(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押付力変更手段が前記挟込領域形成部材と前記回転体と間の押付力を変更することに連係して、前記案内部材が前記挟込領域に向けて記録媒体を案内する角度を変更する角度変更手段をさらに有する請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、回転体と挟込領域形成部材との押付力の変更に伴って生じる案内部材から挟込領域までの距離の変化を抑制することができる画像形成装置及び定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、像を形成する像形成部と、前記像形成部によって形成された像が転写された記録媒体に接触した状態で回転する回転体と、前記回転体との間に記録媒体が挟み込まれる挟込領域を形成する挟込領域形成部材と、前記挟込領域に向けて記録媒体を案内する案内部材と、前記挟込領域形成部材と前記回転体と間の押付力を変更する押付力変更手段と、前記押付力変更手段による押付力の変更と連係して、記録媒体が搬送される方向である搬送方向における前記案内部材の位置を変更する位置変更手段と、を有する画像形成装置である。
【0008】
請求項2に係る本発明は、前記位置変更手段は、前記押付力変更手段による押付力の増加と連係して、前記案内部材を前記挟込領域から離れる側に移動させる請求項1記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項3に係る本発明は、前記位置変更手段は、前記押付力変更手段による押付力の減少と連係して、前記案内部材を前記挟込領域に近づく側に移動させる請求項1又は2記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項4に係る本発明は、前記位置変更手段は、前記案内部材を回転可能に支持する第一の支持部と、前記案内部材を前記搬送方向に移動することができるように支持する第二の支持部と、を有し、前記案内部材は、前記第一の支持部が移動することにより、前記前記第二の支持部に案内されるようにして記録媒体が搬送される方向である搬送方向に移動する請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項5に係る本発明は、前記押付力変更手段は、前記挟込領域形成部材と前記回転体と間の押付力を変更するように移動する移動部材を有し、前記位置変更手段は、前記第一の支持部と前記移動部材とを連結する連結部材をさらに有する請求項4記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記押付力変更手段が前記挟込領域形成部材と前記回転体と間の押付力を変更することに連係して、前記案内部材が前記挟込領域に向けて記録媒体を案内する角度を変更する角度変更手段をさらに有する請求項1乃至5いずれか記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項7に係る本発明は、像形成部によって形成された像が転写された記録媒体に接触した状態で回転する回転体と、前記回転体との間に記録媒体が挟み込まれる挟込領域を形成する挟込領域形成部材と、前記挟込領域に向けて記録媒体を案内する案内部材と、前記挟込領域形成部材と前記回転体と間の押付力を変更する押付力変更手段と、前記押付力変更手段による押付力の変更と連係して、記録媒体が搬送される方向である搬送方向における前記案内部材の位置を変更する位置変更手段と、を有する定着装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、案内部材が記録媒体の搬送方向に移動をしない画像形成装置と比較して、回転体と挟込領域形成部材との押付力の変更に伴って生じる案内部材から挟込領域までの距離の変化を抑制することができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によれば、回転体と挟込領域形成部材との押付力の増加に伴う案内部材から挟込領域までの距離の減少を抑制することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、回転体と挟込領域形成部材との押付力の減少に伴う案内部材から挟込領域までの距離の増加を抑制することができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によれば、記録媒体の搬送方向に移動することができるように案内部材を支持する支持部と、移動部材を回転可能に支持しつつ移動する支持部との双方を有しない画像形成装置と比較して、案内部材の位置を変更させる機構を簡単にすることができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によれば、連結部材によって移動部材に連結された第一の支持部が移動部材に連動して移動するため、移動部材を移動させる駆動源とは別の第一の支持部を移動させるための駆動源を不要とすることができる。
【0019】
請求項6に係る本発明によれば、回転体と挟込領域形成部材との押付力が変更されることで案内部材から挟込領域への角度が変更されることに伴って生じる案内部材から挟込領域までの距離の変化を抑制することができる。
【0020】
請求項7に係る本発明によれば、案内部材が記録媒体の搬送方向に移動をしない定着装置と比較して、回転体と挟込領域形成部材との押付力の変更に伴って生じる案内部材から挟込領域までの距離の変化を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。
図1に示すように、画像形成装置10は画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12には、記録媒体として用いられている用紙を排出する排出口14が形成されている。
【0023】
画像形成装置本体12内には、用紙を搬送するための搬送路700が形成されている。また、画像形成装置本体12内には、搬送路700に沿って用紙搬送方向における上流側から順に、給紙装置600と、給紙装置620と、トナー像を形成する像形成部100と、像形成部100によって形成されたトナー像を用紙に転写する転写部材134と、転写部材134によって用紙に転写されたトナー像を用紙に定着する定着装置300とが配置されている。
【0024】
給紙装置600は、用紙を収納する用紙収納部602と、用紙収納部602に収納された用紙中における最上位に位置する用紙を搬送路700へと送り出す送出装置604とを有し、給紙装置620は、用紙を収納する用紙収納部622と、用紙収納部622に収納された用紙中における最上位に位置する用紙を搬送路700へと送り出す送出装置624とを有する。
【0025】
用紙収納部602と用紙収納部622とには、異なる種類や大きさの用紙を収納することができる。用紙収納部602には普通紙が収納されていて、用紙収納部622には普通紙よりも厚さが厚い用紙である厚紙が収納されているものとして、以下、説明をする。例えば、厚さが異なる等のように用紙の種類が異なる場合は、定着装置300によりトナー像を用紙に定着する際の条件である定着条件を異なるものとすることが望ましい。
【0026】
像形成部100は、像保持体として用いられている感光体ドラム112と、感光体ドラム112の表面を帯電させる帯電装置114と、帯電装置114により帯電された感光体ドラム112の表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成装置116と、潜像形成装置116によって感光体ドラム112の表面に形成された潜像をトナーを用いて現像する現像装置118と、用紙に対してトナー像が転写された後の感光体ドラム112の表面を清掃する清掃装置122とを有する。
【0027】
定着装置300は、用紙に転写されたトナー像を用紙に定着させる装置である。定着装置300の詳細は後述する。
【0028】
また、画像形成装置本体12の前側(
図1における紙面の手前側)には、画像形成装置10を操作する操作手段として用いられている操作パネル800が装着されている。操作者が操作パネル800を操作することにより、例えば、用紙収納部602に収納されている普通紙を用いるのか、用紙収納部622に収納されている厚紙を用いるのか等の入力がなされる。
【0029】
図2には定着装置300が示されている。
図2に示されているように、定着装置300は加熱ロール310を有する。加熱ロール310は、像形成部100(
図1を参照)によって形成されたトナー像が転写された用紙に接触した状態で回転する回転体として用いられている。また、加熱ロール310は、中空部を有する円筒形状であって、中空部に、例えばハロゲンランプ等の熱源314が配置されている。加熱ロール310の表面は、例えば金属製であり、例えは、金属の表面に離型剤が塗布されている。また、加熱ロール310は、
図2に示す矢印a方向に回転する。
【0030】
定着装置300は、加圧ロール330をさらに有する。加圧ロール330は、加熱ロール310に接触し、加熱ロール310との間に用紙が挟み込まれる挟込領域であるニップ部Nを形成する挟込領域形成部材として用いられている。加圧ロール330は、例えば加熱ロール310に従動する等の構成により、
図2に示されている矢印b方向に回転する。
【0031】
また、加圧ロール330は、芯金部332と、芯金部332を覆う表面部334とを有する。表面部334は、例えばゴム製であり、例えば金属製である加熱ロール310の表面よりも柔らかい材料からなる。このため、加熱ロール310と加圧ロール330とが互いに押し付けられると、表面部334内に加熱ロール310が押し込まれるように表面部334が変形する。
【0032】
また、加圧ロール330は、軸336に対して回転することができるように、前側(
図2のおける紙面の手前側)と後側(
図2における紙面の奥側)にそれぞれに配置されている2つの軸受338によって軸336によって軸336に対して装着されている。尚、
図2には、2つの軸受338のうち前側に配置されている軸受338のみが示されている。
【0033】
定着装置300は、案内板350をさらに有する。案内板350は、ニップ部Nに用紙を案内する案内部材として用いられている。より具体的には、案内板350は、像形成部100(
図1を参照)で形成されたトナー像が上側の面に転写された用紙を、下側から支えつつニップ部Nへと案内する。
【0034】
定着装置300は、押付力変更機構400をさらに有する。押付力変更機構400は、加圧ロール330と加熱ロール310との間の押付力、すなわち加圧ロール330と加熱ロール310とが互いに押し付けられる力を変更する変更手段として用いられていて、前側と後側とにそれぞれに配置されている2つの第一側板410を有する。尚、
図2には、2つの第一側板410のうち前側に配置されている第一側板410だけが示されている。
【0035】
第一側板410は、軸336が第一側板410に対して移動しないように、それぞれが、軸336を支持している。より具体的には、第一側板410には、軸336を支持するための溝418が形成されていて、溝418に軸318に嵌まり込み、固定されている。また、第一側板410は、回転軸412を中心として回転をすることができるように、それぞれが軸部材414によって支持されている。軸部材414は、例えば定着装置300の外壁を形成するケース(不図示)に対して固定されている。
【0036】
押付力変更機構400は、前側と後側とにそれぞれに配置されている2つの第二側板420をさらに有する。尚、
図2には、2つの第二側板420のうち前側に配置されている第二側板420だけが示されている。第二側板420は、加圧ロール330と加熱ロール310との間の押付力を変更するように移動する移動部材として用いられている。第二側板420は、第一側板410と同様にそれぞれが回転軸412を中心として回転することができるように軸部材414に支持されている。また、第二側板420は、例えば右側に伸びる腕部422をそれぞれに有し、腕部422には、それぞれにコロ部材424が例えば回転することができるように装着されている。
【0037】
押付力変更機構400は、前側と後側とにそれぞれに配置されている2つの連結部材440をさらに有する。尚、
図2には、2つの連結部材440のうち前側に配置されている連結部材440のみが示されている。連結部材440は、それぞれが棒状の部材であり、下端部が第二側板420に対して接触するように装着されている。また、連結部材440の上端部は、第一側板410に形成された貫通孔416をそれぞれに上方へと貫通していて、貫通孔416から上方へと貫通した部分には、抜け防止部442がそれぞれに形成されている。抜け防止部442は、第一側板410が連結部材440から飛び出してしまうことを防止している。連結部材440には、コイルスプリング装着部444がそれぞれに取り付けられている。コイルスプリング装着部444には、後述するコイルスプリング450の下端部がそれぞれに接触するように装着されている。
【0038】
押付力変更機構400は、前側と後側とにそれぞれに配置されている2つのコイルスプリング450をさらに有する。尚、
図2には、2つのコイルスプリング450のうち前側に配置されているコイルスプリング450だけが示されている。コイルスプリング450は、第一側板410と加圧ロール330とを、一体として加熱ロール310側に付勢する付勢手段としてそれぞれが用いられている。コイルスプリング450は、下端部がコイルスプリング装着部444にそれぞれに装着されていて、上端部が、第一側板410の下向きの面にそれぞれに接触している。
【0039】
押付力変更機構400は、前側と後側とにそれぞれに配置されている2つのカム部材460をさらに有する。尚、
図2には、2つのカム部材460のうち前側に配置されているカム部材460だけが示されている。2つのカム部材460は、位相が一致するように軸部材464に装着されていて、2つのカム部材460と軸部材464とが回転軸462を中心として一体として回転するように支持されている。
【0040】
軸部材464は、駆動伝達機構472を介して駆動源として用いられている押付力変更用モータ470に連結されている。そして、押付力変更用モータ470からの伝達されることで、2つのカム部材460と一体として軸部材464が回転する。カム部材460は、それぞれがコロ部材424に接触していて、それぞれがコロ部材424を押圧する。
【0041】
以上のように構成された定着装置300においては、押付力変更用モータ470から駆動が伝達されることで軸部材464一体としてカム部材460が回転をすると、カム部材460に接触しているコロ部材424か装着されている第二側板420が回転軸412を中心として回転するように移動し、第二側板420が移動をすることで、第二側板420に下端部が接触装着されている連結部材440に取り付けられているコイルスプリング装着部444に接触装着されているコイルスプリング450が第一側板410を押し上げることにより、第一側板410は回転軸412を中心として回転するように移動する。
【0042】
また、カム部材460により第二側板420の移動量が変わることで第二側板420に下端部が接触装着されている連結部材440に取り付けられているコイルスプリング装着部444の移動量が変わり、第一側板410の下向きの面に上端部が接触しているコイルスプリング450の長さが変化し、コイルスプリング450の長さが変化することで、コイルスプリング450によって加圧ロール330が加熱ロール310に対して押し付けられる力が変化する。以上のようにして、押付力変更機構400は、加圧ロール330と加熱ロール310との間の押付力を変更する。
【0043】
定着装置300は、位置変更機構500をさらに有する。位置変更機構500は、加圧ロール330と加熱ロール310との間の押付力を押付力変更機構400が変更することに連係して、
図2に矢印cで示す用紙が搬送される方向である搬送方向における案内板350の位置を変更する位置変更手段として用いられている。
【0044】
位置変更機構500は、第一支持軸510を有する。第一支持軸510は、案内板350を回転軸512を中心に回転可能に支持していて、第一の支持部として用いられている。
【0045】
位置変更機構500は、前側と後側とにそれぞれに配置されている2つの第二支持軸520をさらに有する。第二支持軸520は、それぞれが案内板350を用紙が搬送される搬送方向に移動をすることができるように支持する第二の支持部として用いられている。尚、
図2には、2つの第二支持軸520のうち前側に配置されている第二支持軸520のみが示されている。
【0046】
前側に配置されている第二支持軸520は、前側に位置する第二側板420の前側の面に前側へと突出するように装着されていて、案内板350の前側に形成されている長孔354に挿入されている。長孔354は、矢印cで示す用紙が搬送される方向と略平行になるように形成されている。後側に配置されている第二支持軸520(不図示)は、後側に位置する第二側板420(不図示)の後側の面に後側へと突出するように装着されていて、案内板350の後側に形成されている長孔354(不図示)に挿入されている。後側に形成されている長孔354は、矢印cで示す用紙が搬送される方向と略平行になるように形成されている。
【0047】
位置変更機構500は、前側と後側とにそれぞれに配置されている2つの連結部材530をさらに有する。尚、
図2には、2つの連結部材530のうち前側に配置されている連結部材530のみが示されている。連結部材530は、それぞれが第一支持軸510と第二側板420とを連結している。すなわち、連結部材530の上端部側に第一支持軸510が装着されていて、連結部材530の下端部側が、第二側板420に対して回転することができるように軸部材532を用いて第二側板420と連結されている。
【0048】
また、連結部材530は、軸部材534により回転軸536を中心に回転することができるように、それぞれに支持されている。軸部材534は、例えば、定着装置300の外壁を形成するケース(不図示)に対して固定されている。
【0049】
以上のように構成された位置変更機構500においては、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を変更するように押付力変更機構400作動し、押付力変更機構400の第二側板420が移動すると、これに連係し、第二側板420に連結されている連結部材530が回転軸536を中心に回転するようにして移動する。そして、連結部材530が移動をすると、連結部材530に装着されている第一支持軸510が移動し、第一支持軸510が移動をすることにより、第一支持軸510に支持されている案内板350が第二支持軸520に案内されるようにして用紙の搬送方向に移動する。
【0050】
以上で説明をした位置変更機構500は、押付力変更機構400が加熱ロール310と加圧ロール330の間の押付力を変更することに連係して、案内板350の用紙搬送方向における位置を変更するのみならず、案内板350がニップ部Nに向けて用紙を搬送する角度も変更する。すなわち、位置変更機構500は、位置変更手段してのみならず、角度変更手段としても用いられている。
【0051】
図3(a)には、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力が弱く設定された状態にある定着装置300が示されていて、
図3(b)には、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力が強く設定された状態にある定着装置300が示されている。
【0052】
図3(a)に示されている状態から、押付力を強くする場合、後述する制御回路910(
図6を参照)が、押付力変更用モータ470を制御して、カム部材460を
図3に示す矢印f1方向に回転させ、これによりコロ部材424及び第二側板420を
図3に示す矢印f2に示す方向に回転軸412を中心に回転するように移動させ、これにより第一側板410に支持された加圧ロール330を加熱ロール310に対して強い押付力で接触させる。
【0053】
また、第二側板420が矢印f2方向に回転することで、第二側板420に連結されている連結部材530を、回転軸536を中心に
図3に示す矢印f3方向に回転させるようにして移動させる。そして、連結部材530を矢印f3に回転させることにより、案内板350を
図3に示す矢印f4方向、即ちニップ部Nから離れる側に移動させる。以上で説明をした一連の動作において、位置変更機構500は、押付力変更機構400が加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を強くすることに連動して、案内板350をニップ部Nから離れる側に移動させている。
【0054】
一方、
図3(b)に示されている状態から、圧接力を弱くする場合、後述する制御回路910(
図6を参照)が、押付力変更用モータ470を制御して、カム部材460を
図3に示す矢印g1方向に回転させ、これによりコロ部材424及び第二側板420を
図3に示す矢印g2に示す方向に回転軸412を中心に回転するように移動させ、これにより第一側板410に支持された加圧ロール330を加熱ロール310に対して弱い押付力で接触させる。
【0055】
また、第二側板420が矢印g2方向に回転することで、第二側板420に連結されている連結部材530を、回転軸536を中心に
図3に示す矢印g3方向に回転させるようにして移動させる。そして、連結部材530を矢印g3に回転させることにより、案内板350を
図3に示す矢印g4方向、即ちニップ部Nに近づく側に移動させる。以上で説明をした一連の動作において、位置変更機構500は、押付力変更機構400が加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を弱くすることに連動して、案内板350をニップ部Nに近づく側に移動させている。
【0056】
図4(a)には、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押し付けられる力である押付力が弱く設定された状態における案内板350及びニップ部Nが示されていて、
図4(b)には、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力が強く設定された状態における案内板350及びニップ部Nが示されている。
【0057】
図4(a)と
図4(b)とを比較すると、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力が弱い場合のニップ部Nの幅d1は、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力が強い場合のニップ部Nの幅d2よりも狭いことが分かる。ここで、仮に案内板350が用紙の搬送方向において移動をしないとすると、押付力の強弱によるニップ部Nの幅の変化に伴って、ニップ部Nの案内板350側の端部と、案内板350のニップ部N側の端部との距離が大きく変化する。
【0058】
これに対して、この画像形成装置10によれば、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を大きくし、これによりニップ部Nの幅が大きくなる際には、案内板350はニップ部Nから遠ざかる方向である矢印f4の方向に移動し、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を小さくし、これによりニップ部Nの幅が小さくなる際には、案内板350はニップ部Nに近づく方向である矢印g4方向に移動する。このため、この画像形成装置10によれば、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押圧力を変化させ、ニップ部Nの幅が変化する場合におけるニップ部Nの案内板350側の端部と案内板350のニップ部N側の端部との距離の変化を抑制することができる。
【0059】
また、
図4に示すように、押付力変更機構400が加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を大きくすることに伴って案内板350が矢印f4で示すようニップ部Nから離れる側に移動するのと同時に、第二側板420が
図3(a)の矢印f2の方向に移動し、第二支持軸520が
図4(a)に矢印f5で示す方向に移動することで案内板350は、回転軸512(
図2を参照)を中心に
図4(a)に矢印f5で示す方向に回転し、ニップ部Nへと用紙を案内する角度を変更する。また、押付力変更機構400が加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を小さくすることに伴って案内板350が矢印g4で示すようニップ部Nに近づく側に移動するのと同時に、第二側板420が
図3(b)の矢印g2の方向に移動し、第二支持軸520が
図4(b)に矢印g5で示す方向に移動することで案内板350は、回転軸512(
図2を参照)を中心に
図4(b)に矢印g5で示す方向に回転し、ニップ部Nへと用紙を案内する角度を変更する。
【0060】
図5は、画像形成装置10が有する制御部900を示すブロック図である。
図5に示すように、制御部900は、制御回路910を有し、制御回路910に通信インターフェイス920を介して画像データが入力される。また、制御回路910には操作パネル800からの出力が入力され、制御回路910からの出力により像形成部100と押付力変更用モータ470とが制御される。
【0061】
図6は、制御部900による押付力変更機構400の制御を示すフローチャートである。
図6に示すように、一連の制御が開始されると、ステップS10において、制御回路910は操作パネル800からの入力に基づいて画像が形成される用紙が普通紙であるか否かを判別する。
【0062】
ステップS10において画像が形成される用紙が普通紙であると判別をした場合は、ステップS20において、制御回路910は押付力変更用モータ470を制御し、カム部材460の位相を調整することにより押付力変更機構400を普通紙モードとする。ここで、普通紙モードとは、押付力変更機構400に、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を弱く設定させるモードである(
図3(a)、
図4(a)を参照)。
【0063】
次のステップであるステップS30において、制御回路910は、操作パネル800からの入力に基づいて画像が形成される用紙が厚紙であるか否かを判別する。
【0064】
ステップS30において画像が形成される用紙が厚紙であると判別をした場合は、ステップS40において、制御回路910は押付力変更用モータ470を制御し、カム部材460の位相を調整することにより押付力変更機構400を厚紙モードとする。ここで、厚紙モードとは、押付力変更機構400に、加熱ロール310と加圧ロール330との間の押付力を強く設定させるモードである(
図3(a)、
図4(a)を参照)。
【0065】
次のステップであるステップS50において、制御回路910は、通信インターフェイス920を介して入力された画像データから所定枚数の用紙への画像の定着が完了したか否かを判別する。
【0066】
ステップS50で所定枚数の用紙への画像の定着が完了したとの判別した場合、ステップS60において、制御回路910は押付力変更用モータ470を制御し、カム部材460の位相を調整することにより押付力変更機構400を離間モードとする。ここで、離間モードとは、押付力変更機構400に、加熱ロール310と加圧ロール330とが互いに離間させるモードである(不図示。)
【0067】
図7には、定着装置300の変形例が示されている。先述の本発明の実施形態に係る定着装置300は、第一支持軸510と第二側板420とを連結する連結部材530(
図2を参照)を有し、第一支持軸510は第二側板420と連係して移動をした。これに対し、この変形例においては、定着装置300は連結部材530を有せず、第一支持軸510と第二側板420とは連結されていない。このため、この変形例においては、定着装置300は、第二側板420とは独立して第一支持軸510を移動せるために移動用モータ570を有している。
【0068】
より具体的には、この変形例では、定着装置300が第一支持軸510の装着されている装着板540を有し、装着板540が回転軸536を中心に回転するように軸部材534に支持されていて、軸部材534に駆動伝達機構572を介して移動用モータ570が連結されている。装着板540は、移動用モータ570からの駆動伝達を受け、回転軸536を中心として、
図7に矢印f3で示す方向と
図7に矢印g3で示す方向に回転する。以上で違いを説明した部分を除き、定着装置300の変形例の構成は、先述の本発明の実施形態に係る定着装置300と同じ構成であるため、構成が同じ部分の説明を省略する。
【0069】
図8は、定着装置として
図7に示す変形例に係る定着装置300を用いた場合の制御部900のブロック図である。この制御部900においては、制御回路910からの出力により、像形成部100と押付力変更用モータ470とともに移動用モータ570が制御される。
【0070】
より具体的には、先述の本発明の実施形態に係る画像形成装置10においては、ステップS20(
図6を参照)において、押付力変更用モータ470が制御された。これに対し、変形例に係る定着装置300を用いる場合は、ステップS20において押付力変更用モータ470が制御されることと併せて、案内板350を
図4(a)に示すニップ部Nに近い位置へと移動させるように移動用モータ570が制御回路910によって制御される。
【0071】
また、先述の本発明の実施形態に係る画像形成装置10においては、ステップS40(
図6を参照)において、押付力変更用モータ470が制御された。これに対し、変形例に係る定着装置300を用いる場合は、ステップS40において押付力変更用モータ470が制御されることと併せて、案内板350を
図4(b)に示すニップ部Nに遠い位置へと移動させるように移動用モータ570が制御回路910によって制御される。
【0072】
以上の説明においては、感光体ドラム112を1つ有し、例えば黒単色等の単色の画像を形成する画像形成装置10に対して本発明を適用する形態を説明したものの、本発明は、カラー(多色)の画像を形成する画像形成装置に対しても適用することができる。より具体的には、例えば、4個の感光体ドラムを有し、これら4個の感光体ドラムにイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像がそれぞれに形成され、これらのトナー像が中間転写体(不図示)を介して、又は直接に用紙の上で重ねられてカラーの画像を形成する画像形成装置に本発明を適用することができる。