(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6557887
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】歯移動器具
(51)【国際特許分類】
A61C 7/10 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
A61C7/10
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-448(P2019-448)
(22)【出願日】2019年1月7日
【審査請求日】2019年4月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517290578
【氏名又は名称】山口 修二
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】山口 修二
【審査官】
和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−270175(JP,A)
【文献】
特開2009−291613(JP,A)
【文献】
米国特許第05816800(US,A)
【文献】
米国特許第06435870(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上顎の臼歯を遠心移動させるための歯移動器具であって、
近心側端部から遠心側端部に向かって口蓋側の歯列に沿って延在する軌道部と、
前記軌道部に対してスライド可能に装着されるとともに、上顎の臼歯に取り付けられる保持部材に係合するスライド部と、
前記スライド部よりも前記近心側端部寄りにおいて前記軌道部に固定されるロック部と、
前記ロック部と前記スライド部の間に介在して該スライド部を前記遠心側端部に向けて付勢する弾性部と、
口蓋に埋め込まれた埋入部材に固定されるとともに前記遠心側端部に連結する固定部と、を備える歯移動器具。
【請求項2】
前記固定部は、前記埋入部材に拘束される拘束部と、該拘束部と前記遠心側端部とを接続する連結部で形成され、
前記拘束部をプレートで形成し、前記軌道部と前記連結部をワイヤで形成し、該プレートの遠心側で該プレートと該ワイヤを固着した請求項1に記載の歯移動器具。
【請求項3】
前記固定部は、前記埋入部材に拘束される拘束部と、該拘束部と前記遠心側端部とを接続する連結部で形成され、
前記拘束部と前記連結部をプレートで形成し、前記軌道部をワイヤで形成し、前記遠心側端部で該プレートと該ワイヤを固着した請求項1に記載の歯移動器具。
【請求項4】
前記軌道部、前記スライド部、前記ロック部、及び前記弾性部を、前記固定部に対して左右に一対備える請求項1〜3の何れか一項に記載の歯移動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上顎の臼歯(上顎の小臼歯又は大臼歯、特には上顎の大臼歯)を遠心移動(奥歯側に移動)させるための歯移動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非抜歯でII級不正咬合や前歯の叢生等を治療する場合に使用される器具として、例えば下記の非特許文献1に示される如き、上顎の臼歯を遠心移動させることが可能な歯移動器具が知られている。
【0003】
非特許文献1の歯移動器具は、口蓋の正中前方部に小型のアンカースクリュー(埋入部材)を埋入し、このアンカースクリューを固定源として上顎大臼歯を遠心移動させるものである。具体的には
図4に示すように、遠心移動させる上顎大臼歯には周囲を取り囲むバンド状の保持部材101を装着しておき、口蓋の正中前方部には雄ねじ状に形成されたアンカースクリュー(不図示)を埋入しておく。なお、保持部材101の舌側には、近心側から遠心側に向かって貫通する筒状部102が設けられている。またアンカースクリューの頭部には雌ねじ部が設けられていて、この雌ねじ部に低頭の固定ねじ104を取り付けることができる。
【0004】
そして歯移動器具201は、固定ねじ104を締め付けることによって不図示のアンカースクリューに拘束される拘束部202と、概略V字状をなし、拘束部202の近心側でこの拘束部202に固着される連結部203と、近心側端部(前歯側の端部)204から遠心側端部(奥歯側の段部)205に向かって舌側の歯列に沿って延在するとともに、近心側端部204が連結部203の左右の端部にそれぞれ連結する一対の軌道部206とを備えている。なお、図示した連結部203と一対の軌道部206は、一本のワイヤをM字状に折り曲げて形成したものである。
【0005】
そして軌道部206には、軌道部206に対してスライド可能に装着されるとともに、先端部が保持部材101の筒状部102に対して近心側から遠心側に向かって挿入されるスライド部207と、スライド部207よりも近心側端部204寄りにおいて軌道部206に固定されるロック部208と、軌道部206に挿通されるとともにロック部208とスライド部207の間に介在して、スライド部207を遠心側端部205に向けて付勢するコイルスプリング(弾性部)209が設けられている。なお、図示したロック部208には沈みプラグが内蔵されていて、沈みプラグを緩めることでロック部208を軌道部206の任意の位置に移動させることができる一方、沈みプラグを締めれば軌道部206に対してこれを固定することができる。
【0006】
このような歯移動器具201によれば、コイルスプリング209によって、スライド部207が軌道部206に案内されつつ遠心側端部205に向かって付勢される際、保持部材101を装着した上顎大臼歯にも、スライド部207を介してコイルスプリング209の力が作用する。すなわち、この力によって上顎大臼歯を、軌道部206が延在する向きに沿って遠心移動させることができる。またロック部208を固定する位置を変更することによって、上顎大臼歯に作用する力の大きさを調整することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】山口修二、外4名、「BENEFIT SYSTEMによる臨床−2 Beneslider装置を応用した上顎大臼歯の遠心移動」、矯正臨床ジャーナル、東京臨床出版、2014年5月号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところでこのような従来の歯移動器具201では、拘束部202の近心側に連結部203が設けられている。このため、舌の先が連結部203等に触れやすく、これにより違和感を覚えることがあり、また、口腔筋機能療法(MFT)による舌のトレーニングを行う際においても影響を及ぼすおそれがあった。
【0009】
また、保持部材101とアンカースクリューに対して歯移動器具201を取り付けた後、コイルスプリング209による付勢力を調整するべくロック部208を移動させる場合には、ロック部208の手前に連結部203があるため、作業性に難があった。また、拘束部202に対して近心側に位置する口蓋のスペースは比較的狭く、そのため連結部203のサイズも小さくせざるを得ないため、1本のワイヤを折り曲げて連結部203と軌道部206を形成する場合、折り曲げ部分の曲率は大きくなる。すなわち、ワイヤに生じるスプリングバックが大きくなるため、軌道部206は頬側に移動しやすくなる。このため、コイルスプリング209の付勢力が上顎大臼歯に対して頬側に作用して、所期した通りに上顎大臼歯を遠心移動できないおそれがあるうえ、移動させる上顎大臼歯が近心へ捻転する(歯の長軸を中心にして歯の近心面が舌側方向に回転する)おそれもあった。
【0010】
このような点に鑑み、本発明では、上述した装着時における舌の違和感等に関する問題を解決することを課題とし、舌の違和感が抑制されるとともにMFTによる舌のトレーニングが良好に行えるうえ、上顎の臼歯を所期した通りに遠心移動させることができ、また臼歯の近心への捻転も防止できる歯移動器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上顎の臼歯を遠心移動させるための歯移動器具であって、近心側端部から遠心側端部に向かって
口蓋側の歯列に沿って延在する軌道部と、前記軌道部に対してスライド可能に装着されるとともに、上顎の臼歯に取り付けられる保持部材に係合するスライド部と、前記スライド部よりも前記近心側端部寄りにおいて前記軌道部に固定されるロック部と、前記ロック部と前記スライド部の間に介在して該スライド部を前記遠心側端部に向けて付勢する弾性部と、口蓋に埋め込まれた埋入部材に固定されるとともに前記遠心側端部に連結する固定部と、を備えるものである。
【0012】
このような歯移動器具において、前記固定部は、前記埋入部材に拘束される拘束部と、該拘束部と前記遠心側端部とを接続する連結部で形成され、前記拘束部をプレートで形成し、前記軌道部と前記連結部をワイヤで形成し、該プレートの遠心側で該プレートと該ワイヤを固着することが好ましい。
【0013】
また歯移動器具において、前記固定部は、前記埋入部材に拘束される拘束部と、該拘束部と前記遠心側端部とを接続する連結部で形成され、前記拘束部と前記連結部をプレートで形成し、前記軌道部をワイヤで形成し、
前記遠心側端部で該プレートと該ワイヤを固着するものでもよい。
【0014】
このような歯移動器具は、前記軌道部、前記スライド部、前記ロック部、及び前記弾性部を、前記固定部に対して左右に一対備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に従う歯移動器具では、口蓋に埋め込まれた埋入部材に固定される固定部を、従来のように軌道部の近心側端部ではなく、遠心側端部に連結させている。すなわち、拘束部の近心側には連結部は設けられておらず、軌道部の近心側端部は開放されているため、従来、舌の先で感じていた違和感が抑制されるとともにMFTによる舌のトレーニングが良好に行えるうえ、上顎の臼歯を所期した通りに遠心移動させることができ、また臼歯の近心への捻転も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に従う歯移動器具の一実施形態を示した図である。
【
図2】
図1に示す歯移動器具を舌側から頬側に向かう側方の視点で概略的に示した図である。
【
図3】
図1に示す歯移動器具を構成するスライド部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に従う歯移動器具の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1、
図2は、歯移動器具の一実施形態に関し、これを患者の口蓋に取り付けた状態で示した図であって、
図1は口蓋に向かって正対した視点での図であり、
図2は舌側から頬側に向かう側方の視点で概略的に示した図である。
【0018】
本実施形態の歯移動器具1を説明するにあたり、まず保持部材51とアンカースクリュー(埋設部材)53について説明する。保持部材51は、バンド状の形態をなし、遠心移動させる上顎の臼歯(本実施形態では上顎大臼歯)に対してその周囲を取り囲むように取り付けられるものである。また保持部材51の舌側には、近心側から遠心側に向かって貫通する筒状部52が設けられている。そして、
図2に示したアンカースクリュー53は、概略雄ねじ状に形成されているものであって、口蓋の正中前方部に埋入されて上顎の骨に固定されている。本実施形態においては、2本のアンカースクリュー53が、口蓋の正中において間隔をあけて埋入されている。なおアンカースクリュー53の頭部には雌ねじ部が設けられていて、この雌ねじ部に低頭の固定ねじ54を取り付けることができる。なお、アンカースクリュー53は2本に限られず、それ以上(3本、4本など)使用してもよい。
【0019】
そして本実施形態の歯移動器具1は、固定ねじ54を締め付けることによってアンカースクリュー53に拘束される拘束部2を備えている。本実施形態の拘束部2は、金属製のプレートによって形成されるものであって、長円状をなし、遠心側の固定ねじ54における雄ねじ部を挿通させる不図示の円形孔と、近心側の固定ねじ54における雄ねじ部を挿通させる長円形孔2aを備えている。また拘束部2の遠心側には、例えば溶接によって拘束部2に固着される逆V字状の連結部3が設けられている。ここで、
図1に示すように拘束部2の遠心側における口蓋のスペースは、近心側に比して広いため、図示したように連結部3のサイズを大きくすることができる。なお以下の説明においては、拘束部2と連結部3を総称して固定部ということもある。
【0020】
また歯移動器具1は、近心側端部4から遠心側端部5に向かって舌側の歯列に沿って延在するとともに、遠心側端部5が連結部3の左右の端部にそれぞれ連結する一対の軌道部6とを備えている。
図2に示すように軌道部6は、上顎大臼歯の歯根に位置する抵抗中心と略同じ高さに延在している。なお、図示した連結部3と一対の軌道部6は、横断面形状が円形になる直線状のワイヤを、口蓋内面に沿うように(
図1に示すように口蓋に向かって正対した視点ではW字状をなし、また
図2に示すように側方の視点では横倒れV字状をなすように)折り曲げて形成したものである。
【0021】
そして軌道部6には、
図3に示すような形態になるスライド部7がスライド可能に装着される。本実施形態のスライド部7は、円筒状部分7aと、円筒状部分7aから径方向外側に延在した後、円筒状部分7aの軸心方向に沿って延在する形態となるフック部分7bとを備えるものである。なお、
図1に示すように円筒状部分7aは軌道部6に挿通される部分であり、フック部分7bは、保持部材51の筒状部52に対して近心側から遠心側に向かって挿入する部分である。
【0022】
また軌道部6には、スライド部7の近心側に、コイルスプリング(弾性部)9とロック部8が装着される。コイルスプリング9は、ロック部8とスライド部7の間に介在して、スライド部7を遠心側端部5に向けて付勢するものである。またロック部8には沈みプラグが内蔵されていて、沈みプラグを緩めることでロック部8を軌道部6の任意の位置に移動させることができる一方、沈みプラグを締めれば軌道部6に対してこれを固定することができる。
【0023】
このような構成になる本実施形態の歯移動器具1によれば、コイルスプリング9によって、スライド部7が軌道部6に案内されつつ遠心側端部5に向かって付勢される際、保持部材51を装着した上顎大臼歯にも、スライド部7を介してコイルスプリング9の力が作用する。従って上顎大臼歯を、軌道部6が延在する向きに沿って遠心移動させることができる。またロック部8を固定する位置を変更することによって、上顎大臼歯に作用する力の大きさを変えることができる。
【0024】
また本実施形態の歯移動器具1は、拘束部2の近心側に構成物を備えていないため、従来、舌の先で感じていた違和感を抑制することができ、MFTによる舌のトレーニングが良好に行えるうえ、ロック部8の位置変更も行いやすいことからコイルスプリング9による付勢力の調整も容易に行うことができる。更に、歯移動器具1による治療が進んで上顎大臼歯が遠心側へ移動していくに伴い、ロック部8も口腔の奥側へ移動させることができるため、余った軌道部6の前方部分を切断してこれを短くすることが可能になる。すなわち、軌道部6の前方部分に舌が当たらなくなるため、舌の先で感じていた違和感が更に抑制され、MFTによる舌のトレーニングが更に良好に行える。
【0025】
更に、このような歯移動器具1によれば、拘束部2の遠心側における広いスペースを利用して連結部3のサイズを大きくすることができるため、ワイヤのスプリングバックが小さくなって頬側への撓みが抑制され、軌道部6を意図したところに位置させることができる。また、軌道部6に案内されつつコイルスプリング9によって付勢されるスライド部7は、保持部材51に保持された上顎大臼歯を伴って、連結部3につながることで位置ずれが生じにくい遠心側端部5に向けて収束するように移動する。従って、本実施形態の歯移動器具1によれば、従来の器具で懸念されていた、上顎大臼歯に対して頬側に向かって力が作用するおそれを抑制することができることから、上顎の臼歯を所期した通りに遠心移動させることができ、また臼歯の近心への捻転も防止できる。
【0026】
以上、本発明の歯移動器具について具体的な実施形態に基づいて説明したが、本発明の歯移動器具は、これまでに述べた実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範疇で種々の変更を加えたものも含まれる。
【0027】
例えば、上述した実施形態では、拘束部2をプレートで形成し、軌道部6と連結部3をワイヤで形成し、このプレートの遠心側でプレートとワイヤを固着したが、拘束部と連結部をプレートで形成し、軌道部をワイヤで形成し、プレートの頬側でプレートとワイヤを固着するように構成してもよい。ワイヤを折り曲げて連結部と軌道部を形成する場合は、折り曲げた部分の撓みによって軌道部が頬側に多少なりとも動いてしまう懸念があるが、このように構成する場合は、折り曲げによる撓みの影響がなくなるため、軌道部の頬側への移動をより確実に防止することができる。また、連結部と軌道部を固着させる場合は、ワイヤを折り曲げて連結部と軌道部を形成する場合に比して、これらを意図した向きに位置させることが容易になるため、作りやすさの点でも利点がある。なお、拘束部と連結部をプレートで形成するにあたっては、予め平坦に形成したプレートを口蓋内面に沿うように折り曲げてもよいが、口蓋内面の3次元形状に関わるデータを取得し、3次元造型機にこのデータを適用して、当初から口蓋内面に沿う形状で形成してもよい。このような実施形態によっても、図示した実施形態と同様に軌道部を意図したところに位置させることができる効果が得られるうえ、3次元造型機によって口蓋内面に沿う形状が精度よく形成されるため、高いフィット感も得られる。
【0028】
また図示した実施形態において、拘束部2と連結部3を固着させる手段は溶接に限られず、例えばカシメなどの他の手段を採用してもよい。また、図示した近心側端部4は直線状に延在するものであるが、ロック部8の脱落を防止するべく、ロック部8を挿入した後にこれを折り曲げてもよい。また、軌道部6に対してロック部8を移動させる必要がなければ、例えばカシメなどを利用して、軌道部6に対してロック部8を不動に固着させてもよい。また、上述した実施形態において軌道部6は左右両側に設けられていたが、必要に応じて片側のみとしてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1:歯移動器具
2:拘束部(固定部)
3:連結部(固定部)
4:近心側端部
5:遠心側端部
6:軌道部
7:スライド部
8:ロック部
9:コイルスプリング(弾性部)
51:保持部材
53:アンカースクリュー(埋入部材)
【要約】
【課題】装着時における舌の違和感が抑制されるとともにMFTによる舌のトレーニングが良好に行えるうえ、上顎の臼歯を所期した通りに遠心移動させることができ、また臼歯の近心への捻転も防止できる歯移動器具を提供する。
【解決手段】本発明の歯移動器具1は、近心側端部4から遠心側端部5に向かって舌側の歯列に沿って延在する軌道部6と、軌道部6に対してスライド可能に装着されるとともに、上顎の臼歯に取り付けられる保持部材51に係合するスライド部7と、スライド部7よりも近心側端部4寄りにおいて軌道部6に固定されるロック部8と、ロック部8とスライド部7の間に介在してスライド部7を遠心側端部に向けて付勢する弾性部9と、口蓋に埋め込まれた埋入部材53に固定されるとともに遠心側端部5に連結する固定部2、3と、を備える。
【選択図】
図1