(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2次元領域の一部の領域に設けられた前記複数の金属片のみについて、互いに隣接する2つの金属片の間に、それぞれ前記スイッチが接続された請求項1に記載の電磁界分布調整装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の態様に係る電磁界分布調整装置、電磁界分布調整装置の制御方法、マイクロ波加熱装置は、以下の構成を備えたことを特徴とする。
【0014】
本開示の第1の態様に係る電磁界分布調整装置は、所定の2次元領域に沿って設けられた接地導体と、接地導体に沿って2次元的に周期配列された複数の金属片と、複数の金属片を接地導体にそれぞれ接続する複数の短絡導体と、を備える。
【0015】
本態様に係る電磁界分布調整装置は、複数の金属片のうちの少なくとも一部について、互いに隣接する2つの金属片の間にそれぞれ接続された複数のスイッチを有し、このスイッチの開閉に応じて、所定の動作周波数を有する電磁波に対して異なるインピーダンスを有する。
【0016】
本開示の第2の態様に係る電磁界分布調整装置は、第1の態様において、前記金属片は、一辺の長さが所定の動作周波数を有する電磁波の波長の半分未満である四角形の形状を有する。
【0017】
本開示の第3の態様に係る電磁界分布調整装置は、第1または第2の態様において、スイッチが開いているとき、スイッチに接続された金属片の近傍において実質的に無限大のインピーダンスを有し、スイッチが閉じているとき、スイッチに接続された金属片の近傍において実質的にゼロのインピーダンスを有する。
【0018】
本開示の第4の態様に係る電磁界分布調整装置は、第1〜第3のいずれか1つの態様において、2次元領域の一部の領域に設けられた複数の金属片のみについて、互いに隣接する2つの金属片の間に、それぞれスイッチが接続される。
【0019】
本開示の第5の態様に係る電磁界分布調整装置は、第1〜第4のいずれか1つの態様において、制御部からの制御信号に従って、スイッチが開閉する。
【0020】
本開示の第6の態様に係る電磁界分布調整装置は、第1〜第4のいずれか1つの態様において、スイッチの近傍に到来した電磁波により、スイッチの両端に接続された2つの金属片に予め決められた第1のしきい値よりも大きな電位差が生じたとき、スイッチが開状態から閉状態に切り換えられるように構成されたものである。
【0021】
本開示の第7の態様に係るマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生するマイクロ波発生器と、発生したマイクロ波を加熱室に導く導波管と、加熱室の内面の少なくとも一部の領域に設けられた、第1〜第6のいずれか1つの態様に係る少なくとも1つの電磁界分布調整装置と、を備える。
【0022】
本開示の第8の態様に係るマイクロ波加熱装置は、第7の態様において、加熱室の内面が実質的に多面体であり、多面体の少なくとも1つの面の少なくとも一部の領域に、電磁界分布調整装置が設けられる。
【0023】
本開示の第9の態様に係るマイクロ波加熱装置は、第7または第8の態様において、電磁界分布調整装置が、加熱室の内面に着脱可能に設けられる。
【0024】
本開示の第10の態様に係るマイクロ波加熱装置は、第7〜第9のいずれか1つの態様において、電磁界分布調整装置が、加熱室の内面の複数の領域にわたって移動可能に設けられる。
【0025】
本開示の第11の態様に係るマイクロ波加熱装置は、第7〜第10のいずれか1つの態様において、電磁界分布調整装置が、加熱室の内面の領域であって、被加熱物に近接した領域に設けられる。
【0026】
本開示の第12の態様に係るマイクロ波加熱装置は、第7〜第10のいずれか1つの態様において、電磁界分布調整装置が、加熱室の内面の領域であって、導波管の開口の近傍の領域に設けられる。
【0027】
本開示の第13の態様に係る電磁界分布調整装置の制御方法は、第1の態様に係る電磁界分布調整装置の制御方法であって、所定の動作周波数を有する電磁波に対するインピーダンスを、スイッチの切り換えにより変化させるステップを含む。
【0028】
本開示によれば、電磁界分布調整装置が、スイッチが開いているときは、メタマテリアルの特性により実質的に無限大のインピーダンスを有する磁気壁として機能し、スイッチが閉じているときは、実質的にゼロのインピーダンスを有する連続した導体板として機能する。
【0029】
このように、電磁界分布調整装置のインピーダンスを変化させることで、近傍の定在波の位置を移動させ、マイクロ波加熱するときに生じる被加熱物の加熱むらを低減することができる。
【0030】
本開示によれば、スイッチの開閉を制御部から制御することで、加熱室内の定在波分布を意図的に切りかえて、マイクロ波加熱するときに生じる被加熱物の加熱むらを低減することができる。
【0031】
本開示によれば、スイッチの両端の電位差によりスイッチが開閉することで、電磁界が強い部分(従って、近接した領域間に大きな強度差がある部分)では自動的にスイッチが閉じて、定在波の節を生じさせ、電磁界(すなわち加熱の強さ)を弱くする。
【0032】
逆に、電磁界が弱い部分では自動的にスイッチが開き、定在波の腹を生じさせ、電磁界を強くする。このように、電磁界分布の強弱を自動的に抑制し、マイクロ波加熱するときに生じる被加熱物の加熱むらを低減することができる。
【0033】
本開示によれば、一部の金属片のみをスイッチにより接続することにより、インピーダンスを変化させて加熱むらを抑制する領域と、意図的に加熱を強くする領域とを設けることにより、多種多様な被加熱物に合わせた加熱を行うことができる。
【0034】
本開示によれば、電磁界分布調整装置を、被加熱物を載置する領域など、必要な場所にのみ設けることで、より安価かつ効果的に加熱むらを低減することができる。
【0035】
本開示のマイクロ波加熱装置によれば、電磁界分布調整装置を加熱室内の複数の領域に設けることで、加熱室全体で定在波分布を変化させることができ、より効果的に加熱むらを低減することができる。
【0036】
本開示のマイクロ波加熱装置によれば、電磁界分布調整装置を着脱可能または移動可能に設けることにより、電磁界分布調整装置を必要なときに必要な場所で使用し、より安価かつ効果的に加熱むらを低減することができる。
【0037】
本開示のマイクロ波加熱装置によれば、電磁界分布調整装置が近傍の定在波分布を変化させるので、電磁界分布調整装置を被加熱物に近接した領域に設けることで、加熱むらを改善する効果が得やすくなる。
【0038】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本開示が限定されるものではない。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る電磁界分布調整装置5を備えたマイクロ波加熱装置1の構成を示す斜視図である。
【0040】
図2は、
図1の2−2線における断面図である。マイクロ波加熱装置1は、被加熱物6を収納する加熱室2と、マイクロ波を発生するマグネトロンなどのマイクロ波発生器3と、発生したマイクロ波を加熱室2に導く導波管4と、少なくとも1つの電磁界分布調整装置5とを備えた例えば電子レンジである。
【0041】
電磁界分布調整装置5は、加熱室2の内面の少なくとも一部の領域に設けられる。電磁界分布調整装置5は、例えば加熱室2の底面に設けられてもよい。この場合、被加熱物6は電磁界分布調整装置5上に配置される。
【0042】
電磁界分布調整装置5は、加熱室2の内側を向いた面におけるインピーダンスを変化させ、その近傍の電磁界分布(すなわち定在波分布)を変化させる。電磁界分布調整装置5の近傍の電磁界分布が変化することにより、被加熱物6の温度上昇の分布も変化し、被加熱物の全体を均一に加熱することができる。
【0043】
例えば、加熱室2の内面は実質的に多面体であり、電磁界分布調整装置5は、多面体の少なくとも1つの面に設けられる。電磁界分布調整装置5は、加熱室2の内面に着脱可能に設けられてもよい。電磁界分布調整装置5は、加熱室2の内面の複数の領域にわたって移動可能に設けられてもよい。
【0044】
電磁界分布調整装置5は、例えば、加熱室2の内面の領域であって、被加熱物6に近接した領域に設けられる。電磁界分布調整装置5は、その近傍の定在波分布を変化させるので、被加熱物6の近くに設けると、加熱むらを改善する効果が得やすい。
【0045】
図1等では、図示の簡単化のために、加熱室2の手前の面を除去して、加熱室2内の電磁界分布調整装置5および被加熱物6などを示す。
【0046】
図3は、
図1の電磁界分布調整装置5の構成を示す上面図である。
図4は、
図1の電磁界分布調整装置5の詳細構成を示す斜視図である。
【0047】
電磁界分布調整装置5は、所定の2次元領域において2次元的に周期配列され、それぞれ接地された複数の金属片11と、複数の金属片11のうちの互いに隣接する2つの金属片11の間にそれぞれ設けられた複数のスイッチ12とを備える。金属片11は、一辺が、例えば、マイクロ波加熱のための動作周波数を有する電磁波の波長の半分未満の長さを有する四角形の金属平板である。
【0048】
金属片11を接地するために、電磁界分布調整装置5は、例えば、2次元領域に沿って設けられた接地導体14と、複数の金属片11を接地導体14にそれぞれ接続する複数の短絡導体13とをさらに備える。
【0049】
金属片11および短絡導体13の組み合わせは、マッシュルーム(Mushroom)構造のユニットセル(Unit cell)と呼ばれる。このユニットセルが多数、接地導体14上の2次元領域において縦および横方向に周期配列され、メタマテリアル(Meta-material)を構成する。ここで、周期配列とは、複数個の同一の構造体を、一定周期、つまり等間隔に配置することを意味する。
【0050】
スイッチ12が開いているとき、マイクロ波加熱のための動作周波数を有する電磁波に対して電磁界分布調整装置5が磁気壁として機能するように、金属片11の一辺の長さおよび短絡導体13の高さなどの寸法が設計される。
【0051】
上記のように、電磁界分布調整装置5は、マイクロ波加熱のための動作周波数を有する電磁波に対して、スイッチ12の開閉に応じて異なるインピーダンスを提供する2次元領域となる。
【0052】
図5は、
図3に示すスイッチ12を閉じたときの電磁界分布調整装置5の近傍の電界分布E1を示す図である。
図6は、
図3におけるスイッチ12を開いたときの電磁界分布調整装置5の近傍の電界分布E2を示す図である。
【0053】
スイッチ12が閉じているとき、複数の金属片11は互いに接続され、接地導体と電気的に接続された1つの導体板として機能する。電磁界分布調整装置5は、スイッチ12に接続された複数の金属片11の近傍において実質的にゼロのインピーダンスを有する。すなわち、複数の金属片11がスイッチ12を介して短絡され、それらの間に電流が流れることが可能となる。
【0054】
この場合、閉じたスイッチと、このスイッチにより短絡される隣り合う2つの金属片とを含む平面が、短絡面(Short-circuit plane)として機能する。電磁波は短絡面で反射され、その短絡面、すなわち、金属片11の表面に節(Node)が生じる定在波(Standing wave)となる。
【0055】
一方、スイッチ12が開いているとき、電磁界分布調整装置5は、個々のマッシュルーム型ユニットセルが周期配列されたメタマテリアルを形成する。そのため、電磁界分布調整装置5は、設計通り磁気壁として機能し、スイッチ12により開放された金属片11の近傍において実質的に無限大のインピーダンスを有する。隣接する金属片11の間が開放されるため、その間に電流は流れない。
【0056】
スイッチ12が開いても、隣り合う2つの金属片は、短絡導体13と接地導体14とを介して接続されているため、直流電流であれば両者間を流れる。
【0057】
しかしながら、スイッチ12が開いているとき、金属片11および短絡導体13の寸法のため、電磁波は、隣り合う2つの金属片の間を伝播することができない。その結果、隣り合う2つの金属片を含む平面が開放面(Open plane)として機能する。
【0058】
電磁波は開放面で反射され、その開放面、すなわち、金属片11の表面に腹(Antinode)が生じる定在波となる。このように、電磁界分布調整装置5のインピーダンスを変化させることにより、近傍の電界の定在波の節および腹の位置を移動させることができる。
【0059】
図7は、
図4に示すスイッチ12の一例を示す回路図である。
図7に示すように、スイッチ12は、例えば、ツェナーダイオード(D1、D2)などの降伏電圧特性を有する素子であってもよい。
【0060】
スイッチ12が降伏電圧特性を有する素子である場合、スイッチ12の近傍に到来した電磁波により、スイッチ12の両端に接続された2つの金属片11に予め決められたしきい値(降伏電圧)よりも大きな電位差が生じたとき、スイッチ12が開状態から閉状態に切り換えられる。
【0061】
従って、電磁界分布調整装置5は、電磁界が強い部分において自動的にインピーダンスを実質的にゼロに切り換えることで、この部分に定在波の節を生じさせ、電磁界を弱める。これにより、加熱むらを自動的に抑制することができる。
【0062】
スイッチ12は、例えば、PINダイオードなどの他の素子であってもよい。
【0063】
図1に示すマイクロ波加熱装置1によれば、電磁界分布調整装置5のインピーダンスを変化させることにより、加熱室2内に生じる定在波の位置を移動させることができる。
【0064】
例えば、電磁界分布調整装置5のインピーダンスを実質的にゼロと実質的に無限大との間で変化させて、電磁界分布調整装置5の近傍に定在波の腹または節を選択的に生じさせることができる。これにより、マイクロ波加熱するときに生じる被加熱物6の加熱むらを低減することができる。
【0065】
図8は、実施の形態1の変形例に係る電磁界分布調整装置5Aの構成を示す上面図である。
図3に示す電磁界分布調整装置5とは異なり、隣接する金属片11の間の必ずしもすべてに、スイッチ12が設けられなくてもよい。
【0066】
図8に示す電磁界分布調整装置5Aでは、2次元領域において2次元的に周期配列された複数の金属片11のうち、一部の金属片11のみがスイッチ12により接続されている。スイッチ12は、2次元領域の一部の領域に設けられた複数の金属片11のうちの互いに隣接する2つの金属片11の間にそれぞれ接続されている。
【0067】
冷凍された食品の解凍などのように、被加熱物6の周囲は加熱されやすく、中心部分は加熱されにくい調理では、被加熱物6の内側を意図的に強く加熱することが望まれる。
【0068】
この場合、電磁界分布調整装置5Aにおいて、被加熱物6の中心部分に近接する部分にはスイッチ12を設けず、常に磁気壁として機能させることで、被加熱物6の中央を強く加熱する電磁界分布を作り出すことができる。
【0069】
金属片11は、金属平板に限定されず、所定の2次元領域において2次元的に周期配列できるのであれば、任意の形状であってもよい。
【0070】
接地導体14は、
図3に示すような導体板に限定されず、金属片11を接地できるのであれば、任意の形状であってもよい。例えばメッシュ(Mesh)状の接地導体14を用いる場合には、メッシュの開口は、電磁波が通過しない大きさに形成される。
【0071】
また、短絡導体13は、
図4に示すような柱状の形状に限定されず、金属片11を接地できるのであれば、任意の形状であってもよい。
【0072】
金属片11は、誘電体基板上の導体パターンとして形成され、誘電体基板によって支持されてもよい。
【0073】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に係る電磁界分布調整装置5Bを備えたマイクロ波加熱装置1Bの構成を示す斜視図である。
【0074】
図9に示すマイクロ波加熱装置1Bは、
図1に示す電磁界分布調整装置5に代えて、外部からの制御信号に従って変化するインピーダンスを有する電磁界分布調整装置5Bを備える。マイクロ波加熱装置1Bは、電磁界分布調整装置5Bのための制御信号を発生する制御部21と、加熱室2の内部の温度を検出する温度センサ22とをさらに備える。
【0075】
電磁界分布調整装置5Bは、
図3および
図4に示す電磁界分布調整装置5と同様に、金属片11と短絡導体13とを含むマッシュルーム型ユニットセルが多数、接地導体14上の2次元領域において縦および横方向に周期配列されて構成される。電磁界分布調整装置5Bには、複数の金属片11のうちの少なくとも一部について、
図10に示すスイッチ12Bが設けられる。
【0076】
図10は、スイッチ12Bの一例を示す回路図である。スイッチ12Bは、制御部21からの制御信号に従って開閉する、例えばトランジスタである。スイッチ12Bの開閉を制御することで、電磁界分布調整装置5Bのインピーダンスを変化させ、その近傍の電磁界分布を変化させる。
【0077】
制御部21は、複数のスイッチ12Bのうちの少なくとも一部を周期的に開閉してもよい。制御部21は、複数の金属片11のうちの少なくとも一部の金属片11の近傍における温度がしきい値を超えたとき、少なくとも一部の金属片11に接続されたスイッチ12Bを閉状態から開状態に切り換えてもよい。
【0078】
制御部21は、複数の金属片11のうちの少なくとも一部の金属片11の近傍における温度が別のしきい値未満になったとき、少なくとも一部の金属片11に接続されたスイッチ12Bを開状態から閉状態に切り換えてもよい。
【0079】
制御部21は、
図3に示すスイッチ12と同様に、すべての隣接する金属片11の間にスイッチ12Bが設けられたとき、
図8に示すように、被加熱物6の中央に近接する部分のスイッチ12Bを常に開いてもよい。これにより、
図8に示す電磁界分布調整装置5Aと同様に、被加熱物6の中心部分を強く加熱する電磁界分布を作り出すことができる。
【0080】
制御部21は、電磁界分布調整装置5B上の第1の領域(例えば、加熱室2内の左側に近接する領域)のスイッチを開き、電磁界分布調整装置5B上の第2の領域(例えば、加熱室2内の右側に近接する領域)のスイッチを閉じることにより、領域ごとに異なる強さで被加熱物6を加熱してもよい。
【0081】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係る電磁界分布調整装置5Cを備えたマイクロ波加熱装置1Cの構成を示す斜視図である。
【0082】
図11に示すマイクロ波加熱装置1Cは、
図1に示す電磁界分布調整装置5に代えて、電磁界分布調整装置5Cを備える。電磁界分布調整装置5Cは、
図3および
図4に示す電磁界分布調整装置5と同様の構成を有する。
【0083】
加熱室2の内面は実質的に多面体であり、電磁界分布調整装置5Cは、多面体の少なくとも1つの面の少なくとも一部の領域に設けられる。電磁界分布調整装置5Cは、加熱室2の内面に着脱可能に設けられてもよい。電磁界分布調整装置5Cは、加熱室2の内面の複数の領域にわたって移動可能に設けられてもよい。
【0084】
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4に係る電磁界分布調整装置5Dを備えたマイクロ波加熱装置1Dの構成を示す斜視図である。
図12に示すマイクロ波加熱装置1Dは、
図1に示す電磁界分布調整装置5に代えて、電磁界分布調整装置5−1、5−2)を含む電磁界分布調整装置5Dを備える。電磁界分布調整装置5−1、5−2はいずれも、
図3、
図4に示す電磁界分布調整装置5と同様の構成を有する。
【0085】
加熱室2の内面は実質的に多面体であり、電磁界分布調整装置5−1、5−2は、多面体の複数の面に設けられる。本実施の形態によれば、加熱室2内の複数の面に電磁界分布調整装置5−1、5−2を設けることで、さまざまな方向の定在波分布を変化させることができる。
【0086】
(実施の形態5)
図13は、実施の形態5に係る電磁界分布調整装置5Eを備えたマイクロ波加熱装置1Eの構成を示す断面図である。
【0087】
図13に示すように、マイクロ波加熱装置1Eは、
図1に示す電磁界分布調整装置5に代えて、加熱室2の内面の領域であって、導波管4の開口の近傍の領域に設けられた電磁界分布調整装置5Eを備える。電磁界分布調整装置5Eは、
図3および
図4に示す電磁界分布調整装置5と同様の構成を有する。
【0088】
本実施の形態によれば、電磁界分布調整装置5Eを導波管4の開口の近傍に設けたことで、電磁界分布調整装置5Eの近傍の電磁界分布を良好に変化させることができる。
【0089】
図14は、実施の形態5の第1の変形例に係る電磁界分布調整装置5Fを備えたマイクロ波加熱装置1Fの構成を示す断面図である。
【0090】
図14に示すように、マイクロ波加熱装置1Fは、
図13に示す電磁界分布調整装置5Eに代えて、電磁界分布調整装置5Fを備える。電磁界分布調整装置5Fは、
図3および
図4に示す電磁界分布調整装置5と同様の構成を有する。
【0091】
マイクロ波加熱装置1Fにおいて、導波管4の開口は加熱室2の底面に設けられる。本実施の形態によれば、電磁界分布調整装置5Fを導波管4の開口の近傍に設けたことで、電磁界分布調整装置5Fの近傍の電磁界分布を良好に変化させることができる。
【0092】
図15は、実施の形態5の第2の変形例に係る電磁界分布調整装置5Gを備えたマイクロ波加熱装置1Gの構成を示す断面図である。
【0093】
図15に示すように、マイクロ波加熱装置1Gは、
図13に示す電磁界分布調整装置5Eに代えて、電磁界分布調整装置5Gを備える。電磁界分布調整装置5Gは、
図3および
図4に示す電磁界分布調整装置5と同様の構成を有する。
【0094】
マイクロ波加熱装置1Gにおいて、導波管4の開口は加熱室2の天井に設けられる。本実施の形態によれば、電磁界分布調整装置5Gを導波管4の開口の近傍に設けたことで、電磁界分布調整装置5Gの近傍の電磁界分布を良好に変化させることができる。