特許第6557842号(P6557842)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6557842
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】土壌改良器
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20190805BHJP
   A01C 21/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   A01G7/00 602Z
   A01C21/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-183475(P2018-183475)
(22)【出願日】2018年9月28日
【審査請求日】2018年10月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515300354
【氏名又は名称】合同会社KOFU
(73)【特許権者】
【識別番号】518346292
【氏名又は名称】株式会社ペッカー精工
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】後藤 瑞穂
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−009011(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3157622(JP,U)
【文献】 実開昭62−198953(JP,U)
【文献】 米国特許第04361983(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
A01C 21/00
A01G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を有する容器に土壌改良剤を充填してなる土壌改良器であって、
前記容器は、
通気性を有する筒状の縦長の胴体と、
前記胴体の少なくとも上端部に設けられた蓋体と、を有し、
前記蓋体は、
前記胴体に接続される筒状の周壁部と、
前記周壁部の端部を塞ぐ端板部と、を有し、
前記端板部は、外方に向けて凸の曲面状に形成され、
前記端板部の外面に捕水溝が設けられ、
前記捕水溝の底に貫通孔が設けられ
前記端板部の形状は円形であり、
前記捕水溝は、前記端板部に同心状に設けられ、かつ互いに同心状に複数設けられている円環状の溝である、土壌改良器。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記捕水溝に沿って円弧状に形成されている、請求項の土壌改良器。
【請求項3】
前記胴体の外周面には、環状の複数のリブが設けられ、
前記蓋体における前記周壁部の下端部には、前記リブに係合する係合部が形成されている、請求項1又は2に記載の土壌改良器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の土壌改良器を、前記蓋体を上にして地中に埋設する、土壌改良方法。
【請求項5】
舗装された又は舗装される地面に縦穴を掘り、
前記縦穴に前記土壌改良器を設置した後、
前記縦穴の開口部に硬質材製の目皿を設ける、請求項の土壌改良方法。
【請求項6】
前記地面は、歩道又は駐車場の地面である、請求項の土壌改良方法。
【請求項7】
通気性を有する容器に土壌改良剤を充填してなる土壌改良器の蓋体であって、
前記容器の筒状の胴体に接続される筒状の周壁部と、
前記周壁部の端部を塞ぐ端板部と、を有し、
前記端板部は、外方に凸の曲面状に形成され、
前記端板部の外面に捕水溝が設けられ、
前記捕水溝の底に貫通孔が設けられ
前記端板部の形状は円形であり、
前記捕水溝は、前記端板部に同心状に設けられ、かつ互いに同心状に複数設けられている円環状の溝である、土壌改良器の蓋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌改良器及びこれを用いた土壌改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木の周辺に埋設される土壌改良器が知られている(特許文献1)。この土壌改良器は、略円筒状の胴体と、胴体の両端部に設けられた蓋体と、を有し、内部には土壌改良剤が充填されている。胴体及び上下の蓋体には、通気及び通水のための複数の貫通孔が分散して設けられている。この土壌改良器によれば、土壌中の水分を貫通孔を通して土壌改良器の内部に流入させるとともに、土壌改良器の内部の微生物、栄養分、等を貫通孔を通して土壌中に拡散させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−9011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の土壌改良器は、樹木の周辺に縦穴を掘って埋設することで、縦置き姿勢すなわち、両蓋体がそれぞれ上下に向くように配置した状態で使用することができる。この種の土壌改良器を縦置き姿勢で使用する場合、地面側から供給される水分を、上側に配置された蓋体で捕え、土壌改良器内に通水できることが重要である。
【0005】
しかし、特許文献1の土壌改良器は、蓋体の端面が平坦であり、その平坦な端面に貫通孔が設けられているため、縦置き姿勢で使用した場合に、上側の蓋体による捕水性が不十分になるという問題があった。
【0006】
本発明は、蓋体による捕水性を向上させた土壌改良器及びこれを用いた土壌改良方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の土壌改良器は、通気性を有する容器に土壌改良剤を充填してなる土壌改良器であって、前記容器は、通気性を有する筒状の縦長の胴体と、前記胴体の少なくとも上端部に設けられた蓋体と、を有し、前記蓋体は、前記胴体に接続される筒状の周壁部と、前記周壁部の端部を塞ぐ端板部と、を有し、前記端板部の外面に捕水溝が設けられ、前記溝の底に貫通孔が開いていることを特徴とする。
【0008】
本発明の土壌改良方法は、本発明の土壌改良器を前記蓋体を上にして地中に埋設することを特徴とする。
【0009】
本発明の土壌改良器の蓋体は、通気性を有する容器に土壌改良剤を充填してなる土壌改良器の蓋体であって、前記容器の筒状の胴体に接続される筒状の周壁部と、前記周壁部の端部を塞ぐ端板部と、を有し、前記端板部の外面に捕水溝が設けられ、前記溝の底に貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓋体による捕水性を向上させることができる。すなわち、地面側から供給される水分が、蓋体の捕水溝で効率良く捕えられ、捕水溝の底に開いた貫通孔を通して土壌改良器の内部に流入する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態の土壌改良器の側面図である。
図2図1に示す土壌改良器の要部断面図である。
図3図1に示す土壌改良器の蓋体の斜視図である。
図4図2に示す蓋体の平面図である。
図5図1に示す土壌改良器を用いた土壌改良方法を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る土壌改良器及び土壌改良方法の一実施形態について説明する。
[1.土壌改良器]
図1及び図2に示すように、土壌改良器1は、容器2と、容器2に充填された土壌改良剤3と、を有する。
【0013】
[1−1 容器]
容器2は、通気性を有する円筒状の縦長の胴体4と、胴体4の上端部及び下端部に設けられた蓋体5と、を有する。
【0014】
胴体4の外周面には、環状の複数のリブ7が設けられている。リブ7は、胴体4の全長方向(高さ方向)に所定のピッチで設けられている。
胴体4の外周面の互いに隣接するリブ7の間には環状の凹部8が形成されている。各凹部8には、胴体4を内外に貫通する複数の貫通孔9が設けられている。貫通孔9は、胴体4の周方向に所定の間隔をおいて設けられている。貫通孔9が設けられていることにより、胴体4の通気性が確保される。
【0015】
上下の蓋体5は、互いに同径同寸の部材である。蓋体5は、胴体4に接続される筒状の周壁部10と、周壁部10の一端を塞ぐ円形の端板部11と、を有する。
【0016】
図2に示すように、端板部11は、外方に凸の曲面状に形成されている。周壁部10の他端近傍には、胴体4のリブ7に係合する係合部6が形成されている。係合部6は、周壁部10の周方向の複数箇所に設けられている。蓋体5は、その係合部6を胴体4のリブ7に係合させることにより、胴体4の端部に設けられる。係合部6がリブ7に係合することにより、蓋体5が胴体4から容易に外れない構造になっている。
【0017】
図2乃至図4に示すように、端板部11の外面には、複数(この例では3つ)の円環状の捕水溝12、13、14が互いに同心状に設けられている。捕水溝12、13、14の底には、それぞれ複数(この例では3つ)の貫通孔15、16、17が設けられている。貫通孔15、16、17は、捕水溝12、13、14に沿って円弧状に形成されている。
【0018】
このように、蓋体5の端板部11の外面に複数の捕水溝12、13、14が設けられ、各捕水溝12、13、14の底に貫通孔15、16、17が設けられていることにより、上側に配置された蓋体5による捕水性を向上させることができる。すなわち、地面側から供給される水分が、上側に配置された蓋体5の捕水溝12、13、14で効率良く捕えられ、捕水溝12、13、14の底に開いた貫通孔15、16、17を通して土壌改良器1の内部に流入する。これにより、土壌改良器1の内部の微生物、栄養分、等を、胴体4の貫通孔9及び下側に配置された蓋体5の貫通孔15、16、17を通して土壌中に良好に拡散させることができる。
【0019】
また、捕水溝12、13、14が、円形の端板部11に同心状に設けられた円環状の溝であることにより、地面側から上側に配置された蓋体5の端板部11に移動してくる土壌中の水分を、より効率良く捕えることができる。これにより、蓋体5の保水性向上が図られる。また、捕水溝12、13、14が互いに同心状に複数設けられていることにより、捕水性がより向上する。
【0020】
なお、胴体4として、市販の農業用暗渠配水管(例えば、トヨドレン(登録商標)、デンカ株式会社)を使用することができる。市販の資材を胴体4に使用することにより、土壌改良器1の製造コストを削減することができる。
【0021】
[1−2 土壌改良剤]
土壌改良剤3は、保水性及び通気性を有する素材としてピートモスを用い、土壌改良作用を有する微生物の餌となる素材として粉末状の竹を醗酵させた醗酵竹パウダーを用い、微生物の住処となる素材として粉末状の竹炭パウダーを用い、これらのピートモスと醗酵竹パウダーと竹炭パウダーとを混合したものである。これらの混合比率は、使用する土壌の状態によって異なるが、通常、ピートモスを50〜80重量%、醗酵竹パウダーを30〜10重量%、竹炭パウダーを20〜10重量%としている。
【0022】
ここで、土壌改良剤3は、均一に混合でき、通気性や通水性に偏りが生じないようにするために、繊維長の異なる繊維素材を混在させており、具体的には、比較的繊維の短いA級ピートモスと比較的繊維の長いC級ピートモスとを混在させている。
【0023】
また、土壌改良剤3は、微生物の餌となる素材として、それ自体が植物の肥料としても有効に機能する素材を用いており、具体的には、上記したように竹を粉砕した後に醗酵させた醗酵竹パウダーを用いている。
【0024】
このように、土壌改良剤3は、保水性及び通気性を有する素材を含有しているために、この土壌改良剤3を容器2に充填した土壌改良器1を植物の根の周辺の土中に埋め込むことによって、根周辺の土壌中の通水や通気が良好に行われるようになり、植物の生育を助長することができる。
【0025】
また、土壌改良剤3は、土壌改良作用を有する微生物の餌となる素材と微生物の住処となる素材とを含有しているために、微生物の増殖や活動を促進させることができ、微生物の作用によって土壌の改良を行うことができる。
【0026】
しかも、土壌改良剤3は、保水性及び通気性を有する素材をも含有しているために、微生物にとっても通水や通気によって増殖や活動が促進させられることになり、微生物の作用による土壌改良効果を向上させることができる。
【0027】
このように、土壌改良剤3は、保水性及び通気性を有する素材と、微生物の餌となる素材と、微生物の住処となる素材とが混在しているために、これらの素材の相乗効果によって土壌改良剤としての土壌改良効果を向上させることができる。
【0028】
この土壌改良剤3は、さらに土壌改良効果を向上させるために、通水や通気によって酸素を発生させる酸素剤やガスを吸着するガス吸着剤を添加することができる。この場合の添加比率についても使用する土壌の状態によって異なるが、通常、2〜5重量%程度添加する。
【0029】
このように、土壌改良剤3に通水や通気によって酸素を発生させる酸素剤を添加した場合には、保水性及び通気性を有する素材によって酸素剤への通水や通気が良好に行われることになり、酸素剤から効率よく酸素を発生させることができ、これにより、踏圧された土壌の改良を行うことができるとともに、好気性微生物の増殖や活動を促進させることができ、土壌改良剤としての効果をより一層向上させることができる。
【0030】
さらに、土壌改良剤3にガスを吸着するガス吸着剤を添加した場合には、土壌中の腐敗ガスを減少させることができ、植物の根の成長を促進させることができるとともに、微生物に悪影響を与えるガスが減少することによって微生物の増殖や活動を促進させることができ、これによっても土壌改良剤としての効果をより一層向上させることができる。
【0031】
このように、土壌改良剤3は、保水性及び通気性を有する素材と、微生物の餌となる素材と、微生物の住処となる素材とが混在しており、これに酸素剤やガス吸着剤を添加することによって、これらの素材と酸素剤やガス吸着剤との相乗効果によって、単体で酸素剤やガス吸着剤を土壌中に添加した場合よりも土壌改良効果を向上させることができる。
【0032】
[2.土壌改良方法]
本発明に係る土壌改良方法は、図5に例示するように、土壌改良器1を一方の蓋体5を上にして地中に埋設することにより実施される。より詳細には、樹木の根(図示省略)の周辺の地面20に、土壌改良器1の外径よりも一回り大きな縦穴21を掘り、その縦穴21に土壌改良器1を設置した後、土壌改良器1の外周と縦穴21の内周との間の隙間に掘削した土壌24の土を埋め戻す。この埋め戻しに際しては、掘削した土とともに小石やボラ土や焼成リモナイト粒などを混入させてもよい。
【0033】
この土壌改良方法によれば、地面20から供給される水分を、土壌改良器1の上側の蓋体5の捕水溝12、13、14(図2乃至図4参照)で効率良く捕え、捕水溝12、13、14の底に開いた貫通孔15、16、17(図2乃至図4参照)を通して土壌改良器1の内部に流入させることができることができるので、土壌改良器1の内部の微生物、栄養分、等を、胴体4の貫通孔9及び下側に配置された蓋体5の貫通孔15、16、17を通して土壌24中に良好に拡散させることができる。
【0034】
図5の例の地面20は、歩道又は駐車場の地面であり、アスファルト、コンクリート、等による舗装22が施されている。このような場所に土壌改良器1を埋設する場合、地面20すなわち、舗装地盤23の表面から舗装地盤23を貫通して地中に縦穴21を掘り、その縦穴21への土壌改良器1の設置及び埋め戻しを行った後、縦穴21の開口部21aにステンレス製の目皿25が設けられる。
【0035】
このように、土壌改良器1を、歩道、駐車場、等に埋設することにより、樹木の生育環境の改善と、歩行者、車両、等の通行領域の確保と、を両立することができる。土壌改良器1の上方に目皿25が設けられていることで、土壌改良器1を保護すると共に地面20から目皿25を通して供給される水分を、蓋体5の捕水溝12、13、14で効率良く捕え、貫通孔15、16、17を通して土壌改良器1の内部に流入させることができる。
【0036】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、胴体4の外周面に環状のリブ7が設けられているが、胴体4の外周面に螺旋状のリブ(凸部)を設けてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、容器2の材質を特定していないが、容器2は生分解性であることが望ましい。
【0038】
また、上記実施形態では、胴体4の外周面に環状のリブ7が設けられているが、胴体4の外周面に螺旋状のリブ(凸部)を設けてもよい。
【0039】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0040】
(1) 通気性を有する容器(容器2)に土壌改良剤(土壌改良剤3)を充填してなる土壌改良器(土壌改良器1)であって、
前記容器は、
通気性を有する筒状の縦長の胴体(胴体4)と、
前記胴体の少なくとも上端部に設けられた蓋体(蓋体5)と、を有し、
前記蓋体は、
前記胴体に接続される筒状の周壁部(周壁部10)と、
前記周壁部の端部を塞ぐ端板部(端板部11)と、を有し、
前記端板部の外面に捕水溝(捕水溝12、13、14)が設けられ、
前記補水溝の底に貫通孔(貫通孔15、16、17)が設けられている、土壌改良器。
この構成によれば、蓋体による捕水性を向上させることができる。
【0041】
(2) 前記端板部の形状は円形であり、
前記捕水溝は、前記端板部に同心状に設けられた円環状の溝である、(1)の土壌改良器。
この構成によれば、蓋体による捕水性をより向上させることができる。
【0042】
(3) 前記端板部には、前記捕水溝が互いに同心状に複数設けられている、(2)の土壌改良器。
この構成によれば、蓋体による捕水性をより向上させることができる。
【0043】
(4) 前記貫通孔は、前記捕水溝に沿って円弧状に形成されている、(3)の土壌改良器。
この構成によれば、蓋体による捕水性をより向上させることができる。
【0044】
(5) (1)乃至(3)のいずれか1に記載の土壌改良器を前記蓋体を上にして地中に埋設する、土壌改良方法。
この方法によれば、地面から供給される水分を、土壌改良器の蓋体の捕水溝で効率良く捕え、貫通孔を通して土壌改良器の内部に流入させることができるので、土壌改良器の内部の微生物、栄養分、等を、胴体の貫通孔を通して土壌中に良好に拡散させることができる。
【0045】
(6) 舗装された又は舗装される地面(地面20)に縦穴(縦穴21)を掘り、
前記縦穴に前記土壌改良器を設置した後、
前記縦穴の開口部(開口部21a)に硬質材製の目皿(目皿25)を設ける、(5)の土壌改良方法。
この方法によれば、舗装された又は舗装される場所に土壌改良器を設置し、地面から目皿を通して供給される水分を、蓋体の捕水溝で効率良く捕え、貫通孔を通して土壌改良器の内部に流入させることができる。
【0046】
(7) 前記地面は、歩道又は駐車場の地面である、(6)の土壌改良方法。
この方法によれば、樹木の生育環境の改善と、歩行者、車両、等の通行領域の確保と、を両立することができる。
【0047】
(8) 通気性を有する容器に土壌改良剤を充填してなる土壌改良器の蓋体であって、
前記容器の筒状の胴体に接続される筒状の周壁部と、
前記周壁部の端部を塞ぐ端板部と、を有し、
前記端板部の外面に捕水溝が設けられ、
前記溝の底に貫通孔が設けられている、土壌改良器の蓋体。
この構成によれば、この蓋体を筒状の胴体の端部に取り付けることにより、(1)の土壌改良器を製造することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 土壌改良器
2 容器
3 土壌改良剤
4 胴体
5 蓋体
10 周壁部
11 端板部
12、13、14 捕水溝
15、16、17 貫通孔
20 地面
21 縦穴
21a 開口部
25 目皿
【要約】
【課題】蓋体による捕水性を向上させた土壌改良器を提供する。
【解決手段】土壌改良器は、通気性を有する容器に土壌改良剤を充填して構成される。容器は、通気性を有する筒状の縦長の胴体と、胴体の上端部に設けられた蓋体と、を有する。蓋体は、胴体に接続される筒状の周壁部と、周壁部の端部を塞ぐ端板部と、を有する。端板部の外面には捕水溝が設けられる。補水溝の底には貫通孔が設けられる。この構成によれば、地面側から供給される水分が、蓋体の捕水溝で効率良く捕えられ、捕水溝の底に開いた貫通孔を通して土壌改良器の内部に流入する。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5