特許第6557681号(P6557681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6557681浮力を用いて薬剤を単離または濃縮するためのシステムおよび装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557681
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】浮力を用いて薬剤を単離または濃縮するためのシステムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20190729BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20190729BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20190729BHJP
   C12N 1/02 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   C12M1/00 A
   G01N1/28 J
   G01N1/28 Z
   G01N33/48 P
   C12N1/02
【請求項の数】14
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2016-567786(P2016-567786)
(86)(22)【出願日】2015年5月8日
(65)【公表番号】特表2017-522860(P2017-522860A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】US2015029950
(87)【国際公開番号】WO2015175344
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】61/991,502
(32)【優先日】2014年5月10日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516337951
【氏名又は名称】ダイアグノロジックス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シ、グシン
(72)【発明者】
【氏名】ベンシチモル、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ワトソン、タイラー
【審査官】 鳥居 敬司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/095424(WO,A1)
【文献】 特表2002−512886(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0236884(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0181234(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0036722(US,A1)
【文献】 米国特許第04902429(US,A)
【文献】 米国特許第04053282(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00−1/42
C12N 1/00−1/38
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
WPIDS/WPIX(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル容器を備え、
前記サンプル容器は、
(a)一つまたはそれ以上の生物学的試料および複数のマイクロバブルを有するサンプルを収容する内部容積と、
(b)上部の内径を有するテーパ状端部および前記上部の内径より大きい底部の外径と内径とを有する開放端部と、
(c)前記開放端部に挿入されたプランジャと、
(d)容器注ぎ口および先端を含む前記テーパ状端部であって、前記テーパ状端部を上方として、前記開放端部を下方とする場合、前記サンプル容器の水平軸に対して前記先端および前記容器注ぎ口が鋭角を形成する前記テーパ状端部と
を含み、
前記容器注ぎ口は、前記先端から形成された一つまたはそれ以上の液滴を、一定方向に配向させるように構成され、
前記容器注ぎ口の鋭角は、前記先端の鋭角と同じか、前記先端の鋭角より鋭角であるか、または前記先端の鋭角とは異なり、
前記複数のマイクロバブルは、前記複数のマイクロバブルの一つまたはそれ以上に隣接する前記サンプルの一つまたはそれ以上の生物学的試料を浮かすことができ、
前記プランジャを前記先端に向かって移動させることで、前記サンプルから前記一つまたはそれ以上の生物学的試料を分離または濃縮し、
前記生物学的試料は、細胞、細胞断片、細胞小器官、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、またはアミノ酸である
サンプルから生物学的試料を単離または濃縮するための装置。
【請求項2】
前記先端の鋭角が、5°と40°の間である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
記一つまたはそれ以上の液滴は前記一つまたはそれ以上の生物学的試料を含む請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
機械的に前記プランジャに連結された駆動ねじをさらに備え、
前記駆動ねじの回転は、機械的に前記プランジャの線形平行移動に変換される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記駆動ねじを収容する容器マウントをさらに備え、i)前記サンプル容器の底部フリンジは前記容器マウントに固定され、または、ii)前記容器マウントは下部感知器圧子および下部センサーマウントをさらに備える請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記駆動ねじは、(a)ユーザによって手動で操作され、(b)駆動モータによって自動的に操作され、または(c)遠隔的にマイクロプロセッサに制御される駆動モータによって自動的に操作される請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
プランジャアダプター継手およびプランジャ係合アダプターをさらに備え、前記プランジャアダプター継手は前記プランジャおよび前記プランジャ係合アダプターに隣接し、前記プランジャ係合アダプターは前記プランジャアダプター継手および前記駆動ねじに隣接する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記サンプル容器は、(a)1mLと10mLの間のサンプル体積、(b)10mLと50mLの間のサンプル体積、または(c)50mLと200mLの間のサンプル体積をを保持するように構成された、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記生物学的試料は細胞である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
単離または濃縮された生物学的試料は、前記サンプル容器に添加された生物学的試料の全量に対して、0.5%未満である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のマイクロバブルは、脂質シェルマイクロバブル、アルブミンシェルマイクロバブル、ポリマーシェルマイクロバブル、リポポリマーシェルマイクロバブル、またはガラスマイクロバブル、もしくはそれらの組み合わせを含み、前記複数のマイクロバブルのマイクロバブルシェルは、脂質、タンパク質、ポリマー、リポポリマー、ガラス、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
複数の選択マーカーは、前記複数のマイクロバブルの1つのマイクロバブル外表面に隣接し、前記複数の選択マーカーは、細胞表面マーカーに結合するように構成され、1マイクロバブル当たりの複数の選択マーカーは、1マイクロバブル当たり200,000と500,000の選択マーカーの間のであり、または、前記複数の選択マーカーの一つまたはそれ以上が異なり、前記複数の選択マーカーは、抗体、腫瘍マーカーに結合する分子、幹細胞のマーカーに結合する分子、または、細胞表面マーカーであるEpCAM、CD133あるいはCD34に結合する分子である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、細胞染色、分子解析、細胞培養、またはそれらを組み合わせを含むアッセイに適用可能である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、(a)免疫細胞、(b)造血幹細胞、(c)腫瘍細胞、または(d)前記サンプルからの一つまたはそれ以上の麻薬の単離に使用される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本出願は、前記開示内容が参照により本明細書に組み込まれている、2014年5月10日に出願された米国仮出願番号61/991,502の利益を請求する。
【0002】
[連邦政府支援研究に関する声明]
本発明は、米国国立衛生研究所から付与された1R43HL126285−01、1R43CA176892−01A1、3R43CA176892−01A1S1および2R44CA176892の下、政府支援を受けて作成された。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
動物の血液および組織溶液中の細胞を高純度で単離と解析する技コスト−効率術に対する必要性は満たされていない。従来技術には、遠心分離や磁力によってそれら細胞を単離するためのいくつかの方法が記載されている。細胞単離の他の方法として、マイクロフルイディクス(microfluidics)や濾過などの方法も含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠心分離は、不均一な混合物の沈殿のために遠心分離機によって発生する遠心力の適用であり、動物の血液における血球を単離するための一般的な方法である。従来技術には、様々な遠心分離機の装置が記載されているが、前記遠心分離機は高価かつ複雑であり、主に、余裕のある研究室のみが買え、かつ、研究室の技師のみが操作できるようなものである。これは、遠心分離について臨床的および民生への適用を制限する。さらに遠心分離に基づく方法は、細胞の物理的特性(例とえば、密度、大きさ、形状)に基づいて細胞を分離しており、また、蛋白発現や分子生物学的特性に基づいて細胞を分離することはほとんどない。
【0005】
磁力は、動物の血液から血球を単離するための遠心力の代替手段である。従来技術から、この適用の一例として、循環腫瘍細胞(CTC)を単離するための免疫磁気ナノビーズおよび横磁気泳動の適用がある。効率的であるが、この分離法の適用は、コストがかかり、実験室で訓練を受けた技術者の専門知識を必要とする。これは、磁力分離について臨床的および民生への適用を制限する。
【0006】
動物血液中の細胞の遠心力と磁力による単離は、細胞を溶液に注入させ、落ちさせる。一つ技術革新は、細胞を単離するために、選択マーカーが隣接したマイクロバブルを使用する。マイクロバブルは、その直径が1ミリメートルよりも小さく、1マイクロメートルよりも大きい。マイクロバブルは空気またはパーフルオロカーボンのようなガスを内部に充填することができる。マイクロバブルは、細胞、または他の生物学的薬剤または非生物学的薬剤に隣接すると、それらの薬剤を液体に浮遊させることができる。いくつかの例では、生物学的または非生物学的薬剤は、マイクロバブルの隣接の有無によらず、液体または気体、もしくはそれらの組合せを含むことにより、それらの薬剤を前記技術分野で知られている溶液に浮遊させることができる。いくつかの例では、単離または濃縮された、生物学的または非生物学的薬剤に隣接したマイクロバブルは破壊される。
【0007】
一般的に、マイクロバブルが結合した細胞は、単離または濃縮するため、遠心分離または磁気力の適用のための標準的な遠心管に入れられる。従来技術では、マイクロバブルの効果を高めるために、特定の反転チューブまたは他の装置を使用するが、これらの装置のいずれも、適切に薬剤にこの力を適用するために、遠心力および実験室で訓練を受けた技術者が必要である。これは、高コストおよび非効率的な単離結果を引き起こす。
【0008】
これらの高コストと非効率的な結果は、従来技術の単離方法の適用を制限する。大規模研究施設や予算が十分にある民間の企業がこれらの単離方法を適用する余裕があるが、小規模の研究施設や個人や消費者、および実験装置やノウハウを欠いているクリニックはできない。さらに、一般消費者は、遠心分離機や磁力の適用を操作するために必要なスキルのレベルを欠き、かつ、高価な機器を購入する資源が必要とするため、従来技術には実質的に実現可能な民生への応用が存在しない。
【0009】
従来技術は、既存の細胞単離技術を改善するための方法および装置を提案していたが、マイクロバブルが隣接するか否か、遠心または磁力の適用がなく、必要な実験室の費用、およびそのような力を適用するノウハウのためのいかなる実行可能な代替手段を提供していない。臨床的および消費者環境において、動物の血液から細胞を単離する救命応用が制限されていた。
【0010】
動物の血液からの細胞は、遠心および磁力技術により単離された唯一の生物学的薬剤ではない。他の潜在的に救命応用は、細胞(例えば幹細胞、免疫細胞、循環腫瘍細胞(circulating tumor cell cells;CTC’s)、腫瘍細胞など)、細胞断片、細菌、ウイルス、寄生虫などの単離を含む。生物学的薬剤を単離するための遠心力および磁気力の代替の開発は、家およびクリニックにそれらの単離された生物学的薬剤の救命性質を適用するために重要である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様は、サンプルおよび複数のマイクロバブルを収容するための内部容積と、テーパ状端部および開放端部と、開放端部に挿入されたプランジャと、サンプル容器の水平軸に対して鋭角を形成するテーパ状端部の先端とを含むサンプル容器を備える、サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するための装置を提供し、その中、マイクロバブルは、サンプルの一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を浮遊させ、プランジャは、先端に向かって移動することで、サンプルから一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を分離または濃縮する。
【0012】
いくつかの例では、鋭角は、約5度と約40度の間である。いくつかの例では、鋭角は、約5度と約10度の間である。いくつかの例では、鋭角は約35度である。
【0013】
いくつかの例では、本装置は、一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を含み、端部から形成された一つまたはそれ以上の液滴を、一定方向に配向させる容器注ぎ口を含む。いくつかの例では、本装置は、一つまたはそれ以上の液滴を収集するための収集容器を含む。いくつかの例では、収集容器は、サンプル容器の外表面に隣接している。いくつかの例では、収集容器は、容器注ぎ口の下端の近くにサンプル容器の外面に取り付けられている。
【0014】
本開示の別の態様は、サンプルおよび複数のマイクロバブルを収容するための内部容積と、テーパ状端部および開放端部と、開放端部に挿入されたプランジャと、サンプル容器の水平軸に対して垂直なテーパ状端部の先端とを含むサンプル容器を備える、サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するための装置を提供し、その中、複数のマイクロバブルは、サンプルの一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を浮遊させ、プランジャは、先端に向かって移動することで、サンプルから一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を分離または濃縮する。いくつかの例では、プランジャは、ユーザによって手動で操作される。
【0015】
いくつかの例では、本装置は、機械的にプランジャに連結された駆動ねじを含み、前記駆動ねじの回転は、機械的にプランジャの線形平行移動に変換される。いくつかの例では、本装置は、駆動ねじを収容する容器マウントを含む。いくつかの例では、サンプル容器の底部フランジは、容器マウントのロック用フランジスロットに前記底部フランジを挿入することで、容器マウントに固定される。いくつかの例では、駆動ねじは、ユーザによって手動で操作される。いくつかの例では、駆動ねじは、駆動モータによって自動的に操作される。いくつかの例では、駆動ねじは、遠隔的にマイクロプロセッサに制御される駆動モータによって自動的に操作される。いくつかの例では、本装置は、駆動モータを収容する装置筐体を含む。
【0016】
いくつかの例では、本装置は、プランジャアダプター継手(plunger adapter joint)およびプランジャ係合アダプター(plunger engagement adapter)を含み、前記プランジャアダプター継手がプランジャとプランジャ係合アダプターに隣接し、前記プランジャ係合アダプターがプランジャアダプター継手と駆動ねじに隣接する。いくつかの例では、容器マウントは、感知器圧子(sensor depressor)および感知器マウント(sensor mount)を含む。いくつかの例では、容器マウントは、さらにワイヤポートを含む。いくつかの例では、容器マウントは、さらにねじポートを含む。
【0017】
いくつかの例では、サンプル容器は、サンプル容器の内部容積に親水性を付与する材料からなる。いくつかの例では、サンプル容器は、サンプル容器の内部容積に疎水性を付与する材料からなる。いくつかの例では、前記材料はガラスである。いくつかの例では、親水性層は、サンプル容器の内部容積に隣接する。いくつかの例では、疎水性層は、サンプル容器の内部容積のテーパ端に隣接する。いくつかの例では、親水性層は、サンプル容器の内部容積に隣接し、疎水性層は、内部容積のテーパ端に隣接する。いくつかの例では、サンプル容器は、内部容積に親水性を付与する材料からなり、疎水性層は、内部容積のテーパ状端に隣接する。いくつかの例では、親水性層は、ウシ血清アルブミンである。いくつかの例では、疎水性層は、SURFASIL(商標登録)である。いくつかの例では、疎水性層は、パラフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポロクサマー、またはそれらの組み合わせである。
【0018】
いくつかの例では、サンプル容器は、約1mLと約10mLの間のサンプル体積を収容する。いくつかの例では、サンプル容器は、約10mLと約50mLの間のサンプル体積を収容する。いくつかの例では、サンプル容器は、約50mLと約200mLの間のサンプル体積を収容する。いくつかの例では、サンプルが希釈される。
【0019】
いくつかの例では、サンプルは、組織、血液、骨髄、尿、唾液、脳脊髄液、精液、痰、糞便、関節液、リンパ液、羊水、胆汁、腹水、または胸水、もしくはそれらの組み合わせである。いくつかの例では、サンプルは、臍帯血である。いくつかの例では、サンプルは循環血液である。いくつかの例では、サンプル、腫瘍組織である。いくつかの例では、サンプルは、腫瘍組織内および周囲の流体である。いくつかの例では、生物学的薬剤は細胞である。いくつかの例では、前記細胞は循環腫瘍細胞(CTCs)である。いくつかの例では、前記細胞は骨髄細胞である。いくつかの例では、前記細胞は、母親の血液からの胎児細胞である。
【0020】
いくつかの例では、細胞と複数のマイクロバブルの割合は、約1:100である。いくつかの例では、細胞と複数のマイクロバブルの割合は、約1:500である。いくつかの例では、細胞と複数のマイクロバブルの割合は、約1:1000である。
【0021】
いくつかの例では、単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.5%未満である。いくつかの例では、単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.1%未満である。いくつかの例では、単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.01%未満である。いくつかの例では、単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.001%未満である。
【0022】
いくつかの例では、マイクロバブルは、脂質シェルマイクロバブル、アルブミンシェルマイクロバブル、ポリマーシェルマイクロバブル、リポポリマーシェルマイクロバブル、またはガラスマイクロバブル、もしくはそれらの組み合わせである。それぞれのマイクロバブルのシェルは、脂質、タンパク質、ポリマー、リポポリマーまたはガラス、もしくはそれらの組み合わせを含む。
【0023】
いくつかの例では、複数のマイクロバブルは、約1μmと約10μmの間の外径がある。いくつかの例では、複数のマイクロバブルは、約2μmと約8μmの間の外径がある。いくつかの例では、複数のマイクロバブルは、約2μmと約20μmの間の外径がある。
【0024】
いくつかの例では、複数の選択マーカーは、複数のマイクロバブルの外表面に隣接する。いくつかの例では、複数の選択マーカーは、求核共役付加反応によって外表面に結合する。いくつかの例では、複数の選択マーカーは、マイケル付加反応によって外表面に結合する。いくつかの例では、1マイクロバブル当たりの複数の選択マーカーは、約200,000と約500,000の間である。いくつかの例では、複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接する、複数の選択マーカーの面密度は、約3,000と6,000個/μmの間である。いくつかの例では、複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接する、複数の選択マーカーの面密度は、約1,000と3,000個/μmの間である。いくつかの例では、複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接する、複数の選択マーカーの面密度は、6,000個/μm未満である。いくつかの例では、複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接する、複数の選択マーカーの面密度は、3,000個/μm未満である。いくつかの例では、1マイクロバブル当たりの複数の選択マーカーは、約300,000と約400,000の間である。
【0025】
いくつかの例では、複数の選択マーカーは、第1セットおよび第2セットを含む。いくつかの例では、それぞれの複数のマイクロバブルは、第1セットおよび第2セットの選択マーカーを含む。いくつかの例では、第1セットの複数のマイクロバブルは、第1セットの選択マーカーを含み、第2のセットの複数のマイクロバブルは、第2セットの選択マーカーを含む。
【0026】
いくつかの例では、細胞は、受容体リガンド相互作用によって複数のマイクロバブルを取り付ける。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、細胞表面マーカーに結合する。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーが異なる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは抗体である。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、腫瘍マーカーに結合する分子である。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、幹細胞のマーカーに結合する分子である。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、細胞表面マーカーであるEpCAMに結合する分子である。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、細胞表面マーカーであるCD133に結合する分子である。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、細胞表面マーカーであるCD34に結合する分子である。
【0027】
いくつかの例では、少なくとも約80%の細胞が少なくとも複数のマイクロバブルの一つに結合する。いくつかの例では、少なくとも約85%の細胞が少なくとも複数のマイクロバブルの一つに結合する。いくつかの例では、少なくとも約90%の細胞が少なくとも複数のマイクロバブルの一つに結合する。いくつかの例では、少なくとも約95%の細胞が少なくとも複数のマイクロバブルの一つに結合する。
【0028】
いくつかの例では、少なくとも約二つのマイクロバブルが隣接するとき、サンプルの生物学的薬剤は浮遊する。いくつかの例では、少なくとも約三つのマイクロバブルが隣接するとき、サンプルの生物学的薬剤は浮遊する。いくつかの例では、約二つと約20の間のマイクロバブルが隣接するとき、サンプルの生物学的薬剤は浮遊する。
【0029】
いくつかの例では、本装置は、下流アッセイに適用可能である。いくつかの例では、下流アッセイは、細胞染色、分子解析、または細胞培養、もしくはそれらを組み合わせを含む。
【0030】
いくつかの例では、本装置は無菌である。いくつかの例では、本装置は、サンプルの生存性を向上させるために、内部容積において滅菌液体を含む。いくつかの例では、本装置は、複数のマイクロバブルを浮遊させるために、内部容積において滅菌液体を含む。いくつかの例では、液体の密度は、約0.9と1.1g/cmの間である。
【0031】
いくつかの例では、本装置は、臨床用または実験用設定において用いられる。いくつかの例では、本装置は住宅環境用設定において用いられる。いくつかの例では、本装置は個人用設定において活用される。
【0032】
いくつかの例では、本装置は、底部ストップセンサー、ステッパモータ、上部ドリップ検出器、電源、マイクロコントローラーボード、またはこれらの組み合わせを含む。
【0033】
本開示の別の態様は、(a)サンプルおよび複数のマイクロバブルを取得する工程と、(b)サンプルおよび複数のマイクロバブルを、サンプル容器の内部容積に添加する工程と、(c)地面から離れるようにサンプル容器のテーパ状端部を配向し、複数のマイクロバブルは一つまたはそれ以上の生物学的薬剤をテーパ状端部の先端へ浮遊させる工程と、(d)プランジャをサンプル容器の開放端部からテーパ状端部に向かって移動させることで、サンプルから一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を単離または濃縮する工程と含む、サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するための方法を提供する。
【0034】
いくつかの例では、本方法は、(d)の後に、複数のマイクロバブルを破裂させる工程を含む。いくつかの例では、周囲圧力は、複数のマイクロバブルを破壊するために上昇される。いくつかの例では、周囲圧力は、複数のマイクロバブルを破壊するために、約2分間と約10分間の間、約2気圧と約4気圧の間に上昇される。いくつかの例では、周囲圧力は、複数のマイクロバブルを破壊するために、約5分間、約3気圧まで上昇させる。
【0035】
いくつかの例では、本方法は、(c)または(d)の前に、複数のマイクロバブルおよびサンプルを内部容積に少なくとも1分間培養することを含む。いくつかの例では、本方法は、(c)または(d)の前に、複数のマイクロバブルおよびサンプルを内部容積に少なくとも5分間培養することを含む。いくつかの例では、本方法は、(c)または(d)の前に複数のマイクロバブルおよびサンプルを内部容積に少なくとも10分間培養することを含む。いくつかの例では、(b)の添加前に、サンプル容器の内部容積を滅菌することを含む。
【0036】
本開示の別の態様は、一つまたはそれ以上のサンプル容器、装置筐体、容器マウント、一つまたはそれ以上の選択マーカー、マイクロバブルを形成する素材、およびマイクロバブルを形成する指示書、サンプル容器の使用指示書を含む、サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するためのキットを提供する。
【0037】
本開示の別の態様は、一つまたはそれ以上のサンプル容器、装置筐体、容器マウント、一つまたはそれ以上の選択マーカーが隣接するマイクロバブル、およびサンプル容器の使用指示書を含む、サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するためのキットを提供する。
【0038】
本開示の別の態様は、一つまたはそれ以上のサンプル容器、一つまたはそれ以上の選択マーカー、マイクロバブルを形成する素材、マイクロバブルを形成する指示書、サンプル容器の使用指示書を含む、サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するためのキットを提供する。
【0039】
いくつかの例では、本装置は遠隔地域で使用される。いくつかの例では、本装置は貧困なまたは低所得地域で使用される。いくつかの例では、本装置は滅菌装置の存在しない状態で使用される。いくつかの例では、本装置は遠心分離機の存在しない状態で使用される。いくつかの例では、本装置は臨床医に使用される。いくつかの例では、本装置は研究者に使用される。いくつかの例では、本装置は素人に使用される。いくつかの例では、本装置は消費者に使用される。いくつかの例では、本装置は臍帯血バンク業務のために使用される。いくつかの例では、本装置は癌治療における免疫療法に用いられる免疫細胞を単離するために使用される。いくつかの例では、本装置は産後の臍帯血からの造血幹細胞を単離するために使用される。いくつかの例では、本装置は血液サンプルまたは尿サンプルから一つまたはそれ以上の麻酔薬を単離するために使用される。いくつかの例では、本装置はサンプルから一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を除去するために使用される。いくつかの例では、本装置はサンプルから一つまたはそれ以上の非生物学的薬剤を除去ために使用される。
【0040】
本開示の別の態様は、サンプル容器を備え、前記サンプル容器は、サンプルと液体を収容する内部容積と、テーパ状端部および開放端部と、開放端部に挿入されたプランジャと、サンプル容器の水平軸に対して鋭角を形成するテーパ状端部の先端とを含む、サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するための装置を提供し、その中、マイクロバブルは、前記サンプルの一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を浮遊させ、前記プランジャは、先端に向かって移動することで、サンプルから一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を分離または濃縮する。
【0041】
本開示の追加態様はおよび利点は、以下の詳細説明から当業者にとって容易に理解し、上記は本発明の単なる例示実施形態が示され、説明されている。理解されるように、本発明は他の実施形態および異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本開示から逸脱することなく、種々の自明な点において変更が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示であり、限定ではないと見なされるべきである。
【0042】
[文献からの引用]
本明細書で言及されているすべての刊行物、特許、特許出願は、各刊行物、特許、または特許出願が参考することにより具体的にかつ個別に組み込まれると記載されているよう、同じ程度の内容が参考することにより本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる開示と矛盾する、参考として援用される刊行物、特許、または特許出願について、明細書はそのような矛盾の内容を無視し、および/または取り換えることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1A図1Bは細胞に隣接するマイクロバブルの合成を示す。
図2図2はa)いずれの選択マーカーのないマイクロバブル(対照MBs)またはb)CD−34マイクロバブル(CD34MBs)でインキュベートしたCD34+KGIの回収率を示す。
図3図3Aは圧力をかける前のマイクロバブル層および圧力をかけた後の破壊されたマイクロバブル層を示し、また、図3Bは高い周囲圧力を用いてマイクロバブルが破壊された後の細胞の生存率を示す。
図4図4は本開示の装置の一実施形態を示す。
図5図5は装置のサンプル容器の一実施形態を示す。
図6図6は装置のプランジシステム(plunging system)の一実施形態を示す。
図7図7は装置の容器マウントの一実施形態を示す。
図8図8はプランジャ係合継手(plunger engagement joint)の三つ実施形態を示す。
図9図9は位置合わせフランジ(alignment flange)の二つ実施形態を示す。
図10図10はサンプル容器のテーパ状端部の角度付き先端を示す。
図11図11はサンプル容器のテーパ状端部の平坦な先端を示す。
図12図12は本開示の閉鎖システム装置を示す。
図13図13は手動プランジャコントロールノブ付き本開示の開放システム装置を示す。
図14図14A〜Hはマイクロバブルを単離するための開放システム装置の使用を示す。
図15図15は装置のサンプル容器の一実施形態を示す。
図16図16は装置の真空システムの一実施形態を示す。
図17図17は自動化された装置の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の新規な特徴は特許の範囲に具体的に記載されている。実施形態を記載した以下の詳細な説明を参照することによって、本発明の特徴および利点をより正確に理解でき、前記実施形態において前記発明の原理が利用され、その添付図面(本書では「図」および「図面」とも記す)は以下のとおりである。
【0045】
本発明の種々の実施形態が本開示に示され記載されているが、前記の実施形態は当業者にとっては例示のみとして提供されることが明らかである。多くのバリエーション、変更および置換は、当業者は本発明から逸脱することなく思い浮かべることができる。本書に記載の発明の実施形態の種々の代替手段を採用してもよいことを理解されたい。
【0046】
本開示は開放または閉鎖システムの一部として存在する、滅菌サンプル容器装置を含む。本装置は動物細胞、動物細胞断片、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、植物細胞などの生物学的薬剤と、化学薬剤、工業用薬剤、農業薬剤などの非生物学的薬剤を単離できる。
【0047】
本開示は、装置を無菌的に保つ機械、プランジシステム、生物学的薬剤のための収集容器、水溶性物質、疎水性物質、非特異的相互作用のブロッキング剤、注射器システム、無菌注射器、注入針、または溶液、もしくはそれらの組み合わせを含む。
【0048】
本開示は、臨床、研究、診断、工業、機関、または消費者、もしくはその使用またはそれらの組み合わせを含む多数の用途に適用することができる。いくつかの例では、本開示が生物学的または非生物学的薬剤の単離または濃縮のために用いられる。いくつかの例では、本開示が生物学的または非生物学的薬剤の除去のために用いられる。いくつかの例では、本開示は、サンプルから単離また濃縮された生物学的または非生物学的薬剤の回収、保管、研究、応用など、またはこれらの組み合わせのために用いられる。
【0049】
本明細書中で使用される用語「約」は、特に断りのない限り、当業者によって測定されるような特定の値についての受容可能な誤差を意味し、その値は部分的にどのように測定されたかまたは決定されたかに依存する。特定の実施形態において、用語「約」は、標準偏差が1、2、3、または4以内であることを意味する。特定の実施形態において、用語「約」は、所定の値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%以内であることを意味する。
【0050】
本開示の装置、操作方法およびキットは、生物学的薬剤を液体中に浮遊させるために、生物学的薬剤に隣接する一つまたはそれ以上のマイクロバブルに提供される。いくつかの例では、マイクロバブルは、界面活性剤マイクロバブル、脂質またはリン脂質シェルマイクロバブル、タンパク質シェルマイクロバブル(例えば、アルブミンシェル)、ポリマーマイクロバブル、高分子電解質マイクロバブル、またはガラスマイクロバブル、もしくはこれらの組み合わせとするこてができる。
【0051】
いくつかの例では、マイクロバブルは固体であってもよい。いくつかの例では、マイクロバブルは中空であってもよい。いくつかの例では、マイクロバブルは多孔質であってもよい。いくつかの例では、マイクロバブルは一つまたはそれ以上の層またはシェルを含むことができる。いくつかの例では、マイクロバブルは複合体であってもよく、例えば、一つまたはそれ以上の微粒子である材料からなるもの、または、一つまたはそれ以上のナノバブルを含有するマイクロバブルからなるもの、もしくは他のものであってもよい。いくつかの例では、ガスを含むマイクロバブルのコアは、浮力特性を持たせることができる。いくつかの例では、マイクロバブルの材料は、浮力特性を持たせることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは当技術分野で公知の方法を用いて形成することができる。
【0052】
いくつかの例では、界面活性剤マイクロバブルは、SPAN−40、TWEEN−40、等のような界面活性剤から形成することができる。いくつかの例では、脂質またはリン脂質マイクロバブルは、天然の脂質、リン脂質、スフィンゴ脂質、脂肪酸修飾脂質、ヘッドグループ修飾脂質、蛍光脂質、ポリマー脂質、カチオン脂質、中性脂肪などから形成することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、DSPC/PEG40ステアレート/DSPE−PEG3400−マレイミドから形成することができる。いくつかの例では、ポリマーマイクロバブルは、ポリラクチド−co−グリコリド(poly−lactic co−glycolic acid;PLGA)、ポリカプロラクトンラクトン(poly−capro lactone;PCL)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol;PVA)、これらの組み合わせ等から形成することができる。いくつかの例では、マイクロバブルはまた、キトサンなどの多糖類から形成することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは臨床設定で利用することができる。いくつかの例では、マイクロバブルのコアは、ガスまたは液体を含むことができる。いくつかの例では、マイクロバブルのコアは、パーフルオロヘキサンガスを含むことができる。いくつかの例では、マイクロバブルのコアが空気を含むことができる。
【0053】
いくつかの例では、マイクロバブルは表面疎水性を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは圧力下で耐久性があることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは周囲よりはるかに高い圧力で破壊することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは液体中で凝集することができる。いくつかの例では、マイクロバブルの凝集は、マイクロバブルが隣接した生物学的薬剤のサンプルから単離または濃縮を改善させることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは液体中に浮遊することができる。いくつかの例では、マイクロバブルの浮力は、マイクロバブルが隣接した生物学的薬剤のサンプルから単離または濃縮を改善させることができる。
【0054】
いくつかの例では、マイクロバブルは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20μmの外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約1、5、10、15、20、25、30、35、40μmの外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7μmの外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約1μm〜約1mmの間の外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約0.2μm〜0.6μmの間の外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約1μm〜10μmの間の外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約2μm〜8μmの間の外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約2μm〜20μmの間の外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは約2μm〜6μmの間の外径を有することができる。いくつかの例では、マイクロバブルは単分散であってもよい。
【0055】
いくつかの例では、マイクロバブルは中空であってもよい。いくつかの例では、マイクロバブルは多孔質であってもよい。いくつかの例では、マイクロバブルは、気体コアを含むことができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、マイクロバブルが分散された液体の密度よりも低い密度を有する液体コアを含むできる。
【0056】
マイクロバブルに選択マーカーを隣接させることで、一つまたはそれ以上の選択マーカーとの相互作用により、サンプルにおける特定の生物学的薬剤をマイクロバブルに隣接させることができる。
【0057】
いくつかの例では、選択マーカーは、抗体、抗体断片、抗原、ホルモン、成長因子、組換え可溶性受容体、トランスフェリン、LDL、神経伝達物質、毒素、炭水化物、脂質、核酸、小分子、アプタマー、アプタマー誘導体、デンドリマー、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ヌクレオチド、ポリンヌクレオチド、またはこれらの組み合わせであることができる。
【0058】
いくつかの例では、選択マーカーは、細胞表面マーカーに結合する任意の既知の分子であってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは、幹細胞の表面分子に結合する任意の既知の分子であってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは抗CD34または抗CD133であってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは、AA4、AA4.1、P−gp、ABCB5、ABCG2、ALDH、アルカリホスファターゼ、インテグリンα6、WNT2B、アンチトロンビンIII、アシアロGM1、Bcl−2、インテグリンβ、c−kit(CD117)、c−met、NCAM(CD56)、CD105、CD133、CD166、CD29、CD30、CD31、siglec−3(CD33)、CD73、CD9、CD90、CK19、CLV3、ECMA−7、EDR1、EEC、FGF−4、Flkl、Flt3/Flk2、CD115、Glia2、Gli3、GSTA1、Her5、HSA、hsp25、Id2、IL−3Ralpha、KDR、keratin15、ケラチン19、kit、1−セレクチン、ラミンA/C、ルイスX抗原、LeX、Lgr5、Lrp4、MCM2、MCSP、ネスチン、ニューロフィラメント、NG2、NRP−1、ヌクレオステミン、OC.3、Oct−4、OST−PTP、p21、p63、p75、PCLP、PCNA、PECAM、プロカルシトニン、RC1抗原、Rex−1、Sca−1、SCF、Sox−9、SSEA−1、SSEA−3、SSEA−4、Stat3、Stat5、Stra8、Stro−1、Thy−1、Tra−1−60、VEGFR−2、orZaclおよびこれらの組み合わせ等に結合する任意の既知の分子であってもよい。
【0059】
いくつかの例では、選択マーカーは、腫瘍または癌細胞の表面マーカーに結合する任意の既知の分子であってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは、抗EpCAMであってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは、抗Her2であってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは、抗EGFRであってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは、抗CEAであってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは、α−フェトプロテイン(AFP)、β−2−ミクログロブリン(B2M)、βヒト絨毛性ゴナドトロピン(β−hCG)、癌胎児性抗原(CEA)、CD20、クロモグラニンA(CgA)、Her−2、Kit、または前立腺特異抗原(PSA)もしくはそれらの組み合わせ等に結合する任意の既知の分子であってもよい。
【0060】
いくつかの例では、選択マーカーは免疫細胞の表面マーカーに結合する任意の既知の分子であってもよい。いくつかの例では、選択マーカーは抗CD3、抗CD4、抗CD8等であってもよい。いくつかの例では、選択マーカーはCD3、CD4、CD8、CD25、CD45、CD2、CD5、CD6、CD27、CD31、CD25、CD69、CD28、CD152、CD154、CD19、CD20、CD40、CD134、CD83、CMRF−44、CMRF−56、OX40L、DEC−205、CDllc、F4/80、CD1lb、MHCII、BDCA−1、CD68、またはDC−SIGNまたはそれらの組み合わせに結合する任意の既知の分子である。いくつかの例では、免疫細胞の表面マーカーに結合する既知の選択マーカーは、免疫療法に用いる細胞を単離または濃縮するために用いることができ。これらの例では、免疫療法に用いる細胞は免疫応答を誘導、増強、抑制することができる。これらの例では、癌の免疫療法に用いる細胞はがん細胞に対する免疫応答を誘導することで、免疫システムが腫瘍または癌細胞を拒絶または破壊できる。これらの例では、癌の免疫療法に用いる細胞は、腫瘍または癌細胞を直接に拒絶または破壊することができる。これらの例では、癌の免疫療法に用いる細胞は、腫瘍または癌細胞を拒絶または破壊するために、免疫応答を刺激することができる。
【0061】
一つまたはそれ以上の選択マーカーは、一つまたはそれ以上のマイクロバブルの表面に隣接することができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、一つまたはそれ以上のマイクロバブルの表面に付着することができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、マイクロバブルの外表面に挿入されたことができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、マイクロバブルのコアに挿入されることができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、マイクロバブルの外殻およびコアの両方に挿入されることができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、求核共役付加反応(nucleophilic conjugate addition)によってマイクロバブルの外表面に付着されることができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、マイケル付加反応(Michael addition)によってマイクロバブルの外殻に付着されることができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上の選択マーカーは、直接にマイクロバブルの外殻に付着されることができる連結基によってマイクロバブルの外殻に付着されることができる。いくつかの例では、連結基は、例えばFc断片特異的IgGのような抗体断片であってもよい。いくつかの例では、一つより多い連結基は、マイクロバブルの外殻へ一つまたはそれ以上の選択マーカーを付着させることができる。
【0062】
いくつかの例では、選択マーカーは、一つまたはそれ以上のマイクロバブルの表面に隣接することができる。いくつかの例では、選択マーカーは一つまたはそれ以上のマイクロバブルの外表面に均一に隣接することができる。いくつかの例では、選択マーカーは、マイクロバブルの外表面の一つまたはそれ以上の個別の領域に隣接することができる。いくつかの例では、選択マーカーはマイクロバブルの表面に隣接してパターン化することができる。
【0063】
いくつかの例では、一つのマイクロバブルの表面に、約1、100、500、1,000、5,000、10,000、50,000、100,000、125,000、150,000、175,000、200,000、225,000、250,000、275,000、300,000、325,000、350,000、375,000、400,000、425,000、450,000、475,000、500,000、525,000、550,000、575,000、600,000以上の選択マーカーを隣接させることができる。いくつかの例では、一つのマイクロバブルの表面に、約200,000と約500,000の間の選択マーカーを隣接させることができる。いくつかの例では、一つのマイクロバブルの表面に、約300,000と約400,000の間の選択マーカーを隣接させることができる。いくつかの例では、一つのマイクロバブルの表面に、少なくとも約5,000の選択マーカーを隣接させることができる。いくつかの例では、一つのマイクロバブルの表面に、少なくとも約10,000の選択マーカーを隣接させることができる。いくつかの例では、一つのマイクロバブルの表面に、少なくとも約100,000の選択マーカーを隣接させることができる。
【0064】
異なる生物学的薬剤の単離、濃縮または除去は、各マイクロバブルに選択マーカーの第1セットおよび第2セットを有するマイクロバブルを含むことができる。いくつかの例では、選択マーカーの第1セットと第2セットは異なる。例えば、CD133のための選択マーカーの第1セットと、CD34のための選択マーカーの第2セットは両方とも同じマイクロバブルに隣接することができる。
【0065】
2種類の異なる生物学的薬剤を同時に単離または濃縮することも、選択マーカーの第1セットおよび第2セットを有するマイクロバブルのを含むことができる。いくつかの例では、第1セットと第2セットは異なる。例えば、CD45のための選択マーカーの第1セットは第1マイクロバブルに隣接し、CD34のための選択マーカーの第2セットは第2マイクロバブルに隣接することができる。いくつかの例では、一つより多いタイプの選択マーカーは、一つまたはそれ以上のマイクロバブルのそれぞれに隣接することができる。
【0066】
生物学的薬剤または非生物学的薬剤はサンプルから単離または濃縮されることができる。いくつかの例では、生物学的薬剤または非生物学的薬剤は、サンプルから除去されることができる。いくつかの例では、サンプルは臨床サンプルであってもよい。いくつかの例では、サンプルは研究サンプルであってもよい。いくつかの例では、サンプルは工業サンプルであってもよい。いくつかの例では、サンプルは対象(subject)から取得するものであってもよい。いくつかの例では、ユーザから取得するものであってもよい。いくつかの例では、サンプルは予め希釈、凍結、滅菌などような処理により処理されることができる。
【0067】
サンプルは組織、血液、骨髄、尿、唾液、脳脊髄液、精液、痰、糞便、関節液、リンパ液、羊水、胆汁、腹水、胸水などであることができる。いくつかの例では、サンプルは腫瘍または癌組織であることができる。いくつかの例では、サンプルは腫瘍または癌組織内および周囲の流体であることができる。いくつかの例では、サンプルは血液仕様であることができる。いくつかの例では、血液サンプルは、臍帯血であることができる。
【0068】
サンプルから単離または濃縮された非生物学的薬剤は化学薬剤、工業用薬剤製品、農業薬剤、製造薬剤等、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるものではない。いくつかの例では、非生物学的薬剤はポリマー、有機化合物、無機化合物等であってもよい。いくつかの例では、非生物学的薬剤は固体、液体またはガスであってもよい。いくつかの例では、単離された非生物学的薬剤は不純物であってもよい。いくつかの例では、非生物学的薬剤は元素金属または金属合金でありうる。いくつかの例では、非生物学的薬剤は医薬組成物でありうる。
【0069】
いくつかの例では、非生物学的薬剤は対象から得られた血液サンプルまたは尿サンプル中の麻薬粒子でありうる。例では、前記非生物学的薬剤が麻薬粒子の場合、対象から得られたサンプルは、法執行者、犯罪研究室のメンバーまたは他の刑事司法担当者によって分析することができる。いくつかの例では、麻薬粒子として、コカインまたはアンフェタミンなどあることができる。いくつかの例では、麻薬に対する特異的抗体または他のリガンドは、マイクロバブルに隣接し、血液または尿サンプルから麻薬の粒子を捕捉することができる。いくつかの例では、ELISA法は、マイクロバブルに隣接した麻薬の粒子の量を決定することができる。
【0070】
サンプルから単離または濃縮された生物学的薬剤として、細胞、細胞断片、細胞小器官、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、またはアミノ酸を含むことができるが、それらに限定されるものではない。いくつかの例では、生物学的薬剤は、細胞であってもよい。いくつかの例では、生物学的薬剤は、細胞株であってもよい。いくつかの例では、生物学的薬剤は、一次細胞であってもよい。いくつかの例では、生物学的薬剤はサンプルにおける希少な細胞でもよく、例えばサンプルにおいて全細胞集団の0.001%未満、0.01%未満、または0.1%未満でありうる。いくつかの例では、生物学的薬剤は免疫療法のための免疫細胞であってもよい。いくつかの例では、生物学的薬剤は造血幹細胞であってもよい。いくつかの例では、生物学的薬剤は循環腫瘍細胞であってもよい。いくつかの例では、生物学的薬剤は、4T1マウス細胞、BxPC3膵臓腺癌細胞、ASPC1膵臓腺癌細胞、A549肺癌細胞、PC3前立腺癌細胞、KG La細胞などであることができる。
【0071】
選択マーカーがマイクロバブルに隣接することができるため、サンプル中の特異的な生物学的薬剤が一つまたはそれ以上の選択マーカーとの相互作用により、隣接するようにマイクロバブルに隣接する。図1A〜Bは、マイクロバブルの合成および選択マーカーが結合されたマイクロバブルの特徴を示しており、マイクロバブルが細胞に結合したところを顕微鏡画像で示している。
【0072】
マイクロバブルはサンプル中の生物学的薬剤に隣接することができる。マイクロバブルはマイクロバブルの外表面に隣接した選択マーカーを介して生物学的薬剤に接着することができる。マイクロバブルは、選択マーカーと生物学的薬剤の表面における表面マーカーと結合することによって、生物学的薬剤に接着することができる。マイクロバブルは、選択マーカーをマイクロバブルの表面上の結合領域に結合させることによって、生物学的薬剤に接着することができる。いくつかの例では、選択マーカーが細胞表面マーカーに結合することで、マイクロバブルを細胞に接着させることがある。いくつかの例では、選択マーカーが蛋白質、ペプチドまたはポリペプチドの結合領域に結合することで、マイクロバブルを蛋白質、ペプチドまたはポリペプチドに接着させる。
【0073】
いくつかの例では、サンプルから単離または濃縮される生物学的薬剤は他の成分を含むことができる。例えば、単離または濃縮するための幹細胞である生物学的薬剤を含むサンプルには、血液細胞、抗体などをも含むことができる。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤は、サンプル中の成分の全量に対して、0.001%、0.01%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%以下である。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤はサンプルの20%未満を含むことができる。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤はサンプルの10%未満を含むことができる。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤はサンプルの5%未満を含むことができる。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤はサンプルの1%未満を含むことができる。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤は10mL当たりのサンプル中に100個以下であってもよい。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤は9mL当たりのサンプル中に100個以下であってもよい。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤は8mL当たりのサンプル中に100個以下であってもよい。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤は7mL当たりのサンプル中に100個以下であってもよい。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤は6mL当たりのサンプル中に100個以下であってもよい。いくつかの例では、単離または濃縮される生物学的薬剤は5mL当たりのサンプル中に100個以下であってもよい。
【0074】
いくつかの例では、インキュベーションをした後、一つまたはそれ以上のマイクロバブルが結合した生物学的薬剤の比率は約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上である。いくつかの例では、インキュベーションをした後、一つまたはそれ以上のマイクロバブルが結合した生物学的薬剤の比率が100%である。いくつかの例では、インキュベーションをした後、一つまたはそれ以上のマイクロバブルが結合した生物学的薬剤の比率が約85〜約95%である。いくつかの例では、インキュベーションをした後、一つまたはそれ以上のマイクロバブルが結合した生物学的薬剤の比率が約80〜約95%である。いくつかの例では、インキュベーションをした後、一つまたは一つまたはそれ以上のマイクロバブルが結合した生物学的薬剤の比率は少なくとも約85%以上である。いくつかの例では、インキュベーションをした後、一つまたはそれ以上のマイクロバブルが結合した生物学的薬剤の比率は少なくとも約90%以上である。
【0075】
いくつかの例では、一つまたはそれ以上の生物学的薬剤は、マイクロバブルと共にインキュベートし、インキュベーションする期間後、一つまたはそれ以上のマイクロバブルが一つまたはそれ以上の生物学的薬剤に隣接することができる。いくつかの例では、インキュベーションする期間は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または約15分間以上でありうる。いくつかの例では、インキュベーションする期間は約1分間以下でありうる。いくつかの例では、インキュベーションする期間は約5分間以下でありうる。いくつかの例では、インキュベーションする期間は約10分間以下でありうる。いくつかの例では、インキュベーションする期間は約15分間以下でありうる。いくつかの例では、インキュベーションする期間は約1分間と約5分間の間でありうる。いくつかの例では、インキュベーションする期間は約1分間と約10分間の間でありうる。
【0076】
いくつかの例では、生物学的薬剤に隣接する一つまたはそれ以上のマイクロバブルは、生物学的薬剤が液体に十分な浮力を与えることができる。いくつかの例では、十分な浮力によってマイクロバブルが結合した生物学的薬剤は液体雰囲気の界面で液体の最上層に浮遊している。いくつかの例では、十分な浮力によってマイクロバブルに隣接した生物学的薬剤は液体の底に完全に沈降する深さより上の深さで液体の中に浮遊している。いくつかの例では、十分な浮力によってマイクロバブルに隣接した生物学的薬剤は密度の異なる第二液体が有する液体−液体界面から離れて液体に浮遊している。いくつかの例では、マイクロバブルは単独で浮力を持つこともある。いくつかの例では、一つまたはそれ以上のマイクロバブルが隣接した生物学的薬剤は浮力を持ちうる。いくつかの例では、生物学的薬剤の浮力は、隣接するマイクロバブルの数に依存する。いくつかの例では、マイクロバブルは、第二の液体ではなく、第一の液体中に浮遊することができる。
【0077】
いくつかの例では、生物学的薬剤に隣接した一つまたはそれ以上のマイクロバブルは、生物学的薬剤を液体に浮遊させることができる。いくつかの例では、生物学的薬剤を液体に浮遊させるための生物学的薬剤に隣接する必要なマイクロバブルの数はマイクロバブルの半径によって変化する。マイクロバブルの半径が小さければ小さいほど生物学的薬剤を浮遊させるために多くのマイクロバブルが必要となる。いくつかの例では、生物学的薬剤を液体に浮遊させるのための必要なマイクロバブルの数は、サイズ、形状、組成、表面積、重量、または生物学的薬剤の電荷によって変化する。
【0078】
いくつかの例では、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上のマイクロバブルは生物学的薬剤を浮遊させることができる。いくつかの例では、約20個より多いマイクロバブルは生物学的薬剤を浮遊させることができる。いくつかの例では、少なくとも2個のマイクロバブルが生物学的薬剤を浮遊させることができる。いくつかの例では、約2個と約8個の間のマイクロバブルが生物学的薬剤を浮遊させることができる。いくつかの例では、約10個と約20個の間のマイクロバブルは生物学的薬剤を浮遊させることができる。いくつかの例では、約3μmの外径が有するマイクロバブルは約2個で生物学的薬剤を浮遊させることができる。約1.5μmの外径が有するマイクロバブルは約20個で生物学的薬剤を浮遊させることができる。
【0079】
いくつかの例では、液体は水溶液でありうる。いくつかの例では、水溶液はリン酸緩衝生理食塩水でありうる。いくつかの例では、液体は血液でありうる。いくつかの例では、液体は無菌的でありうる。いくつかの例では、サンプルは液体で希釈しうる。いくつかの例では、液体をサンプルに加えることができる。いくつかの例では、サンプル内の生物学的薬剤の生存率を高めるために液体でサンプルを希釈することができる。いくつかの例では、サンプルに液体を添加することでマイクロバブルを浮遊させることがある。
【0080】
いくつかの例では、液体はサンプル自体であってもよい。いくつかの例では、液体は血液、尿、唾液、脳脊髄液、精液、痰、糞便、関節液、リンパ液、羊水、胆汁、腹水、胸水、または他の体液であっでもよい。いくつかの例では、液体の密度は約0.9〜1.1g/cmの間である。いくつかの例では、液体の密度は約0.95〜1.05g/cmの間である。いくつかの例では、液体の密度は約1g/cmである。
【0081】
インキュベーションの期間後、一つまたはそれ以上のマイクロバブルはサンプルの一つまたはそれ以上の生物学的薬剤に隣接することができる。いくつかの例では、単一の生物学的薬剤とそれに隣接した生物学的薬剤比率は約1:1000でありうる。いくつかの例では、前記比率は約1:100でありうる。いくつかの例では、前記比率は約1:500でありうる。いくつかの例では、前記比率は約1:2000でありうる。いくつかの例では、前記比率は約1:1、1:10、1:25、1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、1:100、1:105、1:110、1:115、1:120、1:125、1:130、1:135、1:140、1:145、1:150、1:155、1:160、1:165、1:170、1:175、1:180、1:185、1:190、1:195、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:450、1:500、1:550、1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、1:1000、1:1100、1:1200、1:1300、1:1400、1:1500、または約1:2000でありうる。いくつかの例では、前記比率は約1:900から1:1100の間でありうる。いくつかの例では、前記比率は約1:500から1:2000の間でありうる。いくつかの例では、前記比率は約1:500から1:1500の間でありうる。
【0082】
一つまたはそれ以上の生物学的薬剤は、本開示の装置、方法、およびキットを用いて単離することができる。いくつかの例では、単一セットの生物学的薬剤が単離されることができる。いくつかの例では、単一セット表面マーカーが均質であるこができ、例えば、各細胞が同じレベルで細胞表面マーカーを発現している細胞集団であること。いくつかの例では、単一セット表面マーカーが不均質であるこができ、例えば、各細胞は同じ表面マーカーを発現しているが、レベルが異なる細胞集団であること。第一の例では、本明細書に開示する装置、方法およびキットを使用して、表面マーカーのEpCAMを発現している循環腫瘍細胞である単一セットの生物学的薬剤が、循環腫瘍細胞と他の細胞型を含む血液サンプルから単離されることができる。第二の例では、本明細書に開示する装置、方法およびキットを使用して、牛血清アルブミンである単一セットの生物学的薬剤が、牛血清アルブミンおよびほかのタンパク質を含むサンプルから単離されることができる。
【0083】
いくつかの例では、生物学的薬剤の第1セットと第2セットは、本明細書に開示する装置、方法およびキットを使用してサンプルから単離されることができる。いくつかの例では、生物学的薬剤の第1セットおよび第2セットは、異なっていてもよい。いくつかの例では、2、3、4、5セット以上の生物学的薬剤は本明細書に開示する装置、方法およびキットを使用してサンプルから単離されることができる。いくつかの例では、3セットの生物学的薬剤は本明細書に開示する装置、方法およびキットを使用してサンプルから単離されることができる。例えば、第1セットとして細胞表面マーカーであるEpCAMを発現する腫瘍細胞、および第2セットとして細胞表面マーカーであるCEA(carcinoembryonic antigen、癌胎児性抗原)を発現する腫瘍細胞、または第3セットとしてEpCAMとCEAの両者を発現する腫瘍細胞は、本開示の装置、方法およびキットを用いてサンプルから単離されることができる。
【0084】
生物学的薬剤に隣接するマイクロバブルは、マイクロバブルの破壊で生物学的薬剤から解離させることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは生物学的薬剤を単離または濃縮した後に破壊される。いくつかの例では、マイクロバブルは、生物学的薬剤に隣接した後の任意の時点で破壊される。いくつかの例では、すべてのマイクロバブルが破壊される。いくつかの例では、一部分のマイクロバブルが破壊される。いくつかの例では、生物学的薬剤に隣接したマイクロバブルの少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上が破壊される。いくつかの例では、生物学的薬剤に隣接したマイクロバブルの95%超が破壊される。いくつかの例では、生物学的薬剤に隣接したマイクロバブルの約90〜95%の間が破壊される。
【0085】
いくつかの例では、マイクロバブルは、化学的または熱的に破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは超音波処理、真空応用、有機溶剤の応用、界面活性剤の応用、または加圧などによって破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、分解によって例えば加水分解またはバイオ浸食(bio−erosion)によって破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、pHの変化や温度変化によって破壊されることができる。
【0086】
いくつかの例では、マイクロバブルは超音波処理によって破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または約10秒以上の超音波処理によって破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、少なくとも約2秒間の超音波処理によって破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、少なくとも約5秒間の超音波処理によって破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、少なくとも約10秒間の超音波処理によって破壊されることができる。いくつかの例では、マイクロバブルは、水浴超音波処理機を用いて超音波処理によって破壊されることができる。
【0087】
いくつかの例では、マイクロバブルは加圧によって破壊することができる。いくつかの例では、加圧は空気圧縮によって行うことができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、5分間、3気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、8分間、3気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、10分間、3気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、5分間、2気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、8分間、2気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、10分間、2気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、5分間、4気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、8分間、4気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、10分間、4気圧の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本開示の装置、方法またはキットは、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5気圧以上の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本装置は、約2気圧と約4気圧の間の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本装置は、約3〜約10分間、約2と約4気圧の間の空気圧縮を提供することができる。いくつかの例では、本装置は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15分以上の空気圧縮を提供することができる。
【0088】
いくつかの例では、マイクロバブルの破壊のために提供した空気圧縮は細胞の生存率に影響を与えない。いくつかの例では、約99%より多い細胞は空気圧縮後も生存し続ける。いくつかの例では、約98%より多い細胞は空気圧縮後も生存し続ける。いくつかの例では、約97%より多い細胞は空気圧縮後も生存し続ける。いくつかの例では、細胞は空気圧縮後も少なくとも2時間生存し続ける。いくつかの例では、空気圧縮後も細胞は少なくとも8時間生存していることがある。いくつかの例では、細胞は空気圧縮後も少なくとも18時間生存続ける。いくつかの例では、細胞は空気圧縮後も少なくとも24時間生存し続ける。
【0089】
サンプル中のすべての生物学的薬剤において、本開示の装置、方法またはキットは、少なくとも約90%の回収効率を提供することができる。いくつかの例では、回収効率は少なくとも約95%であることができる。いくつかの例では、回収効率は少なくとも約98%であることができる。いくつかの例では、生物学的薬剤が細胞である場合、回収効率は少なくとも約90%であり、細胞の生存率は少なくとも95%でありうる。いくつかの例では、回収効率は少なくとも約80%であり、細胞の生存率は少なくとも90%でありうる。いくつかの例では、回収効率は少なくとも約95%であり、細胞の生存率は少なくとも90%でありうる。いくつかの例では、回収効率は少なくとも約95%であり、細胞の生存率は少なくとも85%でありうる。
【0090】
図2は、任意の選択マーカーを欠くマイクロバブル、もしくはCD34−マイクロバブルとインキュベートしたCD34+KG1a細胞の回収率を示しており、CD34−マイクロバブルを使用して、87%のCD34+KG1a細胞の回収率を証明している。
【0091】
図3は高い周囲圧力を用いてマイクロバブルを破壊した後の細胞の生存率を示している。図3aは、圧力を加える前におよび圧力を加えた後にマイクロバブル層を有するサンプル容器を示している。図3bは高圧応用の時間による対照群と圧力処理した群の両方で細胞生存率の結果を示している。
【0092】
いくつかの例では、マイクロバブルの破壊後、本明細書に開示した方法を用いて血液からの単離に従って単離または濃縮された細胞は、細胞培養皿に再度接着し増殖する。
【0093】
本開示の装置、方法またはキットは、サンプル容器を使用したサンプルから生物学的薬剤の単離または濃縮のために提供するものであり。サンプル容器はサンプルとマイクロバブルを収容するための内部容積を含むことができる。内部容積は滑らかな曲面状でありうる。サンプル容器は幅よりも長い長さを含むことができる。サンプル容器は両端部を有する円筒を含むことができる。円筒形のサンプル容器は、開放端部と、開放端部の反対側にテーパ状端部とを含むことができる。いくつかの例では、テーパ状端部は円錐形端であることができる。いくつかの例では、サンプル容器は、開放端部および円錐形、平坦、または丸み付けの先端を有するテーパ状端部を備える試験管または遠心分離管であってもよい。いくつかの例では、サンプル容器は50mLのチューブとすることができる。いくつかの例では、サンプル容器は15mLのチューブとすることができる。いくつかの例では、サンプル容器を10mLのチューブとすることができる。いくつかの例では、サンプル容器は、1mLのチューブとすることができる。
【0094】
いくつかの例では、サンプル容器はホウケイ酸ガラス、溶融シリカ、石英ガラス、KIMAX(登録商標)、PYREX(登録商標)、またはZERDOUR(登録商標)などのようなガラスであることができる。いくつかの例では、サンプル容器は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、EPDM、フルオロエラストマー、ネオプレン、ニトリル、またはナイロンなどのようなプラスチックであることができる。いくつかの例では、サンプル容器は、3Dプリントによって製造されるものであってもよい。いくつかの例では、サンプル容器は、射出成形によって製造されるものであってもよい。いくつかの例では、サンプル容器は、再利用可能とすることができる。いくつかの例では、サンプル容器は、使い捨てであることができる。いくつかの例では、サンプル容器は、使い切り容器とすることができる。いくつかの例では、サンプル容器は無菌的でありうる。いくつかの例では、サンプル容器の内部容積を滅菌することができる。
【0095】
容器注ぎ口の角度は、サンプル容器の水平軸に対して角度を測定することによって決定することができる。いくつかの例では、サンプル容器の水平軸に対して容器注ぎ口の角度が90度未満でありうる。いくつかの例では、角度は約85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5度でありうる。いくつかの例では、角度は約15度と約50度の間でありうる。いくつかの例では、角度は約15と約35度の間でありうる。いくつかの例では、角度は約20と約50度の間でありうる。いくつかの例では、角度はテーパ状端部の角度付き先端の角度より鋭角とすることができる。
【0096】
いくつかの例では、テーパ状端部と反対側のサンプル容器の開放端部は平坦とすることができ、開放端部の全周が平坦なテーパ状端部まで等距離とすることができる。いくつかの例では、サンプル容器のテーパ状端部の先端はサンプル容器の水平軸に対して垂直角度を形成することができる。いくつかの例では、プランジャは、サンプル容器の開放端部に挿入することができる。
【0097】
いくつかの例では、テーパ状端部を開放することができる。テーパ状端部は針に隣接することができる。いくつかの例では、テーパ状端部は容器注ぎ口に隣接することができる。いくつかの例では、テーパ状端部は平坦とすることができ、テーパ状端部の全周が開放端部まで等距離とすることができる。いくつかの例では、サンプル容器のテーパ状端部の先端が水平軸に対して垂直角度を形成できる。いくつかの例では、テーパ状端部は図10のような角度付き先端部を含むことができる。
【0098】
テーパー状端部の角度付き先端の角度は、サンプル容器の水平軸に対する角度を測定することによって決定することができる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約90度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約80度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約70度未満でありうるいくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約60度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約50度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約40度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約30度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約20度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約10度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約5度未満でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約1度と約5度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約1度と約10度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約5度と約10度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約1度と約20度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約1度と約30度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約1度と約40度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約1度と約50度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約5度と約40度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約5度と約10度の間でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は35度でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は30度でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は40度でありうる。いくつかの例では、テーパー状端部の角度付き先端の角度は約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または約85度でありうる。
【0099】
いくつかの例では、サンプル容器の軸の角度は90度とすることができる。いくつかの例では、サンプル容器の軸の角度は、約85度と約95度の間でありうる。
【0100】
いくつかの例では、サンプルは生物学的薬剤の濃縮または単離のためのサンプル容器の内部容積に直接に添加されることができる。いくつかの例では、サンプルはサンプル容器に添加する前または添加した後に希釈されることができる。いくつかの例では、サンプルは遠心分離せずにサンプル容器の内部容積に直接に添加されることができる。いくつかの例では、サンプルの全容量はサンプル容器に添加されることができる。いくつかの例では、サンプルは個別のサブボリュームに分割されることがてき、個別のサンプル容器にそれぞれ個別に添加されることができる。いくつかの例では、サンプルは、されにサンプル容器に添加される前に液体で希釈されることができる。
【0101】
いくつかの例では、サンプル容器に収容できるサンプルの体積は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、200、250、300、350、400、450、500mL以上でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約1mL未満でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約5mL未満でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約10mL未満でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約15mL未満でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約50mL未満でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約100mL未満でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約200mL未満でありうる。いくつかの例では、全サンプル体積は約500mL未満でありうる。
【0102】
いくつかの例では、全サンプル量は約1mLと約5mLの間とすることができる。いくつかの例では、全サンプル量は約1mLと約10mLの間とすることができる。いくつかの例では、全サンプル量は約1mLと約15mLの間とすることができる。いくつかの例では、全サンプル量は約1mLと約50mLの間とすることができる。いくつかの例では、全サンプル量は約1mLと約100mLの間とすることができる。
【0103】
いくつかの例では、サンプル容器の内側面は、サンプル容器から生物学的薬剤の回収時、テーパー状端部の先端に液滴の形成を促進するために疎水性としてもよい。いくつかの例では、疎水性層は、サンプル容器の内側面に隣接することができる。いくつかの例では、疎水性層は、サンプル容器の内側面にコートされることができる。
【0104】
いくつかの例では、サンプル容器の内側面は内側表面を疎水性にする材料を含むことがある。いくつかの例では、両親媒性物質は、疎水性層を提供するために、サンプル容器の内側面にコートされることができる。いくつかの例では、疎水性層は、例えば、SURFASIL(商標登録)またはAQUASIL(商標登録)のようなシリコン流体を含むことができる。いくつかの例では、疎水性層は、例えば、パラフィンワックス、灯油、流動パラフィン、鉱物油、または石油ゼリーのようなパラフィン、もしくはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、疎水性層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えばTEFLON(登録商標))、パーフルオロアルコキシ(PFA)、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)などを一つまたはそれ以上含むことができる。いくつかの例では、疎水性層は、例えば、SYNPERONICS(登録商標)、KOLLIPHOR(登録商標)、またはPLURONIC(登録商標)(例えばF68やF127等)のようなポロアクスマー(poloaxmers)を一つまたはそれ以上含むことができる。
【0105】
いくつかの例では、表面容器の内側面全体は疎水性とすることができる。いくつかの例では、内腔の表面の一部を疎水性とすることができる。いくつかの例では、内側面の約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、または約20%を疎水性とすることができる。いくつかの例では、内側面の疎水性を有する部分はテーパー状ネックとすることができる。いくつかの例では、内側面の疎水性を有する部分は容器の上部開口部とすることができる。いくつかの例では、内側面の疎水性を有する部分はテーパー状ネックおよび容器上部の開口部とすることができる。
【0106】
いくつかの例では、サンプル容器の内側面は、マイクロバブルが内側面に付着、凝集することを防ぐために、親水性にすることができる。いくつかの例では、サンプル容器は、内表面を親水性にするためにガラスのような材料を含む。いくつかの例では、サンプル容器の内表面はそこに隣接する親水性層を有しても良い。隣接した親水性層では、共有結合、イオン結合、静電相互作用、ファンデルワールス力などによりサンプル容器に付着することができる。いくつかの例では、両親媒性物質は、親水性層を提供するために、サンプル容器の内側面にコートされることができる。いくつかの例では、サンプル容器の内側面に、ウシ血清アルブミン、ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒアルロン酸、ポリアクリレート、またはポリウレタンポリアクリレート、もしくはそれらの組み合わせが親水性層を提供することができる。
【0107】
いくつかの例では、サンプル容器の内側面全体は親水性とすることができる。いくつかの例では、内側面の一部分は親水性とすることができる。いくつかの例では、内側面の約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上は親水性とすることができる。いくつかの例では、テーパー状ネックでありえる内側面の部分は親水性ではないことができる。いくつかの例では、容器の上部開口部でありえる内側面の部分は親水性ではないことができる。いくつかの例では、テーパー状ネックと容器上部の開口部でありえる内側面の部分は親水性ではないことができる。
【0108】
本明細書に開示される装置、方法またはキットは、生物学的薬剤が単離または濃縮されることができるように、一つまたはそれ以上のマイクロバブルに隣接した生物学的薬剤が集中してもよい。いくつかの例では、サンプル容器は、取り外し可能な取入キャップアセンブリに分離することによってマイクロバブルに隣接した生物学的薬剤を分離することができる。
【0109】
図4は装置の一実施形態を示している。サンプル容器300は内部容積301を含むことができ、前記内部容積301がサンプル、一つまたはそれ以上の選択マーカーが隣接した一つまたはそれ以上のマイクロバブル、液体、またはそれらの組み合わせである310を含有するものである。プランジャ401はサンプル容器300におけるテーパー状端部303との反対側である開放端部304に挿入されることができる。プランジャ401は、プランジャ係合アダプタ404に駆動ねじ402を接触させることによって、容器マウント600に収容されることができる駆動ねじ402で駆動することができる。サンプル容器の底部フランジ308も、容器マウント600に収容されることができる。プランジャのモータ軸回転を線形平行移動に変換する機械変換器503は、閉止装置501内に収容されることができる。装置筐体に収容された駆動モータ502は機械変換器503を介して自動的にプランジャを駆動することができる。
【0110】
いくつかの例では、駆動ねじは金属でありうる。いくつかの例では、駆動ねじは非金属でありうる。いくつかの例では、駆動ねじはプラスチックでありうる。いくつかの例では、駆動ねじは3Dプリンタで製造することができる。
【0111】
図5はサンプル容器300を示す。サンプル容器は本明細書に開示されるような任意の容器材料302からなることができる。サンプル容器はテーパー状端部303、およびプランジャが挿入可能な開放端部304を有する。サンプル容器は、テーパー状端部の開口部306の先端において容器注ぎ口305を含む。容器注ぎ口305は、サンプル容器の水平軸に対して鋭角314を形成することができる。テーパー状端部の先端は、サンプル容器の水平軸に対して鋭角311を形成することができる。鋭角311は、容器注ぎ口の鋭角314と同じであってもよい。鋭角311は、容器注ぎ口の鋭角314とは異なることができる。鋭角311は容器注ぎ口の鋭角314より鋭角とすることができる。サンプル容器は、容器注ぎ口305から310を収集するために、収集容器307を有することができる。収集容器は、サンプル容器の上に取り付けることができる。収集容器は、容器注ぎ口の下端に近いサンプル容器の外側面に取り付けることができる。
【0112】
サンプル容器は、本明細書に開示されるような底部の内径316を含むことができる。サンプル容器は、本明細書に開示されるような上部の内径317を含むことができる。サンプル容器は、本明細書に開示されるような底部フランジ308を含める底部の外径を含むことができる。サンプル容器は、本明細書に開示されるような壁の厚さ312を含むことができる。サンプル容器は、本明細書に開示されるような容器の高さ313を含むことができる。サンプル容器は、本明細書に開示されるような注ぎ口の角度314を含むことができる。サンプル容器は、本明細書に開示されるような主容器の軸角度315を含むことができる。開放端部304からテーパー状端部303までの内径316からの遷移は、両端間の滑らかな角度遷移のための湾曲内面309とすることができる。
【0113】
いくつかの例では、サンプル容器の底部の内径316は約10mmと約20mmの間でありうる。いくつかの例では、サンプル容器の底部の内径は、約5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、または約25mm以上でありうる。いくつかの例では、サンプル容器の底部の内径は約10mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の底部の内径は約15mmでありうる。サンプル容器の底部の内径は約18mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の底部の内径は約20mmでありうる。
【0114】
いくつかの例では、サンプル容器の上部の内径317は、底部の内径よりも小さくてもよい。いくつかの例では、上部の内径は約3mmでありうる。いくつかの例では、上部の内径は、約4mmでありうる。いくつかの例では、上部の内径は、約2mmでありうる。いくつかの例では、上部の内径は、約2mmと約5mmの間でありうる。いくつかの例では、上部の内径は、約1mmと約5mmの間でありうる。いくつかの例では、上部の内径は、約1mmと約3mmの間でありうる。いくつかの例では、上部の内径は、約1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.25、4.5、4.75、5、5.25、または5.5mmでありうる。いくつかの例では、上部の内径は1mm以上でありうる。
【0115】
いくつかの例では、サンプル容器の底部の外径318は、底部の内径よりも大きくてもよい。いくつかの例では、底部の外径はサンプル容器の内部容積に適合させることができる。いくつかの例では、底部の外径は、プランジャシステムの直径に適合させることができる。
【0116】
いくつかの例では、サンプル容器の壁の厚さは、約1ミリメートル(mm)と約1.5mmの間でありうる。いくつかの例では、サンプル容器の壁の厚さは、約1mmと約2mmの間でありうる。いくつかの例では、サンプル容器の壁の厚さは約1mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の壁の厚さは約1.5mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の壁の厚さは1.1mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の壁の厚さは、約0.1、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10mmでありうる。
【0117】
いくつかの例では、サンプル容器の高さは約50mmと約200mmの間でありうる。いくつかの例では、サンプル容器の高さは約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、または約300mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の高さは約50mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の高さは約100mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の高さは約150mmでありうる。いくつかの例では、サンプル容器の高さは約200mmでありうる。
【0118】
図6は、サンプル容器の内部に収めることができ、アダプター継手403に隣接するプランジャ401を示している。アダプター継手は一方の面側にプランジャと隣接し、また他の面側にプランジャ係合アダプター404と隣接すことができる。プランジャ係合アダプター404は駆動ねじ402と係合することができる。
【0119】
図7は容器マウント600を示す。容器マウントはロックフリンジスロット601、およびフリンジスロット602を含むことができる。サンプル容器の底部フリンジ308はフリンジスロット602に挿入され、ロックフリンジスロット601内に移動し、ロックフリンジ607によって容器マウントにサンプル容器を固定されることができる。容器マウントは下部感知器圧子603を含むことができる。容器マウントは下部センサーマウント604を含むことができる。容器マウントはワイヤーポート605を含むことができる。容器マウントはねじポート606を含むことができる。いくつかの例では、容器マウントは金属でありうる。いくつかの例では、容器マウントは非金属でありうる。いくつかの例では、容器マウントはプラスチックでありうる。容器マウントは3Dプリントで製作することができる。
【0120】
図8はアダプター側プランジャ係合継手701、プランジャ側プランジャ係合継手702、プランジャ係合継手703である3つ異なるプランジャ係合継手(plunger engagement joint)を示している。いくつかの例では、プランジャ係合継手は金属でありうる。いくつかの例では、プランジャ係合継手は非金属でありうる。いくつかの例では、プランジャ係合継手はプラスチックでありうる。いくつかの例では、プランジャ係合継手は3Dプリントで製作することができる。
【0121】
図9は2つの異なる位置合わせフランジである319および320を示している。いくつかの例では、位置合わせフランジは金属でありうる。いくつかの例では、位置合わせフランジは非金属でありうる。いくつかの例では、位置合わせフランジはプラスチックでありうる。いくつかの例では、位置合わせフランジは、3Dプリントで製作することができる。いくつかの例では、位置合わせフランジは、底部フランジとすることができる。
【0122】
いくつかの例では、プランジャシステムは、ユーザによって手動で操作されることができる。いくつかの例では、プランジャシステムは、ユーザによって機械的に駆動されることができる。いくつかの例では、プランジャシステムは自動化することができる。プランジャシステムは、コンピュータ化することができる。いくつかの例では、プランジャシステムはマイクロプロセッサによって自動化および遠隔操作されることができる。いくつかの例では、プランジャシステムは、ギヤードプランジャシステムとすることができる。いくつかの例では、プランジャシステムは、先端に収集するためのサンプル容器のテーパ端部に、マイクロバブルに隣接した生物学的薬剤を移動させることができる。いくつかの例では、プランジャシステムは、液滴をテーパ状端部の先端に形成させるように、サンプル容器のテーパ端部にマイクロバブルに隣接した生物学的薬剤を移動させることができる。
【0123】
いくつかの例では、本装置は、真空システムを備えることができる。いくつかの例では、真空システムは、真空を適用することによってマイクロバブルに隣接した生物学的薬剤をテーパー状端部まで引っ張ることができる。いくつかの例では、フィルターは、生物学的薬剤およびそれに隣接するマイクロバブルを収集するために、真空の適用中に装置に挿入されることができる。いくつかの例では、図16に示すように、標準のフィルター付きピペットチップは、細胞とマイクロバブルを回収するために、真空の適用中にフィルター膜として機能するように調整されることができる。いくつかの例では、カスタムフィルタシステムを構成することができる。
【0124】
いくつかの例では、本装置は、収集容器を備えることができる。いくつかの例では、本装置は収集容器を含まない。いくつかの例では、テーパー状端部の角度が鋭角である場合、マイクロバブルは収集容器の標的領域に収集することがある。いくつかの例では、収集容器は生物学的薬剤のアッセイ用に調整でき、例えば細胞染色、分子分析、または細胞培養、もしくはそれらの組み合わせなどである。
【0125】
いくつかの例では、装置またはその一部は3Dプリンタ技術を用いて製作することができる。いくつかの例では、本装置は、ユーザによって手動で操作されることができる。いくつかの例では、本装置は自動化することができる。いくつかの例では、本装置はマイクロプロセッサによって遠隔操作されることができる。いくつかの例では、本装置は開放システムとすることができる。本装置は閉鎖ンシステムとすることができる。閉鎖システムの本装置は無菌状態を維持することができる。閉鎖システムは装置のユーザ操作を最小限に抑えることができる。閉鎖システムは自動化することができる。閉鎖システムはサンプルとマイクロバブルを無菌状態を維持するために自動化することができる。開放システムは滅菌することができる。開放システムは自動化することができる。
【0126】
いくつかの例では、装置はさらに、下流の応用に依存する装置に取り付けられた特殊な容器を使用して、最終サンプルを収集するための最低点に開口を有する収集容器を含む。いくつかの例では、収集容器は、例えば細胞染色、分子分析、または細胞培養、もしくはそれらの組み合わを含む下流の応用のために調整することができる。いくつかの例では、収集容器は一つまたはそれ以上の生物学的薬剤およびそれに隣接する一つまたはそれ以上のマイクロバブルを含む液滴を収集することができる。いくつかの例では、サンプル容器のテーパー状端部は図10に示すすような鋭角な先端ではなく、図11に示すような平坦な先端を含む。いくつかの例では、先端から落ちる液滴は任意の方向に落ちることができる。いくつかの例では、先端から落ちる液滴はスタンドの任意の部分に落ちることができる。
【0127】
いくつかの例では、サンプル容器のテーパー状端部には図11に示すような平坦な先端を含む。いくつかの例では、装置は収集容器を含まない。いくつかの例では、サンプル容器の外表面領域は、一つまたはそれ以上の疎水性材料でコートされることができる。いくつかの例では、サンプル容器の内表面領域は、一つまたはそれ以上の親水性材料でコートされることができる。
【0128】
いくつかの例では、開放システムの本装置は、サンプルから生物学的薬剤を単離することができる。例えば本システムは臍帯血および他の体液からの細胞を単離または濃縮することができる。いくつかの例では、開放システムの本装置はCTC、骨髄細胞、幹細胞、免疫細胞、感染性物質、または母親の血液由来の胎児細胞を単離することができる。いくつかの例では、開放システムは、一つまたはそれ以上のプランジャシステム、一つまたはそれ以上の収集容器システム、一つまたはそれ以上の疎水性外側コーティング、一つまたはそれ以上の親水性またはブロッキング剤の内側コーティング、一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を浮遊させる溶液、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、開放システムが囲まれると、サンプルから単離または濃縮された生物学的薬剤を無菌状態で維持することができる。
【0129】
いくつかの例では、本開示の開放システム装置は、サンプル容器に取り付けられた収集容器を備えることができる。前記収集容器は、濃縮または単離された生物学的薬剤、それに隣接するマイクロバブル、液体、またはそれらの組み合わせを含む、テーパー状端部の先端にからなる液滴を収集することができる。いくつかの例では、収集容器は例えば細胞染色、分子分析、または細胞培養、もしくはそれらの組み合わを含む下流の応用のために調整することができる。いくつかの例では、サンプル容器のテーパー状端部の先端はサンプル容器の水平軸に対して鋭角にすることができる。このような場合には、角度付き先端から形成し、落ちる液滴は収集容器の標的領域に落ちる。いくつかの例では、図10に示すような角度付き先端は液滴の落ちる方向を最適化するために用られることができる。
【0130】
図12は本開示の閉鎖システム装置を示す。いくつかの例では、前記装置は、開放端部とテーパー状端部を有する無菌のサンプル容器を含むことができる。いくつかの例では、サンプル容器の内表面積は、親水性材料、疎水性材料、またはそれらの組み合わせでコートされることができる。いくつかの例では、閉鎖システム装置はされに、一つまたはそれ以上の収集容器を含むことができる。いくつかの例では、閉鎖システム装置はさらに、サンプル容器の開放端部に針と注射器システムを含むことができ、サンプル容器の内部容積に一つまたはそれ以上の生物学的薬剤、一つまたはそれ以上のマイクロバブル、または液体、もしくはそれらの組合せが添加されることができる。いくつかの例では、生物学的薬剤を含むサンプルは、サンプル容器の開放端部から無菌注射器および針を介してサンプル容器に添加されることができる。いくつかの例では、同一の無菌注射器と針は、液体を注入するために使用することで、マイクロバブルが隣接した生物学的薬剤を浮遊させることができる。いくつかの例では、浮遊させた生物学的薬剤に隣接したマイクロバブルはインキュベーション期間後にテーパー状端部に到達することができる。いくつかの例では、異なる無菌注射器および針は、液体を注入するために使用することで、例えばプランジャシステムなしで生物学的薬剤に隣接したマイクロバブルをテーパー状端部まで浮遊させることができる。いくつかの例では、液体を注入するための針と注射器システムは一般的な静脈内輸液配送管システムに置き換えることができる。いくつかの例では、閉鎖システム装置はさらにブロッキング剤または疎水性材料、収集容器またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、閉鎖システム装置はプランジャシステムを含まない。いくつかの例では、閉鎖システム装置は、開放システム装置と実質的に同一でありうる。いくつかの例では、閉鎖システム装置は、閉鎖システム装置がサンプル容器の開放端部にプランジャシステムを含み、開放システム装置がサンプル容器の開放端部に針と注射器システムを含むという点で、開放システム装置と異なることがある。
【0131】
図13は本開示の開放システム装置を示す。いくつかの例では、本装置は図11で示すようなサンプル容器のテーパー状端部が平坦な先端を有する無菌容器を含む。いくつかの例では、サンプル容器はマウントベースまたは容器マウントの上に配置することができる。マイクロバブルが隣接した生物学的薬剤は、ギヤードプランジャシステムのようなプランジャシステムを使用して、サンプル容器のテーパー状端部の先端に移動されることができる。いくつかの例では、取り外し可能な取入キャップアセンブリはサンプル容器のテーパー状端部に隣接されることができ、また、単離または濃縮された生物学的薬剤は取り外し可能な取入キャップに収集されることができる。
【0132】
図14A〜Fは、マイクロバブルを含む液体をサンプル容器に加えることで、臍帯血からマイクロバブルを単離するための開放システム装置の使用を示す。図示された装置は、内表面が非特異的結合作用のブロッキング剤でコートされ、外表面が疎水性物質でコートされた無菌のサンプル容器と、角度付き先端を有するテーパー状端部と、収集容器とを含む。図14A〜Dは、テーパー状端部の角度付き端は、先端に生成された液滴が、単一の方向に滴下するようにすることができることを示す。図14E〜Fは、テーパ状端部の角度付き先端に生成されたビーズの液滴頂部に、マイクロバブルの凝集を示す。ビーズの液滴の頂部内のマイクロバブルは、液滴が収集管の中に落ちるように液滴の上面に滞在することができる。
【0133】
いくつかの例では、本装置は、テーパー状端部が地面に向かわせて、マイクロバブルが隣接した薬剤が開放端部に挿入されたプランジャに上昇するように、形成されることができる。このような場合には、サンプル容器の内部容積からの液体は、プランジャを開放端部からテーパー状端部まで移動されると、マイクロバブルが隣接した薬剤をプランジャに沿って集積させ、テーパー状端部を通って排出されることができる。追加の液体は、洗浄、染色、栄養補充などを行うために、サンプル容器のテーパー状端部に引き出されることができる。テーパー状端部から液体をパージし、また追加の液体をテーパー状端部に引き出すことは1回以上繰り返すことができる。いくつかの例では、洗浄後、本装置はテーパー状端部が地面から離れる方向に向けて再配向すると、テーパー状端部の先端に形成される液滴から、マイクロバブルが隣接した薬剤を収集することができる。
【0134】
いくつかの例では、サンプル容器のテーパー状端部は地面から反転させることができる。この例では、マイクロバブルが隣接した生物学的薬剤は、サンプル容器のテーパー状端部に向かって地面から離れて上昇することができる。この例では、プランジャを開放端部からテーパー状端部に向かって移動させることができるとき、マイクロバブルが隣接した生物学的薬剤は、テーパー状端部の先端を通して、初めに形成された液滴が1滴以上回収されることができる。
【0135】
他の例では、図15に示すように、サンプル容器のテーパー状端部は地面に向け、開放端部は地面から反転させることができる。この例ではマイクロバブルが隣接した生物学的薬剤はテーパー状端部から離れて、サンプル容器の開放端部に挿入されたプランジャに向かって上昇することができる。この例ではプランジャを開放端部からテーパー状端部に向かって移動させるとき、サンプル容器の内部容積からの液体は最初にテーパー状端部の先端を通すことができる。この例ではテーパー状端部はまたテーパ状端部の先端にマルチバルブを含むことができる。この例では、マルチバルブは超過した液体をサンプル容器から除くことができる。この例では、マルチバルブは追加液体または洗浄流体がマルチバルブに入ることができる。この例では、マイクロバブルが隣接した生物学的薬剤は、大部分の液体の後にテーパー状端部の先端から排出されることができ、さらにマルチバルブに追加の液体または洗浄液によって洗浄することができる。いくつかの例では、マルチバルブは、マイクロ流体素子とすることができる。
【0136】
いくつかの例では、本装置は自動化することができる。自動化された装置はサンプル容器、プランジャシステム、一つまたはそれ以上の収集管、一つまたはそれ以上のセンサー、一つ以上のモータ、モータドライバ、上部ドリップ検出器、電源、マイクロコントローラボード等、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上のセンサーは、底部センサ(例えば、底部ストップセンサ)、上部検出器(例えば、上部ドリップ検出器)、またはそれらの組み合わせでありうる。いくつかの例では、一つまたはそれ以上のモータはステッパモータでありうる。いくつかの例では、モータドライバは、ステッピングモータドライバでありうる。いくつかの例では、電源はDC電源でありうる。いくつかの例では、電源は、マイクロコントローラボード、モータドライバ、またはそれらの組み合わせに電力を供給することができる。いくつかの例では、マイクロコントローラボードは、モータドライバを制御することができる。いくつかの例では、マイクロコントローラは、一つまたはそれ以上の検出器からのフィードバックに基づいてモータドライバを制御することができる。いくつかの例では、モータドライバは、プランジャシステムを移動させるようにモータを駆動する。いくつかの例では、モータは、増強的に、連続的に、または段階的にプランジャシステムを移動させる。いくつかの例では、上部ドリップ検出器は、液滴がサンプル容器のテーパ状端部の先端に形成た場合を、検出することができる。いくつかの例では、底部ストップセンサはさらに、サンプル容器の物理的制約に基づいて、プランジシステムが移動できない場合を検出することができる。
【0137】
いくつかの例では、本装置は実験室または臨床設定で利用することができる。いくつかの例では、本装置は非実験室環境で利用することができる。いくつかの例では、本装置は自宅または住居設定で利用することができる。いくつかの例では、本装置は遠隔地理の領域で利用することができる。いくつかの例では、本装置は、貧しいまたは低所得領域で利用することができる。いくつかの例では、本装置は滅菌設備または遠心分離機が存在しない場合に利用することができる。いくつかの例では、本装置は個人的な用途で利用することができる。いくつかの例では、ユーザは臨床医または研究者でありうる。いくつかの例では、ユーザは素人でありうる。いくつかの例では、ユーザは消費者でありうる。一例では、造血幹細胞は本開示で示した装置、方法またはキットを用いて、出生後の臍帯血から単離することができる。一例では、免疫細胞は免疫療法または癌治療のために、本開示で示した装置、方法、キットを用いて単離することができる。いくつかの例では、本装置は血液コードバンキング(blood cord banking)のために利用することができる。
【0138】
いくつかの例では、キットには一つまたはそれ以上のサンプル容器、一つまたはそれ以上の装置筐体、一つまたはそれ以上の容器マウント、一つまたはそれ以上の選択マーカー、マイクロバブルを作成するための成分、マイクロバブルの作成およびサンプル容器の使用指示書を含むことができる。いくつかの例では、キットは一つまたはそれ以上のサンプル容器、一つまたはそれ以上の装置筐体、一つまたはそれ以上の容器マウント、一つまたはそれ以上の選択マーカーが隣接したマイクロバブル、およびサンプル容器の使用指示書を含むことができる。いくつかの例では、キットは、一つまたはそれ以上のサンプル容器、サンプル容器の使用指示書を含むことができる。いくつかの例では、キットは一つまたはそれ以上のサンプル容器、一つまたはそれ以上の選択マーカー、マイクロバブルを形成するための成分、マイクロバブルの作成およびサンプル容器の使用指示書を含むことができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
サンプル容器を備え、
前記サンプル容器は、
(a)サンプルおよび複数のマイクロバブルを収容する内部容積と、
(b)テーパ状端部および開放端部と、
(c)前記開放端部に挿入されたプランジャと、
(d)前記サンプル容器の水平軸に対して鋭角を形成する前記テーパ状端部の先端と、
を含み、
前記複数のマイクロバブルは、前記サンプルの一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を浮かせ、
前記プランジャは、前記先端に向かって移動することで、前記サンプルから前記一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を分離または濃縮する、
サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するための装置。
[2]
前記鋭角が、約5°と約40°の間である[1]に記載の装置。
[3]
前記鋭角が、約5°と約10°の間である[1]に記載の装置。
[4]
前記鋭角が、約35°である[1]に記載の装置。
[5]
前記一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を含み、前記先端から形成された一つまたはそれ以上の液滴を、一定方向に配向させる容器注ぎ口をさらに備える[1]に記載の装置。
[6]
一つまたはそれ以上の液滴を収集するための収集容器をさらに含む、[5]に記載の装置。
[7]
前記収集容器が、前記サンプル容器の外表面に隣接する、[6]に記載の装置。
[8]
前記収集容器が、前記容器の注ぎ口の下端に近い前記サンプル容器の外表面に取り付けられる、[7]に記載の装置。
[9]
サンプル容器を備え、
前記サンプル容器は、
(a)サンプルおよび複数のマイクロバブルを収容する内部容積と、
(b)テーパ状端部および開放端部と、
(c)前記開放端部に挿入されたプランジャと、
(d)前記サンプル容器の水平軸に対して垂直な前記テーパ状端部の先端と、
を含み、
前記複数のマイクロバブルは、前記サンプルの一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を浮かせ、
前記プランジャは、前記先端に向かって移動することで、前記サンプルから前記一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を分離または濃縮する、
サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するための装置。
[10]
前記プランジャが、ユーザによって手動で操作される、[1]または[9]に記載の装置。
[11]
機械的に前記プランジャに連結された駆動ねじをさらに備え、
前記駆動ねじの回転は、機械的に前記プランジャの線形平行移動に変換される、[1]または[9]に記載の装置。
[12]
前記駆動ねじを収容する容器マウントをさらに備える[11]にに記載の装置。
[13]
前記サンプル容器の底部フランジが、前記容器マウントのロック用フランジスロットに前記底部フランジが挿入されるによって、前記容器マウントに固定される、[12]に記載の装置。
[14]
前記駆動ねじが、ユーザによって手動で操作される、[11]に記載の装置。
[15]
前記駆動ねじが、駆動モータによって自動的に操作される、[11]に記載の装置。
[16]
前記駆動ねじが、リモートマイクロプロセッサによる制御される駆動モータによって自動的に操作される、[11]に記載の装置。
[17]
前記駆動モータを収容する装置筐体をさらに含む、[15]に記載の装置。
[18]
プランジャアダプター継手(plunger adapter joint)、およびプランジャ係合アダプター(plunger engagement adapter)をさらに含み、
上記プランジャーアダプター継手が、前記プランジャ、および前記プランジャ係合アダプターに隣接し、かつ
上記プランジャ係合アダプターが、前記プランジャアダプター継手、および前記駆動ねじに隣接する、[11]に記載の装置。
[19]
前記容器マウントが、感知器圧子(sensor depressor)および感知器マウント(sensor mount)をさらに含む、[12]に記載の装置。
[20]
前記容器マウントが、ワイヤポートをさらに含む、[12]に記載の装置。
[21]
前記容器マウントが、ねじポートをさらに含む、[12]に記載の装置。
[22]
前記サンプル容器が、前記サンプル容器の前記内部容積に親水性を付与する材料からなる、[1]または[9]に記載の装置。
[23]
前記サンプル容器が、前記サンプル容器の前記内部容積に疎水性を付与する材料からなる、[1]または[9]に記載の装置。
[24]
前記材料が、ガラスである、[22]に記載の装置。
[25]
親水性層が、前記サンプル容器の前記内部容積に隣接する、[1]または[9]に記載の装置。
[26]
疎水性層が、前記サンプル容器の前記内部容積の前記テーパ端に隣接する、[1]または[9]に記載の装置。
[27]
親水性層が、前記サンプル容器の前記内部容積に隣接し、かつ疎水性層が、前記内部容積の前記テーパ端に隣接する、[1]または[9]に記載の装置。
[28]
前記サンプル容器が、前記サンプル容器の前記内部容積に親水性を付与する材料からなり、かつ、疎水性層が、前記内部容積の前記テーパ状端に隣接する、[1]または[9]に記載の装置。
[29]
前記親水性層が、ウシ血清アルブミンである、[25]または[27]に記載の装置。
[30]
前記疎水性層が、SURFASIL(商標登録)である、[26]、[27]または[28]のいずれか1つに記載の装置。
[31]
前記疎水性層が、パラフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポロクサマー、またはそれらの組み合わせである、[26]、[27]または[28]のいずれか1つに記載の装置。
[32]
前記サンプル容器は、約1mLと約10mLの間のサンプル体積を保持する、[1]または[9]に記載の装置。
[33]
前記サンプル容器は、約10mLと約50mLの間のサンプル体積を保持する、[1]または[9]に記載の装置。
[34]
前記サンプル容器は、約50mLと約200mLの間のサンプル体積を保持する、[1]または[9]に記載の装置。
[35]
前記サンプルが、希釈される、[1]または[9]に記載の装置。
[36]
前記サンプルは、組織、血液、骨髄液、尿、唾液、脳脊髄液、精液、痰、糞便、関節液、リンパ液、羊水、胆汁、または胸水、もしくはそれらの組み合わせである、[1]または[9]に記載の装置。
[37]
前記サンプルが、臍帯血である、[1]または[9]に記載の装置。
[38]
前記サンプルが、循環血液である、[1]または[9]に記載の装置。
[39]
前記サンプルが、腫瘍組織である、[1]または[9]に記載の装置。
[40]
前記サンプルが、腫瘍組織内および周囲の流体である、[1]または[9]に記載の装置。
[41]
前記生物学的薬剤が、細胞である、[1]または[9]に記載の装置。
[42]
前記細胞が、循環腫瘍細胞(CTCs)である、[41]に記載の装置。
[43]
前記細胞が、骨髄細胞である、[41]に記載の装置。
[44]
前記細胞が、母親の血液からの胎児細胞である、[41]に記載の装置。
[45]
前記細胞と前記複数のマイクロバブルとの比は、約1:100である、[41]に記載の装置。
[46]
前記細胞と前記複数のマイクロバブルとの比は、約1:500である、[41]に記載の装置。
[47]
前記細胞と前記複数のマイクロバブルとの比は、約1:1000である、[41]に記載の装置。
[48]
前記単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.5%未満である、[1]または[9]に記載の装置。
[49]
前記単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.1%未満である、[36]に記載の装置。
[50]
前記単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.01%未満である、[49]に記載の装置。
[51]
前記単離または濃縮された生物学的薬剤は、全サンプルの0.001%未満である、[50]に記載の装置。
[52]
前記マイクロバブルは、脂質シェルマイクロバブル、アルブミンシェルマイクロバブル、ポリマーシェルマイクロバブル、リポポリマーシェルマイクロバブル、またはガラスマイクロバブル、もしくはそれらの組み合わせである、[1]または[9]に記載の装置。
[53]
各マイクロバブルのシェルは、脂質、タンパク質、ポリマー、リポポリマーまたはガラス、若しくはそれらの組み合わせを含む、[52]に記載の装置。
[54]
前記複数のマイクロバブルは、約1μmと約10μmの間の外径がある、[1]または[9]に記載の装置。
[55]
前記複数のマイクロバブルは、約2μmと約8μmの間の外径がある、[1]または[9]に記載の装置。
[56]
前記複数のマイクロバブルは、約2μmと約20μmの間の外径がある、[1]または[9]に記載の装置。
[57]
複数の選択マーカーは、前記複数のマイクロバブルの外表面に隣接する、[1]または[9]に記載の装置。
[58]
前記複数の選択マーカーは、求核共役付加反応によって、前記外表面に結合する、[57]に記載の装置。
[59]
前記複数の選択マーカーは、マイケル付加反応によって外表面に結合する、[58]に記載の装置。
[60]
マイクロバブル当たりの前記複数の選択マーカーは、約200,000と約500,000の間である、[57]に記載の装置。
[61]
複数の選択マーカーが複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接される表面密度は、約3,000と6,000選択マーカー/μmの間である、[57]に記載の装置。
[62]
複数の選択マーカーが複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接される表面密度は、約1,000と3,000選択マーカー/μmの間である、[57]に記載の装置。
[63]
複数の選択マーカーが複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接される表面密度は、6,000選択マーカー/μm未満である、[57]に記載の装置。
[64]
複数の選択マーカーが複数のマイクロバブルにおける単一マイクロバブルの外表面に隣接される表面密度は、3,000選択マーカー/μm未満である、[57]に記載の装置。
[65]
マイクロバブル当たりの前記複数の選択マーカーは、約300,000と約400,000の間である、[60]に記載の装置。
[66]
前記複数の選択マーカーが、第1セットおよび第2セットを含む、[57]に記載の装置。
[67]
前記各複数のマイクロビーズが、第1セットおよび第2セットの選択マーカーを含む、[66]に記載の装置。
[68]
第1セットの前記複数のマイクロバブルが、前記第1セットの選択マーカーを含み、第2のセットの前記複数のマイクロバブルが、第2セットの選択マーカーを含む、[66]に記載の装置。
[69]
前記細胞が、受容体リガンド相互作用によって前記複数のマイクロビーズに取り付けられる、[41]に記載の装置。
[70]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーが、細胞表面マーカーに結合する、[57]に記載の装置。
[71]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーが異なる、[57]に記載の装置。
[72]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーが、抗体である、[57]に記載の装置。
[73]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーは、腫瘍マーカーに結合する分子である、[57]に記載の装置。
[74]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーが、幹細胞のマーカーに結合する分子である、[57]に記載の装置。
[75]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーは、細胞表面マーカーであるEpCAMに結合する分子である、[57]に記載の装置。
[76]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーは、細胞表面マーカーであるCD133に結合する分子である、[57]に記載の装置。
[77]
前記一つまたはそれ以上の選択マーカーは、細胞表面マーカーであるCD34に結合する分子である、[57]に記載の装置。
[78]
少なくとも約80%の前記細胞が、少なくとも一つの前記複数のマイクロビーズに結合する、[70]に記載の装置。
[79]
少なくとも約85%の前記細胞が、少なくとも一つの前記複数のマイクロビーズに結合する、[70]に記載の装置。
[80]
少なくとも約90%の前記細胞が、少なくとも一つの前記複数のマイクロビーズに結合する、[70]に記載の装置。
[81]
少なくとも約95%の前記細胞が、少なくとも一つの前記複数のマイクロビーズに結合する、[70]に記載の装置。
[82]
少なくとも二つのマイクロバブルが隣接されるとき、前記サンプルの生物学的試料は浮く、[1]または[9]に記載の装置。
[83]
少なくとも三つのマイクロバブルが隣接されるとき、前記サンプルの生物学的試料は浮く、[1]または[9]に記載の装置。
[84]
約二つ〜約20のマイクロバブルが隣接されるとき、前記サンプルの生物学的試料は浮く、[1]または[9]に記載の装置。
[85]
前記装置は、下流アッセイに適用可能である、[1]または[9]に記載の装置。
[86]
前記下流アッセイは、細胞染色、分子解析、または細胞培養は、もしくはそれらを組み合わせを含む、[85]に記載の装置。
[87]
前記装置は無菌である、[1]または[9]に記載の装置。
[88]
前記内部容積において滅菌液体をさらに含むことで、前記サンプルの生存性を向上させる、[1]または[9]に記載の装置。
[89]
前記内部容積において滅菌液体をさらに含むことで、前記複数のマイクロバブルを浮遊させる、[1]または[9]に記載の装置。
[90]
前記液体の密度は、約0.9と約1.1g/cmの間である、[89]に記載の装置。
[91]
前記装置は、臨床用または実験用設定において用いられる、[1]または[9]に記載の装置。
[92]
住宅環境用設定において用いられる、[1]または[9]に記載の装置。
[93]
個人用設定において用いられる、[1]または[9]に記載の装置。
[94]
底部ストップセンサー、ステッパーモニター、上部ドリップ検出器、電源、マイクロコントローラーボード、またはこれらの組み合わせを含む、[15]に記載の装置。
[95]
(a)サンプルおよび複数のマイクロバブルを取得する工程と、
(b)前記サンプルおよび前記複数のマイクロバブルをサンプル容器の内部容積に添加する工程と、
(c)地面から離れるように前記サンプル容器の前記テーパ状端部を配向し、前記マイクロバブルは一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を前記テーパ状端部の先端へ向けて浮かせる工程と、
(d)プランジャを前記サンプル容器の開放端部から前記テーパ状端部に向かって移動させることで、前記サンプルから一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を単離または濃縮する工程と、
を含む、
サンプルから生物学的薬剤を単離または濃縮するための方法。
[96]
工程(d)の後に、前記複数のマイクロバブルを破裂させる工程をさらに含む、[95]に記載の方法。
[97]
周囲圧力が、前記複数のマイクロバブルを破壊するために上昇される、[96]に記載の方法。
[98]
周囲圧力が、前記複数のマイクロバブルを破壊するために、約2分と約10分間、約2気圧と約4気圧の間に上昇される、[97]に記載の方法。
[99]
周囲圧力が、前記複数のマイクロバブルを破壊するために、約5分間、約3気圧まで上昇させる、[98]に記載の方法。
[100]
工程(c)又は(d)の前に、前記複数のマイクロバブルおよび前記サンプルが内部容積に少なくとも1分間培養される工程をさらに含む、[95]に記載の方法。
[101]
工程(c)又は(d)の前に、前記複数のマイクロバブルおよび前記サンプルを前記内部容積に少なくとも5分間培養する工程をさらに含む、[100]に記載の方法。
[102]
工程(c)又は(d)の前に、前記複数のマイクロバブルおよび前記サンプルを前記内部容積に少なくとも10分間培養する工程をさらに含む、[101]に記載の方法。
[103]
工程(b)の添加前に、前記サンプル容器の前記内部容積が滅菌される工程をさらに含む、[95]に記載の方法。
[104]
(a)一つまたはそれ以上のサンプル容器と、
(b)装置筐体と、
(c)容器マウントと、
(d)一つまたはそれ以上の選択マーカーと、
(e)マイクロバブルを形成する素材と、
(f)マイクロバブルを形成する作成方法と、
(g)前記サンプル容器を使用する指示書と、を含むサンプルから生物学的試料を単離または濃縮するためのキット。
[105]
(a)一つまたはそれ以上のサンプル容器と、
(b)装置筐体と、
(c)容器マウントと、
(d)一つまたはそれ以上の選択マーカーが隣接されたマイクロバブルと、
(e)前記サンプル容器を使用する指示書と、を含むサンプルから生物学的試料を単離または濃縮するためのキット。
[106]
(a)一つまたはそれ以上のサンプル容器と、
(b)一つまたはそれ以上の選択マーカーと、
(c)マイクロバブルを形成する素材と、
(d)マイクロバブルを形成する作成方法と、
(e)前記サンプル容器を使用する指示書と、を含むサンプルから生物学的試料を単離または濃縮するためのキット。
[107]
前記装置は遠隔地域で使用する、[1]または[9]に記載の装置。
[108]
前記装置は貧困なまたは低所得地域で使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[109]
前記装置は滅菌装置の不存在下で使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[110]
前記装置は遠心分離機の不存在下で使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[111]
前記装置は臨床医による使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[112]
前記装置は研究者による使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[113]
前記装置は個人による使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[114]
前記装置は消費者による使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[115]
前記装置は臍帯血バンク業務のために使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[116]
前記装置は癌治療における免疫療法に用いられる免疫細胞を単離するために使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[117]
前記装置は産後の臍帯血からの造血幹細胞を単離するために使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[118]
前記装置は血液サンプルまたは尿サンプルから一つまたはそれ以上の麻酔薬を単離するために使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[119]
前記装置はサンプルから一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を除去するために使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[120]
前記装置はサンプルから一つまたはそれ以上の非生物学的薬剤を除去ために使用される、[1]または[9]に記載の装置。
[121]
サンプル容器を備え、
前記サンプル容器は、
(e)サンプルおよび複数のマイクロバブルを収容する内部容積と、
(f)テーパ状端部および開放端と、
(g)前記開放端に挿入されたプランジャと、
(h)前記サンプル容器の水平軸に対して垂直な前記テーパ状端部の先端と、
を含み、
前記複数のマイクロバブルは、前記サンプルの一つまたはそれ以上の生物学的薬剤を浮かせ、
前記プランジャは、前記先端に向かって移動することで、前記サンプルから前記一つまたはそれ以上の薬剤を分離または濃縮する、
サンプルから薬剤を単離または濃縮するための装置。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17