(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1レートに対応する遊技媒体数と、第2レートに対応する遊技媒体数と、第3レートに対応する遊技媒体数と、を含む複数のレートに対応する遊技媒体数を管理可能であり、且つ、前記第1レートに対応する払出装置と通信可能であり、且つ、当該払出装置により遊技媒体が払い出される場合、複数のレートのうちいずれかのレートに対応する遊技媒体数から所定数の遊技媒体を引き出すための引き出し処理を実行可能な遊技用装置において、
前記引き出し処理において、前記第2レートに対応する遊技媒体数と前記第3レートに対応する遊技媒体数とについての引き出し優先順序を、前記第1レートと前記第2レートとのレート差である第1レート差と、前記第1レートと前記第3レートとのレート差である第2レート差と、に基づいて制御可能な制御手段を備える
ことを特徴とする遊技用装置。
第1レートに対応する遊技媒体数と、第2レートに対応する遊技媒体数と、第3レートに対応する遊技媒体数と、を含む複数のレートに対応する遊技媒体数を管理可能であり、且つ、前記第1レートに対応する払出装置と通信可能であり、且つ、当該払出装置により遊技媒体が払い出される場合、複数のレートのうちいずれかのレートに対応する遊技媒体数から所定数の遊技媒体を引き出すための引き出し処理を実行可能なコンピュータを、
前記引き出し処理において、前記第2レートに対応する遊技媒体数と前記第3レートに対応する遊技媒体数とについての引き出し優先順序を、前記第1レートと前記第2レートとのレート差である第1レート差と、前記第1レートと前記第3レートとのレート差である第2レート差と、に基づいて制御可能な制御手段として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
第1レートに対応する遊技媒体数と、第2レートに対応する遊技媒体数と、第3レートに対応する遊技媒体数と、を含む複数のレートに対応する遊技媒体数を管理可能であり、且つ、前記第1レートに対応する払出装置と通信可能であり、且つ、当該払出装置により遊技媒体が払い出される場合、複数のレートのうちいずれかのレートに対応する遊技媒体数から所定数の遊技媒体を引き出すための引き出し処理を実行可能な遊技用システムにおいて、
前記引き出し処理において、前記第2レートに対応する遊技媒体数と前記第3レートに対応する遊技媒体数とについての引き出し優先順序を、前記第1レートと前記第2レートとのレート差である第1レート差と、前記第1レートと前記第3レートとのレート差である第2レート差と、に基づいて制御可能な制御手段を備える
ことを特徴とする遊技用システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る遊技用装置、遊技用システム及びプログラムの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
本実施形態に係る遊技用システム1は、
図1に示すように、パチンコ機10a、スロットマシン10bなどの遊技機10、及び複数の遊技用装置で構成されている。
【0010】
遊技用装置としては、例えば、現金の投入(紙幣)と引き換えに遊技媒体を貸し出す貸出機20(20aは遊技球用,20bはメダル用)、台コンピュータ30、島コンピュータ40、遊技球又はメダルを計数する計数機50(50a〜50cは遊技球用、50d〜50fはメダル用)、預けた貯玉を引き出す再プレイ機60(60a〜60cは遊技球用、60d〜60fはメダル用)、遊技機ごとの遊技データを集計するホールコンピュータ70、遊技者(貯玉会員)ごとの貯玉を管理する貯玉管理装置80、遊技媒体と景品との交換処理を行う景品交換装置90、所定の記録媒体(貯玉会員カード)から貯玉会員情報などの読み取り等を行うリーダー100などを備えている。
これらの遊技用装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0011】
ここで、遊技用システム1の適用される遊技場について説明する。
遊技場には、
図1に示すように、パチンコ機10a及びスロットマシン10bが貸出レート別に設置されている。
例えば、コーナーAは、貸出機20aへの現金の投入と引き換えに1玉4.32円で遊技球を貸し出す4.32円コーナー、コーナーBは、貸出機20bへの現金の投入と引き換えに1玉1.08円で遊技球を貸し出す1.08円コーナー、というように、コーナーA〜Fには、それぞれ異なる貸出レートで貸し出された遊技球やメダルを用いて遊べるパチンコ機10a、スロットマシン10bが設置されている。
【0012】
このような遊技場において、遊技用システム1は、遊技データ集計システムとして動作する。
例えば、遊技機10及び貸出機20から出力される、アウト信号、セーフ信号、大当り信号、及び貸出信号などの遊技機10の稼動に係る遊技信号が、台コンピュータ30、島コンピュータ40などの中継情報処理装置を介して、ホールコンピュータ70に伝送され、ホールコンピュータ70において、遊技機10ごとの遊技データを集計、管理する。
【0013】
また、本実施形態の遊技用システム1は、貯玉再プレイシステムとして動作する。
貯玉再プレイシステムとは、遊技場が遊技者の獲得した遊技媒体を一旦預かり、再度その遊技者が来店したときに再プレイ可能に引き出すことができるシステムであり、例えば、本実施形態では、各計数機50で計数された数量の遊技媒体を貯玉として貯玉管理装置80で管理するともに、貯玉としての遊技球を再プレイ機60a〜60cから、貯玉としてのメダルを再プレイ機60d〜60fから引き出し可能とし、引き出した遊技媒体を用いて遊技機10において再プレイできるようになっている。
以下、遊技用システム1の貯玉再プレイシステムとしての機能について説明する。
【0014】
計数機50a〜50fは、遊技者が獲得した遊技球又はメダルを計数する計数装置であって、遊技機10と同様、貸出レート別に設置されている。
例えば、計数機50aは、1玉4.32円で貸し出された遊技球のみ計数可能に設置され、計数機50bは、1玉1.08円で貸し出された遊技球のみ計数可能に設置されている。
【0015】
また、計数機50a〜50fは、貯玉自動預入機として構成され、貯玉会員の操作に基づいて受け付けた貯玉会員カードから会員ID等の会員情報を読み取るカードリーダーを備え、会員情報、計数された遊技媒体の数量を示す数量情報、及び各計数機50の設置されたコーナーの貸出レートを特定可能なレート情報を紐付けて貯玉管理装置80に送信することにより、貯玉の預け入れを行う。
なお、このような計数機50に代えて又は加えて、計数機50と同様な機能を有する各台計数機を各遊技機10や各貸出機20に併設することもできる。
【0016】
再プレイ機60は、貯玉自動払出機として構成され、貯玉会員の操作に基づいて受け付けた貯玉会員カードから会員ID等の会員情報を読み取るカードリーダーを備え、読み取った会員情報をキーとして貯玉管理装置80と相互通信を行いながら、口座(貸出レート)名及び引き出し数等を指定する会員の操作に基づいて当該会員の口座からの貯玉の引き出しを行う。
なお、各遊技機10や各貸出機20にも、再プレイ機60と同様な機能を設けることできる。
【0017】
貯玉管理装置80は、本発明に係る遊技用装置の一例であり、貯玉会員ごとの貯玉を管理する情報処理装置であって、例えば、
図2に示すように、計数機50、再プレイ機60及び景品交換装置90などと相互データ通信を行う通信部81、ハードディスクなどの記憶手段からなる記憶部82、液晶表示装置などのモニタ機能を有する表示部83、キーボード、マウスなどの入力手段からなる入力部84、プリンターなどの出力手段からなる出力部87、ALUなどからなる演算部86、上記各部を制御する制御部85(コンピュータ)等を備え、主に遊技場の店員等により操作される遊技用装置である。
貯玉は、
図3に示すように、記憶部82において、貯玉データ820として、貯玉会員別に貸出レートごとに記憶・管理されている。
貯玉データ820は、例えば、預け入れたときの貸出レートを特定可能な口座名、貸出レートごとの貯玉数などから構成されている。
【0018】
このように構成された貯玉管理装置80では、制御部85が本発明に係る制御手段の一例として動作し、計数機50、再プレイ機60から送信される情報に基づき、貯玉データ820を更新する預け払い処理を実行する。
例えば、計数機50から、会員情報、数量情報、及びレート情報などの情報を含む預け入れ要求を受信すると、これらに基づき該当する会員の貯玉データ820をプラス更新する。
具体的には、例えば、貯玉会員1を示す会員情報、「3000玉(例えば、遊技球)」を示す数量情報、4円を示すレート情報を受信すると、貯玉会員1の4円レート口座に「3000」の数量を加算する預け入れ処理を行う。
【0019】
また、制御部85は、再プレイ機60から、会員情報、数量情報、及びレート情報などの情報を含む引き出し要求を受信すると、これらに基づき該当する会員の貯玉データ820をマイナス更新する。
具体的には、例えば、貯玉会員2を示す会員情報、「200玉(例えば、遊技球)」を示す数量情報、1円を示すレート情報を受信すると、貯玉会員2の1円レート口座から「200」の数量を減算する引き出し処理を行う。
また、制御部85は、このような再プレイに係る引き出し処理において、以下のような特徴的な制御を行う。
【0020】
引き出し処理では、引き出し先の再プレイ機60が設置されているコーナー(貸出レート)に応じて、引き出し可能な口座を制御する。
例えば、4.32円を貸出レートとするコーナーAに設置されている再プレイ機60aから引き出し要求を受信すると、4.32円口座からの引き出しのみを許容し、4.32円口座以外の他の口座(例えば、1円など)からの引き出しを禁止する制御を行うこともできる。
なお、このような引き出し要求を送信した再プレイ機60が設置されたコーナーの貸出レートと同じ貸出レートのことを、自レートと称し、引き出し要求を送信した再プレイ機60が設置されたコーナーの貸出レートと異なる貸出レートのことを、他レートと称する。
【0021】
このように、制御部85は、引き出し要求を送信した再プレイ機60が設置されたコーナーの貸出レートと同じ貸出レートの口座からの引き出し、すなわち自レート口座からの引き出しに関しては、何ら制限を設けることなく許容し、引き出し要求を送信した再プレイ機60が設置されたコーナーの貸出レートと異なる貸出レートの口座からの引き出し、すなわち他レート口座からの引き出しに関しては、制限を設けることができる。
【0022】
また、制御部85は、自レート口座からの引き出しを原則的に許容しながら、他レート口座からの引き出しを許容する他レート引き出し許容制御を行うこともできる。
他レート口座引き出し許容制御では、制御部85が本発明に係る優先順序制御手段の一例として動作し、引き出し可能な複数の貸出レート(口座)間に優先順序を設けて引き出しを許容する。
優先順序は、
図4に示すように、優先順序データ821として、記憶部82に記憶されている。
【0023】
優先順序データ821は、コーナー別(現金投入時の貸出レート別)に設けられるとともに、入力部84を介して貸出レート間の優先順序を適宜設定変更可能であり、例えば、
図4に示す例では、4.32円を貸出レートとするコーナーAでは、自レート口座である4.32円口座からの引き出し優先順位を1位とし、以下、4円、0.5円、1.08円、1円口座がこれに続くように設定されている。
このような引き出し優先順序の設定により、4.32円(自レート)口座に預け入れた貯玉が再プレイ引き出しによって無くなると、次いで4円口座からの引き出しが可能となり、その後、4円口座の貯玉が無くなると、次に0.5円口座から、というように、順次、引き出し可能な口座が変移することになる。
なお、このような自レート口座以外の他レート口座からの引き出しを、以下「乗り入れ」又は「乗り入れ引き出し」と称する。
【0024】
また、このような優先順序データ821は、貸出レートの運用状態によって、優先順序を入れ替えることができる。
通常、貸出レートは、営業方針等の変更によって、運用状態が変化する。
例えば、消費税(外税)の導入により1円の貸出レートを1.08円に変更することもある。同じく、4円の貸出レートを、4.32円に変更することもある。そうすると、消費税導入前の貸出レートでの貸し出しが行われないことから、遊技場内においてこれらの貸出レートに対応する1円コーナー、4円コーナーが廃止され、これらに代えて、1.08円コーナー、4.32円コーナーが新設されることになる。その結果、1円、4円貸出レートに対応する口座に預け入れられた貯玉の使い道がなくなるため、貯玉が有効に活用されなくなるおそれがあった。
そこで、制御部85は、このような運用外の口座に預け入れた貯玉を積極的に活用させるべく、貸出レートの運用状態によって、優先順序の入れ替えを行う。
【0025】
例えば、記憶部82には、
図5に示すように、各貸出レートの運用状態を示すデータとして、運用状態データ822が記憶されている。運用状態データ822は、貸出レートを特定可能な口座名データ、運用中の貸出レートであるか否かを区別可能な情報の一例であって運用中フラグ「○」か運用外フラグ「×」かを特定可能な状態フラグデータ、この状態フラグデータの更新日時を示す登録日時データなどから構成され、これらのデータは入力部84を介して適宜変更可能である。
制御部85は、この運用状態データ822を参照して、優先順序の入れ替えを行う。
具体的には、現在設定中の優先順序において、状態フラグデータが運用外フラグ「×」の貸出レートの口座からの引き出し優先順位を引き上げる。
【0026】
例えば、現在設定中の優先順序が
図6(a)に示すように、優先順位1位を4.32円、2位を4円、3位を0.5円、4位を1.08円、5位を1円としたときに、制御部85は、
図5に示す運用状態データ822を参照して、
図6(b)に示すように、運用外である4円を1位、1円を2位というように、運用外口座の優先順位を引き上げる。このとき、運用中口座4.32円、0.5円、1.08円の優先順序は変更することなく、運用中口座間での優先順序の入れ替えは行わない。
【0027】
また、制御部85は、運用外口座が複数あるときには、登録日時データを参照して、登録日時が新しい口座よりも古い口座の方の優先順位を高くする。
例えば、
図5に示す例では、4円口座の方が1円口座よりも登録日時が古いので、4円口座の優先順位を1円口座よりも高くする。
【0028】
また、制御部85は、運用状態データ822の参照に加え、または、運用状態データ822を参照することなく、各貸出レート間のレート差に基づいて以下のような優先順序の並べ替えを行う。
具体的には、制御部85は、自レートと他レート間のレート差を求め、レート差の大小関係に基づいて優先順序の並べ替えを行う。
例えば、
図6(b)、(c)に示す例は、運用外の口座の優先順位を高くした後、さらに、運用中の口座間において、自レート(4.32円)に対するレート差が小さい他レートの口座(1.08円)ほど優先順位が高くなるように並べ替えた例を示している。
これにより、運用外口座からの引き出しが優先されるのはもちろんのこと、これに次いで、自レート口座からの引き出しが優先され、さらには、自レートに近い他レートからの引き出しが優先されることになり、運用外レートに係る貯玉の有効利用を図りながら、自レートに近い他レートからの引き出しが優先されることから、遊技者を躊躇させることなく、また、遊技者に違和感を与えることなく、レート間の垣根を越えたシームレスな引き出しが実現される。
【0029】
また、上記の例では、運用状態データ822を参照したが、運用状態データ822を参照することなく、各貸出レート間のレート差のみに基づいて優先順序の並べ替えを行うこともできる。
例えば、
図4に示すコーナーBにおいては、自レート(1.08円)に対するレート差が小さい貸出レートの口座ほど優先順位が高くなるように優先順序を並べ替えたものであり、優先順位1の自レート1.08円口座に次いで、1円、0.5円、4円、4.32円口座の順となっている。
【0030】
また、これとは逆に、自レートに対するレート差が大きい貸出レートの口座ほど優先順位が高くなるように優先順序を並べ替えることもできる。
例えば、
図4に示すコーナーCにおいては、自レート(0.5円)に対するレート差が大きい貸出レートの口座ほど優先順位が高くなるように優先順序を並べ替えたものであり、優先順位1の自レート0.5円口座に次いで、4.32円、4円、1.08円、1円口座の順となっている。
【0031】
このような制御部85による優先順序の入れ替え(又は並べ替え)制御は、入力部84からの入力に基づき瞬時に入れ替え(又は並べ替え)が完了し、記憶部82に記憶された優先順序データ821が更新される。
例えば、表示部83は、
図7に示すような入力画面を表示可能であり、
図7(a)に示す入力画面において、運用外レート優先ボタン831を操作(クリック)し、これに続き、レート差小優先ボタン832を操作(クリック)すると、
図7(b)に示すように、画面上の優先順序データ821が更新される。なお、このような二回の操作ではなく、一回の操作で、一度に並べ替えを行うこともできる。
また、このような操作は、コーナー別のみならず、すべてのコーナーに対して一度の操作で並べ替えを行うこともできる。
【0032】
また、自レート口座以外の他レート口座からの引き出し、すなわち、乗り入れは、他レート口座すべてからの乗り入れを許容したり、一部の他レート口座からの乗り入れを禁止したりすることができる。
そのため、各レート間同士の乗り入れ可否を設定するためのデータとして、記憶部82は、乗り入れ設定データ823を記憶している。
乗り入れ設定データ823は、
図8に示すように、各レート間における乗り入れの可否を総当たり形式で設定可能なデータであり、入力部84を介して各レート間における乗り入れの可否を適宜設定変更できるようになっている。
乗り入れ設定データ823では、
図8に示すように、乗り入れ先(自レート)コーナーと、乗り入れ元(他レート)口座とが、総当たり形式で対応付けられ、行列のクロスするセルにおいて、乗り入れの可否を示す可否データを設定可能となっている。例えば、乗り入れ先(自レート)4.32円には、乗り入れ元(他レート)4円、1.08円、1円口座からの乗り入れを許容する「○」が設定され、0.5円口座からの乗り入れを禁止する「×」が設定されている。
なお、乗り入れ先(自レート)コーナーには、自レート口座からの引き出しが原則として許容されることから、可否を設定するためのセルを設けていない。
【0033】
また、乗り入れ引き出しを行うにあたり、乗り入れ先で実際に再プレイに使用する使用数を算出するときの換算値は、各レート間同士においてそれぞれ設定可能である。
記憶部82には、乗り入れ先で再プレイに使用する使用数を算出するためのデータとして、乗り入れ数換算データ824が記憶されている。乗り入れ数換算データ824は、
図9に示すように、各レート間における乗り入れ時の換算値を総当たり形式で設定可能なデータであり、入力部84を介して各レート間における換算値を設定変更できるようになっている。
乗り入れ数換算データ824では、
図9に示すように、乗り入れ先コーナーと、乗り入れ元口座とが、総当たり形式で対応付けられ、行列のクロスするセルにおいて、換算値を設定可能となっている。
例えば、乗り入れ元の4円口座から乗り入れ先の1円コーナーに乗り入れるときには、4円口座からの引き出し数を「4倍」した値が1円コーナーで実際に再プレイするときの使用数となる。この場合、4円口座から引き出し数「100」玉を引き出したとき、1円コーナーでの使用数は、引き出し数「100」に換算値「4」を乗算して「400」玉となる。
このような換算値は、整数、分数、小数など様々な値で設定可能である。
【0034】
また、乗り入れ引き出しを行うにあたり、引き出し数の上限数は、各レート間同士においてそれぞれ設定可能である。
記憶部82には、引き出し数の上限数を設定可能なデータとして、上限数設定データ825が記憶されている。上限数設定データ825は、
図10に示すように、各レート間における乗り入れ時の引き出し上限数を総当たり形式で設定可能なデータであり、入力部84を介して各レート間における引き出し上限数を設定変更できるようになっている。
上限数設定データ825では、
図10に示すように、乗り入れ先コーナーと、乗り入れ元口座とが、総当たり形式で対応付けられ、行列のクロスするセルにおいて、引き出し上限数を設定可能となっている。
例えば、乗り入れ元口座1.08円から、乗り入れ先1円コーナーに乗り入れるときには、1.08円口座からの引き出し数を「無制限」とし、乗り入れ元口座4.32円から、乗り入れ先0.5円コーナーに乗り入れるときには、4.32円からの引き出し数を「250」玉として設定してある。
なお、上記の例では、一の乗り入れ元からの引き出し上限数を設定したが、二以上の乗り入れ元からの引き出し上限数を設定することもできる。この場合、それらを組合せた合計を上限数として設定することもできる。また、引き出し数の上限に代えて、又は加えて、乗り入れ先における使用数の上限数を設定することもできる。
【0035】
また、記憶部82には、再プレイ引き出しに係る履歴を示す引き出し履歴データ826が記憶されている。
引き出し履歴データ826は、
図11に示すように、再プレイに係る引き出しを行った履歴を貯玉会員ごとに示したデータであり、引き出し日時、引き出した再プレイ機、自レート引き出しか乗り入れ引き出しかを示す再プレイ形態、引き出し口座名、引き出し前貯玉数、引き出し後貯玉数、引き出し数、使用数などを特定可能なデータから構成され、表示部83を介して確認できるようになっている。
図11(a)に示す例では、例えば、貯玉会員1が、4円コーナーに設置された再プレイ機60aにおいて、所定の日時に、当初「500」玉が貯玉されている4円(自レート)口座から4回にわたり「125」玉ずつ引き出すことで、引き出し後の4円(自レート)口座の貯玉が「0」玉となり、さらに、「750」玉が貯玉されている1円(他レート)口座から「500」玉を引き出し(乗り入れ引き出し)、これを4円に換算した「125(=500×1円/4円)」玉が使用数となって、この使用数を再プレイ機60aから払い出した例を示している。
【0036】
また、
図11(b)に示す例では、例えば、同じ貯玉会員1が、上記の例に続き、4円コーナーから1円コーナーに移動し、1円コーナーに設置された再プレイ機60bにおいて、当初「250」玉が貯玉されている1円(自レート)口座から2回にわたり「125」玉ずつ引き出すことで、引き出し後の1円(自レート)口座の貯玉が「0」玉となり、さらに、「750」玉が貯玉されている0.5円(他レート)口座から「250」玉を引き出し(乗り入れ引き出し)、これを1円に換算した「125(=250×0.5円/1円)」玉が使用数となって、この使用数をプレイ機60bから払い出した例を示している。
【0037】
図11(c)は、再プレイに係る引き出しにおいて、運用外レート口座からの引き出しを優先させる例を示している。
この例では、貯玉会員2が、所定の日時に、0.5円コーナーに設置された再プレイ機60cから貯玉の引き出しを行った例であり、当初0.5円(自レート)口座から引き出しを行おうとしたものの、再プレイ機60cによって、運用外レート口座(例えば、4円及び1円を運用外レートとし、4円の方が1円よりも運用外となった登録日時が古い)からの引き出しを優先させる優先順序データ821に従った引き出し操作を行うように誘導されることにより、以下のような順序で引き出しが行われた例である。
【0038】
例えば、最初に運用外レート4円(他レート)の口座からの引き出しが優先され、「10」玉を引き出し(乗り入れ引き出し)、これを0.5円に換算した「80(=10×4円/0.5円)」玉が使用数となって、この使用数を再プレイ機60cから払い出す。これにより、運用外レート4円口座の貯玉が「0」なる。
次いで、運用外レート1円(他レート)の口座からの引き出しが優先され、「50」玉を引き出し(乗り入れ引き出し)、これを0.5円に換算した「100(=50×1円/0.5円)」玉が使用数となって、この使用数を再プレイ機60cから払い出す。これにより、運用外レート1円口座の貯玉が「0」なる。
その後、0.5円(自レート)の口座からの引き出しが許容され、当初「500」玉が貯玉されている0.5円(自レート)口座から「125」玉が引き出された例である。
なお、上記の例において、再プレイ機60cが行うところの優先順序データ821に従う引き出し操作の誘導は、再プレイ機60が、優先順序データ821に従ったメッセージを表示する表示手段、優先順序データ821に従って順次有効化される引き出し口座を指定するための操作手段(ボタンなど)等を備えることで、実現可能である。
【0039】
図11(d)は、再プレイに係る引き出しにおいて、自レートに対してレート差が小さい他レート口座ほど引き出し優先順位を高くする例を示している。
この例では、貯玉会員3が、所定の日時に、0.5円コーナーに設置された再プレイ機60cから貯玉の引き出しを行った例であり、自レート引き出しにより0.5円口座の貯玉が無くなったので、さらに他レート口座から乗り入れ引き出しを行うときに、再プレイ機60cによって、自レートに対してレート差が小さい他レート口座ほど優先順位が高くなる優先順序データ821に従った引き出し操作を行うように誘導されることにより、以下に示すように、0.5円に対してレート差の小さい貸出レートの口座から順に引き出しが行われた例である。なお、下記の例においては、4円、1円を運用中レートとして扱うものとする。
【0040】
例えば、当初「125」玉が貯玉されている0.5円(自レート)口座から「125」玉を引き出すことで、引き出し後の0.5円(自レート)口座の貯玉が「0」玉となり、次いで、0.5円(自レート)に対してレート差の小さい1円(他レート)の口座からの引き出しが優先され、「50」玉を引き出し(乗り入れ引き出し)、これを0.5円に換算した「100(=50×1円/0.5円)」玉が使用数となって、この使用数を再プレイ機60cから払い出す。これにより、1円口座の貯玉が「0」なる。
続いて、0.5円(自レート)に対して1円の次にレート差の小さい1.08円(他レート)の口座からの引き出しが優先され、「50」玉を引き出し(乗り入れ引き出し)、これを0.5円に換算した「108(=50×1.08円/0.5円)」玉が使用数となって、この使用数を再プレイ機60cから払い出す。これにより、1.08円口座の貯玉が「0」なる。
次に、0.5円(自レート)に対して1円、さらには1.08円の次にレート差の小さい4円(他レート)の口座からの引き出しが優先され、「10」玉を引き出し(乗り入れ引き出し)、これを0.5円に換算した「80(=10×4円/0.5円)」玉が使用数となって、この使用数を再プレイ機60cから払い出す。これにより、4円口座の貯玉が「0」なった例である。
なお、上記の例において、再プレイ機60cが行うところの優先順序データ821に従う引き出し操作の誘導は、再プレイ機60が、優先順序データ821に従ったメッセージを表示する表示手段、優先順序データ821に従って順次有効化される引き出し口座を指定するための操作手段(ボタンなど)等を備えることで、実現可能である。
【0041】
また、記憶部82には、再プレイ機60の稼働状態を示す再プレイ機稼働状態データ827が記憶されている。
再プレイ機稼働状態データ827は、
図12に示すように、各再プレイ機60の稼働状態を日時ごとに示したデータであり、稼働した再プレイ機、引き出し日時(時間)、引き出しを行った貯玉会員、自レート引き出しか乗り入れ引き出しかを示す再プレイ形態、引き出し口座名、引き出し数、使用数などを特定可能なデータから構成され、表示部83を介して確認できるようになっている。
再プレイ機稼働状態データ827は、引き出し履歴データ826を編集することにより作成され、例えば、
図12に示す例は、
図11(a)、(b)に示す例から編集されたものとなっている。
また、特に図示しないが、構成データ中における稼働した「再プレイ機」を特定可能な欄(例えば、「60a」、「60b」)を操作(クリック)すると、その再プレイ機に係る稼働状態を示す詳細な履歴データが表示される。
なお、上記の構成データ中に、引き出しの際に徴収される貯玉管理に係る手数料(玉数)を含めることもできる。
【0042】
また、記憶部82には、遊技場内での再プレイ遊技を行っている遊技者の人数を示す再プレイ人数データ828が記憶されている。
再プレイ人数データ828は、
図13に示すように、日時、自レート引き出しによる再プレイ遊技者の人数を特定可能な自レート再プレイ、乗り入れ引き出しによる再プレイ遊技者の人数を特定可能な乗り入れ再プレイ、再プレイ遊技者の合計人数を示す再プレイ合計などのデータから構成され、これらのデータが表示部83を介して確認できるようになっている。この再プレイ人数データ828は、再プレイ機稼働状態データ827における貯玉会員、再プレイ形態を所定の時間帯ごとに編集することにより作成される。
【0043】
景品交換装置90は、通信機能を有する情報処理装置として構成され、遊技により獲得された遊技媒体や貯玉を、所定の景品と交換するときの交換(決済)処理を行う装置であり、例えば、計数装置50から発行されるレシートから遊技媒体の数量を読み込み、読み込んだ数量と遊技者が交換を希望する景品に対応する景品数とを照合してこれらを紐づけて処理したり、貯玉から景品数を引き落とす処理などを実行する。
また、このような交換(決済)処理に加え、乗り入れ引き出しに係る遊技者の承認を得るための乗り入れ確認処理を実行する。
【0044】
貯玉再プレイにおいて、自レートからの引き出しに関しては、遊技者の承認は必要としないものの、乗り入れに関しては、他レートからの引き出しを前提とし、遊技者の利益を損なうおそれがあるため、遊技者の事前の承認を必要とする。
そこで、遊技場の店員が操作しながら遊技者の承認を得ることのできる遊技用装置として、景品交換装置90にそのような確認機能を設けてある。
乗り入れ確認処理では、客側表示部90a及び店員側表示部90b(例えば、タッチパネル式液晶TV)において、
図14(a)〜(h)に示すような画面を表示させながら、遊技者の承認に係る入力を受け付けることができる。
【0045】
まず、店員側表示部90bに、(a)に示す画面が表示され、店員の操作(例えば、「客側会員照会」ボタンのタッチ)により、客側表示部90aに、(b)に示す画面が表示される。
(b)に示す画面において、遊技者が「乗り入れ確認」ボタンを操作(タッチ)すると、(c)に示すように「会員カードを入れてください」などのメッセージが表示され、これに従い、景品交換装置90に併設されたリーダー100に会員カードを挿入すると、(d)に示すように「暗証番号を入力してください」などのメッセージが表示される。リーダー100には、テンキー入力部が付設されており、このテンキー入力部から暗証番号を入力することができる。
【0046】
適正な会員カードの挿入及び暗証番号の入力により、(e)に示す乗り入れ状態確認画面が表示される。
(e)に示す画面では、乗り入れ先へ乗り入れ可能な乗り入れ元口座を示す乗り入れ状態データ829が表示される。乗り入れ状態データ829は、乗り入れ設定データ823(
図8参照)の一部を抽出したデータであり、乗り入れ先ごとに表示され、(e)に示す例では、乗り入れ先4円へ乗り入れ可能な乗り入れ元口座名1円、4.32円、1.08円が表示されている。乗り入れ先は「▼」ボタンを操作することで選択可能であり、これにより、乗り入れ先ごとの乗り入れ可能な乗り入れ元口座を確認することができる。
【0047】
このような乗り入れ状態確認画面に次いで、(f)に示す乗り入れ確認画面が表示される。
この画面では、乗り入れを承認するか否かを遊技者に選択させるべく、承認を示す「はい」ボタンと、非承認を示す「いいえ」ボタンが表示される。
ここで、承認を示す「はい」ボタンが操作されると、(h)に示すように、乗り入れが承認されたことを示すメッセージが表示され、非承認を示す「いいえ」ボタンが操作されると、乗り入れが承認されなかったことを示すメッセージが表示される(不図示)。
また、過去に承認を示す「はい」ボタンが操作されていることを前提に、(f)に示す乗り入れ確認画面において、「いいえ」ボタンが操作されると、(g)に示すように、乗り入れの可否を問う乗り入れ確認画面が表示される。ここで、乗り入れ不可を示す「はい」ボタンが操作されると、乗り入れ承認が取り消された旨を示すメッセージが表示される(不図示)。
【0048】
このような乗り入れ承認により、景品交換装置90は、「承認」を特定可能な情報を貯玉管理装置80に送信する。これにより、貯玉管理装置80が実行するところの承認した貯玉会員に対する乗り入れ係る処理(例えば、他レート引き出し許容制御)の実行が許容(有効化)されることになる。また、乗り入れ承認の取り消しにより、乗り入れに係る処理の実行が禁止(無効化)されることになる。
【0049】
また、このように受け付けた乗り入れ承認(非承認を含む)の承認日時は、遊技者や店員の操作に基づいて客側表示部90a及び店員側表示部90bに表示される。
例えば、適正な会員カードの挿入及び暗証番号の入力に基づいて、
図15に示すような画面を表示することもできる。
この画面では、会員カードに対応する貯玉会員が乗り入れを承認(非承認)した日付、その貯玉会員の貯玉データ820、乗り入れ状態データ829などが表示される。
これにより、店員及び遊技者は、いつ乗り入れを承認(非承認)したのかを確認することができる。
【0050】
なお、このような乗り入れ承認は、一度承認すると、期間を制限することなく、半永久的に乗り入れが有効化されるように設定することもできるが、営業日ごと又は再プレイ遊技を行うごとに承認を要求する設定とすることもできる。
営業日ごとに承認を要求する場合では、一度承認すると、その営業日限りにおいて乗り入れが許容されるように乗り入れ有効化期間が設定され、再プレイ遊技を行うごとに承認を要求する場合では、再プレイ機60における一回の引き出し操作に限り、乗り入れが有効化されることになる。
営業日ごと又は再プレイ遊技を行うごとに承認を要求する場合、乗り入れ承認を受け付ける遊技用装置としては、再プレイ機60が好ましく、この再プレイ機60に、
図14に示す画面を表示しながら遊技者の操作を受け付けるという、景品交換装置90と同様な機能を設けることもできる。
また、この機能を貸出機20に設けることもでき、さらには、再プレイ機60、貸出機20に限らず、遊技用システム1を構成するその他の遊技用装置はもちろんのこと、遊技用システム1を構成しない、例えば、情報公開装置、専用端末装置、WEBサービス上で乗り入れ承認を受け付け可能なサーバー装置などの遊技用装置にも乗り入れ承認受け付け機能を設けることができる。
【0051】
以上説明した遊技用システム1の特徴的な動作は、
図16〜18に示すフローチャートに基づいて実行される。貯玉管理装置80、景品交換装置90などの遊技用装置において各制御部が実行可能なプログラムは、これらのフローチャートに基づいて作成され、各記憶部に記憶されている。
【0052】
例えば、
図16に示すフローチャートは、貯玉管理装置80(制御部85)において実行される、運用レートか否かを特定可能なデータに基づく引き出し優先順序の入れ替え制御に係る優先順序設定変更処理1であって、この処理では、まず、運用外レート優先ボタン831(
図7参照)に対する操作の有無を判定し(S1)、操作があると(S1−Yes)、運用状態データ822(
図5参照)を記憶部82から取得する(S2)。
取得した運用状態データ822から運用外レート(運用外フラグ)の有無を判定する(S3)。
運用外レートがあるときには(S3−Yes)、運用外レートの優先順位を引き上げる運用外レート引上げ処理を実行する(S4)。
この処理では、例えば、記憶部82から現在設定中の優先順序データ821(
図4参照)を取得するとともに、運用中のレートが複数ある場合、現在設定中の優先順序において、運用中のレート間での優先順序を変更することなく、運用外レートの優先順序のみを引き上げる処理を実行する(
図6(a)、(b)参照)。次いで、優先順序を入れ替えたものを新たな優先順序データ821として記憶部82に記憶させる(S5)。
【0053】
図17に示すフローチャートは、貯玉管理装置80(制御部85)において実行される、レート差に基づく引き出し優先順序の入れ替え制御に係る優先順序設定変更処理2であって、この処理では、まず、レート差小(又は大)優先ボタン832(又は833)(
図7参照)に対する操作の有無を判定し(S11)、操作があると(S11−Yes)、優先順序データ821(
図4参照)を記憶部82から取得する(S12)。
取得した優先順序データ821から自レートと他レートとのレート差を算出する(S13)。続いて、レート差の大小に応じて優先順序データ821の並べ替えを行う(S14)。
このとき、レート差小優先ボタン832の操作により、複数のレート間において、自レートに対するレート差が小さい他レートほど優先順位が高くなるように優先順序の並べ替えを行い(
図4のコーナーB参照)、レート差大優先ボタン833の操作により、複数のレート間において、自レートに対するレート差が大きい他レートほど優先順位が高くなるように優先順序の並べ替えを行う(
図5のコーナーC参照)。
次いで、優先順序を並べ替えたものを新たな優先順序データ821として記憶部82に記憶させる(S15)。
【0054】
図18に示すフローチャートは、貯玉管理装置90において実行される乗り入れ確認処理であって、この処理では、まず、承認・非承認を問わず過去に乗り入れ確認を行ったか否かを特定可能な確認フラグの有無を判定する(S21)。
確認フラグがセットされていない(フラグ未セット)ときには(S21−No)、未だ乗り入れ確認がされていないと判定して、乗り入れ状態データ829(
図14(e)参照)を表示し(S22)、さらに、乗り入れ確認画面(
図14(f)参照)を表示する(S23)。
乗り入れ確認画面において、乗り入れの承認・非承認を問わず、「はい」又は「いいえ」ボタンのいずれかが操作されると(S24)、確認フラグをセットし(S25)、続いて、確認日を記憶する(S26)。
【0055】
さらに、「はい」又は「いいえ」ボタンの操作に基づいて、乗り入れの承認か否かを判定し(S27)、乗り入れの承認を示す「はい」ボタンの操作により(S27−「はい」)、乗り入れが可能となった旨を示す乗り入れ可能画面(
図14(h)参照)を表示し(S28)、乗り入れの非承認を示す「いいえ」ボタンの操作により(S27−「いいえ」)、乗り入れが不可となった旨を示す乗り入れ不可画面を表示する(S29)。
なお、確認日は、乗り入れの承認を示す「はい」ボタンの操作によって、乗り入れ承認日として記憶され、表示部90a,90bにおいて視認可能に出力される。
また、乗り入れの承認により、承認した遊技者に限り、
図8に示す乗り入れ設定データ823が有効化され、半永久的又は承認した営業日等において乗り入れ引き出しが許容される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の遊技用装置、遊技用システム及びプログラムによれば、再プレイ引き出しにおける複数の貸出レート口座間の優先順序が、任意、貸出レートの運用状態、及びレート間のレート差などに応じて適宜設定変更できるので、遊技場の営業形態に合わせた貯玉再プレイシステムの運用が可能となる。
【0057】
一方、従来の貯玉再プレイシステムでは、運用中のレートのみが使用可能であり遊技者にとっての利便性が不十分だった。
また、外税対応などに伴う貸出レートの変更により、再プレイ不可能な貸出レートの口座に貯玉が残るケース(運用外口座の発生)があり、そうなると、現在使用可能な貸出レートの口座と併せて多数の口座にそれぞれ貯玉が残ることがあり得る。
このような状況下では、運用外口座の貯玉は景品交換を行うか、他レートに乗り入れを行う方法でしか使用できないが、当該運用外口座に貯玉があることを明確に把握していない場合には有効に活用されず、又運用外口座からの乗り入れを個別に指定するのが面倒であった。
また、乗り入れ時には遊技者の承諾が必要だが、各貸出レートの口座に対して全て遊技者の承諾を得ようとすると遊技者に煩わしい操作を強いることになるとともに、再プレイ機においても全ての口座に対する承諾を得るようなプロセスを搭載する必要があった。
また、従来の貯玉再プレイシステムでは、各レートの貯玉数を自レートのレートに換算した総和の表示を行うため、どの程度再プレイが可能かを把握することが容易であったが、実際にどのレートの貯玉が使用されるかをイメージしにくかった。
また、乗り入れ時は全口座の合算を自レートに対応付けて表示し、自動的に乗り入れ元の口座を順次切り替えて制御する場合には、低レートと高レートを感覚的に区別して捉えている遊技者にとって不都合な制御となる場合があり得る。
本実施形態の遊技用装置、遊技用システム及びプログラムによれば、従来の貯玉再プレイシステムが改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0058】
以上、本発明の遊技用装置、遊技用システム及びプログラムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用装置、遊技用システム及びプログラムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0059】
例えば、本実施形態では、各種データ820〜829、優先順序設定変更処理1,2などを貯玉管理装置80において記憶(出力)・実行可能とし、乗り入れ確認処理を景品交換装置90において実行可能としたが、これらのデータ及び処理は、遊技用システム1を構成するいずれの遊技用装置においても、記憶(出力)・実行可能としてもよい。
また、これらのデータ及び処理は、遊技用システム1を構成する遊技用装置にそれぞれ分散して記憶・実行させてもよい。
【0060】
また、
図11において、自レート口座からの引き出し及び他レート口座からの乗り入れ引き出し例を説明するにあたり、
図11(a)、(b)に示す例では、一回の引き出しにおける引き出し数及び使用数の最低単位数(例えば、「125」玉)が設定されているものとして説明し、
図11(c)、(d)に示す例では、一回の引き出しにおける引き出し数及び使用数の最低単位数が設定されずに、「125」玉以下でも自由に引き出しできるものとして説明したが、最低単位数を以下のように設定することもできる。
【0061】
原則として、自レート及び乗り入れ引き出しを問わず一律に最低単位数を設定することができる。この場合、最低単位数は自由に設定できるものの、最低単位数に満たない貯玉を有する口座からは、引き出し不能となり、例えば、
図11(c)に示す例において、使用数の最低単位数を「125」玉とすると、運用外レート4円及び1円口座から貯玉を引き出すときには、それぞれの口座の貯玉を0.5円に換算したときに使用数が最低単位数「125」玉に満たないことになるので、これらの口座から貯玉が引き出すことができず、そのまま貯玉として残ることになる。そうすると、優先順序データ821に従う次に引き出し対象となる口座は、最低単位数以上の使用数又は引き出し数に対応する貯玉を有する優先順位の低い口座へと繰り下がることになる。
【0062】
また、同様に、
図11(d)に示す例において、使用数の最低単位数を「125」玉とすると、0.5円(自レート)に対してレート差の小さい口座から順に引き出すときにも、1円、1.08円、4円口座の貯玉をそれぞれ0.5円に換算したときの使用数はいずれも最低単位数「125」玉に満たないことになるので、これらの口座から貯玉が引き出すことができず、そのまま貯玉として残ることになる。そうすると、優先順序データ821に従う次に引き出し対象となる口座は、最低単位数以上の使用数又は引き出し数に対応する貯玉を有する優先順位の低い口座へと繰り下がることになる。
このように、一律に最低単位数を設定することもできるが、例外として、運用外レート口座の貯玉からの引き出しのみ最低単位数を設定することなく、1玉から自由に引き出しできるようにしてもよい。