【文献】
KEMBER, Michael R. , et al.,Inorganic Chemistry,2009年,48(19),pp. 9535-9542
【文献】
KIM, Il, et al.,Macromolecular Symposia,2005年,224,181-191
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義
本発明を目的として、脂肪族基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、完全に飽和しても、または1以上の不飽和ユニットを含んでもよいが、芳香族ではない炭化水素部分である。「不飽和」ということばは、1以上の二重および/または三重結合を有する部分を意味する。したがって、「脂肪族」ということばは、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、およびこれらの組み合わせを包含するものと解する。脂肪族基は、好ましくはC
1−20脂肪族基、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20炭素原子を有する脂肪族基である。好ましくは、脂肪族基は、C
1−15脂肪族、より好ましくはC
1−12脂肪族、より好ましくはC
1−10脂肪族、さらにより好ましくはC
1−8脂肪族、例えば、C
1−6脂肪族基である。
【0026】
アルキル基は、好ましくは「C
1−20アルキル基」、即ち、1〜20炭素を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基である。したがって、アルキル基は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20炭素原子を有する。好ましくは、アルキル基は、C
1−15アルキル、好ましくはC
1−12アルキル、より好ましくはC
1−10アルキル、さらにより好ましくはC
1−8アルキル、さらにより好ましくはC
1−6アルキル基である。具体的には、「C
1−20アルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基などが挙げられる。
【0027】
アルケニル基およびアルキニル基は、それぞれ、好ましくは「C
2−20アルケニル」基および「C
2−20アルキニル」基であり、より好ましくは「C
2−15アルケニル」基および「C
2−15アルキニル」基であり、さらにより好ましくは「C
2−12アルケニル」基および「C
2−12アルキニル」基であり、さらにより好ましくは「C
2−10アルケニル」基および「C
2−10アルキニル」基であり、さらにより好ましくは「C
2−8アルケニル」基および「C
2−8アルキニル」基であり、最も好ましくは「C
2−6アルケニル」基および「C
2−6アルキニル」基である。
【0028】
ヘテロ脂肪族基は、1以上のヘテロ原子をさらに含む、上記したのと同様の脂肪族基である。したがって、ヘテロ脂肪族基は、少なくとも1原子が炭素原子である、2〜21原子、好ましくは2〜16原子、より好ましくは2〜13原子、より好ましくは2〜11原子、より好ましくは2〜9原子、さらにより好ましくは2〜7原子を含む。特に好ましいヘテロ原子は、O、S、N、PおよびSiから選択される。ヘテロ脂肪族基が2以上のヘテロ原子を有する場合には、ヘテロ原子は同じであってもまたは異なってもよい。
【0029】
脂環式基は、3〜20炭素原子を有する飽和または一部不飽和の環状脂肪族単環または多環(融合、架橋及びスピロ融合(spiro-fused)を含む)環系、すなわち、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20炭素原子を有する脂環式基である。好ましくは、脂環式基は、3〜15、より好ましくは3〜12、さらにより好ましくは3〜10、さらにより好ましくは3〜8炭素原子、さらにより好ましくは3〜6炭素原子を有する。「脂環式」ということばは、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニル基を包含する。脂環式基は、−CH
2−シクロヘキシル等の、1以上の連結または非連結アルキル置換基を有する脂環式環を包含すると解されるであろう。具体的には、C
3−20シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル及びシクロオクチルが挙げられる。
【0030】
ヘテロ脂環式基は、炭素原子に加えて、好ましくはO、S、N、P及びSiから選択される、1以上の環ヘテロ原子を有する、上記と同様の脂環式基である。ヘテロ脂環式基は、好ましくは1〜4ヘテロ原子を有し、この際、これらは同じであってもまたは異なってもよい。ヘテロ環基は、好ましくは5〜20原子、より好ましくは5〜14原子、さらにより好ましくは5〜12原子を有する。
【0031】
アリール基は、5〜20炭素原子を有する単環または多環環系(monocyclic or polycyclic ring system)である。アリール基は、好ましくは「C
6−12アリール基」であり、6、7、8、9、10、11または12炭素原子で構成されるアリール基であり、単環環基(monocyclic ring group)、または2環環基(bicyclic ring group)等の縮合環基を包含する。具体的には、「C
6−10アリール基」の例としては、フェニル基、ビフェニル基、インデニル基、ナフチル基またはアズレニル基などが挙げられる。インダンやテトラヒドロナフタレン等の縮合環もまたアリール基に包含されることに留意すべきである。
【0032】
ヘテロアリール基は、炭素原子に加えて、好ましくはO、S、N、P及びSiから選択される、1〜4環ヘテロ原子を有する、アリール基である。ヘテロアリール基は、好ましくは5〜20、より好ましくは5〜14環原子を有する。具体的には、ヘテロアリール基の例としては、ピリジン、イミダゾール、メチルイミダゾール及びジメチルアミノピリジンが挙げられる。
【0033】
脂環式、ヘテロ脂環式、アリール及びヘテロアリール基の例としては、以下に制限されないが、シクロヘキシル、フェニル、アクリジン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、シンノリン、ダイオキシン、ジオキサン、ジオキソラン、ジチアン、ジチアジン(dithiazine)、ジチアゾール(dithiazole)、ジチオラン(dithiolane)、フラン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、インドール、インドリン、インドリジン、インダゾール、イソインゾール(isoindole)、イソキノリン、イソオキサゾール、イソチアゾール、モルホリン、ナフチリジン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサチアゾール、オキサチアゾリジン、オキサジン、オキサジアジン(oxadiazine)、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、フタラジン、ピペラジン、ピペリジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、ピロリン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、キノリジン、テトラヒドロフラン、テトラジン、テトラゾール、チオフェン、チアヂアジン、チアジアゾール、チアトリアゾール、チアジン、チアゾール、チオモルホリン、チアナフタレン、チオピラン、トリアジン、トリアゾール及びトリチアン(trithiane)が挙げられる。
【0034】
「ハライド(halide)」または「ハロゲン」ということばは、交互に用いられ、本明細書で使用される場合には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを意味し、好ましくはフッ素原子、臭素原子または塩素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
【0035】
ハロアルキル基は、好ましくは「C
1−20ハロアルキル基」、より好ましくは「C
1−15ハロアルキル基」より好ましくは「C
1−12ハロアルキル基」、より好ましくは「C
1−10ハロアルキル基」、さらにより好ましくは「C
1−8ハロアルキル基」、さらにより好ましくは「C
1−6ハロアルキル基」であり、少なくとも1個のハロゲン原子、好ましくは1、2または3個のハロゲン原子で置換される上記したのと同様の、それぞれ、C
1−20アルキル基、C
1−15アルキル基、C
1−12アルキル基、C
1−10アルキル基、C
1−8アルキル基、またはC
1−6アルキル基である。具体的には、「C
1−20ハロアルキル基」の例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基などが挙げられる。
【0036】
アルコキシ基は、好ましくは「C
1−20アルコキシ基」、より好ましくは「C
1−15アルコキシ基」、より好ましくは「C
1−12アルコキシ基」、より好ましくは「C
1−10アルコキシ基」、さらにより好ましくは「C
1−8アルコキシ基」、さらにより好ましくは「C
1−6アルコキシ基」であり、それぞれ、前記C
1−20アルキル、C
1−15アルキル、C
1−12アルキル、C
1−10アルキル、C
1−8アルキル、またはC
1−6アルキル基に結合したオキシ基である。具体的には、「C
1−20アルコキシ基」の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソ−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソ−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソ−ヘキシルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクラデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、2−メチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基などが挙げられる。
【0037】
アリールオキシ基は、好ましくは「C
5−20アリールオキシ基」、より好ましくは「C
6−12アリールオキシ基」、さらにより好ましくは「C
6−10アリールオキシ基」であり、それぞれ、前記C
5−20アリール基、C
6−12アリール基、またはC
6−10アリール基に結合するオキシ基である。
【0038】
アルキルチオ基は、好ましくは「C
1−20アルキルチオ基」、より好ましくは「C
1−15アルキルチオ基」、より好ましくは「C
1−12アルキルチオ基」、より好ましくは「C
1−10アルキルチオ基」、さらにより好ましくは「C
1−8アルキルチオ基」、さらにより好ましくは「C
1−6アルキルチオ基」であり、それぞれ、前記C
1−20アルキル基、C
1−15アルキル基、C
1−12アルキル基、C
1−10アルキル基、C
1−8アルキル基、またはC
1−6アルキル基に結合するチオ(−S−)基である。
【0039】
アリールチオ基は、好ましくは「C
5−20アリールチオ基」、より好ましくは「C
6−12アリールチオ基」、さらにより好ましくは「C
6−10アリールチオ基」であり、それぞれ、前記C
5−20アリール基、C
6−12アリール基、またはC
6−10アリール基に結合するチオ(−S−)基である。
【0040】
アルキルアリール基は、好ましくは「C
6−12アリールC
1−20アルキル基」、より好ましくは「C
6−12アリールC
1−16アルキル基」、さらにより好ましくは「C
6−12アリールC
1−6アルキル基」であり、上記したのと同様のアルキル基のいずれかの位置に結合した上記と同様のアリール基である。アルキルアリール基の分子への結合点は、アルキル部分を介してもよく、ゆえに、好ましくは、アルキルアリール基は、−CH
2−Phまたは−CH
2CH
2−Phである。アルキルアリール基はまた、「アラルキル」とも称される。
【0041】
シリル基は、好ましくは基−Si(R
s)
3であり、この際、各R
sは、独立して、水素、上記定義と同様である脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、各R
sは、独立して、水素、または非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、各R
sは、独立して、水素またはメチル、エチルもしくはプロピルから選択されるアルキル基から選ばれる。
【0042】
シリルエーテル基は、好ましくは基OSi(R
6)
3であり、この際、各R
6は、独立して、水素または上記定義と同様である脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、各R
6は、独立して、水素または非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、各R
6は、水素またはメチル、エチルもしくはプロピルから選択されるアルキル基である。
【0043】
ニトリル基(シアノ基とも称される)は基CNである。
【0044】
イミン基は、基−CRNR、好ましくは基−CHNR
7であり、この際、R
7は、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基である。特定の実施形態では、R
7は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、各R
7は、メチル、エチルまたはプロピルから選択されるアルキル基である。
【0045】
アセチリド基(acetylide group)は、三重結合−C≡C−R
9を含み、好ましくはこの際、R
9は、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。R
9がアルキルである際の本発明を目的として、三重結合は、アルキル鎖のいずれの位置に存在してもよい。特定の実施形態では、R
9は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
9は、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルである。
【0046】
アミノ基は、好ましくは−NH
2、−NHR
10または−N(R
10)
2であり、この際、R
10は、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、シリル基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。アミノ基がN(R
10)
2である場合には、各R
10基は同じであってもまたは異なってよいと解される。特定の実施形態では、各R
10は、独立して、非置換の脂肪族、脂環式、シリルまたはアリールである。好ましくは、R
10は、メチル、エチル、プロピル、SiMe
3またはフェニルである。
【0047】
アミド基は、好ましくは−NR
11C(O)−または−C(O)−NR
11−であり、この際、R
11は、水素、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、R
11は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
11は、水素、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルである。アミド基は、水素、脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリールまたはヘテロアリール基で終わってもよい。
【0048】
エステル基は、好ましくは−OC(O)R
12−または−C(O)OR
12−であり、この際、R
12は、水素、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、R
12は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
12は、水素、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルである。上記エステル基は、水素、脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基で終わってもよい。
【0049】
スルホキシドは、好ましくは−S(O)R
13であり、スルホニル基は、好ましくは−OS(O)
2R
13であり、この際、R
13は、水素、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、R
13は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
13は、水素、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルである。
【0050】
カルボキシレート基(carboxylate group)は、好ましくは−OC(O)R
14であり、この際、R
14は、水素、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、R
14は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
14は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチル)、フェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、トリフルオロメチルまたはアダマンチルである。
【0051】
アセトアミド(acetamide)は、好ましくはMeC(O)N(R
15)
2であり、この際、R
15は、水素、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、R
15は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
15は、水素、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルである。
【0052】
ホスフィネート(phosphinate)基は、好ましくは−OP(O)(R
16)
2または−P(O)(OR
16)であり、この際、各R
16は、独立して、水素、または上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基もしくはヘテロアリール基から選択される。特定の実施形態では、R
16は、脂肪族、脂環式、アリールまたはC
1−6アルコキシで置換されてもよい、脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
16は、置換されてもよいアリールまたはC
1−20アルキルであり、より好ましくは、C
1−6アルコキシ(好ましくは、メトキシ)で置換されてもよいフェニルまたは非置換のC
1−20アルキル(ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ステアリル等)である。
【0053】
スルフィネート基(sulfinate group)は、好ましくは−OSOR
17であり、この際、R
17は、水素、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、ハロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、R
17は、非置換の脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
17は、水素、メチル、エチル、プロピルまたはフェニルである。
【0054】
カーボネート(carbonate)基は、好ましくはOC(O)OR
18であり、この際、R
18は、水素、上記定義と同様の脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。特定の実施形態では、R
18は、置換されてもよい脂肪族、脂環式またはアリールである。好ましくは、R
18は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチル)、フェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、トリフルオロメチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはアダマンチルである。
【0055】
上記基のいずれかがルイス塩基G中に存在する場合には、必要に応じて、1以上の別のR基が価数を満たすために存在してもよいと理解されるであろう。例えば、アミノ基の場合には、別のR基がRNHR
10(この際、Rは、水素、上記定義と同様の置換されてもよい脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基またはヘテロアリール基である)となるように存在してもよい。好ましくは、Rは、水素または脂肪族、脂環式もしくはアリールである。
【0056】
上記定義において述べてきた脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアリール基、シリル基、シリルエーテル基、エステル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボキシレート(carboxylate)基、カーボネート(carbonate) 基、イミン基、アセチリド基、アミノ基、ホスフィネート(phosphinate)基、スルホネート基またはアミド基のいずれかが、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシレート(carboxylate)基、カーボネート(carbonate)基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルアリール基、アミノ基、アミド基、イミン基、ニトリル基、シリル基、シリルエーテル基、エステル基、スルホキシド基、スルホニル基、アセチリド基、ホスフィネート(phosphinate)基、スルホネート基または置換されてもよい脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、脂環式基、ヘテロ脂環式基、アリール基もしくはヘテロアリール基によって置換されてもよい(例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カーボネート(carbonate)、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、イミン、ニトリル、シリル、スルホキシド、スルホニル、ホスフィネート(phosphinate)、スルホネートまたはアセチリドによって置換されてもよい)。
【0057】
式(I)において、基X及びGは一つのM
1またはM
2金属中心と結合するものとして記載されているが、1以上のXおよび/またはG基がM
1およびM
2金属中心間で架橋を形成してもよい。
【0058】
本発明を目的として、エポキシド基質は制限されない。したがって、エポキシドということばは、エポキシド部分を有する化合物に関する。本発明を目的としたエポキシドの好ましい例としては、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、プロピレンオキシド、置換シクロヘキセンオキシド(リモネンオキシド、C
10H
16Oまたは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、C
11H
22O等)、アルキレンオキシド(エチレンオキシド及び置換エチレンオキシド等)または非置換もしくは置換オキシラン(エピクロロヒドリン、1,2−エポキシブタン、グリシジルエーテル等)、2−(2−メトキシエトキシ)メチルオキシラン(MEMO)、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチルオキシラン(ME2MO)、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)メチルオキシラン(ME3MO),1,2−エポキシブタン、グリシジルエーテル等)、ビニル−シクロヘキセンオキシド、3−フェニル−1,2−エポキシプロパン、1,2−および2,3−エポキシブタン、イソブチレンオキシド、シクロペンテンオキシド、2,3−エポキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、インデンオキシド、ならびに官能化(functionalized)3,5−ジオキサエポキシドが挙げられる。官能化(functionalized)3,5−ジオキサエポキシドの例としては、以下がある:
【0060】
エポキシド部分は、グリシジルエーテルまたはグリシジルカーボネートであってもよい。グリシジルエーテル及びグリシジルカーボネートの例としては、以下がある:
【0062】
エポキシド基質は1超のエポキシド部分を含んでもよい、すなわち、ビス−エポキシド、トリス−エポキシド、またはマルチ−エポキシドを含む部分であってもよい。1超のエポキシド部分を含む化合物の例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートがある。1以上の1超のエポキシド部分を含む化合物の存在下で行われる反応により、得られるポリマーが架橋されうると理解されるであろう。
【0063】
当業者は、エポキシドが「環境に優しい(green)」または再生可能な源から得られてもよいと認識するであろう。エポキシドは、標準的な酸化化学を用いて得られる、脂肪酸および/またはテルペン由来のもの等の、(ポリ)不飽和化合物から得られてもよい。
【0064】
エポキシド部分は、−OH部分、または保護された−OH部分を有していてもよい。−OH部分は適当な保護基で保護されてもよい。適当な保護基としては、メチルまたは他のアルキル基、ベンジル、アリル、tert−ブチル、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシメチル(MOM)、アセチル(C(O)アルキル)、ベンゾリル(C(O)Ph)、ジメトキシトリチル(DMT)、メトキシエトキシメチル(MEM)、p−メトキシベンジル(PMB)、トリチル、シリル(トリメチルシリル(TMS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリ−イソ−プロピルシリルオキシメチル(TOM)、及びトリイソプロピルシリル(TIPS)等)、(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル(MMT)、テトラヒドロフラニル(THF)、およびテトラヒドロピラニル(THP)が挙げられる。
【0065】
好ましくは、エポキシドは、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド及びスチレンオキシドから選択される。
【0066】
エポキシドは、好ましくは、少なくとも98%、より好ましくは>99%の純度を有する。
【0067】
「エポキシド」ということばは1以上のエポキシドを含むものであると解されるであろう。換言すると、「エポキシド」ということばは、単一のエポキシド、または2以上の異なるエポキシドの混合物を意味する、例えば、エポキシド基質は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの混合物、シクロヘキセンオキシド及びプロピレンオキシドの混合物、エチレンオキシド及びシクロヘキセンオキシドの混合物、またはエチレンオキシド,プロピレンオキシド及びシクロヘキセンオキシドの混合物であってもよい。
【0068】
また、当業者は、置換及び非置換オキセタンを、本発明の第二の態様のエポキシドの代わりに、またはに加えて使用してもよいことを理解するであろう。適当なオキセタンとしては、非置換または置換されたオキセタン(好ましくは、3位をハロゲン、アルキル(非置換または−OHもしくはハロゲンで置換)、アミノ、ヒドロキシル、アリール(例えば、フェニル)、アルキルアリール(例えば、ベンジル)で置換)が挙げられる。オキセタンの例としては、オキセタン、3−エチル−3−オキセタンメタノール、オキセタン−3−メタノール、3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−メチルオキセタン、3−エチルオキセタンなどが挙げられる。
【0069】
「無水物」ということばは、環系に無水物部分を有する化合物(即ち、環状の無水物)に関する。好ましくは、本発明で使用できる無水物は下記式を有する:
【0071】
ただし、m”は、1、2、3、4、5、または6(好ましくは、1または2)であり、各R
a1、R
a2、R
a3およびR
a4は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリド、カルボキシレートまたは置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールから選択され;あるいは、R
a1、R
a2、R
a3およびR
a4の2以上が、一緒に結合して、飽和の、部分的に飽和のまたは不飽和の3〜12員の、置換されてもよい環系(1以上のヘテロ原子を有していてもよい)を形成してもよい、または一緒に結合して、二重結合を形成してもよい。各Qは、独立して、C、O、NまたはS、好ましくはCであり、この際、R
a3及びR
a4は、いずれかが存在する、または存在しない、さらに
【0075】
ラクトンということばは、環内に−C(O)O−部分を有する環状化合物に関する。好ましくは、本発明で使用できるラクトンは、下記式を有する:
【0077】
ただし、mは、1〜20(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20)、好ましくは2、4、または5であり;ならびにR
L1およびR
L2は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリド、カルボキシレートまたは置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールから選ばれる。R
L1およびR
L2の2以上が一緒に結合して、飽和の、部分的に飽和のまたは不飽和の3〜12員の、置換されてもよい環系(1以上のヘテロ原子を有していてもよい)を形成してもよい。mが2以上である場合には、各炭素原子上のR
L1およびR
L2は、同じであってもまたは異なってもよい。好ましくは、R
L1およびR
L2は水素またはアルキルから選ばれる。好ましくは、ラクトンは、下記構造を有する:
【0079】
ラクチドということばは、2個のエステル基を含む環状化合物である。好ましくは、本発明で使用できるラクチドは、下記式を有する:
【0081】
ただし、m’は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10、(好ましくは1または2、より好ましくは、1)であり、ならびにR
L3およびR
L4は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリド、カルボキシレートまたは置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリールから選ばれる。R
L3およびR
L4の2以上が一緒に結合して、飽和の、部分的に飽和のまたは不飽和の3〜12員の、置換されてもよい環系(1以上のヘテロ原子を有していてもよい)を形成してもよい。m’が2以上である場合には、各炭素原子上のR
L3およびR
L4は、同じであってももしくは異なっても、または隣接する炭素原子上のR
L3およびR
L4の1以上が存在せずに、2重または3重結合を形成していもよい。化合物が(−CR
L3R
L4)
m’で表わされる2個の部分を有する際には、双方の部分は同じであろうと解されるであろう。好ましくは、m’は1であり、R
L4はHであり、およびR
L3はH、ヒドロキシルまたはC
1−6アルキル、好ましくはメチルである。(−CR
L3R
L4)
m’によって表わされる部分の立体化学は、同じ(例えば、RR−ラクチドまたはSS−ラクチド)であっても、または異なる(例えば、メソ−ラクチド)であってもよい。ラクチドは、ラセミ混合物であっても、または光学的に純粋な異性体であってもよい。好ましくは、ラクチドは、下記式を有する:
【0083】
本明細書で使用される「ラクトンおよび/またはラクチド」ということばは、ラクトン、ラクチドならびにラクトンおよびラクチドの組み合わせを包含する。好ましくは、「ラクトンおよび/またはラクチド」ということばは、ラクトンまたはラクチドを意味する。
【0084】
基R
a1、R
a2、R
a3、R
a4、R
L1、R
L2、R
L3およびR
L4の好ましい任意の置換基としては、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、非置換の脂肪族、非置換のヘテロ脂肪族、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミン、ニトリル、アセチリド、およびカルボキシレートがある。
【0085】
詳細な説明
本発明の第一の態様では、式(I)の触媒が提供される:
【0087】
ただし:
M
1およびM
2は、異なりかつ独立して、Mg、Zn、Fe、Co、AlおよびCrから選択され;
R
1およびR
2は、独立して、水素、ハライド(halide)、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリル基、シリルエーテル基、スルホキシド基、スルホニル基、スルフィネート基(sulfinate group)もしくはアセチリド基(acetylide group)または置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、脂環式もしくはヘテロ脂環式(heteroalicyclic)基から選択され;
R
3は、独立して、置換されてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレンまたはシクロアルキレンから選択され、この際、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンおよびヘテロアルキニレンは、必要であれば、アリール、ヘテロアリール、脂環式またはヘテロ脂環式によって中断されて(interrupted by)もよく;
R
4は、独立して、H、または置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールもしくはアルキルアリールから選択され;
R
5は、H、または置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールまたはアルキルアリールであり;
E
1は、Cであり、E
2は、O、SもしくはNHであり、またはE
1はNでありかつE
2はOであり;
Xは、独立して、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OSOR
x、OSO(R
x)
2、S(O)R
x、OR
x、ホスフィネート(phosphinate)、ハライド(halide)、ニトレート(nitrate)、ヒドロキシル、カーボネート(carbonate)、アミノ、アミドまたは置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールもしくはヘテロアリールから選択され;
R
xは、独立して、水素、または置換されてもよい脂肪族、ハロ脂肪族(haloapliphatic)、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリールもしくはヘテロアリールであり;ならびに
Gは、存在しないまたは独立してルイス塩基である中性もしくはアニオン性ドナーリガンドである。
【0088】
当業者は、M
1またはM
2がMgまたはZnである場合には、金属は+2の酸化状態にある、すなわち、MgはMg(II)でありおよびZnはZn(II)であると理解するであろう。M
1またはM
2がCoまたはFeである場合には、金属は+2または+3の酸化状態にあると理解するであろう。換言すると、CoはCo(II)またはCo(III)のいずれかでありえ、およびFeはFe(II)またはFe(III)のいずれかでありえる。Feおよび/またはCoが+3の酸化状態である場合には、式(I)の触媒は、金属中心に一緒に配向する(co-ordinated to)別のX基を有する(この際、Xは本明細書における定義と同様である)であろう。M
1またはM
2がAlまたはCrである場合には、金属は+3の酸化状態にあるであろう、すなわち、AlはAl(III)−Xであり、CrはCr(III)−Xである。
【0089】
好ましくは、M
1およびM
2は異なり、独立して、Mg、Zn、FeおよびCoから選択される。さらにより好ましくは、M
1はMgまたはZnのいずれかである。換言すると、本発明の好ましい触媒では、M
1はZnでありかつM
2はMgである、M
1はZnでありかつM
2はCoである、M
1はZnでありかつM
2はFeである、M
1はMgでありかつM
2はCoである、またはM
1はMgでありかつM
2はFeである。本発明の非常に好ましい実施形態では、M
1はZnでありかつM
2はMgである。
【0090】
基R
1およびR
2の各存在は、同じであってもまたは異なってもよい。好ましくは、R
1およびR
2は、独立して、水素、ハライド(halide)、アミノ、ニトロ、スルホキシド、シリル、スルホニル、スルフィネート、および置換されてもよいアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルチオから選択される。好ましくは、R
2は水素である。
【0091】
さらにより好ましくは、各R
2は水素でありかつR
1は、独立して、水素、C
1−6アルキル(例えば、ハロアルキル)、アルコキシ、アリール、ハライド(halide)、ニトロ、シリル、スルホニルおよびアルキルチオ、例えば、
tBu、iPr、Me、OMe、H、ニトロ、ハロゲン、SiH
2Me、SiEt
3、SO
2Meまたはフェニルなどの、水素、ハライド(halide)、アミノ、ニトロ、スルホキシド、シリル、スルホニル、スルフィネートならびに置換されてもよいアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオから選択される。好ましくは、R
2の各存在は同じであり、およびR
1の各存在は同じであり、さらにR
1およびR
2は同じであっても異なってもよい。
【0092】
基R
3は、アリール、ヘテロアリール、脂環式またはヘテロ脂環式基で中断されてもよい(interrupted by)、2置換の(disubstituted)アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルもしくはヘテロアルキニル基である、または式(I)の触媒において2個の窒素中心間の架橋基として作用する2置換のアリールもしくはアルキル基であってもよいと解されるであろう。ゆえに、R
3がジメチルプロピレン等のアルキレン基である場合には、R
3基は−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−の構造を有する。したがって、上記で列挙された上記アルキル、アリール、シクロアルキル等の基の定義はまた、それぞれ、R
3について列挙されたアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン等の基に関し、R
3は置換されてもよい。R
3の具体的なオプションとしては、エチレン、2,2−ジメチルプロピレン、プロピレン、ブチレン、フェニレン、シクロヘキシレンまたはビフェニレンがあり、より好ましくは2,2−ジメチルプロピレンである。R
3がシクロヘキシレンである場合には、ラセミ、RR−またはSS−形態であってもよい。好ましくは、R
3は2,2−ジ(アルキル)プロピレン等の、置換プロピレンである。
【0093】
好ましくは、各R
4は、独立して、水素、および置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルまたはヘテロアリールから選択される。R
4の具体的なオプションとしては、H、Me、Et、Bn、iPr、tBuまたはPhがある。さらなる具体的なオプションとしては、−CH
2−(ピリジン)がある。特に好ましい実施形態では、各R
4は水素である。
【0094】
好ましくは、各R
5は、独立して、水素、および置換されてもよい脂肪族またはアリールから選択される。より好ましくは、R
5は、水素、および置換されてもよいアルキルまたはアリールから選択される。具体的なR
5基としては、水素、メチル、エチル、フェニル 及びトリフルオロメチルがあり、好ましくは水素、メチルまたはトリフルオロメチルである。特に好ましい実施形態では、各R
5は水素である。
【0095】
好ましくは、E
1はCでありかつE
2はO、SまたはNHである。特に好ましい実施形態では、E
1はCでありかつE
2はOである。
【0096】
各Xは、独立して、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OS(O)R
x、OSO(R
x)
2、S(O)R
x、OR
x、ホスフィネート(phosphinate)、ハライド(halide)、ニトロ、ヒドロキシル、カーボネート(carbonate)、アミノ、アミドおよび置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族(例えば、シリル)、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールまたはヘテロアリールから選択される。好ましくは、各Xは、独立して、OC(O)R
x、OSO
2R
x、OS(O)R
x、OSO(R
x)
2、S(O)R
x、OR
x、ハライド(halide)、ニトレート(nitrate)、ヒドロキシル、カーボネート(carbonate)、アミノ、ニトロ、アミド、アルキル(例えば、分岐鎖のアルキル)、ヘテロアルキル(例えば、シリル)、アリールまたはヘテロアリールから選択される。特に好ましい実施形態では、各Xは、独立して、OC(O)R
x、OR
x、ハライド(halide)、カーボネート(carbonate)、アミノ、ニトロ、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ホスフィネート(phosphinate)またはOSO
2R
xである。Xが脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールまたはヘテロアリールである場合の好ましい任意な置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、または置換もしくは非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールもしくはヘテロアリールがある。各Xは、同じであってもまたは異なってもよく、好ましくは各Xは同じである。
【0097】
R
xは、独立して、水素、または置換されてもよい脂肪族、ハロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリールもしくはヘテロアリールである。好ましくは、R
xは、置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールである。R
xの好ましい任意の置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルコキシ、アルキルチオ、または置換のもしくは非置換の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールもしくはヘテロアリール(例えば、置換されてもよいアルキル、アリール、またはヘテロアリール)がある。
【0098】
Xの具体的なオプションとしては、OAc、OCOEt、OC(O)CF
3、ハロゲン、OSO(CH
3)
2、Et、Me、OMe、OiPr、OtBu、Cl、Br、I、F、N(iPr)
2またはN(SiMe
3)
2、OPh、OBn、サリチレート(salicylate)、ジフェニルホスフィネート、ビス−(4−メトキシ)フェニルホスフィネート、ジオクチルホスフィネート、OCOBn、OCOCH
2C
6F
5、OCO(CH
2)
5CH
3、OCO(CH
2)
7CH
3、OCO(CH
2)
9CH
3、O(CH
2)
5CH
3、O(CH
2)
7CH
3、O(CH
2)
9CH
5などがある。
【0099】
Gが不存在でない場合には、Gは孤立電子対を提供できる基である(即ち、ルイス塩基)。特定の実施形態では、Gは窒素含有ルイス塩基である。各Gは、中性であってもまたは負に帯電してもよい。Gが負に帯電している場合には、錯体の電荷をつりあわせるためにさらに1以上の正のカウンターイオンが必要であろう。適当な正のカウンターイオンとしては、1族の金属イオン(Na
+、K
+など)、2族の金属イオン(Mg
2+、Ca
2+など)、イミダゾリウムイオン、正に帯電した置換されてもよいヘテロアリール、ヘテロ脂肪族またはヘテロ脂環式基、アンモニウムイオン(即ち、N(R
12)
4+)、イミニウムイオ(即ち、(R
12)
2C=N(R
12)
2+、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムイオン)またはホスホニウムイオン(P(R
12)
4+)があり、この際、各R
12は、独立して、水素または置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールもしくはヘテロアリールから選択される。具体的なカウンターイオンとしては[H−B]
+があり、この際、Bは、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンおよび7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセ−5−エンから選択される。
【0100】
Gは、好ましくは、独立して置換されてもよいヘテロ脂肪族基、置換されてもよいヘテロ脂環式基、置換されてもよいヘテロアリール基、ハライド(halide)、ヒドロキシド、ヒドリド(hydride)、カルボキシレート及び水から選択される。より好ましくは、Gは、独立して、水、アルコール、置換もしくは非置換のヘテロアリール(イミダゾール、メチルイミダゾール(例えば、N−メチルイミダゾール)、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、ピラゾールなど)、エーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、環状エーテルなど)、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、置換もしくは非置換のヘテロ脂環式(モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェンなど)、アミン、アルキアミントリメチルアミン、トリエチルアミンなど)、アセトニトリル、エステル(酢酸エチルなど)、アセトアミド(ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、カルボキシレート、ヒドロキシド、ヒドリド(hydride)、ハライド(halide)、ニトレート(nitrate)、スルホネートなどから選択される。実施形態によっては、Gの一方または双方が、独立して、置換されてもよいヘテロアリール、置換されてもよいヘテロ脂肪族、置換されてもよいヘテロ脂環式、ハライド(halide)、ヒドロキシド、ヒドリド、エーテル、チオエーテル、カルベン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、アミン、アルキルアミン、アセトニトリル、エステル、アセトアミド、スルホキシド、カルボキシレート、ニトレート(nitrate)またはスルホネートから選択される。特定の実施形態では、Gは、ハライド;ヒドロキシド;ヒドリド;水;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロまたはニトリルで置換されてもよい、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式またはカルボキシレート基から選択される。好ましい実施形態では、Gは、独立して、ハライド;水;アルキル(例えば、メチル、エチルなど)、アルケニル、アルキニル、アルコキシ(好ましくは、メトキシ)、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロまたはニトリルで置換されてもよいヘテロアリールから選択される。実施形態によっては、Gの一方または双方が負に帯電する(例えば、ハライド)。さらなる実施形態では、Gの一方または双方が置換されてもよいヘテロアリールである。具体的なG基としては、塩素、臭素、ピリジン、メチルイミダゾール(例えば、N−メチルイミダゾール)およびジメチルアミノピリジン(例えば、4−メチルアミノピリジン)がある。
【0101】
G基が存在する際には、G基は式(I)に示されるように1個のM金属に結合してもよい、またはG基は下記式(Ia)に示されるように双方の金属中心双方と結合して2個の金属中心間に架橋を形成してもよいと考えられるであろう。
【0103】
ただし、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、M、G、X、E
1およびE
2は、式(I)での定義と同様である。
【0104】
第一の態様の触媒に関する上記好ましい特徴は変更すべきところは変更して(mutatis mutandis)組み合わせて存在してもよいと、考えられるであろう。
【0105】
例えば、第一の態様の好ましい実施形態では、R
2、R
4およびR
5の各存在はHであり、R
3は置換されてもよいプロピレン、フェニレンまたはシクロヘキシレンであり、E
1はCでありかつE
2はO、SまたはNHである(好ましくは、E
2はOである)。好ましくは、M
1はMgでありかつM
2はZnである(逆の場合も同様である)。
【0106】
好ましくは、R
2、R
4およびR
5はHであり、R
3は置換されてもよいプロピレン、フェニレンまたはシクロヘキシレンであり、E
1はCでありかつE
2はO、SまたはNHであり(好ましくは、E
2はOであり)、各Xは独立してOC(O)R
x、OR
x、ハライド、カーボネート、アミノ、ニトロ、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ホスフィネートまたはOSO
2R
xであり、各R
1は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アルキルチオ、ハライド、アミノ、ニトロ、スルホキシド、スルホニル、スルフィネートまたはシリルであり、各G(存在する場合には)は独立してハライド;水;アルキル(例えば、メチル、エチルなど)、アルケニル、アルキニル、アルコキシ(好ましくは、メトキシ)、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロまたはニトリルで置換されてもよいヘテロアリールであり、さらにM
1またはM
2のいずれかはMgまたはZnである(さらにより好ましくは、M
1はZnでありかつM
2はMgである)。
【0107】
第一の態様の具体的な触媒は下記のとおりである:
【0109】
ただし、Gのいずれかの存在は存在しないまたは存在するのいずれかであり、さらに好ましくはXは独立してOC(O)R
x、OR
x、ハライド、カーボネート、アミノ、ニトロ、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ホスフィネートまたはOSO
2R
xであり、さらにより好ましくはXはOAcである。好ましくは、M
1またはM
2はMgまたはZnであり、さらにより好ましくは、M
1はZnでありかつM
2はMgである(逆の場合も同様である)。
【0110】
本発明の第二の態様では、第一の態様に係る触媒を有する触媒システムが提供される。
【0111】
第二の触媒システムは、行われる反応の性質によっては、(i)二酸化炭素およびエポキシドの;(ii)エポキシドおよび無水物の、または(iii)ラクチドおよび/またはラクトンの、反応を触媒できる1以上の第二の触媒を有していてもよい。適当な第二の触媒としては、WO 2009/130470に記載されるような式(I)の触媒およびWO 2013/034750に記載されるような式(I)または(III)の触媒があり、これらの公報の完全な内容は参考で本明細書中に引用される。換言すると、第二の触媒は、1以上の式(Ic)の触媒であってもよい。
【0113】
ただし、R
1〜R
5、E
1、E
2、GおよびXは、第一の態様について上記したのと同様であり、この際、M
1およびM
2は同じであってもまたは異なってもよく、Zn(II)、Cr(II)、Co(II)、Mn(II)、Mg(II)、Fe(II)、Ti(II)、Cr(III)−X、Co(III)−X、Mn(III)−X、Fe(III)−X、Ca(II)、Ge(II)、Al(III)−X、Ti(III)−X、V(III)−X、Ge(IV)−(X)
2およびTi(IV)−(X)
2からなる群より選択される。
【0114】
当業者は、R
1〜R
5、E
1、E
2、GおよびXのそれぞれに関する好ましいオプションは式(Ic)の第二の触媒に同様にして適用され、さらに第一の態様に関するR
1〜R
5、E
1、E
2、GおよびXのそれぞれについて上記した好ましい特徴は第二の触媒について変更すべきところは変更して(mutatis mutandis)組み合わせて存在してもよいと理解するであろう。第二の触媒では、Xは好ましくはアセテート、ベンゾエート及びトリフルオロアセテート等のカルボキシレート、またはハライドである。第二の触媒では、M
1及びM
2は好ましくはMg(II)、Zn(II)、Co(II)、Cr(II)、Fe(II)、Al(III)−X、Co(III)−X、Fe(III)−X及びCr(III)−Xから選択され、さらにより好ましくは、M
1及びM
2はMg(II)及びZn(II)から選択される。
【0115】
具体的な第二の触媒としては、[L
1Mg
2(X)
2]および[L
1Zn
2(X)
2]があり、この際、Xは本発明の第一の態様での定義と同様であり、好ましくはOAcである。さらなる具体的な第二の触媒としては、[L
3Mg
2(X)
2]、[L
3Zn
2(X)
2]、[L
4Mg
2(X)
2]、[L
4Zn
2(X
2)]、[L
5Mg
2(X)
2]、[L
5Zn
2(X)
2]、[L
6Mg
2(X)
2]、[L
6Zn
2(X)
2]、[L
7Mg
2(X)
2]、[L
7Zn
2(X)
2]、[L
1Fe
2(X)
2]および[L
1Co
2(X)
2]がある。
【0116】
第二の態様の触媒システムは、共触媒(co-catalyst)を有していてもよい。適当な共触媒(co-catalyst)としては、アンモニウム塩及びホスホニウム塩等の塩、またはジメチルアミノピリジン(DMAP)、メチルイミダゾール及びピリジン等のルイス塩基がある。
【0117】
本触媒システムは、少なくとも約0.5重量%、例えば、約0.5重量%〜約99.5重量%の第一の態様に係る触媒を含んでもよい。好ましくは、本触媒システムは、少なくとも約5重量%、例えば、少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約30重量%、さらにより好ましくは少なくとも約50重量%、およびさらにより好ましくは少なくとも約75重量%、例えば、少なくとも約95重量%の第一の態様に係る触媒を含んでもよい。
【0118】
第二の触媒は、触媒システムの約0.5重量%〜約99.5重量%の量で存在してもよい。例えば、第二の触媒は、触媒システムの、約1重量%〜約70重量%、例えば、約5重量%〜約50重量%、例えば、約10重量%〜約30重量%、例えば、約15重量%〜約25重量%の量で存在してもよい。
【0119】
共触媒が存在する場合には、共触媒は、約1:1〜約1:100の共触媒:全触媒含有量(即ち、第一の態様の触媒及び第二の触媒の合計)のモル比で触媒システムに存在してもよい。
【0120】
第一の態様の触媒及び第二の態様の触媒システムは、(i)二酸化炭素及びエポキシドを、(ii)エポキシドおよび無水物を、および(iii)ラクチドおよび/またはラクトンを重合できる。したがって、本発明の第三の態様では、第一の態様に係る触媒または第二の態様に係る触媒システムの存在下での、二酸化炭素とエポキシドとの、無水物とエポキシドとの、またはラクチドおよび/またはラクトンの、反応方法を提供する。
【0121】
第三の態様の方法は、連鎖移動剤の存在下で行われてもよい。適当な連鎖移動剤としては、例えば、WO 2013/034750における、式(II)によって規定されるような、連鎖移動剤があり、この際、上記公報の内容は参考のために引用される。例えば、連鎖移動剤は、水であっても、または少なくとも1個のアミン(−NHR)、アルコール(−OH)もしくはチオール(−SH)部分を有していてもよく、この際、Rは水素、または置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式,アリールもしくはヘテロアリールから選択され、例えば、水素、または置換されてもよいアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールから選択される。
【0122】
第三の態様の方法は、溶剤の存在下で行われてもよい。第三の態様で使用できる溶剤の例としては、トルエン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジオキサン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが挙げられる。
【0123】
第三の態様の方法がエポキシドの反応を伴う場合には、エポキシドはエポキシド部分を有するいずれの化合物であってもよい。エポキシドは、二酸化炭素または無水物との反応の前に(例えば、水素化カルシウム(calcium hydride)等による蒸留によって)精製されてもよい。例えば、エポキシドは、触媒または触媒システムを含む反応混合物に添加される前に蒸留されてもよい。
【0124】
本発明の第三の態様の方法は、1〜100気圧、好ましくは1〜40気圧、例えば1〜10気圧、より好ましくは1〜2気圧の圧力で行われてもよい。第三の態様の方法に使用される本触媒および触媒システムによって、反応を低圧で行うことができる。
【0125】
第一の態様の触媒または第二態様の触媒システムは、250℃以下の温度で作動してもよい。本発明の第三の態様の方法は、約0℃〜約250℃、例えば約0℃〜約120℃、好ましくは約50℃〜約100℃の温度で行われてもよい。方法の時間は、約1分〜約24時間などの、168時間以下、例えば、約5分〜約12時間、例えば約1〜6時間であってもよい。
【0126】
本発明の第三の態様の方法は、低触媒使用量(catalytic loading)で行われてもよい。例えば、反応が二酸化炭素及びエポキシドの共重合を含む場合には、本方法の触媒使用量は、好ましくは1:1,000〜100,000範囲の触媒:エポキシド、より好ましくは1:1,000〜50,000範囲の触媒:エポキシド、さらにより好ましくは1:1,1000〜10,000範囲、および最も好ましくは1:10,000範囲の触媒:エポキシドである。本方法がエポキシドおよび無水物の共重合、またはラクチドおよび/またはラクトンの反応を含む場合には、本方法の触媒使用量は、好ましくは1:1,000〜100,000範囲の触媒:全モノマー含有量、より好ましくは1:1,000〜50,000範囲の触媒:全モノマー含有量、さらにより好ましくは1:1,1000〜10,000範囲、および最も好ましくは1:10,000範囲の触媒:全モノマー含有量である。上記割合はモル比である。
【0127】
第三の態様の方法について上記した様々な特徴は変更すべきところは変更して(mutatis mutandis)組み合わせて存在してもよいと理解するであろう。第一および第二の態様の好ましい特徴は全て第三の態様に同様にして適用され、変更すべきところは変更して(mutatis mutandis)組み合わせて存在してもよい。
【0128】
本発明の第四の態様は、本発明の第三の態様の方法の産物を提供する。本発明の第三の態様の好ましい特徴は全て変更すべきところは変更して(mutatis mutandis)本発明の第四の態様に適用する。
【0129】
本発明の第五の態様は、a)式(Ib):
【0133】
nは、M
1の酸化状態に対応し;
R
M1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオまたはアルキルアリールから選択される、
の化合物と反応させ;および
b)段階a)の産物を式(V):
【0135】
mは、M
2の酸化状態に対応する、
の化合物と反応させ;
c)必要であれば、Gを含む化合物を添加する、
この際、R
1〜R
5、E
1、E
2、M
1、M
2、XおよびGは本発明の第一の態様の触媒に関して定義されるのと同様である、
ことを有する、本発明の第一の態様に係る触媒、または本発明の第二の態様に係る触媒システムの合成方法を提供する。
【0136】
当業者は、本発明の第五の態様における基R
1〜R
5、E
1、E
2、X、G、M
1およびM
2の定義は本方法によって製造される第一の態様の触媒における基R
1〜R
5、E
1、E
2、X、M
1およびM
2の定義に相当することを理解するであろう。
【0137】
好ましくは、M
1はZnまたはMgであり、およびさらにより好ましくはM
1がZnでありかつM
2がMgである。しかしながら、当業者は、第五の方法について、M
2が好ましくはZnまたはMgであり、およびさらにより好ましくはM
1がMgでありかつM
2がZnであるなど、金属原子の記載は交換できると解するであろう。
【0138】
式(IV)の化合物は、M
1を有するいずれの有機金属化合物であってもよい。「有機金属(organomatallic)」ということばは、M
1−C結合を有する化合物、さらにはM
1−S結合、M
1−N結合および/またはM
1−O結合を有する化合物を包含するものである。好ましくは、R
M1は、独立して、置換されてもよいアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、チオアルキルおよびアルキルアリールから選択される。R
M1は、同じであってもまたは異なってもよい。R
M1の具体的なオプションとしては、Me、Et、n−Pr、iPr、N−Bu、tBu、エチルヘキシル、ヘキシル、オクチル、シクロヘキシル、ベンジル(Bn)、アダマンチル、OEt、OPh、C(SiMe
3)
3、N(SiMe
3)
2、N(SiHMe
2)
2、N(SiH
2Me)
2およびN(SiH
3)
2がある。例えば、M
1がZnである際には、式(IV)の化合物は、Et
2ZnまたはEtZnOEtでありうる。
【0139】
式(IV)の化合物は、式(Ib)のリガンドに対して、約1:1などの、約1:0.01〜0.01:1の割合で添加されてもよい。式(V)の化合物は、式(Ib)のリガンドに対して、約1:1などの、約1:0.01〜0.01:1の割合で添加されてもよい。
【0140】
第五の態様の方法は、溶剤の存在下で行われてもよい。第五の態様で使用できる溶剤の例としては、トルエン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジオキサン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン(THF)、ピリジン、アセトニトリルなどが挙げられる。
【0141】
当業者は、Gが存在する際には、Gはいずれの位置に付加されてもよいと理解するであろう。反応が溶剤中で行われる場合には、Gは使用される溶剤中に存在してもよい(すなわち、溶剤およびGはTHF、ピリジンまたはアセトニトリルでありうる)。当業者はまた、Gが負に帯電する場合には、1以上の正のカウンターイオンが方法に添加される化合物の電荷のバランスをとるのに必要であることを理解するであろう。適当なカウンターイオンは第一の態様について上記したのと同様である。例えば、GがCl
−である場合には、本方法に添加される化合物はビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロライド(bis(triphenylphosphine) iminium chloride)(PPNCl)、Et
3NHClまたはKClでありうる。
【0142】
本発明の第五の態様の方法の段階a)は、約−80℃〜約100℃の温度で行われてもよい。段階a)の時間は、約1分〜約12時間などの、24時間以下あってもよい。
【0143】
本発明の第五の態様の方法の段階b)は、約−80℃〜約100℃の温度で行われてもよい。段階b)の時間は、約1分〜約12時間などの、24時間以下あってもよい。
【0144】
純粋に第五の態様の方法の例であるが、製造される触媒が[L
1ZnMg(OAc)
2]である場合には、第五の態様の方法は、a)化合物H
2L
1を化合物Zn(R
M1)
2と反応させた後、b)段階a)の生成物をMg(OAc)
2とさらに反応させることを含む。
【実施例】
【0146】
実施例
実施例1
材料
多環式プロ−リガンドH
2L
nの合成を、従来報告されている(M. R. Kember et al, Angew. Chem. Int. Ed., 2009, 48, 931-933)のと同様にして行った。金属錯体および触媒システムの合成を、シュレンクライン(Schlenk line)または窒素を充填したグローブボックスのいずれかを用いて、無水条件下で行った。触媒AおよびBを、文献の方法(M. R. Kember, P. D. Knight, P. T. R. Reung and C. K. Williams, Angew. Chem. Int. Ed., 2009, 48, 931-933, 1. M. R. Kember et al, Angew. Chem. Int. Ed., 2009, 48, 931-933, M. R. Kember and C. K. Williams, J. Am. Chem. Soc., 2012, 134, 15676-15679)に従って合成した。
【0147】
全ての溶剤および試薬は、Sigma Aldrich及びStremから得た。THFをナトリウム及びベンゾフェノンで還流することによって乾燥し、窒素下で貯蔵した。シクロヘキセンオキシド(CHO)をMgSO
4で乾燥し、窒素下で分画しながら(fractionally)蒸留した。全ての乾燥溶剤及び試薬を窒素下で貯蔵し、数回凍結−ポンプ−融解サイクル(freeze-pump-thaw cycles)によって脱泡した。研究グレードの二酸化炭素を共重合研究に使用した。高圧共重合反応を、Parr 5513 100 mLベンチリアクター(Parr 5513 100 mL bench reactor)で行った。
【0148】
特記しない限り、
1H及び
13C{
1H}NMRスペクトルをBruker AV-400装置で記録した。全ての質量分析測定を、MALDI micro MX micromass装置を用いて行った。使用したマトリックスは、イオン化剤としてKOAc及び溶剤としてTHFを含むジスラノール(dithranol)であった。元素分析は、London Metropolitan UniversityのStephen Boyer及びCambridge UniversityのAlan Dickersonによって測定した。サイズ排除クロマトグラフィーを、Polymer labs PL GPC-50装置によって記録した。THFを、1mLmin
−1の流速で、溶離液として使用した。2本のポリマーラブス混合Dカラム(two polymer labs mixed D columns)を使用し、狭いMwポリスチレン標準物質を用いて校正した。
【0149】
1.触媒の調製
a)触媒システム1の調製
【0150】
【化24】
【0151】
H
2L
1(0.60g、1.09mmols)を乾燥THF(30mL)に溶解し、−20℃まで冷却した。Et
2Zn(0.14g、1.09mmols)を乾燥THF(10mL)に溶解し、−20℃まで冷却した。このEt
2Zn溶液を、−20℃で、プロ−リガンド溶液に滴下し、4時間かけて、25℃にまで加温した。次に、Mg(OAc)
2(0.16g、1.09mmols)をこの反応混合物に添加し、これを16時間攪拌し続けた。溶剤を真空下で除去し、白色固体(0.70g、85%)を製造した。Calc. for C
38H
60O
2N
2MgZn: C, 60.17; H, 7.97; N, 7.39; Found: C, 59.88; H, 7.87; N, 7.31 %; MS (MALDI-TOF): m/z 697 ([L
1MgZn(OAc)]
+, 100%), 657 ([L
1Mg
2(OAc)]
+, 25%), 739 ([L
1Zn
2(OAc)]
+, 45%);
13C NMR (400 MHz, C
6D
6): δC =176.2, 163.5, 135.6, 125.9, 123.6, 62.3, 56.2, 34.2, 32.1, 27.9, 26.5, 24.4, 20.9 ppm。
【0152】
b)触媒システム2の調製
【0153】
【化25】
【0154】
H
2L
4(0.2g、0.3mmol)を、25℃で窒素下で乾燥THF(5mL)に溶解した。Et
2Zn(0.037g、0.3mmol)を乾燥THF(2mL)に溶解し、リガンド溶液に添加して、一晩攪拌した。Mg(OAc)2(0.043g、0.3mmol)を添加し、溶液をさらに4時間攪拌した。溶剤を真空下で除去し、白色固体(0.23g、0.27mmol、90%)を得た。MS (ESI): m/z 799.3 (100%, [L
4MgZn(O
2CH)]
+), 813.4 (20%, [L
4MgZn(OAc)]
+), 759.4 (10%, [L
4Mg2(O
2CH)]
+), 841.3 (15%, [L
4Zn
2(O
2CH)]
+)
(0.1% NH
4+O
2CH
−)を含むMeCNで行ったESI−MSスペクトル;
図2参照。
【0155】
c)触媒システム2からの[L4ZnMg(OAc)2]の調製
【0156】
【化26】
【0157】
触媒システム2(0.15g)を2mL MeOHに溶解し、ストッパー付きのNMRチューブに入れた。大きな無色の結晶を一晩成長させ、濾別した。この結晶をESI−MS(0.1% NH
4+O
2CH
−を含むMeCN中)によって分析した;
図3参照、これから、2つのホモ−2金属化合物である、[L
4Mg
2(OAc)
2]及び[L
4Zn
2(OAc)
2]に対応するピークがほとんど完全に消えていることが示され、これから、この化合物はほとんど純粋な(>95%)ヘテロ−2金属化合物[L
4MgZn(OAc)
2]を含むことが示された。MS (ESI): m/z 799.3 (100%, [L
4MgZn(O
2CH)]
+), 813.4 (50%, [L
4MgZn(OAc)]
+), 759.4
(0.1% NH
4+O
2CH
−)を含むMeCNで行ったESI−MSスペクトル;
図3参照。
【0158】
d)触媒システム3の調製
【0159】
【化27】
【0160】
H
2L
5(0.5g、1.01mmol)を、25℃で窒素下で、乾燥THF(10mL)に溶解した。Et
2Zn(0.124g、1.01mmol)を乾燥THF(3mL)に溶解して、リガンド溶液に添加し、一晩攪拌した。Mg(OAc)
2(0.143g、1.01mmol)をMeOH(5mL)と共に添加し、溶液をさらに4時間攪拌した。溶剤を真空下で除去し、白色固体(0.62g、0.88mmol、89%)を得た。MS (ESI): m/z 627.3 (100%, [L
5MgZn(O
2CH)]
+), 641.3 (60%, [L
5MgZn(OAc)]
+), 587.3 (15%, [L
5Mg2(O
2CH)]
+), 601.3 (10%, [L
5Mg2(OAc)]
+), 667.3 (40%, [L
5Zn
2(O
2CH)]
+), 681.2 (40%, [L
5Zn
2(OAc)]
+)
(0.1% NH
4+O
2CH
−)を含むMeCNで行ったESI−MSスペクトル;
図4参照。
【0161】
e)触媒システム4の調製
【0162】
【化28】
【0163】
H
2L
6(0.33g、0.58mmol)を、25℃で窒素下で乾燥THF(5mL)に溶解した。Et
2Zn(0.071g、0.58mmol)を乾燥THF(3mL)に溶解し、リガンド溶液に添加して、一晩攪拌した。Mg(OAc)
2(0.082g、0.58mmol)をMeOH(5mL)と共に添加して、溶液をさらに4時間攪拌した。溶剤を真空下で除去して、白色固体(0.4g、0.52mmol、89%)を得た。MS (ESI): m/z 707.4 (100%, [L
6MgZn(O
2CH)]
+), 667.3 (10%, [L
6Mg
2(O
2CH)]
+), 747.2 (30%, [L
6Zn
2(O
2CH)]
+)
(0.1% NH
4+O
2CH
−)を含むMeCNで行ったESI−MSスペクトル;
図5参照。
【0164】
f)触媒システム5の調製
【0165】
【化29】
【0166】
H
2L
7(0.37g、0.70mmol)を、25℃で窒素下で乾燥THF(5mL)に溶解した。Et
2Zn(0.087g、0.70mmol)を乾燥THF(3mL)に溶解し、リガンド溶液に添加して、一晩攪拌した。Mg(OAc)
2(0.10g、0.70mmol)をMeOH(1mL)と共に添加して、溶液をさらに4時間攪拌した。溶剤を真空下で除去して、白色固体(0.38g、0.52mmol、74%)を得た。MS (ESI): m/z 677.2 (90%, [L
7MgZn(OAc)]
+), 637.3 (100%, [L
7Mg
2(OAc)]
+), 717.1 (50%, [L
6Zn
2(OAc)]
+)
(0.1% NH
4+O
2CH
−)を含むMeCNで行ったESI−MSスペクトル;
図6参照。
【0167】
g)触媒システム6の調製
【0168】
【化30】
【0169】
H
2L
3(0.34g、0.67mmol)を、25℃で窒素下で乾燥THF(5mL)に溶解した。Et
2Zn(0.083g、0.67mmol)を乾燥THF(3mL)に溶解し、リガンド溶液に添加して、一晩攪拌した。Mg(OAc)
2(0.096g、0.67mmol)をMeOH(1mL)と共に添加し、溶液をさらに4時間攪拌した。溶剤を真空下で除去して、白色固体(0.42g、0.60mmol、90%)を得た。MS (ESI): m/z 631.2 (5%, [L
3MgZn(O
2CH)]
+), 645.3 (30%, [L
3MgZn(OAc)]
+), 591.3 (10%, [L
3Mg
2(O
2CH)]
+), 605.4 (100%, L
3Mg
2(OAc)]
+), 673.2 (10%, L
3Zn
2(O
2CH)]
+), 685.2 (75%, L
3Zn
2(OAc))
+)
(0.1% NH
4+O
2CH
−)を含むMeCNで行ったESI−MSスペクトル;
図7参照。
【0170】
h)触媒システム7(〜65%[L1MgZnBr2])の調製
【0171】
【化31】
【0172】
H
2L
1(0.112g、0.2mmol)を、25℃で窒素下で乾燥THF(10mL)に溶解した。Et
2Zn(20μL、0.2mmol)をリガンド溶液に添加し、一晩攪拌した。ピリジン溶剤を添加した(5mL)後、混合THF(15mL)/ピリジン(5mL)溶剤系におけるMgBr
2(0.038g、0.2mmol)の溶液を添加した。溶液を1時間攪拌した後、溶剤を真空下で除去して、オフホワイトの固体を得た(0.158g、98%)。
【0173】
イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル(
図8):m/z 677.5 [LMg
2Br]
+, 717.4 [LMgZnBr]
+, 757.4 [LZn
2Br]
+。
【0174】
この場合、
1H NMRスペクトル(
図9、上段)は容易に解釈でき、2種のホモ−2金属化合物である[L
1Mg
2Br
2]及び[L
1Zn
2Br
2]のものと比較できる。
1H NMRインテグラルの分析から、触媒システム7が約65%のヘテロ−2金属[L
1MgZnBr
2]を含むことが確認される。
【0175】
i)[L1MgZnBr2](>95%)の調製
【0176】
【化32】
【0177】
H
2L
1(0.112g、0.2mmol)を、シュレンクフラスコ(Schlenk flask)に秤量し、乾燥THF(10mL)に溶解した。次に、Et
2Znを添加し(20μL、0.2mmol)、反応混合物を一晩撹拌した。さらに、ピリジン(5mL)を添加し、反応溶媒を−78℃に冷却した。これに、ピリジン(5mL)/THF(15mL)におけるMgBr
2(0.0375g、0.204mmol)の溶液を15分間かけて滴下した。添加が終了したら、反応物を15分間撹拌した後、ドライアイス浴を取り除いた。さらに30分後、すべての溶剤を真空中で除去して、淡黄色の粉末を得た。この産物を真空中で2時間乾燥して、淡黄色の固体(0.0910g、51%)を得た。イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル:m/z 677.5 [LMg
2Br]
+, 717.4 [LMgZnBr]
+, 757.4 [LZn
2Br]
+
1H NMRスペクトル(
図9、下段)から、[L
1Mg
2Br
2]及び[L
1Zn
2Br
2]に相当することが知られているピークはほとんど完全に消失していることが示される。
【0178】
i)触媒システム8の調製
【0179】
【化33】
【0180】
H
2L
1(0.112g、0.2mmol)を、窒素下で25℃で、乾燥THF(5mL)に溶解した。次に、Et
2Zn(20μL、0.2mmol)をリガンド溶液に添加して、一晩撹拌した。ピリジン溶剤を添加した(5mL)後、混合THF(15mL)/ピリジン(5mL)溶剤システムにおけるMgI
2(0.057g、0.2mmol)の不透明な溶液を添加した。この溶液を90分間撹拌した後、溶剤を真空中で除去して、淡黄色の固体を得た(0.046g、25%)。
【0181】
イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル(
図10):m/z 725.7 [LMg
2I]
+, 765.7 [LMgZnI]
+, 805.6 [LZn
2I]
+。
【0182】
k)触媒システム9の調製
【0183】
【化34】
【0184】
H
2L
1(0.179g、0.3mmol)を、窒素下で25℃で、乾燥THF(12.5mL)に溶解した。次に、Et
2Zn(33μL、0.3mmol)をリガンド溶液に添加して、一晩撹拌した。ピリジン溶剤を添加した(2.5mL)後、混合THF(7.5mL)/ピリジン(1mL)溶剤システムにおけるFe(OAc)
2(0.057g、0.3mmol)の黄色/茶色の溶液を滴下した。この溶液を1時間撹拌したところ、この間に色が黄色/茶色から茶色に変化した。さらに、すべての溶剤を真空中で除去して、茶色の粉末(0.142g、55%)を得た。
【0185】
イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル(
図11):m/z 721.5 [LFe
2(OAc)]
+, 729.5 [LFeZn(OAc)]
+, 737.5 [LZn
2(OAc)]
+。
【0186】
l)触媒システム10の調製
【0187】
【化35】
【0188】
H
2L
1(0.179g、0.3mmol)を、窒素下で25℃で、乾燥THF(10mL)に溶解した。次に、Et
2Zn(33μL、0.3mmol)をこのリガンド溶液に添加し、一晩撹拌した。ピリジン溶剤を添加した(2.5mL)後、混合THF(7.5mL)/ピリジン(2.5mL)溶剤システムにおけるFeCl
2(0.041g、0.3mmol)の黄色の溶液を滴下した。この溶液を1時間撹拌したところ、この間に色が黄色から茶色に変化した。さらに、すべての溶剤を真空中で除去して、茶色の粉末(0.181g、75%)を得た。
【0189】
イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル(
図12):m/z 697.5 [LFe
2Cl]
+, 705.5 [LFeZnCl]
+, 713.5 [LZn
2Cl]
+。
【0190】
m)触媒システム11の調製
【0191】
【化36】
【0192】
H
2L
1(0.179g、0.3mmol)を、窒素下で25℃で、乾燥THF(12.5mL)に溶解した。次に、Et
2Zn(33μL、0.3mmol)をこのリガンド溶液に添加し、一晩撹拌した。ピリジン溶剤を添加した(2.5mL)後、混合THF(9mL)/ピリジン(1mL)溶剤システムにおけるFeBr
2(0.070g、0.3mmol)の茶色/黄色の懸濁液を滴下した。この溶液を1時間撹拌したところ、この間にオレンジ色/茶色の懸濁液への色の変化が観察された。さらに、すべての溶剤を真空中で除去して、茶色の粉末(0.157g、58%)を得た。
【0193】
イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル(
図13):m/z 741.4 [LFe
2Br]
+, 749.4 [LFeZnCl]
+, 757.4 [LZn
2Cl]
+。
【0194】
n)触媒システム12の調製
【0195】
【化37】
【0196】
H
2L
1(0.179g、0.3mmol)を、窒素下で25℃で、乾燥THF(10mL)に溶解した。次に、Et
2Zn(33μL、0.3mmol)をこのリガンド溶液に添加し、一晩撹拌した。ピリジン溶剤を添加した(2.5mL)後、混合THF(10mL)/ピリジン(2.5mL)溶剤システムにおけるCo(OAc)
2(0.057g、0.3mmol)の紫色の溶液を滴下した。この溶液を1時間撹拌したところ、この間に色がピンク色から茶色に変化した。さらに、すべての溶剤を真空中で除去して、茶色の粉末(0.172g、67%)を得た。
【0197】
イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル(
図14):m/z 727.5 [LCo
2(OAc)]
+, 732.5 [LCoZn(OAc)]
+, 737.5 [LZn
2(OAc)]
+。
【0198】
o)触媒システム13の調製
【0199】
【化38】
【0200】
H
2L
1(0.179g、0.3mmol)を、窒素下で25℃で、乾燥THF(12.5mL)に溶解した。次に、Et
2Zn(33μL、0.3mmol)をこのリガンド溶液に添加し、一晩撹拌した。ピリジン溶剤を添加した(2.5mL)後、混合THF(27.5mL)/ピリジン(2.5mL)溶剤システムにおけるCoI
2(0.101g、0.3mmol)の青色/緑色の懸濁液を滴下した。この溶液を1時間撹拌したところ、この間に紫色の溶液が形成した。さらに、すべての溶剤を真空中で除去して、紫色の粉末(0.234g、78%)を得た。
【0201】
イオン化剤としてKCl及び溶剤としてTHFを含むジスラノールマトリックスを用いて行ったMALDI−ToFスペクトル(
図15):m/z 795.4 [LCo
2I]
+, 800.4 [LCoZnI]
+, 805.4 [LZn
2I]
+。
【0202】
p)触媒システム14の調製
【0203】
【化39】
【0204】
H
2L
1(0.1g、0.181mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解し、グローブボックスフリーザー(−40℃)に置いた。0.26mLのn−ブチル−sec−ブチルマグネシウム溶液(ヘキサンにおける0.7M)をこのTHF溶液に滴下した。次に、4時間後、Ph
2Zn(40mg)をこの溶液に添加し、グローブボックス内で25℃で16時間撹拌し続けた。さらに、溶剤を蒸発させて、オフホワイトの固体を製造した。().Calc. for C
46H
64MgN
4O
2Zn: C, 69.52; H, 8.12; N, 7.05 %. Found: C, 69.31; H, 7.85; N, 6.88 %. MALDI-ToF MS m/z: 675.4 (30%, [L
1MgZnPh]
+), 715.3 (60%, [L
1MgZnPh]
+), 755.3 (40%, [L
1Zn
2Ph]
+)。この化合物が空気に対して感受性があるため、多くの分解産物が質量分析で観察された。
【0205】
結果
混合金属触媒システムの特性は、相当するホモ−2金属種のいずれとも異なっていた。分析の一例を、L
1Zn
2(OAc)
2(触媒A)およびL
1Mg
2(OAc)
2(触媒B)と比較した際の、触媒システム1について示す。
【0206】
触媒システムの
1H NMRスペクトル(
図16)から、亜鉛に結合したエチル基が完全に消費され、広がったリガンドの共鳴(broadened ligand resonances)が形成されたことが示され、これらは金属の配向と一致する。これらの広いシグナルは、溶剤を変えても(例えば、ベンゼン、トルエン、テトラクロロエタン)または高/低温度での実験(例えば、−50℃〜80℃)によっても分解し(resolve)なかった。これは、高温でピークが明らかに分解したホモ2核錯体(homodinuclear complex)A及びBとは相反する。元素分析から、生成物は、予想通り、Zn及びMgを等量含んでいることが示された。MALDI−ToFスペクトル(
図1)から、ヘテロ2核Zn/Mg錯体(heterodinuclear Zn/Mg complex)カチオン[LZnMg(OAc)]
+に相当する、697amuでのピークが示された。このクラスの錯体はMALDI−ToF実験中にイオン化されて、カルボキシレートコ−リガンドの損失から生じるカチオンを生じることが従来観察されていた(M. R. Kember and C. K. Williams, J. Am. Chem. Soc., 2012, 134, 15676-15679, and M. R. Kember, P. D. Knight, P. T. R. Reung and C. K. Williams, Angew. Chem.-Int. Edit., 2009, 48, 931-933)。また、MALDI−ToF質量スペクトルから、それぞれ、[LMg
2(OAc)]
+及び[LZn
2(OAc)]
+による、657及び739amuでのピークによって証明されるように、ホモ2核錯体A及びB双方の存在が示された。
【0207】
混合金属種がMALDI−ToF実験中にのみ形成される可能性を除外するために、A及びBの等モル混合物を比較した。錯体の等モル混合物は、ホモ2核錯体(即ち、A及びB)と結合するイオンのみを示す;ヘテロ2核錯体カチオンに関する証拠は存在しない。さらに、等モル混合物を80℃で16時間加熱する(重合中と同様の条件)と、スペクトルは同じに維持されることから、2個のホモ2核錯体のみが示された。
【0208】
予想される化学量論は元素分析結果と一致する1:2:1([L
1Zn
2(OAc)
2]:[L
1MgZn(OAc)
2]:L
1Mg
2(OAc)
2])であるが、広いNMRシグナルにより混合物の組成を定量化することはできなかった。
【0209】
実施例1aで得られた触媒システム(触媒システム1)について、CO
2及びエポキシドの重合能を調べた。
【0210】
2.二酸化炭素及びエポキシドの重合
低圧共重合反応
蒸留及び乾燥したシクロヘキセンオキシド(2.5mmol、25mmol)および触媒(0.025mmol)を、シュレンク管(Schlenk tube)に仕込んだ。この反応混合物を脱泡した後、1bar CO
2圧力で80℃に加熱した。所定の反応時間後、混合物を空気に暴露することによって冷却し(quenched)し、未精製混合物の
1H NMRスペクトルを記録した。次に、このシクロヘキセンオキシドを、真空中で除去して、ポリカーボネートを得、これをTHFに溶解し、MeOHで沈殿させることによって精製した。
【0211】
高圧共重合反応
Parr反応器(Parr reactor)を140℃で20時間乾燥し、CO
2で3回パージし、さらに25℃に冷却した。次に、シクロヘキセンオキシド(15mL、148mmol)に溶解した触媒(0.03mmol)を、このParr反応器に加えた。この反応器を密閉した後、50barのCO
2を、CO
2を溶解しやすくするために反応混合物を低周波で撹拌しながら添加した。CO
2溶解が平衡に達するまで、この段階を数回繰り返し、この際、ヘッドスペースの圧力を一定に維持した。容器を適当な温度に加熱し、一定時間撹拌した後、未精製反応混合物の
1H NMRスペクトルを記録した。次に、この混合物を塩化メチレンに吸収させ、乾固した。THFに溶解した後MeOHで沈殿することによって、白色粉末状ポリマーを精製した。
【0212】
a)触媒システム1を用いたエポキシド及び二酸化炭素の重合
シクロヘキセンオキシド及び二酸化炭の共重合に関する触媒システム1の活性を、0.1モル%の触媒(対エポキシド、1:2:1の組成と仮定)を用いて、1bar圧力のCO
2で、80℃で、6時間にわたり評価した。なお、上記条件は、Aについて最も効果があることが従来分かっていた。触媒システム1を、2種のホモ2核触媒(A,B)とならびに等モルの混合物(1:1モル比の化合物A:化合物B)と、比較した。結果を表1に示す。
【0213】
【表1】
【0214】
触媒システム1は、触媒AまたはBのいずれよりも明らかに有意に活性が高い;事実、これ自体が非常に活性の高い触媒である、触媒Bの2倍近い活性を有する。さらに、触媒システム1は、触媒A及びBの等モル混合物に比してかなり高い活性を示す。この等モル混合物は、混合物組成に基づいて予想されるのとほとんど一致する生産性(TON)及び活性(TOF);すなわち、TON
mixture=(TON
1+TON
2)/2を有する。これは、2つの触媒間に実質的な金属交換が存在しないことを示した質量分析研究と一致する。これに対して、触媒システム1はその部分の合計より有意に高い活性を発揮する。
【0215】
触媒システム1は、優れた選択性を示し、この際、ポリマー骨格への二酸化炭素の取り込みが理論値に近く、得られるポリマーにおけるエーテル結合量が非常に低い(表1、
図16)。すべての触媒により、プロトン性不純物(アルコール)との効率的な連鎖移動反応により、低Mnポリカーボネート(M
n<6000g/mol)が生成する; A. Cyriac, et al, Macromolecules, 2010, 43, 7398-7401, F. Jutz, et al, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 17395-17405; W. J. van Meerendonk, et al, Macromolecules, 2005, 38, 7306-7313を参照。このようなMn値は、より高分子ポリマー合成のためのポリオールとしてのターゲット用途では非常に望ましい。さらに、触媒システム1を使用すると、得られるポリカーボネートの多分散指数が狭いことから、高度に重合制御がなされていることが示される。MALDI−ToFスペクトルから、双方とも>99%カーボネート結合で、2連の鎖が示され、これらは鎖末端基が異なる:一方がα−アセチル−ω−ヒドロキシルでおよび他方がα,ω−ジヒドロキシル末端でキャップされたポリシクロヘキセンカーボネートである(
図17)。
【0216】
触媒システム1をより理解し、触媒システム1の活性を他の既知のエポキシド/CO
2触媒と比較するために、一定の条件下で実験を行った;表2参照。
【0217】
【表2】
【0218】
【化40】
【0219】
全ての条件下で、触媒システム1は、触媒濃度の減少に伴い分子量が直線的に増加することから明らかであるように、非常に高い重合制御率を示す。さらに、CO
2圧力を変化することによる、一定触媒濃度での、活性に差がなく、これは、速度が圧力に依存しないという、亜鉛触媒を使用した、従来の知見(F. Jutz, et al, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 17395-17405)と一致する。その一方で、予想通り、カーボネート結合に対する非常に高い選択率は維持しつつ、温度が上昇すると活性が有意に向上する。CHO/CO
2共重合に関して最良な他の触媒のいくつかと比較すると、この新たなシステムは、優れた活性、選択性および生産性を発揮する。例えば、この新たなシステムは、最も活性の高いコバルト触媒のひとつと同等以上の生産性および活性を示す(W.-M. Ren, et al, Macromolecules, 2010, 43, 1396-1402)。さらに、2Mg触媒(di-Mg catalyst)の数種の他の例のひとつと比較して、5倍低い使用量(loading)で2.5倍より速い(Y. L. Xiao, et al, Macromolecules, 2006, 39, 128-137)。
【0220】
ポリ(シクロヘキセンカーボネート)(PCHC)は、単峰性の分子量分布および狭い多分散指数を示す。3種の異なる触媒が混合物中に存在することを鑑みると、これは驚くべきことである。しかしながら、伝搬(propagation)に対する、連鎖の速度が速いことにより、鎖長の分布が狭くなり、全ての触媒が存在する全ての鎖間の相互変換が速くなる(S. Inoue, J. Polym. Sci, Part A: Polym. Chem., 2000, 38, 2861-2871)。この知見は、CO
2/エポキシド共重合におけるこのような混合触媒システムに対する可能性が明らかになるため、特に重要である。我々のアプローチによって、このような混合システムアプローチを介して触媒活性を有意に向上する可能性が浮き彫りになる。ゆえに、この触媒システム1を使用することによって、分子量/PDIの点で形成される共重合体の質を優れるものとすることができる。
【0221】
水の存在下での触媒システム1の活性及び安定性を決定するために、反応を行った;表3を参照。
【0222】
【表3】
【0223】
16当量のH
2O(対触媒)を反応に添加した場合であっても、触媒システム1が高い活性を維持することは重要である(表3)。特に同時に所望のポリオール産物に対する選択性を向上しつつエポキシド及びCO
2の複雑で困難な乾燥を必要としないため、この水に対する顕著な許容(tolerance)は非常の好ましい。水等の、プロトン性試薬を添加すると、シクロヘキサンジオールの形成を介した連鎖が起こり、これからテレケリックジヒドロキシル末端重合体(telechelic dihyroxyl terminated polymer)が製造される(F. Jutz, et al, J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 17395-17405)。ゆえに、16当量の水を触媒システム1によって触媒される重合に添加すると、PDIは狭い(1.14)まま、ポリカーボネートのMnは1300g/molにまで減少する。重要なことでは、α,ω−ジ−ヒドロキシル末端でキャップされたPCHC鎖(α,ω-di-hydroxyl end-capped PCHC chain)が主要な産物として製造され、この際、モノヒドロキシル末端鎖はほとんど完全に抑制される(
図18)。このようなジヒドロキシル末端鎖の選択性は、このような「ポリオール」がポリウレタン/ポリエステルの製造のためのカギとなる試薬であるため、重要である。
【0224】
b)他の触媒システムによるエポキシドおよび二酸化炭素の重合
i)触媒システム7および[L
1MgZnBr
2]を用いたシクロヘキセンオキシド/CO
2の共重合
【0225】
【表4】
【0226】
ii)触媒システム2、精製[L
4ZnMg(OAc)
2]および相当するホモ−2金属触媒(homo-bimetallic catalyst)に関するシクロヘキセンオキシド/CO
2の共重合
【0227】
【表5】
【0228】
iii)触媒システム6および相当するホモ−2金属触媒(homo-bimetallic catalyst)に関するシクロヘキセンオキシド/CO
2の共重合
【0229】
【表6】
【0230】
iv)触媒システム5および相当するホモ−2金属触媒(homo-bimetallic catalyst)に関するシクロヘキセンオキシド/CO
2の共重合
【0231】
【表7】
【0232】
v)触媒システム14に関するシクロヘキセンオキシド/CO
2の共重合
【0233】
【表8】
【0234】
表4および5では、ホモ−2金属錯体(homo-bimetallic complex)およびこれらの相当するヘテロ−2金属触媒システム、さらには高純度のヘテロ−2金属錯体、の触媒活性を比較する。表4から、混合触媒システム7(
1H NMRによって〜65%[L
1MgZnBr
2]を含む)がホモ−2金属Mg錯体(homo-bimetallic Mg complex)[L
1MgZnBr
2]と同等の活性および2亜鉛アナログより有意に高い活性を示すことが明らかにわかる。高純度のヘテロ−2金属[L
1MgZnBr
2]は、触媒システム7およびホモ−2金属錯体のいずれかより有意に高い活性を示す。表5から、混合触媒システム2(すでにかなりの量のヘテロ−2金属錯体[L
4ZnMg(OAc)
2]を含む)が、同じリガンド構造に基づく2種のホモ−2金属種(homo-bimetallic species)に比してかなり活性が高いことが示される。精製ヘテロ−2金属化合物[L
4ZnMg(OAc)
2]はさらに高い活性を示すことから、これらのホモ−金属アナログおよびホモ−2金属化合物を含む触媒混合物に比してヘテロ−2金属システムが驚くべき活性を示すことが示される。
【0235】
表6及び7から、ヘテロ−2金属触媒システムが相当するホモ−2金属触媒に比して活性が高いことが示される。表8には、連鎖移動剤(イソ−プロパノール)を添加したおよび添加しない触媒システム14の触媒活性を示す。
【0236】
vi)他の金属に関するシクロヘキセンオキシド/CO
2の共重合
【0237】
【表9】
【0238】
表9に、他の混合金属システム(Zn/CoおよびZn/Fe)を含むさらなる触媒システム9、10、12及び13の触媒活性を示す。すべてのシステムは活性のある触媒である。
本発明は、下記を包含する。
(1)式(I)の触媒:
【化41】
ただし:
M1およびM2は、異なりかつ独立して、Mg、Zn、Fe、Co、AlおよびCrから選択され;
R1およびR2は、独立して、水素、ハライド(halide)、ニトロ基、ニトリル基、イミン、アミン、エーテル基、シリル基、シリルエーテル基、スルホキシド基、スルホニル基、スルフィネート基(sulfinate group)もしくはアセチリド基(acetylide group)または置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、脂環式もしくはヘテロ脂環式(heteroalicyclic)基から選択され;
R3は、独立して、置換されてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレンまたはシクロアルキレンから選択され、この際、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンおよびヘテロアルキニレンは、必要であれば、アリール、ヘテロアリール、脂環式またはヘテロ脂環式によって中断されて(interrupted by)もよく;
R4は、独立して、H、または置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールもしくはアルキルアリールから選択され;
R5は、H、または置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールまたはアルキルアリールであり;E1は、Cであり、E2は、O、SもしくはNHであり、またはE1はNでありかつE2はOであり;
Xは、独立して、OC(O)Rx、OSO2Rx、OSORx、OSO(Rx)2、S(O)Rx、ORx、ホスフィネート(phosphinate)、ハライド(halide)、ニトレート(nitrate)、ヒドロキシル、カーボネート(carbonate)、アミノ、アミドまたは置換されてもよい脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリールもしくはヘテロアリールから選択され;
Rxは、独立して、水素、または置換されてもよい脂肪族、ハロ脂肪族(haloapliphatic)、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、アルキルアリールもしくはヘテロアリールであり;ならびに
Gは、存在しないまたは独立してルイス塩基である中性もしくはアニオン性ドナーリガンドである。
(2)M1およびM2は、独立して、Mg、Zn、FeおよびCoから選択される、前記(1)に記載の触媒。
(3)M1はMgまたはZnのいずれかである、前記(1)または(2)に記載の触媒。
(4)M1はZnでありかつM2はMgである、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の触媒。
(5)R2、R4およびR5のそれぞれの存在はHであり、R3は置換されてもよいプロピレン、フェニレンまたはシクロヘキシレンであり、E1はCでありかつE2はO、SまたはNHである、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒。
(6)R1は、独立して、水素、ハライド、アミノ、ニトロ、スルホキシド、スルホニル、シリル、スルフィネート、および置換されてもよいアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシまたはアルキルチオから選択される、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の触媒。
(7)Xは、独立して、OC(O)Rx、OSO2Rx、OS(O)Rx、OSO(Rx)2、S(O)Rx、ORx、ハライド、ニトレート、ヒドロキシル、カーボネート、アミノ、ニトロ、アミド、および置換されてもよいアルキル、ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の触媒。
(8)Rxは、独立して、置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールである、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の触媒。
(9)下記式:
【化42】
ただし、Gのいずれかの存在は、存在しないまたは存在し、この際、X、G、M1およびM2は前記(1)〜(8)のいずれかに定義されるのと同様であり、好ましくはXはOAcまたはハライドである、
を有する前記(1)〜(8)のいずれかに記載の触媒。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の触媒を含む触媒システム。
(11)第二の触媒または共触媒をさらに含む、前記(10)に記載の触媒システム。
(12)前記第二の触媒が、式(Ic):
【化43】
ただし、R1〜R5、E1、E2、GおよびXは前記(1)〜(8)のいずれかで定義されるのと同様であり、
M1およびM2は、同じであってもまたは異なってもよく、Zn(II)、Cr(II)、Co(II)、Mn(II)、Mg(II)、Fe(II)、Ti(II)、Cr(III)−X、Co(III)−X、Mn(III)−X、Fe(III)−X、Ca(II)、Ge(II)、Al(III)−X、Ti(III)−X、V(III)−X、Ge(IV)−(X)2およびTi(IV)−(X)2からなる群より選択され、好ましくは前記第二の触媒は[L1Mg2(OAc)2]および[L1Zn2(OAc)2]から選択される、
の化合物である、前記(11)に記載の触媒システム。
(13)必要であれば連鎖移動剤の存在下で行われてもよい、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の触媒または前記(10)〜(12)のいずれかに記載の触媒システムの存在下での、
(i)二酸化炭素とエポキシドとの;
(ii)エポキシドおよび無水物の、または
(iii)ラクチドおよび/またはラクトンの、
反応方法。
(14)前記(1)3に記載の方法の産物。
(15)a)式(Ib):
【化44】
のリガンドを式(IV):
【化45】
nは、M1の酸化状態に対応し;
RM1は、独立して、水素、および置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオまたはアルキルアリールから選択される、
の化合物と反応させ;および
b)段階a)の産物を式(V):
【化46】
mは、M2の酸化状態に対応する、
の化合物と反応させ;
c)必要であれば、Gを含む化合物を添加する;この際、R1〜R5、E1、E2、M1、M2、XおよびGは前記(1)〜(9)のいずれかで定義されるのと同様である、
ことを有する、前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
(16)各RM1は、独立して、置換されてもよいアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、チオアルキルおよびアルキルアリールから選択される、前記(15)に記載の方法。
(17)1以上の実施例を参照して前記で実質的に規定される触媒、触媒システム、産物または方法。