特許第6557764号(P6557764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6557764アクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557764
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】アクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20190729BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20190729BHJP
   H04W 28/10 20090101ALI20190729BHJP
【FI】
   H04W52/02 111
   H04W88/08
   H04W28/10
【請求項の数】40
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-162763(P2018-162763)
(22)【出願日】2018年8月31日
(62)【分割の表示】特願2016-247595(P2016-247595)の分割
【原出願日】2011年8月11日
(65)【公開番号】特開2019-9804(P2019-9804A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2018年8月31日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0022324
(32)【優先日】2011年3月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】61/417,528
(32)【優先日】2010年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/412,489
(32)【優先日】2010年11月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】2361/CHE/2010
(32)【優先日】2010年8月17日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨン スウ
(72)【発明者】
【氏名】クォン, ユイ クン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/149598(WO,A1)
【文献】 Robert Stacey et al.,Specification Framework for TGac ,doc.:IEEE 802.11-09/0992r13,2010年 7月15日
【文献】 Byeongwoo Kang, et al.,PHY Power Saving Features For 11ac,doc.:IEEE 802.11-10/0785r1,2010年 7月14日
【文献】 IEEE Draft P802.11-REVmb/D3.0,IEEE,2010年 8月11日,pp.263,264,798,799
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントの通信方法において、
プリアンブルを生成する段階と、
TXOP(transmission opportunity)デュレーション中にアクティブモードにある端末がドーズ(doze)状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含むVHT−SIG(Very High Throughput Signal)フィールドを生成する段階と、
追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むMAC(Medium Access Control)フレームを生成する段階と、
前記端末に送信されるフレーム中に、前記プリアンブル、前記VHT−SIGフィールド、前記MACフレームをデータ領域と結びつける段階と、を含むことを特徴とするアクセスポイントの通信方法。
【請求項2】
前記VHT−SIGフィールドはグループ識別子を含むことを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項3】
前記VHT−SIGフィールドはデータストリームの個数を示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項4】
前記通信方法は、
前記VHT−SIGフィールド、前記MACフレームに基づいて決められた前記端末の動作状態を示す情報を前記端末から受信することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項5】
前記端末の前記動作状態を示す情報に基づいて、前記TXOPデュレーション中に前記端末にデータストリームを送信することを更に含むことを特徴とする請求項4に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項6】
前記受信は、前記端末が前記アクセスポイントとの接続(Association)を行う間に、前記端末がパワーセービングモードをサポート可能か否かを示すパワーセービングモード指示子を前記端末から受信することを特徴とする請求項4に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項7】
前記通信方法は、更に前記端末に前記TXOPデュレーションについての情報を含むTXOP設定フレームを送信することを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項8】
前記TXOP設定フレームは、前記端末が含まれるサービスセット又はセルについての情報、前記端末が含まれるグループについての情報を含むことを特徴とする請求項7に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項9】
前記端末がパワーセービングモードをサポートするかしないかによって、前記TXOP設定フレームは変更されることを特徴とする請求項7に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項10】
前記TXOPデュレーションのためアウェイク状態にある前記端末への通信において前記端末にデータストリームを送信することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項11】
前記ドーズ状態にある前記端末への通信において、前記アクセスポイントは、前記端末に送信するデータストリームをバッファリングすることを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントの通信方法。
【請求項12】
アクセスポイントは、
プリアンブルを生成し、
TXOP(transmission opportunity)デュレーション中にアクティブモードにある端末がドーズ状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含むVHT−SIG(Very High Throughput Signal)フィールドを生成し、
追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むMAC(Medium Access Control)フレームを生成し、
前記端末に送信されるフレーム中に、前記プリアンブル、前記VHT−SIGフィールド、前記MACフレームをデータ領域と結びつけるように構成された制御部を含むことを特徴とするアクセスポイント。
【請求項13】
前記VHT−SIGフィールドはグループ識別子を含むことを特徴とする請求項12に記載のアクセスポイント。
【請求項14】
前記VHT−SIGフィールドはデータストリームの個数を示す情報を含むことを特徴とする請求項12に記載のアクセスポイント。
【請求項15】
前記アクセスポイントは、
前記VHT−SIGフィールド、前記MACフレームに基づいて決められた前記端末の動作状態を示す情報を前記端末から受信する受信部を更に含むことを特徴とする請求項12に記載のアクセスポイント。
【請求項16】
前記端末の前記動作状態を示す情報に基づいて、前記TXOPデュレーション中に前記端末にデータストリームを送信するように構成された送信部を更に含むことを特徴とする請求項15に記載のアクセスポイント。
【請求項17】
更に前記受信部は、
前記端末が前記アクセスポイントとの接続(Association)を行う間に、前記端末がパワーセービングモードをサポート可能か否かを示すパワーセービングモード指示子を前記端末から受信するように構成されることを特徴とする請求項15に記載のアクセスポイント。
【請求項18】
前記TXOPデュレーションについての情報を含むTXOP設定フレームを前記端末に送信することを更に含むことを特徴とする請求項12に記載のアクセスポイント。
【請求項19】
前記TXOP設定フレームは、前記端末が含まれるサービスセット又はセルについての情報、前記端末が含まれるグループについての情報を含むことを特徴とする請求項18に記載のアクセスポイント。
【請求項20】
前記端末がパワーセービングモードをサポートするかしないかによって、前記TXOP設定フレームは変更されることを特徴とする請求項18に記載のアクセスポイント。
【請求項21】
前記TXOPデュレーションのためアウェイク状態にある前記端末への通信において前記端末にデータストリームを送信するように前記制御部が構成されたことを特徴とする請求項12に記載のアクセスポイント。
【請求項22】
前記ドーズ状態にある前記端末への通信において、前記端末に送信するデータストリームをバッファリングすることを更に含むことを特徴とする請求項12に記載のアクセスポイント。
【請求項23】
端末の通信方法において、
アクセスポイントからフレームを受信する段階を含み、
ここで、プリアンブル、VHT−SIGフィールド、MACフレーム、データ領域は前記フレームにおいて結び付けられ、
前記VHT−SIGフィールドは、TXOPデュレーション中にTXOPパワーセービングモードにより端末がドーズ状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含み、
前記MACフレームは、追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むことを特徴とする端末の通信方法。
【請求項24】
前記VHT−SIGフィールドはグループ識別子を含むことを特徴とする請求項23に記載の端末の通信方法。
【請求項25】
前記VHT−SIGフィールドはデータストリームの個数を示す情報を含むことを特徴とする請求項23に記載の端末の通信方法。
【請求項26】
更に前記アクセスポイントから前記アクセスポイントのサポート能力に関する情報を受信し、
ここで、サポート能力に関する情報は、前記TXOPデュレーション中に前記アクセスポイントがパワーセービングモードをサポートするか否かを示すビットを含むことを特徴とする請求項23に記載の端末の通信方法。
【請求項27】
更に前記TXOPデュレーション中に前記端末がパワーセービングモードをサポート可能か否かを示すパワーセービングモード指示子を前記アクセスポイントに送信することを特徴とする請求項23に記載の端末の通信方法。
【請求項28】
前記TXOPデュレーション中に前記ドーズ状態になることが許された端末にはフレームが送信されないことを特徴とする請求項23に記載の端末の通信方法。
【請求項29】
前記TXOPデュレーションについての情報を含むTXOP設定フレームを前記アクセスポイントから受信することを更に含むことを特徴とする請求項23に記載の端末の通信方法。
【請求項30】
前記端末が前記TXOPパワーセービングモードをサポートするかしないかによって、前記TXOP設定フレームは変更されることを特徴とする請求項29に記載の端末の通信方法。
【請求項31】
コーディングスキームを使用するデータ領域をデコーディングすることを更に含み、
前記VHT−SIGフィールドは前記データ領域の前記コーディングスキームについての情報を含むことを特徴とする請求項23に記載の端末の通信方法。
【請求項32】
端末であって、
アクセスポイントからフレームを受信する受信部と、
ここで、プリアンブル、VHT−SIGフィールド、MACフレーム、データ領域は前記フレームにおいて結び付けられ、
前記受信部を制御する制御部と、を含み、
ここで、前記VHT−SIGフィールドは、TXOPデュレーション中にTXOPパワーセービングモードにより端末がドーズ状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含み、
前記MACフレームは、追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むことを特徴とする端末。
【請求項33】
前記VHT−SIGフィールドはグループ識別子を含むことを特徴とする請求項32に記載の端末。
【請求項34】
前記VHT−SIGフィールドはデータストリームの個数を示す情報を含むことを特徴とする請求項32に記載の端末。
【請求項35】
前記受信部は、前記アクセスポイントから前記アクセスポイントのサポート能力に関する情報を受信し、
前記サポート能力に関する情報は、前記TXOPデュレーション中に前記アクセスポイントが前記TXOPパワーセービングモードをサポートするか否かを示すビットを含むことを特徴とする請求項32に記載の端末。
【請求項36】
送信部は、前記TXOPデュレーション中に前記端末がパワーセービングモードをサポート可能か否かを示すパワーセービングモード指示子を前記アクセスポイントに送信する送信部を更に含むこと特徴とする請求項32に記載の端末。
【請求項37】
前記TXOPデュレーション中に前記ドーズ状態になることが許された前記端末にはフレームが送信されないことを特徴とする請求項32に記載の端末。
【請求項38】
前記TXOPデュレーションについての情報を含むTXOP設定フレームを前記受信部は、前記アクセスポイントから受信することを更に含むことを特徴とする請求項32に記載の端末。
【請求項39】
前記端末が前記パワーセービングモードをサポートするかしないかによって、前記TXOP設定フレームは変更されることを特徴とする請求項38に記載の端末。
【請求項40】
コーディングスキームを使用するデータ領域をデコーディングするデコーダを更に含み、
前記VHT−SIGフィールドは前記データ領域の前記コーディングスキームについての情報を含むことを特徴とする請求項32に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法に係り、より詳しくは、TXOPパワーセービングのためのアクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンのような移動端末の性能が急速に発展することによって1つの端末で電話通話だけではなく、動画、音楽ファイル再生、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)視聴、デジタルカメラ、ブルートゥース(登録商標)、無線インターネット接続などを含む様々な機能を同時に実行できるようになった。このような機能は多くの電力を消費することになる。
【0003】
また、移動通信網、ブルートゥース(登録商標)、無線インターネットなどのデータ送信速度が急速に増加することによって端末の電力消費も増加し、端末が高容量のバッテリを採用する場合が増加している。
しかしながら、一般的にバッテリの容量増加速度は、通信技術などの発展速度より遅れて行われるため、バッテリ容量の増加だけでは端末の電力消費の推移を満たすことができなくなってきている。
したがって、端末の消費電力を節減することのできる通信方法が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は上記従来の移動端末における通信方法の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、追加的なコンテンション(contention)なしで1つ以上のフレームを端末に送信することができるため、送信効率及びQoS(Quality of Service)を向上させることができるアクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法を提供することにある。
また、初期に設定されたTXOPデュレーションが終了する前にTXOPデュレーションが早期終了(truncation)してもスリープ状態にない端末にデータを送信することによって全体ネットワークの効率が落ちることを防止することができるアクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法を提供することにある。
さらに、パワーセービングモードで動作する端末に送信するデータストリームが存在しない場合、全体TXOPデュレーション中に該当端末の動作状態をスリープ状態に保持することによって電力を節減することができるアクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法を提供することにある。
さらに、パワーセービングモードで動作する端末の動作状態を変更して電力消費を減少することのできる端末のアクセスポイント、端末、及びそれぞれの通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、アクセスポイントの動作方法は、プリアンブルを生成する段階と、TXOPデュレーション中にアクティブモードにある端末がドーズ(doze)状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含むVHT−SIGフィールドを生成する段階と、追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むMACフレームを生成する段階と、前記端末に送信されるフレーム中に、前記プリアンブル、前記VHT−SIGフィールド、前記MACフレームをデータ領域と結びつける段階と、を含むことを特徴とする。
【0006】
アクセスポイントは、プリアンブルを生成し、
TXOPデュレーション中にアクティブモードにある端末がドーズ状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含むVHT−SIGフィールドを生成し、追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むMACフレームを生成し、前記端末に送信されるフレーム中に、前記プリアンブル、前記VHT−SIGフィールド、前記MACフレームをデータ領域と結びつけるように構成された制御部を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の他の一態様によれば、端末の動作方法は、アクセスポイントからフレームを受信する段階を含み、プリアンブル、VHT−SIGフィールド、MACフレーム、データ領域は前記フレームにおいて結び付けられ、前記VHT−SIGフィールドは、TXOPデュレーション中にTXOPパワーセービングモードにより端末がドーズ状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含み、前記MACフレームは、追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むことを特徴とする。
【0008】
端末は、アクセスポイントからフレームを受信する受信部と、
ここで、プリアンブル、VHT−SIGフィールド、MACフレーム、データ領域は前記フレームにおいて結び付けられ、
前記受信部を制御する制御部と、を含み、
ここで、前記VHT−SIGフィールドは、TXOPデュレーション中にTXOPパワーセービングモードにより端末がドーズ状態に変更されることを前記アクセスポイントが許可するか否かを示す情報を含み、前記MACフレームは、追加データが前記端末に送信されなければならないか否かを示す情報を含むMACヘッダを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る端末及びアクセスポイントの通信方法並びに端末によれば、アクセスポイントがTXOPデュレーション中にチャネルを占有した後、追加的なコンテンション(contention)なしで1つ以上のフレームを端末に送信することができるため、送信効率及びQoS(Quality of Service)を向上させることができるという効果がある。
また、初期に設定されたTXOPデュレーションが終了する前にTXOPデュレーションが初期終了(truncation)してもパワーセービングモードで動作せず、スリープ状態にない端末にデータを送信することによって全体ネットワークの効率が落ちることを防止することができるという効果がある。
また、パワーセービングモードで動作する端末に送信するデータストリームが存在しない場合、端末はデータストリームが存在しないことをTXOPデュレーション以前に認知し、全体TXOPデュレーション中に該当端末の動作状態をスリープ状態に保持することによって電力を節減することができるという効果がある。
また、パワーセービングモードで動作する端末が予め設定された条件を満足する場合に該当端末の動作状態をアウェイク状態からスリープ状態に変更することによって電力消費を減少させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るTXOPパワーセービングモードにおける端末の動作状態及び動作を説明するための図である。
図2】本発明の一実施形態に係る端末の通信方法を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係るアクセスポイントの通信方法を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る送信機会設定フレーム(TXOP setting frame)及びTXOPデュレーションを説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係るTXOPデュレーションを早期終了(truncation)する場合を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。
しかし、本発明が一実施形態によって制限されたり限定されることはない。また、各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0012】
以下で端末は、SU−MIMO(Single User−Multiple Input Multiple Output)端末又はMU−MIMO(Multi User−Multiple Input Multiple Output)端末であってもよい。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るTXOPパワーセービングモードにおける端末の動作状態及び動作を説明するための図である。
アクセスポイント(基地局機、Access Point;AP)からデータを受信する1つ、又はそれ以上の端末は、自身に送信されるパケット(又はフレーム)を受信するために自身のパワー管理モード(Power Management Mode)又は動作モードをアクティブモード(Active Mode)に保持する。
【0014】
それだけではなく、端末は自身に送信されるパケット(又はフレーム)があるか否かを判断したり、他の端末に送信されるパケットに対するオーバーヒヤリング(Overhearing)を行うためにアクティブモードで動作してもよい。
したがって、端末のうち該当端末に対応するデータがなかったり、該当端末へのデータの送信が終了した場合に該当端末のパワー管理モードを調節することによって電力を節減することができる。
【0015】
図1を参照すると、端末のパワー管理モードは、アクティブモード(Active Mode)110とパワーセービングモード(PS Mode)120に分類される。
アクティブモード110において、端末はアクセスポイントとデータを送受信するために継続的に動作する。
一方、パワーセービングモード120では該当端末は電力を節約する状態(例えば、スリープ(sleep)状態160)にある。
パワーセービングモード120に入るために、端末は、例えば、MACヘッダの制御フィールドの内の少なくとも1つのビットを用いてアクセスポイントに端末の動作状態に関する情報を送信する。
【0016】
アクティブモード110で動作する端末は、Non−TXOPパワーセービングモード130で動作する端末とTXOPパワーセービングモード140で動作する端末に分類される。
Non−TXOPパワーセービングモード130で動作する端末は、電力節減のための別途の動作なしでアウェイク状態(Awake State)を保持する。
したがって、自身に送信されるパケットの受信を待機する受信待機時間中に継続して電力を消費する。
TXOPパワーセービングモード140で動作する端末は、予め設定された条件を満足するか否かに基づいて、動作状態をアウェイク状態(Awake State)150又はスリープ状態(Sleep State)(又はドーズ状態(Doze State))160に変更する。
【0017】
端末のための予め設定された条件では、下記のような第1条件、第2条件、及び第3条件を例に挙げてもよい。
第1条件は、グループのIDが該当端末がグループのメンバーではないことを示す場合に満足される。
第2条件は、グループのIDが該当端末がグループのメンバーであることを示すが、該当端末に対応するデータストリームがTXOPデュレーション中にアクセスポイントから送信されない場合に満足される。
ここで、該当端末に対応するデータストリームがTXOPデュレーション中にアクセスポイントから送信されない場合とは、該当端末に対応するフレームのVHT−SIG(Very High Throughput SIGnal)フィールドに含まれたNumber of state time space(NSTS)が「0」である場合である。
【0018】
また、第3条件は、該当端末がTXOP中に送信されなければならない該当端末に対応するデータストリームがこれ以上存在しないことを示す指示子を受信する場合に満足される。
例えば、グループID(group ID)は、端末がグループのメンバーであることを示し、NSTSはTXOP中に端末に送信されなければならないフレームがあることを示す。端末は、TXOP中にアクセスポイントからデータフレームを受信する。データフレームはTXOPの残った期間中に端末に送信されなければならない、これ以上のデータがないことを示す指示子を含む。一実施形態において、アクセスポイントは端末にアクセスポイントがTXOP中の端末に対するデータ送信を完了したことを示す。
【0019】
ここで、端末に対応するデータストリームがこれ以上存在しないことを示す指示子を受信する場合、端末がアクセスポイントから受信するフレームのMACヘッダに含まれたMore Data Bit(MDB)が「0」である場合に該当する。
フレームのMACヘッダに含まれたMDBが「0」である場合、言い換えれば、該当端末に対応するストリームの送信が完了したことを意味する。
一方、MDBが「1」である場合、TXOP中に該当端末に送信しなければならない追加的なデータストリームがさらに存在することを意味する。
【0020】
上述した条件が満たされる端末は、アウェイク状態150からスリープ状態160に動作状態を変更することによって、TXOPデュレーションのうち、残った時間中に受信待機電力を節減することができる。
TXOPデュレーションは、チャネルに対する送信機会(Transmission Opportunity:TXOP)を取得したアクセスポイントが端末を含むグループにデータストリームを送信する持続期間である。
【0021】
一実施形態において、TXOPパワーセービングモード140で動作する端末は、予め設定された条件によりTXOPデュレーション中に動作状態をアウェイク状態150又はスリープ状態160に変更することによって、受信待機電力及び端末の消費電力を節減することができる。
以下で用いられる「パワーセービングモード」はTXOPパワーセービングモード140を指す。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る端末の通信方法を説明するためのフローチャートである。
アクセスポイント及び複数の端末を含む無線ネットワークでの端末の通信方法は次の通りである。
図2を参照すると、端末は、TXOP(Transmission Opportunity)デュレーションで端末がパワーセービングモードをサポートするか否かに基づいてパワーセービングモード指示子を生成する(ステップS210)。
TXOPデュレーションとは、チャネルに対する送信機会を取得したアクセスポイントが端末を含むグループにデータストリームを同時に送信する持続期間である。
【0023】
端末は、アクセスポイントとの接続(Association)を行う間にアクセスポイントのパワーセービングモード指示子、すなわち、アクセスポイントから受信したパワーセービングモード指示子を確認する。
端末は、予め設定された時間中にパワーセービングモード指示子をアクセスポイントに送信する。ここで、予め設定された時間とは端末がアクセスポイントとの接続(Association)を行う時間を意味する。
端末は、アクセスポイントにパワーセービングモード指示子を含むフレームを送信する(ステップS220)。
【0024】
例えば、端末はIEEE802.11に記述されているような“Association Request”フレームの“Capability/Support”フィールドの“information element”にパワーセービングモード指示子を含ませてアクセスポイントに送信してもよい。パワーセービングモード指示子を含むフレームに対してアクセスポイントから有効な確認応答(acknowledgement:ACK)を受信すると、その時から端末はTXOPパワーセービングモードに基づいて動作する。
【0025】
パワーセービングモード指示子は、端末がパワーセービングモードをサポートする場合には第1論理値を有し、端末がパワーセービングモードをサポートしない場合には第2論理値を有し得る。例えば、第1論理値は「1」であってもよく、第2論理値は「0」であってもよい。
【0026】
端末は、アクセスポイントからパワーセービングモードで端末の動作状態を決定するために用いられる情報を受信する(ステップS230)。
【0027】
端末は、ステップS203で受信したパワーセービングモードで端末の動作状態を決定するために用いられる情報に基づいてパワーセービングモードで端末の動作状態を決定する(ステップS240)。
【0028】
また、端末は、自身(端末)がパワーセービングモードをサポートするか否かに基づいてアクセスポイントから受信した情報(すなわち、端末の動作状態を決定するために用いられる情報)に基づいて端末の動作状態を変更してもよい。
アクセスポイントから受信した情報は、端末を含むグループのID、TXOPデュレーション中に端末に対応するデータストリームがアクセスポイントから送信されたか否かを示す情報、及びTXOPの残った期間中に端末に対応して送信されなければならないデータストリームがさらに存在するか否かを示す情報の内の少なくとも1つを含んでもよい。
【0029】
端末は、アクセスポイントから受信した情報に基づいて端末の動作状態をアウェイク(Awake)(覚醒)状態、又はスリープ(Sleep)(休眠)状態のうちいずれか1つに変更する。
端末は、自身の動作状態を変更するとき、予め設定された条件を満足するか否かをさらに考慮してもよい。
予め設定された条件については、図1に対する説明を参照すればよい。
端末は、アクセスポイントに端末の動作状態を示す情報を送信する(ステップS250)。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態に係るアクセスポイントの通信方法を説明するためのフローチャートである。
アクセスポイント及び複数の端末を含む無線ネットワークでのアクセスポイントの通信方法は次の通りである。
アクセスポイントは、アクセスポイントがパワーセービングモードをサポートするか否かに関する情報を含むパワーセービングモード指示子を生成し、生成されたパワーセービングモード指示子を端末に送信する。
【0031】
端末それぞれは、アクセスポイントとの接続(Association)を行う間にアクセスポイントのパワーセービングモード指示子を確認する。また、アクセスポイントは端末に、アクセスポイントがパワーセービングモードのためのアクセスポイントのサポート能力(capability)に関する情報をさらに送信してもよい。
【0032】
上述したパワーセービングモードをサポートできるか否か、及びアクセスポイントのサポート能力を端末に通知するためにアクセスポイントは、例えば、ビーコンフレーム(Beacon Frame)又はプローブレスポンスフレーム(Probe Response Frame)の“information element” 又は“capability element”を利用してもよい。
他の実施形態において、アクセスポイントは、アクセスポイントがパワーセービングモードをサポートできるか否かを示すビット(TXOP power saving support bit)を用いてもよい。
【0033】
アクセスポイントは、アクセスポイントがパワーセービングモードをサポートできるか否かに基づいてアクセスポイントのパワーセービングモード指示子を生成し、アクセスポイントのパワーセービングモード指示子を端末に送信する。
上述したパワーセービングモード指示子は、パワーセービングモードをサポートできるか否かを示すビット(TXOP power saving support bit)を特定の論理値で表示したものである。パワーセービングモード指示子は、予め決定された論理値を用いてもよい。
ここで、アクセスポイントがパワーセービングモードをサポートできるか否かは、アクセスポイントがパワーセービングモードで動作する端末と接続(Association)を行うか否かを表すために用いられてもよい。
【0034】
図3を参照すると、アクセスポイントは、TXOPデュレーションで端末それぞれがパワーセービングモードをサポートするか否かを示す情報を受信する(ステップS310)。
ここで、TXOPデュレーションは、チャネルに対する送信機会(Transmission Opportunity:TXOP)を取得したアクセスポイントが端末を含むグループにデータストリームを同時に送信する持続期間である。
【0035】
また、アクセスポイントは、端末にTXOPデュレーションに関する情報を含む送信機会設定フレーム(TXOP setting frame)を送信してもよい。
送信機会設定フレーム(TXOP setting frame)は、端末が属するセル又はサービスセットに関する情報及びグループに関する情報を含み、パワーセービングモードをサポートする端末とパワーセービングモードをサポートしない端末との全てで復号化されるように生成される。送信機会設定フレームについては図4を参照して後述する。
【0036】
アクセスポイントは、端末のうちパワーセービングモードをサポートする少なくとも1つの端末に少なくとも1つの端末の動作状態を決定するために用いられる情報を送信する(ステップS320)。
例えば、動作状態を決定するために用いられる情報は、少なくとも1つの端末を含むグループのID、TXOPデュレーション中に少なくとも1つの端末に対応するデータストリームがアクセスポイントから送信されたか否かを示す情報、及びTXOPの残った期間中に少なくとも1つの端末に送信されなければならないデータストリームがさらに存在するか否かを示す情報の内の少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
アクセスポイントは、少なくとも1つの端末の動作状態を決定するために用いられる情報に基づいて少なくとも1つの端末で決定された、少なくとも1つの端末の動作状態を示す情報を受信する(ステップS330)。
アクセスポイントは、端末との接続(Association)を行った後に端末の現在の動作状態に関する情報を受信することによって自身の動作を決定してもよい。
【0038】
アクセスポイントは、TXOPデュレーション中に端末にデータストリームを同時に送信する(ステップS340)。
アクセスポイントは、少なくとも1つの端末の動作状態を示す情報に基づいて同時にデータストリームを送信することができる。
アクセスポイントは、TXOPデュレーション中に端末の内、アウェイク状態にある端末にデータストリームを同時に送信したり、TXOPデュレーションのうち残った時間中に端末のうちスリープ状態にある端末に送信するデータストリームが発生した場合、送信するデータストリームをバッファリング(buffering)することができる。
【0039】
実施形態において、アクセスポイントは、TXOP中にデータを受信する端末のグループに含まれた複数の端末にデータストリームを同時に送信することができる。
ここで、同時に送信することが、複数の端末に送信されるデータストリームの送信を必ず同時に開始及び/又は中断することを意味することではない。
【0040】
図4は、本発明の一実施形態に係る送信機会設定フレーム(TXOP setting frame)及びTXOPデュレーションを説明するための図である。
図4において、AP401はアクセスポイントを、STA1、STA2、STA3、STA4(403、405、407、409)は端末を示すために用いる。
【0041】
図4を参照すると、1つ或いは1つ以上の端末にデータを送信しようとするアクセスポイント401は、一定期間(例えば、TXOPデュレーション430)中にチャネルに対する権利が割当てられ、その期間中にチャネルを使用してもよい。
例えば、端末(403、405、407、409)はTXOPデュレーション430間に受信したパケット又はフレームに対するブロックACK(Block ACK;BA)(465、470、475、480、485)を送信する。
例えば、アクセスポイント401は、割り当てられたTXOPデュレーション430間の1つの端末又は特定グループの端末にのみデータを送信する。
【0042】
もし、TXOPデュレーション430の残った期間中にグループ内特定端末にこれ以上送信するデータがないとき、アクセスポイント401は現在に送信するフレーム又はパケットを用いてさらに送信するデータがないことを表示(indication)する。
この場合、アクセスポイント401は、残ったTXOPデュレーション間に該当端末へこれ以上データを送信しない。
【0043】
アクセスポイント401は、該当端末に送信するデータがあるか否かを表示するために1ビット(bit)の“more data bit”(MDB)を用いる。MDBは端末に送信されるパケットのプリアンブル(preamble)あるいはMACヘッダ(header)に含まれてもよい。
例えば、端末に対してMDBが「0」に設定された場合、これはアクセスポイント401が端末に送信するこれ以上の追加的なデータがないことを示す。したがって、端末はアクセスポイント401から該当パケットの受信を終了した後、あるいはアクセスポイント401にブロックACK(BA)を送信した後、TXOPデュレーション430の最後までパワーセービング(power saving)(すなわち、スリープ状態で動作)する。
【0044】
例えば、もし、アクセスポイント401が、該当端末にさらに送信するデータがないことを表示した後、送信するデータが再発生するとき、アクセスポイント401は次のTXOPまで該当データをバッファに格納してもよい。
特定端末が一定期間中にチャネルを占有するためには、セルあるいはBSS(basic service set)内にチャネル接続に関する権利が割り当てられた端末以外の他の端末は該当TXOPデュレーション間にチャネル接続を控えなければならない。
セルあるいはBSS内の全ての端末が該当TXOPデュレーション間にチャネル接続を控えるようにするためにTXOPデュレーションの設定(setting)が必要である。
【0045】
以下、TXOP setting period410をおいてTXOPデュレーション430を設定する方法について説明する。
アクセスポイント401は、送信機会設定期間(TXOP setting period)410中の送信機会設定フレーム(TXOP setting frame)420を送信してチャネルに対する送信機会に対応する持続期間、すなわち、TXOPデュレーション430を設定(setting)する。
送信機会設定フレーム420は送信機会に対応する持続期間、すなわち、TXOPデュレーション430を設定するための情報を含む。送信機会設定フレーム420は、セルあるいはBSS内全ての端末(例えば、パワー管理モードをパワーセービングモードに設定した端末及びパワーセービングモードに設定していない端末)が分かる形態で送信される。
【0046】
すなわち、例えば、送信機会設定フレーム420には多重ユーザプリコーディング(pre−coding)などの方式などを適用せず、送信機会設定フレーム420はセル内の全ての端末によって復号化されるように生成してもよい。
送信機会設定フレーム420は、パワーセービングモードに対する適用有無又は該当TXOPデュレーション430間にフレームの送信対象となるターゲット(Target)受信グループの情報を含んでもよい。
ここで、ターゲット(Target)受信グループの情報は、同一のグループのIDを有する特定グループ及びその特定グループに属する端末を示す情報であってもよい。
【0047】
該当受信グループに含まれていない端末は送信機会設定フレーム420以後からTXOPデュレーション430中にスリープ状態を保持する。
ターゲット受信グループに含まれたSTA1(403)のような端末は、送信機会設定フレーム420に対して応答フレーム(Response frame)460を送信する。応答フレーム460は、送信機会設定フレーム420に含まれたフィールドの一部あるいは全体を含んでもよい。
これによって送信機会設定フレーム420を受信することができない隠れノード(hidden node)もTXOP設定(setting)されるようになる。
【0048】
複数の端末が応答フレーム460を送信する場合、端末はアクセスポイント401と予め定義された順序と方法によって応答フレーム460を送信してもよい。例えば、該当情報(予め定義された順序と方法)は送信機会設定フレーム420に含まれてもよい。
同一のグループのIDを有する特定グループ及び特定グループに属する端末に関する情報は、例えば、フレーム440、450のように上述した送信機会設定フレーム420だけではなく、TXOPデュレーション430で送信されるフレームによって送信されてもよい。送信機会設定期間(TXOP setting period)410は、チャネルに対する送信機会(Transmission Opportunity)に対応する持続期間(例えば、TXOPデュレーション430)を設定するために用いられてもよい。
【0049】
TXOPデュレーション430を設定するための送信機会設定期間410中に、アクセスポイント401はセル内の端末(403、405、407、409)に送信機会設定フレーム(TXOP setting frame)420を送信する。
送信機会設定フレーム420は、端末(403、405、407、409)がTXOPデュレーション430中に該当データストリームを受信したり、TXOPデュレーション430中にパワーセービング(Power Saving)モードで動作することを示すために用いられてもよい。
【0050】
図4において、端末(403、405、407)は、TXOPデュレーション430中にアクセスポイント401からデータを受信する。
送信機会設定フレーム420は、プリアンブル421、L−SIG(Legacy SIGnal field)423、及びTXOPデュレーション430を設定するためのTXOP設定情報425を含み得る。
【0051】
端末(403、405、407、409)は、持続期間、すなわち、TXOPデュレーション430を設定する。例えば、TXOPデュレーション430はTXOP設定情報(TXOP setting information)に基づくことができる。
実施形態において、TXOPデュレーション430は、チャネルに対する送信機会を取得したアクセスポイントが端末(403、405、407、409)を含むグループの内の少なくとも1つの端末にデータストリームを同時に送信する持続期間である。
【0052】
アクセスポイント401からデータを受信する端末(403、405、407)は、TXOPデュレーション430間にアクティブモードで動作してアクセスポイント401からパケット又はフレームを受信する。
しかし、データを受信しない端末(STA4)(409)は、TXOPデュレーション430中に無線チャネルにアクセスされないことがある。
TXOP設定情報425は、端末(403、405、407、409)の内のアクセスポイント401からデータを受信する端末のグループに関する情報を含んでもよい。また、TXOP設定情報425はTXOPデュレーション430に対する長さ情報を含んでもよい。
【0053】
端末(403、405、407、409)は、TXOP設定情報425を用いてTXOPデュレーション430を設定する。
アクセスポイント401からデータを受信する端末(STA1)(403)は、TXOP設定情報425に対する応答フレーム460をアクセスポイント401に送信する。
応答フレーム460は、複数のアクセスポイントのカバレッジが重なる場合、端末(403、405、407、409)の混線を防止することができる。
【0054】
TXOPデュレーション430内にデータを送信したアクセスポイント401は、設定したTXOPデュレーション430が終了する前にこれ以上送信するデータがなければ、初期に設定されたTXOPデュレーション430を早期に終了(truncation)してもよい。アクセスポイント401がTXOPデュレーション430を早期終了することについては図5を参照して後述する。
【0055】
図4において、端末(STA1)(403)、端末(STA2)(405)、端末(STA3)(407)はアクセスポイント401から受信するデータを有する端末であり、端末(STA4)(409)は受信するデータを有しない端末であると仮定する。
アクセスポイント401は、各端末(403、405、407、409)に制御情報及びデータを含むパケット(又はフレーム)を送信する。
アクセスポイント401は、受信するデータを有する端末に関する情報を該当端末のためのデータフレームの制御情報に含んで送信してもよい。端末(STA4)(409)は、TXOPデュレーション430中にアクセスポイント401からデータを受信しないため、TXOPデュレーション430間のパワーセービングモード(power saving mode)で動作することができる。
【0056】
ここで、受信グループに関する情報は、TXOPデュレーション430内で送信される各フレーム440、450のVHT−SIG442、452を介してグループのIDに送信されてもよい。
ここで、受信グループとは、アクセスポイント401から端末に送信されるデータを有する端末を含むグループである。
【0057】
端末(STA4)(409)は、TXOPデュレーション430で1番目のフレーム440のVHT−SIG442を確認した後、自身に送信されるデータがないことを確認し、TXOPデュレーション430の残った期間中に直ちにパワーセービングモード(power saving mode)のスリープ状態になってもよい。スリープ状態に入った端末(STA4)(409)は、他の端末に送信されるフレームあるいはパケットをオーバーヒヤリング(overhearing)しない。また、端末(STA4)(409)は、TXOPデュレーション430の残った期間中に自身に送信されるフレームあるいはパケットを受信するためのアクティブ(Active)受信動作も実行しないため、消費電力を最小化することができる。
【0058】
プリアンブル441、451は少なくとも1つの端末(403、405、407、409)がチャネルを推定したり、フレーム又はパケットを検出するために用いられる。
VHT−SIG(Very High Throughput SIGnal field)442、452は、高いデータ送信率でデータを受信する端末(403、405、407)に対する制御信号を含む。
【0059】
フレーム440、450の各データ領域(443、445、447、453、455)に含まれたデータに対する変調方式、及びチャネルコーディング方式などに関する情報は制御信号の一例である。
フレーム440は、端末(403、405、407)それぞれに送信されるデータ領域(443、445、447)を含む。フレーム450は端末(405、407)それぞれに送信されるデータ領域(453、455)を含む。
【0060】
パケットの終了時点の前でも各データ領域に含まれたデータの送信が完了すれば、該当端末に対する送信は終了してもよい。
すなわち、1番目のフレーム440において、第1データ領域443は第1データの送信が完了すれば終了し、第2データ領域445は第2データの送信が完了すれば終了する。
1番目のフレーム440において、第3データはパケットの終了時点まで送信が完了しないため、第3データ領域447はフレームの終了時点で終了する。一実施形態に係る1番目のフレーム440でパッド(pad)444は、データ領域443の後に付加され、パッド446はデータ領域445の後に付加される。
【0061】
データ領域(443、445、447、453、455)は、各データに対する送信完了メッセージを追加的に含んでもよい。
該当フレーム又は該当チャネルに対する送信機会に対応する持続期間、すなわち、TXOPデュレーション430の残った期間中に追加データの送信があるか否かを示すMDB(More Data Bit)が送信完了メッセージとして用いられてもよい。
【0062】
例えば、1番目のフレーム内で第1データの送信が完了すれば、TXOPデュレーション430中にこれ以上端末(STA1)(403)に送信されるデータはない。この場合に、アクセスポイント401は端末(STA1)(403)に対するMDBを「0」に決定する。端末(STA1)(403)に対するMDBは第1データ領域213の終端部分に含まれて端末(STA1)(403)に送信される。
端末(STA1)(403)はTXOPデュレーション430中にMDBの値が「0」であるパケットを受信し、これ以上自身に対するデータ送信がないと判断する。
したがって、端末(STA1)(403)は、第1データの送信が完了した後、パワーセービングモード(より具体的には、スリープ状態)で動作して電力消費を減少させることができる。
【0063】
一実施形態に係るアクセスポイント401は、端末(STA2)(405)に送信する追加的なデータを有してもよい。したがって、端末(STA2)(405)に対応するMDBビットはアクセスポイント401がTXOPデュレーション430中に端末(STA2)(405)に送信する追加的なデータを有することを示すために設定されてもよい。
一実施形態に係る「1」ビットは、送信する追加的なデータがあることを示すために用いられてもよい。しかし、これは一実施形態に過ぎず、様々な文字あるいはシンボルが送信する追加的なデータがあることを示すために用いられてもよい。
【0064】
1番目のフレーム440の第3データ領域447で端末(STA3)(407)に送信される第3データの送信が完了したが、端末(STA3)(407)に送信される第3データが残っていると仮定する。
一実施形態において、第3データの残り部分は2番目フレーム450の第3データ領域455を用いて送信される。この場合に、アクセスポイント401は端末(STA3)(407)に対応するMDBの値は「1」に決定する。
【0065】
各端末(403、405、407)は、TXOPデュレーション430内でフレーム(frame)又はパケット(packet)を受信し、受信されたフレームに対する受信確認メッセージ(ACK又はBlockAck(BA))(465、470、475、480、485)をアクセスポイント401に送信する。
【0066】
アクセスポイント401はTXOPデュレーション430中に同じグループのIDを有する特定グループに属する端末又は別個の端末にデータを送信してもよい。
そして、TXOPデュレーション430中に特定グループ内の特定端末にこれ以上送信するデータがないとき、アクセスポイント401は現在の送信するフレーム(frame)あるいはパケット(packet)にさらに送信するデータがないことを指示した後、残ったTXOPデュレーション中に該当端末へこれ以上データを送信しない。
【0067】
様々な実施形態で記述したように、アクセスポイント401は、TXOPデュレーション430中に特定端末に送信されるデータがこれ以上存在しないことを示す指示子を生成する。
アクセスポイント401は、特定端末に送信されるデータがこれ以上存在しないことを示すために、上述のように1bitの“more data bit”(MDB)を用いてもよい。すなわち、例えば、端末(STA1)(403)に対して送信するデータがこれ以上存在しない場合、端末(STA1)(403)のMDBを「0」に設定し、端末2405に対して送信するデータがまだ存在する場合、端末(STA2)(405)のMDBを「1」に設定する。
【0068】
ここで、MDBは、各端末に送信されるパケットのプリアンブル(preamble)又は各端末に送信されるMACフレームのヘッダ(header)に含まれてもよい。
MDBが「0」である場合、端末は該当パケットの受信を終了した後、又は該当パケットに対するACK(又はBA)を送信した後、TXOPデュレーション430の最後までパワーセービング(power saving)モードを保持する。
【0069】
TXOPデュレーション中に送信されるこれ以上のデータがないことを表す指示子を受信した端末に対して、アクセスポイント401はTXOPデュレーション430中に残った時間中に該当端末にデータを送信しない。
アクセスポイント401は、例えば、端末(STA1)(403)に追加送信するデータがないことを指示した後、端末(STA1)(403)に送信するデータが再発生した場合、次のTXOPまで該当データをバッファ(buffer)に格納する。すなわち、アクセスポイント401は、TXOPデュレーション430中に端末(STA1)(403)に送信するデータが発生した場合、端末(STA1)(403)に対する次の持続期間まで送信するデータをバッファリングする。
ここで、「次にチャネルを占有するまで」とは、「送信機会に対応する次の回の持続期間まで」を意味し、TXOPデュレーション430の次回のTXOPデュレーションを意味する。
【0070】
図5は、本発明の一実施形態に係るTXOPデュレーションを早期終了(truncation)する場合を説明するための図である。
図4を参照して上述したように、アクセスポイントは、送信機会設定フレーム511に基づいて端末にTXOP Sharing、すなわち、MU−MIMOデータフレーム513を送信する。
【0071】
アクセスポイントは、初期設定されたTXOPデュレーション510が終了する前に端末に送信するデータがこれ以上ない場合、TXOPデュレーションの終了を通知するフレームを端末に送信し、TXOPデュレーションを早期終了(truncation)してもよい。
TXOPデュレーションの終了を通知するフレームは、例えば、‘‘Contention Free−End’’(CF−End)フレーム515であってもよい。
しかし、上述したようにTXOPデュレーションを早期に切断する場合には予め設定されたTXOPデュレーション中にスリープ状態にある端末によって問題が発生することがある。
【0072】
スリープ状態にある端末はTXOPデュレーションの終了を通知するフレームを受信することができないため、TXOPデュレーションが早期終了したことを把握することができない。結局、スリープ状態にある端末はTXOPデュレーションの終了地点までスリープ状態に留まっていることになる。
このような状況において、もし、アクセスポイント又は他のアクティブモードにある端末がスリープ状態にある端末にデータを送信すれば、正しい通信が行われることができず、これによって全体ネットワークの効率(throughput)が低下する問題がある。
したがって、一実施形態では、TXOPデュレーション中のパワーセービングしようとする端末が該当モードを設定してアクセスポイントがパワーセービングしようとする端末の現在状態を把握できるようにする。
【0073】
TXOPが早期終了した場合でもアクセスポイントは初期に設定されたTXOPデュレーションの最後までパワーセービングモードにある端末がスリープ状態にあると仮定し、該当端末にデータを送信しない。
端末は、アクセスポイントに自身がパワーセービングモードをサポートするか否かを通知するために、上述したパワーセービングモード指示子を用いる。パワーセービングモード指示子は、例えば、図1を参照して上述したように、Non−TXOPパワーセービングモード130とTXOPパワーセービングモード140を示す別途のビットを用いて表示してもよい。
【0074】
図6は、本発明の一実施形態に係る端末の構成を示すブロック図である。
図6を参照すると、端末600は、アクティブパワーセービングモード(active power saving mode)で動作し得る。
端末600は、受信部610、制御部620、及び送信部630を備える。
【0075】
受信部610は、アクセスポイント(AP)からデータストリームを受信する。
データストリームに含まれたデータフレームは、該当端末がアクセスポイントによって執行される(served)グループに含まれた端末であるか否かを表すグループID(group ID)を含んでもよい。他の実施形態によれば、データフレームは、該当端末がアクセスポイントによって取得されたTXOP(transmission opportunity)中にアクセスポイントからデータを受信するグループに含まれるか否かを表す指示を含んでもよい。
【0076】
例えば、上記指示子は、データフレームのVHT−SIG(very high throughput signal)フィールドに含まれたNSTS(state time space)の数であってもよい。
他の実施形態によれば、データフレームは、TXOPデュレーションの残った期間中に端末に対するデータの送信が終了したことを示すMDB(more data bit)を含んでもよい。
例えば、MDBはデータフレームのMAC(media access control)ヘッダに含まれてもよい。
【0077】
制御部620は、データレームに含まれた情報に基づいて端末600のパワーセービングモードを制御する。
例えば、該当端末600がアクセスポイントによって執行される(served)グループに含まれることを表す指示子を含むデータフレーム及びアクセスポイントによって取得されたTXOP中に端末がデータを受信することを示すNSTSフィールドを含むデータフレームに応答し、制御部620は端末600を次のデータフレームの間に端末が働くアクティブ状態に動作させる。
【0078】
他の実施形態によれば、(1)アクセスポイントによって執行される(served)グループに含まれた端末600を示す指示子を含むデータフレーム、及び(2)アクセスポイントによって取得されたTXOP中に端末が受信するデータを表すNSTSフィールド、及びアクセスポイントによって取得されたTXOPの残った期間中に端末600が追加的なデータを受信しないことを示すMDBを含むデータフレームに応答し、制御部620は、端末600をデータフレームに含まれたデータの受信を終了した後、次のデータフレームに対して働かないスリープ状態に動作させてもよい。
【0079】
送信部630は、アクセスポイントに、該当端末がTXOPデュレーション中にパワーセービングモードで動作できるか否かを表すパワーセービングモード指示子(power saving mode indicator)を含むフレームを送信する。
例えば、パワーセービングモード指示子は、IEEE802.11に記述されたアソシエイション要請フレーム(association request frame)の“capability/support”フィールドに含まれてもよい。
【0080】
他の実施形態によれば、受信部610は、アクセスポイントから、TXOPデュレーション中にアクセスポイントがパワーセービングモードをサポートできるか否かを示すビーコンフレームを受信してもよい。
【0081】
上述した通信方法は、多様なコンピュータ手段によって行うことができるプログラム命令の形態で実現されても良く、かかるプログラム命令は、コンピュータ読み出し可能媒体に記録されてもよい。
コンピュータ読み出し可能媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合わせたものを含んでもよい。前記媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。
【0082】
以上のように本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。
したがって、本発明の範囲は説明された実施形態に限定されて決定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なものなどによって決まらなければならない。
【符号の説明】
【0083】
110 アクティブモード
120 パワーセービングモード
130 Non−TXOPパワーセービングモード
140 TXOPパワーセービングモード
150 アウェイク状態
160 スリープ状態
401 アクセスポイント(AP)
403、405、407、409 端末(STA1乃至4)
410 送信機会設定期間(TXOP setting period)
420、511 送信機会設定フレーム(TXOP setting frame)
421、441、451 プリアンブル
423 L−SIG(Legacy SIGnal field)
425 TXOP設定情報
430、510 TXOPデュレーション
440、450 フレーム
442、452 VHT−SIG
443、445、447、453、455 データ領域
444、446、454 パッド(pad)
465、470、475、480、485 ブロックACK
513 MU−MIMOデータフレーム
515 ‘‘Contention Free−End’’フレーム
600 端末
610 受信部
620 制御部
630 送信部


図1
図2
図3
図4
図5
図6