(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。ここでは、本発明に係る情報表示制御装置を電子辞書に適用した事例について詳細に説明することとする。もっとも、本発明は、電子辞書以外の電子機器、例えば、電子辞書機能を備えたパーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)に適用されてもよい。なお、図面においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0011】
<電子辞書の外部構成>
図1を参照して、電子辞書1の外部構成を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報表示制御装置が適用された電子辞書の外部構成を示す図である。
図1に示すように、電子辞書1は、表示画面30とキー入力部40とを備えている。
【0012】
表示画面30は、表示部の一例であって、ユーザによる操作に応じて各種データを表示する。表示画面30は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。本実施の形態における表示画面30は、タッチパネルを含んで構成されており、ペン36やユーザのタッチによる入力を受け付ける。なお、表示画面30の具体的な表示内容については、追って述べる。
【0013】
キー入力部40のキー群は、ユーザが電子辞書1を操作するためのインターフェイスであって、各種キーを有している。具体的には、キー群は、メニューキー、辞書選択キー、文字「A」〜「Z」キー、カーソルキー42〜45、シフトキー46、ページ送りキー47,48、「訳/決定」キー(「訳/決定」ボタン41)を含む。ここで、「訳/決定」ボタン41は、検索の実行や、見出し語の決定等に使用される。また、辞書選択キーは、辞書データベースの選択に使用される。
【0014】
<電子辞書の内部構成>
続いて、
図2を参照して電子辞書1の内部構成について説明する。
図2は、電子辞書1の内部構成を示すブロック図である。この図に示すように、電子辞書1は、CPU10、メモリ20、表示画面30、キー入力部40、及び記録媒体読取部50を備え、これら機能部はバス60を介して相互に通信可能に接続されている。
【0015】
CPU10は、使用者から入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御する。具体的には、CPU10は、キー入力部40及び表示画面30へのタッチを介して入力される操作信号に応じてメモリ20に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU10は、処理結果をメモリ20に保存するとともに、当該処理結果を表示画面30に表示させる。
【0016】
かかるCPU10は、詳細には後ほど
図3から
図10を参照した<電子辞書の動作>で説明するが、次に述べる第1辞書情報取得手段、第1辞書情報表示制御手段、第2辞書見出し語取得手段、第2見出し語一覧表示制御手段、第2辞書情報取得手段、第2辞書情報表示制御手段、第1見出し語一覧表示制御手段、第1選択手段、及び第2選択手段などを構成する。
【0017】
具体的には、第1辞書情報取得手段は、キー入力部40により入力された文字列に対応するメイン辞書(第1辞書)の見出し語の説明情報を取得する。かかる第1辞書情報取得手段は、電子辞書1の本体に内蔵されたメイン辞書から入力文字列に対応する見出し語の説明情報を読み出して取得しても良い。あるいは、第1辞書情報取得手段は、入力された文字列をインターネット上の辞書サーバに送信し、辞書サーバ上のメイン辞書から当該文字列に対応する見出し語の説明情報をダウンロードして取得しても良い。
【0018】
第1辞書情報表示制御手段は、第1辞書情報取得手段により取得された説明情報を表示画面30(表示部)の領域33(第1領域)にプレビュー表示させる。
つまり、第1辞書情報表示制御手段は、ユーザ操作に応じて入力された文字列に対応する第1辞書の見出し語の説明情報を第1辞書情報取得手段から取得して、当該取得された説明情報を表示画面30(表示部)の領域33(第1領域)に表示させる。
【0019】
第2辞書見出し語取得手段は、領域33(第1領域)に表示された説明情報中の各単語に対応するサブ辞書(第2辞書)の各見出し語を取得する。
第2見出し語一覧表示制御手段は、第2辞書見出し語取得手段により取得された各見出し語を表示画面30の領域34(第2領域)に一覧表示させる。
つまり、第2見出し語一覧表示制御手段は、領域33(第1領域)に表示された説明情報中の各単語に対応する第2辞書の各見出し語を第2辞書見出し語取得手段から取得して、当該取得された各見出し語を表示画面30(表示部)の領域34(第2領域)に一覧表示させる。
【0020】
第2辞書情報取得手段は、第2見出し語一覧表示制御手段で表示画面30の領域34(第2領域)に表示された見出し語のうちのいずれかの見出し語が指定見出し語として指定されるとその指定見出し語の説明情報を取得する。
なお、この指定見出し語の指定は、領域34(第2領域)にはじめて第2辞書の各見出し語が表示されるときは、デフォルトで先頭(領域34(第2領域)の一番上)の見出し語が指定され、その後、ユーザ操作に応じて指定見出し語を変更することができるようになっている。
そして、第2辞書情報表示制御手段は、第2辞書情報取得手段により取得された説明情報を表示画面30の領域35(第3領域)にプレビュー表示させる。
つまり、第2辞書情報表示制御手段は、第2見出し語一覧表示制御手段に表示された第2辞書の見出し語のうちのいずれかの見出し語を指定見出し語として指定し、当該指定見出し語の第2辞書の説明情報を第2辞書情報取得手段から取得して、取得された説明情報を表示画面30(表示部)の領域35(第3領域)に表示させる。
【0021】
第1見出し語一覧表示制御手段は、キー入力部40により入力された文字列に対応するメイン辞書(第1辞書)の見出し語の候補を表示画面30の領域32(第4領域)に一覧表示させる。
第1選択手段は、領域34に一覧表示された見出し語から指定見出し語を選択する。
第2選択手段は、領域34に表示された指定見出し語の次の候補を新たな指定見出し語として選択する。
上述した各手段と、電子辞書1における情報表示処理と、の関わりについては後述する。
【0022】
次いで、メモリ20は、電子辞書1に内蔵されたROM及びRAMを含み、上述した電子辞書1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶する。本実施の形態においては、メモリ20は、本発明に係る情報表示制御プログラム21、辞書データ22、メイン言語設定データ23、及びサブ言語設定データ24を記憶している。
【0023】
ここで、情報表示制御プログラム21は、後述する情報表示処理(
図5参照)をCPU10に実行させるためのプログラムである。したがって、CPU10、情報表示制御プログラム21、表示画面30、及びキー入力部40が、本発明に係る情報表示制御装置の中核である。
【0024】
また、辞書データ22は、例えば英和辞典、和英辞典、英英辞典、国語辞典、百科事典、漢和辞典のような各種別の辞書情報を含む。そして、個々の辞書情報は、見出し語検索データベース、複合語検索データベース、例文検索データベース、及び、成句検索データベースを含んでいる。例えば、見出し語検索データベースには、見出し語と、見出し語に対応する説明テキストと、見出し語の語義ごとの用例テキストとが、対応付けられて格納されている。
【0025】
メイン言語設定データ23は、辞書データ22の各辞書種別(例えば英和、和英、英英、国語、漢和)において主として用いられる辞書(メイン辞書)のデータベースに関する設定情報である。例えば、A英英辞典とB英英辞典の2種類の英英辞典が収録されている場合に、ユーザが英英辞典を起動させる操作をした際にA英英辞典データベースを起動させるための設定データが、メイン言語設定データ23である。
【0026】
また、サブ言語設定データ24は、特定種別の辞書が起動したときに従たる辞書(サブ辞書)として起動させる辞書データベースに関する設定情報である。例えば、英英辞典が起動したときに、サブ辞書としてC英和辞典を起動させるための設定データである(
図3参照)。
【0027】
このようなメモリ20に記憶される各種プログラム及びデータは、予めメモリ20に記憶されていてもよいし、例えば、図示しない通信装置を介してインターネット上からダウンロードされてもよい。また、上述した各種プログラム及びデータは、後述する着脱可能な記憶媒体51からメモリ20に読み込まれてもよい。
【0028】
表示画面30は、上述したとおり、ユーザによる操作に応じて各種データを表示する。つまり、表示画面30は、ユーザの操作に応じたCPU10の制御信号に基づいて、各種情報を表示する。
【0029】
また、表示画面30は、上述したようにタッチパネルを含んで構成されている。したがって、表示画面30上の所定の位置に配置されたアイコンやボタン、テキスト中の文字列がペン36又はユーザによってタッチされると、表示画面30は、タッチの位置に応じた信号をCPU10に出力する。
【0030】
キー入力部40は、上述したキー群を備えており、押下されたキーに対応する信号をCPU10に出力する。キー入力部40のキー群、特に文字「A」〜「Z」キーは、ユーザ操作に応じて、文字列を入力する文字列入力手段の一例である。
【0031】
記録媒体読取部50は、着脱可能な記憶媒体51とのインターフェイスであって、図示しないカードスロットを備えている。当該カードスロットに記憶媒体51が装着されると、記録媒体読取部50は、記憶媒体51から各種情報を読み出したり、記憶媒体51に情報を記録したりする。なお、記憶媒体51には、追加の辞書データが格納されてもよい。
【0032】
<電子辞書の動作>
図3から
図10を参照して、電子辞書1の動作を説明する。ここでは、メイン辞書としての英英辞典の検索結果とともに、サブ辞書としての英和辞典の検索結果が併せて表示されるものとして説明を行うが、メイン辞書及びサブ辞書はそれぞれ英英辞典及び英和辞典以外の種別の辞書でもよい。また、本実施形態では、メイン辞書とサブ辞書との両方の検索を行って検索結果を画面に表示することをデュアル検索と称し、デュアル検索の設定を「すぐデュアル設定」と称するものとする。
【0033】
(画面の遷移)
図3から
図9を参照して、電子辞書1の画面がユーザ操作に応じてどのように遷移するかを説明する。
図3から
図9は、表示画面30が、ユーザ操作に応じて遷移する様子を示す図である。なお、これら図面及び以下の説明では、英英辞典のメイン辞書として「ロン○○現代英英辞典」が設定され、対応するサブ辞書として「ジー○○英和」辞典が設定されるものとするが、本発明がこのような設定に限られない。
なお、以下の説明において指摘するボタンやキー関係(例えば、「英英」ボタン49、「決定」ボタン41、シフトキー46など)については、
図1に示す通りである。
【0034】
「英英」ボタン49の押下によって英英辞典データベースが起動し、更に、設定項目から「すぐデュアル設定」を指定すると、
図3のようなサブ辞書の設定画面がポップアップで表示される。ここで、「ジー○○英和」を選択して「決定」ボタン41を押下すると、「ジー○○英和」辞典がサブ辞書として設定される。
【0035】
サブ辞書が設定されると、
図4に示される検索画面が表示される。この検索画面における見出し語検索欄31に、キー入力部40に含まれる文字キーを介して、例えば“excellent”と入力して、「決定」ボタン41を押下する。
【0036】
そうすると、
図5に示されるように、メイン辞書(第1辞書)の検索結果が画面上半分(メイン画面)に、サブ辞書(第2辞書)の検索結果が画面下半分(サブ画面)に、それぞれ表示される。メイン画面は、検索語に対応するメイン辞書の見出し語が一覧表示される領域32(第4領域)と、領域32に表示された見出し語のうち何れかの見出し語に対するメイン辞書の説明情報がプレビュー表示される領域33(第1領域)と、を含む。
【0037】
例えば
図5では、検索語“excellent”に対して、領域32に見出し語”excellent”, ”except”, ”except”, ”excepted”・・・が一覧表示されるとともに、領域33に見出し語”excellent”の英英辞典における語義が表示されている。
【0038】
また、サブ画面は、領域33に表示された説明情報に含まれる各単語に対応するサブ辞書の見出し語が一覧表示される領域34(第2領域)と、領域34に表示された見出し語のうち何れかの指定された見出し語に対するサブ辞書の説明情報が表示される領域35(第3領域)と、を含む。
【0039】
例えば
図5では、領域33に見出し語”excellent”の語義として”excellent: 1 extremely good or of very high quality…”と記載されていることに対応して、領域34にサブ辞書の見出し語”excellent”, “extremely”, “good”, “or”・・・が一覧表示されている。
【0040】
また、領域34に表示された見出し語のうち”excellent”が指定されていることに対応して、領域35に”excellent”の英和辞典における語義がプレビュー表示されている。なお、領域32及び領域34では、指定されている見出し語については、指定されていることがわかるように色マーカ付表示が行われる(
図5の領域32の“excellent”及び領域34の”excellent”参照)。
【0041】
領域32に一覧表示されたメイン辞書の見出し語のうち、別の見出し語に対応する説明情報を領域33にプレビュー表示させるためには、上下のカーソルキー42,43を押下すればよい。かかる操作により、例えば
図6に示すように、領域32における見出し語の指定が”excellent”から”except”に替わり、領域33には見出し語”except”に対応する語義として”except: 1 used to introduce the only person,…”がプレビュー表示される。これとともに、サブ画面における表示が切り替わる。例えば
図6では、領域33における”except”の英語における語義に対応して、領域34にサブ辞書の見出し語”expect”, “use”, “to”, “introduce”・・・が一覧表示されるとともに、領域35に、これら見出し語のうち指定された見出し語”expect”の説明情報が表示される。
【0042】
また、例えば、
図6にて領域33に表示された見出し語”except”の語義”used to introduce the only person, thing,…”において、3番目に登場する英単語”introduce”の日本語での語義を調べるためには、
図7のように、シフトキー46を押下した状態で右カーソルキー44を3回押下すればよい。そうすると、領域33で指定された”introduce”が色マーカ付表示になるとともに、領域34において、サブ辞書の見出し語として“introduce”が自動的に指定され、領域35に、指定された見出し語“introduce”の説明情報が表示される。
【0043】
つまり、ユーザ操作により領域33(第1領域)に表示された説明情報(”used to introduce the only person, thing,…”)中のいずれかの単語(例えば、“introduce”)を指定すると、領域34(第2領域)に一覧表示された見出し語のうち、当該指定された単語(“introduce”)に対応する見出し語が指定見出し語として指定され、領域35に、指定された見出し語“introduce”の説明情報が表示される。
なお、領域34においても“introduce”が指定されたことがわかるように、“introduce”に色マーカ付表示が行われる。
【0044】
また、上述した見出し語”except”の語義に含まれる”used to”の日本語における語義を調べるためには、まず、
図8のように、サブ画面中の領域34に表示された見出し語”use”をタッチするか、あるいは、シフトキー46を押下した状態で下カーソルキー43を押下することで、領域34中の見出し語”use”を指定する。
【0045】
つまり、ユーザ操作により領域34(第2領域)に一覧表示された見出し語のうち、のいずれかの見出し語を指定見出し語として指定(例えば、”use”を指定)すると、表示部の領域33(第1領域)に表示された説明情報中の領域34(第2領域)で指定された見出し語(”use”)に対応する単語(”used”)が識別表示(色マーカ付表示)される。
【0046】
この状態で「前ページ」キー47又は「次ページ」キー48を押下すると、
図9に示すように、領域34の見出し語”use”が、次の候補”used to”に変化する。これとともに、領域35に見出し語”used to”に対応する説明情報がプレビュー表示される。ちなみに、上記の例では、ユーザは、メイン辞書の説明情報の意味内容を考慮して、見出し語”used to”は適当ではなく、元の見出し語”use”が適切であったことを理解する。
【0047】
このように、本実施形態では、メイン辞書の検索結果にユーザの知らない単語が含まれていても、サブ辞書で該当単語を簡易に調べることが可能である。サブ辞書では、個々の単語だけでなく、成句のような複数の単語を含む文字列を容易に検索することができるので、メイン辞書に含まれる言葉の使い方に応じてサブ辞書の検索手法を柔軟に変更することが可能である。
【0048】
(情報表示処理の手順)
図10を参照して、上述した情報表示を実現するための処理の手順を説明する。
図10は、電子辞書1における情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0049】
・デュアル検索の設定:S1〜S3
まずステップS1からS3において、デュアル検索の設定が行われる。ステップS1では、デュアル検索の設定、特にサブ辞書の選択が済んでいるかどうかが判定される。例えば、メイン辞書である英英辞典に対してサブ辞書が設定されているかどうかが判定される。設定済みの場合にはステップS4に進むが、未設定であれば、ステップS2に進む。
【0050】
ステップS2では、デュアル検索の設定画面がポップアップ表示されるとともに、デュアル検索の設定が可能な辞書が一覧表示される(
図3参照)。そして、ステップS3において、ユーザ操作に応じて、何れかの辞書がデュアル検索のサブ辞書として設定される。
【0051】
・デュアル検索の基本動作:S4〜S9
ステップS4以降が、デュアル検索の処理手順である。特にステップS4からステップS9はデュアル検索の基本的な動作を示す。ここでは、英英辞典をメイン辞書とし、英和辞典をサブ辞書とするデュアル検索について説明するが、英英辞典と英和辞典との組合せ以外の組合せによるデュアル検索が行われてもよいことは上述したとおりである。
【0052】
まずステップS4において、英英辞典がメイン辞書として選択されているかどうかが判定される。もし英英辞典がメイン辞書として設定されていなければ、他の処理、例えば通常の辞書検索が行われる。逆に、英英辞典がメイン辞書として設定されていると判定されると、ステップS5において、ユーザ操作に応じて、見出し語検索欄31に検索文字列が入力される(
図4参照)。この処理は、文字列入力手段によって実行される。
【0053】
次いで、ステップS6において、入力された検索文字列に対応する見出し語がメイン辞書で検索され、検索結果として、メイン画面の領域32(第4領域)に見出し語が一覧表示される。そして、ステップ7において、領域32において指定された見出し語(最初は先頭に表示された見出し語)に対応する説明情報が領域33(第1領域)にプレビュー表示される(
図5参照)。領域32への見出し語の一覧表示は、第1見出し語一覧表示制御手段によって実行され、領域33への説明情報のプレビュー表示は、第1辞書情報表示制御手段によって実行される。
【0054】
次いで、ステップS8において、サブ辞書による検索が行われる。具体的には、まず、メイン画面の領域33にプレビュー表示された説明情報に含まれる単語が先頭から順に抽出される。かかる処理は、第2辞書見出し語取得手段によって実行される。そして、このようにして抽出された各単語に対応するサブ辞書の見出し語が、サブ画面の領域34(第2領域)に一覧表示される(
図5参照)。かかる処理は、第2見出し語一覧表示制御手段によって実行される。
【0055】
併せて、ステップS9において、領域34に一覧表示された見出し語のうち指定された見出し語(最初の検索では先頭の見出し語)が取得され、取得された見出し語に対する説明情報が、領域35(第3領域)にプレビュー表示される(
図5参照)。かかる処理は、第2辞書情報取得手段及び第2辞書情報表示制御手段によって実行される。
【0056】
・メイン辞書の見出し語の変更:S10〜S11
次いで、ステップS10において、上下のカーソルキー42,43のいずれかが押下されたかどうかが判定される。上下のカーソルキー42,43のいずれかが押下されたと判定されると、ステップS11において、メイン画面中の領域32に一覧表示された見出し語における指定が、当該見出し語の上又は下に表示された見出し語に変更される。そして、新たに指定されたメイン辞書の見出し語について、ステップS7からステップS9の処理が再度行われる(
図6参照)。かかる処理によって、メイン辞書の見出し語の変更に伴う、メイン辞書の説明情報の変更、及び、サブ辞書の検索結果の変更が実現される。他方、ステップS10において、上下のカーソルキー42,43のいずれも押下されなかったと判定されると、処理はステップS12に進む。
【0057】
・検索文字列の修正:S12
ステップS12では、左右のカーソルキー44,45のいずれかが押下されるとともに検索文字列の修正入力が行われたかどうかが判定される。修正入力が行われたと判定されると、ステップS6に戻って再度メイン辞書及びサブ辞書の検索が行われ、検索結果がメイン画面及びサブ画面に表示される。他方、ステップS12において修正入力が行われなかったと判定されると、処理はステップS13に進む。
【0058】
・メイン画面の説明情報中の単語指定の変更によるサブ辞書の検索の変更:S13〜S15
ステップS13では、シフトキー46が押下された状態で左右のカーソルキー44,45のいずれかが押下されたかどうかが判定される。かかる操作が行われなかったと判定されると、ステップS16に移行する。他方、かかる操作が行われたと判定されると、ステップS14において、メイン画面の領域33にプレビュー表示された説明情報に含まれる単語の指定が変更される(
図7参照)。なお、例えば「シフトキー46+左右カーソルキー44,45」の操作を繰り返すことで、単語の指定を、前又は後の行に登場する単語に移行させることが可能である。
【0059】
次いで、ステップS15において、サブ画面の領域34に一覧表示されたサブ辞書の見出し語に対する指定表示(例えば色マーカ付表示や反転表示)が、新たに指定された単語の見出し語に付け替えられる。つまり、領域34に一覧表示された見出し語から、領域33において指定された単語の見出し語が選択される。かかる処理は、第1選択手段によって行われる。ステップS15の処理が終了すると、ステップS9に戻って、新たに指定された見出し語についてサブ辞書の検索が行われ、検索結果が領域35に表示される(
図7参照)。かかる処理によって、サブ辞書の検索対象の変更に伴う説明情報の変更が実現される。
【0060】
・サブ辞書の見出し語の指定の変更による説明情報の表示の変更:ステップS16〜S17
ステップS16では、領域34に一覧表示されたサブ辞書の見出し語のいずれかが、ユーザの操作によって指定されたかどうかが判定される。かかるユーザの操作は、ペン(図示せず)や指による見出し語へのタッチでもよいし、あるいは、「シフトキー46+下カーソルキー43」でもよい。このようにしていずれかの見出し語が指定されたと判定されると、ステップS17において、新たに指定された見出し語が色マーカ付表示される(
図8参照)。かかる処理は、第1選択手段によって実行される。そして、ステップS17の処理が終了すると、ステップS9に戻って、新たに指定された見出し語についてサブ辞書の検索が行われる(
図8参照)。かかる処理によって、サブ辞書の検索単語の変更に伴う説明情報の変更が実現される。
【0061】
・サブ辞書の見出し語に関する次の候補の表示:ステップS18〜S19
ステップS16において、領域34に一覧表示されたサブ辞書の見出し語のいずれもが指定されなかったと判定されると、ステップS18において、「前ページ」キー47及び「次ページ」キー48のいずれかが押下されたかどうかが判定される。いずれのキーも押下されなかったと判定されると、他の処理が行われる。一方、上記のいずれかのキーが押下されたと判定されると、ステップS19において、領域34において指定されている見出し語の次の候補が、新たな見出し語として表示され指定される(
図9参照)。かかる次の候補は、例えば、上述したような、”use”に対する”used to”である。そして、かかる処理は、第2選択手段によって実行される。かかる処理により、サブ辞書において、単語だけでなく、その単語に関連する成句や熟語などを検索することが可能となる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、メイン辞書の検索結果にユーザの知らない単語が含まれている場合、別途の辞書検索を行うことなく、サブ辞書にて該当単語を簡便に検索することが可能である。また、サブ辞書では、個々の単語だけでなく当該単語の次の候補についても容易に検索することができるので、メイン辞書の説明情報における言葉の用法に応じてサブ辞書による検索を柔軟に行うことが可能である。
【0063】
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。具体的な上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは当業者にとって明らかであり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれるものであることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0064】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0065】
[付記]
[請求項1]
ユーザ操作に応じて入力された文字列に対応する第1辞書の見出し語の説明情報を取得して、当該取得された説明情報を表示部の第1領域に表示させる第1辞書情報表示制御手段と、
前記第1領域に表示された説明情報中の各単語に対応する第2辞書の各見出し語を取得して、当該取得された各見出し語を前記表示部の第2領域に一覧表示させる第2辞書見出し語一覧表示制御手段と、
前記第2見出し語一覧表示制御手段に表示された前記第2辞書の見出し語のうちのいずれかの見出し語を指定見出し語として指定し、当該指定見出し語の前記第2辞書の説明情報を取得して、取得された説明情報を前記表示部の第3領域に表示させる第2辞書情報表示制御手段と、
を備える情報表示制御装置。
[請求項2]
ユーザ操作により前記第1領域に表示された説明情報中のいずれかの単語を指定すると、前記第2領域に一覧表示された見出し語のうち、当該指定された単語に対応する見出し語が指定見出し語として指定されることを特徴とする、
請求項1に記載の情報表示制御装置。
[請求項3]
ユーザ操作により前記第2領域に一覧表示された見出し語のうち、のいずれかの見出し語を指定見出し語として指定すると、前記表示部の第1領域に表示された説明情報中の前記見出し語に対応する単語が識別表示されることを特徴とする、
請求項1に記載の情報表示制御装置。
[請求項4]
前記入力された文字列に対応する前記第1辞書の前記見出し語の候補を前記表示部の第4領域に一覧表示させる第1見出し語一覧表示制御手段
を更に備える請求項1に記載の情報表示制御装置。
[請求項5]
コンピュータに対して、
ユーザ操作に応じて入力された文字列に対応する第1辞書の見出し語の説明情報を取得して当該取得された説明情報を表示部の第1領域に表示させる第1辞書情報表示制御機能と、
前記第1領域に表示された説明情報中の各単語に対応する第2辞書の各見出し語を取得して当該取得された各見出し語を前記表示部の第2領域に表示させる第2辞書見出し語一覧表示制御機能と、
前記第2見出し語一覧表示制御機能に表示された前記第2辞書の見出し語のうちのいずれかの見出し語を指定見出し語として指定し、当該指定見出し語の前記第2辞書の説明情報を取得して、当該取得された説明情報を前記表示部の第3領域に表示させる第2辞書情報表示制御機能と、
を実現させるプログラム。