特許第6557969号(P6557969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6557969画像形成装置、その制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6557969
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】画像形成装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/42 20060101AFI20190805BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20190805BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20190805BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20190805BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20190805BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20190805BHJP
【FI】
   B41J29/42 F
   H04N1/00 C
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 Z
   G06F3/12 311
   G06F3/12 337
   G06F3/0482
【請求項の数】11
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-263771(P2014-263771)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-124104(P2016-124104A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 絢香
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−011985(JP,A)
【文献】 特開2007−237528(JP,A)
【文献】 特開2009−143084(JP,A)
【文献】 特開平11−301058(JP,A)
【文献】 特開2013−140412(JP,A)
【文献】 特開2011−097328(JP,A)
【文献】 特開2011−253274(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0011622(US,A1)
【文献】 特開2013−202925(JP,A)
【文献】 特開2012−254618(JP,A)
【文献】 特開2011−113023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
B41J 29/00
B41J 29/38
G06F 3/0482
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを特定可能な複数の選択部を表示部へ表示する画像形成装置であって、
前記表示部に表示される前記選択部の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記ユーザのジョブに対する処理をした日時に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記選択受付手段によりユーザの選択部の選択を受け付けた日時と、前記記憶手段に記憶された当該ユーザのジョブに対する処理をした日時とに基づいて定まる表示順により、ユーザの選択部を前記表示部へ表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示手段において、前記選択部の選択を受け付けた日時よりも前記ジョブに対する処理をした日時が新しいとき、当該ジョブに対する処理をした日時に基づいて定まる表示順により、当該選択部を前記表示部へ表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記ユーザの最新のジョブに対する処理をした日時に関する情報が記憶されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ジョブに対する処理をした日時に関する情報は、ジョブを受け付けた日時に関する情報を含み、
前記表示手段において、前記選択部の選択を受け付けた日時よりも前記ジョブを受け付けた日時が新しいとき、当該ジョブを受け付けた日時に基づいて定まる表示順により、当該選択部を前記表示部へ表示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示手段において、前記選択部の選択を受け付けた日時は、前記選択部の選択を受け付けた最新の日時であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記選択部は、アイコンであることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示手段における前記選択部の選択を受け付けた日時は、前記選択部の選択を受け付け、当該選択部に対するパスワードにより認証がなされた日時であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
当該ユーザのジョブに対する処理は、当該ジョブに関する参照、当該ジョブの印刷指示、あるいは当該ジョブの削除を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
ユーザを特定可能な複数の選択部を表示部へ表示する画像形成装置であって、
前記表示部に表示される前記選択部の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記ユーザのジョブに対する処理をした日時に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記選択受付手段によりユーザの選択部の選択を受け付けた日時よりも前に処理をしたジョブの当該ユーザの選択部よりも、他の選択部を優先して前記表示部へ表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
ユーザを特定可能な複数の選択部を表示部へ表示する画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置が、
前記表示部に表示される前記選択部の選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記ユーザのジョブに対する処理をした日時に関する情報を記憶する記憶ステップと、
前記選択受付ステップによりユーザの選択部の選択を受け付けた日時と、前記記憶ステップにおいて記憶された当該ユーザのジョブに対する処理をした日時とに基づいて定まる表示順により、ユーザの選択部を前記表示部へ表示する表示ステップと、
を実行することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
画像形成装置のコンピュータを、
表示部に表示されるユーザを特定可能な選択部の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記ユーザのジョブに対する処理をした日時に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記選択受付手段によりユーザの選択部の選択を受け付けた日時と、前記記憶手段に記憶された当該ユーザのジョブに対する処理をした日時とに基づいて定まる表示順により、ユーザの選択部を前記表示部へ表示する表示手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場のコスト削減意識の高まりに伴い、画像形成装置利用時の誤印刷を抑止するような印刷システム、具体的にはクライアント端末から印刷指示した際にそのまま出力さていた印刷データを、一旦画像形成装置内のHDD(記憶部)に溜め置き、ユーザの最終的な印刷指示により印刷を実行するプリントシステムが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2011−253274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1には、クライアント端末でユーザが印刷指示した際に画像形成装置へ送信される印刷データをダイレクト印刷するのではなく、画像形成装置に溜め置き、画像形成装置上にユーザごとのユーザアイコンを表示して、ユーザアイコンの押下を受け付けることでユーザの印刷データの一覧を表示し、印刷する、所謂プルプリントの技術が開示されている。
【0005】
ここで、ユーザアイコンの表示順を、画像形成装置に保存された印刷データの保存日時の新しい順にソートすることで、クライアント端末での印刷指示後、画像形成装置の表示画面を確認するのが早いほど、ユーザは自身のユーザアイコンを容易に発見できる。
【0006】
一方で、ユーザアイコンの押下、印刷データの確認はしたが、部数・設定等に間違いがある等の理由により印刷されないまま放置される印刷データが存在する。放置された印刷データが多いと、当該放置された印刷データよりも前に印刷指示された印刷データのジョブオーナーであるユーザの、ユーザアイコンの表示順が後ろに下がってしまい発見し辛くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、ユーザの選択部の操作を容易に行うことが可能な画像形成装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、ユーザを特定可能な複数の選択部を表示部へ表示する画像形成装置であって、前記表示部に表示される前記選択部の選択を受け付ける選択受付手段と、前記ユーザのジョブに対する処理をした日時に関する情報を記憶する記憶手段と、前記選択受付手段によりユーザの選択部の選択を受け付けた日時と、前記記憶手段に記憶された当該ユーザのジョブに対する処理をした日時とに基づいて定まる表示順により、ユーザの選択部を前記表示部へ表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの選択部の操作を容易に行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態における画像形成システムの全体構成例を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるクライアントPCのハードウエア構成例を示す図である。
図3】本発明の実施形態における画像形成装置のハードウエア構成例を示す図である。
図4】本発明の実施形態における画像形成システムの機能構成例を示す図である。
図5】本発明の実施形態における画像形成装置で記憶するデータテーブル構成例を示す図である。
図6】本発明の実施形態における画像形成装置で記憶するデータテーブル構成例を示す図である。
図7】本発明の実施形態におけるユーザアイコン一覧画面の画面表示例を示す図である。
図8】本発明の実施形態における印刷データ一覧画面の画面表示例を示す図である。
図9】本発明の実施形態における画像形成システムの処理の概要を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態における印刷データの保存処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態におけるユーザアイコン一覧画面の表示処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態における印刷処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態における書誌情報の構の一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態における最新操作日時テーブル構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明のクライアントPCおよび画像形成装置を適用可能なプリントシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。本発明の実施形態は、画像形成装置100、クライアントPC200がローカルエリアネットワーク1によって接続されているものとする。
【0012】
クライアントPC200(情報処理装置)には、プリンタドライバ250がインストールされている。このプリンタドライバ250は、アプリケーションプログラムから受け取ったデータに基づいて印刷データ(印刷ジョブ)を作成し、該印刷データを画像形成装置100へ送信することができる。
【0013】
印刷データを受け取った画像形成装置100は当該印刷データを画像形成装置100のHDDに保存する。画像形成装置100上では印刷を管理するアプリケーションが動作し画像形成装置100に保存された印刷データの書誌情報を取得してメモリ上に管理する。
【0014】
画像形成装置100上で認証アプリケーションが動作しない環境の場合は取得した書誌情報中のユーザ名からユーザ情報を検索し、当該ユーザのアイコンを画像形成装置100上に表示し、ユーザのアイコン選択によって初めて当該ユーザの文書一覧を表示する。認証アプリケーションが動作する環境の場合は、画像形成装置100へのユーザログインのタイミングでログインユーザの文書一覧を表示する。文書一覧ではユーザの出力指示に従って印刷データの印刷を実行する。
【0015】
以下、図2を用いて、図1に示したクライアントPC200に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成について説明する。図2は、図1に示したクライアントPC200に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0016】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(BaSic Input / Output SyStem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要は後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0017】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0018】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示機への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示機はCRTだけではなく、液晶ディスプレイ等の他の表示機であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0019】
207はメインコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HDD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0020】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0021】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0022】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0023】
次に、図3を用いて、図1に示した画像形成装置100を制御するコントローラユニットのハードウエア構成について説明する。図3は、図1に示した画像形成装置100のコントローラユニットのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LANや公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行なう。
【0025】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムネットワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0026】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0027】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(UI)308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。また、操作部I/F307は、操作部308から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0028】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0029】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0030】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0031】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0032】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0033】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0034】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0035】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0036】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0037】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0038】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FeliCa)(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0039】
以上の構成によって、画像形成装置100は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをLAN1上に送信したり、LANから受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0040】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0041】
次に、図4を用いて本発明の実施形態における画像形成装置100およびクライアントPC200の機能構成について説明する。なお、それぞれのフローにおける動作詳細は後述するため、ここでは各種端末内に記載されている機能ブロック図の説明を記載する。
【0042】
画像形成装置100は、認証アプリケーション110と印刷アプリケーション120を備えている。認証アプリケーション110は画像形成装置100上で動作し、後述する図6に示す認証テーブルを保持する。認証アプリケーション110は画像形成装置100が受け付けるユーザからの認証情報を基に、画像形成装置100のログイン/ログアウトを管理する。
【0043】
認証アプリケーション110は、認証部111を備えている。認証部111は、ユーザからの認証情報の入力を受け付ける。ここでの認証情報とは認証方式によって様々な形式が考えられる。例えばカード認証の場合ではカードの製造番号であったり、ユーザのID入力式の認証方式であればユーザIDとパスワードという場合も考えられる。本実施の形態においては、ユーザからの認証情報の形式について特に限定をしていない。
【0044】
認証部111はユーザからの認証情報を受け取ると、後述する図6に示すような認証テーブルから検索する。図6の認証テーブルは画像形成装置100の起動時に立ち上がる認証アプリケーション110が読み込み、揮発性メモリ(RAM203など)に管理している。なお、認証手段として、カード認証を用いる場合、図6の認証テーブルは各ユーザが保有するカードの製造番号をレコードとして備えることとする。また、ID番号入力式の認証方法であれば、各ユーザのID番号と各ユーザによって予め登録されたパスワード(識別文字列)をレコードとして備えることとする(パスワード設定手段)。
【0045】
また、認証時に、図6の認証テーブルに該当するユーザが存在しない場合は、画像形成装置100のディスプレイ(以下、UIという)に認証エラーの警告、もしくは、音声によるエラー警告を行う。認証時、認証テーブルにユーザの情報が存在する場合は、ユーザのログイン処理を行う。ユーザのログイン処理中では、認証画面を閉じるとともに画像形成装置100で動作する他のアプリケーションに対して当該ユーザのユーザ情報を通知することによりユーザログインを通知する。
【0046】
次に、画像形成装置100の印刷アプリケーション120は、クライアントPC200より送信される印刷データを受信し、印刷ジョブとして画像形成装置100内のHDDに保存する。また、印刷データをクライアントPC200から受信すると、印刷データから図13に示す書誌情報を解析してメモリ上に保持する。
【0047】
また、印刷アプリケーション120は起動時に画像形成装置100の認証アプリケーション110の動作状況に応じて図7に示すユーザアイコン一覧画面を表示するか、図8に示すような印刷ジョブ一覧画面を表示するかを判断する。認証アプリケーション110が起動している場合、すなわち、画像形成装置100でユーザ認証が可能な起動状態の場合には、ユーザ認証が許可され、ユーザがログインすると、後述する図8の印刷ジョブ一覧画面の表示を行う。また、認証アプリケーション110が起動していない場合には、後述する図7のユーザアイコン一覧画面を一度表示させて、印刷ジョブ一覧を取得するユーザ(アイコン)の選択待ちとなる。
【0048】
印刷アプリケーション120の印刷データ受信部121は、印刷アプリケーション120内で動作する機能モジュールであり、印刷アプリケーション120の起動時に画像形成装置100上のRAWポート(9100)番号を監視する。印刷データ受信部121は、クライアントPC200のプリンタドライバ250の印刷データ生成部251によって生成される印刷データを受信する。受信した印刷データは、画像形成装置100のHDD(記憶部)に保存する。また保存した印刷データを解析し、図13の書誌情報を取得しメモリ上に保持する。さらに取得した書誌情報の値であるユーザ名を基に、メモリ上に保持している図5のユーザ情報管理テーブルを更新する。
【0049】
印刷データ管理部122は、印刷アプリケーション120内で動作する。印刷データ管理部122は、起動時に認証アプリケーション110の動作状況により、図7に示すユーザアイコン一覧画面を表示するか、図8の印刷ジョブ一覧画面を即時表示するかを判断する。
【0050】
認証アプリケーション110が動作しない環境では、クライアントPC200から受信した印刷データより解析した書誌情報の値のうち、ユーザ名を基にユーザ情報管理テーブルからユーザアイコンに表示すべき情報を取得して、図7のユーザアイコン一覧画面を表示する。またユーザのアイコン選択によって初めて、印刷ジョブ一覧をメモリ上の書誌情報から抽出し、対象ユーザの印刷ジョブ一覧を表示する。
【0051】
認証アプリケーション110が動作する環境では認証アプリケーション110から通知されるユーザログイン情報通知を待機する。ログイン情報の通知を検知した場合、印刷データ管理部122はログインユーザがジョブオーナーとなっている印刷ジョブを、書誌情報の“ユーザ名”の値を基に抽出し、対象ユーザの印刷ジョブ一覧を表示する。
【0052】
印刷データ管理部122は、図8の印刷ジョブ一覧画面でユーザによる印刷指示を受け付けることによって印刷ジョブの印刷を実行する。また印刷ジョブ一覧画面には個人設定ボタンが用意されており、ユーザは自身のアイコンに表示する表示名や他のユーザに自身の文書一覧を閲覧されないように文書一覧を開くためのパスワード等の各種個人設定を設定することが可能である。
【0053】
最新保存日時記憶部123は、ユーザ毎に、印刷データが画像形成装置(プリンタ)に記憶された最新日時を記憶する。例えば、印刷データを受信・記憶することで、図5のユーザ情報管理テーブルにおける、印刷データの書誌情報から取得したジョブオーナーのユーザID501に対応する印刷データの最新保存日時504に、当該印刷データの保存日時(記憶日時)を記憶して更新する。
【0054】
最新操作日時記憶部124は、ユーザ毎(ユーザアイコン毎)に、ユーザアイコンが操作(押下)された日時の情報を記憶する。例えば、ユーザアイコンの押下を受け付けることで、図14の最新操作日時テーブル1400において、ユーザID1401のユーザのユーザアイコンに対する最新操作日時1402を記憶、更新する。
【0055】
次に、クライアントPC200の機能構成について説明する。クライアントPC200は、プリンタドライバ250を備えている、プリンタドライバ250は、クライアントPC200上で動作する各種アプリケーションから呼び出され、対象アプリケーションのデータを画像形成装置で印刷可能なデータに変換する。変換後は対象の画像形成装置100に対して生成した印刷データを送信する。
【0056】
また、プリンタドライバ250は、印刷データ生成部251を備えている。印刷データ生成部251は、プリンタドライバ250内で動作し、各種アプリケーションからの呼び出しを受けて印刷設定画面を表示する。印刷設定画面では出力の際の各種設定が可能である。またユーザからの印刷指示を受け付け印刷設定画面で設定された設定によって当該アプリケーションの印刷データを生成する。生成した印刷データは画像形成装置100に対して印刷を行う。以上が図4の説明である。
【0057】
次に、図6の認証テーブルについて説明する。図6は認証アプリケーション110が保持する認証テーブルを図示している。認証アプリケーション110は、起動時に認証テーブルを読み込み、各ユーザの情報をメモリ上に保持する。またユーザからの認証要求を受けてメモリ上に保持したユーザ認証情報から対象のユーザを検索しログイン処理を行う。
【0058】
図6の認証テーブルは、ユーザID601、ユーザ名602、ユーザのメールアドレス603を備えているものとする。ユーザID601は、各ユーザを一意に特定するための識別文字列である。ユーザ名602は、ユーザが任意で設定可能であり、画像形成装置100のパネル上に表示するユーザアイコン(図7の705)とともに表示される。なお、認証方法として、カード認証を用いる場合、図6の認証テーブルは各ユーザが保有するカードの製造番号をレコードとして備えることとする。また、ID入力式の認証方法であれば、各ユーザによって予め登録されたパスワード(識別文字列)をレコードとして備えることとする。
【0059】
次に、図7は印刷アプリケーション120が画像形成装置100に表示するユーザアイコン一覧画面を図示している。以下ユーザアイコン一覧画面の各項目に関して説明する。
【0060】
701は更新ボタンであり、更新ボタン701の押下を受け付けると、画像形成装置100は、ユーザアイコン一覧画面を最新の状態に更新する。更新することにより、最終の更新時間から更新された情報を反映させて、アイコン画面を表示させる。本ボタンが押下されたことを検知した印刷アプリケーション120の処理を、図11に示すユーザアイコン一覧表示処理にて、詳細に説明する。
【0061】
使用量バー702は、画像形成装置100のHDD(記憶部)に保存されている印刷データの保存容量を示している。この使用量バー702は、印刷アプリケーション起動時にHDDに保存されている全ての印刷データの総量を計算し初期化される。また印刷データの保存/削除が発生した際に更新される。
【0062】
管理者設定ボタン703は、管理者設定画面(不図示)を表示する。管理者ユーザによって管理者設定ボタン703が押下されると管理者設定画面を表示し、印刷アプリケーション120の各種設定を行うことができる。設定に関してはユーザアイコンの並び順序や文書の保存期限等が設定可能である。
【0063】
ページ遷移ボタン704は、ユーザアイコンの一覧のページを前後に遷移させる。画像形成装置100に印刷データを保存しているユーザ数が、ユーザアイコン一覧画面で一度に表示可能なユーザ数を超えている場合、ユーザはページ遷移ボタン704を押下してアイコン一覧のページを遷移させる。
【0064】
ユーザアイコン705は、クライアントPC200で印刷データを生成して、画像形成装置100のHDDに印刷データを投入しているユーザのユーザアイコンである。アイコンには個人設定で設定されている表示名やパスワード有無等を表示することが可能である。例えば、ユーザアイコン705は、パスワードの設定されていないユーザアイコンであり、押下を受け付けることにより、アイコンに該当するユーザが投入した印刷ジョブの一覧画面(図8)を誰でも(権限がなくても)表示させることができる。
【0065】
また、パスワード付ユーザアイコン706は、鍵マークがついていることから理解できる通り、印刷ジョブ一覧を表示するためのパスワードが設定されているユーザアイコンを示している。ユーザアイコン705や706は、更新ボタン701が押下されたタイミングで更新される。ユーザアイコン705や706の並びは、印刷データを保存した日時の新しい順や、印刷データを保存している容量順、アイコン表示名の文字列順等が管理者設定画面から設定可能な構成でもよい。
【0066】
図7のユーザアイコン一覧画面は印刷アプリケーション120がメモリ上に保持するユーザ情報管理テーブル(図5)のうち、画像形成装置100のHDD内に印刷データを保存しているユーザのみのアイコンが表示される。保存されているユーザのみ表示することによって、印刷アプリケーションを使用しないであろうユーザが表示されないため、画面更新時の画面構築時間が短くなる、また、使用するユーザが自身のアイコンを容易に探すことが可能になるという効果がある。
【0067】
ユーザアイコン一覧画面に自身のアイコンを表示させるかしないかは、図5のユーザ情報管理ファイルを画像形成装置100で読み込むときに、保存されている印刷データ有無505の値(例えば、“True”と“False”の値)の判定を行い、“True”であれば、図7のユーザアイコン一覧画面に該当のユーザアイコンを表示させる。また、値が“FalSe”であれば、更新時に該当のユーザアイコンは表示されないこととなる。
【0068】
次に、図8を用いて印刷アプリケーション120が表示する印刷ジョブ一覧画面(印刷データ一覧画面)を説明する。図8は、画像形成装置100のディスプレイで表示される文書一覧表示画面である。以下、印刷ジョブ一覧画面の構成に関して説明する。
【0069】
アイコン表示名801は、個人設定画面(不図示)で設定された各ユーザのアイコン表示名が表示される。更新ボタン802は、押下を受け付けたときに表示されている印刷ジョブリストを最新の状態に更新する。更新ボタン802が押下されたことを検知した印刷アプリケーションは、起動時または印刷データ保存時にメモリ上に保持された印刷データ中から対象ユーザの印刷データ情報を取得して一覧表示をする(印刷データ表示手段)。
【0070】
文書数803には、801に表示されているユーザが保存をした印刷ジョブ(印刷データ)の総数が表示される。使用量バー804は、先述の図7の702と同様で、画像形成装置100に保存されている印刷データの保存容量を示している。本使用量の数値は印刷アプリケーション起動時にHDDに保存されている全ての印刷データの総量を計算し初期化される。また印刷データの保存/削除が発生した際に更新される。
【0071】
個人設定ボタン805は、個人設定画面(不図示)を表示する。個人設定ボタン805の押下を受け付けると、個人設定画面を表示し、個人ごとの各種設定を行うことができる。設定に関してはアイコン表示名や、アイコン一覧画面で自身のアイコンが押下された際にパスワードを要求するためのパスワード等を設定することが可能である。この個人設定画面で設定されたパスワードや、アイコン表示名は後述する図5のユーザ情報管理テーブルで記憶される。
【0072】
印刷ジョブ一覧806は対象ユーザが保存した印刷ジョブ(印刷データ)の一覧が、各印刷ジョブの書誌情報とともに一覧で表示される。印刷ジョブ一覧で詳細な印刷設定を表示することによって、ユーザに各印刷ジョブの印刷設定を出力前に再度確認させることができ、誤印刷抑止や効率的な印刷設定に再設定させるなどの効果につながる。
【0073】
ページ遷移ボタン807は、文書一覧のページを前後に遷移させる。画像形成装置100に保存している印刷データ数が、印刷ジョブ一覧画面で一度に表示可能な文書数を超えている場合、ユーザはページ遷移ボタン807を押下して文書一覧のページを遷移させる。全選択ボタン808は、表示されている文書一覧を全選択する。
【0074】
削除ボタン809は、印刷ジョブ一覧806で選択されている印刷ジョブを画像形成装置100のHDDから削除する。削除ボタン809が押下されたことを検知した印刷アプリケーション120は、選択されている印刷ジョブを画像形成装置100のHDDから削除し、メモリ上に保持しているユーザ情報と使用量を更新する。
【0075】
プリント開始ボタン810は、印刷ジョブ一覧806で選択されている印刷ジョブを印刷実行する。プリント開始ボタン810が押下されたことを検知した印刷アプリケーション120は、画像形成装置100のHDD内に保存されている印刷データを読み出し、印刷を実行する。
【0076】
図5は印刷ジョブ一覧画面でユーザごとに設定が可能なユーザ情報管理テーブルを図示している。本個人設定はユーザが初めて文書を画像形成装置100に保存した際に、印刷データ管理部122が印刷データから取得した書誌情報中のユーザ名を元にレコードを追加することで設定される。初めて文書を追加する時にはユーザ名以外は印刷アプリケーション120の初期設定で設定される。
【0077】
図5のユーザ情報管理テーブルは、ユーザ名501、パスワード502、アイコン表示名503、印刷データの最新保存日時504、印刷データ有無505の値を備えているものとする。
【0078】
ユーザ名501は、印刷データをクライアントPC200より受信する時に解析する書誌情報中のユーザ名と紐づいている。
【0079】
パスワード502、アイコン表示名503は、デフォルト設定から変更が可能であり、図8の個人設定ボタン805の押下を受け付けることにより表示される設定画面(不図示)において、印刷ジョブ一覧取得時のパスワードの有無と、パスワードが必要な場合のパスワード文字列、ならびに、アイコン表示名を変更することが可能である(パスワード記憶手段に該当)。
【0080】
印刷データの最新保存日時504は、クライアントPC200より最後に印刷データを受信した日時の値が記憶されている。
【0081】
印刷データ有無505は、対象ユーザがクライアントPC200より送信した印刷ジョブが、現在画像形成装置内に記憶されているかを示す情報である。
【0082】
次に、図9〜12を用いることにより、本発明の実施形態の処理概要を説明する。まず、図9は、本発明の印刷アプリケーション起動時の処理に関するフローチャートである。各処理をステップ数と共に説明する。
【0083】
図9は、本発明の画像形成システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図1に示した画像形成装置100の処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、画像形成装置100のCPU301がROM303から読み出されたプログラム又はHDD304からRAM302上に読み出されたプログラムを実行することにより実現される。また、図中、S901〜S922は各ステップを示す。
【0084】
まず、S901において、印刷アプリケーション120の印刷データ管理部122は、印刷ジョブ一覧を表示する際に使用する印刷ジョブ情報を格納する印刷ジョブリストの生成・初期化を行う。具体的には複数文書情報を格納するための空のリストをメモリ上に保持する。
【0085】
次に、S902において、印刷データ管理部122は、図7で示すユーザアイコン一覧画面と、図8で示す印刷ジョブ一覧画面に表示する使用量を表示するために使用する印刷データの総保存容量を格納する領域をメモリ上に保持する。
【0086】
次に、S903において、印刷データ管理部122は、画像形成装置100のHDD(記憶部/外部メモリ)に保存されている印刷データの一覧を取得する。
【0087】
S904〜S908では、S905〜S907の処理をS903で取得した印刷データ数分繰り返し、メモリ上の文書情報リストを構築する。
【0088】
S905において、印刷データ管理部122は、画像形成装置100に保存されている印刷データを解析し、図13に示す書誌情報を取得する。
【0089】
図13は印刷データ管理部122が、クライアントPC200で生成され送信される印刷データから取得する書誌情報テーブルを図示している。印刷データ管理部122は、送信された印刷データのヘッダ部に含まれている書誌情報(識別子、ユーザ名etc)を解析して、書誌情報を生成する。書誌情報は、例えば印刷データがポストスクリプト(PoStScript)で記載されている場合、ポストスクリプトのタグ情報から抽出し、該書誌情報に基づき、書誌情報テーブルを生成するように構成しても良い。
【0090】
また画像形成装置が再起動される場合には、メモリ上の情報は破棄されてしまうため、印刷アプリケーション120の起動時に画像形成装置100に保存されている全ての印刷データから書誌情報を再び解析し、書誌情報テーブルをメモリ上に保持する。
【0091】
書誌情報テーブルは、ユーザ1301、ドキュメント名1302、印刷部数1303、ページ数1304、印刷方法1305、用紙サイズ1306、カラー設定1307、ページレイアウト設定1308、保存日時1309、ジョブサイズ1310の情報を例えば備えているものとする。
【0092】
図9の説明に戻る。S905の後、最新保存日時記憶部123は書誌情報中のユーザ名(ユーザID)と保存日時の情報を取得し(S923)、外部メモリに保持しているユーザ管理情報(図5)の、当該書誌情報のユーザ名(ユーザID)をユーザID501に有する、印刷データの最新保存日時504の日時を当該印刷データの保存日時を上書することで更新して記憶する(S924)。既に挿入されている最新保存日時504の方が新しい場合は当該更新の処理は行わない。
【0093】
S906において、印刷データ管理部122はS905で取得した書誌情報テーブルを、S901で初期化した文書情報リストに格納する。
【0094】
S907において、S905で取得した書誌情報中のジョブサイズに基づいて、S902で初期化した印刷データ総保存容量を更新する。
【0095】
S908において、S905〜S907の処理で生成された文書情報リストを表示条件に従ってソートする。条件は保存日時の新旧順やサイズ順等が考えられる。本表示条件は管理者設定等で変更可能である。
【0096】
S909において、印刷アプリケーション120は、認証アプリケーション110に対して、認証アプリケーションの動作有無の確認要求を発行する。
【0097】
S910において、認証アプリケーション110は、印刷アプリケーション120からの動作有無の確認要求を受信すると、S911において、認証アプリケーション110自身が動作しているか、していないかの状況によって、動作の有無を印刷アプリケーション120に通知する。
【0098】
S912において、印刷アプリケーション120は、認証アプリケーション110から通知される認証アプリケーションの動作有無の応答を受信する。
【0099】
S909〜S912までの説明では印刷アプリケーション120と認証アプリケーション110間でやり取りを行うように説明したが、実際には認証アプリケーションが動作していない場合にはS909で実施した動作有無の確認要求を認証アプリケーションが受け取れない可能性がある。その場合には要求発行先と通信できない状態に陥る。印刷アプリケーション120は、認証アプリケーション110と一定時間通信ができない場合に、タイムアウトをして認証アプリケーション110が動作していないと判断してもよい。
【0100】
S913において、印刷データ管理部122は、図5で示すユーザ情報管理ファイルを読み込むと、S914において、先のステップで読み込んだ情報をメモリ上に保持する。
【0101】
S915では、S912で受信した認証アプリケーションの動作有無によって、以降のUI処理が分岐される。まず、認証アプリケーション110が動作している場合には、S916〜S917の処理を行い、ユーザがログインした際に初めて当該ユーザの文書一覧を表示する。
【0102】
S915で認証アプリケーション110が動作している環境と判断された場合、S916において、印刷アプリケーション120は認証アプリケーション110から通知されるログイン通知を検知するまで待機状態になる。
【0103】
印刷データ管理部122は画像形成装置100にユーザがログインしたことを検知する。実際にはユーザが画像形成装置100上の認証アプリケーション110に対し認証情報を入力し、その認証情報を元に認証部111が図6に示す認証テーブルから上記で入力された認証情報を元に対象ユーザを検索する。ユーザが入力するユーザ情報は認証方式によって様々な情報が考えられる。例えばカード認証の場合ではカードの製造番号であったり、ユーザのID入力式の認証方式であればユーザIDとパスワードであったりという場合も考えられる。
【0104】
図6に示す認証テーブルから当該ユーザを検索した認証部111はユーザ情報を元に画像形成装置100上で動作する各種アプリケーションに対して当該ユーザがログインしたことを通知する。
【0105】
印刷アプリケーション120の印刷データ管理部122は、認証部111から通知される上記のログイン情報を検知する。
【0106】
S916でユーザログインを検知した印刷データ管理部122は、S917において、ログイン情報からユーザ名を取得する。
【0107】
また、S915において、認証アプリケーション110が動作していない場合、S918〜S920の処理を行い、ユーザアイコン一覧画面を表示し、ユーザによるアイコンの選択後初めて当該ユーザの文書一覧を表示する。
【0108】
S918において、S915で認証アプリケーションが動作していない環境と判断された場合、印刷アプリケーション120は、S914でメモリ上に保持したユーザ情報リストを元にユーザアイコン一覧を画像形成装置100上のUIに表示する。ユーザアイコン一覧の表示処理に関する詳細は図11のフロー詳細で説明する。
【0109】
S919において、S918でユーザアイコン一覧を表示した印刷データ管理部122は、ユーザによるアイコン押下を受け付けるまで待機する(選択受付手段に該当)。ユーザがアイコンを押下したことを検知した印刷データ管理部122は押下されたアイコンに紐づいたユーザ情報をS914で保持したユーザ情報リストの中から取得する。
【0110】
最新操作日時記憶部124は、ユーザアイコンの押下操作(選択操作)を受け付けた日時を特定して、当該日時の情報を、当該ユーザ情報(ユーザアイコンのユーザ情報)の示すユーザID1401に対応する最新操作日時1402に上書することで、最新操作日時1402を記憶・更新する。最新操作日時テーブル1400は、画像形成装置の外部メモリに予め記憶されているものとする。選択されたユーザアイコンのレコードが最新操作日時テーブル1400に未生成の場合は、ステップS925において新たに当該ユーザのユーザIDのレコードを生成して記憶する。
【0111】
押下されたアイコンのユーザ情報にパスワードが設定されていた場合は、パスワード確認画面(不図示)が表示され、パスワード認証が成功した場合にS921で図8の印刷ジョブ一覧画面を表示する。ユーザ情報でパスワードが設定されていない場合はパスワード認証なしに印刷ジョブ一覧画面が表示される。
【0112】
S921において、印刷データ管理部122はS908で生成した文書情報リスト中からS917またはS919で取得したユーザ情報中のユーザ名に対応した文書一覧を取得する。取得した文書情報を図8で示すような文書一覧の構成で画像形成装置100上のUIに表示する。
【0113】
S922において、印刷アプリケーション120は、印刷ジョブ一覧画面において、ユーザから印刷ジョブの選択を受け付け、印刷実行指示を出す。印刷データ管理部122は、図8のプリント開始ボタン810が押下されたことを検知すると、印刷ジョブ一覧の中から選択状態にある印刷ジョブの情報を取得し、対応する印刷データを画像形成装置100のHDDから検索し、画像形成装置100に対して印刷実行する。印刷処理の詳細は図12のフローの説明で詳細は説明する。
【0114】
図9の処理によれば、認証が可能な場合に、ログインを受け付けたユーザの印刷ジョブ一覧画面を表示し、認証ができない場合に、画像形成装置に印刷データを送信したユーザのユーザアイコンが表示された画面を表示して、画像形成装置で認証アプリケーションが起動している否かによって、ユーザが画像形成装置にアクセスした際の処理を切り替え、セキュアなログイン方法を実現することができる。
【0115】
次に、図10を用いて、本実施の形態でクライアントPCから画像形成装置へ印刷データを送信する処理について説明をする。各処理をステップ数と共に説明する。
【0116】
図10は、本発明の画像形成システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図1に示した画像形成装置100およびクライアントPC200の処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、画像形成装置100およびクライアントPC200のCPU201がROM202から読み出されたプログラム又はHDD211からRAM203上に読み出されたプログラムを実行することにより実現される。また、図中、S1001〜S1011は各ステップを示す。
【0117】
まず、S1001において、クライアントPC200のプリンタドライバ250は、各種アプリケーション上でユーザによって印刷メニューを表示した際に呼びだされ、印刷設定画面を表示する。印刷設定画面でユーザの印刷指示を受けた印刷データ生成部251はアプリケーションのデータを画像形成装置100で印刷可能なデータに変換し印刷データを生成する。
【0118】
次に、S1002において、プリンタドライバ250の印刷データ生成部251は、S1001で生成した印刷データを画像形成装置100へ送信する。
【0119】
次に、S1003において、画像形成装置100上の印刷アプリケーション120の印刷データ受信部121はクライアントPC200から送信される印刷データを受信する。具体的には画像形成装置100の通信ポート9100を監視し、外部からデータが送信された際にコネクトを開始する。
【0120】
次に、S1004において、印刷データ受信部121はS1003でクライアントPC200より受信した印刷データを画像形成装置100のHDD上の所定のフォルダに保存する(印刷データ記憶手段に該当)。
【0121】
次に、S1005において、S1004で印刷データ受信部121が受信した印刷データの保存が完了すると、印刷データ管理部122は印刷データを解析し、図13で示す書誌情報を取得しメモリ上に保持する。
【0122】
次に、S1006において、S1005で書誌情報を取得した印刷データ管理部122はS908で生成したジョブ情報リストに新規ジョブとして情報を追加する(書誌情報記憶手段に該当)。
【0123】
次に、S1007において、印刷データ管理部122は、S914でメモリ上に保持したユーザ情報管理テーブル中にS1005で取得した書誌情報中のユーザ名が存在するかを確認する。ユーザ情報管理テーブル中に、保存した印刷ジョブのジョブオーナーであるユーザのユーザ名が存在しないと判断された場合(S1007でNO)、新規ユーザが印刷データを保存したと判断し、初期設定で認証テーブルにユーザ情報を追加する(S1008)。また、S1008で認証テーブルに追加されたユーザのユーザIDと、S1004で保存した印刷データの保存日時を対応付けて、図5の印刷データの最新保存日時504に記憶する。また、S1007でユーザ情報管理テーブル中に保存した印刷ジョブのジョブオーナーであるユーザのユーザ名が存在すると判断された場合(YES)、処理をS1009に移行する。
【0124】
S1009で、最新保存日時記憶部は、最新保存日時504を今回保存した印刷データの保存日時に書き換える。また、図5の印刷データ有無505の値を“true”に更新する。
【0125】
次に、S1010において、印刷アプリケーション120は、ユーザ情報管理テーブルにS1008で新たにユーザ情報管理テーブルに追加したユーザ情報を、S914で保持したメモリ上のユーザ情報に追加する。またはS1009で更新したユーザ情報をS914で保持したメモリ上ユーザ情報中の当該ユーザの情報を更新する。
【0126】
次に、S1011において、S1005で取得した書誌情報中のジョブサイズ1310の値を基に、S902とS907で生成した使用量バー702および804の値をそれぞれ更新する。
【0127】
図10の処理によれば、画像形成装置がクライアントPC200より印刷データを受信した際に、抽出する書誌情報に基づいて、当該ユーザにより送信された印刷ジョブが過去にあるのか否かを判定し、ない場合にはユーザアイコン一覧画面に新たなユーザアイコンを表示させ、ある場合には、画像形成装置に記憶されている既存のユーザ情報を更新してユーザアイコン一覧画面を更新することが可能になる。
【0128】
次に、図11を用いて、本発明の実施の形態におけるステップS916のユーザアイコン一覧表示処理を説明する。各処理をステップ数と共に説明する。
【0129】
図11は、本発明の画像形成システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図1に示した画像形成装置100の処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、画像形成装置100のCPU201がROM202から読み出されたプログラム又はHDD211からRAM203上に読み出されたプログラムを実行することにより実現される。また、図中、S1101〜S1114は各ステップを示す。
【0130】
まず、S1101において、印刷アプリケーション120の印刷データ管理部122は、図7に示すユーザアイコン一覧画面の表示対象となるユーザ情報を格納するための空のリストをメモリ上に保持する。
【0131】
次に、S1102において、印刷データ管理部122は、S914でメモリ上に保持したユーザ情報管理テーブルを取得する。
【0132】
S1103〜S1105において、印刷データ管理部122はS1102で取得したユーザ情報管理テーブルに記憶されているレコード数分S1104〜S1105の処理を繰り返す。
【0133】
まず、S1104において、印刷データ管理部122は、対象ユーザの印刷ジョブが画像形成装置100に保存されているか否か確認する。具体的には図9のS903とS906で生成した画像形成装置100に保存されている印刷ジョブの一覧と、その保存されている印刷ジョブの書誌情報一覧から1ジョブずつ対象ユーザの印刷データ情報かを確認する。すなわち、図5のユーザ情報管理テーブル印刷データを保存していないユーザの場合はユーザ情報管理テーブルに存在していてもユーザアイコン一覧画面には表示対象としない。
【0134】
次に、S1105において、S1104で対象ユーザが印刷データを保存していると判断された場合、対象ユーザのユーザ情報をS1101で生成した表示対象ユーザリストに追加する。
【0135】
次に、S1106において、印刷アプリケーション120は、S1104〜S1105で生成した表示対象ユーザリストを、印刷データの最新保存日時504が新しい順に表ソートする。
【0136】
次に、S1107は、S1106で生成した表示対象ユーザ数分、S1108〜S1111の処理を繰り返す。
【0137】
S1108で、印刷アプリケーション120は、S1106でソートした表示対象ユーザリストから、最新保存日時504が最も新しいユーザIDを1つ取得する(記憶日時特定手段に該当)。つまり、ユーザの最新の印刷データの保存日時を特定する。そして、S1109で、S1108で取得したユーザIDの(ユーザアイコンの)最新操作日時1402を取得する。
【0138】
S1110で、印刷アプリケーション120は、S1109で取得した最新操作日時がS1108で取得した最新保存日時よりも後(新しい)か判定する。
【0139】
最新操作日時が最新保存日時よりも新しい場合とは、例えば、印刷データを画像形成装置に保存したユーザがユーザアイコンを選択して自身の印刷データ一覧を確認したにも関わらず、印刷しないままの印刷データが画像形成装置に放置されている場合である。
【0140】
S1111で印刷アプリケーション120は、最新操作日時が最新保存日時よりも新しい場合は、当該ユーザIDの情報を、表示対象ユーザ情報リストの末尾に移動するソート処理を行う。最新操作日時が最新保存日時よりも前(古い)場合は、S1111の処理は行わない。そして、S1108〜S1111の処理を全ての表示対象ユーザリストのユーザ情報に対して実行する。つまり、最新操作日時が最新保存日時よりも古いユーザ(印刷データ保存後にユーザアイコンが選択されていないユーザ)を、最新操作日時が最新保存日時よりも新しいユーザに優先するよう、表示対象ユーザリストの情報をソートする。
【0141】
次に、S1112において、印刷アプリケーション120は、S907で生成したメモリ上のジョブの総保存容量を取得する。
【0142】
そして、S1113で画面に表示可能な最大数分のユーザ情報を表示対象ユーザリストの先頭から順に取得して、当該先頭のユーザ情報から順にユーザアイコンを表示したユーザアイコン一覧画面を生成して表示画面に表示する(S1114)。尚、S1114において、ユーザアイコン一覧画面の使用量バー804をS1112で取得した印刷ジョブの総保存容量を元に更新して表示するものとする。
【0143】
図11の処理によれば、クライアントPC200から画像形成装置100に印刷ジョブを送信し、画像形成装置100で保存している印刷ジョブのジョブオーナーのアイコンのみを抽出して、画像形成装置100のユーザアイコン一覧画面に表示することが可能になる。
【0144】
また、本処理でユーザアイコン一覧画面の更新により、一度アイコンの表示がされなくなった場合であっても、図5のユーザ情報管理テーブルに一度ユーザ情報がレコードされているため、次に、ユーザによる印刷ジョブの投入を受け付け、ユーザアイコンを表示する際には、本レコードに基づいてユーザアイコンを生成し、アイコン一覧画面に表示することが可能になる。
【0145】
また、つまり、最新操作日時が最新保存日時よりも古いユーザ(印刷データ保存後にユーザアイコンが選択されていないユーザ)のユーザアイコンを、最新操作日時が最新保存日時よりも新しいユーザのユーザアイコンに優先するように、ユーザアイコン一覧画面を生成・表示することができる。
【0146】
次に、図12を用いることにより、画像形成装置100上で保存されている印刷ジョブを印刷実行する処理に関するフロー図である。各処理をステップ数と共に説明する。
【0147】
図12は、本発明の画像形成システムにおける第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図1に示した画像形成装置100の処理に対応する。なお、このフローチャートの処理は、画像形成装置100のCPU201がROM202から読み出されたプログラム又はHDD211からRAM203上に読み出されたプログラムを実行することにより実現される。また、図中、S1201〜S1217は各ステップを示す。
【0148】
まず、S1201において、印刷アプリケーション120は、ユーザからの印刷指示を検知するまで待機する。具体的にはユーザは図8に示す印刷ジョブ一覧画面で一覧から印刷対象の文書を選択し、プリント開始ボタンを押下する。印刷アプリケーション120の印刷データ管理部122はプリント開始ボタンが押下されたことを検知する(印刷操作受付手段に該当)。
【0149】
S1201でユーザからの印刷指示を検知した印刷アプリケーション120は、印刷ジョブ一覧中の選択されている印刷ジョブの書誌情報を取得する。
【0150】
次に、S1202において、S1201で取得した印刷データの書誌情報を基に、画像形成装置100のHDD内に保存されている印刷対象の印刷ジョブ情報(印刷データ)を取得して、印刷アプリケーションは、S1203で、取得した印刷データを画像形成装置100に対して印刷実行する。
【0151】
画像形成装置100上では印刷データ受信部121がRAWポート(9100)を監視しているため、そのままRAWポート(9100)へ送信すると印刷が実行できないため、RAW印刷以外の印刷手段で印刷実行する。例えば、WinndowSの印刷コマンドであるLPRや一般的な印刷プロトコルとして用意されているFTP印刷やIPP印刷等を利用する形態でもよい。
【0152】
次に、S1204において、印刷データ管理部122は、S1203で印刷実行した印刷の結果を取得し、印刷が成功したか判定する。印刷が成功した場合(S1204でYES)には、S1205に進み、印刷実行が成功した印刷ジョブの対象印刷データを画像形成装置100のHDD上から削除する。本実施の形態では、印刷が成功した印刷ジョブはHDDから削除されるとしているが、一度印刷した文書を再度印刷したいという要望もあり、必ず削除される構成だと同じ印刷ジョブをクライアントPC200から再度送信しなければならないという手間が発生してしまうので、再印刷を可能にするため、管理者設定等で印刷成功後に印刷ジョブを削除しない設定や、ユーザが印刷時に個別に印刷成功後の削除の有無を選択可能にしてもよい。
【0153】
次に、印刷が成功しなかった場合(S1204でNO)には、S1208に進み、印刷実行エラーとその理由を画像形成装置100のUI上に表示する。
【0154】
次に、S1206において、S1203による印刷データの印刷が終了し、対象の印刷データを削除した場合、HDDの保存容量が変わるためS907で取得したジョブの総保存容量を再度計算し、使用量バー702および804更新する。
【0155】
次に、S1207において、印刷データ管理部122は、印刷実行した印刷ジョブのジョブオーナーであるユーザの他の印刷データが、画像形成装置100に存在するか(記憶されているか)を確認する。他の印刷データが記憶されていない場合には、S1209において、図5に示すユーザ情報管理テーブルを更新して本処理を終了する。具体的には画像形成装置100に印刷データが存在しなくなったので、図5ユーザ管理情報テーブルのうち印刷データ有無505のフラグを“False”に変更する。ユーザ情報管理テーブルを更新した後はS914でメモリ上に保持したユーザ情報も併せて更新する。なお、S1209で、他の印刷ジョブがまだ保存されていると判定された場合には、そのまま本フローチャートの処理を終了させる。ここでフラグ“False”になると、次にユーザアイコン一覧画面が表示されるときに、当該ユーザのアイコンは表示されない。
【0156】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置の操作日時の情報を用いて、ユーザアイコンの表示順を適切に決定する仕組みを提供することができる。
【0157】
尚、上述した実施形態においては、ユーザアイコンの押下を受け付けた場合にS925において最新操作日時を1402に記憶するものとした。つまり、押下されたユーザアイコンのユーザ以外のユーザによって、間違ってユーザアイコンが押下されてしまった場合でも、図12の処理によってユーザアイコンの表示順が繰り下げられてしまう可能性がある。
【0158】
よって、例えば、印刷アプリケーションが、ユーザアイコンの選択操作(押下)を受け付けて、且つ、印刷データの印刷指示がされた場合に(S1201)、当該印刷指示を受け付けた印刷データのジョブオーナー(ユーザ名)のユーザID1401に対応する最新操作日時1402に、当該印刷指示を受け付けた日時を挿入して記憶・更新するようにしてもよい。
【0159】
これは、印刷データを印刷する(印刷指示する)のは、ユーザアイコンに対応するユーザ自身であることを前提とするものである。
【0160】
これにより、ユーザ本人によって画像形成装置が操作された操作日時の情報を用いて、ユーザアイコンの表示順を適切に決定する仕組みを提供することができる。
【0161】
また、ユーザアイコンの押下はされたが、印刷データの一覧が表示されていない場合は(例えばシステムのエラー等で表示されない場合)、ユーザは、印刷できるにも関わらず印刷データを画像形成装置上に放置しているのではなく、印刷したくても印刷ができなかったと考えられる。
【0162】
よって、単にユーザアイコンの押下を受け付けた場合にS925において最新操作日時を1402に記憶するのではなく、ユーザアイコンの押下を受け付けて印刷データ一覧画面が表示された場合に(S921)例えばパスワード付きのユーザアイコンについては、印刷アプリケーションが、ユーザアイコンの押下を受け付け、且つ、パスワードが解除された場合に、当該パスワードの解除指示(解除操作/入力操作)を受け付けたユーザアイコンのユーザID1401に対応する最新操作日時1402に、当該解除が成功した日時を挿入して記憶・更新するようにしてもよい。
【0163】
これにより、ユーザによって印刷データが確認された、画像形成装置の操作日時の情報を用いて、ユーザアイコンの表示順を適切に決定する仕組みを提供することができる。
【0164】
また、例えばパスワード付きのユーザアイコンについては、パスワードが解除される=ユーザ本人によってユーザアイコンが押下されたものと思われる。
【0165】
よって、単にユーザアイコンの押下を受け付けた場合にS925において最新操作日時を1402に記憶するのではなく、印刷アプリケーションが、ユーザアイコンの押下を受け付け、且つ、パスワードが解除された場合に、当該パスワードの解除指示を受け付けたユーザアイコンのユーザID1401に対応する最新操作日時1402に、当該印刷指示を受け付けた日時を挿入して記憶・更新するようにしてもよい。
【0166】
これにより、ユーザ本人によって印刷データが確認された、画像形成装置の操作日時の情報を用いて、ユーザアイコンの表示順を適切に決定する仕組みを提供することができる。
【0167】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置の操作日時の情報を用いて、ユーザアイコンの表示順を適切に決定する仕組みを提供することができる。
【0168】
上記の通り、本発明におけるプログラムは、図9図12、および図17のフローチャートの処理に従って画像形成装置100(印刷アプリケーション120)とクライアントPC200としてコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記録媒体は図9図12の処理方法を画像形成装置100(印刷アプリケーション120)とクライアントPC200が実行可能なプログラムを記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図9図12の各装置の処理方法ごと、別の独立したプログラムであってもよい。
【0169】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0170】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0171】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることができる。
【0172】
また、画像形成装置100(印刷アプリケーション120)とクライアントPC200が読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0173】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0174】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0175】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0176】
また上記のソフトウェアで実現する各処理を、ファームウェアやハードウェア構成にして、各処理を各手段として実現することも可能であり、本発明の技術的範囲はこのようなファームウェアやハードウェア構成による実現も含むものである。
【符号の説明】
【0177】
1 ネットワーク
100 画像形成装置
110 認証アプリケーション
111 認証部
120 印刷アプリケーション
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