(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明をシート状の絶縁体を搬送する搬送装置に装備される吸着装置に具体化した第1の実施形態を
図1〜
図4にしたがって説明する。
【0015】
図1(a),(b)に示すように、吸着装置11は、円板状の基体12を有し、基体12の中心部に吸引孔13が形成されている。
図1(c)に示すように、基体12は、支持板12aと、支持板12aの吸着側面(
図1(c)における下側面)に一体に形成された吸着部12bとで構成されている。吸着部12bは、弾性変形可能な軟質な材料製である。軟質な材料としては、例えば、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ウレタン系、及びアミド系の熱可塑性エラストマーや、シリコーンゴム、及び天然ゴムなどを採用できる。
【0016】
基体12の吸着側面、即ち吸着部12bの表面には、複数の弾性変形可能なリブ14a,14bが吸引孔13の周りに沿って延びるように、かつ二重以上の環状となるように吸着部12bと一体に形成されている。即ち、吸引孔13から基体12の外周側に向かう方向において隣り合うリブ14b間及びリブ14aとその内側に隣接して形成されたリブ14bとの間には溝部15が形成されている。各リブ14a,14bは、吸着部12bの表面からの突出量が同じに形成されている。
【0017】
最も外側に形成されたリブ14aは円筒状、即ち無端状に形成されている。最も外側に形成されたリブ14aより内側に形成されたリブ14bは、吸引孔13から基体12の外周側に向かう方向において隣り合うリブ14b間及び最も外側に形成されたリブ14aとの間に形成される溝部15が連通するように形成されている。この実施形態では、各リブ14bは、四半円弧状に形成され、周方向において隣り合うリブ14b間のスリット16を介して溝部15が連通されている。
【0018】
図1(c)に示すように、基体12には、溝部15内に突出し、かつリブ14a,14bの非変形状態では先端がリブ14a,14bの先端より基体12側に位置するように金属接触子17が設けられている。各金属接触子17は、アース線18により接地されている。金属接触子17は、例えば、ゴムメタルと呼ばれるチタン系合金で形成されている。
【0019】
図2(a),(b)に示すように、金属接触子17は、基端が吸着部12bに固定され、かつ幅方向が溝部15の長手方向と交差するように設けられている。
図2(b)に示すように、金属接触子17は、先端側が曲がっている状態で設けられている。この実施形態では、金属接触子17は全体が湾曲した状態に形成されている。金属接触子17は、その湾曲方向が、
図4(f)に示すように、真空吸着時における空気の流れの進行方向に向かって凸となるように設けられている。なお、
図2(b)及び
図4(d)〜(f)には金属接触子17を便宜上2個図示しているが、2個の金属接触子17の間隔はこのように近くはない。
【0020】
次に吸着装置11を、蓄電装置の製造過程において、電極を包んだセパレータ20を搬送する搬送装置に適用した場合について説明する。
図3に示すように、搬送装置30は、搬送対象物としてのセパレータ20を載置するための第1載置部31と、第1載置部31に載置されているセパレータ20を保持して搬送する搬送部40と、搬送部40を制御する制御部50と、セパレータ20を載置するための第2載置部32と、を有する。搬送装置30は、セパレータ20を搬送元である第1載置部31から搬送先である第2載置部32へ搬送するための装置である。
【0021】
第1載置部31は、1つのセパレータ20を載置、又は複数のセパレータ20を積み重ねて載置できる載置面31aを有する。第2載置部32は、1つのセパレータ20を載置、又は複数のセパレータ20を積み重ねて載置できる載置面32aを有する。
【0022】
搬送部40は、第1載置部31及び第2載置部32の上方において、所定方向に沿って延在しているレール41と、レール41に沿って移動可能となるように支持された保持ヘッド42と、を有する。搬送部40は、保持ヘッド42をレール41に沿って移動させる移動部としてのアクチュエータ41aを有する。アクチュエータ41aは、例えばエアシリンダやステッピングモータなどであり、所定の制御信号を入力して動作する。
【0023】
保持ヘッド42は、吸着装置11を昇降できる昇降部44を有する。吸着装置11は、吸引孔13に吸引作用を発生できる発生部45を基体12の反吸着側に有する。発生部45は、所定の制御信号を入力して動作する電磁弁などである。発生部45は、例えば、吸着装置11や吸着装置11とは別の場所に設置された吸引ポンプの吸引力を利用することによって、吸引孔13から気体(空気)を吸引し、吸着装置11に吸着力を発生させることができる。
【0024】
昇降部44は、例えば図示しないエアシリンダやステッピングモータなど、所定の制御信号を入力して動作するアクチュエータを備えている。昇降部44は、このアクチュエータの動作によって、吸着装置11を昇降させることができる。
【0025】
制御部50は、各種の演算処理を実行できる演算部と、演算部のプログラムや演算結果を記憶できる記憶部を備えている。制御部50は、制御信号を出力できるように、アクチュエータ41a、昇降部44、及び発生部45と接続されている。
【0026】
次に、前記のように構成された吸着装置11及び搬送装置30の作用について説明する。なお、制御部50は、以下に説明する動作が行われるように、制御信号を出力してアクチュエータ41a、昇降部44、及び発生部45を制御する。
【0027】
制御部50は、
図3に実線で示すように、保持ヘッド42を第1載置部31の上方へ移動させた状態で、第1載置部31に載置されているセパレータ20のうち、最上部にあるセパレータ20へ向かって吸着装置11を下降させる。
【0028】
制御部50は、吸着部12bのリブ14a,14bの先端がセパレータ20を押圧する位置で吸着装置11を停止させる。
図4(a),(d)に示すように、吸着装置11は、金属接触子17の先端がリブ14bの先端より基体12側に位置する状態から下降し、吸着装置11の下降途中で、
図4(b),(e)に示すように、リブ14bの先端がセパレータ20と接触する状態になる。この時点で吸引孔13に吸引力が作用する状態となる。
【0029】
リブ14bの先端が接触するセパレータ20の表面が均一な平面であれば、吸着装置11の下降の際に、各リブ14a,14bの先端は同時にセパレータ20の表面に接触する。しかし、セパレータ20は電極21を包んでいるため、その表面は均一な平面ではなく、凹凸が存在する状態となっている。表面に凹凸が存在する状態のセパレータ20に対して、各リブ14a,14bの先端が一平面上にある状態で吸着装置11が下降移動すると、先ず凸部と対向するリブ14a,14bがセパレータ20に接触した状態で、吸着装置11の下降移動が継続される。そして、吸着装置11が所定の下降位置まで移動されると、
図4(c),(f)に示すように、各リブ14bは、その先端がセパレータ20と接触し、かつ弾性変形してセパレータ20を押圧した状態になる。図示しないが、リブ14aも弾性変形した状態になる。
【0030】
セパレータ20の表面が均一な平面であれば、各リブ14a,14bは同じ状態で変形し、
図4(b),(e)に示す状態から
図4(c),(f)に示す状態までの間に、各リブ14a,14bの先端がセパレータ20の表面に沿って移動することはない。しかし、セパレータ20の表面に凹凸の状態があると、先にセパレータ20の表面に接触したリブ14bあるいはリブ14aは、吸着装置11が下降移動を継続する際に、セパレータ20との接触摩擦で静電気を発生し、セパレータ20が静電気を帯びた状態になる。
【0031】
また、セパレータ20の表面が均一な平面であっても、吸着装置11が最上部のセパレータ20を吸着した状態で上昇する際に、最上部のセパレータ20とその下のセパレータ20との間の剥離帯電によりセパレータ20が帯電する。
【0032】
セパレータ20が静電気を帯びた状態で搬送装置30により搬送されると、装置部品の摺動磨耗粉などの導電性物質である金属類異物を吸着してしまい、電極群の組み付け時に導電性物質がセパレータ20を貫通し、電池として内部短絡を生じる。
【0033】
しかし、この実施形態では、吸着装置11が表面に凹凸が存在する状態のセパレータ20を吸着する際や、積層されたセパレータ20のうちの最上部のセパレータ20を吸着して上昇移動する際に、セパレータ20に静電気が帯電しても、アース線18を介して接地された金属接触子17を介して静電気が除去される。その結果、吸着装置11がセパレータ20を吸着した状態で搬送装置30がセパレータ20を搬送しても、搬送中にセパレータ20が装置部品の摺動磨耗粉などの導電性物質である金属類異物を吸着することが防止される。
【0034】
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)吸着装置11は、シート状の絶縁体を吸着する吸着装置であって、吸引孔13が形成された基体12の吸着側面に、複数の弾性変形可能なリブ14a,14bが吸引孔13の周りに沿って延びるように、かつ二重以上の環状に形成されている。最も外側に形成されたリブ14aは円筒状(無端状)に形成され、リブ14aより内側に形成されたリブ14bは、吸引孔13から基体12の外周側に向かう方向において隣り合うリブ14b間及びリブ14bとリブ14aとの間に形成される溝部15が連通するように形成されている。基体12には、溝部15内に突出し、かつリブ14a,14bの非変形状態では先端がリブ14a,14bの先端より基体12側に位置し、シート状の絶縁体を吸着するときにはシート状の絶縁体と接触可能に金属接触子17が設けられている。したがって、シート状の絶縁体を吸着するときに、絶縁体が均一な平面状態でなくとも吸引を良好に行うことができるとともに、絶縁体に帯電した静電気を吸着時に除去することができる。
【0035】
(2)シート状の絶縁体は、蓄電装置の電極21を包んだセパレータ20である。電極21を包んだセパレータ20が帯電した状態で搬送されて、搬送中に金属類異物を吸着した状態で電極群の組み付けが行われると、導電性物質がセパレータ20を貫通し、電池として内部短絡を生じる。しかし、吸着装置11が備えた金属接触子17の作用により、セパレータ20に帯電した静電気が除去されるため、そのような問題が生じない。
【0036】
(3)金属接触子17は、先端側が曲がっている。金属接触子17が真っ直ぐに延びる状態に形成されていると、吸着装置11がシート状の絶縁体を吸着したときに、金属接触子17の先端で線接触する状態となる。しかし、金属接触子17の先端側が曲がっていると、吸着装置11がシート状の絶縁体を吸着したときに、金属接触子17は先端付近が面接触する状態となり、静電気の除去が効率良く行われる。
【0037】
(4)金属接触子17は、幅方向が溝部15の長手方向と交差し、真空吸着時における空気の流れの進行方向に向かって凸となるように設けられている。吸着装置11によるセパレータ20の吸着時には、溝部15に吸引孔13に向かう空気の流れが生じている。そのため、金属接触子17の幅方向が溝部15の長手方向と交差し、真空吸着時における空気の流れの進行方向に向かって凸となるように設けられている場合は、
図4(f)に示すように、空気の流れ(矢印で図示)によって金属接触子17がセパレータ20に押圧される状態となり、セパレータ20に帯電した静電気の除去が効率良く行われる。
【0038】
(5)金属接触子17は、チタン合金系のゴムメタルで形成されている。したがって、金属接触子17が繰り返し曲げ応力を受けても、他の金属製の場合に比べて耐久性が良くなる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を
図5にしたがって説明する。この実施形態では、基体12の形状が円板状ではなく矩形状である点が第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0040】
図5に示すように、基体12は、矩形状に形成されている。基体12の幅方向中央には、基体12の長手方向に沿って配置された複数個(この実施形態では3個)の吸引孔13が形成されている。
【0041】
基体12の吸着側面に、複数のリブ14a,14bが、吸引孔13を囲むように、大きさの異なる矩形枠状に配置されている。最も外側に形成されたリブ14aは、無端状の矩形枠状に形成されている。リブ14aの内側に形成されたリブ14bは、基体12の幅方向又は長手方向において隣接するリブ14b間、及びリブ14aとリブ14bとの間に溝部15が形成される状態に設けられている。
【0042】
リブ14bは、吸引孔13から基体12の外周側に向かう方向において隣り合うリブ14b間及び最も外側に形成されたリブ14aとの間に形成される溝部15が連通するように形成されている。この実施形態では、各リブ14bは、基体12の長手方向に沿って延びる部分あるいは基体12の幅方向に沿って延びる部分にそれぞれスリット16が形成され、スリット16を介して溝部15が連通されている。
【0043】
この実施形態では、基体12が矩形状に形成されているため、矩形状のセパレータ20の吸着を効率良く行うことができる。また、吸引孔13が基体12の幅方向中央において、基体12の長手方向に沿って複数個配置されている。そのため、吸着装置11は、セパレータ20を吸着する際、電極の中央付近に対する吸引力で全体を把持可能となり、電極の端部(周縁部)に対応する箇所を強く吸引する必要がなく、電極の端部(周縁部)に対応する箇所を強く吸引して端部が曲がることがない。
【0044】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ この明細書で「環状」とは、第1の実施形態のように、リブ14a,14bが同心円状に配置された場合、あるいは第2の実施形態のように、矩形環状(四角環状)の内側の環状部と外側の環状部とが相似形の場合に限らず、渦巻き状(スクロール状)の場合も含む。例えば、
図6に示すように、矩形環状のリブ14aの内側に、リブ14bがスクロール状に配置されてもよい。この構成では、中央に形成された吸引孔13に作用する吸引力は、スクロール状に配置されたリブ14bに案内されて、リブ14aとリブ14bとの間の溝部15まで及ぶ。
【0045】
○
図7に示すように、スクロール状に形成されたリブ14bにスリット16を形成してもよい。この場合、スリット16がバイパスとして機能し、吸引孔13に作用する吸引力が、リブ14aとリブ14bとの間の溝部15に達するまでの吸引抵抗が低下する。
【0046】
○
図7に示すように、矩形環状のリブ14aの四隅にR凹部19を設けてもよい。この場合、リブ14aの隅部にも吸引力が及び、電極の端部に対応するセパレータ20の部分に対する吸引力を強くして、端部の剥がれを抑制する。
【0047】
○ 金属接触子17は規則的に配置される必要はない。例えば、基体12が円板状の場合であっても、
図8に示すように、できるだけ基体12の全面に満遍なくランダムに設置してもよい。
【0048】
○ 最も外側に形成されたリブ14aの内側に、環状となるように形成されたリブ14bの他に、環状とならないように形成された弾性変形可能なリブを設けてもよい。例えば、
図9に示すように、矩形状の基体12の場合、基体12の長手方向あるいは幅方向に延びるリブ14bの端部と連続する状態で斜めに延びるリブ14cを設けてもよい。
図9に示す構成の場合、複数の吸引孔13からの吸引が行われると、矢印Y1で示すように、リブ14bとリブ14cとで囲まれた領域のうち、リブ14aと近い部分にある気体が吸引される。そのため、吸引孔13に近くてもリブ14bで隔てられた領域の吸引力が弱くなり、吸着装置11全体としては、吸引孔13に近い部分の吸引力が、周縁部の吸引力よりも強くなり過ぎることが抑制される。
【0049】
○
図10に示すように、吸引孔13を中央に1個設け、基体12の長手方向あるいは幅方向に延びるリブ14bの端部と連続する状態で斜めに延びるリブ14cを設けた場合も、同様に吸着装置11全体としては、吸引孔13に近い部分の吸引力が、周縁部の吸引力よりも強くなり過ぎることが抑制される。なお、図示は省略しているが、金属接触子17は、基体12の長手方向と平行に延びる溝部15内にも同様に突出する状態で適宜設けられている。
【0050】
○ 金属接触子17は、先端側が曲がっている形状として、湾曲している形状に限らず、先端が屈曲した形状であってもよい。
○ 金属接触子17は、先端側が曲がった形状に限らず、真っ直ぐに延びる形状であってもよい。
【0051】
○ 金属接触子17を、その幅方向が溝部15の長手方向と交差するように設ける場合、直交に近い方が真空吸着時に空気の流れによって金属接触子17がセパレータ20に押圧され易くなるため好ましい。
【0052】
○ 金属接触子17は、幅方向が溝部15の長手方向と交差する状態に限らず、長手方向に沿って延びる状態に設けてもよい。
○ 蓄電装置の電極21がセパレータ20に包まれている構成としては、電極21が袋状のセパレータ20に収容された構成に限らない。例えば、セパレータ20がシートを二つ折りにして形成され、かつシートの折り曲げ部と反対側の辺が接合されたものや、2枚のシートが対向する2辺で接合されたセパレータ20に収容されていてもよい。
【0053】
○ 金属接触子17は、ゴムメタルに限らず、他の金属で形成されてもよい。
○ シート状の絶縁体は、電極21を包んだセパレータ20に限らず、例えば、電極以外の平板状の部材を包んだり収容したりした樹脂製の包装材や、単なる樹脂シートであってもよい。
【0054】
○ 基体12の吸着側面に環状に形成されたリブのうち、最も外側に形成された無端状のリブ14aの先端を、リブ14aの内側に設けられた他のリブ14bの先端より突出した状態に形成してもよい。この場合、リブ14aのほうが、他のリブ14bよりも、シート状の絶縁体と密着し易いことから、吸引孔13から気体を吸引するときに、気体が漏れてしまうことを抑制できる。
【0055】
○ 吸着装置11が吸着するシート状の絶縁体の形状は、矩形状に限らず任意の形状であってもよい。
○ 基体12の形状は平面円形や矩形に限らない。例えば、三角形や五角形、あるいは矩形以外の四角形などの多角形であってもよい。また、楕円形や他の曲線で囲まれた図形であってもよい。
【0056】
○ 吸着装置11の吸引孔13が吸引を開始するタイミングは、リブ14a,14bの先端がシート状の絶縁体に接触した時点に限らず、リブ14a,14bの先端がシート状の絶縁体に接触する前、例えば、吸着装置11の下降が開始される前であってもよい。
【0057】
○ 搬送装置30は、吸着装置11を保持する保持ヘッド42が、レール41に沿って移動する構成に限らない。例えば、保持ヘッド42がロボットアームに支持されていてもよい。
【0058】
○ 基体12が円板状の場合においても、リブ14bは、複数の溝部15の幅が全て一定となるように設けられる必要はなく、複数の溝部15で幅が異なる溝部15と幅が同じ溝部15とが混在するように設けられてもよい。
【0059】
○ 基体12が円板状に形成された第1の実施形態あるいは
図8に示す実施形態のように、複数のリブ14bが同心円上に位置するように設け、同じ円上に位置するリブ14bをスリット16で複数に区画する構成において、同じ円上に位置するリブ14bの数は4個に限らず、4個より少なくても4個より多くてもよい。
【0060】
○ 基体12が円板状に形成された第1の実施形態あるいは
図8に示す実施形態のように、複数のリブ14bが同心円上に位置するように設け、同じ円上に位置するリブ14bをスリット16で複数に区画する構成において、複数に区画されたリブ14bは同じ長さに限らず、異なる長さであってもよい。
【0061】
○ 隣り合う溝部15が連通するようにリブ14bに形成されたスリット16は、リブ14bの吸着部12bからの突出長さより短くてもよい。
○ 隣り合う溝部15が連通するようにスリット16を設ける代わりに、リブ14bに孔を形成してもよい。
【0062】
○ リブ14a,14bは、直線状あるいは曲線状に限らず、直線部と曲線部とが混在する形状、あるいは波線状であってもよい。
○ 全てのリブ14a,14bが一定の幅で形成される代わりに、リブ14aとリブ14bとを異なる幅で形成してもよい。また、複数のリブ14bの中に幅が異なるリブ14bを設けてもよい。
【0063】
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の吸着装置を備えた搬送装置。