【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的新構造材料等研究開発」の「鋼材/CFRP等樹脂材料の接合技術開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、桁構造体10の構成を示す斜視図である。
【0012】
桁構造体10は、金属材料で形成される金属部材12と、金属部材12と接合され、金属部材12と縦弾性係数が異なり、繊維強化樹脂複合材料で形成される複合材料部材14と、を備えている。桁構造体10は、例えば、
図1に示すようにI桁で構成されている。桁構造体10は、船舶上部工、橋梁、運搬機、海洋構造物等の構造物に用いられ、曲げ荷重が負荷される。
【0013】
金属部材12は、フランジ12aと、フランジ12aと一体的に形成されたウエブ12bと、を有している。金属部材12は、例えば、鉄鋼材料(炭素鋼、ステンレス鋼等)、アルミニウム材料(アルミニウム合金等)、チタン材料(チタン合金等)、ニッケル材料(ニッケル合金等)等の金属材料で形成されている。金属部材12は、一般的な金属材料の機械加工、溶接加工等で形成することができる。金属部材12の縦弾性係数については、使用する金属材料の種類や、熱処理条件等により調整することが可能である。
【0014】
複合材料部材14は、フランジ14aと、フランジ14aと一体的に形成されたウエブ14bと、を有している。複合材料部材14は、金属部材12と接合され、金属部材12と縦弾性係数が異なり、繊維強化樹脂複合材料(FRP)で形成されている。繊維強化樹脂複合材料は、金属材料よりも比重が小さく、比強度が大きいので、桁構造体10を軽量化することができる。
【0015】
繊維強化樹脂複合材料は、強化繊維と、マトリックス樹脂とから構成されている。強化繊維には、例えば、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維等を用いることができる。マトリックス樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0016】
複合材料部材14は、例えば、一般的な繊維強化樹脂複合材料の成形方法で成形することができる。このような成形方法には、例えば、プリプレグを積層した後にオートクレーブ等で樹脂硬化して成形する方法や、織物で形成したプリフォームを金型に入れ、このプリフォームに樹脂含浸して硬化するRTM(Resin Transfer Molding)法等を適用可能である。
【0017】
複合材料部材14の縦弾性係数については、例えば、繊維強化樹脂複合材料の強化繊維、繊維含有率、繊維の配向等を変えることにより調整することができる。複合材料部材14の縦弾性係数を大きくする場合には、例えば、高弾性率繊維(例えば、高弾性率タイプ炭素繊維)からなる強化繊維を用いたり、繊維含有率を大きくすればよい。また、複合材料部材14の縦弾性係数を小さくする場合には、例えば、中弾性率繊維(例えば、中弾性率タイプ炭素繊維)、低弾性率繊維(例えば、低弾性率タイプ炭素繊維)からなる強化繊維を用いたり、繊維含有率を小さくすればよい。
【0018】
金属部材12と複合材料部材14との接合部16は、例えば、エポキシ樹脂等の合成樹脂からなる接着剤で接合して形成することができる。桁構造体10に曲げ荷重が負荷されると、金属部材12と複合材料部材14との接合面には、せん断応力が発生する。このため、金属部材12と複合材料部材14とを接合する接着剤には、このせん断応力に耐えることが可能な接着強度を有するものを用いるとよい。
【0019】
金属部材12と複合材料部材14とにおいて、縦弾性係数が大きい方の部材が圧縮側に配置され、縦弾性係数が小さい方の部材が引張側に配置される。オイラーの座屈荷重(座屈荷重が、部材の縦弾性係数に比例する)等から明らかなように、縦弾性係数が大きい部材は、縦弾性係数が小さい部材よりも耐座屈特性が優れている。また、縦弾性係数が小さい部材は、縦弾性係数が大きい部材よりも伸び易く、引張特性に優れている。これらの理由から、金属部材12と複合材料部材14とにおいて、縦弾性係数が大きい方の部材を圧縮側に配置し、縦弾性係数が小さい方の部材を引張側に配置することで、桁構造体10の圧縮側では局部座屈破壊を抑制すると共に、桁構造体10の引張側では引張破壊を抑制することができる。
【0020】
図2は、曲げ荷重が負荷された桁構造体10を示す図であり、
図2(a)は、金属部材12の縦弾性係数が、複合材料部材14の縦弾性係数より大きい場合を示す図であり、
図2(b)は、金属部材12の縦弾性係数が、複合材料部材14の縦弾性係数より小さい場合を示す図である。
【0021】
図2(a)に示すように、金属部材12の縦弾性係数が、複合材料部材14の縦弾性係数より大きい場合には、金属部材12が圧縮側に配置され、複合材料部材14が引張側に配置される。金属部材12の縦弾性係数が、複合材料部材14の縦弾性係数より大きい場合には、金属部材12は、複合材料部材14よりも耐座屈特性が優れており、複合材料部材14は、金属部材12よりも引張特性が優れている。このため、桁構造体10の圧縮側に金属部材12を配置して局部座屈破壊を抑制すると共に、桁構造体10の引張側に複合材料部材14を配置して引張破壊を抑制することができる。
【0022】
図2(b)に示すように、金属部材12の縦弾性係数が、複合材料部材14の縦弾性係数より小さい場合には、金属部材12が引張側に配置され、複合材料部材14が圧縮側に配置される。金属部材12の縦弾性係数が、複合材料部材14の縦弾性係数より小さい場合には、金属部材12は、複合材料部材14よりも引張特性が優れており、複合材料部材14は、金属部材12よりも耐座屈特性が優れている。このため、桁構造体10の圧縮側に複合材料部材14を配置して局部座屈破壊を抑制すると共に、桁構造体10の引張側に金属部材12を配置して引張破壊を抑制することができる。
【0023】
金属部材12と複合材料部材14との接合部16の位置と、中立軸の位置とのズレ量は、金属部材12と複合材料部材14とを合わせた高さの1/4以下であってもよく、接合部16の位置と、中立軸の位置とが同じ(ズレ量がゼロ)でもよい。接合部16の位置と、中立軸の位置とのズレについては、接合部16は、中立軸より引張側にズレていてもよいし、中立軸より圧縮側にズレていてもよい。
【0024】
図3は、桁構造体10の構成を示す断面図である。なお、H
Meは、金属部材12の高さを表し、H
FRPは、複合材料部材14の高さを表している。まず、桁構造体10の中立軸について説明する。中立軸とは、桁構造体10に曲げ荷重が負荷したときに、桁構造体10の断面に作用する垂直応力がゼロとなる軸のことである。
【0025】
金属部材12と複合材料部材14との接合部16の位置が、中立軸の位置と同じであるとき、金属部材12の断面積をA
Me、金属部材12の縦弾性係数をE
Me、金属部材12の断面重心位置Aから中立軸までの距離をL
Me、複合材料部材14の断面積をA
FRP、複合材料部材14の縦弾性係数をE
FRP、複合材料部材14の断面重心位置Bから中立軸までの距離をL
FRPとすると、数1に示す関係がある。
【0027】
接合部16の位置が、中立軸の位置と同じである場合には、金属部材12と複合材料部材14とには、引張応力及び圧縮応力のどちらか一方が作用する。金属部材12が複合材料部材14より縦弾性係数が大きく、金属部材12が中立軸より圧縮側に配置され、複合材料部材14が中立軸より引張側に配置される場合には、金属部材12には圧縮応力が作用し、複合材料部材14には引張応力が作用する。この場合において、金属部材12に作用する引張応力と、複合材料部材14に作用する圧縮応力とは、略ゼロになる。
【0028】
また、金属部材12が複合材料部材14より縦弾性係数が小さく、金属部材12が中立軸より引張側に配置され、複合材料部材14が中立軸より圧縮側に配置される場合には、金属部材12には引張応力が作用し、複合材料部材14には圧縮応力が作用する。この場合において、金属部材12に作用する圧縮応力と、複合材料部材14に作用する引張応力とは、略ゼロになる。
【0029】
このように、縦弾性係数が大きい方の耐座屈特性に優れた部材には圧縮応力が作用し、縦弾性係数が小さい方の引張特性に優れた部材には引張応力が作用し、縦弾性係数が大きい方の部材に作用する引張応力と、縦弾性係数が小さい方の部材に作用する圧縮応力とが略ゼロとなる。このため、桁構造体10は、金属部材12及び複合材料部材14の縦弾性係数に基づいて合理的に構成されており、曲げ荷重が負荷された桁構造体10において、金属部材12及び複合材料部材14を有効に機能させることが可能となる。
【0030】
接合部16の位置と、中立軸の位置とがズレている場合には、金属部材12と複合材料部材14とのどちらか一方に、引張応力と圧縮応力との両方が作用する。例えば、接合部16が中立軸より引張側にズレており、金属部材12が複合材料部材14より縦弾性係数が大きく、金属部材12が接合部16より圧縮側に配置され、複合材料部材14が接合部16より引張側に配置される場合には、金属部材12には圧縮応力と引張応力との両方が作用し、複合材料部材14には引張応力が作用する。
【0031】
接合部16の位置と、中立軸の位置とのズレ量が、金属部材12と複合材料部材14とを合わせた高さ(H
Me+H
FRP)の1/4以下である場合には、接合部16は、中立軸の近傍に位置している。曲げ荷重が負荷されたときの桁構造体10の垂直歪は、中立軸の位置で略ゼロとなり、中立軸から離れて外縁側となるほど大きくなる。接合部16が中立軸の近傍に位置する場合には、金属部材12の引張歪が小さくなる。このため、縦弾性係数が大きい方の引張特性に劣る金属部材12に作用する引張応力は小さく、縦弾性係数が小さい方の引張特性に優れた複合材料部材14が、桁構造体10に作用する引張応力の大部分を負担する。これにより、曲げ荷重が負荷された桁構造体10において、金属部材12及び複合材料部材14を有効に機能させることができる。
【0032】
これに対して、接合部16の位置と、中立軸の位置とのズレ量が、金属部材12と複合材料部材14とを合わせた高さ(H
Me+H
FRP)の1/4より大きい場合には、接合部16は、中立軸の近傍ではなく、中立軸から離れたところに位置している。このため、金属部材12の引張歪が相対的に大きくなり、金属部材12に作用する引張応力も相対的に大きくなる。この場合には、縦弾性係数が大きい方の引張特性に劣る金属部材12が負担する引張応力が大きくなり、縦弾性係数が小さい方の引張特性に優れる複合材料部材14が負担する引張応力が小さくなる。これにより、曲げ荷重が負荷された桁構造体10において、金属部材12の負担が大きくなると共に複合材料部材14が十分に活用されてなく、金属部材12及び複合材料部材14を有効に機能させることが難しくなる。
【0033】
このように、金属部材12と複合材料部材14との接合部16の位置と、中立軸の位置とのズレ量を、金属部材12と複合材料部材14とを合わせた高さ(H
Me+H
FRP)の1/4以下とすることにより、曲げ荷重が負荷された桁構造体10において、金属部材12及び複合材料部材14を有効に機能させることが可能となる。
【0034】
なお、桁構造体10は、I桁で構成されていてもよいし、箱桁等で構成されていてもよい。また、桁構造体10の断面形状は、矩形状だけでなく、他の多角形状でもよいし、円形状等でもよい。
【0035】
上記構成の桁構造体によれば、金属部材と、金属部材と接合される複合材料部材と、を備えており、桁構造体の一部を、金属材料よりも比重が小さく、比強度が大きい繊維強化樹脂複合材料で形成される複合材料部材で構成することにより、金属製の桁構造体よりも軽量化することが可能となる。また、上記構成の桁構造体によれば、金属部材を備えているので、他の構造体と溶接等で接合することができる。
【0036】
上記構成の桁構造体によれば、金属部材と複合材料部材とにおいて、縦弾性係数が大きい方の部材が圧縮側に配置され、縦弾性係数が小さい方の部材が引張側に配置されるので、桁構造体の圧縮側では耐座屈特性が向上し、引張側では引張特性が向上し、曲げ荷重が負荷したときの桁構造体の破壊を抑制することができる。
【0037】
上記構成の桁構造体によれば、金属部材と複合材料部材との接合部の位置と、中立軸の位置とのズレ量が、金属部材と複合材料部材とを合わせた高さの1/4以下とすることにより、曲げ荷重が負荷された桁構造体において、金属部材及び複合材料部材を有効に機能させることが可能となる。
【実施例】
【0038】
曲げ荷重下の桁構造体について構造解析を行った。まず、桁構造体の解析モデルについて説明する。
図4は、実施例1の桁構造体モデル20を示す断面図である。実施例1の桁構造体モデル20には、I桁を用いた。桁構造体モデル20の寸法については、長さを1200mmとし、幅を80mmとし、高さを100mmとした。桁構造体モデル20は、軟鋼で形成した鋼部材22と、炭素繊維強化樹脂複合材料(CFRP)で形成したCFRP部材24とから構成されている。表1に、各部材の材料定数を示す。なお、CFRP部材24のE
x、E
yについては面内方向の縦弾性係数を表しており、Ezについては面外方向(厚み方向)の縦弾性係数を表している。また、CFRP部材24のG
xy、G
xz、G
yzについては、せん断弾性係数(横弾性係数)を表している。
【0039】
【表1】
【0040】
桁構造体モデル20では、鋼部材22がCFRP部材24よりも縦弾性係数が大きいことから、鋼部材22を圧縮側に配置し、CFRP部材24を引張側に配置した。鋼部材22については、幅が80mm、高さが15mm、フランジ22aの厚みが6mm、ウエブ22bの厚みが4.5mmとした。CFRP部材24については、幅が80mm、高さが85mm、フランジ24aの厚みが4mm、ウエブ24bの厚みが4.5mmとした。鋼部材22とCFRP部材24との接合部26の位置については、中立軸の位置と同じとした。
【0041】
次に、実施例2の桁構造体の解析モデルについて説明する。
図5は、実施例2の桁構造体モデル30を示す断面図である。実施例2の桁構造体モデル30は、実施例1の桁構造体モデル20と、鋼部材32とCFRP部材34との高さ及び接合部36の位置が相違しており、その他の構成については同じとした。実施例2の桁構造体モデル30では、鋼部材32の高さを50mm、CFRP部材34の高さを50mmとし、鋼部材32とCFRP部材34との接合部36の位置を、中立軸から引張側に32mmずらした位置とした。鋼部材32とCFRP部材34との接合部36の位置は、中立軸の位置とのズレ量が、鋼部材32とCFRP部材34とを合わせた高さ(100mm)の1/4である25mmより大きくなるようにした。
【0042】
図6は、実施例1、2の桁構造体モデル20、30への曲げ荷重の負荷方法を示す図である。実施例1、2の桁構造体モデル20、30への曲げ荷重の負荷方法については、集中荷重を負荷した4点曲げとした。有限要素法(FEM)による構造解析を行って、実施例1、2の桁構造体モデル20、30における軸方向の垂直歪分布と、軸方向の垂直応力分布とを求めた。
【0043】
図7は、実施例1の桁構造体モデル20の解析結果を示すグラフであり、
図7(a)は、垂直歪分布を示すグラフであり、
図7(b)は、垂直応力分布を示すグラフである。
図7(a)のグラフにおいて、横軸に垂直歪を取り、縦軸に桁構造体モデル20の高さ方向の位置を取り、桁構造体モデル20の高さ方向の各位置に対する垂直歪を白丸で示している。
図7(b)のグラフにおいて、横軸に垂直応力を取り、縦軸に桁構造体モデル20の高さ方向の位置を取り、桁構造体モデル20の高さ方向の各位置に対する垂直応力を白丸で示している。また、桁構造体モデル20の高さ方向の位置については、CFRP部材24の外縁(フランジ24aの外面)を0mmとし、鋼部材22の外縁(フランジ22aの外面)を100mmとしている。なお、垂直歪及び垂直応力において、正が引張側を表しており、負が圧縮側を表している。
【0044】
実施例1の桁構造体モデル20では、鋼部材22とCFRP部材24との接合部26の位置で垂直歪と垂直応力とがゼロになった。縦弾性係数が大きい方の鋼部材22には圧縮応力が作用し、縦弾性係数が小さい方のCFRP部材24には引張応力が作用し、鋼部材22に作用する引張応力と、CFRP部材24に作用する圧縮応力とは、略ゼロであった。鋼部材22及びCFRP部材24において、各部材の外縁に作用する応力が最大応力となった。また、鋼部材22に作用する縁応力の大きさと、CFRP部材24に作用する縁応力の大きさとは、略同じになった。このように実施例1の桁構造体モデル20では、曲げ荷重が負荷された桁構造体モデル20において、鋼部材22及びCFRP部材24を有効に機能させることができた。
【0045】
図8は、実施例2の桁構造体モデル30の解析結果を示すグラフであり、
図8(a)は、垂直歪分布を示すグラフであり、
図8(b)は、垂直応力分布を示すグラフである。
図8(a)のグラフにおいて、横軸に垂直歪を取り、縦軸に桁構造体モデル30の高さ方向の位置を取り、桁構造体モデル30の高さ方向の各位置に対する垂直歪を白丸で示している。
図8(b)のグラフにおいて、横軸に垂直応力を取り、縦軸に桁構造体モデル30の高さ方向の位置を取り、桁構造体モデル30の高さ方向の各位置に対する垂直応力を白丸で示している。また、桁構造体モデル30の高さ方向の位置については、CFRP部材34の外縁(フランジ34aの外面)を0mmとし、鋼部材32の外縁(フランジ32aの外面)を100mmとしている。なお、垂直歪及び垂直応力において、正が引張側を表しており、負が圧縮側を表している。
【0046】
実施例2の桁構造体モデル30では、鋼部材32に圧縮応力と引張応力とが作用し、CFRP部材34に引張応力が作用した。鋼部材32に作用する引張応力は、接合部36の位置で最も大きくなり、CFRP部材34の最大引張応力である縁応力よりも大きくなった。実施例2の桁構造体モデル30では、接合部36の位置と、中立軸の位置とのズレ量が、鋼部材32とCFRP部材34とを合わせた高さ(100mm)の1/4より大きく、接合部36は、中立軸の近傍ではなく、中立軸から離れたところに位置している。このため、鋼部材32の引張歪が相対的に大きくなり、鋼部材32に作用する引張応力も相対的に大きくなった。その結果、縦弾性係数が大きい方の引張特性に劣る鋼部材32が負担する引張応力が大きくなり、縦弾性係数が小さい方の引張特性に優れるCFRP部材34が負担する引張応力が小さくなった。これにより、曲げ荷重が負荷された実施例2の桁構造体モデル30において、実施例1の桁構造体モデル20よりも、鋼部材32の負担が大きくなると共にCFRP部材34が十分に活用されてなく、鋼部材32及びCFRP部材34が有効に機能していないことがわかった。