(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の実行環境の各々は、少なくとも1つの電話番号が登録された電話帳を有し、前記選択部からの問い合わせに対して、前記着信時の電話番号が前記電話帳に登録されていない場合に着信を否定する返答を行う
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる通信装置および通信履歴管理プログラムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する通信装置および通信履歴管理プログラムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0011】
図1は、実施形態にかかる通信装置1のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図1に示すように、通信装置1は、携帯電話機等であり、CPU10、RAM11、ROM12、記憶部13、計時部14、電源部15、表示部16、入力部17、通信部18、音声入出力部19およびスピーカ・マイク20を有する。
【0012】
CPU10(CPU:Central Processing Unit)は、ROM12(ROM:Read Only Memory)に格納された基本プログラムまたは記憶部13に格納されたプログラム13aを読み出して実行する演算処理部である。RAM11(RAM:Random Access Memory)は、CPU10が演算処理を行う際の作業領域を提供する。ROM12は、CPU10が実行する基本プログラムや各種設定を格納する。
【0013】
記憶部13は、例えばSSD(Solid State Drive)等の記憶装置であり、プログラム13aおよびプログラム13aの実行時に読み出しまたは書き込みが行われる各種設定・記録データを格納する。
【0014】
計時部14は、RTC(Real Time Clock)などであり、時刻を計時する。電源部15は、二次電池、商用電源などの電源から供給される電力を各部に供給する。
【0015】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)などであり、CPU10の制御のもと各種画面を表示する。入力部17は、各種の操作キー、表示部16の画面上に重畳されたタッチパネルなどであり、ユーザから入力された操作を受け付ける入力インターフェースである。
【0016】
通信部18は、CPU10の制御のもとアンテナ(図示しない)を介して音声や文字などの各種データの無線通信を行う。具体的には、通信部18は、LTE(Long Term Evolution)通信やWiFi(登録商標、Wireless Fidelity)通信などの通信方式を用いて、他の移動機や基地局装置との無線通信を行う。これにより、通信装置1は、音声による通話(電話)やデータ通信を行う。音声入出力部19は、CPU10の制御のもとスピーカ・マイク20を介して音声の入力または音声の出力を行う。
【0017】
図2は、実施形態にかかる通信装置1の機能構成を例示するブロック図である。
図2に示すように、共通環境/OS100、通話環境110およびコンテナ環境120a…120nを有する。これら共通環境/OS100、通話環境110およびコンテナ環境120a…120nは、CPU10がプログラム13aを実行することで実現される。
【0018】
共通環境/OS100(OS:Operating System)は、通信装置1のハードウエアを管理し、基本的なユーザ操作環境(共通環境)をユーザやアプリケーションソフトウェアに提供する。具体的には、共通環境/OS100は、プロセス管理、メモリー管理、ファイル管理および周辺装置の管理などのハードウエア管理機能を提供する。また、共通環境/OS100は、通話やデータ通信にかかるネットワーク機能の提供、ユーザインターフェースの提供およびアプリケーションに対するAPI(Application Programming Interface)の提供などを行う。
【0019】
通話環境110およびコンテナ環境120a…120nは、共通環境/OS100上で実行される実行環境である。通話環境110は音声による通話用の実行環境である。コンテナ環境120a…120nは、「業務」や「個人」などのユーザの用途ごとに用意された通話以外の実行環境である。なお、コンテナ環境120a…120nについて、説明を行う上で特に区別しない場合には「a」…「n」の添字を省略した「120」などの表記を用いるものとする。
【0020】
この実行環境の各々は、共通環境/OS100上のプロセスをグループ化したものであり、他のグループやグループに属していないプロセスから隔離して動作している。これにより、通信装置1では、互いの実行環境で情報が混在することを防止する。また、共通環境/OS100により画面表示や操作入力を受けるアクティブな実行環境は1つに制限される。なお、これらの実行環境は「コンテナ」とも呼ぶ場合がある。
【0021】
共通環境/OS100は、発信・着信制御部101、通信制御部102、コンテナ管理部103、コンテナ設定部104、コンテナ切替部105、音入出力経路設定部106および表示・入力経路設定部107を有する。発信・着信制御部101は、通信制御部102における通話の発信・着信を制御する。通信制御部102は、通信部18における音声による通話やデータ通信の制御を行う。
【0022】
コンテナ管理部103は、通話環境110およびコンテナ環境120の使用状態(アクティブ/非アクティブ)と、通話環境110および各コンテナ環境120との情報のやり取りとを管理する。具体的には、コンテナ管理部103は、OSの提供するネットワーク制御などの通信機能によって通話環境110およびコンテナ環境120との情報のやり取りを管理する。コンテナ設定部104は、コンテナ環境120ごとの設定情報(コンテナ設定)を保持する。
【0023】
図3は、コンテナ設定104aを説明する説明図である。
図3に示すように、コンテナ設定104aは、コンテナ環境120ごとに「コンテナ番号」、「コンテナ名称」、「着信優先度」、「デフォルト着信」、「着信動作」、「アクティブ時着信名称表示」および「非アクティブ時着信名称表示」などの項目を有する。
【0024】
「コンテナ番号」および「コンテナ名称」は、例えばコンテナ環境120ごとにユニークに割り当てられた番号および名称である。「着信優先度」は、着信時においてコンテナ環境120ごとに問い合わせを行う場合の優先順位を数値で示す。「デフォルト着信」は、着信を行う規定の実行環境であるか否かをON/OFFのフラグにより示す。例えば、「デフォルト着信」がONの場合には、着信の電話番号の該当なし/電話番号なし(非通知)の場合の着信を行う規定の実行環境であることを示す。
【0025】
「着信動作」は、各コンテナ環境120における着信時の動作をON/OFFのフラグおよび動作指定により示す。「着信動作」におけるON/OFFフラグは、各コンテナ環境120について非アクティブ時に着信画面への切り替えを許可するか否かをON/OFFで示す。なおアクティブ時には常にONとして扱うものとする。また、着信鳴動は、各コンテナ環境120の電話帳124の設定に従うものとする。「着信動作」における動作指定は、各コンテナ環境120について非アクティブ時に着信動作フラグがOFFになっている時の動作(切断/留守録)を指定する。なお、アクティブ時/着信動作フラグがONの時については、着信画面への切り替えが指定されているものとする。
【0026】
「アクティブ時着信名称表示」は、各コンテナ環境120のアクテイブ時における着信の名称の表示を許可するか否かをON/OFFのフラグで示す。例えば、ONの場合は着信画面に電話帳124からの名称表示を許可する。また、OFFの場合はコンテナ環境120の名称(コンテナ名称)が使用される。「非アクティブ時着信名称表示」は、各コンテナ環境120の非アクテイブ時における着信の名称の表示を許可するか否かをON/OFFのフラグで示す。例えば、ONの場合は着信画面に電話帳124からの名称表示を許可する。また、OFFの場合はコンテナ環境120の名称(コンテナ名称)が使用される。
【0027】
コンテナ切替部105は、コンテナ管理部103により管理される通話環境110およびコンテナ環境120の使用状態(アクティブ/非アクティブ)に応じて、画面表示や操作入力を受ける実行環境(コンテナ)を切り替える。音入出力経路設定部106は、操作入力や音声出力を行う実行環境を設定する。具体的には、音入出力経路設定部106は、通話環境110およびコンテナ環境120の中でコンテナ切替部105によりアクティブに切り替えられた実行環境に操作入力や音声出力を行うように設定する。表示・入力経路設定部107は、画面表示を行う実行環境を設定する。具体的には、表示・入力経路設定部107は、通話環境110およびコンテナ環境120の中でコンテナ切替部105によりアクティブに切り替えられた実行環境に画面表示を行うように設定する。
【0028】
通話環境110は、通話部111および電話画面112を有する。通話部111は、コンテナ環境120からの通知などにより電話の発信、着信を行う。電話画面112は、電話の着信・発信の画面表示、鳴動、操作入力の受け付けなど、通話時におけるユーザインターフェースである。
【0029】
コンテナ環境120aは、着信判定部121a、発信・着信要求部122a、通話履歴123a、電話帳124aおよびユーザインターフェース125aを有する。コンテナ環境120nも同様に、着信判定部121n、発信・着信要求部122n、通話履歴123n、電話帳124nおよびユーザインターフェース125nを有する。なお、コンテナ環境120a…120nの各部については、説明を行う上で特に区別しない場合には「a」…「n」の添字を省略した「121」などの表記を用いるものとする。
【0030】
着信判定部121は、着信時の電話番号の通知による共通環境/OS100からの問い合わせに対して着信の可否を判定し、着信可否の判定結果を共通環境/OS100へ返す。例えば、着信判定部121は、着信時の電話番号が電話帳124に予め登録されているか否かをもとに、登録されている場合には着信可能と判定する。
【0031】
発信・着信要求部122は、コンテナ環境120から通話環境110への電話の発信・着信を要求する。例えば、発信・着信要求部122は、ユーザインターフェース125における電話の発信操作をもとに、通話環境110へ電話の発信を要求する。また、発信・着信要求部122は、電話の着信時において共通環境/OS100からコンテナ環境120へ行われる着信要求をもとに、通話環境110へ電話の着信を要求する。
【0032】
通話履歴123は、コンテナ環境120にかかる電話(通話)の発信・着信の履歴情報を記録するデータベースである。具体的には、通話履歴123は、電話の発信・着信ごとに、電話帳124に登録されている名称、電話番号、通話日時、通話時間、留守録、着信時にアクティブ(実行中)だったコンテナを示す管理番号などの情報を記録する。
【0033】
電話帳124は、コンテナ環境120にかかる電話の宛先ごとに、名称、電話番号等を記録するデータベースである。通話履歴123および電話帳124は、互いの項目を参照可能な一体型のデータベースであってもよい。
【0034】
この通話履歴123および電話帳124は、コンテナ環境120ごとに用意されており、共通環境/OS100のファイル管理機能により各コンテナ環境120で隔絶されている。これにより、通話履歴123および電話帳124がコンテナを越えて混在することを防止している。例えば、コンテナ環境120aの電話帳124aおよび通話履歴123aについては、コンテナ環境120aのユーザインターフェース125aより参照可能である。同様に、コンテナ環境120nのユーザインターフェース125nからは電話帳124nおよび通話履歴123nが参照可能となっている。
【0035】
ユーザインターフェース125は、画面表示、操作入力の受け付けなど、各コンテナ環境120におけるユーザインターフェースである。例えば、ユーザインターフェース125には、コンテナ切り替えを指示する切替ボタン、電話帳124の管理画面、通話履歴123の内容を表示する履歴画面などがある。
【0036】
次に、電話の着信時における通信装置1の動作(着信動作)の詳細を説明する。
図4は、着信動作を説明する説明図である。
図4に示すように、発信・着信制御部101は、外部からの電話の着信を待つ間の着信制御(S1)を行う。
【0037】
図5は、着信制御の動作例を示すフローチャートである。
図5に示すように、発信・着信制御部101は、着信制御において、通信部18からの着信通知を待機する(S10)。例えば、外部から電話の着信があった場合、通信部18は、着信のあった電話番号と、着信時刻などの着信情報とを着信通知として発信・着信制御部101に出力する。なお、電話番号が非通知である場合は、電話番号なしとして着信通知が行われる。
【0038】
外部から電話の着信があった場合、発信・着信制御部101は、コンテナ管理部103に着信通知を送る(S11)。これにより、着信のあった電話番号および着信時刻などの着信情報がコンテナ管理部103へ入力される。
【0039】
図4に戻り、着信通知を受けたコンテナ管理部103は、着信時の電話番号を各コンテナ環境120に通知して着信の可否を問い合わせ、問い合わせ結果をもとに着信にかかるコンテナ環境120を選択するコンテナ管理の処理を行う(S2)。
【0040】
図6は、コンテナ管理の動作例を示すフローチャートである。
図6に示すように、着信のあった電話番号および着信時刻などの着信情報を含む着信通知を受けた場合、コンテナ管理部103は、各コンテナ環境120の中で実行中(アクティブ)の環境を取得する(S20)。次いで、コンテナ管理部103は、コンテナ設定部104よりコンテナ設定104aを読み込む(S21)。
【0041】
図7は、コンテナ設定104aの一例を説明する説明図である。
図7の例では、4つのコンテナ環境120について、番号、名称、着信優先度、デフォルト着信、着信動作、着信動作指定、アクティブ時着信名称表示、非アクティブ時着信名称表示が設定されている。例えば、着信優先度は、「パーソナル」、「本社」、「お客様」、「ゲーム」の順に設定されている。また、デフォルト着信については、「パーソナル」がONに設定さている。
【0042】
S21に次いで、コンテナ管理部103は、着信時における電話番号の有無を判定する(S22)。電話番号が非通知であり、着信時における電話番号がなしの場合(S22:NO)、コンテナ管理部103はS28へ処理を進める。S28において、コンテナ管理部103は、コンテナ設定104aにおいてデフォルト着信に設定されているコンテナを着信にかかるコンテナとして選択し、S29へ処理を進める。
【0043】
電話番号の通知があり、着信時における電話番号がありの場合(S22:YES)、コンテナ管理部103は、コンテナ設定104aの着信優先度に設定された順序(優先順)でのループ処理を行う(S23〜S26)。
【0044】
具体的には、コンテナ管理部103は、着信時の電話番号について着信可能か否かを、設定された優先順にコンテナ環境120へ問い合わせる(S24)。例えば、コンテナ管理部103は、コンテナ環境120の着信判定部121へ着信時の電話番号を通知し、着信可能/不可能の戻りを受ける問い合わせを、優先順に行う。
【0045】
これにより、例えば
図7の例では、「パーソナル」、「本社」、「お客様」、「ゲーム」の順に着信の可否が判定される。したがって、「パーソナル」と「本社」とで着信が可能である場合には、優先順位の高い「パーソナル」の方で着信を行うことが可能となる。
【0046】
次いで、コンテナ管理部103は、コンテナ環境120からの戻りが着信不可能であるか否かを判定する(S25)。着信不可能である場合(S25:YES)、コンテナ管理部103は、優先順の次のコンテナ環境120への問い合わせを行う。着信可能である場合(S25:NO)、コンテナ管理部103は、着信可能の戻りを受けた現在のコンテナ環境120を着信にかかるコンテナとして選択し(S27)、S29へ処理を進める。
【0047】
S29において、コンテナ管理部103は、S28またはS27で選択したコンテナ環境120に対して着信要求を行う。具体的には、コンテナ管理部103は、着信時の電話番号、S27で選択したコンテナ環境120についてのコンテナ設定104aの情報(コンテナの名称、着信動作、着信時の名称表示など)およびS20で取得した実行中の実行環境(コンテナ番号)等を含む着信要求をコンテナ環境120に通知する。
【0048】
図4に戻り、着信可能か否かの問い合わせを受けた着信判定部121(図示例では着信判定部121a)は、着信判定を行う(S3)。
図8は、着信判定の動作例を示すフローチャートである。
【0049】
図8に示すように、着信時の電話番号の通知を受けた着信判定部121は、電話帳124を検索し、電話番号の有無を確認する(S30)。次いで、着信判定部121は、着信時の電話番号が電話帳124に登録されているか否かを判定し(S31)、登録されている場合(S31:YES)は判定結果を着信可能とする(S32)。なお、着信時の電話番号が電話帳124に登録されている場合であっても、電話帳124において着信拒否の登録が行われている電話番号については、判定結果を着信不可能としてもよい。
【0050】
着信時の電話番号が電話帳124に登録されていない場合(S31:NO)、着信判定部121は、判定結果を着信不可能とする(S33)。これにより、着信時の電話番号が電話帳124に登録されていないコンテナ環境120においては、着信を行わないようにすることができる。S32、S33に次いで、着信判定部121は、判定結果(着信可能/着信不可能)を呼び出し元であるコンテナ管理部103へ通知する(S34)。
【0051】
図4に戻り、コンテナ管理部103からの着信要求を受けた発信・着信要求部122(図示例では発信・着信要求部122a)は、通話環境110への着信要求(着信時)の処理を行う(S4)。
図9は、着信要求(着信時)の動作例を示すフローチャートである。
【0052】
図9に示すように、発信・着信要求部122は、着信時の電話番号、コンテナ設定104aの情報(コンテナの名称、着信動作、着信時の名称表示など)および実行中の実行環境を示す情報などを含む着信要求をコンテナ管理部103より受け付けて処理を開始する。
【0053】
処理が開始されると、発信・着信要求部122は、着信時における電話番号の有無を判定する(S40)。電話番号が非通知であり、着信時における電話番号がなしの場合(S40:NO)、発信・着信要求部122は、電話帳名称を電話番号とし、着信時の動作指定をデフォルトとして予め設定された着信音設定とする(S41)。
【0054】
電話番号の通知があり、着信時における電話番号がありの場合(S40:YES)、発信・着信要求部122は、電話帳124を検索して電話番号に該当する情報を取得する(S42)。
【0055】
次いで、発信・着信要求部122は、コンテナ環境120について、コンテナ設定104aにおける着信動作のフラグがONであるか否かを判定する(S43)。着信動作のフラグがONである場合(S43:YES)、非アクティブ時に着信画面への切り替えが許可されていることとなる。したがって、着信動作のフラグがONの場合(S43:YES)、発信・着信要求部122は、着信時の電話番号をもとにした電話帳124の着信音を設定する(S44)。
【0056】
着信動作のフラグがOFFであり、非アクティブ時に着信画面への切り替えが許可されていない場合(S43:NO)、発信・着信要求部122は、着信要求で入力されたコンテナ設定104aの着信動作における動作指定(例えば切断または留守録)を設定する(S45)。
【0057】
S44、S45に次いで、発信・着信要求部122は、着信要求で入力されたコンテナ設定104aの着信名称表示フラグがONであるか否かを判定する(S46)。着信名称表示フラグがONである場合(S46:YES)、電話帳124からの名称表示が許可されていることとなる。
【0058】
したがって、着信名称表示フラグがONである場合(S46:YES)、発信・着信要求部122は、着信時の電話番号をもとにした電話帳124aの名称を表示名称とする(S47)。また、着信名称表示フラグがOFFである場合(S46:NO)、発信・着信要求部122は、表示名称をコンテナ環境120の名称とする(S48)。
【0059】
S47、S48に次いで、発信・着信要求部122は、S42、S44、S45、S47、S48での着信設定を含む着信要求を通話環境110へ通知する(S49)。具体的には、発信・着信要求部122は、着信要求の要求元であるコンテナの番号、着信時の動作指定(着信/切断/留守録)、着信時の表示名称、実行中の実行環境を示す情報等を含めた着信要求を通話環境110へ通知する。
【0060】
図4に戻り、着信要求を受けた通話環境110の通話部111は、通話(着信要求)の処理を開始する(S5)。
図10は、通話(着信要求)の動作例を示すフローチャートである。
【0061】
図10に示すように、通話部111は、着信要求の要求元であるコンテナの番号、着信時の動作指定(着信/切断/留守録)、着信時の表示名称、実行中の実行環境を示す情報等を含めた着信要求を発信・着信要求部122より受け付けて処理を開始する。
【0062】
処理が開始されると、通話部111は、発信・着信要求部122より受け付けた動作指定が切断であるか否かを判定する(S50)。動作指定が切断である場合(S50:YES)、通話部111は、発信・着信制御部101へ切断を指示し(S51)、S60へ処理を進める。
【0063】
動作指定が切断でない場合(S50:NO)、通話部111は、発信・着信要求部122より受け付けた動作していが留守録であるか否かを判定する(S52)。動作指定が留守録である場合(S52:YES)、通話部111は、着信を受けて音声を録音する留守録を実行し(S53)、S60へ処理を進める。
【0064】
動作指定が留守録でない場合(S52:NO)、動作指定は着信であることから、通話部111は、通話環境110へのコンテナ切り替えをコンテナ管理部103を介してコンテナ切替部105へ指示する。これにより、通話環境110が画面表示や操作入力を受ける実行環境(コンテナ)となる。
【0065】
次いで、通話部111は、電話画面112を起動し、着信音の鳴動、発信・着信要求部122より受け付けた表示名称を表示する着信画面の表示を行う(S55)。次いで、通話部111は、電話画面112の操作による受話、切断の指示をユーザより受け付ける(S56)。ここで切断の指示を受け付けた場合、通話部111は、発信・着信制御部101へ通話の切断を依頼する。
【0066】
次いで、通話部111は、発信・着信制御部101が通話を切断済みであるか否かを判定する(S57)。発信・着信制御部101が通話を切断済みでない場合(S57:NO)、通話部111はS56へ処理を戻し、通話を継続させる。
【0067】
切断の指示をユーザより受け付けて発信・着信制御部101が通話を切断済みである場合(S57:YES)、通話部111は、通話環境110へのコンテナ切り替えを行う以前のコンテナへの切り戻しをコンテナ切替部105へ指示する(S58)。次いで、通話部111は、電話画面112を停止し(S59)、S60へ処理を進める。これにより、通話環境110への切り替え前にアクティブであったコンテナ環境120が画面表示や操作入力を受ける実行環境(コンテナ)となる。
【0068】
S60において、通話部111は、発信・着信制御部101から通話に要した通話時間を取得する(S60)。次いで、通話部111は、着信要求の要求元のコンテナへ通話結果の情報を通話環境110からの戻りとして通知する(S61)。具体的には、通話部111は、表示名称、通話日時、通話時間、留守録を実行した場合の音声等の留守録データ、実行中の実行環境を示す情報などを含む通話結果を要求元のコンテナへ通知する。
【0069】
図4に戻り、通話結果を受けた要求元のコンテナ環境120における発信・着信要求部122(図示例では発信・着信要求部122a)は、着信要求(終話時)の処理を行う(S6)。
図11は、着信要求(終話時)の動作例を示すフローチャートである。
【0070】
図11に示すように、発信・着信要求部122は、表示名称、通話日時、通話時間、留守録データ、実行中の実行環境を示す情報などを含む通話結果の戻りを通話部111より受け付けて処理を開始する。
【0071】
処理が開始されると、発信・着信要求部122は、通話結果に含まれる電話番号をもとに電話帳124の検索を行い、電話番号に該当する電話帳124の情報を取得する(S70)。次いで、発信・着信要求部122は、電話帳124より取得した電話番号に対応する名称を履歴の名称とする。また、発信・着信要求部122は、電話帳124に電話番号に該当する名称がなければ、通話結果に含まれる表示名称を履歴の名称とする(S71)。
【0072】
次いで、発信・着信要求部122は、通話結果に留守録データが含まれているか否かをもとに、着信時の動作指定が留守録であるか否かを判定する(S72)。動作指定が留守録である場合(S72:YES)、発信・着信要求部122は、留守録記録に留守録データを登録する(S73)。動作指定が留守録でない場合(S72:NO)、発信・着信要求部122は、留守録記録における留守録の登録情報を「なし」とする(S74)。
【0073】
次いで、発信・着信要求部122は、S71における履歴の名称と、通話結果に含まれる電話番号、通話時日時、時間および実行環境と、S73、S74における留守録記録の登録情報とを着信を示す情報として通話履歴123に登録する(S75)。
【0074】
図12は、通話履歴123を説明する説明図である。
図12に示すように、通話履歴123には、名称、電話番号、通話日時、通話時間、留守録登録情報、着信時アクティブコンテナ番号、着信動作、実行環境などが一回の着信を示す情報として格納される。コンテナ環境120のユーザインターフェース125は、通話履歴123に格納された情報を参照することで、着信の履歴画面を表示できる。
【0075】
次に、電話の発信時における通信装置1の動作(発信動作)の詳細を説明する。
図13は、発信動作を説明する説明図である。
図13に示すように、発信・着信要求部122(図示例では発信・着信要求部122a)は、電話帳管理画面等からの電話の発信指示を受け付けて、発信要求(発信時)の処理(S102)を開始する。
【0076】
図14は、電話帳管理画面からの発信を説明するフローチャートである。
図14に示すように、電話帳管理画面にかかるユーザインターフェース125では、電話帳124の情報を一覧表示した一覧画面を表示してユーザからの選択操作を受け付ける。そして、ユーザインターフェース125は、ユーザから選択された電話帳の情報(例えば登録されている名称、電話番号)での発信要求を発信・着信要求部122へ通知する(S101)。具体的には、電話帳管理画面での選択により、電話帳124における名称、電話番号を発信・着信要求部122へ通知する。
【0077】
なお、ユーザインターフェース125は、キーパット入力を行う入力画面の操作入力により、発信する電話番号を直接受け付けてもよい。発信する電話番号を直接受け付けた場合、ユーザインターフェース125は、受け付けた電話番号での発信要求を発信・着信要求部122へ通知する。
【0078】
図15は、発信要求(発信時)の動作例を示すフローチャートである。
図15に示すように、発信・着信要求部122は、電話帳124における名称または電話番号を含む発信要求をユーザインターフェース125より受けて処理を開始する。
【0079】
処理が開始されると、発信・着信要求部122は、受け付けた発信要求に電話帳の名称があるか否かを判定する(S120)。電話帳の名称がない場合(S120:NO)、発信する電話番号を直接受け付けていることから、発信・着信要求部122は、電話帳名称を電話番号とする(S121)。
【0080】
次いで、発信・着信要求部122は、通話環境110へ発信要求を通知する(S122)。具体的には、発信・着信要求部122は、発信要求の要求元であるコンテナの番号、表示名称(電話帳名称)、発信する電話番号などを含めた発信要求を通話環境110へ通知する。
【0081】
図13に戻り、発信要求を受けた通話環境110の通話部111は、通話(発信要求)の処理を開始する(S103)。
図16は、通話(発信要求)の動作例を示すフローチャートである。
【0082】
図16に示すように、通話部111は、発信要求の要求元であるコンテナの番号、表示名称(電話帳名称)、発信する電話番号などを含めた発信要求を発信・着信要求部122より受け付けて処理を開始する。
【0083】
処理が開始されると、通話部111は、通話環境110へのコンテナ切り替えをコンテナ管理部103を介してコンテナ切替部105へ指示する(S130)。これにより、通話環境110が画面表示や操作入力を受ける実行環境(コンテナ)となる。
【0084】
次いで、通話部111は、電話画面112を起動し、表示名称、電話番号を含む発信画面の表示を行う(S131)。次いで、通話部111は、発信・着信制御部101へ電話番号による発信を要求する(S132)。
【0085】
次いで、通話部111は、電話画面112の操作による発信切断の指示をユーザより受け付ける(S133)。ここで発信切断の指示を受け付けた場合、通話部111は、発信・着信制御部101へ通話の切断を依頼する。
【0086】
次いで、通話部111は、発信・着信制御部101が通話を切断済みであるか否かを判定する(S134)。発信・着信制御部101が通話を切断済みでない場合(S134:NO)、通話部111はS133へ処理を戻し、通話を継続させる。
【0087】
発信切断の指示をユーザより受け付けて発信・着信制御部101が通話を切断済みである場合(S134:YES)、通話部111は、通話環境110へのコンテナ切り替えを行う以前のコンテナへの切り戻しをコンテナ切替部105へ指示する(S135)。次いで、通話部111は、電話画面112を停止する(S136)。これにより、通話環境110への切り替え前にアクティブであったコンテナ環境120が画面表示や操作入力を受ける実行環境(コンテナ)となる。
【0088】
次いで、通話部111は、発信・着信制御部101から通話に要した通話時間を取得する(S137)。次いで、通話部111は、発信要求の要求元のコンテナへ通話結果の情報を通話環境110からの戻りとして通知する(S138)。具体的には、通話部111は、表示名称、通話日時、通話時間などを含む通話結果を要求元のコンテナへ通知する。
【0089】
図13に戻り、通話結果を受けた要求元のコンテナ環境120における発信・着信要求部122(図示例では発信・着信要求部122a)は、発信要求(終話時)の処理を行う(S104)。
図17は、発信要求(終話時)の動作例を示すフローチャートである。
【0090】
図17に示すように、発信・着信要求部122は、表示名称、通話日時、通話時間などを含む通話結果の戻りを通話部111より受け付けて処理を開始する。
【0091】
処理が開始されると、発信・着信要求部122は、発信要求時の電話番号をもとに電話帳124の検索を行い、電話番号に該当する電話帳124の情報を取得する(S140)。次いで、発信・着信要求部122は、電話帳124より取得した電話番号に対応する名称を履歴の名称とする。また、発信・着信要求部122は、電話帳124に電話番号に該当する名称がなければ、通話結果に含まれる表示名称を履歴の名称とする(S141)。
【0092】
次いで、発信・着信要求部122は、S141における履歴の名称と、発信要求時の電話番号と、通話結果に含まれる通話日時および時間とを発信を示す情報として通話履歴123に登録する(S142)。
【0093】
以上のように、通信装置1は、共通環境/OS100上で動作し、各々が着信時の着信情報を記録する通話履歴123を有するコンテナ環境120a…120nを有する。また、通信装置1は、着信時の電話番号をコンテナ環境120a…120nに通知して着信の可否を問い合わせ、問い合わせ結果をもとに着信にかかるコンテナ環境120を選択するコンテナ管理部103を有する。着信にかかる実行環境として選択されたコンテナ環境120は、着信時の電話番号を含む着信情報を通話履歴123に記録する。したがって、通信装置1は、コンテナ環境120a…120nの複数の実行環境の中で着信相手に応じた実行環境に着信履歴を記録できる。
【0094】
また、通信装置1のコンテナ管理部103は、コンテナ環境120a…120nの中で着信時に実行中(アクティブ)の実行環境を示す情報を着信にかかるコンテナ環境120に通知する。そして、着信にかかる実行環境として選択されたコンテナ環境120は、着信時に実行中の実行環境を示す情報を通話履歴123に記録する。これにより、通信装置1では、通話履歴123を参照することで、着信時において実行中であった実行環境を後から確認できる。
【0095】
また、通信装置1は、コンテナ環境120a…120nごとの着信時の動作を設定するコンテナ設定部104を有する。コンテナ管理部103は、着信にかかる実行環境として選択されたコンテナ環境120へコンテナ設定部104に設定された着信時の動作を通知する。そして、着信にかかる実行環境として選択されたコンテナ環境120は、通知された着信時の動作を実行させる。したがって、通信装置1では、実行環境(コンテナ)ごとに着信時の動作を設定できることから、着信時における意図しない画面表示・鳴動を防止できる。
【0096】
なお、本実施形態は、主に携帯電話やスマートフォン等の通信装置1を
図1に例示して説明したが、装置構成は
図1の例に限定しない。例えば、プログラム13aをコンピュータで実行することによって、上述の実施形態と同様の機能を実現することができる。
【0097】
なお、プログラム13aは、インターネットなどの通信ネットワークを介してコンピュータに配布することができる。また、プログラム13aは、コンピュータに設けられたメモリ、ハードディスク、その他のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。