【実施例】
【0018】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらに限定されない。
【0019】
実施例に使用する家畜用飼料として、カプリル酸Ca、カプリン酸Ca、ラウリン酸Ca、カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸混合脂肪酸Caの4種類の家畜用飼料を用意した。なお、「カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸混合脂肪酸Ca」は、カプリル酸:カプリン酸:ラウリン酸=20:20:60(重量比)からなる混合脂肪酸のカルシウム塩であり、油化産業株式会社製の商品である。家畜用飼料の脂肪酸含有率を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
〔実施例1〜5、比較例1〜5〕
水および表2に示した基礎飼料を飽食給与しているホルスタイン搾乳牛50頭を実施例及び比較例ごとに5頭用いて、表3及び表4に示した家畜用飼料を3週間給与した。給与3週間後に糞をサンプリングし、分析まで凍結保存した。糞中細菌数はリアルタイムPCR法によりBifidobacterium 属、Escherichia coli 、Salmonella 属、Campylobacter jejumi. 、Clostridium perfringens について調査した。具体的には、1)検体からDNAを抽出、2)そのDNAを用いて各PCR法で分析、3)遺伝子量と細菌数との比例関係に基づき細菌数を定量、の手順によって細菌数を求めた。そして、給与する前の細菌数を1とした相対値として算出した。また、マルチプレックスPCR法により、糞便中のLactobacillus 属細菌9種類、つまりLactobacillus acidophilus 、Lactobacillus casei-group 、Lactobacillus delbrueckii 、Lactobacillus gasseri 、Lactobacillus plantarum 、Lactobacillus rhamnosus 、Lactobacillus reuteri の検出を行った。さらに給与期間中の下痢発生率、給与3週間後の乳生産量、乳脂率、乳タンパク質率を調査した。各実施例の結果を表5、表7、表9及び表10に、各比較例の結果を表6、表8、表9及び表10にそれぞれ示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】
【0030】
【表10】
【0031】
表5に示すように、本発明に係る実施例1〜5の有用菌増加剤を給与したウシの糞中Bifidobacterium 属菌数は無給与牛の1.02倍から1.18倍に増加し、Escherichia coliは0.77倍から0.16倍に減少し、Clostridium perfringens は0.89倍〜0.70倍に減少した。
これに対し、表6に示すように、比較例1〜5ではBifidobacterium 属及びEscherichia coliに大きな増減は無く、Clostridium perfringens は最大1.22倍に増加した。実施例1〜5ではSalmonella属菌数が0.98倍〜0.93倍と大きな変化は無く、Campylobacter jejumiが1.13倍〜1.16倍とわずかに増加したのに対し、比較例1〜5ではSalmonella属が1.01〜1.10倍、Campylobacter jejumiが1.17〜1.26倍となっており、実施例では両者の菌数の増加を抑制したことが分かる。
【0032】
表7に示すように、実施例1〜5の糞中Lactobacillus 属の検出頭数の割合は、L. Casei-groupが20%〜40%、L. gasseriが40%〜60%であった。
これに対して、表8に示すように、比較例1〜5では何れの菌も検出された個体は無かった。
【0033】
また、表9に示すように実施例1〜5の下痢発生率は0〜20%であった。
これに対し、比較例1〜5では40〜80%と実施例1〜5よりも下痢発生率が高かった。
【0034】
表10に示すように実施例1〜5では乳生産量が37〜39kg/日と高かった。
これに対し、比較例1〜5では33〜35kg/日と実施例1〜5よりも乳生産量が低かった。
【0035】
〔実施例6〜10、比較例6〜10〕
水および表11に示した基礎飼料を飽食給与しているLWD種去勢子ブタ50頭を実施例及び比較例ごとに5頭用いて、表12及び表13に示した家畜用飼料を2週間給与した。給与2週間後に糞をサンプリングし、分析まで凍結保存した。糞中細菌数はリアルタイムPCR法によりBifidobacterium 属、Escherichia coli、Salmonella属、Campylobacter jejumi. 、Clostridium perfringens
について調査した。具体的には、1)検体からDNAを抽出、2)そのDNAを用いて各PCR法で分析、3)遺伝子量と細菌数との比例関係に基づき細菌数を定量、の手順によって細菌数を求めた。そして、給与する前のブタの細菌数を1とした相対値として算出した。また、マルチプレックスPCR法により、糞便中のLactobacillus 属細菌9種類、つまりLactobacillus acidophilus 、Lactobacillus casei-group 、Lactobacillus delbrueckii 、Lactobacillus gasseri 、Lactobacillus plantarum 、Lactobacillus rhamnosus 、Lactobacillus reuteri の検出を行った。さらに給与期間中の下痢発生率と、給与2週間の飼料摂取量と体重から飼料効率を算出した。各実施例の結果を表14、表16、表18及び表19に、各比較例の結果を表15、表17、表18及び表19にそれぞれ示す。
【0036】
【表11】
【0037】
【表12】
【0038】
【表13】
【0039】
【表14】
【0040】
【表15】
【0041】
【表16】
【0042】
【表17】
【0043】
【表18】
【0044】
【表19】
【0045】
表14に示すように、実施例6〜10では、糞中Bifidobacterium 属が1.16倍〜1.35倍に増加し、Escherichia coliが0.79倍〜0.26倍、Salmonella属が0.84倍〜0.21倍、Campylobacter jejumiが0.88倍〜0.60倍、Clostridium pefringensが0.89倍〜0.66倍に減少した。
これに対して、表15に示すように、比較例6〜10の場合、Biffidobacterium属が0.93〜1.00倍と大きな変化は無く、Escherichia Coliが1.00倍〜1.11倍、Salmonella属が1.05倍〜1.16倍、Campylobacter jejumiが1.15〜1.27倍、Clostridium perfringens が1.08〜1.29倍と増加した。
【0046】
表16に示すように、実施例6〜10の糞中Lactobacillus 属の検出頭数の割合(検出率)は、L. acidophilusが40%〜60%、L. delbrueckiiが20%〜80%、L. gasseriが60%〜80%、L. rhamnosusが40%〜60%であった。
これに対し、表17に示すように、比較例6〜10ではL. acidophilusが0%〜20%、L. delbrueckiiで0%〜20%、L. gasseriで0%〜20%、L. rhamnosusで0%〜20%と検出率は低く、また他の菌については検出されなかった。
【0047】
また、表18に示すように実施例6〜10の下痢発生率は0〜20%であった。
これに対し、比較例6〜10では40〜80%と実施例6〜10よりも下痢発生率が高かった。
【0048】
また、表19に示すように実施例6〜10の飼料効率は0.81〜0.84と高かった。
これに対し、比較例6〜10では0.77から0.79と実施例6〜10よりも飼料効率が低かった。
【0049】
〔実施例11〜15、比較例11〜15〕
水および表20に示した基礎飼料を飽食給与している3週齢のブロイラー1000羽を実施例及び比較例ごとに100羽用いて、表21及び表22に示した家畜用飼料を5週間給与した。給与2週間後に各区5羽ずつから糞をサンプリングし、分析まで凍結保存した。糞中細菌数はリアルタイムPCR法によりBifidobacterium 属、Escherichia coli、Salmonella属、Campylobacter jejumi. 、Clostridium perfringens について調査した。具体的には、1)検体からDNAを抽出、2)そのDNAを用いて各PCR法で分析、3)遺伝子量と細菌数との比例関係に基づき細菌数を定量、の手順によって細菌数を求めた。そして、給与する前のブロイラーの細菌数を1とした相対値として算出した。また、マルチプレックスPCR法により、糞便中のLactobacillus 属細菌9種類、つまりLactobacillus acidophilus 、Lactobacillus casei-group 、Lactobacillus delbrueckii 、Lactobacillus gasseri 、Lactobacillus plantarum 、Lactobacillus rhamnosus 、Lactobacillus reuteri の検出を行った。また、給与5週間後の育成率を調査した。各実施例の結果を表23、表25及び表27に、各比較例の結果を表24、表26及び表27にそれぞれ示す。
【0050】
【表20】
【0051】
【表21】
【0052】
【表22】
【0053】
【表23】
【0054】
【表24】
【0055】
【表25】
【0056】
【表26】
【0057】
【表27】
【0058】
表23に示すように、実施例11〜15では、糞中Bifidobacterium 属が1.16倍〜1.31倍に増加し、Escherichia coliが0.77倍〜0.40倍、Salmonella属が0.68倍〜0.23倍、Campylobacter jejumiが0.80倍〜0.63倍、Clostridium pefringensが0.85倍〜0.64倍に減少した。
これに対して、表24に示すように、比較例11〜15の場合、Biffidobacterium属が0.98〜1.01倍と大きな変化は無く、Escherichia Coliが0.99倍〜1.11倍、Salmonella属が1.04倍〜1.11倍、Campylobacter jejumiが1.00〜1.16倍、Clostridium perfringens が0.99〜1.10倍と大きな変化が無いか、又は増加した。
【0059】
表25に示すように、実施例11〜15の糞中Lactobacillus 属の検出羽数の割合(検出率)は、L. acidophilusが40%〜60%、L. delbrueckiiが40%〜60%、L. gasseriが40%〜80%、L. rhamnosusが40%〜80%検出された。
これに対し、表26に示すように、比較例11〜15ではL. delbrueckiiが0%〜20%、L. gasseriで0%〜20%と検出率は低く、また他の菌については検出されなかった。
【0060】
また、表27に示すように実施例11〜15の育成率は99〜100%であった。
これに対し比較例11〜15では95〜97%と実施例11〜15よりも育成率が低かった。