(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
[1.第1実施形態]まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0025】
[1−1.システム構成]
図1は、第1実施形態に係る自動販売機管理システムの構成の一例を示す。
図1に示すように、自動販売機管理システム1は携帯端末10と自動販売機20と管理サーバ30とを含む。
【0026】
携帯端末10は、ユーザによって使用される携帯可能な情報処理装置である。例えば、携帯端末10は携帯電話(スマートフォンを含む)又はタブレット型コンピュータ等である。
図1に示すように、携帯端末10は制御部11、記憶部12、通信部13、ビーコン受信部14、操作部15、表示部16、音声出力部17、及び測位部18を含む。
【0027】
制御部11は1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部12に記憶されたプログラムに従って情報処理を実行する。記憶部12は主記憶部(例えばRAM等)及び補助記憶部(例えばROM、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ等)を含み、制御部11によって実行されるプログラムを記憶する。記憶部12は制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0028】
通信部13は、インターネット等のネットワーク2を介して通信を行うためのものである。例えば、通信部13は基地局3と無線通信するための無線通信インタフェースを含み、携帯端末10は基地局3を介してネットワーク2と接続される。ビーコン受信部14は自動販売機20から送信されるビーコンを受信するためのものである。
【0029】
操作部15はユーザが操作を行うためのものである。表示部16は例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11の指示に従って各種画面を表示する。
図1では操作部15と表示部16とが別個に示されているが、操作部15と表示部16とはいわゆるタッチパネルとして一体的に構成されてもよい。この場合、ユーザは指又はタッチペン等でタッチパネルに接触することによって各種操作を行うことが可能である。なお、操作部15と表示部16とをタッチパネルとして一体的に構成することは必須ではなく、操作部15は、例えばボタン、キー、又はレバー(スティック)等のような、表示部16とは別個に設けられる操作子であってもよい。
【0030】
音声出力部17は例えばスピーカー又はヘッドホン等であり、制御部11の指示に従って各種音声を出力する。測位部18は携帯端末10の位置を測定するためのものである。例えば、測位部18は複数のGPS衛星の各々から送信される信号を受信し、それらの信号に基づいて携帯端末10の位置を測定する。
【0031】
プログラム及びデータはネットワーク2を介して記憶部12に供給される。なお、携帯端末10は、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラム又はデータを読み出すための構成要素(例えば光ディスクドライブ部又はメモリカードスロット部等)を含むようにしてもよい。そして、情報記憶媒体を介してプログラムやデータが記憶部12に供給されてもよい。
【0032】
自動販売機20は商品又は役務を提供する自動販売機である。以下では、自動販売機20が1又は複数の飲料(商品の一例)を販売する場合を想定して説明する。ただし、自動販売機20は飲料以外の商品(食料等)を販売するものであってもよい。また、自動販売機20は役務を提供するためのものであってもよい。例えば、自動販売機20は、交通機関の切符を販売するためのものであってもよいし、無人駐車場に設置されるものであってもよい。
【0033】
図1に示すように、自動販売機20は制御部21、記憶部22、通信部23、及びビーコン送信部24を含む。ビーコン送信部24はビーコンを送信するためのものである。なお、自動販売機20はビーコン受信部を備えておらず、ビーコンを送信することはできるが、他の装置から送信されたビーコンを受信することはできない。制御部21、記憶部22、及び通信部23は携帯端末10の制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様である。ただし、通信部23は有線通信インタフェースを含んでもよく、自動販売機20は有線通信インタフェースを介してネットワーク2と接続されてもよい。なお、自動販売機20も操作部15、表示部16、音声出力部17、及び測位部18と同様の操作部、表示部、音声出力部、及び測位部を含むようにしてもよい。
【0034】
管理サーバ30は自動販売機20とは別個の装置であり、自動販売機20の管理に使用されるサーバコンピュータである、
図1に示すように、管理サーバ30は制御部31、記憶部32、及び通信部33を含む。制御部31及び記憶部32は携帯端末10の制御部11及び記憶部12と同様である。通信部33はネットワーク2を介して通信を行うためのものである。通信部33は有線通信インタフェースを含み、管理サーバ30は有線通信インタフェースを介してネットワーク2と接続される。なお、通信部33は無線通信インタフェースを含んでもよく、管理サーバ30は無線通信インタフェースを介してネットワーク2と接続されてもよい。
【0035】
管理サーバ30は、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラム又はデータを読み出すための構成要素(例えば光ディスクドライブ部又はメモリカードスロット部等)を含むようにしてもよい。そして、情報記憶媒体を介してプログラムやデータが記憶部32に供給されるようにしてもよい。また、プログラム及びデータはネットワーク2を介して記憶部32に供給されるようにしてもよい。
【0036】
携帯端末10と管理サーバ30とはネットワーク2を介して相互に通信可能である。自動販売機20と管理サーバ30ともネットワーク2を介して相互に通信可能である。
【0037】
[1−2.機能概要]自動販売機管理システム1では、自動販売機20で販売されている商品を、携帯端末10を用いて現金以外の決済手段で購入することが可能である。
図2は、ユーザが商品を得るまでの流れについて説明するための図である。
【0038】
(1)まず、ユーザは自動販売機20で購入対象商品を選択する。自動販売機20で販売されている複数の商品にそれぞれ対応する複数のボタンが自動販売機20に備えられており、ユーザはそれら複数のボタンのうちのいずれかを押下することによって所望の商品を選択する。
【0039】
(2)ユーザが購入対象商品を選択した場合、自動販売機20はネットワーク2を介して決済情報を管理サーバ30に送信する。例えば、自動販売機20の自動販売機IDとともに、購入対象商品の商品ID、名称、及び価格が「決済情報」として管理サーバ30に送信される。管理サーバ30では決済情報が自動販売機IDと関連付けて保存される。なお、自動販売機IDは個々の自動販売機20に固有の情報であり、個々の自動販売機20を一意に識別する情報である。また、商品IDは個々の商品に固有の情報であり、個々の商品を一意に識別する情報である。
【0040】
(3)自動販売機20のビーコン送信部24は、自動販売機20の識別情報(例えば自動販売機ID及び位置情報)を示すビーコンを所定時間(例えば数秒)ごとに送信している。このビーコンは自動販売機20の付近の範囲(例えば自動販売機20から10m以内の範囲)内に届き、自動販売機20の付近にある携帯端末10のビーコン受信部14によって受信される。
【0041】
(4)自動販売機20の識別情報が携帯端末10で受信された場合、当該識別情報に基づき、携帯端末10は決済情報を管理サーバ30からネットワーク2を介して取得する。例えば、携帯端末10が自動販売機IDを管理サーバ30に送信すると、当該自動販売機IDと関連付けて保存された決済情報(購入対象商品の商品ID、名称、及び価格等)が管理サーバ30から携帯端末10に返信される。
【0042】
(5)決済情報が取得された場合、携帯端末10は決済処理を実行する。例えば、携帯端末10は決済画面を表示部16に表示する。
図3は決済画面の一例を示す。
図3に示すように、決済画面40には自動販売機20の位置情報と決済情報とが表示される。具体的には、自動販売機20の位置を示す地
図41が決済画面40に表示される。また、購入対象商品の名称及び価格が決済画面40に表示される。さらに、購入対象商品の名称及び価格に関連付けて決済ボタン42が表示される。決済ボタン42は、購入対象商品の決済処理を実行させるためのボタンである。決済ボタン42が選択されると、購入対象商品の決済処理が実行される。この決済処理では、現金以外の決済手段(例えばクレジットカード、電子マネー、又はポイント等)による決済が実行される。例えば、携帯端末10は、決済を実行する決済サーバに対して決済要求を送信する。この場合、決済サーバでは決済が実行され、決済が完了すると、決済が完了した旨が携帯端末10に通知される。
【0043】
(6)決済処理が完了した場合、携帯端末10は購入対象商品の決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する。
【0044】
(7)完了通知情報が管理サーバ30で受信された場合、管理サーバ30は、購入対象商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報をネットワーク2を介して自動販売機20に送信する。
【0045】
(8)許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、自動販売機20は購入対象商品を商品取出口に出すことによって、購入対象商品をユーザに提供する。
【0046】
以上のようにしてユーザは購入対象商品を得ることができる。すなわち、自動販売機管理システム1によれば、ユーザは携帯端末10を用いることによって、自動販売機20で販売されている商品を現金以外の決済手段で購入できる。通常、在庫管理や故障監視等のために、既存の自動販売機20は制御部21、記憶部22、及び通信部23といったハードウェアをすでに備えている。したがって、上記機能を実現するために個々の自動販売機20に追加すべきハードウェアは、ビーコン送信部24という比較的安価で実現可能なハードウェアとなる。このため、自動販売機管理システム1によれば、個々の自動販売機20に追加すべきハードウェアの費用を抑制しつつ、上記機能を実現できる。
【0047】
[1−3.機能ブロック]次に、上記機能を実現するための構成について説明する。
図4は、第1実施形態に係る自動販売機管理システム1で実現される機能ブロックを示す機能ブロック図である。
【0048】
図4に示すように、携帯端末10は識別情報取得部101(識別情報取得手段)、識別情報送信部102、決済情報受信部103、決済処理実行部104(決済処理実行手段)、及び通知情報送信部105を含む。これらは主に制御部11によって実現される。
【0049】
また、自動販売機20は識別情報提供部201(識別情報提供手段)、決済情報送信部202、及び商品/役務提供部203を含む。例えば、識別情報提供部201はビーコン送信部24によって実現され、他の機能ブロックは主に制御部21によって実現される。
【0050】
また、管理サーバ30(管理装置)は決済情報受信部301、決済情報記憶部302、識別情報受信部303(識別情報受信手段)、決済情報送信部304、通知情報受信部305(通知情報受信手段)、及び提供許可部306(提供許可手段)を含む。例えば、決済情報記憶部302は記憶部32によって実現され、他の機能ブロックは主に制御部31によって実現される。なお、決済情報記憶部302は、管理サーバ30からアクセス可能な他の記憶装置によって実現されてもよい。
【0051】
[1−3−1]以上の機能ブロックについて説明する前に、自動販売機20及び管理サーバ30に予め記憶される情報について説明しておく。
【0052】
図5及び
図6は自動販売機20の記憶部22に予め記憶される情報の一例を示す。なお、これらの情報は自動販売機20からアクセス可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0053】
図5は基本情報テーブルの一例を示す。基本情報テーブルは自動販売機20の基本情報を示す。
図5に示すように、基本情報テーブルは「自動販売機ID」及び「位置情報」フィールドを含む。「自動販売機ID」フィールドは個々の自動販売機20を一意に識別する情報を示す。「位置情報」フィールドは自動販売機20の位置を示す。例えば、自動販売機20の緯度・経度又は設置場所住所等が「位置」フィールドに登録される。
【0054】
図6は販売商品テーブルの一例を示す。販売商品テーブルは自動販売機20で販売されている商品のリストを示す。
図6に示すように、販売商品テーブルは「収納部No」、「商品ID」、「名称」、「価格」、及び「在庫」フィールドを含む。自動販売機20は、複数の商品をそれぞれ収納するための複数の収納部を備えており、「収納部No」フィールドは個々の収納部を一意に識別する情報を示す。「商品ID」フィールドは、収納部に収納されている商品の商品IDを示す。なお、商品IDは個々の商品を一意に識別する情報を示す。同一の商品であれば、異なる自動販売機20で販売されていたとしても、商品IDは同一である。「名称」、「価格」、及び「在庫」フィールドは、収納部に収納されている商品の名称、価格、及び在庫数を示す。
【0055】
図7は管理サーバ30の記憶部32に予め記憶される情報の一例を示す。なお、この情報は管理サーバ30からアクセス可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0056】
図7は自動販売機テーブルの一例を示す。自動販売機テーブルは各場所に設置された自動販売機20のリストを示す。
図7に示すように、自動販売機テーブルは「自動販売機ID」、「位置情報」、及び「通信アドレス情報」フィールドを含む。「自動販売機ID」フィールドは個々の自動販売機20を一意に識別する情報を示す。「位置情報」フィールドは自動販売機20の位置を示す。「通信アドレス情報」フィールドは、ネットワーク2を介して自動販売機20と通信するために必要な通信アドレス情報(例えばIPアドレス等)を示す。
【0057】
[1−3−2]識別情報提供部201は、自動販売機20を識別するための識別情報を携帯端末10に提供するためのものである。識別情報取得部101は、識別情報提供部201によって提供される識別情報を取得する。
【0058】
例えば、識別情報提供部201はビーコン送信部24であり、自動販売機20の自動販売機ID及び位置情報(識別情報の一例)を示すビーコンを送信する。識別情報取得部101は、ビーコン受信部14によって受信されたビーコンに基づいて、自動販売機20の自動販売機ID及び位置情報を取得する。
【0059】
[1−3−3]自動販売機20で商品又は役務の提供がユーザによって所望された場合に、決済情報送信部202は通信部23を介して決済情報を送信する。決済情報受信部301は通信部33を介して決済情報を受信する。決済情報受信部301は受信した決済情報を決済情報記憶部302に保存する。なお、「決済情報」は、商品又は役務の提供を受けるための決済処理を実行するために必要な情報である。
【0060】
例えば、自動販売機20で購入対象商品が選択された場合、決済情報送信部202は、自動販売機20の自動販売機IDとともに、購入対象商品の商品ID、名称、及び価格を決済情報として管理サーバ30に送信し、決済情報受信部301はこれらの情報を受信し、自動販売機IDと関連付けて決済情報(購入対象商品の商品ID、名称、及び価格)を決済情報記憶部302に保存する。
【0061】
図8は、決済情報記憶部302に記憶される決済情報テーブルの一例を示す。
図8に示すように、決済情報テーブルは「決済No」、「受信日時」、「自動販売機ID」、「商品ID」、「名称」、「価格」、及び「状態フラグ」フィールドを含む。「決済No」フィールドは個々の決済情報を一意に識別する情報を示す。「受信日時」フィールドは決済情報が受信された日時を示す。「自動販売機ID」には、決済情報とともに受信された自動販売機IDが登録され、「商品ID」、「名称」、及び「価格」フィールドには、決済情報として受信された購入対象商品の商品ID、名称、及び価格がそれぞれ登録される。「状態フラグ」フィールドは決済情報に関する決済処理の実行状態を示す。例えば、値「0」又は「1」が「状態フラグ」フィールドに登録される。値「0」は、決済処理が未実行であることを示し、値「1」は、決済処理が完了したことを示す。
【0062】
決済情報が受信された場合、決済情報受信部301は決済情報テーブルに新たなレコードを追加し、既存の決済Noと重複しないようにして付与される決済No、現在日時、決済情報とともに受信された自動販売機ID、決済情報として受信された購入対象商品の商品ID、名称、及び価格、値「0」を新たなレコードの各フィールドに登録する。
【0063】
[1−3−4]識別情報送信部102は、識別情報取得部101によって取得された識別情報を通信部13を介して送信する。識別情報受信部303は識別情報を通信部33を介して受信する。
【0064】
例えば、識別情報送信部102は、識別情報取得部101によって取得された自動販売機IDを送信し、識別情報受信部303は当該自動販売機IDを受信する。
【0065】
[1−3−5]決済情報送信部304は、識別情報受信部303によって受信された識別情報と関連付けられた決済情報を決済情報記憶部302から取得し、通信部33を介して当該決済情報を送信する。決済情報受信部103は通信部13を介して決済情報を受信する。
【0066】
例えば、決済情報送信部304は決済情報テーブルにアクセスし、識別情報受信部303によって受信された自動販売機IDと関連付けて記憶された決済情報であって、かつ、状態フラグが「0」である決済情報を読み出し、読み出した決済情報を携帯端末10に送信する。例えば、決済No、商品ID、名称、及び価格が携帯端末10に送信される。
【0067】
[1−3−6]決済処理実行部104は、自動販売機20から商品又は役務の提供を受けるための決済処理を実行する。決済処理実行部104は、決済情報受信部103によって受信された決済情報に基づいて決済処理を実行する。
【0068】
例えば、決済処理実行部104は決済画面40を表示部16に表示する。そして、決済ボタン42が選択された場合に決済処理実行部104は決済処理を実行する。例えば、決済処理実行部104は、決済を実行する決済サーバに決済要求を送信する。この場合、決済を実行するために必要なユーザ認証処理等が実行された後、決済サーバでは決済が実行され、決済が完了すると、決済が完了した旨が携帯端末10に通知される。
【0069】
[1−3−7]通知情報送信部105は、決済処理が完了した場合に所定の通知情報を通信部13を介して送信する。通知情報受信部305は当該通知情報を通信部33を介して受信する。
【0070】
例えば、通知情報送信部105は、決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する。決済No「1」の決済情報に関する決済処理が完了した場合、通知情報送信部105は決済No「1」を含む完了通知情報を管理サーバ30に送信する。
【0071】
[1−3−8]提供許可部306は、通知情報受信部305によって通知情報が受信された場合に、識別情報受信部303によって受信された識別情報によって識別される自動販売機20に対して商品又は役務の提供を許可する。商品/役務提供部203は、提供許可部306による許可に応じて商品又は役務を提供する。
【0072】
例えば、決済No「1」を含む完了通知情報が受信された場合、提供許可部306は決済情報テーブルを参照し、決済No「1」と関連付けられた自動販売機ID「D1」及び商品ID「P1」を取得する。そして、提供許可部306は自動販売機テーブルに基づき、自動販売機ID「D1」の自動販売機20に対して、商品ID「P1」の商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報を通信部36を介して送信する。この場合、商品/役務提供部203は、商品ID「P1」の商品を商品取出口に出す。
【0073】
[1−4.処理]次に、自動販売機管理システム1で実行される処理について説明する。
図9は、自動販売機管理システム1で実行される処理の一例を示す。
図9に示す処理が記憶部12,22,32にそれぞれ記憶されるプログラムに従って実行されることによって、制御部11,21,31が
図4に示す機能ブロック(識別情報提供部201及び決済情報記憶部302を除く)として機能する。
【0074】
図9に示すように、自動販売機20の制御部21は商品の選択を受け付ける(S101)。すなわち、制御部21は、自動販売機20で販売されている複数の商品にそれぞれ対応する複数のボタンのうちのいずれかが押下された場合に、当該ボタンに対応する商品を購入対象商品として特定する。
【0075】
ステップS101の実行後、制御部21は購入対象商品の商品ID、名称、及び価格を決済情報として管理サーバ30に送信する(S102)。この際、決済情報は自動販売機20の自動販売機IDとともに送信される。決済情報が管理サーバ30で受信された場合、管理サーバ30の制御部31は決済情報を決済情報テーブルに登録する(S103)。すなわち、制御部31は決済情報テーブルに新たにレコードを追加し、受信された決済情報を新たに追加されたレコードに登録する。
【0076】
また、自動販売機20のビーコン送信部24はビーコンによって自動販売機20の識別情報(自動販売機ID及び位置情報)を送信し、携帯端末10では当該識別情報が受信される(S104)。
【0077】
自動販売機20の識別情報が携帯端末10で受信された場合、制御部11は当該識別情報に基づいて決済情報を管理サーバ30から取得する。具体的には、制御部11は自動販売機ID(識別情報)を管理サーバ30に送信することによって、当該自動販売機IDと関連付けられた決済情報を管理サーバ30に要求する(S105)。この場合、管理サーバ30の制御部31は、携帯端末10から送信された自動販売機IDと関連付けて記憶された決済情報であって、かつ、状態フラグが「0」である決済情報を決済情報テーブルから読み出し、読み出した決済情報を携帯端末10に返信する(S106)。例えば、決済No、自動販売機ID、商品ID、名称、及び価格が携帯端末10に返信される。
【0078】
決済情報が携帯端末10で受信された場合、制御部11は当該決済情報に基づいて決済画面40を表示部16に表示する(S107)。そして、決済画面40の決済ボタン42が選択された場合に、制御部11はステップS106で受信された決済情報に基づいて決済処理を実行する(S108)。例えば、制御部11は、決済を実行する決済サーバに対して決済要求を送信する。そして、決済が完了した旨が決済サーバから携帯端末10に通知された場合に、制御部11は決済処理が完了したと判定する。
【0079】
決済処理が完了した場合、制御部11は、決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する(S109)。例えば、決済No「1」の決済情報に関する決済処理が完了した場合、制御部11は決済No「1」を完了通知情報として管理サーバ30に送信する。
【0080】
完了通知情報が管理サーバ30で受信された場合、制御部31は、購入対象商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報を自動販売機20に送信する(S110)。例えば、決済No「1」が完了通知情報として受信された場合、制御部31は決済情報テーブルにアクセスして、決済No「1」と関連付けられた状態フラグを「1」に更新し、かつ、決済No「1」と関連付けられた自動販売機ID(D1)及び商品ID(P1)を読み出す。また制御部31は自動販売機テーブルを参照し、自動販売機ID「D1」と関連づけられた通信アドレス情報を読み出す。制御部31は商品ID「P1」を許可通知情報として当該通信アドレス情報宛に送信する。
【0081】
許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、制御部21は当該許可通知情報に基づいて購入対象商品を提供する(S111)。例えば、商品ID「P1」が許可通知情報として受信された場合、制御部21は販売商品テーブルを参照し、商品ID「P1」の商品を商品取出口に出す。
【0082】
[1−5.まとめ]第1実施形態に係る自動販売機管理システム1によれば、ユーザは携帯端末10を用いることによって、自動販売機20で販売されている商品を現金以外の決済手段で購入できる。通常、在庫管理や故障監視等のために、既存の自動販売機20は制御部21、記憶部22、及び通信部23といったハードウェアをすでに備えている。したがって、上記機能を実現するために個々の自動販売機20に追加(後付け)すべきハードウェアは、ビーコン送信部24という比較的安価で実現可能なハードウェアとなる。このため、自動販売機管理システム1によれば、個々の自動販売機20に追加すべきハードウェアの費用を抑制しつつ、上記機能を実現できる。
【0083】
自動販売機管理システム1では、個々の自動販売機20は現金以外の決済手段のための構成等を備える必要がないため、自動販売機管理システム1によれば、比較的簡易な構成を有する自動販売機20に関しても、自動販売機20で販売される商品を現金以外の決済手段で購入できるようにすることが可能である。
【0084】
なお、自動販売機管理システム1では、ユーザの情報が自動販売機20内に記憶されないため、仮に、不正の手段によって自動販売機20がこじ開けられたとしても、ユーザの情報が流出するおそれはない。
【0085】
[2.第2実施形態]次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0086】
[2−1.システム構成]第2実施形態に係る自動販売機管理システム1も第1実施形態と同様の構成を有する(
図1参照)。
【0087】
[2−2.機能概要]第1実施形態では、購入対象商品を選択した後で決済処理が実行されていたが、第2実施形態では、決済処理が実行された後で購入対象商品が選択される。
図10は、第2実施形態においてユーザが商品を得るまでの流れについて説明するための図である。
【0088】
(1)第1実施形態と同様、自動販売機20のビーコン送信部24は、自動販売機20の識別情報(例えば自動販売機ID及び位置情報)を示すビーコンを所定時間ごとに送信している。このビーコンは自動販売機20の付近にある携帯端末10のビーコン受信部14によって受信される。
【0089】
(2)(3)自動販売機20の識別情報が携帯端末10で受信された場合、携帯端末10は決済情報の入力を受け付ける。例えば、携帯端末10は、決済情報の入力を受け付けるための決済情報入力画面を表示部16に表示する。
図11は決済情報入力画面の一例を示す。
図11に示すように、決済情報入力画面50には自動販売機20の位置情報が表示される。具体的には、自動販売機20の位置を示す地
図51が決済情報入力画面50に表示される。また、決済金額を入力するためのフォーム52と決済ボタン53とが決済情報入力画面50に表示される。ユーザは購入したい商品の価格を決済金額としてフォーム52に入力し、決済ボタン53を選択する。決済ボタン53が選択された場合、携帯端末10は決済処理を実行する。この決済処理では、現金以外の決済手段(例えばクレジットカード、電子マネー、又はポイント等)による決済が実行される。例えば、携帯端末10は、決済を実行する決済サーバに決済要求を送信する。この場合、決済サーバでは決済が実行され、決済が完了すると、決済が完了した旨が携帯端末10に通知される。
【0090】
(4)決済処理が完了した場合、携帯端末10が自動販売機20と近接していれば、携帯端末10は決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する。
【0091】
(5)完了通知情報が管理サーバ30で受信された場合、管理サーバ30は、決済金額に相当する価格の商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報をネットワーク2を介して自動販売機20に送信する。
【0092】
(6)(7)許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、自動販売機20は決済金額に相当する硬貨が投入された場合と同等の状態になる。この場合、ユーザは決済金額の範囲内で所望の商品を選択できる。所望の商品が選択された場合、自動販売機20は当該商品を商品取出口に出す。なお、決済金額未満の商品が選択された場合には差額を返金する処理が実行される。
【0093】
以上のようにしてユーザは購入対象商品を得ることができる。第2実施形態に係る自動販売機管理システム1によっても、ユーザは携帯端末10を用いることによって、自動販売機20で販売されている商品を現金以外の決済手段で購入できる。また、個々の自動販売機20に追加すべきハードウェアの費用を抑制しつつ、上記機能を実現できる。さらに、第2実施形態に係る自動販売機管理システム1では、ユーザが自動販売機20から離れた位置でも決済を行うことができる。この点、ユーザが自動販売機20から離れている状態で商品を商品取出口に出してしまうと、誤って第三者が商品を取ってしまうおそれがあるが、第2実施形態に係る自動販売機管理システム1では、携帯端末10が自動販売機20に近接している場合に商品が商品取出口に出されるため、上記のような不都合の発生を抑制できる。
【0094】
[2−3.機能ブロック]
図12は、第2実施形態に係る自動販売機管理システム1で実現される機能ブロックを示す機能ブロック図である。
【0095】
図12に示すように、携帯端末10は識別情報取得部101(識別情報取得手段)、決済処理実行部104(決済処理実行手段)、通知情報送信部105、入力画面表示制御部111、及び近接判定部112(近接判定手段)を含む。第1実施形態と異なり、携帯端末10は入力画面表示制御部111及び近接判定部112を含む。これらは主に制御部11によって実現される。なお、識別情報取得部101は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0096】
また、自動販売機20は識別情報提供部201(識別情報提供手段)及び商品/役務提供部203を含む。なお、識別情報提供部201は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0097】
また、管理サーバ30(管理装置)は識別情報受信部303(識別情報受信手段)、通知情報受信部305(通知情報受信手段)、及び提供許可部306(提供許可手段)を含む。なお、識別情報受信部303は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0098】
なお、第1実施形態と同様、第2実施形態でも、
図5及び
図6に示した基本情報テーブルや販売商品テーブルが自動販売機20の記憶部22に記憶され、
図7に示した自動販売機テーブルが管理サーバ30の記憶部32に記憶される。
【0099】
[2−3−1]入力画面表示制御部111は、決済情報の入力を受け付けるための決済情報入力画面を表示部16に表示させる。例えば、入力画面表示制御部111は、
図11に示したような、決済金額(決済情報の一例)の入力を受け付けるための決済情報入力画面50を表示部16に表示させる。
【0100】
[2−3−2]決済処理実行部104は、決済情報入力画面を介して入力された決済情報に基づいて決済処理を実行する。例えば、決済情報入力画面50の決済ボタン53が選択された場合に、決済処理実行部104はフォーム52に入力された決済金額の決済処理を実行する。例えば、決済処理実行部104は、決済を実行する決済サーバに決済要求を送信する。この場合、決済を実行するために必要なユーザ認証処理等が実行された後、決済サーバでは決済が実行され、決済が完了すると、決済が完了した旨が携帯端末10に通知される。
【0101】
[2−3−3]近接判定部112は、所定の判定基準に基づき、携帯端末10と、識別情報取得部101によって取得された識別情報によって識別される自動販売機20とが近接している否かを判定する。
【0102】
例えば、「判定基準」は、自動販売機20から送信されたビーコンの携帯端末10における受信強度が閾値以上であるか否かによって、携帯端末10と自動販売機20とが近接している否かを判定する判定基準である。すなわち、近接判定部112は、携帯端末10(ビーコン受信部14)で受信されたビーコンの強度が閾値以上であるか否かを判定する。強度が閾値以上であれば、近接判定部112は携帯端末10が自動販売機20に近接していると判定する。一方、強度が閾値以上でなければ、近接判定部112は携帯端末10が自動販売機20に近接していないと判定する。
【0103】
なお、「判定基準」は、携帯端末10と自動販売機20との間の距離が閾値以下であるか否かによって、携帯端末10と自動販売機20とが近接している否かを判定する判定基準であってもよい。すなわち、近接判定部107は、測位部18によって取得された携帯端末10の位置情報と、識別情報取得部101によって取得された自動販売機20の位置情報とに基づいて、携帯端末10と自動販売機20との間の距離を算出し、当該距離が閾値以下であるか否かを判定する。距離が閾値以下であれば、近接判定部112は携帯端末10が自動販売機20に近接していると判定する。一方、距離が閾値以下でなければ、近接判定部112は携帯端末10が自動販売機20に近接していないと判定する。
【0104】
また、「判定基準」は、自動販売機20の筐体外面に貼り付けられた当該自動販売機20に固有のコード画像(2次元バーコード等)が携帯端末10によって読み取られたか(撮影されたか)否かによって、携帯端末10と自動販売機20とが近接している否かを判定する判定基準であってもよい。この場合、決済処理の完了後にユーザは携帯端末10のカメラによってコード画像を読み取る(撮影する)。そして、近接判定部109は、読み取られたコード画像が自動販売機20のコード画像であるか否かを判定する。例えば、近接判定部109は、読み取られたコード画像が示す自動販売機IDが自動販売機20の自動販売機IDであるか否かを判定する。読み取られたコード画像が自動販売機20のコード画像であれば、近接判定部109は携帯端末10が自動販売機20と近接していると判定する。なお、自動販売機20が表示部を備えている場合にはコード画像を表示部に表示してもよい。
【0105】
[2−3−4]通知情報送信部105は、決済処理が完了した場合であって、かつ、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると判定される場合に、所定の通知情報を通信部13を介して管理サーバ30に送信する。
【0106】
例えば、通知情報送信部105は、決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する。具体的には、決済金額「130円」に関する決済処理が完了した場合であって、かつ、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると判定された場合に、通知情報送信部105は、決済金額「130円」を含む完了通知情報を管理サーバ30に送信する。なお、後述するように、上記のような通知情報が管理サーバ30に送信されることによって管理サーバ30(提供許可部306)は商品の提供を自動販売機20に許可するため、通知情報送信部105によって送信される通知情報は、商品の提供を自動販売機20に許可するように管理サーバ30に対して指示するものであるということもできる。
【0107】
[2−3−5]提供許可部306は、通知情報受信部305によって通知情報が受信された場合に、当該自動販売機20に対して商品又は役務の提供を許可する。
【0108】
例えば、決済金額「130円」を含む完了通知情報が受信された場合に、提供許可部306は130円以下の商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報を自動販売機20に送信する。なお、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると判定される場合に、通知情報送信部105は完了通知情報を管理サーバ30に送信するため、提供許可部306は、通知情報受信部305によって通知情報が受信された場合であって、かつ、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると判定される場合に、許可通知情報を自動販売機20に送信していることになる。
【0109】
なお、130円以下の商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、自動販売機20は130円が自動販売機20の硬貨投入口に投入された場合と同様の状態となる。そして、130円以下の商品が所望の商品としてユーザによって選択された場合に、商品/役務提供部203は当該商品を商品取出口に出す。
【0110】
[2−4.処理]
図13は、第2実施形態に係る自動販売機管理システム1で実行される処理の一例を示す。
図13に示す処理が記憶部12,22,32にそれぞれ記憶されるプログラムに従って実行されることによって、制御部11,21,31が
図12に示す機能ブロック(識別情報提供部201を除く)として機能する。
【0111】
先述の通り、自動販売機20のビーコン送信部24はビーコンによって自動販売機20の識別情報(自動販売機ID及び位置情報)を送信しており、携帯端末10では当該識別情報が受信される(S201)。
【0112】
自動販売機20の識別情報が携帯端末10で受信された場合、制御部11は決済情報入力画面50を表示部16に表示する(S202)。そして、決済情報入力画面50の決済ボタン53が選択された場合に、制御部11はフォーム52に入力された決済金額に基づいて決済処理を実行する(S203)。例えば、制御部11は、決済を実行する決済サーバに対して当該決済金額の決済要求を送信する。そして、決済が完了した旨が決済サーバから携帯端末10に通知された場合に、制御部11は決済処理が完了したと判定する。
【0113】
ステップS203の実行後、制御部11は携帯端末10が自動販売機20に近接しているか否かを判定する(S204)。
【0114】
例えば、制御部11は、ステップS201で受信されたビーコンの受信強度が閾値以上であるか否かを判定する。そして、受信強度が閾値以上である場合に、制御部11は携帯端末10が自動販売機20に近接していると判定する。
【0115】
または、制御部11は、測位部18によって取得された携帯端末10の位置情報と、ステップS201で受信された自動販売機20の位置情報とに基づいて、携帯端末10と自動販売機20との間の距離を算出し、当該距離が閾値以下であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、距離が閾値以下である場合に、制御部11は携帯端末10が自動販売機20に近接していると判定するようにしてもよい。
【0116】
携帯端末10が自動販売機20に近接していると判定された場合、制御部11は、決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する(S205)。例えば、ステップS203で実行された決済処理が決済金額「130円」に関する決済処理である場合(すなわち、決済情報入力画面50のフォーム52に入力された決済金額が「130円」である場合)、制御部11は決済金額「130円」を完了通知情報として管理サーバ30に送信する。この場合、ステップS201で受信された自動販売機IDも管理サーバ30に送信される。
【0117】
完了通知情報が管理サーバ30で受信された場合、制御部31は、決済金額の範囲内で商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報を自動販売機20に送信する(S206)。例えば、制御部31は自動販売機テーブルを参照し、ステップS205で完了通知情報とともに受信された自動販売機IDに関連づけられた通信アドレス情報を読み出す。そして、制御部31は許可通知情報を当該通信アドレス情報宛に送信する。例えば、決済金額「130円」が完了通知情報として受信された場合であれば、決済金額「130円」が許可通知情報として送信される。
【0118】
許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、制御部21は当該許可通知情報に基づいて商品の選択を受け付ける(S207)。例えば、決済金額「130円」が許可通知情報として受信された場合、制御部21は、自動販売機20の状態を、130円が自動販売機20の硬貨投入口に投入された場合の状態と同様の状態とすることによって、130円以下の商品の選択を受け付ける。そして、130円以下の商品に対応するボタンが押下された場合に、制御部21は当該ボタンに対応する商品を商品取出口に出させてユーザに提供する(S208)。
【0119】
[2−5.まとめ]第1実施形態と同様、第2実施形態に係る自動販売機管理システム1によっても、ユーザは携帯端末10を用いることによって、自動販売機20で販売されている商品を現金以外の決済手段で購入できる。また、個々の自動販売機20に追加すべきハードウェアの費用を抑制しつつ、上記機能を実現できる。
【0120】
第2実施形態に係る自動販売機管理システム1では、ユーザが自動販売機20から離れた位置で決済を行う(決済情報を入力する)ことが想定され、ユーザが自動販売機20から離れている状態で商品を商品取出口に出してしまうと、誤って第三者が商品を取ってしまうおそれがある。この点、第2実施形態に係る自動販売機管理システム1では、携帯端末10が自動販売機20に近接している場合に商品が商品取出口に出されるため、上記のような不都合の発生を抑制できる。
【0121】
また、第2実施形態に係る自動販売機管理システム1によれば、別の目的で使用されているビーコンを、携帯端末10が自動販売機20に近接しているか否かの判定にも流用できる。
【0122】
[3.第3実施形態]次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0123】
[3−1.システム構成]第3実施形態に係る自動販売機管理システム1も第1実施形態と同様の構成を有する(
図1参照)。
【0124】
[3−2.機能概要]第1及び第2実施形態では購入対象商品が自動販売機20で選択されていたが、第3実施形態では購入対象商品が携帯端末10で選択される。
図14は、第3実施形態においてユーザが商品を得るまでの流れについて説明するための図である。
【0125】
(1)第1及び第2実施形態と同様、自動販売機20のビーコン送信部24は、自動販売機20の識別情報(例えば自動販売機ID及び位置情報)を示すビーコンを所定時間ごとに送信している。このビーコンは自動販売機20の付近にある携帯端末10のビーコン受信部14によって受信される。
【0126】
(2)自動販売機20の識別情報が携帯端末10で受信された場合、携帯端末10は当該自動販売機20で販売されている商品の情報をネットワーク2を介して管理サーバ30から取得する。具体的には、携帯端末10が自動販売機IDを管理サーバ30に送信すると、当該自動販売機IDの自動販売機20で販売されている商品のリストが管理サーバ30から携帯端末10に返信される。
【0127】
(3)(4)自動販売機20で販売されている商品の情報が携帯端末10で受信された場合、携帯端末10は商品選択画面を表示部16に表示する。
図15は商品選択画面の一例を示す。
図15に示すように、商品選択画面60には自動販売機20の位置情報が表示される。具体的には、自動販売機20の位置を示す地
図61が商品選択画面60に表示される。また、自動販売機20で販売されている商品のリストが商品選択画面60に表示される。さらに、上記リストに含まれる各商品にそれぞれ関連付けて決済ボタン62が表示される。ユーザは所望の商品に関連付けられた決済ボタン62を選択することによって、購入対象商品を選択する。いずれかの決済ボタン62が選択されると、当該決済ボタン62に関連付けられた商品の決済処理が実行される。この決済処理では、現金以外の決済手段(例えばクレジットカード、電子マネー、又はポイント等)による決済が実行される。例えば、携帯端末10は、決済を実行する決済サーバに決済要求を送信する。この場合、決済サーバでは決済が実行され、決済が完了すると、決済が完了した旨が携帯端末10に通知される。
【0128】
(5)決済処理が完了した場合、携帯端末10が自動販売機20の付近に位置していれば、携帯端末10は、決済処理が完了した旨を示す完了通知情報をネットワーク2を介して管理サーバ30に送信する。
【0129】
(6)完了通知情報が管理サーバ30で受信された場合、管理サーバ30は、商品選択画面60で選択された購入対象商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報をネットワーク2を介して自動販売機20に送信する。
【0130】
(7)許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、自動販売機20は購入対象商品を提供する。すなわち、自動販売機20は当該商品を商品取出口に出す。
【0131】
以上のようにしてユーザは購入対象商品を得ることができる。第3実施形態に係る自動販売機管理システム1によっても、ユーザは携帯端末10を用いることによって、自動販売機20で販売されている商品を現金以外の決済手段で購入できる。また、個々の自動販売機20に追加すべきハードウェアの費用を抑制しつつ、上記機能を実現できる。また、第2実施形態と同様に、第3実施形態に係る自動販売機管理システム1によっても、誤って第三者が商品を取ってしまうという不都合の発生を抑制できる。
【0132】
[3−3.機能ブロック]
図16は、第3実施形態に係る自動販売機管理システム1で実現される機能ブロックを示す機能ブロック図である。
【0133】
図16に示すように、携帯端末10は、識別情報取得部101(識別情報取得手段)、識別情報送信部102、決済処理実行部104(決済処理実行手段)、通知情報送信部105、近接判定部112(近接判定手段)、商品/役務情報受信部121(商品/役務情報取得手段)、及び選択画面表示制御部122(選択画面表示制御手段)を含む。第1及び第2実施形態と異なり、携帯端末10は商品/役務情報受信部121及び選択画面表示制御部122を含む。これらは主に制御部11によって実現される。なお、識別情報取得部101及び識別情報送信部102は第1実施形態と同様であり、近接判定部112は第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0134】
また、自動販売機20は識別情報提供部201(識別情報提供手段)及び商品/役務提供部203を含む。なお、識別情報提供部201は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0135】
また、管理サーバ30(管理装置)は識別情報受信部303(識別情報受信手段)、通知情報受信部305(通知情報受信手段)、提供許可部306(提供許可手段)、及び商品/役務情報送信部321を含む。第1及び第2実施形態と異なり、管理サーバ30は商品/役務情報送信部321を含む。これは主に制御部31によって実現される。なお、識別情報受信部303は第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0136】
[3−3−1]以上の機能ブロックについて説明する前に、自動販売機20及び管理サーバ30に予め記憶される情報について説明しておく。
【0137】
第1実施形態と同様、第3実施形態でも、
図5及び
図6に示した基本情報テーブルや販売商品テーブルが自動販売機20の記憶部22に予め記憶され、
図7に示した自動販売機テーブルが管理サーバ30の記憶部32に予め記憶される。
【0138】
一方、第1実施形態と異なり、管理サーバ30の記憶部32には、
図17に示すように、販売商品テーブルが自動販売機20ごとに記憶され(自動販売機IDに関連付けて記憶される。
図17に示す販売商品テーブルは、個々の自動販売機20の記憶部22に記憶される販売商品テーブルと同様である。すなわち、第3実施形態では、個々の自動販売機20の記憶部22に記憶される販売商品テーブルが管理サーバ30の記憶部32でも一元的に記憶される。なお、
図17に示す販売商品テーブルは管理サーバ30からアクセス可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。
【0139】
[3−3−2]商品/役務情報送信部321は、識別情報受信部303によって受信された識別情報によって識別される自動販売機20で販売されている商品又は役務に関する情報を通信部33を介して携帯端末10に送信する。商品/役務情報受信部121は当該情報を通信部13を介して受信して取得する。
【0140】
例えば、商品/役務情報送信部321は、識別情報受信部303によって受信された自動販売機IDと関連付けて記憶された販売商品テーブルを参照し、当該販売商品テーブルに登録された商品のリストを携帯端末10に送信する。商品/役務情報受信部121は当該リストを受信する。
【0141】
[3−3−3]選択画面表示制御部122は、識別情報受信部303によって受信された識別情報によって識別される自動販売機20で販売されている少なくとも一つの商品又は役務を購入対象として選択するための選択画面を表示部16に表示させる。選択画面は商品/役務情報受信部121によって受信された情報に基づいて表示される。
【0142】
例えば、選択画面表示制御部122は、
図15に示したような商品選択画面60を表示部16に表示させる。
【0143】
[3−3−4]決済処理実行部104は、購入対象として選択された商品又は役務の提供を受けるための決済処理を実行する。
【0144】
例えば、商品選択画面60のいずれかの決済ボタン62が選択された場合に、決済処理実行部104は、当該決済ボタン62に対応する商品に関する決済処理を実行する。例えば、決済処理実行部104は、決済を実行する決済サーバに決済要求を送信する。この場合、決済を実行するために必要なユーザ認証処理等が実行された後、決済サーバでは決済が実行され、決済が完了すると、決済が完了した旨が携帯端末10に通知される。
【0145】
[3−3−5]通知情報送信部105は、決済処理が完了した場合であって、かつ、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると判定される場合に、所定の通知情報を通信部13を介して管理サーバ30に送信する。
【0146】
例えば、通知情報送信部105は、決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する。ここで、商品ID「P1」の商品が購入対象商品として選択された場合を想定する。この場合、通知情報送信部105は、商品ID「P1」を含む完了通知情報を管理サーバ30に送信する。なお、第2実施形態と同様、上記のような通知情報が管理サーバ30に送信されることによって管理サーバ30(提供許可部306)は商品の提供を自動販売機20に許可するため、通知情報送信部105によって送信される通知情報は、商品の提供を自動販売機20に許可するように管理サーバ30に対して指示するものであるということもできる。
【0147】
[3−3−5]提供許可部306は、通知情報受信部305によって通知情報が受信された場合に、識別情報受信部303によって受信された識別情報によって識別される自動販売機20に対して商品又は役務の提供を許可する。商品/役務提供部203は、提供許可部306による許可に応じて商品又は役務を提供する。
【0148】
例えば、商品ID「P1」を含む完了通知情報が受信された場合に、提供許可部306は商品ID「P1」の商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報を自動販売機20に送信する。なお、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると判定される場合に、通知情報送信部105は完了通知情報を管理サーバ30に送信するため、提供許可部306は、通知情報受信部305によって通知情報が受信された場合であって、かつ、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると判定される場合に、許可通知情報を自動販売機20に送信していることになる。
【0149】
なお、商品ID「P1」の商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、商品/役務提供部203は商品ID「P1」の商品を商品取出口に出す。
【0150】
[3−4.処理]
図18は、第3実施形態に係る自動販売機管理システム1で実行される処理の一例を示す。
図18に示す処理が記憶部12,22,32にそれぞれ記憶されるプログラムに従って実行されることによって、制御部11,21,31が
図16に示す機能ブロック(識別情報提供部201を除く)として機能する。
【0151】
先述の通り、自動販売機20のビーコン送信部24はビーコンによって自動販売機20の識別情報(自動販売機ID及び位置情報)を送信しており、携帯端末10では当該識別情報が受信される(S301)。
【0152】
自動販売機20の識別情報が携帯端末10で受信された場合、制御部11は、当該識別情報に基づいて、自動販売機20で販売されている商品の情報を管理サーバ30から取得する。具体的には、制御部11は自動販売機IDを管理サーバ30に送信することによって、自動販売機20で販売されている商品の情報を管理サーバ30に要求する(S302)。この場合、管理サーバ30の制御部31は当該情報を携帯端末10に返信する(S303)。すなわち、制御部31は、携帯端末10から送信された自動販売機IDと関連付けて記憶された販売商品テーブルを参照し、当該販売商品テーブルに登録された商品のリストを読み出し、読み出したリストを携帯端末10に返信する。
【0153】
ステップS303の実行後、制御部11は、ステップS303で受信された情報に基づいて、商品選択画面60を表示部16に表示する(S304)。そして、商品選択画面60のいずれかの決済ボタン62が選択された場合に、制御部11は決済ボタン62に対応する商品を購入対象商品として特定し、購入対象商品の情報(価格)に基づいて、購入対象商品に関する決済処理を実行する(S305)。例えば、制御部11は、決済を実行する決済サーバに対して決済要求を送信する。そして、決済が完了した旨が決済サーバから携帯端末10に通知された場合に、制御部11は決済処理が完了したと判定する。
【0154】
ステップS305の実行後、制御部11は携帯端末10が自動販売機20に近接しているか否かを判定する(S306)。このステップS306は
図13のステップS204と同様である。
【0155】
携帯端末10が自動販売機20に近接していると判定された場合、制御部11は、決済処理が完了した旨を示す完了通知情報を管理サーバ30に送信する(S307)。例えば、購入対象商品の商品IDが「P1」である場合、制御部11は商品ID「P1」を完了通知情報として管理サーバ30に送信する。この場合、ステップS201で受信された自動販売機IDも管理サーバ30に送信される。
【0156】
完了通知情報が管理サーバ30で受信された場合、制御部31は、購入対象商品の提供を許可する旨を示す許可通知情報を自動販売機20に送信する(S308)。例えば、制御部31は自動販売機テーブルを参照し、ステップS306で完了通知情報とともに受信された自動販売機IDに関連づけられた通信アドレス情報を読み出す。そして、制御部31は許可通知情報を当該通信アドレス情報宛に送信する。商品ID「P1」が完了通知情報として受信された場合であれば、商品ID「P1」が許可通知情報として送信される。
【0157】
許可通知情報が自動販売機20で受信された場合、制御部21は当該許可通知情報に基づいて購入対象商品を提供する(S309)。例えば、商品ID「P1」が許可通知情報として受信された場合、制御部31は販売商品テーブルを参照し、商品ID「P1」の商品を商品取出口に出させる。
【0158】
[3−5.まとめ]第3実施形態に係る自動販売機管理システム1によっても、ユーザは携帯端末10を用いることによって、自動販売機20で販売されている商品を現金以外の決済手段で購入できる。また、個々の自動販売機20に追加すべきハードウェアの費用を抑制しつつ、上記機能を実現できる。
【0159】
また、第3実施形態に係る自動販売機管理システム1によれば、ユーザは携帯端末10を用いることによって、自動販売機20から離れた位置でも、自動販売機20で販売されている商品の購入手続きを行うことができる。なお、第3実施形態に係る自動販売機管理システム1によれば、サンプルウィンドウを自動販売機20に設けないようにすることも可能になる。
【0160】
なお、第3実施形態に係る自動販売機管理システム1においても、ユーザが自動販売機20から離れた位置で決済を行う(購入対象商品を選択する)ことが可能であり、ユーザが自動販売機20から離れている状態で商品を商品取出口に出してしまうと、誤って第三者が商品を取ってしまうおそれがある。この点、第3実施形態に係る自動販売機管理システム1では、携帯端末10が自動販売機20に近接している場合に商品が商品取出口に出されるため、上記のような不都合の発生を抑制できる。
【0161】
[4.変形例]なお、本発明は以上に説明した第1実施形態〜第3実施形態に限定されるものではない。
【0162】
[4−1]第3実施形態では、
図19に示すように、ビーコン送信部24が自動販売機20の識別情報と、自動販売機20で販売される商品の情報(商品ID、名称、及び価格等)とをビーコンによって送信するようにしてもよい。そして、携帯端末10は、自動販売機20で販売される商品の情報を管理サーバ30から取得するのではなく、ビーコン受信部14によって受信されたビーコンから取得するようにしてもよい。
【0163】
[4−2]第2及び第3実施形態では、通知情報送信部105による通知情報の送信を近接判定部112の判定結果に基づいて制限するのではなく、決済処理実行部104による決済処理の実行を近接判定部112の判定結果に基づいて制限してもよい。すなわち、携帯端末10と自動販売機20とが近接していない場合には、決済ボタン53,62を表示しないようにしたり、決済ボタン53,62を選択不可の状態で表示したり、決済ボタン53,62が選択されてもエラーメッセージを表示したりすることによって、決済処理を実行しないようにしてもよい。
【0164】
[4−3]第2及び第3実施形態では、近接判定部112が管理サーバ30で実現されてもよい。
【0165】
この変形例では、近接判定部112による判定に必要な情報(例えば、携帯端末10でのビーコンの受信強度情報又は携帯端末10の位置情報等)が管理サーバ30に供給されて、近接判定部112による判定が実行される。
【0166】
またこの変形例では、提供許可部306による許可が近接判定部112の判定結果に基づいて制限される。すなわち、通知情報受信部305によって完了通知情報が受信された場合であっても、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると近接判定部112によって判定されなければ、提供許可部306は許可通知情報を自動販売機20に送信しない。つまり、通知情報受信部305によって完了通知情報が受信された場合であって、かつ、携帯端末10と自動販売機20とが近接していると近接判定部112によって判定された場合に、提供許可部306は許可通知情報を自動販売機20に送信する。
【0167】
[4−4]第2及び第3実施形態では、同一の自動販売機20(ビーコン送信部24)からのビーコンが届く範囲にいる複数のユーザがそれぞれ携帯端末10を用いて決済を行い、それら複数のユーザが同時期に自動販売機20に商品(又は役務)の提供を受けに来る場合が想定される。そこで、このような場合にも各ユーザに正確に商品(又は役務)を提供すべく下記のようにするとよい。
【0168】
[4−4−1]まず、自動販売機20と近接していると先に判定された携帯端末10のユーザから順番に当該自動販売機20で商品(又は役務)を提供するようにしてもよい。
【0169】
例えば、携帯端末10でのビーコンの受信強度が閾値以上であるか否かを判定することによって、携帯端末10が自動販売機20に近接しているか否かを判定する態様では、先にビーコンの受信強度が閾値以上になった携帯端末10のユーザから順番に自動販売機20で商品(又は役務)を提供するようにすればよい。
【0170】
また例えば、携帯端末10と自動販売機20との間の距離が閾値以下になったか否かを判定することによって、携帯端末10が自動販売機20に近接しているか否かを判定する態様では、先に自動販売機20との間の距離が閾値以下になった携帯端末10のユーザから順番に自動販売機20で商品(又は役務)を提供するようにすればよい。
【0171】
また例えば、携帯端末10によって読み取られたコード画像が自動販売機20のコード画像であるか否かを判定することによって、携帯端末10が自動販売機20に近接しているか否かを判定する態様では、先にコード画像が自動販売機20のコード画像であると判定された携帯端末10のユーザから順番に自動販売機20で商品(又は役務)を提供するようにすればよい。
【0172】
[4−4−2]また、商品を商品取出口に出す場合に、当該商品を購入したユーザを識別可能にする情報を自動販売機20の表示部に表示してもよい。例えば、決済処理の完了時にコード(予約番号等)を生成し、当該コードをユーザに通知しておき、購入対象商品を商品取出口に出す場合には当該コードを自動販売機20の表示部に表示してもよい。このようにすれば、ユーザは自らに通知されたコードと自動販売機20の表示部に表示されたコードとを比較することによって、商品取出口に出された商品が自分の購入したものであるか否かを把握できる。
【0173】
[4−4−3]なお、携帯端末10で決済された商品(又は役務)の提供を受けるための専用ボタンを自動販売機20に設けてもよい。例えば、この専用ボタンがユーザによって押下され、かつ、携帯端末10でも所定操作がユーザによって行われた(例えば、画面に表示される所定ボタンが押下された)場合に、決済処理の完了時に携帯端末10に保存されたコード(予約番号等)が自動販売機20に送信されることによって、商品又は役務の提供が行われるようにしてもよい。
【0174】
[4−4−4]例えば、いずれかの携帯端末10で決済処理が実行された場合には、例えば管理サーバ30を介して、その旨を自動販売機20に通知して、ビーコン送信部24によって送信されるビーコンの届く範囲を通常の範囲(例えば10m)よりも狭い範囲(例えば1m)に一時的に設定するようにしてもよい。そして、商品(又は役務)の提供が完了したら、上記範囲を通常の範囲(例えば10m)に戻すようにしてもよい。
【0175】
このようにすれば、同一の自動販売機20から送信されるビーコンが届く範囲にいる複数のユーザによって同時期に決済が行われ難くなるため、同一の自動販売機20から送信されるビーコンが届く範囲にいる複数のユーザがそれぞれ携帯端末10を用いて決済を行い、それら複数のユーザが同時期に自動販売機20に商品(又は役務)の提供を受けに来る場合がそもそも生じ難くなる。
【0176】
[4−5]第3実施形態では、自動販売機20で提供される商品のうちの商品Xの在庫がない場合に、商品Xの在庫がある他の自動販売機20をユーザに提示するようにしてもよい。
【0177】
例えば、携帯端末10が、測位部18によって取得された携帯端末10の位置情報を管理サーバ30に送信し、管理サーバ30が、携帯端末10から所定距離の範囲内にあり、かつ、商品Xの在庫がある他の自動販売機20を、携帯端末10の位置情報と自動販売機テーブルと販売商品テーブルとに基づいて特定し、当該自動販売機20の情報を画面に表示するようにしてもよい。なお、管理サーバ30が、記憶部32に記憶される自動販売機テーブル及び販売商品テーブルを携帯端末10に送信し、携帯端末10が、携帯端末10から所定距離の範囲内にあり、かつ、商品Xの在庫がある他の自動販売機20を、携帯端末10の位置情報と自動販売機テーブルと販売商品テーブルとに基づいて特定し、当該自動販売機20の情報を画面に表示するようにしてもよい。
【0178】
[4−6]第1〜第3実施形態では、自動販売機20の識別情報(自動販売機IDや位置情報)をビーコン送信部24によって提供していたが、ビーコン送信部24を設ける代わりに、自動販売機20の識別情報を示すコード画像(2次元バーコード等)を自動販売機20の筐体外面に貼り付けるようにしてもよい。または、自動販売機20が表示部を備えている場合には上記コード画像を表示部に表示するようにしてもよい。この場合、自動販売機20の筐体外面に貼り付けられたコード画像や、コード画像を表示している表示部が識別情報提供部201に相当する。またこの場合、携帯端末10のカメラによってコード画像を撮影することによって、携帯端末10(識別情報取得部101)は撮影されたコード画像から自動販売機20の識別情報を取得する。なお、上記コード画像もビーコン送信部24と同様に自動販売機20に比較的簡易に後付けできるものである。
【0179】
[4−7]第2及び第3実施形態では、自動販売機20(ビーコン送信部24)から送信されるビーコンが携帯端末10(ビーコン受信部14)で受信されると、当該自動販売機20が取引対象となって、決済情報入力画面50や商品選択画面60が表示部16に表示されるようになっていた。
【0180】
しかしながら、自動販売機20から送信されるビーコンが携帯端末10で受信され、かつ、自動販売機20と携帯端末10との間の距離(測位部18によって取得された携帯端末10の位置情報と、識別情報取得部101によって取得された自動販売機20の位置情報との間の距離)が閾値以下である場合、当該自動販売機20が取引対象となって、決済情報入力画面50や商品選択画面60が表示部16に表示されるようにしてもよい。すなわち、自動販売機20から送信されるビーコンが携帯端末10で受信された場合であっても、自動販売機20と携帯端末10との間の距離が閾値以下でなければ、当該自動販売機20が取引対象とならないようにしてもよい。
【0181】
または、ユーザが所望の商品(又は役務)を指定するようにし、自動販売機20から送信されるビーコンが携帯端末10で受信され、かつ、自動販売機20がユーザの所望の商品(又は役務)を提供している場合に、当該自動販売機20が取引対象となって、決済情報入力画面50や商品選択画面60が表示部16に表示されるようにしてもよい。すなわち、自動販売機20から送信されるビーコンが携帯端末10で受信された場合であっても、自動販売機20がユーザの所望の商品(又は役務)を提供していなければ、当該自動販売機20が取引対象とならないようにしてもよい。
【0182】
あるいは、携帯端末10から所定距離の範囲内にある自動販売機20が取引対象となって、決済情報入力画面50や商品選択画面60が表示部16に表示されるようにしてもよい。この場合、携帯端末10から所定距離の範囲内にある自動販売機20は管理サーバ30によって特定されるようにすればよい。すなわち、測位部18によって取得された携帯端末10の位置情報を管理サーバ30に送信し、管理サーバ30(制御部31)が、携帯端末10の位置情報と自動販売機テーブルとに基づいて、携帯端末10から所定距離の範囲内にある自動販売機20を特定するようにすればよい。なお、管理サーバ30の記憶部32に記憶される自動販売機テーブルを携帯端末10に送信し、携帯端末10(制御部11)が、携帯端末10の位置情報と自動販売機テーブルとに基づいて、携帯端末10から所定距離の範囲内にある自動販売機20を特定してもよい。
【0183】
[4−8]第1実施形態では、商品の選択後、所定の期限までにユーザが決済を行わなかった場合(所定の期限までに決済処理が実行されなかった場合)、商品の選択を取り消す(管理サーバ30に保存された決済情報のうちの、当該商品に関する決済情報を取り消す)ようにしてもよい。なお、この場合、商品の選択を取り消されたユーザは商品を購入するための手順を最初からやり直す必要がある。
【0184】
また、第2及び第3実施形態では、決済処理の完了後、所定の期限までにユーザが自動販売機20まで商品を受け取りに来なかった場合(所定の期限までに携帯端末10が自動販売機20と近接すると判定されなかった場合)、決済を取り消し、返金処理等を実行してもよい。このようにすれば、決済後、何らかの事情によってユーザが商品を受け取りに来ることができなかった場合に、決済が取り消されるため、ユーザが代金を支払ったにもかかわらず商品を得ることができないという事態が生じることを抑制できる。また、以上のようにすれば、決済後にユーザが商品を受け取りに来なかった場合に注文を取り消すことができるため、商品の在庫が不当に減ることを抑制でき、その結果として、決済後に商品を取りに来なかったユーザによって他のユーザの商品の選択肢が狭まることを抑制できる。
【0185】
また、第1〜第3実施形態では、商品が商品取出口に出された場合に、自動販売機20(制御部21)が、商品の提供が正常に完了したことを示す正常完了通知情報を管理サーバ30に送信するようにしてもよい。また、この正常完了通知情報が所定期間内に管理サーバ30で受信されなかった場合には、タイムアウトになったと判断して、決済を取り消し、返金処理等を実行するようにしてもよい。例えば、自動販売機20に商品の提供が許可された後(すなわち、管理サーバ30から自動販売機20に許可通知情報が送信された後)、所定時間が経過するまでの間に、正常完了通知情報が管理サーバ30で受信されなかった場合に、タイムアウトになったと判断して、決済を取り消し、返金処理等を実行するようにしてもよい。この場合、商品の提供が正常に完了しなかったことを示す通知情報を携帯端末10に送信し、その旨が表示部16に表示されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、ネットワーク2の障害等によって許可通知情報が自動販売機20に届かなかった場合や、自動販売機20の不具合等によって商品が商品取出口に出なかった場合等のような、ユーザが商品を得ることができなかった場合に、決済が取り消されるため、ユーザが代金を支払ったにもかかわらず商品を得ることができないという事態が生じることを抑制できる。なお、第1実施形態では、タイムアウトと判断された場合に、購入対象商品の状態フラグ(
図8参照)を「1」から「0」に戻すことによって、決済画面40で決済をやり直すことができるようにしてもよい。
【0186】
[4−9]第3実施形態では、携帯端末10のカメラで自動販売機20のサンプルウィンドウを撮影した画像を商品選択画面60の代わりに表示し、画像認識技術等を利用することによって、ユーザによって選択された購入対象商品を撮影画像から特定するようにしてもよい。
【0187】
[4−10]AR技術(拡張現実技術)等を用いて自動販売機20の位置を案内するようにしてもよい。例えば、携帯端末10のカメラ機能を有効にし、レンズに写る現実空間の画像を表示部16に表示してもよい。そして、AR技術を用いて、現実空間の画像内で自動販売機20の位置を案内してもよい。また、自動販売機20の位置を示すマーク(矢印等)を現実空間の画像内に表示してもよい。
【0188】
[4−11]第1実施形態において、決済情報の送受信は決済情報送信部202と決済情報受信部301との間で直接的に行われる必要はない。決済情報送信部202によって送信された決済情報は管理サーバ30以外の装置で受信されて保存され、当該装置に保存された決済情報が管理サーバ30に送信され、決済情報受信部301によって受信されてもよい。第1〜第3実施形態における他の情報の送受信に関しても同様である。