【文献】
MR Fingerprinting (MRF): a Novel Quantitative Approach to MRI,Proceedings of International Society for Magnetic Resonance in Medicine,2012年 5月,p.288
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一連の可変シーケンスブロックの構成要素が、少なくとも3つのシーケンスブロックパラメータにおいて前記一連の可変シーケンスブロックの少なくとも1つの他の構成要素と異なっている、請求項1に記載の方法。
前記一連の可変シーケンスブロックの構成要素が、前記一連少なくとも4つのシーケンスブロックパラメータにおいて前記一連の可変シーケンスブロックの少なくとも1つの他の構成要素と異なっている、請求項1に記載の方法。
前記一連の可変シーケンスブロックの構成要素が、前記一連の少なくとも5つのシーケンスブロックパラメータにおいて前記一連の可変シーケンスブロックの少なくとも1つの他の構成要素と異なっている、請求項1に記載の方法。
前記NMR装置を制御して、前記一連の可変シーケンスブロックにおけるシーケンスブロック間の時間量、可変シーケンスブロックにおけるシーケンスブロックのRFパルスの相対振幅、及び前記一連の可変シーケンスブロックにおけるシーケンスブロックのRFパルスの相対振幅の1つ又は複数を変更する、請求項1に記載の方法。
前記NMR装置を制御して、TrueFISPパルスシーケンス、FLASHパルスシーケンス、及びTSEパルスシーケンスの1つとして、前記一連の可変シーケンスブロックの構成要素を構成する、請求項1に記載の方法。
前記NMR装置を制御して、アンダーサンプリングレートRで前記対象をアンダーサンプリングするように構成された部分的なランダム取得計画に従って前記一連の可変シーケンスブロックの構成要素を適用する、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
従来の磁気共鳴(MR)パルスシーケンスは、画像を作成することのできる信号を生成するように構成された準備フェーズと待機フェーズと取得フェーズを含む。準備フェーズは、信号をいつ取得することができるかを判定し、取得した信号の特性を判定する。例えば、第1のパルスシーケンスは、第1のエコー時間(TE)でT1重みづけ信号を生成するように設計することができ、第2のパルスシーケンスは、第2のTEでT2重みづけ信号を生成するように設計することができる。しかし、特に複数のパルスシーケンスにわたって構成するときには、多数の準備および多数の短い待機を合計してデータ集合を収集するのが長時間になりうる。これら従来のパルスシーケンスは通例、特定のパラメータ(例えば、T1緩和、T2緩和)を強調する様々な重みづけまたはコントラストを付けてデータを取得する場合に定性的な結果を提供するように設計されている。
【0003】
従来のMR取得は、準備/待機/取得パルスシーケンスの多数の反復を伴う。例えば、関心体積(RoI)のすべてのボクセルについてT1重みづけ信号を取得するために第1のパルスシーケンスを多数回適用し、その後、RoIのすべてのボクセルについてT2重みづけ信号を取得するために第2のパルスシーケンスを多数回適用することがある。これら2つの取得からの信号を位置合わせ(例えば、整列)することは難しいであろう。
【0004】
MR画像が生成されると、定性的画像から特定の疾病徴候を読み取る放射線技師および/または外科医師がそれを見ることができる。放射線技師は、複数の撮像面で取得された複数の画像タイプ(例えば、T1重みづけ、T2重みづけ)を検討して診断を行うことができる。定性的画像を検討する放射線技師または他の個人は、セッション間、マシン間およびマシン構成間の変化を評価できる特定のスキルが必要だろう。そのため、画像は画像を読み取る人と同程度にしか役に立たず、すべての画像に基づく(例えば、定性的)診断は主観的になってしまう。
【0005】
別の観点から見ると、従来のMRは、正確な準備時間を使用して適時に正確な時点で正確な場所から正確な信号の取得を促す正確な準備条件を生み出し、不正確な定性的データ集合をもたらす。従来のMRは、スキャンする内容(例えば、水分、脂肪)に一定時間だけ一定の信号を放出させることを試み、その後にこれらの信号からデータを再構成する。これらの欠点にも関わらず、従来のMRは長年、臨床コミュニティで十分に役目を果たしてきた。
【0006】
Twieg(トゥイーグ)は、パラメータマップを再構成してから画像を再構成するのに必
要な総データ量を減じるために信号のモデルを使用した圧縮センシングに関わるアプローチを提案した。同様に、Doneva(ドネヴァ)らは、圧縮センシングを実現するためにランダムアンダーサンプリングを提案した。Donevaのアプローチにおいて、ピクセルは、その真の信号展開プラス他のピクセルからのエイリアス信号を表す。ある実施形態でにおいて、エイリアシングは、ピクセルで付加ノイズとしてのみ現れる。ノイズは構造をもたず、真の信号展開に相関しない。Donevaのアプローチは、画像の再構成をサポートする正確な信号の解像に、直交マッチング追跡(OMP)などの比較的単純なプロセスを容易に行う。OMPは、期待信号展開の限定ディクショナリの存在を想定している。OMPは、受信した信号を信号のディクショナリと比較して、ピクセルに由来した可能性の最も高い信号を特定する。
【0007】
TwiegのParsing local signal evolution directly from a single-shot MRI signal: a new approach for MRI(シングルショットMRI信号から直接の局所信号展開の構文解析:MRIの新たなアプローチ), Magn Reson Med 2003, Nov; 50(5): 1043-52は、信号エンコーディングからの検索によってシングルショットパラメータの評価を行うシングルショットMRI法を記載している。Twiegの方法は、従来のMRI法で使用されている基本的な単純化の仮定をやめており、局所的な内因性信号は、特にシングルショット画像取得で使用される長期間の間にその変化が実質的になっても、信号取得中にその振幅または位相を変えない。Twiegは、局所減衰および位相展開が起こることを認識し、そのため、各信号データをk空間ではなく(k,t)空間からのサンプルとしてモデル化した。Twiegは、tが経過時間の場合に各データが別の属性(例えば、緩和、減衰)も反映する(k,t)空間に独自の場所をもつという見解を採用した。Twiegは新たな信号モデルによる正確さとロバストネスの改善を期待したが、集中的な再構成の計算がTwiegの進展を阻んだ。
【0008】
DonevaらのCompressed sensing reconstruction for magnetic resonance parameter mapping、Magnetic Resonance in Medicine(磁気共鳴パラメータマッピングのための圧縮センシング再構成、医療におけるMRI), Volume 64, Issue 4, pages 1114-1120, October 2010では、陽子密度、縦(T1、スピン−格子)緩和時間および横(T2、スピン−スピン)緩和時間を含む内因性MRパラメータによって人体の様々な組織はMRIで識別することができることを認識している。Donevaはデータを疎性化するために学習ディクショナリを適用してから、MRパラメータマッピングについてモデルベースの再構成を使用する。Donevaは、「異質なボクセル内の複数の緩和成分を評価できる」ことを確認している。しかし、Donevaは、ある実施例においてその曲線を次の形式の式によって特徴づけることができるライブラリに依拠する撮像ベースのアプローチを使用する。
【0009】
SE=1−2e
-t/Tx
ここで、
SEは信号展開(signal evolutuon)であり、
tは時間であり、
Txは信号緩和パラメータである。
【0010】
別のさらに一般的な実施例において、Donevaは、その曲線を次の式によって特徴づけることのできるライブラリに依拠する撮像ベースのアプローチを使用する。
SE=A+Be
-t/C
ここで、Aは定数、Bは定数、tは時間、Cは信号緩和パラメータである。
【0011】
Donevaのパターンは、受信した信号展開をライブラリに格納されている曲線にマッチングする。
Donevaのライブラリは、準備が固有であるために理想的な1つの緩和パラメータ曲線に制限され、Donevaが最終的には取得されるデータから画像を再構成するという事実によって制約される。したがって、tのあらゆる変化は一定または線形となると思われ、αのあらゆる変化も一定または線形になると思われる。
【0012】
TwiegおよびDonevaは、1つまたは少数のみのパラメータを強調する従来の撮像シーケンスに制限されているように思われる。TwiegまたはDonevaが定量的シーケンスを使用する限り、これらのシーケンスは、異なる特性をもつ異なる組織間のコントラストを生成する励起および準備スキームを含む。しかし、準備が繰り返されない限り、それ以上有用な情報が取得できなくなるまで、準備は時間とともに消えていく。例えば、4〜5秒後には、T1コントラスト用に設計された反転回復シーケンスの対象組織はその平衡状態に回復し、それ以上信号を出さなくなる。このように短い時間制限は三次元撮像、動く対象の撮像などを行う能力を弱める。加えて、TwiegおよびDonevaは、1つの緩和パラメータに関連する情報の同時取得についてさらに制限されているようである。TwiegおよびDonevaは、T1緩和、T2緩和、またはT1およびT2の1つの固定した組み合わせに関する情報の収集に向いているようだが、両方同時には向いていない。TwiegおよびDonevaがT1およびT2に関する情報を取得できる限りにおいて、いずれか一方に対する感度は取得中、一定となるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
明細書に組込まれ、その一部をなす添付の図面は、本発明の様々な側面の様々な例示的なシステム、方法および他の例示的な実施形態を示す。図面において図示する要素の境界(例えば、四角、四角の集合、または他の形状)は境界の一例を表すことは認識されるであろう。当業者は、いくつかの実施例において、1つの要素を複数の要素として設計することができ、または複数の要素を1つの要素として設計できることは認識するであろう。いくつかの実施例において、別の要素の内部コンポーネントとして示される要素は外部コンポーネントとしても実施でき、またその逆も同様である。また、要素は縮尺通りに描かれていないことがある。
【0016】
例示的な装置および方法は、RFが印加される種々の共鳴種(例えば、組織)で異なる信号展開を生成する一連の様々なシーケンスブロックを採用する。本明細書で使用する「共鳴種」という用語は、NMRを使用して共鳴させることのできるもの(例えば、水分、脂肪、組織、材料)をいう。例として、例示的な装置および方法は、RFエネルギーを骨および筋肉組織の両方を有する体積に印加すると、骨および筋肉組織の両方がNMR信号を生成する。しかし、「骨信号」と「筋肉信号」は別になる。異なる信号をある期間収集すると、体積の信号展開を特定することができる。ある実施形態では、その後、信号展開を既知の展開と比較することによって、共鳴種を体積に関して特徴づけることができる。ある実施形態において、「既知」の展開は、例えば、シミュレートした展開および以前に取得した展開の少なくともいずれか一方の展開とすることができる。共鳴種の特徴づけは、共鳴種の異なる特性(例えば、T1、T2、拡散共鳴周波数、拡散係数、スピン密度、陽子密度)の特定を含むことができる。加えて、組織の種類、材料、属性の重ね合わせ(例えば、T1、T2)を含むが、これだけに限定されない他の特性を特定することができる。
【0017】
ある実施形態において、共鳴種の特徴づけは、第1の情報を第2の情報と比較することによって行うことができる。第1の情報は、取得したNMR信号、取得した信号展開、または取得したNMR信号もしくは取得した信号展開から導かれる情報を含むことができる。第2の情報は、格納されている信号展開、既知の信号展開、モデル化された信号展開、格納されている信号展開から導かれる情報、または信号展開ではない情報を含むことができる。信号展開から情報を導くことは、例えば、信号展開の変換、2以上の信号展開の変換、信号展開の組み合わせ、信号展開の分解、2以上の信号展開の分解、およびその他の数学的もしくは他の変換を含むことができる。
【0018】
第1の情報と第2の情報の比較は、パターンマッチング、選択、コスト関数の最小化、および最適化を含むが、これだけに限定されない様々な方法で行うことができる。パターンマッチングは、OMP、カテゴリカルシーケンスラベリング、回帰(regression)、クラスタリング、分類(classification)、実数値シーケンスラベリング、構文解析(parsing)アルゴリズム、ベイズ法、マルコフ法、アンサンブル学習法、およびテンプレート
マッチングを含むことができるが、これらだけに限定されない。最適化は、最小二乗最適化、正則化(regularized)最小二乗最適化、基底追跡(basis pursuit)最適化、およびマッチング追跡最適化を含むことができるが、これらに限定されない。
【0019】
比較の結果は、異なる形態を取ることができる。異なる実施形態において、比較の結果は、第1の情報が第2の情報に一致することの特定、第1の情報が第2の情報に許容差内で一致することの特定、および第1の情報が第2の情報に一致する一定パーセントの可能性があることの特定を含むことができるが、これらに限定されない。他の実施形態において、比較の結果は、共鳴種に関するT1の特定、共鳴種に関するT2の特定、拡散係数の特定、スピン密度の特定、共鳴周波数(例えば、化学シフト)の特定、および陽子密度の特定を含むことができるが、これらに限定されない。別の実施形態において、比較は、磁場の強度(例えば、B0,B1)の特定を含むことができ、または勾配磁場の強度の特定を含むことができる。さらに別の実施形態において、比較の結果は、組織の種類(例えば、脳、脳腫瘍)を特定することができ、または材料を特定することができる。このように、比較は、異なる結果を出すことができる。ある実施形態では、複数の結果を提供することができる。例えば、適した材料の重みづけリストを提供することができる。別の実施例では、複数の確率を提供することができる。
【0020】
例示的な装置および方法は、共鳴種によって生成されるのがどの信号であるはずかということを明確にするのではなく、検査する異なる共鳴種間で信号が異なるということだけを明確にする。従来のシステムと違い、異なるNMR信号は、一定の信号強度または信号位相をもたなくてもよい。組織または他の材料は、異なる信号を生成することがあるため、ある実施形態において、組織または他の材料を特徴づけるプロセスは、信号の経時変化におけるパターン認識に分類される。パターン認識は、例えば、いくつかのバリエーションの直交マッチング追跡(OMP)を使用して行うことができる。ある実施形態において、パターンマッチングは、取得した信号展開が所望の許容差内で既知の信号展開に一致するという結論を導くことができる。別の実施形態において、パターンマッチングは、既知の信号展開が取得した信号展開に一致する確率を特定することができる。別の実施形態において、比較は、取得した信号展開または取得した信号展開の関数である情報が既知の信号展開または1以上の既知の信号展開の関数である情報に所望の許容差内で一致するという結論を導くことができる。さらに別の実施形態において、比較は、取得した信号展開または取得した信号展開の関数である情報が既知の信号展開または1つ以上の既知の信号展開の関数である情報に一致する確率を特定することができる。例示的な装置および方法は、体積または被検体の中にあるかもしれない共鳴種を無視せずに、共鳴種間のコントラストの最大化を容易にする。このように、NMRフィンガープリンティングは、パラメータと体積内の共鳴種の特定の組み合わせに固有な特定の信号展開シグネチャ(例えば、フィンガープリント)を生成する一連の様々なシーケンスブロックを適用することに関わる。受信される信号に行われる処理は従来の再構成に関わるのではなく、むしろ信号展開、信号展開から導かれる情報、および他の情報を含むが、これらに限定されない既知の情報に照らした、受信されるNMR信号または判定される信号展開の分析に関わる。
【0021】
人体などの大きな被検体は、腕や脚および臀部などの小さな物体から構成されている。小さな物体は、さらに皮膚、筋肉、脂肪、骨、腱および補装具などの小部分から構成されている。これらの小部分は、さらに水分およびミネラルなどのさらに小さなものから構成されている。水分およびミネラルはそれ自体がさらに小さなもの(例えば、水素、酸素)から構成されており、それも今度はさらに小さなもの(例えば、核を旋回している電子)から構成されている。核は「スピン」を示す陽子を含むことができる。人体は多数の陽子を有し、したがって多数のスピンを有する。
【0022】
磁場の存在下においては、スピンの一部は、その磁場に対してある方向(例えば、N/S)に整列するが、他のスピンは、その磁場に対して反対方向(例えば、S/N)に整列する。従来のMRIは、ある方向への正味の整列が実現されるように磁場を操作する。従来のMRIはさらに、空間エンコーディングを可能にする磁場の局所的な差を実現するように磁場を操作する。例えば、より大きな磁場に局所変動を生むために、x、yおよびzの勾配を印加することができる。局所変動は、他のスピンを励起せずに、一部のスピンを励起させる。選択的な励起は、磁場とスピンとのラーモア関係により可能である。ラーモア関係は、スピンがRFエネルギーを受け入れる周波数がスピンが置かれる磁場とどのように関係づけられるかを説明する。
【0023】
局所変動が生じた状態で、RFエネルギーを局所変動に関連するスピンの選択集合に印加して、そのスピンを一定の方法で挙動させることができる。例えば、スピンを高エネルギー状態にさせて、そのデフォルト整列からずらすことができる。RFエネルギーを取り除くと、スピンはそのデフォルト整列に戻ることができ、または戻らせることができる。異なるスピンは異なる速度でそのデフォルト整列に戻るであろう。同様にスピンは、異なる理由でそのデフォルト整列に戻るであろう。スピンが強制的な整列から自然な整列に戻ると、スピンは、短時間検知できる信号を生成する。従来のシステムはこの短時間によって制限され、そのためスピンをある整列から外し、戻って信号を生成できる別の整列に傾けるプロセスを常に繰り返さなければならない。
【0024】
従来のMRと同様、NMRフィンガープリンティングは磁場を操作し、異なる周波数でRFエネルギーの印加を操作する。しかし、例示的な装置および方法は、包括的な探究的信号取得アプローチを使用する。ある実施形態において、NMRフィンガープリンティングは、RFエネルギーを様々に変更して印加することによって生じる様々に変更した条件に応答して体積が生成することになる信号を体積に生成させる疑似ランダムルーチンを採用する。ある実施形態において、NMRフィンガープリンティングは、受信される信号から展開する信号を、同様な条件で他の時点に他の取得から受信した既知の信号と、またはシミュレートした期待(expected)曲線もしくは予測(predicted)曲線の集合と比較す
る。受信される信号展開が既知の、シミュレートした、または予測した信号展開の閾値内に一致する、またはフィットすることができる場合、信号展開を生成した体積は、その一致またはフィットした信号展開を生成した体積と同じ数、種類および混合のスピンを保有する可能性が高い。フィットまたは一致した信号展開の物性または組織特性が入手できる場合、従来の特性判定を省略することができる。より一般的には、NMRフィンガープリンティング励起に応答して取得されるNMR信号に関連する第1の情報を、NMRフィンガープリンティング励起への基準の応答に関連する第2の情報と比較して、NMRフィンガープリンティング励起を受ける材料の特性を特徴づける。
【0025】
体積内の水分がRFエネルギーを受け入れる周波数は、水分が存在する磁場によって判定される。磁場が既知のとき、周波数を計算することができる。同じ体積内の脂肪がRFエネルギーを受け入れる周波数も、脂肪が存在する磁場によって判定される。この周波数も、磁場が既知のときに計算することができる。したがって、複数の周波数の印加は、複数の共鳴種に共鳴を引き起こすことができる。異なる時点に一連の異なる条件で複数の周波数を印加すると、共鳴種を異なる方法で共鳴させることができる。加えて、異なる時点に異なる条件で複数の周波数を印加すると、共鳴種を異なる方法で共鳴および緩和させることができる。異なる共鳴および異なる緩和は、共鳴種のある組み合わせに固有の信号展開を生じることができる。周波数は磁場によって判定されるため、周波数が既知のとき、受信した信号を基準の信号に照らして分析すると、磁場を判定することができる。
【0026】
体積が水分のみを有する場合、体積は1つの信号のみを生成する。体積が脂肪のみを有する場合、その体積も1つの信号のみを生成するが、異なる信号になる。同じ体積内で脂肪および水分の量が異なると、異なる信号を生じる。異なる条件で取得される信号の組み合わせはほぼ無限に固有の信号展開を生じることができる。人体は複雑なものであるが、ある観点からはそれほど複雑ではない。人体のどの体積も、有限集合の方法で配置される有限集合のものしか保有することができない。時間が経つにつれて、共鳴種の最適な組み合わせの多くに関連する信号展開を含むが、これだけに限定されない基準の情報の包括的ライブラリを取得して、NMRフィンガープリント装置に利用することができる。このライブラリは、基本シグネチャまたは既知の信号展開と呼ぶことのできる信号を格納することができる。異なる実施形態において、ライブラリは、シミュレートした信号展開か、または予測した信号展開のうち少なくともいずれか一方の信号展開を格納することができる。したがって、異なる実施例において、「既知」の信号展開は、以前に取得した信号展開およびシミュレートした信号展開のうち少なくともいずれか一方の信号展開を含むことができる。加えて、ディクショナリまたは他の基準のストアは、信号展開の関数である情報を含むことができる。例えば、2つの信号展開を異なる情報に結合することができる。同様に、1つの信号展開を異なる情報に変換することができる。信号展開も、信号展開から導かれ、計算され、またはその他の信号展開の関数である情報のどちらも格納することができる。加えて、ある実施形態において、ディクショナリまたは他の基準のストアは、信号展開として出発しなかった情報、または信号展開から導かれない情報を含むことができる。
【0027】
ある実施形態において、基本シグネチャは、基本シグネチャを生成するためにのみ分析した材料に関連づけることができる。例えば、信号展開を生成する様々なシーケンスブロックを使用して、一定時間の間にビーカー一杯分の水を分析することができる。同様に、共鳴させるビーカー一杯分の脂肪、骨、人工股関節、または他のものを分析し、選択した様々な条件の組み合わせで経時的に選択した様々なシーケンスブロックの組み合わせの適用に応答して、これらのものから信号展開を検索することができる。これらの信号は、分析する他の被検体の基本シグネチャとして使用することができる。
【0028】
別の実施形態において、基本シグネチャは、分析する被検体から取得することができる。被検体の体積は、従来の技法を使用して撮像することができ、NMRフィンガープリンティングを受けることもできる。例えば、脚の1%を従来のように撮像して、骨と他の組織の基本シグネチャを確立するために例示的なNMRフィンガープリンティングを使用して処理することもできる。1%を処理して、装置または方法を校正することができる。校正と取得した基本シグネチャを用いて、残りの99%は1%の処理によって確立された基本シグネチャに依拠するNMRフィンガープリンティングを使用して分析することができる。いくつかの体積がフィンガープリンティングのマッチングを行うことのできない信号を生成する場合でも、それらの体積は、単に従来のアプローチを使用して分析することができる。したがって、ある実施形態では、シグネチャを確立し、校正のために従来のアプローチとフィンガープリンティングの組み合わせアプローチを使用することができる。
【0029】
パターンマッチングを使用する取得した信号展開と既知の信号展開との比較には、異なるパラメータを有するシーケンスブロックを使用して取得する異なる組織の信号展開間の相互相関の分析を含むことができる。理想的には、信号展開は、既知の展開の多次元集合のまさに1つの構成要素にフィットするであろう。しかし、信号展開は2つ以上の基準の信号との関係を有することがある。したがって、ある実施形態において、信号展開と基準の信号との比較の結果は、信号展開が関係する基準の信号およびその関係を特徴づける測定の特定とすることができる。例えば、信号展開は、所望の許容差内の基準の信号の一致として特定することができる。同様に、信号展開は、基準の信号にx%一致しそうだと特定することができる。別の実施形態において、信号展開は、多数の基準の信号の加重和として特定することができる。多次元集合の1つの次元は、例えば、取得パラメータおよび励起パラメータの少なくともいずれか一方の第1の集合に関連づけることができる一方、多次元集合の2つ目の次元は、例えば、励起パラメータおよび取得パラメータの少なくともいずれか一方の第2の集合に関連づけることができるであろう。時間が経つにつれて、多次元集合の構成要素は、生データから得られるフィットに基づいて適応することができるであろう。時間が経つにつれて、より非対角項の寄与をもつ行列を生じるシーケンスブロックよりも、より単位行列のような結果を生じるシーケンスブロックおよび当該シーケンスブロックの組み合わせの少なくともいずれか一方を支持することができる。この観察結果に基づくシーケンスブロックおよび一連のシーケンスブロックのうち少なくともいずれか一方の適応は、例えば、MRフィンガープリンティングの特定のNMR装置の校正に寄与することができる。
【0030】
以下に本明細書で採用を選択した用語の定義を記載する。定義は用語の範囲に該当し、実施に使用されるかもしれない様々な実施例およびコンポーネントの形態の少なくともいずれか一方を含む。実施例は制限的なものとすることは意図されていない。用語の単数形および複数形の両方を定義の範囲内とすることができる。
【0031】
「ある実施形態」、「実施形態」、「ある実施例」、「実施例」などの言及は、そのように記述される実施形態(複数の実施形態)または実施例(複数の実施例)が特定の特徴、構造、特質、特性、要素または制限を含んでもよいが、すべての実施形態または実施例がその特定の特徴、構造、特質、特性、要素、または制限を必ずしも含んでいないことを示す。また、「ある実施形態では」という句を繰り返し使用することは、同じ実施形態をいうこともあるが、必ずしも同じ実施形態をいうのではない。
【0032】
本明細書で使用する「コンピュータ読取可能媒体」とは、信号、命令およびデータのうち少なくとも一つを格納する非一時的な媒体をいう。コンピュータ読取可能媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体を含むが、これらに限定されない形態を取ることができる。不揮発性媒体は、例えば、光ディスク、磁気ディクスなどを含むことができる。揮発性媒体は、例えば、半導体メモリ、ダイナミックメモリなどを含むことができる。コンピュータ読取可能媒体の一般的な形態は、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、ASIC、CD、その他の光学媒体、RAM、ROM、メモリチップまたはカード、メモリスティック、およびコンピュータ、プロセッサ、もしくは他の電子機器が読み取ることのできる他の媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用する「論理」は、機能もしくは作用を行うため、および/または別の論理、方法、および/またはシステムから機能もしくは作用を行わせるため、マシン上で実行されているハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれぞれの組み合わせを含むが、これらに限定されない。論理は、ソフトウェア制御マイクロプロセッサ、個別論理(例えば、ASIC)、アナログ回路、デジタル回路、プログラムドロジックデバイス、命令を内蔵するメモリデバイスなどを含むことができる。論理は、1つ以上のゲート、ゲートの組み合わせ、または他の回路コンポーネントを含むことができる。複数の論理的論理が記述される場合、当該複数の論理的論理を1つの物理的論理に組み込むことが可能である。同様に、1つの論理的論理を記述する場合、その1つの論理的論理を複数の物理的論理間に分散することが可能である。
【0034】
「動作可能接続」、またはエンティティが「動作可能に接続」される接続とは、信号、物理的通信、および論理的通信のうち少なくとも一つについて送信および受信の少なくともいずれか一方ができるものである。動作可能接続は、物理的インターフェース、電気的インターフェース、およびデータインターフェースのうち少なくとも一つのインターフェースを含むことができる。動作可能接続は、動作可能制御を実現するのに十分なインターフェースおよび/または接続の様々な組み合わせを含むことができる。例えば、2つのエンティティを動作可能に接続して、信号を互いに直接、または1つ以上の中間エンティティ(例えば、プロセッサ、オペレーティングシステム、論理、ソフトウェア)を通じて通信することができる。論理的通信チャネルおよび物理的通信チャネルの少なくともいずれか一方のチャネルを使用して、動作可能接続を作ることができる。
【0035】
本明細書で使用する「信号」は、電気信号、光学信号、アナログ信号、デジタル信号、データ、コンピュータ命令、プロセッサ命令、メッセージ、ビット、ビットストリーム、または受信、送信、および/もしくは検知することのできる他の手段を含むが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で使用する「ユーザ」は、1以上の人、ソフトウェア、コンピュータ、もしくは他のデバイス、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
以下の詳細な説明の一部は、メモリ内のデータビットの演算のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示する。これらのアルゴリズム記述および表現は当業者がその作業の実体を他者に伝えるために使用する。アルゴリズムとは、ここで、また一般的に、結果を生成する演算のシーケンスとされる。演算は、物理的な量の物理的な操作を含むことができる。通常、必然ではないが、物理的な量は、論理などに格納、転移、組み合わせ、比較、およびその他操作することのできる電気信号または磁気信号の形態を取る。物理的な操作は、具体的で、有形で、有用な現実世界の結果を生む。
【0037】
主に一般に使用されているために、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、項、数などということが時に便利であることが分かっている。しかし、これらの用語および同様な用語は、適切な物理的な量に関連づけられるべきであり、これらの量に付けられる単なる便宜上のラベルにすぎないことに留意するべきである。特に別の記載がない限り、説明を通して、処理、計算、判定などを含む用語は、コンピュータシステム、論理、プロセッサ、または物理的な(電子的な)量として表されるデータを操作および変換する同様な電子機器の作用およびプロセスをいうことは理解される。
【0038】
例示的な方法は、フロー図を参照するとよりよく理解できる。説明を簡潔にするために、図示する方法論は一連のブロックとして示して説明しているが、いくつかのブロックは、図示して説明するものとは異なる順番で、および/または他のブロックと同時に行うことができるので、方法論はブロックの順番によって制限されないことは理解されるであろう。さらに、例示的な方法論を実施するために、図示するブロックのすべてが必要ではないことがある。ブロックを組み合わせ、または複数の成分に分けることができる。また、追加のおよび代替の少なくともいずれか一方の方法論は、図示していない追加のブロックを採用することができる。
【0039】
図1は、2つの共鳴種R1およびR2を含有する体積100(例えば、ボクセル)を示す。R1およびR2は、異なる特性(例えば、緩和パラメータ、非緩和パラメータ)を有することがある。例えば、T1R1はT1R2よりも小さいが、T2R1はT2R2よりも大きいかもしれない。別の実施例において、R1のスピン密度は、R2のスピン密度とは異なることがある。従来のシステムは、T1重みづけデータ集合を取得してから、T2重みづけデータ集合を取得し、さらにデータ集合を位置合わせすることができる。例示的な装置および方法は、体積100にR1およびR2の両方から異なるNMR信号を同時に生成させる一連の様々なシーケンスブロックでRFエネルギーを印加する。信号展開は、これら同時に生成される異なるNMR信号から生成できる。緩和パラメータ(例えば、T1、T2)および非緩和パラメータ(例えば、拡散係数、スピン密度、陽子密度、磁場強度)を含む情報は、取得した信号を基準の情報と比較することによって、信号展開から判定することができる。ある実施形態において、比較は、緩和パラメータが既知の他の信号展開とのパターンマッチングを含むことができる。それから、共鳴種R1およびR2を特徴づけることができる。異なる組織は異なる既知の特性(例えば、緩和パラメータ、非緩和パラメータ)を有するため、異なる組織は特徴づけを用いて識別することができる。2つの共鳴種が図示されているが、当業者は、体積がそれより多い数または少ない数の共鳴種を含むことがあることを認識するであろう。そのため、例示的な方法および装置は、複数の共鳴種を有する体積により広く適用する。
【0040】
図2は、体積100内の2つの共鳴種R1およびR2から受信される2つの個々のNMR信号NMR1およびNMR2のプロットを示す。NMR1は、異なる時点に異なる条件でR1によって生成されるデータ点を含む。NMR2は、異なる時点に異なる条件でR2が生成するデータ点を含む。信号展開SEは、同時に生成および取得されるNMR1およびNMR2から得られる。NMR1およびNMR2のデータ点が取得される空間は(k,t,E)空間ということができ、様々な実施例において、Eは(T1,T2,D),(T1,T2,D,...),(T1,T2,...)をいい、Dは拡散緩和をいう。ある実施例では、tとEの両方が非線形であるかもしれない。別の実施例では、tとEの両方が疑似ランダムであるかもしれない。繰り返すが、2つの共鳴種に関連する2つのプロットを図示しているが、当業者は、体積がこれより多い数または少ない数の共鳴種を含むことがあり、そのため多い数または少ない数の信号を生成することがあることを認識するであろう。そのため、例示的な方法および装置は、1つ以上の共鳴種を有する体積により広く適用される。
【0041】
図3は、従来のシーケンスブロックを例示的なシーケンスブロックと比較し、対比している。シーケンスブロック300は、準備フェーズ310と取得フェーズ320とを含む。取得フェーズ320中、同じフリップ角と同じ取得間隔を使用した複数の取得を行うことができる。取得フェーズ320は、(k,t)空間からデータを取得するDonevaのアプローチに似ており、tが一定にまたは線形に変化する。一定の変化は、従来の画像再構成に必要な一定の振幅および位相をもつ信号の取得を容易にする。
【0042】
シーケンスブロック330は、フェーズ340および取得フェーズ350も含む。取得フェーズ350は、取得フェーズ320よりもはるかに長いことに注目されたい。パラメータが固定され、または線形に変わる取得フェーズ320と異なり、取得フェーズ350において、パラメータは非線形、ランダム、および疑似ランダムのうちの少なくともいずれか一つで幅広く変わることができる。変化することのできるパラメータは、エコー時間、フリップ角、位相エンコーディング、およびその他を含むが、これらに限定されない。フェーズ340は、いくつかの実施例において、準備フェーズまたは準備様フェーズとすることができるが、そのフェーズ340は必ずしも従来の準備を行うわけではないことにも注目されたい。
【0043】
図9は、別の例示的なシーケンスブロックの集合を示す。
図9において、第1のシーケンスブロックSB1は、第1のアルファパルスα1と、一連の同一のα2パルスとを有する。
図9において、第2のシーケンスブロックSB2は、同じ第1のアルファパルスα1と、異なる一連の同一のα2パルスとを有する。フェーズは、α2パルスについては同じにすることができる。このように、この実施例において、シーケンスブロックの集合の構成要素間の唯一の違いは、α2パルスの数である。当業者は、他のシーケンスブロックの集合も採用できることを認識するであろう。
【0044】
図4は、NMRフィンガープリンティングに関連する方法400を示す。方法400は、410において、被検体の体積にRFエネルギーを印加するためにNMR装置を制御する工程を含む。体積は1以上の共鳴種を含有することができる。ある実施形態において、被検体は人であり、したがって共鳴種は、組織、脂肪、水分、水素、および補装具を含むことができるが、これらに限定されない。
【0045】
RFエネルギーを一連の可変シーケンスブロックで印加することができる。シーケンスブロックは、エコー時間、フリップ角、位相エンコーディング、拡散エンコーディング、フローエンコーディング、RFパルス振幅、RFパルスフェーズ、RFパルス数、シーケンスブロックの励起部分とシーケンスブロックの読み出し部分との間に印加される勾配の種類、シーケンスブロックの励起部分とシーケンスブロックの読み出し部分との間に印加される勾配数、シーケンスブロックの読み出し部分とシーケンスブロックの励起部分との間に印加される勾配の種類、シーケンスブロックの読み出し部分とシーケンスブロックの励起部分との間に印加される勾配数、シーケンスブロックの読み出し部分の間に印加される勾配の種類、シーケンスブロックの読み出し部分の間に印加される勾配数、RFスポイリングの量、および勾配スポイリングの量を含むが、これらに限定されない多数のパラメータで変えることができる。様々な実施形態において、2,3,4またはそれ以上のパラメータがシーケンスブロック間で変わることができる。様々な実施形態において、シーケンスブロック間で変わるパラメータの数はそれ自体が変わることができる。例えば、A1(シーケンスブロック1)はA2とは5つのパラメータが異なり、A2はA3とは7つのパラメータが異なり、A3はA4とは2つのパラメータが異なる。当業者は、この多数のパラメータを変えることによって作ることのできる一連のシーケンスブロックの数はほぼ無限にあることを認識するであろう。ある実施形態において、一連のシーケンスブロックは、その一連の様々なパラメータによって定義される固有のシーケンスブロックについて異なる量(例えば、1%、2%、5%、10%、50%、99%、100%)を有するように細かく決められる。様々な実施形態において、一連のシーケンスブロックは10よりも多く、100よりも多く、1000よりも多く、1万よりも多く、および10万よりも多くのシーケンスブロックを含むことができる。ある実施形態において、連続するシーケンスブロック間の唯一の違いは、
図9に図示するα2パルスの数であることがある。
【0046】
シーケンスブロック中に印加されるRFエネルギーは、異なる個々の共鳴種に個々のNMR信号を同時に生成させるように構成されている。従来のシステムと違って、一連の可変シーケンスブロックの少なくとも1つの構成要素は、少なくともN個のシーケンスブロックのパラメータにおいて一連の可変シーケンスブロックの少なくとも1つの他の構成要素と異なっており、Nは1よりも大きい整数である。当業者は、信号展開の信号量がNに正比例することを理解するであろう。したがって、多くのパラメータが変わるほど、潜在的によりリッチな信号が検索される。従来、撮像を容易にするには一つのパラメータに依存する信号が望ましく、必要である。ここでは、情報量が大きい信号を取得することによって、より区別でき識別可能な信号展開の生成が容易となる。
【0047】
ある実施形態において、NMR装置は、410においてアンダーサンプリングレートRで被検体をアンダーサンプリングするように構成された部分的なランダム取得計画に従って、一連の可変シーケンスブロックの構成要素を適用するよう制御することができる。様々な実施例において、レートRは、例えば、2,4またはそれ以上にすることができる。
【0048】
方法400は、420において、同時に生成される個々のNMR信号を取得するようにNMR装置を制御する工程も含む。NMR信号を取得できる時間が厳しく制限される(例えば、4〜5秒)従来のシステムとは異なり、NMR装置は、相当長期間の間、NMR信号を取得するように制御することができる。例えば、NMR装置は、10秒まで、20秒まで、100秒まで、またはそれ以上の間、信号を取得するように制御することができる。410において印加される一連の様々なRFエネルギーに応答してより長期間の間、信号情報量が実用可能なままであるため、NMR信号をより長期間の間、取得することができる。様々な実施形態において、信号展開の情報量は、少なくとも5秒間、少なくとも10秒間、少なくとも60秒間、またはそれ以上の間、情報量閾値を上回ったままとすることができる。情報量閾値は、例えば、その後の信号取得が、検索可能で以前の信号取得で取得された情報とは異なる情報を含む程度まで記述することができる。例えば、検索可能な情報をもたない信号は、おそらく情報量閾値未満になるであろうが、以前の信号から検索した情報とは異なる検索可能な情報をもつ信号は、おそらく情報量閾値を上回るであろう。
【0049】
方法400は、430において、取得したNMR信号から信号展開を判定するようにNMR装置を制御する工程も含む。信号展開の判定は、作用420中に取得した(k,t,E)空間のデータ点の格納を含むことができる。個々のシーケンスブロックは、(k,t,E)空間に1つの点を生じることができるため、信号展開は、一連の可変シーケンスブロックにより判定される。時間が経つにつれて、特に有用な信号展開を生じる一連の可変シーケンスブロックを特定することができる。
【0050】
ある実施形態では、420において第1の期間に同時に生成される信号が取得され、430において第2の期間に信号展開が判定される。様々な実施形態において、第1の期間は10秒以上、60秒以上、およびさらにそれ以上とすることができる。加えて、様々な実施形態において、第2の期間は10秒以上、60秒以上、およびさらにそれ以上とすることができる。
【0051】
方法400は、440において、第1の情報を基準の情報と比較するようにNMR装置を制御する工程も含む。第1の情報は、例えば、信号展開とすることができる。基準の情報は、例えば、既知の、格納されている、シミュレートされた、および予測されるうちの少なくともいずれか一つの信号展開とすることができる。基準の情報は、既知の、格納されている、シミュレートされた、または予測される信号展開の関数として生成される情報を含むこともできる。基準の情報は、例えば、信号展開の変換、信号展開の組み合わせ、信号展開の分解、およびその他の演算により生成することができる。様々な実施例において、「格納されている」信号展開は、以前に取得された信号、シミュレートされた信号、またはその両方を含むことができる。ある実施形態において、格納されている信号展開は、被検体から取得したのではない信号に関連するが、別の実施形態において、格納されている信号展開は、被検体から取得した信号に関連する。ある実施形態において、格納されている信号は、分析する被検体から取得した信号および分析する被検体から取得したのではない信号に関連づけることができる。
【0052】
格納されている信号および基準の信号展開から導かれる情報は、潜在的に非常に大きなデータ空間に関連づけることができる。したがって、当業者は、格納されている信号展開および基準の信号展開から導かれる情報は、次の式によって特徴づけられる信号展開の集合の範囲外の信号を含むことができることを認識するであろう。
【0053】
SE=A−Be
-t/C
上記式において、
SEは信号展開であり、
Aは定数であり、
Bは定数であり、
tは時間であり、
Cは1つの緩和パラメータである。
【0054】
実際、当業者は、信号展開の非常の大きなデータ空間が次の式によって一部記述できることを認識するであろう。
【0055】
【数1】
上記式において、
SEは信号展開であり、
N
Aはシーケンスブロックの数であり、
N
RFはシーケンスブロックにおけるRFパルスの数であり、
αはフリップ角であり、
Φは位相角であり、
Ri(α)はオフ共鳴による回転であり、
R
RFij(α,Φ)はRFの差による回転であり、
R(G)は勾配による回転であり、
T1はスピン−格子緩和であり、
T2はスピン−スピン緩和であり、
Dは拡散緩和であり、
E
i(T1,T2,D)は磁化の変化に関する。
【0056】
E
i(T1,T2,D)は一例として提供されているが、当業者は、様々な実施形態において、E
i(T1,T2,D)が実際にはE
i(T1,T2,D,...)、またはE
i(T1,T2,...)とすることができることを認識するであろう。
【0057】
ある実施例において、例えば次のように、jの和はjの積と置換できるであろう。
【0058】
【数2】
NMR、MRI、またはESR(電子スピン共鳴)において、ブロッホ式は、緩和時間T
1およびT
2が存在する場合に時間の関数として核磁化M=(M
x,M
y,M
z)を計算するために使用される巨視的式の集合の構成要素である。これらの現象論的式はフェリックス・ブロッホによって紹介され、核磁化の運動式とも呼ばれることがある。当業者は、ある実施形態において、Ri(α)、R
RFij(α,Φ)およびR(G)がブロッホの式として見ることができることを認識するであろう。
【0059】
図4は、順次発生する様々な作用を図示しているが、
図4に図示する様々な作用は、実質的に並列で発生できることが認識されるであろう。例として、第1のプロセスは、RFエネルギーを印加する制御を行うことができ、第2のプロセスは、NMR信号の取得と信号展開の判定の制御を行うことができ、第3のプロセスは、比較を行うことができるであろう。3つのプロセスを記載しているが、これより多い数および少ない数のうちの少なくともいずれか一方の数のプロセスを採用できることが認識されるであろう。
【0060】
図5は、方法400(
図4)の別の実施形態を示す。この実施形態は作用410,420,430および440を含む。しかし、この実施形態は作用412,414,416および450も含む。
【0061】
方法400のこの実施形態は、412において、シーケンスブロック間の時間量、シーケンスブロックの相対振幅、およびシーケンスブロックの相対位相のうちの1つ以上を変化させるようにNMR装置を制御する工程を含む。このように、シーケンスブロック間において個々のパラメータ(例えば、フリップ角、位相)を変えることができるだけでなく、シーケンスブロック間の時間およびシーケンスブロック間の他の違いも変えることができる。これにより信号展開における追加の信号量を生み出しやすくなる。
【0062】
方法400のこの実施形態は、414において、一連の可変シーケンスブロックの構成要素を、TrueFISPパルスシーケンス、FLASHパルスシーケンス、およびTSEパルスシーケンスのうちの1つとして構成するように、NMR装置を制御する工程も含む。作用414は、シーケンスブロックの集合が必ずしも従来のパルスシーケンスと同じものではないことを示している。シーケンスブロックが従来のパルスシーケンスと異なるのは、少なくとも、一定していない振幅および位相を有する(k,t,E)空間にNMR信号を生成する非線形に可変するΔtおよびΔEが妨げられずに促進されるという理由のためである。
【0063】
方法400のこの実施形態は、416において、一連の可変シーケンスブロックの前の構成要素の適用に応答して取得されるNMR信号に少なくとも部分的に基づいて、一連の可変シーケンスブロックの後の構成要素を構成するようにNMR装置を制御する工程も含む。このように、方法400のこの実施形態は、一連の様々なシーケンスブロックの構成要素の順序が事前に不明な可能性がある場合に適応できる方法である。代わりに、(k,t,E)空間内のデータ点が取得され、信号が展開すると、変化するべき異なるシーケンスブロックおよび異なるパラメータ集合に関する決定を行うことができる。例として、(k,t,E)空間内のデータ点の最初の数および展開する信号は、ある緩和パラメータ判定へと誘導していき、別の緩和パラメータ判定から遠ざかっていくことができる。そのため、これらの誘導のいずれかを確認および拒否の少なくともいずれか一方ができるシーケンスブロックが当該一連のシーケンスブロックにおいて次に適用されて、パターンマッチングプロセスにおいてガイドされるよりも速い収束を促すことができる。
【0064】
方法400のこの実施形態は、450において、共鳴種のうちの少なくとも1つを特徴づけるようにNMR装置を制御する工程も含む。ある実施形態において、特徴づけは、信号展開を1つ以上の格納されている(例えば、既知の、シミュレートした、予測した)信号展開と比較する関数とすることができる。取得した信号展開を格納されている信号展開と比較することは、例えば、信号展開をNMR信号展開の多次元集合の構成要素と比較するようNMR装置を制御することを含むことができる。多次元集合の第1の次元は、シーケンスブロックパラメータの第1の集合に関連づけることができ、多次元集合の第2の次元は、シーケンスブロックパラメータの第2の異なる集合に関連づけることができる。信号展開は経時的に展開するので、多次元集合は時間次元を含むことができ、パターンマッチングプロセスは、信号展開の進行を監視するパスマッチングプロセスを含むことができる。加えて、ある一連の様々なシーケンスブロックは、別の一連の様々なシーケンスブロックとは異なることがあるため、多次元集合は順序の次元を含むことができ、繰り返すが、パターンマッチングプロセスは、単なるパターンマッチングに対してパスマッチングすることができる。
【0065】
共鳴種の特徴づけは、例えば、共鳴種に関連するT1緩和、共鳴種に関連するT2緩和、共鳴種に関連するオフ共鳴緩和、および共鳴種に関連する拡散重みづけ緩和を含むが、これらに限定されない緩和パラメータの特定を含むことができる。共鳴種の特徴づけは、例えば、拡散係数、スピン密度、陽子密度、磁場強度、勾配磁場強度、組織の種類、および材料の種類を含むが、これらに限定されない緩和パラメータではない特性の特定も含むことができる。
【0066】
図6は、NMR装置600を示す。NMR装置600はNMR論理610を含む。NMR論理610は、(k,t,E)空間内の被検体を反復的かつ可変的にサンプリングして、一定しない振幅および位相の少なくともいずれか一方を有することのできるNMR信号の集合を取得するように構成されている。NMR信号の集合の各構成要素は、(k,t,E)空間内の別々の点に関連づけられている。様々な実施形態において、各点は、tおよび/またはEが非線形および/または一定でない方法で変化するプランに従ってサンプリングされる。
【0067】
NMR装置600は信号論理620も含む。信号論理620は、NMR信号からNMR信号展開を生成するように構成されている。信号展開は、ある期間中に取得される多数のNMR信号を含むことができる。
【0068】
NMR装置600はマッチング論理630も含む。マッチング論理630は、生成されるNMR信号展開または生成されるNMR信号展開に関連する情報を基準の情報と比較するように構成されている。基準の情報は、例えば、以前に取得した信号展開、シミュレートした信号展開、生成したNMR信号展開以外の信号展開から導かれるもの、および他の情報とすることができる。
【0069】
図7は、装置600(
図6)の別の実施形態を示す。装置600のこの実施形態は特徴づけ論理640を含む。特徴づけ論理640は、被検体の共鳴種を特徴づけるように構成されている。共鳴種の特徴づけは、NMR信号展開またはNMR信号展開から導かれる情報を基準の情報と比較することを含むことができる。基準の情報は、例えば、特徴づけ信号展開、特徴づけ信号展開から導かれる情報、および他の情報を含むことができる。共鳴種の特徴づけは、T1緩和、T2緩和、拡散重みづけ緩和、オフ共鳴緩和を含むが、これらに限定されない緩和パラメータの特定を含むことができる。共鳴種の特徴づけは、拡散係数、スピン密度、陽子密度、組織の種類、および材料の種類を含むが、これらに限定されない非緩和パラメータの特定を含むことができる。
【0070】
マッチング論理630(
図6)および特徴づけ論理640(
図7)は、NMR装置600の一部として示しているが、ある実施形態において、マッチング論理630および特徴づけ論理640の少なくともいずれか一方の論理は、NMR装置600とは別の装置に常駐することができる。この実施形態において、NMR装置600は、マッチング論理630および特徴づけ論理640を収容する個別の装置にNMR信号を供給することができる。ある実施形態でにおいて、マッチング論理630および特徴づけ論理640は、別個の装置に常駐することができる。
【0071】
図8は、MRフィンガープリンティングを容易にするためにフィンガープリント装置899とともに構成された例示的なMR装置800を示す。フィンガープリント装置899は、本明細書で説明する例示的な装置の要素とともに構成することができ、および/または本明細書で説明する例示的な方法を行うことができる。フィンガープリント装置899は、MR装置800の一部として示しているが、ある実施例において、フィンガープリント装置899は、別個の1台の装置または複数の装置にすることができる。
【0072】
装置800は、基本界磁石810と基本界磁石電源820とを含む。理想的には、基本界磁石810は均一なB0磁場を生じるであろう。しかし、実際には、B0磁場は均一ではないかもしれず、MR装置800で分析する被検体にわたって変化するかもしれない。MR装置800は、GS、GPおよびGRなどの勾配磁場を発するように構成された勾配磁場コイル830を含むことができる。勾配磁場コイル830は、少なくとも部分的には、勾配磁場コイル電源840によって制御することができる。いくつかの実施例では、MR手順中に、勾配磁場のタイミング、強度および配向を制御することができ、したがって、選択的に適応させることができる。
【0073】
MR装置800はRFパルスを生成し、RFパルスが向けられる被検体から得られる核磁気共鳴信号を受信するように構成されたRFアンテナ850のセットを含むことができる。いくつかの実施例では、パルスをどのように生成するかと、得られるMR信号をどのように受信するかを制御することができ、したがって、MR手順中に選択的に適応させることができる。個別のRF送受信コイルを採用することができる。RFアンテナ850は、少なくとも部分的には、RF送信ユニット860のセットによって制御することができる。RF送信ユニット860は、信号をRFアンテナ850に供給することができる。
【0074】
勾配磁場コイル電源840およびRF送信ユニット860は、少なくとも部分的には、制御コンピュータ870によって制御することができる。ある実施例において、制御コンピュータ870は、NMRデバイスを本明細書で説明したとおりに制御するようにプログラミングすることができる。従来、RFアンテナ850から受信する磁気共鳴信号は、画像を生成するために採用することができ、したがって、ピクセルで構成された画像データを生成する二次元FFTなどの変換プロセスを受けることがある。変換は、画像コンピュータ880または他の同様な処理デバイスで行うことができる。画像データは、さらにディスプレイ890に表示することができる。
【0075】
しかしながら、フィンガープリント装置899は、RFアンテナ850から受信するMR信号からの画像を従来のように再構成せずに済ますことを促す。したがって、装置800によって被検体に印加されるRFエネルギーは、実質的に一定の振幅または位相をもつ信号の生成に制約される必要はない。代わりに、フィンガープリント装置899は、受信した信号を、再構成、緩和パラメータ、または他の情報がすでに利用できる既知の信号にマッチングすることを容易にする。これにより定量的な結果の生成が容易になる。
【0076】
図8は、様々な方法で接続されている様々なコンポーネントを含む例示的なMR装置800を示しているが、他のMR装置が他の方法で接続される他のコンポーネントを含むことができることは認識されるであろう。
【0077】
図10a〜
図10bは、例示的な磁気共鳴フィンガープリンティング(MRF)シーケンスパターンを示す。核磁気共鳴フィンガープリンティングと磁気共鳴フィンガープリンティングという用語は、本明細書において交換可能に使用される。
図10aは、異なるTRで様々なシーケンス成分が疑似ランダムパターンで変化する例示的な取得シーケンス図を示す。この基本取得スキームは、完全な取得の300TRについて画像を完全にエンコードするために、異なる空間エンコーディング勾配で繰り返されるように示されている。
図10bは、FAおよびTRパターンの実施例を示す。
【0078】
図11a〜
図11cは、例示的な信号特性およびマッチング結果を示す。
図11aは、4つの正常な脳組織に対応する例示的なシミュレートした信号展開曲線を示す。オフ共鳴の白質からの例示的な信号展開曲線も描いている。
図11bは、取得した信号展開曲線のある実施例とディクショナリとの比較を示す。検索されたT1、T2、陽子密度およびオフ共鳴値は、それぞれ800ms、60ms、0.85e−5、および−4Hzである。
図11cは、マッチングアルゴリズムから検索されたT1およびT2の値を示す。10個の人体模型からの信号の比較を、標準的なスピン−エコーシーケンスから取得した値とともに示す。T1およびT2の比較におけるR2値は、それぞれ0.9952および0.986である。
【0079】
図12a〜
図12dは、NMRフィンガープリンティングに関連するインビボ結果を示す。
図12aはT1マップ(ms)を示し、
図12bはT2マップ(ms)を示し、
図12cはオフ共鳴マップ(Hz)を示し、
図12dは陽子密度マップを示す。
図12a〜
図12dを生成する情報は、ある例示的MRFを使用して同時に取得した。
【0080】
図13は、取得した情報を基準の情報と比較するように構成された装置1300を示す。装置1300は、NMR装置1350から第1のデータ集合を受信するように構成された第1論理1310を含む。NMR装置1350は、被検体に関連する(k,t,E)空間を反復的かつ可変的にサンプリングして、NMR信号の集合を取得するように構成されている。データ集合の各構成要素は(k,t,E)空間内の別々の点に関連づけられており、tは時間で、EはT1、T2、および他の1つのパラメータのうちの少なくとも1つを含み、T1はスピン−格子緩和、T2はスピン−スピン緩和であり、tおよびEのうちの1つ以上は非線形に変化する。
【0081】
装置1300は、第1のデータ集合からNMR信号展開を生成するように構成された信号論理1320も含む。ある実施形態において、(k,t,E)空間は、2つ以上の異なるシーケンスブロックに従って被検体にRFエネルギーを印加する関数として生成される。1つのシーケンスブロックは、1つ以上の励起フェーズ、1つ以上の読み出しフェーズ、および1つ以上の待機フェーズを含んでおり、2つ以上のシーケンスブロックのうちの少なくとも1つの構成要素は、2つ以上のシーケンスブロックのうちの少なくとも1つの他の構成要素とはシーケンスブロックにおけるα2パルスの数、シーケンスブロックにおけるα2パルスの間隔、シーケンスブロックにおけるα2パルスの位相、およびシーケンスブロックにおけるα2パルスの振幅のうちの少なくとも1つが異なることを思い出されたい。
【0082】
装置1300は、少なくとも部分的に、第1のデータ集合と基準のデータ集合との比較に基づいて、被検体を特徴づけるように構成された特徴づけ論理1340も含む。ある実施形態において、特徴づけ論理1340は、診断画像を生成するのに適した画像ピクセルデータを提供するように構成することができる。画像ピクセルデータは、第1のデータ集合と基準のデータ集合との比較および基準のデータ集合と画像ピクセルデータとの比較から特定される。別の実施形態において、特徴づけ論理1340は、診断情報を提供するように構成することができる。診断情報は、第1のデータ集合と基準のデータ集合との比較および基準のデータ集合と画像ピクセルデータとの比較から特定される。
【0083】
ある実施形態において、被検体の特徴づけは、被検体に関連するT1、被検体に関連するT2、被検体に関連する拡散係数、被検体に関連するスピン密度、被検体に関連する陽子密度、被検体が暴露される磁場、被検体が暴露される勾配磁場、被検体の組織の種類および被検体の識別情報(identification)を含むがこれらに限定されないものに関する情報の提供を含む。
【0084】
ある実施形態において、被検体の特徴づけは、第1のデータ集合に関係する基準のデータ集合の一部分の特定、基準のデータ集合の一部分が第1のデータ集合に関係する程度の特定、および基準のデータ集合の一部分が第1のデータ集合に関係する可能性の特定を含むが、これらに限定されない作用の実行を含むことができる。
【0085】
ある実施形態において、第1のデータ集合は、NMRフィンガープリンティング励起に応答して被検体から取得されるNMR信号、NMRフィンガープリンティング励起に応答して被検体から取得されるNMR信号から生成される信号展開、およびNMRフィンガープリンティング励起に応答して被検体から取得されるNMR信号から生成される信号展開から導かれる情報を含むが、これらに限定されないデータを有することができる。信号展開から導かれる情報は、例えば、信号展開の変換により導かれる情報、信号展開を1つ以上の他の信号展開と組み合わせて導かれる情報、および信号展開の分解により導かれる情報を含むことができる。
【0086】
様々な実施形態において、基準のデータ集合は、以前に取得したNMR信号、モデル化されたNMR信号、以前に取得された信号展開、モデル化された信号展開、基準の信号展開から導かれる情報、および非信号展開情報を含むことができるが、これらに限定されない。基準の信号展開から導かれる情報は、基準の信号展開の変換により導かれる情報、基準の信号展開を1つ以上の他の基準の信号展開と組み合わせて導かれる情報、および基準の信号展開の分解により導かれる情報を含むことができるが、これらに限定されない。
【0087】
ある実施形態において、第1のデータ集合と基準のデータ集合との比較は、パターンマッチング、選択、最小化、および最適化を含むことができるが、これらに限定されない。パターンマッチングは、直交マッチング追跡、カテゴリカルシーケンスラベリング、回帰、クラスタリング、分類、実数値シーケンスラベリング、構文解析、ベイズ法、マルコフ法、アンサンブル学習法、およびテンプレートマッチングを含むことができるが、これらに限定されない。最適化は、最小二乗最適化、正則化最小二乗最適化、基底追跡最適化、およびマッチング追跡最適化を含むことができるが、これらに限定されない。
【0088】
例示的なシステム、方法などを実施例を説明することにより示し、また実施例はかなり詳細に説明してきたが、添付の請求項の範囲をかかる詳細に制限し、または何らかの形で限定することは出願人の意図ではない。本明細書で説明するシステム、方法などを説明するために、コンポーネントまたは方法論の考えられるすべての組み合わせを説明することは無論できない。そのため、本発明は、図示および説明される特定の細部、代表的な装置および例示的な実施例に限定されるものではない。したがって、本出願は、添付の請求項の範囲内にある変更、修正、および変型を包含することが意図される。
【0089】
詳細な説明または請求項で「含む(includes)」または「含み(including)」と言う
用語を採用している限りにおいて、請求項で移行語として採用されるときその用語がそのように解釈されるように、「備える(comprising)」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【0090】
詳細な説明または請求項で「または」という用語が採用される限りにおいて(例えば、AまたはB)、「AもしくはBまたは両方」を意味することが意図されている。出願人が「AまたはBだけであり、両方ではない」を示すことを意図する場合、「AまたはBだけであり、両方ではない」という言葉を採用する。したがって、本明細書における「または」という用語の使用は包括的であり、限定的な使用ではない。ブライアン A.ガーナー(Bryan A. Garner)のA Dictionary of Modern Legal Usage 624(現代法律用語辞書6
24)(第2版、1995年)を参照されたい。
【0091】
本明細書において「A、B、およびCのうちの1つ」という句を採用する限りにおいて(例えば、A、B、およびCのうちの1つを格納するように構成されたデータストア)、可能性A、B、およびCの集合を伝えることが意図されている(例えば、データストアはAのみ、Bのみ、またはCのみを格納することができる)。Aのうちの1つ、Bのうちの1つ、およびCのうちの1つを要求することが意図されるのではない。出願人が「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を示すことを意図する場合、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」という句を採用する。
【0092】
本明細書において「A、B、およびCのうちの1つ以上」という句を採用する限りにおいて(例えば、A、B、およびCのうちの1つ以上を格納するように構成されたデータストア)、可能性A、B、C、AB、AB、BC、ABC、AA...A、BB...B、CC...C、AA...ABB...B、AA...ACC...C、BB...BCC...C、またはAA...ABB...BCC...Cの集合を伝えることが意図されている(例えば、データストアは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A&B、A&C、B&C、A&B&C、またはA、BまたはCの複数の例を含めてその他の組み合わせを格納することができる)。Aのうちの1つ、Bのうちの1つ、およびCのうちの1つを要求することが意図されているわけではない。出願人が「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を示すことを意図する場合、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」という句を採用する。