【実施例】
【0019】
図5はこの発明に係るフローチャートである。この発明は、外筒4が回転自在のスクリュープレス1の実施例であり、外筒4が固定されているスクリュープレス1については、外筒4の回転に関するフローがないものとする。
A.初期設定
汚泥性状やスクリュープレス1の型式に応じて、スクリュープレス1の基準ろ過圧力P0を設定する。本実施例ではろ過圧力をスクリュープレス1の前段に配設している圧力計36にてリアルタイムに計測している。
また、静置中に重力によりろ過を行う静置時間、外筒4の回転速度および回転時間、スクリュー軸6の基準回転数N0、スクリュー軸6の回転数Nおよび回転時間を設定する。
さらに、ろ過圧力Pおよびスクリュー軸6の回転数Nの計測時間を設定する。
【0020】
B.原液供給
スクリュー軸6および外筒4の回転を停止した状態にて、原液供給ポンプ33から原液をスクリュープレス1に供給する。本実施例では凝集混和槽35を介して調質した原液を供給している。供給した原液の固形分はろ過室7に残留して水分は外筒4のスクリーンから透過する。原液供給を続けると、ろ過室7内で固形分が徐々に圧密されてろ過圧力Pが上昇していく。圧力計36にてろ過圧力Pを計測し、その計測値を制御装置37に送信する。
【0021】
C.ろ過圧力比較
制御装置37にて計測したろ過圧力P1と予め定めた基準ろ過圧力P0とを比較する。制御装置37で比較した結果、ろ過圧力P1が基準ろ過圧力P0より小さい(P1<P0)場合は、フローチャートのBへ移行し、原液供給ポンプ33での原液供給を継続する。
ろ過圧力P1が基準ろ過圧力P0以上(P0≦P1)に達した場合は、原液供給ポンプ33の運転を停止し、フローチャートのDへ移行する。
【0022】
D.静置
スクリュープレス1への原液供給を停止し、重力ろ過により脱水を行う。予め定めた時間だけ静置し、その間のろ過圧力を計測し、その計測値を制御装置37に送信する。
【0023】
E.ろ過圧力比較
静置後のスクリュープレス1のろ過室7内のろ過圧力P2と予め定めた基準ろ過圧力P0とを比較する。制御装置37で比較した結果、ろ過圧力P2が基準ろ過圧力P0より小さい(P2<P0)場合は、フローチャートのBへ移行し、原液供給ポンプ33での原液供給を再開する。
ろ過圧力P2が基準ろ過圧力P0以上(P0≦P2)を維持する場合は、フローチャートのFへ移行する。
【0024】
F.外筒回転
予め定めた所定の回転数で外筒4を回転し、ろ過室7内の原液の重力ろ過を促進させる。このとき、ろ過室7内で一方から圧密されている原液を供給側に搬送することで更に固液分離を促進させて圧密度を向上するための正転と、ろ過室7内のケーキを排出側に搬送することでろ過室7の供給側に空隙を生じさせる逆転を組み合わせて回転させる。外筒4は濃縮ゾーンAの外筒4aのみを回転させてもよい。
それぞれの外筒4,4aの回転速度、回転時間等はスクリュープレス1の能力や原液性状に応じて予め定める。
なお、外筒4が固定されているスクリュープレス1については、このフローを省略する。
【0025】
G.ろ過圧力比較
外筒4を回転させた後のスクリュープレス1のろ過室7内のろ過圧力P3と予め定めた基準ろ過圧力P0とを比較する。制御装置37で比較した結果、ろ過圧力P3が基準ろ過圧力P0より小さい(P3<P0)場合は、フローチャートのBへ移行し、原液供給ポンプ33での原液供給を再開する。
ろ過圧力P3が基準ろ過圧力P0以上(P0≦P3)を維持する場合は、フローチャートのHへ移行する。
【0026】
H.スクリュー軸回転(正転)
予め定めた所定の回転数でスクリュー軸6を回転し、ろ過室7内の原液を排出側に搬送するとともに排出口28から脱水ケーキを排出する。
スクリュー軸6の回転速度および回転時間等はスクリュープレス1の能力や原液性状に応じて予め定める。
スクリュー軸6が所定の回転で運転を行った後、フローチャートのIへ移行する。
【0027】
I.ろ過圧力比較
スクリュー軸6を回転させた後のスクリュープレス1のろ過室7内のろ過圧力P4と予め定めた基準ろ過圧力P0とを比較する。制御装置37で比較した結果、ろ過圧力P4が基準ろ過圧力P0以上(P0≦P4)を維持する場合は、フローチャートのHへ移行し、スクリュー軸6の回転を継続する。
ろ過圧力P4が基準ろ過圧力P0より小さい(P4<P0)場合は、フローチャートのJへ移行し、フローチャートHで回転させたスクリュー軸6の回転数を比較する。
【0028】
J.スクリュー軸回転数比較
フローチャートHで回転させたスクリュー軸6の回転数Nと予め定めた基準回転数N0とを比較する。制御装置37で比較した結果、スクリュー軸6の回転数Nが基準回転数N0より多い(N0<N)場合は、フローチャートのBへ移行する。
スクリュー軸6の回転数Nが基準回転数N0以下(N≦N0)の場合は、フローチャートのKへ移行する。
【0029】
K.外筒回転・スクリュー軸逆回転
ろ過室7内の原液を排出側に搬送して脱水ケーキを排出した結果、ろ過室7内の圧密された原液を崩す恐れがあるため、スクリュー軸6の逆転あるいは外筒4の正転を組み合わせて行い、ろ過室7内で一方から圧密されている原液を供給側に搬送することで圧密度を向上させる。外筒4はろ過・脱水ゾーンBの外筒4bのみを回転させてもよい。
また、スクリュー軸6の逆転、外筒4の回転についての開始、回転速度および回転時間等もスクリュープレス1の能力や原液性状に応じて予め定める。
なお、外筒4が固定されているスクリュープレス1については、外筒4の回転に関するフローを省略する。
スクリュー軸6および外筒4,4bが所定の回転で運転を行った後、フローチャートのBへ移行する。