特許第6557948号(P6557948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557948
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】光源装置及び投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20190805BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20190805BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20190805BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/00 F
   F21S2/00 311
   H04N5/74 Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-172789(P2014-172789)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-48294(P2016-48294A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2017年8月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小椋 直嗣
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/115492(WO,A1)
【文献】 特開2013−178290(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/035636(WO,A1)
【文献】 特開2013−025247(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/039072(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0242791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00 − 21/64
F21S 2/00
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する励起光源と、
前記励起光に励起されることにより前記励起光の波長とは異なる波長の蛍光光を出射し、全体を透光性無機材料と複数の蛍光体とを焼結して形成された平面視が矩形で板状の蛍光体プレートと、
前記励起光源から出射される前記励起光を前記蛍光体プレートの一方の面の一部である励起光照射領域内に集光して、前記蛍光体プレートに照射すると共に、前記励起光照射領域からの蛍光体発光光を取り込む、集光光学系と、
を備え、
前記励起光照射領域が前記蛍光体プレートにおける平面視が矩形で板状の中心に対して偏心した状態で固定され、前記励起光が前記蛍光体プレートに照射されることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記蛍光体プレートのサイズが前記励起光照射領域のサイズに対して所定の割合以上であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記励起光照射領域が矩形形状であり
記矩形形状の励起光照射領域が、前記平面視が形で板状の蛍光体プレートの一辺に対して近接することを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記励起光照射領域が矩形形状であり
記矩形形状の励起光照射領域が、前記平面視が形で板状の蛍光体プレートの二辺に対して等距離に近接することを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記励起光が照射された際に、前記平面視が形で板状の蛍光体プレートの辺に対して近接されていない、前記矩形形状の励起光照射領域の少なくとも一辺に近接して、且つ、当該少なくとも一辺に沿って、前記蛍光体プレートに設けられたエアスリットを更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の光源装置。
【請求項6】
画像を入力して被投影体に投影する投影装置であって、
請求項1〜5の何れかに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を用いて表示を行う表示素子と、
前記表示素子に表示された画像を被投影体に向けて投影する投影光学系と、
前記光源装置及び表示素子を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及びそれを用いた投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
励起光源から出射された励起光を吸収し(励起され)、その励起光の波長とは異なる波長の光を発光する蛍光体を用いた光源装置が、照明装置や画像投影装置など様々な機器の光源として利用されている。このような光源装置の光源としては、一般的に、半導体光源である発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)が多く用いられている。また、蛍光体は、透明なシリコーン樹脂層、あるいはエポキシ樹脂層の中に分散されて、発光層として形成されている。
【0003】
しかしながら、発光層に使用される樹脂性バインダは、半導体光源からの励起光によって劣化し、あるいは、特に励起光の強度が強い場合には破損する。また、樹脂の熱伝導率が低いために、樹脂中に分散された蛍光体の温度上昇が起こり、この温度上昇による蛍光体発光波長シフト、あるいは発光強度が低下する温度消光、などの現象が発生して、結果的に、光源装置の輝度が低下するという問題がある。
【0004】
このような熱による損傷や影響を軽減するために、蛍光体を大面積に配置して、同一箇所に励起光が照射され続けないように構成する手法が知られている。例えば、特許文献1に開示されているように、円板の表面に同心円状に蛍光体含有樹脂バインダを塗布し、モータなどで円板を回転させて使用している。
【0005】
しかし、この方法では、円板の回転方向に蛍光体含有樹脂層が続く構造になり、結果として、蛍光体の発光光が蛍光体含有樹脂層の内部を反射伝播することで、蛍光体発光を集光するように位置決めされている集光レンズの範囲外で発光する現象が生じてしまい、蛍光体の発光光が有効に利用できずに無駄となってしまう。
【0006】
近年、蛍光体を分散した発光層の耐熱性を向上させる手段として、透明樹脂バインダに変わり、透光性の無機材料、例えばガラスを用いたり、熱伝導の高いセラミクス(特許文献2)を用いたりして、発光層を形成することが提案されている(以下、このような発光層を蛍光体プレートと称する)。特に、透光性セラミクスバインダを用いた蛍光体プレートは、従来の樹脂バインダを用いた発光層と比較すると、熱伝導率が数十倍から数百倍となり、放熱性が著しく向上する。
【0007】
図8(A)は、透光性セラミクスバインダを用いた蛍光体プレート100を光源装置に適用した場合に想定される、励起光学構造の概略を示す図である。半導体レーザ等の励起光源101からの励起光102は、コリメータレンズ103、励起光102の波長を透過するダイクロイックミラー104を経て、集光レンズ群105により蛍光体プレート100の任意のサイズの照射範囲に集光される。蛍光体プレート100から出射される蛍光体の発光光は、集光レンズ群105により、蛍光体有効発光光106としてダイクロイックミラー104に集光され、このダイクロイックミラー104により任意の波長帯の光が取り出されて、照明光として利用される。
【0008】
図8(B)は、蛍光体プレート100に対する励起光102の照射範囲である励起光照射領域107を示す図である。なお、本明細書において、励起光照射領域107とは、励起光102のエネルギー強度が、その最高強度に対して10%(〜20%)以上の範囲を指すものとする。
【0009】
ここで、蛍光体プレート100は、一辺の長さAx及びAyの矩形形状に形成される。そして、励起光照射領域107は、この矩形の蛍光体プレート100上で矩形の領域となるように、且つ、この励起光照射領域107の一辺の長さBx及びByが、蛍光体プレート100の一辺の長さAx及びAyよりも若干小さくなるように、光学系が設計されている。すなわち、集光レンズ群105は、励起光源101からの励起光102を蛍光体プレート100の励起光照射領域107に集光する。また、この集光レンズ群105は、励起光照射領域107からの蛍光体の発光光を任意の角度まで取り込み、蛍光体有効発光光106として利用されるように設計される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−13316号公報
【特許文献2】特開2006−282447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
光源としては発光サイズが小さいほうがより好ましく、励起光照射領域107の長さBx、Byの寸法は小さいほど光学効率が高くなる。しかしながら、それに合わせた蛍光体プレート100のサイズも微細になり、実装のハンドリングなどで、製造が難しくなり、コストの増加を招くことになる。
【0012】
そこで、励起光照射領域107の長さBx、Byよりも蛍光体プレート100の長さAx、Ayを十分に大きくすることが考えられる。そのように蛍光体プレート100の長さAx、Ayを大きく形成した場合に、蛍光体内部で光を放つ賦活元素からは、蛍光体発光光は全方向に出射されるため、蛍光体発光光が、図8(C)に示すように、励起光照射領域107から大きく離れた場所の蛍光体プレート上面100Uから出射されるということが発生する。すなわち、通常、蛍光体プレート100は図示しない基板上に配置されるために、蛍光体プレート下面100Bは光学的には全反射特性を備え、また、切り落とし部分となる蛍光体プレート側面100Sもある程度の全反射特性を備える。そのために、励起光照射領域107から全方向に出射された蛍光体発光光が、蛍光体プレート100の内部を伝搬して蛍光体プレート下面100Bや蛍光体プレート側面100Sなどで全反射し、励起光照射領域107から大きく離れた場所の蛍光体プレート上面100Uから出射し易くなってしまう。このような励起光照射領域107から大きく離れた場所から出射される発光光は、集光レンズ群105の取り込み範囲外の蛍光体無効発光光108となり、有効に利用されない。あるいは、蛍光体プレート100内部での発光光の反射光路が長くなり、発光光が賦活元素に自己吸収されてしまい、発光光が損失する現象が発生してしまう。
【0013】
本発明は、発光光の損失を低減することができる光源装置及びそれを用いた投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を果たすため、本発明の一態様によれば、光源装置は、励起光を出射する励起光源と、前記励起光に励起されることにより前記励起光の波長とは異なる波長の蛍光光を出射し、全体を透光性無機材料と複数の蛍光体とを焼結して形成された平面視が矩形で板状の蛍光体プレートと、前記励起光源から出射される前記励起光を前記蛍光体プレートの一方の面の一部である励起光照射領域内に集光して、前記蛍光体プレートに照射すると共に、前記励起光照射領域からの蛍光体発光光を取り込む、集光光学系と、を備え、前記励起光照射領域が前記蛍光体プレートにおける平面視が矩形で板状の中心に対して偏心した状態で固定され、前記励起光が前記蛍光体プレートに照射される。
【0015】
前記目的を果たすため、本発明の一態様によれば、投影装置は、画像を入力して被投影体に投影する投影装置であって、前記本発明の一態様による光源装置と、前記光源装置から出射された光を用いて表示を行う表示素子と、前記表示素子に表示された画像を被投影体に向けて投影する投影光学系と、前記光源装置及び表示素子を制御する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、発光光の損失を低減することができる光源装置及びそれを用いた投影装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は本発明の第1実施形態に係る投影装置の構成例を示すブロック図であり、(B)は本発明の第1実施形態に係る光源装置における光学構造の概略を示す図である。
図2】第1実施形態に係る光源装置における蛍光体プレートに対する励起光照射領域を示す図である。
図3】蛍光体プレート上の励起光照射領域の位置と蛍光体有効発光光の発光強度との関係を示す図であり、(A)は励起光照射領域の長さに対して蛍光体プレートの長さが1.33倍の場合を、(B)は励起光照射領域の長さに対して蛍光体プレートの長さが2倍の場合を、それぞれ示している。
図4】第1実施形態に係る光源装置における蛍光光の出射経路を示す図である。
図5】第1実施形態に係る光源装置の変形例における蛍光光の出射経路を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る光源装置における蛍光体プレートに対する励起光照射領域を示す図である。
図7】(A)は本発明の第3実施形態に係る光源装置における蛍光体プレートに対する励起光照射領域を示す図であり、(B)は第3実施形態に係る光源装置の変形例における蛍光体プレートに対する励起光照射領域を示す図であり、(C)は第3実施形態に係る光源装置の別の変形例における蛍光体プレートに対する励起光照射領域を示す図である。
図8】(A)は透光性セラミクスバインダを用いた蛍光体プレートを光源装置に適用した場合に想定される励起光学構造の概略を示す図であり、(B)は蛍光体プレートに対する励起光照射領域を示す図であり、(C)は蛍光光の出射経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本発明の第1実施形態に係る光源装置を説明する前に、まず、それが適用される本発明の第1実施形態に係る投影装置について説明する。
【0020】
この投影装置は、パーソナルコンピュータ(PC)等の画像出力装置から出力された画像データに基づく画像を、スクリーン等の被投影体に投影するものであり、ここでは、出力表示素子としてマイクロミラー表示素子を用いたDigital Light Processing(DLP)(登録商標)方式を用いているものを例に説明する。
【0021】
本実施形態に係る投影装置1は、図1(A)に示すように、入出力コネクタ部11と、入出力インターフェース(I/F)12と、画像変換部13と、投影処理部14と、マイクロミラー素子15と、第1実施形態に係る光源装置16と、ミラー17と、投影レンズ18と、CPU19と、メインメモリ20と、プログラムメモリ21と、操作部22と、音声処理部23と、スピーカ24と、レンズ調整部25と、システムバスSBと、を有する。
【0022】
入出力コネクタ部11には、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子や、D−sub15タイプのRGB入力端子といった端子が設けられており、画像出力装置からのアナログ画像信号が入力される。入力された画像信号は、入出力I/F12及びシステムバスSBを介して画像変換部13に入力される。入力された各種規格のアナログ画像信号は、デジタル画像信号に変換される。なお、入出力コネクタ部11には、例えばHDMI(登録商標)端子等も設けられ、アナログ画像信号のみならずデジタル画像信号も入力され得るようにしてもよい。また、入出力コネクタ部11には、アナログ又はデジタル信号による音声信号が入力される。入力された音声信号は、入出力I/F12及びシステムバスSBを介して音声処理部23に入力される。また、入出力コネクタ部11には、例えばRS232C端子やUSB端子も設けられている。
【0023】
画像変換部13は、スケーラとも称される。画像変換部13は、入力された画像データについて、解像度数、階調数等を調整する変換を行い、投影に適した所定のフォーマットの画像データを生成する。画像変換部13は、変換した画像データを投影処理部14へ送信する。必要に応じて画像変換部13は、On Screen Display(OSD)用の各種動作状態を示すシンボルを重畳した画像データを、加工画像データとして投影処理部14に送信する。また、画像変換部13は、必要に応じて投影画像の幾何学変換を行い、投影状態に応じてスクリーン等の被投影体に適切な形状で画像が投影されるようにする歪み補正処理を実施する。
【0024】
光源装置16は、赤(R)、緑(G)、青(B)の原色光を含む複数色の光を出射する。ここで、光源装置16は、複数色の色を時分割で順次射出するように構成されている。光源装置16から出射された光は、ミラー17で全反射し、マイクロミラー素子15に入射する。
【0025】
マイクロミラー素子15は、アレイ状に配列された複数の微小ミラーを有する。各微小ミラーは、高速でオン/オフ動作して、光源装置16から照射された光を投影レンズ18の方向に反射させたり、投影レンズ18の方向からそらしたりする。マイクロミラー素子15には、微小ミラーが例えばHD+やWXGA++と称される横1600画素×縦900画素分だけ並べられている。各微小ミラーにおける反射によって、マイクロミラー素子15は、例えばHD+解像度の画像を形成する。このように、マイクロミラー素子15は空間的光変調素子として機能する。
【0026】
投影処理部14は、画像変換部13から送信された画像データに応じて、その画像データが表す画像を表示させるため、マイクロミラー素子15を駆動する。すなわち、投影処理部14は、マイクロミラー素子15の各微小ミラーをオン/オフ動作させる。ここで投影処理部14は、マイクロミラー素子15を高速に時分割駆動する。単位時間の分割数は、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と、色成分の分割数と、表示階調数とを乗算して得られる数である。また、投影処理部14は、マイクロミラー素子15の動作と同期させて光源装置16の動作も制御する。すなわち、投影処理部14は、各フレームを時分割して、フレーム毎に全色成分の光を順次出射するように光源装置16の動作を制御する。
【0027】
投影レンズ18は、マイクロミラー素子15から導かれた光を、例えばスクリーン等の被投影体に投影する光に調整する。したがって、マイクロミラー素子15による反射光で形成された光像は、投影レンズ18を介して、被投影体に投影され表示される。投影レンズ18は、ズーム機構を有しており、投影される画像の大きさを変更する機能を有する。また、投影レンズ18は、投影画像の合焦状態を調整するためのピント(フォーカス)調整機構を有する。このように、投影処理部14、マイクロミラー素子15、光源装置16及び投影レンズ18等は、画像を投影する投影部として機能する。
【0028】
音声処理部23は、PCM音源等の音源回路を備える。入出力コネクタ部11から入力されたアナログ音声データに基づいて、又は投影動作時に与えられたデジタル音声データをアナログ化した信号に基づいて、音声処理部23は、スピーカ24を駆動して拡声放音させる。また、音声処理部23は、必要に応じてビープ音等を発生させる。スピーカ24は、音声処理部23から入力された信号に基づいて音声を出射する一般的なスピーカである。
【0029】
CPU19は、画像変換部13、投影処理部14、音声処理部23、及びレンズ調整部25の動作を制御する。このCPU19は、メインメモリ20及びプログラムメモリ21と接続されている。メインメモリ20は、例えばSRAMで構成される。メインメモリ20は、CPU19のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ21は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。プログラムメモリ21は、CPU19が実行する動作プログラムや各種定型データ等を記憶する。また、CPU19は、操作部22と接続されている。操作部22は、投影装置1の本体に設けられるキー操作部と、投影装置専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受光する赤外線受光部と、を含む。操作部22は、ユーザが本体のキー操作部又はリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU19に出力する。CPU19は、メインメモリ20及びプログラムメモリ21に記憶されたプログラムやデータを用いて、操作部22からのユーザの指示に応じて投影装置1の各部の動作を制御する。
【0030】
レンズ調整部25は、操作部22のユーザ操作によるズーム変更指示に応じて、CPU19の制御の下、投影レンズ18のズーム機構を駆動させる。レンズ調整部25によって、ズーム機構が駆動される結果、投影画像の大きさが変化する。また、レンズ調整部25は、CPU19の指示の下、投影レンズ18の合焦レンズを駆動させる。
【0031】
このような構成の投影装置1では、CPU19の制御の下、投影処理部14が投影動作を実行する。このとき、光源装置16の動作は、投影処理部14により制御される。投影処理部14は、光源装置16内の各色を発するLDやLEDのオン又はオフや、それら光源と蛍光体との組み合わせなどを変化させることで、例えば赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の3色の光を、光源装置16から順次出射させる。投影処理部14は、光源装置16からマイクロミラー素子15に順次、赤色光、緑色光、及び青色光を入射させる。
【0032】
マイクロミラー素子15は、各色の光について微小ミラー毎(画素毎)に、画像データに基づく階調が高い程入射した光を投影レンズ18に導く時間を長くし、階調が低い程入射した光を投影レンズ18に導く時間を短くする。すなわち、投影処理部14は、階調が高い画素に対応する微小ミラーが長時間オン状態となるように、階調が低い画素に対応する微小ミラーが長時間オフ状態となるように、マイクロミラー素子15を制御する。このようにすることで、投影レンズ18から出射される光について、微小ミラー毎(画素毎)に各色の階調を表現できる。
【0033】
フレーム毎に、微小ミラーがオンになっている時間で表現された階調を各色について組み合わせることでカラー画像が表現される。以上のようにして、投影レンズ18からは、画像が表現された投影光が出射される。この投影光が、例えばスクリーンに投影されることで、スクリーン等にはカラー画像が表示される。
【0034】
なお、前記説明では、赤色光、緑色光、青色光の3色を用いる投影装置の例を示したが、マゼンタやイエロー等の補色や、白色光等を組み合わせて画像を形成するように、これら色の光を出射できるように投影装置が構成されてもよい。
【0035】
次に、以上のような投影装置1に適用される本発明の第1実施形態に係る光源装置16について説明する。
【0036】
本発明の第1実施形態に係る光源装置16は、緑色波長帯域光を出射する緑色光源装置と、青色波長帯域光を出射する青色光源装置と、赤色波長帯域光を出射する赤色光源装置と、これら緑色光源装置、青色光源装置及び赤色光源装置それぞれから出射された緑色波長帯域光、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光の光軸が同一の光軸となるように変換する導光光学系と、を備えている。
【0037】
具体的には、図1(B)に示すように、緑色光源装置は、半導体発光素子による励起光源26と、この励起光源26から出射された励起光を平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズ27と、このコリメータレンズ27によって平行光に変換された励起光を集光する集光レンズ群28と、前記集光レンズ群28によって集光された励起光が照射される蛍光体プレート29と、を備える。
【0038】
励起光源26は、青色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての青色LDである。なお、図1(B)には励起光源26及びコリメータレンズ27をそれぞれ1個のみしか示してないが、複数個、例えば3行8列の計24個の青色LDをマトリクス状に配列し、それぞれの光軸上にコリメータレンズ27を配置して構成されるうにしてもよい。また、集光レンズ群28は、蛍光体プレート29から出射された蛍光体発光光を集光する機能も備えている。
【0039】
蛍光体プレート29は、励起光源26からの出射光を励起光として緑色波長帯域の蛍光体発光光を出射する矩形形状、例えば正方形形状のプレートであって、励起光を受けて蛍光発光する機能する。蛍光体プレート29は、光エネルギーの大きい励起光が照射されることから、耐熱性にすぐれた材料により構成される。具体的には、蛍光体プレート29は、Al等の透光性無機材料と、YAG:Ce等の複数の蛍光体とを焼結して形成されており、複数の蛍光体は、透光性無機材料中に例えば一様な間隔で散在している。これらの蛍光体は、例えば、青色(波長455〜492nm内の波長値)の励起光の照射により、その励起光を吸収して(に励起され)、緑色(波長492〜577nm内の波長値)の発光光を全方向に出射する。
【0040】
また、青色光源装置は、その出射光の光軸が蛍光体プレート29からの出射光の光軸と平行となるように配置された青色光源30と、この青色光源30からの出射光を集光する集光レンズ群31と、を備える。青色光源30は、青色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての青色LEDである。
【0041】
赤色光源装置は、その出射光の光軸が前記蛍光体プレート29からの出射光及び青色光源30からの出射光の光軸と交差するように配置された赤色光源32と、この赤色光源32からの出射光を集光する集光レンズ群33と、を備える。赤色光源32は、赤色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての赤色LEDである。
【0042】
導光光学系は、ダイクロイックミラー34,35と、それらの間に配置された集光レンズ36と、を備える。
【0043】
ここで、ダイクロイックミラー34は、励起光源26から出射される青色波長帯域光及び蛍光体プレート29から出射される緑色波長帯域光の光軸と、赤色光源32から出射される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に配置されている。このダイクロイックミラー34は、励起光である青色波長帯域光と赤色波長帯域光とを透過し、且つ、蛍光体発光光である緑色波長帯域光を反射してこの緑色波長帯域光の光軸を、赤色波長帯域光の光軸方向に90度変換する機能、つまり緑色波長帯域光の光軸を赤色波長帯域光の光軸と一致させる機能を有している。このように、ダイクロイックミラー34は、導光光学系として機能するとともに、緑色光源装置における励起光と蛍光体発光光との分離ミラーとしても機能する。
【0044】
また、ダイクロイックミラー35は、青色光源30から出射される青色波長帯域光の光軸と、赤色光源32から出射される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に配置されている。このダイクロイックミラー35は、青色波長帯域光を透過し、且つ、緑色及び赤色波長帯域光を反射してこの緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光の光軸を、青色波長帯域光の光軸方向に90度変換する機能を有している。
【0045】
このような導光光学系によってそれぞれの光軸が同一となるように変換される。そして、前述したように、緑色波長帯域光、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光が、順次、図示しない照明光学系を介して、前記ミラー17に照射され、ミラー17で反射されてマイクロミラー素子15に入射させるようになっている。
【0046】
ここで、本実施形態に係る光源装置16における緑色光源装置について、さらに説明する。
集光レンズ群28は、励起光源26から出射される励起光を、図2に示すように、前記蛍光体プレート29よりも小さな矩形形状、ここでは正方形形状の励起光照射領域37内に集光して、蛍光体プレート29に照射する集光光学系の一部である。そして、本実施形態では、励起光照射領域37が蛍光体プレート29に対して偏心するように、具体的には、励起光照射領域37が蛍光体プレート29の一辺に対して近接するような励起光の照射状態となるように、集光レンズ群28等の集光光学系の光学設計がなされている。あるいは、そのような照射状態となるように、蛍光体プレート29が偏心配置されている。
【0047】
これは、蛍光体の長さAx、Ayが照射範囲の長さBx、Byに対して十分に大きい場合に、蛍光体プレート29上の励起光照射領域37の位置を偏心させると、照明光として利用される蛍光体発光である蛍光体有効発光光の発光強度が変化することによる。
【0048】
蛍光体プレート29の長さAx、Ayが励起光照射領域37の長さBx、Byに対して小さい場合、例えば、励起光照射領域37が0.3mm×0.3mmサイズ、蛍光体プレート29が0.4mm×0.4mmサイズ(厚さ0.1mm)である、励起光照射領域37の長さに対して蛍光体プレート29の長さが1.33倍の場合には、図3(A)に示すように、励起光照射領域37が蛍光体プレート29の概ね中心に位置している方が、蛍光体有効発光光の発光強度が大きい、つまり明るい。
【0049】
これに対して、蛍光体プレート29の長さAx、Ayが励起光照射領域37の長さBx、Byに対して十分に大きい場合には、例えば、同じく励起光照射領域37が0.3mm×0.3mmサイズ、蛍光体プレート29が0.6mm×0.6mmサイズ(厚さ0.1mm)である、励起光照射領域37の長さに対して蛍光体プレート29の長さが2倍の場合には、図3(B)に示すように、励起光照射領域37が蛍光体プレート29の中心位置にあるよりも、蛍光体プレート29の外形方向にずれている方が、蛍光体有効発光光の発光強度が大きく、明るいことが実験により判別された。
【0050】
図4に示すように、励起光38が照射された蛍光体プレート29の励起光照射領域37から全方位に出射された蛍光体発光光は、蛍光体プレート29の内部を伝搬して蛍光体プレート下面29Bや蛍光体プレート側面29Sなどで全反射する。このとき、励起光照射領域37が近距離に寄せられた蛍光体プレート29の一辺方向については、蛍光体発光光が蛍光体プレート29の内部を伝搬する距離が短いため、蛍光体プレート下面29Bよりも先に蛍光体プレート側面29Sで全反射される確率が高くなる。そして、そのような蛍光体発光光は、蛍光体プレート側面29Sで全反射された後に蛍光体プレート下面29Bで全反射されて励起光照射領域37内を伝搬し、この励起光照射領域37の位置、あるいはその近傍位置で、蛍光体プレート上面29Uから出射されることとなって、集光レンズ群28の取り込み範囲内の発光体有効発光光39となる。このように、蛍光体の長さAx、Ayが照射範囲の長さBx、Byに対して十分に大きい場合に蛍光体無効発光光40となってしまう蛍光体発光光の一部を、励起光照射領域37を蛍光体プレート29の一辺に対して近接するよう偏心照射状態とすることにより、発光体有効発光光39として利用でるようになり、蛍光体発光光の損失を低減することができる。
【0051】
以上のように、本実施形態に係る光源装置16は、励起光源26から出射される励起光38を、矩形形状の蛍光体プレート29よりも小さな矩形形状の励起光照射領域37に集光して蛍光体プレート29に照射すると共に、励起光照射領域37からの蛍光体発光光を取り込む、集光レンズ群28を含む集光光学系を備え、この矩形形状の励起光照射領域37が蛍光体プレート29に対して偏心するように励起光38照射することにより、蛍光体プレート29のサイズが励起光照射領域37のサイズに対して十分に大きい場合であっても、蛍光体発光光の損失を低減することができる。
【0052】
これにより、蛍光体プレート29を大きく形成しても、蛍光体プレート29を小さく形成した場合に匹敵する十分な照明光が得られることになる。従って、大きな蛍光体プレート29を用いることが可能となるので、実装のハンドリングが容易となる。また、大きな蛍光体プレート29は、励起光38が照射されない励起光照射領域37以外の部分も多いため、その部分での冷却効果も期待できる。
【0053】
なお、このような矩形形状の励起光照射領域37の偏心照射は、矩形形状の蛍光体プレート29のサイズが励起光照射領域37のサイズに対して所定の割合以上であるときに有効であり、その所定の割合より小さい時には、図3(A)の実験結果から、励起光照射領域37は蛍光体プレート29の中央に偏心せずに照射する方が良い。例えば、図3(A)の例は1.33の場合であるので、所定の割合は1.4とする。この所定の割合は、実際の蛍光体プレート29のサイズ及び励起光照射領域37のサイズ、集光レンズ群28を含む集光光学系の光学設計などにより決まる値であり、前記1.4に限定するものではない。
【0054】
[変形例]
通常、蛍光体プレート29は図示しない基板上に配置されるために、蛍光体プレート下面29Bは光学的には全反射特性を備える。一方、切り落とし部分となる蛍光体プレート側面29Sには、何も配置されていないが、ある程度の全反射特性を備えている。そのため、励起光照射領域37から出射された、あるいは蛍光体プレート下面29Bで反射された蛍光体発光光は、この蛍光体プレート側面29Sで、その一部が反射され、残りが該蛍光体プレート側面29Sから蛍光体プレート29の外部に出射されて、損失となる。
【0055】
そこで、図5に示すように、蛍光体プレート29の励起光入射面となる蛍光体プレート上面29U以外の面に、反射膜などの反射構造物41を形成し、励起光照射領域37から出射された、あるいは蛍光体プレート下面29Bで反射された蛍光体発光光が、蛍光体プレート側面29Sから蛍光体プレート29の外部に出射しないよう構成することが更に好ましい。
【0056】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
前記第1実施形態では、矩形形状の励起光照射領域37が矩形形状の蛍光体プレート29の一辺に対して近接するように励起光38が照射されるものとしたが、本実施形態は、図6に示すように、励起光照射領域37が蛍光体プレート29の二辺に対して等距離に近接する、つまり、一つの角に寄せるように励起光38を照射するものである。
【0058】
このようにすることで、蛍光体プレート29の二辺の蛍光体プレート側面29Sから反射した蛍光体発光光を発光体有効発光光39として利用でるようになるので、蛍光体発光光の損失を前記第1実施形態よりも低減することができる。
【0059】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
前記第1実施形態では、矩形形状の励起光照射領域37が矩形形状の蛍光体プレート29の一辺に対して近接するように励起光38が照射されるものとしたが、本実施形態は、図7(A)に示すように、そのように励起光が照射された際に、矩形形状の蛍光体プレート29の一辺に対して近接された矩形形状の励起光照射領域37の一辺とは対向する一辺に近接した位置に、当該一辺に沿って延びるエアスリット42を、蛍光体プレート29に設けている。
【0061】
このようなエアスリット42を設けることで、このエアスリット42の励起光照射領域37側の壁も、蛍光体プレート側面29Sと同様に蛍光体発光光をある程度全反射するので、励起光照射領域37が蛍光体プレート29の一辺に対して近接するように励起光38を照射した場合と同様の効果が得られる。従って、蛍光体プレート29の蛍光体プレート側面29S一辺とエアスリット42の壁とのそれぞれから反射した蛍光体発光光を発光体有効発光光39として利用でるようになるので、蛍光体発光光の損失を前記第1実施形態よりも低減することができる。
【0062】
[変形例]
第2実施形態のような励起光照射領域37を蛍光体プレート29の一つの角に寄せるように励起光38を照射した場合には、図7(B)に示すように、励起光38が照射された際に、矩形形状の蛍光体プレート29の二辺に対して近接されていない、矩形形状の励起光照射領域37の二辺のそれぞれに近接して、且つ、当該二辺のそれぞれに沿って、蛍光体プレート29にエアスリット42を設けることができる。これにより、蛍光体発光光の損失を前記第2実施形態よりも低減することができる。
【0063】
また、第1実施形態のような励起光照射領域37を蛍光体プレート29の一つの辺に寄せるように励起光38を照射した場合には、図7(C)に示すように、励起光38が照射された際に、矩形形状の蛍光体プレート29の一辺に対して近接されていない、矩形形状の励起光照射領域37の残りの三辺のそれぞれに近接して、且つ、当該三辺のそれぞれに沿って、蛍光体プレート29にエアスリット42を設けても良い。これにより、蛍光体発光光の損失を前記第3実施形態よりも低減することができる。
【0064】
以上のように、本3実施形態及びその変形例に係る光源装置16によれば、励起光38が照射された際に、矩形形状の蛍光体プレート29の辺に対して近接されていない、矩形形状の励起光照射領域37の少なくとも一辺に近接して、且つ、当該少なくとも一辺に沿って、蛍光体プレート29に設けられたエアスリット42を更に備えることにより、蛍光体発光光の損失をより一層、低減することができる。
【0065】
なお、前記第1実施形態において、矩形形状の蛍光体プレート29のサイズが励起光照射領域37のサイズに対して所定の割合よりも小さい時には、励起光照射領域37は蛍光体プレート29の中央に偏心せずに照射するほうが良いことを説明したが、そのような中央照射を行う場合にも、本実施形態のように、矩形形状の励起光照射領域37の四辺のそれぞれに近接して、且つ、当該四辺のそれぞれに沿って、蛍光体プレート29にエアスリット42を設けるようにすることで、より蛍光体発光光の損失を低減することができることは言うまでもない。
【0066】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0067】
例えば、コリメータレンズの後段にホモジナイザを配置し、ガウシアン型の強度分布を持つ励起光の光線束をトップハット型の均一強度分布の光線束に変換してから、蛍光体プレートに向けて励起光を照射するようにしても良い。
【0068】
なお、前記各実施形態では、蛍光体プレート及び励起光照射領域が矩形形状の例を用いて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではない。蛍光体プレート及び励起光照射領域の形状が、例えば、円形等であっても発光光が損失する原因は同様であるので、励起光照射領域を蛍光体プレートに対して偏心するようにする本発明が効果を奏することは言うまでもない。
【0069】
また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0070】
例えば、本発明の光源装置16は、投影装置1以外にも、照明装置など、様々な機器の光源として利用することができる。
【0071】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
励起光を出射する励起光源と、
前記励起光に励起され、前記励起光の波長とは異なる波長の蛍光光を出射する蛍光体プレートと、
前記励起光源から出射される励起光を、前記蛍光体プレートよりも小さな励起光照射領域内に集光して、前記蛍光体プレートに照射すると共に、前記励起光照射領域からの蛍光体発光光を取り込む、集光光学系と、
を備え、
前記励起光照射領域が前記蛍光体プレートに対して偏心するように、前記励起光が前記蛍光体プレートに照射されることを特徴とする光源装置。
[2]
前記蛍光体プレートのサイズが前記励起光照射領域のサイズに対して所定の割合以上であることを特徴とする[1]に記載の光源装置。
[3]
前励起光照射領域が記矩形形状であり、前記蛍光体プレートが矩形形状であって、
前記矩形形状の励起光照射領域が、前記矩形形状の蛍光体プレートの一辺に対して近接することを特徴とする請求項[1]又は[2]に記載の光源装置。
[4]
前励起光照射領域が記矩形形状であり、前記蛍光体プレートが矩形形状であって、
前記矩形形状の励起光照射領域が、前記矩形形状の蛍光体プレートの二辺に対して等距離に近接することを特徴とする請求項[1]又は[2]に記載の光源装置。
[5]
前記励起光が照射された際に、前記矩形形状の蛍光体プレートの辺に対して近接されていない、前記矩形形状の励起光照射領域の少なくとも一辺に近接して、且つ、当該少なくとも一辺に沿って、前記蛍光体プレートに設けられたエアスリットを更に備えることを特徴とする請求項[3]又は[4]に記載の光源装置。
[6]
画像を入力して被投影体に投影する投影装置であって、
[1]〜[5]の何れかに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を用いて表示を行う表示素子と、
前記表示素子に表示された画像を被投影体に向けて投影する投影光学系と、
前記光源装置及び表示素子を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする投影装置。
【符号の説明】
【0072】
1…投影装置、 11…入出力コネクタ部、 12…入出力インターフェース、 13…画像変換部、 14…投影処理部、 15…マイクロミラー素子、 16…光源装置、 17…ミラー、 18…投影レンズ、 19…CPU、 20…メインメモリ、 21…プログラムメモリ、 22…操作部、 23…音声処理部、 24…スピーカ、 25…レンズ調整部、 26…励起光源、 27…コリメータレンズ、 28,31,33…集光レンズ群、 29…蛍光体プレート、 29B…蛍光体プレート下面、 29S…蛍光体プレート側面、 29U…蛍光体プレート上面、 30…青色光源、 32…赤色光源、 34,35…ダイクロイックミラー、 36…集光レンズ、 37…励起光照射領域、 38…励起光、 39…発光体有効発光光、 40…蛍光体無効発光光、 41…反射構造物、 42…エアスリット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8