乱流および混合が生じる可能性がある。
【0016】
「実質的に流れがない」という語句は、流体媒体中への、またはその内部での材料の成分(例えば、対象とする分析物)の拡散速度よりも小さい流体媒体の流動速度を意味している。そのような材料の成分の拡散速度は、例えば、温度、成分の大きさ、および成分と流体媒体の間の相互作用の強さに依存する可能性がある。
【0017】
マイクロ流体デバイス内の異なる領域を参照して本明細書において使用されるときには、「流体的に接続される」という語句は、異なる領域が、流体媒体のような流体で実質的に充填されているときに、領域のそれぞれにおける流体が、流体の単体を形成するように接続されていることを意味する。このことは、異なる領域における流体(または流体媒体)が、組成において必ずしも同一であることを意味しない。むしろ、マイクロ流体デバイスの異なる、流体的に接続された領域における流体は、異なる構成物(例えば、タンパク質、炭水化物、イオン、またはその他の分子などの、溶質の異なる濃度)を有することが可能であり、これらの異なる構成物は、溶質がそれぞれの濃度勾配を下って移動するとき、および/または流体がデバイスを通過して流れるときに、流動的である。
【0018】
いくつかの態様においては、マイクロ流体デバイスには、「掃引(swept)」領域および「未掃引(unswept)」領域を含めることができる。流体接続が、掃引領域と未掃引領域の間で拡散を可能にするが、媒体の流れを実質的に可能にしないように構造化されている限り、未掃引領域は、掃引領域に流体的に接続されることができる。マイクロ流体デバイスは、このように、実質的に掃引領域と未掃引領域の間の拡散的な流体連通だけを可能にしながら、掃引領域内の媒体の流れから未掃引領域を実質的に隔離するように構造化することができる。
【0019】
特異的な生物学的物質を生成する、生物学的微小物体(例えば、生体細胞)の能力は、そのようなマイクロ流体デバイス内で検定することができる。例えば、対象とする分析物の生成のために検定しようとする生物学的微小物体を含むサンプル材料を、マイクロ流体デバイスの掃引領域中に装入することができる。生物学的微小物体のいくつかを、特定の特性について選択して、未掃引領域に配置することができる。次いで、残りのサンプル材料を掃引領域から流出させて、アッセイ材料を掃引領域に流入させることができる。選択された生物学的微小物体が未掃引領域内にあるので、選択された生物学的微小物体は、残りのサンプル材料の流出、またはアッセイ材料の流入によって実質的に影響を受けない。選択された生物学的微小物体は、対象とする分析物を生成することを可能にして、この分析物は未掃引領域から掃引領域中に拡散することが可能であり、掃引領域では、対象とする分析物は、アッセイ材料と反応して、局所化された検出可能な反応を生成することが可能であり、反応のそれぞれは、特定の未掃引領域と関係づけることができる。検出された反応と関連づけられた任意の未掃引領域を分析し、それがある場合には、未掃引領域内の生物学的微小物体のどれが、対象とする分析物の十分な生成元であるかを判定することができる。
【0020】
図1は、本発明のいくつかの態様による、マイクロ流体デバイスにおいて微小物体を試験するプロセス100の例を示す。
図2A〜2Cは、プロセス100をそれによって実行することのできるマイクロ流体デバイス200の例を示し、
図3Aおよび3Bは、マイクロ流体デバイス200の一部とすることのできる、誘電泳動(DEP)デバイスの例を示す。
図4A〜4Cは、やはりプロセス100をそれによって実行することのできる、マイクロ流体デバイス400の別の例を示す。しかしながら、
図2A〜2Cのデバイス200も、
図4A〜4Cのデバイス400も、
図1のプロセス100を実行することに限定されない。プロセス100も、デバイス200または400上で実行されるように限定はされない。
【0021】
図1に示すように、プロセス100は、ステップ102において、マイクロ流体デバイス内の流路中に、微小物体の混合物を装入することができる。ステップ102で装入された混合物には、異なるタイプの微小物体、ならびにデブリスおよびその他の物体を含めることができる。ステップ104において、プロセス100は、第1の特性用の流路内で微小物体を試験することが可能であり、ステップ106において、プロセス100は、第1の特性に対して陽性の試験結果を生じない微小物体(例えば、陰性の試験結果を生じる微小物体)から、第1の特性に対して陽性の試験結果を生じる、微小物体を分離することが可能である。図示のように、プロセス100は、ステップ102〜106を任意の回数だけ繰り返すことができる。例えば、ステップ102〜106をk回実行して、その後に、k個の微小物体混合物をステップ102において装入して、ステップ104、106において、第1の特性に対してそのすべてが陽性の試験結果を生じる、微小物体の初期群に分類される。数字kは、1または2以上の任意の整数である。(以後、試験に対して陽性の試験結果を生じる生物学的微小物体は、「陽性」生物学的微小物体と呼ぶことがあり、その試験に対して陽性の試験結果を生じない生物学的微小物体は、「陰性」生物学的微小物体と呼ぶことがある)。
【0022】
次いで、プロセス100は、ステップ108に進み、そこでプロセス100は、微小物体の初期群に対して後続の試験を実行することができる。ステップ108において実行される後続の試験は、ステップ104において実行される第1の試験と異なるものとすることができる。例えば、後続の試験は、ステップ104において試験された第1の特性と異なる、後続の特性について試験することができる。別の例として、ステップ108において実行される後続の試験は、ステップ104と同じ特性(上述の第1の特性)について試験することができるが、後続の試験は、異なる感度、精度、精密さ、その他を有することができる。例えば、ステップ108において実行される後続の試験は、ステップ104において実行される第1の試験よりも、第1の特性に対して感受性を高くすることができる。にもかかわらず、ステップ110において、プロセス100は、後続の試験に対して陰性の試験結果を生じる微小物体から、ステップ108において後続の試験に対して陽性の試験結果を生じる微小物体を分離することができる。
【0023】
ステップ104の第1の試験およびステップ108の後続の試験が、同一の特性について試験する場合には、ステップ108および110の後で、2つの異なる試験に応答して、その特性(上記のステップ104の考察において参照された、第1の特性)について陽性の試験結果を生じた微小物体は、ステップ102のk回の実行においてマイクロ流体デバイス中に装入された、微小物体のk個の混合物から、分離されている。図示のように、ステップ108および110は繰り返すことが可能であり、各繰返しにおいて、プロセス100は、同一の特性に対して試験を行う、ステップ108において、異なる後続の試験を適用することができる。実際に、ステップ108および110は、n回繰り返すことが可能であり、その後に、プロセス100は、ステップ102においてマイクロ流体デバイス中に装入された微小物体のk個の混合物から、ステップ104および108において試験された第1の特性に対してn+1回、陽性の試験結果を生じた、微小物体を分類した。この数nは、1または2以上の任意の整数とすることができる。
【0024】
注記のように、プロセス100は、代替的に、ステップ104において試験された第1の特性と異なる後続の特性について、ステップ108において試験をすることができる。そのような態様において、第1の特性と後続の特性の両方を有する微小物体は、ステップ102においてマイクロ流体デバイス中に装入された微小物体のk個の混合物から分類されている。ステップ108および110が繰り返される場合には、各繰返しにおいて、プロセス100は、ステップ108において、異なる後続の特性について試験を行うことができる。例えば、ステップ108の各実行において、プロセス100は、第1の特性とは異なるだけでなく、先行するいずれかの、ステップ108および110の通過中に試験されたいずれの先行の後続の特性とも異なる、後続の特性に対して試験を行うことができる。ステップ110の各実行において、プロセス100は、ステップ108において後続の特性に対して陽性の試験結果を生じる微小物体を分離することができる。
【0025】
注記のように、ステップ108および110は、n回、繰り返すことができる。ステップ108およ110をn回、実行した後に、プロセス100は、ステップ102においてマイクロ流体デバイス中に装入された微小物体のk個の混合物から、ステップ104および108において、n+1個の特性のすべてを試験された微小物体を分類している。数nは、1または2以上の整数とすることができる。
【0026】
プロセス100の変形形態が考えられる。例えば、いくつかの態様においては、ステップ108の繰返しは、あるときには、ステップ104において試験されなかった、新規の特性、またはステップ108の任意の先の実行に対して試験を行うことが可能であり、その他のときには、ステップ104において試験された同一の特性、またはステップ108の先行の実行について試験を行うことが可能である。別の例として、ステップ106において、またはステップ100の任意の繰返しにおいて、プロセス100は、陽性の試験結果を生じた微小物体から、陰性の試験結果を生じた微小物体を分離することができる。さらに別の例において、プロセス100は、ステップ106に進む前に、ステップ104を複数回繰り返すことができる。そのような例において、プロセス100は、ステップ104の各繰返しにおいて、異なる特性に対して試験を行い、次いで、ステップ104の少なくとも1つの繰返しに対して陰性の試験結果を生じた微小物体から、ステップ104の各繰返しにおいて、陽性の試験結果を生じた微小物体を分離することができる。同様に、ステップ108は、ステップ110に進む前に、複数回、繰り返すことができる。
【0027】
次に、
図2A〜7Cついて、マイクロ流体デバイス200および400の例について考察する。微小物体が生体細胞などの生物学的微小物体を含む、デバイス200および400によるプロセス100のオペレーションの例を、
図8〜30について次に記述する。
図2A〜Cは、プロセス100をそれによって実行することのできる、マイクロ流体デバイス200の例を示す。図示のように、マイクロ流体デバイス200には、ハウジング202、セレクタ222、検出器224、流れコントローラ226、および制御モジュール230を含めることができる。
【0028】
図示のように、ハウジング202には、液体媒体244を保持するための、1つまたは2つ以上の流動領域240を含めることができる。
図2Bは、流動領域240の内表面242を示し、この上で、媒体244を、一様(例えば、平坦)に機構なしで配置することができる。しかしながら、内表面242は、代替的に、非一様(例えば、非平坦)として、電気的端子(図示せず)などの機構を含めることもできる。
【0029】
ハウジング202には、そこを通って媒体を流動領域240中に入力することのできる、1つまたは2つ以上の入口208を含めることができる。入口208は、例えば、入力ポート、開口、バルブ、別のチャネル、流体コネクタ、その他とすることができる。ハウジング202には、そこを通って媒体244を除去することのできる、1つまたは2つ以上の出口210を含めることもできる。出口210は、例えば、出力ポート、開口、バルブ、チャネル、流体コネクタ、その他とすることができる。別の例として、出口210には、2013年4月4日付出願の米国特許出願番号第13/856781号(代理人整理番号BL1−US)に開示された出力メカニズムのいずれかのような、液滴出力メカニズムを含めることができる。ハウジング202の全部または一部を気体透過性として、気体が流動領域240に進入したり、そこから退出することを可能にすることができる。
【0030】
ハウジング202には、基部(例えば、基板)206上に配置されるマイクロ流体構造204を含めることもできる。マイクロ流体構造204は、気体透過性とすることのできる、ゴム、プラスチック、エラストマー、シリコーン(例えば、パターン化可能シリコーン)、ポリイミドメチルシロキサン(PDMS)、その他のような、可撓性材料とすることもできる。代替的に、マイクロ流体構造204は、剛性材料を含む、その他の材料とすることもできる。基部206には、1つまたは2つ以上の基板を含めることができる。単独構造として図示されているが、基部206には、複数の基板などの、複数の相互接続された構造を含めることができる。マイクロ流体構造104には、同様に、相互接続することのできる、複数の構造を含めることができる。例えば、マイクロ流体構造104には、さらに、構造内のその他の材料と同じ、または異なる材料で製作された、カバー(図示せず)を含めることができる。
【0031】
マイクロ流体構造204および基部206は、流動領域240を画定することができる。
図2A〜2Cには1つの流動領域240が示されているが、マイクロ流体構造204および基部206は、媒体244用の複数の流動領域を画定することができる。流動領域240には、チャネル(
図2Cにおける252)およびチャンバを含めることができ、これらは、相互接続されてマイクロ流体回路を形成することができる。2つ以上の流動領域240を含む筐体に対して、各流動領域240は、流動領域240からの媒体144を、それぞれ入力および除去するために、1つまたは2つ以上の入口108および1つまたは2つ以上の出口110と関連づけることができる。
【0032】
図2Bおよび2Cに示すように、流動領域240には、媒体244用の1つまたは2つ以上のチャネル252を含めることができる。例えば、チャネル252は、全体的に、入口208から出口210までとすることができる。やはり図示のように、非流動スペース(または隔離領域)を画定する、保持囲い256を、流動領域240内に配置することができる。すなわち、少なくとも各保持囲い256の内部の一部分を、非流動スペースとすることが可能であり、この非流動スペースには、空の流動領域240が最初に媒体244で充填されているとき以外は、チャネル252からの媒体244は直接的に流入しない。
【0033】
例えば、各保持囲い256には、部分筐体を形成する、1つまたは2つ以上の障壁254を含め、その部分筐体の内部に非流動スペースを含めることができる。保持囲い256を画定する障壁254は、このように、流動領域240が媒体244で充填されている間に、媒体244が、チャネル252から保持囲い256のいずれかの保護された内部へ直接的に流入するのを防止することができる。例えば、囲い256の障壁254は、流動領域240が媒体244で充填されているときに、チャネル252から囲い256の非流動スペース中への媒体244のバルク流れを実質的に防止し、代わりに、チャネル252からの媒体が、囲い256内の非流動スペースにおける媒体と、実質的に拡散だけにより混合するこを可能にすることができる。したがって、保持囲い256内の非流動スペースとチャネル252の間の、栄養素と廃棄物の交換を、実質的に拡散だけによって発生させることができる。
【0034】
前述のことは、囲い256の中への開口はいずれも、チャネル252内の媒体244の流れに直接、面しないように、囲い256を配向させることによって達成することができる。例えば、媒体の流れが、
図2Cにおいてチャネル252内の入口208から出口210(すなわち、左から右)である場合には、囲い256のそれぞれの開口が、
図2Cにおいて、そのような流れ中に直接、入ることになる、左に面していないことから、囲い256のそれぞれは、チャネル252から囲い256の中への媒体244の直接流を実質的に妨げる。
【0035】
任意のパターンに配置された流動領域240内に、そのような保持囲い256を多数、設けることが可能であり、保持囲い256は、多数の異なる大きさおよび形状の任意のものとすることができる。
図2Cにおいては、マイクロ流体構造204の側壁に対向して配置されるように図示されているが、囲い256の1または2つ以上(全部を含む)が、チャネル252内のマイクロ流体構造204の側壁から離れて配置されたスタンドアローン構造とすることができる。
図2Cに示すように、保持囲い256の開口は、チャネル252に隣接して配置することが可能であり、このチャネル252は、2つ以上の囲い256の開口に隣接させることができる。14個の囲い256に隣接する1つのチャネル252が示されているが、より多数のチャネル252を設けることが可能であり、また、任意特定のチャネル252に隣接して、より多数または少数の囲い256を設けることができる。
【0036】
囲い256の障壁254は、マイクロ流体構造204について上記で考察したタイプの材料の任意のものとすることができる。障壁254は、マイクロ流体構造204と同じ材料、または異なる材料とすることができる。障壁254は、
図2Bに示すように、基部206の表面242から、流動領域240の全体を横切り、マイクロ流体構造204の上壁(表面242と反対側)へと延ばすことができる。代替的に、障壁254の1つまたは2つ以上を、部分的にだけ流動領域240を横切って延ばすこと、すなわち、マイクロ流体構造204の表面242または上壁まで、完全には延ばさないことが可能である。
【0037】
セレクタ222は、媒体244内の微小物体(図示せず)に対して、選択的に動電学的な力(electrokinetic force)を生成させるように構成することができる。例えば、セレクタ222は、流動領域240の内表面242の電極を選択的に起動させたり(オン状態にしたり)、動作停止させたり(オフ状態にしたり)するように構成することができる。電極は、媒体244内の微小物体(図示せず)を引き付けたり、はね返したりする、媒体244内の力を生成することが可能であり、したがって、セレクタ222は、媒体244内の1つまたは2つ以上の微小物体を選択して移動させることができる。電極は、例えば、誘電泳動(DEP)電極とすることができる。
【0038】
例えば、セレクタ222には、1つまたは2つ以上の光学(例えば、レーザ)ピンセット装置(tweezers device)および/または1つまたは2つ以上の光電式ピンセット(OET)装置(例えば、(参照によりその全文が本明細書に組み込まれている)米国特許第7612355号)、または(やはり参照によりその全文が本明細書に組み込まれている)米国特許出願第14/051004号(代理人番号第BL9−US)を含めることができる。さらに別の例として、セレクタ222には、微小物体の1つまたは2つ以上をその中に懸濁させることのできる、媒体244の液滴を移動させるための、1つまたは2つ以上のデバイス(図示せず)を含めることができる。そのようなデバイス(図示せず)には、(例えば、米国特許第6958132号に開示されているような)光電式ウェッティング(OEW:optoelectronic wetting)デバイスを含めることができる。セレクタ222は、このように、いくつかの態様においてはDEPデバイスとして特徴づけることができる。
【0039】
図3Aおよび3Bは、セレクタ222がDEPデバイス300を備えている例を示す。図示のように、DEPデバイス300には、第1の電極304、第2の電極310、電極起動基板308、電源312(例えば、交流(AC)電源)、および光源320を含めることができる。流動領域240内の媒体244、および電極起動基板308は、電極304、310を分離することができる。光源320からの光322の変更パターンによって、流動領域240の内表面242の領域314におけるDEP電極の変更パターンを選択的に起動または動作停止させることができる。(以下では、領域314を、「電極領域」と呼ぶ)。
【0040】
図3Bに示されている例において、内表面242上に誘導された光パターン322’は、図示された正方形パターンにおいてクロスハッチングされた電極領域314aを照射している。他方の電極領域314は照射されておらず、以降では、「暗」電極領域314と呼ぶ。各暗電極領域314から第2の電極310までの電極起動基板308を横断する相対的電気インピーダンスは、第2の電極から、流動領域240における媒体244を横断して、暗電極領域314までの、相対的なインピーダンスよりも大きい。しかしながら、電極領域314aを照射することによって、照射された電極領域314aから第2の電極310までの電極起動基板308を横断する相対的なインピーダンスは、第1の電極304から流動領域240における媒体244を横断して、照射された電極領域314aまでの相対的インピーダンス未満まで、低減される。
【0041】
電源312が起動されると、前述のことによって、照射された電極領域314aと隣接する暗電極領域314の間の媒体244内に電場勾配が生成され、次いで、この電場勾配は、媒体244内の近くの微小物体(図示せず)を引き付けるか、またははね返す、局所DEP力を生成する。媒体244内の微小物体を引き付けるか、はね返すDEP電極は、したがって、光源320(例えば、レーザ源またはその他の種類の光源)からマイクロ流体デバイス200中に投射された光パターン322を変更することによって、流動領域240の内表面242における、多くの異なるそのような電極領域314において、選択的に起動、または動作停止させることができる。DEP力が近くの微小物体を引き付けるか、またははね返すかは、電源312の周波数のようなパラメータ、媒体244および/または微小物体(図示せず)の誘電特性に依存する可能性がある。
【0042】
図3Bに示される、照射電極領域314aの正方形パターン322’は、一例にすぎない。電極領域314の任意のパターンを、デバイス200中に投射された光322のパターンによって照射することが可能であり、照射された電極領域322’のパターンは、光パターン322を変更することによって、繰り返し変更することが可能である。
【0043】
いくつかの態様において、電極起動基板308は、光導電性材料とすることができるとともに、内表面242を機構なしにすることができる。そのような態様においては、DEP電極314は、光パターン322(
図3Aを参照)に応じて、流動領域240の内表面242上の任意の場所で、任意のパターンに生成することができる。電極領域314の数およびパターンは、したがって、一定ではなく、光パターン322に対応する。前述の米国特許第7612355号に例が示されており、その例において、前述の特許の図面に示された非ドープのアモルファスシリコン材料24が、電極起動基板308を構成することのできる、光導電性材料の例となり得る。
【0044】
その他の態様において、電極起動基板308には、半導体分野で知られているような半導体集積回路を形成する、複数のドープされた層、電気的絶縁層、および電気伝導層を含む、半導体材料などの回路基板を含めることができる。そのような態様においては、電気回路要素は、流動領域240の内表面242における電極領域314と、光パターン322によって選択的に起動または動作停止することのできる、第2の電極310との間の電気接続を形成することができる。起動されていない場合には、各電気接続は、対応する電極領域214から第2の電極210までの相対的インピーダンスが、第1の電極から媒体144を介して対応する電極領域214までの相対インピーダンスよりも大きくなるように、高いインピーダンスを有することができる。しかしながら、光パターン222によって起動される場合には、各電気接続には、対応する電極領域214から第2の電極210までの相対インピーダンスが、第1の電極204から媒体144を介して対応する電極領域214までの相対インピーダンスよりも小さくなるように、低いインピーダンスを持たせることが可能であって、このことによって、上記で考察したように、対応する電極領域214におけるDEP電極が起動される。
【0045】
すなわち、媒体144において微小物体(図示せず)を引き付けるか、またははね返すDEP電極を、光パターン222によって、流動領域140の内表面142における、多くの異なる電極領域214において起動、または動作停止させることができる。そのような電極起動基板308の構成の非限定の例として、米国特許第7956339号の
図21および22に示された、光トランジスタ式デバイス300、および前述の米国特許出願第14/051004号における図面の全体を通して示された、デバイス200、400、500、および600が挙げられる。
【0046】
いくつかの態様においては、全体的に
図3Aに示すように、第1の電極304は、ハウジング202の第1の壁302(またはカバー)の一部とすることができるとともに、電極起動基板308および第2の電極310をハウジング202の第2の壁306(または基部)の一部とすることが可能である。図示のように、流動領域240は、第1の壁302と第2の壁306の間にすることができる。しかしながら、前述のことは例にすぎない。その他の態様においては、第1の電極304は、第2の壁306の一部とすることができるとともに、電極起動基板308および/または第2の電極310の一方または両方を、第1の壁302の一部とすることができる。別の例として、第1の電極304を、電極起動基板308および第2の電極310として、同じ壁302または306の一部とすることもできる。例えば、電極起動基板308には、第1の電極304および/または第2の電極310を含めることができる。さらに、光源320は、代替的に、ハウジング202の下方に設置することができる。
【0047】
図3Aおよび3BのDEPデバイス300として構成されている場合には、セレクタ222は、光パターン322をデバイス200中に投射して、流動領域240の内表面242の電極領域314における、1つまたは2つ以上のDEP電極を、微小物体を包囲して捕捉するパターンにして起動させることによって、流動領域240における媒体244内の微小物体(図示せず)を選択することができる。セレクタ222は、次いで、デバイス200に対して光パターン322を移動させることによって、捕捉された微小物体を移動させることができる。代替的に、デバイス200は、光パターン322に対して移動させることができる。
【0048】
保持囲い256を画定する障壁254を、
図2Bおよび2Cに示して、上記で物理的障壁として考察したが、障壁254は、代替的に、光パターン322内の光によって起動される、DEP力を含む仮想障壁とすることができる。
【0049】
図2A〜2Cを再び参照すると、検出器224は、流動領域240における事象を検出するためのメカニズムとすることができる。例えば、検出器224には、媒体内の微小物体(図示せず)の1つまたは2つ以上の放射特性(例えば、蛍光またはルミネセンスによる)を検出可能な光検出器を含めることができる。そのような検出器224は、例えば、媒体244内の1つまたは2つ以上の微小物体(図示せず)が電磁放射線を放射していることを検出するように、および/またはその放射線の近似波長、輝度、強度、その他を検出するように、構成することができる。好適な光検出器の例としては、限定ではなく、光電子増倍管検出器およびアバランシェ光検出器が挙げられる。
【0050】
検出器224には、代替的または追加的に、媒体244内の微小物体(図示せず)を含む流動領域240のディジタル画像を取り込むための撮像デバイスを含めることができる。検出器224に含めることができる好適な撮像デバイスの例としては、電荷結合素子(CCD)およびCMOS撮像素子などのディジタルカメラまたは光センサが挙げられる。そのようなデバイスによって画像を取り込んで、(例えば、制御モジュール230および/または人のオペレータによって)解析することができる。
【0051】
流れコントローラ226は、流動領域240における媒体244の流れを制御するように構成することができる。例えば、流れコントローラ226は、流れの方向および/または速度を制御することができる。流れコントローラ226の非限定の例としては、1つまたは2つ以上のポンプまたは流体アクチュエータが挙げられる。いくつかの態様においては、流れコントローラ226には、例えば、流動領域240における媒体244の流れの速度を検知する1つまたは2つ以上のセンサ(図示せず)などの、追加の構成要素を含めることができる。
【0052】
制御モジュール230は、セレクタ222、検出器224、および/または流れコントローラ226から信号を受信して、それらを制御するように構成することができる。図示のように、制御モジュール230には、コントローラ232およびメモリ234を含めることができる。いくつかの態様においては、コントローラ232は、メモリ234内に非一時信号(non-transitory signal)として記憶された機械可読命令(例えば、ソフトウエア、ファームウェア、マイクロコード、その他)に従って動作するように構成される、ディジタル電子コントローラ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータまたはその他)とすることができる。代替的に、コントローラ226には、ハードワイヤディジタル回路および/もしくはアナログ回路、または機械可読命令に従って動作するディジタル電子コントローラと、ハードワイヤディジタル回路および/またはアナログ回路との組合せを含めることができる。コントローラ130は、本明細書において開示されるプロセス100、400の全部または任意の一部を実行するように構成することができる。
【0053】
いくつかの態様においては、囲い256は、(例えば、検出器224および/またはセレクタ222による)照射から遮蔽することができるか、または短い時間だけ、選択的にのみ照射することができる。生物学的微小物体502は、このようにして、さらなる照射から保護するか、または、生物学的微小物体502を囲い256の中に移動させた後に、生物学的微小物体502のさらなる照射を最小化することができる。
【0054】
図4A〜4Cは、マイクロ流体デバイス400の別の例を示す。図示のように、マイクロ流体デバイス400は、複数の相互接続された流体回路要素を含む、マイクロ流体回路432を封入することができる。
図4A〜4Cに示す例において、マイクロ流体回路432は、滞留囲い436、438、440がそれに流体的に接続される、流動領域/チャネル434を含む。1つのチャネル434と3つの滞留囲い436、438、440が示されているが、2つ以上のチャネル434、および任意特定のチャネルに接続された、3つより多い、または少ない滞留囲い436、438、440を設けることができる。チャネル434および滞留囲い436、438、440は、流体回路要素の例である。マイクロ流体回路432には、流体チャンバ、貯留器、その他などの、追加または異なる流体回路要素を含めることもできる。
【0055】
各封滞留囲い436、438、440には、隔離領域444と、隔離領域444をチャネル434に流体的に接続する、接続領域442とを画定する、隔離構造446を含めることができる。接続領域442には、チャネル434への近位開口452と、隔離領域444への遠位開口454とを含めることができる。接続領域442は、チャネル434内を最大速度(V
max)で流れる流体媒体(図示せず)の流れの最大侵入深さが、隔離領域444中に延びないように構成することができる。囲い436、438、440の隔離領域444内に配置された、微小物体(図示せず)またはその他の材料(図示せず)を、チャネル434内の媒体(図示せず)の流れから隔離して、実質的にそれに影響されないようにすることができる。すなわち、チャネル434を、掃引領域の例とするとともに、滞留囲い436、438、440の隔離領域を、未掃引領域の例とすることができる。前述の内容のさらに詳細な考察に移る前に、マイクロ流体デバイス400および関連する制御システム470の例についての簡単な説明を行う。
【0056】
マイクロ流体デバイス400には、1つまたは2つ以上の流体媒体を収納することのできる、マイクロ流体回路432を囲う、筐体402を含めることができる。デバイス400は、
図4A〜4Cに示す例において、異なる方法で、物理的に構築することができるが、筐体402は、支持構造404(例えば、基部)、マイクロ流体回路構造412、およびカバー422を含むものとして描かれている。支持構造404、マイクロ流体回路412、およびカバー422は、互いに取り付けることができる。例えば、マイクロ流体回路構造412を支持構造404上に配置すること、およびカバー422をマイクロ流体回路構造412の上に配置することが可能である。支持構造404とカバー422によって、マイクロ流体回路412は、マイクロ流体回路432を画定することができる。マイクロ流体回路432の内表面は、図において406で識別されている。
【0057】
図4Aおよび4Bに示すように、支持構造404は、デバイス400の底部に置き、カバー422はデバイス400の頂部に置くことができる。代替的に、支持構造404およびカバー422は、その他の方位にすることができる。例えば、支持構造404は、デバイス400の頂部に置き、カバー422をその底部に置くことができる。それにもかかわらず、筐体402に出入りする通路426をそれぞれ含む、1つまたは2つ以上のポート424を設けることができる。通路426の例としては、バルブ、ゲート、通過穴、またはその他が挙げられる。2つのポート424を示してあるが、デバイスは、1つだけ、または3つ以上を有してもよい。
【0058】
マイクロ流体回路構造412は、マイクロ流体回路432の回路要素、または筐体402内の回路を画定することができる。
図4A〜4Cに示す例においては、マイクロ流体回路構造412は、フレーム414およびマイクロ流体回路材料416を含む。
支持構造404には、基板、または複数の相互接続された基板を含めることができる。例えば、支持構造404には、1つまたは2つ以上の相互接続された半導体基板、プリント回路板、その他を含めることができる。フレーム414は、マイクロ流体回路材料416を部分的または完全に囲うことができる。フレーム414は、例えば、マイクロ流体回路材料416を実質的に包囲する、比較的剛性のある構造とすることができる。例えば、フレーム414は、金属材料とすることができる。
【0059】
マイクロ流体回路材料416は、マイクロ流体回路要素およびマイクロ流体回路432の相互接続を画定するように、空隙、その他でパターン化することができる。マイクロ流体回路材料416には、気体透過性とすることのできる、ゴム、プラスチック、エラストマー、シリコーン(例えば、パターン化可能なシリコーン)、PDMS、その他のような、可撓性材料を挙げることができる。マイクロ流体回路材料416を構成することのできる材料のその他の例としては、成型ガラス、シリコンなどのエッチング可能材料、フォトレジスト(例えば、SU8)、その他が挙げられる。いくつかの態様においては、そのような材料、したがってマイクロ流体回路材料416は、剛性を有し、かつ/または実質的に気体に不透過性とすることができる。それにもかかわらず、マイクロ流体回路材料416は、支持構造404上であって、フレーム414の内側に配置することができる。
【0060】
カバー422は、フレーム414および/またはマイクロ流体回路材料416の一体部分とすることができる。代替的に、カバー422は、(
図4Aおよび4Bに示すように)構造的に別個の要素とすることができる。カバー422は、フレーム414および/またはマイクロ流体回路材料416と同じ、または異なる材料とすることができる。同様に、支持構造404は、図示のようにフレーム414またはマイクロ流体回路材料416と別個の構造とするか、またはフレーム414またはマイクロ流体回路材料416の一体部分とすることができる。同様に、フレーム414およびマイクロ流体回路材料416は、
図4A〜4Cに示すように、別々の構造とするか、または同じ構造の一体部分とすることができる。いくつかの態様においては、カバー422および/または支持構造404は、光に対して透過性とすることができる。
【0061】
図4Aはまた、マイクロ流体デバイス400と合わせて使用可能な、制御/監視システム470の例の簡略化されたブロック図を示す。図示のように、システム470には、制御モジュール472および制御/監視機器480を含めることができる。制御モジュール472は、デバイス400を、直接的に、かつ/または制御/監視機器480を介して、制御し監視するように構成することができる。
【0062】
制御モジュール472には、ディジタルコントローラ474およびディジタルメモリ476を含めることができる。コントローラ474は、例えば、ディジタルプロセッサ、コンピュータなどとすることができるとともに、ディジタルメモリ476は、データおよび機械実行可能命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコードなど)を、非一時データまたは信号として、記憶するための非一時ディジタルメモリとすることができる。コントローラ474は、メモリ476に記憶された、そのような機械実行可能な命令に従って動作するように構成することができる。すなわち、第2の制御モジュール472は、本明細書において考察した、任意のプロセス(例えば、
図1のプロセス100および/または
図25のプロセス2500)の全部または一部、そのようなプロセスのステップ、機能、行為、その他を実行するように構成することができる。
【0063】
制御/監視機器480には、マイクロ流体デバイス400、およびマイクロ流体デバイス400で実行されるプロセスを制御または監視するための、いくつかの異なるタイプのデバイスの任意のものを含めることができる。例えば、機器480には、マイクロ流体デバイス400に電力を供給するための電源(図示せず);マイクロ流体デバイス400へ流体媒体を供給するか、またはそこから媒体を除去するための流体媒体源(図示しないが、
図2Aの226のような流れコントローラを含めることができる);マイクロ流体回路432内の微小物体(図示せず)の選択と移動を制御するための、原動モジュール(motive module)(図示しないが、
図2Aの222のようなセレクタを含めることができる);マイクロ流体回路432の内側の(例えば、微小物体の)画像を取り込むための、撮像メカニズム(図示しないが、
図2Aの検出器224のようなものとすることができる);反応を刺激するために、マイクロ流体回路432中にエネルギーを誘導するための刺激メカニズム(図示せず);その他を含めることができる。
【0064】
注記のように、制御/監視機器480には、マイクロ流体回路432内の微小物体(図示せず)を選択して移動させるための、原動モジュールを含めることができる。多様な原動メカニズムを使用することができる。例えば、(例えば、
図2Aのセレクタ222のような)誘電泳動(DEP)メカニズムを使用して、マイクロ流体回路内で微小物体(図示せず)を選択して移動させることができる。マイクロ流体デバイス400の基部404および/またはカバー422には、マイクロ流体回路432内の流体媒体(図示せず)内の微小物体(図示せず)にDEP力を選択的に誘発させるためのDEP構成を含めて、個々の微小物体を選択、収集、および/または移動させることができる。制御/監視機器480には、そのようなDEP構成のための、1つまたは2つ以上の制御モジュールを含めることができる。
【0065】
支持構造404またはカバー422の、そのようなDEP構成の例は、光電式ピンセット(OET)構成である。支持構造404またはカバー422の好適なOET構成、および関連する監視機器および制御機器の例を、以下に示す。それぞれの全文を参照により本明細書に組み入れてある、以下の米国特許文献:米国特許第7612355号;米国特許第7956339号;米国特許出願第2012/0325665号;米国特許出願第2014/0124370号;米国特許出願番号第14/262140号(申請中)、および米国特許出願番号第14/262200号(申請中)に示されている。すなわち、微小物体(図示せず)は、DEPデバイスおよびOETのような技法を使用して、マイクロ流体回路432内部で、個別に選択、収集、および移動させることができる。
【0066】
上記のように、チャネル434および囲い436、438、440は、1種または2種以上の流体媒体(図示せず)を収納するように構成することができる。
図4A〜4Cに示した例においては、ポート424は、チャネル434に接続されて、流体媒体(図示せず)を、マイクロ流体回路432中に導入するか、またはそこから除去することを可能にする。マイクロ流体回路432が流体媒体(図示せず)を収納すると、流体媒体(図示せず)の流れを、チャネル434内に選択的に発生させるとともに、停止させることができる。例えば、図示のように、ポート424は、チャネル434の異なる場所(例えば、反対端)に配置することができるとともに、入口として機能している1つのポート424から、出口として機能している別のポート424への、媒体(図示せず)の流れを生成することができる。
【0067】
上記に考察したように、各滞留囲い436、438、440には、接続領域442および分離領域444を含めることができる。接続領域442には、チャネル434への近位開口452と、隔離領域444への遠位開口454とを含めることができる。チャネル434および各滞留囲い436、438、440は、チャネル434内を流れる媒体(図示せず)の流れの最大侵入深さが、接続領域442中には及ぶが、隔離領域444までは及ばないように、構成することができる。
【0068】
図5は、滞留囲い436の例の詳細図を示す。囲い438、440は同様に構成することができる。囲い436内の微小物体522の例も示されている。知られているように、囲い436の近位開口452を通過するマイクロ流体チャネル434内の流体媒体502の流れ512は、囲いに流入、および/またはそこから流出する媒体502の二次流れ514を生じさせる可能性がある。囲い436の隔離領域444における微小物体522を、二次流れ514から隔離するために、近位開口452から遠位開口454までの滞留囲い436の接続領域442の長さL
conを、チャネル434内の流れ512の速度が最大(V
max)であるときの、接続領域442中への二次流れ514の最大侵入深さD
pよりも大きくすることができる。チャネル434内の流れ512が最大速度V
maxを超えない限り、流れ512およびその結果として生じる二次流れ514を、チャネル434と接続領域442に限定して、隔離領域444の外に保つことが可能である。したがって、チャネル434内の流れ512は、微小物体522を隔離領域444から外に引き出すことがない。したがって、隔離領域444内の微小物体522は、チャネル432内の流れ512に関わらず、隔離領域444内に留まることになる。
【0069】
さらに、流れ512は、種々雑多な粒子(マイクロ粒子および/またはナノ粒子)をチャネル434から囲い436の隔離領域444に移動させることがなく、流れ512が、種々雑多な粒子を隔離領域444からチャネル434中に引き込むこともない。接続領域442の長さL
conを最大侵入深さD
pよりも大きくすることによって、チャネル434または別の囲い438、440からの種々雑多な粒子による、1つの囲い436の汚染を防止することができる。
【0070】
チャネル434および囲い436,438、440の接続領域442は、チャネル434内の媒体502の流れ512によって影響を受ける可能性があるために、チャネル434および接続領域442は、マイクロ流体回路432の掃引(または流動)領域と見なすことができる。一方、囲い436、438、440の隔離領域444は、未掃引(または非流動)領域とみなすことができる。例えば、チャネル434内の第1の媒体502(例えば、第1の媒体502内の成分(図示せず))は、実質的に、チャネル434から接続領域442を介して隔離領域444内の第2の媒体504中への拡散によってのみ、隔離領域444内の第2の媒体504(例えば、第2の媒体504内の成分(図示せず))と混合することができる。同様に、隔離領域444内の第2の媒体504(例えば、第2の媒体504内の成分(図示せず))は、実質的に、隔離領域444から接続領域442を介してチャネル434内の第1の媒体502中への拡散によってのみ、チャネル434内の第1の媒体504(例えば、第1の媒体502内の成分(図示せず))と混合することができる。第1の媒体502は、第2の媒体504と同じ媒体、または異なる媒体とすることができる。さらに、第1の媒体502および第2の媒体504は、同じ状態から開始して、次いで、(例えば、隔離領域444内の1つまたは2つ以上の生物学的微小物体による第2の媒体の調節を介して、またはチャネル434を通って流れる媒体を変更することによって)異なる状態にすることができる。
【0071】
チャネル434内の流れ512によって生じる二次流れ514の最大侵入深さD
pは、いくつかのパラメータに依存する可能性がある。そのようなパラメータの例としては、チャネル434の形状(例えば、チャネルは、媒体を接続領域442中に誘導するか、媒体を接続領域442から離れる方向に向きを変える、または接続領域442を単に通過して流れさせる);近位開口452におけるチャネル434の幅W
ch(または横断面積);近位開口452における接続領域442の幅W
con(または横断面積);チャネル434内の流れ512の最大速度V
max;第1の媒体520および/または第2の媒体504の粘性;その他が挙げられる。
【0072】
いくつかの態様においては、チャネル434および滞留囲い436、438、440の寸法を、チャネル434内の流れ512に対して、以下のように向きを合わせることができる:チャネル幅W
ch(またはチャネル434の横断面積)を、流れ512に実質的に垂直にすること、近位開口552における接続領域442の幅W
con(またはチャネル434の横断面積)を流れ512に対して実質的に平行にすること、接続領域の長さL
conを流れ512に対して実質的に垂直にすることが可能である。前述のことは、例としてだけのものであり、チャネル434および滞留囲い436、438、440の寸法は、互いにその他の向きにすることができる。
【0073】
いくつかの態様においては、チャネル434の幅W
chは、次の範囲のいずれかに含めることができる:50〜1000ミクロン、50〜500ミクロン、50〜400ミクロン、50〜300ミクロン、50〜250ミクロン、50〜200ミクロン、50〜150ミクロン、50〜100ミクロン、70〜500ミクロン、70〜400ミクロン、70〜300ミクロン、70〜250ミクロン、70〜200ミクロン、70〜150ミクロン、90〜400ミクロン、90〜300ミクロン、90〜250ミクロン、90〜200ミクロン、90〜150ミクロン、100〜300ミクロン、100〜250ミクロン、100〜200ミクロン、100〜150ミクロン、100〜120ミクロン。前述のことは例にすぎず、チャネル434の幅W
chは、その他の範囲(例えば、上記にリストした端点のいずれかによって画定される範囲)とすることができる。
【0074】
いくつかの態様においては、近位開口152におけるチャネル134の高さH
chは、以下の範囲のいずれかに含めることができる:20〜100ミクロン、20〜90ミクロン、20〜80ミクロン、20〜70ミクロン、20〜60ミクロン、20〜50ミクロン、30〜100ミクロン、30〜90ミクロン、30〜80ミクロン、30〜70ミクロン、30〜60ミクロン、30〜50ミクロン、40〜100ミクロン、40〜90ミクロン、40〜80ミクロン、40〜70ミクロン、40〜60ミクロン、または40〜50ミクロン。前述のことは例にすぎず、チャネル434の高さH
chは、他の範囲(例えば、上記にリストした端点のいずれかによって画定される範囲)とすることができる。
【0075】
いくつかの態様においては、近位開口452におけるチャネル434の横断面積は、以下の範囲のいずれかに含めることができる:500〜50,000平方ミクロン、500〜40,000平方ミクロン、500〜30,000平方ミクロン、500〜25,000平方ミクロン、500〜20,000平方ミクロン、500〜15,000平方ミクロン、500〜10,000平方ミクロン、500〜7,500平方ミクロン、500〜5,000平方ミクロン、1,000〜25,000平方ミクロン、1,000〜20,000平方ミクロン、1,000〜15,000平方ミクロン、1,000〜10,000平方ミクロン、1,000〜7,500平方ミクロン、1,000〜5,000平方ミクロン、2,000〜20,000平方ミクロン、2,000〜15,000平方ミクロン、2,000〜10,000平方ミクロン、2,000〜7,500平方ミクロン、2,000〜6,000平方ミクロン、3,000〜20,000平方ミクロン、3,000〜15,000平方ミクロン、3,000〜10,000平方ミクロン、3,000〜7,500平方ミクロン、または3,000〜6,000平方ミクロン。前述のことは例にすぎず、近位開口452におけるチャネル434の横断面積は、その他の範囲(例えば、上記にリストした端点のいずれかによって画定される範囲)とすることができる。
【0076】
いくつかの態様においては、接続領域の長さL
conは、次のいずれかの範囲内とすることができる:1〜200ミクロン、5〜150ミクロン、10〜100ミクロン、15〜80ミクロン、20〜60ミクロン、20〜500ミクロン、40〜400ミクロン、60〜300ミクロン、80〜200ミクロン、100〜150ミクロン。前述のことは例にすぎず、接続地領域の長さL
conは、前述の例と異なる範囲(例えば、上記にリストした端点のいずれかによって画定される範囲)とすることができる。
【0077】
いくつかの態様において、近位開口452における接触領域442の幅W
conは、以下のいずれかの範囲内とすることができる:20〜500ミクロン、20〜400ミクロン、20〜300ミクロン、20〜200ミクロン、20〜150ミクロン、20〜100ミクロン、20〜80ミクロン、20〜60ミクロン、30〜400ミクロン、30〜300ミクロン、30〜200ミクロン、30〜150ミクロン、30〜100ミクロン、30〜80ミクロン、30〜60ミクロン、40〜300ミクロン、40〜200ミクロン、40〜150ミクロン、40〜100ミクロン、40〜80ミクロン、40〜60ミクロン、50〜250ミクロン、50〜200ミクロン、50〜150ミクロン、50〜100ミクロン、50〜80ミクロン、60〜200ミクロン、60〜150ミクロン、60〜100ミクロン、60〜80ミクロン、70〜150ミクロン、70〜100ミクロン、80〜100ミクロン。前述のことは例にすぎず、近位開口452における接触領域442の幅W
conは、前述の例と異なるもの(例えば、上記にリストした端点のいずれかによって画定される範囲)とすることができる。
【0078】
その他の態様においては、近位開口452における接続領域442の幅W
conは、以下のいずれかの範囲内とすることができる:2〜35ミクロン、2〜25ミクロン、2〜20ミクロン、2〜15ミクロン、2〜10ミクロン、2〜7ミクロン、2〜5ミクロン、2〜3ミクロン、3〜25ミクロン、3〜20ミクロン、3〜15ミクロン、3〜10ミクロン、3〜7ミクロン、3〜5ミクロン、3〜4ミクロン、4〜20ミクロン、4〜15ミクロン、4〜10ミクロン、4〜7ミクロン、4〜5ミクロン、5〜15ミクロン、5〜10ミクロン、5〜7ミクロン、6〜15ミクロン、6〜10ミクロン、6〜7ミクロン、7〜15ミクロン、7〜10ミクロン、8〜15ミクロン、8〜10ミクロン。前述のことは例にすぎず、近位開口452における接続領域442の幅W
conは、前述の例と異なるもの(例えば、上記にリストした端点のいずれかによって画定される範囲)とすることができる。
【0079】
いくつかの態様においては、接続領域442の長さL
conと、近位開口452における接続領域442の幅W
conの比は、次の比のいずれか以上である:0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、またはそれを超える。前述のことは例にすぎず、接続領域442の長さL
conと、近位開口452における接続領域442の幅W
conの比は、前述の例と異なるものとすることができる。
【0080】
図5に示すように、接続領域442の幅W
conは、近位開口452から遠位開口454まで均一とすることができる。すなわち、遠位開口454における接続領域442の幅W
conは、近位開口452における接続領域442の幅W
conに対する上記で識別された範囲のいずれかに入れることができる。代替的に、遠位開口454における接続領域442の幅W
conは、近位開口452における接続領域442の幅W
conよりも大きく(例えば、
図6に示すように)、または小さく(例えば、
図7A〜7Cに示すように)することができる。
【0081】
やはり
図5に示すように、遠位開口454における隔離領域444の幅は、近位開口452における接続領域442の幅W
conと実質的に同じにすることができる。すなわち、遠位開口454における隔離領域444の幅は、近位開口452における接続領域442の幅W
conに対して上記で識別された範囲のいずれかに含めることができる。代替的に、遠位開口454における隔離領域444の幅は、近位開口452における接続領域442の幅W
conよりも大きく(例えば、
図6に示すように)または小さく(図示せず)することができる。
【0082】
いくつかの態様においては、チャネル434における流れ512の最大速度V
maxは、チャネルがその中に設置されているマイクロ流体デバイス内の構造的破損を生じさせることなく、チャネルが維持することのできる最大速度である。チャネルが維持することのできる最大速度は、マイクロ流体デバイスの構造的な完全性、およびチャネルの横断面積を含む、様々な因子に依存する。本発明の例示的マイクロ流体デバイス、約3000〜4000平方ミクロンの横断面積を有するチャネルにおける最大流速V
maxは、約10μL/secである。代替的に、チャネル434における流れ512の最大速度V
maxは、隔離領域444が、チャネル434内の流れ512から隔離されないことを確実にするように設定することができる。特に、滞留囲い436、438、440の接続領域442の近位開口452の幅W
conに基づいて、V
maxは、接続領域中への二次流れ514の侵入深さD
pがL
con未満となることを確実にするように、設定することができる。例えば、約30〜40ミクロンの幅W
conを有する近位開口452を備える接続領域を有する、滞留囲いに対して、V
maxは、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5μL/secとすることができる。
【0083】
いくつかの態様においては、接続領域442の長さL
conと、滞留囲い436、438、440の隔離領域444の対応する長さの和は、隔離領域444内の第2の媒体504の成分の、チャネル434内の第1の媒体502への、相対的に速い拡散のために、十分に短くすることができる。例えば、いくつかの態様においては、(1)接続領域442の長さL
conと、(2)滞留囲い436、438、440の隔離領域444に位置する生物学的微小物体と、接続領域の遠位開口454の間の距離、の和は、次の範囲内とすることができる:40ミクロン〜300ミクロン、50ミクロン〜550ミクロン、60ミクロン〜500ミクロン、70ミクロン〜180ミクロン、80ミクロン〜160ミクロン、90ミクロン〜140ミクロン、100ミクロン〜120ミクロン、または前述の端点の1つを含む任意の範囲。
【0084】
分子(例えば、抗体などの対象とする分析物)の拡散速度は、温度、媒体の粘性、および分子の拡散係数D
0を含む、いくつかの因子に依存する。20℃における水溶液中のIgG抗体に対するD
0は、約4.4×10
−7cm
2/secであるのに対して、生物学的微小物体培地の粘性は約9×10
−4m
2/secである。すなわち、例えば、20℃における生物学的微小物体培地における抗体は、約0.5ミクロン/secの拡散速度を有する可能性がある。したがって、いくつかの態様においては、隔離領域444内に位置する生物学的微小物体からチャネル434中への拡散の時間は、約10分以下(例えば、9、8、7、6、または5分以下)となり得る。拡散のための時間は、拡散速度に影響するパラメータを変更することによって操作することができる。例えば、媒体の温度を(例えば、37℃などの生理学的温度まで)上昇させるか、または(例えば、15℃、10℃、または4℃まで)低下させて、それによって拡散速度を、それぞれ上昇または低下させることができる。
【0085】
図5に示す滞留囲い436の構成は例にすぎず、多くの変形形態が可能である。例えば、隔離領域444は、複数の微小物体522を収納するように寸法決めされた状態を示しているが、隔離領域444は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または同様の比較的小さい数の微小物体522を収納するように寸法決めすることもできる。したがって、隔離領域444の体積は、例えば、少なくとも3×10
3、6×10
3、9×10
3、1×10
4、2×10
4、4×10
4、8×10
4、1×10
5、2×10
5、4×10
5、8×10
5、1×10
6、または2×10
6立方ミクロン以上とすることができる。
【0086】
別の例として、滞留囲い436が、チャネル434から概して垂直に延びて、これによってチャネル434と概して90°の角度を形成している状態が示されている。滞留囲い436は、代替的に、例えば、30°から150°の間の任意の角度のような、その他の角度でチャネル434から延ばすことができる。
さらに別の例として、接続領域442および隔離領域444を、実質的に長方形として
図5に示してあるが、接続領域442および隔離領域444の一方または両方を他の形状にすることができる。そのような形状の例として、楕円形、三角形、円形、砂時計形(hourglass-shaped)、その他が挙げられる。
【0087】
さらに別の例として、接続領域442および隔離領域444を、実質的に均一な幅を有する状態で
図5に示してある。すなわち、図において、接続領域442の幅W
conは、近位開口452から遠位開口454まで均一である状態が示してあり、隔離領域444の対応する幅が同様に均一であり、接続領域442の幅W
conと隔離領域444の対応する幅とが等しい状態で示してある。前述のいずれも、
図5に示されるのと異なるものとすることができる。例えば、接続領域442の幅W
conを、近位開口452から遠位開口454まで(例えば、台形または砂時計状に)変化させること;隔離領域444の幅を、(例えば三角形またはフラスコ状に)変化させること;および接続領域442の幅W
conを、隔離領域444の対応する幅と異なるものとすることが可能である。
【0088】
図6は、前述の変形形態のいくつかの例を示す滞留囲いの例を示している。
図6に示す囲いは、本明細書における図または考察のいずれかにおける囲い436、438、440のいずれをも置換することができる。
図6の滞留囲いには、接続領域642、および隔離領域644を含む隔離構造646を含めることができる。接続領域642には、チャネル434への近位開口652、および隔離領域644への遠位開口654を含めることができる。
図6に示す例において、接続領域642は、その幅W
conが、近位開口652から遠位開口654まで増大するように、拡張する。しかしながら、形状以外は、接続領域642、隔離構造646、および隔離領域644は、上記で考察したような、
図5の接続領域442、隔離構造446、および隔離領域444と概して同様にすることができる。
【0089】
例えば、
図6のチャネル434および滞留囲いは、二次流れ514の最大侵入深さD
pが、接続領域642中に延びるが、隔離領域644中には延びないように構成することができる。したがって、
図5について全体的に上記で考察したように、接続領域642の長さL
conを、最大侵入深さD
pよりも大きくすることができる。また上記で考察したように、隔離領域644内の微小物体522は、チャネル434内の流れ512の速度が最大流速V
maxを超えない限りは、隔離領域644内に留まることになる。すなわち、チャネル434および接続領域642は、掃引(または流動)領域の例であり、隔離領域644は、未掃引(または非流動)領域の例である。
【0090】
図7A〜7Cは、
図4A〜4Cのマイクロ流体回路432およびチャネル434の変形形態の例に加えて、滞留囲い436,438、440の変形形態の追加の例を示す。
図7A〜7Cに示す滞留囲い736は、本明細書における図または考察のいずれにおいても、囲い436,438、440の任意のものを置換することができる。同様に、マイクロ流体デバイス700は、本明細書における図または考察のいずれにおいても、マイクロ流体デバイス400を置換することができる。
【0091】
図7A〜7Cのマイクロ流体デバイス700には、支持構造(見えないが、
図4A〜4Cの404に類似)、マイクロ流体回路構造712、およびカバー(見えないが422に類似)を含めることができる。マイクロ流体回路構造712には、
図4A〜4Cのフレーム414およびマイクロ流体回路材料416と同じであるか、または概して類似する、フレーム714およびマイクロ流体回路材料716を含めることができる。
図7Aに示すように、マイクロ流体回路材料716によって画定されるマイクロ流体回路732には、複数の滞留囲い736がそれに流体的に接続されている、複数のチャネル734(2つが示されているが、それより多くすることも可能)を含めることができる。
【0092】
各滞留囲い736には、隔離構造746、隔離構造746内部の隔離領域744、および接続領域742を含めることができる。チャネル734における近位開口772から、隔離構造736における遠位開口774まで、接続領域742は、チャネル734を隔離領域744に流体的に接続することができる。全般的に、
図5の上記の考察に応じて、チャネル734内の第1の流体媒体702の流れ782は、チャネル734から、チャネル734に接続された囲い736の接続領域742の中へ、および/またはその外への第1の媒体702の二次流れ784を生成することができる。
【0093】
図7Bに示すように、接続領域742には、チャネル734への近位開口772と、隔離構造746への遠位開口774との間の部位を含めることができる。接続領域742の長さL
conは、二次流れ784の最大侵入深さD
pよりも大きくすることが可能であり、この場合には、二次流れ784は、(
図7Aに示すように)隔離領域744に向かって再誘導されることなく、接続領域742中に延びることになる。代替的に、
図7Cに示すように、接続領域742は、最大侵入深さD
pよりも小さい長さL
conを有することができ、この場合には、二次流れ784は、接続領域742を通過して延びることになり、隔離領域744に向かって再誘導される可能性がある。この後者の状況においては、接続領域の長さL
c1とL
c2の和を、最大侵入深さD
pよりも大きくすることができる。このようにして、二次流れ784は、隔離領域744中には延びることはない。接続領域742の長さL
conが侵入深さD
pよりも大きいか、または接続領域742の長さL
c1およびL
c2の和が侵入深さD
pよりも大きいかにかかわらず、最大速度V
maxを超えない、第1の媒体の流れ782は、侵入深さD
pを有する二次流れを生成し、囲い736の隔離領域744内の微小物体(図示しないが、
図5における522に類似)は、チャネル734内の第1の媒体702の流れ782によって隔離領域744から外に引き出されることはない。
【0094】
チャネル734内の流れ782も、種々雑多な材料(図示せず)を、チャネル734から囲い736の隔離領域744中へ、または隔離領域744からチャネル734中に引き込むことがない。拡散は、チャネル734における第1の媒体702内の成分が、それによってチャネル734から、囲い736の隔離領域744における第2の媒体704中に移動することのできる、唯一のメカニズムである。同様に、拡散は、囲い736の隔離領域744における第2の媒体内の成分が、それによって隔離領域744からチャネル734における第1の媒体702へと移動することのできる、唯一のメカニズムである。第1の媒体702は、第2の媒体704と同じ媒体とするか、または第1の媒体702は、第2の媒体704と異なる媒体とすることができる。代替的に、第1の媒体702および第2の媒体704は、同じ状態で開始して、次いで(例えば、隔離領域744内の1つまたは2つ以上の生物学的微小物体による第2の媒体の調節を介して、またはチャネル734を通って流れる媒体を変更することによって)異なる状態にすることができる。
【0095】
図7Bに示すように、チャネル734内の流れ782(
図7Aを参照)の方向に垂直なチャネル734の幅W
chは、近位開口772の幅W
con1に対して実質的に垂直にすること、したがって遠位開口774の幅W
con2に対して実質的に平行にすることができる。しかしながら、近位開口772の幅Wcon1および遠位開口774の幅Wcon2は、必ずしも実質的に互いに垂直である必要はない。例えば、近位開口772の幅W
con1が向いている軸(図示せず)と、遠位開口774の幅W
con2が向いている別の軸の間の角度を、垂直以外、すなわち90°以外とすることができる。代替的な角度の例としては、以下のいずかの範囲内の角度が挙げられる:30°から90°の間、45°と90°の間、60°と90°の間、その他。
【0096】
チャネルと、1つまたは2つ以上の滞留囲いを有するマイクロ流体デバイスについての前述の考察に関して、流体媒体(例えば、第1の媒体および/または第2の媒体)は、生物学的微小物体を実質的に検定可能な状態に維持することのできる任意の流体とすることができる。検定可能な状態は、生物学的微小物体と実行されている検定とに依存することになる。例えば、生物学的微小物体が、対象とするタンパク質の分泌について検定されている生物学的微小物体である場合には、生物学的微小物体は、それが生存可能であるとともに、タンパク質を発現して分泌することができれば、実質的に検定可能である。
【0097】
図8〜30は、
図2A〜2Cのマイクロ流体デバイス200または
図4A〜4Cのマイクロ流体デバイス400において、生物学的微小物体(例えば、生体細胞)を試験する、
図1のプロセス100の例を示す。しかしながら、プロセス100は、生物学的微小物体を分類すること、またはマイクロ流体デバイス200、400上で動作することに限定はされない。また、マイクロ流体デバイス200、400は、プロセス100を実行することに限定されない。さらに、プロセス100のステップの観点は、デバイス200と関係するが、デバイス400とは関係せずに考察してもよく、またはその逆も成り立つのに対して、そのような観点は、他方のデバイスにおいて、または任意その他の類似のマイクロ流体デバイスにおいて適用することができる。
【0098】
ステップ102において、プロセス100は、生物学的微小物体をマイクロ流体デバイス中に装入することができる。
図8は、生物学的微小物体802(例えば、生体細胞)がマイクロ流体デバイス200の流動領域240(例えば、チャネル252)中に装入される、例を示す。
図9は、生物学的微小物体904を含む、サンプル材料902が、マイクロ流体デバイス400のチャネル434中に流入される、例を示す。
【0099】
(
図10、11、13、14、17、18、26、および27のように、デバイス200の流動領域240中への部分、上面断面図を示す)
図8に示すように、生物学的微小物体802の混合物を、マイクロ流体デバイス200のチャネル252中に装入することができる。例えば、生物学的微小物体802は、入口208(
図2A〜2Cを参照)を介してデバイス200中に投入することが可能であり、生物学的微小物体802は、チャネル252内の媒体244の流れ804とともに移動することができる。流れ804は、対流とすることができる。生物学的微小物体802がチャネル内で、囲い256と隣接すると、ステップ104および106を実行するのに十分な時間、囲い256に隣接する流動チャネル252内に生物学的微小物体802を維持するために、流れ804を停止させるか、または減速させることができる。チャネル252内に装入された生物学的微小物体802の混合物には、異なるタイプの生物学的微小物体、およびデブリス、タンパク質、汚染物、粒子、その他などの、その他の成分を含めることができる。
【0100】
図9は、生物学的微小物体904を含む、サンプル材料902が、マイクロ流体デバイス400のチャネル434中に流される例を示す。生物学的微小物体904に加えて、サンプル材料902には、その他の微小物体(図示せず)または物質(図示せず)を含めることができる。いくつかの態様においては、チャネル434は、本明細書において開示される横断面積、例えば、約3000から6000平方ミクロン、または約2500から4000平方ミクロンを有することができる。サンプル材料902は、本明細書において開示された率、例えば、0.05から0.25μL/sec(例えば、約0.1から0.2μL/secまたは約0.14から0.15μL/sec)でチャネル434に流入させることができる。いくつかの態様においては、
図4Aの制御モジュールは、制御/監視機器480に、サンプル材料902を含有する第1の流体媒体(図示せず)を、ポート424を介してチャネル434中に流させることができる。サンプル材料902がチャネル434に入ると、チャネル434内の媒体(図示せず)の流れは、減速されて、実質的に停止させられる。チャネル434内での媒体(図示せず)の流れを開始および停止させることには、ポート424の通路426を含む、弁(図示せず)を開閉することを含めることができる。
【0101】
生物学的微小物体802、904は、特定の分析物または対象とする分析物の生成について、検定しようとする、任意の生物学的微小物体802、904とすることができる。生物学的微小物体802、904の例としては、哺乳類の生物学的微小物体、ヒトの生物学的微小物体、免疫生物学的微小物体(例えば、T生物学的微小物体、B生物学的微小物体、マクロファージなど)、B生物学的微小物体ハイドロドーマ(hydrodomas)、幹生物学的微小物体(例えば、骨髄由来幹生物学的微小物体、脂肪由来幹生物学的微小物体、など)、形質転換生物学的微小物体株(例えば、形質転換CHO生物学的微小物体、HeLa生物学的微小物体、HEK生物学的微小物体、など)、昆虫生物学的微小物体(例えば、Sf9、Sf21、HighFiveなど)、原生(protozoan)生物学的微小物体(例えば、原生動物リーシュマニア(Leishmania tarentolae)、酵母生物学的微小物体(例えば、S.サッカロミセス(S. saccharomyces)、ピキア・パストリス(P. pastoris)など)、細菌生物学的微小物体(例えば、大腸菌、枯草菌(B. subtilis)、昆虫病原菌(B. thuringiensis)など)、前記の任意の組合せ、その他が挙げられる。生物学的微小物体904の例としては、哺乳類の胚(例えば、ヒト、霊長類、クマ科、イヌ科、ネコ科、ウシ科、ヒツジ属、ヤギ属、ウマ属、ブタなど)、その他も挙げられる。対象とする分析物の例としては、タンパク質、炭水化物、脂肪、核酸、代謝物、その他が挙げられる。対象とする分析物の他の例としては、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブクラス)、IgM、IgA、IgD、またはIgEクラス抗体などの、抗体を含む材料が挙げられる。
【0102】
ステップ104において、プロセス100は、ステップ102においてマイクロ流体デバイス中に装入された生物学的微小物体に対して第1の試験を実行することができる。ステップ104には、第1の試験に従って生物学的微小物体のいくつかを選択することを含めることができる。代替的に、ステップ104には、第1の試験を実行することなく、生物学的微小物体の1つを選択することを含めることができる。
図10は、マイクロ流体デバイス200のチャネル252内の生物学的微小物体802に対して実行される第1の試験の例を示し、
図11は、第1の試験に従って生物学的微小物体802を選択する例を示す。(選択された生物学的微小物体には、
図11およびその後において1002のラベルを付ける。)
図12は、生物学的微小物体1202、1204、1206が、マイクロ流体デバイス400のチャネル434内の微小物体904の中から選択される例を示す。
【0103】
第1の試験には、任意の数の可能な試験を含めることができる。例えば、第1の試験は、マイクロ流体デバイス200または400のいずれにおいて実行されようとも、生物学的微小物体802または生物学的微小物体904の第1の特性について試験することができる。ステップ104において実行される第1の試験は、任意所望の特性について試験を行う、任意の試験とすることができる。例えば、所望の特性は、生物学的微小物体802または生物学的微小物体904の、大きさ、形状、および/または形態に関係づけることができる。第1の試験には、生物学的微小物体802または生物学的微小物体904の画像を取り込むこと、およびその画像を分析して、生物学的微小物体802または生物学的微小物体904のいずれが所望の特性を有するかを判定することを含めることができる。
【0104】
別の例として、ステップ104において実行される第1の試験は、生物学的微小物体802または生物学的微小物体904のどちらが、第1の特性を指示する特定の検出可能な状態を表わすかを判定することができる。例えば、第1の特性は、1つまたは2つ以上の細胞表面マーカーの発現として、ステップ104において実行される第1の試験が、生物学的微小物体802、904上のそのような細胞表面マーカーの有無を検出することもできる。適当な細胞表面マーカー、または細胞表面マーカーの組合せについて試験することによって、ステップ104において、特定の細胞タイプを、識別して選択することができる。そのような特定の細胞タイプの例としては、健常細胞、癌細胞、感染細胞(例えば、ウィルスまたは寄生虫に感染)、免疫細胞(例えば、B細胞、T細胞、マクロファージ)、幹細胞、その他を挙げることができる。
【0105】
図10に示す例において、マイクロ流体デバイス200における生物学的微小物体802の検出可能な状態は、エネルギー1006の放射であり、これは、例えば、電磁放射とすることができる。生物学的微小物体802は、(マイクロ流体デバイス200中、またはチャネル252内に装入される前に、)第1の特性を有する生物学的微小物体802にエネルギー1006を放射させる、アッセイ材料(図示せず)で前処理することができる。
【0106】
ステップ104において試験される第1の特性の例としては、限定することなく、生物学的微小物体802の生物学的状態(例えば、細胞タイプ)または特定の生物学的活動を挙げることができる。例えば、第1の特性は、大きさ、形状、色、テキスチャ、表面形態、識別可能な小成分(sub-component)、その他の特徴的なマークなどの、観測可能な物理的特性とすることができる。代替的に、第1の特性は、透過率、電導率、静電容量、環境の変化への応答、または対象とする特定の生物学的物質の生成(例えば、発現、分泌、その他)などの、検定可能な特性とすることができる。対象とする特定の生物学的物質は、細胞表面マーカー(例えば、膜結合タンパク質、糖タンパク質、その他)とすることができる。対象とする特定の生物学的物質の別の例は、対象とする抗原と特異的に結合する、抗体(例えば、IgG型抗体)などの、治療用タンパク質である。すなわち、選択された生物学的微小物体1002は、細胞表面マーカーなどの特定の生物学的物質を生成する(例えば、発現させる)ことについて陽性の試験結果を示す、生物学的微小物体802の1つまたは2つ以上とすることができるとともに、非選択の生物学的微小物体1004は、前述のことについて陽性の試験結果を示さない、生物学的微小物体802とすることができる。生物学的微小物体802をそれで前処理することのできる、好適なアッセイ材料としては、対象とする特定の生物学的物質に結合するとともに、エネルギー1206を放射する標識を含む、試薬が挙げられる。
【0107】
図11に示すように、生物学的微小物体1002は、光トラップ1102を用いて微小物体1002を捕捉することによって選択することができる。光トラップ1102は、
図3Aおよび3Bについて上記で全体的に考察したように、チャネル252に入る光の変更パターンを誘導することによって、マイクロ流体デバイス200のチャネル252内で、発生、移動、およびオフにさせることができる。非選択の生物学的微小物体は、
図11において1004のラベルを付けてある。
図11に示す例においては、光トラップ1102は、非選択の生物学的微小物体1004に対しては生成されない。
【0108】
図12は、ステップ104において、マイクロ流体デバイス400のチャネル434内で、生物学的微小物体904の中から、生物学的微小物体1202、1204、1206を選択することを示す。この選択は、ステップ104において実行される第1の試験の結果に応答させることができる。代替的に、微小物体1202、1204、1206の選択は、ランダム選択とすること、すなわち第1の試験を実行することなく行うことが可能である。第1の試験に基づく場合には、ステップ104に、例えば、上述のように、1つまたは2つ以上の観察可能な物理的特性または検定可能な特性について、生物学的微小物体1202、1204、1206を選択することを含めることができる。例えば、生物学的微小物体1202、1204、1206を、生物学的微小物体タイプ固有特性および/または生物学的微小物体生存率または健康に関連する特性などの、ある数の可能な検出可能な特性のいずれかに基づいて、サンプル材料902内の微小物体904から選択することができる。
【0109】
そのような特性の例としては、大きさ、形状、色、テキスチャ、透磁率、電導率、静電容量、生物学的微小物体タイプ特異的マーカーの発現、環境における変化への応答、その他が挙げられる。1つの特定の態様においては、以下の範囲のいずれかにおける直径を有する、横断面において丸みのある形状を有する、生物学的微小物体904を、サンプル材料602から選択することができる:0.5〜2.5ミクロン、1〜5ミクロン、2.5〜7.5ミクロン、5〜10ミクロン、5〜15ミクロン、5〜20ミクロン、5〜25ミクロン、10〜15ミクロン、10〜20ミクロン、10〜25ミクロン、10〜30ミクロン、15〜20ミクロン、15〜25ミクロン、15〜30ミクロン、15〜35ミクロン、20〜25ミクロン、20〜30ミクロン、20〜35ミクロン、または20〜40ミクロン。別の例として、その大きさが100から500ミクロンの間(例えば、100から200ミクロン、150から300ミクロン、200から400ミクロン、または250から500ミクロンの間)である、生物学的微小物体604を、サンプル材料902から選択することができる。
【0110】
図12に示す例は、チャネル434内の微小物体1202、1204、1206を選択することを示しているが、代替的に、サンプル材料902を、少なくとも部分的に囲い436、438、440の接続領域442に入れることができる。すなわち、微小物体1202、1204、1206を、接続領域142にある間に、選択することができる。
いくつかの態様においては、制御モジュール472は、制御/監視機器480にサンプル材料902内の生物学的微小物体904の画像を取り込ませることによって、ステップ104において第1の試験を実行することができる。既知の画像解析アルゴリズムで構成することのできる、制御モジュール472は、画像を解析して、所望の特性を有する生物学的微小物体904のいくつかを識別することができる。代替的に、人間のユーザが、取り込まれた画像を解析することができる。
【0111】
生物学的微小物体の特性を検定するために、人間のユーザおよび/または制御モジュール472は、検定を制御することができる。例えば、生物学的微小物体などの生物学的微小物体は、(例えば、生物学的微小物体表面タンパク質に特異的な抗体を使用して)透磁率、電導率、また生物学的微小物体タイプ特異的マーカーについて検定することができる。
【0112】
ステップ106において、プロセス100は、選択された生物学的微小物体、またはステップ104の一部として選択された生物学的微小物体を分離することができる。しかしながら、ステップ104において第1のステップを実行することなく、生物学的微小物体が選択される場合には、ステップ106は、スキップするか、または単に、非選択の生物学的微小物体をチャネル252から(かつ、任意選択で、流動領域240からも)流し出すことで構成することができる。
図13および14は、選択された生物学的微小物体1002が、マイクロ流体デバイス200内の保持囲い256へと移動されて、非選択の生物学的微小物体1004がチャネル252から流し出される例を示している。
図15および16は、選択された生物学的微小物体1202、1204、1206が、マイクロ流体デバイス400の囲い426、438、440の隔離領域444中に移動され、その後に、非選択の微小物体904が流れチャネル434から流し出される例を示す。
【0113】
図11について上述したように、各生物学的微小物体1002は、光トラップ1102によって選択することができる。例えば、
図3Aおよび3BのDEPデバイス300として構成された、セレクタ222(
図2A〜2Cを参照)は、個々の選択された生物学的微小物体1002を捕捉する光トラップ1102を生成することができる。
図13に示すように、DEPデバイス300は、次いで、光トラップ1102を囲い256中に移動させて、これによって、捕捉され、選択された生物学的微小物体1002を囲い256中に移動させることができる。図示のように、それぞれの選択された生物学的微小物体1002は、個々に捕捉して、保持囲い256中に移動させることができる。代替的に、2つ以上の選択された生物学的微小物体1002を単一トラップ1102によって捕捉し、かつ/または2つ以上の選択された生物学的微小物体1002を任意の1つの囲い256中に移動させることができる。それにもかかわらず、選択された生物学的微小物体1002の内の2つ以上をチャネル252内で選択して、囲い256中に並行して移動させることができる。
【0114】
光トラップ1102は、
図3Aおよび3Bについて上述したように、マイクロ流体デバイス200の流動領域240の内表面242上に投射された光の変更パターン322の一部とすることができる。選択された生物学的微小物体1002が囲い256内に入ると、その生物学的微小物体1002に対応する光トラップ1102を、
図14に示すようにオフにすることができる。検出器224は、選択された、および非選択の生物学的微小物体1002、1004、チャネル252、および囲い256の画像を含む、流動領域240の全部または一部の画像を取り込むことが可能であり、これらの画像は、個々の選択された生物学的微小物体1002を識別し、捕捉して、特定の囲い256の中に移動させることを容易にすることができる。すなわち、検出器224および/またはセレクタ222(例えば、
図3Aおよび3BのDEPデバイスとして構成されている)は、第1の特性に対して陰性の試験結果を生じる微小物体(例えば、非選択の生物学的微小物体1004)から、第1の特性に対して陽性の試験結果を生じる微小物体(例えば、選択された生物学的微小物体1002)を分離する手段の1つまたは2つ以上の例とすることができる。
【0115】
図14に示すように、選択された生物学的微小物体1002が囲い256内にある状態で、媒体244の流れ804(例えば、バルク流)は、非選択の生物学的微小物体1004をチャネル252から洗い出すことができる。なお、ステップ102において生物学的微小物体904をチャネル252中に装入した後に、媒体252の流れ804を停止または減速させることができる。ステップ106の一部として、流れ804を再開するか、または増大させて、非選択の生物学的微小物体1004をチャネル252から、いくつかの例においては、(例えば、出口210を介して)マイクロ流体デバイス200から、洗い出すことができる。
【0116】
選択された生物学的微小物体1202、1204、1206は、いくつかの可能な方法のいずれによっても、マイクロ流体デバイス400の滞留囲い436、438、440の隔離領域444中に移動させることができる。例えば、上記で考察したように、マイクロ流体デバイスの筐体402には、サンプル材料902内の生物学的微小物体904の特定のいくつかを捕捉して移動させるのに使用することのできる、DEP構成を含めることができる。
【0117】
例えば、
図15に示すように、制御モジュール472は、選択された生物学的微小物体1202、1204、1206のそれぞれに対して、チャネル434から、滞留囲い436、438、440の1つの隔離領域444までの経路1512、1514、1516をマッピングすることができる。制御モジュール472は、制御/監視機器480のDEPモジュール(図示せず)に、光の変更パターンを生成して、マイクロ流体回路432中に誘導させて、選択された生物学的微小物体1202、1204、1206を捕捉して、経路1512、1514、1516に沿って、滞留囲い436、438,440の隔離領域444中へ移動させることができる。制御モジュール472はまた、メモリ476内に、選択された生物学的微小物体のそれぞれを識別するデータ、およびそれぞれの選択された生物学的微小物体がその中に移動させられる、特定の滞留囲い436、438、440を記憶することもできる。
【0118】
図15の例には、囲い436、438、444毎に、1つの選択された生物学的微小物体1202、1204、1206を示してあるが、2つ以上の生物学的微小物体1202、1204、1206を単一の囲い中に移動させることができる。サンプル材料902から単一の囲い136、138、140中へ移動させることのできる、生物学的微小物体の数の例としては、次のものが挙げられる:1、2、3、4、5、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜10、2〜50、2〜40、2〜30、2〜20、2〜10、3〜50、3〜40、3〜30、3〜20、3〜10、4〜50、4〜40、4〜30、4〜20、4〜10、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、および5〜10。前述のものは例にすぎず、その他の数の生物学的微小物体904も、サンプル材料902から単一の囲い436、438、440中へ移動させることができる。
【0119】
いくつかの態様においては、サンプル材料902の少なくとも一部を、ステップ104において、囲い436、438、440の隔離領域444中に装入することができる。また、ステップ104の一部として、微小物体1202、1204、1206を、隔離領域144内で選択することができる。そのような態様においては、非選択の微小物体904を含むサンプル材料902を、ステップ106において隔離領域444から除去して、選択された微小物体1202、1204、1206だけを隔離領域240内に残すことができる。
【0120】
図16に示すように、チャネル434は、フラッシング媒体(図示せず)でチャネル434を洗い流すことによって、ステップ106の一部として、非選択の微小物体904を含む、サンプル材料902を一掃することができる。
図16において、チャネル134を通るフラッシング媒体の流れは、1602のラベルが付けてある。フラッシング媒体の流れ1602は、流れ1602の速度が、上述のような最大侵入深さD
pに対応する、最大流速V
maxより下に維持されるように、制御することができる。また上述したように、このことは、選択された生物学的微小物体1202、1204、1206を、それらのそれぞれの囲い436、438、440の隔離領域444に維持し、チャネル434または囲い436、438、440の1つからの材料が、別の囲いを汚染することを防止する。いくつかの態様において、フラッシング媒体は、本明細書に開示される断面積、例えば、約3000から6000平方ミクロンまたは約2500から400平方ミクロン、を有するチャネル434中に流される。フラッシング媒体は、本明細書に開示された流量:例えば、約0.05から5.0μL/sec(例えば、約0.1から2.0、0.2から1.5、0.5から1.0μL/sec、または約1.0から2.0μL/sec)で、チャネル中に流すことができる。ステップ106の一部としてチャネル434を一掃することには、複数回、チャネル434を洗い流すことを含めることができる。
【0121】
いくつかの態様において、制御モジュール472は、制御/監視機器480にチャネル434を一掃させることができる。例えば、制御モジュール472は、制御/監視機器480に、ポート424を介してチャネル中へ、さらに別のポートから外へとフラッシング媒体を流させることができる。制御モジュール472は、流れ1602の速度を、最大流速V
max未満に保つことができる。例えば、約3000から6000平方ミクロン(または約2500から4000平方ミクロン)の横断面積を有するチャネル434に対して、制御モジュール472は、流れ1602の速度を5.0μL/sec(例えば、4.0、3.0、または2.0μL/sec)未満の速度に保つことができる。
【0122】
ステップ102〜106の後に、プロセス100は、マイクロ流体デバイス(例えば、200、400)内の生物学的微小物体(例えば、802、904)の混合物を、選択された生物学的微小物体(例えば、1004、1202、1204、1206)と、非選択の生物学的微小物体(例えば、1004、904)とに分類している。プロセス100はまた、選択された生物学的微小物体を、マイクロ流体デバイス内の保持囲い(例えば、256、436、438、440)に置いて、非選択の微小物体を洗い流している。上記で考察したように、ステップ102〜106は繰り返して、k回実行することが可能であり、ここでkは1(この場合には、ステップ102〜106は一度実行されるが、繰り返されない)または2以上である。その結果は、マイクロ流体デバイスにおける保持囲い内に多数の選択された生物学的微小物体が存在する可能性がある。
【0123】
なお、ステップ104は、ステップ106を実行する前に、L個までの異なる特性について、L回実行することが可能であり、ここでLは正の整数1または2以上であることにも留意されたい。例えば、ステップ104は、大きさ、形状、形態、テキスチャ、可視マーカー、その他などの、生物学的微小物体の第1の特性について試験することが可能であり、その後に、ステップ104を繰り返して、検定可能な特性などの、後続の特性について試験することができる。すなわち、選択された生物学的微小物体には、L個の異なる特性について陽性の試験結果を生じる、ステップ102において装入された生物学的微小物体の群からの生物学的微小物体を含めることができる。
【0124】
記載のように、選択された生物学的微小物体をチャネル(例えば、252、434)から囲いの中に移動させるとともに、非選択の生物学的微小物体をチャネルから洗い流すことは、ステップ106を実行することのできる方法の一例にすぎない。その他の例としは、非選択の生物学的微小物体を、チャネルから囲いの中に移動させて、選択された生物学的微小物体をチャネルから洗い流すことが挙げられる。例えば、選択された生物学的微小物体を、チャネルから洗い流して、マイクロ流体デバイス内の別の場所で収集するか、または選択された生物学的微小物体をさらに処理することができる、別のデバイス(図示せず)に配送することができる。非選択の生物学的微小物体は、後に、保持囲いから除去して、廃棄することができる。
【0125】
ステップ108において、プロセス100は、選択された生物学的微小物体、または生物学的微小物体に対する試験を実行することができる。この試験は、第1の試験がステップ104の一部として実行される場合には、後続の試験(すなわち、第2の試験)とすることができる。(以後、ステップ108において実行される試験は、上記のステップ104を考察する際の呼称の「第1の試験」と区別するために、「後続の試験」と呼ぶ。)上記のように、ステップ108において実行される後続の試験は、ステップ104の第1の試験と同じ特性(すなわち、第1の特性)、または異なる特性について試験することができる。また上記のように、ステップ108において実行される後続の試験が第1の特性(すなわち、ステップ104において試験された同じ特性)についてのものである場合には、後続の試験は、それでも第1の試験と異なるものとすることができる。例えば、後続の試験は、第1の試験よりも、第1の特性の検出に対してより感度を高くすることができる。
【0126】
図17および18は、ステップ18において実行される後続の試験が、マイクロ流体デバイス200において、ステップ104において試験される第1の特性とは異なる、検定可能な特性について実行される、例を示している。
図19〜25は、ステップ108の試験がマイクロ流体デバイス400内で実行される例を示している。
【0127】
図17において図解しているように、アッセイ材料1702は、囲い256内の選択された生物学的微小物体1002を、アッセイ材料1702に露出させるのに十分な量で、チャネル252中に流す804ことができる。例えば、障壁254は、アッセイ材料1702が、チャネル252から囲い256の内部空間へ直接的に流入するのを妨げることができるが、アッセイ材料1702は、拡散によって、囲い256の内部部分に進入し、したがって囲い内の生物学的微小物体1002に到達することができる。アッセイ材料1702には、後続の特性を有する、選択された生物学的微小物体1002と反応し、別個の、検出可能な状態を生成する材料を含めることができる。アッセイ材料1702、および結果として生じる、別個の、検出可能な状態は、ステップ104における第1の試験について上記で考察した、いずれかのアッセイ材料および条件と異なるものとすることができる。洗浄緩衝剤(washing buffer)(図示せず)も、チャネル252に流入させて、囲いの中に拡散させて、選択された生物学的微小物体1002を洗浄することができる。
【0128】
検出可能な状態は、閾強度、特定の周波数帯内の周波数、その他などの、1つまたは2つ以上の基準を有する、エネルギーの放射とすることができる。生物学的微小物体1002の色は、特定の周波数帯において、放射される電磁放射の例である。
図18に示す例においては、ステップ108における後続特性に対して陽性の試験結果を生じる、選択された生物学的微小物体1002は、1002のラベルをつけられたままとなるが、ステップ108における後続特性に対して陰性の試験結果を生じる(例えば、陽性の試験結果を生じない)、生物学的微小物体は、1802のラベルが付けられている。
【0129】
ステップ410において試験される後続の特性の例としては、生物学的微小物体1002の生存率とすることができる。例えば、後続の特性は、生物学的微小物体1002が生存しているか、または死亡しているかとし、アッセイ材料は、7‐アミノアクチノマイシンDなどの生存率染料とすることができる。このような染料は、生存している生物学的微小物体1002を特定の色に変え、かつ/または死亡した生物学的微小物体を異なる色に変える。検出器224(
図2A〜2Cを参照)は、保持囲い256内の生物学的微小物体1002の画像を取り込むことができ、制御モジュール230は、画像を解析して、どの生物学的微小物体が生存する生物学的微小物体1002に対応する色を示すか、および/またはどれが、死亡した生物学的微小物体1002に対応する色を示すかを判定することができる。代替的に、人間オペレータが、検出器224からの画像を解析することができる。したがって、そのように構成された検出器224および/または制御モジュール230は、特定の特性(例えば、第1の特性または後続の特性)について、マイクロ流体デバイスにおける流路内の液体媒体内の微小物体を試験する試験手段の、1つまたは2つ以上の例とすることができる。
【0130】
図19は、ステップ108において実行される試験が、マイクロ流体デバイス400の隔離囲い236、238、240において、選択された生物学的微小物体1202、1204、1206によって生成される、対象とする分析物1902についてのものである、例を示す。対象とする分析物1902の成分には、
図19において1904のラベルを付けてある。対象とする分析物は、例えば、タンパク質、核酸、炭水化物、脂質、代謝物、または、特定の細胞タイプ(例えば、健常細胞、癌細胞、ウイルス感染または寄生虫感染した細胞、炎症反応を示している細胞、その他)によって分泌されるか、またはその他の方法で放出された、その他の分子とすることができる。対象とする特定の分析物は、例えば、成長因子、サイトカイン(例えば、炎症性またはそれ以外)、ウイルス抗原、寄生虫抗原、癌細胞特異的抗原、または治療薬(例えば、ホルモンまたは治療抗体などの治療薬)とすることができる。
【0131】
図19に示す例において、ステップ108には、アッセイ材料1910をマイクロ流体デバイス400内に装入すること、および、ある場合には、分析物成分1904の局所化された反応を検出することを含めることができる。ステップ108には、アッセイ材料1910をチャネル434中に装入した後に、培養期間を提供することも含めることができる。
【0132】
図19に示すように、アッセイ材料1910は、チャネル434、または少なくとも、囲い436、438、440の近位開口442に直ぐに隣接する部位を実質的に充填することができる。また、アッセイ材料110は、滞留囲い436、438、440の少なくともいくつかの接続領域442中に延ばすことができる。いくつかの態様においては、アッセイ材料は、本明細書において開示された横断面積、例えば、約3000から6000平方ミクロン、または約2500から4000平方ミクロンを有するチャネル434中に流される。アッセイ材料は、チャネル中に、本明細書において開示された流量、例えば、約0.02から0.25μL/secで(例えば、約0.03から0.2μL/sec、または約0.05から0.15L/secで、生体細胞アッセイ材料用にはより低い速度を用い、非細胞アッセイ材料用にはより高い速度を用いて)流すことができる。アッセイ材料1910がチャネル434内の所定位置に装入されると、チャネル434内の流れは、減速させるか、または実質的に停止させることができる。
【0133】
アッセイ材料1910は、チャネル434に十分に速く流入することが可能であり、その結果として、囲い436、438、440のいずれかにおいて生成される分析物成分1904がチャネル434中に拡散できる前に、アッセイ材料1910は、囲い436、438、440の近位開口452に隣接する所定位置にある。これによって、選択された生物学的微小物体1202、1204、1206が囲い436、438、440中に配置される時間と、チャネル434中へのアッセイ材料1910の装入の完了との間に、1つの囲い436、438、440からの分析物成分1904が、チャネル434および/またはその他の囲いを汚染する問題を回避することができる。
【0134】
すなわち、アッセイ材料1910がチャネル434中に装入される速度は、少なくとも、最小流速V
minとすることが可能であり、この最小流速では、かなりな量の分析物成分1904が囲い436、438、440の隔離領域444からチャネル434中に拡散する最小期間T
diffよりも小さい、期間T
loadにわたり、アッセイ材料1910が、近位開口452に隣接する所定の場所に装入される。この文脈において使用される、「かなりな量」とは、どの滞留囲いから分析物が来たかについての正確な検出に干渉するのに十分である、分析物成分の検出可能な量を意味する。最小流速V
minは、様々な異なるパラメータの関数である可能性がある。そのようなパラメータの例としては、チャネル434の長さ、囲い436、438、440の接続領域442の長さL
con、分析物成分1904の拡散率、媒体粘度、大気温度、その他が挙げられる。最小流速V
minの例としては、少なくとも約0.04μL/sec(例えば、少なくとも約0.10、0.11、0.12、0.13、0.14μL/sec以上)が挙げられる。
【0135】
アッセイ材料1910をチャネル434中に装入するための、最小流速V
minは、上記で考察したように、囲い436、438、440の接続領域442の長さL
conよりも小さい、浸透深さD
pに対応する最大流速V
maxよりも小さくすることができる。例えば、V
max/V
minの比は、以下の範囲のいずれかの内とすることができる:約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、100、またはそれ以上。
アッセイ材料1910を装入した後に設けられた培養期間は、生物学的微小物体1202、1204、1206が、対象とする分析物1902を生成するのに、および分析物成分1904が、囲い436、438、440の隔離領域444から対応する接続領域442または近位開口452へと拡散するのに、十分とすることができる。例えば、培養期間は、分析物成分1904に、チャネル434中に拡散するのに十分な時間を与えることができる。
【0136】
培養期間には、生物学的微小物体1202、1204、1206が、滞留囲い436、438、440内で、対象とする分析物1902を自然に生成させることを、単に受動的に許容することを含めることができる。代替的に、培養期間には、例えば、栄養、成長因子、および/または誘導因子を生物学的微小物体1202、1204、1206に提供することによって、生物学的微小物体1202、1204、1206を能動的に刺激して、対象とする分析物1902を生成すること;滞留囲い436、438、440の隔離領域444内の媒体の温度、化学成分、pH、その他を制御すること;光などの刺激エネルギーを隔離領域444中に誘導すること;その他を含めることができる。
【0137】
本明細書において使用するときには、「培養」および「培養する」という用語は、生物学的微小物体1202、1204、1206が滞留囲い436、438、440内で分析物1902を自然に生成するのを単に受動的に許容することから、分析物の生成を能動的に刺激することまでの、前述の範囲を含んでいる。分析物1902の生成を刺激することには、生物学的微小物体1202、1204、1206の成長を刺激することを含めることもできる。すなわち、例えば、生物学的微小物体1202、1204、1206を、それらが対象とする分析物1902を生成するように刺激される前、および/またはその間に、刺激して成長させることができる。生物学的微小物体1202、1204、1206が、単独の生物学的微小物体として滞留囲い436、438、440中に装入されている場合には、成長刺激は、対象とする分析物を発現させ、かつ/または分泌する(または、発現させ、かつ/または分泌するように刺激されることが可能な)、クローン性の生物学的微小物体集団を生成する結果となる可能性がある。
【0138】
いくつかの態様においては、制御モジュール472は、制御/監視機器480に、培養期間150中に1つまたは2つ以上の行為を実行させることができる。例えば、制御モジュール472は、制御/監視機器480に、周期的に、または連続流として、成長媒体および/または誘電媒体(inductive medium)を供給させることができる。代替的に、制御モジュール472は、制御/監視機器480に、対象とする分析物がチャネル434中に拡散するのに十分な期間、生物学的微小物体を培養させることができる。例えば、抗体などのタンパク質分析物の場合には、制御モジュール472は、生物学的微小物体がチャネル434から分離される、1ミクロン毎に約2秒に等しい、拡散のための時間を与えることができる。タンパク質および抗体よりもはるかに小さいその他の分析物に対しては、拡散に必要な時間は、1ミクロン毎に1.5秒以下のように、より小さくてもよい(例えば、1.25s/μm、1.0s/μm、0.75s/μm、0.5s/μm、以下)。逆に、タンパク質、または抗体よりもはるかに大きい、その他の分析物に対しては、拡散に割り当てられた時間は、ミクロン毎に2.0秒以上など、より大きくてもよい(例えば、2.25s/μm、2.5s/μm、2.75s/μm、3.0s/μm、以上)。
【0139】
なお、培養期間は、プロセス100の後続のステップの実行中に、継続することができることに留意されたい。また、培養期間は、ステップ106の完了の前に(例えば、ステップ102〜106のいずれかの間に)、開始することができる。
アッセイ材料1910は、対象とする分析物の分析物成分1904と相互作用するとともに、その相互作用から検出可能な反応を生成するように構成することができる。
図20に示すように、滞留囲い436、438内の生物学的微小物体1202、1204からの分析物成分1904は、滞留囲い436、438の近位開口452に隣接するアッセイ材料1910と相互作用して、局所化された、検出可能な反応を生成する。しかしながら、滞留囲い440内の生物学的微小物体1206は、対象とする分析物1902を生成しない。結果的に、そのような局所化された反応(例えば、2002のような)は、滞留囲い440の遠位開口452に隣接しては発生しない。
【0140】
局所化された反応2002は、検出可能な反応である。例えば、反応2002は、局所化されたルミネセンス(例えば、蛍光)とすることができる。さらに、局所化された反応2002は、十分に局所化、かつ分離させて、人間観察者、
図4Aの制御/監視機器480内のカメラ(図示せず)、その他によって別個に検出可能とすることができる。例えば、チャネル434は、反応(例えば、2002のような)が局所化されるように、すなわち、対応する滞留囲い436、438の近位開口452に直ぐに隣接する空間に限定されるように、アッセイ材料1910で十分に充填することができる。図から分かるように、反応2002は、滞留囲い436、438、440の近位開口452の1つまたは2つ以上に直ぐに隣接する、アッセイ材料1910の複数成分の凝集からとすることができる。
【0141】
連続する滞留囲い436、438、440の近位開口452は、隣接する遠位開口452において、例えば、カメラ等によって取り込まれた画像において、人間の観察者によって、互いに区別のできる、(例えば、2002のような)局所化された反応をもたらすのに十分である距離D
s(
図4Cを参照)だけ、少なくとも間隔を空けることができる。連続的な滞留囲い436、438、440の近位開口452間の好適な距離D
sの例としては、少なくとも20、25、30、35、40、45、50、55、60ミクロン以上が挙げられる。代替的または追加的に、アッセイ材料901の成分(例えば、生物学的微小物体、ビーズ、その他などの捕捉微小物体)を、滞留囲いの前で組織化することができる。例えば、DEP力などを使用して、捕捉微小物体を互いにグループ化して、滞留囲い436、438、440の近位開口452に隣接して位置する、チャネル434の領域に濃縮化させることができる。
【0142】
注記のように、捕捉微小物体(例えば、生物学的微小物体、ビーズ、その他)などの成分を含む、アッセイ材料1910は、滞留囲い436、438、440の接続領域442内に進入し、少なくとも部分的に、そこに配置されることが可能である。そのような場合には、反応2002、2004は、全体的に、実質的に全体的に、またはチャネル434内の実質的に全体的とは反対に、接続領域442内で部分的に発生させることができる。さらに、アッセイ材料1910内の捕捉微小物体(例えば、生物学的微小物体、ビーズ、その他)は、隔離領域444中に配置することができる。例えば、DEP力、その他を使用して、捕捉微小物体を選択して隔離領域444中に移動させることができる。滞留囲いの隔離領域内に配置される捕捉微小物体については、捕捉微小物体を、生物学的微小物体に近接して、および/または生物学的微小物体によって占拠される部分とは別個の、隔離領域の一部分内(例えば、小区画(sub-compartment)内)に、配置することができる。
【0143】
アッセイ材料1910は、対象とする分析物1902と、直接的または間接的に、特異的に相互作用して、検出可能な反応(例えば、2002)を生成する、任意の材料とすることができる。
図19〜23は、分析物が2つの抗原結合部位を有する抗体を含む、例を示す。当業者は理解するであろうように、同じ例を、対象とする分析物が、2つの抗原結合部位を有する抗体以外のものである状況にも、容易に適合させることができる。
【0144】
チャネル434の一部と、滞留囲い436の近位開口452を示す
図21は、標識化された捕捉微小物体2112を含む、アッセイ材料1910の例を示す。それぞれの標識化された捕捉微小物体2112は、分析物成分1904を特異的に結合することのできる結合物質と、標識化物質の両方を含むことができる。分析物成分1904が、滞留囲い436の近位開口452の方向に拡散すると、開口452に直ぐに隣接する(または滞留囲い内部の)、標識化された捕捉微小物体2112は、分析物成分1904と結合することが可能であり、これによって、近位開口452に直ぐに隣接して(またはその内部で)、局所化された反応2002(例えば、標識化された捕捉微小物体2112の凝集)を生じさせることができる。
【0145】
分析物成分1904の標識化された捕捉微小物体2112への結合は、標識化された捕捉微小物体2112が、近位開口452に直ぐに隣接しているか、その内部にあるときに、最大である。これは、分析物成分1904の濃度が、隔離領域444および接続領域442内で最高であり、それによって分析物成分1904の標識化された捕捉微小物体2112への結合を有利にして、それらの領域内での、それらの凝集を促進する。分析物成分1904が拡散して出て、チャネル234の中に入るととともに、近位開口252から離れるにつれて、それらの濃度は低下する。結果として、より少ない分析物成分1904が、近位開口252から離れて位置する、標識化された捕捉微小物体2112に結合する。分析物成分1904の標識化された捕捉微小物体2112への結合が減少すると、今度は、近位開口452から離れて位置する標識化された捕捉微小物体2112の凝集の低下が生じる。囲い436、438、440の近位開口452と直ぐに隣接していない(またはその内部にある)、標識化された捕捉微小物体2112は、したがって、検出可能な局所化された反応2002を生成しない(または、近位開口452に直ぐに隣接するか、その内部で発生する局所化された反応2002よりも、検出上、量的に少ない、局所化された反応2002を生成する)。
【0146】
標識化された捕捉微小物体2112上の結合物質のための2つの結合部位を有さない、分析物成分については、標識化された捕捉微小物体には、(以下に記述して、
図23で示すような)それぞれが分析物成分によって特異的に結合されることのできる、2つの異なる結合物質を含めてもよい。代替的に、アッセイは、分析物成分が多量体化する(例えば、ホモ二量体、ホモ三量体、などを形成する)場合に、作用してもよい。
【0147】
標識化された捕捉微小物体2112は、無生命および生物学的な微小物体の両方を含む。無生命微小物体の例としては、マイクロビーズ(例えば、ポリスチレンマイクロビーズ)、マイクロロッド、磁気ビーズ、量子ドット、その他が挙げられる。マイクロ構造は、大きくする(例えば、直径が10〜15ミクロン以上)か、または小さくする(例えば、直径が10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1ミクロン以下)ことができる。生物学的微小物体、の例としては、生物学的微小物体(例えば、レポータ生物学的微小物体)、(例えば、合成、または膜製剤由来の)リポソーム、リポソーム被覆マイクロビーズ、脂質ナノラフト(lpid nanorafts)(Ritchieら、「Reconstitution of Membrane Proteins in Phospholipid Bilayer Nanodiscs」、Methods Enzymol.、464:211〜231(2009)を参照)、その他が挙げられる。
【0148】
図22は、捕捉微小物体2212と標識剤の混合物を含む、アッセイ材料1910の例を示し、標識剤の成分は、2222で識別し、以後は「標識2222」として参照する。
図23は、捕捉微小物体2212、分析物成分1904、および標識2222の例示構成を示す。捕捉微小物体2212には、分析物成分1904の第1の領域2302と特異的に結合する、第1の親和剤2312を含めることができる。標識2222には、分析物成分1904の第2の領域2304と特異的に結合する、第2の親和剤2322を含めることができる。
図22に示すように、反応2002は、分析物成分1904の第1の領域2302が捕捉微小物体2212の第1の親和剤2312に結合するとともに、分析物成分1904の第2の領域2304が、標識2222の第2の親和剤と特異的に結合するときに、発生する。
【0149】
滞留囲い436の隔離領域444内の生物学的微小物体1202によって生成される分析物成分1904は、近位開口452に向かって拡散するので、分析物成分1904は、開口452に直ぐに隣接する(またはその内部の)、捕捉微小物体2212および標識2222に結合することが可能であり、その結果として、捕捉微小物体2212の表面上に、標識2112の蓄積が生じる。分析物成分1904の標識付き捕捉微小物体2212への結合は、捕捉微小物体2212が近位開口452に直ぐに隣接している(またはその内部にある)ときに、最大である。上記の考察と同様に、この理由は、隔離領域444および接続領域442における分析物成分1904の相対的に高い濃度によって、分析物成分1904の捕捉微小物体2212への結合と、捕捉微小物体2212の表面における、標識222の共存的連合(concmitant association)が促進されることにある。分析物成分1904が、拡散して出てチャネル434中に入るとともに、近位開口452から離れるにつれて、濃度は低下し、より少ない分析物成分1904が、近位開口452から離れて位置する捕捉微小物体2212に結合する。分析物成分1904の捕捉微小物体2212への結合が減少すると、結果として、近位開口452から離れて位置する、捕捉微小物体2112の表面における標識2222の蓄積が減少する。それに応じて、囲い436、438、440の近位開口452の直ぐに隣接していない(その内部ではない)捕捉微小物体2212は、検出可能に標識化されることにはならず、または標識化される程度までは、標識化は、近位開口452に直ぐに隣接するか、またはその内部で発生する標識化よりも、検出上、量的にて低くなる。
【0150】
捕捉微小物体2212の例としては、標識化された捕捉微小物体2112について上記で識別した例のすべてが挙げられる。第1の親和剤2312の例としては、特異的に分析物成分1904を認識するレセプタ、または分析物成分1904によって特異的に認識されるリガンドが挙げられる。例えば、抗体分析物の場合には、第1の親和剤2312は、対象とする抗原とすることができる。
標識2222の例としては、ルミネセンス標識(例えば、蛍光標識)を含む標識剤、および切断(cleavage)時に蛍光を発する信号分子を切断することのできる酵素を含む標識剤が挙げられる。
【0151】
アッセイ材料1910の例としては、複数の親和剤を含む複合捕捉微小物体を含む、アッセイ材料が挙げられる。
図24は、第1の親和剤2402と第2の親和剤2404とを含む、複合捕捉微小物体2412の例を示す。第1の親和剤2402は、分析物成分1904(
図23を参照)の第1の領域2302を特異的に結合することを可能にし、第2の親和剤2404は、同じ分析物成分1904の第2の領域2304、または異なる分析物成分を特異的に結合することを可能にすることができる。さらに、第1の親和剤2402および第2の親和剤2404は、任意選択で、分析物成分1904の第1の領域2304および第2の領域2304を同時に結合することができる。
【0152】
第1の親和剤2402の例としては、上記で考察したものが挙げられる。第2の親和剤2404の例としては、分析物成分1904の第2の領域を特異的に認識するレセプタ、分析物成分1904の第2の領域2304によって特異的に認識されるリガンドが挙げられる。例えば、抗体分析物の場合には、第2の親和剤2404は、抗体の一定領域に結合することができる。前記のものの例としては、Fc分子、抗体(例えば、抗IgG抗体)、Protein A、Protein G、その他が挙げられる。
【0153】
アッセイ材料1910の別の例は、複数の捕捉微小物体を含むものである。例えば、アッセイ材料1910には、第1の親和剤2402を含む第1の捕捉微小物体(図示せず)と、第2の親和剤2404を含む第2の捕捉微小物体(図示せず)を含めることができる。第1の捕捉微小物体は、第2の捕捉微小物体と異なるものとすることができる。例えば、第1の捕捉微小物体は、第1の捕捉微小物体と第2の捕捉微小物体を区別する、大きさ、色、形状、その他の特性を有することができる。代替的に、第1の捕捉微小物体および第2の捕捉微小物体は、それぞれが含む親和剤のタイプを例外として、実質的に同じタイプの捕捉微小物体とすることができる。
【0154】
アッセイ材料1910の別の例は、それぞれが異なる対象とする分析物に結合するように設計された、複数種類の捕捉微小物体を含むものである。例えば、アッセイ材料1910には、第1の親和剤を含む第1の捕捉微小物体(図示せず)と、第2の親和剤を含む第2の捕捉微小物体(図示せず)とを含め、第1および第2の親和剤が同じ対象とする分析物に結合しないものとすることができる。第1の捕捉微小物体は、第1の捕捉微小物体と第2の捕捉微小物体を区別する、大きさ、色、形状、またはその他の特性を有することができる。このようにして、複数の対象とする分析物を、同時にスクリーニングすることができる。
【0155】
アッセイ材料1910の特有の内容物に関わらず、いくつかの態様においては、制御モジュール472は、制御/監視機器480に、アッセイ材料1910をチャネル434中に装入させることができる。制御モジュール472は、チャネル434内のアッセイ材料1910の流れを、上記で考察した、最小流速V
minから最大流速V
maxの間に維持することができる。アッセイ材料1910が、囲い436、438、440の近位開口452に隣接する所定位置にあると、制御モジュール472は、チャネル434内でのアッセイ材料1910の流れを実質的に停止させることができる。
【0156】
マイクロ流体デバイス400において実行される、ステップ108には、分析物成分1904の、チャネル434中に装入されたアッセイ材料1910との反応を指示する、囲い436、438、440の近位開口452の1つまたは2つ以上に直ぐに隣接する、局所化された反応2002を検出することを含めることができる。局所化された反応2002が、滞留囲い436、438、440の近位開口452のいずれかに直ぐに隣接して検出される場合には、それらの検出された局所化された反応2002が、滞留囲い436、438、440における生物学的微小物体1202、1204、1206の1つまたは2つ以上の陽性動作(positive performance)を指示するかどうかを判定することができる。いくつかの態様においては、人間のユーザは、チャネル434、または囲い436、438、440の接続領域442を観察して、局所化された反応2002が、生物学的微小物体1202、1204、1206の陽性動作を指示しているかどうかを監視して、それを判定することができる。その他の態様において、制御モジュール472を、それを行うように構成することができる。
図25のプロセス2500は、局所化された反応2002が、生物学的微小物体1202、1204、1206の陽性動作を指示しているかどうかを監視して、それを判定することを実行するための、制御モジュール472のオペレーションの例である。
【0157】
ステップ2502において、プロセス2500を実行している、制御モジュール472は、カメラまたはその他の撮像デバイス(図示されていないが、
図1Aの制御/監視機器480の要素とすることができる)を用いて、チャネル434、または滞留囲い436、438、440の接続領域442の少なくとも1つの画像を取り込むことができる。各画像を取り込むための露出時間の例としては、10ms〜2秒、10ms〜1.5秒、10ms〜1秒、50〜500ms、50〜400ms、50〜300ms、100〜500ms、100〜400ms、100〜300ms、150〜500ms、150〜400ms、150〜300ms、200〜500ms、200〜400ms、または200〜300msが挙げられる。制御モジュール472は、1枚のそのような画像または複数の画像を取り込むことができる。制御モジュールが1枚の画像を取り込む場合には、その画像を、以下に言及する最終画像とすることができる。制御モジュールが複数画像を取り込む場合には、制御モジュール472は、2枚以上の取込み画像を合わせて最終画像にすることができる。例えば、制御モジュール472は、2枚以上の取込み画像を平均化することができる。いくつかの態様においては、制御モジュール472は、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200枚以上の取込み画像を取り込み、平均化して最終画像を生成することができる。
【0158】
ステップ2504において、制御モジュール472は、最終画像において、局所化された反応2002の何らかの兆候があればそれを識別することができる。上記で考察したように、局所化された反応2002の例としては、ルミネセンス(例えば、蛍光)が挙げられ、すなわち、制御モジュール472は、滞留囲い436、438、440の近位開口452のいずれかに直ぐに隣接してのルミネセンスについて、最終画像を解析することができる。制御モジュール472は、任意の画像処理技法を利用して、最終画像における局所化された反応2002を識別するように、プログラムすることができる。
図20に示される、例においては、制御モジュール472は、滞留囲い436、438の近位開口452に直ぐに隣接しての、局所化された反応2002を検出することができる。
【0159】
ステップ2506において、制御モジュール471は、ステップ2504において検出された、それぞれの局所化された反応2002を、対応する滞留囲い436、438、440に関係づけることができる。例えば、制御モジュール472は、ステップ2504において検出された、それぞれの局所化された反応2002を、反応1002に最も近い近位開口452と関係づけることによって、それを行うことができる。
図20の例において、制御モジュール472は、反応2002を滞留囲い436、438に関係づけることができる。
【0160】
制御モジュール472は、検出された反応がそれに関係づけられた、各滞留囲い436、438、440に対して、
図25のステップ2508および2510を実行することができる。
図20の例について、制御モジュール472は、すなわち、滞留囲い436に対してステップ2508および2510を実行し、次いで、滞留囲い438に対してステップ2508および2510を繰り返すことができる。
【0161】
ステップ2508において、制御モジュール472は、現行の滞留囲い436に関係づけられた検出反応1002が、現行の囲い436における生物学的微小物体(単数または複数)1202に対して陽性結果を示すかどうかを、判定することができる。例えば、制御モジュール472は、ステップ2502において得られた最終画像から、検出された反応1002に関するデータを抽出し、抽出されたデータが陽性結果を示すかどうかを判定することができる。任意の数の異なる基準を使用することができる。例えば、検出された反応2002は、ルミネッセンスとすることが可能であり、陽性結果を判定するための基準には、閾値を超えるルミネセンスの強度、閾値を超えるルミネセンスの輝度、所定のカラーレンジに入るルミネセンスの色、その他を含めることができる。ステップ2508において、制御モジュール472が、検出された反応が陽性であると判定する場合には、制御モジュール472は、ステップ2510に進むことができ、そこで制御モジュール472は、陽性の生物学的微小物体1202を収納するものとして、現行の滞留囲い436を識別することができる。ステップ2508における判定が陰性である場合には、制御モジュール472は、検出された反応がそれに対して関係付けられた、次の滞留囲い438に対して、ステップ2508を繰り返すことができる。
【0162】
図20に示された例において、滞留囲い436に関係づけられた局所化された反応2002は、ステップ2508において、陽性であると判定されるが、滞留囲い438に関係づけられた局所化された反応2002は、陰性である(例えば、ルミネセンスが検出されるが、それは滞留囲い438が陽性であることを判定するための閾値より下である)と判定されると仮定される。先に注記したように、滞留囲い440の近位開口452に隣接しては、反応は検出されなかった。結果的に、制御モジュール472は、滞留囲い436だけを、陽性の生物学的微小物体を有するものとして識別する。
図25には示されていないが、制御モジュール472は、プロセス2500の一部として、滞留囲い438、440を陰性として識別する。
【0163】
図1に戻ると、ステップ110において、プロセス100は、ステップ108において陽性の試験結果を生じた生物学的微小物体を、陰性の試験結果を生じた生物学的微小物体から分離することができる。
図26および27は、ステップ108において後続の特性に対して陰性の結果を生じた生物学的微小物体1002が、マイクロ流体デバイス200のチャネル252中に移動され、次いで、そこから洗い出される例を示す。
図29は、マイクロ流体デバイス400において、陰性の生物学的微小物体1204、1206が、陽性の生物学的微小物体1202から分離される、例を示している。
【0164】
図26に示されるように、ステップ110において陰性の試験結果を生じた各生物学的微小物体1002は、保持囲い256において光トラップ2602で選択して、捕捉することができる。陰性の微小物体は、
図26において1802のラベルが付けられている。次いで、光トラップ2602は、保持囲い256からチャネル252中に移動させることができる。
図27に示されるように、トラップ2602は、チャネル252においてオフに切り替えることが可能であり、媒体244の流れ804(例えば、対流)は、陰性生物学的微小物体1802をチャネル252の外に(および、任意選択で、流れ領域240の外に)洗い出すことができる。アッセイ材料1702は、囲い256の外に拡散して出ることが可能であり、流れ804は、アッセイ材料1702をチャネル252の外に洗い出すこともできる。
【0165】
光トラップ2602は、上記で考察したように、生成して操作することができる。例えば、図示のように、各陰性生物学的微小物体2602は、個々に捕捉されて、保持囲い256からチャネル252中へと移動させることができる。代替的意に、2つ以上の陰性生物学的微小物体2602を、単一のトラップ2602によって捕捉することができる。例えば、単一の囲い256内に2つ以上の生物学的微小物体2602がある可能性がある。それにもかかわらず、2つ以上の陰性生物学的微小物体2602を囲い256内で選択し、平行して、チャネル252中に移動させることができる。
【0166】
検出器224は、囲い256内の生物学的微小物体1002の画像を含む、流動領域240の全部または一部の画像を取り込むことが可能であり、それらの画像は、個々の陰性の生物学的微小物体2602を、識別、捕捉するとともに、特定の囲い256からチャネル252中へと移動させることを容易にすることができる。検出器224および/またはセレクタ222(例えば、
図3Aおよび3BのDEPデバイスとして構成されている)は、したがって、ある特性に対して陰性の試験結果を生じる微小物体から、その特性に対して陽性の試験結果を生じる微小物体を分離する手段の1つまたは2つ以上の例とすることができる。
【0167】
図27に示されるように、陰性の生物学的微小物体1802がチャネル252内にある状態で、媒体244の流れ804は、生物学的微小物体1802を、チャネル252の外に、いくつかの例では、マイクロ流体デバイス200の外に(例えば、出口210を介して)洗い出すことができる。例えば、流れ804が先に停止されるか、減速されていた場合には、流れ804を再開するか、または増大させることができる。
【0168】
代替的に、ステップ108において陽性の試験結果を生じた生物学的微小物体1002は、ステップ110において、囲い256からチャネル252中に移動させて、流れ804によって、チャネル252から洗い流すことができる。そのような例において、ステップ104および108の両方において、陽性の試験結果を生じた、生物学的微小物体1002は、保管して、さらなる処理をし、別のデバイス(図示せず)へ配送するなどのために、マイクロ流体デバイス200内の別の場所に収集することができる。ステップ108において陰性の試験結果を生じた生物学的微小物体1802を、その後に、保持囲い256から除去して、廃棄することができる。
【0169】
図28および29に示されるように、アッセイ材料1910は、チャネル434(
図28)から洗い流すことができる。次いで、
図29に示されるように、ステップ108において陰性の試験結果を生じた、マイクロ流体デバイス400内の生物学的微小物体1204、1206を、滞留囲い428、440から、チャネル434中に移動させることが可能であり、そこから、陰性の生物学的微小物体1204、1206を、(例えば、チャネル434内の媒体の流れ(図示しないが、
図28の2802のようなものとすることができる)によって)チャネル434から空にすることができる。生物学的微小物体1202、1204、1206を、チャネル434から滞留囲い436、438、440中に移動させるための、上記で考察した任意の方法(例えば、DEP、重力、その他)で、生物学的微小物体1204、1026を、滞留囲い438、440からチャネル434中に移動させることができる。
【0170】
ステップ108および110の後に、プロセス100は、ステップ108において実行された試験に従って、ステップ104において選択された、微小物体(例えば、1002、1202、1204、1206)をさらに分類している。さらに、ステップ108における後続の試験に対して、やはり陽性の試験結果を生じた、ステップ104において選択された微小物体は、保持囲い(例えば、256、436、438、440)内に残留させることができるのに対して、陰性の微小物体は除去することができる。
【0171】
上記で考察したように、ステップ108および110は、繰り返して、n回実行することが可能であり、ここでnは整数1(この場合には、ステップ108および100は1回実行されているが、繰返しはされない)または2以上である。ステップ108の各繰返しにおいて実行される、後続の試験は、異なる試験とすることができる。代替的に、ステップ108の繰返しにおいて実行される、後続の試験は、ステップ104において先に実行されたのと同じ試験とするか、またはステップ108の先行実行とすることができる。すなわち、ステップ102において装入された、生物学的微小物体(例えば、生物学的微小物体)は、n+1回の一連の試験に供することができる。いくつかの態様においては、n+1試験のそれぞれは、異なる試験とすることが可能であり、いくつかの態様においては、n+1試験のそれぞれは、異なる特性について試験することができる。したがって、プロセス100は、生物学的微小物体の初期混合物から、それぞれが異なるものとすることのできるn+1試験に陽性の試験結果を生じる群を分類することが可能であり、いくつかの実施形態においては、プロセス100は、生物学的微小物体の初期混合物から、n+1の異なる特性について陽性の試験結果を生じる群を分類することができる。
【0172】
代替的に、プロセス100は、ステップ104において生物学的微小物体を選択し、次いで、選択された生物学的微小物体を、生物学的微小物体が陽性の試験結果を生じる、ステップ108における(同時に実行されるか、またはステップ108を繰り返すことによって実行される)試験の数に従って、ランク付けすることができる。このように複数の特性について試験することは、抗体特性分析を含む、多くの応用に対して望ましい。例えば、複数の試験は、以下のいずれかで役に立つ:立体配座特異抗体(conformation specific antibodies)の識別(例えば、異なる試験によって、抗体分析物の、特定の抗原の異なる配座に結合する能力を評価することができる);抗体分析物のエピトープマッピング(epitope mapping)(例えば、遺伝子的または化学変化した抗原を使用する);抗体分析物の種交差反応性(species cross-reactivity)の評価(例えば、異なる試験によって、抗体分析物の、ヒト、マウス、ラット、および/またはその他の動物(例えば、実験用動物)に由来する相同抗原(homologous antigens)に結合する能力を評価することができる);および抗体分析物のIgGアイソタイピング(isotyping)。抗体のエピトープマッピングのための、化学的に修飾された抗原の生成については、例えば、Dhunganaら、Methods Mol. Biol. 524:119−34 (2009)に記載されている。
【0173】
プロセス100全体を、1回または2回以上、繰り返すことができる。すなわち、ステップ108および110をn回、実行した後に、ステップ102〜106を、再びk回、実行して、それに続いて、ステップ108および110をさらにn回、実行することができる。数kは、プロセス100の各繰返しに対して、同じ数である必要はない。同様に、数nは、プロセス100の各繰返しに対して、同じ数である必要はない。例えば、プロセス100の特定の繰返しに対する、ステップ108および110の最終繰返し、
図27に示される流れ804は、
図8に示されるように、生物学的微小物体の新しい混合物をマイクロ流体デバイス200のチャネル252中に装入し、したがって、マイクロ流体デバイス200上でのプロセス100の次の実行に対するステップ102の一部とすることができる。
【0174】
プロセス100は、同様に、マイクロ流体デバイス200上で、複数回繰り返すことができる。例えば、プロセス100は、ステップ110において滞留囲い436、438、440に保持されている、陽性の生物学的微小物体を再試験または分析するために;低下した濃度(初期試験が、滞留囲い当たり複数の生物学的微小物体を用いて実行されたと仮定して、滞留囲い当たり1個の生物学的微小物体)において陽性の生物学的微小物体を再試験または再分析するために;ステップ108の次の繰返しにおいて、マイクロ流体デバイス400中に装入された新しい生物学的微小物体を試験または分析するために;(例えば、第1および追加の対象とする分析物を検出するように設計された、アッセイ材料1910を用いてステップ108を繰り返すことによって)異なる分析物材料について、ステップ110において、それらの滞留囲い436、438、440に維持された陽性の生物学的微小物体を試験または分析するために、その他のために繰り返すことできる。
【0175】
図30は、別の例を示す。図示のように、プロセス110が実行された後に、その滞留囲い(例えば、436)に保たれている生物学的微小物体(例えば、1202)の1つまたは2つ以上が、その滞留囲い(例えば、436)内で生物学的微小物体のクローンコロニー(clonal colony)3002を生成するのを許容することができる。次いで、プロセス100(例えば、ステップ108および110)の全部または一部を使用して、コロニー3002を試験または分析することができる。代替的に、生物学的微小物体を、上記で考察したように、分離して再試験することができる。さらに別の代替形態においては、プロセス100が完了する前に(例えば、ステップ106または108の後であるが、ステップ110の前に)、生物学的微小物体が、コロニーに成長するのを許容することができる。
【0176】
本明細書においては、本発明の特定の態様および応用について記述したが、これらの態様および応用は、例示だけのものであり、多くの変形形態が可能である。例えば、
図1のプロセス100および
図25のプロセス2500は、例にすぎず、変形形態が考えられる。すなわち、例えば、プロセス100および/またはプロセス2500のステップの少なくとも一部を、示されているのと異なる順序で実行することが可能であり、ステップの一部は、同時に実行されるか、またはそうではなく、他のものの実行と重複することも可能である。その他の例として、プロセス100、250は、示されていない追加のステップを含むこと、または示されているステップの一部が欠けることも可能である。
【0177】
実施例
実施例1−ヒトCD45に結合する能力のあるIgG抗体の分泌のための、マウス脾臓細胞のスクリーニング
ヒトCD45に結合するIgG型抗体を分泌する、マウス脾臓細胞を識別するために、スクリーニングを実行した。実験設計には、以下のステップを含めた。
1. CD45抗原被覆ビーズの生成;
2. マウス脾臓細胞を採取;
3. マイクロ流体デバイス中に細胞を装入;および
4. 抗原特異性についての検定。
【0178】
実験に使用された試薬には、表1の示されるものが含まれた。
【表1】
【0179】
CD45抗原被覆ビーズの生成
CD45抗原被覆マイクロビーズは、以下の方法で生成した。
50μgの無担体CD45を、500μLのPBS(pH7.2)に再懸濁させた。
Slide−A−Lyzer Miniカップを、500μLのPBS(pH7.2)で洗滌し、次いで微量遠心管(microfuge tube)に追加した。
50μLの0.1μg/μL CD45溶液を、洗滌されたSlide−A−Lyzer Miniカップに加えた。
【0180】
170μLのPBSを、2mgのNHS−PEG4−Biotinに加えて、その後に4.1μLのNHS−PEG4−Biotinを、CD45抗原を収納するSlide−A−Lyzer Miniカップに加えた。
NGS−OEG4−Biotinを、室温で1時間、CD45抗原で培養した。
【0181】
培養に続いて、Slide−A−Lyzer Miniカップは、微量遠心管から取り外して、第2の微量遠心管内の1.3ミリリットル(mls)のPBS(pH7.2)中に置いて、最初の1時間期間、揺動を与えて4℃で培養した。Slide−A−Lyzer Miniカップは、引き続き、1.3ミリリットル(mls)の新鮮なPBSを収納する(pH7.2)の第3の微量遠心管へ移し、第2の1時間期間、揺動を与えて4℃で培養した。この最後のステップは、合計で5回の1時間培養のために、さらに3回繰り返した。
【0182】
100μLのビオチン化CD45溶液(〜50ng/μL)を、ラベルを付けた管にピペット注入した。
500μLのSpherotech社のストレプトアビジン被覆ビーズを、微量遠心管中にピペット注入し、PBS(pH7.4)中で3回洗浄し(1000μL/洗浄)、次いで3000RCF(Relative Centrigugal Force)で5分間、遠心分離した。
このビーズを、500μl PBS(pH7.4)に再懸濁させて、結果として、5mg/mlのビーズ濃度を得た。
【0183】
50μLのビオチン化タンパク質を、再懸濁されたSpherotech社製ストレプトアビジンを被覆したビーズと混合した。混合物を、2時間、揺動を与えて4℃で培養し、次いで、3000RCFで5分間、4°で遠心分離した。上澄みを廃棄して、CD45被覆ビーズを、1mLのPBS(pH7.4)内で3回、洗浄した。次いで、ビーズを、4℃でさらに5分間、遠心分離した。最後に、CD45ビーズを、500μLのPBS(pH7.4)に再懸濁させて、4℃で保管した。
【0184】
マウス脾臓細胞を採取
CD45で免疫化されたマウスからの脾臓を採取し、DMEM媒体+10%FBS中に置いた。はさみを使用して、脾臓を切り刻んだ。
切り刻まれた脾臓を、40μmセルストレーナ(cell strainer)内に入れた。単独細胞を、10mlピペットで、セルストレーナを通して洗浄した。ガラス棒を使用して、脾臓をさらに砕いて、単独細胞を、セルストレーナを通過させて、その後に、単独細胞を、10mlピペットでセルストレーナを通して、再び洗浄した。
赤血球を、市販キットを用いて溶解させた。
細胞を200×Gで遠心沈殿させて、未処理の脾臓を、2e
8細胞/mlの濃度で、10mlピペットでDMEM媒体+10%FBS内で再懸濁させた。
【0185】
マイクロ流体デバイス中に細胞を装入
脾臓細胞は、マイクロ流体チップ中に移して、囲い当たり20〜30個の細胞を収容する囲い中に装入した。100μLの媒体を、1μL/sでデバイスを通過して流し、不要な細胞を取り除いた。温度は、36℃に設定し、培地は、0.1μL/secで30分間、灌流させた。
【0186】
抗原特異性について検定
1:2500ヤギ抗マウスF(ab’)2−Alexa568を含有する細胞媒体を調製した。
100μLのCD45ビーズを、1:2500希釈のヤギ抗マウスF(ab’)2−Alexa568を含有する、22μLの細胞媒体内で再懸濁させた。
再懸濁されたCD45ビーズを、次に、それらが脾臓細胞を収納する囲いに隣接するが、すぐ外側に位置するまで、1μL/secの流量で、マイクロ流体チップの主チャネルに流入させた。次いで、流体流を停止させた。
次いで、マイクロ流体チップは、明視野で撮像されて、ビーズの場所を特定した。
次に、Texas Red Filterを使用して、細胞とビーズの画像を取り込んだ。画像は、1時間の間、5分ごとに採取し、各露出は1000ms続き、利得は5であった。
【0187】
結果
IgG−isotype抗体が、ある囲いから出て、それらがCD45被覆ビーズに結合することができる主チャネル中へ拡散する拡散を反映して、陽性の信号がビーズ上で発達するのを観察した。抗CD45抗体のビーズへの結合によって、二次ヤギ抗マウスIgG−568が、ビーズと連携して、検出可能な信号を生成するのを可能にした。
図31A〜31Cおよび白の矢印を参照。
本発明の方法を使用すると、陽性信号に関連づけられた脾臓細胞の各群を、分離させ、単独細胞として新規の囲いに移動させて、再検定することも可能である。このようにして、抗CD45IgG抗体を発現させている単独細胞を検出することもできる。
【0188】
いずれかの先述の改変に加えて、多数のその他の変形形態および代替的配設が、本明細書の趣旨と範囲から逸脱することなく、当業者によって考案され得る。すなわち、情報は、現在において最も実際的で好ましい観点であると考えられるものと関係して、具体性と詳細をもって記述したが、当業者には、それに限定はされないが、形態、機能、動作方法、および使用を含む多数の改変を、本明細書に記載した原理と概念から逸脱することなく行うことができることが明白であろう。本明細書において使用されるときには、実施例および態様は、すべての点において、例示の目的だけのものであり、いかなる方法においても限定的なものとして解釈されるべきではない。また、本明細書においてステップという用語が使用されているが、この用語は、記述された方法の異なる部分に単に注意を向けるために使用されるものであり、方法のいかなる部分に対しても、開始点または停止点を描くことを意図するものではなく、またその他の方法で限定するものではないことに留意されるべきである。