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特許6557790プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するためのデバイスおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557790
(24)【登録日】2019年7月19日
(45)【発行日】2019年8月7日
(54)【発明の名称】プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B25B 27/10 20060101AFI20190729BHJP
   B23P 11/02 20060101ALI20190729BHJP
   F15B 11/028 20060101ALI20190729BHJP
【FI】
   B25B27/10 A
   B23P11/02 Z
   F15B11/028 F
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-543308(P2018-543308)
(86)(22)【出願日】2017年2月16日
(65)【公表番号】特表2019-511962(P2019-511962A)
(43)【公表日】2019年5月9日
(86)【国際出願番号】EP2017053508
(87)【国際公開番号】WO2017140785
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2018年10月12日
(31)【優先権主張番号】102016102960.2
(32)【優先日】2016年2月19日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517287316
【氏名又は名称】フィーガ テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Viega Technology GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン リッシェン
(72)【発明者】
【氏名】イェルク ローゼンタール
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ グリュンケマイアー
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−121714(JP,A)
【文献】 特開2005−288601(JP,A)
【文献】 特開昭49−077071(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0078931(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0040555(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 27/10
B23P 11/02
F15B 7/02
F15B 11/028
B23P 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するためのデバイスであって、
作動流体用の貯蔵容器(4)を有し、
ポンプピストン(6)を備えたポンプシリンダ(8)を有し、
作動ピストン(10)を備えた作動シリンダ(12)を有し、
前記貯蔵容器(4)を前記ポンプシリンダ(8)に接続するための第一ライン(14)を有し、
前記ポンプシリンダ(8)を前記作動シリンダ(12)に接続するための第二ライン(16)を有し、
前記作動シリンダ(12)を前記貯蔵容器(4)に接続するための第三ライン(18)を有し、
前記第一ライン(14)に、前記ポンプシリンダ(8)から前記貯蔵容器(4)内への作動流体の戻り流を防ぐための手段(20)が提供され、
前記第二ライン(16)に、前記作動シリンダ(12)から前記ポンプシリンダ(8)内への作動流体の戻り流を防ぐための手段(22)が提供され、
前記第三ライン(18)を開閉するための切換手段(24)が提供され、
前記作動シリンダ(12)のピストン変位(V)は、前記ポンプシリンダ(8)のピストン変位(V)よりも大きくなるように構成され、
前記第一ライン(14)および前記第二ライン(16)における戻り流を防ぐための前記手段は、逆止弁(20、22)として設計され、
前記第三ライン(18)の前記切換手段は、切換弁(24)として設計される、
デバイスであって、
前記第二ライン(16)に設けられた前記逆止弁(22)の後に圧力制限弁(42)を備えた第四ライン(40)が流れ方向に分岐し、制御ライン(44)が前記圧力制限弁(42)を前記切換弁(24)に接続する、および、
前記切換弁(24)は機械プランジャ(46)を有し、前記作動ピストン(10)は、戻りストローク中に前記作動ピストン(10)が前記プランジャ(46)を作動させ、前記切換弁(24)を閉じるように設けられる、ものとされ、且つ、
前記作動シリンダ(12)内の前記作動ピストン(10)は、圧縮バネ(38)によりプリテンションがかけられる、
ことを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記作動シリンダ(12)のピストン変位(V)は、前記ポンプシリンダ(8)のピストン変位(V)の少なくとも二倍、特に数倍大きいことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記貯蔵容器(4)は、少なくとも一つの圧力要素、特に少なくとも一つの圧縮バネ(30)または蓄圧器によりプリテンションがかけられた蓋(32)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第三ライン(18)は絞り弁(48)を有することを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記作動シリンダ側の前記絞り弁(48)の入力と前記ポンプシリンダ(8)との間に第五ライン(50)が提供され、
前記第五ライン(50)に、前記ポンプシリンダ(8)から前記第三ライン(18)内への作動流体の戻り流を防ぐための手段(52)、特に逆止弁が提供される、
ことを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ポンプシリンダ(8)は、前記作動シリンダ(12)とは反対方向に動作することを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
請求項1〜の何れか一項に記載のデバイスを使用する、プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するための方法であって、
作動流体がポンプシリンダにより二回以上のストロークで作動シリンダに送り込まれ、
前記作動シリンダ内の圧力が前記ポンプシリンダの各二回のストロークの合間に維持され、
前記作動シリンダ内の終端圧力に達した後に前記作動流体が前記作動シリンダから排出される、
方法。
【請求項8】
前記作動流体は、絞られたやり方で排出され、
前記作動流体の圧力は、前記作動シリンダからの前記排出の開始直後に前記ポンプシリンダ内の圧力蓄積の生成をオフにするために使用される、
請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレスフィッティングは、管および/またはフィッティングを接続するために使用され、フィッティングを冷間成形することにより、シールを用いて、フィッティングと管および/またはフィッティングとの間の永久プレスされ、必要に応じて解除不能な接続が作成されうる。加えて、フィッティングならびに接続されるべき管および/またはフィッティングの一部が変形される純粋な金属接続も知られている。
【0003】
プレスフィッティングをプレスするために、液圧的または電気的に生成される直線力を互いに対して移動可能な二つのプレスジョーの旋回運動に変換するプレス工具が使用される。この目的のために、一方ではプレス工具に直接接続されたプレスジョーを提供し、これらをプレスフィッティングに使用して圧縮によりプレスすることができる。他方では、特により大きな寸法のプレスフィッティングの場合には、少なくとも二つのセグメントを含むプレスループとプレス工具に接続された二つのプレスジョーとが提供され、これらがプレスループのセグメントをプレスし、したがってプレスフィッティングをプレスしてもよい。
【0004】
しかし、例えば外径が50mm超〜150mm超の大きな寸法の管用のプレスフィッティングは、プレス中に大きなプレス力および大きなプレス距離の両方が必要である。このようにしてのみ、フィッティングを接続されるべき管とともに十分に変形させることができ、信頼性の高い接続を作成することができる。
【0005】
このような大きなプレスフィッティングを変形させるための作業要件は、例えば32kN×40mmストロークまたは45kN×45mmストロークの仕事を保証できる市販のプレス機械の作業能力を超えることが多い。したがって、大きな寸法の場合、一回のプレス機械のストロークによりプレスフィッティングをプレスすることは不可能である。プレス機械の複数回の使用は、プレス力ひいてはプレスリングに対する弾性プリテンションの中間損失につながり、その結果プレス工程が全体として害される。
【0006】
この問題に対処するために、特許文献1の先行技術から二ストローククランプジョーが知られている。しかし、二ストローククランプジョーの構造は複雑であり、したがって連続生産および建設現場への応用に移すことが困難である。さらに、このシステムでは、プレスリングおよびクランプジョーの弾性プリテンションが初回および二回目のプレス機械のストロークの間に失われる。これに対応して、全体の変形に利用可能な作業能力がより小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第2 522 464(B1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、大きなプレスフィッティングのプレスを改良するという技術的課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有するプレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するためのデバイスにより解決される。
【0010】
本発明によれば、プレス機械と旋回されるプレスジョーとの間に設けられる液圧力伝達デバイスとしてのデバイスが提案される。このデバイスは、作動流体用の貯蔵容器が提供され、ポンプピストンを備えたポンプシリンダを有し、作動ピストンを備えた作動シリンダを有し、貯蔵容器をポンプシリンダに接続するための第一ラインを有し、ポンプシリンダを作動シリンダに接続するための第二ラインを有し、作動シリンダを貯蔵容器に接続するための第三ラインを有し、第一ラインに、ポンプシリンダから貯蔵容器内への作動流体の戻り流を防ぐための手段が提供され、第二ラインに、作動シリンダからポンプシリンダ内への作動流体の戻り流を防ぐための手段が提供され、第三ラインを開閉するための切換手段が提供され、作動シリンダのピストン変位は、ポンプシリンダのピストン変位よりも大きくなるように構成される。
【0011】
記載されたデバイスは、プレス機械への接続のためのポンプピストンに接続されたポンプピストンロッド、および、プレスデバイスを駆動するための作動ピストンに接続された作動ピストンロッドも有する。プレス機械に連結するためのレセプタクルがポンプピストンロッドに接続される。デバイスの反対側では、作動ピストンロッドがプレスジョーレセプタクルに接続され、プレスジョーが公知のダブルローラプランジャにより駆動されて旋回運動し、プレスフィッティングまたはプレスループを圧縮する。
【0012】
以下では、記載されたデバイスを用いて実施されうるプレスサイクル全体が例として説明される。
【0013】
プレスサイクルの開始時には、作動流体、好ましくは作動油が第一ラインを介して貯蔵容器からポンプシリンダに押し込まれ、戻り流を防ぐために第一ラインに設けられた手段が、ポンプシリンダのストローク中に作動流体が貯蔵容器に逆流するのを防ぐ。
【0014】
ポンプシリンダの第一ストローク中には、作動流体が加圧され、第二ラインを介して作動シリンダに流入する。作動シリンダ内では、作動流体の圧力により作動ピストンが前進する。ポンプシリンダの第一ストロークの終了時に、ポンプピストンがポンプシリンダの壁に接するためにプレス機械のプレス力が急激に上昇し、これによりオフ切換され、プレス圧力が減少する。戻り流を防ぐために第二ラインに設けられた手段により、作動シリンダ内の作動ピストンに対する圧力が維持され、ピストンロッドと、したがってプレスジョーに加えられるプレス力も維持される。
【0015】
その後、作動流体が再び貯蔵容器から出てポンプシリンダに押し込まれ、その結果、ポンプピストンが押し戻される。ポンプシリンダの次のサイクル、および任意にさらなるサイクルでは、その後再び上述のように作動流体が作動シリンダに押し込まれ、作動シリンダ内の圧力が維持される。したがって、本発明によれば、作動シリンダのピストン変位は、ポンプシリンダのピストン変位よりも大きくなるように構成されるものとされる。作動シリンダのピストン変位は、好ましくは、ポンプシリンダのピストン変位の少なくとも二倍、特に数倍大きい。したがって、作動シリンダを満たすためにポンプシリンダの二回以上のストローク、好ましくは複数回のストロークが使用されうる。
【0016】
作動ピストンのストロークが所定の終端に達すると、それにより作動シリンダ内の圧力が既定値を超え、その後、フィッティングのプレス工程が終了する。作動ピストンのこの位置で第三ラインの切換手段が開き、作動流体が貯蔵容器に流れて戻るのを可能にする。その結果、デバイスが初期位置に戻される。切換手段は、液圧的、機械的または電子的に切換されうる。
【0017】
したがって、一般に、上に示した技術的課題は、プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するための方法であって、作動流体がポンプシリンダにより二回以上のストロークで作動シリンダに送り込まれ、作動シリンダ内の圧力がポンプシリンダの各二回のストロークの合間に維持され、作動シリンダ内の終端圧力に達した後に作動流体が作動シリンダから排出される、方法によっても解決される。
【0018】
液圧力伝達デバイスとしての記載されたデバイスおよび記載された方法を利用して、特に大きなプレスフィッティングをプレスするために、プレス機械の二回以上のストロークを用いて、作動シリンダ内の十分に高い圧力で作動シリンダの十分に大きなストロークを達成することが可能である。
【0019】
したがって、本デバイスは、任意の数のプレス機械のストロークを一つのプレスストロークに変換する。動作原理は液圧式であり、その結果、作動シリンダの力およびストローク長さが可変的に調節されうる。作動シリンダの力の大きさおよびストローク長さは、一方ではポンプシリンダにより生成される圧力に依存し、他方では作動シリンダの長さおよび直径の正確な構造に依存する。これらは、それぞれの用途に適合されうる。例えば、32kN×40mmのストロークの作業能力を有する従来のプレス機械で、32kN×80mmのストロークまたは35kN×100mmのストロークの仕事が行われうる。
【0020】
プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するための記載されたデバイスの一つの利点は、プレスループおよびプレスジョーがプレス機械の作動ストロークの合間に、すなわちポンプシリンダの二回のストロークの合間に機械的にテンションがかけられたままであるため、プレス中に変形仕事の損失がないことにある。したがって、プレスジョーの新たな使用が有利に防止される。
【0021】
さらに、液圧サニタリープレスにおいて通例のように、力伝達デバイスとしての記載されたデバイスにより、プレス工程全体も広範に保護される。プレス工程が圧力制御されたやり方で実行され、緊急解放によってのみ終了されうるという点で保護が確保される。
【0022】
さらなる利点は、記載されたデバイスがプレス機械とプレスジョーとの間に設けられ、プレス機械のプレス力が少なくとも二つのステップでプレスジョーに伝達されるため、本デバイスが市販のプレス機械に適合することである。
【0023】
上述のデバイスは、好ましくは、貯蔵容器が少なくとも一つの圧力要素によりプリテンションがかけられた蓋を有するように開発される。蓋は、この目的のために移動可能に設計され、圧縮バネにより作動流体の排出方向に変位する。少なくとも一つの圧力要素は、少なくとも一つの圧縮バネとして、またはダイアフラムとガス容積とからなる蓄圧器として実施されうる。プリテンションの結果として、油貯蔵容器は全体として気泡がなく、その結果、デバイスが全ての位置で操作されうる。バネ付勢のないポンプシリンダは、貯蔵容器内の静圧を利用して満たされ、そのためポンプシリンダを満たすためにポンプシリンダを通じて油を吸引する必要はない。したがって、貯蔵容器およびポンプシリンダ内に負圧は生じない。作動流体は静圧により流れるにすぎない。
【0024】
さらに、有利には、作動シリンダ内の作動ピストンは、圧縮バネによりプリテンションがかけられるものとされる。プレスサイクルが完了した後、単動式作動シリンダが圧縮バネにより油容積を貯蔵容器に押し込む。作動シリンダ内の圧縮バネの圧力の力は、第三ラインの作動流体に生成される圧力が、貯蔵容器内に設けられた少なくとも一つの圧力要素の圧力の力を上回るのに十分であるように設計される。
【0025】
ポンプシリンダの底部には通気穴も有利に提供され、これにより、作動ピストンが押し戻される結果として作動シリンダ内に負圧が発生することが防止される。
【0026】
さらなる好ましいやり方では、第一ラインおよび第二ラインにおける戻り流を防ぐための手段は、逆止弁として設計され、第三ラインの切換手段は、切換弁として設計される。プレスサイクル全体の過程の全体的制御は、発生する圧力により制御される。逆止弁および切換弁の設計は、それぞれの用途に依存する。
【0027】
あるいは、戻り流を防ぐための手段は、対応する穴がシリンダ内に設けられ、対応するラインをピストンの適切な位置で解放し、作動流体の流れを可能にすることで、経路制御されたものとすることもできる。
【0028】
本デバイスのさらなる有利な実施形態は、第二ラインに設けられた逆止弁の後に圧力制限弁を備えた第四ラインが流れ方向に分岐する点、および、制御ラインが圧力制限弁を切換弁に接続する点にある。したがって、バネ付勢圧力制限弁は、逆止弁の後のポンプシリンダと作動シリンダとの間の接続ライン、すなわち第二ラインに接続される。この弁は定義されたオフ切換圧力pから開き、ライン圧力により、二つの切換位置を有する三方弁として設計された切換弁を制御する。この弁は、第三ラインに、好ましくは作動シリンダの底部に位置し、圧力制限弁から発する液圧切換信号により第三ライン、すなわち作動シリンダと貯蔵容器との間の接続を開く。その結果、作動シリンダ内の油容積が貯蔵容器内に排出され、プレス工程が終了する。
【0029】
切換弁を初期位置に戻すことができるように、特に、切換弁は機械プランジャを有し、作動ピストンは、戻りストローク中に作動ピストンがプランジャを作動させて切換弁を閉じるように設けられものとされる。
【0030】
記載されたデバイスのさらなる具体的開発は、第三ラインが絞り弁を有することにある。
【0031】
第三ラインに絞り弁を設ける理由は、以下の通りである。一般に、公知のプレス機械におけるプレス圧力は、ポンプシリンダのストロークの終端について上述したように、プレス工程を終結させるための切換信号として使用される。したがって、これらのプレス機械は、力伝達デバイスとして機能する記載されたデバイスと全く同様に、力制御される。したがって、プレス機械がポンプシリンダ内のプレスストロークを終了する前に、デバイスまたは力伝達デバイスがプレス工程を終了すれば有利である。このため、第三ライン、すなわち切換弁から貯蔵容器への排出ラインが絞られる。その結果、作動シリンダおよびポンプシリンダ内の圧力降下が一時的に遅延される。この遅延の結果として、対応する高い残留圧力または十分に高い残留力がポンプシリンダ内に維持され、そのためプレス機械が尚早にオフにならず、上述のようにストロークがポンプシリンダに接してはじめてオフになる。したがって、プレス機械の最後のストロークでのオフ切換は、第一ストロークまたは最後から二番目のストロークまでの全てのさらなるストロークでのオフ切換と等しい。
【0032】
加えて、作動シリンダ側の絞り弁の入力とポンプシリンダとの間に第五ラインが提供され、ここにポンプシリンダから第三ライン内への作動流体の戻り流を防ぐための手段、特に逆止弁が提供されうる。特に作動流体の貯蔵容器への排出開始時には、結果として作動流体の一部、特に比較的大きな一部がポンプシリンダ内に排出される。これにより、ポンプシリンダ内の圧力降下が早すぎず、接続されたプレス機械がオフに切り換わらないことが確保される。したがって、ポンプシリンダ内の圧力は、プレス機械のストロークの最後まで維持され、プレス機械のエラーのないオフ切換が確保されうる。
【0033】
作動流体の流れは、第一ライン、第二ラインおよび第三ラインを備えたポンプシリンダ、作動シリンダおよび貯蔵容器を含む大きな回路、または第二ライン、第三ラインおよび第五ラインを備えたポンプシリンダおよび作動シリンダを含む小さな回路を意味するものとも理解されうる。
【0034】
記載されたデバイスのさらなる好ましい実施形態は、ポンプシリンダが作動シリンダとは反対方向に動作することにある。その結果、適切に設計された機械デバイスによりプレス運動が引張運動に変換されるプレス機械が使用されうる。この構成は、記載されたデバイスの設置空間がポンプシリンダの領域で短く保たれうる利点を有する。
【0035】
加えて、ポンプシリンダと作動シリンダとが直列に設けられれば有利であり、その結果、両方のシリンダを収容するハウジングの有利な回転機械加工が可能となる。
【0036】
以下で本発明を、図面を参照しながら例示的な実施形態を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明によるデバイスの液圧回路図である。
図2】プレス機械のためのレセプタクルおよびダブルローラプランジャのためのホルダが取り付けられた、本発明によるデバイスの斜視図である。
図2a図3図5の断面の識別を含む、図2にしたがった側面図である。
図3図2aおよび図6のIII−III線に沿った本発明によるデバイスの断面図である。
図4図2aおよび図6のIV−IV線に沿った本発明によるデバイスの断面図である。
図5図2aおよび図6のV−V線に沿った本発明によるデバイスの断面図である。
図6図3図4および図5のVI−VI線に沿った本発明によるデバイスの断面図である。
図7】プレス機械が取り付けられた本発明によるデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明による様々な例示的実施形態の以下の説明においては、異なる例示的実施形態における構成要素が異なる寸法または形状を有しうる場合でも、同一の構成要素には同じ参照番号が付されている。
【0039】
図1は、プレスフィッティング用のプレスデバイスを駆動する機械力を伝達するための本発明によるデバイス2の液圧回路図の形の基本構造および動作モードを示す。この図では、本発明によるデバイス2の要素と、任意および有用な要素の両方が示される。
【0040】
デバイス2は、作動流体、この場合には作動油のための貯蔵容器4を有する。さらに、ポンプピストン6を有するポンプシリンダ8と、作動ピストン10を有する作動シリンダ12とが提供される。第一ライン14は貯蔵容器4をポンプシリンダ8に接続し、第二ライン16はポンプシリンダ8を作動シリンダ12に接続する。第三ライン18はさらに、作動シリンダ12を貯蔵容器4に接続する。したがって、デバイス2のプレスサイクル中に作動油が循環できる回路が全体として形成される。
【0041】
第一ライン14に、ポンプシリンダ8から貯蔵容器4内への作動油の戻り流を防ぐための手段として、逆止弁20が提供される。したがって、作動油は貯蔵容器4からポンプシリンダ8内にしか流れることができない。
【0042】
第二ライン16に、作動シリンダ12からポンプシリンダ8内への作動油の戻り流を防ぐための手段として、逆止弁22が同様に提供される。これにより、プレスサイクル中に作動油が作動シリンダ12からポンプシリンダ8内に逆流するのが防止される。
【0043】
作動シリンダ12の底部には、第三ライン18を開閉するための切換手段として、切換弁24が提供される。切換弁24は、作動ピストン10のストロークがその終端位置に達し、作動シリンダ12内の作動油の圧力が限界値を超えて上昇すると作動されて開かれる。したがって、切換弁の開放は、本発明によるデバイス2のプレスサイクルを終了する。
【0044】
さらに、ポンプピストンロッド26がポンプピストン6に接続され、そのためポンプピストン8のストロークを行うために、プレス機械または引抜機械がポンプピストンロッド26に力を及ぼしうる。プレスジョーを作動させるためのプレスデバイスを駆動するために、作動ピストンロッド28も同様に作動ピストン10に接続される。したがって、本発明によるデバイス2は、プレス機械または引抜機械とプレスデバイスとの間に液圧力伝達デバイスとして設けられる。
【0045】
本発明によれば、作動シリンダ12のピストン変位Vは、ポンプシリンダ8のピストン変位Vよりも大きくなるように構成される。作動シリンダ12のピストン変位Vは、好ましくは、ポンプシリンダ8のピストン変位Vの少なくとも二倍、特に数倍大きい。したがって、作動ピストン10の最大限の前進を達成するためには、ポンプピストン6の二回以上のストロークが必要である。
【0046】
デバイス2のプレスサイクルの開始時には、ポンプシリンダ8は、貯蔵容器4からライン14を介して供給された作動油で完全にではないとしても大部分が満たされている。図1には示されないプレス機械または引抜機械により生成されるポンプシリンダ8内のポンプピストン6の第一ストローク中に、作動油が、ポンプシリンダ6から第二ライン16を通って作動シリンダ12内へと送り出される。ポンプピストン6がポンプシリンダ8にぶつかるとすぐに、プレス機械内のプレス圧力または引張力が急激に上昇するため、プレス機械がオフになる。この時点から、作動油が再び貯蔵容器4からポンプシリンダ8内へと流出し、その後ポンプピストン6の二回目以降のストロークが開始しうる。
【0047】
記載された逆止弁20、逆止弁22および切換弁24が、一方では、作動シリンダ12に既に送り込まれた作動油の圧力がポンプピストン6の二回のストロークの合間に維持されることを保証する。したがって、第一ストローク中に作動ピストンロッド28によりプレスデバイスに既に加えられているプレス力が維持される。ポンプシリンダ8内のポンプピストン6のさらなるストロークのたびに、二回のストロークの合間に貯蔵容器4からポンプシリンダ8へ流入したさらなる作動油が、第二ライン16を介して作動シリンダ12に送り込まれる。したがって、作動ピストン10は、図1の左側に段階的に押し出される。
【0048】
例えば、ポンプピストン6の第三ストローク中に作動ピストン10の終端位置に達した場合には、切換弁24が切換わり、作動油が切換弁24を通じて貯蔵容器4内へと流れて戻る。その後デバイス2が再び初期状態となり、新たなプレスサイクルに備えられる。
【0049】
図1に関連して以下に説明されるデバイス2の要素は、それぞれの場合において、基本的な本発明の考えを限定することを意図しない任意の有用な特徴である。
【0050】
まず、貯蔵容器4は、圧縮バネ30によりプリテンションがかけられた蓋32を有し、そのため作動油が貯蔵容器4内で静圧下に保たれる。したがって、ポンプピストン6の二回のストロークの合間にポンプシリンダ8を満たすために、ポンプピストン6およびポンプピストンロッド26の能動運動は必要ない。したがって、デバイス2内に負圧も存在せず、特に第一ライン14内には負圧が存在しない。蓋32の作動油と反対に面した側には、少なくとも一つの通気開口部34が提供され、そのため蓋32が圧縮バネ30の力により変位したときにも同様に負圧は発生しない。
【0051】
同じ理由から、ポンプシリンダ8の底部に通気穴36が提供される。ポンプピストン6がポンプピストン6の内側の残りの空間に前進する間に空気が通気穴42を通って流れ、負圧の発生がここでも回避される。
【0052】
さらに、作動シリンダ12内の作動ピストン10は、圧縮バネ38によりプリテンションがかけられる。圧縮バネ38により、切換弁24が作動ピストン10により開放された後、作動ピストン10の能動的動作を必要とせずに作動シリンダ12から作動油が排出される。圧縮バネ38の力は、貯蔵容器4内のバネ30の力を上回り、作動油が貯蔵容器4に流入するのを可能にする第三ライン18内の作動油の圧力を生成するのに十分である。
【0053】
これまでに、作動ピストン10の最大ストロークに達すると切換弁24が開き、作動油を貯蔵容器に流入させることが説明されている。切換弁24は純粋に機械的に、または電子的に制御されうる。以下で、切換弁24の流体力学的制御について説明する。
【0054】
この目的のために、第二ライン16に設けられた逆止弁22の下流で、圧力制限弁42を備えた第四ライン40が流れ方向に分岐する。さらに、制御ライン44が圧力制限弁42を切換弁24に接続し、したがって第二ライン16内の作動油の圧力が所定の値よりも大きい場合には液圧制御信号を生成し、圧力制限弁42が開く。したがって、この制御信号は、特に作動ピストン10がその終端位置または最大ストロークに達しており、したがってポンプピストン6がさらに作動されたときに第二ライン16の圧力がさらに上昇した場合に、生成される。
【0055】
さらに、切換弁24は機械プランジャ46を有し、機械プランジャ46は、圧縮バネ38による戻りストローク中に作動ピストン10により作動し、これにより切換弁24を閉じる。その結果、作動シリンダ12からの作動油の排出が終了し、切換弁24が出力状態にリセットされる。
【0056】
切換弁24の開放時には、作動油が作動シリンダ12から流出し第三ライン18を通って貯蔵容器4内に戻る。この場合、ポンプシリンダ8内の圧力降下も生じる。
【0057】
一般に、公知のプレス機械におけるプレス圧力は、現在プレス動作を終了するための切換信号として使用される。したがって、これらのプレス機械は、力伝達デバイスとしての本デバイス2と全く同様に力制御される。したがって、プレス機械がポンプピストン6のプレスストロークを終了する前にデバイス2がプレスサイクルを終了することが有利である。プレス機械およびデバイス2または力伝達デバイスの制御部は類似のやり方で働くため、デバイス2のオフ切換を別個のオフ切換信号として解釈するプレス機械のタイプが存在しうる。この場合、プレス機械の側に不具合が生じうる。
【0058】
この特定の問題を解決するために、第三ライン18は絞り弁48を有するものとされる。したがって、第三ライン18、すなわち切換弁24から貯蔵容器4への排出ラインが絞られる。
【0059】
その結果、作動シリンダ12およびポンプシリンダ8内の圧力降下が一時的に遅延される。この圧力降下の遅延の結果として、ポンプシリンダ6内に対応する高い残留圧力または十分に高い残留力が維持され、そのためプレス機械が尚早にオフにならず、ポンプピストン6の第一ストロークについて説明したように、ポンプピストン6がポンプストロークの最後にポンプシリンダ8に接してはじめてオフになる。
【0060】
さらに、作動シリンダ側の絞り弁48の入力と第一ライン14との間に第五ライン50が有利に提供され、ポンプシリンダ8からの第三ライン18内への作動油の戻り流を防ぐための手段として第五ライン50にも逆止弁52が提供される。
【0061】
図1からさらに分かるように、ポンプシリンダ8は、ポンプピストン6により、作動ピストン10を備えた作動シリンダ12とは反対方向に動作する。これにより、一つの装備における二つのシリンダの省スペースの配設が達成される。
【0062】
図1に示され、液圧回路図の形で上に示された本発明によるデバイス2の例は、一つの平面内の図における全ての要素の説明を可能にする。図2図7は、本発明によるデバイス2の特定の例示的実施形態を組立図の形で示す。この場合、図1で既に使用したものと同じ参照符号は、特定の設計が異なっていても、デバイス2の同一の構成要素および要素を示す。一方では図3で構成要素が接続されたデバイス2全体の概観を示し、他方では図4および図5に基づいてデバイス2内の詳細をよりよく示すことができるように、図3では図4および図5とは異なる縮尺が選択される。
【0063】
図2は、本発明によるデバイス2を斜視図で示し、図3図6は様々な断面を示す。本発明による構造体の様々なラインおよび弁は異なる方位面に配置されるため、これらの要素は、図示された断面の一つにおいて一部が示されるにとどまる。全ての図は、向きに関して同じ軸Aを示す。
【0064】
図2aおよび図6において、ローマ数字III、IVおよびVは、図3図4および図5の断面の方向を示す。図3図4および図5においては、図6に示される断面の方向が、再びローマ数字VIにより識別される。
【0065】
さらに、図において、異なる要素を互いから密閉するためのシール要素は黒色の表面として示され、これらは図示されていないかまたは詳細に特定されていない。
【0066】
デバイス2は、内側ハウジング部102と外側ハウジング部104とを備えたハウジング100を有する。作動油のための貯蔵容器4は、二つのハウジング部102とハウジング部104の間に形成される。貯蔵容器4の内部には、軸方向に作用する複数の圧縮バネ30が設けられ、圧縮バネ30は、一方では(図の右手の)外側ハウジング部104に対して取り付けられ、貯蔵容器4を横方向に区切る蓋32に対して作用する。貯蔵容器4内に存在する作動油は、バネ30および蓋32により静圧下に置かれる。
【0067】
内側ハウジング部102の内側には、ポンプシリンダ8が軸Aに平行な円筒状の穴として形成され、そのシリンダの中にポンプピストン6が設けられる。ポンプシリンダ8は、蓋106により軸方向に閉じられる。ポンプピストン6にはポンプピストンロッド26が接続され、ポンプピストンロッド26は蓋106内を案内され、さらにタイロッド110に接続される。タイロッド110は、(図7に示す)引張力を生成するプレス機械のためのレセプタクル112内に設けられ、そのため前後に移動できる。プレス機械への連結のために、穴114が提供され、この穴114にピンが収容され、ピンがさらに側方細長穴116内を案内されうる。
【0068】
図3が示すように、ポンプシリンダ8の底部には軸方向通気穴36が提供され、外に向かって、半径方向に導入された穴36aを介して内側ハウジング部102の外側の凹部36bに向かって開く。
【0069】
さらに、内側ハウジング部102に作動シリンダ12の円筒状セクション12aが形成され、作動ピストン10を有する。作動ピストン10は、圧縮バネ38により図の右方向にプリテンションがかけられ、円筒状ハウジング部120に収容された作動ピストンロッド28に接続される。作動ピストンロッド28は、ハウジング部120内を案内され二つのローラ124およびローラ126を支持するダブルローラプランジャ122に接続される。この配設はそれ自体公知であり、穴126内を案内されるピンによりハウジング部120に留められうるプレスジョー(図示せず)の作動に使用される。
【0070】
図4が示すように、第一ライン14が貯蔵容器4をポンプシリンダ8に接続するために内側ハウジング部102内に形成され、複数のラインセクションを含む。ラインセクション14aは、半径方向に導入された穴として設計され、貯蔵容器4と連絡し、軸方向穴として設計されたラインセクション14bの方向に内方へ延びる。穴14bは、逆止弁20により、蓋106の凹部として形成されたラインセクション14cに接続される。穴14bの他端には、作動油が受け入れられることができる半径方向外方へ延びる穴14dが形成され、閉鎖部により閉鎖されうる。
【0071】
図5は次に、二つのラインセクションを含み、ポンプシリンダ8を作動シリンダ12に接続する、第二ライン16の実施形態を示す。ラインセクション16aは、蓋106の凹部として形成され、この蓋は、逆止弁22を介して軸方向穴として設計されたラインセクション16bに接続される。ラインセクション16bは、作動シリンダ12内に開く。
【0072】
図5は、作動シリンダ12を貯蔵容器4に接続するための複数のラインセクションを有する第三ライン18を同様に示す。半径方向穴の形のラインセクション18aは、切換弁24を介して作動シリンダ12を内側ハウジング部102の外部に接続し、そこで閉鎖部(図示せず)により閉鎖されうる。ラインセクション18bは、軸方向穴として設計され、ラインセクション18aを貯蔵容器4内に開く絞り弁48に接続する。
【0073】
さらに、図5は、第四ライン40が、第二ライン16のラインセクション16bの逆止弁22の後に流れ方向に分岐して圧力制限弁42に至るのを示す。図6から分かるように、液圧制御信号を切換弁24に伝達するために、制御ライン44が圧力制限弁42を切換弁24に接続する。
【0074】
切換弁24は、作動シリンダ12の内部に向いた機械プランジャ46を有する。作動ピストン10は、圧縮バネ38による戻りストローク中に、作動ピストン10がプランジャ46を作動させ、切換弁24を閉じるように設けられる。
【0075】
図5がさらに示すように、ラインセクション18bは、作動シリンダ側の絞り弁48の入力とポンプシリンダ8との間に提供される第五ライン50のラインセクション50aに合流する。ラインセクション50aは、逆止弁52を介して、蓋106に形成されポンプシリンダ8に接続されたラインセクション50bに合流する。
【0076】
本発明によれば、作動シリンダ12のピストン変位Vは現在、ポンプシリンダ8のピストン変位Vよりも大きくなるように構成され、作動シリンダ12のピストン変位Vは、ポンプシリンダ8のピストン変位Vの少なくとも二倍、特に数倍大きければ好ましい。これらのサイズ比により、作動シリンダ12がポンプピストン6の二回以上のストロークにより満たされることが可能になる。
【0077】
図から分かるように、ポンプシリンダ8は作動シリンダ12と反対方向に動作する。これは、ポンプシリンダ8内の容積減少がポンプピストン6の図右への移動によりもたらされ、作動シリンダ12内の容積拡大が作動ピストン10の図左への移動によりもたらされることを意味する。したがって、駆動側では、ポンプピストンロッドのストロークのために、ポンプピストンロッド26に接続されたタイロッド110がポンプシリンダ8から引き出されねばならない。この目的のために、図7を参照して以下に説明される、運動学的逆転を有するプレス機械が使用されうる。
【0078】
図7では、フィッティングおよびパイプコネクタのプレスにそれ自体適したプレス機械200のために、引張力を生成するプレス機械のためのレセプタクル112が記載される。プレス機械200は、プレス機械200に接続されたタブ204に対してピストン202を前進させ、したがって一対のローラ208およびローラ210をホルダ212を介して移動させるために提供される。一対のローラの設計はここで重要ではなく、その機能はフィッティングのプレス中にのみ必要であり、ここではこれ以上説明しない。いずれの場合にも、ローラ208およびローラ210は、ピストン202により生成された力をレセプタクル112に直線的に伝達する。
【0079】
さらに、タブ204に解除可能に接続された固定ボルト214が提供される。固定ボルト214により、レセプタクル112の内側に設けられたタイロッド110がプレス機械200に接続される。プレス機械200が今作動され、ピストン202がプレス機械200に対して移動され、したがってタブ204に対しても移動されると、レセプタクル112とタイロッド110との間に対応する相対移動が存在する。この相対移動により、タイロッド110に接続されたポンプピストンロッド26に対する、レセプタクル112に当接するハウジング100の移動が生じる。
【0080】
したがって、プレス機械200を作動させることにより、ポンプピストンロッド26がタイロッド110とともにレセプタクル112から引き出され、ポンプストロークが行われる。ピストン202の移動ストロークの完了後、ポンプシリンダ8内のポンプピストン6のポンプストロークが終了する。
図1
図2
図2a
図3
図4
図5
図6
図7