【文献】
COHEN; L B,SPLIT DOSING OF BOWEL PREPARATIONS FOR COLONOSCOPY: AN ANALYSIS OF ITS EFFICACY, SAFETY, AND TOLERABILITY ,GASTROINTESTINAL ENDOSCOPY,NL,ELSEVIER,2010年 8月,VOL:72, NR:2,PAGE(S):406 - 412
【文献】
REX DOUGLAS K; MCGOWAN JOHN; CLEVELAND MARK VB; DI PALMA JACK A,A RANDOMIZED, CONTROLLED TRIAL OF ORAL SULFATE SOLUTION PLUS POLYETHYLENE GLYCOL AS A BOWEL PREPARATION FOR COLONOSCOPY ,GASTROINTESTINAL ENDOSCOPY,NL,2014年,VOL:80, NR:3,PAGE(S):482 - 491,URL,http://dx.doi.org/10.1016/j.gie.2014.03.043
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被験者は、前記結腸洗浄処置を開始する前に、こってりしたものを食べないように忠告されるか、又は、前記被験者は前記結腸洗浄処置を開始する前の12時間の間、絶食するように忠告されるか、又は、前記被験者は、前記結腸洗浄処置の開始の前日又は当日のために、"ホワイトダイエット"に従うよう忠告されるか、又は、前記被験者は、その期間の間、軽食、例えば、プレーンヨーグルトのみを消費するように忠告され;
"ホワイトダイエット"は、白及びクリーム色の食物に制限する食物摂取であり、許容される食物は、皮無しの鶏の胸肉、皮無しの魚の切り身、卵、チーズ、煎餅、精白パン、素パスタ、白米、米麺、剥きジャガイモ、アイスクリーム、バター、カスタード、マヨネーズ、牛乳及びホワイトチョコレートを含み;許容されない白色の食物は、ココナッツ、玉ねぎ、カリフラワー、梨、パースニップ、セモリナ粉、バナナ及びポップコーンを含む、
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の溶液。
【発明を実施するための形態】
【0014】
3.詳細な説明
a)溶液の内容
本発明の溶液は水溶液である。アスコルビン酸とアスコルビン酸の1種以上の塩との混合物は、便宜上、ここでは“アスコルベート成分”と称される。アスコルビン酸の適切な塩としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられる。例えば、塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩から選び得る。例えば、アスコルビン酸の好ましい塩としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム及びアスコルビン酸カルシウムが挙げられる。(i)アスコルビン酸と(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩とのモル比はアスコルビン酸部分のモル比である;例えば、アスコルビン酸マグネシウムは、塩1mol当り2molのアスコルビン酸を含む;比率の意味としては、それは数えられるアスコルビン酸のモル数である。アスコルビン酸の特に好ましい塩は、アスコルビン酸マグネシウム及びアスコルビン酸ナトリウムであり、例えば、アスコルビン酸ナトリウムである。1つの実施態様において、本発明の溶液は、アスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウム含む(及び好ましくは、更なるアスコルビン酸塩を含まない)を含む。
【0015】
好ましくは、成分(i)と成分(ii)とのモル比は、1:4.75ないし1:6.75;より好ましくは、1:5.0ないし1:6.0;例えば、1:5.40ないし1:5.80;例えば、15:85である。
【0016】
本発明の溶液は、好ましくは、1リットル当たり300ないし700mmol、例えば、1リットル当たり350ないし650mmol、例えば、1リットル当たり450ないし600mmolの濃度でアスコルビン酸アニオンを含む。
【0017】
本発明の溶液は、50ないし140g/リットルのアスコルベート成分を含み得る。例えば、本発明の溶液は、60ないし140g/リットル、例えば、80ないし130g/リットル、例えば、80ないし120g/リットル、例えば、100ないし120g/リットルのアスコルベート成分を含む。
【0018】
アスコルビン酸は176g/molの分子量を有する。アスコルビン酸ナトリウムは198g/molの分子量を有する。従って、1:4.5ないし1:7.0のモル比のアスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムの混合物は、1:5.063ないし1:7.875の質量比で存在するアスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムを有する。例えば、質量比は1:5.344ないし1:7.594;より好ましくは、1:5.625ないし1:6.75;例えば、1:6.075ないし1:6.525、例えば、1:6.38になり得る。例えば、本発明の溶液は、6ないし25g/リットルのアスコルビン酸及び50ないし120g/リットルのアスコルビン酸ナトリウム、例えば、12ないし20g/リットルのアスコルビン酸及び80ないし120g/リットルのアスコルビン酸ナトリウムを含み得る(上記のようにそれらの間の比率で)。例えば、本発明の溶液は14ないし16g/リットルのアスコルビン酸及び92ないし100g/リットルのアスコルビン酸ナトリウムを含み得る。
【0019】
アスコルビン酸カリウムは214g/molの分子量を有する。従って、1:4.5ないし1:7.0のモル比のアスコルビン酸及びアスコルビン酸カリウムの混合物は、1:
5.471ないし1:8.511の質量比で存在するアスコルビン酸及びアスコルビン酸カリウムを有する。例えば、質量比は1:5.776ないし1:8.208;より好ましくは、1:6.080ないし1:7.295;例えば、1:6.565ないし1:7.052、例えば、1:6.896になり得る。例えば、本発明の溶液は6ないし25g/リットルのアスコルビン酸及び50ないし125g/リットルのアスコルビン酸カリウム、例えば、6ないし12g/リットルのアスコルビン酸及び80ないし120g/リットルのアスコルビン酸カリウムを含み得る。
【0020】
アスコルビン酸マグネシウムは、374.5g/molの分子量を有し、アスコルビン酸マグネシウムの各モルは、アスコルビン酸塩の2モルを提供する。従って、(アスコルビン酸アニオンの)1:4.5ないし1:7.0のモル比のアスコルビン酸及びアスコルビン酸マグネシウムの混合物は、1:4.794ないし1:7.457の質量比で存在するアスコルビン酸及びアスコルビン酸マグネシウムを有する。例えば、質量比は1:5.061ないし1:7.191;より好ましくは、1:5.326ないし1:6.397、例えば1:5.753ないし1:6.179、例えば、1:6.042になり得る。例えば、本発明の溶液は、6ないし25g/リットルのアスコルビン酸及び45ないし120g/リットルのアスコルビン酸マグネシウム、例えば、6ないし12g/リットルのアスコルビン酸及び75ないし115g/リットルのアスコルビン酸マグネシウムを含み得る。
【0021】
本発明の溶液のpHに依存して、幾分かのアスコルビン酸アニオンはプロトン化され得、そのため、溶液中に遊離のアスコルビン酸として存在し得る。通常は投与される溶液のpHで、アスコルビン酸塩の非常に少ない割合のみがプロトン化される。ここでの“アスコルビン酸アニオン”の濃度の計算において、“アスコルビン酸アニオン”の濃度は、プロトン化された前記割合を含む、存在する全てのアスコルビン酸アニオンの合計濃度とする。
【0022】
前記洗浄溶液は、ポリエチレングリコールを含む。ポリエチレングリコール(PEG)は、例えば、2000ないし8000、例えば、2500ないし4500Da、例えば、2680ないし4020Da、例えば、3000ないし4000Daの平均分子量を有し得る。例えば、PEGは、国内薬局方で規定されるような、PEG3350又はPEG4000であり得る。PEG8000もまた使用し得る。幾つかの国内薬局方において承認されている適切なPEGの更なる例としては、マクロゴール、例えば、マクロゴール3350又はマクロゴール4000が挙げられる。
【0023】
前記洗浄溶液は、1リットル当り10ないし200gのPEGを含む。好ましくは、本発明の溶液は、1リットル当り20ないし160g、より好ましくは、1リットル当り40ないし120g、例えば、1リットル当り60ないし100g、例えば、1リットル当り75ないし85g、例えば、1リットル当り80gのPEGを含む。
【0024】
前記洗浄溶液は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0025】
前記洗浄溶液は、1種以上の電解質を含み得る。電解質としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム、特に、ナトリウム及びカリウムの塩;及び塩化物の塩、ヨウ化物の塩、重炭酸塩及び炭酸塩、特に、塩化物の塩が挙げられる。好ましい電解質
は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。実施態様において、前記溶液は実質的に重炭酸ナトリウムを含まない、例えば、実質的に任意の重炭酸塩を含まない。
【0026】
例えば、本発明の溶液は、1リットル当り1ないし10gの濃度で塩化ナトリウムを含み得る。例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り3ないし8g、例えば、1リットル当り4ないし7g;例えば、1リットル当たり6.0ないし6.8g;例えば、1リットル当たり5.6g又は1リットル当たり6.4gの濃度で存在し得る。
【0027】
例えば、本発明の溶液は、1リットル当り1ないし10gの濃度で塩化カリウムを含み得る。例えば、塩化カリウムは、1リットル当り1ないし7g、例えば、1リットル当り1.5ないし5g、例えば、1リットル当り1.5ないし3g、例えば、1リットル当り2.0ないし2.8g;例えば、1リットル当り2.4g又は1リットル当り2.6gの濃度で存在し得る。
【0028】
実施態様において、本発明の溶液は塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む。それらは真上で述べられた量で存在し得る。例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り4ないし7gの濃度で存在し得、そして、塩化カリウムは、1リットル当り1.5ないし3gの濃度で存在し得る。
【0029】
前記洗浄溶液は、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物(ここでは“スルフェート成分”と称される)を含み得る。アルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩は、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムから選択され得る。本発明の溶液は、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムの1つ以上、例えば、3つ全てを含み得る。好ましくは、スルフェート成分は、硫酸ナトリウムであるか又は硫酸ナトリウムを含む。
【0030】
例えば、本発明の溶液は、1リットル当り2ないし20g、例えば、1リットル当り5ないし15g、例えば、1リットル当り8ないし15g、例えば、1リットル当り10ないし14g、例えば、1リットル当り12gの濃度でスルフェート成分を含み得る。1種以上の硫酸塩が医薬的に許容可能なあらゆる形態で提供され得る:それらはそれぞれ無水物であり得るか又は水和物形態であり得る。ここに記載される質量は、あらゆる水和の水を除外した硫酸塩の質量に言及する。
【0031】
他の好ましい実施態様において、本発明の溶液はスルフェート成分を含まない;すなわち、前記溶液は実質的にアルカリ金属硫酸塩及びアルカリ土類金属硫酸塩を含まない;特に実質的に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムを含まない。
【0032】
ここでは、指定成分を“実質的に含まない”という用語は、指定成分がその使用において、本発明の溶液に何らかの機能的効果を与える濃度より低い濃度で存在するということを意味する;例えば、指定成分は該成分が測定可能な臨床効果を有する濃度より低い濃度であり得る。例えば、該成分は1リットル当たり0.1g未満;例えば、1リットル当たり0.03g未満;例えば、1リットル当たり0.01g未満、例えば、1リットル当たり0.003g未満、例えば、1リットル当たり0.001g未満の濃度で存在することを意味し得る。
【0033】
ここに記載される本発明の溶液において、列挙された各成分の量は、前記溶液を調製するために使用された水中に存在し得るあらゆる溶質を含まないが、例えば、硬水の地域においては、水道水中に、Ca
2+及びMg
2+の炭酸塩、重炭酸塩又は硫酸塩のかなりの量が存在し得る。
【0034】
前記洗浄溶液は、好ましくは、香味剤を含む。本発明の組成物における使用のための香味剤は、好ましくは塩味を隠すべきであり、比較的甘くしかしさほど甘過ぎず、該組成物中で安定であるべきである。香味剤は、前記溶液をより味の良いものとし、それにより患者の服薬遵守を補助する。好ましい香味としては、レモン、例えば、アンゲラーレモン(Ungerer Lemon)(イギリス国 CH14LP、チェスター、シーランド ロードのUngerer Limitedより入手可能)、ストロベリー、例えば、アンゲラーストロベリー(Ungerer Strawberry)、グレープフルーツ、例えば、アンゲラーグレープフルーツ(Ungerer Grapefruit)香味粉末、クロフサスグリ、例えば、アンゲラーブラックカラント(Ungerer Blackcurrant)、パイナップル、例えば、IFF(インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス)パイナップル香味粉末、オレンジ、例えば、フィルメニッヒ オレンジ(Firmenich Orange)、バニラ/レモン及びライム、例えば、IFF Vanilla and Givaudin Roure Lemon and Lime Flav−o−lok、フルーツポンチ、例えば、アンゲラーフルーツポンチ(Ungerer fruit punch)、シトラスポンチ、マンゴ、並びにベリーが挙げられる。それら及び更なる適当な香味は、インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス社(イギリス国、CB9 8LG、サホーク、ハーバーヒル、ダッドリー ヒル)、アンゲラー アンド カンパニー(イギリス国 CH14LP、チェスター、シーランド ロード)又はフィルメニッヒ(Firmenich UK Ltd.、UB2
5NN ミドルセックス、サウスオール、ヘイズ ロード)から入手可能である。より好ましい香味は、レモン、キーウィ、ストロベリー、グレープフルーツ、オレンジ、フルーツポンチ及びマンゴである。シトラス香味、オレンジグレープフルーツ香味、マンゴ、フルーツポンチ及びオレンジ香味が特に好ましい。香味剤がアルコールフリーであることが好ましい。
【0035】
必要となる香味剤の量は、問題となる香味の性質及び強度に依存する。典型的には、それは1リットル当り0.05ないし4.5g、例えば、1リットル当り0.05ないし2.0g、例えば、1リットル当り0.2ないし1.8g、例えば、1リットル当り1.0ないし1.8g、例えば、1リットル当り3.0ないし4.5g、例えば、1リットル当り0.3g又は1リットル当り1.2g、例えば、1リットル当り3.2又は4.2gである。
【0036】
前記洗浄溶液は、好ましくは、甘味料を含む。糖ベースの甘味料は通常、非吸収の糖の結腸への送達が細菌のための基質を提供するため、結腸洗浄組成物のために適当でない。そのような糖は細菌により代謝され、水素及びメタンのような爆発性ガスを形成し得る。結腸中の爆発性ガスの存在は、電気器具が大腸内視鏡検査又は他の処置の間に使用される場合、極めて危険であり得る。好ましい甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファム K)、スクラロース及びサッカリン、及び/又はそれらの組合せが挙げられる。例えば、本発明の組成物は、アスパルテームとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。例えば、本発明の組成物は、スクラロースとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。好ましい実施態様において、前記溶液はアスパルテーム又はスクラロースを含み、例えば、アスパルテームを含む。
【0037】
また、本発明の組成物は、例えば、組成物中の異なる成分の数を最小にするために、添加された甘味料が実質的に存在しないものとし得る。
【0038】
酸味剤(例えば、クエン酸)は味強化剤として存在し得る。酸味剤は酸味を組成物に与える成分である。他の酸味剤としては、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、リン酸、コハク酸、フィチン酸、乳酸又はそれらの塩が挙げられる。前記酸味剤(例
えば、クエン酸)は、カプセルに入れられた形態で提供され得る。前記カプセル封入は、酸味剤を他の成分から、またその使用前に空気及び湿気から隔てる被覆物(coating)を提供する。カプセルに入れられた形態のクエン酸のいくつか、又は他の酸味剤は、市販されている。例えば、カプセル封入は水溶性被覆物であり得る。
【0039】
必要となる甘味料の量は、考慮される甘味料の性質及び強度に依存する。典型的には、それは1リットル当り0.10ないし4gである。例えば、甘味料は1リットル当り0.5ないし4g、例えば、1リットル当り2.5ないし4.0g、例えば、1リットル当り3.0g、例えば、1リットル当り3.86gのアスパルテームであり得る。オレンジ香味料、例えば、1リットル当り0.2ないし1.8g、例えば、1リットル当り1.0ないし1.8g、例えば、1リットル当り0.3g、1リットル当り0.875g又は1リットル当り1.2gのオレンジ香味料と併用した場合、アスパルテームのこれらの量は特に適している。例えば、甘味料は、1リットル当たり1.0ないし2.5g、例えば、1リットル当たり1.5ないし2.0g、例えば、1リットル当たり1.75gのアスパルテームであり得る。
【0040】
本発明は、従って、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)1リットル当り10ないし200gのPEG
c)1種以上の電解質;
d)任意の1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)任意の1種以上の香味剤;並びに
f)任意の1種以上の甘味料
を含む結腸洗浄溶液を提供する。
【0041】
“含む”という用語及びその文法的な変化は、記載された本発明の実施態様に関して、あらゆる場合(特に文脈の指示がない場合)において、“のみから実質的になる”又は“からなる”という用語に置き換えられ得るということは、本明細書の読者には明らかであろう。所定の成分“からなる”又は“のみから実質的になる”溶液の場合、残りはいずれの場合も水で構成される。
【0042】
特に、本発明は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)1リットル当り10ないし200gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;並びに
f)任意の1種以上の甘味料
を含む結腸洗浄溶液を提供する。
【0043】
c)及びd)はそれぞれ、上述の濃度で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と
同様のものであり得、及び/又は上述の濃度であり得る。
【0044】
特に、本発明は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)1リットル当り10ないし200gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む結腸洗浄溶液を提供する。
【0045】
1つの態様において、成分c)、d)(存在する場合)、e)及びf)の1つ以上は本発明の溶液中に存在する。別の代表例において、成分c)、d)(存在する場合)、e)及びf)の一部又は全ては、例えば、錠剤又はカプセルで、本発明の溶液とは別に提供される。例えば、成分c)及びd)は錠剤形態で提供され得る。実施態様において、本発明の溶液は、a)アスコルベート成分及びb)PEG、並びに任意の香味料及び甘味料(e)及びf))を含み得、また錠剤又はカプセルはc)1種以上の電解質を(任意にd)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩とともに)、さらに任意の香味料及び甘味料(e)及びf))とともに含み得る。前記香味料及び甘味料は、前記錠剤又はカプセルにおいて、前記溶液と同じである必要は無い。
【0046】
1つの実施態様において、本発明は、
a)(i)1リットル当たり12ないし20gのアスコルビン酸及び
(ii)1リットル当たり80ないし120gのアスコルビン酸ナトリウム
該成分(i)と該成分(ii)とは1:5063ないし1:7.875の質量比で存在する;
b)1リットル当り60ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当り3ないし8gの塩化ナトリウム及び1リットル当り1ないし7の塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む結腸洗浄溶液を提供する。
【0047】
実施態様において、本発明の溶液はこれらの成分のみから実質的になる;すなわち、それは有意量の任意の更なる成分を含まない。本発明の溶液は、例えば、任意の硫酸塩を含み得ない。
【0048】
例えば、本発明は、
a)(i)1リットル当たり14ないし16gのアスコルビン酸及び
(ii)1リットル当たり92ないし100gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり75ないし85gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当たり6.0ないし6.8gの塩化ナトリウム及び1リットル当たり2.0ないし2.8gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
のみから実質的になる結腸洗浄溶液を提供する。
【0049】
例えば、本発明は、
a)(i)1リットル当たり15.08gのアスコルビン酸及び
(ii)1リットル当たり96.22gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり80gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当たり6.4gの塩化ナトリウム及び1リットル当たり2.4gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
のみから実質的になる結腸洗浄溶液を提供する。
【0050】
例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり1.20gのオレンジ香味料及び1リットル当たり3.86gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり3.20gのシトラス香味料及び1リットル当たり1.75gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり4.20gのオレンジグレープフルーツ香味料及び1リットル当たり1.75gのアスパルテームであり得る。
【0051】
好ましくは、前記結腸洗浄溶液は高浸透圧である。即ち、それは人体における血液よりも高い浸透力を有するものである。それは、例えば、500ないし2000mOsmol/kgの範囲の測定されたオスモル濃度を有する。例えば、該オスモル濃度は、700ないし1800mOsmol/kgの範囲であり得る。例えば、500mLの本発明の溶液における溶質は、1000ないし2000mL、例えば、1300ないし2000mL、例えば1400ないし1900mLの測定されたV(350)値を有し得、また400ないし600mL、例えば、500mLの体積であり得る。V(350)値は350mOsmol/kgのオスモル濃度である溶液を提供するのに必要な水の体積であり、多量の水の最終体積である総体積は、最初の体積を有する溶液に添加されている。
【0052】
オスモル濃度は種々の方法で測定され得る。一般に、氷点降下法又は蒸気圧変化の何れかが使用される。例えば、Advanced Instruments,Inc Model 3250浸透圧計(氷点降下法デバイス)が使用され得る。蒸気圧測定もまた、例えば、ELITech Group Vapro 5600デバイスを用いて、使用され得る。ここに示されるオスモル濃度値は、好ましくは、標準的な操作手順の後に、氷点降下浸透圧計を使用して、例えば、Advanced Instruments,Inc Model 3250浸透圧計を使用して測定された値を採用する。
【0053】
本発明は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)1リットル当り10ないし200gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
並びに1300ないし2300mLのV(350)浸透圧値を有する500mLの溶液
を含む結腸洗浄溶液を提供する。
【0054】
例えば、500mLの溶液は1500ないし2100mL、例えば、1700ないし2000mL、例えば、1800ないし1900mLのV(350)浸透圧値を有し得る。
【0055】
b)溶液の更なる任意の中身
別段の定めがない限り、本発明の溶液は1種以上の更なる任意の成分を含み得る:
【0056】
(i)酸化防止剤
一般に本発明の溶液に防腐剤又は酸化防止剤を含める必要はない。それでもなお、必要であれば、低濃度の酸化防止剤又は防腐剤は使用され得る。
【0057】
(ii)下剤
一般に、本発明の溶液は任意の追加の活性成分を必要とせずに効果がある。それにもかかわらず、更なる活性成分は必要に応じて含み得る。例えば、下剤は存在し得、例えば、刺激性下剤が存在し得る。例えば、ビサコジル、ヒマシ油、センナ又はビソキサチンが使用され得る。ビソキサチン含有結腸洗浄溶液の例は、国際公開2013/001315号パンフレットから知られている。
【0058】
(iii)造影剤
特定使用のために、1種以上の造影剤が本発明の溶液に含まれる。
造影剤の例としては、バリウム又はヨウ素製品、ジアトリゾアート(例えば、HYPAQUE50という商品名で市販されている)、メトリゾアート(例えば、ISOPAQUE370という商品名で市販されている)、イオキサグレート(例えば、HEXABRIXという商品名で市販されている)、イオパミドール(例えば、ISOVUE370という商品名で市販されている)、イオヘキソール(例えば、OMNIPAQUE350という商品名で市販されている)、イオキシラン(例えば、OXILAN350という商品名で市販されている)、イオプロミド(例えば、ULTRAVIST370という商品名で市販されている)、イオジキサノール(例えば、VISIPAQUE320という商品名で市販されている)及び/又は ジアトリゾ酸若しくはそのアニオン型 ジアトリゾアート(アミドトリゾ酸、又は3,5−ジアセトアミド−2,4,6−トリヨード安息香酸としてもまた知られている;例えば、HYPAQUEという商品名で市販されている)が挙げられる。また、本発明の溶液は、コントラスト剤又は造影剤の投与とともに(例えば、同時に、前後に)使用され得る。
【0059】
(iv)染料及び染色剤(stain)
特定使用(例えば、蛍光内視鏡検査)のために、特に粘膜病変のマーカーである、1種以上の染料又は染色剤は本発明の溶液に含むことができる。染色剤は選択し得る。例えば、ヘキサアミノレブリン酸が、例えば、その塩酸塩として使用され得る(CYSVIEWという商品名で市販されている)。結腸又は直腸の粘膜病変の他のマーカーが使用できる。例えば、まだポリープになっていない正常な粘膜を染色できる、メチレンブルーは染色しなく、また、よりはっきりと見えなくなる。
【0060】
言及され得る更なる染料及び染色剤としては:クルクミン、リボフラビン、リボフラビン−5’−リン酸、タルトラジン、 キノリンイエロー、サンセットイエロー、FCFオレンジ、イエローS、コチニール、カルミン酸、カルミン、アゾルビン、カルモイシン、ポンソー4R、コチニールレッドA、アルラレッドAC、パテントブルーEV、インジゴチン、インジゴカルミン、ブリリアントブルーFCF、クロロフィル及びクロロフィリン、クロロフィル及びクロロフィリンの銅錯体、グリーンS、プレーンキャラメル(Plain caramel)、ブリリアントブラックBN、ブラックPN、 ベジタブルカーボン(Vegetable carbon)、ブラウンHT、カロチン、ルテイン、ビートルートレッド、ベタニン、アントシアニン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄及
び水酸化鉄、アマランス、ブラウンF、エリスロシン、リソールルビンB並びに/又はレッド2Gが挙げられる。言及され得る更なる染料及び染色剤としては:酸性フクシン、アルバレッド、アリザリンシアニングリーンF、アリズロールパープルS5、アルラレッドAC、アルファズリンFGブリリアントレーキレッドR、ジブロモフルオレセイン、ジヨードフルオレセイン、エオシン、エリスロシン黄Na、ファストグリーンFCF、フレーミングレッド、フルオレセイン、ヘリンドンピンクCN、インダンスレンブルー、レーキボルドーB、リソールルビンBCa、ナフトールイエロー5、オレンジII、フロキシンB、ポンソー5X、濃縮ピラニン、キニザリングリーン5S、テトラブロモフルオレセイン、テトラクロロテトラブロモフルオレセイン、トネイレッド、ウラニン、アルシアンブルー、アナゾレンナトリウム、ブリリアントグリーン、カンタキサンチン、カルタミン、シトラスレッド2、エバンスブルー、ファーストグリーンFCF、インドシアニングリーン、メチルブルー、メチレンブルー、N−(p−メトキシフェニル)−p−フェニレンジアミン、ポンソー3R、ポンソーSX、ピラニン、ローダミンB、サンダースレッド(Saunders Red)、スダンブラックB、スルファンブルー、塩化トロニウム、及び/又はバイタルレッド又は同等のもの又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0061】
また、本発明の溶液は、染料又は染色剤の投与とともに(例えば、同時に、前後に)使用され得る。染料又は染色剤は徐放性製剤又は遅延放出製剤で提供され得、例えば、遅延放出性メチレンブルー(例えば、イタリア国ライナーテのコスモ ファーマスティカルズにより開発された結腸洗浄放出性メチレンブルーのMMX型)が言及され得る。
【0062】
(v)界面活性剤
界面活性剤は本発明の溶液に含有され得る。界面活性剤は結腸中の気泡の持続を回避するのに役立ち得る。そのような気泡は、結腸内視鏡検査の間、結腸の特徴の可視化を妨げることができる。言及され得る界面活性剤としては、シメチコン(又はポリジメチルシロキサン及びシリカゲルの任意の混合物)、ジメチコーンが挙げられる。シメチコンを含有する結腸洗浄溶液は国際公開第2009/052256号パンフレットに記載されている。
【0063】
(vi)潤滑剤
潤滑剤は本発明の溶液に含有され得る。潤滑剤の含有は、結腸内視鏡挿入及び結腸内視鏡検査の遂行の範囲内での円滑化に役立つことができる。適切な潤滑剤としては、グリセロール又はシリコーンが挙げられる。
【0064】
(vii)生体膜破壊化合物(Biofilm−disrupting compounds)
生体膜破壊化合物は本発明の溶液に含有され得る。生体膜を破壊する化合物は、付着性多糖類DNAを含有する層、いわゆる結腸粘膜から生体膜を分離するのに役立ち得る。この層の除去は、洗浄及び/又はより容易に視覚化された若しくは染色された粘膜を得るのに役立ち得る。
【0065】
言及され得る生体膜破壊化合物又は生体膜破壊剤としては、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)、N‐アセチルシステイン、アルギン酸リアーゼ、グルコシドヒドロラーゼディスパーシンBなどの酵素;クオラムセンシング阻害剤、例えば、リボ核酸III阻害ペプチド、サルボドラパーシカ抽出物(Salvadora persica extract)、形質転換を促進するペプチド(Competence−stimulating peptide)、パツリンとペニシリン酸;ペプチド−カテリジン由来ペプチド、低分子量の細胞溶解性ペプチド、PTP−7(低分子量の細胞溶解性ペプチド、例えば、haridia(2011)J.Microbiol.49(4):663−8,Epub2011 Sep2参照)、一酸化窒素、ネオ−エマルション(neo−emuls
ions);オゾン、溶菌バクテリオファージ(lytic bacteriophages)、ラクトフェリン、キシリトールヒドロゲル、合成鉄キレート剤、クランベリー成分、クルクミン、銀ナノ粒子、アセチル−11−ケト−P−ボスウェル酸(AKBA)、大麦コーヒー成分、プロバイオティクス、シネフンギン、S−アデノシルメチオニン、S−アデノシルホモシステイン、デリシアフラノン(Delisea furanones)、N−スルホニルホモセリンラクトン及び/若しくは マクロライド系抗生物質又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0066】
また、本発明の溶液は、生体膜破壊化合物の投与とともに(例えば、同時に、前後に)使用され得る。結腸内視鏡検査のもっとも直前に生体膜を破壊するために、生体膜破壊化合物は、本発明の溶液の摂取の終わり頃、又は本発明の溶液の摂取終了直後に投与され得る。
【0067】
(viii)有機酸
本発明の溶液の浸透圧負荷の一部は、アスコルビン酸以外の有機酸又は有機酸の塩によりもたらせ得る。例えば、クエン酸及び/又はその塩は、本発明の溶液中で一部又は全てのアスコルビン酸塩を置換し得る。この説明を通じて、アスコルビン酸はクエン酸に置換され得る。アスコルビン酸塩の塩はクエン酸塩の塩に置換され得る。クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びクエン酸マグネシウムが特に好ましい。
【0068】
c)本発明の溶液の使用
本発明の溶液は結腸又は腸の洗浄における使用を見出している。それらはまた、宿便又は便秘の治療に有用である。
【0069】
結腸又は腸洗浄処置が実施される場合、被験者は、典型的には、洗浄溶液の単回用量又は分割用量を摂取する。分割−用量処置において、典型的には、時間間隔、例えば、一晩間隔により別々に摂取される。また、分割−用量処置において、2つの用量は同日、例えば、診断的、治療的若しくは外科的処置の前日の間に、又は診断的、治療的若しくは外科的処置の日中に摂取され得る。分割用量における各用量は、単回用量処置における用量よりも少ない。分割用量処置において、該2つの用量は、同一の組成であり得るか又は異なり得る。
【0070】
単回用量処置のために、本発明の溶液は、700ないし1500mLの体積で摂取され得る。例えば、被験者は、前記溶液の750mLないし1300mL、例えば、800ないし1200mL、例えば、900ないし1100mL、例えば、1000mLを摂取し得る。例えば、33又は34米国式液量オンスが摂取され得る。1つの態様において、被験者は、幾らかの追加の透明液を本発明の溶液の各々の又は何れかの用量と共に摂取し得る。追加の透明液は、本発明の溶液の用量を摂取した後に摂取され得る。さもなくば、追加の透明液は、本発明の溶液の摂取と共に共投与され得る。“共投与”というのは追加の透明液を用いる本発明の溶液の連動された摂取を意味する;すなわち、被験者は必ずしも全用量ではなく、本発明の溶液の一部を摂取し、それからいくらかの追加の透明液とそれからもっと多くの本発明の溶液を摂取する。
【0071】
分割用量処置のために、本発明の溶液は該用量の一方又は両方として摂取され得、各用量は200ないし1000mLの体積を有する。例えば、被験者は、前記溶液の300mLないし1000mL、例えば、300ないし900mL、例えば、300ないし800mL、例えば、400ないし700mL、例えば、400ないし600mL、例えば、450ないし550mL、例えば、500mLを(用量の一方として)摂取し得る。例えば、16又は17米国式液量オンスが摂取され得る。
【0072】
前記第一の及び第二の用量の統合体積は、好ましくは2リットル未満である。好ましくは、1750mL以下、例えば、1500mL以下、例えば、1250mL以下である。大部分の成人被験者のために、500mLよりも多い統合体積、例えば、750mLよりも多い統合体積が使用される。例えば、500mLないし1750mLの統合体積、例えば、750mLないし1500mL、例えば、1000mLないし1500mL、例えば、1000mL又は1250mLの統合体積が使用される。例えば、前記第一の用量は、500mLの体積(例えば、16又は17米国式液量オンスの体積)又は750mLの体積(例えば、25又は26米国式液量オンスの体積)を有し得、及び、前記第二の用量は、500mLの体積(例えば、16又は17米国式液量オンスの体積)を有し得る。
【0073】
実施態様において、被験者は、幾らかの追加の透明液を結腸洗浄溶液の各々の又は何れかの用量と共に摂取し得る。追加の透明液は、前記溶液の用量を摂取した後に摂取され得る。さもなくば、追加の透明液は、本発明の溶液の用量の摂取と共に共投与され得る;すなわち、被験者は必ずしも全用量ではなく、本発明の溶液の一部を摂取し、それからいくらかの透明液とそれから本発明のもっと多くの溶液を摂取する。
【0074】
前記方法において、典型的には、第一の用量の摂取と第二の用量の摂取の間に、時間間隔が存在する。通常、時間間隔は、少なくとも4時間、例えば、6時間以上、例えば、8時間以上である。典型的には、時間間隔は15時間未満である。前記第一の用量の摂取の開始と前記第二の用量の摂取の開始の間の時間間隔は、例えば、夜と翌朝の間の時間、例えば、12ないし16時間、例えば、14時間であり得る。例えば、被験者は第一の用量と第二の用量を摂取する間に睡眠(例えば、終夜)し得る。
【0075】
また、第一の用量を摂取し、そして第二の用量を摂取する時間間隔は、少なくとも10分、例えば、10分ないし4時間、例えば、30分ないし4時間、例えば、30分ないし2時間であり得る。例えば、被験者は外科的、治療的又は診断的処置(以後、“処置”)の前日の晩に第一の及び第二の結腸洗浄用量を摂取し得る。例えば、被験者は、処置の当日に第一及び第二の結腸洗浄用量を摂取し得る。第一の溶液を摂取し、そして第二の溶液を摂取する時間間隔は、被験者が排便を体験するのに要する時間によって決定することができる。例えば、第一の溶液の摂取を終えた後、最初の排便が生じたとき、被験者は第二の用量を摂取する。また、たとえ第一の用量の摂取が終えてなくても、最初の排便が生じたとき、被験者は第二の用量を摂取する。
【0076】
上述のように、分割−用量処置において2用量が同日、例えば、処置の前日の間に、又は処置の当日の間に摂取され得る。全ての工程は、よって、典型的には以下の順序である:
t=0:被験者は時間t(d1)に亘って洗浄溶液の第一の用量、続いて任意に時間t(cf1)に亘って追加の透明液を摂取する;
t=t
1:被験者は時間t(d2)に亘って洗浄溶液の第二の用量、続いて任意に時間t
*(cf2)に亘って追加の透明液を摂取する;
t=t
2:被験者は、外科的、治療的若しくは診断的処置を受ける。
【0077】
洗浄溶液の各用量は、一般に、10分間ないし90分間、例えば、15分間ないし1時間、例えば、20分間ないし45分間、典型的には30分間の期間に亘って摂取される。よって、t(d1)は、例えば、10分間ないし90分間、例えば、15分間ないし1時間、例えば、20分間ないし45分間、典型的には30分間である。同様に、t(d2)は、例えば、10分間ないし90分間、例えば、15分間ないし1時間、例えば、20分間ないし45分間、典型的には30分間である。
【0078】
追加の透明液の各飲料は、一般に、10分間ないし90分間、例えば、15分間ないし
1時間、例えば、20分間ないし45分間、典型的には30分間の期間に亘って摂取される。よって、t(cf1)は、例えば、10分間ないし90分間、例えば、15分間ないし1時間、例えば、20分間ないし45分間、典型的には30分間である。同様に、t(cf2)は、例えば、10分間ないし90分間、例えば、15分間ないし1時間、例えば、20分間ないし45分間、典型的には30分間である。
【0079】
幾つかの場合において、被験者は洗浄溶液の摂取(例えば、2つの溶液が散在され得る)を完了する前に、幾らかの追加の透明液を摂取し得る。その状況において、t(d1)とt(cf1)とは、区別され得ない。t(d1)+t(cf1)は、よって、例えば、20分間ないし3時間、例えば、30分間ないし2時間、例えば、40分間ないし90分間、典型的には1時間である。
【0080】
一般に、外科的、治療的若しくは診断的処置は、結腸洗浄の開始の36時間以内(例えば、24時間以内)に行われる。つまり、t
2は、一般に、36時間未満、例えば、24時間未満、例えば、20時間未満、例えば、19時間未満、18時間未満、17時間未満、16時間未満、15時間未満、14時間未満、13時間未満、12時間未満、11時間未満、10時間未満、9時間未満、8時間未満、7時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満又は3時間未満である。結腸洗浄処置が、外科的、治療的若しくは診断的処置の前日に開始される場合、t
2は、10ないし36時間;例えば、12ないし24時間;例えば、12ないし18時間;例えば、12ないし16時間の範囲内である。結腸洗浄処置が、外科的、治療的若しくは診断的処置の当日に開始(及び完了)される場合、t
2は、3ないし14時間;例えば、3ないし12時間;例えば、4ないし10時間;例えば、4ないし8時間の範囲内である。
【0081】
洗浄溶液の第二の用量は、一般に、第一の追加の透明液の終了後の間隔の後に摂取される。該間隔t(用量間隔)の長さは、以下のように表され得る:
t(用量間隔)=t
1−(t(d1)+t(cf1))
上述のように、被験者は、外科的、治療的若しくは診断的処置の前日の晩に第一及び第二の用量を摂取し得るか;又は被験者は、外科的、治療的若しくは診断的処置の当日に第一及び第二の用量を摂取し得る。それらの状況の何れかにおいて、t(用量間隔)は、0分間ないし8時間、例えば、10分間ないし4時間、例えば、30分間ないし4時間、例えば、30分間ないし2時間、例えば、1時間ないし2時間の範囲内である。つまり、両方の用量は同日に摂取される。
【0082】
上述のように、さもなければ、被験者は、外科的、治療的若しくは診断的処置の前日の晩に第一の用量を摂取し得及び外科的、治療的若しくは診断的処置の当日の朝に第二の用量を摂取し得る。その状況において、t(用量間隔)は、8ないし20時間、例えば、10ないし16時間、例えば、10ないし14時間、例えば、12時間の範囲内である。t(用量間隔)は、例えば、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1時間から選択され得る。
【0083】
前記外科的、治療的若しくは診断的処置は、一般に、第二の追加の透明液の終了後の間隔の後に行われる。該間隔t(処置間隔)の長さは、以下のように表され得る:
t(処置間隔)=t
2−(t
1+t(d2)+t(cf2))
t(処置間隔)は、行われる結腸内視鏡試験若しくは他の診断的処置又は治療的若しくは外科的処置のために、結腸を通過する十分な液が十分にそれを洗浄するほどに十分長いものであるべきである。例えば、それは結腸流出物が透明になるほどに十分に長いものであるべきである。
【0084】
両方の用量が、外科的、治療的若しくは診断的処置の当日に摂取される投薬計画のため
に、又は、第二の用量が、外科的、治療的若しくは診断的処置の当日に摂取される投薬計画のために、t(処置間隔)は30分間ないし10時間、例えば、1ないし8時間、例えば、1ないし6時間である。
【0085】
両方の用量が、外科的、治療的若しくは診断的処置の前日に摂取される投薬計画のために、t(処置間隔)は8ないし20時間、例えば、9ないし18時間、例えば、10ないし16時間である。t(処置間隔)は、例えば、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1時間から選択され得る。
【0086】
本発明は、よって、外科的、治療的若しくは診断的処置の前に、被験者の結腸を洗浄する方法を提供するが、ここで、被験者は結腸洗浄溶液の2つの用量を摂取し、それに従って、第一の結腸洗浄溶液は期間t(d1)に亘って、続いて任意の追加の透明液は期間t(cf1)に亘って摂取され、その後、時間間隔t(用量間隔)に続いて、第二の結腸洗浄溶液は期間t(d2)に亘って、続いて任意の追加の透明液は期間t(cf2)に亘って摂取され、それに従って、被験者は、該結腸洗浄方法の開始後の時間t
2において外科的、治療的若しくは診断的処置を受け、それに従って、第二の追加の透明液の完飲後と、外科的、治療的若しくは診断的処置の開始との時間間隔は、t(処置間隔)となる。特に、本発明は、以下の方法を提供する:
A)t
2が10ないし36時間(例えば、12ないし24時間、例えば、12ないし16時間)の範囲内であり;t(用量間隔)が0分間ないし8時間(例えば、30分間ないし4時間、例えば、1時間又は2時間)の範囲内であり;そして、t(処置間隔)が8ないし20時間(例えば、10ないし16時間)である。
B)t
2が10ないし36時間(例えば、12ないし24時間、例えば、12ないし16時間)の範囲内であり;t(用量間隔)が8ないし20時間(例えば、10ないし14時間)の範囲内であり;そして、t(処置間隔)が30分間ないし10時間(例えば、1ないし6時間)である。
C)t
2が3ないし14時間(例えば、4ないし10時間)の範囲内であり;t(用量間隔)が0分間ないし8時間(例えば、30分間ないし4時間、例えば、1時間又は2時間)の範囲内であり;そして、t(処置間隔)が30分間ないし10時間(例えば、1ないし6時間)である。
【0087】
投薬計画A)、B)及びC)のそれぞれにおいて、t(d1)は15分間ないし1時間(例えば、30分間)であり、t(cf1)は15分間ないし1時間(例えば、30分間)であり、t(d2)は15分間ないし1時間(例えば、30分間)であり、そして、t(cf2)は15分間ないし1時間(例えば、30分間)である。好ましくは、第二の結腸洗浄溶液は、第2節において上記されているか又は第4節において下記されている本発明の溶液である。第一の結腸洗浄溶液は、ここに提示されるように、第二の溶液と同一であり得るか又は異なり得る。
【0088】
前記第一の用量若しくは前記第二の用量の摂取の間、又は前記第一の用量と前記第二の用量の摂取との間の時間間隔の間に、被験者は、更に、刺激性下剤(運動促進薬としても既知である)を摂取し得る。刺激性下剤は、良好な洗浄をもたらすことを補助し得る。刺激性下剤の例としては、接触性下剤、例えば、ビサコジル、ヒマシ油、センナ又はビソキサチンを挙げられる。刺激性下剤の例としてはまた、更なる浸透圧性薬剤、例えば、マウネシウム塩、例えば、クエン酸マグネシウムも挙げられる。刺激性下剤が投薬計画中に含まれる場合、時間間隔の長さは、短縮され得る。例えば、それは、10分ないし15時間、例えば、1ないし15時間、例えば、1ないし12時間、例えば、2ないし10時間であり得る。
【0089】
前記第一の用量と前記第二の用量の投与との間の時間間隔の間に、被験者が排便を体験する可能性が高い。有利には、被験者は、前記第二の用量を摂取する前に、排便が生じるまで待つ。
【0090】
分割用量処置において、本発明の溶液は該用量の一方又は両方で摂取され得る。好ましくは、本発明の溶液は、第二の用量として摂取される。例えば、被験者は、第二の用量として、300mLないし1000mL、例えば、300mLないし900mL、例えば、300mLないし800mL、例えば、400mLないし700mL、例えば、400mLないし600mL、例えば、450mLないし550mL、例えば、500mLの本発明の溶液を摂取し得る。例えば、16又は17米国式液量オンスが摂取され得る。
【0091】
分割用量処置の第一の用量は、第二の用量とは異なる構成の溶液であり得る。よって、分割用量結腸洗浄処置の好ましい態様において、被験者は最初の洗浄溶液の用量、任意のそれに続く幾らかの追加の透明液を摂取する。時間を置いた後、被験者は、そのとき本発明の溶液の用量、任意のそれに続く幾らかの追加の透明液を摂取する。
【0092】
被験者が第一又は第二の用量の後に摂取する追加の透明液の体積は、100mL、200mL、300mL、400mL又は500mLの下限を有する範囲であり得る。好ましくは、前記下限は、300mL、400mL又は500mLである。前記体積は、1200mL、1100mL、1000mL、900mL又は800mLの上限を有する範囲であり得る。例えば、前記体積は、100mLないし1200mL、例えば、200mLないし1100mL、例えば、300mLないし1000mL、例えば、500mLないし900mL、例えば、1000mL、例えば、875mL、例えば、500mLないし800mLの範囲であり得る。例えば、前記体積は300mLないし900mL、例えば、400mLないし800mL、例えば、500mLないし800mLの範囲内であり得る。追加の透明液は少なくとも500mLの体積で摂取され得る。例えば、それは、少なくとも16又は17米国式液量オンスであり得る。被験者に対して提供される取扱説明書は、前記追加の透明液が約1時間の期間に亘って、例えば、15ないし20分毎に150ないし200mLの画分が摂取されることを提案し得る。前記追加の透明液は、前記溶液の用量を摂取した後に摂取され得る。さもなくば、前記追加の透明液は、本発明の溶液の用量の摂取と共に共投与され得る;例えば、被験者は本発明の溶液の画分間に透明液を摂取し得る;例えば、被験者は1杯の本発明の溶液、続いて1杯の追加の透明液、続いて更なるカップの本発明の溶液を摂取し得る。
【0093】
前記追加の透明液として摂取するための、又は、溶液を調合する際に前記透明液として使用するための透明液は、結腸排泄物の検査ができるいかなる液体でもあり得る。該透明液はまた、大腸内視鏡検査の間、結腸の検査を妨げるべきではない。典型的には、透明液は、例えば、水、レモネード、コーラ飲料、コーディアル飲料、透明なフルーツジュース、及び透明なアルコール含有飲料、例えば、ビールをも含む水ベースの飲料である。繊維は、本発明に従った結腸の洗浄に干渉するため、透明液は、実質的な量のダイエット繊維を含まず、基本的には、いかなるダイエット繊維も含まないことが望ましい。従って、フルーツジュース、例えば、オレンジジュース及びキウィジュース、及びフルーツ‘’スカッシュ‘’は、使用前に漉すべきである。透明なフルーツコーディアル、例えば、ライムコーディアル又は茶(例えば、緑茶)が、一般的に適当である。グルコースを含む飲料を避けることが望ましいことを考慮して、消化管中に蓄積される爆発性の水素又はメタンの濃縮物の危険性を減少させるように、糖を含まない又は少ししか含まない‘’ダイエット‘’飲料、例えば、糖尿病患者用の液体飲料、ダイエット コーク(登録商標:diet
Coke)、ダイエットレモネード、ダイエット用炭酸飲料又はダイエット用コーディアルが特に適当である。最も好ましい透明液は水である。
【0094】
一般に、被験者は、結腸洗浄処置を開始する前に、こってりしたものを食べないように忠告される。被験者は結腸洗浄処置を開始する前の12時間(例えば、10時間、例えば、8時間、例えば、6時間)の間、絶食するように忠告され得る。さもなければ、被験者は、例えば、結腸洗浄処置の開始の前日又は当日のために、“ホワイトダイエット”に従うよう忠告され得る。“ホワイトダイエット”において、被験者は、食物摂取を白及びクリーム色の食物に制限するように指導される。許容される食物は、鶏の胸肉(皮無し)、魚の切り身(皮無し)、卵、チーズ、煎餅、精白パン、素パスタ、白米、米麺、剥きジャガイモ、アイスクリーム、バター、カスタード、マヨネーズ、牛乳及びホワイトチョコレートを含む。許容されない白色の食物は、ココナッツ、玉ねぎ、カリフラワー、梨、パースニップ、セモリナ粉、バナナ及びポップコーンを含む。更なる代替案として、被験者は、その期間の間に、軽食、例えば、プレーンヨーグルトのみを消費するように忠告され得る。
【0095】
本発明の方法は、被験者における、結腸、直腸又は肛門又は腹の他の部分の診断的、治療的又は外科的処置を行う前に結腸を洗浄するために使用され得る。被験者は、最も好ましくはヒトである。診断的又は外科的処置は、例えば、大腸内視鏡検査(例えば、キャップアシスト結腸内視鏡検査及び/又は狭帯域結腸内視鏡検査)、バリウム注腸検査、S状結腸鏡検査(例えば、軟性S状結腸鏡検査)又は結腸手術であり得る。本発明の方法は、診断的又は外科的処置に先立って結腸を洗浄する方法であって、前記第一の溶液を投与すること及び時間間隔の後、前記手順に先立って前記第二の溶液を投与することを含む方法であり得る。
【0096】
ここに記載される溶液、組成物及びキットはまた、便秘及び宿便の治療における使用も見出された。これらはまた、腸の重症な細菌感染症の治療における使用も見出された。本発明は、よって、便秘若しくは宿便の治療、又は腸の重症な細菌感染症の治療における使用のための、ここに記載されるような溶液、組成物及びキットを提供する。本発明はまた、ここに記載されるような溶液の投与を含む、便秘若しくは宿便を治療する方法、又は腸の重症な細菌感染症を治療する方法も提供する。
【0097】
上述のように、本発明の溶液は、結腸の洗浄における使用を見出している。本発明は、更なる観点において、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
の水溶液を提供する。
【0098】
哺乳類の結腸の洗浄における使用のための前記溶液は、好ましくは、1リットル当り300−700mmol、例えば、1リットル当り350−650mmol、例えば、1リットル当り450−600mmolの濃度でアスコルビン酸アニオンを含む。上記に示したように、該アスコルビン酸アニオンは、アスコルビン酸とアスコルビン酸の1種以上の塩との混合物により提供される。アスコルベート成分の好ましい形態は、上記3a)項に示した通りである。
【0099】
好ましい実施態様では、PEGが存在する。PEGの好ましい形態及びその好ましい量は、上記3a)項に示した通りである。
【0100】
哺乳類の結腸の洗浄における使用のための前記溶液は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0101】
例えば、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための溶液は、その一覧表から構成成分c)、e)及びf)を更に含む。
【0102】
好ましい電解質及びその好ましい量は、上記3a)項に示した通りである。
【0103】
好ましいアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩及びその好ましい量は、上記3a)項に示した通りである。
【0104】
好ましい香味剤及びその好ましい量は、上記3a)項に示した通りである。
【0105】
好ましい甘味料及びその好ましい量は、上記3a)項に示した通りである。
【0106】
例えば、前記水溶液は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)任意の5ないし100gのPEG
を含む。
【0107】
特に、本発明は、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)5ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;並びに
f)任意の1種以上の甘味料
を含む溶液を提供する。
【0108】
c)及びd)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記3a)項に記載された量で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記3a)項に記載された量であり得る。
【0109】
特に、本発明は、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)(i)1リットル当たり14ないし16gのアスコルビン酸及び
(ii)1リットル当たり92ないし100gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり75ないし85の、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当たり6.0ないし6.8gの塩化ナトリウム及び1リットル当たり2.
0ないし2.8gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
のみから実質的になる溶液を提供する。
【0110】
c)及びd)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記3a)項に記載された量で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記3a)項に記載された量であり得る。
【0111】
例えば、本発明は、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)(i)1リットル当たり15.08gのアスコルビン酸及び
(ii)1リットル当たり96.22gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり80gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当たり6.4gの塩化ナトリウム及び1リットル当たり2.4gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
のみから実質的になる溶液を提供する。
【0112】
例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり1.20gのオレンジ香味料及び1リットル当たり3.86gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり3.20gのシトラス香味料及び1リットル当たり1.75のアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり4.20gのオレンジグレープフルーツ香味料及び1リットル当たり1.75のアスパルテームであり得る。
【0113】
上述のように、結腸洗浄処置は、典型的には、被験者が洗浄溶液の単回用量又は分割用量を摂取することを含む。単回用量処置において被験者が摂取する溶液の体積は、上記されている。該被験者は、上記されているようにして溶液を摂取した後、幾らかの追加の透明液を摂取し得る。分割用量処置において被験者が摂取する溶液の体積は、上記されている。該被験者は、上記されているようにして溶液の夫々又は何れかを摂取した後、幾らかの追加の透明液を摂取し得る。
【0114】
d)溶液の用量を調製するための組成物
本発明は、本発明の溶液の調製のための組成物(例えば、乾燥組成物、例えば、粉末)を更に提供する。組成物は、溶液の用量、例えば、500mL用量(例えば、16又は17米国式液量オンス用量)を調製するための量で提供され得る。本発明は、水と混合するための組成物であって、該組成物は任意に2以上の部分で存在し、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)5ないし100gのポリエチレングリコール
を含む組成物を提供する。
【0115】
例えば、前記組成物は、乾燥粉末、顆粒又は他の乾燥形態であり得る。それらは、さもなくば、濃縮物又はスラリーの形態であり得る。成分は、同一又は異なる物理形態であり得る。例えば、前記組成物は、乾燥組成物、例えば、乾燥粉末組成物である。例えば、成分a)及びb)の一方又は両方は乾燥粉末である。乾燥粉末において、1種以上の成分が
含水塩であることは可能である。
【0116】
上記3a)項に示したように、アスコルビン酸アニオンは、アスコルビン酸とアスコルビン酸の1種以上の塩との混合物により提供される。アスコルベート成分の好ましい形態は、本発明の溶液に関して上記に示した通りである。
【0117】
本発明の組成物は、好ましくは、150ないし350mmol、例えば、175−325mmol、例えば、225−300mmolの量で、アスコルビン酸アニオンを含む。
【0118】
アスコルビン酸は176g/molの分子量を有し、またアスコルビン酸ナトリウムは198g/molの分子量を有する。したがって、150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオンは、3.3ないし12.8gのアスコルビン酸と24.3ないし69gのアスコルビン酸ナトリウム、例えば、5.0ないし10gのアスコルビン酸と40ないし60gのアスコルビン酸ナトリウム;例えば、6.0ないし10gのアスコルビン酸と40ないし60gのアスコルビン酸ナトリウム;例えば、7.0ないし8.0gのアスコルビン酸と44ないし52gのアスコルビン酸ナトリウム;例えば、7.0ないし8.0gのアスコルビン酸と46ないし50gのアスコルビン酸ナトリウムにより提供できる。
【0119】
アスコルビン酸カリウムは、214g/molの分子量を有する。したがって、150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオンは、3.3ないし12.8gのアスコルビン酸と26ないし75gのアスコルビン酸カリウム、例えば、5.0ないし10gのアスコルビン酸と45ないし65gのアスコルビン酸カリウム;例えば、7.0ないし8.0gのアスコルビン酸と47ないし56gのアスコルビン酸ナトリウムにより提供できる。
【0120】
アスコルビン酸マグネシウムは、374.5g/molの分子量を有し、アスコルビン酸マグネシウムの各モルは、アスコルビン酸塩の2モルを提供する。したがって、150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオンは、3.3ないし12.8gのアスコルビン酸と23ないし65gのアスコルビン酸マグネシウム、例えば、5.0ないし10gのアスコルビン酸と38ないし57gのアスコルビン酸マグネシウム;例えば、7.0ないし8.0gのアスコルビン酸と42ないし49gのアスコルビン酸マグネシウムにより提供できる。
【0121】
固体形態において、アスコルビン酸は、プロトン化された遊離のアスコルビン酸から成っている。ここでの“アスコルビン酸アニオン”の濃度の計算において、“アスコルビン酸アニオン”のモル数は、プロトン化された前記割合を含む、存在する全てのアスコルビン酸アニオンの合計濃度とする。
【0122】
アスコルベート成分の質量は、20ないし85g、例えば、25ないし75g、例えば、20ないし60g、例えば、50ないし60gであり得る。
【0123】
1つの実施態様において、アスコルベート成分は、アスコルビン酸ナトリウムとアスコルビン酸を含む(又は、のみから実質的になる)。例えば、それらは、真上で述べられたような合計量や質量比で存在し得る。
【0124】
PEGの好ましい形態は、本発明の溶液に関して、上記3a)項に示した通りである。前記組成物は、5ないし100gのPEGを含む。好ましくは、前記組成物は、10ないし80g、より好ましくは、20ないし60g、例えば、30ないし50g、例えば、37.5ないし42.5g、例えば、40gのPEGを含む。
【0125】
前記組成物は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;及び
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0126】
好ましい電解質は、本発明の溶液に関して、上記3a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、0.5ないし5g、例えば、1.5ないし4g、例えば、2.0ないし3.5g、例えば、2.8ないし3.2gの量で塩化ナトリウムを含み得る。例えば、前記組成物は、0.5ないし5g、例えば、0.5ないし3.5g、例えば、0.75ないし2.5g、例えば、0.75ないし1.5g、例えば、1.0ないし1.4g、例えば、1.2g又は1.3gの量で塩化カリウムを含み得る。1つの実施態様において、前記組成物は実質的に重炭酸ナトリウムを含まない、例えば、実質的に任意の重炭酸塩を含まない。
【0127】
好ましいアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩は、本発明の溶液に関して、上記3a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、1ないし10g、例えば、2.5ないし7.5g、例えば、4ないし7.5g、例えば、5ないし7g、例えば、6gの量でスルフェート成分を含み得る。1種以上の硫酸塩が医薬的に許容可能なあらゆる形態で提供され得る:それらはそれぞれ無水物であり得るか又は水和物形態であり得る。ここに記載される質量は、水和のあらゆる水を除外した硫酸塩の質量に言及する。水和物形態は乾燥粉末組成物で存在し得、そしてその組成物はさらにここでは“乾燥”と見なす。別の好ましい実施態様において、前記組成物はスルフェート成分を含まない;すなわち、前記組成物は実質的にアルカリ金属硫酸塩とアルカリ土類金属硫酸塩とを含まない;特に実質的に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムを含まない。
【0128】
好ましい香味剤は、本発明の溶液に関して、上記3a)項に示した通りである。例えば、香味剤の量は、0.025ないし2.25g、例えば、0.025ないし1.0g、例えば、0.1ないし0.9g、例えば、0.5ないし0.9g、例えば、1.5ないし2.25g、例えば、0.15g又は0.6g、例えば、1.6g又は2.1gであり得る。
【0129】
好ましい甘味料は、本発明の溶液に関して、上記3a)項に示した通りである。必要となる甘味料の量は、考慮される甘味料の性質及び強度に依存する。例えば、甘味料の量は、0.05ないし2g、例えば、0.25ないし2g、例えば、1.25ないし2g、例えば、1.5g、例えば、1.93gであり得る。オレンジ香味料、例えば、0.1ないし0.9g、例えば、0.5ないし0.9g、例えば、0.15g、0.4375g又は0.6gのオレンジ香味料と使用したとき、これらの量のアスパルテームは特に適している。例えば、甘味料は0.5ないし1.25g、例えば、0.75ないし1.0g、例えば、0.875gのアスパルテームであり得る。
【0130】
特に、本発明は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)5ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;
f)任意の1種以上の甘味料
を含む組成物を提供する。
【0131】
c)及びd)はそれぞれ、上述した量で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記に記載された量であり得る。
【0132】
1つの実施態様において、本発明は、
a)(i)6.0ないし10gのアスコルビン酸及び
(ii)40ないし60gのアスコルビン酸ナトリウム
該成分(i)と該該成分(ii)とは1:5063ないし1:7.875の質量比で存在する;
b)30ないし50gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1.5ないし4gの塩化ナトリウム及び0.5ないし3.5gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む組成物を提供する。
【0133】
1つの実施態様において、本発明は、
a)(i)7.43gのアスコルビン酸及び
(ii)48.11gのアスコルビン酸ナトリウム
b)40gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)3.20gの塩化ナトリウム及び1.20gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む組成物を提供する。
【0134】
例えば、香味料及び甘味料は、0.60gのオレンジ香味料と1.93gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.60gのシトラス香味料と0.875gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、2.10gのオレンジグレープフルーツ香味料と0.875gのアスパルテームであり得る。
【0135】
実施態様において、前記組成物はこれらの成分のみから実質的になる;すなわち、前記組成物は、有意量の任意の更なる成分を含まない。前記組成物は、例えば、任意の硫酸塩を含み得ない。
【0136】
1種以上の成分a)ないしf)は固形で、又は半固形(例えば、ゲル形態で)で存在し得る。
【0137】
1つの実施態様において、成分c)、d)(存在する場合)、e)及びf)の1つ以上は溶液を調合するための組成物中に存在する。別の代表例において、成分c)、d)(存在する場合)、e)及びf)の幾つか又は全ては、例えば、錠剤又はカプセルで、該溶液を調合するための組成物とは別に提供され得る。実施態様において、アスコルベート成分及びPEG、並びに任意の香味料及び甘味料が、水との混合のための形態で提供され得、錠剤又はカプセルは、再度任意の香味料及び甘味料を伴って、1種以上の電解質及び/又は1種以上のアルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩を含み得る。前記香味料及び甘味料は、前記錠剤又はカプセルにおいて、水との混合のための組成物と同じである必要は無い。
【0138】
幾つかの実施態様において、アスコルベート成分とPEG成分は互いに別々に包装するのが望ましい。
【0139】
実施態様において、前記組成物は、それぞれ別々に包装された複数の香味剤(それぞれ任意の1種以上の甘味料を伴う)と共に被験者に提供され得る。該被験者は、その後、彼又は彼女の味覚に従って、好ましい香味料(又は香味料と甘味料の組み合わせ)を選択することができる。該被験者はまた、香味料や甘味料を全く使用しない選択権も有する。
【0140】
本発明は更に、本発明の組成物を必要量の水と混合することにより製造される溶液(例えば、500mL用量)を提供する。
【0141】
ここに記載された全ての化合物と組成物とは、哺乳類の(特にヒト)飲食に適した性質と品質であることは読者には明らかであろう。例えば、それらは、医薬品等級である。ここに記載された医薬的に許容可能な組成物は取扱説明書と共に包装された形態で提供され得る。
【0142】
e)溶液を調製するための組成物
更なる観点において、本発明は、以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供されるアスコルビン酸アニオン0.82ないし4.0部;並びに
b)ポリエチレングリコール1.0部。
【0143】
上記のように、例えば、前記組成物は乾燥粉末、顆粒又は他の乾燥形態であり得る。それらは、さもなくば、濃縮物又はスラリーの形態であり得る。成分は、同一又は異なる物理形態であり得る。例えば、前記組成物は、乾燥組成物、例えば、乾燥粉末組成物である。例えば、成分a)及びb)の一方又は両方は乾燥粉末である。
【0144】
上記に示したように、アスコルビン酸アニオンは、アスコルビン酸とアスコルビン酸の1種以上の塩との混合物により提供される。アスコルベート成分の好ましい形態は、本発明の溶液に関して、上記3a)項に示した通りである。
【0145】
PEGの好ましい形態は、本発明の溶液に関して上記3a)項に示した通りである。本発明の組成物は、好ましくは、アスコルビン酸アニオンをPEGに対する質量比において、0.82ないし3.0:1で含む。より好ましくは、該質量比は、0.9ないし2.0:1、例えば、1.0ないし1.5:1、例えば、1.2ないし1.3:1である。上記に示したように、アスコルビン酸アニオンは、1:4.5ないし1:7.0の比においてアスコルビン酸とアスコルビン酸の塩により提供される。アスコルビン酸とアスコルビン酸の1種以上の塩とのモル比は、1:4.75ないし1:6.75;より好ましくは、1:5.0ないし1:6.0;例えば、1:5.40ないし1:5.80;例えば、15:85である。アスコルビン酸の塩はアスコルビン酸ナトリウムになり得る。1:4.5ないし1:7.0のモル比のアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの混合物は、1:5.063ないし1:7.875の質量比で存在するアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムを有する。より好ましい比率は1:5.344ないし1:7.594;より好ましくは、1:5.625ないし1:6.75;例えば、1:6.075ないし1:6.525、例えば、1:6.38である。
【0146】
アスコルビン酸アニオンとPEGとの質量比が0.82ないし3.0:1であり、また
アスコルビン酸アニオンが1:4.5ないし1:7.0のモル比でアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムにより提供される組成物において、アスコルビン酸:アスコルビン酸ナトリウム:PEGの質量比は、0.1031ないし0.5486:0.7591−2.970:1である。例えば、質量比は、0.12ないし0.30:0.9ないし1.9:1;より好ましくは、0.15ないし0.25:1.0ないし1.5:1;例えば、0.185ないし0.190:1.15ないし1.25:1;例えば、0.1885:1.203:1になり得る。
【0147】
前記組成物は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0148】
好ましい電解質は、本発明の溶液に関して上記3a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、塩化ナトリウムをPEGに対する質量比において、0.005ないし0.5:1、例えば、0.01ないし0.3:1、例えば、0.03ないし0.2:1、例えば、0.04ないし0.15:1、例えば、0.05ないし0.1:1、例えば、0.06ないし0.09:1で含み得る。例えば、前記組成物は、塩化カリウムをPEGに対する質量比において、0.005ないし0.30:1、例えば、0.01ないし0.20:1、例えば、0.01ないし0.10:1、例えば、0.02ないし0.04:1で含み得る。
【0149】
例えば、本発明は、以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:
a)アスコルビン酸アニオン:0.82ないし4.0部;
b)ポリエチレングリコール:1.0部;
c1)塩化ナトリウム:0.005ないし1.0部;及び
c2)塩化カリウム:0.005ないし1.0部;
該アスコルビン酸アニオンは、
(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
により提供され、
該成分(i)と該成分(ii)とは1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する。
【0150】
前記組成物は、好ましくは、実質的に重炭酸ナトリウムを含まない。例えば、それは、実質的に任意の重炭酸塩を含まない。
【0151】
好ましいアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩は、本発明の溶液に関して上記3a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、スルフェート成分(例えば、硫酸ナトリウム)をPEGに対する質量比において、0.01ないし0.50:1で含み得る。例えば、前記組成物は、スルフェート成分(例えば、硫酸ナトリウム)をPEGに対する質量比において、0.02ないし0.25:1、例えば、0.03ないし0.22:1、例えば、0.05ないし0.20:1、例えば、0.10ないし0.20:1で含み得る。
【0152】
実施態様において、前記組成物はスルフェート成分を含まない;すなわち、前記組成物は、実質的にアルカリ金属硫酸塩とアルカリ土類金属硫酸塩を含まない;特に実質的に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムを含まない。
【0153】
好ましい香味剤は、本発明の溶液に関して上記3a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、香味剤をPEGに対する質量比において、0.0005ないし0.050:1、例えば、0.001ないし0.025:1、例えば、0.0025ないし0.020:1で含み得る。
【0154】
好ましい甘味料は、本発明の溶液に関して上記3a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、甘味料をPEGに対する質量比において、0.0005ないし0.1:1、例えば、0.001ないし0.075:1、例えば、0.002ないし0.050:1で含み得る。
【0155】
特に、本発明は、以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:
a)アスコルビン酸アニオン:0.82ないし4.0部
b)3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG:1.0部
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;及び
f)任意の1種以上の甘味料;
該アスコルビン酸アニオンは、
(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
により提供され、
該成分(i)と該成分(ii)とは1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する。
【0156】
c)及びd)はそれぞれ、上述のPEGに対する質量比で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上述のPEGに対する質量比であり得る。
【0157】
1つの実施態様において、本発明は以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:
a)(i)アスコルビン酸:0.12ないし0.30部;及び
(ii)アスコルビン酸ナトリウム:0.9ないし1.9部
該成分(i)と該成分(ii)とは、1:5063ないし1:7.875の質量比で存在する;
b)3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG:1部
c)塩化ナトリウム0.05ないし0.10部及び塩化カリウム0.02ないし0.04部;
e)1種以上の香味剤:0.001ないし0.075部;並びに
f)1種以上の甘味料:0.002ないし0.050部。
【0158】
例えば、前記組成物は以下の質量比で以下の成分を含み得る:
a)(i)アスコルビン酸:0.189部及び
(ii)アスコルビン酸ナトリウム:1.20部
b)3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG:1部
c)塩化ナトリウム0.08部及び塩化カリウム0.03部;
e)1種以上の香味剤:0.001ないし0.075部;並びに
f)1種以上の甘味料:0.002ないし0.050部。
【0159】
例えば、香味料及び甘味料は、0.015部のオレンジ香味料と0.048部のアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、0.040部のシトラス香味料と0
.022部のアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、0.053部のオレンジグレープフルーツ香味料と0.022部のアスパルテームであり得る。
【0160】
実施態様において、前記組成物はこれらの成分のみから実質的になる;すなわち、前記組成物は有意量の任意の更なる成分を含まない。前記組成物は、例えば、任意の硫酸塩を含み得ない。
【0161】
本発明の好ましい組成物は、乾燥組成物、例えば、乾燥粉末組成物である。
【0162】
更なる観点において、本発明は、以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:
(i)アスコルビン酸:1部及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩:5.063ないし7.875部
【0163】
アスコルビン酸の塩はアスコルビン酸ナトリウムであり得る。1:4.5ないし1:7.0のモル比のアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの混合物は、1:5.063ないし1:7.875の質量比で存在するアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムとを有する。より好ましい比率は、1:5.344ないし1:7.594;より好ましくは、1:5.625ないし1:6.75;例えば、1:6.075ないし1:6.525、例えば、1:6.38である。
【0164】
f)溶液と組成物とを調製する方法
本発明は、溶液の成分と水とを組み合わせることを含む本発明の溶液を調製する方法を更に提供する。前記方法は成分と水とを組み合わせて、混ぜる工程を含む。一部又は全ての成分は、水が加えられる前に互いに物理的に関連し得る。いくつかの実施態様において、前記組成物の成分は2つ以上の部分で提供される;すなわち、成分は別々に包装される。全ての成分は、水と組み合わせる前に互いに組み合わされ得る。例えば、香味剤と甘味料とが他の成分とは別に包装されている場合、それらは水と組み合わせる前に他の成分と組み合わせ得る。1つ又はいくつかの成分は第一工程で水と組み合わされて、混ぜ合わされ得る、そして、それから、いくつかの又は全ての残りの成分は第二工程で加えられ得る。例えば、成分は乾燥形態で、例えば、粉末状であり得る。
【0165】
上記3d)項に示したように、本発明は、本発明の溶液の調製のための組成物(例えば、乾燥組成物、例えば、粉末)を提供する。本発明は前記組成物の成分を組み合わせることを含む本発明の組成物を調製する方法を更に提供する。例えば、前記方法は本発明の組成物を粉末状に調製する方法であり得る。上記3d)項に示したように、本発明の溶液の調製のための成分は2以上の部分で存在し得る。したがって、発明は前記組成物の成分の全てではないが、いくつかを組み合わせることを含む本発明の組成物を調製する方法を更に提供する。したがって、本発明は、
(i)アスコルビン酸:1部及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩:5.063ないし7.875部の混合物を混ぜ合わせることを含む方法を提供する。
【0166】
アスコルビン酸の塩はアスコルビン酸ナトリウムであり得る。1:4.5ないし1:7.0のモル比のアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの混合物は、1:5.063ないし1:7.875の質量比で存在するアスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムとを有する。より好ましい比率は、1:5.344ないし1:7.594;より好ましくは、1:5.625ないし1:6.75;例えば、1:6.075ないし1:6.525、例えば、1:6.38である。
【0167】
前記方法は、
(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物を混ぜ合わせることを含み得る。
【0168】
アスコルビン酸の好ましい塩は、上記3a)項に示した通りである。成分(i)と成分(ii)との好ましい比率は、上記3a)項に示した通りである。
【0169】
前記方法は、
a)アスコルビン酸アニオン:0.82ないし4.0部;
b)ポリエチレングリコール:1.0部;
c1)塩化ナトリウム:0.005ないし1.0部;及び
c2)塩化カリウム:0.005ないし1.0部
の混合物を混ぜ合わせることを更に含み得る。
該アスコルビン酸アニオンは、
(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
により提供され、
該成分(i)と該成分(ii)とは、1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する。
【0170】
前記成分は混ぜ合わせる前に量り分けられて一緒に加えられ得る、又は前記成分は任意の所望の順番でブレンド混合物へ加えられ得る。
【0171】
大量の組成物の混ぜ合わせは、例えば、100Kg、500Kg又は1000Kg規模で実施され得る。混ぜ合わせた後、前記組成物は投与量に包装するために少量に分けられる。したがって、本発明は上記3e)項に示したような大量の組成物を少量に分ける工程を含む方法を提供する。本発明はまた、3e)項に示したような大量の組成物の個人用投与量で容器を満たす工程を含む方法も提供する。したがって、本発明は、3d)項に示したような組成物で容器を満たす工程を含む方法を提供する。3d)項に示したような組成物は2以上の部分で存在し得る。したがって、前記方法は、3d)項に示したような組成物の全ての成分ではないが、いくつかの成分で容器を満たす工程を含み得る。
【0172】
4.代替溶液
本発明はまた、任意のアスコルビン酸を含まない結腸洗浄溶液も提供する。従って、本発明は、第二観点において、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当たり360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン
b)1リットル当たり10ないし200gのポリエチレングリコール
を含む結腸洗浄溶液であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液を提供する。
【0173】
本発明の溶液には、有利な特性がある。本発明の溶液は驚くほど口に合う味を有し、そしてそれは良好な忍容性プロファイルを有する結腸洗浄溶液として極めて有効である。
【0174】
5.詳細な説明II
この節は、直上の第4節において提示される溶液をより詳細に記載する。
a)溶液の中身
本発明の溶液は水溶液である。アスコルビン酸の適切な塩としては、アルカリ金属塩と
アルカリ土類金属塩が挙げられる。例えば、塩はナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩から選ばれ得る。例えば、アスコルビン酸の好ましい塩としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム及びアスコルビン酸カルシウムが挙げられる。アスコルビン酸の特に好ましい塩は、アスコルビン酸マグネシウムとアスコルビン酸ナトリウムであり、例えば、アスコルビン酸ナトリウムである。1つの実施態様において、前記溶液はアスコルビン酸ナトリウムを含み、更なるアスコルビン酸塩は含まない。
【0175】
本発明の溶液は、好ましくは、1リットル当たり370−430mmol、例えば、1リットル当たり380−420mmol、例えば、1リットル当たり400−410mmolの濃度でアスコルビン酸アニオンを含む。
【0176】
本発明の溶液は、72ないし88g/リットルのアスコルビン酸塩を含み得る。例えば、本発明の溶液は、75ないし85g/リットル、例えば、78ないし82g/リットル、例えば、80g/リットルを含む。
【0177】
アスコルビン酸ナトリウムは、198g/molの分子量を有する。したがって、本発明の溶液は、1リットル当り71.3−87.1g、例えば、1リットル当り73.3−85.1g、例えば、1リットル当り75.2−83.2g、例えば、1リットル当り79.2−80.2gのアスコルビン酸ナトリウムを含み得る。
【0178】
アスコルビン酸カリウムは、214g/molの分子量を有する。したがって、本発明の溶液は、1リットル当り77.0−94.2g、1リットル当り79.2−92.0g、例えば、1リットル当り81.3−89.9g、例えば、1リットル当り85.6−86.7gのアスコルビン酸カリウムを含み得る。
【0179】
アスコルビン酸マグネシウムは、374.5g/molの分子量を有し、アスコルビン酸マグネシウムの各モルは、アスコルビン酸塩の2モルを提供する。したがって、本発明の溶液は、1リットル当り67.4−82.4g、例えば、1リットル当り69.3−80.5g、例えば、1リットル当り71.2−78.6g、例えば、1リットル当り74.9−75.8gのアスコルビン酸マグネシウムを含み得る。
【0180】
前記溶液のpHに依存して、幾分かのアスコルビン酸アニオンはプロトン化され得、そのため、溶液中に遊離のアスコルビン酸として存在する。通常は投与される溶液のpHで、アスコルビン酸塩の少ない割合のみがプロトン化される。ここでの“アスコルビン酸アニオン”の濃度の計算において、“アスコルビン酸アニオン”の濃度は、プロトン化された前記割合を含む、存在する全てのアスコルビン酸アニオンの合計濃度とする。
【0181】
前記洗浄溶液は、ポリエチレングリコールを含む。ポリエチレングリコール(PEG)は上記3a)項に示した通りであり得る。洗浄溶液は1リットル当たり10ないし200gのPEGを含む。好ましくは、前記溶液は1リットル当たり20ないし160g、より好ましくは、1リットル当たり40ないし120g、例えば、1リットル当たり60ないし100g、例えば、1リットル当たり75ないし85g、例えば、1リットル当たり80gのPEGを含む。
【0182】
前記洗浄溶液は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0183】
前記洗浄溶液は、1種以上の電解質を含み得る。電解質としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩、特にナトリウム及びカリウムの塩;並びに塩化物の塩、ヨウ化物の塩、重炭酸塩及び炭酸塩、特に塩化物の塩が挙げられる。好ましい電解質は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。実施態様において、前記溶液は実質的に重炭酸ナトリウムを含まない、例えば、実質的に任意の重炭酸塩を含まない。
【0184】
例えば、前記溶液は、1リットル当り1ないし10gの濃度で塩化ナトリウムを含み得る。例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り3ないし8g、例えば、1リットル当り4ないし7g;例えば、1リットル当り4.5ないし5.5g;例えば、1リットル当り5.0g又は1リットル当り5.6gの濃度で存在し得る。
【0185】
例えば、前記溶液は、1リットル当り1ないし10gの濃度で塩化カリウムを含み得る。例えば、塩化カリウムは、1リットル当り1ないし7g、例えば、1リットル当り1.5ないし5g、例えば、1リットル当り1.5ないし3g、
例えば、1リットル当り1.7ないし2.8g;例えば、1リットル当り1.8g又は1リットル当り2.6gの濃度で存在し得る。
【0186】
実施態様において、前記溶液は塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む。それらは真上で述べられた量で存在できる。例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り4ないし7gの濃度で存在し得、また塩化カリウムは、1リットル当り1.5ないし3gの濃度で存在し得る。
【0187】
前記洗浄溶液は、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物(ここでは“スルフェート成分”として言及する)を含み得る。前記スルフェート成分とその量は、上記3a)項に示した通りであり得る。
【0188】
別の好ましい実施態様において、前記溶液はスルフェート成分を含まない;すなわち、前記溶液は実質的にアルカリ金属硫酸塩及びアルカリ土類金属硫酸塩を含まない;特に実質的に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムを含まない。
【0189】
ここに記載される本発明の溶液において、列挙された各成分の量は、前記溶液を調製するために使用された水中に存在し得るあらゆる溶質を含まないが、例えば、硬水の地域においては、水道水中に、Ca
2+及びMg
2+の炭酸塩、重炭酸塩又は硫酸塩のかなりの量が存在し得る。
【0190】
前記洗浄溶液は好ましくは香味剤を含む。香味料は上記3a)項に示した通りであり得る。レモン/ライム香味料とオレンジ香味料とが特に好ましい。
【0191】
必要となる香味料の量は、問題となる香味料の性質及び強度に依存する。典型的には、それは1リットル当り0.05ない4.5g、例えば、1リットル当り0.05ないし2.0g、例えば、1リットル当り0.5ないし1.8g、例えば、1リットル当り2.5ないし4.5g、例えば、1リットル当り0.6g又は1リットル当り1.6g、例えば、1リットル当り3.2又は4.3gである。
【0192】
前記洗浄溶液は好ましくは甘味料を含む。前記甘味料は上記3a)項に示した通りであり得る。
【0193】
また、本発明の組成物は、例えば、該組成物中の異なる成分の数を最小にするために、
添加された甘味料が実質的に存在しないものとし得る。
【0194】
酸味剤(例えば、クエン酸)は味強化剤として存在し得る。酸味剤は酸味を組成物に与える成分である。他の酸味剤としては、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、リン酸、コハク酸、フィチン酸、乳酸又はそれらの塩が挙げられる。前記酸味剤(例えば、クエン酸)は、カプセルに入れられた形態で提供され得る。前記カプセル封入は、酸味剤を他の成分から、またその使用前に空気及び湿気から隔てる被覆物(coating)を提供する。カプセルに入れられた形態のクエン酸のいくつか、又は他の酸味剤は、市販されている。例えば、カプセル封入は水溶性被覆物であり得る。
【0195】
必要となる甘味料の量は、考慮される甘味料の性質及び強度に依存する。典型的には、それは1リットル当り0.10ないし4gである。例えば、甘味料は1リットル当り0.5ないし4g、例えば、1リットル当り2.5ないし4.0g、例えば、1リットル当り2.0g、例えば、1リットル当り2.2g又は1リットル当り3.25gのアスパルテームであり得る。オレンジ香味料、例えば、1リットル当り0.2ないし1.8g、例えば、1リットル当り0.5ないし1.8g、例えば、1リットル当り0.6g又は1リットル当り1.6g又は1リットル当り3.25gのオレンジ香味料と併用した場合、アスパルテームのこれらの量は特に適している。
【0196】
したがって、本発明は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当たり360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)1リットル当たり10ないし200gのPEG;
c)1種以上の電解質;
d)任意の1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)任意の1種以上の香味剤;及び
f)任意の1種以上の甘味料;
を含む結腸洗浄溶液であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液を提供する。
【0197】
特に、本発明は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当たり360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)1リットル当り10ないし200gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム
e)任意の1種以上の香味剤;並びに
f)任意の1種以上の甘味料;
を含む結腸洗浄溶液であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液を提供する。
【0198】
c)及びd)はそれぞれ、上述の濃度で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上述の濃度であり得る。
【0199】
特に、本発明は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当たり360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)1リットル当り10ないし200gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料;
を含む結腸洗浄溶液であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液を提供する。
【0200】
1つの実施態様において、成分c)、d)(存在するとき)、e)及びf)の1つ以上は前記溶液中に存在する。別の代表例において、成分c)、d)(存在するとき)、e)及びf)の幾つか又は全ては、例えば、錠剤又はカプセルで、前記溶液とは別に提供され得る。実施態様において、前記溶液は、a)アスコルベート成分及びb)PEG、並びに任意の香味料及び甘味料(e)及びf))を含み得、錠剤又はカプセルは、再度任意の香味料及び甘味料(e)及びf))を伴って、c)1種以上の電解質及び/又はd)1種以上のアルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩を含み得る。前記香味料及び甘味料は、前記錠剤又はカプセルにおいて、前記溶液と同じである必要は無い。
【0201】
1つの実施態様において、本発明は、
a)1リットル当たり71.3ないし87.1gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当り60ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当り3ないし8gの塩化ナトリウム及び1リットル当り1ないし7gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む結腸洗浄溶液を提供する。
【0202】
1つの実施態様において、前記溶液はこれらの成分のみから実質的になる;すなわち、前記溶液は有意量の任意の更なる成分を含まない。前記溶液は、例えば、任意の硫酸塩を含み得ない。
【0203】
特に、本発明は、
a)1リットル当たり75ないし85gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり75ないし85gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当り4.5ないし5.5gの塩化ナトリウム及び1リットル当り1.5ないし2.3gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料;
のみから実質的になる溶液を提供する。
【0204】
例えば、本発明は、
a)1リットル当たり80gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり80gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当り5.0gの塩化ナトリウム及び1リットル当り1.80gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
のみから実質的になる結腸洗浄溶液を提供する。
【0205】
例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり1.60gのオレンジ香味料と1リッ
トル当たり2.20gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり3.20gのレモン/ライム香味料と1リットル当たり3.25gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり4.30gのオレンジグレープフルーツ香味料と1リットル当たり3.25gのアスパルテームであり得る。
【0206】
好ましくは、前記結腸洗浄溶液は、高浸透圧である。即ち、それは人体における血液よりも高い浸透力を有するものである。それは、例えば、500ないし2000mOsmol/kgの範囲で測定されたオスモル濃度を有する。例えば、オスモル濃度は、700ないし1800mOsmol/kgの範囲であり得る。例えば、500mLの前記溶液中の溶質は1000ないし2000mL、例えば、1300ないし1700mL、例えば、1400ないし1600mLの測定されたV(350)値を有し得、また400ないし600mL、例えば、500mLの体積であり得る。
【0207】
本発明は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当たり360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン
b)1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール;
を含む結腸洗浄溶液であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まず、かつ該溶液が1000ないし2000mLのV(350)の浸透圧値を有する500mLの溶液である溶液を提供する。
【0208】
例えば、500mLの前記溶液は1200ないし1800mL、例えば、1400ないし1600mLのV(350)の浸透圧値を有し得る。
【0209】
b)溶液の追加の任意の中身
本発明の溶液は上記3b)項示したような追加の任意の成分を含み得る。
【0210】
c)本発明の溶液の使用
本発明の溶液の使用は上記3c)項に示した通りである。したがって、本発明は、更なる観点において、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当り360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
の水溶液であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない水溶液を提供する。
【0211】
哺乳類の結腸の洗浄における使用のための溶液は、好ましくは、1リットル当り370−430mmol、例えば、1リットル当り380−420mmol、例えば、1リットル当り400−410mmolの濃度でアスコルビン酸アニオンを含む。上記に示したように、アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供される。アスコルベート成分の好ましい形態は上記5a)項に示した通りである。
【0212】
好ましい実施態様において、PEGが存在する。PEGの好ましい形態及びその好ましい量は、上記5a)項に示した通りである。
【0213】
哺乳類の結腸の洗浄における使用のための前記溶液は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0214】
例えば、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための溶液は、その一覧表から構成成分c)、e)及びf)を更に含む。
【0215】
好ましい電解質及びその好ましい量は、上記5a)項に示した通りである。
【0216】
好ましいアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩及びその好ましい量は、上記5a)項に示した通りである。
【0217】
好ましい香味剤及びその好ましい量は、上記5a)項に示した通りである。
【0218】
好ましい甘味料及びその好ましい量は、上記5a)項に示した通りである。
【0219】
例えば、前記水溶液は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)任意の5ないし100gのPEG
を含み、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液である。
【0220】
特に、本発明は、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)5ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;並びに
f)任意の1種以上の甘味料
を含む溶液であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液を提供する。
【0221】
c)及びd)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は本発明の溶液に関して上述の量で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記5a)項に記載された量であり得る。
【0222】
特に、本発明は、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)1リットル当たり75ないし85gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり75ないし85gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1リットル当たり4.5ないし5.5gの塩化ナトリウム及び1リットル当たり1.5ないし2.3gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
のみから実質的になる溶液を提供する。
【0223】
例えば、本発明は、哺乳類の結腸の洗浄における使用のための
a)1リットル当たり80gのアスコルビン酸ナトリウム
b)1リットル当たり80gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPE
G;
c)1リットル当たり5.0gの塩化ナトリウム及び1リットル当たり1.80gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
のみから実質的になる溶液を提供する。
【0224】
例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり1.60gのオレンジ香味料と1リットル当たり2.20gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり3.20gのレモン/ライム香味料と1リットル当たり3.25gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1リットル当たり4.30gのオレンジグレープフルーツ香味料と1リットル当たり3.25gのアスパルテームであり得る。
【0225】
上述のように、結腸洗浄処置は、典型的には、被験者が洗浄溶液の単回用量又は分割用量を摂取することを含む。単回用量処置において被験者が摂取する溶液の体積は、上記3c)項に記載されている。該被験者は、上記されているようにして溶液を摂取した後、幾らかの追加の透明液を摂取し得る。
【0226】
分割用量処置において被験者が摂取する溶液の体積は、上記3c)項に記載されている。該被験者は、上記されているようにして溶液の夫々又は何れかを摂取した後、幾らかの追加の透明液を摂取し得る。
【0227】
d)溶液の用量を調製するための組成物
本発明は、本発明の溶液の調製のための組成物(例えば、乾燥組成物、例えば、粉末)を更に提供する。組成物は、溶液の用量、例えば、500mL用量を調製するための量で提供され得る。本発明は、水と混合するための組成物であって、該組成物は任意に2以上の部分で存在し、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)5ないし100gのポリエチレングリコール
を含み、該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない組成物を提供する。
【0228】
例えば、前記組成物は、乾燥粉末、顆粒又は他の乾燥形態であり得る。それらは、さもなくば、濃縮物又はスラリーの形態であり得る。成分は、同一又は異なる物理形態であり得る。例えば、前記組成物は、乾燥組成物、例えば、乾燥粉末組成物である。例えば、成分a)及びb)の一方又は両方は乾燥粉末である。
【0229】
上記5a)項に示したように、アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供され得る。アスコルベート成分の好ましい形態は、本発明の溶液に関して上記に示した通りである。
【0230】
本発明の組成物は、好ましくは、185ないし215mmol、例えば、190ないし210mmol、例えば、200−205mmolの量で、アスコルビン酸アニオンを含む。
【0231】
アスコルビン酸ナトリウムは198g/molの分子量を有する。したがって、180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオンは、35.6ないし43.6gのアスコルビン酸ナトリウムにより提供される。例えば、アスコルビン酸ナトリウムは36.6ないし42.6g、例えば、37.6ないし41.6g、例えば、39.6ないし40.6
g程度で存在し得る。
【0232】
アスコルビン酸カリウムは214g/molの分子量を有する。したがって、180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオンは、38.5ないし47.1gのアスコルビン酸カリウムにより提供される。例えば、アスコルビン酸カリウムは39.6ないし46.0g、例えば、40.7ないし44.9g、例えば、42.8ないし43.9g程度で存在し得る。
【0233】
アスコルビン酸マグネシウムは374.5g/molの分子量を有し、アスコルビン酸マグネシウムの各モルは、アスコルビン酸塩の2モルを提供する。したがって、180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオンは33.7ないし41.2gのアスコルビン酸マグネシウムにより提供される。例えば、アスコルビン酸マグネシウムは34.6ないし40.3g、例えば、35.6ないし39.3g、例えば、37.5ないし38.4g程度で存在し得る。
【0234】
アスコルビン酸塩成分の質量は33ないし47g、例えば、35ないし45g、例えば、37ないし43gであり得る。
【0235】
実施態様において、アスコルベート成分は、アスコルビン酸ナトリウム単独から実質的になる。例えば、それは、真上で述べられたような量で存在し得る。
【0236】
PEGの好ましい形態は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。前記組成物は、5ないし100gのPEGを含む。好ましくは、前記組成物は、10ないし80gのPEG、より好ましくは、20ないし60g、例えば、30ないし50g、例えば、37.5ないし42.5g、例えば、40gのPEGを含む。
【0237】
前記組成物は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;及び
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0238】
好ましい電解質は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、0.5ないし5g、例えば、1.5ないし4g、例えば、2.0ないし3.5g、例えば、2.5又は2.8gの量で塩化ナトリウムを含み得る。例えば、前記組成物は、0.5ないし5g、例えば、0.5ないし3.5g、例えば、0.75ないし2.5g、例えば、0.75ないし1.5g、例えば、0.85ないし1.4g、例えば、0.9又は1.3gの量で塩化カリウムを含み得る。実施態様において、前記組成物は実質的に重炭酸ナトリウムを含まない、例えば、実質的に任意の重炭酸塩を含まない。
【0239】
好ましいアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩は、本発明の溶液に関して上記に示した通りである。例えば、前記組成物は、1ないし10g、例えば、2.5ないし7.5g、例えば、4ないし7.5g、例えば、5ないし7g、例えば、6gの量でスルフェート成分を含み得る。1種以上の硫酸塩が医薬的に許容可能なあらゆる形態で提供され得る:それらはそれぞれ無水物であり得るか又は水和物形態であり得る。ここに記載される質量は、水和のあらゆる水を除外した硫酸塩の質量に言及する。水和物形態は乾燥粉末組成物で存在し得、そしてその組成物はさらにここでは“乾燥”と見なす。別の好ましい実施態様において、前記組成物はスルフェート成分を含まない;すなわち、前記溶液は、実質的にアルカリ金属硫酸塩とアルカリ土類金属硫酸塩とを含まない;特に硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムを実質的に含まない。
【0240】
好ましい香味剤は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。例えば、香味剤の量は、0.025ないし2.25g、例えば、0.025ないし1.0g、例えば、0.25ないし0.9g、例えば、1.25ないし2.25g、例えば、0.3ないし0.8g、例えば、1.6又は2.15gであり得る。
【0241】
好ましい甘味料は、本発明の溶液に関して上記に示した通りである。例えば、甘味料の量は、0.05ないし0.2gであり得る。例えば、甘味料は、0.25ないし2g、例えば、1.25ないし2.0g、例えば、1.0、1.1g又は1.625gのアスパルテームであり得る。オレンジ香味料、例えば、0.1ないし0.9g、例えば、0.25ないし0.9g、例えば、0.3、0.8g又は1.625gのオレンジ香味料と使用したとき、これらの量のアスパルテームは特に適している。
【0242】
特に、本発明は、
a)アスコルビン酸の1種の塩により提供される180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)5ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;
f)任意の1種以上の甘味料;
を含む組成物であり、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない組成物を提供する。
【0243】
c)及びd)はそれぞれ、上述の量で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上述の量であり得る。
【0244】
1つの実施態様において、本発明は、
a)35.65ないし43.55gのアスコルビン酸ナトリウム
b)30ないし50gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1.5ないし4gの塩化ナトリウム及び0.5ないし3.5gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む組成物を提供する。
【0245】
1つの実施態様において、本発明は、
a)40gのアスコルビン酸ナトリウム
b)40gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)2.50gの塩化ナトリウム及び0.90gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む組成物を提供する。
【0246】
例えば、香味料及び甘味料は、0.80gオレンジ香味料と1.10gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.60gのレモン/ライム香味料と1.625gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、2.15gのオレンジグレープフルーツ香味料と1.625gのアスパルテームであり得る。
【0247】
実施態様において、前記組成物はこれらの成分のみから実質的になる;すなわち、前記
組成物は、有意量の任意の更なる成分を含まない。前記組成物は、例えば、任意の硫酸塩を含み得ない。
【0248】
1種以上の成分a)ないしf)は固形で、又は半固形(例えば、ゲル形態で)で存在し得る。
【0249】
1つの実施態様において、成分c)、d)、e)及びf)の1つ以上は溶液を調合するための組成物中に存在する。別の代表例において、成分c)、d)、e)及びf)の幾つか又は全ては、例えば、錠剤又はカプセルで、該溶液を調合するための組成物とは別に提供され得る。実施態様において、アスコルベート成分及びPEG、並びに任意の香味料及び甘味料が、水との混合のための形態で提供され得、錠剤又はカプセルは、再度任意の香味料及び甘味料を伴って、1種以上の電解質及び/又は1種以上のアルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩を含み得る。前記香味料及び甘味料は、前記錠剤又はカプセルにおいて、水との混合のための組成物と同じである必要は無い。
【0250】
幾つかの実施態様において、アスコルベート成分とPEG成分は互いに別々に包装するのが望ましい。
【0251】
実施態様において、前記組成物は、それぞれ別々に包装された複数の香味剤(それぞれ任意の1種以上の甘味料を伴う)と共に被験者に提供され得る。該被験者は、その後、彼又は彼女の味覚に従って、好ましい香味料(又は香味料と甘味料の組み合わせ)を選択することができる。該被験者はまた、香味料や甘味料を全く使用しない選択権も有する。
【0252】
ここに記載された全ての化合物と組成物とは、哺乳類の(特にヒト)飲食に適した性質と品質であることは読者には明らかであろう。例えば、それらは、医薬品等級である。ここに記載された医薬的に許容可能な組成物は取扱説明書と共に包装された形態で提供され得る。
【0253】
e)溶液を調製するための組成物
更なる観点において、本発明は、以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:a)アスコルビン酸アニオン0.78ないし1.2部;及び
b)ポリエチレングリコール1.0部;
該アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供され;
該組成物は実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0254】
上記のように、例えば、前記組成物は乾燥粉末、顆粒又は他の乾燥形態であり得る。それらは、さもなくば、濃縮物又はスラリーの形態であり得る。成分は、同一又は異なる物理形態であり得る。例えば、前記組成物は、乾燥組成物、例えば、乾燥粉末組成物である。例えば、成分a)及びb)の一方又は両方は乾燥粉末である。
【0255】
上記に示したように、アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供される。アスコルベート成分の好ましい形態は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。好ましい塩はアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム及びアスコルビン酸マグネシウムであり、特にアスコルビン酸ナトリウムである。
【0256】
PEGの好ましい形態は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。本発明の組成物は、好ましくは、アスコルビン酸アニオンをPEGに対する質量比において、0.80ないし1.0:1で含む。より好ましくは、該質量比は、0.85ないし0.95:1、例えば、0.86ないし0.90:1、例えば、0.88:1である。
【0257】
好ましいアスコルビン酸塩はアスコルビン酸ナトリウムである。本発明の組成物は、好ましくは、0.90ないし1.125:1の質量比でアスコルビン酸ナトリウムとPEGとを含む。より好ましくは、質量比は0.956ないし1.069:1、例えば、0.968ないし1.013:1、例えば、0.99:1、例えば、1:1である。
【0258】
前記組成物は、
c)1種以上の電解質;
d)1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩;
e)1種以上の香味剤;
f)1種以上の甘味料
の1つ以上を更に含み得る。
【0259】
好ましい電解質は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、塩化ナトリウムをPEGに対する質量比において、0.005ないし0.5:1、例えば、0.01ないし0.3:1、例えば、0.02ないし0.2:1、例えば、0.03ないし0.15:1、例えば、0.04ないし0.1:1、例えば、0.05ないし0.08:1で含み得る。例えば、前記組成物は、塩化カリウムをPEGに対する質量比において、0.005ないし0.30:1、例えば、0.01ないし0.20:1、例えば、0.01ないし0.10:1、例えば、0.02ないし0.04:1で含み得る。
【0260】
例えば、本発明は、以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:
a)アスコルビン酸アニオン:0.78ないし1.2部;
b)ポリエチレングリコール:1.0部;
c1)塩化ナトリウム:0.005ないし1.0部、及び
c2)塩化カリウム:0.005ないし1.0部;
該アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供され;
該組成物は実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0261】
前記組成物は、好ましくは、実質的に重炭酸ナトリウムを含まない。例えば、それは、実質的に任意の重炭酸塩を含まない。
【0262】
好ましいアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫酸塩は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、スルフェート成分(例えば、硫酸ナトリウム)をPEGに対する質量比において、0.01ないし0.50:1で含み得る。例えば、前記組成物は、スルフェート成分(例えば、硫酸ナトリウム)をPEGに対する質量比において、0.02ないし0.25:1、例えば、0.03ないし0.22:1、例えば、0.05ないし0.20:1、例えば、0.10ないし0.20:1で含み得る。
【0263】
別の好ましい実施態様において、前記組成物はスルフェート成分を含まない;すなわち、前記組成物は、実質的にアルカリ金属硫酸塩とアルカリ土類金属硫酸塩を含まない;特に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムを実質的に含まない。
【0264】
好ましい香味剤は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、香味剤をPEGに対する質量比において、0.0005ないし0.05:1、例えば、0.001ないし0.050:1、例えば、0.003ないし0.030:1で含み得る。
【0265】
好ましい甘味料は、本発明の溶液に関して上記5a)項に示した通りである。例えば、前記組成物は、甘味料をPEGに対する質量比において、0.0005ないし0.025
:1、例えば、0.001ないし0.050:1、例えば、0.01ないし0.035:1で含み得る。
【0266】
特に、本発明は、以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:
a)アスコルビン酸アニオン:0.78ないし1.2部
b)3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG:1.0部
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;並びに
f)任意の1種以上の甘味料。
該アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供され;
該組成物は実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0267】
c)及びd)はそれぞれ、上述のPEGに対する質量比で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上述のPEGに対する質量比であり得る。
【0268】
1つの実施態様において、本発明は以下の質量比で以下の成分を含む組成物を提供する:
a)アスコルビン酸ナトリウム:0.90ないし1.125部
b)3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG:1部
c)塩化ナトリウム0.04ないし0.10部及び塩化カリウム0.02ないし0.04部;
e)1種以上の香味剤:0.001ないし0.075部;並びに
f)1種以上の甘味料:0.002ないし0.050部。
【0269】
例えば、前記組成物は以下の質量比で以下の成分を含み得る:
a)アスコルビン酸ナトリウム:1.0部
b)3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG:1部
c)塩化ナトリウム0.0625部及び塩化カリウム0.0225部;
e)1種以上の香味剤:0.001ないし0.075部;並びに
f)1種以上の甘味料:0.002ないし0.050部。
【0270】
例えば、香味料及び甘味料は、0.020部のオレンジ香味料と0.0275部のアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、0.040部のレモン/ライム香味料と0.041部のアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、0.054部のオレンジ香味料と0.041部のアスパルテームであり得る。
【0271】
実施態様において、前記組成物はこれらの成分のみから実質的になる;すなわち、前記組成物は有意量の任意の更なる成分を含まない。前記組成物は、例えば、任意の硫酸塩を含み得ない。
【0272】
本発明の好ましい組成物は、乾燥組成物、例えば、乾燥粉末組成物である。
【0273】
f)溶液と組成物とを調製する方法
本発明は、溶液の成分と水とを組み合わせることを含む本発明の溶液を調製する方法を更に提供する。前記方法は成分と水とを組み合わせて、混ぜる工程を含む。一部又は全ての成分は、水が加えられる前に互いに物理的に関連し得る。いくつかの実施態様において、前記組成物の成分は2つ以上の部分で提供される;すなわち、成分は別々に包装される。全ての成分は、水と組み合わせる前に互いに組み合わされ得る。例えば、香味剤と甘味
料とが他の成分とは別に包装されている場合、それらは水と組み合わせる前に他の成分と組み合わせ得る。1つ又はいくつかの成分は第一工程で水と組み合わされて、混ぜ合わされ得る、そして、それから、又は全ての残りの成分は第二工程で加えられ得る。例えば、成分は乾燥形態で、例えば、粉末状であり得る。
【0274】
上記5d)項に示したように、本発明は、本発明の溶液の調製のための組成物(例えば、乾燥組成物、例えば、粉末)を提供する。本発明は前記組成物の成分を組み合わせることを含む本発明の組成物を調製する方法を更に提供する。例えば、前記方法は本発明の組成物を粉末状に調製する方法であり得る。前記方法は、
a)アスコルビン酸アニオン0.78ないし1.2部;及び
b)ポリエチレングリコール1.0部;
の混合物を混ぜ合わせることを含み得る。
該アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供され;
該組成物は実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0275】
好ましいアスコルビン酸塩は上記5a)項に示した通りである。成分a)と成分b)との好ましい比率は上記5a)項に示した通りである。好ましくは、アスコルビン酸アニオンはPEGに対する質量比において、0.80ないし1.0:1である。より好ましくは、質量比は0.85ないし0.95:1、例えば、0.86ないし0.90:1、例えば、0.88:1である。
【0276】
好ましいアスコルビン酸塩はアスコルビン酸ナトリウムである。好ましくは、アスコルビン酸ナトリウムとPEGとは、0.90ないし1.125:1の質量比である。より好ましくは、質量比は0.956ないし1.069:1、例えば、0.968ないし1.013:1、例えば、0.99:1、例えば、1:1である。
【0277】
前記方法は、
a)アスコルビン酸アニオン:0.78ないし1.2部;
b)ポリエチレングリコール:1.0部;
c1)塩化ナトリウム:0.005ないし1.0部;及び
c2)塩化カリウム:0.005ないし1.0部
の混合物を混ぜ合わせることを更に含み得る。
該アスコルビン酸アニオンはアスコルビン酸の1種以上の塩により提供され;
該組成物は実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0278】
PEGに対する塩化ナトリウムの好ましい比率及び量とPEGに対する塩化カリウムの好ましい比率及び量とは、上記5e)項に示した通りである。
【0279】
前記成分は混ぜ合わせる前に量り分けられて一緒に加えられ得る、又は前記成分は任意の所望の順番でブレンド混合物へ加えられ得る。
【0280】
大量の組成物の混ぜ合わせは、例えば、トン規模で実施され得る。混ぜ合わせた後、前記組成物は投与量に包装するために少量に分けられる。したがって、本発明は上記5e)項に示したような大量の組成物を少量に分ける工程を含む方法を提供する。本発明はまた、5e)項に示したような大量の組成物の個人用投与量で容器を満たす工程を含む方法も提供する。したがって、本発明は、5d)項に示したような組成物で容器を満たす工程を含む方法を提供する。5d)項に示したような組成物は2以上の部分で存在し得る。したがって、前記方法は、5d)項に示したような組成物の全ての成分ではないが、いくつかで容器を満たす工程を含み得る。
【0281】
6.洗浄する方法とそれらに使用するための溶液
a)分割用量結腸洗浄処置
上記項目2ないし5で示したように本発明の第一及び第二観点の溶液と組成物は、被験者が2種の異なる薬剤(例えば、2種の異なる溶液):第一の結腸洗浄剤(例えば、溶液)、それに続く第二の結腸洗浄剤(例えば、溶液)を摂取する、分割用量結腸洗浄処置における特有の使用を見出している。ここで、“第二の結腸洗浄剤”とは、“第一の結腸洗浄剤”を摂取した後、経時的に二番目に摂取される薬剤を意味する。好ましくは、本発明の第一又は第二観点の溶液は、前記第二の結腸洗浄剤である。さもなくば、それは前記第一の薬剤であり得る。本発明は、したがって、第三観点において、
−被験者が第一の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること;及びその後
−被験者が第二の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること
を含む哺乳類の結腸を洗浄する方法であって、
前記第二の結腸洗浄剤が上述の本発明の第一又は第二観点の溶液である方法を提供する。好ましくは、第一の結腸洗浄剤は第二の結腸洗浄剤と異なる組成を有する。本方法が行われ得る投薬計画の詳細は、上記の節3c)においてより詳細に記載されている。第一の結腸洗浄剤は結腸洗浄溶液であり得る。また、固形の結腸洗浄剤、例えば、錠剤の形態、例えば、PEG含有錠剤、又はビサコジル含有錠剤であり得る。前記第一の結腸洗浄剤は、例えば、下剤、例えば、刺激性下剤を含み得る。例えば、ビサコジル、ヒマシ油、センナ又はビソキサチンが使用され得る。
【0282】
本発明はまた、
−被験者が第一の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること;及びその後
−被験者が第二の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること
を含む哺乳類の結腸を洗浄する方法であって、
前記第二の結腸洗浄剤は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
を含む溶液である方法も提供する。
【0283】
本発明はまた、
−被験者が第一の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること;及びその後
−被験者が第二の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること
を含む哺乳類の結腸を洗浄する方法であって、
前記第二の結腸洗浄剤は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当り360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
を含む溶液であり;
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液である方法も提供する。
【0284】
本発明の方法は、結腸、直腸又は肛門又は腹の他の部分の診断的、治療的又は外科的処置を行う前に結腸を洗浄するために使用され得る。診断的又は外科的処置は、例えば、大腸内視鏡検査、バリウム注腸検査、S状結腸鏡検査又は結腸手術であり得る。本発明の方法は、一般的に結腸、直腸又は肛門又は腹の他の部分の診断的、治療的又は外科的処置を行う前に8時間未満で終了する。好ましくは、その前に4時間未満で終了する。
【0285】
本発明は更に、以下の工程
a)本発明の方法により結腸を洗浄すること、及びその後、
b)診断的又は外科的処置を行うこと
を含む、診断的又は外科的処置、例えば、大腸内視鏡検査、バリウム注腸検査、S状結腸鏡検査又は結腸手術を実施する方法を提供する。
【0286】
本発明は、
−被験者が第一の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること;
−被験者が第二の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること
を含む結腸を洗浄する方法における使用のための第一の結腸洗浄剤、及び第二の結腸洗浄剤であって、
該第二の結腸洗浄剤が上述の本発明の第一又は第二観点の溶液である第一の結腸洗浄剤、及び第二の結腸洗浄剤を更に提供する。
【0287】
本発明は、
−被験者が第一の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること;
−被験者が第二の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること
を含む結腸を洗浄する方法における使用のための、第一の結腸洗浄剤、及び第二の結腸洗浄剤であって、
該第二の結腸洗浄剤は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
の水溶液である第一の結腸洗浄剤、及び第二の結腸洗浄剤を更に提供する。
【0288】
実施態様において、前記第一の薬剤は、前記第二の薬剤とは異なる。
【0289】
本発明は、
−被験者が第一の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること;
−被験者が第二の結腸洗浄剤の有効量を摂取すること
を含む結腸を洗浄する方法における使用のための、第一の結腸洗浄剤、及び第二の結腸洗浄剤であって、
該第二の結腸洗浄剤は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当り360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
の水溶液であり;
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まない溶液である第一の結腸洗浄剤、及び第二の結腸洗浄剤を更に提供する。
【0290】
実施態様において、前記第一の薬剤は、前記第二の薬剤とは異なる。考えられる第一の結腸洗浄剤の更なる詳細は下記6b)項に記載される。
【0291】
前記第二の結腸洗浄剤は、好ましくは、本発明の第一及び第二観点の溶液及び使用に関して上記2ないし5項において上記された通りのものである。上記2ないし5項で記載したように、本発明の溶液及び使用に関して上記された通りの体積で好ましく使用される。
【0292】
第一及び第二の結腸洗浄剤はキットで提供され得る。そのようなキットの更なる詳細は下記8)項に記載される。
【0293】
b)“第一の”結腸洗浄剤
前記第一の結腸洗浄剤は、第一の結腸洗浄溶液といわれる、溶液であり得る。前記第一の結腸洗浄溶液は、例えば、腸内容物懸濁化剤であり得る。前記第一の結腸洗浄溶液は、ポリエチレングリコール及び/又はアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物を含み得る。前記第一の結腸洗浄溶液は、高浸透圧であり得る。
【0294】
好ましくは、前記第一の結腸洗浄溶液は、ポリエチレングリコール(PEG)を含む。該ポリエチレングリコール(PEG)は、2000ないし8000、例えば、2500ないし4500Da、例えば、2680ないし4020Da、例えば、3000ないし4000Daの平均分子量を有し得る。例えば、該PEGは、国内薬局方で規定されるような、PEG3350又はPEG4000であり得る。PEG8000もまた使用され得る。幾つかの国内薬局方において承認されている適当なPEGの更なる例としては、マクロゴール、例えば、マクロゴール3350又はマクロゴール4000が挙げられる。
【0295】
好ましくは、前記第一の結腸洗浄溶液は、1リットル当り70ないし250gのPEGを含む。好ましくは、前記溶液は、1リットル当り130ないし250gのPEG、例えば、1リットル当り90ないし200gのPEG、より好ましくは1リットル当り100ないし200g、例えば、1リットル当り120ないし150g、例えば、1リットル当り133.3g;例えば、1リットル当り150ないし250g、例えば、1リットル当り175ないし225g、例えば、1リットル当り200gのPEGを含む。
【0296】
好ましくは、前記第一の結腸洗浄溶液は、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物(ここでは“スルフェート成分”として言及する)を含む。アルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩は、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムから選択され得る。前記溶液は、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムの1つ以上、例えば、3つ全てを含み得る。好ましくは、スルフェート成分は、硫酸ナトリウムであるか又は硫酸ナトリウムを含む。
【0297】
好ましくは、前記第一の結腸洗浄溶液は、1リットル当り2ないし20g、例えば、1リットル当り2ないし15g、例えば、1リットル当り5ないし15g、例えば、1リットル当り8ないし12g、例えば、1リットル当り8又は12g;例えば、1リットル当り10ないし20g、例えば、1リットル当り15ないし20g、例えば、1リットル当り17ないし19g、例えば、1リットル当り18gの濃度でスルフェート成分(例えば、硫酸ナトリウム)を含む。例えば、前記第一の結腸洗浄溶液は、1リットル当り8.0ないし20gの1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物を含む。
【0298】
したがって、前記第一の結腸洗浄溶液は、
(i)1リットル当り70ないし250gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するPEG
(ii)1リットル当り2.0ないし20gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物
(iii)任意の1種以上の電解質;
(iv)任意の1種以上の香味剤;及び
(v)任意の1種以上の甘味料
を含み得る。
【0299】
前記第一の結腸洗浄溶液は、1種以上の電解質を含み得る。電解質としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩、特にナトリウム及びカリウムの塩;及び塩化物の塩、ヨウ化物の塩、重炭酸塩及び炭酸塩、特に塩化物の塩が挙げられる。好ましい電解質は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。実施態様において、重炭酸ナトリウムは含まれない。
【0300】
例えば、前記第一の結腸洗浄溶液は、1リットル当り0.5ないし5.0gの濃度で塩化ナトリウムを含み得る。例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り1.0ないし4.0g、例えば、1リットル当り1.0ないし3.0g、例えば、1リットル当り1.5ないし3.0g、例えば、1リットル当り2.0ないし3.0g;例えば、1リットル当り3.0ないし5.0g、例えば、1リットル当り3.5ないし4.5g、例えば、1リットル当り4.0gの濃度で存在し得る。
【0301】
例えば、前記第一の結腸洗浄溶液は、1リットル当り1ないし10gの濃度で塩化カリウムを含み得る。例えば、塩化カリウムは、1リットル当り0.05ないし5.0g、例えば、1リットル当り0.1ないし3.0g、例えば、1リットル当り0.2ないし2.0g、例えば、1リットル当り0.5ないし1.5g、例えば、1リットル当り0.5ないし1.1g;例えば、1リットル当り1.5ないし2.5g、例えば、1リットル当り1.8ないし2.2g、例えば、1リットル当り2.0gの濃度で存在し得る。
【0302】
実施態様において、前記第一の結腸洗浄溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む。それらは真上で述べられた量で存在し得る。例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り1.0ないし3.0gの濃度で存在し得、そして、塩化カリウムは、1リットル当り2.5ないし3.0gの濃度で存在し得る;例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り3.0ないし5.0gの濃度で存在し得、そして、塩化カリウムは、1リットル当り0.5ないし1.1gの濃度で存在し得る。
【0303】
実施態様において、前記第一の結腸洗浄溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む。それらは真上で述べられた量で存在し得る。例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り1.5ないし3.0gの濃度で存在し得、そして、塩化カリウムは、1リットル当り0.2ないし2.0gの濃度で存在し得る;例えば、塩化ナトリウムは、1リットル当り3.0ないし5.0gの濃度で存在し得、そして、塩化カリウムは、1リットル当り1.5ないし2.5gの濃度で存在し得る。
【0304】
例えば、第一の結腸洗浄溶液は、
(i)1リットル当り90ないし200gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するPEG
(ii)1リットル当り2.0ないし15gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物
(iii)1リットル当り0.5ないし5.0gの塩化ナトリウム、及び1リットル当り0.05ないし5.0gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;並びに
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む。
【0305】
実施態様において、前記第一の結腸洗浄溶液は、MOVIPREP(登録商標)の商品名下で商業化されている溶液又はSUCLEAR(登録商標)の商品名下で商業化されている溶液であり得る。
【0306】
前記第一の結腸洗浄溶液は、好ましくは、香味剤を含む。前記第一の結腸洗浄溶液は、好ましくは、甘味料を含む。香味剤及び甘味料は、上記したものと同様であり得る。
【0307】
例えば、前記第一の結腸洗浄溶液における使用のための香味料は、好ましくは塩味を隠すべきであり、比較的甘くしかしさほど甘過ぎず、該組成物中で安定であるべきである。香味料は、前記溶液をより味の良いものとし、それにより患者の服薬遵守を補助する。好ましい香味料としては、レモン、例えば、アンゲラーレモン(Ungerer Lemon)(イギリス国 CH14LP、チェスター、シーランド ロードのUngerer Limitedより入手可能)、ストロベリー、例えば、アンゲラーストロベリー(Ungerer Strawberry)、グレープフルーツ、例えば、アンゲラーグレープフルーツ(Ungerer Grapefruit)香味料粉末、クロフサスグリ、例えば、アンゲラーブラックカラント(Ungerer Blackcurrant)、パイナップル、例えば、IFF(インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス)パイナップル香味料粉末、オレンジ、例えば、フィルメニッヒ オレンジ(Firmenich Orange)、並びにバニラ/レモン及びライム、例えば、IFF Vanilla and Givaudin Roure Lemon and Lime Flav−o−lok、フルーツポンチ、例えば、アンゲラーフルーツポンチ(Ungerer
fruit punch)、シトラスポンチ、マンゴ、並びにベリーが挙げられる。それら及び更なる適当な香味料は、インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス社(イギリス国、CB9 8LG、サホーク、ハーバーヒル、ダッドリー ヒル)、アンゲラー アンド カンパニー(イギリス国 CH14LP、チェスター、シーランド ロード)又はフィルメニッヒ(Firmenich UK Ltd.、UB2 5NN ミドルセックス、サウスオール、ヘイズ ロード)から入手可能である。より好ましい香味料は、レモン、キーウィ、ストロベリー、グレープフルーツ、フルーツポンチ及びマンゴである。フルーツポンチとマンゴが特に好ましい香味料である。
【0308】
特に好ましい香味料はフルーツポンチ香味料、例えば、1リットル当たり0.4ないし3.5g、例えば、1リットル当たり0.4ないし1.2g、例えば、1リットル当たり0.938、1.0又は3.18g程度のフルーツポンチ香味料である。
【0309】
前記第一の洗浄溶液は、好ましくは、甘味料を含む。好ましい甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファム K)、スクラロース及びサッカリン、及び/又はそれらの組合せが挙げられる。例えば、前記溶液は、アスパルテームとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。例えば、それは、スクラロースとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。好ましい実施態様において、前記溶液はアスパルテーム又はスクラロースを含み、例えば、スクラロースを含む。
好ましい甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファム
K)、スクラロース及びサッカリン、及び/又はそれらの組合せが挙げられる。例えば、本発明の組成物は、アスパルテームとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。例えば、本発明の組成物は、スクラロースとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。好ましい実施態様において、前記溶液はアスパルテーム又はスクラロースを含み、例えば、アスパルテームを含む。
【0310】
また、本発明の組成物は、例えば、組成物中の異なる成分の数を最小にするために、添加された甘味料が本質的に存在しないものとし得る。
【0311】
酸味剤(例えばクエン酸)は味強化剤として存在し得る。酸味剤は酸味を組成物に与える成分である。他の酸味剤としては、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、リン酸、コハク酸、フィチン酸、乳酸又はそれらの塩が挙げられる。酸味剤は1リット
ル当たり0.1ないし3.0g、例えば、1リットル当たり0.3ないし2.0g、例えば、1リットル当たり0.5ないし2.0g、例えば、1リットル当たり0.75g、1.0g、1.06g、1.25g又は1.5g程度で存在し得る。前記酸味剤(例えば、クエン酸)は、カプセルに入れられた形態で提供され得る。前記カプセル封入は、酸味剤を他の成分から、またその使用前に空気及び湿気から隔てる被覆物(coating)を提供する。カプセルに入れられた形態のクエン酸のいくつか、又は他の酸味剤は、市販されている。例えば、カプセル封入は水溶性被覆物であり得る。
【0312】
必要となる甘味料の量は、考慮される甘味料の性質及び強度に依存する。典型的には、それは1リットル当り0.10ないし4gである。例えば、甘味料は1リットル当り0.1ないし3.0g、例えば、1リットル当り0.3ないし2.0g、例えば、1リットル当り0.5ないし2.0g、例えば、1リットル当り0.5ないし1.3g、例えば、1リットル当り0.63g、0.80g、1.0g又は1.58gのスクラロースであり得る。
【0313】
前記第一の洗浄溶液は1種以上の更なる任意の成分を含み得る。そのような成分は上記3b)項に示した通りである。
【0314】
実施態様において、前記第一の結腸洗浄溶液は400ないし600mL(例えば、500mL)の体積を有し、真上の項目で記載された量の溶質を含む。例えば、前記体積は16又は17米国式液量オンスであり得る。例えば、本発明は、
(i)1リットル当たり175ないし220gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するPEG
(ii)1リットル当たり15ないし20gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物
(iii)1リットル当たり3.0ないし5.0gの塩化ナトリウム、及び1リットル当たり1.5ないし2.5gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;並びに
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む結腸洗浄溶液を提供する。
【0315】
そのような溶液は一般的に使用される洗浄溶液よりも小さな体積を有する。
【0316】
実施態様において、前記第一の結腸洗浄溶液は、300mLから1200mL迄の体積で提供される。例えば、該第一の溶液は、300mL、400mL、500mL、600mL又は700mLの下限を有する範囲内の体積を有し得る。好ましくは、下限は、500mL、600mL又は700mLである。該体積は、1200mL、1100mL、1000mL、900mL又は800mLの上限を有する範囲内であり得る。例えば、該体積は400mLないし1100mL、例えば、500mLないし1000mL、例えば、600mLないし900mL、例えば、700mLないし800mLの範囲内であり得る。例えば、前記第一の結腸洗浄溶液は、750mLの体積で提供される。例えば、体積は400mLないし600mLの範囲内であり得る。例えば、前記第一の結腸洗浄溶液は500mLの体積で提供される。例えば、それは16又は17米国式液量オンスの体積であり得る。最も適当な体積は、それらが存在する溶液の正確な成分及び量に依存することになる。一般に、より高い浸透力の溶液のためには、より少ない体積が必要となる。
【0317】
前記第一の結腸洗浄溶液は、例えば、200ないし2000mOsmol/kg、200ないし1500mOsmol/kgの範囲内の測定されたオスモル濃度を有する。好ましい実施態様において、それは、高浸透圧である。それは、例えば、320ないし1500mOsmolの範囲内の測定されたオスモル濃度を有する。例えば、前記第一の結腸洗
浄溶液の測定されたオスモル濃度は、330ないし1200mOsmol/kg、例えば、340ないし1000mOsmol/kg、例えば、350ないし800mOsmol/kg、例えば、350ないし700mOsmol/kgの範囲である。例えば、前記溶液中の溶質は800ないし1600mL、例えば、1000ないし1400mL、例えば、1150ないし1250mLのV(350)値を有し得、そして、400ないし600mL、例えば、500mLの体積であり得る。
【0318】
本発明は、第一の結腸洗浄溶液の調製のための、任意に2以上の部分で存在する組成物を更に提供する。例えば、前記組成物は、
(i)87.5ないし110gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するPEG
(ii)7.5ないし10gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物
(iii)1.5ないし2.5gの塩化ナトリウム及び0.75ないし1.25gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;並びに
(v)任意の1種以上の甘味料
を含み得る。
【0319】
例えば、前記組成物は、
(i)100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG
(ii)9.0gの硫酸ナトリウム
(iii)2.0gの塩化ナトリウム及び1.0gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;並びに
(v)任意の1種以上の甘味料
を含み得る。
【0320】
例えば、香味料及び甘味料は、0.469gのフルーツポンチ香味料、0.476gのスクラロース及び0.792gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、0.500gのフルーツポンチ香味料、0.40gのスクラロース及び0.75gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.43gのマンゴ香味料、0.79gのスクラロース及び1.74gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.59gのフルーツポンチ香味料、0.79gのスクラロース及び1.74gのクエン酸であり得る。クエン酸は任意に他の成分とは別に包装され得る。
【0321】
特定の第一の溶液S1とS2、及び特定の第二の溶液T1とT2は下記の実施例の項に記載された。本発明の好ましい観点において、
−被験者にここに記載のS2の洗浄溶液を投与すること;
−被験者にここに記載のT1の洗浄溶液を投与すること
を含む(又は、のみから実質的になる)被験者の結腸を洗浄する方法を提供することである。
【0322】
本発明のこの観点の好ましい実施態様において、S2の洗浄溶液は、T1の洗浄溶液が投与される前に、被験者に投与される。S2が被験者に投与され、それから(例えば、ここに開示された)時間間隔後に、T1が被験者に投与されるのが特に好ましい。本発明のこの観点のさらに好ましい実施態様において、追加の流体(例えば、透明液)がS2及び/又はT1と併用して被験者に投与される。例えば、追加の透明液(例えば、500mL若しくはそこら、又は1000mL若しくはそこら)が、S2及び/又はT1の投与後に被験者に投与される。また、追加の透明液はS2及び/又はT1の投与中に被験者に投与される。典型的な実施態様において、溶液S2及び/又はT1の洗浄溶液は自己投与され
る。
【0323】
7.結腸洗浄溶液における甘味料の使用
酸味剤(例えば、クエン酸)とスクラロースを含む硫酸塩含有結腸洗浄溶液は特に口に合うことが、現在の発明者により見出されている。
本発明は、第四観点によれば、
(i)1リットル当たり70ないし250gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するPEG;
(ii)1リットル当たり2.0ないし20gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物;
(iii1)任意の1リットル当たり1.0ないし5.0gの塩化ナトリウム;(iii2)任意の1リットル当たり0.5ないし1.5(例えば、0.5ないし1.1)gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;
(v)スクラロース;及び
(vi)1種以上の酸味剤
を含む結腸洗浄溶液を更に提供する。
【0324】
さらに、本発明は、1リットル当たり0.1ないし3.0gのスクラロースと1リットル当たり0.1ないし4.0gの酸味剤、例えば、1リットル当たり0.1ないし3.0gの酸味剤、例えば、クエン酸を溶液中に含有することを含む硫酸塩含有結腸洗浄溶液の味を良くする方法を提供する。本発明は、1リットル当たり0.1ないし3.0gのスクラロースと0.1ないし4.0gの酸味剤、例えば、1リットル当たり0.1ないし3.0gの酸味剤、例えば、クエン酸を溶液中に含有することを含む硫酸塩含有結腸洗浄溶液の美味しくない味(poor taste)を軽減する方法を提供する。
【0325】
改善された美味しさは、前記溶液中の知覚塩味(perceived saltiness)の低下と関連していると仮定される。従って、本発明は、1リットル当たり0.1ないし3.0gのスクラロースと1リットル当たり0.1ないし4.0gの酸味剤、例えば、1リットル当たり0.1ないし3.0gの酸味剤、例えば、クエン酸を溶液中に含有することを含む硫酸塩含有結腸洗浄溶液の知覚塩味を低下する方法を提供する。“低下”は、ここでは、スクラロースと酸味剤とを含まない同等の溶液と比べて解釈される。
【0326】
酸味剤は、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、リン酸、コハク酸、フィチン酸、乳酸又はそれらの塩から選ばれ得る。例えば、酸味剤はクエン酸であり得る。それは、1リットル当たり0.1ないし4.0g、例えば、1リットル当たり0.1ないし3.0g、例えば、1リットル当たり0.3ないし2.0g、例えば、1リットル当たり0.5ないし2.0g、例えば、1リットル当たり0.75g、1.0g、1.06g、1.25g又は1.5g程度で存在し得る。例えば、それは、1リットル当たり3.0ないし4.0g、例えば、1リットル当たり3.48g程度で存在し得る。クエン酸、又は他の酸味剤は、カプセルに入れられた形態で提供され得る。前記カプセル封入は、酸味剤を他の成分から、またその使用前に空気及び湿気から隔てる被覆物(coating)を提供する。カプセルに入れられた形態のクエン酸のいくつか、又は他の酸味剤は、市販されている。例えば、カプセル封入は水溶性被覆物であり得る。
【0327】
スクラロースは、例えば、1リットル当たり0.1ないし3.0g、例えば、1リットル当たり0.3ないし2.0g、例えば、1リットル当たり0.5ないし2.0g、例えば、1リットル当たり0.5ないし1.3g、例えば、1リットル当たり0.63g、0.80g、又は1.0g程度で存在し得る。例えば、それは、1リットル当たり1.58g程度で存在し得る。
【0328】
スクラロースとクエン酸とを使用した場合、特に好ましい香味料は、フルーツポンチ香味料、例えば、1リットル当たり0.4ないし1.2g、例えば、1リットル当たり0.625g又は1リットル当たり1.0g程度のフルーツポンチ香味料である。
【0329】
例えば、水との混合による溶液の調製のための組成物もまた提供される。該溶液中のそれぞれの成分(i)ないし(iv)及び本発明の第四観点の組成物の好ましい量は、上記6b)における前記第一の結腸洗浄溶液及び第一の洗浄組成物のために示されたものと同様である。
【0330】
本発明の第四観点に従う結腸洗浄溶液は、6b)項における第一の結腸洗浄溶液に関連して上記に記載されたような量及び種類でPEG、硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び香味料を含有し得る。
【0331】
本発明の第四観点に従う結腸洗浄溶液は、2ないし5項に示したような本発明の第一又は第二観点の溶液と一緒に使用され得る。さもなくば、それは、異なる他の結腸洗浄溶液との組み合わせで使用され得るか又はそれ自身の適当な体積で使用され得る。それ自身を使用する場合、それは単回用量投与又は分割用量投与で使用され得る。本発明は、本発明の第四観点の溶液を投与することを含む、被験者の結腸の洗浄方法を提供する。該溶液は、それ自身で又は更なる異なる溶液との組み合わせで投与され得る。
【0332】
8.キット
a)本発明の溶液の調製のための組成物を提供するキット
上記2a)項に示したように、本発明は、水と混合するための組成物(例えば、乾燥組成物、例えば、粉末)であって、該組成物は任意に2以上の部分で存在し、本発明の溶液の成分を含むところの組成物を提供する。もし成分が2以上の部分で提供される場合、それらはキットで提供され得る。従って、本発明は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)5ないし100gのポリエチレングリコール
を含むキットを提供する。
【0333】
前記キットは、上記3a)、3b)、及び3d)項で示したような追加の成分と、そこで示された量の該成分を更に含み得る。例えば、キットは、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)5ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;
f)任意の1種以上の甘味料
を含有し得る。
【0334】
c)及びd)はそれぞれ、上記3a)及び3d)項で記載された量で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記3a)及び3d)項で記載された量であり得る。
【0335】
1つの実施態様において、前記キットは、
a)(i)6.0ないし10gのアスコルビン酸及び
(ii)40ないし60gのアスコルビン酸ナトリウム
該成分(i)と該成分(ii)とは1:5063ないし1:7.875の質量比で存在する;
b)30ないし50gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1.5ないし4gの塩化ナトリウム及び0.5ないし3.5gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含有する。
【0336】
本発明のキットの実施態様において、アスコルベート成分a)はPEG成分b)とは別に包装される。残りの構成成分はPEG成分と一緒に包装され得る。
【0337】
本発明のキットの実施態様において、香味料成分e)又は甘味料成分f)は他の成分とは別に提供され得る。前記キットはいくつかの代替的な香味料を提供し得、これにより、被験体は香料の範囲からどの香味料を使用するのか決定することができる。
【0338】
例えば、前記キットは、
a)(i)7.54gのアスコルビン酸及び
(ii)48.11gのアスコルビン酸ナトリウム
b)40gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)3.20gの塩化ナトリウム及び1.20gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含有し得、
ここで、成分a)は第一の区画に包装され、そして、成分b)、c)、e)及びf)は第二の区画に包装される。
【0339】
1種以上の成分は乾燥粉末形態であり得るが(例えば、アスコルベート成分又はPEG成分は乾燥粉末形態であり得る)、いくつかの残りの成分(例えば、塩化ナトリウム又は塩化カリウム)は錠剤の形態で又は半固形(例えば、ゲル)の形態である。そのような実施態様において、被験者は水に粉末成分を溶かし、それを飲むように指示され、また溶解せずに錠剤又は半固形形態を摂取するように指示され得る。もし半固形形態(例えば、ゲル)が存在する場合、被験者はそれを摂取する前にそれを水に加えるように指示され得るか、又は被験者は提供されている通りに、それを摂取するように指示され得る。
【0340】
上記5d)項に示したように、本発明は、水と混合するための組成物(例えば、乾燥組成物、例えば、粉末)であって、当該組成物は任意に2以上の部分で存在し、本発明の溶液の成分を含むところの組成物を提供する。もし成分が2以上の部分で提供される場合、それらはキットで提供され得る。従って、本発明は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)5ないし100gのポリエチレングリコール;
を含むキットであり、
該キットは実質的にアスコルビン酸を含まないキットを提供する。
【0341】
前記キットは上記5a)、5b)、及び5d)項で示したような追加の成分と、そこで示された量の該成分を更に含み得る。例えば、キットは、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される180ないし220mmolのアスコルビン酸アニオン;
b)5ないし100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG
c)塩化ナトリウム及び塩化カリウム;
d)任意の硫酸ナトリウム;
e)任意の1種以上の香味剤;
f)任意の1種以上の甘味料
を含有し得、
該キットは実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0342】
c)及びd)はそれぞれ、上記5a)及び5d)項で記載された量で存在し得る。e)及びf)はそれぞれ、上述と同様のものであり得、及び/又は上記5a)及び5d)項で記載された量であり得る。
【0343】
1つの実施態様において、前記キットは、
a)35.65ないし43.55gのアスコルビン酸ナトリウム
b)30ないし50gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1.5ないし4gの塩化ナトリウム及び0.5ないし3.5gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料;
を含有し、
該キットは実質的にアスコルビン酸を含まない。
【0344】
本発明のキットの実施態様において、アスコルベート成分a)はPEG成分b)とは別に包装される。残りの成分はPEG成分と一緒に包装され得る。
【0345】
本発明のキットの実施態様において、香味料成分e)又は甘味料成分f)は他の成分とは別に提供され得る。前記キットはいくつかの代替的な香味料を提供し得、これにより、被験体は香料の範囲からどの香味料を使用するのか決定することができる。
【0346】
例えば、前記キットは、
a)40gのアスコルビン酸ナトリウム
b)40gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)2.50gの塩化ナトリウム及び0.90gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含有し得、
ここで、成分a)は第一の区画に包装され、そして、成分b)、c)、e)及びf)は第二の区画に包装される。
【0347】
更なる実施態様において、1種以上の成分は乾燥粉末形態であり得るが(例えば、アスコルベート成分又はPEG成分は乾燥粉末形態であり得る)、いくつかの残りの成分(例えば、塩化ナトリウム又は塩化カリウム)は錠剤の形態で又は半固形(例えば、ゲル)の形態である。そのような態様において、被験者は水に粉末成分を溶かし、それを飲むように指示され、また溶解せずに錠剤又は半固形形態を摂取するように指示され得る。もし半固形形態(例えば、ゲル)が存在する場合、被験者はそれを摂取する前にそれを水に加えるように指示され得るか、又は被験者は提供されている通りに、それを摂取するように指
示され得る。
【0348】
本発明のキットが、例えば、箱の形態で提供されるのが患者のために都合が良い。該キットは、容器中又は封筒の例(被験者への宛先であり得る。)、例えば、保護封筒中に提供され得る。該キットを含む箱又は他の容器は、例えば、標準的な国内の郵便ポスト中に投函し得るものであり、そのため郵便で被験者へ都合よく送付し得る。米国において、それは典型的には1.75インチの高さ10インチ幅であるスロットに収まる箱を意味する。欧州においては、最小の郵便ポストの開口幅は通常230mmであり最小の高さは30mmである。本発明のキットにおいて、前記第一及び/又は第二の部分は、それぞれ1つ以上の容器中に含まれ得る。適当な容器の例としては、タブ型容器、バッグ及びサシェが挙げられる。好ましい容器は、サシェである。
【0349】
1つの実施態様において、本発明の組成物は複室容器、例えば、国際公開第2012/105524号パンフレットに開示されたタイプの複室容器で提供できる。複室容器は隔壁を有し得、そして2つの別個の粉末がお互いに分離されて格納される。さらに、国際公開第2012/105524号パンフレットに開示されたタイプの容器において、分離された状態で格納される、粉末剤は、水溶液を提供するための使用時に簡単かつ容易に混合できる。
【0350】
例えば、複室容器は、可撓性フィルムから形成された実質的に平坦状の袋体と、袋体の対向する内面を剥離可能にする溶着する剥離可能なシールとして構成される隔壁と、複数の隔室の一つに開口するように袋体の周辺部に取り付けられた、液体の注入及び排出のために液出ポートを含む。例えば、隔壁は、袋体のガゼット底部に沿って延出する水平部分と、水平部分から袋体上部へ湾曲している垂直な部分を含む。隔壁は、例えば、壊れやすい可能性がある。例えば、大容量を有する第一の隔室は、袋体の底部に対し近接する隔壁の一方に形成され、小容量を有する第二の隔室は、隔壁の他方に形成され、そして抽出ポートは第一の隔室に開口する。
【0351】
b)本発明に従う処置を提供するキット
上記6)項に示したように、本発明は、被験者が2つの異なる薬剤を摂取する、結腸洗浄のための様々な分割用量処置を提供する。従って、本発明は、
−第一の結腸洗浄剤、及び
−第二の結腸洗浄剤
を含むキットであり、
該第二の結腸洗浄剤は上述した本発明の第一又は第二観点の溶液であるキットを提供する。
【0352】
本発明は、また
−第一の結腸洗浄剤、及び
−第二の結腸洗浄剤
を含むキットであって、
該第二の結腸剤溶液は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
の水溶液であるキットを提供する。
【0353】
本発明は、
−第一の結腸洗浄剤、及び
−第二の結腸洗浄剤
を含むキットであって、
該第二の結腸洗浄剤は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当り360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
の水溶液であり、
該溶液はアスコルビン酸を本質的に含まない溶液であるキットもまた提供する。
【0354】
1つの実施態様において、前記第一の薬剤は第二の薬剤とは異なる。
【0355】
本発明のキットは結腸洗浄溶液の調製のための組成物を提供し得る。
従って、本発明は、
A)水との混合による上記のような第一の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する、組成物である、第一成分;及び
B)水との混合による第二の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する、組成物である、第二成分であって、該第二の結腸洗浄溶液は2ないし5項に示したような本発明の第一又は第二観点の溶液及び使用に関して上記されたような溶液である第二成分;を含むキットを更に提供する。
【0356】
好ましくは、第一の溶液は第二の溶液と異なる組成である。
【0357】
従って、本発明のキットは、
A)
(i)52.5ないし187.5gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するPEG
(ii)1.5ないし15gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物
(iii)任意の1種以上の電解質;
(iv)任意の1種以上の香味剤;及び
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む、第一の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する組成物である、第一成分:並びに
B)
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される150ないし400mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)任意の5ないし100gのポリエチレングリコール
を含む、第二の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2以上の部分で存在する組成物である、第二成分
を含み得、
該第一の溶液は前記第二の溶液とは異なる。
【0358】
本発明のキットは、
A)
(i)52.5ないし187.5gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有す
るPEG、
(ii)1.5ないし15gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物
(iii)任意の1種以上の電解質;
(iv)任意の1種以上の香味剤;及び
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む、第一の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する組成物である、第一成分:並びに
B)
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)任意の5ないし100gのポリエチレングリコール
を含む、第二の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2以上の部分で存在する組成物である、第二成分
を含み得、
該溶液は実質的にアスコルビン酸を含まず、
該第一の溶液は前記第二の溶液とは異なる。
【0359】
前記第一成分は上記6b)項に示したような溶液の調製のための組成物であり得る。前記第一成分は、好ましくは97.5ないし187.5gのPEG、例えば、67.5ないし150gのPEG、より好ましくは75ないし150g、例えば、90ないし112.5g、例えば、100gのPEGを含む。
【0360】
好ましくは、前記第一成分は、1.5ないし11.25g、例えば、3.75ないし11.25g、例えば、6ないし9g、例えば、6又は9gの量で、スルフェート成分(例えば、硫酸ナトリウム)を含む。例えば、前記第一成分は、6.0ないし15gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物を含む。例えば、それは、9gの硫酸ナトリウムを含む。
【0361】
好ましくは、前記第一成分は、0.375ないし3.75gの量で、塩化ナトリウムを含む。例えば、塩化ナトリウムは、0.75ないし3.0g、例えば、0.75ないし2.25g、例えば、1.125ないし2.25g、例えば、1.5ないし2.25g、例えば、2.0gの量で存在し得る。
【0362】
例えば、前記第一成分は、0.75ないし7.5gの量で、塩化カリウムを含む。例えば、塩化カリウムは、0.0375ないし3.75g、例えば、0.075ないし2.25g、例えば、0.15ないし1.5g、例えば、0.375ないし1.125g、例えば、0.375ないし0.825g、例えば、1.0gの量で存在し得る。
【0363】
実施態様において、前記第一成分は、塩化ナトリウムと塩化カリウムを含む。それらは、真上で述べられたような量で存在し得る。例えば、塩化ナトリウムは、1.125ないし2.25gの量で存在し得、そして、塩化カリウムは、0.15ないし1.5gの量で存在し得る;例えば、2.0gの塩化ナトリウム及び1.0gの塩化カリウムである。
【0364】
本発明の組成物のキットの前記第二成分は、好ましくは、3ないし5項目において、上述したような本発明の第一又は第二観点の溶液を調製するための組成物である。
【0365】
従って、前記キットは、
A)
(i)87.5ないし110gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するP
EG
(ii)7.5ないし10gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物
(iii)1.5ないし2.5gの塩化ナトリウム及び0.75ないし1.25gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;並びに
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む、第一の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する組成物である、第一成分:並びに
B)
a)(i)6.0ないし10gのアスコルビン酸及び
(ii)40ないし60gのアスコルビン酸ナトリウム
該成分(i)と該成分(ii)とは1:5063ないし1:7.875の質量比で存在する;
b)30ないし50gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1.5ないし4gの塩化ナトリウム及び0.5ないし3.5gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む、第二の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2以上の部分で存在する組成物である、第二成分
を含み得る。
【0366】
本発明のキットの実施態様において、成分B)では、アスコルベート成分a)はPEG成分b)とは別に包装される。成分B)の残りの構成成分はPEG成分と一緒に包装され得る。
【0367】
例えば、キットは、
A)
(i)100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG
(ii)9.0gの硫酸ナトリウム
(iii)2.0gの塩化ナトリウム及び1.0gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;及び
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む、第一の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する組成物である、第一成分:並びに
B)
a)(i)7.54gのアスコルビン酸及び
(ii)48.11gのアスコルビン酸ナトリウム
b)40gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)3.20gの塩化ナトリウム及び1.20gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む、第二の結腸洗浄溶液の調製のための第二成分
を含み得;
ここで、成分a)は第一の区画に包装され、そして、成分b)、c)、e)及びf)は第二の区画に包装される。
【0368】
例えば、香味料及び甘味料は、第一成分において、0.469gのフルーツポンチ香味料、0.476gのスクラロース及び0.792gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、0.500gのフルーツポンチ香味料、0.40gのスクラロース及び
0.75gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.43gのマンゴ香味料、0.79gのスクラロース及び1.74gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.59gのフルーツポンチ香味料、0.79gのスクラロース及び1.74gのクエン酸であり得る。クエン酸は任意に他の成分とは別に包装され得る。
【0369】
例えば、香味料及び甘味料は、第二成分において、0.60gのオレンジ香味料及び1.93gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.60gのシトラス香味料及び0.875gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、2.10gのオレンジグレープフルーツ香味料及び0.875gのアスパルテームであり得る。
【0370】
また、前記キットは、
A)
(i)87.5ないし110gの、2500ないし4500Daの平均分子量を有するPEG
(ii)7.5ないし10gの、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はこれらの混合物
(iii)1.5ないし2.5gの塩化ナトリウム及び0.75ないし1.25gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;並びに
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む、第一の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する組成物である、第一成分:並びに
B)
a)35.65ないし43.55gのアスコルビン酸ナトリウム
b)30ないし50gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)1.5ないし4gの塩化ナトリウム及び0.5ないし3.5gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む、第二の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2以上の部分で存在する組成物である、第二成分
を含み得る。
【0371】
本発明のキットの実施態様において、成分B)では、アスコルベート成分a)はPEG成分b)とは別に包装される、成分B)の残りの構成成分はPEG成分と一緒に包装され得る。
【0372】
例えば、キットは、
A)
(i)100gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG
(ii)9.0gの硫酸ナトリウム
(iii)2.0gの塩化ナトリウム及び1.0gの塩化カリウム;
(iv)任意の1種以上の香味剤;及び
(v)任意の1種以上の甘味料
を含む、第一の結腸洗浄溶液の調製のための任意に2部以上で存在する組成物である、第一成分:並びに
B)
a)40gのアスコルビン酸ナトリウム
b)40gの、3000ないし4000Daの平均分子量を有するPEG;
c)2.50gの塩化ナトリウム及び0.90gの塩化カリウム;
e)1種以上の香味剤;並びに
f)1種以上の甘味料
を含む、第二の結腸洗浄溶液の調製のための第二成分
を含み得;
ここで、成分a)は第一の区画に包装され、そして、成分b)、c)、e)及びf)は第二の区画に包装される。
【0373】
例えば、香味料及び甘味料は、第一成分において、0.469gのフルーツポンチ香味料、0.476gのスクラロース及び0.792gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、0.500gのフルーツポンチ香味料、0.40gのスクラロース及び0.75gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.43gのマンゴ香味料、0.79gのスクラロース及び1.74gのクエン酸であり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.59gのフルーツポンチ香味料、0.79gのスクラロース及び1.74gのクエン酸であり得る。クエン酸は任意に他の成分とは別に包装され得る。
【0374】
例えば、香味料及び甘味料は、第二成分において、0.80gのオレンジ香味料及び1.10gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、1.60gのレモン/ライム香味料及び1.625gのアスパルテームであり得る。例えば、香味料及び甘味料は、2.15gのオレンジグレープフルーツ香味料及び1.625gのアスパルテームであり得る。
【0375】
好ましくは、前記キットは取扱説明書を更に含む。実施態様において、本発明のキットは、各成分が水で調合される体積を使用者に指示する説明書を有する。例えば、各溶液のための水の特定の体積は、1リットル未満である。例えば、前記第一成分のための特定の体積は、300mLないし1200mL、例えば、600mLないし900mL、例えば、750mLであり得る;例えば、それは、25又は26米国式液量オンス、例えば、400ないし600mL、例えば、500mLの体積であり得る。例えば、それは、16又は17米国式液量オンスの体積であり得る。例えば、前記第二成分のための特定の体積は、250mLないし1000mL、例えば、400mLないし700mL、例えば、500mLであり得る。例えば、それは、16又は17米国式液量オンスの体積であり得る。前記説明書中で特定され得る更なる体積は、本発明の方法に関して上記に示したような体積である。
【0376】
一般に、前記説明書は、第一及び第二の溶液が、それらの間に時間間隔を伴って連続して摂取されることを特定する。1つの態様において、前記説明書は、前記第一の洗浄溶液が最初に摂取され、時間間隔(例えば、夜と翌朝の間の時間)の後、前記第二の洗浄溶液の摂取が続くことを特定する。前記時間間隔は、好ましくは、本発明の方法に関して上記した通りのものである。前記説明書は、第一の溶液のための上記6項並びに第二の溶液のための上記3c)及び5c)項に示された記載に従って、キット中の成分が溶液になり、それから摂取されることを特定し得る。
【0377】
例えば、成分A)及びB)は、乾燥粉末、顆粒又は他の乾燥形態であり得る。それらは、さもなくば、濃縮物又はスラリーの形態であり得る。成分A)及びB)は、同一又は異なる物理形態であり得る。A)及びB)内の成分は、同一又は異なる物理形態であり得る。例えば、成分A)及びB)の一方又は両方は乾燥粉末である。成分A)及びB)の何れか又は夫々の1部分は、1つ以上の固体の錠剤又はカプセルの形態であり得る。
【0378】
本発明のキットが、例えば、箱の形態で提供されるのが患者のために都合が良い。本発明のキットにおいて、前記第一及び/又は第二成分は、それぞれ1つ以上の容器中に含まれ得る。特に、前記第二成分は1つよりも多い容器中に含まれ得る。例えば、前記第二成
分がアスコルビン酸とPEGの両方を含む場合、該アスコルビン酸とPEGは、別の容器中に含まれ得る。前記第二成分の他の構成成分(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び硫酸ナトリウムの1種以上)は、該別の容器の何れかの中であり得る。例えば、それらはPEGを含む容器中であり得る。
【0379】
香味料成分が第一又は第二の溶液中に存在する場合、本発明のキットにおいて、関連する溶液のための該香味料成分は、その溶液の他の構成成分とは別の容器中に提供され得る。
【0380】
適当な容器の例としては、タブ型容器、バッグ及びサシェが挙げられる。好ましい容器は、サシェである。
【0381】
1つの実施態様において、本発明の組成物は複室容器、例えば、上記8a)項に示したような、国際公開第2012/105524号パンフレットに開示されたタイプの複室容器で提供できる。
【0382】
1つの実施態様において、キットは、
A)前記第一の洗浄溶液の調製のための第一組成物を含む第一サシェ;
B1)第二サシェ;
B2)第三サシェ;
を含み、
ここで、前記第二及び第三サシェは一緒になって、前記第二の洗浄溶液の調製のための組成物を提供する。
【0383】
例えば、真上で述べられたような本発明のキットにおいて、
A)前記第一サシェは、ポリエチレングリコール及び/又は硫酸ナトリウムを含み;
B1)前記第二サシェは、ポリエチレングリコール、1種以上のアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物、及び電解質から選択される1種以上の成分を含み;並びに
B2)前記第三サシェは、アスコルビン酸の1種以上の塩及び、適切な場合、アスコルビン酸を含み;
前記サシェ(B1)及びサシェ(B2)の中身は一緒になって第二の洗浄溶液のための成分を提供する。
【0384】
例えば、本発明のキットの更なる実施態様において、幾つか又は全ての硫酸塩、電解質、香味剤及び甘味料は、PEGを伴う第一サシェ(A)で提供されるよりも、錠剤又はカプセルの形態で提供される。本発明のキットの更なる実施態様において、アスコルビン酸又はアスコルベート成分、幾つか又は全ての硫酸塩、電解質、香味剤及び甘味料は、PEGを伴う第二又は第三サシェ(B1又はB2)で提供されるよりも、錠剤又はカプセルの形態で提供される。
【0385】
キットは、1つの処理、例えば、洗浄処理を含み得るか又は幾つかの処理を含み得る。処理は、通常、前記第一の洗浄溶液(又は前記第一の洗浄溶液を調製するための成分)の1つの用量及び前記第二の洗浄溶液(又は前記第一の洗浄溶液を調製するための成分)の1つの用量を含む。本発明のキットにおいて、好ましくは、前記第一成分は、前記第一の洗浄溶液の1つの用量を含み、前記第二成分は、前記第二の洗浄溶液の1つの用量を含む。
【0386】
本発明のキットは、
−被験者がここに記載されたような第一の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること;その後
−被験者がここに記載されたような第二の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること
を含む結腸を洗浄する方法における使用のためのものであり得る。
【0387】
9.代替的な結腸洗浄療法
a)概要
上記2ないし5項に記載された本発明の第一及び第二観点の溶液及び組成物は、本発明の第一又は第二観点の溶液が前記第一の結腸洗浄溶液である、被験者が2種の異なる溶液(第一の結腸洗浄溶液、それに続く第二の結腸洗浄溶液)を摂取する、分割用量結腸洗浄処置における使用を更に見出している。
従って、第四観点において、本発明は、
−被験者が第一の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること;その後
−被験者が第二の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること
を含む哺乳類の結腸を洗浄する方法であって、
前記第一の結腸洗浄溶液は、上記2ないし5項に示した本発明の第一又は第二観点の溶液である方法を提供する。
【0388】
本発明は、
−被験者が第一の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること;その後
−被験者が第二の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること
を含む哺乳類の結腸を洗浄する方法であって、
前記第一の結腸洗浄溶液は、
a)(i)アスコルビン酸及び
(ii)アスコルビン酸の1種以上の塩
の混合物であり、該成分(i)と該成分(ii)とが1:4.5ないし1:7.0のモル比で存在する混合物により提供される1リットル当たり300ないし800mmolのアスコルビン酸アニオン;並びに
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
を含む溶液である方法もまた提供する。
【0389】
本発明は、
−被験者が第一の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること;その後
−被験者が第二の結腸洗浄溶液の有効量を摂取すること
を含む哺乳類の結腸を洗浄する方法であって、
前記第一の結腸洗浄溶液は、
a)アスコルビン酸の1種以上の塩により提供される1リットル当たり360ないし440mmolのアスコルビン酸アニオン;及び
b)任意の1リットル当り10ないし200gのポリエチレングリコール
を含み、
前記溶液はアスコルビン酸を本質的に含まない溶液である方法もまた提供する。
【0390】
本発明の第四観点の溶液及び方法は、上記6項に示したような本発明の第三観点の溶液及び方法に関して上記に記載された特徴を有し得る。
【0391】
b)代替手段
本発明はまた、
−被験者に第一の洗浄溶液の有効量を投与すること;及び時間間隔の後
−被験者に第二の洗浄溶液の有効量を投与すること
を含む被験者の結腸を洗浄する方法であって、
前記第一の洗浄溶液は、高浸透圧であり且つアスコルビン酸、アスコルビン酸の1種以上
の塩又はそれらの混合物(例えば、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウム、例えば、アスコルビン酸ナトリウム)を含み;前記第二の洗浄溶液は、実質的にアスコルビン酸及びその塩を含まないか又は、前記第一の洗浄溶液中に存在するよりも低いアスコルビン酸アニオンの濃度を提供する量で、アスコルビン酸、アスコルビン酸の1種以上の塩又はそれらの混合物を含むかの何れかである方法も提供する。前記第一の洗浄溶液は、PEG及び電解質(例えば、塩化ナトリウム及び塩化カリウム)を含み得る。前記第二の洗浄溶液は、PEGを含み得る;それは、アルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム)を含み得る;それは、電解質(例えば、塩化ナトリウム及び塩化カリウム)を含み得る。それらはまた、本発明に従う第一の及び第二の溶液を含むキット、及び該第一の及び第二の溶液を調製するための組成物を含むキットも提供する。
【0392】
前記第一の洗浄溶液は、前記第二の洗浄溶液中に存在するよりも高いアスコルビン酸アニオンの濃度を含む。例えば、前記第一の洗浄溶液は、前記第二の洗浄溶液より、2倍以上のアスコルビン酸アニオンの濃度を含む。例えば、前記第一の溶液は、前記第二の洗浄溶液より、3倍以上、4倍以上又は5倍以上のアスコルビン酸アニオンの濃度を含む。例えば、前記第一の洗浄溶液は、前記第二の洗浄溶液のアスコルビン酸アニオンの濃度よりも1リットル当り少なくとも50mmol多いアスコルビン酸アニオンの濃度を含む。それは、即ち、前記第一の溶液が、前記第二の溶液のアスコルビン酸アニオンの濃度よりも1リットル当り少なくとも50mmol多いアスコルビン酸アニオンの濃度を含むものである。例えば、前記第一の溶液は、1リットル当り少なくとも100mmol多い、例えば、1リットル当り少なくとも200mmol、1リットル当り少なくとも300mmol多いアスコルビン酸アニオンの濃度を含む。
【0393】
例えば、前記第二の洗浄溶液は、アスコルベート成分が実質的に存在しなくてもよい。
【0394】
例えば、前記第一の洗浄溶液は、
−56.6gのアスコルビン酸ナトリウム、又は
−33.9gのアスコルビン酸ナトリウム及び20.1gのアスコルビン酸、又は
−33.9gのアスコルビン酸ナトリウム、又は
−33.9gのアスコルビン酸ナトリウム及び21.4gのアスコルビン酸マグネシウムを含み得る。
【0395】
前記第一の洗浄溶液は、更に、ポリエチレングリコールを含み得る。該ポリエチレングリコール(PEG)は、例えば、2500ないし4500Da、例えば、3000ないし4000Daの平均分子量を有し得る。例えば、該PEGは、国内薬局方で規定されるような、PEG3350又はPEG4000であり得る。幾つかの国内薬局方において承認されている適当なPEGの更なる例としては、マクロゴール、例えば、マクロゴール4000が挙げられる。
【0396】
例えば、前記第一の洗浄溶液は、20g又は40gのPEG3350を含み得る。例えば、前記第一の洗浄溶液は、500mLの体積を有し得る。例えば、それは、16又は17米国式液量オンスの体積を有し得る。
【0397】
前記第二の洗浄溶液は、ポリエチレングリコール及び/又はアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、又はそれらの混合物を含み得る。
【0398】
前記第二の洗浄溶液中の、ポリエチレングリコール(PEG)は、前記第一の洗浄溶液のために真上で述べられたようなものであり得る。前記第二の洗浄溶液中のPEGは、前記第二の洗浄溶液中のPEGとは異なるPEGであり得る。例えば、一方のPEGはPEG3350であり得、もう一方のPEGはPEG4000であり得る。例えば、前記第二
の洗浄溶液は、100gのPEG3350を含み得る。例えば、前記第二の洗浄溶液は、750mLの体積を有し得る。例えば、それは25又は26米国式液量オンスの体積を有し得る。
【0399】
前記第二の洗浄溶液は、好ましくは、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物を含む。アルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩は、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムから選択され得る。前記溶液は、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸マグネシウムの1つ以上、例えば、3つ全てを含み得る。好ましくは、前記アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩又はそれらの混合物は、硫酸ナトリウムであるか又は硫酸ナトリウムを含む。好ましくは、アルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム)は、無水である。
【0400】
例えば、前記第二の洗浄溶液は、750mLの体積を有し及び3g、6g又は9gの硫酸ナトリウムを含み得る。
【0401】
前記第一の及び/又は第二の洗浄溶液は更に、
a)1種以上の電解質;
b)1種以上の香味剤;
c)1種以上の甘味料
の1つ以上を含み得る。
【0402】
電解質としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩、特に、ナトリウム及びカリウムの塩;及び塩化物の塩、ヨウ化物の塩、重炭酸塩及び炭酸塩、特に、塩化物の塩が挙げられる。好ましい電解質は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。実施態様において、前記第一の及び/又は第二の溶液は、実質的に重炭酸ナトリウムを含まない。
【0403】
例えば、前記第二の結腸洗浄溶液は、750mLの体積を有し得、及び1.4gの塩化ナトリウム及び0.3gの塩化カリウム;又は1.6gの塩化ナトリウム及び0.7gの塩化カリウム;又は2.0gの塩化ナトリウム及び1.0gの塩化カリウムを含み得る。
【0404】
例えば、前記第一の結腸洗浄溶液は、500mLの体積を有し得、及び3.5gの塩化ナトリウム及び2.2gの塩化カリウム;又は2.7gの塩化ナトリウム及び1.3gの塩化カリウム;又は2.8gの塩化ナトリウム及び1.3gの塩化カリウム;又は2.8gの塩化ナトリウム及び2.0gの塩化カリウム;又は3.1gの塩化ナトリウム及び1.3gの塩化カリウムを含み得る。例えば、前記第一の洗浄溶液は、実質的に重炭酸ナトリウムを含まない。
【0405】
前記第一の及び/又は第二の洗浄溶液は、好ましくは、香味剤を含む。本発明の組成物における使用のための香味料は、好ましくは塩味を隠すべきであり、比較的甘くしかしさほど甘過ぎず、該組成物中で安定であるべきである。香味料は、前記溶液をより味の良いものとし、それにより患者の服薬遵守を補助する。好ましい香味料としては、レモン、例えば、アンゲラーレモン(Ungerer Lemon)(イギリス国 CH14LP、チェスター、シーランド ロードのUngerer Limitedより入手可能)、ストロベリー、例えば、アンゲラーストロベリー(Ungerer Strawberry)、グレープフルーツ、例えば、アンゲラーグレープフルーツ(Ungerer Grapefruit)香味料粉末、クロフサスグリ、例えば、アンゲラーブラックカラント(Ungerer Blackcurrant)、パイナップル、例えば、IFF(インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス)パイナップル香味料粉末、オレンジ、例えば、フィルメニッヒ オレンジ(Firmenich Orange)、バニラ/レ
モン及びライム、例えば、IFF Vanilla and Givaudin Roure Lemon and Lime Flav−o−lok、フルーツポンチ、例えば、アンゲラーフルーツポンチ(Ungerer fruit punch)、シトラスポンチ、マンゴ、並びにベリーが挙げられる。それら及び更なる適当な香味料は、インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス社(イギリス国、CB9 8LG、サホーク、ハーバーヒル、ダッドリー ヒル)、アンゲラー アンド カンパニー(イギリス国
CH14LP、チェスター、シーランド ロード)又はフィルメニッヒ(Firmenich UK Ltd.、UB2 5NN ミドルセックス、サウスオール、ヘイズ ロード)から入手可能である。より好ましい香味料は、レモン、キーウィ、ストロベリー、グレープフルーツ、オレンジ、フルーツポンチ及びマンゴである。
【0406】
フルーツポンチ及びマンゴは、前記第一の溶液に対して特に好ましい香味料である。前記第二の溶液に対して最も好ましい香味料は、レモン香味料とオレンジ香味料である。
【0407】
前記第一の及び/又は第二の洗浄溶液は、好ましくは、甘味料を含む。糖ベースの甘味料は通常、非吸収の糖の結腸への送達が細菌のための基質を提供するため、結腸洗浄組成物のために適当でない。そのような糖は細菌により代謝され、水素及びメタンのような爆発性ガスを形成し得る。結腸中の爆発性ガスの存在は、電気器具が大腸内視鏡検査又は他の処置の間に使用される場合、極めて危険であり得る。好ましい甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファム K)、スクラロース及びサッカリン、及び/又はそれらの組合せが挙げられる。例えば、本発明の組成物は、アスパルテームとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。例えば、本発明の組成物は、スクラロースとアセスルファムカリウム(アセスルファム K)の一方又は両方を含み得る。さもなければ、本発明の組成物は、例えば、該組成物中の異なる成分の数を最小にするために、添加された甘味料が実質的に存在しないものとし得る。クエン酸もまた、味強化剤として存在し得る。
【実施例】
【0408】
試料評価手順の概要
同じ試料評価手順が、味覚テストされた下記に記載の全ての溶液の味覚テストに使用された。手順は下記の通りである:
1.溶液は1オンスカップから一口すすられ、口の中でグチュグチュし、吐き出された。2.初期の風味は直ちに評価された(t=0)。
3.後味は周期的な時間間隔:1、3及び5分で評価された。
4.評価終了後、パネリスト達は天然水と無塩クラッカーを使用して、味覚を浄化した。
パネリスト達は基準を使用して、溶液の塩味の強度の知覚点数を提供するように求められた。
強度基準:0=なし
1=わずか
2=適度
3=強い
一般的に、パネルは2ないし8人のテイスターから構成された。平均的な塩味強度の点数を時間に対してプロットした。
【0409】
実施例1:アスコルビン酸ナトリウム/アスコルビン酸溶液
PEG3350(40g)、塩化ナトリウム(2.8g)、塩化カリウム(1.3g)及びアスコルビン酸ナトリウム(56.6g)を含有する溶液の最初の一式において、甘味料のスクラロース及びアスパルテームは、溶液の知覚塩味を低下するのに最も効果的であることがわかった。アセスルファム K及びサッカリンナトリウムでは、効果が低かった。
表1及び2における溶液を調製し、味覚テストした。味覚テストの結果を
図1及び2に示した。
【0410】
【表1】
【0411】
【表2】
【0412】
図1及び2において、塩味強度は85:15の割合でアスコルビン酸ナトリウムとアスコルビン酸を含有する溶液、すなわち、F5とG5とで最も低下されることがわかった。
【0413】
実施例2.アスコルビン酸ナトリウム溶液と味覚テスト
表3における溶液を調製し、味覚テストした。味覚テストの結果を
図3に示した。
【0414】
【表3】
【0415】
図3において、塩味強度は溶液中のアスコルビン酸ナトリウムの量を減少させることにより低下されることがわかった(H1とH2との比較)。塩味は1.25g/500mLのアスパルテームにより最も低下されることがさらにわかった。
【0416】
実施例3:PEG−電解質溶液と味覚テスト
PEG3350(100g)、硫酸ナトリウム(9.0g)、塩化ナトリウム(1.4g)、塩化カリウム(0.3g)を含有する溶液の最初の一式において、甘味料のスクラロース(0.1%)、アスパルテーム(0.4%)又は2つの混合物(スクラロース0.07%/アスパルテーム0.12%)は、溶液の知覚塩味を低下するのに最も効果的であることがわかった。アセスルファム K、サッカリンナトリウム及び他の混合物では、効果が低かった。
表4における溶液を調製し、味覚テストした。味覚テストの結果を
図4に示した。
【0417】
【表4】
【0418】
味覚テストの結果を
図4に示した。クエン酸を含有する溶液は、クエン酸を含まない溶液よりも、塩辛くないと知覚されることがわかった。
【0419】
実施例4.腸洗浄溶液
以下に示す本発明の腸洗浄溶液が調製された。溶液S1のために、表5中で示される成分が乾燥粉末形態に混ぜ合わされ、該表中に示されるように各サシェA及びB中に密封された。該溶液は、その後水中に前記内容物を溶解させて最後から2番目の列に示される体
積とすることにより調製された。溶液S2は、類似の様式で調製された。
【0420】
【表5】
【0421】
溶液T1のために、表6中で示される成分が乾燥粉末形態に混ぜ合わされ、該表中に示されるように各サシェC及びD中に密封された。該溶液は、その後、前記2つのサシェの内容物を一緒に混合し、その後、水中にそれらを溶解させて最後から2番目の列に示される体積とすることにより調製された。溶液T2は、類似の様式で調製された。
【0422】
【表6】
【0423】
実施例4a−V(350)オスモル濃度測定:
溶液の浸透力を評価するために、表5及び6中の成分の量から350mOsmol/kgの測定されたオスモル濃度を有する溶液を提供するのに、どれだけの量の水が必要となるかを決定した。
【0424】
500mLの脱イオン水中に上記表5及び6中の成分を溶解することにより調製された各溶液に、更に脱イオン水を、350mOsmol/kgのオスモル濃度に達するまで添加した。350mOsmol/kgのオスモル濃度に達する必要な全体積(最初の500mLを含む)は表5及び6の最後の列に記録された。オスモル濃度は、Advanced
Instruments,IncのModel3250浸透圧計を用いて測定された。該浸透圧計は、以下の標準的な指示で操作した:該機器が校正チェックを通過した後、“低領域”のオスモル濃度領域(0ないし2000mOsmol/kg)が選択され、250μLの試験溶液を含む試験管が冷凍チャンバー内に設置される。その後、“開始”ボタンが押される。測定が完了すると、該機器は測定結果を表示し及びそれは記録される。
【0425】
実施例4b−腸洗浄
腸洗浄試験では、被験者は晩に溶液S1又はS2が与えられ、翌朝にT1又はT2が与えられた。変形例では、被験者は晩に溶液T1又はT2が与えられ、翌朝にS1又はS2が与えられた。
【0426】
各被験者は、分割用量摂取において、溶液の投薬計画を受けた:
・晩用量:1日目;14:00から絶食した後、2時間までの摂取期間で、17:00及び18:00の間に摂取を開始する。
・朝用量:2日目;2時間の摂取期間で、7:00及び8:00の間に摂取を開始する。
各用量の後に、追加の透明液が、摂取される全用量及び追加の透明液を、群1ないし6、8及び9の場合は少なくとも3Lと同程度に、また群7の場合は少なくとも2Lと同程度にするために消費される。
【0427】
洗浄溶液の各用量は経口用溶液のための粉末を含有する適切な一対のサシュから水でもどされる。前記洗浄溶液は、被験者の好みに基づいて、冷蔵庫で冷却することができる。夜の洗浄溶液用量は、1日目の晩に摂取開始後2時間以内に飲み干される。少なくとも指示された追加の透明液もまた、好ましくは晩に洗浄溶液の摂取終了後1時間以内に消費される。
【0428】
2日目の朝において、第二の用量は、摂取開始後2時間以内に飲み干される。少なくとも指示された追加の透明液もまた、好ましくは午前中に洗浄溶液の摂取終了後1時間以内に消費される。洗浄溶液の各摂取及び透明液摂取の全継続時間は、通常、3時間を超えるべきではない。各被験者は、10分おきに100mL画分として割り当てられた洗浄溶液を飲み干すように指示される。洗浄溶液の摂取後、必須の追加の透明液の摂取(水)は、通常、各洗浄溶液の摂取終了後1時間以内に、好みとして被験者が選ぶことができる。摂取の開始時間と終了時間が記録される。それぞれの容器中に残された任意の洗浄溶液又は追加の透明液の体積が測定される。群6ないし9において、任意に消費された液体の体積は、測定されて記録される。
【0429】
【表7】
【0430】
【表8】
【0431】
排便量は、1日目の晩とそれからの24時間にわたって摂取開始から測定される。“排泄物”とは、すべての腸排出物を指すために使用される用語である。主に、それは液体である。下記事項もまた評価される
−忍容性(おう吐率)。
−澄んだ排出物に達するまでの時間と洗浄溶液の体積。
特定の被験者においては、下記事項もまた評価される:
−結腸洗浄の達成
−5つの結腸部分それぞれに対する部分洗浄の点数
−主要な有効成分の HYPERLINK "http://ejje.weblio.jp/content/%E8%96%AC%E7%89%A9%E5%8B%95%E6%85%8B%E8%A9%95%E4%BE%A1" \o "薬物動態評価の英語" 薬物動態評価:生物活性を証明するために、明確な時点での、アスコルベート成分と血液中でのそれらの代謝産物(シュウ酸)、糞便中における尿や糞やPEG3350や電解質。血液中の電解質と尿は標準的な臨床化学法を用いて数値化した。
【0432】
上記に記載の試験は、2パートで行われた:パートAとパートB。
パートA:パートAでは、120人の被験者(男性70人、女性50人)が4つの試験群、群1ないし4に割り当てられた。彼らは表7に示したような溶液を与えられた。出願時に、その結果の完全な統計的解析は完了していなかった。出願時のデータと出願時に利用可能なデータとの予備的な解析に基づく中間結果が表9に示された。
【0433】
【表9】
【0434】
全体として、適合性レベルは良好だった。しかしながら、群2と4のそれぞれにおいて、30人の被験者は試験を開始したが、1人の被験者は、第一の溶液を消費した後、任意の糞便サンプルが集められる前に試験から離れた(従って、29人の被験者が(*)で示される)。便質量データは群1と3の30人の被験者の集団、及び群2と4の29人の被験者の集団に基づいている。試験から離れた被験者の両者は、おう吐の症状があった。彼らは、おう吐率の結果に含まれる。
【0435】
群1、2と3のそれぞれにおいて、被験者達は、先行技術の結腸洗浄溶液に相当する、群4よりも高い平均排便量質量を達成したことがわかった。このことは、群4よりも少ない全量の腸洗浄溶液(治験医薬品“IMP”)を消費しながら、群1、2と3のそれぞれにおける被験者達で達成された。群2のおう吐率は他の群よりも高かった。各溶液のおう吐率は結腸洗浄溶液の予想範囲内であった。
【0436】
パートB:パートBでは、120人の被験者(男性54人、女性66人)が4つの試験群、群6ないし9に割り当てられた。彼らは表8に示したような溶液が与えられた。平均排便量は群7で最も高く、そして群6ではわずかに低かった。群8はより低い平均排便量を示したが、群6、7と8の全てが、先行技術の結腸洗浄溶液に相当する、群9よりも高い平均排便量を示した。平均排便量は、全ての群において、2400gを超えた。群6と7における平均排便量は、3000gを超えた。
【0437】
パートBにおける被験者達は、結腸内視鏡検査を受け、そして洗浄の質が、洗浄処置が施されたことを知らない、内視鏡医により等級付けされた。等級付けには、ヘアフィールドクレンジングスコア(Harefield Cleansing Scale)を使用した。ヘアフィールドクレンジングスコアの詳細については、アルファンら.,ガストロインテスティナル エンドスコーピー,2013,78,121−131(Halphen et al.,Gastrointestinal Endoscopy,2013,78,121−131)参照。ヘアフィールドクレンジングスコアは、グレードA、B、C又はDとして結腸洗浄を等級付けし、Aが最も良い。グレードAとBは良好な洗浄と判断される;グレードCとDは失敗した洗浄と判断される。出願時に、その結果の完全な統計的解析は完了していなかった。出願時のデータと出願時に利用可能なデータとの予備的な解析に基づく中間結果が表10に示された。
【0438】
【表10】
【0439】
表10において、群9よりも群6、7及び8のそれぞれにおいて、グレードA洗浄の割合が高かったということがわかった。このことは、群9よりも少ない全量の腸洗浄溶液(治験医薬品“IMP”)を消費しながら、群6、7と8のそれぞれにおける被験者達で達成された。
【0440】
実施例5:腸洗浄溶液
以下に示す本発明の腸洗浄溶液が調製された。溶液S3のために、表11中で示される成分が乾燥粉末形態に混ぜ合わされ、該表中に示されるように各サシェA及びB中に密封された。該溶液は、その後水中に前記内容物を溶解させて一番右の列に示される体積とすることにより調製された。溶液S4は、類似の様式で調製された。
【0441】
【表11】
【0442】
溶液T3のために、表12中で示される成分が乾燥粉末形態に混ぜ合わされ、該表中に示されるように各サシェC及びD中に密封された。該溶液は、その後、前記2つのサシェの内容物を一緒に混合し、その後、水中にそれらを溶解させて一番右の列に示される体積とすることにより調製された。溶液T4、T5及びT6は、類似の様式で調製された。
【0443】
【表12】
【0444】
【表13】
【0445】
実施例6:腸洗浄のための投薬計画
腸洗浄は以下の投薬計画を使用して行われた;
投薬計画A:
結腸内視鏡試験の前日において:
−ほぼ18:00時において、患者は、水500mL中の配合物S2を、完飲するまで15分毎約250mLの速度で30分間に亘って摂取する
−患者は500mLの追加の水を飲む
−1ないし2時間の間隔の後、患者は、水500mL中の配合物T1を、完飲するまで15分毎約250mLの速度で30分間に亘って摂取し、続いて500mLの追加の水を摂取する
結腸内視鏡検査が翌日に行われる。該結腸内視鏡検査は朝(即ち、昼の12時前)に行われ得る。該結腸内視鏡検査は午後(即ち、昼の12時後)に行われ得る。
【0446】
投薬計画B:
結腸内視鏡検査の前日において:
−ほぼ18:00時において、患者は、16液量オンス(500mL)の水中の配合物S2を摂取する
−患者は16液量オンス(500mL)の必須の追加の水を飲む。
結腸内視鏡検査の当日において:
−ほぼ06:00時において、患者は、16液量オンス(500mL)の水中の配合物T1を、完飲するまで15分毎250mLの速度で30分間に亘って摂取する。
−患者は16液量オンス(500mL)の追加の水を飲む。
結腸内視鏡検査が最後の追加の水が消費された少なくとも1時間後に行われる。該結腸内視鏡検査は午後(即ち、昼の12時後)に行われ得る。
【0447】
投薬計画C:
結腸内視鏡検査の当日において:
−ほぼ05:00時において、患者は、水500mL中の配合物S2を、15分毎約250mLの速度で30分間に亘って摂取する
−患者は500mLの追加の水を、完飲するまで15分毎250mLの速度で次の30分間に亘って飲む
−その後、1時間の無液(liquid−free)休憩が守られる
−ほぼ07:00時において、患者は、水500mL中のT1を、15分毎250mLの速度で30分間に亘って摂取する
−患者は、500mLの追加の水を飲む。
結腸内視鏡検査が最後の追加の水が消費された少なくとも1時間後に行われる。該結腸内視鏡検査は午後(即ち、昼の12時後)に行われ得る。